JP2014200206A - 飲食品の温感効果を増強させる方法および得られた飲食品 - Google Patents

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朋子 内山
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Abstract

【課題】飲食品の味を変えることなく、様々な食品に利用でき、飲食品が口腔内に入った際の温かいと感じる感覚、または、冷たいと感じる感覚を敏感にさせる方法を提供する。【解決手段】飲食品を口腔内に入れたときに、食するのに適した温度であると感じる時間が、希少糖を含有させない場合と比べて長時間であるように、飲食品の温感効果を増強させる方法であって、飲食品の材料に対し、有効量の希少糖を含有させる工程を含んでなる方法。前記希少糖がD−プシコースを含むもので、0.01〜1.00重量%含有させる。【選択図】なし

Description

本発明は、飲食品の温感効果を増強させる方法および得られた飲食品に関する。
より詳細には、本発明は、飲食品に希少糖を添加することにより、飲食品を口腔内に入れたときに、食するのに適した温度であると感じる時間が、希少糖を含有させない場合と比べて長時間であるように、飲食品の温感効果を増強させる方法、および該方法により得られる飲食品に関する。
温感作用や冷感作用のある組成物は種々知られている。主には、血流改善効果により身体の内部から温めるもの、接触時に温度受容器を活性化させるもの、吸熱・発熱反応を利用したものなど多数の報告がされている。
例えば、特許文献1には、ヒハツ抽出物、乳脂肪、および乳タンパク質を含有する温感効果を示すヒハツ抽出物含有飲食品組成物が開示され、特許文献2には、ギニアショウガの種子と、香辛料とを含有した温感効果を示す飲食品組成物が開示されている。
上記発明はヒハツ抽出物、ショウガに含まれる成分に末梢血管を拡大させる作用があり手先、足先を温める効果がある飲食品組成物である。一方で、上記飲食品組成物は口腔内で独特の辛味を発生させるため嗜好性に劣り、様々な飲食品への応用が困難である。
特許文献3には、冷感剤、温感剤および刺激剤を含む感覚剤組成物が開示され、特許文献4には、温感成分、冷感成分、場合によっては苦み成分を含む温感組成物が開示され、特許文献5には、1−メントキシアルカン系の冷感剤化合物が開示されている。
上記発明には温度受容器を活性化させて温感、または、冷感を増強させる組成物を利用した温度増感方法である。その用途はキャンディや歯磨き粉など非常に限定されたものとなっている。
特許文献6には、表面に複数の突起物が形成され、かつ、水に対する溶解熱(吸熱)が80J/g以上の糖衣層を有することを特徴とする糖衣食品が開示されている。
上記発明は食品形状と溶解熱を利用するもので特定の固形状のものしか利用できず、溶解熱を利用するものであり冷感作用のみであり用途が限定されている。
特開2010−110283号公報 特開2010−094081号公報 特開2001−279227号公報 特表2011−516092号公報 特開2001−294546号公報 特開2006−129824号公報 特開2002−17392号公報 国際公開第2010/113785号
上記したように、冷感効果を有する化合物は種々提案されているが、これらの化合物はそれなりの冷感効果を有するものの、冷感強度、冷感効果の持続性、特異臭、苦味などの少なくともいずれかの点で十分満足できるものではなく、これら冷感効果を有する化合物を含む香料組成物においても同様の問題があった。また、従来冷感剤を温感剤組成物に添加することにより温感効果が増強された温感剤組成物を得ることもなされているが、この場合にも冷感剤に基づく特異臭、苦味がなく、温感効果に優れた温感剤組成物を含有する香料組成物も求められている。
