JP2014202350A - 油圧制御装置 - Google Patents

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有 永里
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勇仁 服部
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Kenta Kimura
謙大 木村
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貴文 稲垣
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Abstract

【課題】供給弁および排出弁をフィードバック制御するための油圧センサに異常が生じた場合であっても制御対象箇所の油圧を適宜に設定することのできる油圧制御装置を手供する。【解決手段】開度を制御可能な供給弁を介して油圧源から制御対象箇所に油圧を供給するとともに開度を制御可能な排出弁を介して前記制御対象箇所から油圧を排出し、制御対象箇所の油圧をセンサによって検出するとともにその検出値と制御対象箇所の油圧の目標値との偏差に基づいて供給弁と排出弁とを制御するように構成された油圧制御装置において、検出値に異常が生じかつ油圧源の油圧が目標値より高い圧力の場合に、供給弁と排出弁との開度の比率を、油圧源の油圧と排出弁の下流側の油圧との差圧に応じて制御対象箇所の油圧が予め定めた所定圧となるように設定されている目標比率に制御する開度制御手段(ステップS3)を備えている。【選択図】図1

Description

この発明は、制御対象箇所の油圧を目標とする油圧に制御する装置に関し、特に油圧の目標値と実際値との偏差に基づいてフィードバック制御を行う油圧制御装置に関するものである
制御対象箇所の油圧を目標油圧に制御する場合、出力圧をフィードバック圧として作用させることにより油圧を目標値に制御し、その制御された油圧を制御対象箇所に供給する方法と、制御対象箇所の油圧を検出するとともにその検出値と目標値との偏差に基づいて供給弁や排出弁を開いて制御対象箇所の油圧を目標値に制御する方法とが知られている。前者の供給する油圧を目標圧に調圧する方法では、例えばリニアソレノイドバルブが使用され、また後者の方法では供給弁と排出弁とをフィードバック制御することになる。自動変速機におけるクラッチやブレーキなどの係合装置の油圧を供給弁と排出弁とによって制御するように構成された装置が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載されているクラッチやブレーキはエンジンなどの駆動力源が出力した動力を駆動輪に伝達するためのものであって、油圧ポンプやアキュムレータなどの油圧源から供給された油圧によって係合してその油圧に応じた伝達トルク容量となるように構成されている。したがって、その係合圧は車両に対する駆動要求量に対応する圧力に制御される。具体的には、駆動要求量の増大に伴って伝達トルク容量を増大させる場合には、油圧センサによって検出されたいわゆる実油圧と、駆動要求量などから求められる目標油圧との偏差に応じて供給弁の制御量が求められ、供給弁がその制御量で制御されることにより、供給弁が開いて例えばクラッチに油圧が供給される。また、油圧センサによって検出された実油圧が目標油圧より高い場合には、その圧力偏差に応じて排出弁が制御され、例えばクラッチから排圧される。このように実油圧が目標油圧に一致もしくは追従するように、供給弁および排出弁が開閉制御される。
特開2012ー41991号公報
