JP2014196791A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クランク式の無段変速機のコネクティングロッドに貫通孔を備えるものにおいて、コネクティングロッドの大端部を支持するベアリングのピーク荷重の低減効果を確保しながら、貫通孔の加工コストを削減する。
【解決手段】コネクティングロッド19は、偏心ディスクの外周面に設けたベアリングに支持される大端部19aと、揺動リンク13に接続される小端部19bと、大端部19aおよび小端部19bを連結する連結部19cとを備え、連結部19cは、中心線C上に軸方向両表面に貫通する円形の貫通孔19dを備える。貫通孔19dによりコネクティングロッド19の剛性を低下させることで、大端部19aを支持するベアリングに作用する荷重のピーク値を低減して寿命の延長を図ることができ、しかも貫通孔19dは円形であるためにドリル加工が可能になり、エンドミル加工が不要になって加工コストの削減が可能になる。
【選択図】図7
【解決手段】コネクティングロッド19は、偏心ディスクの外周面に設けたベアリングに支持される大端部19aと、揺動リンク13に接続される小端部19bと、大端部19aおよび小端部19bを連結する連結部19cとを備え、連結部19cは、中心線C上に軸方向両表面に貫通する円形の貫通孔19dを備える。貫通孔19dによりコネクティングロッド19の剛性を低下させることで、大端部19aを支持するベアリングに作用する荷重のピーク値を低減して寿命の延長を図ることができ、しかも貫通孔19dは円形であるためにドリル加工が可能になり、エンドミル加工が不要になって加工コストの削減が可能になる。
【選択図】図7
Description
本発明は、往復運動するコネクティングロッドおよびワンウェイクラッチを介して入力軸から出力軸に駆動力を伝達するクランク式の無段変速機を備える車両用動力伝達装置に関する。
エンジンに接続された入力軸と一体に回転する偏心ディスクにコネクティングロッドの大端部を接続するとともに、コネクティングロッドの小端部をワンウェイクラッチを介して出力軸に接続し、偏心ディスクの偏心回転により発生するコネクティングロッドの往復運動をワンウェイクラッチによって出力軸の一方向の回転運動に変換する車両用動力伝達装置が、下記特許文献1により公知である。
ところで、上記従来の車両用動力伝達装置は、コネクティングロッドの大端部および小端部に挟まれた連結部の中央に薄肉部が形成されているが、連結部に薄肉部に形成する代わりに、連結部にコネクティングロッドを軸方向に貫通する貫通孔(図11参照)を形成すれば、コネクティングロッドを更に軽量化できるだけでなく、大端部を支持するボールベアリングに作用する荷重のピーク値を低減して寿命の延長を図ることができる。
しかしながら、コネクティングロッドの連結部に非円形の貫通孔を形成するにはエンドミル加工が必要になるため、その加工コストが嵩む問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クランク式の無段変速機のコネクティングロッドに貫通孔を備えるものにおいて、コネクティングロッドの大端部を支持するベアリングのピーク荷重の低減効果を確保しながら、貫通孔の加工コストを削減することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸と、前記入力軸と平行に配置された出力軸と、前記出力軸に揺動可能に支持された揺動リンクと、前記出力軸および前記揺動リンク間に配置され、該揺動リンクが一方向に揺動したときに係合して他方向に揺動したときに係合解除するワンウェイクラッチと、前記入力軸と一体に偏心回転する偏心ディスクと、前記偏心ディスクの偏心量を変更する変速アクチュエータと、前記偏心ディスクおよび前記揺動リンクを接続するコネクティングロッドとを備え、前記コネクティングロッドは、前記偏心ディスクの外周面に設けたベアリングに支持される大端部と、前記揺動リンクに接続される小端部と、前記大端部および前記小端部を連結する連結部とを備え、前記連結部は、前記大端部の中心および前記小端部の中心を通る中心線上に軸方向両表面に貫通する円形の貫通孔を備えることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記貫通孔の数は1個であり、該貫通孔の中心は、前記中心線上であって前記小端部の中心よりも前記大端部の中心に近い位置にあることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、同一直径の第1〜第3の前記貫通孔を備え、前記第1の貫通孔は前記中心線上にあり、前記第2、第3の貫通孔は、前記第1の貫通孔を通って前記中心線に直交する直線上であって、前記第1の貫通孔を挟む位置にあることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記第1〜第3の貫通孔と同一直径の第4、第5の前記貫通孔を備え、前記第4、第5の貫通孔は、前記第1〜第3の貫通孔よりも前記小端部側において、前記第1〜第3の貫通孔に対して千鳥状に配置されることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、前記第1〜第5の貫通孔と同一直径の第6の貫通孔を備え、前記第6の貫通孔は、前記第4、第5の貫通孔よりも前記小端部側において、前記第4、第5の貫通孔に対して千鳥状に配置されることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項の構成に加えて、前記貫通孔はドリル加工により形成されることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
