JP2014195912A - 流路ユニット、液体噴射ヘッド、液体噴射装置 - Google Patents

流路ユニット、液体噴射ヘッド、液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液体が流れる流路を適切に構成する流路ユニット、液体噴射ヘッド、液体噴射装置を提供する。
【解決手段】流路ユニットは、複数の圧力室を有している。また、流路ユニットは、複数の圧力室に液体を供給する共通液室部材と接合面で接合する。そして、流路ユニットの圧力室を含む液体流路の内側の壁を被覆する被覆膜を有し、被覆膜は、圧力室から、接合面における液体流路の上流側開口の周辺の領域である第1領域まで延設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体が流れる液体流路の一部を形成する流路ユニット、液体噴射ヘッド、液体噴射装置に関する。
従来、液体が流れる流路を有する装置が知られている。また、この流路の一部を構成する流路ユニットも知られている。流路ユニットは、液体が供給される流路と、液体を排出する側の流路とを繋いでいる。そのため、流路ユニットを製品に組み込む場合、流路ユニットに異なる流路部材を接合させて液体が流れる流路を完成させる。
また、流路の壁面を液体から保護するために、この流路を被覆膜で覆う構成が開示されている(例えば、特許文献1,2参照。)。被覆膜は、使用される液体の特性や、経年劣化による腐食から流路を保護するために用いられる。
特開2005−153510号公報 特開平7−101068号公報
しかし、流路の外側に被覆膜がはみ出す場合がある。はみ出した被覆膜は、相手側の流路部材との接合面と干渉し、流路間の密閉性等を低下させる場合がある。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、流路を適切に構成することが可能な、流路ユニット、液体噴射ヘッド、液体噴射装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、複数の圧力室を有し、前記複数の圧力室に液体を供給する共通液室を備える共通液室部材と接合面で接合する流路ユニットであって、前記圧力室を含む液体流路の内側の壁を被覆する被覆膜を有し、前記被覆膜は、前記圧力室から、前記接合面における前記液体流路の上流側開口の周辺の領域である第1領域まで延設されている。
上記のように構成された発明では、液体流路の内側の壁は、被覆膜により被覆されている。そして、上流側開口側の内側の壁を被覆する被覆膜は、接合面の第1領域まで延設されている。
そのため、被覆膜を製膜する際の条件を強くする場合でも、寸法公差の管理が厳しい液体流路の下流側に比べて、共通の流路と繋がるため比較的寸法公差の管理が緩やかな上流側開口側に被覆膜をはみ出させている。そのため、液体流路からはみ出した被覆膜による相手側の部材の接合の際の影響を低減させることができる。なお、接合とは、直接又は接着剤等を挟んで間接に、くっついていることの両方を含む。
ここで、共通の流路とは、複数の個別の流路と繋がる流路である。そのため、個別の流路から液体が流れる場合は、流路間のつなぎ目で共通の流路により液体が合流する。また、共通の流路から液体が流れる場合は、流路間のつなぎ目で個別の流路により液体が分岐する。
また、圧力発生室は、液体に圧力を生じさせることで液体を流動させる空間であり、流れる液体に圧力が生じる限りにおいてどの様なものであってもよい。
そして、前記被覆膜は、前記圧力室から、前記接合面における前記液体流路の下流側開口の周辺の領域である第2領域まで延設されており、前記第1領域は、前記第2領域と比べて大きい、構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、下流側の個別の流路側に対するはみだした被覆膜の影響を、上流側の共通の流路側に対するはみ出した被覆膜の影響に比べて低減させることができる。
さらに、前記被覆膜は、前記圧力室から、前記接合面における前記液体流路の下流側開口の周辺の領域である第2領域には形成されていない、構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、下流側の個別の流路側に対する被覆膜の影響を低減させることができる。
また、流路ユニットは、前記第1領域の全てが共通液室部材の共通の流路に面している、構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、第1領域のすべてが共通の流路に面するため、上流側開口の密閉性を高めることができる。
また、当該流路ユニットは、少なくとも一部がセラミックスにより構成されている、構成としてもよい。
