JP2014237155A - アーク溶接装置、アーク溶接システム及びアーク溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スパッタの増加を抑制しながら、溶接電圧を制御できるアーク溶接装置を提供する。
【解決手段】アーク溶接装置A1は、短絡状態及びアーク状態を繰り返し発生させながら溶接を行う装置であって、溶接電圧を目標電圧から減算して差分電圧を算出する差分算出部U2と、ワークWに対する溶接ワイヤ44の前進速度及び後退速度を、差分電圧が大きくなるのに応じて前進速度の大きさに対する後退速度の大きさの比率が大きくなるように設定する速度設定部U3と、溶接ワイヤ44を上記前進速度及び上記後退速度で駆動する送給機構41とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】アーク溶接装置A1は、短絡状態及びアーク状態を繰り返し発生させながら溶接を行う装置であって、溶接電圧を目標電圧から減算して差分電圧を算出する差分算出部U2と、ワークWに対する溶接ワイヤ44の前進速度及び後退速度を、差分電圧が大きくなるのに応じて前進速度の大きさに対する後退速度の大きさの比率が大きくなるように設定する速度設定部U3と、溶接ワイヤ44を上記前進速度及び上記後退速度で駆動する送給機構41とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、アーク溶接装置、アーク溶接システム及びアーク溶接方法に関する。
ワークに対し溶接材を繰り返し前進及び後退させることで、短絡状態及びアーク状態を周期的に発生させながら溶接を行うアーク溶接装置が実用化されている。このようなアーク溶接装置においては、所望のアーク長を得るために、溶接電圧を目標電圧に合わせることが重要な課題となる。目標電圧に対し溶接電圧の乖離が大きくなると、アークが不安定となり、溶接部の品質が低下するおそれがある。この課題を解決すべく、特許文献1には、溶接電流の波形を変化させることで、溶接電圧を目標電圧に合わせるアーク溶接装置が開示されている。
しかしながら、溶接電流が急上昇又は急降下するように電流波形を変化させてしまうと、スパッタが増加するおそれがある。
そこで本発明は、スパッタの増加を抑制しながら、溶接電圧を制御できるアーク溶接装置、アーク溶接システム及びアーク溶接方法を提供することを目的とする。
本発明に係るアーク溶接装置は、短絡状態及びアーク状態を繰り返し発生させながら溶接を行う装置であって、溶接電圧値を目標電圧値から減算して差分電圧値を算出する差分算出部と、ワークに対する溶接材の前進速度及び後退速度を、差分電圧値が大きくなるのに応じて前進速度の大きさに対する後退速度の大きさの比率が大きくなるように設定する速度設定部と、溶接材を上記前進速度及び上記後退速度で駆動する駆動部とを備える。
本発明に係るアーク溶接システムは、上記アーク溶接装置と、前記駆動部を保持して移動させる溶接ロボットと、を備える。
本発明に係るアーク溶接方法は、短絡状態及びアーク状態を繰り返し発生させながら溶接を行うアーク溶接装置により実行される方法であって、溶接電圧値を目標電圧値から減算して差分電圧値を算出し、ワークに対する溶接材の前進速度及び後退速度を、差分電圧値が大きくなるのに応じて前進速度の大きさに対する後退速度の大きさの比率が大きくなるように設定し、溶接材を上記前進速度及び上記後退速度で駆動する。
本発明によれば、スパッタの増加を抑制しながら、溶接電圧を制御できる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、アーク溶接システム1は、ロボット装置A0と、アーク溶接装置A1とを備える。ロボット装置A0は、ロボット2と、ロボットコントローラ3とを有する。ロボット2は、例えばシリアルリンク型のロボットアームであり、先端部にツール装着部2aを有する。ロボット2のツール装着部2aには、後述の溶接トーチ4が装着される。ロボットコントローラ3は、溶接トーチ4を溶接対象部分に沿って移動させるように、ロボット2のアクチュエータを制御する。
