JP2014224326A - パイル製品と製造方法と製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱可塑性合成繊維を主材とするパイル糸によるパイルが突設されているパイル布帛の基布やパイル根元を熱劣化損傷することなく、パイル面とバックステッチ面を加熱溶融させ、基布に平行な平板な溶融皮膜をパイル面とバックステッチ面に形成する。【解決手段】熱可塑性合成繊維を主材とするパイル糸によるパイルが突設されているパイル布帛11のパイル面またはバックステッチ面に当て布15を重ね合わせ、その当て布の上から熱盤26を当ててパイル面またはバックステッチ面を加熱し押圧し、パイル13またはバックステッチ14の表面の少なくとも一部を溶融させて平板な融着面17とし、その後、熱盤を当て布から引き離し、当て布の上からパイルまたはバックステッチの表面の融着面を冷却して固化させ、当て布を融着面から剥離することによって、冷却し固化したパイルまたはバックステッチの表面の融着面に当て布の表面形状を転写する。【選択図】図12
Description
本発明は、基布にパイル糸を係止してパイルを形成したパイル布帛によって構成される地表装飾シート、防草シート、集球シート、人工芝生、プールサイド水切りマット等の屋外敷物、折畳簡易敷物、浴室出入口水切りマット、湯上がり足拭きマット、水回りマット、出入口足踏みマット、カーペット、タイルカーペット等の屋内敷物等のパイル製品に関するものである。
織基布と不織布を熱融着性樹脂で部分的に結合した防草シートは公知である(特許文献1参照)。パイル布帛は、その裏面に接着剤を塗布してバックステッチを基布に接着固定してパイル製品に仕上げられる。接着剤を塗布することなくパイル布帛を仕上げる方法として、パイル布帛の裏面を加熱し、基布をバックステッチに融着する一次基布融着法(特許文献2、3参照)、バックステッチを基布に融着するバックステッチ融着法(特許文献4、5参照)、熱溶融したバックステッチに二次基布を貼り合わせる二次基布融着法(特許文献6、7参照)、バックステッチ相互間を連結するバックステッチ連結法(特許文献8、9参照)等の加熱融着仕上法が公知である。パイル布帛をゴルフ練習場でのゴルフボールを集める集球シートに使用することは公知である(特許文献10、11参照)。
従来公知の加熱融着仕上法では、基布やパイル糸の熱劣化や損傷を伴わずにバックステッチを基布に強固に接合することは困難である。
例えば、上記特許文献2と3では、バックステッチ面に照射したレーザー光線や赤外線による輻射熱によって一次基布を加熱溶融させることとしているが、輻射熱は一次基布を覆うバックステッチに遮蔽されて一次基布に伝わり難く、一次基布のバックステッチとの密着面を溶融状態にすることは出来ず、又、輻射熱によってはバックステッチの表面をフイルム状に平板に溶融させることも出来ない。
上記特許文献4と5では、一次基布を加熱溶融させるのではなく、バックステッチ面に電熱線や遠赤外線を照射してバックステッチを加熱溶融させているが、バックステッチを加熱する電熱線や遠赤外線は、隣り合うパイル糸のバックステッチとバックステッチの間に露顕する一次基布をも加熱溶融することにもなり、一次基布やパイル糸が熱劣化や損傷を受け易くなる。上記特許文献6の開示する二次基布融着法では、熱溶融物が二次基布に接着する程度に接着力のある格別なパイル糸が要求されるので簡便に実施することは出来ない。又、上記特許文献7の開示する二次基布融着法では、二次基布を接着するための接着剤をバックステッチ面に塗布するので、バックステッチを加熱溶融することに格別な意義は認め難い。
各パイル糸が連続して形成するバックステッチ相互間を連結する上記特許文献8と9の開示するバックステッチ連結法では、加熱ロールを当ててバックステッチを加熱溶融させることとしているが、加熱溶融物が加熱ロールに融着し易くなるので十分にバックステッチを加熱することは出来ず、その加熱ロールによってはバックステッチの表面をフイルム状に平板に溶融させることは出来ない。
そこで本発明は、基布やパイル根元を熱劣化損傷することなく、バックステッチの表面を加熱溶融させて基布に平行な平板な溶融皮膜をバックステッチの表面に形成し、バックステッチを基布に接着固定する接着剤を塗布することなく地表装飾シート、防草シート、集球シート、人工芝生、プールサイド水切りマット等の屋外敷物、折畳簡易敷物、浴室出入口水切りマット、湯上がり足拭きマット、水回りマット、出入口足踏みマット、カーペット、タイルカーペット等の屋内敷物等として使用し得るパイル製品を得ることを第1の目的とする。
本発明の第2の目的は、パイルの表面を加熱溶融させて基布に平行な平板な溶融皮膜をパイルの表面に形成し、バックステッチを基布に接着固定する接着剤を塗布することなく地表装飾シート、防草シート、集球シート、人工芝生、プールサイド水切りマット等の屋外敷物、折畳簡易敷物、浴室出入口水切りマット、湯上がり足拭きマット、水回りマット、出入口足踏みマット、カーペット、タイルカーペット等の屋内敷物等として使用し得るパイル製品を得ることにある。
本発明の第3の目的は、パイルの表面とバックステッチの表面を加熱溶融させて基布に平行な平板な溶融皮膜をパイルの表面とバックステッチの表面に形成し、バックステッチを基布に接着固定する接着剤を塗布することなく地表装飾シート、防草シート、集球シート、人工芝生、プールサイド水切りマット等の屋外敷物、折畳簡易敷物、浴室出入口水切りマット、湯上がり足拭きマット、水回りマット、出入口足踏みマット、カーペット、タイルカーペット等の屋内敷物等として使用し得るパイル製品を得ることにある。
本発明によると、パイル布帛11は、基布12の片面に熱可塑性合成繊維を主材とするパイル糸によるパイル13を突設して構成され、基布の他の片面にはパイル糸の長さ方向に前後する二つのパイルの根元16と根元16の間を連鎖するバックステッチ14が露出しており、その露出しているバックステッチ14かパイル13の表面に当て布15を重ね合わせ、その当て布15の表面に熱盤26を重ね合わせて当て布15の上からパイル面とバックステッチ面との何れか少なくとも片面を加熱し押圧してパイル13とバックステッチ14の何れかの表面の少なくとも一部を溶融させて平板な融着面17とし、その後、熱盤26を当て布15から引き離し、当て布15の上から融着面17を冷却して固化し、当て布15を融着面17から剥離して当て布15の表面形状を融着面17に転写してパイルの根元16を熱セットし、パイル製品19に仕上げられる。
本発明に係る製造装置は、そのようにパイル布帛11を仕上げるために使用されるものであり、パイル布帛11のパイル面かバックステッチ面の上に重ね合わせ得る熱盤26と、その熱盤26に加熱されたパイル面かバックステッチ面を冷却する冷却装置27と、その熱盤26に重なり合う部位に向けてパイル布帛11を送出するパイル布帛送出装置21と、冷却装置27にパイル面かバックステッチ面が冷却されたパイル布帛11を引取るパイル製品引取装置29と、熱盤26に加熱されるパイル面かバックステッチ面と熱盤26の間に挟み込まれて加熱されるパイル面かバックステッチ面を保護する当て布15によって構成され、パイル布帛送出装置21とパイル製品引取装置29の間でパイル布帛11を緊張し得るように調製されており、パイル布帛送出装置21とパイル製品引取装置29の間において、熱盤26と冷却装置27とは、熱盤26がパイル布帛送出装置側に配置され、冷却装置27がパイル製品引取装置側に配置されており、当て布15が、パイル面かバックステッチ面と熱盤26の間からパイル面かバックステッチ面と冷却装置27の間へと連続して挟み込まれ、パイル面かバックステッチ面と冷却装置27の間を通過してからパイル面かバックステッチ面から引き離されるようになっている。
従って、本発明によると、パイル13の表面とバックステッチ14の表面との何れか少なくともパイル布帛11の片面の表面が加熱され押圧されて冷却されて硬化し、パイルの表面とバックステッチの表面との少なくとも何れか表面が、基布12に平行に固化した平板な融着面17になっており、その融着面によってパイル布帛11のパイル面とバックステッチ面との何れか少なくとも片面が平坦に揃えられているパイル製品が得られる。
本発明に係るパイル製品の第1の特徴は、基布12の片面に熱可塑性合成繊維を主材とするパイル糸によるパイル13が突設され、基布の他の片面にパイル糸の長さ方向に前後する二つのパイルの根元16と根元16の間を連鎖するバックステッチ14が露出しているパイル布帛11によって構成され、バックステッチ14の表面が、加熱され押圧されて冷却されて硬化し、基布12に平行に固化した平板な融着面17になっており、その融着面17によってパイル布帛11のバックステッチ面が平坦に揃えられている点にある。
本発明に係るパイル製品の第2の特徴は、上記第1の特徴に加え、パイル糸が基布12の横幅方向Eに移動しつつパイル13を形成しており、バックステッチ14が基布12の長さ方向Fにジグザグに連続して点にあり、バックステッチ14を横幅方向Eに移動して長さ方向Fにジグザグに連続させる場合は、バックステッチ14の横幅方向Eへの移動距離に応じて基布12の裏面に占めるバックステッチ14の面積占有率が増え(図9)、バックステッチ14に被覆されることなく隣り合うバックステッチとバックステッチの間からパイル布帛の裏面に露出する基布12の露出面積占有率が減少してパイル製品の裏面が平滑になる。
本発明に係るパイル製品の第3の特徴は、上記第1と第2との何れかの特徴に加え、隣り合うパイル糸のバックステッチ14a・14bの融着面17a・17bの周縁44a・44bの一部(46)が融着しており、その融着箇所46を介して、その隣り合う一方のパイルの根元16a(16b)が他方のパイルの融着面17b(17a)に連結されている点にあり(図6)、その融着箇所46を介して隣り合うパイルのそれぞれが複数個の根元(16)で基布12に係止される恰好になるので、各パイル13はパイル糸貫通孔18から抜け難くなり、基布12からパイル13の抜糸強度が向上する。
本発明に係るパイル製品の第4の特徴は、上記第1と第2との何れかの特徴に加え、パイル布帛11に熱融着性糸条47が織編込まれており、その熱融着性糸条47がバックステッチ14に交叉し融着している点にあり、その融着している熱融着性糸条47からの引抜抵抗がバックステッチ14に作用するので、基布12からパイル13の抜糸強度が向上する(図7)。
本発明に係るパイル製品の第5の特徴は、上記第1の特徴に加え、隣り合うパイル糸の一方のパイル糸のバックステッチ(14)が他方のパイル糸のバックステッチ(14)の上を越えて交叉しており、その交叉して隣り合うバックステッチ14a・14bの融着面17a・17bが融着して一体になっている点にあり、融着して一体になっているバックステッチ14a・14bのそれぞれ一方のバックステッチ14a(14b)が他方のバックステッチ14b(14a)に対して引抜抵抗を発揮するので、基布12からパイル13の抜糸強度が向上する(図8)。
本発明に係るパイル製品の第6の特徴は、上記第5の特徴に加え、隣り合うパイル糸の一方のパイル糸のバックステッチ14aを構成している熱可塑性合成繊維の融点が他方のパイル糸のバックステッチ14bを構成している熱可塑性合成繊維の融点よりも低い点にあり(図10と図11)、隣り合うバックステッチ14a・14bが交叉して強固に融着一体化するので、基布12からパイル13の抜糸強度が向上する。