尚、実施の形態のボールベアリング20は本発明のベアリングに対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
請求項1の構成によれば、駆動源に接続された入力軸が回転すると、入力軸と一体に偏心回転する偏心ディスクに大端部を接続されたコネクティングロッドが往復運動し、コネクティングロッドの小端部に接続された揺動リンクが往復揺動する。揺動リンクが一方向に揺動するとワンウェイクラッチが係合し、揺動リンクが他方向に揺動するとワンウェイクラッチが係合解除するため、コネクティングロッドの往復運動が出力軸の一方向に回転運動に変換される。変速アクチュエータで偏心ディスクの偏心量を変更すると、コネクティングロッドの往復運動のストロークが変化して揺動リンクの揺動角が変化するため、入力軸の回転が変速されて出力軸に伝達される。
コネクティングロッドは、偏心ディスクの外周面に設けたベアリングに支持される大端部と、揺動リンクに接続される小端部と、大端部および小端部を連結する連結部とを備え、連結部は、大端部の中心および小端部の中心を通る中心線上に軸方向両表面に貫通する円形の貫通孔を備えるので、貫通孔によりコネクティングロッドを肉抜きして軽量化できるだけでなく、貫通孔によりコネクティングロッドの剛性を低下させることで、大端部を支持するベアリングに作用する荷重のピーク値を低減して寿命の延長を図ることができる。しかも貫通孔は円形であるため、エンドミル加工が不要になって加工コストの削減が可能になる。
また請求項2の構成によれば、貫通孔の数は1個であるため、貫通孔の加工が極めて容易であるだけでなく、貫通孔の中心は前記中心線上であって小端部の中心よりも大端部の中心に近い位置にあるので、大端部を支持するベアリングに作用する荷重のピーク値を効果的に低減することができる。
また請求項3の構成によれば、同一直径の第1〜第3の貫通孔を備え、第1の貫通孔は前記中心線上にあり、第2、第3の貫通孔は、第1の貫通孔を通って前記中心線に直交する直線上であって、第1の貫通孔を挟む位置にあるので、大端部を支持するベアリングに作用する荷重のピーク値を効果的に低減することができる。
また請求項4の構成によれば、第1〜第3の貫通孔と同一直径の第4、第5の貫通孔を備え、第4、第5の貫通孔は、第1〜第3の貫通孔よりも小端部側において、第1〜第3の貫通孔に対して千鳥状に配置されるので、大端部を支持するベアリングに作用する荷重のピーク値を一層効果的に低減することができる。
また請求項5の構成によれば、第1〜第5の貫通孔と同一直径の第6の貫通孔を備え、第6の貫通孔は、第4、第5の貫通孔よりも小端部側において、第4、第5の貫通孔に対して千鳥状に配置されるので、大端部を支持するベアリングに作用する荷重のピーク値をより一層効果的に低減することができる。
また請求項6の構成によれば、貫通孔はドリル加工により形成されるので、貫通孔の加工が極めて容易になって加工コストを大幅に削減することができる。
以下、図1〜図7に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEの駆動力を左右の車軸10,10を介して駆動輪W,Wに伝達する車両用動力伝達装置は、クランク式の無段変速機TおよびディファレンシャルギヤDを備える。
次に、図2〜図6に基づいて無段変速機Tの構造を説明する。
図2および図3に示すように、本実施の形態の無段変速機Tは同一構造を有する複数個(実施の形態では4個)の動力伝達ユニットU…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの動力伝達ユニットU…は平行に配置された共通の入力軸11および共通の出力軸12を備えており、入力軸11の回転が減速または増速されて出力軸12に伝達される。
以下、代表として一つの動力伝達ユニットUの構造を説明する。エンジンEに接続されて回転する入力軸11は、電動モータのような変速アクチュエータ14の中空の回転軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータ14のロータ14bは回転軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータ14の回転軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータ14の回転軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。