図1に示すように、アーク溶接システム1は、ロボット装置A0と、アーク溶接装置A1とを備える。ロボット装置A0は、ロボット2と、ロボットコントローラ3とを有する。ロボット2は、例えばシリアルリンク型のロボットアームであり、先端部にツール装着部2aを有する。ロボット2のツール装着部2aには、後述の溶接トーチ4が装着される。ロボットコントローラ3は、溶接トーチ4を溶接対象部分に沿って移動させるように、ロボット2のアクチュエータを制御する。
アーク溶接装置A1は、ワークWに対して溶接ワイヤ(溶接材)44を繰り返し前進及び後退させながら溶接ワイヤ44とワークWとの間に電力を供給することで、短絡状態及びアーク状態を繰り返し発生させる。アーク溶接装置A1は、溶接トーチ4と、外部コントローラ6と、溶接電源5とを有する。
溶接トーチ4は、上述のようにロボット2のツール装着部2aに装着される。溶接トーチ4には、コンジットケーブル46を介してペールパック42が接続されると共に、ガスホース45を介してガスボンベ43が接続される。ペールパック42は、コイル状に巻かれた溶接ワイヤ44を収容し、コンジットケーブル46を通して溶接トーチ4に供給する。溶接ワイヤ44は、溶接トーチ4の先端から送出される。ガスボンベ43は、シールドガスを収容し、ガスホース45を介して溶接トーチ4に供給する。シールドガスとしては、二酸化炭素、アルゴン又はこれらの混合ガスが挙げられる。
溶接トーチ4は、送給機構41を有する。送給機構41は、例えばサーボモータ等のアクチュエータを動力源として、溶接ワイヤ44の正送及び逆送を行う。正送とは、溶接ワイヤ44の先端がワークWに近付くよう溶接ワイヤ44を前進させることを意味する。逆送とは、溶接ワイヤ44の先端がワークWから離れるよう溶接ワイヤ44を後退させることを意味する。すなわち、送給機構41は、ワークWに対し溶接ワイヤ44を前進及び後退させる駆動部に相当する。また、溶接トーチ4が装着されたロボット2は、駆動部を保持して移動させる溶接ロボットに相当する。以下、溶接ワイヤ44の正送時の送給速度を「前進速度」といい、溶接ワイヤ44の逆送時の送給速度を「後退速度」という。
外部コントローラ6は、ロボットコントローラ3に内蔵されている。図2に示すように、外部コントローラ6は、電流・電圧指令部60と、外部軸制御回路61とを有する。電流・電圧指令部60は、キーボード又はタッチパネル等の入力部(不図示)から電流及び電圧の設定値を取得し、その設定値をアナログ又はデジタル信号として出力する。外部軸制御回路61は、例えばツール装着部2aに装着されるツールのアクチュエータ等、ロボット2のアクチュエータ以外のアクチュエータを制御するためにロボットコントローラ3に設けられた回路であり、本実施形態においては送給機構41のアクチュエータを制御する。
溶接電源5は、一次整流回路50と、スイッチング回路51と、変圧器52と、二次整流回路53と、遮断回路54と、リアクトル55と、電流計56と、電圧計57と、溶接制御部58と、記憶部59とを備え、溶接トーチ4及びワークWに溶接用の電力を供給する。
一次整流回路50は、商用の交流電源PSに接続され、交流を整流する。スイッチング回路51は、PWMにより、溶接トーチ4への供給電力を調節する。変圧器52は、スイッチング回路51からの出力の変圧を行うと共に、入力側と出力側とを絶縁する。二次整流回路53は、変圧器52からの出力を更に整流する。遮断回路54は、例えば半導体により構成され、遮断指令に応じて溶接トーチ4への供給電力を遮断する。リアクトル55は、溶接トーチ4への供給電力を平滑化する。電流計56は、溶接トーチ4とワークWとの間の電流(以下、「溶接電流」という。)を計測する。電圧計57は、溶接トーチ4とワークWとの間の電圧(以下、「溶接電圧」という。)を計測する。