本発明に係るパイル製品の第7の特徴は、上記第5の特徴に加え、隣り合うパイル糸の一方のパイル糸のバックステッチ14bの上を越えて交叉する他方のパイル糸のバックステッチ14aを構成している熱可塑性合成繊維の融点が、その他方のバックステッチ14aの下を潜って交叉する一方のパイル糸のバックステッチ14bを構成している熱可塑性合成繊維の融点よりも低い点にあり(図12と図13)、低融点のバックステッチ14aが熱盤26から熱が伝わり易いバックステッチ面の最外面に配置されているので、隣り合うバックステッチ14a・14bが融着一体化し易く、熱盤26による加熱処理時にパイルの根元16や基布12の熱劣化損傷を効果的に回避することが出来る。
本発明に係るパイル製品の第8の特徴は、上記第7の特徴に加え、低融点の熱可塑性合成繊維によって構成されていて一方のバックステッチ14bの上を越えている他方のバックステッチ14aを構成しているパイル糸の形成しているパイル13aのパイル長が、高融点の熱可塑性合成繊維によって構成されている一方のバックステッチ14bを構成しているパイル糸の形成しているパイル13bのパイル長よりも短い点にあり、低融点のパイル13aは高融点のパイル13bの下に隠れ、パイル面は高融点のパイル13bによって彩られることになる。
従って、染色斑のある糸条や染色性を欠く糸条等の装飾性を欠く糸条でも低融点のパイル13aに使用することが出来、それによってパイル製品のコストダウンを図ることが出来るし、低融点のパイル13aによって高融点のパイル13bが支えられるのでパイル製品のクッション性を高めることも出来る。
従って、染色斑のある糸条や染色性を欠く糸条等の装飾性を欠く糸条でも低融点のパイル13aに使用することが出来、それによってパイル製品のコストダウンを図ることが出来るし、低融点のパイル13aによって高融点のパイル13bが支えられるのでパイル製品のクッション性を高めることも出来る。
本発明に係るパイル製品の第9の特徴は、上記第8の特徴に加え、パイル長が短いパイル13aがループパイルである点にあり(図14)、ループパイルは糸の結び目のように膨らむのでバックステッチ面からは引き抜き難く、その短いループパイルパイル13aが高融点の長いパイル13bの下に隠れるので、その短いループパイルパイル13aが低融点の熱可塑性合成繊維によって構成されていても不都合は生じない。
本発明に係るパイル製品の第10の特徴は、上記第6と第7と第8と第9との何れかの特徴に加え、低融点の熱可塑性合成繊維によって構成されているパイル糸が、ポリエチレンまたはポリエチレン酢酸ビニルのフイルムまたはテープによって構成されている点にあり、ポリエチレンまたはポリエチレン酢酸ビニルのフイルムやテープは、紡績糸やマルチフィラメント糸に比して安価であり、而も、梱包資材や包装資材に広く使用されているので入手し易く、本発明の実施が容易になる。
本発明に係るパイル製品の第11の特徴は、上記第1と第2と第3と第4と第5と第6と第7と第8と第9と第10との何れかの特徴に加え、バックステッチ14の表面の融着面17の幅Wがパイルの根元16の太さTよりも押し広げられている点にある。
本発明に係るパイル製品の第12の特徴は、基布12の片面に熱可塑性合成繊維を主材とするパイル糸によるパイル13が突設され、基布の他の片面にパイル糸の長さ方向に前後する二つのパイルの根元16と根元16の間を連鎖するバックステッチ14が露出しているパイル布帛11によって構成され、パイル13の表面が、加熱され押圧されて冷却されて硬化し、基布12に平行に固化した平板な周縁44に縁取られた融着面17を形成しており、その融着面17によってパイル面が平坦に揃えられている点にある。
本発明に係るパイル製品の第13の特徴は、上記第12の特徴に加え、パイル糸が基布12の横幅方向Eに移動しつつパイル13を形成しており、バックステッチ14が基布12の長さ方向Fにジグザグに連続している点にある。
本発明に係るパイル製品の第14の特徴は、上記第12の特徴に加え、パイル糸が間欠的に基布12の横幅方向Eに移動しつつパイル13を形成しており、バックステッチ14が間欠的に基布12の長さ方向Fにジグザグに連続している点にある。
本発明に係るパイル製品の第15の特徴は、上記第12の特徴に加え、パイル糸が複数本のパイル糸を一群とする2つの群A・Bに分けられて基布12の横幅方向Eに交互に繰り返して配列されており、その2つの群A・Bのパイル糸が間欠的に基布12の横幅方向Eに移動しつつパイル13を形成してバックステッチ14が間欠的に基布12の長さ方向Fにジグザグに連続しており、その1つの群Aのパイル糸の基布12の横幅方向Eに移動する移動距離と他の1つの群Bのパイル糸の基布12の横幅方向Eに移動する移動距離が間欠的に変化し、1つの群Aのパイル糸の横幅方向Eの移動距離と他の1つの群Bのパイル糸の横幅方向Eの移動距離の相違によって1つの群Aのパイル糸のジグザグに連続するバックステッチの形状と他の1つの群Bのパイル糸のジグザグに連続するバックステッチの形状が間欠的に変化しており、その2つの群A・Bのパイル糸の形成するバックステッチの形状の相違によってバックステッチ面に絵画が描出されている点にあり(図15と図16)、そのようにバックステッチ面に絵画を描出することによって従来パイル面の裏側に隠れるバックステッチ面を表面に向けて使用し得、特に、パイル面とは異なりバックステッチ面は平滑でボールが転がり易く集球シートに好適であり、他方、バックステッチ面の裏側となるパイル面からはパイル13がスパイクのように突出しているので地面に喰い込んで係止し易く防草シートに好適なパイル製品が得られる。
2つのパイル糸群A・Bの形成するバックステッチの形状の相違によってバックステッチ面に絵画を描出するためには、基布12に植設されるパイル糸を基布12に差し込むための複数本のニードルを基布12の横幅方向Eに並べて保持し、基布12の横幅方向Eに移動可能に支持された第1ニードルバーと第2ニードルバーとの2本のニードルバーを具備するダブルニードルシフトタフテッド機を使用する。
即ち、ダブルニードルシフトタフテッド機において、2本のニードルバーが保持する複数本のニードルの数に応じた複数本のパイル糸を2つのパイル糸群A・Bに分け、2本のニードルバーの内の第1ニードルバーのニードルにはパイル糸群Aの複数本のパイル糸を挿通し、他の第2ニードルバーのニードルにはパイル糸群Bの複数本のパイル糸を挿通すると共に、第1ニードルバーではパイル糸群Bの複数本のパイル糸の数本分だけ間隔を開けてパイル糸群Aの複数本のパイル糸を繰り返して挿通し、第2ニードルバーではパイル糸群Aの複数本のパイル糸の数本分だけ間隔を開けてパイル糸群Bの複数本のパイル糸を繰り返して挿通し、第1ニードルバーの横幅方向Eへの移動距離と第2ニードルバーの横幅方向Eへの移動距離をニードルを基布に差し込む複数回のステッチサイクル毎に間欠的に変化させて2つのパイル糸群A・Bのパイル糸によるパイルを基布に植設する。
そのようにダブルニードルシフトタフテッド機を使用して形成されたパイル布帛では、2つのパイル糸群A・Bのパイル糸によるバックステッチがニードルバーの横幅方向Eへの移動距離の間欠的に変化に応じて間欠的に変化してジグザグに連続しており、パイル糸群Aのパイル糸によるバックステッチの描くジグザグ連続形状とパイル糸群Bのパイル糸によるバックステッチの描くジグザグ連続形状とが、ニードルバーの横幅方向Eへの移動距離が変化する複数回のステッチサイクル毎に間欠的に入れ替わり、そのパイル糸群A・Bのバックステッチのジグザグ連続形状が入れ替わることによってバックステッチ面に絵画が描出されることになる。
即ち、ダブルニードルシフトタフテッド機において、2本のニードルバーが保持する複数本のニードルの数に応じた複数本のパイル糸を2つのパイル糸群A・Bに分け、2本のニードルバーの内の第1ニードルバーのニードルにはパイル糸群Aの複数本のパイル糸を挿通し、他の第2ニードルバーのニードルにはパイル糸群Bの複数本のパイル糸を挿通すると共に、第1ニードルバーではパイル糸群Bの複数本のパイル糸の数本分だけ間隔を開けてパイル糸群Aの複数本のパイル糸を繰り返して挿通し、第2ニードルバーではパイル糸群Aの複数本のパイル糸の数本分だけ間隔を開けてパイル糸群Bの複数本のパイル糸を繰り返して挿通し、第1ニードルバーの横幅方向Eへの移動距離と第2ニードルバーの横幅方向Eへの移動距離をニードルを基布に差し込む複数回のステッチサイクル毎に間欠的に変化させて2つのパイル糸群A・Bのパイル糸によるパイルを基布に植設する。
そのようにダブルニードルシフトタフテッド機を使用して形成されたパイル布帛では、2つのパイル糸群A・Bのパイル糸によるバックステッチがニードルバーの横幅方向Eへの移動距離の間欠的に変化に応じて間欠的に変化してジグザグに連続しており、パイル糸群Aのパイル糸によるバックステッチの描くジグザグ連続形状とパイル糸群Bのパイル糸によるバックステッチの描くジグザグ連続形状とが、ニードルバーの横幅方向Eへの移動距離が変化する複数回のステッチサイクル毎に間欠的に入れ替わり、そのパイル糸群A・Bのバックステッチのジグザグ連続形状が入れ替わることによってバックステッチ面に絵画が描出されることになる。
本発明に係るパイル製品の第16の特徴は、上記第12と第13と第14と第15との何れかの特徴に加え、パイル13がループパイルである点にある。
本発明に係るパイル製品の第17の特徴は、上記第12と第13と第14と第15と第16との何れかの特徴に加え、バックステッチ14の表面が、加熱され押圧されて冷却されて硬化し、基布12に平行に固化した平板な融着面17になっており、その融着面17によってパイル布帛11のバックステッチ面が平坦に揃えられている点にある。
本発明に係るパイル製品の第18の特徴は、上記第12と第13と第14と第15と第16と第17との何れかの特徴に加え、パイル13とバックステッチ14がポリエチレンまたはポリエチレン酢酸ビニルのフイルムまたはテープに成るパイル糸によって構成されている点にある。
本発明に係るパイル製品の第19の特徴は、上記第12と第13と第14と第15と第16と第17と第18との何れかの特徴に加え、パイル13の表面の融着面17の幅Vがパイルの根元16の太さTよりも押し広げられている点にある。
本発明に係るパイル製品の第20の特徴は、基布12の片面に熱可塑性合成繊維を主材とするパイル糸によるパイル13が突設され、基布の他の片面にパイル糸の長さ方向に前後する二つのパイルの根元16と根元16の間を連鎖するバックステッチ14が露出しているパイル布帛11によって構成され、パイル13の表面とバックステッチ14の表面が、加熱され押圧されて冷却されて硬化し、基布12に平行に固化した平板な融着面17になっており、その融着面17によってパイル布帛11のパイル面とバックステッチ面が平坦に揃えられている点にある。
本発明に係るパイル製品の第21の特徴は、上記第21の特徴に加え、パイル13とバックステッチ14がポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリエチレン酢酸ビニルのフイルムまたはテープに成るパイル糸によって構成されている点にあり、吸水性を有しないポリプロピレンやポリエチレン、ポリエチレン酢酸ビニルのフイルムやテープをパイル糸に使用することによって、水切れのよいパイル製品を得ることが出来る。
本発明の製造装置は、パイル面かバックステッチ面の上に重ね合わせ得る熱盤26と、熱盤26に加熱されたパイル面かバックステッチ面を冷却する冷却装置27と、冷却装置27に冷却されたパイル布帛11を引取るパイル製品引取装置29と、パイル布帛11と熱盤26の間に挟み込まれる当て布15によって構成され、当て布15が、パイル布帛11と熱盤26の間からパイル布帛11と冷却装置27の間へと連続して挟み込まれ、パイル布帛11と冷却装置27の間を通過してからパイル布帛11から引き離される構成となっており、熱盤26に加熱されたパイル布帛11の融着面17は、それが冷却されて固化するまで当て布15に密着した状態に維持される。