上記の特許文献1に記載されている構成では、油圧の目標値と実際値との偏差が生じていれば、その偏差がなくなるまで供給弁もしくは排出弁が開制御される。そして、その実際値は油圧センサによって検出された油圧である。したがって、油圧センサに異常があって検出値が実際の油圧とは異なってしまった場合には、供給弁もしくは排出弁が過剰に開制御され、クラッチなどの制御対象箇所の油圧が目標圧から大きく外れてしまう。例えば油圧センサの検出値が実際の油圧より高くなってしまう場合には、実際の油圧が低いのにも関わらず、目標値と油圧センサで検出された圧力との偏差がなくなるから、供給弁が早期に閉じられて油圧が供給されなくなり、あるいは排出弁が過度に開制御されて、油圧が過度に排出されてしまう。すなわち、制御対象箇所の油圧が目標圧よりも低くなってしまう。そして、油圧センサの検出値が油圧源の油圧より高くなってしまう異常の場合には、制御対象箇所の油圧が目標値より常時高い状態に誤検出されるので、排出弁が開制御され続け、上記の特許文献1に記載されている自動変速機にあっては、駆動輪に対してトルクを伝達できなくなってしまう。
また反対に、油圧センサの検出値が実際の油圧より低くなってしまう場合には、実際の油圧が高いのにも関わらず、目標値と油圧センサで検出された圧力との偏差が生じて、供給弁が過度に開制御されて油圧が供給され続け、あるいは排出弁が早期に閉じられて油圧の排出が十分に行われないことになる。すなわち、制御対象箇所の油圧が目標圧よりも高くなってしまう。そして、油圧センサの検出値が「0」になってしまう異常の場合には、制御対象箇所の実油圧が常時不足する状態に誤検出されることになるので、クラッチなどの制御対象箇所の圧力が油圧源の圧力と同等の圧力まで上昇してしまい、上記の特許文献1に記載されている自動変速機にあっては、駆動輪に対するトルクの伝達を遮断できなくなってしまう。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、センサによる検出値を使用して油圧のフィードバック制御を行うにあたり、センサのフェールなどによる検出値の異常があった場合であっても制御対象箇所の油圧を所定値に維持することのできる油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、開度を制御可能な供給弁を介して油圧源から制御対象箇所に油圧を供給するとともに開度を制御可能な排出弁を介して前記制御対象箇所から油圧を排出し、前記制御対象箇所の油圧をセンサによって検出するとともにその検出値と前記制御対象箇所の油圧の目標値との偏差に基づいて前記供給弁と前記排出弁とを制御するように構成された油圧制御装置において、前記検出値に異常が生じかつ前記油圧源の油圧が前記目標値より高い圧力の場合に、前記供給弁と前記排出弁との開度の比率を、前記油圧源の油圧と前記排出弁の下流側の油圧との差圧に応じて前記制御対象箇所の油圧が予め定めた所定圧となるように設定されている目標比率に制御する開度制御手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記開度制御手段は、前記供給弁の開度を予め定めた所定開度に設定し、その所定開度に対する前記排出弁の開度の比率が前記目標比率となるように前記排出弁の開度を制御する手段を含むことを特徴とする油圧制御装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記検出値に異常が生じかつ前記油圧源の油圧が前記目標値以下の場合に、前記供給弁の開度を最大とし、かつ前記排出弁の開度を全閉とする全開全閉手段を更に備えていることを特徴とする油圧制御装置である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記制御対象箇所は、車両の駆動力源が発生したトルクを駆動輪に向けて伝達しかつ油圧に応じた伝達トルク容量となるクラッチを含むことを特徴とする油圧制御装置である。
この発明に係る油圧制御装置によれば、制御対象箇所の油圧もしくは油量が目標値に対して不足していれば、供給弁が開かれて油圧源から制御対象箇所に油圧が供給され、また制御対象箇所の油圧もしくは油量が目標値を上回っていれば、排出弁が開かれて制御対象箇所から油圧が排出される。このような制御対象箇所の油圧はセンサによって検出され、その検出値と制御対象箇所での目標値との偏差に基づいて、供給弁および排出弁の開度が制御される。そして、センサがフェールするなどのことによって検出値に異常が生じ、その場合の油圧源の圧力が目標値を超えていると、供給弁と排出弁とが共に開制御され、かつその開度の比率が、制御対象箇所の油圧が予め定めた所定圧となるように油圧源との油圧と排出弁の下流側の油圧との差圧に応じて定められた目標比率となるように制御される。すなわち、油圧源の油圧が制御対象箇所に向けて供給され、かつ制御対象箇所から排圧され、その供給量と排出量とが上記の開度の比率に応じたものとなって、制御対象箇所の油圧が所定圧に維持される。その結果、センサがフェールするなどのことによって油圧の検出値に異常が生じても、制御対象箇所の油圧が過度に増大したり、あるいは過度に低下したりすることを防止もしくは抑制することができる。
