JP2014196231A - 含窒素カーボンアロイの製造方法、含窒素カーボンアロイ、燃料電池触媒 - Google Patents

含窒素カーボンアロイの製造方法、含窒素カーボンアロイ、燃料電池触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】高い酸素還元活性を有する含窒素カーボンアロイの製造方法、含窒素カーボンアロイ、燃料電池触媒を提供する。【解決手段】本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法は、少なくとも1つの複素芳香族基を有する窒素含有化合物と、無機金属塩を含む前駆体を焼成する工程を含み、窒素含有化合物は、共役ヘテロ環を含み、共役ヘテロ環の環構成原子数は12以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、含窒素カーボンアロイの製造方法、含窒素カーボンアロイ、および、燃料電池触媒に関する。具体的には、本発明は、窒素含有化合物と無機金属塩とを含む前駆体を焼成する工程を含む含窒素カーボンアロイの製造方法、かかる方法によって得られた含窒素カーボンアロイ、含窒素カーボンアロイを用いた燃料電池触媒に関する。
従来、白金(Pt)やパラジウム(Pd)等を用いる貴金属系触媒は、高い酸素還元活性を有する触媒として、例えば自動車や家庭用電熱併給システム等に使用される固体高分子電解質形燃料電池に用いられてきた。しかし、このような貴金属系触媒は高コストであるため、さらなる普及が難しくなっているのが現状である。
このため、白金を大幅に低減した触媒や、白金を使用することなく形成された触媒の技術開発が進められている。
白金を使用することなく形成され得る触媒としては、炭素触媒が知られている。炭素触媒としては、窒素含有化合物を熱処理することによって得られる含窒素カーボンアロイなどが知られている。例えば、特許文献1には、ポルフィリン錯体の含有物を変性処理させて得られる変性物(含窒素カーボンアロイ)が開示されている。ここでは、ポルフィリン錯体は、中心に金属元素を有しており、金属元素とポルフィリンは強固な配位結合で結合している。
しかし、金属元素を有する金属錯体は、精製が困難であり、含窒素金属錯体に熱を加えた際に、含窒素配位子の分解速度と配位金属錯体の気化速度の制御がしにくいため、目的とする含窒素カーボンアロイを製造することが困難である。このため、例えば、特許文献2のように中心金属を有さない窒素含有化合物を含む有機材料を用いて含窒素カーボンアロイを製造することが提案されている。
特開2012−110811号公報 特開2011−225431号公報
中心金属を有さない含窒素カーボンアロイの精製は比較的容易であり、得られた含窒素カーボンアロイはある程度高い酸素還元活性を発揮することができる。しかしながら、近年の燃料電池等の用途では、さらに高い酸素還元活性を有することが求められており、従来の含窒素カーボンアロイが有する酸素還元活性では不十分な場合があった。このため、より高い酸素還元活性を発揮できる含窒素カーボンアロイを製造することが求められていた。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、より高い酸素還元活性を有する含窒素カーボンアロイを製造することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、少なくとも1つの複素芳香環と共役ヘテロ環を有し、共役ヘテロ環の環構成原子数は12以上である窒素含有化合物と、無機金属塩を含む前駆体を焼成する工程を経て含窒素カーボンアロイを製造することにより、高い酸素還元活性能を有する含窒素カーボンアロイを得ることができることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 窒素含有化合物と、無機金属塩を含む前駆体を焼成する工程を含み、
窒素含有化合物は、少なくとも1つの複素芳香環と共役ヘテロ環を有し、共役ヘテロ環の環構成原子数は12以上であることを特徴とする含窒素カーボンアロイの製造方法。
[2] 窒素含有化合物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする[1]に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法;
Figure 2014196231
一般式(1)中、L1〜L4は、それぞれ独立に連結基、単結合または二重結合を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表し、L1〜L4の少なくとも1つは複素芳香族基を有する連結基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。
[3] 一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(2)で表されることを特徴とする[2]に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法;
Figure 2014196231
一般式(2)中、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表し、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。
[4] 一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(3)で表されることを特徴とする[2]に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法;
Figure 2014196231
一般式(3)中、R1〜R4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表し、R1〜R4の少なくとも1つは複素芳香族基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは、複素芳香環を含む。
[5] 一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(4)で表されることを特徴とする[2]に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法;
Figure 2014196231
一般式(4)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表し、R1、R2およびR4の少なくとも1つは複素芳香族基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。
[6] 一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(5)で表されることを特徴とする[2]に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法;
Figure 2014196231
一般式(5)中、R2およびR4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表し、R2およびR4の少なくとも1つは複素芳香族基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。
[7] 一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(6)で表されることを特徴とする[2]に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法;
Figure 2014196231
一般式(6)中、R1およびR3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表し、R1およびR3の少なくとも1つは複素芳香族基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。
[8] 複素芳香環および複素芳香族基を構成する複素芳香環は、6員の複素芳香環であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
[9] 複素芳香環および複素芳香族基を構成する複素芳香環は、ピリジン環またはピリミジン環であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
[10] 窒素含有化合物は、複素芳香環を2つ以上有することを特徴とする[1]〜[9]のいずれかに記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
[11] 共役ヘテロ環は、ポルフィリン環であることを特徴とする[1]〜[10]のいずれかに記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
[12] 窒素含有化合物は、金属錯体を除くピリジルポルフィリン、および、金属錯体を除くピリジルポルフィリンの塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[11]のいずれかに記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
[13] 前駆体は、有機金属錯体をさらに含むことを特徴とする[1]〜[12]のいずれかに記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
[14] 有機金属錯体は、β―ジケトン金属錯体であることを特徴とする[13]に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
[15] 有機金属錯体は、アセチルアセトン鉄(II)錯体であることを特徴とする[13]または[14]に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
[16] 無機金属塩は、無機金属塩化物であることを特徴とする[1]〜[15]のいずれかに記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
[17] 無機金属塩の金属種が、FeまたはCoであることを特徴とする[1]〜[16]のいずれかに記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
[18] 無機金属塩は、含水塩であることを特徴とする[1]〜[17]のいずれかに記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
[19] 焼成する工程は、前駆体を400℃以上で焼成する工程であることを特徴とする[1]〜[18]のいずれかに記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
[20]
焼成する工程の後に、焼成された含窒素カーボンアロイを酸で洗浄する酸洗浄工程を含むことを特徴とする[1]〜[19]のいずれかに記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
[21] [1]〜[20]のいずれかに記載の方法で製造された含窒素カーボンアロイ。
[22] [21]に記載の含窒素カーボンアロイを用いた燃料電池触媒。
本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法によれば、十分に高い酸素還元活性を有する含窒素カーボンアロイを得ることができる。このため、本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法により得られた含窒素カーボンアロイは、炭素触媒として使用することができ、例えば、燃料電池触媒や環境触媒に好ましく用いられる。
本発明の含窒素カーボンアロイを用いた燃料電池の概略構成図である。 本発明の含窒素カーボンアロイを用いた電気二重層キャパシタの概略構成図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明における置換基とは、置換可能な基であればよく、例えばハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子又は沃素原子)、ヒドロキシ基、シアノ基、脂肪族基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、アリール基(置換する位置は問わない)、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、脂肪族オキシ基(アルコキシ基又は、アルキレンオキシ基、エチレンオキシ基若しくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族カルボニル基、アリールカルボニル基、ヘテロ環カルボニル基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニルカルバモイル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、脂肪族カルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、スルファモイルアミノ基、アシルスルファモイルアミノ基、オキサモイルアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、カルバモイルアミノ基、メルカプト基、脂肪族チオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、スルファモイル基、脂肪族スルホニルウレイド基、アリールスルホニルウレイド基、ヘテロ環スルホニルウレイド基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルファモイル基、アリールスルファモイル基、ヘテロ環スルファモイル基、アシルスルファモイル基、スルフォニルスルファモイル基又はその塩、カルバモイルスルファモイル基、スルホンアミド基、脂肪族ウレイド基、アリールウレイド基、ヘテロ環ウレイド基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、ニトロ基、ニトロソ基、ジアゾ基、アゾ基、ヒドラジノ基、ジ脂肪族オキシホスフィニル基、ジアリールオキシホスフィニル基、シリル基(例えばトリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)、シリルオキシ基(例えばトリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ボロノ基、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基)等を挙げることができる。これらの置換基群はさらに置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基から選択される基を挙げることができる。
[含窒素カーボンアロイの製造方法]