セラミックスにより流路ユニットが構成される場合、焼成による収縮により寸法精度にばらつきが生じる場合がある。特に、個別の流路と繋がる下流側開口は、焼成に起因して寸法精度の管理がより一層厳しくなる。そのため、上記のように構成された発明では、セラミックスにより流路ユニットの一部が構成される場合でも、流路からはみ出す被覆膜の影響を低減することができる。
また、前記被覆膜は、樹脂により構成されていてもよい。
上記のように構成された発明では、液体流路の径が小さくなる場合でも、被覆膜の厚みをより均一にすることができる。
そして、本発明の流路ユニットを備える液体噴射ヘッドに対しても適用することができる。
さらに、このような構成を備える液体噴射ヘッドを有する液体噴射装置に対しても適用することができる。
流路ユニットの構成を説明する断面図である。 液体噴射ヘッドの構成を説明する断面図である。 液体噴射ヘッドの構成を説明する斜視展開図である。 インクジェットプリンターの一例を示す概略図である。 液体噴射ヘッド1の製造方法を説明する工程図である。 液体噴射ヘッド1の製造方法を説明する工程図である。 第2の実施形態に係る流路ユニット50の構成を示す断面図である。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
1.第1の実施形態:
2.第2の実施形態:
3.その他の実施形態:
1.第1の実施形態:
以下、図を参照して、この発明に係る液体吐出ヘッドを具体化した第1の実施の形態について説明する。この第1の実施形態では、液体噴射ヘッド1は、印刷装置等の液体噴射装置の一部として用いられる。
図1は、流路ユニットの構成を説明する断面図である。また、図2は、液体噴射ヘッドの構成を説明する断面図である。そして、図3は、液体噴射ヘッドの構成を説明する斜視展開図である。ここで、図1(a)、図2(a)は、図3の第1方向D1に平行な面での断面図に対応している。図1(b)は、図1(a)をA方向から見た図である。そして、図2(b)は、図2(a)をB方向から見た図である。図中、第1方向D1は、圧力室21の長手方向の辺が延設する方向である。また、第2方向D2は、圧力室21が併設する方向である。そして、第3方向D3は、流路ユニットの高さ方向である。
図1に示すように、流路ユニット50は、振動板10と、流路形成基板20と、被覆膜30と、圧電素子40と、を備えている。流路ユニット50は、液体噴射ヘッド1の内部に形成された液体流路の一部を構成する。
第1の実施形態では、流路ユニット50は、振動板10と圧電素子40とを備える構成として説明を行うが、流路ユニット50は、振動板10と圧電素子40とを含まないものであってもよい。
図2に示すように、液体噴射ヘッド1は、流路ユニット50と、リザーバープレート(共通液室部材)60と、コンプライアンスプレート70と、ノズルプレート80と、を備えている。液体噴射ヘッド1は、上記した、流路ユニット50、リザーバープレート60、コンプライアンスプレート70、ノズルプレート80が積層状に組み合わさることで、内部に流路が形成されている。そして、流路ユニット50は、液体噴射ヘッド1における流路の一部を構成する。
流路形成基板20は、板状部材で構成され、下面20bでリザーバープレート60の上面と接合される。即ち、この第1の実施形態では、下面20bが接合面となる。
また、流路形成基板20に形成された液体流路25には、複数の圧力室(圧力発生室)21が第2方向D2で併設するよう形成されている。また、液体流路25は、圧力室21を挟んで上流側に供給口(上流側開口)22が位置している。また、圧力室21と供給口22との間には、流路の径が狭くなる狭窄部24が位置している。供給口22は、圧力室21の共通の流路となる共通液室61と繋がる側の部位である。そして、液体流路25は圧力室21を挟んで下流側に、連通孔側開口(下流側開口)23が位置している。連通孔側開口23は、各圧力室21の個別の流路となる連通孔62にそれぞれ繋がる側の部位である。この第1の実施形態では、連通孔62の開口の径は、下方に移行するに従いスロープ状に径が大きくなっている。
流路形成基板20は、例えば、セラミックスの薄板体や金属の薄板体を積層して構成される。また、セラミックスを材料として用いる場合、部分安定化ジルコニアや安定化ジルコニアを用いることができる。
流路形成基板20の上面20aには、振動板10が固定されている。そのため、各圧力室21の上部は、振動板10に面している。振動板10は、例えば、セラミックスの薄板体により構成される。その材料としては、部分安定化ジルコニアや安定化ジルコニア、酸化ケイ素(SiO2)を用いることができる。また、振動板10の第3方向D3での厚みは、例えば、0.2マイクロメートル(μm)から5.4マイクロメートル(μm)とすることができる。