そのパイル布帛11が格別熱融着性を有しない通常のポリエチレンやポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性合成繊維によって構成され、当て布15もパイル布帛11とは異質の熱可塑性合成繊維や綿、麻、動物性繊維、レーヨン等の一般繊維によって構成されているのであれば、パイル布帛11の熱溶融物と当て布15の間には冷却状態において接着性は認められないので、弗素系やシリコーン系の離形剤による離形処理の施されていない当て布15でも、冷却状態において当て布15はパイル布帛の融着面17から容易に剥離し、その際、当て布15の表面形状が融着面17に転写される。
このため、本発明の製造装置を使用すると、パイル面やバックステッチ面の融着面17と同様に、パイル面やバックステッチ面が当て布15に融着して密着して平坦に揃えられた状態でパイルの根元16を綺麗に熱セットすることが出来る。
そして、バックステッチ14の表面を加熱し押圧して当て布15に融着した状態で冷却するときは、バックステッチ14の表面が基布12に平行な融着面17になり、その融着面17によってバックステッチ面が平坦に揃えられるので、バックステッチを覆い隠すために二次基布を裏打ちする必要がなくなる。
又、融着面17によってバックステッチ14がホッチキスや鎹(かすがい)のように硬化してバックステッチによる投錨(アンカリング)効果が高まるので、パイル13を抜け難くするために裏打用接着剤を塗布してバックステッチ14を基布12に接着固定するパイル布帛の裏加工が簡略化される。
バックステッチ面の平滑性を高めるためには、隣り合うパイル糸の配列間隔(G)と基布の長さ方向Fで前後するパイルの突設間隔(S)を短くしてパイル密度を高める方法もある。しかし、直角三角形の斜辺が他の一辺よりも長いことからしても明らかなように、バックステッチ14を横幅方向Eに移動して長さ方向Fにジグザグに連続させる場合、その移動距離Dに応じてバックステッチ(14a)の長さも長くなり(図9)、バックステッチ面の単位面積に占めるバックステッチ(14a)の融着面(17)の面積占有率が増えてバックステッチ面の平滑性が高まる。従って、バックステッチ14を横幅方向Eに移動して長さ方向Fにジグザグに連続させることは、限定されたパイル密度の範囲内でバックステッチ面の平滑性を高めたい場合に有効である。
隣り合うパイル糸のバックステッチ14a・14bの融着面17a・17bの周縁44a・44bの一部(46)を融着させ、その融着箇所46を介して隣り合う一方のパイルの根元16a(16b)が他方のパイルの融着面17b(17a)に連結させたパイル製品では(図6)、一つのパイルを引き抜こうとすれば、その引抜応力は、融着して隣り合う少なくとも2個のバックステッチ14a・14bを介して3個のパイルに分散されて弱まるので、パイルの抜糸強度が向上する。
本発明に係る熱融着性糸条47がバックステッチ14に交叉し融着しているパイル製品では(図7)、その熱融着性糸条47を介してバックステッチ14が基布12に接着固定されるのでパイルの抜糸強度が高まる。
本発明に係る隣り合うパイル糸の一方のパイル糸のバックステッチ(14)が他方のパイル糸のバックステッチ(14)の上を越えて交叉しており、その交叉して隣り合うバックステッチ14a・14bの融着面17a・17bが融着して一体になっているパイル製品では、1個のパイルに作用する引抜応力が隣り合う2個のバックステッチ14a・14bを介して3個のパイルに分散する過程において、その隣り合う2個のバックステッチ14a・14bが引き離されることがなく、パイルの抜糸強度が確実に高まる。
その隣り合うパイル糸の一方のパイル糸のバックステッチ14aを構成している熱可塑性合成繊維の融点が他方のパイル糸のバックステッチ14bを構成している熱可塑性合成繊維の融点よりも低くする場合(図10と図11)、その隣り合うバックステッチ14a・14bを強固に融着一体化することが出来るので、パイルの抜糸強度が一層高まる。
その隣り合うパイル糸の一方のパイル糸のバックステッチ14bの上を越えて交叉する他方のパイル糸のバックステッチ14aを構成している熱可塑性合成繊維の融点を、その隣り合う他方のバックステッチ14aの下を潜って交叉する一方のパイル糸のバックステッチ14bを構成している熱可塑性合成繊維の融点よりも低くする場合(図12と図13)、その隣り合う2個のバックステッチ14a・14bが融着一体化する過程において、その他方のバックステッチ14bに交叉する一方のバックステッチ14aに、その他方のバックステッチ14bの上を越えているが故に熱盤26からの熱が伝わり易く、而も、その上を越えているバックステッチ14aが低融点の熱可塑性合成繊維によって構成されているので、高融点の熱可塑性合成繊維に成る他方のバックステッチ14bの表面を左程加熱溶融することなく、その交叉する2個のバックステッチ14a・14bが融着一体化し易く、パイルの根元16や基布12の熱劣化損傷を効果的に回避し得る。
その低融点の熱可塑性合成繊維によって構成されていて一方のバックステッチ14bの上を越えている他方のバックステッチ14aを構成しているパイル糸の形成しているパイル13aのパイル長を、高融点の熱可塑性合成繊維によって構成されている一方のバックステッチ14bを構成しているパイル糸の形成しているパイル13bのパイル長よりも短くしたパイル製品では(図14)、それをパイル面を表側に向けて使用するとき、強く加熱されて溶融した短パイル13aの根元16aがたとえ熱劣化したとしても、その短パイル13aは、左程加熱されず根元16bが熱劣化していない長パイル13bの下に隠されて保護されるので、パイル製品のパイル面の耐摩耗性の低下は回避される。
そして、パイル糸に扁平断面のテープヤーンやスプリットヤーンを使用してパイル長が30mmを超える長パイル(所謂ロングパイル)を形成したパイル製品は、人工芝生として使用されているが、その人工芝生のロングパイルを基布に接着固定する裏加工には、そのパイル長が長いが故に相当の困難を伴う。しかし、本発明では、裏打用接着剤をバックステッチ面に塗布する裏加工が不要となるので、本発明は、パイル長が30mm以上のロングパイルの人工芝生を製造する上で頗る実用的である。
そして、ロングパイルの人工芝生では、低パイル13aがパイル長の長いカットパイル13bの下に隠れるので、その低パイルをループパイルにしても不都合はない。
加えて、ロングパイルの人工芝生は、そのパイル層即ちパイル間に砂を充填し、砂の充填層の表面にパイルの先端を突き出して施工され使用されるが、その場合、低パイルは砂の充填層の内部に介在して砂の移動を妨げるので、人工芝生の施工状態が安定する。
加えて、ロングパイルの人工芝生は、そのパイル層即ちパイル間に砂を充填し、砂の充填層の表面にパイルの先端を突き出して施工され使用されるが、その場合、低パイルは砂の充填層の内部に介在して砂の移動を妨げるので、人工芝生の施工状態が安定する。
パイル13の表面を加熱し押圧して冷却し硬化し、パイル13の表面に基布12に平行に固化した平板な周縁44に縁取られた融着面17を形成しており、その融着面17によってパイル面を平坦に揃えたパイル製品では(図16)、パイル13の先端が釘状になっているのでバックステッチ14を引き抜こうとしても引き抜くことは出来ない。
従って本発明によると、バックステッチ14を表側に向けて使用してもバックステッチ14が引き抜枯れることがなく、裏側に突き出たパイル13がスパイクのように喰い込むので、バックステッチ14を表側に向けて地表に施工される地表装飾シート、防滑シートやゴルフボール集球シートに好適なパイル製品が得られる。
従って本発明によると、バックステッチ14を表側に向けて使用してもバックステッチ14が引き抜枯れることがなく、裏側に突き出たパイル13がスパイクのように喰い込むので、バックステッチ14を表側に向けて地表に施工される地表装飾シート、防滑シートやゴルフボール集球シートに好適なパイル製品が得られる。
前記の通り、パイル糸を基布12の横幅方向Eに移動しつつパイル13を形成し、バックステッチ14を基布12の長さ方向Fにジグザグに連続させる場合は、その移動距離Dに応じてバックステッチ(14a)の長さも長くなり、バックステッチ面の単位面積に占めるバックステッチ(14a)の面積占有率が増え(図9)、バックステッチ面の平滑性が高まるだけではなく、バックステッチ14に覆われて基布12がバックステッチ面に露顕し難くなり、基布12がバックステッチ14に覆われて摩耗し難くなる。
従って本発明によると、使用量の少ないパイル糸によって、表面がバックステッチ14に十分に覆われて基布12が摩耗し難く、バックステッチ面を表面に向けて使用する地表装飾シート、防滑シートや集球シートに好適なパイル製品が得られる。
従って本発明によると、使用量の少ないパイル糸によって、表面がバックステッチ14に十分に覆われて基布12が摩耗し難く、バックステッチ面を表面に向けて使用する地表装飾シート、防滑シートや集球シートに好適なパイル製品が得られる。
パイル糸を複数本のパイル糸を一群とする2つの群A・Bに分けられて基布12の横幅方向Eに交互に繰り返して配列し、その2つの群A・Bのパイル糸を間欠的に基布12の横幅方向Eに移動しつつパイル13を形成し、バックステッチ14を間欠的に基布12の長さ方向Fにジグザグに連続させ、その1つの群Aのパイル糸の基布12の横幅方向Eに移動する移動距離と他の1つの群Bのパイル糸の基布12の横幅方向Eに移動する移動距離を間欠的に変化させる場合、1つの群Aのパイル糸の横幅方向Eの移動距離と他の1つの群Bのパイル糸の横幅方向Eの移動距離の相違によって、その1つの群Aのパイル糸のジグザグに連続するバックステッチの形状と、他の1つの群Bのパイル糸のジグザグに連続するバックステッチの形状が間欠的に変化し、その移動距離の大きいジグザグ区画Mと移動距離の少ないストライプ区画Nが交互に現われ、眺望して立体感を受け、自然環境によく馴染んでデザイン的にもダイナミックな地表装飾シート、防草シートや集球シートに適したパイル製品が得られる。
図15は、基布の横幅方向Eに移動可能に支持された第1ニードルバーと第2ニードルバーとの2本のニードルバーを具備するダブルニードルシフトタフテッド機を使用して作成されたパイル製品を図示している。パイル糸は、2つのパイル糸群A・Bに分けられ、第1ニードルバーにはパイル糸群Aのパイル糸が挿通され、第2ニードルバーにはパイル糸群Bのパイル糸が挿通される。その場合、第1ニードルバーではパイル糸群Bの1組のパイル糸の数本分だけ間隔を開けてパイル糸群Aの複数組のパイル糸が繰り返し挿通され、第2ニードルバーではパイル糸群Aの1組のパイル糸の数本分だけ間隔を開けてパイル糸群Bの複数組のパイル糸が繰り返し挿通される。
タフティング過程では、第1ニードルバーの横幅方向Eへの移動距離と第2ニードルバーの横幅方向Eへの移動距離をニードルを基布に差し込む複数回のステッチサイクル毎に間欠的に変化させて2つのパイル糸群A・Bのパイル糸によるパイルを植設する。
そうすると、2つのパイル糸群A・Bのバックステッチは、ニードルバーの横幅方向Eへの移動距離の間欠的変化に応じて間欠的変化してジグザグに連続し、パイル糸群Aのパイル糸によるバックステッチの描くジグザグ連続形状とパイル糸群Bのパイル糸によるバックステッチの描くジグザグ連続形状とが、ニードルバーの横幅方向Eへの移動距離が変化する複数回のステッチサイクル毎に間欠的に入れ替わり、そのパイル糸群A・Bのバックステッチのジグザグ連続形状が入れ替わることによってバックステッチ面に絵画が描出されることになる。