本発明は、これまでに開示された方法よりも飲食品の簡易な温感増強方法を提供することを目的とする。また、本発明は、飲食品の味を変えることなく、様々な飲食品に利用できる温感増強方法を提供することを目的とする。
本発明は、飲食品を食するときに、食するのに適した温度であると感じる時間が長時間であるように、飲食品の温感効果を増強させる方法を提供することを目的とする。本発明は、飲食品が口腔内に入った際の温かいと感じる感覚、または、冷たいと感じる感覚を敏感にさせる方法、および、該方法により得られる飲食品を提供すことを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を続けた結果、これまで希少糖の効果として知られていない効果、具体的には、希少糖を飲食品に添加することで飲食品を口腔内に入れたときの温感または冷感が増強されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下(1)ないし(7)の飲食品の温感効果を増強させる方法からなる。
第1の発明は、飲食品を口腔内に入れたときに、食するのに適した温度であると感じる時間が、希少糖を含有させない場合と比べて長時間であるように、飲食品の温感効果を増強させる方法であって、飲食品の材料に対し、有効量の希少糖を含有させる工程を含んでなる方法である。
第2の発明は、第1の発明において、有効量の希少糖を含有させる工程が、飲食品中に希少糖を0.01〜1.00重量%含有させる工程であることを特徴とする。
第3の発明は、第1または2の発明において、希少糖が、少なくともD−プシコースを含む希少糖であることを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、少なくともD−プシコースを含む希少糖が、シロップであることを特徴とする。
第5の発明は、第3または4の発明において、少なくともD−プシコースを含む希少糖が、フラクトース、異性化糖、グルコースまたは砂糖を原料として製造されたものであることを特徴とする。
第6の発明は、第3ないし5のいずれかの発明において、少なくともD−プシコースを含む希少糖が、D−プシコースを0.5〜17.0%含んでなることを特徴とする。
第7の発明は、第1ないし6のいずれかの発明において、食するのに適した温度であると感じることが、口腔内の温度より温かい飲食品をより温かいと感じ、口腔内の温度より冷たい飲食品をより冷たいと感じることであることを特徴とする。
第8の発明は、第1ないし7のいずれかの発明の方法により得られた温感効果が増強された飲食品。
第9の発明は、第8の発明において、飲食品が、口腔内に入れたときに、素早く液状となり口腔内に拡がることを特徴とする。
本発明により、飲食品の味を変えることなく、様々な飲食品に利用できる温感増強方法を提供することができる。また、飲食品を食するときに、食するのに適した温度であると感じる時間が長時間であるように、飲食品の温感効果を増強させる方法を提供することができる。さらにまた、飲食品が口腔内に入った際の温かいと感じる感覚、または、冷たいと感じる感覚を敏感にさせる方法、および、該方法により得られる飲食品を提供すことができる。すなわち、本発明によれば、飲食品の味を変えることなく、飲食時に感じる飲食品の温度をより顕著に感じることができる飲食品を提供することができる。また、飲食品が口腔内に入ったときに、温かいものをより温かく、冷たいものをより冷たく感じることができるため、飲食品を適した温度で長時間感じることができ、長時間食事を楽しむことが可能となる飲食品を提供することができる。