なお、流路ユニット50が振動板10を有さない場合、圧力室21の上面は流路形成基板20の上面20aと面することとなる。また、これ以外にも、圧力室21の上面が圧電素子40の底面と面するものであってもよい。
また、被覆膜30は、液体流路25の内側の壁面を被覆している。具体的には、被覆膜30は、圧力室21、供給口22、及び連通孔側開口23のそれぞれの内側の壁を覆うよう製膜されている。また、図1に示すように、被覆膜30は、流路形成基板20の下面20bまで延設している。以下、流路形成基板20の下面20bにおける被覆膜30が延設されている領域を第1領域AR1とも記載する。
被覆膜30は、例えば、厚みを0.5マイクロメートルから20マイクロメートルとする樹脂膜、金属膜、有機膜等により構成される。樹脂膜としては、公知の、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、パラキシレン系樹脂(パラキシレン系ポリマー)を適用することができる。パラキシレン系ポリマーの一例として、パリレン(登録商標)を用いても良い。
また、被覆膜30には拡大して観察した場合に、被覆膜の機能を損なわない程度に隙間があいているものも含まれる。
振動板10における流路形成基板20が固定される側と反対側の面には、圧力発生素子としての圧電素子40が形成されている。圧電素子40は、圧力室21の位置に応じて設けられている。圧電素子40は、下電極41と、上電極42と、下電極41と上電極42との間に位置する圧電体43とを備える。この第1の実施形態では、上電極42及び圧電体43が圧力室21毎に個別に配置され、下電極41が各圧力室21に共通となるよう配置されている。
これ以外にも、圧電素子は、下電極41及び圧電体43が圧力室21毎に個別に配置され、上電極42が各圧力室21に共通となるよう配置されていてもよい。また、圧電素子40は、上電極が圧力室21毎に個別に配置され、圧電体43及び下電極41が各圧力室に共通となるよう配置されてもよい。
下電極41や上電極42は、金、白金等の導電物質により構成される。また、圧電体43は例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)といった磁性体により構成される。
さらに、流路形成基板20の下面20b側には、リザーバープレート60が固定されている。リザーバープレート60は、複数の連通孔62と、共通液室61とを有する薄板体である。連通孔62は、第3方向D3でリザーバープレート60を貫通し、流路形成基板20の各連通孔側開口23とそれぞれ連通している。
また、共通液室61は、流路形成基板20の全ての供給口22と繋がることで、各圧力室21に共通の流路となっている。例えば、図2に示すように、共通液室61は、長手方向の辺E1が第2方向D2に伸び、短手方向の辺E2が第3方向D3で伸びることで、リザーバープレート60を貫通する矩形のスリットにより構成されている。
リザーバープレート60は、部分安定化ジルコニアや安定化ジルコニアを用いたセラミックスや、金属により構成される。また、流路形成基板20とリザーバープレート60との間に、共通液室61を封止するプレートが配置されていてもよい。
この第1の実施形態では、リザーバープレート60は流路ユニット50と異なる部材として説明を行っているが、流路ユニット50にリザーバープレート60が含まれるものであってもよい。
リザーバープレート60の下方には、コンプライアンスプレート70が位置している。コンプライアンスプレート70は、共通液室61に生じる圧力を吸収し、共通液室61の圧力変化を一定にする。例えば、リザーバープレート60は、金属部分と、共通液室61に生じる圧力により変位するフィルム部分とで構成される。
なお、液体噴射ヘッド1がコンプライアンスプレート70を有さないものであってもよい。
そして、コンプライアンスプレート70の下方にはノズルプレート80が固定されている。ノズルプレート80は、ノズル孔81が第2方向に沿って所定間隔で複数形成された薄板体である。各ノズル孔81は、コンプライアンスプレート70に固定された場合に、リザーバープレート60の連通孔62とそれぞれ連通して個別の流路を形成する。
ノズルプレート80は、例えば、例えば、部分安定化ジルコニアや安定化ジルコニアを用いたセラミックスや、金属により構成される。
上記構成の液体噴射ヘッド1において、高解像度化するためにノズル孔81の径を小さくすると、このノズル孔81と繋がる流路(連通孔62、連通孔側開口23)を被膜する被覆膜30の膜厚を均一にすることが難しくなる。これを解消するために、製膜条件を強くすることが考えられるが、製膜条件を強くすると流路の外側に被覆膜30がはみ出た状態で形成されてしまう。被覆膜30のはみ出しの影響を低減するために、リザーバープレート60の連通孔62の孔径を連通孔側開口23と比べて大きくすることも考えられる。しかし、流路の径が小さくなると連通孔62と連通孔側開口23との寸法公差を厳格に管理する必要が生じ、連通孔62の孔径を連通孔側開口23と比べて大きくすることが難しくなる。特に、流路形成基板20をセラミックスにより製造する場合、焼成時の寸法ばらつきも生じるため、上記した連通孔62の管理がより難しくなる。
