JP2014201516A - 化学強化ガラス板及び化学強化ガラス物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂を端面に精度良くコーティングしやすい化学強化ガラス板を提供する。【解決手段】対向する表裏の主面と前記主面間を接続する端面を有し、前記表裏の主面に圧縮応力層が形成され、表裏の圧縮応力層の間に引張応力層を有する化学強化ガラス板であって、前記端面は前記主面に対して垂直な面よりも後退している凹部を有することを特徴とする化学強化ガラス板。【選択図】図2

Description

本発明は、化学強化により圧縮応力層が形成された化学強化ガラス板及び化学強化ガラス物品に関する。
スマートフォンやタブレットコンピュータ等に用いられる静電容量型タッチパネルにおいては、一般に、センサーガラス基板上に入力位置検出用電極を形成し、このようなガラス基板とは別に、その入力操作が行われる側にカバーガラスを配置している。カバーガラス基板上には、遮光層が設けられる。
近時、このような静電容量型タッチパネルにおいて入力位置検出用電極を形成した強化ガラス基板をカバーガラスとして使用すること、すなわちセンサ一体型カバーガラスが検討されている。これにより、部品数の削減や、薄型化及び軽量化を図ることができる(例えば、特許文献1参照)。
前記強化ガラスとは、表裏の主表面に圧縮応力を有する層が掲載されているものであり、応力を均衡させるため厚さ方向の内部には引張応力層が形成される。強化ガラスの製造方法としては、加熱と冷却によるガラスの膨張と収縮を利用する物理強化法(風冷強化法)と、ガラス中のアルカリイオンをよりイオン半径の大きな他のアルカリイオンと交換(イオン交換)する化学強化法が知られている。カバーガラス等の薄いガラスの場合、一般的に化学強化法が適用される。
センサ一体型カバーガラスを得るには、所望の寸法のカバーガラス基板を多数個取りできる素板(もといた:大サイズのガラス基板)に、成膜工程やパターンニング工程等を行って入力位置検出用電極(センサ)等を形成し、その後、切断して複数の製品サイズのガラス基板に分割する方法が生産性の観点から好ましい。しかし、素板として強化ガラス基板を用いると、切断したガラス基板の端面に引張応力層が露出する。そのため、ガラス基板の端面に傷があるとその傷を起点に割れることがある。
そこで、ガラスの端面を樹脂でコーティングしてガラスの破損を抑制する構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、化学強化ガラスの端面を樹脂でコーティングすることによって曲げ強度を向上させる提案がされている(例えば、特許文献3参照)。
特開2011−197708号公報 特開平6−193350号公報 国際公開第2010/135614号
化学強化ガラスは化学強化していないガラス等と比較して、薄くても高い曲げ強度を有するため、一般的には携帯電話、携帯情報端末(PDA)等のフラットパネルディスプレイ装置のカバーガラス等に用いられている。しかし、板厚が薄くなればなるほど樹脂をコーティングするための端面部分の表面積が小さくなり、樹脂を端面に精度良くコーティングすることが困難になってきていた。
端面に精度良くコーティングできない場合、樹脂コーティング部が板厚よりも厚くなり、ガラス板と他の部材との合わせ精度が低下したり主面部に樹脂が垂れることで機器の外観を損ねたりする問題が起こる。
そのため、板厚の薄い化学強化ガラスであっても樹脂を端面に精度良くコーティングでき、製品の歩留りを向上させることができる端面形状のガラス板が求められている。
本発明の一態様の化学強化ガラス板は、対向する表裏の主面と前記主面間を接続する端面を有し、前記表裏の主面に圧縮応力層が形成され、表裏の圧縮応力層の間に引張応力層を有する化学強化ガラス板であって、前記端面は前記主面に対して垂直な面よりも後退している凹部を有することを特徴とする。
化学強化ガラスの端面を樹脂でコーティングした際に、歩留りを向上させることのできる端面形状のガラス板を提供できる。
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板1を模式的に示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板1の平面図及び断面図を示している。 化学強化ガラス1の端面部分を拡大した断面図である。 図3におけるXで図示された領域を拡大した断面図である。
以下、本発明の実施形態の化学強化ガラスについて説明する。図1は本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板1を模式的に示した斜視図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板1は略平行な表面、裏面からなる主面2と各主面を接続する端面3とを有する。
