まず、本発明である遊技機、具体的にはスロットマシンについて説明する。なお、図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
図1〜図4に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、図3及び図4に示すように、木製で板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、図4に示すように、上下一対の支軸25a、25bが設けられている。支軸25a、25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、図3に示すように、各支軸25a、25bに対応して当該支軸25a、25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a、26bが設けられている。そして、各支軸25a、25bの上方に支持金具26a、26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a、26bの挿入孔に支軸25a、25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a、25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、図1に示すように、前面扉12の右端側上部には解錠操作部であるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、図1及び図3に示すように、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1及び図2に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L、31M、31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L、31M、31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L、31M、31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L、31M、31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L、中リール42M、右リール42Rを備えている。なお、各リール42L、42M、42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L、42M、42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L、42M、42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L、42M、42Rが各表示窓31L、31M、31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L、42M、42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L、31M、31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L、42M、42Rが正回転すると、各表示窓31L、31M、31Rを通じてリール42L、42M、42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L、42M、42Rは、図5に示すように、それぞれがステッピングモータ61L、61M、61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L、61M、61Rの駆動により各リール42L、42M、42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。なお、これら各リール42L、42M、42Rは同様の構成をしているため、図5では左リール42Lを各リールの代表として描いている。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、図5に示すように、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にネジ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a、55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号を出力する。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは、例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L、42M、42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31Lから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を露出窓31Lから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L、42M、42Rに付された図柄のうち、表示窓31L、31M、31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L、31M、31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L、42M、42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L、42M、42Rに付される図柄について説明する。図6には、左リール42L、中リール42M、右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L、42M、42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール42L、42M、42Rに対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール42L、42M、42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)がある。そして、各リール42L、42M、42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
なお、リールユニット41の各リール42L、42M、42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段はこれ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
また、各リール42L、42M、42Rの内側には、各リール42L、42M、42Rのベルトを内側から照らすバックライト装置100L、100M、100Rが配置されている。
これらバックライト装置100L、100M、100Rは、図7(a)に示すように、各リール42L、42M、42Rと1対1に対応させて取り付けられており、左バックライト装置100L、中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rから構成される。各バックライト装置100L、100M、100Rは、リールユニット41内において、前述したように、各リール42L、42M、42Rに対応させて配置された各モータプレート53L、53M、53Rの側面の遊技パネル30側に取り付けられている。そして、各バックライト装置100L、100M、100Rは、上下方向にみて同じ位置に配置されている。なお、図7(a)は、各リール42L、42M、42Rを取り除いた状態におけるリールユニット41周辺を拡大して示す斜視図である。また、以下の説明で用いる図7(b)は左バックライト装置100Lの正面図である。この図7(b)では、各バックライト装置100L、100M、100Rがいずれも同一構造であるため、左バックライト装置100Lを代表として描いている。
図7(b)に示すように、左バックライト装置100Lは、前方側が開放された箱形状であって上下方向の長さ及び左右方向の長さが表示窓31L(図1)とほぼ同じ長さであるベース101Lを備えている。ベース101Lは、その開口領域を区切る隔壁が等間隔に上下に2個形成されていることにより、第1開口領域102L、第2開口領域103L及び第3開口領域104Lが、それぞれ上段、中段及び下段に並ぶ構成となっている。そして、前面扉12を閉じた状態においては、各開口領域102L、103L、104Lは、表示窓31Lの上段、中段及び下段のそれぞれに対応した位置の後方に配置される。具体的には、第1開口領域102Lは表示窓31Lの上段付近の後方に配置し、第2開口領域103Lは表示窓31Lの中段付近の後方に配置し、第3開口領域104Lは表示窓31Lの下段付近の後方に配置する。また、第1開口領域102Lの開口前面は若干上方を向いており、第3開口領域104Lの開口前面は若干下方を向いている。従って、ベース101Lの側面は遊技パネル30側に向けて膨らんだ円弧状となっている。
これら各開口領域102L、103L、104Lには、発光ダイオードからなる4個ずつのバックライト105が前方に向けて起立するように配設されている。そして、各開口領域102L、103L、104Lにおけるバックライト105は、所定間隔を隔てて上下2列に分けて2個ずつ配置されており、各列のバックライト105は所定間隔を隔てて水平となるように並んでいる。即ち、左バックライト装置100Lには、第1開口領域102Lの上の列である第1ラインL1及び下の列である第2ラインL2並びに第2開口領域103Lの上の列である第3ラインL3及び下の列である第4ラインL4並びに第3開口領域104Lの上の列である第5ラインL5及び下の列である第6ラインL6というように、隔壁を挟んで上下方向に合計6列のバックライト105のラインが存在することとなる。そして、中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rにも合計6列のバックライト105のラインが存在しており、上述したように、各バックライト装置100L、100M、100Rは、上下方向にみて同じ位置に配置されているので、各バックライト装置100L、100M、100Rの各ラインL1〜L6は、それぞれ同一ライン上に位置することとなる。即ち、ラインL1は、各バックライト装置100L、100M、100Rの第1開口領域102L、102M、102Rの上の列に配設された合計6個のバックライト105を水平に結んだラインということになる。他の各ラインL2〜L6についても同様である。また、各バックライト105は、各々のラインL1〜L6毎に制御される。従って、各々のラインL1〜L6毎にバックライト105の点灯及び消灯が行われる。
各ラインL1〜L6上のバックライト105が点灯することにより、各リール42L、42M、42Rのベルトのそれぞれ異なる位置が後方から照らされることとなる。なお、上述したように、各ベース101L、101M、101Rが隔壁により3つの開口領域102〜104に区分されている。従って、第1ラインL1及び第2ラインL2上のバックライト105が点灯した場合には、表示窓31L、31M、31Rの上段に対応した位置付近のベルトの内側面のみが照らされ、表示窓31L、31M、31Rの中段及び下段に対応した位置付近のベルトの内側面は照らされない。これは他のラインL3〜L6上のバックライト105が点灯した場合も同様である。上述したように、ベルトは照射された光をある程度透過することができる材質の材料により形成されているので、バックライト105によってベルトが後方から照らされると、ベルトを透過した光が表示窓31L、31M、31Rを介して遊技者に視認される。また、各リール42L、42M、42Rが回転しているときは、点灯しているバックライト105の前方を通過するベルトに付された図柄が強調されることとなる。
遊技パネル30には、図1に示すように、各表示窓31L、31M、31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L、31M、31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32、33、34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。
ここで、入賞となった場合の各図柄に関する払出枚数について説明する。小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール42M及び右リール42Rの「チェリー」図柄はメダル払出と無関係である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、その他の図柄に関しては、第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せである「7」図柄又は「青年」図柄が同一図柄にて有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せである「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にも15枚のメダル払出が行われる。なお、本実施形態においては、例えば「7」図柄と「チェリー」図柄とが同時に成立する場合が生じ得るが、かかる場合におけるメダル払出は15枚である。これは、1回のメダル払出における上限枚数が15枚に設定されているためである。
更に、第3特別図柄の組合せである「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われない。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一図柄が揃わない場合には、一切メダル払出は行われない。
遊技パネル30の下方左側には、図1に示すように、各リール42L、42M、42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L、42M、42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー52が操作されると、各リール42L、42M、42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L、42M、42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72、73、74が設けられている。各ストップスイッチ72、73、74は停止対象となるリール42L、42M、42Rに対応する表示窓31L、31M、31Rの下方にそれぞれ配置されている。ストップスイッチ72、73、74はリール42L、42M、42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72、73、74は、各リール42L、42M、42Rが定速回転となると停止させることが可能な状態となり、このような状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L、31M、31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入器180が設けられている。メダル投入器180は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入器180が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
なお、本実施形態におけるメダル投入器180の詳細については後述する。
メダル投入器180から投入されたメダルは、図3に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。
図8は、セレクタ84の内部構造を示す図である。なお、図中の2点鎖線は、理解を容易なものとするためにメダルの通過経路を示したものである。セレクタ84には、メダル投入器180から投入されたメダルを貯留用通路81へ導くための案内通路85が形成されている。案内通路85は、メダルが1列で通行可能なようにして、図の上端部から右下部にかけて弧を描くような曲線状に形成されている。より詳しくは、セレクタ84を構成するセレクタボディには、図の手前側に突出する突条85aが設けられており、その突条85aに沿って案内通路85が形成されている。これにより、案内通路85に到達したメダルは、突条85a上を転がるようにして下流方向へ流れることとなる。
メダル通路切替部材83は、案内通路85の上流部に設けられ該案内通路85に対して出没可能な通路切替片83aと、この通路切替片83aを動作させるためのソレノイド(図示略)とを有している。ソレノイドの非励磁時には案内通路85内に通路切替片83aが突出し、貯留用通路81へのメダルの流れが阻害される。これにより、メダルは前記突条85aを乗り越えるようにして下方に落下し、排出用通路82に導かれる。また、ソレノイドの励磁時には案内通路85外に通路切替片83aが没する。これにより、メダルは案内通路85に沿って流れ、貯留用通路81に導かれる。
通路切替片83aの下流側には、メダルの通過を検出する第1投入メダル検出センサ86と、第2投入メダル検出センサ87とが案内通路85の上流下流に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。メダル通路切替部材83のソレノイド非励磁時には、メダルは案内通路84の途中から下方に落下するため、各投入メダル検出センサ86,87によりメダルの通過が検出されることがない。一方、メダル通路切替部材83のソレノイド励磁時には、各投入メダル検出センサ86、87によりメダルの通過が順次検出される。
そして、貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、図3及び図4に示すように、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合には、誘導プレート96を介してメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入器180の下方には、ボタン状の返却スイッチ76(図1)が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入器180に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L、31M、31Rの下方左側には、図1に示すように、第1クレジット投入スイッチ77、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第1クレジット投入スイッチ77は、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのものであり、第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入器180とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入器180が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを報知するため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の切換スイッチ80が設けられている。切換スイッチ80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるトグル式に構成されている。切換スイッチ80は、メダル投入器180に必要量より多く投入された投入メダルや、所定の遊技の結果遊技者に返還される獲得メダルの取扱形式を変更するために操作される。
切換スイッチ80がオン状態のときには、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルがクレジットメダルとして貯留記憶されるように設定された「クレジットモード」となる。切換スイッチ80がオフ状態のときには、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」となる。なお、クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。このように、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることにより自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる切換スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。また、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、切換スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。なお、切換スイッチ80の操作により「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とを切り換えるように構成する他、常に「クレジットモード」としておき切換スイッチ80が操作されると貯留記憶された仮想メダルを払い出すだけの精算スイッチとして機能させてもよい。
