JP2014218627A - 耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP2014218627A
JP2014218627A JP2013100315A JP2013100315A JP2014218627A JP 2014218627 A JP2014218627 A JP 2014218627A JP 2013100315 A JP2013100315 A JP 2013100315A JP 2013100315 A JP2013100315 A JP 2013100315A JP 2014218627 A JP2014218627 A JP 2014218627A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
fine particles
scratch
silica fine
methacrylic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013100315A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6322901B2 (ja
Inventor
吉孝 内藤
Yoshitaka Naito
吉孝 内藤
崇 岩永
Takashi Iwanaga
崇 岩永
長谷 信隆
Nobutaka Hase
信隆 長谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Techno UMG Co Ltd
Original Assignee
UMG ABS Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by UMG ABS Ltd filed Critical UMG ABS Ltd
Priority to JP2013100315A priority Critical patent/JP6322901B2/ja
Publication of JP2014218627A publication Critical patent/JP2014218627A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6322901B2 publication Critical patent/JP6322901B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/34Silicon-containing compounds
    • C08K3/36Silica
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K9/00Use of pretreated ingredients
    • C08K9/04Ingredients treated with organic substances
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L33/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L33/04Homopolymers or copolymers of esters
    • C08L33/06Homopolymers or copolymers of esters of esters containing only carbon, hydrogen and oxygen, which oxygen atoms are present only as part of the carboxyl radical
    • C08L33/10Homopolymers or copolymers of methacrylic acid esters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L51/00Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L51/04Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to rubbers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L55/00Compositions of homopolymers or copolymers, obtained by polymerisation reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, not provided for in groups C08L23/00 - C08L53/00
    • C08L55/02ABS [Acrylonitrile-Butadiene-Styrene] polymers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】耐傷付き性、発色性、成形外観に優れ、耐衝撃性にも優れる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を提供する。
【解決手段】ゴム質重合体(a)の存在下、芳香族ビニル、シアン化ビニル、及びメタクリル酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む単量体(b)をグラフト重合したグラフト重合体(A)5〜40質量部と、メタクリル系樹脂(B)50〜94.9質量部と、平均粒子径が100nm以下であるシリカ微粒子(C)0.1〜20質量部とを、グラフト重合体(A)とメタクリル系樹脂(B)とシリカ微粒子(C)の合計で100質量部となるように含有する耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物及びその成形品。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐傷付き性、発色性、成形外観に優れ、耐衝撃性にも優れる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物とその成形品に関する。本発明はまた、この耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
近年、自動車分野などにおける樹脂部品は、製造コスト削減の観点から塗装せずに使用できることが求められている。そのため、従来の機械物性以外にも求められる特性(要求特性)が幅広くなってきている。特に、塗装しないことから、従来塗装が担ってきた発色性、成形外観や耐傷付き性などがより重要視されるようになってきている。
これらの特性のうち、特に耐傷付き性は、発色性や成形外観が良好である樹脂部品でも傷が付くことでその特性が損なわれてしまうことから特に重要である。すなわち、例えば、自動車樹脂部品においては走行時や洗車時、汚れやワックスの拭き取り時や樹脂部品の組み付け時などにおいて傷が付き、その傷部分が白化や凹凸となることで発色性や成形外観を悪化させる。このため、塗装せずに使用する樹脂部品には、傷が付かない、傷が目立たないという耐傷付き性が求められている。
また、これらの傷にも大きく分けて、走行時の飛び石や、洗車時における付着した砂埃と洗車ブラシなど硬いもので付くけずれ引掻き傷と、汚れやワックスの拭き取り時に使用するウェスや樹脂部品の組み付け時に用いる軍手など柔らかいもので付く擦り傷の2種類がある。
