以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<全体構成>
画像読取装置1は、筐体2およびトレイ3を備えている。
筐体2は、左フレーム4、右フレーム5、上フレーム6、下フレーム7、操作パネルフレーム8および操作部9を備えている。
なお、以下の説明では、筐体2に対して開位置に位置するトレイ3が位置する側を後側とし、下フレーム7に対する上フレーム6側を上側として、上下、左右および前後の各方向を規定する。そして、図1以降の各図では、矢印で方向を表示する。
図1および図2に示されるように、左フレーム4および右フレーム5は、左右方向に間隔を空けて配置されている。
上フレーム6および下フレーム7は、左フレーム4と右フレーム5との間に配置されている。
上フレーム6は、図2および図3に示されるように、下フレーム7に上側から重なる。
操作パネルフレーム8は、上フレーム6に上側から重なる。
操作部9は、操作パネルフレーム8において、下側の前後方向および左右方向の略中央に位置している。操作部9は、タッチパネル付の操作パネル10を備えている。操作パネル10は、図2に示されるように、操作パネルフレーム8に設けられた開口部11から上側に露出するように配置されている。
トレイ3は、後トレイ12、上トレイ13および前トレイ14を備えている。
後トレイ12の左右方向と直交する方向の一端部は、上トレイ13の左右方向と直交する方向の一端部に、左右方向に延びる軸線まわりに回動可能に連結されている。一方、後トレイ12の他端部は、筐体2の左フレーム4および右フレーム5の上下方向の略中央に、非図示のトレイ軸部を中心に回動可能に支持されている。上トレイ13の他端部は、前トレイ14の左右方向と直交する方向の一端部に、左右方向に延びる軸線まわりに回動可能に連結されている。
これにより、トレイ3は、図1に示されるように、後トレイ12が上フレーム6に後側から重なり、上トレイ13が操作パネルフレーム8に上側から重なり、前トレイ14が上フレーム6に前側から重なることにより、上フレーム6および操作パネルフレーム8を覆う。また、トレイ3は、その上フレーム6および操作パネルフレーム8を覆う閉位置から、図2に示されるように、後トレイ12が下フレーム7の後上端部から後上側に延び、上トレイ13が後トレイ12と平行に延び、前トレイ14が、上トレイ13から上側に延びる開位置に変化させることができる。そして、トレイ3が開位置に位置するときに、トレイ3にシートSを載置することができる。
トレイ3の上トレイ13には、トレイ3が閉位置に位置するときに操作パネル10と上下方向に重なる位置に、操作パネル10の外形とほぼ同じサイズの開口15が形成されている。これにより、トレイ3が開位置に位置する状態および閉位置に位置する状態のいずれの状態においても、操作パネル10を視認することができる。
上フレーム6は、図3に示されるように、下フレーム7に対して上下方向に間隔を空けて配置されている。上フレーム6と下フレーム7との間は、シートSが搬送される搬送路16である。搬送路16は、上フレーム6の後端縁と下フレーム7の後端縁との間に形成される導入口17により、後上側に開放されている。また、搬送路16は、上フレーム6の前端縁と下フレーム7の前端縁との間に形成される排出口18により、前側に開放されている。シートSは、導入口17から搬送路16に導入され、搬送路16を排出口18に向けて搬送される。以下、このシートSの流れに沿って、画像読取装置1が備える各構成の説明を行う。
画像読取装置1は、供給ローラ31、分離片32、搬送駆動ローラ33、搬送従動ローラ34、第1読取部35、第2読取部36、排出駆動ローラ37および排出従動ローラ38を備えている。
供給ローラ31は、導入口17の前側に配置されている。供給ローラ31は、下フレーム7に、下フレーム7の後端部で左右方向に延びる回転軸線まわりに回転可能に保持されている。供給ローラ31の周面の一部は、下フレーム7の上面から前上側に突出している。
分離片32は、たとえば、ゴムからなる。分離片32は、上フレーム6に取り付けられている。分離片32は、供給ローラ31の周面に前上側から弾性的に当接している。
搬送駆動ローラ33は、供給ローラ31の前側に配置されている。搬送駆動ローラ33は、下フレーム7に、左右方向に延びる回転軸線まわりに回転可能に保持されている。搬送駆動ローラ33の周面の一部は、下フレーム7の上面から上側に突出している。