図15に図示するパイル製品では、第1ニードルバーが横幅方向Eに移動するステッチサイクルでは第2ニードルバーは横幅方向Eに移動せず、第1ニードルバーに挿通されたパイル糸群Aはジグザグに連続するバックステッチ(M)を形成し、第2ニードルバーに挿通されたパイル糸群Bは基布の長さ方向Fにストライプ状に続くバックステッチ(N)を形成している。それとは逆に、第1ニードルバーが横幅方向Eに移動しないステッチサイクルでは第2ニードルバーは横幅方向Eに移動し、第1ニードルバーに挿通されたパイル糸群Aは基布の長さ方向Fにストライプ状に続くバックステッチ(N)を形成し、第2ニードルバーに挿通されたパイル糸群Bはジグザグに連続するバックステッチ(M)を形成している。こうして、バックステッチ面には、図15に図示するように、基布の長さ方向Fと横幅方向Eにジグザグ区画(M)とストライプ区画(N)が交互する市松模様絵画が描出されることになる。
タフティング過程では、第1ニードルバーの横幅方向Eへの移動距離と第2ニードルバーの横幅方向Eへの移動距離をニードルを基布に差し込む複数回のステッチサイクル毎に間欠的に変化させて2つのパイル糸群A・Bのパイル糸によるパイルを植設する。
そうすると、2つのパイル糸群A・Bのバックステッチは、ニードルバーの横幅方向Eへの移動距離の間欠的変化に応じて間欠的変化してジグザグに連続し、パイル糸群Aのパイル糸によるバックステッチの描くジグザグ連続形状とパイル糸群Bのパイル糸によるバックステッチの描くジグザグ連続形状とが、ニードルバーの横幅方向Eへの移動距離が変化する複数回のステッチサイクル毎に間欠的に入れ替わり、そのパイル糸群A・Bのバックステッチのジグザグ連続形状が入れ替わることによってバックステッチ面に絵画が描出されることになる。
図15に図示するパイル製品では、第1ニードルバーが横幅方向Eに移動するステッチサイクルでは第2ニードルバーは横幅方向Eに移動せず、第1ニードルバーに挿通されたパイル糸群Aはジグザグに連続するバックステッチ(M)を形成し、第2ニードルバーに挿通されたパイル糸群Bは基布の長さ方向Fにストライプ状に続くバックステッチ(N)を形成している。それとは逆に、第1ニードルバーが横幅方向Eに移動しないステッチサイクルでは第2ニードルバーは横幅方向Eに移動し、第1ニードルバーに挿通されたパイル糸群Aは基布の長さ方向Fにストライプ状に続くバックステッチ(N)を形成し、第2ニードルバーに挿通されたパイル糸群Bはジグザグに連続するバックステッチ(M)を形成している。こうして、バックステッチ面には、図15に図示するように、基布の長さ方向Fと横幅方向Eにジグザグ区画(M)とストライプ区画(N)が交互する市松模様絵画が描出されることになる。
又、そのように1つの群Aのパイル糸の横幅方向Eへの移動距離と他の1つの群Bのパイル糸の横幅方向Eへの移動距離を間欠的に変化させると、パイル13の配列具合も変化し、パイル面にもパイル13の配列具合の変化に応じて、パイル13が基布の長さ方向Fに整然と並んだ清楚区画Pと基布の長さ方向Fに繁雑に突き出た繁雑区画Qとの2つの区画P・Qが、2つのパイル糸の各配列群A・Bに現われ、パイル面の外観が変化に富んだパイル製品が得られる(図16)。
バックステッチ14を表側に向け、パイル13を地面に向けて防草シートや集球シートとしてパイル製品を使用する場合、パイルをループパイルにすれば、その表面が融着して固化したループパイルは、小石の恰好になって地面に食い込み、ズレ移動し難くなる。
そして、パイル13の表面とバックステッチ14の表面を加熱し押圧し冷却して硬化して基布12に平行に固化した平板な融着面17を形成し、その融着面17によってパイル布帛11のパイル面とバックステッチ面が平坦に揃える場合は、バックステッチ14とパイル13の何れの面も表側に向けて防草シートや集球シートとして使用することが出来、そのパイル13をループパイルとして表側に向けて地表装飾シートとして使用するときは、そのループパイルが小石の観を呈し、小石を撒いたように地表を飾ることが出来る。
パイル布帛11は、送出装置21から引取装置29へと間欠的に搬送してもよいし連続して搬送してもよい。パイル布帛11を間欠的に搬送する場合は、一般家庭でアイロン掛けをする場合のようにパイル布帛11の静止状態においてパイル面やバックステッチ面に当て布15を被せ、その当て布15の上からパイル面やバックステッチ面を押圧しつつ熱盤26を移動し、熱盤26が通過した当て布15の上からパイル13やバックステッチ14の融着面17を冷却して溶融状態にある融着面17の粘着力を抑え、融着面17が冷却されて固化してから当て布15を融着面17から剥離し、融着面17に当て布15の表面形状を転写する。当て布15の表面形状は、織編布帛に成る当て布15では織編布帛の織り目や編み目であってもよいし、フイルム被覆織編布帛や耐熱性フイルムに成る当て布15では平滑な鏡面でもよく、又、当て布15に使用する織編布帛やフイルム被覆織編布帛或いは耐熱性フイルムの表面にはエンボス模様を刻設しておくことも出来る。
パイル布帛11を連続して搬送する場合、当て布15によってエンドレスベルトを構成し、その当て布15をパイル布帛11に速度を合わせて移動し、それらの移動過程において当て布15の上から熱盤26でパイル面やバックステッチ面を加熱する。
熱盤26には、円筒形の加熱シリンダ(図1と図4)と平板な加熱プレート(図2と図3)の何れをも使用し得る。熱盤26の熱源は電熱とする。
加熱シリンダ(26)を用いる場合、当て布15は、加熱シリンダ(26)とガイドロール45の間に巻き掛けて張設し、冷却装置27は、巻き掛けた当て布15の内側の加熱シリンダ(26)とガイドロール45の間に設ける(図1と図4)。加熱プレート(26)を用いる場合、パイル布帛11の搬送方向に加熱プレート(26)の長さよりも長い一定の距離をおいて2本のガイドロール71・72を設け、それら2本のガイドロール71・72の間に加熱プレート(26)と冷却装置27を並設する(図2と図3)。
加熱シリンダ(26)を用いる場合、当て布15は、加熱シリンダ(26)とガイドロール45の間に巻き掛けて張設し、冷却装置27は、巻き掛けた当て布15の内側の加熱シリンダ(26)とガイドロール45の間に設ける(図1と図4)。加熱プレート(26)を用いる場合、パイル布帛11の搬送方向に加熱プレート(26)の長さよりも長い一定の距離をおいて2本のガイドロール71・72を設け、それら2本のガイドロール71・72の間に加熱プレート(26)と冷却装置27を並設する(図2と図3)。
バックステッチ14からパイル13に続くパイル糸のパイル13の根元16の熱劣化や基布12の熱収縮や変形を抑えるために、加熱シリンダ(26)の外側にパイル面を冷却するパイル冷却装置23を設けるとよい(図1と図4)。パイル布帛11を加熱プレート(26)に沿って送出装置21から引取装置29へとパイル布帛11を一直線状に搬送する場合、そのパイル面側にはパイル布帛11と共に当て布15を加熱プレート(26)へと密着させるバックアップ材を兼ねてエアーテーブル24を設けるとよい(図2)。
パイル面を下向きにし、パイル布帛11をエンドレスベルト22に載せて送出装置21から引取装置29へと一直線状に搬送する場合、そのパイル面側にはエンドレスベルト22とパイル布帛11と共に当て布15を加熱プレート26へと密着させるバックアップテーブル28を設けるとよい(図3)。バックアップテーブル28にはエアーテーブル(24)を使用することが出来る。そのようにエアーテーブル(24)を用いる場合、エンドレスベルト22には通気孔のある網状シートを用い、その通気孔を透過した気流によってパイル根元16と基布12を冷却するとよい(図3)。
当て布15が剥離されたバックステッチ面には、裏打用接着剤を塗布して裏打層を積層することも出来、又、二次基布20を貼り合わせることも出来る(図2と図3)。二次基布20のバックステッチ14との貼合面には熱融着性樹脂を積層し、熱盤26を通過して平滑に調製されたバックステッチ14の融着面17に重ね合わせ、先に使用した第1熱盤26と同様の第2熱盤30を密着させて二次基布20の裏側から熱融着性樹脂を加熱溶融させて融着面17に接着する。第2熱盤30の出口側には、第1熱盤26の出口側に配置した第1冷却装置27と同様の第2冷却装置31を設けるとよい。冷却装置27・31には空冷式冷却パイプや冷却プレート、水冷式冷却パイプや冷却プレート、扇風機、送風機(ファン)等が使用される。熱盤26・30は、電熱線や赤外線ヒーターによって加熱される。
第2熱盤30や第2冷却装置31に向き合うパイル布帛のパイル面側には、第2エアーテーブル32や第2バックアップテーブル33が設けられる。二次基布の送出装置34と第2熱盤30の間には、二次基布20の貼合面に積層されている熱融着性樹脂を予熱して粘着性を付与するための予備加熱装置35を付設するとよい(図2と図3)。
パイル製品19をタイルカーペットとして仕上げる場合、エンドレスベルト36に塗布されたプラスチックゾル37の塗布層38に融着面17を向けてパイル布帛11を積層し、加熱ゾーン39に通してプラスチックゾル37の固化した裏打層40を形成し、カッタ41によって所要の寸法に裁断してタイルカーペット42に仕上げられる(図4)。
塗布層38に向き合うエンドレスベルト36の裏側には予備加熱装置43を設け、パイル布帛11が積層される前の塗布層38を加熱して予備的にゲル化させておくと、その加熱によって塗布層38が熱膨張し、加熱ゾーン39を通過してから冷却されて収縮するので、周縁がパイル面側に反り上がらない周縁裏返りのタイルカーペット42が得られる。
パイル製品引取装置29は、パイル製品を巻き取る巻取ロールによって構成することが出来る。パイル製品19は巻取ロール(29)によって引っ張り込まれる。
従って、パイル布帛送出装置21や二次基布送出装置34は、パイル布帛11や二次基布20を折り畳んで積み上げるだけの荷台や台車であってもよい。
パイル布帛11や二次基布20を一定の張力で緊張してパイル製品引取装置29まで導くためには、パイル布帛送出装置21からパイル製品引取装置29に到る搬送路や二次基布送出装置34からパイル製品引取装置29に送る搬送路にガイドロール51・52・61・62を設ける。
従って、パイル布帛送出装置21や二次基布送出装置34は、パイル布帛11や二次基布20を折り畳んで積み上げるだけの荷台や台車であってもよい。
パイル布帛11や二次基布20を一定の張力で緊張してパイル製品引取装置29まで導くためには、パイル布帛送出装置21からパイル製品引取装置29に到る搬送路や二次基布送出装置34からパイル製品引取装置29に送る搬送路にガイドロール51・52・61・62を設ける。
熱盤26に加熱シリンダを用いる場合、当て布15はエンドレスに構成され、加熱シリンダ(26)とガイドロール(45)によって緊張されて搬送される(図1と図4)。
熱盤に加熱プレートを用いる場合、当て布15はエンドレスに構成され、ガイドロール71・72・73・74に緊張されて搬送される(図2と図3)。パイル布帛を載承して搬送するためにバックアップテーブル28・33を囲んで設けられるエンドレスベルト22はガイドロール81・82・83・84によって緊張されて搬送される(図3)。
冷却装置27・31は空冷式でも水冷式でもよい。空冷式冷却装置は、当て布15や二次基布20に直接冷風を当てるファンによって構成することも出来るし、又、当て布15や二次基布20に接触し冷風によって冷却される冷却盤や冷却管によって構成することが出来る。水冷式冷却装置は、当て布15や二次基布20に接触し冷水によって冷却される冷却盤や冷却管によって構成することが出来るし、特に、下向きになった当て布15や二次基布20の下側になる水冷式冷却装置は(図1)、その下向きになった当て布15や二次基布20に直接冷水を当てるスプレーによって構成することも出来る。