そこで、この第1の実施形態では、被覆膜30は、共通の流路に接続される供給口22が形成された流路部材の下面20bではみ出る構成となっている。即ち、図1(a)(b)に示すように、連通孔側開口23が貫通する下面20bの部位(以下、単に第2領域AR2とも記載する。)には、被覆膜30が延設しておらず、下面20bの供給口22が貫通する部位(第1領域AR1)にのみ被覆膜30が延設している。そのため径寸法の公差の管理が厳格でない供給口22に被覆膜30をはみ出させることで、はみ出した被覆膜30による影響を低減させることができる。
さらに、図2(b)に示すように、共通液室61の辺E1及び辺E2で規定されるスリット開口の大きさは、流路形成基板20の下面20bの第1領域AR1と比べて大きくなるようその形が形成されている。そのため、はみ出した被覆膜30がリザーバープレート60の接合面(上面60a)と干渉することがなく、流路の密閉性を高めることができる。
以下、液体噴射ヘッド1は、各基板が積層状に固定されることで、圧力室21は連通孔側開口23を通じてノズル孔81と連通する。また、圧力室21は、供給口22を通じて共通液室61に連通する。その結果、ノズル孔81と共通液室61とは、圧力室21を通じて連通しており、流路を構成する。
そのため、液体貯留部から供給されるインクは、この流路内に充填される。この状態で、図示しない回路基板から駆動電圧が、ケーブル類を介して下電極41や上電極42に印加されると、圧電素子40を変位させる。圧電素子40の変位は、振動板10を振動させて、圧力室21に圧力変化を生じさせる。そして、圧力室21内の圧力変化により、連通孔62に充填されたインクをノズル孔81から外部に噴射させる。
また、液体噴射ヘッド1は、液体貯留部と連通するインク供給経路を具備するインクジェット式記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェットプリンター200に搭載される。インクジェットプリンター200は液体噴射装置の一例である。
図4は、インクジェットプリンター200の一例を示す概略図である。図4において、符号1は、液体噴射ヘッドをそのノズル孔面を外部に露出させつつ収めた筺体(ヘッドカバー)の一部を示している。インクジェットプリンター200において、複数の液体噴射ヘッド1を有するインクジェット式記録ヘッドユニット(以下、ヘッドユニット202)には、例えば、液体貯留部としてのインクカートリッジ202A,202B等が着脱可能に設けられる。ヘッドユニット202を搭載したキャリッジ203は、装置本体204に取り付けられたキャリッジ軸205に軸方向移動自在に設けられている。そして、駆動モーター206の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト207を介してキャリッジ203に伝達されることで、キャリッジ203はキャリッジ軸205に沿って移動する。
装置本体204にはキャリッジ軸205に沿ってプラテン208が設けられており、図示しないローラー等により供給された印刷媒体Sがプラテン208上を搬送される。そして、搬送される印刷媒体Sに対して、液体噴射ヘッド1のノズル孔81からインクが噴射され任意の画像が印刷媒体Sに印刷される。
なお、インクジェットプリンター200は、ヘッドユニット202が上記のように移動するものだけでなく、例えば、液体噴射ヘッド1が固定されて、印刷媒体Sを移動させるだけで印刷を行ういわゆるラインヘッド型のプリンターであってもよい。
図5、図6は、液体噴射ヘッド1の製造方法を説明する工程図である。以下、図5、図6を用いて、液体噴射ヘッド1の製造方法を説明する。
まず、図5(a)に示すように、振動板10と流路形成基板20とを製造する。具体的には、振動板10、流路形成基板20に対応する焼成前のセラミックスシートを用意する。そして、流路形成基板20に対応するセラミックスシートに対して、打ち抜き加工を施し、圧力室21や、連通孔側開口23、更には供給口22に相当する貫通孔を形成する。そして、各セラミックスシートを積層し、1000度から1400度で加熱して、振動板10、流路形成基板20を一体焼成する。
次に、図5(b)に示すように、流路形成基板20の下面20b側にマスク膜26を形成する。このマスク膜26の、流路形成基板20の連通孔側開口23に対向する部位には、開口部27が形成されている。開口部27の大きさは、流路形成基板20の第1領域AR1と同じ寸法である。
