JP2014508059A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

樹脂基材2の少なくとも一方面に第1の層3が積層されており、第1の層3の樹脂基材2に積層されている面と反対側の面に第2の層4が積層されており、第1の層3が(メタ)アクリル樹脂とシラン化合物とを含有する第1の有機無機ハイブリッド層であり、第2の層4が式(1)で表される少なくとも1つのエポキシ基を含有するシラン化合物(A)と、式(2)で表されるアルミニウムアルコキシド(B)と、式(3)で表される4官能シラン化合物(C)とを含む組成を用いて加水分解、縮合した溶液からなる組成物を硬化して得られる第2の有機無機ハイブリッド層である積層体1。
Si(R1)(OR2)4−p ・・・式(1)
Al(OR3) ・・・式(2)
Si(OR4) ・・・式(3)

Description

本発明は、樹脂からなる基材上に表面層が積層されている積層体に関し、より詳細には、耐擦傷性に優れた表面層を有する積層体に関する。
ポリ(メタ)アクリレート樹脂又はポリカーボネート樹脂は、成形加工性に優れている。また、ポリ(メタ)アクリレート樹脂又はポリカーボネート樹脂により形成された樹脂成形品は、ガラスと比較して軽い。このため、上記樹脂成形品は、眼鏡、コンタクトレンズ又は光学装置用レンズ等に広く用いられている。特にポリカーボネート樹脂により形成された樹脂成形品は耐衝撃性に優れており、大型の樹脂成形品に好適に用いられている。例えば、ポリカーボネート樹脂により形成された樹脂成形品は、自動車のヘッドランプレンズ、バイクのフード、又は自動車、電車もしくは新幹線などの窓材料として実用化されている。
しかしながら、上記樹脂成形品は、ガラスに比べると表面の硬度が低い。このため、運搬時、部品の取り付け時もしくは使用中に上記樹脂成形品に傷が付きやすい。また、上記樹脂成形品の耐久性は低い。
従って、上記樹脂成形品の表面の硬度を高くすることが求められている。従来、硬度を高めるために、上記樹脂成形品の表面に、硬度が高い表面層が形成されている。
上記表面層の形成材料の一例として、下記の特許文献1には、多官能性アクリレート単量体と、コロイド状シリカと、アクリルオキシ官能性シランと、光重合開始剤とを含有する表面層形成用組成物が開示されている。特許文献1の実施例では、上記アクリルオキシ官能性シランとして、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランが用いられている。
また、下記の特許文献2には、紫外線硬化樹脂と、シロキサン化合物である表面改質剤とを含有する表面層形成用組成物が開示されている。上記紫外線硬化樹脂の具体例としては、アクリロイル基を分子中に2個以上有するアクリルオリゴマー、及びコロイダルシリカが結合されたアクリルモノマー又はオリゴマーが挙げられている。上記シロキサン化合物の具体例としては、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリエーテル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合体、及びポリエステル変性ジメチルポリシロキサンが挙げられている。
また、下記の特許文献3には、樹脂成形品の表面に、プライマー層が形成された後、該プライマー層の表面にトップコート層が形成された被覆樹脂成形品が開示されている。上記プライマー層の形成材料として、熱可塑性アクリルポリマーが用いられている。上記トップコート層の形成材料として、コロイド状シリカが充填されたオルガノポリシロキサンが用いられている。
特開昭57−131214号公報 特開2003−338089号公報 特公平04−002614号公報
上記特許文献1,2に記載の表面層形成用組成物を用いて、上記樹脂成形品の表面に表面層を形成した場合、表面層の硬度が充分に高くならないことがある。
上記特許文献3では、表面の硬度を高めるために、プライマー層が形成された後、トップコート層が形成されている。従って、表面層により被覆された樹脂成形品の製造効率が低い。また、上記プライマー層の形成材料及び上記トップコート層の形成材料により表面層を形成した場合でも、表面層の硬度が充分に高くならないことがある。さらに、上記トップコート層の形成材料は、硬化に長時間を要するという問題がある。
本発明の目的は、耐擦傷性に優れた表面層を有する積層体及びその製造方法を提供することにある。
本発明のある広い局面によれば、樹脂基材と、前記樹脂基材の少なくとも一方の表面に積層された第1の層と、前記第1の層の前記樹脂基材に積層された面とは反対側の面に積層された第2の層とを備え、前記第1の層が、(メタ)アクリル樹脂とシラン化合物とを含有する第1の有機無機ハイブリッド層であり、前記第2の層が、式(1)で表される少なくとも1つのエポキシ基を含有するシラン化合物と、式(2)で表されるアルミニウムアルコキシド、式(3)で表される4官能シラン化合物とを含む組成物を用いて加水分解・縮合した溶液を硬化して得られる第2の有機無機ハイブリッド層である積層体が提供される。
Si(R1)(OR2)4−p ・・・式(1)
R1はエポキシ基を有する炭素数1〜30の有機基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基を表し、pは1又は2を表す。pが2であるとき、複数のR1は同一であってもよく、異なっていてもよい。複数のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
Al(OR3) ・・・式(2)
R3は炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数のR3は同一であってもよく、異なっていてもよい。
Si(OR4) ・・・式(3)
R4は炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数のR4は同一であってもよく、異なっていてもよい。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記第1の層が、少なくとも下記式(4)で表されるシラン化合物を加水分解・縮合させて得られた無機ポリマーと、水溶性多官能(メタ)アクリレートと、活性エネルギー線重合開始剤とを含む、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化して得られた硬化物からなる。
Si(R5)(OR6)4−p ・・・式(4)