本発明における希少糖とは、糖の基本単位である単糖(炭素数が6つの単糖(ヘキソース)は全部で34種類あり、アルドースが16種類、ケトースが8種類、糖アルコールが10種類ある。)のうち、自然界に大量に存在するD−(ブドウ糖)に代表される「天然型単糖」に対して、自然界に微量にしか存在しない単糖(アルドース、ケトース)およびその誘導体(糖アルコール)と定義付けられている。一般に自然界に多量に存在するアルドースとしてはD- グルコース、D- ガラクトース、D- マンノース、D- リボース、D- キシロース、L- アラビノースの6種類あり、それ以外のアルドースは希少糖と定義される。ケトースとしては、D- フラクトースが存在しており、他のケトースは希少糖といえる。他のケトースとして、D- プシコース、D- タガトース、D- ソルボース、L- フラクトース、L- プシコース、L- タガトース、L- ソルボースが挙げられる。また糖アルコールは単糖を還元してできるが、自然界にはD- ソルビトールが比較的多いがそれ以外のものは量的には少ないので、これらも希少糖といえる。希少糖の存在量は非常に少なく、例えばD−アロースは、D−グルコース(ブドウ糖)に比べて圧倒的に存在量が少ない。
そのなかでも、現在、大量生産が可能な希少糖は、D−プシコースとD−アロースである。D−プシコースは、ケトヘキソースに分類されるプシコースのD体であり、六炭糖である。また、D−アロースは、アルドースに分類されるアロースのD体であり、同じく六炭糖である。D−プシコースは、自然界から抽出されたもの、化学的または生物学的な方法により合成されたもの等を含め、どのような手段により入手してもよい。D−アロースは、D−プシコースを含有する溶液にD−キシロースイソメラーゼを作用させて、D−プシコースからD−アロースを生成させる(特許文献7)などして入手できるが、この方法に限定せず、どのような手段により入手してもよい。
本発明における希少糖は、上述の希少糖(例えば、D−ソルボース、D−タガトース、L−ソルボース、D−プシコース、D−アロース、D−アルトロース)を適宜選択して用い、特に、希少糖を含有するシロップの形態で用いるのが好ましい。希少糖含有シロップは、上述の希少糖(例えば、D−ソルボース、D−タガトース、L−ソルボース、D−プシコース、D−アロース、D−アルトロース)を適宜選択し、一般的なシロップ(液糖)に適宜混合することでも得られるが、市販品「レアシュガースウィート」(発売元:(株)レアスウィート、販売者:松谷化学工業(株))として、容易に入手することができる。
「レアシュガースウィート」は、異性化糖を原料とし、特許文献8に開示される手法により得られる希少糖を含有するシロップであり、希少糖として主にD−プシコースおよびD−アロースが含まれるように製造されたものである。該手法により得られる希少糖含有シロップに含まれる希少糖は、全糖に対する割合でD−プシコース0.5〜17質量%、D−アロース0.2〜10質量%であるが、未同定の希少糖も含まれる。
希少糖含有シロップを得る方法は、上記手法に限られるものではなく、単糖(D−グルコースやD−フラクトース)にアルカリを作用させ、19世紀後半に発見された反応、ロブリー・ドブリュイン−ファン エッケンシュタイン転位反応やレトロアルドール反応とそれに続くアルドール反応を起こさせ(以上の反応をアルカリ異性化反応と呼ぶ)、生じた各種単糖(希少糖含む)を含むシロップを広く「希少糖含有シロップ」と呼ぶことができ、D−グルコースおよび/もしくはD−フラクトースを原料として、D−グルコースおよび/もしくはD−フラクトース含量が55〜99質量%になるまでアルカリ異性化したシロップが主に使用される。希少糖の測定方法は種々存在するが、高速液体クロマトグラフィーにより分離測定する方法が一般的であり、測定条件の一例として、特開2002−17392号公報に記載の測定条件が挙げられる(検出器;RI、カラム;三菱化成(株)MCI GEL CK 08EC、カラム温度;80℃、移動相;精製水、移動相流量;0.4mL/min、試料注入量;10μL)。
