JP2014203360A - プラント操業再現装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定の注目する事象と同じ事象又は類似する事象を、産業プラントで過去に発生した事象の中から容易に検索・抽出することができるプラント操業再現装置を提供する。
【解決手段】再現装置12は、データ収集装置13、データ蓄積装置14、入力手段、検索装置15を備える。データ収集装置13は、ネットワークを介して伝送されるプロセスデータをリアルタイムで収集する。データ蓄積装置14は、データ収集装置13によって収集されたプロセスデータを蓄積する。検索装置15は、入力手段から入力された特定の注目事象に基づいてデータ蓄積装置14に蓄積されたプロセスデータを検索し、産業プラントで過去に発生した事象の中から、入力手段から入力された特定の注目事象に関連する事象を抽出する。
【選択図】図2
【解決手段】再現装置12は、データ収集装置13、データ蓄積装置14、入力手段、検索装置15を備える。データ収集装置13は、ネットワークを介して伝送されるプロセスデータをリアルタイムで収集する。データ蓄積装置14は、データ収集装置13によって収集されたプロセスデータを蓄積する。検索装置15は、入力手段から入力された特定の注目事象に基づいてデータ蓄積装置14に蓄積されたプロセスデータを検索し、産業プラントで過去に発生した事象の中から、入力手段から入力された特定の注目事象に関連する事象を抽出する。
【選択図】図2
Description
この発明は、産業プラントにおいて用いられるプラント操業再現装置に関するものである。
鉄鋼・非鉄金属等の産業プラントでは、各種プロセスデータを収集及び蓄積している。蓄積されたプロセスデータは、例えば、保守において問題が発生した時に、発生した事象を解析するために利用される。また、蓄積されたプロセスデータは、制御システムの機能を改造したり更新したりした際に、制御機器の動作確認を行うために利用される。
プロセスデータのこのような利用においては、先ず、蓄積されたプロセスデータに基づいて制御機器に対する入力情報が生成される。そして、その入力情報を制御機器に入力し、プロセスデータを収集した時と同じ操業条件で制御機器を動作させる。
特許文献1は、かかる機能を備えた装置の一例を開示している。特許文献1に記載された装置では、特定のイベントが発生したことを表す情報(イベント情報)からインデックスを作成する。そして、プロセスデータを収集した時と同じ操業条件で制御機器を動作させる場合は、インデックスの時刻に基づいてプロセスデータの読み出しを行っている。
特許文献1に記載された装置を使用して制御機器を動作させる場合は、イベント情報に基づいて時刻を特定し、その時刻にどのような事象が起こっていたのかをプロセスデータから確認する必要がある。このため、注目する事象に基づいて過去の同じ事象或いは類似する事象を調査して再現させる場合、その作業に多大な手間と時間とが必要になるといった問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものである。この発明の目的は、特定の注目する事象と同じ事象又は類似する事象を、産業プラントで過去に発生した事象の中から容易に検索・抽出することができるプラント操業再現装置を提供することである。
この発明に係るプラント操業再現装置は、産業プラントを構成する複数の機器とともに所定のネットワークに接続された再現装置と、を備え、再現装置は、ネットワークを介して伝送されるプロセスデータをリアルタイムで収集するデータ収集装置と、データ収集装置によって収集されたプロセスデータを蓄積するデータ蓄積装置と、産業プラントで発生した特定の注目事象を入力するための第1入力手段と、第1入力手段から入力された特定の注目事象に基づいてデータ蓄積装置に蓄積されたプロセスデータを検索し、産業プラントで過去に発生した事象の中から、第1入力手段から入力された特定の注目事象に関連する事象を抽出する検索装置と、を備えたものである。
この発明に係るプラント操業再現装置であれば、特定の注目する事象と同じ事象又は類似する事象を、産業プラントで過去に発生した事象の中から容易に検索・抽出することができる。このため、保守において問題が発生した時の解析作業や、システムの機能を改造したり更新したりした時の機能確認を、効率的に行うことができるようになる。
添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。各図では、同一又は相当する部分に、同一の符号を付している。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるプラント操業再現装置の構成を示す図である。