本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法(以下、本発明の製造方法とも言う)は、窒素含有化合物と、無機金属塩を含む前駆体を焼成する工程を含む。窒素含有化合物は、少なくとも1つの複素芳香環と共役ヘテロ環を有し、共役ヘテロ環の環構成原子数は12以上である。
本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法において、前駆体を焼成する工程は、
(1)窒素含有化合物と、Fe、Co、Ni、MnおよびCrのうち1種類以上を含む無機金属塩を混合して前駆体を調製する工程と、
(2)前駆体を不活性雰囲気下で室温から炭素化温度まで毎分1℃以上1000℃以下で昇温する昇温工程と、
(3)400℃〜1000℃まで、0.1〜100時間保持する炭素化工程と、
(4)炭素化温度から室温まで冷却する冷却工程を含んでいることが好ましい。
また、前駆体を焼成する工程では、
(5)炭素化処理後に、含窒素カーボンアロイを室温まで冷却した後、粉砕処理を行ってもよい。
さらに、本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法は焼成工程の後に、
(6)焼成された含窒素カーボンアロイを酸で洗浄する工程を含むことが好ましく、(7)酸洗浄工程の後に、酸洗浄された含窒素カーボンアロイを再焼成する工程を含むことがより好ましい。
以下、本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法について、以上の(1)〜(7)の工程を順に説明する。
(1)前駆体の調製工程
前駆体の調製工程では、窒素含有化合物と、無機金属塩を混合して前駆体を調製する。以下では、窒素含有化合物と無機金属塩について詳細に説明する。
<窒素含有化合物>
窒素含有化合物は窒素を含む化合物であり、窒素含有化合物は少なくとも1つの複素芳香環と共役ヘテロ環を有する。なお、共役ヘテロ環の環構成原子数は12以上である。
本発明では、窒素含有化合物には窒素を含む金属錯体を含まないものとする。これは、含窒素金属錯体は、精製が困難であり、含窒素配位子と金属錯体の組成比が一定であるため、焼成時に分解した際、含窒素配位子の分解速度と配位金属錯体の気化速度の制御ができず目的とする含窒素カーボンアロイを得ることが難しいためである。また、中心金属を有する含窒素カーボンアロイは、触媒として用いた時に触媒活性が低下するためである。たとえ、含窒素金属錯体と低分子有機化合物とを混ぜ合わせたとしても、含窒素金属錯体結晶が分解し、金属が直接還元を被るため、生成した近接金属同士が凝集結晶化しやすくなる。酸洗浄により金属が除去されてしまうため、得られる含窒素カーボンアロイが不均一になるため求める機能が低減するという不具合が生じる。
窒素含有化合物は、下記一般式(1)で表されることが好ましい。なお、窒素含有化合物には、下記一般式(1)で表される化合物の互変異性体、ならびに、それらの塩またはそれらの水和物が含まれるものとする。
Figure 2014196231
ここで、一般式(1)中、L1〜L4は、それぞれ独立に連結基、単結合または二重結合を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表す。ただし、L1〜L4の少なくとも1つは複素芳香族基を有する連結基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。なお、一般式(1)中の結合手に沿って記載されている点線(Z1〜Z4を構成している点線を除く)は、二重結合であってもよいことを示している。
一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(2)で表されることが好ましい。
Figure 2014196231
ここで、一般式(2)中、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表す。ただし、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。
また、一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(3)で表されることが好ましい。
Figure 2014196231
ここで、一般式(3)中、R1〜R4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表す。ただし、R1〜R4の少なくとも1つは複素芳香族基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは、複素芳香環を含む。
また、一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(4)で表されることが好ましい。
Figure 2014196231
ここで、一般式(4)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表す。ただし、R1、R2およびR4の少なくとも1つは複素芳香族基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。
さらに、一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(5)で表されることが好ましい。
Figure 2014196231
ここで、一般式(5)中、R2およびR4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表す。ただし、R2およびR4の少なくとも1つは複素芳香族基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。
さらに、一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(6)で表されることが好ましい。
Figure 2014196231
ここで、一般式(6)中、R1およびR3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表す。ただし、R1およびR3の少なくとも1つは複素芳香族基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。
本発明では、複素芳香環および複素芳香族基を構成する複素芳香環は、ピリジル基、キナゾリル基、ピリミジル基、ピロリル基、イミダゾール基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基等の置換もしくは無置換の窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1〜3個のへテロ原子を含む5〜7員環のヘテロ環とすることができる。中でも、複素芳香環および複素芳香族基を構成する複素芳香環は、6員の複素芳香環であることが好ましい。すなわち、一般式(1)〜(6)において、L1〜L4で表される複素芳香族基を有する連結基を構成する複素芳香環は、6員の複素芳香環であることが好ましい。また、Z1〜Z4で表される複素芳香環は6員の複素芳香環であることが好ましい。さらに、R1〜R4で表される複素芳香族基を構成する複素芳香環は、6員の複素芳香環であることが好ましい。
また、本発明では、複素芳香環および複素芳香族基を構成する複素芳香環は、ピリジン環またはピリミジン環であることが好ましい。すなわち、一般式(1)において、L1〜L4で表される複素芳香族基を有する連結基を構成する複素芳香環は、ピリジン環またはピリミジン環であることが好ましい。また、(1)〜(6)において、Z1〜Z4で表される複素芳香環はピリジン環またはピリミジン環であることが好ましい。さらに、(3)〜(6)において、R1〜R4で表される複素芳香族基を構成する複素芳香環は、ピリジン環またはピリミジン環であることが好ましい。
本発明において用いることができる窒素含有化合物は、複素芳香環を2つ以上有することが好ましく、複素芳香環を3つ以上有することがより好ましく、複素芳香環を4つ有することがさらに好ましい。窒素含有化合物が複素芳香環を一定個数以上有することにより、金属種(M)と複素芳香環の錯体が形成しやすくなる。このため、酸素還元反応(ORR)活性部位を高密度で形成することができ、高い酸素還元活性を有することができる。
さらに、金属種(M)と複素芳香環が相互作用する際に、窒素含有化合物が複素芳香環を2個数以上有すると、複素芳香環同志が配列・配向するため、酸素還元反応(ORR)活性部位が高密度かつ制御された構造体を形成することができるため、より高い酸素還元活性を有することができる。
なお、一般式(1)において、L1〜L4の少なくとも1つは複素芳香族基を有する連結基であることが好ましく、L1〜L4のうち2つ以上が複素芳香族基を有する連結基であることがより好ましく、L1〜L4のうち3つ以上が複素芳香族基を有する連結基であることがさらに好ましく、L1〜L4の全てが複素芳香族基を有する連結基であることが特に好ましい。なお、L1〜L4が複素芳香族基を有する連結基でない場合は、L1〜L4は、それぞれ独立に連結基、単結合または二重結合とすることができる。連結基の具体例としては、例えば、−NR8−(R8は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、水素原子が好ましい)で表される基、−SO2−、−CO−、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、アルキニレン基、置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のビフェニレン基、置換もしくは無置換のナフチレン基、−O−、−S−および−SO−ならびにこれらを2つ以上組み合わせて得られる基が挙げられる。
また、一般式(1)〜(6)において、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含むことが好ましく、Z1〜Z4ののうち2つ以上が複素芳香環を含むことがより好ましく、Z1〜Z4のうち3つ以上が複素芳香環を含むことがさらに好ましく、Z1〜Z4のうち全てが複素芳香環を含むことが特に好ましい。なお、Z1〜Z4が複素芳香環を含まない場合は、窒素原子を含むヘテロ環とすることができる。ヘテロ環として、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ピロール環、インドール環、ピラゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、イミダゾール環、チアゾール環などが挙げられる。
一般式(3)〜(6)において、R1〜R4の少なくとも1つは複素芳香族基であることが好ましく、R1〜R4のうち2つ以上が複素芳香族基であることがより好ましく、R1〜R4のうち3つ以上が複素芳香族基であることがさらに好ましく、R1〜R4のうち全てが複素芳香族基であることが特に好ましい。なお、一般式(4)においては、R1、R2およびR4の少なくとも1つは複素芳香族基であることが好ましく、R1、R2およびR4のうち2つ以上が複素芳香族基であることがより好ましく、R1、R2およびR4の全てが複素芳香族基であることが特に好ましい。また、一般式(5)においては、R2およびR4の少なくとも1つは複素芳香族基であることが好ましく、R2およびR4が複素芳香族基であることがより好ましい。また、一般式(6)においては、R1およびR3の少なくとも1つは複素芳香族基であることが好ましく、R1およびR3が複素芳香族基であることがより好ましい。
1〜R4が複素芳香族基でない場合は、R1〜R4は水素原子または置換可能な置換基とすることができる。R1〜R4が複素芳香族基でない場合はR1〜R4が取り得る好ましい置換基の具体例として、ハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子又は沃素原子)、ヒドロキシ基、シアノ基、脂肪族基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、ビニル基、アリル基、アセチレニル基、アリール基(置換する位置は問わない)、アシル基、脂肪族オキシ基(アルコキシ基又は、アルキレンオキシ基、エチレンオキシ基若しくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族カルボニル基、アリールカルボニル基、ヘテロ環カルボニル基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニルカルバモイル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、脂肪族カルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、スルファモイルアミノ基、アシルスルファモイルアミノ基、オキサモイルアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、カルバモイルアミノ基、メルカプト基、脂肪族チオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、スルファモイル基、脂肪族スルホニルウレイド基、アリールスルホニルウレイド基、ヘテロ環スルホニルウレイド基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルファモイル基、アリールスルファモイル基、ヘテロ環スルファモイル基、アシルスルファモイル基、スルフォニルスルファモイル基又はその塩、カルバモイルスルファモイル基、スルホンアミド基、脂肪族ウレイド基、アリールウレイド基、ヘテロ環ウレイド基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、ニトロ基、ニトロソ基、ジアゾ基、アゾ基、ヒドラジノ基、ジ脂肪族オキシホスフィニル基、ジアリールオキシホスフィニル基、シリル基(例えばトリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)、シリルオキシ基(例えばトリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ボロノ基、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基)等を挙げることができる。
不飽和基を含有する置換基がより好ましく、ビニル基、アリル基、アセチレニル基、アリール基(フェニル基、ナフチル基、フェナンスレン基、アントラセニル基、トリフェニル基、ピレニル基、ペリレニル基、ベンズヒドリル基、ベンジル基、シナミル基、クメニル基、メチシル基、フェニルエチル基、スチリル基、トリル基、トリチル基、キシリル基)がさらに好ましい。これらの置換基群はさらに置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基および複素芳香族基(置換する位置は問わない)から選択される基を挙げることができる。
上述した複素芳香環および複素芳香族基を構成する複素芳香環は、ピリジン環またはピリミジン環であることが好ましい。複素芳香環および複素芳香族基を構成する複素芳香環がピリジン環またはピリミジン環である場合、ピリジン環またはピリミジン環において、窒素原子は環の結合位から見てパラ位にあることが好ましい。このような位置に窒素原子を配置することにより、金属種(M)と複素芳香環の錯体が形成しやすくなる。他方、酸素還元反応(ORR)活性部位を形作る置換基の配向を制御することが可能になるため、酸素還元反応(ORR)活性部位を高密度で形成することができ、高い酸素還元活性を有することができる。