発色性や成形外観が良好である熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネートやメタクリル樹脂などがある。しかしながら、ポリカーボネートは引掻き傷に非常に弱く、傷が付きやすい。一方、メタクリル樹脂は、硬いもので付く引掻き傷には強いものの、ウェスや軍手などの柔らかいもので付く擦り傷には弱く、また耐衝撃性が非常に低いといった問題がある。このため、塗装せずに使用する樹脂部品において、高度な耐傷付き性を付与することは困難であった。
このような事情を背景として、例えば特許文献1には、アクリルゴムをベースとするコア−シェル型衝撃改質剤を用い、これを特定の低分子量メタクリル樹脂及び特定の高分子量メタクリル樹脂に添加する方法が記載されている。また、例えば特許文献2には、メタクリル樹脂に、AESグラフト重合体を添加する方法が開示されている。
特表2008−528712号公報 特開2004−352842号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、軍手やガーゼなどによる擦り傷への改良効果は不充分であった。また、特許文献1,2の方法では、もともとメタクリル系樹脂が有した耐引掻き傷性が犠牲となり、高度な耐傷付き性を得ることは困難であった。
本発明は、耐傷付き性、発色性、成形外観に優れ、耐衝撃性にも優れる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、ゴム質重合体(a)に芳香族ビニル、シアン化ビニル、及びメタクリル酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む単量体(b)をグラフトしたグラフト重合体(A)と、メタクリル系樹脂(B)と、特定の平均粒子径のシリカ微粒子(C)とを特定の割合で配合することにより、上記課題を解決することができることを見出した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] ゴム質重合体(a)の存在下、芳香族ビニル、シアン化ビニル、及びメタクリル酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む単量体(b)をグラフト重合したグラフト重合体(A)5〜40質量部と、メタクリル系樹脂(B)50〜94.9質量部と、平均粒子径が100nm以下であるシリカ微粒子(C)0.1〜20質量部とを、グラフト重合体(A)とメタクリル系樹脂(B)とシリカ微粒子(C)の合計で100質量部となるように含有する耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物。
[2] シリカ微粒子(C)が、表面を有機化されたシリカ微粒子であることを特徴とする[1]の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物。
[3] シリカ微粒子(C)は、メタクリル系樹脂(B)の原料単量体に、表面を有機化されたシリカ微粒子(C)を分散させてラジカル重合することで、シリカ微粒子(C)を含有するメタクリル系樹脂(B)として配合される[1]又は[2]に記載の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物。
[4] ゴム質重合体(a)のゲル含有量が50〜99質量%で、体積平均粒子径が80〜500nmであり、単量体(b)は芳香族ビニル70〜82質量%とシアン化ビニル18〜30質量%を含む単量体混合物であるか、又は、メタクリル酸エステルを50質量%以上含むものであり、グラフト重合体(A)はゴム質重合体(a)の40〜80質量%と単量体(b)の20〜60質量%(ただし、ゴム質重合体(a)と単量体(b)との合計で100質量%)とをグラフト重合してなり、グラフト重合体(A)のグラフト率が23〜100%である[1]ないし[3]のいずれかに記載の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物。
[5] メタクリル系樹脂(B)はメタクリル酸エステルとその他の共重合可能な単量体とを含むメタクリル系単量体混合物を重合させたものであり、該メタクリル系単量体混合物中のメタクリル酸エステルの含有量が50〜99.5質量%であり、メタクリル系樹脂(B)の重量平均分子量が50,000〜300,000である[1]ないし[4]のいずれかに記載の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物。
[6] [1]ないし[5]のいずれかに記載の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
[7] ゴム質重合体(a)の存在下、芳香族ビニル、シアン化ビニル、及びメタクリル酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む単量体(b)をグラフト重合したグラフト重合体(A)と、メタクリル系樹脂(B)と、平均粒子径が100nm以下であるシリカ微粒子(C)を含有する耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物を製造する方法であって、メタクリル系樹脂(B)の原料単量体に、表面を有機化されたシリカ微粒子(C)を分散させてラジカル重合することで、シリカ微粒子(C)を含有するメタクリル系樹脂(B)を得る工程を有する耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
本発明によれば、耐傷付き性、発色性、成形外観に優れ、耐衝撃性にも優れる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を提供することができる。
実施例における耐傷付き性(ガーゼ摩耗)の評価方法の説明図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物〕
本発明の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物は、グラフト重合体(A)と、メタクリル系樹脂(B)と、シリカ微粒子(C)とを所定の割合で含有するものである。
[グラフト重合体(A)]
本発明の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物に含まれるグラフト重合体(A)は、ゴム質重合体(a)の存在下、芳香族ビニル、シアン化ビニル、及びメタクリル酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む単量体(b)をグラフト重合したものである。
<ゴム質重合体(a)>
グラフト重合体(A)を構成するゴム質重合体(a)としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体、スチレン・イソプレン共重合体、天然ゴム等のジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体等のオレフィン系ゴム、ポリオルガノシロキサン等のシリコン系ゴム等が挙げられ、これらは1種を単独で、あるいは2種以上を混合して使用できる。また、ゴム質重合体(a)の構造が複合形態をとっているものでもよく、例えば、ポリブタジエンにアクリル酸エステルを重合したものや、ポリオルガノシロキサンにアクリル酸エステルを重合したものでもよい。これらゴム質重合体(a)の中でも、得られる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の耐候性に優れることから、アクリル系ゴム、シリコン系ゴム、オレフィン系ゴムが好ましく、さらには、得られる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の成形品に擦り傷が付きにくく、発色性にも優れることから、オレフィン系ゴムがより好ましい。