図2は本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板1の平面図及び断面図を示している。図2の(A)は図1における(A)方向(主面2方向)から見た化学強化ガラス1の平面図を示しており、(B)は図1における(B)方向(端面3方向)から見た化学強化ガラス板1の断面図を示している。本実施形態において化学強化ガラス板1の板厚は、例えば、0.5mm〜2mmである。
図2(B)から分かるように、本実施形態の化学強化ガラス板1は、端面3において主面2と垂直な平面よりも後退している凹部4を有している。なお、図面中の各部の寸法比は実際の寸法比を正確に表している訳ではないため、実際の寸法比とは異なる場合がある。本実施形態の化学強化ガラス板1は、凹部4を設けることにより端面3保護のための樹脂が凹部4に留まり易く簡便に塗布可能な形状となっている。
また、図3は化学強化ガラス1の端面部分を拡大した断面図である。図3に示すように、化学強化ガラス板1の端面3は凹部4と端部傾斜部5を有している。主面2から所定の深さDOLまで圧縮応力層6を有しており、一方で、端面3には圧縮応力層6が形成されていない領域が存在している。端部傾斜部5は、主面2から離れる程、主面2方向における外側に向かうように傾斜している。端部傾斜部5を設けることにより、凹部4から樹脂が溢れ、端部傾斜部5が樹脂に覆われたとしても、主面2に樹脂が到達することを抑制することができる。ここで、端部傾斜部5の板厚方向の幅Aは、5μm以上であることが好ましい。5μm以上とすることで、主面2に樹脂を到達させない効果を十分に得ることができる。
また、端部傾斜部5の板厚方向の幅Aは、DOL以下であることが好ましい。幅AがDOLよりも大きい場合、樹脂で覆われていない端部傾斜部5に引張応力層が露出してしまう可能性があり、端面強度が低下し易くなる場合がある。
凹部4の深さBは0.5μm以上20μm未満が好ましい。ここで、凹部4の深さBとは、図3に示すように、主面2と平行な方向における凹部4と端部接続部5との境界部から凹部4の最もガラス内部に入り込んでいる部分との距離のことである。
深さBが0.5μm未満の場合、端面保護の効果を十分に得られる量の樹脂を凹部4内に留めることが困難となる場合がある。多量の樹脂を凹部4に塗布すると端部接続部5、さらに主面2にまで樹脂が垂れる場合があるため深さBは0.5μm以上とすることが好ましい。また、深さBが20μm以上の場合、樹脂の塗布量が多くなってしまい樹脂の硬化時間が長くなってしまう場合がある。そのため、深さBは20μm未満とすることが好ましい。
図4は、図3におけるXで図示された領域を拡大した断面図である。図4に示すように、主面2と直行する方向に延びる面と、端部接続部5とがなす角をR1、凹部4の面とがなす角をR2とすると、R1/R2は2以上150未満であることが好ましい。2未満の場合、端部接続部5と凹部4の幅の差から考えて、R1の値が大きくなりやすいため端部接続部5に付着した樹脂が主面2に垂れやすくなるため、R1/R2は2以上とすることが好ましい。また、R1/R2が150以上の場合、R2の値が小さくなりすいため凹部4に塗布した樹脂が凹部4から溢れ、端部接続部5及び主面2に垂れやすくなるためR1/R2は150未満とすることが好ましい。
上記に記載したように、本実施形態の化学強化ガラスは端面3に樹脂を成膜する場合において、樹脂を留めやすい凹部4が形成されているため、端面3に露出した引張応力層を樹脂で覆い易くなっている構造となっている。また、端部接続部5を設けることで、たとえ樹脂が凹部4から溢れた場合であっても、溢れた樹脂が主面2に到達しないようにすることができるため、樹脂の塗布量を精密に制御する必要が無く、製品の歩留りを向上させ、タクトタイムを短くすることができる。R1に比べR2を大きくすることによって、端部接続部5の長さを確保しつつ、凹部4に樹脂を留めやすい形状とすることができる。
以下は本発明の実施形態の化学強化ガラスの製造方法について説明する。本実施形態の化学強化ガラス1を製造するにあたっては、まず、未強化の大サイズガラス基板をカリウム塩溶融浴に浸漬する等して化学強化して、大サイズの化学強化ガラス基板を得る。
次に、大サイズの化学強化ガラス基板の一方の面に、入力位置検出用電極(図示せず)、黒色の遮光層(図示せず)等を形成した後、切断し、製品サイズの化学強化ガラス1を複数枚取りする。なお、遮光層は黒色以外の色のものを用いても構わない。
入力位置検出用電極や遮光層の形成は、それぞれスパッタ法や蒸着法、印刷等により透光性導電膜、黒色感光性樹脂膜、金属膜及び透光性の感光性樹脂膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術等により透光性導電膜、黒色感光性樹脂膜、金属膜、感光性樹脂膜を所定の形状にパターニングする方法を用いることができる。