上記式(4)中、R5は重合性二重結合を有する炭素数1〜30の有機基を表し、R6は炭素数1〜6のアルキル基を表し、pは1又は2を表す。pが2であるとき、複数のR5は同一であってもよく、異なっていてもよい。複数のR6は同一であってもよく、異なっていてもよい。
本発明に係る他の特定の局面では、前記水溶性多官能(メタ)アクリレートが、下記式(5)で表されるオキシアルキレン変性グリセリン(メタ)アクリレート、又は下記式(6)で表されるアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートである。
Figure 2014508059
上記式(5)中、R7はエチレン基又はプロピレン基を表し、R8は水素又はメチル基を表し、R9は水素又はメチル基を表し、x、y及びzの合計は6〜30の整数を表す。複数のR7、R8及びR9はそれぞれ、同一であってもよく、異なっていてもよい。
Figure 2014508059

上記式(6)中、R10は水素又はメチル基を表し、R11はエチレン基又はプロピレン基を表し、pは1〜25の整数を表す。
本発明に係るさらに別の特定の局面では、前記積層体は、前記第1の層を前記樹脂基材上に塗布後、活性エネルギー線の照射により、水溶性多官能(メタ)アクリレート及び上記式(4)で示される重合性二重結合を有するシラン化合物の二重結合部分をラジカル重合させることにより硬化をさせた後、第2の層を形成するための前記組成物を塗布し熱により第1の層及び第2の層に含有する金属アルコキシドのアルコキシ基を加水分解・縮合重合させることにより硬化をさせることによって得られる。
本発明に係るさらに他の特定の局面では、前記第2の層が、前記シラン化合物の加水分解・縮合溶液に加え、さらにシリコーン系界面活性剤を含有する溶液を硬化して得られる有機無機ハイブリッド層である。
本発明に係るさらに別の特定の局面では、前記第1の層は、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤のうち少なくとも一方をさらに含有する。より好ましくは、上記紫外線吸収剤としてヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が用いられる。
本発明に係る積層体の製造方法は、前記樹脂基材の少なくとも一方の表面に(メタ)アクリル樹脂とシラン化合物とを含有する第1の組成物を塗工する工程と、活性エネルギー線の照射により第1の組成物を硬化させ、第1の層を形成する硬化工程と、前記式(1)で表される少なくとも1つのエポキシ基を含有するシラン化合物と、前記式(2)で表されるアルミニウムアルコキシド、前記式(3)で表される4官能シラン化合物とを含む第2の組成物を第1の層上に塗工する工程と、加熱により第2の組成物に含有されているアルコキシ基を加水分解・縮合重合させることにより第2の組成物を硬化させ、第2の層を形成する工程とを備える。好ましくは、前記第1の層がアルコキシ基およびシラノール基を有する無機ポリマー構成成分を含む有機無機ハイブリッド層であり、前記第2の層を形成すると同時に前記第1の層に含まれる無機ポリマー構成成分のアルコキシ基及びシラノール基を加水分解・縮合重合させて更に硬化させる工程とを備える。その場合には、第1の層を活性エネルギー線にて硬化させた後に残存している金属アルコキシドのアルコキシ基およびシラノール基と、第2の層の金属アルコキシドのアルコキシ基およびシラノール基は加熱硬化に際し、界面部分で縮合共重合するので、それによって第1の層と第2の層との密着強度を効果的に高めることができる。より好ましくは、第1の層形成用組成物として前記式(4)で表されるシラン化合物、前記水溶性多官能(メタ)アクリレート及び活性エネルギー線重合開始剤を含む組成物が用いられる。
本発明に係る積層体では、樹脂基材の表面に上記第1の有機無機ハイブリッド層からなる第1の層及び上記特定の組成物の硬化により形成された第2の有機無機ハイブリッド層が積層されているため、第1及び第2の層により表面の耐擦傷性を効果的に高めることができる。また、耐候性も高めることができ、太陽光等に晒されたとしても、透明度の劣化が生じ難い積層体を提供することが可能となる。
本発明の製造方法によれば、上記のように表面の耐擦傷性に優れ、かつ耐候性に優れた積層体を提供することが可能となる。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る積層体を示す斜視図及び正面断面図である。 図2(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る積層体の製造方法を説明するための各正面断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
図1(a)及び(b)に、本発明の一実施形態に係る積層体を斜視図及び正面断面図で示す。
図1(a)及び(b)に示すように、積層体1は、樹脂基材2と、該樹脂基材2の表面2aに積層された第1の層3と、第1の層3が樹脂基材2に積層された一方の面3aとは反対側の他方の面3bに積層された第2の層4とを有する。積層体1は、表面層として、第1,第2の層3,4を有する。
第1の層3は、樹脂基材2の一方の主面の全領域に積層されている。ただし、第1の層3は、樹脂基材2の少なくとも一部の領域に積層されていてもよく、樹脂基材2の表面の全領域に必ずしも積層されていなくてもよい。 例えば、樹脂基材2の表面2aの耐擦傷性が求められる領域のみに、表面層として第1,第2の層3,4が積層されていてもよい。さらに、樹脂基材2の両側の主面に、表面層として第1,第2の層3,4が積層されていてもよい。
樹脂基材2は、樹脂を用いて形成されている。樹脂基材2を形成する樹脂は特に限定されない。樹脂基材2を形成する樹脂としては、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ABSなどのスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂及び酢酸セルロース等が挙げられる。なかでも、ポリ(メタ)アクリレート樹脂又はポリカーボネート樹脂が好ましく、ポリカーボネート樹脂がより好ましい。ポリ(メタ)アクリレート樹脂又はポリカーボネート樹脂は、成形加工性に優れている。また、ポリ(メタ)アクリレート樹脂又はポリカーボネート樹脂により形成された樹脂基材は、ガラスと比較して軽い。ポリカーボネート樹脂により形成された樹脂基材は耐衝撃性に優れている。従って、樹脂基材2は、ポリ(メタ)アクリレート樹脂基材又はポリカーボネート樹脂基材であることが好ましく、ポリカーボネート樹脂基材であることがより好ましい。
樹脂基材2の形状は特に限定されず、板状又はフィルム状などを選択できる。