遊技パネル30の表示窓31L、31M、31Rの下方には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部35と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部36と、獲得メダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37と、がそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。ダイレクトモード、クレジットモードのいずれのモードにおいても、遊技の開始時にメダル投入器180からメダルが投入されるとベットされた状態となる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入器180に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中央ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入器180に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入器180に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入器180に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときのモードがダイレクトモードであればセレクタ84により排出用通路82への切替がなされてメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。一方、クレジットモードであればスロットマシン内部に貯蓄されると共に残数表示部35に貯蓄枚数が表示される。この貯留枚数には上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときにはメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。
また、クレジットモードにて遊技が行われ且つ残数表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットされた状態となる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が1つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32が点灯して中央ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が2つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が3つディクリメントされ、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えば残数表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、残数表示部35の数値が全てディクリメントされて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L、42M、42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15、バックライト105、電動モータ223aを駆動させるためのサブ制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は、特に以上で説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチ123は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ123を押しながら電源スイッチ122をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ122がオンされている状態でリセットスイッチ123を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入して操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
リールユニット41の上方には、図4に示すように、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。
次に、スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72、73、74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a、73a、74a、メダル投入器180から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77、78、79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a、78a、79a、切換スイッチ80の操作を検出する切換検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。主制御装置131は第1センサと第2センサとがオンオフされる順序を監視し、第1及び第2センサが共にオフ、第1センサのみオン、第1及び第2センサが共にオン、第2センサのみオン、第1及び第2センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、メダルを投入メダル検出センサ75a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源基板161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aからは出力電圧が22ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32、33、34、残数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L、42M、42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L、61M、61R)、セレクタ84に設けられたメダル通路切替ソレノイド83、ホッパ装置91、サブ制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
サブ制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15、バックライト105、電動モータ223aを駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、サブ制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、サブ制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37をサブ制御装置111が制御する構成としてもよい。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10〜図19に示される各種のフローチャートに示される処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM153には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図13参照)において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
続いて、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図10〜図19のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図10は、NMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
図11は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について、図12を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オン又はオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には、元の図11の処理に復帰する。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサム値の2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して割込み許可を出す割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L、42M、42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図14参照)の状態を監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントするカウンタ処理を行う。
ステップS210では、サブ制御装置111へコマンドなどを送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、残数表示部35、ゲーム数表示部36および獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図13は、電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、次にステップS402ではリセットスイッチ123がオン操作されているか否かを判定する。リセットスイッチ123がオン操作されている場合にはステップS403に進み、RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。
ステップS402にてリセットスイッチが操作されていないことを確認した後、またはステップS403にてRAMクリア処理を行った後、ステップS404では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されているか否かを判定する。設定キーが挿入されている場合にはステップS405に進み設定変更処理を行う。設定変更処理として、先ずRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。そして、予め設定された6段階の設定状態(「設定1」〜「設定6」)のうちどの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。
ステップS406では停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされていない、すなわち先のステップS403又はステップS405にてRAM153のデータがクリアされている場合には、後述するステップS407の通常処理に進み、本処理を終了する。
ステップS406において停電フラグがセットされた状態にあるときには、ステップS408以降に示す復電処理に移行する。停電フラグがセットされた状態にあるということは、ステップS403のRAMクリア処理、ステップS405の設定変更処理等のサブルーチン処理が全く実行されていないことを意味する。従って、RAM153のデータは全く書き替えられていないこととなり、復電処理ではRAM153のデータなどが正常であるかどうかなどの確認処理が必要となる。
そのためにまず、ステップS408ではRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムを調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムが0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値が0でなかったときには、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。そのため、このような場合にはステップS409にてエラー表示処理を行う。エラー表示処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者などにエラーの発生を報知するエラー表示を行うと共に、リセットスイッチ123がON操作されるまでかかる状態を維持する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS410に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS411において、復電処理の実行を伝える復電コマンドをサブ制御装置111に送信する。その後、ステップS412にて遊技状態として打ち止めおよび自動精算設定保存処理を行い、ステップS413にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS414にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について、図14のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS501では、メダルがベットされているか否かを判定する。メダルがベットされているときには、続いてステップS502にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。ステップS501,ステップS502が共にYESの場合には、ステップS503の抽選処理、ステップS504のリール制御処理、ステップS505のメダル払出処理、ステップS506の特別遊技状態処理を順に実行し、ステップS501に戻る。一方、ステップS501にてメダルがベットされていない、またはステップS502にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS501に戻る。
次に、ステップS503の抽選処理について、図15のフローチャートに基づき説明する。
ステップS601では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数、小役確率の高低等に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は図示しない設定キーを用いてセットされた「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。また、ベットされたメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット数が多いほど役の当選確率が高くなるような乱数テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。さらに、小役確率については高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。
ステップS602では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う。そしてステップS603にていずれかの役に当選したか否かを判定し、いずれの役にも当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合にはステップS604に進み、その役に応じた当選フラグをセットすると共に図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。続いてステップS605ではリール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるようにリールをどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
次に、ステップS504のリール制御処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS701においてウエイト処理を行う。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L、42M、42Rが回転しないことがある。ウエイト処理に続いてステップS702のリール回転処理を行い、各リール42L、42M、42Rを回転させる。その後、ステップS703に進み、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合にはステップS704に進み、予め定められた各リール42L、42M、42Rの最大回転時間(例えば40秒)を経過したか否かを判定する。最大回転時間を経過していない場合にはステップS703に戻り、最大回転時間を経過した場合にはステップS705に進んで回転中の全てのリールを強制的に停止させる強制停止処理を行う。
一方、ステップS703にてストップスイッチ72〜74いずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS706に進み、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、押下操作されたストップスイッチに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップスイッチが押下操作された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけリールを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップスイッチを押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。なお、ステップS705の強制停止処理においても、当選フラグがセットされている場合にはこれと同様の処理を行う。
続いて、ステップS707では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール全てが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS708に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リールにて「チェリー」図柄が下ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
一方、ステップS707で今回の停止指令が第1停止指令でないときには、ステップS709に進み、第2停止指令か否か、つまり3つのリールのうち1つのリールが停止し2つのリールが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第2停止指令のときにはステップS710に進み、停止目判定処理を行う。この停止目判定処理では、2つのリールが停止したときにその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ14から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外に補助表示部15を用いた演出を行ってもよい。
そして、ステップS705の強制停止処理の後、ステップS708のスベリテーブル変更処理の後、ステップS709にて今回の停止指令が第2停止指令でなかったとき、又はステップS710の停止目判定処理を行った後には、ステップS711にて左、中、右リール42L、42M、42Rのすべての回転が停止したか否かを判定する。ステップS711がNOの場合にはステップS703に戻り、YESの場合には続くステップS712にて払出判定処理を行った後、本処理を終了する。払出判定処理では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときにはRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットし、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。一致しているときには払出予定数格納エリアに並んだ役と対応する払出数をセットする。
次に、ステップS505のメダル払出処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS801にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS802にて遊技がクレジットモードにて行われているか否かを判定する。クレジットモードであるときには、ステップS803においてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS804にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1インクリメントする。これにより残数表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数がそれぞれ1インクリメントされる。
一方、遊技がダイレクトモードにて行われているとき、またはクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS805にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。このとき、ステップS806ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1インクリメントする。これにより獲得枚数表示部37の枚数が1インクリメントされる。そして、ステップS804またはステップS806で払出数を1インクリメントしたあと、再びステップS801に戻る。ステップS801で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS807にてホッパ装置91のメダル払出用回転板を停止させ、本処理を終了する。なお、払出数や獲得枚数表示部37は、次回スタートレバー71が操作されたときにリセットされる。