搬送従動ローラ34は、搬送駆動ローラ33の上側に配置されている。搬送従動ローラ34は、上フレーム6に、左右方向に延びる回転軸線まわりに回転可能に保持されている。搬送従動ローラ34の周面は、上フレーム6の下面から下側に突出し、搬送駆動ローラ33の周面に当接している。
第1読取部35は、搬送従動ローラ34の前側に配置されている。第1読取部35は、上フレーム6の下面から上側に凹んで形成された第1収容部41に収容されている。第1読取部35は、第1収容部41内で左右方向に延びている。第1読取部35は、その読取面を下側に向けた状態で第1収容部41に収容されている。
第2読取部36は、搬送駆動ローラ33の前側に配置されている。第2読取部36は、下フレーム7の上面から下側に凹んで形成された第2収容部42に収容されている。第2読取部36は、第2収容部42内で左右方向に延びている。第2読取部36は、その読取面を上側に向けた状態で第2収容部42に収容されている。
排出駆動ローラ37は、第2読取部36の前側に配置されている。排出駆動ローラ37は、下フレーム7に、下フレーム7の前端部で左右方向に延びる回転軸線まわりに回転可能に保持されている。排出駆動ローラ37の周面の一部は、下フレーム7の上面から上側に突出している。
排出従動ローラ38は、第1読取部35の前側に配置されている。排出従動ローラ38は、上フレーム6に、上フレーム6の前端部で左右方向に延びる回転軸線まわりに回転可能に保持されている。排出従動ローラ38の周面は、上フレーム6の下面から下側に突出し、排出駆動ローラ37の周面に当接している。
<シートの画像の読み取り>
シートSの画像の読み取りの際には、図2に示されるように、トレイ3が開位置に配置される。そして、トレイ3上にシートSが載置される。
トレイ3上に載置されるシートSは、その先端部が供給ローラ31および分離片32に当接するまで、導入口17内に差し込まれる。このとき、供給ローラ31、搬送駆動ローラ33および排出駆動ローラ37が右側から見て反時計回りに回転される。また、搬送従動ローラ34および排出従動ローラ38は、それぞれ搬送駆動ローラ33および排出駆動ローラ37の回転に従動して、右側から見て時計回りに回転する。
シートSの先端部が供給ローラ31の周面に到達すると、供給ローラ31からシートSに搬送力が付与され、シートSの先端部が供給ローラ31と分離片32との間に移動する。そして、シートSが供給ローラ31と分離片32との間に挟まれたときに、シートSが、1枚ずつに分離され、1枚のシートSが供給ローラ31と分離片32との間を通過して、搬送駆動ローラ33の周面と搬送従動ローラ34の周面との間に移動する。
シートSの先端部が搬送駆動ローラ33の周面と搬送従動ローラ34の周面との間に到達すると、搬送駆動ローラ33および搬送従動ローラ34からシートSに搬送力が付与される。この搬送力により、シートSは、前側に搬送されて、搬送駆動ローラ33と搬送従動ローラ34との間を通過する。
その後、シートSは、第1読取部35の読取面上および第2読取部36の読取面上を通過する。このとき、第1読取部35の読取面上および第2読取部36の読取面上のシートSに、それぞれ第1読取部35および第2読取部36から光が照射される。そして、シートSでの反射光が第1読取部35および第2読取部36に受けられることにより、シートSの両面の画像がそれぞれ読み取られる。
そして、シートSの先端部が排出駆動ローラ37の周面と排出従動ローラ38の周面との間に到達すると、排出駆動ローラ37および排出従動ローラ38からシートSに搬送力が付与される。この搬送力により、シートSは、前側に搬送されて、排出口18を通して排出される。
<第1読取部>
第1読取部35は、図4および図5に示されるように、ホルダの一例である第1ホルダ101、イメージセンサモジュールの一例である第1イメージセンサモジュール102、樹脂シート103および2つの押圧部材104A,104Bを備えている。また、第1読取部35は、図9に示されるように、透明板120を備えている。
なお、図4、図5および図9に矢印で表示されている方向は、第1読取部35が画像読取装置1に取り付けられた状態における方向である。
第1ホルダ101は、図6および図7に示されるように、第1壁部の一例である後壁部111、第2壁部の一例である前壁部112、左壁部113、右壁部114、第3壁部の一例である下壁部115および延部123を一体的に備えている。
なお、図6および図7に矢印で表示されている方向は、第1読取部35が画像読取装置1に取り付けられた状態における方向である。