コネクティングロッド19は、大端部19aおよび小端部19bを備えており、大端部19aは偏心ディスク18の外周にボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合し、小端部19bは出力軸12の外周に揺動可能支持された揺動リンク13にピン26を介して枢支される。
出力軸12および揺動リンク13間に配置されたワンウェイクラッチ21は、揺動リンク13の内周面に圧入された環状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22とインナー部材23との間に形成された楔状の空間に配置されてエンゲージスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。
図2から明らかなように、4個の動力伝達ユニットU…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の動力伝達ユニットUで90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の動力伝達ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の動力伝達ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の動力伝達ユニットU,Uの偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
図1〜図6ではコネクティングロッド19の形状が模式的に示されているが、以下、コネクティングロッド19の実際の形状を図7(A)に基づいて詳細に説明する。
コネクティングロッド19は大端部19aおよび小端部19bに挟まれた三角形状の連結部19c備えており、連結部19cには1個の円形の貫通孔19dが軸方向に貫通するように形成される。貫通孔19dの中心Ohは、大端部19aの中心Obおよび小端部19bの中心Osを結ぶ中心線C上であって、小端部19bの中心Osよりも大端部19aの中心Obに近い位置にある。言い換えると、貫通孔19dの中心Ohは、大端部19aの中心Obおよび小端部19bの中心Osの中点よりも、大端部19aの中心Ob側にある。貫通孔19dは円形であるため、ドリル加工により容易に形成することができる。
次に、上記構成を備えた本発明の第1の実施の形態の作用を説明する。
先ず、無段変速機Tの一つの動力伝達ユニットUの作用を説明する。変速アクチュエータ14の回転軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最大になって無段変速機TのレシオはTOP状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最小になって無段変速機TのレシオはLOW状態になる。
図5に示すTOP状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周に大端部19aをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、その小端部19bにピン26で枢支された揺動リンク13を反時計方向(矢印B参照)に揺動させる。図5(A)および図5(C)は、揺動リンク13の前記矢印B方向の揺動の両端を示している。
このようにして揺動リンク13が矢印B方向に揺動すると、ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して出力軸12に伝達されるため、出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周に大端部19aをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、その小端部19bにピン26で枢支された揺動リンク13を時計方向(矢印B′参照)に揺動させる。図5(C)および図5(A)は、揺動リンク13の前記矢印B′方向の揺動の両端を示している。
このようにして揺動リンク13が矢印B′方向に揺動すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がエンゲージスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして出力軸12は回転しない。
以上のように、揺動リンク13が往復揺動したとき、揺動リンク13の揺動方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、出力軸12は間欠回転することになる。
図6は、LOW状態で無段変速機Tを運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量はゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量がゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、出力軸12は回転しない。