本プラント操業再現装置は、鉄鋼・非鉄金属等の産業プラントにおいて使用される。以下においては、本プラント操業再現装置を鉄鋼プラントに適用する場合を例に、具体的な説明を行う。
図1はこの発明の実施の形態1におけるプラント操業再現装置の構成を示す図である。
本プラント操業再現装置は、鉄鋼・非鉄金属等の産業プラントにおいて使用される。以下においては、本プラント操業再現装置を鉄鋼プラントに適用する場合を例に、具体的な説明を行う。
鉄鋼プラントは、例えば、熱間圧延プラント、冷間圧延プラント、プロセスラインプラントといった複数の工程によって構成される。各工程では、種々の設備を使用して製品(半製品を含む)を製造する。例えば、プロセスラインプラントは、熱間圧延プラント或いは冷間圧延プラントで製造された製品(コイル)を最終製品に仕上げる。プロセスラインプラントには、例えば、酸洗、焼鈍、めっき、塗装、切断等を行うための1つ或いは複数の設備が備えられる。
鉄鋼プラントを構成する各工程に、プロセス計算機1、プロセスコントローラ2、駆動装置3、プロセスセンサ4、操作端末5、操作盤6が備えられる。
プロセス計算機1、プロセスコントローラ2、プロセスセンサ4及び操作端末5は、情報LAN7に接続される。情報LAN7は、製造情報管理や情報総括に用いられるLANである。また、プロセス計算機1、プロセスコントローラ2、駆動装置3、プロセスセンサ4、操作端末5及び操作盤6は、制御LAN8に接続される。制御LAN8は、制御用の高速データ伝送に用いられるLANである。
各工程のプロセス計算機1は、上位LAN9を介して上位計算機10に接続される。上位LAN9は、情報LAN7及び制御LAN8より上位のネットワークである。上位LAN9は、プラント操業や物流管理のために用いられる。上位LAN9には、上位計算機10及び各工程のプロセス計算機1の他に、搬送システム11が接続される。
本願発明の要部を構成する再現装置12は、鉄鋼プラントに備えられた各ネットワークに接続される。図1に示す例では、再現装置12は、各工程の情報LAN7、各工程の制御LAN8、上位LAN9のそれぞれに接続される。鉄鋼プラントにプロセスデータが伝送される他のネットワークが存在する場合、再現装置12は、そのネットワークにも接続される。
図2は、再現装置12の構成を示す図である。再現装置12は、例えば、データ収集装置13、データ蓄積装置14、検索装置15、入力表示端末16、データ再現装置17、データ再現管理装置18を備える。
再現装置12の具体的な機能については後述する。
再現装置12の具体的な機能については後述する。
上位計算機10は、鉄鋼プラントの上位において情報を管理する。上位計算機10は、例えば、ビジネスコンピュータからなる。上位計算機10は、製造する製品の情報及び期日の情報に基づいて、製品製造のためのスケジュールを作成する。上位計算機10は、作成したスケジュールに基づいて、各工程において製造を行うための指示情報(製造指示情報)を決定する。
上位計算機10は、各工程のプロセス計算機1に対して、プラント操業に関する情報(プラント操業情報)を上位LAN9を介して出力する。プラント操業情報とは、鉄鋼プラントを構成する各工程において操業を行うための情報である。上位計算機10からプロセス計算機1に出力されるプラント操業情報には、例えば、母材情報や製品の製造指示情報が含まれる。
搬送システム11は、母材や製品を工程間で搬送するための設備を管理する。例えば、熱間圧延プラントで製造されたコイルは、一定期間、ヤード等で保管される。搬送システム11は、ヤードに設置されたクレーン等の設備を管理する。
搬送システム11は、各工程のプロセス計算機1に対して、物流管理に関する情報(物流管理情報)を上位LAN9を介して出力する。搬送システム11からプロセス計算機1に出力される物流管理情報には、例えば、母材や製品の位置情報が含まれる。
プロセス計算機1は、鉄鋼プラントを構成する工程の制御情報を統括する。プロセス計算機1は、情報LAN7や制御LAN8に接続された機器を使用して製品を製造する際の目標値を計算する。プロセス計算機1は、上位計算機10から受信したプラント操業情報に基づいて、上記目標値の計算を行う。
プロセス計算機1は、上位計算機10に対して、プラント操業情報を上位LAN9を介して出力する。プロセス計算機1から上位計算機10に出力されるプラント操業情報には、例えば、製品の製造進捗情報や製品情報が含まれる。
プロセス計算機1は、搬送システム11に対して、物流管理情報を上位LAN9を介して出力する。プロセス計算機1から搬送システム11に出力される物流管理情報には、例えば、製品の位置情報が含まれる。