次に、ステップS506の特別遊技状態処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
特別遊技状態処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。レギュラーボーナス(以下「RB」という)ゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームは、1枚ベットのみ許されるゲームであり、JAC図柄(ここではリプレイ図柄で代用)が有効ライン上に揃う確率つまりJAC図柄成立の確率が非常に高いゲームである。JACゲームでJAC図柄が成立すると最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。そして、JAC図柄が8回成立すると、JACゲームが12回に達する前であってもRBゲームが終了する。一方、ビッグボーナス(以下「BB」という)ゲームは、30回の小役ゲームと3回のJACインとから構成されている。小役ゲームとは高確率で小役が当選する(有効ライン上に「ベル」図柄などが揃う)ゲームであり、JACインとは12回のJACゲームに突入することを意味し、小役ゲーム中にJAC図柄が有効ライン上に揃うとJACインが成立する。JACゲームはRBゲームの場合と同様である。また、3回目のJACインによるJACゲームが終了すると小役ゲームが30回に達する前であってもBBゲームは終了し、30回の小役ゲームが終了するとJACインが3回に達する前であってもBBゲームは終了する。
さて、特別遊技状態処理では、先ずステップS901にて遊技状態がボーナスゲーム中か否かを判定する。ボーナスゲーム中でないときにはステップS902に進み、ボーナス図柄判定処理を行う。
このボーナス図柄判定処理では、図19に示すように、まずステップS1001にてRB当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされているときにはステップS1002に進み、今回有効ライン上にRB図柄(例えば「BAR」図柄)が揃ったか否かを判定し、RB図柄が揃っていないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にRB図柄が揃ったときには、ステップS1003においてRB当選フラグをリセットしRB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるRBゲームとし、図20に示すRBゲーム初期設定処理を実行して本処理を終了する。ステップS1001でRB当選フラグがセットされていないときには、ステップS1004にてBB当選フラグがセットされたか否かを判定し、セットされていないときにはそのまま本処理を終了する。BB当選フラグがセットされているときにはステップS1005に進み、今回有効ライン上にBB図柄(例えば図柄「7」)が揃ったか否かを判定し、BB図柄が揃っていないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にBB図柄が揃ったときには、ステップS1006においてBB当選フラグをリセットしBB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるBBゲームとし、図21(a)に示すBBゲーム初期設定処理を実行して本処理を終了する。
なお、図20及び図21において、残小役ゲームカウンタは小役ゲームの残りゲーム数(残小役ゲーム数ともいう)を表し、残JACインカウンタはJACイン可能な残り回数(残JACイン回数ともいう)を表し、残JAC成立カウンタはJAC図柄が成立可能な残り回数(残JAC成立数ともいう)を表し、残JACゲームカウンタはJACゲームの残りゲーム数(残JACゲーム数ともいう)を表す。残小役ゲーム数や、残JACイン回数や、残JAC成立数、残JACゲーム数は、適宜、ゲーム数表示部36に表示される。ちなみに、役の抽選で小役またはリプレイに当選して小役当選フラグまたはリプレイ当選フラグがセットされたときには、そのゲームで小役図柄またはリプレイ図柄を有効ライン上に揃えられないとこれらの当選フラグはリセットされるが、役の抽選でRBまたはBBに当選してRB当選フラグまたはBB当選フラグがセットされたときには、そのゲームでRB図柄またはBB図柄を有効ライン上に揃えられなかったとしてもこれらの当選フラグは次回に持ち越される。なお、BB又はRB当選フラグを持ち越した次ゲームにおける抽選処理では、小役又はリプレイの当選可否に関する抽選は行われるが、BB又はRBに関する抽選は行われない。また、BB又はRB当選フラグを持ち越した状態で小役又はリプレイに当選した場合には、小役又はリプレイが優先して揃えられるようにスベリテーブルが格納される。
さて、図16に戻り、ステップS901で遊技状態がボーナスゲーム中のときには、ステップS903にてそのボーナスゲームがJACゲームか否かを判定する。JACゲームでないときにはBBゲームの小役ゲーム中であることを意味するため、ステップS904に進み、JAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定する。JAC図柄が有効ライン上に揃ったときには、ステップS905にてJACゲームを開始すると共に図21(b)のBBゲーム中JACゲーム初期設定処理を行い、本処理を終了する。一方、ステップS904でJAC図柄が有効ライン上に揃わなかったときには、小役ゲームが1ゲーム消化されたことになるため、ステップS906にて残小役ゲーム数を1ディクリメントし、ステップS907にてその残小役ゲーム数が0になったか否かを判定する。残小役ゲーム数が0でないときには本処理を終了し、0のときにはステップS908に進み、各種設定フラグやBB設定フラグや各種カウンタなどを適宜リセットしたりエンディング処理を行ったりする特別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。
ステップS903で遊技状態がJACゲームであるときには、ステップS909に進みJAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定し、JAC図柄が有効ライン上に揃ったときにはステップS910にて残JAC成立数を1ディクリメントする。その後、或いはステップS909でJAC図柄が有効ライン上に揃わなかったときには、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS911にて残JACゲーム数を1ディクリメントする。続いて、ステップS912では残JAC成立数か残JACゲーム数のいずれかが0になったか否かを判定し、いずれも0になっていないとき、つまりJAC図柄がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、そのまま本処理を終了する。一方、いずれかが0になっていたとき、つまりJAC図柄が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、JACインが1回消化されたことになるためステップS913にて残JACイン回数を1ディクリメントし、続くステップS914にてその残JACイン回数が0か否かを判定する。0のときには先に述べたステップS908の特別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。ちなみに、当該ボーナスゲームがRBボーナスである場合には、当初の残JACイン回数が1(図20参照)であるからステップS913で0になり、ステップS914で必ず肯定判定され、ステップS908の特別遊技状態終了処理にてRB設定フラグがリセットされる。
一方、ステップS914で残JACイン回数がゼロでないとき、つまりBBゲームでJACインが3回消化されていないときには、ステップS915においてJACゲーム設定フラグをリセットするJACゲーム終了処理を行ったあと、今回JACインしたときに小役ゲームを1ゲーム消化しているためステップS906にて残小役ゲーム数を1ディクリメントし、続いてステップS907にてその残小役ゲーム数が0になったか否かを判定し、残小役ゲーム数が0のときには先に述べたステップS908の特別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。一方、残小役ゲーム数が0でないときにはBBボーナスにおける小役ゲームが30回に達しておらず且つJACインも3回に達していないため、本処理を終了する。
図22は、スイッチ装置1100の斜視図であり、図23は、スイッチ装置1100の上面図である。また、図24は、図23のXXIV−XXIV線におけるスイッチ装置1100の断面図である。なお、図22から図24では、スイッチ装置1100が配設される配設面部材12aを部分的に断面視した状態が図示されている。図24では、理解を容易とするために、センターユニット1200を断面視ではなく側面視した状態で図示する一方、保持カラー1300の側面に断面線を付して図示している。また、図24では、各スイッチ77〜79の配線を図示するが、他の図面(図25以降においても同様)では配線の図示が省略されている。
スイッチ装置1100は、上述した第1クレジット投入スイッチ77、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79の内の1のスイッチをそれぞれ順に第1位置へ移動可能とするための装置であり、これら各クレジット投入スイッチ77〜79が配設されるセンターユニット1200と、そのセンターユニット1200を回転可能に保持する保持カラー1300とを主に備え、配設面部材12aに凹設されたユニット保持凹部1500に装着されている。
このスイッチ装置1100によれば、遊技者がセンターユニット1200を回転操作することで、各クレジット投入スイッチ77〜79の内から選択した所望のスイッチを、第1位置へ移動させることができる。よって、操作の行いづらい位置に配置されているスイッチであっても、そのスイッチを第1位置へ移動させ、その第1位置において操作することができるので、各クレジット投入スイッチ77〜79それぞれの操作性を確保することができる。
なお、第1位置とは、本実施の形態では、スロットマシン10の最も前面側(図23及び図24の左端側、図1の紙面手前側)、即ち、遊技者側となる位置であり、図22から図24においては、第2クレジット投入スイッチ78が配置されている位置が該当する。
ここで、図25及び図26を参照して、センターユニット1200について説明する。図25(a)は、センターユニット1200の上面図であり、図25(b)は、センターユニット1200の側面図である。図26(a)は、センターユニット1200の下面図であり、図26(b)は、センターユニット1200の斜視図である。
図25及び図26に示すように、センターユニット1200は、中心軸を有する筒形状に形成される本体筒部1210と、その本体筒部1210の上面側(図25(b)上側)から上方へ向けて突出する上面傾斜部1220と、その上面傾斜部1220と本体筒部1210との間を連結する縮径部1230と、本体筒部1210の下面側に配置され外周面に歯が刻設された平歯車として形成されるギヤ部1250と、本体筒部1210の下面に形成される下面嵌合部1260とを主に備えて構成されている。
本体筒部1210は、センターユニット1200の骨格をなす部材であり、中心軸を有する中空の筒状に形成され、外径が中心軸に沿って一定に設定されている。そのため、内部に第1クレジット投入スイッチ77等の配線を挿通させることができると共に、後述する保持カラー1300に回転可能な状態で外周面を保持させることができる。
上面傾斜部1220は、第1クレジット投入スイッチ77〜第3クレジット投入スイッチ79が配設される部位であり、本体筒部1210と同心の円錐形状に形成されている。よって、上面傾斜部1220の上面は、外周側から中心軸(操作回転部1240)側へ向けて上昇傾斜する傾斜面として形成されている。
第1クレジット投入スイッチ77〜第3クレジット投入スイッチ79は、図25(a)に示すように、上面視形状が、周方向に沿う環状の部材を放射状に分断した形状に形成されている。これら各スイッチ77〜79は、それぞれ同形状に形成され、上面傾斜部1220の中心軸から等距離かつ周方向等間隔(120度間隔)に配設されている。
このように、各スイッチ77〜79は、それぞれ同形状に形成されているので、遊技者により操作される操作面(上面、図25(a)紙面手前側面)も互いに同一の形状とすることができる。よって、第1位置に移動された各スイッチ77〜79を操作する際の操作感を一定とすることができる。即ち、一部のスイッチ77〜79の操作が行いづらくなることを抑制して、各スイッチ77〜79それぞれの操作性を確保することができる。
また、各スイッチ77〜79は、第1位置においてそれぞれ同一の向きに配置される、即ち、第1位置に配置された際の各スイッチ77〜79の外形が重なるように配置されるので、いずれのスイッチ77〜79が第1位置に移動されても、それら各スイッチ77〜79のいずれも同様の操作感で操作することができる。
なお、本実施の形態では、各スイッチ77〜79の形状を、上述したように、環状を分断した形状に形成しているので、第1位置においてそれぞれを同一の向きに配置して操作感を一定としつつ、それら各スイッチ77〜79の操作面の面積を最大限大きく確保することができるので、その分、操作性の向上を図ることができる。
即ち、各スイッチ77〜79が点対称形状の上面視円形であれば、第1位置においてそれぞれを同一の向きに配置できるので、操作感を一定にすることはできるが、上面傾斜部1220上の限られたスペース内においては、その操作面の面積を確保することに限界がある。これに対し、各スイッチ77〜79の形状を、環状を分断した形状とすることで、第1位置における操作感を一定としつつも、その操作面の面積を最大限大きく確保することができる。
各スイッチ77〜79の操作面は、図25(b)に示すように、上面傾斜部1220の上面から所定量だけ上方へ突出されて操作性が確保されると共に、上面傾斜部1220の上面における傾斜と平行な傾斜面として形成されている。即ち、各スイッチ77〜79の上面は、上面傾斜部1220の上面と同心の円錐面として形成されている。なお、各スイッチ77〜79の操作方向(振幅方向)は、上面傾斜部1220に対して垂直な方向(図30参照)とされている。よって、第1位置に配置されたスイッチと、第1位置以外に配置されたスイッチとでは、その操作方向が異なる方向となり、かつ、いずれのスイッチも第1位置に配置された状態ではその操作方向が同じ方向に一致する。
縮径部1230は、本体筒部1210から上面傾斜部1220へ向かうに従って直径が小さくなるテーパ面として形成されている。この縮径部1230のテーパ形状によって、保持カラー1300の抜け止め部1320が入り込むためのスペースが形成される。よって、センターユニット1200が保持カラー1300に保持された状態で、センターユニット1200が軸方向に沿って上方へ移動しようとした場合には、縮径部1230が保持カラー1300の抜け止め部1320に係止され、その移動が規制される。
操作回転部1240は、各スイッチ77〜79の配置を変更する際に、遊技者が操作するための部位であり、上面傾斜部1220の中心部からその上面傾斜部1220の中心軸に沿って上方へ突出されている。よって、操作回転部1240の周囲には、図25(a)に示すように、この操作回転部1240を取り囲むように、各スイッチ77〜79が分散配置されている。
各スイッチ77〜79の配置を変更する際には、遊技者は、操作回転部1240を利用することで、センターユニット1200の回転操作を容易に行うことができる。よって、各スイッチ77〜79の内の所望のスイッチ77〜79をそれぞれ第1位置へ移動させる動作を容易とすることができる。
この場合、操作回転部1240は、3枚の板状体が中心軸を接合線として接合された形状、即ち、図25(a)に示すように、3枚の板状体が中心軸から径方向外方へ向けて放射直線状に延設された形状に形成されている。これにより、遊技者が操作回転子1240を指でつまんで回転操作する際には、各板状体の側面を利用して回転方向への力を伝達し易くすることができるので、その操作回転子1240の操作性の向上を図ることができる。
また、回転操作部1240は、3枚の板状体が周方向等間隔(120度間隔)に配置され、かつ、その位相が各スイッチ77〜79の配置に対応付けられている(即ち、3枚の板状体がそれぞれ各スイッチ77〜79の隣接部へ向けて延設され、各板状体の間に形成される凹みである上面視V字状の側面が各スイッチ77〜79を向く)ので、遊技者は、回転操作部1240を指でつまんだ際の形状に基づいて、かかる回転操作部1240と各スイッチ77〜79との位置関係を感覚的に把握することができる。よって、回転操作部1240を回転操作する過程において、現状の回転量(各スイッチ77〜79の周方向への移動量、位相)、即ち、所望のスイッチを第1位置へ配置するために必要な残りの回転量をおおよそ把握しつつ回転操作を行うことができるので、その操作性の向上を図ることができる。
ギヤ部1250は、本体筒部1210の中心軸を回転軸として配設される平歯車であり、本体筒部1210の下面側に配設され、スイッチ装置1100のユニット保持凹部1500への装着状態において、保持カラー1300のギヤ開口部1370及びユニット保持凹部1500のギヤ開口部1540から露出する位置に配設されている(図3参照)。
下面嵌合部1260は、センターユニット1200の回転可能範囲を所定範囲内に規制するための部位であり、図26(a)及び図26(b)に示すように、下面(図26(a)紙面手前側の面)から複数が突出される半球状の位置決め突部1270と、本体筒部1210の中心軸を含む範囲に開口され本体筒部1210の内部空間を外部に連通させる通孔1280と、下面に凹設され下面視においてC字状に形成される回転規制凹部1290とを主に備えている。
位置決め突部1270は、センターユニット1200を回転操作する際の回転位置を位置決めするための部位であり、本体筒部1210の中心軸から等距離となり周方向等間隔となる3箇所に配設され、それぞれ同形状に形成されている。位置決め突部1270は、スイッチ装置1100の組立状態において、保持カラー1300に凹設された位置決め凹部1360(図27(a)参照)に嵌合可能に形成されており、この嵌合により、センターユニット1200の回転位置(位相)が仮固定されて位置決めされる。これにより、各スイッチ77〜79を第1位置に正確に配置することができると共に、操作感の向上を図ることができる。
即ち、位置決め突部1270と位置決め凹部1360とが嵌合する仮固定位置の組み合わせは3種類あり、第1の組み合わせでは、第1クレジット投入スイッチ77が第1位置に配置され、その第1の組み合わせから120度だけ位相がずれた第2の組み合わせでは、第2クレジット投入スイッチ78が第1位置に配置され、その第2の組み合わせ(或いは、第1の組み合わせ)から120度だけ位相がずれた第3の組み合わせでは、第3クレジット投入スイッチ79が第1位置に配設される。
なお、本実施の形態では、位置決め突部1270を位置決め凹部1360と同数だけ配設する。これにより、これらの嵌合を解除する際の位置決め突部1270の負担を軽減して、その耐久性の向上を図ることができる。また、位置決め突部1270が位置決め凹部1360を乗り越えた状態でのセンターユニット1200の傾きを抑制して、回転操作時の操作感の悪化と回転抵抗の増加とを抑制することができる。
但し、位置決め突部1270の配設数を位置決め凹部1360と異なる数(位置決め凹部1360よりも少ない数)としても良い。この場合には、センターユニット1200を回転操作する際の位置決め効果は確保しつつ、位置決め突部1270を形成するために必要な材料を少なくして、材料コストの削減を図ることができる。
通孔1280は、各スイッチ77〜79の電気的な配線(図示せず、図3参照)を本体筒部1210の内部から外部へ通すための開口であり、本体筒部1210と同心の円形に開口形成されている。このように、配線が、通孔1280を通じて、本体筒部1210の外部へ至る構成とすることで、回転軸(即ち、本体筒部1210の中心軸)からずれた位置に開口された通孔を通じて配線が外部へ至る場合と比較して、センターユニット1200の回転に伴って配線が動く範囲を少なくすることができる。その結果、配線の負担を軽減して、その耐久性の向上を図ることができる。
回転規制凹部1290は、下面視形状が、周方向に沿う環状の一部を分断した形状(即ち、下面視C字状)に形成され、スイッチ装置1100の組立状態において、保持カラー1300に突設された回転規制突起1350(図27及び図28参照)を受け入れ可能に形成されており、センターユニット1200の回転操作時には、回転規制突起1350が回転規制凹部1290内をその周方向に沿って移動される。
この場合、回転規制凹部1290は、その一部が分断されることで、始端および終端(即ち、回転規制凹部1290を分断する部位の両側面)に、規制当接面1291,1292が形成されている。よって、センターユニット1200の回転操作量が所定量に達すると、かかる規制当接面1291,1292に保持カラー1300の回転規制突起1350が当接されるので、センターユニット1200の回転可能範囲を所定範囲内に規制することができる。