前記希少糖含有シロップの製造に使用される原料としては、でん粉、砂糖、異性化糖、フラクトース、グルコースなどが挙げられる。異性化糖とは、特定組成比のD−グルコースとD−フラクトースを主組成分とする混合糖として広く捉えられ、一般的には、でん粉をアミラーゼ等の酵素または酸により加水分解して得られた、主にブドウ糖からなる糖液を、グルコースイソメラーゼまたはアルカリにより異性化したブドウ糖および果糖を主成分とする液状の糖のことを指す。JAS規格においては、果糖含有率(糖のうちの果糖の割合)が50%未満のものを「ブドウ糖果糖液糖」、50%以上90%未満のものを「果糖ブドウ糖液糖」、90%以上のものを「高果糖液糖」、およびブドウ糖果糖液糖にブドウ糖果糖液糖を超えない量の砂糖を加えたものを「砂糖混合果糖ブドウ糖液糖」とよぶが、本発明の希少糖含有シロップの原料としては、何れの異性化糖を用いても構わない。
例えば、D-フラクトースを原料とした希少糖含有シロップは、D-プシコース5.2%、D-アロース1.8%、グルコース15.0%、D-フラクトース69.3%を含んでいる。また、異性化糖を原料とした希少糖含有シロップは、D-プシコース3.7%、D-アロース1.5%、グルコース45.9%、D-フラクトース37.7%を含み、D-グルコースを原料とすると、D-プシコース5.7%、D-アロース2.7%、グルコース47.4%、D-フラクトース32.1%を含んでいるが、原料および処理方法の違いにより含有糖組成は変化する。
本発明において、飲食品の温感とは、飲食品が口腔内に入った際に感じる温かさ、若しくは、冷たさの感覚を意味する。口腔内において飲食品を温かい、若しくは、冷たいと感じる感覚は、口腔内と飲食品との温度差に起因したり、口腔内において飲食品に含まれる物質の発熱または吸熱反応に起因したり、温度を感知する受容体チャネルに飲食品に含まれる物質がなんらかの作用していることが起因していたり考えられるが本発明ではどのような起因かを問わない。
本発明において、飲食品の温感増強とは、口腔内の温度と比較して高温の飲食品を口腔内でより温かいと感じること、または、口腔内の温度と比較して低温の飲食品を口腔内でより冷たいと感じることを意味する。
本発明では、上記飲食品の温感増強効果を、温感増強効果を示す希少糖を含むサンプルと温感増強効果を示す希少糖を含まないサンプルを準備し、両者の温度を一定にし、両者を飲み比べた際の体感温度で評価した。
本発明の飲食品の温感増強方法は、希少糖を対象飲食品に添加することを含み、それにより所期の効果を発揮する。
本発明の飲食品の温感増強方法を実施するためには、上記有効成分である、希少糖を、対象とする飲食品の組成や使用目的を勘案して、原料段階から製品完成までのいずれかの工程において添加すればよい。すなわち、飲食品の材料に対し、有効量の希少糖を含有させる工程を含んでいればよい。
本発明の有効量の希少糖を含有させる工程における添加手段は、混和、混捏、溶解、乳化、散布、塗布、付着、噴霧、コーティング、注入、浸漬などの公知の手法によってなされ、場合によっては、飲食品の製品完成後や飲食直前に、少なくともD−プシコースを含む希少糖を振りかけるなどの手法によって対象飲食品に含ませることもできる。
本発明の有効量の希少糖を含有させる工程における有効量は、飲食品の温感増強に有効な希少糖の含有量であり、飲食品の材料に対し0.01〜1.00重量%の範囲である。希少糖を含有させることによる飲食品の温感増強効果は個々の飲食品により異なるが、前記範囲において希少糖を含有した飲食品を摂取した場合、口腔内の温度よりも高温の飲食品であればより温かいと感じ、また、口腔内の温度より低温の飲食品であればより冷たいと感じることができる。希少糖が飲食品中に0.01重量%以下である場合、温感増強効果が小さく、希少糖が飲食品中に1.00重量%以上である場合、飲食品の味をわずかながら変化させてしまい味がマイルドになることから温感増強効果を感じにくくなり、本発明の目的を達成しない。
本発明で使用する希少糖としては、D−プシコースを含むことが望ましい。少なくともD−プシコースを含む希少糖は、上述した公知の方法により製造でき、希少糖含有シロップを使用することが簡便であるとともに経済的にも適している。