第1の層3は樹脂基材2と第2の層4の密着性を高める目的で設けられているため、密着性を高めるために第1の層3の厚みは適宜設定できる。第1の層3の厚みの好ましい下限は1μm、好ましい上限は20μmである。耐擦傷性を充分に高める観点からは、第2の層4の厚みの好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は20μmである。
次に、本発明の特徴的構成である第1の層及び第2の層からなる表面層の詳細を説明する。
(第1の層)
本発明における上記第1の層は、(メタ)アクリル樹脂とシラン化合物とを含有する第1の有機無機ハイブリッド層である。(メタ)アクリル樹脂とシラン化合物とを含有する有機無機ハイブリッド材料からなる限り、第1の層を構成する材料は特に限定されるものではない。
もっとも、好ましくは、第1の層は、少なくとも式(4)で表されるシラン化合物を加水分解・縮合させて得られた無機ポリマー構成成分と、水溶性多官能(メタ)アクリレートと、活性エネルギー線重合開始剤とを含む第1の組成物を硬化して得られた硬化物からなる。すなわち、第1の組成物は、活性エネルギー線硬化型組成物である。
上記「無機ポリマー構成成分」とは、無機ポリマーを得る際に用いられる成分であって、得られた無機ポリマーの骨格の一部を構成する成分を意味する。
上記無機ポリマーは、下記式(4)で表されるシラン化合物を含む無機ポリマー構成成分を加水分解縮合させて得られた無機ポリマーである。
Si(R5)(OR6)4−p ・・・式(4)
上記式(4)中、R5は重合性二重結合を有する炭素数1〜30の有機基を表し、R6は炭素数1〜6のアルキル基を表し、pは1又は2を表す。pが2であるとき、複数のR5は同一であってもよく、異なっていてもよい。複数のR6は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(4)中のR5の重合性二重結合としては、炭素−炭素二重結合が挙げられる。
上記式(4)中のR5の具体例としては、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、又は3−(メタ)アクリロキシアルキル基等が挙げられる。上記「(メタ)アクリロキシ」とは、メタクリロキシ又はアクリロキシを意味する。
上記(メタ)アクリロキシアルキル基としては、(メタ)アクリロキシメチル基、(メタ)アクリロキシエチル基又は(メタ)アクリロキシプロピル基等が挙げられる。なかでも、R5は(メタ)アクリロキシアルキル基であることが好ましい。R5の炭素数の好ましい下限は2、好ましい上限は30、より好ましい上限は10である。
上記式(4)中のR6の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基又はイソブチル基等が挙げられる。
上記式(4)で表されるシラン化合物の具体例としては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、又は3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。上記式(4)で表されるシラン化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機ポリマー構成成分は、上記式(4)で表される化合物以外の他の化合物を含有してもよい。例えば4官能シラン化合物であるテトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)などや、3官能シラン化合物であるメチルトリメトキシシラン(MeTS)、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシランや2官能シラン化合物であるジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソブチルジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどが挙げられる。上記他の化合物は、第1の層3及び第1の層3を含む表面層の透明性及び耐擦傷性を低下させない範囲で、上記式(4)で表される化合物と共重合、又はグラフト重合していてもよい。
上記式(4)で表される化合物を含む無機ポリマー構成成分に、溶媒又は水と触媒等とを加えて、ゾル−ゲル法により無機ポリマー構成成分を加水分解縮合させた反応溶液から、溶媒、水及び縮合により生じたアルコール類等を除去することにより、無機ポリマーを得ることができる。
上記溶媒は、上記式(4)で表される化合物を溶解する溶媒であれば、特に制限されない。上記溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール及びイソプロパノールなどのアルコール溶剤、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン及びジエチルエーテルなどのエーテル溶剤、ベンゼン、トルエン及びn−ヘキサンなどの炭化水素溶剤、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノンなどのケトン溶剤、並びに酢酸エチル及び酢酸ブチルなどのエステル溶剤等が挙げられる。上記溶媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、溶媒の揮発が容易であるため、低沸点溶剤が好ましい。上記低沸点溶剤として、メタノール、エタノール、n−プロパノールもしくはイソプロパノール等のアルコール溶剤を用いることが好ましい。
加水分解反応に用いる水は、上記式(4)で表される化合物のアルコキシ基を水酸基に変換するために添加される。上記加水分解反応に用いる水は、上記アルコキシ基のモル数に対して、0.1〜10倍当量となるように添加されることが好ましい。上記加水分解反応に用いる水の添加量が少なすぎると、加水分解反応及び縮合反応が十分に進まず、無機ポリマーが得られないことがある。上記加水分解反応に用いる水の添加量が多すぎると、無機ポリマーがゲル化することがあるため、反応時間及び反応温度を最適に調整する必要がある。
上記触媒の具体例としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜硝酸、過塩素酸及びスルファミン酸等の無機酸、並びにギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、乳酸、パラトルエンスルホン酸及びアクリル酸等の有機酸が挙げられる。なかでも、加水分解反応及び縮合反応を制御しやすいことから、上記触媒は、塩酸、硝酸又は酢酸であることがより好ましい 。