本発明では、窒素含有化合物は共役ヘテロ環を有し、共役ヘテロ環の環構成原子数は12以上であればよく、14以上であることが好ましく、16以上であることがより好ましい。
また、本発明では、共役ヘテロ環はポルフィリン環であることが好ましい。すなわち、本発明で用いる窒素含有化合物はピリジルポルフィリンおよびその塩であることが特に好ましい。なお、ピリジルポルフィリンおよびその塩には、金属錯体は含まれないものとする。
一般式(1)で表される窒素含有化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。但し、本発明は以下の具体例により限定されるものではない。
Figure 2014196231
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上述した窒素含有化合物は、π−π相互作用、配位結合、電荷移動相互作用および水素結合より選択される2つ以上の結合又は相互作用により結晶構造を形成していることが好ましい。結晶構造を形成した低分子化合物を用いることにより分子間相互作用を向上させて、含窒素カーボンアロイを得る際の焼成時の気化を抑制することができるためである。
ここで言う結晶構造とは結晶中の分子の配列様式・配置様式のことをいう。言い換えると、結晶構造は単位格子の繰り返し構造からなり、分子はこの単位胞内の任意の部位に配置して、配向をしている。また、結晶中において、分子は均一な様体をなしている。すなわち、結晶中の官能基の配置が均一であるため、分子の各相互作用は、単位胞内もしくは単位胞外で同一である。たとえば、積層構造を有する窒素含有化合物の場合、芳香環、複素環、縮合多環、縮合複素多環、不飽和基(ニトリル基、ビニル基、アリル基、アセチレン基)等には相互作用(例えば芳香環はface−to−faceでπ−π相互作用(π−πスタック))が生じる。これらの環や基における不飽和結合由来の炭素のSP2軌道もしくはSP軌道が分子間で規則正しく等間隔で重なることで積層し、積層カラム構造を形成する。
さらにこの積層カラム構造において、隣接する積層カラム間は水素結合またはファンデルワールス相互作用により、分子間距離が規定された均一な構造を有する。このため、結晶内の熱伝達が容易に達成される効果を有する。
本発明に用いる窒素含有化合物は結晶性を有していることが好ましい。窒素含有化合物は結晶性が結晶性を有することにより、化合物は焼成時に配向が制御できることから、均一な炭素材料となるため好ましい。
窒素含有化合物は、さらに融点が25℃以上であることが好ましい。融点が25℃未満であると、焼成時に耐熱性に寄与する空気層が存在せず、温度と蒸気圧の関係から沸騰もしくは突沸してしまい、炭素材料を得ることができない。
窒素含有化合物は、分子量が60〜2000であることが好ましく、100〜1500であることがより好ましく、130〜1000であることが特に好ましい。分子量を上記範囲とすることで、焼成前の精製が容易となる。
なお、窒素含有化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、後述する無機金属塩以外の窒素含有化合物中の金属含有量は10質量ppm以下であることが好ましい。
窒素含有化合物の窒素含率は、0.1質量%〜55質量%であることが好ましく、1質量%〜30質量%であることがより好ましく、さらに4質量%〜20質量%であることが特に好ましい。上記範囲で窒素原子(N)を含有する化合物を使用することにより、別途窒素源となる化合物を導入する必要がなく、結晶エッジに規則正しく窒素原子と金属が均一に位置して、窒素と金属が相互作用しやすくなる。これにより窒素原子と金属の組成比がより高酸素還元活性を有する組成比となり得る。
また、窒素含有化合物は、窒素雰囲気下で400℃におけるΔTGが−95%〜−0.1%である難揮発性化合物であることが好ましい。窒素含有化合物の上記ΔTGは、−95%〜−1%がより好ましく、−90%〜−5%が特に好ましい。窒素含有化合物は、焼成時に気化しないで、炭素化する難揮発性化合物であることが好ましい。
ここで、ΔTGは窒素含有化合物および無機金属塩との混合物のTG−DTA測定において、窒素を毎分100mL流通下、30℃から1000℃まで毎分10℃で昇温した際、室温(30℃)における質量を基準にした400℃での質量減少率を指す。
窒素含有化合物は、一般式(1)で表される構造の顔料であることも好ましい。
顔料は分子間でπ−π相互作用により、積層カラム構造を形成し、積層カラム間を水素結合又はファンデルワールス相互作用により、分子間距離が規定された均一な構造を有するため、結晶内の熱伝達が容易に達成される効果を有する。また、結晶性を有し、熱に対してフォノン(量子化された格子振動)することにより振動緩和され耐熱性を有する。そのため分解温度が炭素化温度まで保持され、分解物の気化が低減されて炭素化が達成される効果を有する。
なかでも、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料、オキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、キノフタロン系顔料、および上記顔料をラテント化したラテント顔料、また染料を金属イオンで顔料化したレーキ顔料等の顔料が好ましく、ジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、および上記顔料をラテント化したラテント顔料(後述)がより好ましい。これらの顔料を焼成すると、分解生成するベンゾニトリル(Ph−CN)骨格が反応活性種となり、より高い酸素還元反応活性を有するカーボンアロイ触媒が生成するからである。また金属種(M)が共存することによりPh−CN…Mの錯体を形成し、さらに高酸素還元反応活性な含窒素カーボンアロイが生成する。
<無機金属塩>
上述した前駆体の調製には、無機金属塩が用いられる。無機金属塩としては、特に限定はされないが、水酸化物、酸化物、窒化物、硫酸化物、亜硫酸化物、硫化物、スルホン化物、カルボニル化物、硝酸化物、亜硝酸化物、ハロゲン化物等とすることができる。好ましくは対イオンがハロゲンイオン、硝酸イオン又は硫酸イオンである。対イオンがハロゲンイオン、硝酸イオン又は硫酸イオンであるハロゲン化物、硝酸化物、又は硫酸化物であれば、加熱分解時に生成した炭素表面で炭素と結合し、比表面積を増大させることができるため好ましい。
本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法は、無機金属塩がハロゲン化物であることが好ましく、無機金属塩化物であることが特に好ましい。
また、無機金属塩は結晶水を含むことができる。無機金属塩が結晶水を含むことにより熱伝導率が向上するため、均一に焼成可能になる点で好ましい。結晶水を含む無機金属塩としては、例えば、塩化コバルト(III)含水塩、塩化鉄(III)含水塩、塩化コバルト(II)含水塩、塩化鉄(II)含水塩を好適に使用することができる。
無機金属塩の金属種は、Fe、Co、Ni、MnおよびCrのうち少なくとも1種類であることが好ましく、FeまたはCoであることがより好ましい。Fe、Co、Ni、Mn、Crの塩は、炭素触媒の触媒活性を向上させるナノサイズのシェル構造を形成することに優れ、その中でも特に、Co、Feは、ナノサイズのシェル構造を形成することに優れるため好ましい。また、炭素触媒に含有されたCo、Feは、炭素触媒中において触媒の酸素還元活性を向上させることができる。遷移金属として最も好ましくはFeである。Fe含有含窒素カーボンアロイは立上り電位が高く、反応電子数がCoよりも高く、燃料電池の耐久性を比較的向上させることができる。なお、炭素触媒の活性を阻害しない限り、遷移金属以外の元素(例えば、B、アルカリ金属(Na,K,Cs)、アルカリ土類(Mg,Ca,Ba)、鉛、スズ、インジウム、タリウム等)が1種類以上含まれてもよい。
本発明では、前駆体には、前駆体中に含まれる窒素含有化合物と無機金属塩の合計(但し、合計には水和水の質量を含める)に対して、無機金属塩(但し、ここでいう無機金属塩には水和水の質量を含める)は、5質量%を超えて含まれることが好ましい。これにより、窒素原子との相互作用によって、より高い酸素還元活性を有する含窒素カーボンアロイが生成し得る。窒素含有化合物を含む有機材料を焼成することにより、窒素含有化合物が分解し、生成した分解生成物が気相中で含窒素カーボンアロイ触媒が形成される。その際に、気相中に金属が近傍に存在すると、分解生成物は金属と相互作用(錯体を形成)し、含窒素カーボンアロイ触媒の性能がさらに向上する。また、窒素原子(N)を構成元素として含む窒素含有化合物に添加されている特定の遷移金属化合物の触媒作用等により、窒素原子(N)が炭素触媒表面に高濃度に固定化された含窒素カーボンアロイを形成し、この窒素原子(N)と相互作用した遷移金属化合物を含んだ炭素微粒子が形成されることが好ましい。なお、後述する酸処理によって一部の窒素原子(N)と相互作用した遷移金属化合物は脱落してもよい。
本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法において、前駆体は、前駆体中に含まれる窒素含有化合物と無機金属塩の合計(但し、合計には水和水の質量を含める)に対して、無機金属塩(但し、ここでいう無機金属塩には水和水の質量を含める)が20質量%を超えて含まれることが好ましく、20質量%を超えて85質量%以下含まれることがより好ましく、20質量%を超えて70質量%以下含まれることがさらに好ましい。
この範囲にすることによって、高い酸素還元反応活性(ORR活性)を有するカーボンアロイが生成し得る。
ORR活性は、実施例にて詳述する方法により電流密度を求め、これをORR活性値として測定することができる。高出力を得るために、酸素還元する際の電流密度値が低いことが好ましく、具体的には、−400μA/cm2以下が好ましく、−500μA/cm2以下がより好ましく、−600μA/cm2以下がさらに好ましく、最も好ましくは−700μA/cm2以下である。
なお、本発明では、焼成前の有機材料(前駆体)において、窒素含有化合物と無機金属塩は均一分散させる必要がないという利点を有する。すなわち、窒素含有化合物が焼成分解した際に、その分解生成物と無機金属塩等の気化物が接触していれば、酸素還元反応活性を有する活性種が形成すると考えられるため、室温での窒素含有化合物と無機金属塩との混合状態に含窒素カーボンアロイの酸素還元反応活性は影響を受けない。
なお、無機金属塩の粒径は、直径0.001〜100μmであることが好ましい。より好ましくは0.01〜10μmである。無機金属塩の粒径をこの範囲内にすることで、窒素含有化合物と均一に混合させることが可能となり、窒素含有化合物が分解生成時に錯体を形成しやすくなる。
<有機金属錯体>
本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法において、前駆体はさらに少なくとも一種の有機金属錯体を含むことが好ましい。前駆体に有機金属錯体を添加することにより、高いORR活性が得られることに加えて、高反応電子数を示す含窒素カーボンアロイを得ることができる。
有機金属錯体としては、基礎錯体工学研究会編、錯体化学−基礎と最新の話題−、講談社サイエンティフィク(1994)に記載されている化合物を例示することができ、具体的には金属イオンに配位子が配位した化合物を好ましく例示することができる。なお、有機金属錯体は、多様な配位子の配位数をとることができ、配位幾何異性体でもよいし、金属イオンの価数が異なってもよい。また、有機金属錯体は、金属−炭素結合を有する有機金属化合物でもよい。
金属イオンとして好ましいものは、Fe、Co、Ni、MnおよびCrのイオンである。
配位子として好ましいものは、単座配位子(ハロゲン化物イオン、シアン化物イオン、アンモニア、ピリジン(py)、トリフェニルホスフィン、カルボン酸等)、二座配位子(エチレンジアミン(en)、β‐ジケトナート(アセチルアセトナート(acac)、ピバロイルメタン(DPM)、ジイソブトキシメタン(DIBM)、イソブトキシピバロイルメタン(IBPM)、テトラメチルオクタジオン(TMOD))、トリフルオロアセチルアセトナート(TFA)、ビピリジン(bpy)、フェナントレン(phen)等)、多座配位子(エチレンジアミンテトラ酢酸イオン(edta))等)である。
上述した金属錯体として用いることができるものとしては、β−ジケトン金属錯体(ビス(アセチルアセトナト)鉄(II)[Fe(acac)2]、トリス(アセチルアセトナト)鉄(III)[Fe(acac)3]、ビス(アセチルアセトナト)コバルト(II)[Co(acac)2]、トリス(アセチルアセトナト)コバルト(III)[Co(acac)3]、トリス(ジピバロイルメタン)鉄(III)[Fe(DPM)3]、トリス(ジピバロイルメタン)コバルト(III)[Co(DPM)3]、トリス(ジイソブトキシメタン)鉄(III)[Fe(DIBM)3]、トリス(ジイソブトキシメタン)コバルト(III)[Co(DIBM)3]、トリス(イソブトキシピバロイルメタン)コバルト(III)[Co(IBPM)3]、トリス(テトラメチルオクタジオン)鉄(III)[Fe(TMOD)3]、トリス(テトラメチルオクタジオン)コバルト(III)[Co(TMOD)3])、トリス(1,10−フェナントロリナート)鉄(III)塩化物[Fe(phen)3]Cl2、トリス(1,10−フェナントロリナート)コバルト(III)塩化物[Co(phen)3]Cl2、N,N’−エチレンジアミンビス(サリチリデンアミナト)酸鉄(II)[Fe(salen)]、N,N’−エチレンジアミンビス(サリチリデンアミナト)酸コバルト(II)[Co(salen)]、トリス(2,2’−ビピリジン)鉄(II)塩化物[Fe(bpy)3]Cl2、トリス(2,2’−ビピリジン)コバルト(II)塩化物[Co(bpy)3]Cl2、金属フタロシアニン(MPc)、酢酸鉄[Fe(OAc)2]酢酸鉄[Fe(OAc)2]を挙げることができる。その中でも、β−ジケトナート鉄錯体(ビス(アセチルアセトナト)鉄(II)[Fe(acac)2]、トリス(アセチルアセトナト)鉄(III)[Fe(acac)3]、ビス(ジピバロイルメタン)鉄(II)[Fe(DPM)2]、ビス(ジイソブトキシメタン)鉄(II)[Fe(DIBM)2]、ビス(イソブトキシピバロイルメタン)鉄(II)[Fe(IBPM)2]、ビス(テトラメチルオクタジオン)鉄(II)[Fe(TMOD)2])、N,N’−エチレンジアミンビス(サリチリデンアミナト)酸鉄(II)[Fe(salen)]、トリス(2,2’−ビピリジン)鉄(II)塩化物[Fe(bpy)3]Cl2、鉄フタロシアニン(MPc)、酢酸鉄[Fe(OAc)2]、ビス(アセチルアセトナト)鉄(II)[Fe(acac)2]が好ましく、本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法では、有機金属錯体がβ‐ジケトナート鉄(II)錯体であるアセチルアセトン鉄(II)ビス(ジピバロイルメタン)鉄(II)[Fe(DPM)2]、ビス(ジイソブトキシメタン)鉄(II)[Fe(DIBM)2]、ビス(イソブトキシピバロイルメタン)鉄(II)[Fe(IBPM)2]、ビス(テトラメチルオクタジオン)鉄(II) [Fe(TMOD)2]であることが特に好ましく、ビス(アセチルアセトナト)鉄(II)[Fe(acac)2]であることが最も好ましい。