後壁部111は、左右方向および上下方向に延びている。前壁部112は、後壁部111の前側に間隔を空けて、後壁部111と左右方向に同じ位置で、後壁部111と平行に延びている。左壁部113は、後壁部111および前壁部112の各左端縁を連結している。右壁部114は、後壁部111および前壁部112の各右端縁を連結している。下壁部115は、後壁部111、前壁部112、左壁部113および右壁部114の各下端縁間に架設されている。延部123は、下壁部115の後端から後側に延びている。
下壁部115および延部123には、図9に示されるように、凹部121が形成されている。凹部121は、下壁部115と延部123との下面に跨がって、それぞれの下面から上側に凹んで前後方向および左右方向に延びている。透明板120は、前後方向において凹部121よりも小さく形成されており、凹部121に嵌められて下壁部115に保持されている。
また、下壁部115には、窓122が形成されている。窓122は、下壁部115において、透明板120の前端部と上下方向に重なる位置で左右方向に延びるように形成された開口である。
また、後壁部111の左端部、中央部および右端部には、図6に示されるように、それぞれ切欠116A,116B,116Cが形成されている。切欠116A,116B,116Cは、後壁部111の上端から下側に切り欠かれて形成されている。
第1ホルダ101は、3つの第1係合部131A,131B,131Cを備えている。
第1係合部131Aは、切欠116A内に設けられている。第1係合部131Aは、左部133A、右部134Aおよび上部135Aを一体的に有している。左部133Aおよび右部134Aは、切欠116A内で左右方向に間隔を空けて配置され、それぞれ後壁部111の上面から上側に延びている。上部135Aは、左部133Aおよび右部134Aの上端部間に架設されている。
第1係合部131Bは、切欠116B内に設けられている。第1係合部131Bは、左部133B、右部134Bおよび上部135Bを一体的に有している。左部133Bおよび右部134Bは、切欠116B内で左右方向に間隔を空けて配置され、それぞれ後壁部111の上面から上側に延びている。上部135Bは、左部133Bおよび右部134Bの上端部間に架設されている。
第1係合部131Cは、切欠116C内に設けられている。第1係合部131Cは、左部133C、右部134Cおよび上部135Cを一体的に有している。左部133Cおよび右部134Cは、切欠116C内で左右方向に間隔を空けて配置され、それぞれ後壁部111の上面から上側に延びている。上部135Cは、左部133Cおよび右部134Cの上端部間に架設されている。
また、前壁部112の左端部、中央部および右端部には、図7に示されるように、それぞれ切欠117A,117B,117Cが形成されている。切欠117A,117B,117Cは、前壁部112の上端から下側に切り欠かれて形成されている。
第1ホルダ101は、3つの第2係合部132A,132B,132Cを備えている。
第2係合部132Aは、切欠117A内に設けられている。第2係合部132Aは、左部136A、右部137Aおよび上部138Aを一体的に有している。左部136Aおよび右部137Aは、切欠117A内で左右方向に間隔を空けて配置され、それぞれ前壁部112の上面から上側に延びている。上部138Aは、左部136Aおよび右部137Aの上端部間に架設されている。
第2係合部132Bは、切欠117B内に設けられている。第2係合部132Bは、左部136B、右部137Bおよび上部138Bを一体的に有している。左部136Bおよび右部137Bは、切欠117B内で左右方向に間隔を空けて配置され、それぞれ前壁部112の上面から上側に延びている。上部138Bは、左部136Bおよび右部137Bの上端部間に架設されている。
第2係合部132Cは、切欠117C内に設けられている。第2係合部132Cは、左部136C、右部137Cおよび上部138Cを一体的に有している。左部136Cおよび右部137Cは、切欠117C内で左右方向に間隔を空けて配置され、それぞれ前壁部112の上面から上側に延びている。上部138Cは、左部136Cおよび右部137Cの上端部間に架設されている。
また、第1ホルダ101の下壁部115には、図10に示されるように、6つの溝部141A,141B,141C,141D,141E,141F、2つの突起142A,142Bおよび壁部143が形成されている。
なお、図10に矢印で表示されている方向は、第1読取部35が画像読取装置1に取り付けられた状態における方向である。
溝部141A,141B,141C,141D,141E,141Fは、後壁部111と下壁部115の窓122との間において、左右方向に延びる直線上に互いに間隔を空けた位置に、下壁部115の上面から下側に凹んで形成されている。