溶接制御部58は、送給機構41及びスイッチング回路51を制御して本実施形態に係るアーク溶接方法を実行するコンピュータである。記憶部59は、例えば不揮発メモリであり、後述する各種の値等を記憶する。また、記憶部59は、溶接ワイヤ44の送給、溶接電流及び溶接電圧の基準パターンを記憶する。すなわち、記憶部59は基準パターン記憶部として機能する。基準パターンは、1組の溶接電流値、溶接電圧値、溶接電流波形、前進速度及び後退速度を含む。基準パターンとして記憶する溶接電流値及び溶接電圧値は適宜選定可能である。例えば、電流・電圧指令部60により設定値として取得される頻度が高い電流値及び電圧値を、基準パターンの溶接電流値及び溶接電圧値として記憶してもよい。基準パターンとして記憶する溶接電流波形、前進速度及び後退速度は、溶接電流の平均値及び溶接電圧の平均値が当該基準パターンの溶接電流値及び溶接電圧値に略一致するように設定される。このような溶接電流波形、前進速度及び後退速度は、例えば過去に蓄積されたデータに基づいて設定可能である。なお、記憶部59は、複数の基準パターンを記憶していてもよい。
図3に示すように、溶接制御部58は、基準パターン設定部U1と、差分算出部U2と、速度設定部U3と、送給制御部U4と、電力制御部U5とを有する。図示は省略するが、溶接制御部58の各部は記憶部59に記憶された各種の値等を参照可能に構成されている。
基準パターン設定部U1は、電流・電圧指令部60から電流の設定値(以下、「目標電流値」という。)を取得し、その設定値に適した基準パターンを設定する。具体的には、記憶部59に記憶された基準パターンの中で、目標電流値に近い溶接電流値を含む基準パターンを選択する。
差分算出部U2は、基準パターン設定部U1から基準パターンの溶接電圧値を取得し、電流・電圧指令部60から電圧の設定値(以下、「目標電圧値」という。)を取得し、基準パターンの溶接電圧値を目標電圧値から減算して差分電圧値を溶接実行前に算出する。
速度設定部U3は、差分電圧値が大きくなるのに応じて前進速度の大きさに対する後退速度の大きさの比率(以下、「速度比率」という。)が大きくなるように、溶接ワイヤ44の前進速度及び後退速度を設定する。前進速度を変えずに後退速度の大きさを大きくしてもよいし、後退速度を変えずに前進速度の大きさを小さくしてもよいし、前進速度の大きさを小さくすると共に後退速度の大きさを大きくしてもよい。
より具体的に、速度設定部U3は、差分電圧値が正の値であるときには基準パターンに比べて上記速度比率が大きくなり、差分電圧値が負の値であるときには基準パターンに比べて速度比率が小さくなるように前進速度及び後退速度を設定する。例えば、基準パターンにおける溶接電流値、溶接電圧値及び速度比率がそれぞれ200A,20V,1であるのに対し、目標電流値及び目標電圧値がそれぞれ200A,22Vである場合には、差分電圧値が+2Vとなるので、速度比率が1より大きい値となるように前進速度及び後退速度を設定する。また、同じ基準パターンに対し、目標電流値及び目標電圧値がそれぞれ200A,18Vである場合には、差分電圧値が−2Vとなるので、速度比率が1より小さい値となるように前進速度及び後退速度を設定する。
速度設定部U3は、例えば、差分電圧値が大きくなるのに応じて速度比率が大きくなるように予め準備された関数を用い、差分電圧値に応じた前進速度及び後退速度を算出する。あるいは、差分電圧値が大きくなるのに応じて速度比率が大きくなるように予め準備されたテーブルを参照し、差分電圧値に応じた前進速度及び後退速度を選定する。
送給制御部U4は、速度設定部U3により設定された前進速度及び後退速度で溶接ワイヤ44を送給するように、外部軸制御回路61を介して送給機構41を制御する。電力制御部U5は、基準パターンの溶接電流波形に従った溶接電流を出力するようにスイッチング回路51を駆動する。