(β−ジケトン金属錯体)
有機金属錯体としては、β−ジケトン金属錯体を含むことが好ましい。有機金属錯体としてβ−ジケトン金属錯体を単独で用いてもよく、β−ジケトン金属錯体と他の有機金属錯体を混合して用いてもよい。β−ジケトン金属錯体は、下記一般式(7)で表される化合物およびその互変異性体を示す。
Figure 2014196231
一般式(7)中、Mは金属を示し、R1およびR3はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、また、R2は水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。R1、R2、R3は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。nは0以上の整数を示し、mは1以上の整数を示す。
この化合物においては、金属Mの原子又はイオンに対して、β−ジケトン又はそのイオンが配位又は結合している。
好ましい金属Mとしては、Fe、Co、Ni、MnおよびCrを挙げることができ、より好ましくはFe、Coであり、さらに好ましくはFeである。
1、R2、R3の置換基を有していてもよい炭化水素基における「炭化水素基」としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式(ヘテロ環式)炭化水素基、およびこれらが複数個結合した基などが挙げられる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などのアルキル基(C1-6アルキル基等);アリル基などのアルケニル基(C2-6アルケニル基等)などが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基(3〜15員のシクロアルキル基等);シクロヘキセニル基などのシクロアルケニル基(3〜15員のシクロアルケニル基等);アダマンチル基などの橋かけ炭素環式基(炭素数6〜20程度の橋かけ炭素環式基等)などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20程度の芳香族炭化水素基(アリール基)などが挙げられる。複素環式(ヘテロ環式)炭化水素基としては、例えば、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基等の含窒素五員環炭化水素基;ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基の含窒素六員環炭化水素基;ピロリジジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、イソインインドリニル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、キノリニル基、ナフチリジニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基等の含窒素縮合二環系炭化水素基;カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、アンチリジニル基等の含窒素縮合三環系炭化水素基;含酸素単環系、含酸素多環系、含硫黄系、含セレン・テルル環系炭化水素基などが挙げられる。
炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブチルオキシ、t−ブチルオキシ基などのアルコキシ基(C1-4アルコキシ基等);ヒドロキシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基(C1-4アルコキシ−カルボニル基等);アセチル、プロピオニル、ベンゾイル基などのアシル基(C1-10アシル基等);シアノ基;ニトロ基などが挙げられる。
1、R2、R3が、それぞれ互いに結合して形成する環としては、例えば、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環などの5〜15員のシクロアルカン環又はシクロアルケン環などが挙げられる。
1、R3としては、アルキル基(C1-6アルキル基等)、アルケニル基(C2-6アルケニル基等)、シクロアルキル基(3〜15員のシクロアルキル基等)、シクロアルケニル基(3〜15員のシクロアルケニル基等)、アリール基(C6-15アリール基等)、置換基を有するアリール基(p−メチルフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基などの置換基を有するC6-15アリール基等)などが好ましい。R2としては、水素原子、アルキル基(C1-6アルキル基等)、アルケニル基(C2-6アルケニル基等)、シクロアルキル基(3〜15員のシクロアルキル基等)、シクロアルケニル基(3〜15員のシクロアルケニル基等)、アリール基(C6-15アリール基等)、置換基を有するアリール基(p−メチルフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基などの置換基を有するC6-15アリール基等)などが好ましい。
一般式(7)で表される化合物において、金属の価数nは、0価、1価、2価、3価等のいずれであってもよいが、通常2価または3価である。金属が2価又は3価の場合には、β−ジケトンは、対応するアニオンであるβ−ジケトナートとして配位する。金属の価数をnとした場合、通常、配位数mは同一である。ただし、金属に溶媒等を軸配位させても良く、その場合、金属の価数nと配位数mが異なっても良い。
軸配位しても良い溶媒として、ピリジン、アセトニトリル、アルコール等が例示されるが、軸配位するものであればどの様なものでも良い。
β−ジケトン鉄錯体は、市販のものをそのまま、または精製して使用してもよいし、調製して使用してもよい。また、反応系中で発生させて使用することもできる。反応系中で発生させる場合には、例えば、鉄の塩化物、水酸化物とアセチルアセトン等のβ−ジケトンを添加すればよい。この際、必要に応じてアンモニア、アミン類、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物や炭酸塩、カルボン酸塩などの塩基を添加することができる。
β−ジケトン鉄錯体の添加量は、通常0.001〜50モル%、好ましくは0.01〜10モル%、特に好ましくは0.1〜1モル%程度である。
(導電助剤)
本発明では、前駆体に導電助剤を添加して焼成しても良いし、含窒素カーボンアロイに添加してもよい。導電性助剤が均一に分散されるため好ましくは導電助剤を添加して焼成する方が好ましい。
導電助剤としては、特に限定はされないが、例えば、ノーリット(NORIT社製)、ケッチェンブラック(Lion社製)、バルカン(Cabot社製)、ブラックパール(Cabot社製)、アセチレンブラック(Chevron社製)(いずれも商品名)等のカーボンブラック、黒鉛をはじめ、C60やC70等のフラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボン繊維等の炭素材料が挙げられる。
導電助剤の添加率は、前駆体の全体質量に対して、0.01質量%〜50質量%であることが好ましく、0.1質量%〜20質量%であることがより好ましく、1質量%〜10質量%であることがさらに好ましい。導電助剤を多く添加しすぎると、系中で無機金属塩から生成する金属の凝集・成長が不均一になり目的とする多孔性含窒素炭素を得ることができないため、不適である。
(2)昇温工程および(3)炭素化工程
本発明の製造方法は、特定の構造を有する窒素含有化合物と無機金属塩とを含む前駆体を炭素化温度まで加熱処理することが好ましい。
この炭素化温度までの加熱処理において、昇温処理の部分をまとめて不融化処理とする。
炭素化処理の焼成温度は、窒素含有化合物が熱分解及び炭素化する温度であれば特に制限されないが、400℃以上が好ましく、500℃がより好ましく、600℃がさらに好ましい。焼成温度を400℃以上にすることによって、十分に炭化が進んで高い触媒性能を有する含窒素カーボンアロイが得られる。また、焼成温度の上限は例えば1000℃が好ましい。焼成温度が1000℃以下であれば炭素骨格中に窒素が残留し、所望のN/C原子比とすることでき、十分な酸素還元反応活性が得られる。
本発明の製造方法が後述する再焼成工程を含む場合、再焼成工程をはじめの炭素化処理を行う温度よりも高温で行う観点から、炭素化処理の焼成温度は、400〜900℃であることが好ましく、500〜850℃であることがより好ましく、600〜800℃の範囲であることがさらに好ましい。
炭素化処理においては、被処理物を、好ましくは400℃〜1000℃で、0.1時間〜100時間保持し、より好ましくは1時間〜10時間保持する。10時間を超えて炭素化処理しても処理時間に相応する効果は得られない場合がある。
炭素化処理は、不活性雰囲気下で行うことが好ましく、不活性ガスまたは非酸化性ガス流通下で行うことが好ましい。ガスの流速は、内径36mmφ当たり0.01〜2.0リットル/分であることが好ましく、内径36mmφ当たり0.05〜1.0リットル/分であることがより好ましく、内径36mmφ当たり0.1〜0.5リットル/分が特に好ましい。ガスの流速を内径36mmφ当たり0.01リットル/分以上の条件で炭素化処理を行うことで、焼成時に副生したアモルファス状の炭素を留去でき、含窒素カーボンアロイの処理温度を低下し難くできる。また、ガスの流速を内径36mmφ当たり2.0リットル/分以下の条件で炭素化処理を行うことで、炭化する前に基質が気化することを防止でき、含窒素カーボンアロイを効率よく生成できる。すなわち、流速がこの範囲であると、好適に目的とする含窒素カーボンアロイを得ることができるので好ましい。
第一段階で高温度での炭素化処理を行うと、含窒素カーボンアロイの収率が低減するが、得られる含窒素カーボンアロイの結晶子サイズが揃い、そのため金属が均一に分布し、活性が高い状態が保持される。結果として、優れた酸素還元性能を有する含窒素カーボンアロイの製造が可能となる。
また昇温工程は、二段階に分けて昇温しても良い。より具体的には、比較的低温での第一段階の処理を行うことで、熱に不安定な不純物成分、溶媒等を除去することができる。
続いて、第二段階の処理を、第一段階の処理よりも高温で行うことで、有機材料の分解反応と炭素化反応を連続して行うことができるばかりでなく、分解生成物と金属とが相互作用して、金属を、より活性が高い状態で安定化することができる。例えば、鉄イオンを、2価の状態で含むものとすることができる。その結果、高い酸素還元性能を有する含窒素カーボンアロイを製造することができる。
さらに、第二段階の処理を行うことで、続く炭素化処理における処理温度を上げることができ、炭素構造の規則性がより高められた含窒素カーボンアロイを得ることが可能になる。その結果、含窒素カーボンアロイの導電性が向上し、高い酸素還元性能が得られ、また、触媒としての耐久性も向上する。
第一段階の温度まで昇温するのは、熱に安定な構造だけを保持し、第二段階の処理に向けて余熱操作を行うためである。第二段階で、炭素化温度まで昇温するのは、適切な含窒素カーボンアロイを得るためである。一方、炭素化温度を超えると炭化が過剰に進み、適切な含窒素カーボンアロイが得られない場合があることに加え、収率が低下するおそれがある。
第一段階の昇温処理は、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。不活性雰囲気とは、窒素ガスや希ガス雰囲気下などのガス雰囲気をいう。なお、酸素が含まれていたとしても、被処理物を燃焼させない程度まで酸素量を制限した雰囲気であればよい。当該雰囲気は、閉鎖系又は新たなガスを流通させる流通系の何れであってもよく、好ましくは流通系とする。流通系とする場合には、ガスの流速は、内径36mmφ当たり0.01〜2.0リットル/分のガスを流通させることが好ましく、ガスの流速は、内径36mmφ当たり0.05〜1.0リットル/分のガスを流通させることがより好ましく、ガスの流速は、内径36mmφ当たり0.1〜0.5リットル/分のガスを流通させることが特に好ましい。
第一段階の昇温処理では、窒素含有化合物と無機金属塩等とを含む有機材料を100℃〜500℃まで昇温することが好ましく、150℃〜400℃まで昇温することがさらに好ましい。こうすることにより、均一な予備炭化物が得られる。
第一段階の昇温処理は、窒素含有化合物と無機金属塩等とを含む有機材料(前駆体)を炭化装置等に挿入した後に常温から所定温度まで昇温してもよいし、或いは、所定温度の炭化装置等へ有機材料を挿入してもよい。好ましくは、第一段階の昇温処理は、常温から所定温度まで昇温するのがよい。常温から所定温度まで昇温する場合には、昇温速度を一定にすることが好ましい。より具体的には、昇温速度は毎分1℃以上1000℃以下で昇温することが好ましく、毎分1℃以上500℃以下で昇温することがより好ましい。
第二段階の昇温処理は、第一段階の昇温処理の終了後にそのまま温度を上げて第二段階の昇温処理を行ってもよい。また、一旦室温まで冷却した後に温度を上げ、第二段階の昇温処理を行ってもよい。また、第一段階の昇温処理後に予備炭化物を室温まで冷却した際には、均一に粉砕してもよいし、さらに成形してもよいし、酸洗浄をして金属を除去してもよい。均一に粉砕して、酸洗浄を行うことが好ましい。より具体的には、昇温速度は毎分2℃以上1000℃以下で昇温することが好ましく、毎分5℃以上500℃以下で昇温することがより好ましい。
第二段階の昇温処理は、不活性雰囲気下で行うことが好ましく、流通系とする場合には、ガスの流速は、内径36mmφ当たり0.01〜2.0リットル/分のガスを流通させることが好ましく、内径36mmφ当たり0.05〜1.0リットル/分のガスを流通させることがより好ましく、内径36mmφ当たり0.1〜0.5リットル/分のガスを流通させることが特に好ましい。なお、第二段階のガス流量は、第一段階でのガス流量と異なっていても良い。
炭素化処理は、賦活剤の存在下で行うことが好ましい。賦活剤の存在下、高温で炭素化処理することにより、含窒素カーボンアロイの細孔が発達して表面積が増大し、含窒素カーボンアロイの表面における金属の露出度が向上することにより、触媒としての性能が向上する。なお、炭化物の表面積は、N2吸着量により測定することができる。
使用できる賦活剤としては、特に制限されないが、例えば、二酸化炭素、水蒸気、空気、酸素、アルカリ金属水酸化物、塩化亜鉛、及びリン酸からなる群より選択される少なくとも1種を用いることができ、さらに好ましくは、二酸化炭素、水蒸気、空気、酸素からなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。二酸化炭素や水蒸気などの気体賦活剤は、第二炭素化処理の雰囲気中に2〜80モル%、好ましくは10〜60モル%含有させればよい。2モル%以上であれば十分な賦活効果が得られる一方で、80モル%を超える場合には賦活効果が顕著になり炭化物の収率が著しく低減し、効率よく炭化物を製造することができなくなるおそれがある。また、アルカリ金属水酸化物等の固体賦活剤は、固体の状態で被炭化物と混合してもよく、或いは、水等の溶媒で溶解又は希釈した後、被炭化物を含浸するか、或いはスラリー状にして被炭化物に練り込んでもよい。液体賦活剤は、水等で希釈した後、被炭化物を含浸するか或いは被炭化物に練り込めばよい。