突起142A,142Bは、それぞれ前壁部112の左端部および右端部の後側に設けられている。突起142A,142Bは、それぞれ下壁部115の上面から上側に突出している。
壁部143は、前壁部112と下壁部115の窓122との間に配置されている。壁部143は、下壁部115の上面から上側に突出し、左右方向に延びている。
また、第1ホルダ101は、図6に示されるように、第1突起の一例である左突起151、左突出部152、第1突起の一例である右突起155および右突出部156を備えている。
左突起151は、後壁部111の切欠116Aの右側において、後壁部111の上下方向の中央部に配置されている。左突起151は、後壁部111の後面から後側に突出して形成されている。
左突出部152は、左突起151の右上側に配置されている。左突出部152は、後壁部111の後面から後側に突出して上下方向に延びている。
右突起155は、後壁部111の切欠116Cの左側において、上下方向に左突起151と同じ位置に配置されている。右突起155は、後壁部111の後面から後側に突出して形成されている。
右突出部156は、右突起155の左上側に配置されている。右突出部156は、後壁部111の後面から後側に突出して上下方向に延びている。
第1ホルダ101は、図7に示されるように、第2突起の一例である左突起153、左突出部154、第2突起の一例である右突起157および右突出部158を備えている。
左突起153は、前壁部112の切欠117Aの右側において、前壁部112の上下方向の中央部に配置されている。左突起153は、前壁部112の前面から前側に突出して形成されている。
左突出部154は、左突起153の右上側に配置されている。左突出部154は、前壁部112の前面から前側に突出して上下方向に延びている、
右突起157は、前壁部112の切欠117Cの左側において、上下方向に左突起153と同じ位置に配置されている。右突起157は、前壁部112の前面から前側に突出して形成されている。
右突出部158は、右突起157の左上側に配置されている。右突出部158は、前壁部112の前面から前側に突出して上下方向に延びている。
第1イメージセンサモジュール102は、LED光源、レンズおよびイメージセンサなどを内部に備えている。第1イメージセンサモジュール102は、第1ホルダ101内に配置されている。また、第1イメージセンサモジュール102は、図6および図7に示されるように、側部161および基板162を備えている。
側部161は、後板部171、前板部172、左板部173および右板部174を備えている。
後板部171は、第1ホルダ101の後壁部111の前側に配置されている。後板部171は、左右方向に延びている。後板部171の上端は、第2係合部132Aの上部138Aおよび第2係合部132Cの上部138Cよりも上側に位置している。後板部171の下端は、図9に示されるように、前後方向において溝部141A,141B,141C,141D,141E,141Fと同じ位置に配置されている。
前板部172は、図6および図7に示されるように、第1ホルダ101の前壁部112の後側に配置されている。前板部172は、後板部171の前側に間隔を空けて、左右方向に延びている。前板部172の上端は、第2係合部132Aの上部138Aおよび第2係合部132Cの上部138Cよりも上側に位置している。前板部172の下端は、その右端部を除き、図9に示されるように、前後方向において第1ホルダ101における前壁部112と壁部143との間に配置されている。これにより、前壁部112の上端と前側板172の上端との間から第1ホルダ101内に紙粉などの塵埃が流入しても、その塵埃が壁部143にせき止められる。
左板部173は、図6および図7に示されるように、後板部171および前板部172の各左端縁を連結している。
右板部174は、後板部171および前板部172の各右端縁を連結している。
後板部171には、図6に示されるように、3つの第1突出部175A,175B,175Cが形成されている。
第1突出部175Aは、第1係合部131Aの左部133Aと右部134Aとの間に配置されている。第1突出部175Aは、第1係合部131Aの上部135Aの下側で、上下方向に延びている。
第1突出部175Bは、第1係合部131Bの左部133Bと右部134Bとの間に配置されている。第1突出部175Bは、第1係合部131Bの上部135Bの下側で、上下方向に延びている。