図4及び図5を参照し、アーク溶接装置A1が行う制御の具体例について説明する。図4は、差分電圧値がゼロである場合の溶接電流、溶接電圧及び送給速度の波形を示すグラフである。図5は、差分電圧値が正の値である場合の溶接電流、溶接電圧及び送給速度の波形を示すグラフである。図4(a)及び図5(a)は、溶接電流の波形を示すグラフである。図4(a)及び図5(a)の横軸は時間を示し、縦軸は溶接電流値を示す。図4(b)及び図5(b)は、溶接電圧の波形を示すグラフである。図4(b)及び図5(b)の横軸は時間を示し、縦軸は溶接電圧値を示す。図4(c)及び図5(c)は、送給速度の波形を示すグラフである。図4(c)及び図5(c)の横軸は時間を示す。図4(c)及び図5(c)の縦軸は、正送側を正とし、逆送側を負とした送給速度を示す。なお、図4(c)及び図5(c)は台形波状の送給速度を示しているがこれに限られない。送給速度は正弦波状、矩形波状又は三角波状であってもよい。
目標電圧値Vtと基準パターンの溶接電圧値Vrとが一致する場合には、差分電圧値がゼロとなるので、速度設定部U3により設定される前進速度Se1及び後退速度Se2は、それぞれ基準パターンの前進速度Sr1及び後退速度Sr2に一致する。そして、送給制御部U4は、前進速度Sr1及び後退速度Sr2で正送及び逆送を周期T0で繰り返すように送給機構41を制御する(図4(c)参照)。これにより送給機構41は、溶接ワイヤ44を前進速度Sr1及び後退速度Sr2で駆動する。なお、本実施形態では、送給機構41による溶接ワイヤ44の正送及び逆送は、ロボット2による溶接トーチ4の移送に並行して行われる。
溶接ワイヤ44が正送されると、その途中で溶接ワイヤ44の溶融部とワークWとが接触し、短絡状態が開始される。溶接ワイヤ44が逆送されると、その途中で溶接ワイヤ44とワークWとが離間し、アーク状態が開始される。このように、短絡状態及びアーク状態は、溶接ワイヤ44の正送及び逆送に応じて繰り返される。このため、短絡状態の継続時間(以下、「短絡期間」という。)Tsと、アーク状態の継続時間(以下、「アーク期間」という。)Taとの和は、周期T0に略一致する。
電力制御部U5は、電流計56から溶接電流値を取得し、溶接電流が基準パターンの溶接電流波形に従って推移するように、スイッチング回路51を駆動する。基準パターンの溶接電流波形は、短絡期間Ts及びアーク期間Taごとに繰り返すように設定されている。
溶接電圧は、短絡状態からアーク状態に移行する際に急上昇する(図4(b)参照)。この急上昇に基づいて、アーク状態の開始が検知される。溶接電圧は、アーク状態から短絡状態に移行する際に急降下する。この急降下に基づいて、短絡状態の開始が検知される。
短絡期間Tsにおける溶接電流波形は、低電流の状態を保った後、経過時間に応じて徐々に大きくなるように設定されている(図4(a)参照)。経過時間に対する溶接電流の上昇率は、時間t1を境にして切り替えられる。時間t1以降における溶接電流の上昇率は、時間t1以前における溶接電流の上昇率に比べ緩やかである。アーク期間Taにおける溶接電流波形は、略一定値を保った後、経過時間に応じて徐々に小さくなるように設定されている。
電力制御部U5は、基準パターンに従った制御に加え、短絡状態からアーク状態への移行時において溶接電流を低下させる制御を行う。これにより、スパッタが低減される。詳しくは、短絡状態からアーク状態への移行に先立って溶接電流を低下させるようにスイッチング回路51を駆動し、アーク状態の開始後において溶接電流を上昇させるようにスイッチング回路51を駆動する。溶接電流を低下させるタイミングは、例えば短絡状態の開始からの経過時間に基づいて検知可能である。溶接電流値又は溶接電圧値に基づいて上記タイミングを検知してもよい。また、スイッチング回路51により電流を低下させるのに代えて、遮断回路54により電流を遮断してもよい。スイッチング回路51により電流を上昇させるのに代えて、遮断回路54による遮断を解除してもよい。