炭素化後に窒素原子を導入することもできる。このとき、窒素原子を導入する方法としては、液相ドープ法、気相ドープ法、又は、気相−液相ドープ法を用いて行うことができる。例えば、含窒素カーボンアロイに窒素源であるアンモニア雰囲気下で200℃以上800℃以下、5分以上180分以下保持することにより、熱処理して、炭素触媒の表面に窒素原子を導入することができる。
(4)冷却工程および(5)粉砕処理
炭素化処理後に、含窒素カーボンアロイを室温まで冷却した後、粉砕処理を行ってもよい。粉砕処理は当業者に公知のいずれの方法でも行うことができ、例えば、ボールミル、機械粉砕等を用いて粉砕することができる。
(6)酸洗浄工程
本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法は、焼成工程の後に、焼成された含窒素カーボンアロイを酸で洗浄する酸洗浄工程を含むことが好ましい。焼成された含窒素カーボンアロイを酸で洗浄することにより、含窒素カーボンアロイの表面上の金属を酸洗浄でき、含窒素カーボンアロイのORR活性を飛躍的に向上させることができる。いかなる理論に拘泥するものでもないが、この酸洗浄処理により、最適な多孔性を有する多孔性含窒素カーボンアロイを得ることができるためと予想される。
酸洗浄処理としては、強酸又は弱酸を含む、任意の水性ブロンステッド(プロトン)酸を酸洗浄工程内で用いることができる。さらに、無機酸(鉱酸)又は有機酸を用いることができる。好適な酸の例としては、HCI、HBr、HI、H2SO4、H2SO3、HNO3、HClO4、[HSO4-、[HSO3-、[H3O]+、H2[C24]、HCO2H、HCIO3、HBrO3、HBrO4、HIO3、HIO4、FSO3H、CF3SO3H、CF3CO2H、CH3CO2H、B(OH)3、など(これらの任意の組み合わせを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
また、特表2010−524195号公報に記載の方法を本発明でも用いることができる。
(7)再焼成工程
本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法は、酸洗浄工程の後に、酸洗浄された含窒素カーボンアロイを再焼成する工程を含むことが好ましい。このような再焼成工程により、含窒素カーボンアロイを電極に塗布したときの塗布量の増加に伴って電流密度を向上させることができ、ORR活性を向上させることができる。なお、酸処理工程を経ていない従来のカーボンアロイ(例えば、特開2011−225431号公報に記載のカーボンアロイの700℃焼成品)は、塗布量を増加しても、あまり電流密度に向上が見られない。
再焼成工程は、前駆体の炭化処理温度よりも高温で行うことが好ましい。再焼成工程の焼成温度の上限は、例えば1000℃以下が好ましい。また、焼成温度の下限は500℃以上であることが好ましく、600℃以上であることがより好ましく、700℃以上であることがさらに好ましい。
[含窒素カーボンアロイ]
本発明の含窒素カーボンアロイは、本発明の含窒素カーボンアロイの製造方法で製造される。
上記前駆体を焼成することにより得られた本発明の含窒素カーボンアロイは、カーボンアロイに窒素が導入されてなるものである。本発明の含窒素カーボンアロイは、炭素がsp2混成軌道により化学結合し、二次元に広がった六角網面構造を持つ炭素原子の集合体であるグラフェンが存在することが好ましい。
さらに、本発明の含窒素カーボンアロイにおいて、炭素触媒中の表面窒素原子の含有量は表面の炭素に対して原子比(N/C)で0.05〜0.3であることがより好ましい。窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)が0.05以上であれば、金属と結合する有効な窒素原子の数が適度に存在し、十分な酸素還元触媒特性が得られる。また、窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)が0.3以下であれば、含窒素カーボンアロイの炭素骨格の強度、電気伝導性が良好である。
また、含窒素カーボンアロイの骨格は、少なくとも炭素原子及び窒素原子により形成されていればよく、その他の原子として水素原子や酸素原子等を含んでいてもよい。その場合、その他の原子と炭素原子及び窒素原子との原子比((その他の原子)/(C+N))は0.3以下であることが好ましい。
比表面積分析は、含窒素カーボンアロイを所定の容器に入れて液体窒素温度(−196℃)に冷却し、容器内に窒素ガスを導入して吸着させ、その吸着等温線から単分子吸着量と吸着パラメーターを算出し、窒素の分子占有断面積(0.162cm2)から試料の比表面積を算出して求めるBET(Brunauer−Emmett−Teller)法により求めることができる。
含窒素カーボンアロイの細孔形状は特に制限されず、例えば、表面のみに細孔が形成されていても、表面のみならず内部にも細孔が形成されていてもよい。内部にも細孔が形成されている場合には、例えば、トンネル状に貫通したものであってもよく、また、球状又は六角柱状等の多角形状の空洞が互いに連結したような形状を有していてもよい。
含窒素カーボンアロイの比表面積は、90m2/g以上であることが好ましく、350m2/g以上であることがより好ましく、670m2/g以上であることが特に好ましい。ただし、触媒活性部位(少なくともCとNと金属イオンを構成要件とする金属配位物、あるいは配置空間(場))が高密度に生成・形成した場合は上記範囲外でもよい。
細孔奥まで酸素が十分に行き届き、十分な酸素還元触媒特性が得られる観点からは、含窒素カーボンアロイの比表面積は、3000m2/g以下であることが好ましく、2000m2/g以下であることがより好ましく、1300m2/g以下であることが特に好ましい。
本発明の含窒素カーボンアロイの形状は、酸化還元反応活性を有する限り特に限定はされない。例えば、シート状、繊維状、ブロック状、柱状、粒子状、球状以外の多くの楕円、扁平、角型など、大きく歪んだ構造等が挙げられる。分散がし易いという観点から、好ましくはブロック状、粒子状である。
さらに、本発明の含窒素カーボンアロイを溶媒に分散させることにより、含窒素カーボンアロイを含有するスラリーを作製することができる。これにより、例えば、燃料電池の電極触媒や、蓄電装置の電極材の作製を容易する際に、含窒素カーボンアロイが溶媒に分散されたスラリーを支持材料に塗布して焼成、乾燥させて、任意の形状に加工した炭素触媒を形成することができる。このように含窒素カーボンアロイをスラリーとすることにより、炭素触媒の加工性が向上し、容易に電極触媒や電極材として用いることができる。
本発明の燃料電池触媒は、含窒素カーボンアロイの乾燥後の塗布量が0.01mg/cm2以上であることが好ましく、0.02〜100mg/cm2であることがより好ましく、0.05〜10mg/cm2であることが特に好ましい。
溶媒としては、燃料電池の電極触媒や、蓄電装置の電極材を作製する際に用いられる溶媒を適宜選択して使用することができる。例えば蓄電装置の電極材を作製する際に用いられる溶媒としては、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)等一般的な極性溶媒を単独又は複数混合して使用することができる。また、燃料電池の電極触媒を作製する際に用いられる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン等を挙げることができる。
<含窒素カーボンアロイの用途>
本発明の含窒素カーボンアロイの用途は、構造材料、電極材料、ろ過材料、触媒材料など特に限定されないが、キャパシタやリチウム2次電池などの蓄電装置の電極材料として用いることが好ましく、高い酸素還元反応活性を有することを特徴とする燃料電池や亜鉛空気電池、リチウム空気電池などの炭素触媒として用いることがより好ましく、燃料電池触媒として用いることが特に好ましい。燃料電池触媒は、例えば、固体高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜に接して設けられた触媒層とを備えた電極膜接合体における触媒層に用いることができる。さらに、上記電極膜接合体は、燃料電池に備えることができる。
(燃料電池)
図1に本発明の含窒素カーボンアロイから成る炭素触媒を用いた燃料電池10の概略構成図を示す。炭素触媒はアノード電極及びカソード電極に適用されている。
燃料電池10は、固体高分子電解質14を挟むように、対向配置されたセパレータ12、アノード電極触媒(燃料極)13、カソード電極触媒(酸化剤極)15及びセパレータ16とから構成される。固体高分子電解質14としては、パーフルオロスルホン酸樹脂膜を代表とするフッ素系陽イオン交換樹脂膜が用いられる。また、炭素触媒をアノード電極触媒13及びカソード電極触媒15として、固体高分子電解質14の双方に接触させることにより、アノード電極触媒13及びカソード電極触媒15に炭素触媒を備えた燃料電池10が構成される。上述の炭素触媒を固体高分子電解質の双方の面に形成し、アノード電極触媒13及びカソード電極触媒15を電極反応層側で固体高分子電解質14の両主面にホットプレスにより密着することにより、MEA(Membrane Electrode Assembly)として一体化させる。
従来の燃料電池では、集電体としての機能も有する多孔質のシート(例えば、カーボンペーパー)からなるガス拡散層を、セパレータとアノード及カソード電極触媒との間に介在させていた。これに対して図1の燃料電池10では、比表面積が大きく、さらに、気体の拡散性が高い炭素触媒がアノード及びカソード電極触媒として用いることができる。上述の炭素触媒を電極として使用することにより、ガス拡散層が無い場合にも炭素触媒にガス拡散層の作用を持たせ、アノード及びカソード電極触媒13,15とガス拡散層とを一体化した燃料電池を構成することができるため、ガス拡散層を省略することによる燃料電池の小型化や、コストの削減が可能となる。
上記セパレータ12,16は、アノード及びカソード電極触媒層13,15を支持すると共に燃料ガスH2や酸化剤ガスO2等の反応ガスの供給・排出を行う。そして、アノード及びカソード電極触媒13,15にそれぞれ反応ガスが供給されると、両電極に備えられた炭素触媒と固体高分子電解質14との境界において、気相(反応ガス)、液相(固体高分子電解質膜)、固相(両電極が持つ触媒)の三相界面が形成される。そして、電気化学反応を生じさせることで直流電力が発生する。
上記電気化学反応において、
カソード側:O2+4H++4e-→2H2
アノード側:H2→2H++2e-
の反応が起こり、アノード側で生成されたH+イオンは固体高分子電解質14中をカソード側に向かって移動し、e-(電子)は外部の負荷を通ってカソード側に移動する。一方、カソード側では酸化剤ガス中に含まれる酸素と、アノード側から移動してきたH+イオン及びe-とが反応して水が生成される。この結果、上述の燃料電池は、水素と酸素とから直流電力を発生し、水を生成することになる。
(蓄電装置)
次に、本発明の含窒素カーボンアロイから成る炭素触媒を電極材に適用した蓄電装置について説明する。図2に炭素触媒を用いた、蓄電容量に優れた電気二重層キャパシタ20の概略構成図を示す。
図2に示した電気二重層キャパシタ20は、セパレータ23を介して、分極性電極である第1の電極21及び第2の電極22が対向し、外装蓋24aと外装ケース24bの中に収容されている。また、第1の電極21及び第2の電極22は、それぞれ集電体25を介して、外装蓋24aと外装ケース24bに接続されている。また、セパレータ23には、電解液が含浸されている。そして、ガスケット26を介して電気的に絶縁させた状態で、外装蓋24aと外装ケース24bとをかしめて密封させて電気二重層キャパシタ20が構成されている。
図2の電気二重層キャパシタ20において、上述の炭素触媒を第1の電極21及び第2の電極22に適用することができる。そして、電極材に炭素触媒が適用された電気二重層キャパシタを構成することができる。上述の炭素触媒は、ナノシェル炭素が集合した繊維状の構造を有し、さらに、繊維径がナノメートル単位であるため比表面積が大きく、キャパシタにおいて電荷が蓄積する電極界面が大きい。さらに、上述の炭素触媒は、電解液に対して電気化学的に不活性であり、適度な電気導電性を有する。このため、キャパシタの電極として適用することにより、電極の単位体積あたりの静電容量を向上させることができる。
また、上述のキャパシタと同様に、例えば、リチウムイオン二次電池の負極材等のように、炭素材料から構成される電極材として上述の炭素触媒を適用することができる。そして、炭素触媒の比表面積が大きいことにより、蓄電容量の大きな二次電池を構成することができる。
(環境触媒)
次に、本発明の含窒素カーボンアロイを、白金等の貴金属を含む環境触媒の代替品として使用する例について説明する。
汚染空気に含まれる汚染物質を(主にガス状物質)等を分解処理により除去するための排ガス浄化用触媒として、白金等の貴金属系の材料が単独又は複合化物されて構成された触媒材料による環境触媒が用いられている。これらの白金等の貴金属を含む排ガス浄化用触媒の代替品として、上述の炭素触媒を使用することができる。上述の炭素触媒は、酸素還元反応触媒作用が付与されているため、汚染物質等の被処理物質の分解機能を有する。このため、上述の炭素触媒を用いて環境触媒を構成することにより、白金等の高価な貴金属類を使用する必要がないため、低コストの環境触媒を提供することができる。また、比表面積が大きいことにより、単位体積あたりの被処理物質を分解する処理面積を大きくすることができ、単位体積あたりの分解機能が優れた環境触媒を構成できる。
なお、上述の炭素触媒を担体として、従来の環境触媒に使用されている白金等の貴金属系の材料が単独又は複合化物を担持させることにより、より分解機能等の触媒作用に優れた環境触媒を構成することができる。なお、上述の炭素触媒を備える環境触媒は、上述の排ガス浄化用触媒だけでなく、水処理用の浄化触媒として用いることもできる。
また、本発明の含窒素カーボンアロイは、広く化学反応用の触媒として使用することができ、中でも白金触媒の代替品として使用することができる。つまり、白金等の貴金属を含む化学工業用の一般的なプロセス触媒の代替品として、上述の炭素触媒を使用することができる。このため、上述の炭素触媒によれば、白金等の高価な貴金属類を使用することなく、低コストの化学反応プロセス触媒を提供することができる。さらに、上述の炭素触媒は、比表面積が大きいことにより、単位体積あたりの化学反応効率に優れた化学反応プロセス触媒を構成することができる。
このような化学反応用の炭素触媒は、例えば、水素化反応用触媒、脱水素反応用触媒、酸化反応用触媒、重合反応用触媒、改質反応用触媒、水蒸気改質用触媒等に適用することができる。さらに具体的には、「触媒調製(講談社)白崎高保、藤堂尚之共著、1975年」等の触媒に関する文献を参照し、各々の化学反応に炭素触媒を適用することが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
<含窒素カーボンアロイの物性評価方法>
(BET法による比表面積測定)
酸洗浄前の含窒素カーボンアロイ試料、および酸洗浄後に単離した含窒素カーボンアロイ試料について、試料前処理装置(日本ベル社製、BELPREP−flow(商品名))を用いて、含窒素カーボンアロイ試料を200℃、3時間、真空下で乾燥した。