従って、変速アクチュエータ14を駆動してキャリヤ16の位置を図3のTOP状態と図4のLOW状態との間に設定すれば、ゼロレシオおよび所定レシオ間の任意のレシオでの運転が可能になる。
無段変速機Tは、並置された4個の動力伝達ユニットU…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の動力伝達ユニットU…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個のワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、出力軸12を連続回転させることができる。
ところで、入力軸11の回転に伴ってコネクティングロッドが出力軸12側に移動するときに駆動力を伝達する場合には、つまりコネクティングロッド19の押し荷重によって駆動力を伝達する場合には、偏心ディスク18にコネクティングロッド19の大端部19aを支持するボールベアリング20の多数のボールのうち、小端部19b側に位置する半数のボールだけに荷重が作用し、それと反対側に位置する半数のボールには荷重が作用しない。
図8(A)は比較例のコネクティングロッド19を示すもので、このコネクティングロッド19の連結部19cは貫通孔19dを備えていない。図8(B)の横軸は、ボールベアリング20の小端部19bから最も遠い側をθ=0とし、そこから反時計方向に測った各位置においてボールベアリング20のボールが受ける荷重の変化を示すグラフである。コネクティングロッド19が圧縮荷重で駆動力を伝達する場合、ボールベアリング20の荷重は0°≦θ<90°の範囲および270°<θ≦360°の範囲でゼロであり、90°≦θ≦270°の範囲で荷重が発生するが、比較例ではθ=180°の近傍で大きなピーク荷重が発生する。
図7(B)には、本実施の形態のコネクティングロッド19のボールベアリング20のボールが受ける荷重の変化を示すグラフが示される。連結部19cに貫通孔19dを形成したことで、コネクティングロッド19に加わる圧縮荷重は貫通孔19dの両側のブリッジ部a,bを介してボールベアリング20に伝達されるため、ボールベアリング20のブリッジ部a,bに臨む部分において荷重が局部的に増加して二山のピーク荷重が発生しているが、ピーク荷重が二山に分散されたことで、図8(B)に示す比較例に比べて荷重のピーク値が低減していることが分かる。特に、貫通孔19dの中心Ohが、大端部19aの中心Obおよび小端部19bの中心Osの中点よりも大端部19aの中心Ob側にあることで、荷重のピーク値が低減効果が高められる。
以上のように、本実施の形態によれば、コネクティングロッド19の連結部19cに円形の貫通孔19dを形成したことで、コネクティングロッド19の大端部19aを支持するボールベアリング20のボールに加わる荷重のピーク値を低減することができる。しかも円形の貫通孔19dは容易にドリル加工することができるので、非円形の貫通孔をエンドミル加工する場合に比べて加工コストを大幅に削減することができる。
次に、図9(A)および図9(B)に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態のコネクティングロッド19は、1個の貫通孔19dだけを備えているが、第2の実施の形態のコネクティングロッド19は、大端部19aの中心Obおよび小端部19bの中心Osを結ぶ中心線Cに関して上下対称配置された同一直径の6個の貫通孔19d…を備えている。即ち、6個の貫通孔19d…は中心線Cに直交する3本の直線上に千鳥状に配置されるもので、最も大端部19a側の直線上には3個の貫通孔19d…が配置され、次の直線上には2個の貫通孔19d,19dが配置され、最も小端部19b側の直線上には1個の貫通孔19dが配置される。6個の貫通孔19d…は円形断面であり、ドリル加工により容易に形成することができる。
以上のように、コネクティングロッド19の三角形状の連結部19cに6個の貫通孔19d…を三角形状に配置したことで、連結部19cの剛性が低下してボールベアリング20のボールが受ける荷重のピーク値が低減する。本実施の形態によれば、図7(B)に示す第1の実施の形態の荷重の分布に比べ、二山のピーク荷重が消滅することで荷重のピーク値が更に低減していることが分かる。