また、請求項2の発明では、供給弁の開度を固定値とし、排出弁の開度を上記の差圧に応じた開度に制御するので制御が容易になる。
さらに、油圧源の油圧が制御対象箇所の油圧の目標値以下の場合には、請求項3に記載されているように、排出弁を閉じて供給弁が全開とされるので、制御対象箇所の油圧を油圧源の油圧に維持することができる。
そして、請求項4の発明によれば、クラッチの伝達トルク容量を確保できるので走行が可能になり、また駆動輪に対するトルクの伝達を遮断することが可能になる。
この発明に係る油圧制御装置で実行される制御の一例を説明するためのフローチャートである。 元圧とクラッチの目標圧とドレイン圧との関係を示す模式図である。 元圧とドレイン圧との差圧と、供給弁および排出弁の開口径比との関係を示す線図である。 (a)は供給弁の開口径を一定に設定する開口径のマップ、(b)は開口径比を元圧に応じた値にするための排出弁の開口径のマップである。 (a)は供給弁の開口径を一定にするための指示電流についてのマップ、(b)は排出弁の開口径を上記のように設定するための指示電流のマップである。 この発明に係る油圧制御装置で対象とすることのできる車両のパワートレーンの一例を示す模式図である。 そのパワートレーンを対象とする油圧回路およびその制御系統の一例を示す模式図である。 バランスピストン型のバルブを示す模式図である。
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。この発明に係る油圧制御装置は、制御対象箇所に連通された供給弁と排出弁とをフィードバック制御することにより、その制御対象箇所の油圧を目標値に制御するように構成された装置である。その制御対象箇所は、適宜に目標圧が設定されてその目標圧となるように油圧の給排が制御される部分もしくは部材であり、その一例を挙げると、車両における駆動系統のクラッチである。図6には車両における駆動系統(パワートレーン)を模式的に示してあり、内燃機関やモータなどからなる駆動力源1の出力側にクラッチ2を介して変速機3が連結されている。そのクラッチ2は、油圧によって制御され、かつ油圧に応じて伝達トルク容量が設定されるいわゆる多板クラッチによって構成することができる。また、変速機3は歯車式の有段変速機や、ベルト式もしくはトロイダル型などの無段変速機によって構成することができる。その変速機3の出力側に減速ギヤ4を介して終減速機(デファレンシャル)5が連結され、そのデファレンシャル5から左右の駆動輪6にトルクが伝達されるように構成されている。したがって、クラッチ2は駆動力源1と駆動輪6との間でトルクを伝達し、またそのトルクの伝達を遮断する係合機構となっている。
上記のクラッチ2の伝達トルク容量は、クラッチ2に掛かるトルクに応じた容量でよいから、クラッチ2の油圧はアクセル開度(もしくは駆動要求量)に基づいて算出される油圧を目標油圧として制御される。この発明に係る油圧制御装置は、そのクラッチ2の油圧の制御を、供給弁と排出弁とによって行うように構成されている。図7はそのための油圧回路およびその制御系統の一例を模式的に示しており、ここに示す例では、油圧源としてオイルポンプ7とアキュムレータ8とを備えている。オイルポンプ7は、上記の駆動力源1によって駆動されるいわゆる機械式オイルポンプやモータによって駆動される電動オイルポンプなどによって構成されている。このオイルポンプの吐出した油圧を、装置の全体の元圧であるライン圧に調圧する調圧弁9が設けられている。この調圧弁9は、従来知られている車両用自動変速機におけるプライマリレギュレータバルブと同様の構成のバルブであって、調圧用電磁弁10から供給される信号圧に応じて調圧レベルが設定され、その調圧レベルに応じた油圧を出力するように構成されている。