上記活性エネルギー線硬化型組成物に含まれている水溶性多官能(メタ)アクリレートは、水溶性を有し、かつ2以上の(メタ)アクリロイル基を有していれば特に限定されない。水溶性多官能(メタ)アクリレートは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記(メタ)アクリロイルは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。上記(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
上記水溶性多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、又はペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、上記水溶性多官能(メタ)アクリレートとしては、下記式(5)で表されるオキシアルキレン変性グリセリン(メタ)アクリレート、又は下記式(6)で表されるアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記水溶性多官能(メタ)アクリレートは、下記式(5)で表されるオキシアルキレン変性グリセリン(メタ)アクリレート、又は下記式(6)で表されるアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートであることが好ましい。これらの好ましい水溶性多官能(メタ)アクリレートの使用により、第1の層3及び第1の層3を含む表面層の耐擦傷性をより一層高めることができる。
Figure 2014508059
上記式(5)中、R7はエチレン基又はプロピレン基を表し、R8は水素又はメチル基を表し、R9は水素又はメチル基を表し、x、y及びzの合計は6〜30の整数を表す。複数のR7、R8及びR9はそれぞれ、同一であってもよく、異なっていてもよい。
Figure 2014508059

上記式(6)中、R10は水素又はメチル基を表し、R11はエチレン基又はプロピレン基を表し、pは1〜25の整数を表す。
上記水溶性多官能(メタ)アクリレートは、アルキレングリコール単位を3以上有することが好ましく、6以上有することがより好ましく、さらに9以上有することがより好ましい。上記アルキレングリコール単位が多いほど、第1の層3及び第1の層3を含む表面層の耐擦傷性がより一層高くなる。
活性エネルギー線硬化型組成物中の上記無機ポリマーと上記水溶性多官能(メタ)アクリレートとの重量比は特に限定されない。ただし、水溶性多官能(メタ)アクリレートの含有量が多すぎると、第1の層3と第2の層4との密着性が低下し、耐擦傷性が低くなる傾向がある。従って、活性エネルギー線硬化型組成物中、上記無機ポリマーと上記水溶性多官能(メタ)アクリレートとの重量比(無機ポリマー:水溶性多官能(メタ)アクリレート)は、5:95〜90:10であることが好ましく、10:90〜60:40であることがより好ましい。
上記水溶性多官能(メタ)アクリレートは、上記無機ポリマー構成成分をゾルーゲル法により加水分解及び縮合反応により重合し、溶媒及び水等を除去した後に添加されてもよく、上記無機ポリマー構成成分を重合した直後に添加されてもよい。
上記活性エネルギー線硬化型組成物に含まれる活性エネルギー線重合開始剤は特に限定されない。活性エネルギー線重合開始剤は、活性エネルギー線の照射により、ラジカルを発生させる光重合開始剤であることが好ましい。上記光重合開始剤として、一般に市販されている光重合開始剤を用いることができる。
上記光重合開始剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物又はホスフィンオキサイド化合物等が挙げられる。上記光重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ベンゾイン化合物としては、ベンゾイン、ベンゾイメチルエーテル、ベンゾイエチルエーテル、ベンゾイプロピルエーテル又はベンゾイイソブチルエーテル等が挙げられる。
上記アセトフェノン化合物としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、又は2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
上記アントラキノン化合物としては、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン又は2−アミルアントラキノン等が挙げられる。
上記チオキサントン化合物としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン又は2−クロロチオキサントン等が挙げられる。
上記ケタール化合物としては、アセトフェノンジメチルケタール又はベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
上記ベンゾフェノン化合物としては、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド又は4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
上記ホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
光の照射後の黄変を抑制する観点からは、上記光重合開始剤は、アセトフェノン化合物又はホスフィンオキサイド化合物であることが好ましい。光の照射後の黄変をより一層抑制する観点からは、上記光重合開始剤は、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド又はビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイドであることが好ましく、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン又は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンであることがより好ましい。