次に、図10(A)および図10(B)に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態のコネクティングロッド19は、3列6個の貫通孔19d…が三角形状に配置されているが、第3の実施の形態のコネクティングロッド19は、5列15個の貫通孔19d…が三角形状に配置されている。図7(B)の第1の実施の形態、図9(B)の第2の実施の形態および図10(B)の第3の実施の形態を比較すると、第3の実施の形態のピーク荷重は、第1の実施の形態のピーク荷重よりも低減しているが、第2の実施の形態のピーク荷重よりも増加していることが分かる。その理由は、貫通孔19d…の数が極端に増加すると個々の貫通孔19dの直径が小さくなり、連結部19cの剛性を低下させる効果が薄れるためである。よって、加工コストとの兼ね合いで、貫通孔19d…の数は3列6個が適切であると考えられる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明のベアリングは実施の形態のボールベアリング20に限定されず、ニードルベアリング、ローラベアリング、プレーンベアリング等の任意のベアリングであっても良い。
また貫通孔19d…の配置は実施の形態に限定されるものではなく、任意の配置を採用することができる。一例を挙げると、第2の実施の形態の3列6個の貫通孔19d…のうち、大端部19a側の2列5個の貫通孔19d…だけを形成しても良く、大端部19a側の1列3個の貫通孔19d…だけを形成しても良い。
11 入力軸
12 出力軸
13 揺動リンク
14 変速アクチュエータ
18 偏心ディスク
19 コネクティングロッド
19a 大端部
19b 小端部
19c 連結部
19d 貫通孔
20 ボールベアリング(ベアリング)
21 ワンウェイクラッチ
C 中心線
E エンジン(駆動源)
Ob 大端部の中心
Os 小端部の中心
Oh 貫通孔の中心
12 出力軸
13 揺動リンク
14 変速アクチュエータ
18 偏心ディスク
19 コネクティングロッド
19a 大端部
19b 小端部
19c 連結部
19d 貫通孔
20 ボールベアリング(ベアリング)
21 ワンウェイクラッチ
C 中心線
E エンジン(駆動源)
Ob 大端部の中心
Os 小端部の中心
Oh 貫通孔の中心
Claims (6)
- 駆動源(E)に接続された入力軸(11)と、
前記入力軸(11)と平行に配置された出力軸(12)と、
前記出力軸(12)に揺動可能に支持された揺動リンク(13)と、
前記出力軸(12)および前記揺動リンク(13)間に配置され、該揺動リンク(13)が一方向に揺動したときに係合して他方向に揺動したときに係合解除するワンウェイクラッチ(21)と、
前記入力軸(11)と一体に偏心回転する偏心ディスク(18)と、
前記偏心ディスク(18)の偏心量を変更する変速アクチュエータ(14)と、
前記偏心ディスク(18)および前記揺動リンク(13)を接続するコネクティングロッド(19)とを備え、
前記コネクティングロッド(19)は、前記偏心ディスク(18)の外周面に設けたベアリング(20)に支持される大端部(19a)と、前記揺動リンク(13)に接続される小端部(19b)と、前記大端部(19a)および前記小端部(19b)を連結する連結部(19c)とを備え、前記連結部(19c)は、前記大端部(19a)の中心(Ob)および前記小端部(19b)の中心(Os)を通る中心線(C)上に軸方向両表面に貫通する円形の貫通孔(19d)を備えることを特徴とする車両用動力伝達装置。 - 前記貫通孔(19d)の数は1個であり、該貫通孔(19d)の中心(Oh)は、前記中心線(C)上であって前記小端部(19b)の中心(Os)よりも前記大端部(19a)の中心(Ob)に近い位置にあることを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
- 同一直径の第1〜第3の前記貫通孔(19d)を備え、前記第1の貫通孔(19d)は前記中心線(C)上にあり、前記第2、第3の貫通孔(19d)は、前記第1の貫通孔(19d)を通って前記中心線(C)に直交する直線上であって、前記第1の貫通孔(19d)を挟む位置にあることを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
- 前記第1〜第3の貫通孔(19d)と同一直径の第4、第5の前記貫通孔(19d)を備え、前記第4、第5の貫通孔(19d)は、前記第1〜第3の貫通孔(19d)よりも前記小端部(19b)側において、前記第1〜第3の貫通孔(19d)に対して千鳥状に配置されることを特徴とする、請求項3に記載の車両用動力伝達装置。
- 前記第1〜第5の貫通孔(19d)と同一直径の第6の貫通孔(19d)を備え、前記第6の貫通孔(19d)は、前記第4、第5の貫通孔(19d)よりも前記小端部(19b)側において、前記第4、第5の貫通孔(19d)に対して千鳥状に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の車両用動力伝達装置。
- 前記貫通孔(19d)はドリル加工により形成されることを特徴とする、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
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- 2013-03-29 JP JP2013072691A patent/JP2014196791A/ja active Pending
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