なお、再現装置12のデータ収集装置13は、接続されているネットワークを介して収集可能なプロセスデータをリアルタイムで全て収集する。データ収集装置13は、収集したプロセスデータをデータ蓄積装置14に蓄積する。例えば、データ収集装置13は、上位LAN9を介して伝送されるプロセスデータを全て受信する。データ収集装置13が上位LAN9から受信したプロセスデータは、データ蓄積装置14に記憶される。
プロセスコントローラ2は、工程に備えられた各機器を実際に制御する機能を有する。プロセスコントローラ2は、各機器に対する指令値を計算し、計算した指令値を情報LAN7及び制御LAN8を介して出力する。プロセスコントローラ2による上記指令値の計算は、プロセス計算機1から受信した目標値と情報LAN7及び制御LAN8に接続されている各機器からの出力値とに基づいて行われる。
プロセスコントローラ2は、必要に応じて1台或いは複数台が備えられる。
プロセスコントローラ2は、必要に応じて1台或いは複数台が備えられる。
駆動装置3は、プロセスコントローラ2が計算した指令値に基づいて駆動される。駆動装置3は、例えば、電動機やバルブの開閉を駆動する装置等、種々の装置によって構成される。
プロセスセンサ4は、温度や速度、時間等を測定する各種測定器からなる。各工程には、用途別に多数のプロセスセンサ4が備えられる。プロセスセンサ4は、その種別により、情報LAN7或いは制御LAN8に接続される。一部のプロセスセンサ4は、情報LAN7及び制御LAN8の双方に接続される。プロセスセンサ4は、測定した結果(測定値)を情報LAN7又は/及び制御LAN8に出力する。
操作端末5は、例えば、オペレータが操作するためのPCからなる。操作端末5は、オペレータが制御介入するための画面を提供する。オペレータは、操作端末5の画面に表示されたプロセスデータを見て、その値が正常か否かを確認することができる。また、オペレータは、操作端末5からプロセスデータの値を入力することにより、オペレータ介入を行うことができる。操作端末5は、オペレータが入力した値の情報(オペレータ入力情報)を情報LAN7又は/及び制御LAN8に出力する。
操作盤6は、オペレータが制御介入するための操作用品(例えば、ツマミ、レバー、スイッチ等)を提供する。オペレータは、操作盤6に備えられた操作用品を操作することにより、オペレータ介入を行うことができる。操作盤6は、オペレータが入力した情報(オペレータ入力情報)を制御LAN8に出力する。
情報LAN7は、上述したように、製造情報管理や情報統括に用いられる情報ネットワークである。鉄鋼プラントを構成する各工程では、種々のプロセスデータが情報LAN7を介して伝送される。情報LAN7を介して伝送されるプロセスデータには、以下のようなデータも含まれる。
a)プロセス計算機1からプロセスコントローラ2及びプロセスセンサ4に対する制御設定情報
b)操作端末5からプロセスコントローラ2及びプロセス計算機1に対するオペレータ入力情報
c)プロセスセンサ4からプロセスコントローラ2及びプロセス計算機1に対する測定値
a)プロセス計算機1からプロセスコントローラ2及びプロセスセンサ4に対する制御設定情報
b)操作端末5からプロセスコントローラ2及びプロセス計算機1に対するオペレータ入力情報
c)プロセスセンサ4からプロセスコントローラ2及びプロセス計算機1に対する測定値
データ収集装置13は、情報LAN7を介して伝送されるプロセスデータを全て受信する。データ収集装置13が情報LAN7から受信したプロセスデータは、データ蓄積装置14に記憶される。
制御LAN8は、プロセス制御用ネットワークである。制御LAN8は、プロセス計算機1、プロセスコントローラ2、駆動装置3、プロセスセンサ4、操作端末5、操作盤6の各ノード間で、一定の高速周期で共有される共有データエリアを提供する。鉄鋼プラントを構成する各工程では、種々のプロセスデータが制御LAN8を介して伝送される。制御LAN8を介して伝送されるプロセスデータには、以下のようなデータも含まれる。
d)プロセスコントローラ2間の制御情報
e)プロセスコントローラ2からプロセスセンサ4及び駆動装置3に対する制御情報
f)プロセスセンサ4から出力された測定値
g)駆動装置3から出力された実績値
h)プロセス計算機1からプロセスコントローラ2に対する制御設定
i)操作端末5及び操作盤6から出力されたオペレータ入力情報
d)プロセスコントローラ2間の制御情報
e)プロセスコントローラ2からプロセスセンサ4及び駆動装置3に対する制御情報
f)プロセスセンサ4から出力された測定値
g)駆動装置3から出力された実績値
h)プロセス計算機1からプロセスコントローラ2に対する制御設定