このようにして、短絡状態及びアーク状態を繰り返す制御が実行される。上述したように、基準パターンの溶接電流波形及び前進速度Sr1及び後退速度Sr2は、溶接電流の平均値及び溶接電圧の平均値が当該基準パターンの溶接電流値及び溶接電圧値に略一致するように設定されている。このため、差分電圧値がゼロである場合、溶接電流の平均値Aoは基準パターンの溶接電流値Arに略一致し、溶接電圧の平均値Voは、基準パターンの溶接電圧値Vrに略一致する。
目標電圧値Vtが基準パターンの溶接電圧値Vrよりも大きい場合には、差分電圧値が正の値となる。このため、前進速度Se1及び後退速度Se2は、上記速度比率が前進速度Sr1及び後退速度Sr2に比べ大きくなるように設定される。すなわち、前進速度Se1及び後退速度Se2は、速度比率が基準パターンに比べ大きくなるように設定される。例えば、前進速度Se1は前進速度Sr1に比べ小さくされ、後退速度Se2は後退速度Sr2に比べ大きくされる(図5(c)参照)。これにより、短絡状態からアーク状態への移行が早くなり、アーク期間Taに対する短絡期間Tsの比率が小さくなる。従って、溶接電圧の平均値Voが溶接電圧値Vrに比べ大きくなり、目標電圧値Vtに近付く(図5(b)参照)。
目標電圧値Vtが基準パターンの溶接電圧値Vrよりも小さい場合には、差分電圧値が負の値となる。このため、前進速度Se1及び後退速度Se2は、速度比率が前進速度Sr1及び後退速度Sr2に比べ小さくなるように設定される。すなわち、前進速度Se1及び後退速度Se2は、速度比率が基準パターンに比べ小さくなるように設定される。これにより、短絡状態からアーク状態への移行が遅くなり、アーク期間Taに対する短絡期間Tsの比率が大きくなる。従って、溶接電圧の平均値Voが溶接電圧値Vrに比べ小さくなり、目標電圧値Vtに近付く。
以上に説明したように、アーク溶接装置A1によれば、アーク期間Taに対する短絡期間Tsの比率を調節することにより、溶接電圧の平均値Voが目標電圧値Vtに近付けられる。一方、アーク期間Taに対する短絡期間Tsの比率が変化してもスパッタの量に大きな影響はない。従って、スパッタの増加を抑制しながら溶接電圧を制御できる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係るアーク溶接装置A2は、溶接実行中にも差分電圧値を算出し、前進速度及び後退速度を設定する点で、第1実施形態に係るアーク溶接装置A1と異なる。図6に示すように、アーク溶接装置A2の溶接制御部58Aは、溶接制御部58の差分算出部U2及び速度設定部U3を、差分算出部U6及び速度設定部U7に置き換えたものである。
第2実施形態に係るアーク溶接装置A2は、溶接実行中にも差分電圧値を算出し、前進速度及び後退速度を設定する点で、第1実施形態に係るアーク溶接装置A1と異なる。図6に示すように、アーク溶接装置A2の溶接制御部58Aは、溶接制御部58の差分算出部U2及び速度設定部U3を、差分算出部U6及び速度設定部U7に置き換えたものである。
差分算出部U6は、溶接実行前においては、差分算出部U2と同様の処理を行って第1差分電圧値を算出する。差分算出部U6は、溶接実行中においては、電圧計57により計測された溶接電圧値を目標電圧値から減算して第2差分電圧値を算出する。すなわち、電圧計57により計測された溶接電圧値を用いて第2差分電圧値を算出する。
速度設定部U7は、溶接実行前においては、速度設定部U3と同様の処理を行って第1前進速度及び第1後退速度を設定する。速度設定部U7は、溶接実行中においては、第2差分電圧値が大きくなるのに応じて上記速度比率が大きくなるように、第2前進速度及び第2後退速度を設定する。