なお、本実施の形態では、センターユニット1200の回転可能範囲が1回転以下(具体的には、240度)となるように、回転規制凹部1290の形状が設定されている。即ち、センターユニット1200が一方向に回転され、回転規制突起1350が規制当接面1291に当接されると、第1クレジット投入スイッチ77が第1位置に配置され、その状態からセンターユニット1200が逆方向に240度回転されると、回転規制突起1350が規制当接面1292に当接され、第3クレジット投入スイッチ79が第1位置に配置される。
このように、センターユニット1200は、回転規制凹部1290及び回転規制突起1350の回転規制作用により、その回転可能範囲を所定範囲内に規制することができるので、その回転に伴う配線のねじれ量を所定範囲内に規制することができる。その結果、配線の負担を軽減して、その耐久性の向上を図ることができる。
また、かかる回転規制作用は、センターユニット1200の回転可能範囲を1回転よりも小さい範囲(本実施の形態では240度)に規制するので、センターユニット1200を回転可能範囲内で最大限回転させた場合であっても、第1位置に配置されていた1のスイッチが、再度、第1位置に戻ってくることを回避することができる。これにより、想定した範囲以上にセンターユニット1200を回転させてしまい、第1位置に配置されたスイッチを誤操作することを抑制することができる。
次いで、図27及び図28を参照して、保持カラー1300について説明する。図27(a)は、保持カラー1300の上面図であり、図27(b)は、保持カラー1300の下面図である。図28(a)は、保持カラー1300の内側面図であり、図28(b)は、保持カラー1300の外側面図である。なお、図27は、保持カラー1300の使用状態(即ち、2分割された一対の部品を組み合わせた状態)が図示されており、図28は、保持カラー1300を構成する一対の部品の一方のみが図示されている。
図27及び図28に示すように、保持カラー1300は、センターユニット1200を回転可能に保持するための部材であり、中心軸を有する筒状の保持筒部1310と、その保持筒部1310の上端面(図27(a)紙面手前側の面)に形成される抜け止め部1320と、保持筒部1310の下端開口を閉封する下面受け部1330と、その下面受け部1330に開口形成される通孔1340と、保持筒部1310及び下面受け部1330を切り欠いて形成されるギヤ開口部1370と、下面受け部1330の下面から下方へ延設される係止脚部1380とを主に備え、これらにより有底筒状に形成されている。
なお、保持カラー1300は、保持筒部1310の中心軸を含む平面により2分割された一対の部品(即ち、図27(a)及び図27(b)における上側および下側の両部品)から構成されている。これら一対の部品は、使用状態における保持筒部1310の中心軸を含む平面に対して面対称形状に形成されており、回転規制突起1350の有無および位置決め凹部1360の配設数が異なるのみであるので、相違する構成のみを説明し、同様の構成については説明を省略する。
保持筒部1310は、センターユニット1200の本体筒部1210を両側から挟み込み保持する部位であり、かかる本体筒部1210の外径より若干大きな内径に設定されている。これにより、本体筒部1210は、保持筒部1310の内周側において回転可能に保持される(図24参照)。また、保持筒部1310は、ユニット保持凹部1500の凹設筒部1510の内径よりも若干小さな外径に設定さている(図24参照)。これにより、内周側に本体筒部1210(センターユニット1200)を保持した状体で、保持筒部1310(保持カラー1300)を凹設筒部1510(ユニット保持凹部1500)に内嵌させることができる。
抜け止め部1320は、保持筒部1310に保持されてセンターユニット1200の本体筒部1210が軸方向に抜け出ることを規制するための部位であり、保持筒部1310の上端から径方向内方へ向けて張り出し形成されている。抜け止め部1320は、センターユニット1200が保持カラー1300に保持された状態で、センターユニット1200の縮径部1230に対向配置される(図24参照)。これにより、センターユニット1200が軸方向に沿って上方へ移動しようとした場合には、抜け止め部1320が縮径部1230を係止することで、その移動を規制して、軸方向へ抜け出ることを規制することができる。
ここで、抜け止め部1320は、図28(a)に示すように、張り出し方向先端へ向かうほどその厚み寸法(図28(a)上下方向寸法)が薄くなる先細形状に形成されており、その弾性的な変形性を確保し易くされている。よって、センターユニット1200が軸方向上方へ抜け出ることを抜け止め部1320により規制する際には、その抜け出しを規制しつつ、抜け止め部1320が弾性変形することができ、これにより、センターユニット1200の軸方向上方への移動を、抜け止め部1320の弾性変形の分だけ、許容することができる。
即ち、センターユニット1200の回転操作時には、位置決め突部1270が保持カラー1300の位置決め凹部1360を乗り越えて移動するため、位置決め突部1270の突設高さの分だけ、センターユニット1200の軸方向上方への移動が許容されていなければならない。この場合、センターユニット1200の縮径部1230と保持カラー1300の抜け止め部1320との間に隙間を設けておけば、その隙間の分だけ、センターユニット1200の軸方向上方への移動を許容できる。しかしながら、このような構成では、センターユニット1200と保持カラー1300との間に軸方向のがたつきが発生するため、操作感が悪化するだけでなく、位置決め突部1270及び位置決め凹部1360の嵌合による位置決め効果も十分に得られない。
これに対し、上述したように、抜け止め部1320の弾性変形により、センターユニット1200の軸方向上方への移動を許容する構成とすれば、その分、センターユニット1200の縮径部1230と保持カラー1300の抜け止め部1320との間の隙間を小さくすることができ、軸方向のがたつきを抑制することができる。これにより、センターユニット1200を回転操作する際の操作感を向上させることができると共に、位置決め突部1270及び位置決め凹部1360の嵌合による位置決め効果も十分に発揮させることができる。
下面受け部1330は、センターユニット1200の下面嵌合部1260が載置される部位であり、保持筒部1310の中心軸を含む範囲に開口される通孔1340と、上面(図27(a)紙面手前側の面)に突設され上面視において通孔1340の外縁に沿って湾曲する回転規制突起1350と、上面に複数が凹設される半球状の位置決め凹部1360とを主に備えている。
通孔1340は、各スイッチ77〜79の電気的な配線(図示せず、図3参照)を本体筒部1210の内部から外部へ通すための開口であり、保持筒部1310と同心の円形に開口形成されると共に、センターユニット1200の通孔1280と同径または大径の円形に設定されている。これにより、通孔1340をセンターユニット1200の通孔1280に連通させることができるので、各スイッチ77〜79の配線を、通孔1280,1340を通じて、本体筒部1210の外部へ至る構成とすることができる。よって、上述したように、センターユニット1200の回転に伴って配線が動く範囲を少なくすることができるので、配線の負担を軽減して、その耐久性の向上を図ることができる。
回転規制突起1350は、上面視形状が、周方向に沿う環状を分断した形状(即ち、保持筒部1310と同心の環状を分断した形状)に形成され、スイッチ装置1100の組立状態において、センターユニット1200の回転規制凹部1290の凹設空間内に受け入れられると共に、センターユニット1200の回転操作時には、回転規制凹部1290の凹設空間内を周方向に沿って移動する。この場合、上述したように、回転規制凹部1290の始端および終端に形成された規制当接面1291,1292に、回転規制突起1350の端部が当接されることで、センターユニット1200の回転可能範囲が所定範囲内に規制される。
位置決め凹部1360は、センターユニット1200の位置決め突部1270が嵌合される凹部であり、保持筒部1310の中心軸から等距離となり周方向等間隔となる3箇所(即ち、位置決め突部1270に対応する位置)に配設され、それぞれ同形状に形成されている。上述したように、スイッチ装置1100の組立状態においては、位置決め突部1270が位置決め凹部1360に嵌合されることで、センターユニット1200の回転位置(位相)を仮固定して位置決めすることができるので、各スイッチ77〜79を第1位置に正確に配置することができると共に、操作感の向上を図ることができる。
ギヤ開口部1370は、保持筒部1310の下端と下面受け部1330の外縁部との一部を切り欠いて形成された開口であり、かかるギヤ開口部1370を介して、センターユニット1200のギヤ部1250が露出される(図3参照)。
係止脚部1380は、保持カラー1300をユニット保持凹部1500に係止させるための部位であり(図24参照)、板状体から側面視(図28(a)視)V字状に形成されると共に、一対が所定間隔を隔てつつ対向して配設されている。即ち、係止脚部1380は、下面受け部1330の下面(図28(a)下側面)から下方へ向けて垂設される板状の垂設板1380aと、その垂設板1380aの垂設方向先端から折り返され保持筒部1310の径方向外方へ向けて上昇傾斜する板状の傾斜板1380bとを備えている。スイッチ装置1100(即ち、センターユニット1200を内嵌した保持カラー1300)がユニット保持凹部1500の凹設筒部1510へ挿入されると、係止脚部1380の傾斜板1380bが凹設底部1520の下面に係止され、これにより、スイッチ装置1100が凹設筒部1510に保持される(図24参照)。
次いで、図29を参照して、ユニット保持凹部1500について説明する。図29(a)は、ユニット保持凹部1500の上面図であり、図29(b)は、図29(a)のXXIX−XXIX線におけるユニット保持凹部1500の断面図である。
ユニット保持凹部1500は、スイッチ装置1100が装着される部位であり、配設面部材12aに凹設されている。即ち、ユニット保持凹部1500は、中心軸を有する筒形状に形成される凹設筒部1510と、その凹設筒部1510の下面側の開口を閉塞する凹設底部1520と、その凹設底部1520に開口形成される係止開口部1530と、凹設筒部1510及び凹設底部1520を切り欠いて形成されるギヤ開口部1540とを主に備え、これらにより有底筒状に形成されている。
凹設筒部1510は、上端が配設面部材12aに接続され、その配設面部材12aの上面側に開口して配設されている。凹設底部1520は、保持カラー1300の下面受け部1330が載置される部位であり、係止開口部1530は、各スイッチ77〜79の配線および保持カラー1300の係止脚部1380を挿通させるための開口である。
係止開口部1530は、センターユニット1200及び保持カラー1300の通孔1280,1340の直径よりも短辺が長い上面視矩形状の開口として凹設底部1520に開口形成されている。また、かかる係止開口部1530は、スイッチ装置1100の装着状態において、通孔1280,1340を含む開口として形成されている。これにより、各スイッチ77〜79の配線を、通孔1280,1340及び係止開口部1530を通じて、本体筒部1210の外部へ至る構成とすることができる。よって、上述したように、センターユニット1200の回転に伴って配線が動く範囲を少なくすることができるので、配線の負担を軽減して、その耐久性の向上を図ることができる。
係止開口部1530は、その長辺の長さ(図29(a)左右方向長さ)が、一対の傾斜板1380bの最大離間間隔(傾斜板1380aの上昇傾斜方向の先端同士を結ぶ長さ、図28(a)左右方向長さ)よりも小さくされ、かつ、一対の垂設板1380aの最大離間間隔(垂設板1380aの外側面同士を結ぶ長さ、図28(a)左右方向長さ)よりも大きくされている。これにより、スイッチ装置1100(センターユニット1200を内嵌した保持カラー1300)をユニット保持凹部1500の凹設筒部1510へ挿入することで、かかるスイッチ装置1100をユニット保持凹部1500に保持させることができる。
即ち、スイッチ装置1100を凹設筒部1510へ挿入すると、保持カラー1300の傾斜板1380bの傾斜外面が係止開口部1530の短辺を構成する内縁に当接される。スイッチ装置1100を更に挿入すると、傾斜板1380bの傾斜外面が係止開口部1530の内縁によって押圧され、一対の係止脚部1380が対向間隔を縮める方向へ向けて弾性変形される。そして、傾斜板1380bの傾斜外面が係止開口部1530の内縁を通過すると、一対の係止脚部1380の弾性変形が回復され、その対向間隔が拡がることで、傾斜板1380bの先端が凹設底部1520の下面に係止される。
その結果、傾斜板1380bの凹設底部1520への係止により、スイッチ装置1100(保持カラー1300)の上方への脱落が防止され、かつ、垂設板1380aの係止開口部1530の短辺への当接により、スイッチ装置1100(保持カラー1300)の中心軸周りの回転が防止された状態で、スイッチ装置1100をユニット保持凹部1500に保持させることができる(図24参照)。
なお、係止開口部1530は、その短辺の長さ(図29(a)上下方向長さ)が、一対の垂設板1380aの最大離間間隔(垂設板1380aの外側面同士を結ぶ長さ、図28(a)左右方向長さ)よりも小さくされている。これにより、スイッチ装置1100(センターユニット1200を内嵌した保持カラー1300)をユニット保持凹部1500の凹設筒部1510へ誤った向き(即ち、傾斜板1380bの傾斜外面を係止開口部1530の長辺に当接させる向き)で挿入することを回避することができる。これにより、スイッチ装置1100をユニット保持凹部1500に適正な1の方向でのみ装着できるので、各スイッチ77〜79を適正な位置に配置することができる。
この場合、係止開口部1530は、その短辺の長さ(図29(a)上下方向長さ)が、一対の垂設板1380aの最小離間間隔(一対の垂設板1380aの対向面(内側面)を結ぶ長さ、図28(a)左右方向長さ)よりも小さくすることが好ましい。これにより、係止脚部1380を弾性変形させた状態でなければ係止開口部1530に挿入できなくなるので、誤挿入による係止脚部1380等の破損を防止することができる。
図22から図24に戻って、スイッチ装置1100のユニット保持凹部1500への装着方法について説明する。かかる装着は、まず、2分割された保持カラー1300をそれぞれセンターユニット1200の外周側に装着し、かかるセンターユニット1200を保持カラー1300の内周側に保持させる。この場合、第2クレジット投入スイッチ78が第1位置に配置された状態では第1クレジット投入スイッチ77及び第3クレジット投入スイッチ79が第2クレジット投入スイッチ78よりも遊技パネル30側(即ち、遊技者から遠い側、図22から図24の状態)となるように、保持カラー1300のそれぞれをセンターユニット1200の所定位置に装着する。
次いで、センターユニット1200が内周側に保持(内嵌)された保持カラー1300をユニット保持凹部1500の凹設筒部1510へ挿入し、係止脚部1380を凹設底部1520の下面に係止させる。これにより、スイッチ装置1100をユニット保持凹部1500に保持された状態で装着することができる。
以上のように構成されたスイッチ装置1100によれば、複数の第1クレジット投入スイッチ77〜第3クレジット投入スイッチ79が配設されたセンターユニット1200を回転可能に設け、そのセンターユニット1200を回転操作することで、各スイッチ77〜79の内の所望のスイッチを選択的に第1位置へ配置することができる。即ち、一の部材(センターユニット1200)を回転移動させる動作のみで、各スイッチ77〜79をそれぞれ第1位置へ移動させることができ、操作性の向上を図ることができる。
この場合、図23に示すように、複数のスイッチ77〜79は、センターユニット1200が回転移動する際の中心軸(回転軸)方向における端面(即ち、上面傾斜部1220の上面)に配設されると共に中心軸の周囲に分散配置されている。よって、センターユニット1200の回転移動に伴い各スイッチ77〜79が移動する際には、それら各スイッチ77〜79の移動軌跡を重ねることができるので、その分、これら複数のスイッチ77〜79の移動に必要な領域を少なくすることができる。
これにより、スイッチ装置1100が設置される配設面部材12aの設置面(図23紙面手前側の面)上において、複数のスイッチ77〜79の移動に占有される占有面積を小さくすることができる。その結果、例えば、他のスイッチなどの操作部材の設置、液晶表示・LEDなどの表示装置の設置、スピーカなどの発音装置の設置、或いは、設置面への画像の印刷やシールの貼付などを行うことができ、設置面を他の用途に有効利用することができる。
ここで、第1位置に配置されたスイッチ(図22から図24の場合は、第2クレジット投入スイッチ78)は、操作回転部1240よりも遊技パネル30(図1参照)から離間する位置に配置される、即ち、第1位置に配置されたスイッチの方が操作回転部1240よりも遊技者に近い側(図24左側)に位置するので、第1位置に配置されたスイッチについては、操作回転部1240に阻害されることなく、操作可能として、その操作性の向上を図ることができる。更に、第1位置以外に配置されている他のスイッチ(図22から図24の場合は、第1クレジット投入スイッチ77及び第3クレジット投入スイッチ79)については、これら各スイッチ77,79と遊技者との間に操作回転部1240を介在させることができるので、不用意な操作により誤操作されることを抑制することができる。
その一方で、各スイッチ77〜79は全て、即ち、第1位置に配置されたスイッチだけでなく、第1位置以外に配置された他のスイッチも全て、その操作面が露出されているので、一のスイッチ(図22から図24の場合は、第2クレジット投入スイッチ78)を第1位置に位置させたままの状態で、第1位置以外に配置されている他のスイッチ(即ち、第1クレジット投入スイッチ77及び第3クレジット投入スイッチ79)も、第1位置に移動させることなく、そのスイッチの操作を行うことができる。これにより、センターユニット1200を回転移動させるという動作を行うことなく、そのままの状態で操作することができるので、例えば、操作頻度の低いスイッチに対しての操作性の向上を図ることができる。
次いで、図30及び図31を参照して、各ボタン77〜79の配設状態とその操作性との関係について説明する。図30は、センターユニット1200を模式的に図示した模式図であり、各スイッチ77,78の振幅方向を含む平面での切断面を、センターユニット1200の中心軸を含む平面に展開した展開図に対応する。なお、図30中に図示した一点鎖線は各スイッチ77,78の変位方向を示す。
図30に示すように、第1クレジット投入スイッチ77〜第3クレジット投入スイッチ79(但し、図30では第3クレジット投入スイッチ79の図示を省略する)が配設される上面傾斜部1220の上面は、中心軸から離間するに従って下降傾斜する傾斜面として形成され、その傾斜面において、各スイッチ77〜79が中心軸(即ち、操作回転部1240)の周囲に分散配置されているので(図23参照)、第1位置に配置されたスイッチ(例えば、図30では第2クレジット投入スイッチ78)の配設方向と、第1位置以外に配置された他のスイッチ(例えば、図30では第1クレジット投入スイッチ77)の配設方向とを異ならせることができる。即ち、各スイッチ77〜79の操作面が望む方向をそれぞれ異なる方向に設定することができる。よって、第1位置に配置されたスイッチを操作する際に、第1位置以外に配置された他のスイッチを操作しづらくして、かかる他のスイッチを不用意に誤操作することを抑制することができる。
ここで、各スイッチ77〜79は、その被操作時の変位方向(振幅方向)がそれぞれ異なる方向に設定されている。即ち、上述したように、各スイッチ77〜79の振幅方向は上面傾斜部1220の上面に垂直な方向に設定されているので、第1位置に配置されたスイッチ(例えば、図30では第2クレジット投入スイッチ78)を操作するために必要な変位方向と、第1位置以外に配置された他のスイッチ(例えば、図30では第1クレジット投入スイッチ77)を操作するために必要な変位方向とを異ならせることができる。
よって、第1位置に配置されたスイッチを操作する際に、第1位置以外に配置された他のスイッチを不用意に操作したとしても、第1位置に配置されたスイッチを操作する遊技者の操作方向が、第1位置以外に配置された他のスイッチを操作するために必要な変位方向とは異なるため、かかる他のスイッチを不用意に誤操作することを抑制することができる。
このように、各スイッチ77〜79の配設方向(操作面が望む方向)をそれぞれ異なる方向に設定した上で、各スイッチ77〜79の被操作時の変位方向もそれぞれ異なる方向とすることで、第1位置に配置されたスイッチを操作する際に、第1位置以外に配置された他のスイッチを不用意に誤操作することを、効果的に抑制することができる。
特に、本実施の形態では、上面傾斜部1220を上方へ向けて凸となる円錐形状とし、その円錐形状の上面に各スイッチ77〜79を配設するので、これら各スイッチ77〜79を、各操作面が互いに外側(中心軸から離間する方向)を望むようにすることができる。よって、この点においても、第1位置に配置されたスイッチを操作する際に、第1位置以外に配置された他のスイッチを不用意に誤操作することを、より効果的に抑制することができる。
一方で、上述のように構成することで、第1位置に配置されたスイッチと、第1位置以外に配置されたスイッチとの変位方向をそれぞれ異なる方向として、誤操作の抑制を図りつつも、第1位置に配置された状態では各スイッチ77〜79の変位方向をそれぞれ同じ方向に一致させることができるので、第1位置では、スイッチ77〜79の内のいずれのスイッチを操作する場合でも、その操作感を一定とすることができる。即ち、第1位置に配置された各スイッチ77〜79を遊技者に同様の操作感で操作させ、操作性の向上を図ることができる。