i)操作端末5及び操作盤6から出力されたオペレータ入力情報
データ収集装置13は、制御LAN8を介して伝送されるプロセスデータを全て受信する。データ収集装置13が制御LAN8から受信したプロセスデータは、データ蓄積装置14に記憶される。
データ蓄積装置14は、データ収集装置13によって収集されたプロセスデータを蓄積する大容量データベースから構成される。データ蓄積装置14は、収集されたプロセスデータを、予め定められた一定期間保存する。
検索装置15は、鉄鋼プラントにおいて過去に発生した事象の中から、特定の注目する事象(注目事象)を抽出したり、注目事象と同じ事象又は類似する事象を抽出する。検索装置15は、データ蓄積装置14に蓄積されているプロセスデータを検索し、上記抽出を行う。
入力表示端末16は、保守員等(以下、単に「保守員」という)が情報を入力したり、保守員に情報を表示したりするための端末である。過去に発生した事象の検索を行いたい保守員は、検索に必要な情報を入力表示端末16から入力する。また、保守員は、入力表示端末16の表示画面を見て、検索の結果(途中経過を含む)を知ることができる。入力表示端末16は、情報を入力するための端末と情報を表示するための端末とに分かれていても良い。
データ再現装置17は、過去に発生した事象を鉄鋼プラントにおいて再現させる機能を有する。例えば、データ再現装置17は、データ蓄積装置14に蓄積されているプロセスデータを、データ収集装置13によって収集された時と同じ時系列でネットワーク上に復元する。データ再現装置17は、上位LAN9を介して収集されたプロセスデータを上位LAN9に復元する。同様に、データ再現装置17は、情報LAN7を介して収集されたプロセスデータを情報LAN7に復元する。データ再現装置17は、制御LAN8を介して収集されたプロセスデータを制御LAN8に復元する。
データ再現管理装置18は、データ再現装置17がネットワーク上に復元するプロセスデータを管理する。例えば、データ再現管理装置18は、検索装置15によって抽出された事象を再現するために必要なプロセスデータを、データ蓄積装置14に蓄積されているプロセスデータから抽出する。データ再現装置17は、データ再現管理装置18によって抽出されたプロセスデータをネットワーク上に復元する。
次に、図3及び図4も参照し、再現装置12の機能について具体的に説明する。図3は、検索する事象を説明するための図である。図4は、再現装置12の動作を示すフロー図である。
図3は、鉄鋼プラントで製造されたコイルの板厚の実績値を示している。図3に示す例では、先端から時間t1までに製造された部分の板厚は公差内に入っている。一方、時間t1以降に製造された部分(尾端部分)の板厚は公差から外れ、その値が大きくなっている。
先ず、過去の注目事象を蓄積データから特定したい保守員は、入力表示端末16の入力画面に注目事象特定条件を入力する(図4のS1)。注目事象特定条件は、鉄鋼プラントにおいて発生した事象を特定するための情報である。例えば、保守員は、注目事象の発生時刻或いは設備、イベント、製品番号といった情報を既に知っていれば、それらの情報(或いは、その情報)を注目事象特定条件として入力表示端末16に入力する。また、注目事象が特定されていなかったり、発生時刻等が曖昧であったりする場合、保守員は、プロセスデータの項目を特定するための情報と、プロセスデータの値を特定するための情報と、プロセスデータの傾向を特定するための情報と、事象の発生場所(発生期間)を特定するための情報とを注目事象特定条件として入力表示端末16に入力する。
例えば、図3に示すような事象に注目したい場合、保守員は、尾端部分の板厚が公差から外れ、その部分の板厚が徐々に大きくなるといった事象を特定するため、先ず、図3に示すようなコイル実績データを検索・抽出する。次に、保守員は、抽出したコイル実績データの中から注目事象を特定するため、「時間t1〜尾端部分」を示す情報又は「板厚の許容寸法(上限値)以上」を示す情報、「尾端に近づくに従ってプロセスデータの値が大きくなる」ことを示す情報を入力する。
なお、図3は鉄鋼プラントで発生する事象の一例を示すものである。鉄鋼プラントで発生する事象は、これに限定されない。
検索装置15は、入力表示端末16から注目事象特定条件が入力されると(S1)、入力された注目事象特定条件に基づいて事象を抽出し(S2)、抽出した事象を入力表示端末16に表示させる。保守員は、入力表示端末16に表示された事象の中から1つを選択し、注目事象を特定する(S3)。検索装置15は、S3において特定された注目事象に基づいて、データ蓄積装置14に蓄積されているプロセスデータを検索し、鉄鋼プラントにおいて過去に発生した事象の中から、S3において特定された注目事象に関連する事象を抽出する(S4)。