また、マスク膜26は、例えば、フィルム状のものを用いることができる。
次に、マスク膜26の開口部27から図5(b)に示すように、流路形成基板20の内側部分に対して被覆膜30を成膜する。被覆膜30の材料としてパラキシレン系樹脂を使用する場合、例えば、周知のパリレン(登録商標)を用いることができる。パラキシレン系樹脂を材料に使用する場合、まず、パラキシレン系固体ダイマーを気化、熱分解し、パラキシレン系モノマーを発生させる。そして、チャンバー内に配置された振動板10及び流路形成基板20にパラキシレン系モノマーを反応させて成膜する。具体的には、被覆膜30の成膜方法は、化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition:CVD)法を用いることができる。そのため、図5(c)に示すように、圧力室21、供給口22、連通孔側開口23の内側の壁に被覆膜30が製膜される。被覆膜30の成膜方法としてはこれ以外にも、スパッタリング法、真空蒸着法等を用いることもできる。
次に、図6(a)に示すように、振動板10の上面側に、圧力室21の位置に応じて、圧電素子40を形成する。圧電素子40の形成方法の一例として、振動板10の上面側に電極膜を製膜し、この膜をパターニングして下電極41を形成する。次に、下電極41の上部に前駆体層を製膜する。そして、前駆体層をパターニングして、圧電体43を形成する。最後に、この圧電体43の上部に下電極41と同様の方法により各圧力室21に応じた上電極42を形成する。
前駆体層の形成方法の一例としては、イオンビーム、スパッタリング、真空蒸着、PVD、イオンプレーティング、CVD、等の方法を挙げることができる。
次に、図6(b)に示すように、流路形成基板20にリザーバープレート60を接着する。リザーバープレート60は、例えば、フィルム型の接着剤を用いて流路形成基板20に接着される。なお、リザーバープレート60には、すでに、連通孔62及び共通液室61とが形成されているものとする。リザーバープレート60を流路形成基板20の下面20bに接着する際、連通孔側開口23の孔内に、連通孔62の全てが位置するよう位置決めする。この状態においても、共通液室61の開口は、第1領域AR1と比べて十分に大きいため、下面20bの第1領域AR1の全てが共通液室61に面している。
フィルム型の接着剤の一例として、エポキシ系の接着剤を用いることができる。
最後に、図6(c)に示すように、コンプライアンスプレート70、及びノズルプレート80をそれぞれ接着する。コンプライアンスプレート70とノズルプレート80とは、例えば、接着剤を用いてリザーバープレート60に接着される。上記同様、接着剤としては、フィルム型の接着剤を用いることができる。
以上の工程により、第1の実施形態に係る液体噴射ヘッド1が製造される。
以上説明したように、この第1の実施形態では、寸法公差の管理が厳しい連通孔側開口側に比べて、共通の流路と接続されるため比較的寸法公差の管理が緩やかな供給口側に被覆膜をはみ出させることで、はみ出した被覆膜の影響を低減させることができる。
2.第2の実施形態:
図7は、第2の実施形態に係る流路ユニット50の構成を示す断面図である。
この第2の実施形態では、流路ユニット50内に共通液室の一部が形成される構成が第1の実施形態と比べてことなる。
図7(a)に示す、流路ユニット50は、振動板10と、流路形成基板20と、被覆膜30と、圧電素子40と、を備える。加えて、流路形成基板20の下面20bは、封止プレート90の上面90aと固定されており、流路ユニット50は、振動板10、流路形成基板20、封止プレート90とが一体焼成されている。そのため、この流路ユニット50の接合面は、封止プレート90の下面90bとなる。
封止プレート90には、共通液室の上部91が形成されている。この共通液室の上部91は、供給口22と繋がっている。また、連通孔側開口23は、封止プレート90まで延設している。そして、封止プレート90の下面90bには、供給口22の内側の壁を被覆する被覆膜30が延設する領域(第1領域AR1)が形成されている。
第2の実施形態の流路ユニット50では、封止プレート90の下方にはリザーバープレート60が固定される。そのため、封止プレート90の下面90bの第1領域AR1は、その全てが、リザーバープレート60の共通液室と面するよう配置される。
図7(b)は、流路ユニット50が共通液室の一部を有する場合の変形性を示す。図7(b)に示す、流路ユニット50では、振動板10と、流路形成基板20と、被覆膜30と、圧電素子40と、を備える。そして、この流路ユニット50では、流路形成基板20に共通液室の上部28が形成されている。即ち、圧力室21と、共通液室の上部28とは流路形成基板20内に併設するよう形成されている。そのため、流路ユニット50の接合面は、流路形成基板20の下面20bとなる。