こうして調圧されたライン圧が流れるライン圧油路11に逆止弁12を介してアキュムレータ8が連通されている。逆止弁12はオイルポンプ7側の油圧がこれとは反対側の油圧より高い場合に開弁し、またオイルポンプ7側の油圧がこれとは反対側の油圧より低い場合に閉弁するように構成されている。また、アキュムレータ8はオイルポンプ7に替わって元圧を出力するために蓄圧を行うものであって、その入出力ポート側に電磁開閉弁である蓄圧制御弁14が配置されている。また、アキュムレータ8に蓄えられている油圧を検出して検出信号を出力する油圧センサ15が設けられている。
上記の逆止弁12より下流側のライン圧油路11が前述した変速機3に連通される一方、前記クラッチ2に連通されている。このライン圧油路11を介してクラッチ2(より正確にはクラッチ2の油圧室)に対して供給する油圧を制御する供給弁16が設けられている。この供給弁16は、電磁コイルに流す電流に応じて開度が変化する電磁弁によって構成され、通電しない場合にはいわゆる全閉状態になってクラッチ2をライン圧油路11に対して遮断するように構成されている。また、クラッチ2(より正確にはクラッチ2の油圧室)に排出弁17が連通されており、クラッチ2から所定のドレイン箇所への油圧の排出をこの排出弁17によって制御するように構成されている。この排出弁17は、上記の供給弁16と同様に、電磁コイルに流す電流に応じて開度が変化する電磁弁によって構成され、通電しない場合にはいわゆる全閉状態になってクラッチ2からの排圧をほぼ完全に止めるように構成されている。これらの供給弁16および排出弁17をフィードバック制御するためにクラッチ2の油圧を検出してその検出信号を出力する油圧センサ18が、クラッチ2に連通させられて設けられている。
そのフィードバック制御について簡単に説明すると、クラッチ2の伝達トルク容量をクラッチ2で伝達するべきトルク(言い換えればクラッチ2に掛かるトルク)に応じたトルクとするために、クラッチ2の目標圧がアクセル開度(もしくは駆動要求量)などに基づいて算出される。一方、クラッチ2の実際の油圧が上記の油圧センサ18によって検出される。そして、クラッチ2の油圧についてのこれら目標値と実際値との偏差が算出され、その偏差と所定の制御ゲインとによって、供給弁16や排出弁17の制御量(電流値)が求められる。したがって、目標値が実際値より大きい場合には、供給弁16に通電されて供給弁16が所定の開度に制御され、クラッチ2に油圧が供給される。反対に実際値が目標値より大きい場合には、排出弁17が所定の開度に制御され、クラッチ2からドレイン箇所に油圧が排出される。このような制御を行うための電子制御装置(ECU)19が設けられている。この電子制御装置19は、マイクロコンピュータを主体にして構成され、前述した各油圧センサ15,18の検出信号、アクセル開度、車速などの信号がデータとして入力され、それらの入力されたデータや予め記憶しているデータなどに基づいて演算を行い、その演算の結果を制御指令信号として上記の供給弁16や排出弁17、調圧用電磁弁10、蓄圧制御弁14などに出力するように構成されている。
クラッチ2の油圧は上述したように、油圧センサ18の検出値に基づいて制御される。そのため、油圧センサ18が故障(フェール)するなど、クラッチ2の油圧の検出値に異常が生じると、クラッチ2の油圧制御を適正に行うことができなくなる。そこで、この発明に係る油圧制御装置は、このようなフェールもしくは異常が生じた場合であっても、クラッチ2の油圧(すなわち伝達トルク容量)を所定値に維持できるように構成されている。この制御例を図1にフローチャートで示してあり、ここに示すルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。図1に示すルーチンでは、先ず、フェールの判定が行われる(ステップS1)。このフェール判定は、上述した油圧センサ18の故障あるいは油圧センサ18による検出値の異常の判定であり、これは、従来、車両用の自動変速機で実行されている判定と同様にして行われる。すなわち、油圧センサ18の検出値を所定の短時間毎に読み込み、その検出値のばらつきの程度、あるいは他の検出信号との整合の状態などが求められて異常の有無が判定される。