また、大サイズの化学強化ガラス基板の切断は、例えば、スクライブ・ブレイク法、レーザ切断法等により行うことができる。スクライブ・ブレイク法は、ガラス基板の表面にスクライブカッタを押しつけながら移動させて、スクライブ線(溝線)を形成した後、ガラス基板を曲げて折る方法である。レーザ切断法は、ガラス基板の表面にレーザ光を照射し、照射位置をガラス基板上で移動させて割断する方法である。また、レーザ光源に代えて放電電極を用いてもよい。
切断後、必要に応じてガラス基板の端面に加工を施す。加工の方法としては、ダイヤモンド砥粒を含有させたホイール砥石を回転しながら端面に接触させて所望の部位を研削・除去する方法が一般的に適用される。ただし、これ以外の方法によって加工を行ってもよい。本実施形態の化学強化ガラス1の端面形状も砥石による研削で形成しても構わない。
本発明の実施形態におけるガラス板の製造方法に特に制限はないが、例えば種々の原料を適量調合し、約1400〜1800℃に加熱し溶融した後、脱泡、攪拌などにより均質化し、周知のフロート法、ダウンドロー法、プレス法などによって板状に成形し、徐冷後所望のサイズに切断して製造される。
本発明のガラス板のガラスのガラス転移点Tgは400℃以上であることが好ましい。400℃未満ではイオン交換時に表面圧縮応力が緩和してしまい、十分な応力を得られないおそれがある。より好ましくは550℃以上である。
本発明のガラス板のガラスの粘度が10dPa・sとなる温度T2は好ましくは1800℃以下、より好ましくは1750℃以下である。
本発明のガラスの粘度が10dPa・sとなる温度T4は1350℃以下であることが好ましい。
本発明のガラス板のガラスの比重ρは2.37〜2.55であることが好ましい。
本発明のガラス板のガラスのヤング率Eは65GPa以上であることが好ましい。68GPa未満ではガラスのカバーガラスとしての剛性や破壊強度が不十分となるおそれがある。
本発明のガラス板のガラスのポアソン比σは0.25以下であることが好ましい。0.25超ではガラスの耐クラック性が不十分となるおそれがある。
次に、本発明のガラス板のガラス組成について、特に断らない限りモル百分率表示含有量を用いて説明する。
SiOはガラスの骨格を構成する成分であり必須であり、また、ガラス表面に傷(圧痕)がついた時のクラックの発生を低減させる、または化学強化後に圧痕をつけた時の破壊率を小さくする成分である。SiOが56%未満ではガラスとしての安定性や耐候性またはチッピング耐性が低下する。SiOは好ましくは58%以上、より好ましくは60%以上である。SiOが75%超ではガラスの粘性が増大して溶融性が低下する。
Alはイオン交換性能及びチッピング耐性を向上させるために有効な成分であり、表面圧縮応力を大きくする成分であり、または110°圧子で圧痕をつけた時のクラック発生率を小さくする成分であり、必須である。Alが5%未満ではイオン交換により、所望の表面圧縮応力値または圧縮応力層厚みが得られなくなる。好ましくは9%以上である。Alが20%超ではガラスの粘性が高くなり均質な溶融が困難になる。Alは好ましくは15%以下、典型的には14%以下である。
SiO及びAlの含有量の合計SiO+Alは80%以下であることが好ましい。80%超では高温でのガラスの粘性が増大し、溶融が困難となるおそれがあり、好ましくは79%以下、より好ましくは78%以下である。また、SiO+Alは70%以上であることが好ましい。70%未満では圧痕がついた時のクラック耐性が低下し、より好ましくは72%以上である。
NaOはイオン交換により表面圧縮応力層を形成させ、またガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須である。NaOが8%未満ではイオン交換により所望の表面圧縮応力層を形成することが困難となり、好ましくは10%以上、より好ましくは11%以上である。NaOが22%超では耐候性が低下する、または圧痕からクラックが発生しやすくなる。好ましくは21%以下である。
Oは必須ではないがイオン交換速度を増大させるため、10%以下の範囲で含有してもよい。10%超では圧痕からクラックが発生しやすくなる、または硝酸カリウム溶融塩中のNaNO濃度による表面圧縮応力の変化が大きくなるおそれがある。KOは5%以下、より好ましくは0.8%以下、さらに好ましくは0.5%以下、典型的には0.3%以下である。硝酸カリウム溶融塩中のNaNO濃度による表面圧縮応力の変化を小さくしたい場合にはKOは含有しないことが好ましい。