なお、保守員は、S3において注目事象を特定した際に、事象の特徴を示す項目を複数入力しても良い。かかる場合、検索装置15は、入力表示端末16から入力された複数の項目も考慮して関連する事象を抽出する(S4)。
保守員は、S3において注目事象を特定した際に、事象の特徴を示す項目の数値条件を入力しても良い。かかる場合、検索装置15は、入力表示端末16から入力された数値条件も考慮して関連する事象を抽出する(S4)。
保守員は、S3において注目事象を特定した際に、事象の特徴を示す項目の数値条件を入力しても良い。かかる場合、検索装置15は、入力表示端末16から入力された数値条件も考慮して関連する事象を抽出する(S4)。
また、保守員は、S3において注目事象を特定した際に、例えば材料であれば、同じ設備で生産した別の材料も含めるといった条件又は別の設備で生産した同じ材料も含めるといった条件を入力しても良い。かかる場合、検索装置15は、入力表示端末16から入力された条件も考慮して関連する事象を抽出する(S4)。
検索装置15は、既知のマイニング手法や統計手法を用いることにより、上記検索及び抽出を行う。例えば、検索装置15は、注目事象の特徴を示す項目及び発生場所(発生期間)に対応するデータを、データ蓄積装置14に蓄積されているプロセスデータから抽出する。そして、検索装置15は、抽出したプロセスデータのうち、注目事象に含まれる値及び傾向に合致するものを、注目事象に関連する事象(同じ事象或いは類似する事象)と判断し、抽出する。
また、他の例として、検索装置15は、注目事象に含まれる発生場所(発生期間)に対応するデータを、データ蓄積装置14に蓄積されているプロセスデータの全ての項目から抽出する。そして、検索装置15は、抽出したプロセスデータのうち、注目事象に含まれる値及び傾向に合致するものを、注目事象に関連する事象と判断し、抽出する。
この時、検索装置15は、入力された注目事象に基づいて検索のためのデータパターンを決定しても良い。検索装置15は、少なくとも注目事象に含まれる値及び傾向に基づいてデータパターンを決定する。かかる場合、検索装置15は、決定したデータパターンと同じ又は類似するパターンを有するプロセスデータを、注目事象に関連する事象として抽出する。データパターンに類似するパターンか否かを判定するための条件は、予め設定されていても良いし、保守員が入力表示端末16から入力しても良い。
S4において検索装置15によって抽出された事象の情報は、再現事象候補として入力表示端末16に表示される(S5)。検索装置15によって抽出された事象が1つしかない場合、その抽出された事象が、鉄鋼プラントにおいて再現させるための事象として確定される(S9)。
S4において検索装置15によって複数の事象が抽出された場合、それらの事象の情報は、所定の表示方法によって入力表示端末16に表示される(S5)。例えば、注目事象に含まれる期間内の全てのプロセスデータに対し、検索装置15によって抽出された各事象の同じ期間のプロセスデータの全項目の相関の強さに着目する。入力表示端末16は、既知の統計解析手法を用いることにより、検索装置15によって抽出されたプロセスデータの項目と注目事象に含まれる項目との相関の強さを演算し、例えば、相関の強い順に事象を表示する。
保守員が選択を行うための手段が入力表示端末16に備えられている場合、入力表示端末16は、検索装置15によって抽出された複数の事象を選択画面に表示する。保守員が選択画面から1つの事象を選択すると(S8)、その選択された事象が、鉄鋼プラントにおいて再現させるための事象として確定される(S9)。
また、入力表示端末16から基準データを入力できるように構成しても良い。基準データは、表示する事象の絞り込みを行うため又は表示する事象の順序を決定するための基準となるデータである。基準データの例として、上限又は下限の基準となる閾値、範囲内及び範囲外の基準となる上限下限値、データの出現回数、頻度の割合、平均値、標準偏差、品質の合否判定といったものが挙げられる。検索装置15は、入力表示端末16から基準データが入力されると(S6)、入力された基準データに基づいて、表示する事象の絞り込みを行う。又は、検索装置15は、入力された基準データに基づいて、表示する事象の順序を決定する(S7)。入力表示端末16は、S7において事象の絞り込み或いは順序の決定が行われた結果を、再現事象候補として再度表示する(S5)。
なお、基準データは、入力表示端末16に予め登録されていても良い。かかる場合、検索装置15は、S4において複数の事象を抽出すると、予め登録されている基準データに基づいて、表示する事象の絞り込み又は表示する事象の順序の決定を行う。