フェールが生じていないことによりステップS1で否定的に判定された場合には、特に制御を行うことなく図1のルーチンを一旦終了する。これとは反対に何らかのフェールが生じていてステップS1で肯定的に判定された場合には、元圧がクラッチ2の目標油圧P0 より高い圧力か否かが判断される(ステップS2)。元圧は、ライン圧あるいはアキュムレータ8の油圧であり、図7に示すように、油圧センサ15がライン圧油路11の油圧を検出するように配置されている場合には、その油圧センサ15が検出した油圧である。また、クラッチ2の目標油圧P0 は、前述したように、クラッチ2に掛かるトルクに応じた
油圧であり、アクセル開度あるいは駆動要求量などから求められる。元圧が目標油圧P0 より高い圧力であることによりステップS2で肯定的に判断された場合には、供給弁16および排出弁17についての指示電流がマップに基づいて求められる(ステップS3)。
ここでその指示電流とマップとについて説明すると、この発明に係る油圧制御装置は、上記のフェールが判定された場合、供給弁16と排出弁17とを共に開制御してクラッチ2の油圧を所定の油圧に設定するように構成されている。このように制御する場合のクラッチ2の油圧と、供給弁16および排出弁17の開度との関係は以下のとおりである。供給弁16および排出弁17を共に開いた状態の油圧の関係は図2に模式的に示すようになり、元圧は供給弁16の開度に応じた絞りを受けてクラッチ2に供給され、またクラッチ2の油圧は、排出弁17の開度に応じた絞りを受けてドレイン箇所に排出される。したがって、この場合のクラッチ2の油圧は、元圧と排出弁17の下流側の油圧(ドレイン箇所の油圧(以下、仮にドレイン圧と記す))との差圧、および供給弁16と排出弁17との開度(開口径φ1 ,φ2 )によって決まる圧力になる。
これを図に示すと図3のとおりであり、横軸には、クラッチ2の油圧に対する、元圧とドレイン圧との差圧の倍率を採り、縦軸に供給弁16の開口径φ1 に対する排出弁17の開口径φ2 の比率(φ1 /φ2 )を採ってある。なお、ドレイン箇所が大気開放部分であればドレイン圧は0Mpaになるから、横軸には元圧を採ることになる。クラッチ2の油圧を所定の目標油圧P0 に維持するとした場合、上記の開口径比(φ1 /φ2 )は、元圧とドレイン圧との差圧(以下、単に元圧とすることがある)が目標油圧P0 以上であれば、元圧が増大するのに従って指数関数に近似した関係で次第に増大する。したがって、元圧が油圧センサ15によって求められており、またクラッチ2の目標油圧P0 がその時点のアクセル開度もしくは駆動要求量によって定まり、あるいは直前に設定されていた油圧として定まるから、図3に示す関係から供給弁16と排出弁17との開口径比(φ1 /φ2 )を求めることができる。
この発明の油圧制御装置は、供給弁16の開度と排出弁17の開度との比率あるいはその開口径比(φ1 /φ2 )を、元圧および目標油圧P0 から決まる値に設定するにあたり、供給弁16の開度もしくは開口径φ1 を基準にして排出弁17の開度もしくは開口径φ2 を、上記の開口径比(φ1 /φ2 )となるように制御する。図4はそのためのマップの一例を模式的に示しており、元圧が目標油圧P0 を超えている状態では、供給弁16の開口径φ1 は、図4の(a)に示すように、元圧に関わらずに予め定めた一定値に設定される。排出弁17の開口径φ2 は、供給弁16の開口径φ1 を基準にして、開口径比(φ1 /φ2 )が元圧に応じた上記の関係になるように設定され、したがって図4の(b)に示すように、元圧の増大に伴って指数関数に近い関係で増大する値に設定される。