MgOは表面圧縮応力を大きくする成分であり、また溶融性を向上させる成分であり、必須である。応力緩和を抑制したい場合などにはMgOを含有させることが好ましい。MgOを含有しない場合は化学強化処理を行う際に溶融塩温度のばらつきに起因して応力緩和の度合いが化学強化処理槽の場所により変化しやすくなり、その結果安定した圧縮応力値を得ることが困難になるおそれがある。また、MgOが14%超ではガラスが失透しやすくなり、または硝酸カリウム溶融塩中のNaNO濃度による表面圧縮応力の変化が大きくなるおそれがあり、好ましくは13%以下である。
前記SiO−MgOは、好ましくは64%以下、より好ましくは62%以下、典型的には61%以下である。
前記Al−MgOは、好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下である。
SiO、Al、NaO及びMgOの含有量の合計は98%以上であることが好ましい。当該合計が98%未満ではクラック耐性を維持しつつ所望の圧縮応力層を得ることが困難になるおそれがある。典型的には98.3%以上である。
ZrOは必須ではないが、高温での粘性を低下させるために、または表面圧縮応力を大きくするために5%までの範囲で含有してもよい。ZrOが5%超では圧痕からクラックが発生する可能性が高まるおそれがある。そのため、2%以下が好ましく、1%以下がさらに好ましく、典型的にはZrOは含有しない。
は必須ではないが、高温での溶融性またはガラス強度の向上等のために6%以下の範囲で含有してもよい。Bが6%超では均質なガラスを得にくくなり、ガラスの成型が困難になるおそれがある、またはクラック耐性が低下するおそれがある。典型的にはBは含有しない。
SiO、Al、NaO及びMgOの含有量の合計は好ましくは98%以上である。
本発明のガラス板の好ましいガラス成分は本質的に以上で説明した成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。そのような成分を含有する場合、それら成分の含有量の合計は2%未満であることが好ましく、より好ましくは1%以下である。以下、上記その他成分について例示的に説明する。
ZnOはガラスの高温での溶融性を向上するために例えば2%まで含有してもよい場合があるが、好ましくは1%以下であり、フロート法で製造する場合などには0.5%以下にすることが好ましい。ZnOが0.5%超ではフロート成型時に還元し製品欠点となるおそれがある。典型的にはZnOは含有しない。
TiOはガラス中に存在するFeイオンと共存することにより、可視光透過率を低下させ、ガラスを褐色に着色するおそれがあるので、含有するとしても1%以下であることが好ましく、典型的には含有しない。
LiOは歪点を低くして応力緩和を起こりやすくし、その結果安定した表面圧縮応力層を得られなくする成分であるので含有しないことが好ましく、含有する場合であってもその含有量は1%未満であることが好ましく、より好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.01%未満である。
また、LiOは化学強化処理時にKNOなどの溶融塩中に溶出することがあるが、Liを含有する溶融塩を用いて化学強化処理を行うと表面圧縮応力が著しく低下する。LiOはこの観点からは含有しないことが好ましい。
CaOは高温での溶融性を向上させる、または失透を起こりにくくするために5%以下の範囲で含有してもよい。CaOが5%超ではイオン交換速度またはクラック発生に対する耐性が低下する。典型的にはCaOは含有しない。
SrOは必要に応じて含有してもよいが、MgO、CaOに比べてイオン交換速度を低下させる効果が大きいので含有する場合であってもその含有量は1%未満であることが好ましい。典型的にはSrOは含有しない。
BaOはアルカリ土類金属酸化物の中でイオン交換速度を低下させる効果が最も大きいので、BaOは含有しないこととするか、含有する場合であってもその含有量は1%未満とすることが好ましい。
SrOまたはBaOを含有する場合それらの含有量の合計は1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3%未満である。
CaO、SrO、BaO及びZrOのいずれか1以上を含有する場合それら4成分の含有量の合計は1.5%未満であることが好ましい。当該合計が1.5%以上ではイオン交換速度が低下するおそれがあり、典型的には1%以下である。
ガラスの溶融の際の清澄剤として、SO、塩化物、フッ化物などを適宜含有してもよい。ただし、タッチパネルなどディスプレイ装置の視認性を上げるため、可視域に吸収をもつFe、NiO、Crなど原料中の不純物として混入するような成分はできるだけ減らすことが好ましく、各々質量百分率表示で0.15%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05%以下である。
<実施例>