ゴム質重合体(a)の架橋の有無は特に制限はされないが、耐衝撃性、発色性に優れることから架橋されていることが好ましく、ゴム質重合体(a)のゲル含有量は50〜99質量%であることが好ましい。
なお、ゴム質重合体(a)のゲル含有量はゴム質重合体(a)の架橋度を示し、具体的には、秤量したゴム質重合体(a)を適当な溶剤に20時間かけて溶解させ、次いで、200メッシュ金網で分取し、金網に残った不溶分を乾燥させたのち秤量し、溶剤に溶解させる前のゴム質重合体(a)に対する乾燥させた不溶分の割合(質量%)で求められる。ゴム質重合体(a)の溶解に用いる溶剤としては、例えば、ジエン系ゴムやオレフィン系ゴムではトルエンを、アクリル系ゴムではアセトンを用いると測定しやすい。
ゴム質重合体(a)の体積平均粒子径は、80〜500nmであることが好ましく、80〜400nmであることがより好ましく、90〜250nmであることがさらに好ましい。ゴム質重合体(a)の体積平均粒子径が上記範囲であると、得られる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物や成形品の耐衝撃性、発色性が良好となる。
<単量体(b)>
ゴム質重合体(a)に、単量体(b)をグラフト重合することにより、グラフト重合体(A)が得られる。単量体(b)は、芳香族ビニル、シアン化ビニル、メタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種を含む。なかでも、単量体(b)として、芳香族ビニル70〜82質量%とシアン化ビニル18〜30質量%を含む単量体混合物、又はメタクリル酸エステルを50質量%以上含むものが好ましい。このような単量体を用いると、グラフト重合体(A)とメタクリル系樹脂(B)との相溶性が良好となり、得られる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の発色性、耐衝撃性が優れる傾向となる。
芳香族ビニルとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−,m−もしくはp−メチルスチレン、ビニルキシレン、p−t−ブチルスチレン、エチルスチレンなどが挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。なかでもスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
シアン化ビニルとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの1種又は2種以上が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニルなどが挙げられ、これらのうち1種以上を使用できる。これらのなかでも、得られる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物や成形品の耐熱性と耐衝撃性がより優れることから、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸エチルの少なくとも1種を使用することが好ましい。
単量体(b)は、上記の芳香族ビニル、シアン化ビニル、メタクリル酸エステルの他に、これらと共重合可能な他の単量体を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでもよい。
他の単量体としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸メチル、イタコン酸ブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチルなどのイタコン酸誘導体、マレイン酸、無水マレイン酸などのマレイン酸類、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド類等が挙げられ、1種以上を必要に応じて使用できる。
<製造方法>
グラフト重合体(A)は、ゴム質重合体(a)の存在下に単量体(b)をグラフト重合させることで得られる。
グラフト重合時のゴム質重合体(a)の割合は、40〜80質量%であり、単量体(b)の割合は20〜60質量%であることが好ましい(ただし、ゴム質重合体(a)と単量体(b)の合計を100質量%とする。)。ゴム質重合体(a)の割合が上記範囲内であれば、グラフト重合体(A)の生産性が良好であるとともに、得られる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物やその成形品の発色性、耐衝撃性が向上する。
グラフト重合体(A)は、耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物やその成形品の発色性、耐衝撃性が良好となることから、グラフト率が23〜100%であることが好ましい。
本明細書におけるグラフト率(G)は、下記式より求められる。
G=100(P−E)/E
P:アセトン不溶分の質量(グラフト重合体(A)又は耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物をメタノールで洗浄した後、アセトンで抽出し、遠心分離機でアセトン可溶分とアセトン不溶分に分離し、得られたアセトン不溶分を真空乾燥した後の質量(g))
E:グラフト重合体(A)の製造に用いたゴム質重合体(a)の質量(g)
グラフト重合体(A)は、塊状重合法、溶液重合法、塊状懸濁重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の方法により製造され、容易に重合できる点では、乳化重合が好ましい。
本発明の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物におけるグラフト重合体(A)の含有量は、耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物やその成形品の発色性、耐衝撃性、耐擦り傷性が優れることから、該グラフト重合体(A)と後述のメタクリル系樹脂(B)と後述のシリカ微粒子(C)との合計を100質量部とした場合に、5〜40質量部、好ましくは10〜30質量部である。グラフト重合体(A)が上記下限より少ないと、耐衝撃性、柔らかいもので付く擦り傷に対する耐傷付き性が劣る傾向にあり、上記上限より多いと、成形外観、硬いもので付く引掻き傷に対する耐傷付き性が劣る傾向にある。
[メタクリル系樹脂(B)]
本発明におけるメタクリル系樹脂(B)とは、メタクリル酸エステルとその他共重合可能な単量体とを含むメタクリル系単量体混合物を重合させたものである。
メタクリル系単量体混合物におけるメタクリル酸エステルとしては、グラフト重合体(A)における単量体(b)のメタクリル酸エステルとして例示したメタクリル酸エステルを用いることができ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