本発明が利用される好ましい飲食品は、飲食品が口腔内に入れた際に素早く液状となり口腔内に拡がるものである。このような飲食品の形状としては、液状またはゾル状が挙げられる。また、固形状であっても、アイスクリームのような口腔内で即座に溶解するか、または、ゼリーのような表面に水分の多い飲食品の場合、固形状であっても温感増強効果は十分に発現する。前記飲食品の具体例としては、野菜ジュース、スポーツ飲料、炭酸飲料等の清涼飲料水、チューハイ、ビールなどのアルコール飲料、味噌汁、中華スープ、ポタージュ、ミネストローネ等の汁物、ジュレ、かゆ、クッパ、玉子豆腐、茶わん蒸し、お茶漬け、鍋、ラーメン、しるこ、シェーク、嚥下困難者用の飲食品、ソフト食、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、かち割り氷、ゼリーなどにおいても利用できる。
本発明が利用される飲食品の温度範囲は、一般的に飲食品が提供される温度範囲であればよい。飲食品と温感増強効果の関係については、上記温度範囲内において、飲食品の温度が口腔内の温度から離れるほどその温感増強効果は顕著になる。すなわち、口腔内の温度より高温の飲食品については、その飲食品の温度がより高いほど温感増強効果がより顕著に発現し、口腔内の温度より低温の飲食品については、その飲食品の温度がより低いほど温感増強効果がより顕著に発現する。
以下、試験例および実施例により本発明を具体的に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
なお、実施例中で使用された希少糖含有異性化糖は、「レアシュガースウィート」(発売元:(株)レアスウィート、販売者:松谷化学工業(株))である。該製品は固形分が70%であり、その糖組成は、ブドウ糖44%、果糖30%、D−プシコースを含む全希少糖15%、その他単糖6%、オリゴ糖5%であり、「少なくともD−プシコースを含む希少糖」を固形分中に15%含有する製品である。
[実施例1]
表1の配合に従って澱粉懸濁液を作製し、ビーカー内で90℃まで加熱することで澱粉糊液を作製した。比較例1、実施例1で作製した澱粉糊液が入ったビーカーを5℃、10℃、30℃、45℃、60℃、75℃、85℃で一定に保たれた水温中に浸けて両者の温度を一致させて評価用サンプルとした。各温度に保持した比較例1と実施例1の配合品を飲み比べ、比較例1に比べ実施例1のほうが明らかに温かいと感じた場合3点、温かいと感じた場合2点、やや温かいと感じた場合1点、変わらないと感じた場合0点、やや冷たいと感じた場合―1点、冷たいと感じた場合―2点、明らかに冷たいと感じた場合―3点とし、よく訓練された5名のパネラーによって評価を実施した。
結果:5名の各パネラーの評価を表2に示す。澱粉糊液が45℃以上では実施例1のほうが比較例1に比べ温かく感じ、10℃以下では実施例1のほうが比較例1に比べ冷たく感じた。また、飲食品の温度が口腔内の温度から離れるほど、希少糖が含まれることによる飲食品の温感効果が顕著となった。
[実施例2〜4]
表3の配合に従って澱粉懸濁液を作製し、ビーカー内で90℃まで加熱することで澱粉糊液を作製した。比較例1〜3、実施例2〜4で作製した澱粉糊液が入ったビーカーを60℃で一定に保たれた水温中に浸けて各澱粉糊液の温度を一致させて評価用サンプルとした。各サンプルについて比較例1と比較した。
作製した澱粉糊液について5人で官能評価を行い、体感温度と味覚の評価を実施した。体感温度は実施例1と同様に評価しパネラー5名の合計点が5点未満を×、5点以上10点未満を△、10点以上を○で評価した。また、比較例1を飲食したときの味覚と比較して、大きく違う場合2点、少し違和感がある場合1点、変わらない場合0点で評価し、パネラー5名の合計点が3点未満を○、3点以上7点未満を△、7点以上を×で評価した。
結果:結果を表4に示す。希少糖がサンプル中に0.01重量%以上含まれる場合、飲食品の温度がより温かいと感じた。また、希少糖の含有量が1重量%以内の場合、味覚への影響がなかった。
[実施例5]