供給弁16および排出弁17における電流値と開度もしくは開口径との関係は、それぞれの構造に応じて設計上決まっている。したがって、その関係に基づいて上記の図4の(a)および(b)に示す開口径を、指示電流に書き換えれば、図5の(a)および(b)に示すようになる。すなわち、供給弁16についての指示電流は、開口径φ1 を一定値に維持するためには元圧の増大に伴って次第に小さい値になる。これに対して排出弁17の指示電流は、開口径φ2 を元圧の増大に従って増大させるために、元圧の増大に応じて増大する電流値となる。
図1に示すステップS3では、このようなマップを使用して、元圧および目標油圧P0 に応じた指示電流が求められる。そして、その指示電流が出力され(ステップS4)、供給弁16および排出弁17の開口径がその指示電流に応じた開口径になって、クラッチ2に対して油圧源から油圧が供給され、同時にドレイン箇所に排出される。その供給量および排出量は、上記の開口径比(φ1 /φ2 )に応じた量になり、その結果、クラッチ2の油圧が目標油圧P0 に維持される(ステップS5)。なお、クラッチ2における実際の圧力は、油圧の流量とその時点の油圧剛性とで決まる圧力となる。
一方、フェールが判定された際の元圧が目標油圧P0 以下であることによりステップS2で否定的に判断されると、供給弁16については全開となる電流値(MAX値)が設定され、かつ排出弁17については全閉となる電流値が設定される(ステップS6)。これを上記の図4および図5のマップに示してあるが、このステップS6の制御は、マップによらずに、予め定めた電流値を読み込むことによって実行してもよい。そして、ステップS6で設定された電流値がステップS4で出力され、それに応じた油圧が達成される(ステップS5)。
以上説明したように、この発明に係る油圧制御装置においては、通常時のフィードバック制御で使用する油圧センサ18がフェールし、あるいはその検出値に異常が生じると、その油圧センサ18による検出値によらずに、クラッチ2についての供給弁16および排出弁17の開度が制御される。したがって、クラッチ2の油圧が過度に高くなったり、また反対に過度に低下したりする事態を回避もしくは抑制することができる。しかも、クラッチ2の油圧は、供給弁16および排出弁17の開口径比(φ1 /φ2 )と元圧とに応じた適宜の圧力に維持されるので、駆動輪6に対してトルクを伝達して走行を維持することが可能になる。
なお、上述した図4および図5に示す例では、供給弁16の開口径φ1 を最大値より小さい所定の径に固定し、排出弁17の開口径φ2 を、その固定された供給弁16の開口径φ1 に対して所定の比率となる径に制御することとしたが、この発明では、これに限らず、油圧の状況に応じて供給弁16および排出弁17の開口径φ1 ,φ2 を共に最大に制御してもよい。すなわち、元圧と目標圧とによっては、上記の開口径比(φ1 /φ2 )が「1」になる場合があり、その場合には供給弁16および排出弁17の開度あるいは開口径φ1 ,φ2 を一律に最大に設定する。このように制御すれば、開口径比(φ1 /φ2 )が「1」になって目標油圧P0 を維持することができ、また供給弁16および排出弁17の電流値を一律に最大にすればよいので、制御が容易になる。
また、この発明で使用する供給弁16および排出弁17について説明すると、この発明における供給弁16および排出弁17は、電気的にその開度あるいは開口径を制御できる電磁弁であればよく、例えばプランジャ状の弁体を弾性力によって弁座に押し付けてポートを閉じ、その弁体を電磁力によって弁座から離隔させてポートを開き、かつその開度が電流値に応じた開度となる電磁弁を使用することができる。これに替えて、いわゆるバランスピストン型のバルブであってもよい。
そのバランスピストン型のバルブの一例を図8に示してある。図8において、弁体31と一体のピストン32がシリンダ部33の内部に前後動可能に収容されている。そのシリンダ部33のうち弁体31が収容されている油室34には、高圧側の油圧が供給される流入ポート35と、低圧箇所に向けて油圧を出力する流出ポート36とが形成されている。なお、流出ポート36は前記弁体31の先端側のエンドプレート部に形成されており、弁体31が突き当たることにより閉じ、弁体31が後退することにより開くように構成されている。