メタクリル系単量体混合物中のメタクリル酸エステルの含有量は、50〜99.5質量%である。メタクリル酸エステルの含有量が50質量%未満では得られる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物やその成形品の発色性が劣り、さらには、硬く尖ったものによる掻き傷が付きやすくなる。一方、メタクリル系単量体混合物中のメタクリル酸エステル含有量が99.5質量%を超えると溶融混練時や成形時にメタクリル系樹脂の分解が発生しやすく好ましくない。
メタクリル系単量体混合物におけるその他の共重合可能な単量体としては、グラフト重合体(A)における単量体(b)として例示した芳香族ビニル、シアン化ビニルや、他の単量体として例示したアクリル酸誘導体、イタコン酸誘導体、マレイン酸類、マレイミド類などが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
メタクリル系樹脂(B)の製造方法としては特に制限されず、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合などの公知の方法が挙げられる。得られる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物や成形品の耐熱性、発色性の点からは、懸濁重合、塊状重合により製造したものが好ましい。
メタクリル系樹脂(B)の重量平均分子量は、50,000〜300,000であることが好ましく、80,000〜200,000であることがより好ましい。メタクリル系樹脂(B)の重量平均分子量が上記範囲内にあると、得られる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性、成形外観が良好となる傾向にある。
本発明の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物におけるメタクリル系樹脂(B)の含有量は、耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の発色性が優れ、硬く尖ったものによる引掻き傷が付きにくくなることから、上述のグラフト重合体(A)とメタクリル系樹脂(B)と後述のシリカ微粒子(C)との合計を100質量部とした場合に、50〜94.9質量部、好ましくは60〜87質量部である。メタクリル系樹脂(B)が上記下限よりも少ないと、耐衝撃性、硬いもので付く引掻き傷に対する耐傷付き性が劣る傾向にあり、上記上限よりも多いと、耐傷付き性、柔らかいもので付く擦り傷に対する耐傷付き性が劣る傾向にある。
[シリカ微粒子(C)]
本発明で使用するシリカ微粒子のシリカとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、気相法シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカなどが挙げられる。
本発明におけるシリカ微粒子の平均粒子径は100nm以下、好ましくは80nm以下、より好ましくは50nm以下である。シリカ微粒子の平均粒子径が上記上限を超えると、得られる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の発色性、成形外観が悪化する傾向にある。なお、シリカ微粒子(C)の平均粒子径の下限は通常5nm程度である。
本発明におけるシリカ微粒子(C)は、その表面が有機化されていてもよいし、有機化されていなくてもよいが、有機化されていると、得られる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の成形外観、耐衝撃性が良好となることから好ましい。
シリカ微粒子(C)は求める物性に応じて合成してもいいし、市販のものを使用してもよい。市販の表面を有機化されたシリカ微粒子としては、例えば、オルガノゾル MEK−ST(日産化学工業株式会社製オルガノシリカゾル、MEK溶媒、平均粒子径10〜20nm)が挙げられる。市販の表面を有機化されていないシリカ微粒子としては、例えば、スノーテックス30(日産化学工業株式会社製コロイダルシリカ、水分散媒、平均粒子径10〜20nm)が挙げられる。
シリカ微粒子の表面を有機化する方法としては特に制限はなく公知の方法を採用することができる。例えば、シリカ微粒子の表面シラノール基を有機シラン化合物と反応させて共有結合を形成させることにより有機化する方法などが挙げられる。
シリカ微粒子の表面シラノール基と反応して共有結合を形成することができる有機シラン化合物としては、シラザン化合物、シロキサン化合物又はアルコキシシラン若しくはその部分加水分解物、若しくはその部分加水分解物オリゴマーが挙げられる。
シラザン化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザンが挙げられる。
シロキサン化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジブチルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン及び3−グリシドキシプロピルペンタメチルジシロキサンが挙げられる。
アルコキシシランとしては、例えば、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、クロロプロピルジメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−オクチルメチルジエトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタアクリルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ−メタアクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−(γ−アミノプロピル)メチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−(γ−アミノプロピル)トリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−(γ−アミノプロピル)トリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカトリフルオロプロピルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリル)エタン及びヘキサエトキシジシロキサンが挙げられる。
前記有機シラン化合物は、1種を単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
シリカ微粒子(C)の表面有機化に用いる有機シラン化合物の使用量は、シリカ微粒子(C)100質量部に対して0.05〜20質量部、特に0.1〜10質量部が好ましい。上記範囲より有機シラン化合物が少ないとシリカ微粒子(C)の表面を十分に有機化することができず、多いと得られる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の成形外観が劣る傾向にある。