当て布15には、加熱押圧時に融着面17に融着性を示さないパイル糸とは異質の高融点熱可塑性合成繊維や動物性繊維(羊毛)、セルロース系繊維(綿、麻、レーヨン)等の非熱可塑性繊維によって構成された織物、編物、不織布等の布帛、ポリフルオロエチレン等の離形性フイルム、金属蒸着シート、金属シート(金属箔)が使用される。
当て布には、弗素系樹脂やシリコーン系樹脂による離形処理を施しておくとよい。
熱盤26や冷却装置27から伝わる温度差の伝導率を高めるために、当て布15の厚みは1mm以下に、好ましくは0.5mm以下にするとよい。
当て布には、弗素系樹脂やシリコーン系樹脂による離形処理を施しておくとよい。
熱盤26や冷却装置27から伝わる温度差の伝導率を高めるために、当て布15の厚みは1mm以下に、好ましくは0.5mm以下にするとよい。
パイル糸には、熱可塑性合成繊維マルチフィラメント糸と熱可塑性合成繊維モノフィラメント糸の何れをも使用することも出来る。
折畳簡易敷物、湯上がり足拭きマット、出入口足踏みマット、カーペット、タイルカーペット等の屋内敷物、壁張地、天井張地、椅子張地等の屋内装飾シートや車両内装シート、車両床材、車両床足元マット等の内装材に使用されるパイル布帛のパイル糸には、単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が1000dtex〜6000dtexのマルチフィラメント糸を使用するとよい。
浴室出入口水切りマット、水回りマット、および、地表装飾シート、防草シート、集球シート、人工芝生、プールサイド水切りマット、車両昇降口マット等の屋外敷物に使用されるパイル布帛のパイル糸には、単繊維繊度が200dtex以上、好ましくは1000dtex以上で総繊度が3000dtex以上、好ましくは5000dtex以上で、厚み(t)が1μm〜200μmであり、厚み(t)と幅(e)の倍率(e/t)で示される扁平度が50倍〜10000倍となるテープヤーンやスプリットヤーンに成る扁平マルチフィラメント糸か扁平モノフィラメント糸、好ましくは加撚糸、更に好ましくは下撚の施された複数本のテープヤーンやスプリットヤーンに上撚を加えて合撚した合撚扁平糸が使用される。
水回りマットや浴室出入口水切りマットに使用されるパイル布帛のパイル糸には、単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が1000dtex〜15000dtexのマルチフィラメント糸、および、単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が3000dtex以上、好ましくは総繊度が5000dtex〜15000dtexの扁平マルチフィラメント糸や扁平モノフィラメント糸、テープヤーンやスプリットヤーンの合撚糸を使用することが出来る。
折畳簡易敷物、湯上がり足拭きマット、出入口足踏みマット、カーペット、タイルカーペット等の屋内敷物、壁張地、天井張地、椅子張地等の屋内装飾シートや車両内装シート、車両床材、車両床足元マット等の内装材に使用されるパイル布帛のパイル糸には、単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が1000dtex〜6000dtexのマルチフィラメント糸を使用するとよい。
浴室出入口水切りマット、水回りマット、および、地表装飾シート、防草シート、集球シート、人工芝生、プールサイド水切りマット、車両昇降口マット等の屋外敷物に使用されるパイル布帛のパイル糸には、単繊維繊度が200dtex以上、好ましくは1000dtex以上で総繊度が3000dtex以上、好ましくは5000dtex以上で、厚み(t)が1μm〜200μmであり、厚み(t)と幅(e)の倍率(e/t)で示される扁平度が50倍〜10000倍となるテープヤーンやスプリットヤーンに成る扁平マルチフィラメント糸か扁平モノフィラメント糸、好ましくは加撚糸、更に好ましくは下撚の施された複数本のテープヤーンやスプリットヤーンに上撚を加えて合撚した合撚扁平糸が使用される。
水回りマットや浴室出入口水切りマットに使用されるパイル布帛のパイル糸には、単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が1000dtex〜15000dtexのマルチフィラメント糸、および、単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が3000dtex以上、好ましくは総繊度が5000dtex〜15000dtexの扁平マルチフィラメント糸や扁平モノフィラメント糸、テープヤーンやスプリットヤーンの合撚糸を使用することが出来る。
しかし、内装用パイル布帛であっても外装用パイル布帛であっても高融点パイル13bに対応する低融点パイル13aに使用して高融点パイル13bに比してパイル長が短いパイル13a、特に、ループパイル13a(図9と図14)には、加熱時に溶融し易く、高融点パイル13bに融着し易いことから、撚数が100回/m以下で実質的に無撚のテープヤーンやスプリットヤーンの単糸、および、複数本の実質的に無撚のテープヤーンやスプリットヤーンの単糸を合撚した撚数が100回/m以下で実質的に無撚の合撚糸を使用することが推奨される。
テープヤーンやスプリットヤーンの幅(e)は10〜200mmにするとよいが、その幅(e)は特に限定されない。従って、一般に繊維としては使用されておらず、梱包資材や包装資材に使用されている広幅の熱可塑性プラスチックフイルムや紐類(プラスチック製荷造り紐)でもパイル糸として使用することが出来る。
ポリエステル繊維糸条の融点は255℃前後であり、ナイロン糸条の融点(220℃前後)よりも高い。梱包資材や包装資材に広く使用されているポリプロピレン繊維糸条の融点は、ポリエステル繊維糸やナイロン糸条に比して著しく低く170℃前後である。ポリエチレンの融点は、ポリプロピレンよりも更に低く130℃前後である。
そのように他の熱可塑性合成繊維糸条に比して低融点であるが、ポリエチレンはテープヤーンやフイルムとして梱包資材や包装資材に広く使用されているものの、単繊維繊度20dtexのマルチフィラメント糸としての使用は少ない。しかし、本発明におけるパイル糸は、厚み(t)が1μm〜200μmで幅(e)が10mm〜200mmであり、扁平度が50倍〜10000倍となるテープヤーンであり、それにはプラスチックフイルムや紐類に使用出来るので、単繊維繊度が20dtex未満のマルチフィラメント糸としては使用されていないとしても、ポリエチレンやポリエチレン酢酸ビニル等の極低融点のプラスチックフイルムやテープ類もパイル糸として使用することが出来る。
そのように他の熱可塑性合成繊維糸条に比して低融点であるが、ポリエチレンはテープヤーンやフイルムとして梱包資材や包装資材に広く使用されているものの、単繊維繊度20dtexのマルチフィラメント糸としての使用は少ない。しかし、本発明におけるパイル糸は、厚み(t)が1μm〜200μmで幅(e)が10mm〜200mmであり、扁平度が50倍〜10000倍となるテープヤーンであり、それにはプラスチックフイルムや紐類に使用出来るので、単繊維繊度が20dtex未満のマルチフィラメント糸としては使用されていないとしても、ポリエチレンやポリエチレン酢酸ビニル等の極低融点のプラスチックフイルムやテープ類もパイル糸として使用することが出来る。
特に、フイルムやテープは、マルチフィラメント糸の細かい繊維が融着一体化した恰好になっているので、当て布15を介して熱盤26で軽く押圧しただけでパイル13やバックステッチ14の表面が硬い平板状の融着面17に成り易い。そして、硬い平板状の融着面17によって構成されるパイル面(13)やバックステッチ面(14)ではボールが転がり易く、集め易くなる。このため、本発明によると、ポリエチレンやポリエチレン酢酸ビニル等の極低融点のプラスチックフイルムやテープ類をパイル糸に使用してゴルフボール集球マットに好適なパイル製品を安価に得ることが出来る。
低融点のパイル糸のバックステッチ14aと高融点のパイル糸とバックステッチ14bを交叉させて融着一体化させる場合、低融点のパイル糸にはポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、好ましくはポリエチレンを用い、高融点のパイル糸には低融点のパイル糸よりも融点が40℃以上高くなるポリプロピレン、アクリル、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル等の高融点熱可塑性合成繊維、好ましくはポリエステルを用いる。
低融点のパイル糸のバックステッチ14aと高融点のパイル糸とバックステッチ14bを交叉させて融着一体化させる場合、低融点のパイル糸にはポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、好ましくはポリエチレンを用い、高融点のパイル糸には低融点のパイル糸よりも融点が40℃以上高くなるポリプロピレン、アクリル、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル等の高融点熱可塑性合成繊維、好ましくはポリエステルを用いる。
フイルムやテープは、細かい無数の繊維に成るマルチフィラメント糸に比して比表面積が少なく保水性を欠き、加撚されたフイルムやテープに成る紐類は、マルチフィラメント糸に比して押し潰され難い。このため本発明によると、浴室出入口等の水廻りに置き敷きして水滴を垂らし落とす水切りマットに好適なパイル製品を安価に得ることが出来る。
このように、梱包資材や包装資材に広く使用されているポリエチレンやポリエチレン酢酸ビニルに成るフイルムやテープをパイル糸に使用することが、本発明の好ましい実施態様となる。基布には融点が高融点のパイル糸と同等の熱可塑性合成繊維が使用される。
ループパイルを形成し、そのパイル面を表向きにして外装用パイル製品として使用されるパイル布帛のパイル糸には、ポリエチレンやポリエチレン酢酸ビニルに成るフイルムやテープを用いるとよく、その際、色彩の異なる数種の単糸を合撚するか、色彩の異なる数種のパイル糸を用いると、ループパイルが砂粒や小石の観を呈し、地表装飾シートに好適なパイル製品を安価に得ることが出来る。
パイル布帛はタフテッド機、ウイルトン織機、経編機、および、緯編機によって織編成することが出来る。
パイル糸を基布12の横幅方向に移動しつつパイル13を突設してバックステッチをジグザグに形成するためには、タフテッド機か経編機を使用するとよい。経編機を使用する場合、ジグザグに続くバックステッチは、編地のシンカーループ面に現われるシンカーループによって形成される。本発明に好適なパイル布帛は、タフテッド機によって製造されるタフテッドパイル布帛であり、図5〜図16に図示するパイル製品は、タフテッドパイル布帛を使用したものである。
隣り合うパイル糸のバックステッチを交叉させる場合、図10〜図13に図示するように隣り合う一方のパイル糸だけを基布の横幅方向Eに移動してもよい。
しかし、隣り合うパイル糸を互いに逆向きに基布の横幅方向Eに移動し、隣り合うバックステッチ(14a・14b)を、互いにX字状に交叉させ、それぞれ基布の長さ方向Fにジグザグに連続させることも出来る。
しかし、隣り合うパイル糸を互いに逆向きに基布の横幅方向Eに移動し、隣り合うバックステッチ(14a・14b)を、互いにX字状に交叉させ、それぞれ基布の長さ方向Fにジグザグに連続させることも出来る。