上記活性エネルギー線重合開始剤の含有量は、上記活性エネルギー線硬化型組成物中に含まれる成分の重合性二重結合の種類及びモル数、紫外線などの活性エネルギー線の照射エネルギーによって適宜調整できる。上記無機ポリマー、上記水溶性多官能(メタ)アクリレート及び上記活性エネルギー線重合開始剤の合計100重量%中、上記活性エネルギー線重合開始剤の含有量は0.5〜20重量%の範囲内であることが好ましい。上記活性エネルギー線重合開始剤の含有量の好ましい下限は2重量%、好ましい上限は15重量%である。上記活性エネルギー線重合開始剤の含有量が少なすぎると、重合反応が十分に進行しないために、第1の層3及び第1の層3を含む表面層の耐擦傷性が低くなる傾向がある。上記活性エネルギー線重合開始剤の含有量が多すぎると、紫外線などの活性エネルギー線の照射時、又は積層体1の使用時の紫外線等により、第1の層3及び第1の層3を含む表面層が割れてクラックが生じたり、分解物が表面にブリードアウトしたりして、外観不良が生じることがある。
上記活性エネルギー線硬化型組成物は、上記無機ポリマーと、上記水溶性多官能(メタ)アクリレートと、上記活性エネルギー線重合開始剤と、必要に応じて配合される他の成分とを混合することにより得られる。
(第2の層)
第2の層は、式(1)で表される少なくとも1つのエポキシ基を含有するシラン化合物(A)と、式(2)で表されるアルミニウムアルコキシド(B)と、式(3)で表される4官能シラン化合物(C)とを含む第2の層形成用の第2の組成物を用い、加水分解・縮合してなる溶液を硬化して得られた第2の有機無機ハイブリッド層である。
Si(R1)(OR2)4−p ・・・式(1)
R1はエポキシ基を有する炭素数1〜30の有機基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基を表し、pは1又は2を表す。pが2であるとき、複数のR1は同一であってもよく、異なっていてもよい。複数のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
Al(OR3) ・・・式(2)
R3は炭素数1〜6のアルキル基を表し、数のR3は同一であってもよく、異なっていてもよい。
Si(OR4) ・・・式(3)
R4は炭素数1〜6のアルキル基を表し、数のR4は同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(1)で表されるシラン化合物(A)としては、式(1)で表される限り、特に限定されず、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることかできる。好ましくは、高い耐擦傷性が得られるため、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)又は3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが用いられる。
また、上記式(2)で表されるアルミニウムアルコキシド(B)についても、式(2)を満たす限り特に限定されず、例えば、アルミニウム sec−ブトキシド(ASB)、アルミニウム イソプロポキシド等を挙げることができる。
上記式(3)で表される4官能シラン化合物(C)は、加水分解性を有し、架橋剤として作用する。このような4官能シラン化合物(C)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等を挙げることができる。
上記第2の層を形成するのに用いられる上記第2の組成物における上記式(1)で表されるシラン化合物(A)、式(2)で表されるアルミニウムアルコキシド(B)、式(3)で表される4官能シラン化合物(C)の配合割合については特に限定されないが、式(1)で表されるシラン化合物(A)1モルに対し、上記アルミニウムアルコキシド(B)を0.11〜0.53モルの範囲とすることが望ましい。アルミウニウムアルコキシド(B)の含有割合が、この範囲内であれば、式(1)で表されるシラン化合物(A)のエポキシ基を効果的に開環重合させてエチレンオキサイドオリゴマーを合成することができるので、高い耐擦傷性が得られるため好ましい。
また、上記架橋剤として作用する4官能シラン化合物(C)の含有割合は、上記式(1)で表されるシラン化合物(A)1モルあたり、0.26〜1.5モルの範囲であることが好ましい。この範囲内の場合には、加水分解及び縮合をより効果的に進めることができ、耐擦傷性をより一層高めることができる。
本発明では、上記第2の層を構成する上記第2の組成物は、好ましくは、さらに、酸(D)含む。酸(D)は特に限定されないが、例えば、硝酸、塩酸、酢酸等を挙げることができる。
上記酸(D)の含有割合は特に限定されず、上記酸(D)の種類によって適宜好ましい割合で添加することができるが、組成物のpHが1〜3の範囲にすることが好ましく、更に架橋剤(C)に対して0.02〜0.08のモル比で添加することが好ましい。この含有割合範囲内の場合には、組成物の貯蔵安定性を高めることができる。
また、上記第2の層を形成するための第2の組成物は、好ましくは、非反応性シリコーン化合物の形態の少なくとも1種の界面活性剤(E)を含有することが好ましい。このような界面活性剤(E)としては、特に限定されないが、例えば、BYK−Chemie社製、品番:BYK346を挙げることができる。この界面活性剤の含有割合は、第2の層を形成する組成物中、0.1〜1.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5重量%である。上記界面活性剤(E)の含有割合がこの範囲内にあることにより、第2の層の表面平滑性を向上させることができ、透明度や外観品質を高めることができる。
さらに、上記第2の層を形成するための第2の組成物には、加水分解をおこさせるために、適量の水を加えることが望ましい。
上記第2の層を形成するための組成物を加水分解及び縮合させ、この溶液を硬化することにより第2の層を形成することができる。
第1の層及び第2の層を形成する工程の詳細は後程詳述することとする。
(積層体の製造)
次に、図2(a)〜(c)を参照して、本発明の積層体の製造方法の一実施形態を説明する。
図2(a)に示すように、樹脂基材2の表面2aに、第1の組成物を塗布し、第1の組成物層11を形成する。
その後、図2(b)に示すように、第1の組成物層11に活性エネルギー線を照射することにより、第1の組成物層11を硬化させる。活性エネルギー線の照射により、光硬化した第1の組成物層11Aを形成する。
第1の組成物層11に活性エネルギー線を照射すると、例えば、活性エネルギー線重合開始剤が分解してラジカルを生じ、上記水溶性多官能(メタ)アクリレートと、上記式(4)で表されるシラン化合物に由来する無機ポリマーの重合性二重結合とが第1の重合反応を起こし、架橋が進行する。
第1の組成物層11を硬化させる際に照射する活性エネルギー線には、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線、赤外線及び可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のなかでも、硬化性に優れ、かつ硬化物が劣化し難いため、紫外線又は電子線が好ましい。