本発明の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の製造に当たり、シリカ微粒子(C)を配合する方法としては特に制限はなく、シリカ微粒子(C)が耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物に均一に分散されていればよい。例えば、グラフト重合体(A)又はメタクリル系樹脂(B)を乳化重合し、水媒体のコロイダルシリカと混合したのちに、無機塩により凝固する方法;有機溶媒に溶解させたメタクリル系樹脂(B)とシリカ微粒子、又は表面を有機化されたシリカ微粒子、例えば、オルガノシリカゾルを混合したのちに、有機溶媒を除去する方法;シリカ微粒子、又は表面を有機化されたシリカ微粒子、例えば、オルガノシリカゾルの有機溶媒を前述のメタクリル系単量体混合物に置換したのちに重合する方法;などが挙げられる。なかでも、オルガノシリカゾルの有機溶媒をメタクリル系単量体混合物に置換したのちに懸濁重合することで、シリカ微粒子(C)が均一分散したメタクリル系樹脂(B)を得、このようにシリカ微粒子(C)を均一分散状態で含むメタクリル系樹脂(B)をグラフト重合体(A)等と混合する方法が、得られる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の発色性、成形外観が良好となることから好ましい。
本発明の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物におけるシリカ微粒子(C)の含有量は、グラフト重合体(A)とメタクリル系樹脂(B)とシリカ微粒子(C)との合計を100質量部とした場合、0.1〜20質量部、好ましくは1〜16質量部である。シリカ微粒子(C)の含有量が上記下限未満であると、得られる耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の耐傷付き性が劣り、上記上限を超えると、発色性、成形外観、耐衝撃性が劣るものとなる。
[その他の熱可塑性樹脂]
本発明の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物には、グラフト重合体(A)、メタクリル系樹脂(B)、及びシリカ微粒子(C)の他に、本発明を損なわない範囲でその他の熱可塑性樹脂を配合することができる。その他の熱可塑性樹脂としては、スチレン−アクリロニトリル重合体(AS樹脂)、スチレン−無水マレイン酸重合体、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−ブタジエン(SBR)、水素添加SBS、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)等のスチレン系エラストマー、各種オレフィン系エラストマー、各種ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン、メタクリル酸メチル−スチレン重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル重合体、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、エチレン−酢酸ビニル重合体、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリレート、液晶ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、前記のグラフト重合体(A)の混合物(b)の共重合体等が挙げられる。
本発明の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物が上記のようなその他の熱可塑性樹脂を含有する場合、グラフト重合体(A)、メタクリル系樹脂(B)及びシリカ微粒子(C)を所定の割合で用いることによる本発明の効果を有効に得る上で、グラフト重合体(A)とメタクリル系樹脂(B)とシリカ微粒子(C)との合計100質量部に対して40質量部以下とすることが好ましい。
[添加剤]
本発明の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物には、グラフト重合体(A)、メタクリル系樹脂(B)、シリカ微粒子(C)の他に、耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物や成形品の物性を損なわない範囲において、樹脂組成物の製造時(混合時)、成形時に、慣用の他の添加剤、例えば滑材、顔料、染料、充填剤(カーボンブラック、酸化チタン等)、耐熱剤、酸化劣化防止剤、耐候剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤等を配合することができる。
[耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の製造方法]
本発明の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物は、公知の装置を使用した公知の方法で製造できる。例えば、一般的な方法として溶融混合法があり、この方法で使用する装置としては、押出機、バンバリーミキサー、ローラー、ニーダー等が挙げられる。混合には回分式、連続式のいずれを採用してもよい。また、各成分の混合順序などにも特に制限はなく、全ての成分が均一に混合されればよい。
〔成形品〕
本発明の成形品は、上記耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物が成形されたものである。その成形方法としては、例えば、射出成形法、射出圧縮成形機法、押出法、ブロー成形法、真空成形法、圧空成形法、カレンダー成形法及びインフレーション成形法等が挙げられる。これらのなかでも、量産性に優れ、高い寸法精度の成形品を得ることができるため、射出成形法、射出圧縮成形法が好ましい。
本発明の成形品は、耐傷付き性に優れ、発色性、成形外観にも優れることから、特に自動車内外装部品などに好適に使用できる。
以下、本発明について、実施例を示して具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[製造例1:グラフト重合体(A1)]
ゲル含有量72質量%、体積平均粒子径250nmであるエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)の乳化ラテックス70質量部(固形分換算)に、ピロリン酸ナトリウム0.15質量部、硫酸第一鉄七水塩0.006質量部、及びフラクトース0.35質量部を仕込み、内温を80℃に保った。これに、スチレン25.2質量部及びアクリロニトリル4.8質量部からなる単量体混合物と、クメンハイドロパーオキサイド0.6質量部とを、各々別の供給口から140分かけて同時に滴下して重合を行った。この間、内温は80℃で一定に制御した。滴下終了後、さらに100分間、80℃のまま保持した後に冷却してグラフト重合を完結させた。反応生成物のラテックスを硫酸水溶液で凝固、水洗した後、乾燥してグラフト重合体(A1)を得た。グラフト重合体(A1)のグラフト率は29%であった。
[製造例2:グラフト重合体(A2)]
ゲル含有量が84質量%、体積平均粒子径170nmあるポリブチルアクリレート系重合体(a2)の乳化ラテックス70質量部(固形分換算)に、不均化ロジン酸カリウム1質量部、水酸化カリウム0.03質量部を加え、60℃に加熱し、ピロリン酸ナトリウム0.1質量部、硫酸第一鉄七水塩0.007質量部、及びフラクトース0.3質量部を仕込み、内温を60℃に保った。これに、スチレン23質量部及びアクリロニトリル7質量部からなる単量体混合物とクメンハイドロパーオキサイド0.5質量部とを、各々別の供給口から120分かけて同時に滴下して重合を行った。滴下終了後、さらに100分間、70℃のまま保持した後に冷却してグラフト重合を完結させた。反応生成物のラテックスを硫酸水溶液で凝固、水洗した後、乾燥してグラフト重合体(A2)を得た。グラフト重合体(A2)のグラフト率は32%であった。