自動比表面積/細孔分布測定装置(日本ベル社製、BELSORP−miniII(商品名))を用いて、含窒素カーボンアロイの比表面積を簡易測定条件で測定した。
比表面積は、装置備え付けの解析プログラムを用いて、BET(Brunauer−Emmett−Teller)法により求めた。
[実施例1]
<塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)4−Por混合物の炭素材料合成(1C)>
((4−Py)4−Porの調製)
Chemistry Letters, 2007,36,848−849.を参考に、(4−Py)4−Porを調製した。
6.4gの4−ピリジルアルデヒド(和光純薬工業社製)、4.0gの2−ヒドロキシ安息香酸(和光純薬工業社製)を0.4リットルのキシレンに添加し、加熱還流下、4.0gのピロール(関東化学社製)を0.1リットルのキシレンに溶解し、得られた溶液を1時間かけて滴下した。窒素気流下で、3時間加熱還流した後、キシレンを減圧留去した。残渣の固形物を0.3リットルの酢酸エチル、0.03リットルのメタノールで、2回加熱洗浄と濾別を繰返し、3.95gの(4−Py)4−Porを得た(群青色の粉末)。
Figure 2014196231
Figure 2014196231
分子式:C40268、分子量:618.69
元素分析(計算値):C,77.65;H,4.24;N,18.11
(塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)4−Por混合物の調製)
上述の(4−Py)4−Por 4.15g,塩化鉄(II)4水和物 4.15gを添加後、機械粉砕・混合し、塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)4−Por混合物(1A)を得た。
(不融化及び炭素化処理)
塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)4−Por混合物(1A)2.0936gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(1B)1.0163gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(1B)をメノウ乳鉢で粉砕し、酸無洗浄炭素材料を得た。得られた酸無洗浄炭素材料の比表面積を、BET法により測定した結果を、下記表1の酸洗浄前の欄に記載した。
炭素材料(1B)をメノウ乳鉢で粉砕して得られた酸無洗浄炭素材料を、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(1C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(1C)を実施例1の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
1.カーボンアロイ塗付電極の酸素還元反応(ORR)活性
(カーボンアロイ塗付電極の作製)
得られた実施例1の含窒素カーボンアロイ10mgに、バインダーとしてナフィオン溶液(5%アルコール水溶液)110mgと溶媒としての水2.4mL、1−プロパノール(IPA)1.6mLを加え、7mmφのアタッチメントを接続した超音波ホモジナイザー(日精社製、US−150T(商品名))で30分間分散させた。回転リングディスク電極(北斗電工社製HR2−RD1−Pt8/GC5(商品名))を用い、含窒素カーボンアロイ分散液を含窒素カーボンアロイが0.05mg/cm2になるようにカーボン電極上に塗布し、室温で乾燥させて、カーボンアロイ塗付電極を得た。
(カーボンアロイ塗付電極の酸素還元反応(ORR)活性測定)
Automatic Polarization System(北斗電工(株)社製、HZ−3000(商品名))に回転電極装置(北斗電工(株)社製、HR−201(商品名))を接続し、作用極は上記で得られたカーボンアロイ塗付電極、対極と参照極はそれぞれ白金電極と飽和カロメル電極(SCE)を用いて以下の手順により測定した。
A.カーボンアロイ塗付電極のクリーニングのため、20℃、アルゴンを30分以上バブリングした0.1M硫酸水溶液中で掃引電位0.946〜−0.204V(vs.SCE)、掃引速度50mV/s、10サイクルのサイクリックボルタンメトリーを測定した。
B.ブランク測定のため、20℃、アルゴンを30分以上バブリングした0.1M硫酸水溶液中で掃引電位0.746〜−0.204V(vs.SCE)、掃引速度5mV/s、電極回転速度1500rpmでリニアースイープボルタンメトリーを測定した。
C.酸素還元活性測定のため、酸素を30分以上バブリングした0.5M硫酸水溶液中で掃引電位0.746〜−0.204V(vs.SCE)、掃引速度5mV/s、電極回転数1500rpmでリニアースイープボルタンメトリーを測定した。
D.Cの測定データからBの測定データを減算し、真の酸素還元活性として採用した。得られたボルタモグラム(電圧−電流密度曲線)から、電流密度−0.05mA/cm2の時の電圧(V vs.NHE)を求め、これをORR活性値とした。
得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例2]
<塩化コバルト(II)6水和物添加(4−Py)4−Por混合物の炭素材料合成(2C)>
(塩化コバルト(II)6水和物添加(4−Py)4−Por混合物の調製)
上述の(4−Py)4−Por 4.15g,コバルト(II)6水和物 4.15gを添加後、機械粉砕・混合し、塩化コバルト(II)6水和物添加(4−Py)4−Por混合物(2A)を得た。
(不融化及び炭素化処理)
塩化コバルト(II)6水和物添加(4−Py)4−Por混合物(2A)2.0153gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(2B)1.3065gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(2B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(2C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(2C)を実施例2の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた実施例2の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
[実施例3]
<塩化鉄(II)4水和物添加(3−Py)4−Por混合物の炭素材料合成(3C)>
((3−Py)4−Porの調製)
Chemistry Letters, 2007,36,848−849.を参考に、(3−Py)4−Porを調製した。
実施例1の(4−Py)4−Porの調製において、4−ピリジルアルデヒドを3−ピリジルアルデヒドに換えた他は同様の方法により、3.1gの(3−Py)4−Porを得た(群青色の粉末)。
Figure 2014196231
Figure 2014196231
分子式:C40268、分子量:618.69
元素分析(計算値):C,77.65;H,4.24;N,18.11
(塩化鉄(II)4水和物添加(3−Py)4−Por混合物の調製)
上述の(3−Py)4−Por 4.15g,塩化鉄(II)4水和物 4.15gを添加後、機械粉砕・混合し、塩化鉄(II)4水和物添加(3−Py)4−Por
混合物(3A)を得た。
(不融化及び炭素化処理)
塩化鉄(II)4水和物添加(3−Py)4−Por混合物(3A)2.0218gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(3B)0.9326gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(3B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(3C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(3C)を実施例3の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた実施例3の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
[実施例4]
<塩化鉄(II)4水和物添加(2−Py)4−Por混合物の炭素材料合成(4C)>
((2−Py)4−Porの調製)
Chemistry Letters, 2007,36,848−849.を参考に、(2−Py)4−Porを調製した。
実施例1の(4−Py)4−Porの調製において、4−ピリジルアルデヒドを2-ピリジルアルデヒドに換えた他は同様の方法により、6.2gの(2−Py)4−Porを得た(群青色の粉末)。
Figure 2014196231
分子式:C40268、分子量:618.69
元素分析(計算値):C,77.65;H,4.24;N,18.11
(塩化鉄(II)4水和物添加(2−Py)4−Por混合物の調製)
上述の(2−Py)4−Por 4.15g,塩化鉄(II)4水和物 4.15gを添加後、機械粉砕・混合し、塩化鉄(II)4水和物添加(2−Py)4−Por混合物(4A)を得た。
(不融化及び炭素化処理)
塩化鉄(II)4水和物添加(2−Py)4−Por混合物(4A)2.0703gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(4B)0.8053gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(4B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(4C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(4C)を実施例4の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた実施例4の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
[実施例5]
<塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)2Ph2−Por混合物の炭素材料合成(5C)>
((Pyrrole)2(4−Py)CHの調製)
J.Org.Chem.2000,65,2249−2252.に記載の方法で、(Pyrrole)2(4−Py)CHを調製した。
2.14gの4−ピリジルアルデヒドを20mLのピロールに加え、85℃で15時間加熱し、ピロールを減圧留去し、カラムクロマトグラフィーで(Pyrrole)2(4−Py)CHを2.23g得た。
Figure 2014196231
((4−Py)2Ph2−Porの調製)
J.Org.Chem.2001,66,4973−4988.に記載の方法を参考に、(4−Py)2Ph2−Porを調製した。
上述の1.1gの(Pyrrole)2(4−Py)CH、0.53gのベンズアルデヒドを500mLの塩化メチレン/エタノール混合溶液(95:5)に溶解し、窒素雰囲気下、1.4gのTFAを2時間かけて添加後、24時間室温で反応させた。その後、1.7gの2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)を添加して、さらに3時間撹拌した。混合物をろ過後、クロロホルムで洗浄、乾燥した。カラムクロマトグラフィーで精製し、(4−Py)2Ph2−Porを調製した。
Figure 2014196231
Figure 2014196231
分子式:C42286、分子量:616.71
元素分析(計算値):C,81.80;H,4.58;N,13.63
(塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)2Ph2−Por混合物の調製)
上述の(4−Py)2Ph2−Por 4.15g,塩化鉄(II)4水和物 4.15gを添加後、機械粉砕・混合し、塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)2Ph2−Por混合物(5A)を得た。
(不融化及び炭素化処理)
塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)2Ph2−Por混合物(5A)2.0456gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(5B)0.8161gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(5B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(5C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(5C)を実施例5の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた実施例5の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
[実施例6]
<塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)3−Cor混合物の炭素材料合成(6C)>
((4−Py)3−Corの調製)
J.Org.Chem.2001,66,550−556.に記載の方法を参考に、(4−Py)3−Corを調製した。
2.2gの4−ピリジルアルデヒド(和光純薬工業社製)、4.1gのピロール(関東化学社製)を0.25リットルの酢酸エチルに溶解し、窒素気流下、3時間加熱還流した。酢酸エチルを減圧留去し、(4−Py)3−Corを得た。
Figure 2014196231
Figure 2014196231
分子式:C34237、分子量:529.59
元素分析(計算値):C,77.11;H,4.38;N,18.51
(塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)3−Cor混合物の調製)
上述の(4−Py)3−Cor 4.15g,塩化鉄(II)4水和物 4.15gを添加後、機械粉砕・混合し、塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)3−Cor混合物(6A)を得た。
(不融化及び炭素化処理)
塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)3−Cor混合物(6A)2.0509gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(6B)0.9205gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(6B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(6C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(6C)を実施例6の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた実施例6の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