第1の組成物層11を紫外線の照射により硬化させるために、種々の紫外線照射装置を用いることができる。光源として、キセノンランプ、高圧水銀灯又はメタルハライドランプ等を使用できる。紫外線の照射エネルギーは、10〜10,000mJ/cmの範囲内にあることが好ましく、100〜5,000mJ/cmの範囲内にあることがより好ましい。紫外線の照射エネルギーが低すぎると、第1の組成物層11が硬化しにくく、第1の層3及び第1の層3を含む表面層の耐擦傷性が低かったり、密着性が悪くなる傾向がある。紫外線の照射エネルギーが高すぎると、第1の層3及び第1の層3を含む表面層が劣化したり、第1の層3及び第1の層3を含む表面層の透明性が低下したりすることがある。
第1の組成物層11を電子線の照射により硬化させるために、種々の電子線照射装置を用いることができる。電子線の照射エネルギーは、0.5〜20Mradの範囲内にあることが好ましく、1.0〜10Mradの範囲内にあることがより好ましい。電子線の照射エネルギーが低すぎると、第1の組成物層11が硬化しにくく、第1の層3及び第1の層3を含む表面層の耐擦傷性が低くなる傾向がある。電子線の照射エネルギーが高すぎると、第1の層3及び第1の層3を含む表面層が劣化したり、第1の層3及び第1の層3を含む表面層の透明性が低下したりすることがある。
次に、図2(c)に示すように、光硬化した第1の組成物層11Aの樹脂基材2が積層された一方の面11aとは反対側の他方の面11bに、第2の組成物を塗布し、第2の組成物層12を形成する。
第2の組成物層12を形成する際の光硬化した第1の組成物層11Aの硬化の状態は、光硬化した第1の組成物層11Aと第2の組成物層12との層間が乱れない程度に硬化していればよい。光硬化した第1の組成物層11Aの架橋が十分に進行していると、得られる積層体の表面層の耐擦傷性が高くなる。
次に、光硬化した第1の組成物層11A及び第2の組成物層12を加熱することにより、第1の組成物11Aをさらに硬化し、かつ第2の組成物層12を硬化させる。すなわち、この加熱による焼成によって、光硬化していた第1の組成物11Aに含まれている、光架橋した無機ポリマーがさらに縮合し、第2の縮合反応が進行する。それによって、光硬化していた第1の組成物層11Aがさらに硬化する。そのため、非常に高い硬度を有する第1の層3を形成することができる。また、上記加熱により、第2の組成物層12が硬化し、非常に硬い第2の層4を形成する。
さらに、焼成の際に、光硬化していた第1の組成物層11A中に含まれている光架橋している無機ポリマーが、第2の組成物層12に含まれているアルコキシ基やシラノール基とも縮合する。そのため、第1の層3と、第2の層4との密着性を効果的に高めることができる。それによって、第1の層3及び第2の層4からなる表面層の耐擦傷性をより一層高めることが可能とされている。
次に、光硬化していた第1の組成物層11Aと第2の組成物層12とを加熱により硬化させる際の温度については、特に限定されず、樹脂基材の耐熱性を考慮して決めることができる。好ましくは、50℃〜200℃の範囲内である。また、加熱時間すなわち硬化時間については、0.4時間〜4時間の範囲であることが望ましい。
上記のように硬化された第2の層の厚みは特に限定されないが、1μm〜20μmであり、より好ましくは2μm〜10μmである。この範囲内の膜厚であれば、耐擦傷性に非常に優れた第2の層を容易に形成することができる。
また、優れた耐擦傷性を実現するには、第1の層と第2の層の厚みの比は、特に限定されず、要求される品質に応じて変更することができる。
上記第2の層の形成方法の具体的な一例を以下に示す。
上記シラン化合物(A)と、上記アルミニウムアルコキシド(B)とを混合する。アルミニウムアルコキシドについては、予め、アルコールにより希釈し、70〜90重量%の範囲の濃度の溶液としておくことが望ましい。
次に、上記混合物に水を添加する。水の添加量については、焼成される溶液が10〜40重量%の固体濃度を有するように決定すればよい。次に、上記混合物を50〜80℃の温度で撹拌することにより、上記混合物をスラリーとする。このスラリーは、撹拌により次第に半透明になり、0.5〜2時間後には透明なゾルとなる。
次にpHを1〜3の範囲内に調整するために、酸(D)を上記ゾルに添加する。さらに、架橋剤として作用する上記4官能シラン化合物(C)を添加し、2時間〜4時間の間撹拌する。次に、界面活性剤(E)を塗工直前にゾルに添加する。安定なコーティング用溶液を得るには、上記4官能シラン化合物(C)の加水分解を触媒とし、かつ上記ゾルのpHを上記範囲内に維持するために、上記酸(D)を添加することが望ましい。なお、上記酸(D)と上記架橋剤として作用する4官能シラン化合物(C)とのモル比は、好ましくは、0.02〜0.08の範囲である。
上記第2の層を形成する上記第2の組成物の塗工方法は特に限定されず、ディッピング法、スピンコーティング法、ブラシ及びスプレーを用いた方法等の標準的なコーティング技術を用いることができる。室温で上記組成物を塗工した後、上記第2の層を形成する第2の組成物を硬化させる。好ましくは、加熱により硬化させ、加熱温度は、好ましくは50〜200℃の範囲内である。
次に、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明をより具体的に説明する。
以下の第1の層を構成するための第1の組成物M1〜M5及び第2の層を形成するための組成物N1〜N6を用意した。
(第1の組成物M1)
エタノール95.2gと、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)99.4g(0.4モル)と、メチルトリメトキシシラン(MeTS)109.0g(0.8モル)とをフラスコに添加し、混合することにより、混合液を得た。得られた混合液を0℃に冷却しながら、水30.4gにより12Nの濃塩酸8.75gを希釈した希塩酸を混合液に滴下し、10分攪拌し、室温で10分さらに攪拌し、混合溶液を得た。得られた混合溶液を、80℃に加熱し、エバポレーターにより濃縮することにより、粘稠かつ透明な無機ポリマー含有溶液125.0gを得た。