さらに、弁体31が収容されている油室34とはピストン32を挟んで反対側の油室37には、ピストン32を前記流出ポート36側に押圧するスプリング38が配置され、また信号圧ポート39が形成されている。この信号圧ポート39と前記流入ポート35とは絞り作用のある流路径の小さい連通路40によって連通されている。なお、この連通路40は、要は、各油室34,37を連通するためのものであるから、ピストン32をその軸線方向に貫通させて形成されていてもよい。そして、信号圧ポート39に電磁開閉弁41が連通されている。この電磁開閉弁41は、電流に応じて開弁するバルブであって、開弁動作することにより信号圧ポート39を前記流入ポート35に連通させるように構成されている。すなわち、電磁開閉弁41は、スプリング38が配置されている油室37を低圧箇所に選択的に連通させるように構成されている。したがって、図8に示すバランスピストン型のバルブは、それぞれの電磁開閉弁41の電流値に応じて流量が増大するように構成されている。
ここで上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に示すステップS3の制御を実行する機能的手段が、この発明における開度制御手段に相当し、またステップS6の制御を実行する機能的手段が、この発明における全開全閉手段に相当する。
さらに、この発明における供給弁と排出弁との開度は、開口径によらずに、弁体のストローク量で定義してもよい。そして、この発明の油圧制御装置は車両における変速機用の油圧制御装置に限られないのであり、各種の車両もしくは産業機械における油圧制御装置であってもよい。また、その制御対象箇所は、クラッチ以外に広く一般の油圧アクチュエータであってもよい。
1…駆動力源、 2…クラッチ、 3…変速機、 6…駆動輪、 7…オイルポンプ、 8…アキュムレータ、 9…調圧弁、 10…調圧用電磁弁、 11…ライン圧油路、 12…逆止弁、 14…蓄圧制御弁、 15…油圧センサ、 16…供給弁、 17…排出弁、 18…油圧センサ、 19…電子制御装置(ECU)。

Claims (4)

  1. 開度を制御可能な供給弁を介して油圧源から制御対象箇所に油圧を供給するとともに開度を制御可能な排出弁を介して前記制御対象箇所から油圧を排出し、前記制御対象箇所の油圧をセンサによって検出するとともにその検出値と前記制御対象箇所の油圧の目標値との偏差に基づいて前記供給弁と前記排出弁とを制御するように構成された油圧制御装置において、
    前記検出値に異常が生じかつ前記油圧源の油圧が前記目標値より高い圧力の場合に、前記供給弁と前記排出弁との開度の比率を、前記油圧源の油圧と前記排出弁の下流側の油圧との差圧に応じて前記制御対象箇所の油圧が予め定めた所定圧となるように設定されている目標比率に制御する開度制御手段を備えていることを特徴とする油圧制御装置。
  2. 前記開度制御手段は、前記供給弁の開度を予め定めた所定開度に設定し、その所定開度に対する前記排出弁の開度の比率が前記目標比率となるように前記排出弁の開度を制御する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  3. 前記検出値に異常が生じかつ前記油圧源の油圧が前記目標値以下の場合に、前記供給弁の開度を最大とし、かつ前記排出弁の開度を全閉とする全開全閉手段を更に備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の油圧制御装置。
  4. 前記制御対象箇所は、車両の駆動力源が発生したトルクを駆動輪に向けて伝達しかつ油圧に応じた伝達トルク容量となるクラッチを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の油圧制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017003095A (ja) * 2015-06-16 2017-01-05 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機

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