図31は、スイッチ装置1100の側面図であり、図24に対応する。なお、図31では、配設面部材12aの上面が実線で図示されると共に、その配設面部材12aの上面よりも下方に配設される部位が破線を用いて透視図として図示されている。
図31に示すように、各スイッチ77〜79(但し、図31では、スイッチ77,78のみ図示する。)は、配設面部材12aの開口から露出され(図23参照)、第1位置に配置されると、操作面の一部が配設面部材12aの上面よりも上方(図31上側)へ突出されるので、かかる第1位置に配置されたスイッチ(図31では、第2クレジット投入スイッチ78)の操作が配設面部材12aの上面に阻害されることを回避して、その操作性の向上を図ることができる。
一方、第1位置以外に配置された他のスイッチ(図31では、第1クレジット投入スイッチ77)は、その操作面が配設面部材12aの上面よりも下方(図31下側)へ後退されるので、かかる第1位置以外に配置された他のスイッチの操作を配設面部材12aの上面で阻害して、操作しづらくすることができるので、その不用意な誤操作を抑制することができる。
ここで、配設面部材12aは、その上面が遊技パネル30(図1参照)から離間する(即ち、図31左側へ向かう)に従って下降傾斜する平面状に形成され、スイッチ装置1100は、中心軸を垂直方向(図31上下方向)へ向けて配設されるので、第1位置に配置されたスイッチの操作性を向上させつつ、第1位置以外に配置されたスイッチの誤操作を抑制するという上述した効果を奏するための構造を、平面板状の配設面部材12aにユニット保持凹部1500(図24参照)を設けるという簡素な構成で得ることができる。その結果、製品コストの削減を図ることができる。
なお、スイッチ装置1100は、配設面部材12aの下降傾斜端から遊技パネル30側へ離間した位置に配設されており、配設面部材12aの上面には、スイッチ装置1100の手前側(遊技者側)に所定のスペースが確保されている(図22参照)。これにより、遊技者は、スイッチ装置1100の手前側のスペースに手をかけつつ、第1位置に配置されたスイッチ77〜79を操作することができるので、その操作性の向上を図ることができる。
この場合、かかるスペースは、遊技者側へ向けて下降傾斜されているので、手をかける位置よりも上方に各スイッチ77〜79を配置することができる。即ち、遊技者がひじを曲げつつ上述のスペースに手をかけると、指が自然に配置される位置に第1位置に配置された各スイッチ77〜79を位置させることができるので、その操作性の向上を図ることができる。
特に、本実施の形態では、上面傾斜部1220が円錐形状に形成されているので、第1位置に配置されたスイッチの操作面を、手をかけるスペースに対して平行な方向としつつ遊技者側へ向けることができる。更に、各スイッチ77〜79の操作方向(振幅方向)が上面傾斜部1220の上面に垂直な方向とされている。よって、これらの構成によっても、上述のスペースに手をかけた状態で、第1位置に配置された各スイッチ77〜79を操作する際の操作性の向上を図ることができる。
次いで、図32から図35を参照して、第2実施の形態について説明する。図32は、第2実施の形態におけるスイッチ装置2100の断面図であり、図24に対応する。なお、図32では、理解を容易とするために、センターユニット2200を断面視ではなく側面視した状態で図示する一方、保持カラー1300の側面に断面線を付して図示している。
第1実施の形態では、遊技者が操作回転部1240を手動で回転操作することで、センターユニット1200を回転移動させる場合を説明したが、第2実施の形態におけるスイッチ装置2100は、モータ2600による回転駆動力によりセンターユニット2200を回転移動させるように構成されている。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図31に示すように、配設面部材12aの下面側には、取付板12bが垂設されており、この取付板12bにモータ2600が取着されている。モータ2600の回転軸2600aには、平歯車として形成されるスプロケット2610が装着され、このスプロケット2610は、ギヤ開口部1370,1540を介して、センターユニット2200のギヤ部1250に歯合されている。
よって、モータ2600の回転駆動によりスプロケット2610が正方向または逆方向へ回転されると、その回転がセンターユニット2200のギヤ部1250に伝達され、かかるギヤ部1250を介して、センターユニット2200が正方向または逆方向へ回転移動される。よって、モータ2600の回転を制御することで、第1クレジット投入スイッチ77〜第3クレジット投入スイッチ79を第1位置へ配置することができる。
ここで、図33及び図34を参照して、センターユニット2200について説明する。図33は、センターユニット2200の側面図であり、図34は、センターユニット2200の下面図である。
図33及び図34に示すように、センターユニット2200は、センサ通過棒2295を備える。センサ通過棒2295は、ユニット回転位置センサ2700を横切ることで、センターユニット220の回転位置(位相)を検出可能とするための部位であり、回転規制凹部1290の凹設面(図34紙面手前側の面)から下方(図33下側)へ向けて垂設されている。
センサ通過棒2295は、図34に示すように、下面視における形状が、センターユニット2200と同心の環状の一部を切り取った形状に形成されている。なお、センサ通過棒2295は、保持カラー1300の通孔1340に干渉せず、かつ、ユニット回転位置センサ2700の各素子2701〜2703の検出領域をそれぞれ通過可能な径方向位置に配設されている。
なお、センターユニット2200は、第1実施の形態におけるセンターユニット1200に対し、センサ通過棒2295が追加されている点と、操作回転部1240が省略されている点とを除き、他の構成は同様であるので、その説明は省略する。
図32に戻って説明する。スイッチ装置2100が装着されるユニット保持凹部1500の下方(図32下側)には、センサ設置板12cが配設され、そのセンサ設置板12cの上面側には、ユニット回転位置センサ2700が、センサ通過棒2295の先端(図32下側)が各素子2701〜2703の検出領域をそれぞれ通過可能な高さ位置に配設されている。ここで、図35を参照して、ユニット回転位置センサ2700の配置について説明する。
図35は、ユニット回転位置センサ2700の上面図である。なお、図35では、センサ通過棒2295の移動軌跡が二点鎖線を用いて図示されている。ユニット回転位置センサ2700は、3つの素子2701〜2703を備えており、これらが周方向等間隔に配設されている。
各素子2701〜2703は、発光部および受光部が対向配置された光学式センサであり、その対向面間(検出領域)にセンサ通過棒2295の先端が配置されると、受光部での受光が遮断され、オンされる一方、対向面間にセンサ通過棒2295が配置されていない状態では、受光部での受光が許容され、オフされる。
ここで、本実施の形態では、第1クレジット投入スイッチ77が第1位置に配置されると、素子2701の対向面間にセンサ通過棒2295の先端が配置され、第2クレジット投入スイッチ78が第1位置に配置されると、素子2702の対向面間にセンサ通過棒2295の先端が配置されると共に、第3クレジット投入スイッチ79が第1位置に配置されると、素子2703の対向面間にセンサ通過棒2295の先端が配置されるように、センサ通過棒2295及び各素子2701〜2703が配置されている。
ユニット回転位置センサ2700は、センサ通過棒2295の配置を各素子2701〜2703のオン・オフ状態に基づいて検出し、主制御装置131に検出信号を出力する。よって、主制御装置131は、この検出信号に基づいて、センターユニット2200の回転位置を把握し、各スイッチ77〜79を第1位置へ配置することができる。
なお、この場合、主制御装置131は、各スイッチ77〜79の内のいずれのスイッチが第1位置に配置されているかを、補助表示部15に表示しても良い。これにより、スイッチ装置2100を視認させることなく、第1位置に配置されているスイッチの種類を遊技者に認識させることができる。
また、本実施の形態では、センターユニット2200の回転可能範囲が1回転以下に規制されるが、必ずしもこれに限られず、かかる規制を解除して構成しても良い。即ち、
保持カラー1300の回転規制突起1350を省略する、或いは、センターユニット2200の回転規制凹部1290を周方向に連続する環状に形成し、センターユニット2200を、正逆方向へ任意の回転量だけ回転できるように構成しても良い。第1位置に配置されたスイッチを第1クレジット投入スイッチ77から第3クレジット投入スイッチ79へ(又はその逆へ)変更する場合に、上述した第1実施の形態の場合のように第2クレジット投入スイッチ78が第1位置を通過する方向への回転に限定されないので、その動作に要する時間の短縮を図ることができる。
次いで、図36を参照して、第3実施の形態について説明する。図36は、第3実施の形態におけるスイッチ装置3100の断面図であり、図24に対応する。なお、図36では、理解を容易とするために、センターユニット1200を断面視ではなく側面視した状態で図示する一方、保持カラー1300の側面に断面線を付して図示している。
第1実施の形態では、操作回転部1240がセンターユニット1200に一体に設けられ、操作回転部1240の回転がセンターユニット1200に直接伝達される場合を説明したが、第3実施の形態におけるスイッチ装置3100は、操作回転部3240とセンターユニット3200との間に歯車機構が介在し、その歯車機構を介して、操作回転部3240の回転がセンターユニット1200に伝達されるように構成されている。なお、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、センターユニット3200は、第1実施の形態におけるセンターユニット1200に対し、操作回転部1240が省略されている点を除き、他の構成は同様であるので、その説明は省略する。
図36に示すように、取付板12bには、変速機構3600が取着されている。変速機構3600は、入力軸から入力された回転の回転数を変速して出力軸へ出力する装置であり、その入力軸には操作回転部3240の回転軸3240aが連結されると共に、出力軸にはスプロケット3610に固着されたスプロケット軸3600aが連結されている。なお、スプロケット3610は平歯車として形成され、ギヤ開口部1370,1540を介して、センターユニット3200のギヤ部1250に歯合されている。
よって、操作回転部3240が遊技者により正方向または逆方向へ回転操作されると、その回転が、変速装置3600により変速された上で、スプロケット3610へ伝達され、スプロケット3610が回転が、センターユニット3200へ、ギヤ部1250を介して伝達されることで、センターユニット3200が正方向または逆方向へ回転移動される。その結果、遊技者は、操作回転部3240の回転を調整することで、第1クレジット投入スイッチ77〜第3クレジット投入スイッチ79の内の所望のスイッチを第1位置へ配置することができる。
このように、歯車機構(ギヤ部1250及びスプロケット3610)を介して、操作回転部3240の回転をセンターユニット3200へ伝達する構造とする場合には、操作回転部3240の配設位置の自由度を高めることができる。
特に、本実施の形態の場合、操作回転部3240を、センターユニット3200の奥側(即ち、遊技パネル30側(図1参照))に配設するので、第1位置に配置されたスイッチのみならず、第1位置以外に配置された他のスイッチについても、操作回転部3240に阻害されることなく、操作可能とすることができる。
ここで、本実施の形態では、変速機構3600が、操作回転部3240の回転を減速して出力する減速装置として構成されている。これにより、センターユニット3200を回転移動させるために必要な操作回転部3240の回転トルクを小さくして、遊技者の負担を軽減することができる。また、センターユニット3200を所定量だけ回転移動させるのに必要な操作回転部3240の回転量が多くなるので、想定した範囲以上にセンターユニット3200を回転させてしまい、第1位置に配置されたスイッチを誤操作することを抑制することができる。
但し、変速機構3600は、操作回転部3240の回転を増速して出力する増速装置として構成しても良い。この場合には、センターユニット3200を所定量だけ回転移動させるために必要な操作回転部3240の回転量を少なくすることができるので、操作回転部3240の操作量に対するセンタユニット3200の回転移動量を大きくして、所望のスイッチを第1位置へ配置する操作の応答性を高めることができる。
また、変速機構3600は、操作回転部3240の回転量(位相)とセンターユニット3200の回転量(位相)とが一致する(例えば、操作回転部3240を120度だけ回転させると、センターユニット3200も120度だけ回転する)ように、その変速比を設定しても良い。これにより、遊技者にセンターユニット3200の回転位置(即ち、各スイッチ77〜79の配置)を感覚的に認識させ易くすることができる。
次いで、図37から図43を参照して、第4実施の形態について説明する。図37は、第4実施の形態におけるスイッチ装置4100の斜視図である。なお、図37では、スイッチ装置4100が配設される配設面部材4012aを部分的に断面視した状態が図示されている。
第1実施の形態では、第1クレジット投入スイッチ77〜第3クレジット投入スイッチ79の全てが操作可能に露出される場合を説明したが、第4実施の形態におけるスイッチ装置4100は、操作開口位置に配置されるスイッチのみ(即ち、1のスイッチのみ)が操作可能に露出され、操作開口位置以外に配置される他のスイッチは操作不能に遮蔽される。なお、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第4実施の形態におけるスイッチ装置4100は、第1クレジット投入スイッチ4077から第3クレジット投入スイッチ4079の内の1のスイッチをそれぞれ順に操作開口位置へ配置するための装置であり、これら各スイッチ4077〜4079が配設されるセンターユニット4200と、そのセンターユニット4200の上面側(図37上側)に配設される配設面部材4012aとを備え、センターユニット4200が、配設面部材4012aの下面から垂設され所定間隔を隔てつつ対向する一対の保持壁4012d(但し、図37では一方の保持壁4012dのみを図示する)に回動可能に軸支されている。
配設面部材4012aは、第1実施の形態における配設面部材12aに対応する部材であり、遊技パネル30(図1参照)の前面側に配設されている。この配設面部材4012aには、操作開口部4020が開口形成されており、センターユニット4200は、操作開口部4020が開口形成された位置である操作開口位置に各スイッチ4077〜4079の内のいずれか1のスイッチがそれぞれ順に移動可能となるように形成されている。
これにより、第4実施の形態におけるスイッチ装置4100によれば、操作開口位置に配置された1のスイッチ(図37では、第2クレジット投入スイッチ4078)のみが操作開口部4020を介して操作可能に露出される一方、操作開口位置以外に配設された他のスイッチ(第1クレジット投入スイッチ4077及び第3クレジット投入スイッチ4079、図38及び図39参照)が配設面部材4012aにより遮蔽されて、操作が禁止された状態とされるので、操作が必要なスイッチを操作開口位置に配置することで、他のスイッチ(即ち、操作が不要なスイッチ)が誤操作されることを抑制することができる。
また、このスイッチ装置4100によれば、複数のスイッチ4077〜4079の操作に必要な領域をそれら複数のスイッチ4077〜4079の全てに対して配設面部材4012aの上面に確保する必要がなく、操作開口部4020のみを各スイッチ4077〜4079の操作に必要な領域とし、操作開口部4020を除く領域(即ち、各スイッチ4077〜4079を遮蔽する領域)を、他の用途に使用することができる。これにより、スイッチ4077〜4079の操作のために占有される領域を少なくして、その分、配設面部材4012aの上面における設計の自由度を高めることができる。
なお、配設面部材4012aの上面を使用する他の用途としては、例えば、他のスイッチなどの操作部材の設置、液晶表示・LEDなどの表示装置の設置、スピーカなどの発音装置の設置、或いは、設置面への画像の印刷やシールの貼付などが例示される。
また、スイッチ装置4100によれば、複数の第1クレジット投入スイッチ4077〜第3クレジット投入スイッチ4079が配設されたセンターユニット4200を回転可能に設け、そのセンターユニット4200を回転操作することで、各スイッチ4077〜4079の内の所望のスイッチを選択的に操作開口位置へ配置することができる。即ち、一の部材(センターユニット4200)を回転移動させる動作のみで、各スイッチ4077〜4079をそれぞれ操作開口位置へ移動させることができ、操作性の向上を図ることができる。
配設面部材4012aの下面には、側面視コ字状の規制板4012eが配設されており、その規制板4012eは、通孔4012e1が開口された面が、センターユニット4200の下面側(図37下側)に対向配置されている。通孔4012e1は、各スイッチ4077〜4079の電気的な配線の移動を規制するための正面視円形の開口であり、センターユニット4200の回転軸4215の直下(即ち、第2クレジット投入スイッチ4078と回転軸4215とを結ぶ仮想線上)に開口形成されている。
センターユニット4200の回転移動は、回転軸4215を回転軸として行われるので、配線の移動を、通孔4012e1により規制する構成とすることで、回転軸4215からずれた位置に開口された通孔により配線の移動を規制する場合と比較して、センターユニット4200の回転に伴って配線が動く範囲を少なくすることができる。その結果、配線の負担を軽減して、その耐久性の向上を図ることができる。
ここで、図38及び図39を参照して、センターユニット4200について説明する。図38は、センターユニット4200の上面図であり、図39は、センターユニット4200の側面図である。なお、第1クレジット投入スイッチ4077〜第3クレジット投入スイッチ4079は、第1実施の形態における第1クレジット投入スイッチ77〜第3クレジット投入スイッチ79に対応するスイッチであり、形状が異なる点を除き、他の構成および機能は同様であるので、その説明は省略する。
図38及び図39に示すように、センターユニット4200は、側面視半円状の本体筒部4210と、その本体筒部4210の両端面から突出される回転軸4215とを主に備えて構成されている。本体筒部4210は、センターユニット4200の骨格をなす部材であり、中心軸を有する円盤状を半分に割った側面視半円形状(図39参照)に形成されている。なお、本体筒部4210の内部は中空に形成されると共に、回転軸4215が配設される側(図39下側)の面が開放されており、この開放面を介して、各スイッチ4077〜4079の配線を外部へ至らせることができる(図37参照)。
本体筒部4210の外周面には、その外周面の幅方向中央に位置するスイッチ配設面4211と、そのスイッチ配設面4211の一方側(図38左側)に隣接される操作回転部配設面4212と、その操作回転部配設面4212の反対側となるスイッチ配設面4211の他方側(図38右側)に隣接される小径外周面4213とが形成されている。
スイッチ配設面4211は、第1クレジット投入スイッチ4077〜第3クレジット投入スイッチ4079が回転移動方向(図38上下方向)に沿って一列に配設される部位であり、本体筒部1210の中心軸から等距離に位置する周面として形成されている。
第1クレジット投入スイッチ4077〜第3クレジット投入スイッチ4079は、図38に示すように、上面視形状が、円形に形成されている。これら各スイッチ4077〜4079は、それぞれ同径に形成され、本体筒部4210の中心軸から等距離かつ周方向等間隔(30度間隔)となる状態で、スイッチ配設面4211に配設されている。また、各スイッチ4077〜4079は、その操作面(上面、図38紙面手前側面)がスイッチ配設面4211の法線方向に垂直となり、かつ、その操作方向(振幅方向)がスイッチ配設面4211の法線方向に一致する状態で、スイッチ配設面4211にそれぞれ配設されている。
このように、各スイッチ4077〜4079は、遊技者により操作される操作面(上面)が互いに同一の形状とされているので、操作開口位置に移動された各スイッチ4077〜4079を操作する際の操作感を一定とすることができる。よって、一部のスイッチ4077〜4079の操作が行いづらくなることを抑制して、各スイッチ4077〜4079それぞれの操作性を確保することができる。
また、各スイッチ4077〜4079は、それぞれ上面視形状が同径の円形に形成され、操作開口位置に配置された際の各スイッチ4077〜4079の外形が重なるように配置されると共に、その操作方向(振幅方向)も同一方向となるので、いずれのスイッチ4077〜4079が操作開口位置に移動されても、それら各スイッチ4077〜4079のいずれをも同様の操作感で操作することができる。よって、この点からも、一部のスイッチ4077〜4079の操作が行いづらくなることを抑制して、各スイッチ4077〜4079それぞれの操作性を確保することができる。
操作回転部配設面4212は、操作回転部4240が配設される部位であり、本体筒部1210の中心軸から等距離に位置し、かつ、スイッチ配設面4211よりも大径の周面として形成されている。
操作回転部4240は、各スイッチ4077〜4079の配置を変更する際に、遊技者が操作するための部位であり、第2クレジット投入スイッチ4078に隣接しつつ、本体筒部4210の径方向外方(図39上方)へ向けて操作回転部配設面4212から突出する円柱状体として形成されている。かかる操作回転部4240を操作することで、遊技者は、センターユニット4200の回転操作を容易に行うことができるので、各スイッチ4077〜4079の内の所望のスイッチ4077〜4079をそれぞれ操作開口位置へ移動させる動作を容易とすることができる。