第1突出部175Cは、第1係合部131Cの左部133Cと右部134Cとの間に配置されている。第1突出部175Cは、第1係合部131Cの上部135Cの下側で、上下方向に延びている。
また、前板部172には、図7に示されるように、3つの第2突出部176A,176B,176Cが形成されている。
第2突出部176Aは、第2係合部132Aの左部136Aと右部137Aとの間に配置されている。第2突出部176Aは、第2係合部132Aの上部138Aの下側で、上下方向に延びている。
第2突出部176Bは、第2係合部132Bの左部136Bと右部137Bとの間に配置されている。第2突出部176Bは、第2係合部132Bの上部138Bの下側で、上下方向に延びている。
第2突出部176Cは、第2係合部132Cの左部136Cと右部137Cとの間に配置されている。第2突出部176Cは、第2係合部132Cの上部138Cの下側で、上下方向に延びている。
また、側部161には、図9に示されるように、第1ホルダ101の溝部141A,141B,141C,141D,141E,141Fにそれぞれ対応して、突出部181が設けられている。
また、側部161には、図12に示されるように、第1ホルダ101の突起142B,142Aにそれぞれ対応して、凹部182が形成されている。
各突出部181が溝部141A,141B,141C,141D,141E,141Fにそれぞれ嵌められ、各凹部182に突起142A,142Bがそれぞれ挿入されることにより、第1イメージセンサモジュール102は、第1ホルダ101に対して左右方向および前後方向への移動が規制されている。
基板162は、図6および図7に示されるように、側部161の後板部171、前板部172、左板部173および右板部174の間で左右方向および前後方向に延び、側部161を下側から閉塞している。基板162の上面には、コネクタ191が設けられている。コネクタ191は、基板162の左端部に配置されており、基板162の上面から上側に突出している。
樹脂シート103は、図4および図5に示されるように、第1シート部201、第2シート部202および3つの第3シート部203A,203B,203Cを一体的に有している。
第1シート部201は、図4に示されるように、左右方向および上下方向に延び、第1ホルダ101の後壁部111を後側から覆うように設けられている。第1シート部201には、2つの切欠204A,204Bが形成されている。切欠204Aは、左右方向において、後壁部111の左突起151および左突出部152と前後方向に重なる位置に配置されている。切欠204Bは、左右方向において、後壁部111の右突起155および右突出部156と前後方向に重なる位置に配置されている。切欠204A,204Bは、第1シート部201の下端縁を上端縁まで上側に切り欠いて形成されている。
第2シート部202は、第1シート部201の上端縁から前側に延びている。第2シート部202の前端縁は、第1イメージセンサモジュール102の基板162の前後方向の中央部に配置されている。
第3シート部203A,203B,203Cは、それぞれ図7に示される切欠117A,117B,117Cと左右方向に同じ位置に配置されている。第3シート部203A,203B,203Cは、それぞれ第2シート部202から前側に延び、途中部が前壁部112に沿うように屈曲して下側に延びている。第3シート部203A,203B,203Cは、それぞれ第2係合部132A,132B,132Cを前側から覆っている。
押圧部材104Aは、金属製の線材を折り曲げて形成されている。押圧部材104Aは、図4および図5に示されるように、第1延部211、第2延部212、第1巻回部213、第1係止部214、第3延部215、第2巻回部216および第2係止部217を一体的に有している。
第1延部211は、樹脂シート103の上側で、後壁部111の左端部と前壁部112の左端部との間に跨がって前後方向に延びている。第1延部211は、第1ホルダ101の前壁部112における切欠117Aと左右方向に同じ位置に配置されている。
第2延部212は、図4に示されるように、第1延部211の後端から第1ホルダ101の後壁部111に形成された左突起151に向けて、右下側に延びている。
第1巻回部213は、第2延部212の右下端から左突起151に巻回されている。
第1係止部214は、第1巻回部213から上側に延び、左突出部152の左側から上側を迂回して右側に回り込んだ後に下側に延びている。これにより、第1係止部214は、左突出部152に係止されている。
第3延部215は、図5に示されるように、第1延部211の前端から第1ホルダ101の前壁部112に形成された左突起153に向けて、右下側に延びている。