[実施例7]
<塩化鉄(II)4水和物添加H2AzPc混合物の炭素材料合成(7C)>
(H2AzPcの調製)
Synthetic Communication.2004,34,3373−3380.に記載の方法を参考に、3,4−ジシアノピリジン、1,8−ヂアザビシクロ[5.4.0]ウンデー7−エン(DBU)をオクタノールに溶解し、185℃で2時間反応し、H2AzPcを調製した。
Figure 2014196231
Figure 2014196231
分子式:C281412、分子量:518.49
元素分析(計算値):C,64.86;H,2.72;N,32.42
(塩化鉄(II)4水和物添加H2AzPc混合物の調製)
上述のH2AzPc 4.15g,塩化鉄(II)4水和物 4.15gを添加後、機械粉砕・混合し、塩化鉄(II)4水和物添加H2AzPc混合物(7A)を得た。
(不融化及び炭素化処理)
塩化鉄(II)4水和物添加H2AzPc混合物(7A)2.0515gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(7B)0.9191gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(7B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(7C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(7C)を実施例7の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた実施例7の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
[実施例8]
<Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)4−Por混合物の炭素材料合成(8C)>
(Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)4−Por混合物の調製)
上述の(4−Py)4−Por 2.80g,Fe(acac)2 0.180g、塩化鉄(II)4水和物 2.80gを添加後、機械粉砕・混合し、Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)4−Por混合物(8A)を得た。
Figure 2014196231
分子式:C1014Fe14、分子量:254.061
元素分析(計算値):C,47.27;H,5.55;Fe,21.98;O,25.19
(不融化及び炭素化処理)
Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)4−Por混合物(8A)2.157gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(8B)1.1782gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(8B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(8C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(8C)を実施例8の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた実施例8の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
[実施例9]
<Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加(4−MePy)4−Por/I混合物の炭素材料合成(3C)>
((4−MePy)4−Por/Iの調製)
J.Am.Chem.Soc.1986,108,2814−2828.を参考に、(4−MePy)4−Por/Iを調製した。
上述の(4−Py)4−Por 6.7gをMeI 330mL中、42℃、24時間加熱乾留した。その後、CH3Iを減圧留去し、得られた固体を蒸留水に溶解し、ろ過。ろ液を濃縮・乾燥して、(4−MePy)4−Por/Iを9.5g得た。
Figure 2014196231
Figure 2014196231
分子式:C443848、分子量:1186.44
元素分析(計算値):C,44.54;H,3.23;I,42.78;N,9.44
(Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加(4−MePy)4−Por/I混合物の調製)
上述の(4−MePy)4−Por/I 4.02g,塩化鉄(II)4水和物 0.257gを添加後、機械粉砕・混合し、Fe(acac)2 0.610g、塩化鉄(II)4水和物添加(4−MePy)4−Por/I混合物(9A)を得た。
(不融化及び炭素化処理)
Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加(4−MePy)4−Por/I混合物(9A)2.0062gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(9B)0.7745gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(9B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(9C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(9C)を実施例9の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた実施例9の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
[実施例10]
<Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)4−Por混合物の炭素材料の再焼成および酸処理(10C)>
(不融化及び炭素化処理)
実施例8の酸洗浄済み炭素材料(8C)0.5611gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
昇温時に窒素を止め、30℃から1000℃まで毎分5℃昇温、1000℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(10B)0.3156gを得た。
[粉砕・酸洗浄処理]
炭素材料(10B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(10C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(10C)を実施例10の含窒素カーボンアロイとした。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた実施例10の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
[実施例11]
<Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)2−AzaPor混合物の炭素材料合成(11C)>
((Br−Pyrrole)2(4−Py)CHの調製)
Chem.Eur.J.2012,18,6208−6216.に記載の方法を参考に、(Br−Pyrrole)2(4−Py)CHを調製した。
実施例5に記載の2.4gの(Pyrrole)2(4−Py)CHを300mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解後、−78℃に冷却した。このTHF溶液に、4gのN−ブロモスクシンイミド(NBS)を添加・溶解後、2.6gの2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)を15mLのTHFに溶解させたTHF溶液を滴下した。室温まで昇温し、溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィーで精製し、(Br−Pyrrole)2(4−Py)CHを調製した。
Figure 2014196231
((4−Py)2−AzaPorの調製)
Inorg.Chem.2012,51,12879−12890.に記載の方法を参考に、(4−Py)2−AzaPorを調製した。
上述の0.5gの(Br−Pyrrole)2(4−Py)CH、0.6gのPb(acac)2、0.4gのNaN3を600mLのメタノールに溶解後、加熱還流し、溶媒を留去後、30mLのCH2Cl2に溶解し、2mLのトリフロロ酢酸を滴下、室温で1hr撹拌した。NaHCO3で中和、有機層を抽出し、溶媒を留去・乾燥後、カラムクロマトグラフィーで精製し、(4−Py)2−AzaPorを調製した。
Figure 2014196231
Figure 2014196231
分子式:C28188、分子量:466.50
元素分析(計算値):C,72.09;H,3.89;N,24.02
(Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)2−AzaPor混合物の調製)
上述の(4−Py)2−AzaPor 6.30g,塩化鉄(II)4水和物 6.30g,Fe(acac)2 0.403gを添加後、機械粉砕・混合し、塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)2−AzaPor混合物(11A)を得た。
(不融化及び炭素化処理)
Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加(4−Py)2−AzaPor混合物(11A)1.0754gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(11B)0.3983gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(11B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(11C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(11C)を実施例11の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた実施例11の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
[比較例1]
<FePcの炭素材料合成(C1C)>
(不融化及び炭素化処理)
FePc(東京化成社製、C1A)1.0070gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(C1B)0.6841gを得た。
Figure 2014196231
分子式:C3216Fe18、分子量:568.37
元素分析(計算値):C,67.62;H,2.84;Fe,9.83;N,19.71
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(C1B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(C1C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(C1C)を比較例1の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
[比較例2]
<Co−AzPcの炭素材料合成(C2C)>
(Co-AzPcの調製)
有機合成化学、1969、27,448−452.に記載の方法を参考に、Co-AzPcを調製した。
14.7gのシンコメロン酸、0.759gのモリブデン酸アンモニウム、19.4gの尿素を129gの1,2,4−トリクロロベンゼンに溶解し、窒素雰囲気下、156−160℃で1時間撹拌後、6.66gのシュウ酸コバルト、15.02gの尿素を少量ずつ添加した。その後、205−210℃で3.5時間撹拌後、1日放置した。
得られた沈殿をろ過し、ヘキサン、熱EtOH、熱水、5%NaOH水溶液で洗浄後、水洗し、乾燥した。さらに10倍重量部の濃硫酸に溶解し、200倍重量部の水に空け、水酸化ナトリウムで中和し、得られた結晶を減圧ろ過、温水で洗浄し、Co-AzPcを調製した。
Figure 2014196231
Figure 2014196231
分子式:C2812Co112、分子量:575.41
元素分析(計算値):C,58.45;H,2.10;Co,10.24;N,29.21
(不融化及び炭素化処理)
Co−AzPc(東京化成社製、C2A)1.0238gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(C2B)0.3588gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(C2B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(C2C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(C2C)を比較例2の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
[比較例3]
<塩化鉄(II)4水和物添加H2Pc混合物の炭素材料合成(C3C)>
(塩化鉄(II)4水和物添加H2Pc混合物の調製)
2Pc 4.15g(東京化成工業社製),塩化鉄(II)4水和物 4.15gを添加後、機械粉砕・混合し、塩化鉄(II)4水和物添加H2Pc混合物(C3A)を得た。
Figure 2014196231
分子式:C32188、分子量:514.17
元素分析(計算値):C,70.70;H,3.53;N,21.20
(不融化及び炭素化処理)
塩化鉄(II)4水和物添加H2Pc混合物(C3A)2.0789gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(C3B)1.1393gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(C3B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(C3C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(C3C)を比較例3の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた比較例3の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
[比較例4]
<塩化鉄(II)4水和物添加Ph4−Por混合物の炭素材料合成(C4C)>
(塩化鉄(II)4水和物添加Ph4−Por混合物の調製)