より具体的に、速度設定部U7は、第2差分電圧値が正の値であるときには第1前進速度及び第1後退速度に比べて速度比率が大きくなり、第2差分電圧値が負の値であるときには第1前進速度及び第1後退速度に比べて速度比率が小さくなるように第2前進速度及び第2後退速度を設定する。
速度設定部U7は、例えば、第2差分電圧値が大きくなるのに応じて速度比率が大きくなるように予め準備された関数を用い、第2差分電圧値に応じた第2前進速度及び第2後退速度を算出する。あるいは、第2差分電圧値が大きくなるのに応じて速度比率が大きくなるように予め準備されたテーブルを参照し、第2差分電圧値に応じた第2前進速度及び第2後退速度を選定する。
送給制御部U4は、溶接の開始時点では第1前進速度及び第1後退速度で溶接ワイヤ44を送給し、その後第2前進速度及び第2後退速度で溶接ワイヤ44を送給するように、外部軸制御回路61を介して送給機構41を制御する。
アーク溶接装置A2によれば、実測される電圧値に基づいて、アーク期間Taに対する短絡期間Tsの比率の調節が行われる。従って、スパッタの増加を抑制しながら溶接電圧をより高精度に制御できる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、外部コントローラ6は、必ずしもロボットコントローラ3に内蔵されていなくてよい。外部コントローラ6は、独立した1ユニットであってもよいし、溶接電源5と一体化されていてもよい。
1…アーク溶接システム、2…ロボット(溶接ロボット)、41…送給機構(駆動部)、44…溶接ワイヤ(溶接材)、A1,A2…アーク溶接装置、Se1…前進速度、Se2…後退速度、U2,U6…差分算出部、U3,U7…速度設定部、Vr…溶接電圧値、Vt…目標電圧値、W…ワーク。
Claims (5)
- 短絡状態及びアーク状態を繰り返し発生させながら溶接を行う装置であって、
溶接電圧値を目標電圧値から減算して差分電圧値を算出する差分算出部と、
ワークに対する溶接材の前進速度及び後退速度を、前記差分電圧値が大きくなるのに応じて前記前進速度の大きさに対する前記後退速度の大きさの比率が大きくなるように設定する速度設定部と、
前記溶接材を前記前進速度及び前記後退速度で駆動する駆動部と、を備えるアーク溶接装置。 - 一つの前記溶接電圧値と、当該溶接電圧値に対応する前記前進速度及び後退速度とを含む少なくとも一つの基準パターンを記憶するパターン記憶部を更に備え、
前記差分算出部は、前記基準パターンの前記溶接電圧値を用いて前記差分電圧値を溶接実行前に算出し、
前記速度設定部は、当該差分電圧値が正の値であるときには当該基準パターンに比べて前記比率が大きくなり、当該差分電圧値が負の値であるときには当該基準パターンに比べて前記比率が小さくなるように、前記前進速度及び後退速度を溶接実行前に設定する、請求項1記載のアーク溶接装置。 - 前記溶接電圧値を計測する電圧計を更に備え、
前記差分算出部は、前記電圧計により計測された前記溶接電圧値を用いて前記差分電圧値を溶接実行中に算出し、
前記速度設定部は、前記前進速度及び前記後退速度を溶接実行中に設定する、請求項1又は2記載のアーク溶接装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項記載のアーク溶接装置と、前記駆動部を保持して移動させる溶接ロボットと、を備えるアーク溶接システム。
- 短絡状態及びアーク状態を繰り返し発生させながら溶接を行うアーク溶接装置により実行される方法であって、
溶接電圧値を目標電圧値から減算して差分電圧値を算出し、
ワークに対する溶接材の前進速度及び後退速度を、前記差分電圧値が大きくなるのに応じて前記前進速度の大きさに対する前記後退速度の大きさの比率が大きくなるように設定し、
前記溶接材を前記前進速度及び前記後退速度で駆動する、アーク溶接方法。
Priority Applications (6)
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