第2巻回部216は、第3延部215の右下端から左突起153に巻回されている。
第2係止部217は、第2巻回部216から上側に延び、左突出部154の左側から上側を迂回して右側に回り込んだ後に下側に延びている。これにより、第2係止部214は、左突出部154に係止されている。
これにより、押圧部材104Aは、第1係止部214および第2係止部217がそれぞれ左突出部152および左突出部154に係止されることにより、第1ホルダ101に取り付けられている。さらに、第1巻回部213および第2巻回部216がそれぞれ左突起151および左突起153に巻回されていることにより、第1延部211は、樹脂シート103を介して、第1イメージセンサモジュール102の後板部171および前板部172の左端部の上端を下側に押圧している。
押圧部材104Bは、金属製の線材を折り曲げて形成されている。押圧部材104Bは、図4および図5に示されるように、第1延部221、第2延部222、第1巻回部223、第1係止部224、第3延部225、第2巻回部226および第2係止部227を一体的に有している。
第1延部221は、樹脂シート103の上側で、後壁部111の右端部と前壁部112の右端部との間に跨がって前後方向に延びている。第1延部221は、第1ホルダ101の前壁部112における切欠117Cと左右方向に同じ位置に配置されている。
第2延部222は、図4に示されるように、第1延部221の後端から第1ホルダ101の後壁部111に形成された右突起155に向けて、左下側に延びている。
第1巻回部223は、第2延部222の左下端から右突起155に巻回されている。
第1係止部224は、第1巻回部223から上側に延び、右突出部156の右側から上側を迂回して左側に回り込んだ後に下側に延びている。これにより、第1係止部224は、右突出部156に係止されている。
第3延部225は、図5に示されるように、第1延部221の前端から第1ホルダ101の前壁部112に形成された右突起157に向けて、左下側に延びている。
第2巻回部226は、第3延部225の左下端から右突起157に巻回されている。
第2係止部227は、第2巻回部226から上側に延び、右突出部158の右側から上側を迂回して左側に回り込んだ後に下側に延びている。これにより、第2係止部227は、右突出部158に係止されている。
これにより、押圧部材104Bは、第1係止部224および第2係止部227がそれぞれ右突出部156および右突出部158に係止されることにより、第1ホルダ101に取り付けられている。さらに、第1巻回部223および第2巻回部226がそれぞれ右突起155および右突起157に巻回されていることにより、第1延部221は、樹脂シート103を介して、第1イメージセンサモジュール102の後板部171および前板部172の右端部の上端を下側に押圧している。
<第2読取部>
第2読取部36は、図14に示されるように、ホルダの一例である第2ホルダ231およびイメージセンサモジュールの一例である第2イメージセンサモジュール232および透明板244を備えている。
第2ホルダ231は、第1壁部の一例である後壁部241、第2壁部の一例である前壁部242、第3壁部の一例である上壁部243、前延部246および後延部247ならびに非図示の左壁部および右壁部を一体的に備えている。
後壁部241は、左右方向および上下方向に延びている。前壁部242は、後壁部241の前側に間隔を空けて、後壁部241と左右方向に同じ位置で、後壁部241と平行に延びている。左壁部は、後壁部241および前壁部242の各左端縁間を連結している。右壁部は、後壁部241および前壁部242の各右端縁間を連結している。上壁部243は、後壁部241、前壁部242、左壁部および右壁部の各上端縁間に架設されている。前延部246は、上壁部243の前端から前側に延びている。後延部247は、上壁部243の後端から後側に延びている。
上壁部243および前延部246には、図9に示されるように、凹部251が形成されている。凹部251は、上壁部243と前延部246との上面に跨がって、それぞれの上面から下側に凹んで前後方向および左右方向に延びている。透明板244は、前後方向において凹部251よりも小さく形成されており、凹部251に嵌められて上壁部243に保持されている。
また、上壁部243には、窓252が形成されている。窓252は、上壁部243において、透明板244の後端部と上下方向に重なる位置で左右方向に延びるように形成された開口である。