得られた無機ポリマー含有溶液に、(メタ)アクリレートとしてNKエステルA−GLY−9E(エトキシ化グリセリントリアクリレート、新中村化学工業社製)500.0g、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤として、Tinuvin400(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社)を50g、ヒンダードアミン系光安定剤としてTinuvin292を12.5g、光重合開始剤としてIrgacure651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)31.3g、及びイソプロピルアルコール625.0gを添加し、第1の組成物M1を得た。
(第1の組成物M2〜M5)
下記の表1に示すように組成を変更したことを除いては、第1の組成物M1と同様にして第1の組成物M2〜M5を作製した。
(第1の組成物M6)
下記の表1に示す組成となるように各材料を混合して第1の組成物M6を作製した。
Figure 2014508059
表1の略号の意味は以下のとおりである。
MPTS:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
MeTS:メチルトリメトキシシラン
A−GLY−9E:エトキシ化グリセリントリアクリレート、新中村化学工業社製
4EG−A:テトラエチレングリコールジアクリレート
Tinuvin400:ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社)
Tinuvin109:ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社)
Tinuvin292:ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社)
Irgacure651:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
(第2の組成物N1)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)118.2g(0.5モル)にイソプロピルアルコールで80%に希釈したアルミニウム−secブトキサイド(ASB)61.6g(0.2モル)と水206.92g(11.5モル)を加え、70℃のウォーターバス中で30分撹拌後、室温に戻した。更に10%に希釈した硝酸を8.8gを滴下した後、テトラエトキシシラン(TEOS)41.7g(0.2モル)を添加した。室温で2時間撹拌後、シリコーン系界面活性剤(BYK346 ビックケミー社製)0.38gを添加して第2の組成物N1を作製した。
(第2の組成物N2〜N6)
第2の組成物N1と同様にして、下記の表2の配合に従って第2の組成物N2〜N6を作製した。
Figure 2014508059
表2の略号の意味は以下のとおりである。
GPTS:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
Al−sec−Butoxide(80%):イソプロピルアルコールで80%に希釈したアルミニウム−secブトキサイド
TEOS:テトラエトキシシラン
HNO(10%):10%に希釈した硝酸
BYK346:シリコーン系界面活性剤
Solid:硬化後の固形分重量
上記のようにして得られた第1の組成物M1〜M5及び第2の組成物N1〜N6のいずれかを組み合わせ、以下の実施例1〜9及び比較例1〜4の各積層体を得た。
(実施例1)
市販の無色透明なポリカーボネート板(縦10cm×横10cm×厚み4mm)を用意した。このポリカーボネート板上に、スピンコーターを用いて、表1に示す第1の組成物M1を均一に塗布し、第1の組成物層を形成した。第1の組成物層を室温(25℃)で10分間乾燥した。その後、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて照射エネルギーが4000mJ/cmとなるように紫外線を、第1の組成物層に照射した。
次に、光硬化した第1の組成物層上に、スピンコーターを用いて、表1に示す第2の組成物N1を均一に塗布し、第2の組成物層を形成した。第2の組成物層を室温(25℃)で10分間乾燥した。その後、125℃のオーブン内で2時間、第2の組成物層を加熱した。このようにして、ポリカーボネート板の上面に、表面層としての第1の層及び第2の層を形成し、積層体を得た。
(実施例2〜9)
下記の表3に示すように、第1の層及び第2の層を構成する第1及び第2の組成物を変更したことを除いては、実施例1と同様にして積層体を得た。
ただし、実施例7においては、第1の組成物層に紫外線を照射した後、さらに125℃のオーブン内で2時間、第1の組成物を加熱により焼成した。その他の点については、実施例7においても実施例1と同様にして積層体を得た。
(比較例1〜4)
第1の層及び第2の層の組成を下記の表3に示すように変更したことを除いては、実施例1と同様にして積層体を得た。
(実施例及び比較例の評価)
(1)第1の層及び第2の層の厚み
ウルトラミクロトームを用いて積層体の薄片を作製した。透過型電子顕微鏡にて、得られた薄片の断面を観察をすることにより、第1の層及び第2の層の厚みを評価した。
(2)外観
焼成後の表面層の状態を目視にて確認し、下記の評価基準で評価した。
[外観の評価基準]
○:表面層が無色で均一
△:表面層にむらがあり、透視像がゆがむか、塗膜が白濁する。
×:表面層にクラックが生じている
(3)透明性の評価
JIS K7136に準拠して、ヘイズメーター(東京電色社製「TC−HIIIDPK」)により、表面層が形成されたポリカーボネート板のヘイズ値を測定した。なお、ヘイズ値が小さいほど、透明性が高いことを示す。
なお、上記表面層が形成されていない上記ポリカーボネート板のヘイズ値を測定したところ、ヘイズ値は0.2%であった。
(4)黄色度の評価
JIS K7105に準拠してカラーアナライザー(東京電色社製「TC−1800MK−II」により、黄色度ΔYIを測定した。
(5)耐擦傷性の評価
JIS R3212に準拠して、70回/分の速度で回転する水平な回転テーブルと、65±3mmの間隔で固定された円滑に回転する1対の摩耗輪とにより構成された東洋精機社製のテーバー摩耗試験機「ロータリーアブレーションテスタTS」を用いて、耐擦傷性を評価した。なお、摩耗輪はCS−10F(タイプIV)、荷重500gにおける、500サイクル試験後のヘイズと初期ヘイズとのヘイズ差(Δヘイズ%)を測定した。
なお、上記表面層が形成されていない上記ポリカーボネート板の上記ヘイズ差(Δヘイズ%)を測定したところ、ヘイズ差は48%であった。比較例2の積層体の表面層はクラックが生じたため、耐擦傷性を評価しなかった。
(6)密着性の評価