小径外周面4213は、本体筒部1210の中心軸から等距離に位置し、かつ、スイッチ配設面4211よりも小径の周面として形成されている。回転軸4215は、本体筒部1210を一対の保持壁4012dに回転可能に軸支するための断面円形の軸部材であり、本体筒部1210の中心軸に沿いつつその本体筒部1210の両側面(図38左右面)から突出されている。
次いで、図40及び図41を参照して、配設面部材4012aについて説明する。図40(a)は、配設面部材4012aの上面図であり、図40(b)は、配設面部材4012aの下面図である。また、図41(a)は、図40(a)のXXXXa−XXXXa線における配設面部材4012aの断面図であり、図41(b)は、図40(a)のXXXXb−XXXXb線における配設面部材4012aの断面図である。
図40及び図41に示すように、配設面部材4012aには、各スイッチ4077〜4079を操作可能に露出させるための操作開口部4020と、操作回転部4240を移動可能に突出させるための移動開口部4030と、その移動開口部4030からの異物の差し込みを防止するための内側板部材4040とを主に備えている。
操作開口部4020は、図40(a)に示すように、上面視略正方形状の開口として配設面部材4012aに開口形成されており、この正方形状の開口面積は、1のスイッチ4077〜4079を露出可能な大きさに設定されている(図37参照)。また、この操作開口部4020の内周壁4020aは、図40(b)及び図41(a)に示すように、配設面部材4012aの上面側から下面側へ向けて末広がりとなるテーパ面として形成されており、これにより、配設面部材4012aの下面側における操作開口部4020の面積が配設面部材4012aの上面側における操作開口部4020の面積よりも大きくされている。
ここで、上述したように、各スイッチ4077〜4079は、スイッチ配設面4211の周面において本体筒部4210の回転移動方向(周方向、図38上下方向)に沿って一列に配置されているので(図38参照)、本体筒部4210の回転移動に伴い各スイッチ4077〜4079が移動する際には、それら各スイッチ4077〜4079の移動軌跡を重ねることができる。これにより、操作開口部4020に必要な開口面積(即ち、図40(a)における上下方向幅)を小さくすることができるので、その分、配設面部材4012aの操作開口部4020を除く領域(即ち、各スイッチ4077〜4079を遮蔽する領域)を広くして、他の用途に使用することができ、かかる領域の設計の自由度を高めることができる。なお、他の用途は上述した通りであるので、その説明は省略する。
移動開口部4030は、図40(a)に示すように、上面視略長方形状の開口として、配設面部材4012aに開口形成されており、この長方形状の開口面積は、操作回転部4240を突出可能かつ所定位置まで案内可能な大きさに設定されている(図37参照)。即ち、操作回転部4240が移動開口部4030の長手方向一端側(図40(a)左端)に達して、その内周壁4030aに当接されると、第1クレジット投入スイッチ77が操作開口位置に配置されると共に、操作回転部4240が移動開口部4030の長手方向他端側(図40(a)右端)に達して、その内周壁4030aに当接されると、第3クレジット投入スイッチ79が操作開口位置に配置されるように構成されている。
ここで、配設面部材4012aの上面には、図40(a)に示すように、各スイッチ4077〜4079の役割に関する情報(本実施の形態では、投入枚数に関する情報)がそれぞれ表示されている。即ち、この表示は、操作開口部4020(操作開口位置)に位置するスイッチ4077〜4079の役割に関する情報を、操作回転部4240が移動された位置に表示する。
よって、操作開口位置にある1のスイッチのみが操作開口部4020から露出され、他のスイッチが視認不能とされている場合であっても、操作回転部4240に対応する表示(操作回転部4240の横に表示される情報)に基づいて、操作開口位置にあるスイッチの役割を把握することができる。
なお、配設面部材4012aの上面への情報の表示方法としては、上面に情報を塗料により直接印刷する方法、情報が印刷されたシールを上面に貼付する方法、上面に情報を刻設(凹設または凸設)する方法などが例示される。
移動開口部4030の内周壁4030aは、図40(b)及び図41(b)に示すように、配設面部材4012aの上面側から下面側へ向けて末広がりとなるテーパ面として形成されており、これにより、配設面部材4012aの下面側における移動開口部4030の面積が配設面部材4012aの上面側における移動開口部4030の面積よりも大きくされている。
内側板部材4040は、図40(b)及び図41に示すように、配設面部材4012aの下面側から垂設される板状体であり、移動開口部4030の短辺に沿って配設される一対の両端板部4041と、操作開口部4020の反対側(図40(b)上側)に位置する移動開口部4030の長辺に沿って配設される一対の側板部4042とを備え、これら両端板部4041及び側板部4042が連結されることで、内側板部材4040は、その下面視がL字状に形成されている。
なお、両端板部4041及び側板部4042の垂設長さ(図41上下方向長さ)は、それら両端板部4041及び側板部4042の垂設方向先端と本体筒部4210の操作回転部配設面4212との間に若干の隙間が形成される長さに設定されている(図42参照)。即ち、両端板部4041の垂設方向先端は本体筒部4210の中心軸に沿った直線状に、側板部4042の垂設方向先端は本体筒部4210の操作回転部配設面4212の外周に沿った円弧状に、それぞれ形成され、これら両端板部4041及び側板部4042の垂設方向先端と本体筒部4210の操作回転部配設面4212とは、若干の隙間を隔てつつ対向配置される(図42参照)。
次いで、図42及び図43を参照して、配設面部材4012aによるセンターユニット4100の遮蔽状態について説明する。図42は、スイッチ装置4100の断面図であり、図41(a)に対応する。また、図43は、配設面部材4012aの部分拡大断面図であり、図41(a)に対応する。なお、図42では、センターユニット4200が断面ではなく側面視により図示されている。図43では、本体筒部4210のスイッチ配設面4211及び小径外周面4213の移動軌跡が二点鎖線を用いて模式的に図示されている。
図42及び図43に示すように、センターユニット4100は、各スイッチ4077〜4079が配設される本体筒部4210の外周面(即ち、スイッチ配設面4211)が、本体筒部4210の中心軸(回転軸4215)から等距離となる周面として形成されているので、配設面部材4012aの操作開口部4020における内周壁4020aとスイッチ配設面4211の周面との間の隙間寸法を一定に保持しつつ、本体筒部4210を回転移動させることができる。
例えば、本体筒部4210が側面視(中心軸方向視)多角形状に形成される場合には、上述した隙間寸法が本体筒部4210の回転移動に伴って増減するため、隙間寸法が最も増加する回転位置に本体筒部4210を回転移動させ、その隙間を介して不正行為が行われる恐れがある。これに対し、本実施の形態のように、上述した隙間寸法を一定に保持させつつ本体筒部4210を回転移動させることができれば、隙間を介した不正行為を抑制することができる。
ここで、本体筒部4210の軸支位置を配設面部材4012aの下面側へ近づけることで、上述した隙間寸法を小さくできる。この場合、本体筒部4210の小径外周面4213が配設面部材4012aの下面に当接する位置が限界となるが、本実施の形態では、上述したように、小径外周面4213がスイッチ配設面4211よりも小径に形成されている。よって、図43に示すように、小径外周面4213を配設面部材4012aの下面ぎりぎりに位置させた場合に、スイッチ配設面4211をより上方(図43上側)に位置させ、上述した隙間寸法を小さくすることができる。これにより、隙間を介した不正行為をより抑制しやすくできる。
なお、本実施の形態における本体筒部4210のように、スイッチ配設面4211の隣に小径の小径外周面4213を並設させる構成とすることで、例えば、小径外周面4213を省略する或いはスイッチ配設面4211と同径とする場合と比較して、上述したスイッチ配設面4211を上方へ位置させる効果を確保しつつ、本体筒部4210の側面側に位置する操作開口面4020の内周壁4020a(図43紙面手前側、図40(a)下側)に小径外周面4213を対向配置させ、かかる内周壁4020a側からの異物の差し込みを行いづらくして、その不正行為を抑制することができる。
また、操作回転部配設面4213は、スイッチ配設面4211よりも大径に形成されているので、かかる操作回転部配設面4213をより上方(図42及び図43上側)へ位置させて、移動開口部4030(図37参照)との間の隙間寸法を小さくすることができる。この場合、移動開口部4030は、操作回転部4240の移動を確保するために長方形状に開口形成されているため、上述した隙間寸法が大きくなるが、本実施の形態では、図42に示すように、両端板部4041及び側板部4042が設けられ、その垂設方向先端が操作回転部配設面4212に若干の隙間を隔てつつ対向配置されている。これにより、移動開口部4030からの異物の差込を行いづらくして、その不正行為を抑制することができる。
なお、スイッチ装置4100は、図42に示すように、各スイッチ4077〜4079が操作開口位置に配置されると、それら各スイッチ4077〜4079の操作面が、配設面部材4012aの上面よりも上方(図42上側)へ突出するように構成されている。これにより、操作開口位置に配置されたスイッチ(図42では、第2クレジット投入スイッチ78)の操作が配設面部材4012aの上面に阻害されることを回避して、その操作性の向上を図ることができる。
次いで、図44を参照して、第5実施の形態について説明する。図44(a)から図44(c)は、第5実施の形態におけるスイッチ装置5100の上面図である。なお、図44(a)から図44(c)は、操作開口位置に第1クレジット投入スイッチ4077から第3クレジット投入スイッチ4079が配置された状態がそれぞれ図示されている。
第4実施の形態では、各スイッチ4077〜4079の役割に関する情報を配設面部材4012aの上面には表示する場合を説明したが、第5実施の形態では、各スイッチ4077〜4079の役割に関する情報が小径外周面4213に表示され、その表示が表示開口部5050を介して視認可能に構成される。
なお、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。この場合、第5実施の形態におけるスイッチ装置5100は、第4実施の形態におけるスイッチ装置4100に対し、情報の表示位置と、その情報を視認可能とするための開口の有無が異なるのみで、他の構成は同一であるので、異なる構成についてのみ説明する。
図44に示すように、第5実施の形態におけるスイッチ装置5100は、各スイッチ4077〜4079の役割に関する情報がそれら各スイッチ4077〜4079の側方(図44右側)に隣接しつつ小径外周面4213に表示されている。なお、小径外周面4213への情報の表示方法については、第4実施の形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
また、配設面部材4012aには、上面視西方形状の表示開口部5050が操作開口部4020の側方(図44右側)に隣接しつつ開口形成されており、スイッチ装置5100は、表示開口部5050が開口形成された位置である表示開口位置に上述した情報の各表示がそれぞれ順に移動可能となるように形成されている。
これにより、操作開口位置(操作開口部4020)に配置された各スイッチ4077〜4079の役割に関する情報の表示が表示開口部5050を介して視認可能に露出されるので、操作開口位置にある1のスイッチのみが操作開口部4020から露出され、他のスイッチが視認不能とされている場合であっても、表示開口部5050から露出される表示に基づいて、操作開口位置にあるスイッチの役割を把握することができる。
また、操作開口位置(操作開口部4020)に配置されたスイッチの役割に関する情報の表示のみが表示開口部5050を介して視認可能に露出され、他のスイッチの役割に関する情報の表示は配設面部材4012aにより視認不能に遮蔽されるので、表示する情報を一つに絞ることができ、不必要な情報が表示されないようにすることができる。これにより、操作開口位置にあるスイッチの役割を遊技者に容易に把握させることができると共に、他の表示の誤認を抑制することができる。
更に、各情報の表示に必要な領域をそれら各情報の表示の全てに対して配設面部材4012aの上面に確保する必要がなく、表示開口部5050のみを各情報の表示に必要な領域とし、表示開口部5050を除く領域(即ち、各スイッチ4077〜4079を遮蔽する領域)を、他の用途に使用することができる。これにより、各情報の表示のために占有される領域を少なくして、その分、配設面部材4012aの上面における設計の自由度を高めることができる。なお、配設面部材4012aの上面を使用する他の用途としては、上述した通りであるので、その説明は省略する。
ここで、本実施の形態におけるスイッチ装置5100では、各スイッチ4077〜4079の内の最も使用頻度が高い第1クレジット投入スイッチ4077が操作開口位置に配置された場合に、図44(c)に示すように、操作回転部4240が遊技パネル30(図1参照)側、即ち、遊技者から最も離間した位置に配置されるので、第1クレジット投入スイッチ4077を操作する際に操作回転部4240が邪魔になることを回避して、その操作性の向上を図りつつ、他のスイッチ4078,4079の誤操作も抑制できる。なお、かかる効果は、上述した第4実施の形態におけるスイッチ装置4100においても同様に奏する。
次いで、図45を参照して、第6実施の形態について説明する。図45は、第6実施の形態におけるスイッチ装置6100の斜視図である。なお、図45では、スイッチ装置6100が配設される配設面部材4012aを部分的に断面視した状態が図示されている。
第4実施の形態では、操作回転部4240が操作回転部配設面4212から突出される円柱状に形成される場合を説明したが、第6実施の形態では、操作回転部6240が操作回転部配設面4212上に配設される歯形面として形成されている。
なお、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。この場合、第6実施の形態におけるスイッチ装置6100は、第4実施の形態におけるスイッチ装置4100に対し、情報の表示位置と、操作回転部6240の形状、及び、配設面部材4012aに開口形成される開口の形状が異なるのみで、他の構成は同一であるので、異なる構成についてのみ説明する。
図45に示すように、第5実施の形態におけるスイッチ装置5100は、各スイッチ4077〜4079の役割に関する情報がそれら各スイッチ4077〜4079の側方(図44右側)に隣接しつつ小径外周面4213に表示されている。なお、小径外周面4213への情報の表示方法については、第4実施の形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
図45に示すように、第6実施の形態における操作回転部6240は、複数の山と谷が周方向に沿って連続して刻設される歯形面として形成され、操作回転部配設面4212の周面上に配設されている。この操作回転部6240の歯形面は、その周方向の少なくとも一部の山頂が、配設面部材4012aの上面よりも上方に突出するように形成されている。よって、遊技者は、かかる歯形面の山谷による凹凸を利用して、操作回転部6240を周方向に移動させることで、センターユニット4200を回転移動させ、各スイッチ4077〜4079の配置を変更することができる。
このように、本実施の形態におけるスイッチ装置6100では、第4実施の形態の場合と比較して、配設面部材4012aの上面からの操作回転部6240の突出量が少ないので、各スイッチ4077〜4079を操作する際に、かかる操作回転部6240が邪魔になることを回避して、その操作性の向上を図ることができる。
ここで、第6実施の形態では、配設面部材4012に集合開口部6060が開口形成されており、この集合開口部6060を介して、各スイッチ4077〜4079及び操作回転部6240の操作を行うように構成されている。また、各スイッチ4077〜4079の役割に関する情報の表示は、それらの操作面に表示されているので、かかる表示を遊技者に視認させる機能も集合開口部6060が担っている。
なお、集合開口部6060は、第4実施の形態における操作開口部4020及び移動開口部4030(図37参照)に対して、移動開口部4030の長手方向長さを操作開口部4020と同一の長さまで短縮した開口形状とされている。即ち、第4実施の形態の場合のように、操作回転部4240を移動させるための開口を確保する必要がないので、その分、第6実施の形態では、集合開口部6060の開口面積を小さくすることができる。
これにより、集合開口部6060を除く配設面部材4012aの領域を拡大して、その分、配設面部材4012aの上面における設計の自由度を高めることができる。なお、配設面部材4012aの上面を使用する他の用途としては、上述した通りであるので、その説明は省略する。また、集合開口部6060の内周壁は、第4実施の形態の場合と同様に、配設面部材4012aの上面側から下面側へ向かうに従って末広がりとなるテーパ面として形成されている。
上述したように、各スイッチ4077〜4079の役割に関する情報の表示は、それらの操作面に表示されているので、操作開口位置(即ち、集合開口部6060)に配置された各スイッチ4077〜4079の役割に関する情報の表示は、集合開口部6060を介して視認可能に露出される。よって、操作開口位置にある1のスイッチのみが集合開口部6060から露出され、他のスイッチが視認不能とされている場合であっても、集合開口部6060から露出される表示に基づいて、操作開口位置にあるスイッチの役割を把握することができる。
また、操作開口位置(集合開口部6060)に配置されたスイッチの役割に関する情報の表示のみが集合開口部6060を介して視認可能に露出され、他のスイッチの役割に関する情報の表示は配設面部材4012aにより視認不能に遮蔽されるので、表示する情報を一つに絞ることができ、不必要な情報が表示されないようにすることができる。これにより、操作開口位置にあるスイッチの役割を遊技者に容易に把握させることができると共に、他の表示の誤認を抑制することができる。
更に、第6実施の形態では、各情報の表示に必要な領域を配設面部材4012aの上面に別に確保する必要がなく、各スイッチ4077〜4079を操作するための領域と兼用させることができる。これにより、各情報の表示のために占有される配設面部材4012a上の領域を不要として、その分、配設面部材4012aの上面における設計の自由度を高めることができる。なお、配設面部材4012aの上面を使用する他の用途としては、上述した通りであるので、その説明は省略する。
ここで、スイッチ装置6100は、操作回転部6240が遊技者により操作され、センターユニット4200が一側(図45反時計回り)へ向けて回転移動されると、本体筒部4210の図45左側の下面が規制板4012eに当接されることで、センターユニット4200の回転が停止され、第1クレジット投入スイッチ77が操作開口位置に配置される。一方、操作回転部6240が遊技者により操作され、センターユニット4200が他側(図45時計回り)へ向けて回転移動されると、本体筒部4210の図45右側の下面側が規制板4012eに当接されることで、センターユニット4200の回転が停止され、第3クレジット投入スイッチ79が操作開口位置に配置される。
このように、スイッチ装置6100によれば、本体筒部4210の回転可能範囲が所定範囲内に規制されるので、かかる本体筒部4210の回転に伴う配線のねじれ量を所定範囲内に規制することができる。その結果、配線の負担を軽減して、その耐久性の向上を図ることができる。
次いで、図46を参照して、第7実施の形態について説明する。図46は、第7実施の形態におけるスイッチ装置7100の上面図であり、スイッチ装置7100が配設される配設面部材7012aを部分的に断面視した状態が図示されている。
第1実施の形態では、第1クレジット投入スイッチ77〜第3クレジット投入スイッチ79の全てが操作可能に露出される場合を説明したが、第7実施の形態におけるスイッチ装置7100は、操作開口位置に配置される1のスイッチのみが操作可能に露出され、他のスイッチは操作不能に遮蔽される。
なお、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。この場合、第7実施の形態におけるスイッチ装置7100は、第1実施の形態におけるスイッチ装置1100に対し、載置板部材7070の有無が異なるのみで、他の構成は同一であるので、異なる構成についてのみ説明する。
図46に示すように、第7実施の形態におけるスイッチ装置7100は、載置板部材7070を備えている。載置板部材7070は、配設面部材12a(図22から図24参照)の上面側に載置される平板状の部材であり、この載置板部材7070が配設面部材12aの上面側に載置されることで、第1位置に配置された1のスイッチのみが操作可能に露出され、第1位置以外に配置された他のスイッチが操作不能に遮蔽されると共に、操作回転部1240が操作可能に上方に突出される。
即ち、載置板部材7070には、操作移動開口部7080が開口形成されており、この操作移動開口部7080は、操作回転部1240を上方に突出させる略円形の領域と、第1位置に配置された1のスイッチ(例えば、図46では第2クレジット投入スイッチ78)のみが露出される扇形状の領域とを備える開口形状に形成されている。