[製造例3:グラフト重合体(A3)]
ゲル含有量95質量%、体積平均粒子径320nmであるポリブタジエン(a3)の乳化ラテックス70質量部(固形分換算)に、スチレン23質量部及びアクリロニトリル7質量%と、不均化ロジン酸カリウム1質量部、水酸化ナトリウム0.01質量部、ピロリン酸ナトリウム0.45質量部、硫酸第一鉄七水塩0.01質量部、デキストローズ0.57質量部、t−ドデシルメルカプタン0.08質量部及びクメンハイドロパーオキサイド1.0質量部とを仕込み、60℃から反応を開始し、途中で75℃まで昇温後、120分間保持し、冷却してグラフト重合を完結させた。反応生成物のラテックスを硫酸水溶液で凝固、水洗した後、乾燥してグラフト重合体(A3)を得た。グラフト重合体(A3)のグラフト率は31%であった。
[製造例4:グラフト重合体(A4)]
製造例1と同様の方法でグラフト重合体のラテックスを得たのち、硫酸水溶液で凝固することなく、得られたグラフト重合体のラテックスに、スノーテックス30(日産化学工業株式会社製コロイダルシリカ、水分散媒、平均粒子径13nm)を、グラフト重合体:シリカ微粒子=60:40(固形分換算)(質量比)となるよう混合し、1時間撹拌した。得られたグラフト重合体とシリカ微粒子を含むラテックス混合液を塩化カルシウム水溶液で凝固し、乾燥して、シリカ微粒子40質量%を含むグラフト重合体(A4)を得た。
[製造例5:メタクリル系樹脂(B1)]
耐圧反応容器に蒸留水150質量部と、メタクリル酸メチル99質量部、アクリル酸メチル1質量部と、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.2質量部、n−オクチルメルカプタン0.25質量部、カルシウムハイドロオキシアパタイト0.47質量部、及びアルケニルコハク酸カリウム0.003質量部を仕込み、内温を75℃まで昇温し、3時間反応を行った。その後、90℃まで昇温し、60分間保持することで反応を完結させた。内容物を遠心脱水機で洗浄、脱水を繰り返し、乾燥させてメタクリル系樹脂(B1)を得た。
[製造例6:メタクリル系樹脂(B2)]
耐圧反応容器に蒸留水150質量部と、N−フェニルマレイミド15質量部、スチレン5質量部、α−メチルスチレン5質量部、メタクリル酸メチル75質量部の混合物と、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.2質量部、n−オクチルメルカプタン0.25質量部、カルシウムハイドロオキシアパタイト0.47質量部、及びアルケニルコハク酸カリウム0.003質量部を仕込み、内温を75℃まで昇温し、3時間反応を行った。その後、90℃まで昇温し、60分間保持することで反応を完結させた。内容物を遠心脱水機で洗浄、脱水を繰り返し、乾燥させてメタクリル系樹脂(B2)を得た。
[製造例7:メタクリル系樹脂(B3)]
蒸留水170質量部とアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.0質量部を内温75℃に保ち、ピロリン酸ナトリウム0.2質量部と過硫酸カリウム0.25質量部を加えた。次に、メタクリル酸メチル99質量部、アクリル酸メチル1質量部と、n−オクチルメルカプタン0.25質量部とを360分かけて同時に滴下して重合を行った。この間、内温は75℃で一定に制御した。滴下終了後、さらに100分間、75℃のまま保持した後に冷却して重合を終了した。得られたメタクリル系樹脂のラテックスに、スノーテックス30(日産化学工業株式会社製コロイダルシリカ、水分散媒、平均粒子径13nm)を、メタクリル系樹脂:シリカ微粒子=80:20(固形分換算)(質量比)となるよう混合し、1時間撹拌した。得られたメタクリル系樹脂とシリカ微粒子を含むラテックス混合液を塩化カルシウム水溶液で凝固し、乾燥して、シリカ微粒子20質量%を含むメタクリル系樹脂(B3)を得た。
[製造例8:メタクリル系樹脂(B4)]
製造例1で得られたメタクリル系樹脂(B1)をメチルエチルケトン(MEK)に溶解させた。得られたメタクリル系樹脂(B1)のMEK溶液に、MEK−ST(日産化学工業株式会社製オルガノシリカゾル、MEK溶媒、平均粒子径16nm)を、メタクリル系樹脂:シリカ微粒子=80:20(固形分換算)(質量比)となるよう混合し、1時間撹拌した。次いで、MEKを留去し、乾燥させることで、シリカ微粒子を20質量%含むメタクリル系樹脂(B4)を得た。
[製造例9:メタクリル系樹脂(B5)]
MEK−ST(日産化学工業株式会社製オルガノシリカゾル、MEK溶媒、平均粒子径16nm)のMEK溶媒を留去することで得られたシリカ微粒子20質量部に、メタクリル酸メチル79質量部とアクリル酸メチル1質量部を加え、シリカ微粒子20質量部が分散した単量体混合物を得た。耐圧反応容器に得られた単量体混合物100質量部と、蒸留水150質量部と、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.2質量部、n−オクチルメルカプタン0.25質量部、カルシウムハイドロオキシアパタイト0.47質量部、アルケニルコハク酸カリウム0.003質量部を仕込み、内温を75℃まで昇温し、3時間反応を行った。その後、90℃まで昇温し、60分間保持することで反応を完結させた。内容物を遠心脱水機で洗浄、脱水を繰り返し、乾燥させて、シリカ微粒子を20質量%含むメタクリル系樹脂(B5)を得た。
[製造例10:メタクリル系樹脂(B6)]
メタクリル酸メチル79質量部、アクリル酸メチル1質量部の代わりに、N−フェニルマレイミド12質量部、スチレン4質量部、α−メチルスチレン4質量部、及びメタクリル酸メチル60質量部を用いた以外、製造例9と同様の条件で懸濁重合を行い、シリカ微粒子20質量%を含有するメタクリル系樹脂(B6)を得た。
[実施例1〜12、比較例1〜6]
表1〜表2に示す組成(質量部)で各成分を混合し、28mm二軸押出機(日本製鋼所製「TEX−28V」)を用いて250℃で溶融混練し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
得られた熱可塑性樹脂組成物を射出成形した成形品について、耐衝撃性、発色性、成形外観、耐傷付き性(鉛筆硬度、ガーゼ摩耗)を以下の方法により評価した。
評価結果を表1、2に示す。
[耐衝撃性]
ISO試験法179に準拠し、23℃及び−30℃において、4mm、Vノッチ付きシャルピー衝撃強さ(KJ/m)を測定した。
[発色性]
熱可塑性樹脂組成物のペレット100質量部に対して、カーボンブラック0.8質量部を混合して着色し、100×100mm(厚み2mm)の黒着色板(試験片)を射出成形した。得られた黒着色板(試験片)について、色差計でL*を測定した。L*が低いほど黒色となり、発色性が良好である。
[成形外観]
発色性の評価で用いたものと同様の100×100mm(厚み2mm)の黒着色板(試験片)の表面を観察し、グラフト重合体(A)やシリカ微粒子(C)の凝集物に起因するブツの数を測定した。観測されたブツの数から以下の基準で成形外観を評価し、△以上を合格とした。
◎:ブツが観測されない。
○:ブツが1〜2個観測される。