市販のスープ製品(味の素(株)製ふかひれスープ)を2つ準備し、一方に希少糖含有異性化糖をスープ全重量に対して1重量%添加(実施例5)し、もう一方には追加での添加なし(比較例4)で、両者を比較した。比較例4、実施例5で作製したスープをビーカーに入れ5℃、10℃、20℃、30℃、45℃、60℃、75℃で一定に保たれた水温中に浸けて両者の温度を一致させて評価用サンプルとした。体感評価は実施例1と同様に実施した。
結果:パネラー5名の評価結果を表5に示す。スープ温度が45℃以上では実施例5のほうが比較例4に比べ温かく感じ、20℃以下では実施例5のほうが比較例4に比べ冷たく感じるという結果であった。
[実施例6]
表6の配合に従って中華スープを作製し、ビーカー内で90℃まで加熱した。各スープの甘味度を一致させるため砂糖、異性化糖、希少糖含有異性化糖の総重量が各スープで異なっている。比較例6は比較例5に対して異性化糖を添加したもの、実施例6は比較例5に対して希少糖含有異性化糖を添加したサンプルである。作製したスープが入ったビーカーを3℃、10℃、30℃、45℃、60℃、80℃で一定に保たれた水温中に浸けて両者の温度を一致させて評価用サンプルとした。評価は実施例1と同様に実施し7名のパネラーで実施した。
結果:7人で評価した結果は一致し、比較例6と比較例5の体感温度は変わらず、希少糖を含んだ実施例6のみ温感効果を示し、45℃以上では温かく感じ、10℃以下では冷たく感じた。
[実施例7]
表7の配合に従ってパンプキンスープを作製し、ビーカー内で90℃まで加熱した。比較例8は比較例7に対し異性化糖を追加し、実施例7は比較例7に対して希少糖を含む異性化糖を含有させたサンプルである。なお各スープの甘味度を一致させるため砂糖、異性化糖、希少糖含有異性化糖の総重量が各スープで異なっている。作製したスープが入ったビーカーを5℃、10℃、30℃、45℃、60℃、80℃で一定に保たれた水温中に浸けて両者の温度を一致させて評価用サンプルとした。評価は実施例1と同様に実施し7名のパネラーで実施した。
結果:7名の評価結果は一致し、比較例7と比較例8の体感温度は変わらず、希少糖を含んだ実施例7のみ温感効果を示し、45℃以上では温かく感じ、10℃以下では冷たく感じた。
[実施例8]
表8の配合に従ってコーンスープを作製し、ビーカー内で90℃まで加熱した。冷却後、TKホモジナイザーで10000rpmで処理した。比較例10は比較例9に対し異性化糖を追加し、実施例8は比較例9に対して希少糖を含む異性化糖を含有させたサンプルである。なお各スープの甘味度を一致させるため砂糖、異性化糖、希少糖含有異性化糖の総重量が各スープで異なっている。作製したスープが入ったビーカーを5℃、10℃、30℃、45℃、60℃、80℃で一定に保たれた水温中に浸けて両者の温度を一致させて評価用サンプルとした。評価は実施例1と同様に実施し7名のパネラーで実施した。
結果:7名での評価結果は一致し、比較例9と比較例10の体感温度は変わらず、希少糖を含んだ実施例8のみ温感効果を示し、45℃以上では温かく感じ、10℃以下では冷たく感じた。
[実施例9、10]
表9の配合に従ってコンソメスープを作製し、ビーカー内で90℃まで加熱した。比較例11に対して、比較例12は砂糖を添加し、実施例9は希少糖含有異性化糖を0.1重量%、実施例10は希少糖含有異性化糖を1.0重量%添加したサンプルである。作製したスープが入ったビーカーを10℃、80℃で一定に保たれた水温中に浸けて両者の温度を一致させて評価用サンプルとした。サンプルを比較例11と比較した。体感温度の評価は10名のパネラーで実施し、実施例1と同様に評価した。
結果:10名のパネラーの合計点数を表10に示す。比較例11と比較例12では変化は見られなかった。希少糖を含んだ実施例9、実施例10については温感効果を示し80℃では温かいと感じ、10℃では冷たいと感じた。
[実施例11]