本発明に係るパイル製品は、地表装飾シート、防草シート、集球シート、人工芝生、プールサイド水切りマット等の屋外敷物、折畳簡易敷物、浴室出入口水切りマット、湯上がり足拭きマット、水回りマット、出入口足踏みマット、出入口靴裏清掃ダストコントロールマット、カーペット、タイルカーペット等の屋内敷物、壁張地、天井張地、椅子張地(シート地)等の屋内装飾シートや車両内装シート、車両床材、車両床足元マット、車両昇降口マットに使用される。
11:パイル糸
12:基布
13:パイル
14:バックステッチ
15:当て布
16:根元
17:融着面
18:貫通孔
19:パイル製品
20:二次基布
21:送出装置
22:エンドレスベルト
23:パイル冷却装置
24:エアーテーブル
25:当て布被覆装置
26:熱盤
27:融着面冷却装置
28:バックアップテーブル
29:引取装置
30:第2熱盤
31:第2冷却装置
32:第2エアーテーブル
33:第2バックアップテーブル
34:二次基布送出装置
35:予備加熱装置
36:エンドレスベルト
37:プラスチックゾル
38:塗布層
39:加熱ゾーン
40:裏打層
41:カッタ
42:タイルカーペット
43:予備加熱装置
44:融着面の周縁
45:ガイドロール
46:融着箇所
47:熱融着性糸条
51〜52:ガイドロール
61〜62:ガイドロール
71〜74:ガイドロール
81〜84:ガイドロール
A :パイル糸群
B :パイル糸群
D :パイル糸移動距離
E :基布の横幅方向
F :基布の長さ方向
G :パイル糸配列間隔
M :ジグザグ区画
N :ストライプ区画
P :清楚区画
Q :繁雑区画
S :パイル突設間隔
T :パイルの根元の太さ
V :パイルの表面の融着面の幅
W :バックステッチの表面の融着面の幅
12:基布
13:パイル
14:バックステッチ
15:当て布
16:根元
17:融着面
18:貫通孔
19:パイル製品
20:二次基布
21:送出装置
22:エンドレスベルト
23:パイル冷却装置
24:エアーテーブル
25:当て布被覆装置
26:熱盤
27:融着面冷却装置
28:バックアップテーブル
29:引取装置
30:第2熱盤
31:第2冷却装置
32:第2エアーテーブル
33:第2バックアップテーブル
34:二次基布送出装置
35:予備加熱装置
36:エンドレスベルト
37:プラスチックゾル
38:塗布層
39:加熱ゾーン
40:裏打層
41:カッタ
42:タイルカーペット
43:予備加熱装置
44:融着面の周縁
45:ガイドロール
46:融着箇所
47:熱融着性糸条
51〜52:ガイドロール
61〜62:ガイドロール
71〜74:ガイドロール
81〜84:ガイドロール
A :パイル糸群
B :パイル糸群
D :パイル糸移動距離
E :基布の横幅方向
F :基布の長さ方向
G :パイル糸配列間隔
M :ジグザグ区画
N :ストライプ区画
P :清楚区画
Q :繁雑区画
S :パイル突設間隔
T :パイルの根元の太さ
V :パイルの表面の融着面の幅
W :バックステッチの表面の融着面の幅
Claims (83)
- (イ) 基布(12)の片面に熱可塑性合成繊維を主材とするパイル糸によるパイル(13)が突設され、基布の他の片面にパイル糸の長さ方向に前後する二つのパイルの根元(16)と根元(16)の間を連鎖するバックステッチ(14)が露出しているパイル布帛(11)のパイル(13)が突出しているパイル面とバックステッチ(14)が露出しているバックステッチ面との何れか少なくとも片面に当て布(15)を重ね合わせて覆い、
(ロ) その当て布(15)の表面に熱盤(26)を重ね合わせて当て布(15)の上からパイル面とバックステッチ面との何れか少なくとも片面を加熱し押圧してパイル(13)とバックステッチ(14)の何れかの表面の少なくとも一部を溶融させて平板な融着面(17)とし、
(ハ) その後、熱盤(26)を当て布(15)から引き離し、
(ニ) 当て布(15)の上から融着面(17)を冷却して固化し、
(ホ) 当て布(15)を融着面(17)から剥離して当て布(15)の表面形状を融着面(17)に転写してパイルの根元(16)を熱セットするパイル製品の製造方法。 - (ヘ) パイル布帛(11)のパイル面かバックステッチ面の上に重ね合わせ得る熱盤(26)と、
(ト) その熱盤(26)に加熱されたパイル面かバックステッチ面を冷却する冷却装置(27)と、
(チ) その熱盤(26)に重なり合う部位に向けてパイル布帛(11)を送出するパイル布帛送出装置(21)と、
(リ) 冷却装置(27)にパイル面かバックステッチ面が冷却されたパイル布帛(11)を引取るパイル製品引取装置(29)と、
(ヌ) 熱盤(26)に加熱されるパイル面かバックステッチ面と熱盤(26)の間に挟み込まれて加熱されるパイル面かバックステッチ面を保護する当て布(15)によって構成され、
(ル) パイル布帛送出装置(21)とパイル製品引取装置(29)の間でパイル布帛(11)を緊張し得るように調製されており、
(オ) パイル布帛送出装置(21)とパイル製品引取装置(29)の間において、熱盤(26)と冷却装置(27)とは、熱盤(26)がパイル布帛送出装置側に配置され、冷却装置(27)は、熱盤(26)と冷却装置(27)に対してパイル製品引取装置側に配置されており、
(ワ) 当て布(15)が、パイル面かバックステッチ面と熱盤(26)の間からパイル面かバックステッチ面と冷却装置(27)の間へと連続して挟み込まれ、パイル面かバックステッチ面と冷却装置(27)の間を通過してからパイル面かバックステッチ面から引き離されるようになっているパイル製品の製造装置。 - (カ) 基布(12)の片面に熱可塑性合成繊維を主材とするパイル糸によるパイル(13)が突設され、基布の他の片面にパイル糸の長さ方向に前後する二つのパイルの根元(16)と根元(16)の間を連鎖するバックステッチ(14)が露出しているパイル布帛(11)によって構成され、
(ヨ) パイル布帛(11)のパイル(13)の表面とバックステッチ(14)の表面との何れか少なくとも片面の表面が加熱され押圧されて冷却されて硬化し、パイル(13)の表面とバックステッチ(14)の表面との少なくとも何れかの表面が、基布(12)に平行に固化した平板な融着面(17)になっており、
(タ) その融着面(17)によってパイル布帛(11)のパイル面とバックステッチ面との何れか少なくとも片面が平坦に揃えられているパイル製品。 - 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が1000dtex以上6000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項3に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が6000dtex以上15000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項3に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が3000dtex以上のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項3に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が5000dtex以上15000dtex未満のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項3に記載のパイル製品。
- 厚み(t)が1μm以上200μm以下で幅(e)が10mm以上200mm以下であり、厚み(t)と幅(e)の倍率(e/t)で示される扁平度が50倍以上10000倍以下となるポリエチレンテープヤーンとポリエチレンプリットヤーンの何れかの糸条によってパイル糸が構成されている前掲請求項3に記載のパイル製品。
- (レ) 基布(12)の片面に熱可塑性合成繊維を主材とするパイル糸によるパイル(13)が突設され、基布の他の片面にパイル糸の長さ方向に前後する二つのパイルの根元(16)と根元(16)の間を連鎖するバックステッチ(14)が露出しているパイル布帛(11)によって構成され、
(ソ) バックステッチ(14)の表面が、加熱され押圧されて冷却されて硬化し、基布(12)に平行に固化した平板な融着面(17)になっており、
(ツ) その融着面(17)によってパイル布帛(11)のバックステッチ面が平坦に揃えられているパイル製品。 - 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が1000dtex以上6000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項9に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が6000dtex以上15000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項9に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が3000dtex以上のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項9に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が5000dtex以上15000dtex未満のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項9に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が5000dtex以上15000dtex未満のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項9に記載のパイル製品。
- パイル糸が基布(12)の横幅方向(E)に移動しつつパイル(13)を形成しており、バックステッチ(14)が基布(12)の長さ方向(F)にジグザグに連続している前掲請求項9に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が1000dtex以上6000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項15に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が6000dtex以上15000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項15に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が3000dtex以上のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項15に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が5000dtex以上15000dtex未満のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項15に記載のパイル製品。
- 厚み(t)が1μm以上200μm以下で幅(e)が10mm以上200mm以下であり、厚み(t)と幅(e)の倍率(e/t)で示される扁平度が50倍以上10000倍以下となるポリエチレンテープヤーンとポリエチレンプリットヤーンとの何れかの糸条によってパイル糸が構成されている前掲請求項15に記載のパイル製品。