△:ブツが3〜9個観測される。
×:ブツが10個以上観測される。
[鉛筆硬度]
JIS K5600に準拠し、750gの荷重において、成形品(試験片)の鉛筆硬度を測定した。鉛筆硬度が硬いほど、硬いもので引っかいた場合の耐掻き傷性が良好となる。H以上を合格とした。
[ガーゼ摩耗]
図1に示すように、先端部1が略半球形に形成された棒状の治具2を用意し、該先端部1に、ガーゼを8枚重ねた積層シートSを被せた。そして、成形品(試験片)Mの表面に対して、棒状の治具2が直角になるように、積層シートSが被せられた先端部1を接触させ、該先端部1を成形品Mの表面において水平方向(図中矢印X方向)に摺動させ、100回往復させた。その際、加える荷重は1kgとした。100回往復させた後、成形品Mの表面における擦り傷を目視で観測し、以下の4段階で評価した。
ガーゼ摩耗が良好なほど、軍手、ガーゼや布などで成形品の表面を拭いた場合や、衣類などが擦れた場合の耐擦り傷性が良好となる。○以上を合格とした。
◎:ほとんど傷が付かない
○:目立たない傷が付く
△:目立つ傷が付く
×:手で触ってわかるほど削れた傷が付く
Figure 2014218627
Figure 2014218627
表1の実施例1〜12に示すように、各実施例によれば、耐衝撃性、発色性、成形外観、耐傷付き性にも優れ、これらの特性を兼ね備えた耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物及び成形品が得られた。
一方、表2に示すように、各比較例で得られた樹脂組成物及び成形品は、耐衝撃性、発色性、成形外観、耐傷付き性のうちの少なくとも一つが不充分であった。
すなわち、比較例1はグラフト重合体(A)及びシリカ微粒子(C)を含有していないことから耐衝撃性、ガーゼ摩耗に劣る。比較例2はグラフト重合体(A)を含有していないことから、耐衝撃性、ガーゼ摩耗に劣る。比較例3はシリカ微粒子を含有していないことから、鉛筆硬度に劣った。一方、比較例4はシリカ微粒子の含有量が本発明の範囲を超えていることから、成形外観に劣った。また、比較例は5はグラフト重合体(A)の含有量が本発明の範囲未満であることから、耐衝撃性、ガーゼ摩耗に劣り、比較例6はグラフト重合体(A)の含有量が本範囲を超えていることから、成形外観、鉛筆硬度に劣る結果となった。
1 先端部
2 治具
S 積層シート
M 成形品

Claims (7)

  1. ゴム質重合体(a)の存在下、芳香族ビニル、シアン化ビニル、及びメタクリル酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む単量体(b)をグラフト重合したグラフト重合体(A)5〜40質量部と、メタクリル系樹脂(B)50〜94.9質量部と、平均粒子径が100nm以下であるシリカ微粒子(C)0.1〜20質量部とを、グラフト重合体(A)とメタクリル系樹脂(B)とシリカ微粒子(C)の合計で100質量部となるように含有する耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物。
  2. シリカ微粒子(C)が、表面を有機化されたシリカ微粒子であることを特徴とする請求項1の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物。
  3. シリカ微粒子(C)は、メタクリル系樹脂(B)の原料単量体に、表面を有機化されたシリカ微粒子(C)を分散させてラジカル重合することで、シリカ微粒子(C)を含有するメタクリル系樹脂(B)として配合される請求項1又は2に記載の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物。
  4. ゴム質重合体(a)のゲル含有量が50〜99質量%で、体積平均粒子径が80〜500nmであり、
    単量体(b)は芳香族ビニル70〜82質量%とシアン化ビニル18〜30質量%を含む単量体混合物であるか、又は、メタクリル酸エステルを50質量%以上含むものであり、
    グラフト重合体(A)はゴム質重合体(a)の40〜80質量%と単量体(b)の20〜60質量%(ただし、ゴム質重合体(a)と単量体(b)との合計で100質量%)とをグラフト重合してなり、
    グラフト重合体(A)のグラフト率が23〜100%である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物。
  5. メタクリル系樹脂(B)はメタクリル酸エステルとその他の共重合可能な単量体とを含むメタクリル系単量体混合物を重合させたものであり、
    該メタクリル系単量体混合物中のメタクリル酸エステルの含有量が50〜99.5質量%であり、
    メタクリル系樹脂(B)の重量平均分子量が50,000〜300,000である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
  7. ゴム質重合体(a)の存在下、芳香族ビニル、シアン化ビニル、及びメタクリル酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む単量体(b)をグラフト重合したグラフト重合体(A)と、メタクリル系樹脂(B)と、平均粒子径が100nm以下であるシリカ微粒子(C)を含有する耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物を製造する方法であって、メタクリル系樹脂(B)の原料単量体に、表面を有機化されたシリカ微粒子(C)を分散させてラジカル重合することで、シリカ微粒子(C)を含有するメタクリル系樹脂(B)を得る工程を有する耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
JP2013100315A 2013-05-10 2013-05-10 耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 Active JP6322901B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013100315A JP6322901B2 (ja) 2013-05-10 2013-05-10 耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物及びその成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013100315A JP6322901B2 (ja) 2013-05-10 2013-05-10 耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物及びその成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014218627A true JP2014218627A (ja) 2014-11-20
JP6322901B2 JP6322901B2 (ja) 2018-05-16

Family

ID=51937395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013100315A Active JP6322901B2 (ja) 2013-05-10 2013-05-10 耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物及びその成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6322901B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018184619A (ja) * 2018-08-21 2018-11-22 三菱ケミカル株式会社 熱可塑性樹脂組成物、成形体及び住宅設備