図7(b)に示す流路ユニット50では、封止プレート90の下面20bにはリザーバープレート60又は封止プレート90が固定される。そのため、流路形成基板20の下面20bの第1領域AR1は、共通液室と面するよう配置される。
3.その他の実施形態:
本発明は様々な実施形態が存在する。
接合面に位置する第2領域AR2は、被覆膜が完全に形成されていない場合の他、被覆膜は形成されているが、第1領域AR1と比べて少ない場合であってもよい。このような構成とすることで、個別の流路側に対するはみだした被覆膜の影響を、共通の流路側に対するはみ出した被覆膜の影響に比べて低減させることができる。
また、圧力発生素子として圧電素子を用いることは一例であり、例えば、液体を加熱して圧力を生じさせるいわゆるサーマル型に対応した発熱体を用いるものであってもよい。 そして、圧力発生室の実施形態となる圧力室は一例にすぎない。例えば、圧力発生素子が発熱体である場合、この発熱体の機能を効果的に発揮できる形状に応じて、圧力発生室の形状が適宜設定される。
また、本発明は、広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射するものにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。
即ち、上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用してもよい。
公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用してもよい。
公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用してもよい。
1…液体噴射ヘッド、10…振動板、20…流路形成基板、21…圧力室、22…供給口、23…連通孔側開口、24…狭窄部、25…液体流路、26…マスク膜、27…開口部、28…共通液室の上部、30…被覆膜、40…圧電素子、41…下電極、42…上電極、43…圧電体、50…流路ユニット、60…リザーバープレート、61…共通液室、62…連通孔、70…コンプライアンスプレート、80…ノズルプレート、81…ノズル孔、90…封止プレート、91…共通液室の上部、200…インクジェットプリンター、202…ヘッドユニット、202A…インクカートリッジ、202B…インクカートリッジ、203…キャリッジ、204…装置本体、205…キャリッジ軸、206…駆動モーター、207…タイミングベルト、208…プラテン、AR1…第1領域、AR2…第2領域

Claims (8)

  1. 複数の圧力室を有し、前記複数の圧力室に液体を供給する共通液室を備える共通液室部材と接合面で接合する流路ユニットであって、
    前記圧力室を含む液体流路の内側の壁を被覆する被覆膜を有し、
    前記被覆膜は、前記圧力室から、前記接合面における前記液体流路の上流側開口の周辺の領域である第1領域まで延設されている、流路ユニット。
  2. 前記被覆膜は、前記圧力室から、前記接合面における前記液体流路の下流側開口の周辺の領域である第2領域まで延設されており、
    前記第1領域は、前記第2領域と比べて大きい、請求項1に記載の流路ユニット。
  3. 前記被覆膜は、前記圧力室から、前記接合面における前記液体流路の下流側開口の周辺の領域である第2領域には形成されていない、請求項1に記載の流路ユニット。
  4. 複数の圧力室を有する流路部材と、前記複数の圧力室に液体を供給する共通液室を備える共通液室部材とを有し、前記流路部材と前記共通液室部材とが接合面で接合されている流路ユニットであって、
    前記流路部材は、
    前記圧力室を含む液体流路の内側の壁を被覆する被覆膜を有し、
    前記被覆膜は、前記圧力室から、前記接合面における前記液体流路の上流側開口の周辺の領域である第1領域まで延設されており、
    前記第1領域の全てが前記共通液室部材の前記共通の流路に面している、流路ユニット。
  5. 当該流路ユニットは、少なくとも一部がセラミックスにより構成されている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の流路ユニット。
  6. 前記被覆膜は、樹脂により構成されている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の流路ユニット。
  7. 前記請求項1に記載された流路ユニットを有する液体噴射ヘッド。
  8. 前記請求項7に記載の液体噴射ヘッドを有する液体噴射装置。
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