また、後延部247には、切欠254が形成されている。切欠254は、傾斜部253の後端縁が前側に切り欠かれて形成されている。切欠254は、非図示のアクチュエータを上壁部243の下側から上側に向けて突出させる。アクチュエータは、たとえば、カードの挿入を検知するための非図示のカードリアセンサのアクチュエータである。
また、後壁部241には、切欠245が形成されている。切欠245は、後壁部241の下端部に配置され、その前面が後側に切り欠かれて形成されている。
第2イメージセンサモジュール232は、LED光源、レンズおよびイメージセンサなどをその内部に備えている。第2イメージセンサモジュール232は、第2ホルダ231内に配置されている。
また、図14に示されるように、下フレーム6において、第2収容部42の底面を形成する底面部281には、介在壁部282が形成されている。介在壁部282は、第2ホルダ231の後壁部241と第2イメージセンサモジュール232との間で、第2ホルダ231の後壁部241の切欠245の前側に位置している。介在壁部282は、底面部281の上面から上側に突出して、左右方向に延びている。
介在壁部282により、第2ホルダ231の後壁部241と底面部281との間から第2ホルダ231内に塵埃が入り込むことが抑制できる。これにより、第2イメージセンサモジュール232の読取面に塵埃が付着することを抑制できる。
<作用効果>
以上のように、第1イメージセンサモジュール102の上側に樹脂シート103が配置されている。そのため、第1ホルダ101内に紙粉などの塵埃が入り込むことを抑制できる。これにより、第1イメージセンサモジュール102の読取面、つまり透明板120との対向部に塵埃が付着することを抑制できる。その結果、第1イメージセンサモジュール102により、シートSの画像を良好に読み取ることができる。
また、第1イメージセンサモジュール102と押圧部材104A,104Bとの間に、樹脂シート103が介在される。これにより、押圧部材104A,104Bが第1イメージセンサモジュール102に直に接触することを抑制できる。そのため、第1イメージセンサモジュール102の上端部に基板162が設けられていても、押圧部材104A,104Bが基板162と直に接触することを抑制できる。
第1イメージセンサモジュール102は、左右方向の両側および前後方向の両側を取り囲む側部161を備え、押圧部材104A,104Bは、樹脂シート103を介して側部161を押圧している。
この構成によれば、押圧部材104A,104Bは、樹脂シート103を介して、第1イメージセンサモジュール102の側部161を押圧する。そのため、押圧部材104A,104Bの押圧による基板162の変形を抑制できる。
2つの押圧部材104A,104Bが左右方向に間隔を空けて設けられている。
この構成によれば、2つの押圧部材104A,104Bにより、第1イメージセンサモジュール102を左右方向においてバランスよく押圧することができる。
押圧部材104A,104Bは、金属の線材からなる。
この構成によれば、簡素な構成により、第1イメージセンサモジュール102を押圧することができる。
第1ホルダ101は、後端に設けられ、左右方向および前後方向に延びる後壁部111と、前端に設けられ、左右方向および前後方向に延びる前壁部112とを備え、押圧部材104A,104Bは、後壁部111と前壁部112との間に架設されている。
この構成によれば、後壁部111と前壁部112との間において、押圧部材104A,104Bにより、第1イメージセンサモジュール102を押圧することができる。
第1ホルダ101は、後壁部111から後側に突出する左突起151と、前壁部112から前側に突出する左突起153とを備え、押圧部材104Aは、後壁部111と前壁部112との間に跨がる第1延部211と、第1延部211の後端部から左突起151に向けて延びる第2延部212と、左突起151に巻回される第1巻回部213と、第1巻回部213から延び、後壁部111の左突出部154に係止される第1係止部214と、第1延部211の前端部から左突起153に向けて延びる第3延部215と、左突起153に巻回される第2巻回部216と、第2巻回部216から延び、前壁部112の左突出部154に係止される第2係止部217とを一体的に有している。
この構成によれば、後壁部111および前壁部112の上端部に対して、押圧部材104Aの第1延部211が上側に位置し、第2延部212、第1巻回部213、第1係止部214、第3延部215、第2巻回部216および第2係止部217を下側に位置させることができる。そのため、画像読取装置1を上下方向において小型化することができる