JP2019127510A (ja) * 2018-01-23 2019-08-01 ユーエムジー・エービーエス株式会社 自動車用樹脂成形品
JP2019173011A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 旭化成株式会社 メタクリル系樹脂組成物及びその成形体
JP2020132753A (ja) * 2019-02-19 2020-08-31 旭化成株式会社 成形体

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04270710A (ja) * 1989-12-18 1992-09-28 Toshiba Silicone Co Ltd 熱可塑性樹脂およびその製造方法
JP2009519886A (ja) * 2005-12-20 2009-05-21 エボニック デグサ ゲーエムベーハー ヒュームドシリカ
JP2010197761A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Arukee:Kk 眼鏡用ダミーレンズ
WO2011013382A1 (ja) * 2009-07-31 2011-02-03 株式会社カネカ 表面にプリズム型再帰反射構造が形成されたフィルム用組成物
JP2012072202A (ja) * 2010-09-27 2012-04-12 Nippon A&L Inc 熱可塑性樹脂組成物及び成形体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04270710A (ja) * 1989-12-18 1992-09-28 Toshiba Silicone Co Ltd 熱可塑性樹脂およびその製造方法
JP2009519886A (ja) * 2005-12-20 2009-05-21 エボニック デグサ ゲーエムベーハー ヒュームドシリカ
JP2010197761A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Arukee:Kk 眼鏡用ダミーレンズ
WO2011013382A1 (ja) * 2009-07-31 2011-02-03 株式会社カネカ 表面にプリズム型再帰反射構造が形成されたフィルム用組成物
JP2012072202A (ja) * 2010-09-27 2012-04-12 Nippon A&L Inc 熱可塑性樹脂組成物及び成形体

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019127510A (ja) * 2018-01-23 2019-08-01 ユーエムジー・エービーエス株式会社 自動車用樹脂成形品
JP7010710B2 (ja) 2018-01-23 2022-01-26 テクノUmg株式会社 自動車用樹脂成形品
JP2019173011A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 旭化成株式会社 メタクリル系樹脂組成物及びその成形体
JP7193400B2 (ja) 2018-03-29 2022-12-20 旭化成株式会社 メタクリル系樹脂組成物及びその成形体
JP2018184619A (ja) * 2018-08-21 2018-11-22 三菱ケミカル株式会社 熱可塑性樹脂組成物、成形体及び住宅設備
JP2020132753A (ja) * 2019-02-19 2020-08-31 旭化成株式会社 成形体
JP7258590B2 (ja) 2019-02-19 2023-04-17 旭化成株式会社 成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP6322901B2 (ja) 2018-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4054042B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物ならびにその成形品
JP6322901B2 (ja) 耐傷付き性熱可塑性樹脂組成物及びその成形品
JP2005307180A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3715813B2 (ja) 車両用外装部品
JP5385612B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物および成形品
JP5776391B2 (ja) 耐熱・耐塗装性熱可塑性樹脂組成物
JP3913098B2 (ja) 樹脂組成物およびそれを用いた成型品
JP5164197B2 (ja) 熱可塑性組成物からなる射出成形品
JPS61218651A (ja) 艶消しされた熱可塑性樹脂組成物
JP2009256551A (ja) 熱可塑性樹脂組成物および樹脂成形体
JP2006299061A (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JP3703585B2 (ja) アクリル系多層構造重合体粒子を含有する樹脂組成物
JP6205823B2 (ja) 架橋メタクリル樹脂及び耐傷付き性樹脂組成物
JP2009084569A (ja) 自動車内装部品用熱可塑性樹脂組成物および成形品
JP5164196B2 (ja) 熱可塑性組成物
JP4060102B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2008174683A (ja) ゴム質含有樹脂組成物
JP2007238864A (ja) 樹脂組成物
JPH10182841A (ja) 複合体、その製法、及び複合体を含有する成形品
JP2006199817A (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP7281293B2 (ja) 成形体
JP2006169460A (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP2005068349A (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形品
US20110166312A1 (en) Rheology modifier
JP4060111B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170912

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180313

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180326

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6322901

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250