- 隣り合うパイル糸のバックステッチ(14a・14b)の融着面(17a・17b)の周縁(44a・44b)の一部(46)が融着しており、その融着箇所(46)を介して、その隣り合う一方のパイルの根元(16a(16b))が他方のパイルの融着面(17b(17a))に連結されている前掲請求項9と15の何れかに記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が1000dtex以上6000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項21に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が6000dtex以上15000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項21に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が3000dtex以上のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項21に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が5000dtex以上15000dtex未満のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項21に記載のパイル製品。
- パイル布帛に熱融着性糸条(47)が織編込まれており、その熱融着性糸条(47)がバックステッチ(14)に交叉し融着している前掲請求項9と15の何れかに記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が3000dtex以上のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項26に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が5000dtex以上15000dtex未満のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項26に記載のパイル製品。
- 厚み(t)が1μm以上200μm以下で幅(e)が10mm以上200mm以下であり、厚み(t)と幅(e)の倍率(e/t)で示される扁平度が50倍以上10000倍以下となるポリエチレンテープヤーンとポリエチレンプリットヤーンの何れかの糸条によってパイル糸が構成されている前掲請求項26に記載のパイル製品。
- 隣り合うパイル糸の一方のパイル糸のバックステッチ(14)が他方のパイル糸のバックステッチ(14)の上を越えて交叉しており、その交叉して隣り合うバックステッチ(14a・14b)の融着面(17a・17b)が融着して一体になっている前掲請求項9に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が3000dtex以上のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項30に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が5000dtex以上15000dtex未満のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項30に記載のパイル製品。
- 厚み(t)が1μm以上200μm以下で幅(e)が10mm以上200mm以下であり、厚み(t)と幅(e)の倍率(e/t)で示される扁平度が50倍以上10000倍以下となるポリエチレンテープヤーンとポリエチレンプリットヤーンの何れかの糸条によってパイル糸が構成されている前掲請求項30に記載のパイル製品。
- 隣り合うパイル糸の一方のパイル糸のバックステッチ(14a)を構成している熱可塑性合成繊維の融点が他方のパイル糸のバックステッチ(14b)を構成している熱可塑性合成繊維の融点よりも低い前掲請求項30に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が3000dtex以上のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項34に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が5000dtex以上15000dtex未満のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項34に記載のパイル製品。
- 厚み(t)が1μm以上200μm以下で幅(e)が10mm以上200mm以下であり、厚み(t)と幅(e)の倍率(e/t)で示される扁平度が50倍以上10000倍以下となるポリエチレンテープヤーンとポリエチレンプリットヤーンの何れかの糸条によってパイル糸が構成されている前掲請求項34に記載のパイル製品。
- 高融点のバックステッチ(14b)を構成しているパイル糸の融点が低融点のバックステッチ(14a)を構成しているパイル糸の融点よりも40℃以上高い前掲請求項34に記載のパイル製品。
- 低融点のバックステッチ(14a)を構成しているパイル糸がポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンの何れかの糸条によって構成されている前掲請求項34に記載のパイル製品。
- 低融点のバックステッチ(14a)を構成しているパイル糸がポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンの何れかの糸条によって構成されており、高融点のバックステッチ(14b)を構成しているパイル糸がアクリル、ナイロン、ポリエステルの何れかの糸条によって構成されている前掲請求項34に記載のパイル製品。
- 低融点のバックステッチ(14a)を構成しているパイル糸がポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレンの何れかの糸条によって構成されており、高融点のバックステッチ(14b)を構成しているパイル糸がポリプロピレン、アクリル、ナイロン、ポリエステルの何れかの糸条によって構成されている前掲請求項34に記載のパイル製品。
- 低融点のバックステッチ(14a)を構成しているパイル糸がポリエチレンの何れかの糸条によって構成されており、高融点のバックステッチ(14b)を構成しているパイル糸がアクリル、ナイロン、ポリエステルの何れかの糸条によって構成されている前掲請求項34に記載のパイル製品。
- 隣り合うパイル糸の一方のパイル糸のバックステッチ(14b)の上を越えて交叉する他方のパイル糸のバックステッチ(14a)を構成している熱可塑性合成繊維の融点が、その他方のバックステッチ(14a)の下を潜って交叉する一方のパイル糸のバックステッチ(14b)を構成している熱可塑性合成繊維の融点よりも低い前掲請求項34に記載のパイル製品。
- 低融点の熱可塑性合成繊維によって構成されていて一方のバックステッチ(14b)の上を越えている他方のバックステッチ(14a)を構成しているパイル糸の形成しているパイル(13a)のパイル長が、高融点の熱可塑性合成繊維によって構成されている一方のバックステッチ(14b)を構成しているパイル糸の形成しているパイル(13b)のパイル長よりも短い請求項43に記載のパイル製品。
- パイル長が短いパイル(13a)がループパイルである前掲請求項43と44の何れかに記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が3000dtex以上のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項43と44と45の何れかに記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が5000dtex以上15000dtex未満のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項43と44と45の何れかに記載のパイル製品。
- 厚み(t)が1μm以上200μm以下で幅(e)が10mm以上200mm以下であり、厚みと幅の倍率(e/t)で示される扁平度が50倍以上10000倍以下となるポリエチレンテープヤーンとポリエチレンプリットヤーンの何れかの糸条によってパイル糸が構成されている前掲請求項43と44と45の何れかに記載のパイル製品。
- 高融点のバックステッチ(14b)を構成しているパイル糸の融点が低融点のバックステッチ(14a)を構成しているパイル糸の融点よりも40℃以上高い前掲請求項43と44と45の何れかに記載のパイル製品。
- 低融点のバックステッチ(14a)を構成しているパイル糸がポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンの何れかの糸条によって構成されている前掲請求項43と44と45の何れかに記載のパイル製品。
- 低融点のバックステッチ(14a)を構成しているパイル糸がポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンの何れかの糸条によって構成されており、高融点のバックステッチ(14b)を構成しているパイル糸がアクリル、ナイロン、ポリエステルの何れかの糸条によって構成されている前掲請求項43と44と45の何れかに記載のパイル製品。
- 低融点のバックステッチ(14a)を構成しているパイル糸がポリエチレン酢酸ビニルとポリエチレンの何れかの糸条によって構成されており、高融点のバックステッチ(14b)を構成しているパイル糸がポリプロピレン、アクリル、ナイロン、ポリエステルの何れかの糸条によって構成されている前掲請求項43と44と45の何れかに記載のパイル製品。
- 低融点のバックステッチ(14a)を構成しているパイル糸がポリエチレンの糸条によって構成されており、高融点のバックステッチ(14b)を構成しているパイル糸がアクリル、ナイロン、ポリエステルの何れかの糸条によって構成されている前掲請求項43と44と45の何れかに記載のパイル製品。
- バックステッチ(14)の表面の融着面(17)の幅(W)がパイルの根元(16)の太さ(T)よりも押し広げられている前掲請求項4〜53の何れかにに記載のパイル製品。
- (ネ) 基布(12)の片面に熱可塑性合成繊維を主材とするパイル糸によるパイル(13)が突設され、基布の他の片面にパイル糸の長さ方向に前後する二つのパイルの根元(16)と根元(16)の間を連鎖するバックステッチ(14)が露出しているパイル布帛によって構成され、
(ナ) パイル(13)の表面が、加熱され押圧されて冷却されて硬化し、基布(12)に平行に固化した平板な周縁(44)に縁取られた融着面(17)を形成しており、
(ラ) その融着面(17)によってパイル面が平坦に揃えられているパイル製品。 - 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が1000dtex以上6000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項55に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が6000dtex以上15000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項55に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が3000dtex以上のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項55に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が5000dtex以上15000dtex未満のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項55に記載のパイル製品。