これにより、スイッチ装置7100によれば、操作開口位置(即ち、操作移動開口部7080)に配置された1のスイッチのみが操作移動開口部7080を介して操作可能に露出される一方、操作開口位置以外に配設された他のスイッチ(第1クレジット投入スイッチ77及び第3クレジット投入スイッチ79、図22から図24参照)が載置板部材7070により遮蔽されて、操作が禁止された状態とされるので、操作が必要なスイッチを操作開口位置に配置することで、他のスイッチ(即ち、操作が不要なスイッチ)が誤操作されることを抑制することができる。
また、スイッチ装置7100によれば、第1実施の形態の場合と比較して、操作開口位置以外に配置された他のスイッチを遮蔽して、各スイッチ77〜79の操作に必要な領域を少なくした分、他の用途に使用することができる領域を拡大することができ、配設面部材12a(即ち、載置板部材7070)の上面における設計の自由度を高めることができる。
更に、スイッチ装置7100によれば、第1実施の形態におけるスイッチ装置1100に対し、平板状の載置板部材7070を配設面部材12a(図22から図24参照)の上面に載置するだけの構成であるので、上述したスイッチの遮蔽による効果を得つつ、簡素な構造として、製品コストの低減を図ることができる。
また、スイッチ装置7100によれば、第1実施の形態におけるスイッチ装置1100を配設面部材12aに形成されたユニット保持凹部1500(図22又は図24参照)に保持させた後、載置板部材7070を配設面部材12aの上面に載置すれば良いので、スイッチ装置7100の組み立て性を損なうことがない。一方、組み立てた後であっても、載置板部材7070を取り外せば、スイッチ装置1100をユニット保持凹部1500から抜き取ることができるので、故障時にも都合が良い。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記第1、第3及び第7実施の形態において、操作回転部1240,3240の側面を平坦面上に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、対応する各スイッチ77〜79の種類に応じた識別情報を操作回転部1240,3240の側面に凹凸により形成しても良い。
一例としては、第1クレジット投入スイッチ77に対向する側面には3つの突起または凹部を、第2クレジット投入スイッチ78に対向する側面には2つの突起または凹部を、第3クレジット投入スイッチ79に対向する側面には1つの突起または凹部を、それぞれ形成する。これにより、遊技者は、各スイッチ77〜79等を視認することなく、操作回転部1240,3240を指でつかんだ際に、その側面に形成されている突起または凹部の数に基づいて、対応する各スイッチ77〜79の種類を認識することができる。
上記第1から第3実施の形態では、センターユニット1200〜3200の回転軸から離間するに従って下降傾斜する傾斜面に各スイッチ77〜79を配置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、センターユニット1200〜3200の回転軸から離間するに従って上昇傾斜する傾斜面に各スイッチ77〜79を配置する構成としても良い。この場合、遊技者から操作しやすい角度に配置されたスイッチ位置を第1位置と設定しても良い。
上記第4から第6実施の形態では、センターユニット4200の中心軸(回転軸)が遊技機の左右方向に沿って配設される(即ち、各スイッチ4077〜4079の移動方向が遊技機の前後方向)となる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、任意の向きに配設することができる。例えば、センターユニット4200の中心軸(回転軸)を遊技機の前後方向に配設しても良い。この場合には、操作回転部4240を各スイッチ4077〜4079よりも遊技パネル30側に配置することが好ましい。かかる操作回転部4240に阻害されることなく、各スイッチ4077〜4079を操作することができるからである。
上記第4から第6実施の形態では、センターユニット4200が配設面部材4012aに対して移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、配設面部材4012aがセンターユニット4200に対して移動するように構成しても良い。
上記第4から第6実施の形態ではその説明を省略したが、上記第1実施の形態において説明した仮固定機構を、第4から第6実施の形態に適用しても良い。即ち、本体筒部4210の側面または保持壁4012dの一方の面に位置決め突部1270を突設させると共に、その位置決め突部1270を受入可能となるように、本体筒部4210の側面または保持壁4012dの他方の面に位置決め凹部1360を凹設し、各スイッチ4077〜4079が操作開口位置に配置される際に、両部材1270,1360が嵌合するように構成しても良い。これにより、各スイッチ4077〜4079が操作開口位置に配置された際の仮固定(位置決め)を行うことができ、操作性の向上を図ることができる。
上記各実施の形態では、センターユニット1200〜4200に各スイッチ77〜79,4077〜4079を配置し、センターユニット1200〜4200を移動させることで、各スイッチ77〜79,4077〜4079が第1位置に移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各スイッチ1200〜4200を設置面部材12a,4012aに対してそれぞれ個別に移動できるように設置し、各スイッチ1200〜4200をそれぞれ個別に移動させることで、各スイッチ1200〜4200が第1位置に移動可能となるように構成しても良い。
上記各実施の形態では説明を省略したが、各スイッチ77〜79、4077〜4079にLEDなどの発光手段を埋設し、それぞれが異なる色または異なる発光パターンにて発光するようにしても良い。これにより、第1位置または操作開口位置に配置されているスイッチの種類の識別を遊技者に容易に行わせることができる。
上記各実施の形態では、操作回転部1240,3240,4240の高さ寸法が一定とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これら操作回転部1240,3240,4240の高さ寸法を変更可能に構成しても良い。例えば、操作回転部1240,3240,4240を突出させておくことで、一部のスイッチの操作を行いづらくして、その誤操作を抑制することができる一方で、操作回転部1240,3240,4240を没入させることで、各スイッチの操作性を確保することができる。
上記各実施の形態では、所定操作部として第1から第3クレジット投入スイッチ77〜79,4077〜4079を例に説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の所定操作部に本発明を適用することは当然可能である。他の所定操作部としては、例えば、球貸しボタン及び返却ボタンや、液晶表示装置に表示される映像を切り替える複数のボタンなどが例示される。また、所定操作部は遊技者が操作可能な操作部に限られるものではなく、設定変更操作部や電源スイッチ等の遊技機内に配設される操作部であっても良い。
上記実施形態では、本発明をスロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用しても良い。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入およびメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入および球払出機能を持たせた遊技機としても良い。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは、球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおける、遊技価値たるメダルと球との別個の取り扱いによる設備上の負担や遊技機設置場所の制約といった問題を解消し得る。
また、本発明をパチンコ機に適用することも可能である。パチンコ機の場合、外枠に遊技機本体が装着されるとともに、遊技機本体の前面側に扉部材が設けられる。遊技機本体には、遊技球飛翔領域としての遊技領域が形成されるとともに作動口や液晶表示装置などが設置された遊技盤が搭載され、扉部材に設けられた視認窓により、遊技領域や液晶表示装置が視認可能となっている。そして、遊技球発射装置により発射された遊技球が作動口に入賞することに伴い、内部抽選が行われると共に液晶表示装置上にて絵柄の可変表示が行われる。かかるパチンコ機に上記実施形態の表示制御装置とサブ制御装置との構成を適用した場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上記実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
移動可能に配設されると共にそれぞれが異なる役割を有する複数の所定操作部を備える遊技機であって、前記複数の所定操作部の各所定操作部がそれぞれ第1位置へ移動可能に構成されていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、複数の所定操作部の各所定操作部がそれぞれ第1位置に移動可能に構成されているので、操作の行いづらい位置に配置されている所定操作部であっても、その所定操作部を第1位置へ移動させ、その第1位置において操作することができる。よって、第1位置を操作の行いやすい位置に設定することで、複数の所定操作部それぞれの操作性を確保することができるという効果がある。なお、移動可能とはその所定操作部が設置される設置面に対して所定操作部が移動することをいう。
遊技機A1において、前記複数の所定操作部は、少なくとも操作される部位の形状が互いに略同一の形状に形成されていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、複数の所定操作部は、少なくとも操作される部位の形状が互いに略同一の形状に形成されているので、第1位置に移動された各所定操作部を操作する際の操作感の違いを小さくすることができるという効果がある。即ち、一部の所定操作部の操作が行いづらくなることを抑制して、複数の所定操作部のそれぞれの操作性を確保することができるという効果がある。
なお、略同一の形状とは、同一の形状の他に、大きさが異なる相似形も含む趣旨である。但し、大きさも同一であることが好ましい。操作感の違いをより小さくすることができるからである。
遊技機A2において、前記複数の所定操作部は、前記略同一の形状に形成された部位が前記第1位置においてそれぞれ同一の向きに形が重なるように配置されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、複数の所定操作部は、略同一の形状に形成された部位が第1位置においてそれぞれ同一の向きに形が重なるように配置されるので、いずれの所定操作部が第1位置に移動されても、それら各所定操作部を同様の操作感で操作することができるという効果がある。即ち、同一の形状に形成された部位が例えば点対称形状の上面視円形であれば、操作者から見た所定操作部の形状は一定であり、操作感も一定となるが、例えば台形形状であれば、操作者側を向くのが台形形状の上辺側なのか底辺側なのかで、その所定操作部の操作感が異なる。よって、上述のように向きも同一とすることで、一部の所定操作部の操作が行いづらくなることを抑制して、複数の所定操作部のそれぞれの操作性を確保することができる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記第一位置に配置された所定操作部および残りの所定操作部の内の少なくとも一の所定操作部は、操作される部位の少なくとも一部が露出されていることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、複数の所定操作部は、第1位置に配置された一の所定操作部だけでなく、第1位置以外に配置された他の所定操作部の内の少なくとも一の所定操作部も、操作される部位の少なくとも一部が露出されているので、複数の所定操作部の内の一の所定操作部を第1位置に位置させたままの状態で、第1位置以外に配置されている残りの所定操作部の内の少なくとも一の所定操作部も、第1位置に移動させることなく、操作することができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記複数の所定操作部は全て、操作される部位の少なくとも一部が露出されていることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、複数の所定操作部は全て、即ち、第1位置に配置された一の所定操作部だけでなく、第1位置以外に配置された他の所定操作部も全て、操作される部位の少なくとも一部が露出されているので、複数の所定操作部の内の一の所定操作部を第1位置に位置させたままの状態で、第1位置以外に配置されている他の所定操作部も、第1位置に移動させることなく、操作することができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記複数の所定操作部と、それら複数の所定操作部が配設されると共に移動可能に形成される本体部とを有する操作部ユニットを備え、その操作部ユニットは、前記本体部が移動されることで、前記複数の所定操作部がそれぞれ前記第1位置に移動可能とされていることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、複数の所定操作部と、それら複数の所定操作部が配設されると共に移動可能に形成される本体部とを有する操作部ユニットを備え、その操作部ユニットは、本体部が移動されることで、複数の所定操作部がそれぞれ第1位置に移動可能とされているので、一の部材(本体部)を移動させる動作のみで、各所定操作部をそれぞれ第1位置へ移動させることができるという効果がある。
なお、本体部の移動形態としては、例えば、回転軸を有する回転移動、2次元平面または3次元空間内で行われる直線移動や曲線移動、或いは、これら各移動形態を組み合わせた移動などが例示される。
遊技機A6において、前記操作部ユニットは、前記本体部から突設され操作可能な突設部材を備えていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、本体部から突設され操作可能な突設部材を備えているので、かかる突設部材を利用することで、本体部の移動を容易に行うことができる。即ち、複数の所定操作部の内の各所定操作部をそれぞれ第1位置へ移動させる動作を容易とすることができるという効果がある。なお、突設部材を遊技者が操作可能に配設しても良い。これにより、例えば、遊技を行いつつ所定操作部の移動を行う遊技者の動作を容易とすることができる。或いは、本発明が遊技機内に配設される操作部に適用される場合には、突設部材を利用することで、遊技機内の狭いスペースにおいても、所定操作部の移動を容易に行うことができる。
遊技機A6又はA7において、前記操作部ユニットの本体部は、回転移動可能に構成され、前記複数の所定操作部は、前記本体部が回転移動する際の回転軸方向における前記本体部の端面に配設されると共に前記回転軸の周囲に分散配置されていることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、本体部は、回転移動可能に構成され、複数の所定操作部は、本体部が回転移動する際の回転軸方向における本体部の端面に配設されると共に回転軸の周囲に分散配置されているので、本体部の回転移動に伴い複数の所定操作部が移動する際には、それら各所定操作部の移動軌跡を重ねることができ、その分、複数の所定操作部の移動に必要な領域を少なくすることができるという効果がある。これにより、操作部ユニットが設置される設置面において、複数の所定操作部の移動に占有される占有面積を小さくして、その分、設置面を他の用途に有効利用することができる。
遊技機A8において、前記複数の所定操作部が配設される前記本体部の端面は、前記回転軸から離間するに従って傾斜する傾斜面として形成され、その傾斜面において、前記複数の所定操作部が前記回転軸の周囲に分散配置されていることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、複数の所定操作部が配設される本体部の端面は、回転軸から離間するに従って傾斜する傾斜面として形成され、その傾斜面において、複数の所定操作部が回転軸の周囲に分散配置されているので、第1位置に配置された一の所定操作部の配設方向と、第1位置以外に配置された他の所定操作部の配設方向とを異ならせることができる。即ち、各所定操作部の配設方向をそれぞれ異なる方向に設定することができる。よって、第1位置に配置された一の所定操作部を操作する際に、第1位置以外に配置された他の所定操作部を操作しづらくして、かかる他の所定操作部を不用意に誤操作することを抑制することができるという効果がある。
遊技機A9において、前記複数の所定操作部は、その被操作時の前記本体部に対する変位方向がそれぞれ異なる方向に設定されていることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、複数の所定操作部は、その被操作時の前記本体部に対する変位方向がそれぞれ異なる方向に設定されているので、例えば、第1位置に配置された一の所定操作部を操作するために必要な変位方向と、第1位置以外に配置された他の所定操作部を操作するために必要な変位方向とを異ならせることができる。よって、第1位置に配置された一の所定操作部を操作する際に、第1位置以外に配置された他の所定操作部を不用意に操作したとしても、一の所定操作部を操作する操作者の操作方向が、他の所定操作部を操作するために必要な変位方向とは異なるため、かかる他の所定操作部を不用意に誤操作することを抑制することができるという効果がある。
特に、本発明のように、各所定操作部の配設方向をそれぞれ異なる方向に設定した上で、各所定操作部の被操作時の変位方向もそれぞれ異なる方向とすることで、第1位置に配置された一の所定操作部を操作する際に、他の所定操作部を不用意に誤操作することを、より一層抑制することができる。
遊技機A8からA10のいずれかにおいて、前記操作部ユニットは、前記本体部が回転移動する際の回転軸に沿って前記本体部から突設され前記複数の所定操作部が周囲に分散配置されると共に遊技者によって操作可能な回転操作部材を備え、前記複数の所定操作部は、前記第1位置に配置された一の所定操作部が、前記回転操作部材よりも遊技機前面側から離間して位置することを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、本体部が回転移動する際の回転軸に沿って本体部から突設され複数の所定操作部が周囲に分散配置されると共に遊技者によって操作可能な回転操作部材を備えているので、かかる回転操作部材を回転操作することで、本体部の回転移動を容易に行うことができる。即ち、複数の所定操作部の内の各所定操作部をそれぞれ第1位置へ移動させる動作を容易とすることができるという効果がある。
この場合、複数の所定操作部は、第1位置に配置された一の所定操作部が、回転操作部材よりも遊技機前面側から離間して位置する、即ち、第1位置に配置された一の所定操作部の方が回転操作部材よりも遊技者に近い側に位置しているので、第1位置に配置された一の所定操作部については、回転操作部材に阻害されることなく、操作可能として、その操作性の向上を図ることができる。一方で、第1位置以外に配置されている他の所定操作部については、これら他の所定操作部と遊技者との間に回転操作部材を介在させることができるので、不用意な操作により誤操作されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機A8からA11のいずれかにおいて、前記複数の所定操作部と制御基板とを電気的に接続する配線を備え、前記操作部ユニットは、前記回転軸を含んで前記本体部に穿設された通孔を備え、その通孔を通じて前記配線が前記操作部ユニットの外部へ至ることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、複数の所定操作部と制御基板とを電気的に接続する配線は、回転軸を含んで本体部に穿設された通孔を通じて、操作部ユニットの外部へ至るので、回転軸からずれた位置に穿設された通孔を通じて配線が外部へ至る場合と比較して、操作部ユニットの本体部の回転に伴って配線が動く範囲を少なくすることができるという効果がある。その結果、配線の負担を軽減して、その耐久性の向上を図ることができるという効果がある。
遊技機A12において、前記操作部ユニットは、前記本体部の回転可能範囲を所定範囲内に規制する第1回転規制手段を備えることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、操作部ユニットは、本体部の回転可能範囲を所定範囲内に規制する第1回転規制手段を備えるので、本体部の回転に伴う配線のねじれ量を所定範囲内に規制することができる。その結果、配線の負担を軽減して、その耐久性の向上を図ることができるという効果がある。
