JP2014515809A - 軸を密封するためのパッキン - Google Patents

Abstract

ケーシング固定の支持リング（４，５）に受容部を備えた、液状媒体に対して密封するためのパッキン（１）において、該パッキンを、締め付け固定要素（３）と、中間部分（６）を介して配置され、パッキンリップ（２）を備えた屈曲要素とを備えるように構成し、その際ばね（１０）を介して押圧力を生じさせる。このため、前記ばね（１０）は、無圧状態で前記ばね（１０）のための自由空間（１２）を備えるスプリングポケット（１１）としての受容溝（１１）内に形成されている。前記スプリングポケット（１１）の上方には、挿着された前記ばねのための抑止要素としての突起（１３）が前記中間部材（６）としてのダイヤフラムに配置されている。延長した前記支持リング（５）のような付設のケーシング壁（１６）に当接するほどの限界圧に達するまで圧力の作用があったときに、前記ダイヤフラム（６）はその調整角（Ψ）が変化することによって位置調整可能である。この時、前記パッキンリップ（２）を備えた前記屈曲領域に、大きくなる底部側接触角（β）が設定される。

Description

本発明は、船のプロペラ軸、インペラー軸、ラダーストックのような軸を液状媒体に対して密封するためのパッキンであって、締め付け固定要素を含み、該締め付け固定要素が取り付け空間としてのケーシング固定の付設の支持リング内に受容され、前記締め付け固定要素に接続して、ダイヤフラムとしての中間部分と、前記軸側にあって該軸に当接するパッキンリップを形成した屈曲要素とが設けられ、該屈曲要素内にして前記パッキンリップ上方に、ばねを備えた受容溝が配置されている前記パッキンに関するものである。

この種のパッキンは、船で使用するために種々の実施態様で知られている。この種の構成は特許文献１から公知である。このパッキンは、高圧が作用すると、密封エッジの幾何学的構成の適合能力と、屈曲領域の位置調整とが最適な挙動を示さないことが明らかになった。

独国特許第４１４１９９９Ｃ２号明細書

本発明の課題は、パッキンの優れた位置調整を可能にし、よって実際の状況に適合するパッキンの位置調整を改善することである。

この課題は、本発明によれば、受容溝が、無圧状態でばねのための自由空間を備えるスプリングポケットとして形成されていることによって解決される。

これにより、ばねに、パッキンを位置調整するための自由空間を付与することが可能である。

圧力作用時の密封エッジの幾何学的構成の改善を可能にするため、延長した支持リングのような付設のケーシング壁に当接するほどの限界圧に達するまで圧力の作用があったときに、ダイヤフラムはその調整角が変化することによって位置調整可能であり、パッキンリップを備えた屈曲領域で大きくなる底部側接触角を調整可能である。

これにより、圧力作用時に接触角が変化することによって、高押圧時の好ましい角度状態で接触面を形成するために比較的好適な状況を設定することができる。

さらに、自由空間がばね径の５％ないし３０％の深さを有していることを提案する。

挿着されているばねを位置固定するため、ダイヤフラムに、スプリングポケットの上方に位置するように、挿着されたばねのための抑止要素として突起が配置されていることを提案する。

パッキンの有利な接触面を形成するため、パッキンリップが、屈曲要素の丸みを帯びた端部領域によって軸に当接するように形成されていることを提案する。

さらに、少なくともパッキンリップの領域が、パッキンの他の部分の材料に比べて耐摩耗性のあるエラストマーから形成されていることを提案する。

図面には、本発明の１実施形態が図示されている。
軸に付設されるパッキンを標準圧で図示したものである。 高圧での図１に対応する図である。

図示したパッキン１は、エラストマーのようなゴム弾性材料から形成され、少なくとも、形成されたパッキンリップ２の領域は、パッキン１の他の部分の材料よりも耐摩耗性のあるエラストマーから形成されている。

パッキン１は、ケーシング固定の金属製支持リング４，５内に公知の態様で液密に締め付け固定されている上部締め付け固定要素３を有している。パッキン１の締め付け固定部分３には、中間部分６がダイヤフラムとして接続し、該中間部分は水平線（軸７）に対し調整角としての角度Ψを成して形成されている。

中間部分６は、パッキンの、密封される軸７側にある屈曲領域８と結合され、その端部領域とともに、底部側の接触角βで軸７上に載置されているパッキンリップ２を形成している。この構成では、パッキンリップ２は、パッキン１の屈曲領域８の丸みを帯びた端部領域９によって形成されている。

軸７に対するパッキンリップ２の押圧力を形成するため、パッキン１の屈曲領域８の弾性復帰要素以外に、付設のばね１０が設けられている。径Ｄを備えたばね１０はスプリングポケットとしての受容溝１１内に受容され、その際に形成される自由空間１２を有している。自由空間１２は、パッキン１の屈曲領域８のフレキシブルな調整を可能にする自由空間深さｔを有している。ばね１０を位置固定するため、受容溝１１の上方には、拘束要素としての突起１３が中間部分６としてのダイヤフラムに配置されている。自由空間深さはばね径Ｄの好ましくは１５％である。

このような配置構成により、軸７に対するパッキンリップ２の底部側接触角βを、圧力作用の際に大きくさせて、フレキシブルに調整し、密封面積を小さくさせることで、好ましい接触幅が生じる。

密封すべき媒体の所定限界圧に達した時にパッキン１の調整角Ψを制限するため、壁１６がケーシングに固定して配置されている。このため、密封すべき媒体とは逆の側にある支持リング５が延長されて、半径方向において軸表面の領域まで延びている部分１４を有し、他方密封すべき媒体側にある支持リングは、突出部１５でもって終わっている。

Claims (6)

1. 船のプロペラ軸、インペラー軸、ラダーストックのような軸を液状媒体に対して密封するためのパッキンであって、締め付け固定要素を含み、該締め付け固定要素が取り付け空間としてのケーシング固定の付設の支持リング内に受容され、前記締め付け固定要素に接続して、ダイヤフラムとしての中間部分と、前記軸側にあって該軸に当接するパッキンリップを形成した屈曲要素とが設けられ、該屈曲要素内にして前記パッキンリップ上方に、ばねを備えた受容溝が配置されている前記パッキンにおいて、
   前記受容溝が、無圧状態で前記ばね（１０）のための自由空間（１２）を備えるスプリングポケット（１１）として形成されていることを特徴とするパッキン。
2. 延長した前記支持リング（５）のような付設のケーシング壁（１６）に当接するほどの限界圧に達するまで圧力の作用があったときに、前記ダイヤフラム（６）はその調整角（Ψ）が変化することによって位置調整可能であることを特徴とする、請求項１に記載のパッキン。
3. 前記自由空間（１２）がばね径（Ｄ）の５％ないし３０％の深さ（ｔ）を有していることを特徴とする、請求項１または２に記載のパッキン。
4. 前記ダイヤフラム（６）に、前記スプリングポケット（１１）の上方に位置するように、挿着された前記ばね（１０）のための抑止要素として突起（１３）が配置されていることを特徴とする、請求項１から３までのいずれか一つに記載のパッキン。
5. 前記パッキンリップ（２）が、前記屈曲要素（８）の丸みを帯びた端部領域（９）によって前記軸（７）に当接するように形成されていることを特徴とする、請求項１から４までのいずれか一つに記載のパッキン。
6. 少なくとも前記パッキンリップ（２）の領域が、前記パッキン（１）の他の部分の材料に比べて耐摩耗性のあるエラストマーから形成されていることを特徴とする、請求項１から５までのいずれか一つに記載のパッキン。

Images