JIS K5400に準拠して、ポリカーボネート板の表面に形成された表面層に、カミソリ刃を用いて1mm間隔で縦11本及び横11本の切り目を入れて、区切られた合計100個の基盤目を形成した。基盤目が形成された表面層に、市販のセロハンテープを密着させた後、セロハンテープを表面層から90度方向に急激に剥がした。合計100個の基盤目のうちの、表面層がポリカーボネート板から剥離せずに残存している基盤目の数を数えた。
(7)耐候性の評価
スーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機社製SX75)を用いて、促進試験を行った。1000時間照射後のヘイズ値と黄色度(ΔYI)を測定した。
結果を下記の表3に併せて示す。
Figure 2014508059
1…積層体
2…樹脂基材
2a…表面
3…第1の層
3a…一方の面
3b…他方の面
4…第2の層
11…第1の組成物層
11A…光硬化した第1の組成物層
11a…一方の面
11b…他方の面
12…第2の組成物層

Claims (9)

  1. 樹脂基材と、
    前記樹脂基材の少なくとも一方の表面に積層された第1の層と、
    前記第1の層の前記樹脂基材に積層された面とは反対側の面に積層された第2の層とを備え、
    前記第1の層が、(メタ)アクリル樹脂とシラン化合物とを含有する第1の有機無機ハイブリッド層であり、
    前記第2の層が、式(1)で表される少なくとも1つのエポキシ基を含有するシラン化合物(A)と、式(2)で表されるアルミニウムアルコキシド(B)、式(3)で表される4官能シラン化合物(C)とを用いて加水分解・縮合した溶液からなる組成物を硬化して得られる第2の有機無機ハイブリッド層である積層体。
    Si(R1)(OR2)4−p ・・・式(1)
    R1はエポキシ基を有する炭素数1〜30の有機基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基を表し、pは1又は2を表す。pが2であるとき、複数のR1は同一であってもよく、異なっていてもよい。複数のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
    Al(OR3) ・・・式(2)
    R3は炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数のR3は同一であってもよく、異なっていてもよい。
    Si(OR4) ・・・式(3)
    R4は炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数のR4は同一であってもよく、異なっていてもよい。
  2. 前記第1の層が、少なくとも下記式(4)で表されるシラン化合物を加水分解・縮合させて得られた無機ポリマーと、
    水溶性多官能(メタ)アクリレートと、
    活性エネルギー線重合開始剤とを含む、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化して得られた硬化物からなる、請求項1に記載の積層体。
    Si(R5)(OR6)4−p ・・・式(4)
    上記式(4)中、R5は重合性二重結合を有する炭素数1〜30の有機基を表し、R6は炭素数1〜6のアルキル基を表し、pは1又は2を表す。pが2であるとき、複数のR5は同一であってもよく、異なっていてもよい。複数のR6は同一であってもよく、異なっていてもよい。
  3. 前記水溶性多官能(メタ)アクリレートが、下記式(5)で表されるオキシアルキレン変性グリセリン(メタ)アクリレート、又は下記式(6)で表されるアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートである、請求項2に記載の積層体。
    Figure 2014508059

    上記式(5)中、R7はエチレン基又はプロピレン基を表し、R8は水素又はメチル基を表し、R9は水素又はメチル基を表し、x、y及びzの合計は6〜30の整数を表す。複数のR7、R8及びR9はそれぞれ、同一であってもよく、異なっていてもよい。
    Figure 2014508059

    上記式(6)中、R10は水素又はメチル基を表し、R11はエチレン基又はプロピレン基を表し、pは1〜25の整数を表す。
  4. 前記第1の層を形成するための組成物を前記樹脂基材上に塗布後、活性エネルギー線の照射により、水溶性多官能(メタ)アクリレート及び上記式(4)で示される重合性二重結合を有するシラン化合物の二重結合部分をラジカル重合させることにより硬化をさせた後、第2の層形成するための前記組成物を塗布し熱により第1の層及び第2の層に含有する金属アルコキシドのアルコキシ基を加水分解・縮合重合させることにより硬化をさせることによって得られる、請求項3に記載の積層体。
  5. 前記第2の層が、前記シラン化合物の加水分解・縮合溶液に加え、さらにシリコーン系界面活性剤を含有する溶液を硬化して得られる有機無機ハイブリッド層である、請求項1に記載の積層体。
  6. 前記第1の層が、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤のうち少なくとも一方をさらに含有する、請求項1〜5に記載の積層体。
  7. 前記紫外線吸収剤がヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤である、請求項6に記載の積層体。
  8. 前記樹脂基材の少なくとも一方の表面に(メタ)アクリル樹脂とシラン化合物とを含有する第1の組成物を塗工する工程と、
    活性エネルギー線の照射により第1の組成物を硬化させ、第1の層を形成する硬化工程と、
    式(1)で表される少なくとも1つのエポキシ基を含有するシラン化合物と、式(2)で表されるアルミニウムアルコキシド、式(3)で表される4官能シラン化合物とを含む第2の組成物を第1の層上に塗工する工程と、
    加熱により第2の組成物に含有されているアルコキシ基を加水分解・縮合重合させることにより第2の組成物を硬化させ、第2の層を形成する工程とを備える、積層体の製造方法。
    Si(R1)(OR2)4−p ・・・式(1)
    Al(OR3) ・・・式(2)
    Si(OR4) ・・・式(3)
  9. 前記第1の層がアルコキシ基およびシラノール基を有する無機ポリマー構成成分を含む有機無機ハイブリッド層であり、前記第2の層を形成すると同時に前記第1の層に含まれる無機ポリマー構成成分のアルコキシ基及びシラノール基を加水分解・縮合重合させて更に硬化させる工程とを備える、積層体の製造方法。
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