遊技機A8からA13のいずれかにおいて、前記操作部ユニットは、前記本体部の回転可能範囲を1回転よりも小さい範囲に規制する第2回転規制手段を備えることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、操作部ユニットは、本体部の回転可能範囲を1回転より小さい範囲に規制する第2回転規制手段を備えるので、本体部を回転可能範囲内で最大限回転させた場合であっても、第1位置に配置されていた所定操作部が、再度、第1位置に戻ってくることを回避することができる。これにより、想定した範囲以上に本体部を回転させてしまい、第1位置に配置された所定操作部を誤操作することを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1からA14のいずれかにおいて、前記複数の所定操作部は、設置面の開口を介して露出され、前記第1位置に配置されると、操作される部位の少なくとも一部が前記設置面よりも上方へ突出される一方、前記第1位置以外に配置されると、操作される部位が前記設置面よりも下方へ後退されることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、複数の所定操作部は、設置面の開口から露出され、第1位置に配置されると、操作される部位の少なくとも一部が設置面よりも上方へ突出されるので、かかる第1位置に配置された一の所定操作部の操作性の向上を図ることができるという効果がある。一方、第1位置以外に配置された他の所定操作部は、操作される部位が設置面よりも下方へ後退されるので、かかる第1位置以外に配置された他の所定操作部を操作しづらくして、不用意に操作される誤操作を抑制することができるという効果がある。
遊技機A15において、前記設置面は、遊技機前面側から離間するに従って下降傾斜する平面状に形成され、前記複数の所定操作部は、前記第1位置に配置された一の所定操作部が、前記第1位置以外に配置された他の所定操作部よりも前記遊技機前面側から離間して位置することを特徴とする遊技機A16。
遊技機A16によれば、設置面は、遊技機前面側から離間するに従って下降傾斜する平面状に形成され、複数の所定操作部は、第1位置に配置された一の所定操作部が、第1位置以外に配置された他の所定操作部よりも遊技機前面側から離間して位置するので、第1位置に配置された一の所定操作部を遊技者の操作性の向上を図りつつ、第1位置以外に配置された他の所定操作部の不用意な誤操作を抑制することができるという効果がある。
即ち、第1位置に配置された一の所定操作部は、他の所定操作部に比べ、遊技者に近い側に位置し、また、傾斜面の下降側に位置するため、他の所定操作部や傾斜面に阻害されることなく操作できるので、かかる第1位置に配置された一の所定操作部の操作性の向上を図ることができる。一方、第1位置以外に配置された他の所定操作部は、一の所定操作部よりも遊技者から遠い側に位置するので、第1位置に配置された一の所定操作部を操作する際に第1位置以外に配置された他の所定操作部まで同時に操作されることを抑制できる。また、かかる他の所定操作部は、傾斜面の上昇側に位置し、傾斜面によりその操作が阻害されるので、操作しづらくされる。よって、第1位置以外に配置された他の所定操作部の不用意な誤操作を抑制することができる。
遊技機A6からA16のいずれかにおいて、前記操作部ユニットの本体部を移動駆動する移動駆動手段と、その移動駆動手段の動作を制御する駆動制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機A17。
遊技機A17によれば、操作部ユニットの本体部を移動駆動する移動駆動手段と、その移動駆動手段の動作を制御する駆動制御手段とを備えているので、駆動制御手段により移動駆動手段を制御することで、操作部ユニットの本体部を移動させることができる。これにより、複数の所定操作部の内の各所定操作部をそれぞれ第1位置へ移動させることができるという効果がある。
遊技機A1からA17のいずれかにおいて、前記複数の所定操作部の内のいずれの所定操作部が前記第1位置に配置されているかを検出する検出手段と、その検出手段により検出された所定操作部が有する役割を報知する報知手段とを備えていることを特徴とする遊技機A18。
遊技機A18によれば、複数の所定操作部の内のいずれの所定操作部が第1位置に配置されているかを検出する検出手段と、その検出手段により検出された所定操作部が有する役割を報知する報知手段とを備えているので、第1位置に配置されている所定操作部が有する役割を操作者に認識させることができるという効果がある。
遊技機A1からA18のいずれかにおいて、前記複数の所定操作部の内の少なくとも前記第1位置以外に配置される所定操作部を遮蔽する遮蔽手段を備えていることを特徴とする遊技機A19。
遊技機A19によれば、複数の所定操作部の内の少なくとも第1位置以外に配置される所定操作部を遮蔽する遮蔽手段を備えているので、遮蔽手段により遮蔽された所定操作部を操作が禁止された状態とすることができる。よって、第1位置に配置された所定操作部を操作する際には、その所定操作部を除く他の所定操作部が誤操作されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機A19において、前記遮蔽手段は、前記第1位置に対応する位置に開口形成された操作開口部を有すると共に前記複数の所定操作部を遮蔽可能に形成された遮蔽面形成部材を備え、前記第1位置に配置された所定操作部のみが前記操作開口部を介して操作可能に露出されることを特徴とする遊技機A20。
遊技機A20によれば、遮蔽手段は、第1位置に対応する位置に開口形成された操作開口部を有すると共に複数の所定操作部を遮蔽可能に形成された遮蔽面形成部材を備え、第1位置に配置された所定操作部のみが操作開口部を介して操作可能に露出されるので、第1位置以外に配置されている他の所定操作部を遮蔽面形成部材により遮蔽され操作が禁止された状態とすることができる。よって、所望の所定操作部を第1位置に配置することで、他の所定操作部、即ち、操作すべき所定操作部ではない間違った所定操作部が誤操作されることを抑制することができるという効果がある。
更に、本発明によれば、複数の所定操作部の操作に必要な領域をそれら複数の所定操作部の全てに対して遊技機の前面側に確保する必要がなく、遮蔽面形成部材の操作開口部のみを所定操作部の操作に必要な領域とし、遮蔽面形成部材の操作開口部を除く領域(即ち、所定操作部を遮蔽する領域)は、他の用途に使用することができるという効果がある。即ち、遊技機の前面側において、所定操作部の操作のために占有される領域を少なくすることができるので、その分、遊技機の前面側における設計の自由度を高めることができる。
遊技者によって操作されると共にそれぞれが異なる役割を有する複数の所定操作部を備える遊技機において、前記複数の所定操作部の内の少なくとも1の所定操作部を遮蔽する遮蔽手段を備えていることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、複数の所定操作部の内の少なくとも1の所定操作部を遮蔽する遮蔽手段を備えているので、遮蔽手段により遮蔽された所定操作部を操作が禁止された状態とすることができる。よって、複数の所定操作部の中から所望の所定操作部を選択して操作する際には、その所望の所定操作部を除く他の所定操作部の内の少なくとも1の所定操作部を遮蔽手段により遮蔽することで、その分、操作すべき所定操作部ではない間違った所定操作部が誤操作されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機B1において、前記遮蔽手段は、開口形成された操作開口部を有すると共に前記複数の所定操作部を遮蔽可能に形成された遮蔽面形成部材を備え、前記複数の所定操作部は、前記操作開口部が開口形成された位置である操作開口位置にそれぞれ移動可能に形成され、前記操作開口位置に配置された所定操作部のみが前記操作開口部を介して操作可能に露出されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遮蔽手段は、開口形成された操作開口部を有すると共に複数の所定操作部を遮蔽可能に形成された遮蔽面形成部材を備え、複数の所定操作部は、操作開口部が開口形成された位置である操作開口位置にそれぞれ移動可能に形成され、操作開口位置に配置された所定操作部のみが操作開口部を介して操作可能に露出されるので、操作開口位置以外に配置されている他の所定操作部を遮蔽面形成部材により遮蔽され操作が禁止された状態とすることができる。よって、所望の所定操作部を操作開口位置に配置することで、他の所定操作部、即ち、操作すべき所定操作部ではない間違った所定操作部が誤操作されることを抑制することができるという効果がある。
更に、本発明によれば、複数の所定操作部の操作に必要な領域をそれら複数の所定操作部の全てに対して遊技機の前面側に確保する必要がなく、遮蔽面形成部材の操作開口部のみを所定操作部の操作に必要な領域とし、遮蔽面形成部材の操作開口部を除く領域(即ち、所定操作部を遮蔽する領域)は、他の用途に使用することができるという効果がある。即ち、遊技機の前面側において、所定操作部の操作のために占有される領域を少なくすることができるので、その分、遊技機の前面側における設計の自由度を高めることができる。
遊技機B2において、前記複数の所定操作部と、それら複数の所定操作部が配設されると共に移動可能に形成される本体部とを有する操作部ユニットを備え、その操作部ユニットは、前記本体部が移動されることで、前記複数の所定操作部がそれぞれ前記操作開口位置に移動可能とされていることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、複数の所定操作部と、それら複数の所定操作部が配設されると共に移動可能に形成される本体部とを有する操作部ユニットを備え、その操作部ユニットは、本体部が移動されることで、複数の所定操作部がそれぞれ操作開口位置に移動可能とされているので、一の部材(本体部)を移動させる動作のみで、各所定操作部をそれぞれ操作開口位置へ移動させることができるという効果がある。
なお、本体部の移動形態としては、例えば、回転軸を有する回転移動、2次元平面または3次元空間内で行われる直線移動や曲線移動、或いは、これら各移動形態を組み合わせた移動などが例示される。
遊技機B3において、前記操作部ユニットの本体部は、回転移動可能に構成され、
前記複数の所定操作部は、前記本体部が回転移動する際の回転軸から等距離となる前記本体部の周面に前記回転移動方向に沿って配置されていることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、操作部ユニットの本体部は、回転移動可能に構成され、複数の所定操作部は、本体部が回転移動する際の回転軸から等距離となる本体部の周面に回転移動方向に沿って配置されているので、遮蔽面形成部材の操作開口部と操作部ユニットの周面との間の隙間寸法を一定に保持しつつ、本体部を回転移動させることができる。即ち、かかる隙間寸法が本体部の回転移動に伴って増減する場合には、隙間寸法が増加した状態において隙間を介して不正行為が行われる恐れがあるところ、かかる隙間寸法を一定に保持させつつ本体部を回転移動させることができれば、隙間を介した不正行為を抑制することができるという効果がある。
また、各所定操作部は、本体部の周面においてその本体部の回転移動方向(周方向)に沿って配置されているので、本体部の回転移動に伴い複数の所定操作部が移動する際には、それら各所定操作部の移動軌跡を重ねることができ、その分、複数の所定操作部の移動に必要な領域を少なくすることができる。これにより、操作開口部に必要な開口面積を小さくすることができるので、その分、遮蔽面形成部材の操作開口部を除く領域(即ち、所定操作部を遮蔽する領域)を広くして、他の用途に使用することができ、かかる領域の設計の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機B3又はB4において、前記操作部ユニットは、前記本体部から突設さ遊技者によって操作可能なユニット移動部材を備えていることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、本体部から突設され遊技者によって操作可能なユニット移動部材を備えているので、かかるユニット移動部材を利用することで、本体部の移動を容易に行うことができる。即ち、複数の所定操作部の内の各所定操作部をそれぞれ操作開口位置へ移動させる動作を容易とすることができるという効果がある。
遊技機B5において、前記複数の所定操作部の役割に関する情報がそれぞれ表示される表示部を備え、前記操作開口位置に位置する所定操作部の役割に関する情報が、前記ユニット移動操作部の移動位置に対応する位置に前記表示部により表示されていることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、複数の所定操作部の役割に関する情報がそれぞれ表示される表示部を備え、操作開口位置に位置する所定操作部の役割に関する情報が、ユニット移動操作部の移動位置に対応する位置に表示部により表示されているので、操作開口位置にある1の所定操作部のみが操作開口部から露出され視認可能とされている場合であっても、ユニット移動操作部の移動位置に対応する表示部の表示に基づいて、操作開口位置にある所定操作部の役割を把握することができるという効果がある。
遊技機B2からB5のいずれかにおいて、前記複数の所定操作部の役割に関する情報がそれぞれ表示される表示部を備え、前記遮蔽面形成部材は、開口形成された表示開口部を備え、前記表示部の各表示は前記表示開口部が開口形成された位置である表示開口位置にそれぞれ移動可能に形成され、前記操作開口位置に配置された所定操作部の役割に関する情報の表示のみが前記表示開口部を介して視認可能に露出され、他の所定捜査部の役割に関する情報の表示は前記遮蔽面形成部材により遮蔽されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、複数の所定操作部の役割に関する情報がそれぞれ表示される表示部を備え、遮蔽面形成部材は、開口形成された表示開口部を備え、表示部の各表示は表示開口部が開口形成された位置である表示開口位置にそれぞれ移動可能に形成され、操作開口位置に配置された所定操作部の役割に関する情報の表示が表示開口部を介して視認可能に露出されるので、操作開口位置にある所定操作部のみが操作開口部から視認可能とされ、他の所定操作部が遮蔽手段により遮蔽されている場合であっても、表示開口部から露出される表示部の表示に基づいて、操作開口位置にある所定操作部の役割を把握することができるという効果がある。
また、操作開口位置に配置された所定操作部の役割に関する情報の表示のみが表示開口部を介して視認可能に露出され、他の所定捜査部の役割に関する情報の表示は遮蔽面形成部材により遮蔽されるので、表示する情報を一つに絞ることができ、不必要な情報が表示されないようにすることができる。これにより、操作開口位置にある所定操作部材の役割を容易に把握させることができると共に他の表示との誤認を抑制することができるという効果がある。
更に、操作開口位置に配置された所定操作部の役割に関する情報の表示のみが表示開口部を介して視認可能に露出され、他の所定捜査部の役割に関する情報の表示は遮蔽面形成部材により遮蔽されることで、表示部の表示に必要な領域を各情報の表示の全てに対して遊技機の前面側に確保する必要がなく、遮蔽面形成部材の表示開口部のみを各情報の表示に必要な領域とし、遮蔽面形成部材の表示開口部を除く領域(即ち、表示部を遮蔽する領域)は、他の用途に使用することができるという効果がある。即ち、遊技機の前面側において、表示部の表示のために占有される領域を少なくすることができるので、その分、遊技機の前面側における設計の自由度を高めることができる。
遊技機B2からB7のいずれかにおいて、前記複数の所定操作部は、前記操作開口位置に配置された状態での被操作時の変位方向がそれぞれ同一方向に設定されていることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、複数の所定操作部は、操作開口位置に配置された状態で、その被操作時の変位方向がそれぞれ同一方向に設定されているので、各所定操作部操作する際の操作感の違いを小さくすることができるという効果がある。即ち、一部の所定操作部の操作が行いづらくなることを抑制して、複数の所定操作部のそれぞれの操作性を確保することができるという効果がある。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記複数の所定操作部は、少なくとも遊技者によって操作される部位の形状が互いに略同一の形状に形成されていることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、複数の所定操作部は、少なくとも遊技者によって操作される部位の形状が互いに略同一の形状に形成されているので、各所定操作部を操作する際の操作感の違いを小さくすることができるという効果がある。即ち、一部の所定操作部の操作が行いづらくなることを抑制して、複数の所定操作部のそれぞれの操作性を確保することができるという効果がある。
遊技機B9において、前記複数の所定操作部は、前記略同一の形状に形成された部位が前記操作開口位置においてそれぞれ同一の向きに形が重なるように配置されることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、複数の所定操作部は、略同一の形状に形成された部位が操作開口部においてそれぞれ同一の向きに形が重なるように配置されるので、いずれの所定操作部が操作開口位置に移動されても、それら各所定操作部を同様の操作感で操作することができるという効果がある。即ち、同一の形状に形成された部位が例えば点対称形状の上面視円形であれば、遊技者から見た所定操作部の形状は一定であり、操作感も一定となるが、例えば台形形状であれば、遊技者側を向くのが台形形状の上辺側なのか底辺側なのかで、その所定操作部の操作感が異なる。よって、上述のように向きも同一とすることで、一部の所定操作部の操作が行いづらくなることを抑制して、複数の所定操作部のそれぞれの操作性を確保することができる。
遊技機B3からB6のいずれかにおいて、前記複数の所定操作部と制御基板とを電気的に接続する配線を備え、前記操作部ユニットは、前記回転軸を含んで前記本体部に穿設された通孔を備え、その通孔を通じて前記配線が前記操作部ユニットの外部へ至ることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、複数の所定操作部と制御基板とを電気的に接続する配線は、回転軸を含んで本体部に穿設された通孔を通じて、操作部ユニットの外部へ至るので、回転軸からずれた位置に穿設された通孔を通じて配線が外部へ至る場合と比較して、操作部ユニットの本体部の回転に伴って配線が動く範囲を少なくすることができるという効果がある。その結果、配線の負担を軽減して、その耐久性の向上を図ることができる。
遊技機B11において、前記操作部ユニットは、前記本体部の回転可能範囲を所定範囲内に規制する第1回転規制手段を備えることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、操作部ユニットは、本体部の回転可能範囲を所定範囲内に規制する第1回転規制手段を備えるので、本体部の回転に伴う配線のねじれ量を所定範囲内に規制することができる。その結果、配線の負担を軽減して、その耐久性の向上を図ることができるという効果がある。
遊技機B3からB6のいずれかにおいて、前記操作部ユニットは、前記本体部の回転可能範囲を1回転よりも小さい範囲に規制する第2回転規制手段を備えることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、操作部ユニットは、本体部の回転可能範囲を1回転より小さい範囲に規制する第2回転規制手段を備えるので、本体部を回転可能範囲内で最大限回転させた場合であっても、操作開口位置に配置されていた所定操作部が、再度、操作開口位置に戻ってくることを回避することができる。これにより、想定した範囲以上に本体部を回転させてしまい、操作開口位置に配置された所定操作部を誤操作することを抑制することができるという効果がある。
遊技機B3からB6のいずれかにおいて、前記操作部ユニットの本体部を移動駆動する移動駆動手段と、その移動駆動手段の動作を制御する駆動制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機B14。
遊技機B14によれば、操作部ユニットの本体部を移動駆動する移動駆動手段と、その移動駆動手段の動作を制御する駆動制御手段とを備えているので、駆動制御手段により移動駆動手段を制御することで、操作部ユニットの本体部を移動させることができる。これにより、複数の所定操作部の内の各所定操作部をそれぞれ操作開口位置へ移動させることができるという効果がある。
遊技機B3からB6のいずれかにおいて、前記複数の所定操作部の内のいずれの所定操作部が前記操作開口位置に配置されているかを検出する検出手段と、その検出手段により検出された所定操作部が有する役割を報知する報知手段とを備えていることを特徴とする遊技機B15。
遊技機B15によれば、複数の所定操作部の内のいずれの所定操作部が操作開口位置に配置されているかを検出する検出手段と、その検出手段により検出された所定操作部が有する役割を報知する報知手段とを備えているので、操作開口位置に配置されている所定操作部が有する役割を遊技者に認識させることができるという効果がある。
遊技機A1からA19、B1からB15のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機C1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA19、B1からB15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機C2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA19、B1からB15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機C3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。