このような表示方法を採用することにより、S4において複数の事象が抽出された場合であっても、注目事象により近い事象を、上位に表示させることができる。
上記構成を有するプラント操業再現装置であれば、特定の注目する事象と同じ事象又は類似する事象を、産業プラントで過去に発生した事象の中から容易に検索・抽出することができる。このため、保守において問題が発生した時の解析作業や、システムの機能を改造したり更新したりした時の機能確認を、効率的に行うことができるようになる。
なお、再現装置12に、データ再現装置17によって行われる再現処理を開始・停止・再開・終了させるための手段を備えても良い。
上記実施の形態では、一例として、再現装置12が、鉄鋼プラントに備えられた全てのネットワークに接続されている場合について説明した。再現装置12は、鉄鋼プラントに備えられた一部のネットワークに接続されていても良い。
本プラント操業再現装置は、鉄鋼プラントへの適用に限定されるものではない。本プラント操業再現装置は、鉄鋼プラント以外の他の産業プラントにも適用することができる。かかる場合、例えば、産業プラントを構成する複数の機器とともに、再現装置12を所定のネットワークに接続する。再現装置12は、接続された上記ネットワークを介してプロセスデータを収集し、事象を抽出及び再現するための上記各制御を実施する。
1 プロセス計算機
2 プロセスコントローラ
3 駆動装置
4 プロセスセンサ
5 操作端末
6 操作盤
7 情報LAN
8 制御LAN
9 上位LAN
10 上位計算機
11 搬送システム
12 再現装置
13 データ収集装置
14 データ蓄積装置
15 検索装置
16 入力表示端末
17 データ再現装置
18 データ再現管理装置
2 プロセスコントローラ
3 駆動装置
4 プロセスセンサ
5 操作端末
6 操作盤
7 情報LAN
8 制御LAN
9 上位LAN
10 上位計算機
11 搬送システム
12 再現装置
13 データ収集装置
14 データ蓄積装置
15 検索装置
16 入力表示端末
17 データ再現装置
18 データ再現管理装置
Claims (5)
- 産業プラントを構成する複数の機器とともに所定のネットワークに接続された再現装置と、
を備え、
前記再現装置は、
前記ネットワークを介して伝送されるプロセスデータをリアルタイムで収集するデータ収集装置と、
前記データ収集装置によって収集されたプロセスデータを蓄積するデータ蓄積装置と、
前記産業プラントで発生した特定の注目事象を入力するための第1入力手段と、
前記第1入力手段から入力された特定の注目事象に基づいて前記データ蓄積装置に蓄積されたプロセスデータを検索し、前記産業プラントで過去に発生した事象の中から、前記第1入力手段から入力された特定の注目事象に関連する事象を抽出する検索装置と、
を備えたプラント操業再現装置。 - 前記再現装置は、
前記検索装置によって抽出された事象を再現させるためのプロセスデータを前記データ蓄積装置から抽出し、前記ネットワーク上に復元させるデータ再現管理装置と、
を備えた請求項1に記載のプラント操業再現装置。 - 特定の注目事象は、プロセスデータの項目を特定するための情報と値を特定するための情報と傾向を特定するための情報とを含み、
前記検索装置は、前記第1入力手段から入力された特定の注目事象に基づいて検索のためのデータパターンを決定し、その決定したデータパターンと同じ又は類似するパターンを有するプロセスデータを、前記データ蓄積装置に蓄積されたプロセスデータの中から抽出する
請求項1又は請求項2に記載のプラント操業再現装置。 - 前記再現装置は、
前記検索装置によって抽出された事象に関する情報を表示するための表示手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記検索装置によって複数の事象が抽出された場合に、前記検索装置によって抽出されたプロセスデータの項目と特定の注目事象に含まれるプロセスデータの項目との相関の強さに基づいて、表示する事象の順序を決定する
請求項3に記載のプラント操業再現装置。 - 前記再現装置は、
前記検索装置によって抽出された事象に関する情報を表示するための表示手段と、
基準データを入力するための第2入力手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記検索装置によって複数の事象が抽出された場合に、前記第2入力手段から入力された基準データに基づいて、表示する事象の絞り込みを行う又は表示する事象の順序を決定する
請求項3に記載のプラント操業再現装置。
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