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、後述の例1〜3は実施例、例4〜6は比較例である。
(ガラス板)
SiO:64.2モル%、Al:8.0モル%、MgO:10.5モル%、CaO:0.1モル%、SrO:0.1モル%、BaO:0.1モル%、NaO:12.5モル%、KO:4.0モル%、ZrO:0.5モル%からなるアルカリアルミノシリケートガラスを用い、寸法50×100mm、厚さ0.7〜0.8mmの試験片とした。
(ガラス板の強化)
KNO溶融塩にてイオン交換を行い、表層の圧縮応力値CS:600〜750MPa、圧縮応力層の深さDOL:10〜40μm、内部の引張応力値CT:10〜30MPaとなるように条件を変えて化学強化を施し、強化ガラス板1〜4を得た。結果を表1に示す。
Figure 2014201516
(化学強化ガラスサンプルの作成)
強化ガラス板1、2について、ファイバーレーザを用いて切断し、例1、2の化学強化ガラスサンプルを得た。また、強化ガラス板3、4について、ホイールカッターを用いて切断し、例3、例6の化学強化ガラスサンプルを得た。
また、例3の化学強化ガラスサンプルについて、端面傾斜部の幅Aを大きくするために番手#600の砥石を備えたコンピュータ数値制御(CNC)面取り装置を用いて端面をストレート形状及びC面形状に研削し、例4、例5の化学強化ガラス板を得た。
さらに、例6の化学強化ガラスサンプルについて、面取り装置でC面形状に研削した後、研磨砥粒を含有する研磨液を供給しながら回転ブラシを接触させて0.1mm研磨した。研磨砥粒は酸化セリウム粒子を用いた。
(ガラス板の端面形状測定)
続いて、各化学強化ガラスサンプルについて非接触表面性状測定装置PF−60(三鷹光器製)を用いてガラス板の端面形状を測定した。測定結果から算出した、端部傾斜部の幅A、凹部の深さB、面の角度比R1/R2を表2に示す。
Figure 2014201516
(保護層の塗布)
紫外線硬化樹脂(積水化学社製感光性樹脂、商品名:フォトレックA704)を、表3に示すように、塗布条件(樹脂粘度等)を変えて各化学強化ガラスサンプルの端面に所望量の前記紫外線硬化樹脂の塗布を行った。
Figure 2014201516
例1〜6の化学強化ガラスサンプルにおいて、表3の塗布条件でCT層の露出、凹部の被覆、主表面への垂れについて判定を行った。判定結果を表4に示す。ここで、CT層の露出とは、各化学強化ガラスサンプルの端面に引張応力層が露出している領域に樹脂が塗布されており、引張応力層が直接外気に曝されている状態ではない場合を○、一部でも露出している箇所がある場合を×とした。また、ここで、凹部の被覆とは、凹部内に樹脂が留まり、凹部が樹脂で完全に覆われている状態でまる場合を○、凹部に樹脂が留まっていない状態を×とした。また、ここで、主表面への垂れとは、各化学強化ガラスサンプルの主表面への樹脂垂れが確認できなかった場合を○、垂れが確認できた場合を×とした。上記各判定はそれぞれ目視によって実施した。
Figure 2014201516
例1〜3の強化ガラス板においては、ほとんどの条件で主表面への樹脂の垂れが確認されなかったが、例4〜6の強化ガラス板においては、一部条件で主表面への樹脂の垂れが確認された。
1 化学強化ガラス板
2 表面
3 端面
4 凹部
5 端部傾斜部
6 圧縮応力層

Claims (5)

  1. 対向する表裏の主面と前記主面間を接続する端面を有し、前記表裏の主面に圧縮応力層が形成され、表裏の圧縮応力層の間に引張応力層を有する化学強化ガラス板であって、
    前記端面は前記主面に対して垂直な面よりも後退している凹部を有することを特徴とする化学強化ガラス板。
  2. 前記端面は前記凹部と、前記凹部の両端に設けられ前記主面と接続された端部傾斜部からなり、
    前記端部傾斜部は、主面から離れる程、主面方向におけるガラス板の外側に向かうように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の化学強化ガラス板。
  3. 前記端部傾斜部の板厚方向の幅は、5μm以上前記圧縮応力層の深さ以下であることを特徴とする請求項2に記載の化学強化ガラス板。
  4. 前記凹部の深さは0.5μm以上20μm未満であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の化学強化ガラス板。
  5. 前記主面と直行する方向に延びる面と、前記端部接続部がなす角をR1、前記凹部がなす角をR2とすると、R1/R2が2以上150未満であることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の化学強化ガラス板。
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