Ph4−Por 1.05g(シグマ・アルドリッチ社製),塩化鉄(II)4水和物 1.05gを添加後、機械粉砕・混合し、塩化鉄(II)4水和物添加Ph4−Por混合物(C4A)を得た。
Figure 2014196231
分子式:C44304、分子量:614.74
元素分析(計算値):C,85.97;H,4.92;N,9.11
(不融化及び炭素化処理)
塩化鉄(II)4水和物添加Ph4−Por混合物(C4A)2.0607gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(C4B)1.0166gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(C4B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(C4C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(C4C)を比較例4の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた比較例4の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
[比較例5]
<Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加Ph4−Por混合物の炭素材料合成(C5C)>
(Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加Ph4−Por混合物の調製)
Ph4−Por 1.02g(アルドリッチ社製),Fe(acac)2 0.065g、塩化鉄(II)4水和物 1.02gを添加後、機械粉砕・混合し、Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加Ph4−Por混合物(C5A)を得た。
(不融化及び炭素化処理)
Fe(acac)2、塩化鉄(II)4水和物添加Ph4−Por混合物(C5A)2.647gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(C5B)1.0445gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(C5B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(C5C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(C5C)を比較例5の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた比較例5の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
[比較例6]
<塩化鉄(II)4水和物添加Co−Ph4−Por混合物の炭素材料合成(C6C)>
(塩化鉄(II)4水和物添加Co−Ph4−Por混合物の調製)
Co−Ph4−Por 1.05g(アルドリッチ社製),塩化鉄(II)4水和物 1.05gを添加後、機械粉砕・混合し、塩化鉄(II)4水和物添加Co−Ph4−Por混合物(C6A)を得た。
Figure 2014196231
分子式:C4428Co14、分子量:671.65
元素分析(計算値):C,78.68;H,4.20;N,8.34;Co,8.77
(不融化及び炭素化処理)
塩化鉄(II)4水和物添加Co−Ph4−Por混合物(C6A)1.0431gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(C6B)0.4672gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(C6B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(C6C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(C6C)を比較例6の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた比較例6の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
[比較例7]
<塩化鉄(II)4水和物添加Ph3−Cor混合物の炭素材料合成(C7C)>
(Ph3−Corの調製)
J.Org.Chem.2001,66,550−556.に記載の方法を参考に、Ph3−Corを調製した。
Figure 2014196231
分子式:C37264、分子量:526.22
元素分析(計算値):C,84.38;H,4.98;N,10.64
(塩化鉄(II)4水和物添加Ph3−Cor混合物の調製)
Ph3−Cor 4.15g,塩化鉄(II)4水和物 4.15gを添加後、機械粉砕・混合し、塩化鉄(II)4水和物添加Ph3−Cor混合物(C7A)を得た。
(不融化及び炭素化処理)
塩化鉄(II)4水和物添加Ph3−Cor混合物(C7A)2.0846gを石英ボートに測り取り、管状炉内に挿入された4.0cmφ(内径3.6cmφ)の石英管の中央に設置し、窒素を毎分300mL、30分間室温で流通させた。
30℃から700℃まで毎分5℃昇温、700℃で1時間保持した。その後、3時間かけて室温まで冷却し、炭素材料(C7B)0.9687gを得た。
(粉砕・酸洗浄処理・比表面積測定)
炭素材料(C7B)をメノウ乳鉢で粉砕し、濃塩酸洗浄・遠心ろ過・上澄み液の除去を着色がなくなるまで繰返した。水で洗浄後、濾過・風乾した。さらに得られた炭素材料を110℃で3時間真空乾燥し、室温まで放置し、そのまま一晩放置して、酸洗浄済み炭素材料(C7C)を得た。得られた酸洗浄済み炭素材料(C7C)を比較例7の含窒素カーボンアロイとした。その比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表1の酸洗浄後の欄に記載した。
(カーボンアロイ塗付電極の作製・酸素還元反応(ORR)活性測定)
得られた比較例7の含窒素カーボンアロイを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンアロイ塗付電極を製造し、ORR活性値を測定した。その結果を、下記表1に記載した。
Figure 2014196231
燃料電池の性能の指標として、燃料電池出力は電圧と電流密度の掛け合わせからなり、各々、触媒能と導電性成分、抵抗成分等に分離することができる。
上記表1より、本発明の製造方法で製造された含窒素カーボンアロイは、触媒能を示す電圧が十分に高いことがわかった。
さらに、本発明のより好ましい製造方法である酸洗浄を行って製造された酸洗浄後に単離した本発明の含窒素カーボンアロイは、酸洗浄前の含窒素カーボンアロイよりも比表面積が大幅に増大していることがわかった。なお、このように酸洗浄後に単離することで含窒素カーボンアロイの性能が大幅に向上することは、酸洗浄前の値と酸洗浄後の値を直接比較していない特開2011−245431号公報やその他の先行技術文献からは予想できないことであった。
一方、比較例は比表面積の増大が不十分で、触媒能を示す電圧が低く、不十分であることがわかった。
なお、実施例1と同様にPh4−Por、(4−Py)4−Por、Ph3−Cor、H2AzPc各々を単独で焼成しても、得られた含窒素カーボンアロイ量が少なく、また、含窒素カーボンアロイの電圧が低く、不十分であった。
本発明によれば、十分に高い酸素還元活性を有する含窒素カーボンアロイを得ることができる。このため、本発明の製造方法により得られた含窒素カーボンアロイは、炭素触媒として使用することができる。炭素触媒は、燃料電池や環境触媒に好ましく用いられ産業上の利用可能性が高い。
10…燃料電池、
12…セパレータ、
13…アノード電極触媒、
14…固体高分子電解質、
15…カソード電極触媒、
16…セパレータ、
20…電気二重層キャパシタ、
21…第1の電極、
22…第2の電極、
23…セパレータ、
24a…外装蓋、
24b…外装ケース、
25…集電体、
26…ガスケット

Claims (22)

  1. 窒素含有化合物と、無機金属塩を含む前駆体を焼成する工程を含み、
    前記窒素含有化合物は、少なくとも1つの複素芳香環と共役ヘテロ環を有し、前記共役ヘテロ環の環構成原子数は12以上であることを特徴とする含窒素カーボンアロイの製造方法。
  2. 前記窒素含有化合物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法;
    Figure 2014196231
    一般式(1)中、L1〜L4は、それぞれ独立に連結基、単結合または二重結合を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表し、L1〜L4の少なくとも1つは複素芳香族基を有する連結基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。
  3. 前記一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項2に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法;
    Figure 2014196231
    一般式(2)中、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表し、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。
  4. 前記一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(3)で表されることを特徴とする請求項2に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法;
    Figure 2014196231
    一般式(3)中、R1〜R4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表し、R1〜R4の少なくとも1つは複素芳香族基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは、複素芳香環を含む。
  5. 前記一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(4)で表されることを特徴とする請求項2に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法;
    Figure 2014196231
    一般式(4)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表し、R1、R2およびR4の少なくとも1つは複素芳香族基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。
  6. 前記一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(5)で表されることを特徴とする請求項2に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法;
    Figure 2014196231
    一般式(5)中、R2およびR4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表し、R2およびR4の少なくとも1つは複素芳香族基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。
  7. 前記一般式(1)で表される窒素含有化合物は、下記一般式(6)で表されることを特徴とする請求項2に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法;
    Figure 2014196231
    一般式(6)中、R1およびR3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に環状構造を表し、R1およびR3の少なくとも1つは複素芳香族基であるか、Z1〜Z4の少なくとも1つは複素芳香環を含む。
  8. 複素芳香環および複素芳香族基を構成する複素芳香環は、6員の複素芳香環であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
  9. 複素芳香環および複素芳香族基を構成する複素芳香環は、ピリジン環またはピリミジン環であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
  10. 前記窒素含有化合物は、複素芳香環を2つ以上有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
  11. 前記共役ヘテロ環は、ポルフィリン環であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
  12. 前記窒素含有化合物は、金属錯体を除くピリジルポルフィリン、および、金属錯体を除くピリジルポルフィリンの塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
  13. 前記前駆体は、有機金属錯体をさらに含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
  14. 前記有機金属錯体は、β―ジケトン金属錯体であることを特徴とする請求項13に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
  15. 前記有機金属錯体は、アセチルアセトン鉄(II)錯体であることを特徴とする請求項13または14に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
  16. 前記無機金属塩は、無機金属塩化物であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
  17. 前記無機金属塩の金属種が、FeまたはCoであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
  18. 前記無機金属塩は、含水塩であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
  19. 前記焼成する工程は、前記前駆体を400℃以上で焼成する工程であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
  20. 前記焼成する工程の後に、焼成された含窒素カーボンアロイを酸で洗浄する酸洗浄工程を含むことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の含窒素カーボンアロイの製造方法。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法で製造された含窒素カーボンアロイ。
  22. 請求項21に記載の含窒素カーボンアロイを用いた燃料電池触媒。
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