第1ホルダ101は、後壁部111から後側に突出する右突起155と、前壁部112から前側に突出する右突起157とを備え、押圧部材104Bは、後壁部111と前壁部112との間に跨がる第1延部221と、第1延部221の後端部から右突起155に向けて延びる第2延部222と、右突起155に巻回される第1巻回部223と、第1巻回部223から延び、後壁部111の右突出部156に係止される第1係止部224と、第1延部221の前端部から右突起157に向けて延びる第3延部225と、右突起157に巻回される第2巻回部226と、第2巻回部226から延び、前壁部112の右突出部158に係止される第2係止部227とを一体的に有している。
この構成によれば、後壁部111および前壁部112の上端部に対して、押圧部材104Bの第1延部221が上側に位置し、第2延部222、第1巻回部223、第1係止部224、第3延部225、第2巻回部226および第2係止部227を下側に位置させることができる。そのため、画像読取装置1を上下方向において小型化することができる。
第1ホルダ101は、後壁部111に設けられ、第1イメージセンサモジュール102の第1突出部175A,175B,175Cとそれぞれ係合する第1係合部131A,131B,131Cと、前壁部112に設けられ、第1イメージセンサモジュール102の第2突出部176A,176B,176Cとそれぞれ係合する第2係合部132A,132B,132Cとを備え、樹脂シート103は、第1係合部131A,131B,131Cを後側から覆い、第2係合部132A,132B,132Cを前側から覆うように設けられている。
この構成によれば、第1ホルダ101の第1係合部131A,131B,131Cがそれぞれ第1イメージセンサモジュール102の第1突出部175A,175B,175Cと係合され、第1ホルダ101の第2係合部132A,132B,132Cが第1イメージセンサモジュール102の第2突出部176A,176B,176Cと係合することにより、第1イメージセンサモジュール102を第1ホルダ101に保持させることができる。また、樹脂シート103の第1シート部201は、第1係合部131A,131B,131Cを後側から覆う。樹脂シート103の第3シート部203A,203B,203Cは、第2係合部132A,132B,132Cをそれぞれ前側から覆う。これにより、第1係合部131A,131B,131Cと後壁部111との間および第2係合部132A,132B,132Cと前壁部112との間の隙間から第1ホルダ101内に紙粉などの塵埃が入り込むことを抑制できる。
第1ホルダ101は、後壁部111および前壁部112の下端部間に設けられ、第1イメージセンサモジュール102に出入りする光が通過する窓122が形成された下壁部115とを備え、下壁部115を搬送路16に向けて、搬送路16の上側に配置されており、樹脂シート103は、後壁部111と第1イメージセンサモジュール102との間の隙間を上側から閉塞するように設けられている。
この構成によれば、樹脂シート103により、第1ホルダ101の後壁部111と第1イメージセンサモジュール102との隙間から第1ホルダ101内に紙粉などの塵埃が入り込むことを抑制できる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
前述の実施形態では、押圧部材104Aは、第1係止部214が左突出部152に係止され、第2係止部217が左突出部154に係止されることにより、第1ホルダ101に係止されていた。しかしながら、第1係止部214が後壁部111の後側から上側を迂回して前側に回り込むことにより、後壁部111に係止されており、第2係止部217が前壁部112の前側から上側を迂回して後側に回り込むことにより、前壁部112に係止されていてもよい。これにより、押圧部材104Aは、第1ホルダ101に係止される。同様に、押圧部材104Bは、第1係止部224および第2係止部227がそれぞれ後壁部111および前壁部112に係止されることにより、第1ホルダ101に係止されていてもよい。
また、図15に示されるように、第2ホルダ231は、樹脂シート301を備えていてもよい。樹脂シート301は、その上端が第2ホルダ231の後壁部241の下端部に配置されており、底面部281の上面まで下側に延びている。これにより、底面部281に介在壁部282が形成されていなくても、第2収容部42の後面と後壁部241との間から紙粉などの塵埃が第2ホルダ231内に入り込むことを抑制できる。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。