表11の配合に従ってビーカーでチーズフォンデュを作製し、90℃まで加熱した。比較例13に対し、比較例14は異性化糖を添加し、実施例11は希少糖含有異性化糖を添加したサンプルである。その後70℃のウォーターバスに入れ各チーズ温度を一致させ評価用サンプルとした。体感温度の評価は実施例1と同様に5名のパネラーで実施した。
結果:結果を表12に示す。比較例13と比較例14では変化は見られなかった。希少糖を含んだ実施例11については温感効果を示し、より温かいと感じた。
[実施例12]
表13の配合に従ってラクトアイスを作製し−22℃設定の冷凍庫で24時間静置させ評価用サンプルとした。体感温度の評価は実施例1と同様に6名のパネラーで実施した。
結果:6名の合計点数を表14に示す。アイスは冷凍庫から取り出して即座に試食した。希少糖を含むアイスのほうが明らかに冷たいという結果であった。
[実施例13]
表15の配合に従ってグレープゼリーを作製し3℃で保持し評価用サンプルとした。体感温度の評価は実施例1と同様に6名のパネラーで実施した。
結果:6名の評価結果は一致し、希少糖を含むグレープゼリーのほうが明らかに冷たいという結果であった。
[実施例14]
表16の配合に従ってスポーツドリンクを作製し3℃で保持し評価用サンプルとした。体感温度の評価は実施例1と同様に5名のパネラーで実施した。
結果:5名の評価結果は一致し、希少糖を含むスーツドリンクのほうが明らかに冷たいという結果であった。
本発明によれば、飲食品の味を変えることなく、飲食時に感じる飲食品の温度をより顕著に感じることができる。また、飲食品が口腔内に入ったときに、温かいものをより温かく、冷たいものをより冷たく感じることができるため、飲食品を適した温度で長時間感じることができ、長時間食事を楽しむことが可能となる飲食品を提供することができる。
本発明によれば、少なくともD−プシコースを含む希少糖という食品からなる、飲食品に対する温感増強剤を提供することができ、種々の飲食品の温感効果を増強させることが可能となる。

Claims (9)

  1. 飲食品を口腔内に入れたときに、食するのに適した温度であると感じる時間が、希少糖を含有させない場合と比べて長時間であるように、飲食品の温感効果を増強させる方法であって、飲食品の材料に対し、有効量の希少糖を含有させる工程を含んでなる方法。
  2. 有効量の希少糖を含有させる工程が、飲食品中に希少糖を0.01〜1.00重量%含有させる工程である、請求項1に記載の飲食品の温感効果を増強させる方法。
  3. 希少糖が、少なくともD−プシコースを含む希少糖であることを特徴とする請求項1または2に記載の飲食品の温感効果を増強させる方法。
  4. 少なくともD−プシコースを含む希少糖が、シロップである請求項3に記載の飲食品の温感効果を増強させる方法。
  5. 少なくともD−プシコースを含む希少糖が、フラクトース、異性化糖、グルコースまたは砂糖を原料として製造されたものである、請求項3または4に記載の飲食品の温感効果を増強させる方法。
  6. 少なくともD−プシコースを含む希少糖が、D−プシコースを0.5〜17.0%含んでなることを特徴とする、請求項3ないし5のいずれか一項に記載の飲食品の温感効果を増強させる方法。
  7. 食するのに適した温度であると感じることが、口腔内の温度より温かい飲食品をより温かいと感じ、口腔内の温度より冷たい飲食品をより冷たいと感じることである、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の飲食品の温感効果を増強させる方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の方法により得られた温感効果が増強された飲食品。
  9. 飲食品が、口腔内に入れたときに、素早く液状となり口腔内に拡がることを特徴とする請求項8に記載の飲食品。
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