- 厚み(t)が1μm以上200μm以下で幅(e)が10mm以上200mm以下であり、厚み(t)と幅(e)の倍率(e/t)で示される扁平度が50倍以上10000倍以下となるポリエチレンテープヤーンとポリエチレンプリットヤーンの何れかの糸条によってパイル糸が構成されている前掲請求項55に記載のパイル製品。
- パイル糸が基布(12)の横幅方向(E)に移動しつつパイル(13)を形成しており、バックステッチ(14)が基布(12)の長さ方向(F)にジグザグに連続している前掲請求項55に記載のパイル製品。
- パイル糸が間欠的に基布(12)の横幅方向(E)に移動しつつパイル(13)を形成しており、バックステッチ(14)が間欠的に基布(12)の長さ方向(F)にジグザグに連続している前掲請求項55に記載のパイル製品。
- パイル糸が、複数本のパイル糸を一群とする2つの群(A・B)に分けられて基布(12)の横幅方向(E)に交互に繰り返して配列されており、
その2つの群(A・B)のパイル糸が、間欠的に基布(12)の横幅方向(E)に移動しつつパイル(13)を形成し、バックステッチ(14)が間欠的に基布(12)の長さ方向(F)にジグザグに連続しており、
その1つの群(A)のパイル糸の基布(12)の横幅方向(E)に移動する移動距離と、他の1つの群(B)のパイル糸の基布(12)の横幅方向(E)に移動する移動距離が間欠的に変化し、
1つの群(A)のパイル糸の横幅方向(E)の移動距離と他の1つの群(B)のパイル糸の横幅方向(E)の移動距離の相違によって、1つの群(A)のパイル糸のジグザグに連続するバックステッチ(14)の形状と他の1つの群(B)のパイル糸のジグザグに連続するバックステッチ(14)の形状が間欠的に変化しており、
その2つの群(A・B)のパイル糸の形成するバックステッチ(14)の形状の相違によってバックステッチ面に絵画が描出されている前掲請求項55に記載のパイル製品。 - 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が1000dtex以上6000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項63に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が6000dtex以上15000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項63に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が3000dtex以上のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項63に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が5000dtex以上15000dtex未満のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項63に記載のパイル製品。
- 厚み(t)が1μm以上200μm以下で幅(e)が10mm以上200mm以下であり、厚み(t)と幅(e)の倍率(e/t)で示される扁平度が50倍以上10000倍以下となるポリエチレンテープヤーンとポリエチレンプリットヤーンの何れかの糸条によってパイル糸が構成されている前掲請求項63記載のパイル製品。
- パイルがループパイルである前掲請求項55〜68の何れかに記載のパイル製品。
- バックステッチ(14)の表面が、加熱され押圧されて冷却されて硬化し、基布(12)に平行に固化した平板な融着面(17)になっており、
その融着面(17)によってパイル布帛(11)のバックステッチ面が平坦に揃えられている前掲請求項55〜68の何れかに記載のパイル製品。 - 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が1000dtex以上6000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項55〜68の何れかに記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が6000dtex以上15000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項55〜68の何れかに記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が3000dtex以上のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項55〜68の何れかに記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が5000dtex以上15000dtex未満のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項55〜68の何れかに記載のパイル製品。
- 厚み(t)が1μm以上200μm以下で幅(e)が10mm以上200mm以下であり、厚み(t)と幅(e)の倍率(e/t)で示される扁平度が50倍以上10000倍以下となるポリエチレンテープヤーンとポリエチレンプリットヤーンの何れかの糸条によってパイル糸が構成されている前掲請求項55〜68の何れかに記載のパイル製品。
- パイル(13)の表面の融着面(17)の幅(V)がパイルの根元(16)の太さ(T)よりも押し広げられている前掲請求項55〜75の何れかに記載のパイル製品。
- (ム) 基布(12)の片面に熱可塑性合成繊維を主材とするパイル糸によるパイル(13)が突設され、基布の他の片面にパイル糸の長さ方向に前後する二つのパイルの根元(16)と根元(16)の間を連鎖するバックステッチ(14)が露出しているパイル布帛によって構成され、
(ウ) パイル(13)の表面とバックステッチ(14)の表面が、加熱され押圧されて冷却されて硬化し、基布に平行に固化した平板な融着面(17)になっており、
(ヒ) その融着面(17)によってパイル布帛(11)のパイル面とバックステッチ面が平坦に揃えられているパイル製品。 - 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が1000dtex以上6000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項77に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が20dtex未満で総繊度が6000dtex以上15000dtex未満のマルチフィラメント糸によってパイル糸が構成されている前掲請求項77に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が3000dtex以上のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項77に記載のパイル製品。
- 単繊維繊度が200dtex以上で総繊度が5000dtex以上15000dtex未満のテープヤーンまたはスプリットヤーンによってパイル糸が構成されている前掲請求項77に記載のパイル製品。
- 厚み(t)が1μm以上200μm以下で幅(e)が10mm以上200mm以下であり、厚み(t)と幅(e)の倍率(e/t)で示される扁平度が50倍以上10000倍以下となるポリエチレンテープヤーンとポリエチレンプリットヤーンの何れかによってパイル糸が構成されている前掲請求項77に記載のパイル製品。
- (ノ) 基布(12)に植設されるパイル糸を基布(12)に差し込むための複数本のニードルを基布(12)の横幅方向(E)に並べて保持し、基布(12)の横幅方向(E)に移動可能に支持された第1ニードルバーと第2ニードルバーとの2本のニードルバーを具備するタフテッド機において、その2本のニードルバーが保持する複数本のニードルの数に応じた複数本のパイル糸を2つのパイル糸群(A・B)に分け、2本のニードルバーの内の第1ニードルバーのニードルにはパイル糸群(A)の複数本のパイル糸を挿通し、他の第2ニードルバーのニードルにはパイル糸群(B)の複数本のパイル糸を挿通すると共に、第1ニードルバーではパイル糸群(B)の複数本のパイル糸の数本分だけ間隔を開けてパイル糸群(A)の複数本のパイル糸を繰り返して挿通し、第2ニードルバーではパイル糸群(A)の複数本のパイル糸の数本分だけ間隔を開けてパイル糸群(B)の複数本のパイル糸を繰り返して挿通し、第1ニードルバーの横幅方向(E)への移動距離と第2ニードルバーの横幅方向(E)への移動距離をニードルを基布に差し込む複数回のステッチサイクル毎に間欠的に変化させて2つのパイル糸群(A・B)のパイル糸によるパイルを植設して形成されたタフテッドパイル布帛によって構成されており、
(オ) 2つのパイル糸群(A・B)のパイル糸によるバックステッチがニードルバーの横幅方向(E)への移動距離の間欠的に変化に応じて間欠的に変化してジグザグに連続しており、
(ク) パイル糸群(A)のパイル糸によるバックステッチの描くジグザグ連続形状とパイル糸群(B)のパイル糸によるバックステッチの描くジグザグ連続形状とが、ニードルバーの横幅方向(E)への移動距離が変化する複数回のステッチサイクル毎に間欠的に入れ替わっており、
(ヤ) そのパイル糸群(A・B)のバックステッチのジグザグ連続形状の入れ替わりによって絵画がバックステッチ面に描出されているパイル製品。
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CN113599658A (zh) * | 2021-09-16 | 2021-11-05 | 中山市鑫威织造有限公司 | 一种医用绑带的制作方法 |
EP4234806A1 (en) * | 2022-02-28 | 2023-08-30 | Covestro (Netherlands) B.V. | A method for manufacturing a carpet product, and a product obtainable using this method |
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2013
- 2013-05-15 JP JP2013103256A patent/JP2014224326A/ja active Pending
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WO2023161435A1 (en) * | 2022-02-28 | 2023-08-31 | Covestro (Netherlands) B.V. | A method for manufacturing a carpet product, and a product obtainable using this method |
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