JP2014194974A - 高温超電導コイル、その製造装置およびその製造方法 - Google Patents

高温超電導コイル、その製造装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超電導特性を劣化させずに巻回が正確になされた複雑形状の高温超電導コイル、その製造装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】高温超電導コイル10は、少なくとも酸化物超電導層を含むテープ状の超電導線材20と、巻回される超電導線材20の対向面30(30a,30b)の間に配置されて紫外領域または可視領域の電磁波18を透過する電気絶縁フィルム16と、超電導線材20と電気絶縁フィルム16との界面に形成されて電磁波18を吸収して硬化する接着層15と、を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、高温超電導物質を線材とする高温超電導コイルおよびその製造方法に関する。
第二世代の超電導線材と呼ばれるイットリウム系(RE系)の線材は、コイルとして様々な機器への適用が期待されている。
単純な丸型のコイルであれば、巻回の際、超電導線材(以下、単に「線材」という)にテンションをかけるだけで形状を維持できる。
よって、一般的には線材に電気絶縁フィルムを重ねて線材および電気絶縁フィルムにテンションをかけて巻回し、その後エポキシ樹脂などに含浸してコイルの形状を固定する。
または、線材と電気絶縁フィルムとの界面に硬化性の樹脂を塗布しながら重ねてテンションをかけて巻回してコイルにする。
しかし、コイルの形状は、コイルが適用される機器に合わせて部分的に内層側に凹んだ形状(負曲率部分を有する形状)が要求される場合もある。
さらに、円筒などの湾曲したベースに線材を鞍型に配置するような三次元に歪曲した形状が要求される場合もある。
このように、負曲率部分を有するコイルは、線材を巻枠の形状に沿って随時固定して巻回しないと、線材にかかるテンションで負曲率部分が浮いてしまい、要求された形状を維持できない。
三次元に歪曲したコイルに関しても、線材にかかるテンションの分解成分が、巻枠または湾曲したベースを押しつける方向以外にかかると、コイル形状が維持されない。
そこで、丸線では、三次元に歪曲した形状のコイルを製造する場合、線材を湾曲したベースに融着して位置を固定しながら巻回していた(例えば、特許文献1)。
そこで、例えば、丸線の線材の周囲に熱硬化型樹脂に紫外線硬化型樹を混合し、できるだけ紫外線で接着剤を硬化させ、線材の加熱を低減する方法が考案されている(例えば、特許文献2)。
特開2006−135060号公報 特開昭61−224403号公報
線材を湾曲したベースに融着して固定しながら巻回する方法は、丸線には適用できるものの、RE系の線材のように一般にテープ状で幅を有する線材には適用することは困難である。
テープ状の線材は、幅方向には容易に湾曲しないため、巻回により、線材の幅方向の端部をベースの曲面に固定することが容易でないからである。
さらに、接着剤を融着させるこの方法をRE系の線材に適用すると、加熱または振動により超電導層に変性やクラックなどが生じて超電導特性を劣化させるおそれがある。
また、上述の熱硬化型樹脂に紫外線型樹脂を混合して紫外線によって硬化させる方法も、紫外線のとどかない部分に対して、加熱して硬化させる必要がある。
テープ状の線材は、巻回されて紫外線のとどかなくなる部分が多く、丸線以上に加熱が必要となり、上述のように超電導特性を劣化させてしまう。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、超電導特性を劣化させずに巻回が正確になされた複雑形状の高温超電導コイル、その製造装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる高温超電導コイルは、少なくとも酸化物超電導層を含むテープ状の超電導線材と、巻回される前記超電導線材の対向面の間に配置されて紫外領域または可視領域の電磁波を透過する電気絶縁フィルムと、前記超電導線材と前記電気絶縁フィルムとの界面に形成されて前記電磁波を吸収して硬化する接着層と、を備えるものである。
本発明により、超電導特性を劣化させずに巻回が正確になされた複雑形状の高温超電導コイル、その製造装置およびその製造方法が提供される。
(A)は負曲率部分を有する本発明の実施形態にかかる高温超電導コイルの上面図、(B)は図1(A)におけるI−I方向の切断図。 (A)は本発明の各実施形態にかかる高温超電導コイルが三次元に歪曲した状態を示す上面図、(B)は図2(A)におけるII−II方向の切断図。 本発明の各実施形態にかかる高温超電導コイルの各部材の配置形状を示す断面図。 本発明の各実施形態にかかる高温超電導コイルの超電導線材の構成を示す斜視図。 (A)は本発明の第1実施形態にかかる高温超電導コイルの製造装置を示す概略図、(B)は図5(A)におけるIII−III方向の断面図。 本発明の各実施形態にかかる高温超電導コイルを構成する各部材の幅および幅方向の端部が揃えられた状態を示す断面図。 (A)は本発明の第2実施形態にかかる高温超電導コイルの製造装置を示す概略図、(B)は図7(A)におけるIV−IV方向の断面図。 本発明の第1実施形態にかかる製造手順を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態にかかる製造手順を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1(A)は負曲率部分11を有する本発明の第1実施形態にかかる高温超電導コイル10の上面図、図1(B)は図1(A)におけるI−I方向の切断図である。
また、図2は、図2(A)は実施形態にかかる高温超電導コイル10が三次元に歪曲した状態を示す上面図、図2(B)は図2(A)におけるII−II方向の切断図である。
すなわち、図2は、円筒などの湾曲したベース43の曲面に沿って歪曲された高温超電導コイル10を示している。
図2で示される高温超電導コイル10のようにその巻枠17が三次元に歪曲している場合、図2(B)の断面に負曲率部分11を有する。
なお、図2(B)のII−II方向に加え、図2(A)の上面の部分にも図1(A)のような負曲率部分11を有することも想定できる。
(第1実施形態)
図3は、第1実施形態にかかる高温超電導コイル10の各部材の配置形状を示す断面図である。
本発明の第1実施形態にかかる高温超電導コイル10は、図3に示されるように、少なくとも酸化物超電導層25(図4)を含むテープ状の超電導線材20と、巻回される超電導線材20の対向面30(30a,30b)の間に配置されて紫外領域または可視領域の電磁波18を透過する電気絶縁フィルム16と、超電導線材20と電気絶縁フィルム16との界面に形成されて電磁波18を吸収して硬化する接着層15と、を備える。
図4は、各実施形態にかかる高温超電導コイル10の超電導線材20の構成を示す斜視図である。
超電導線材20は、例えば第二世代のRE系の高温超電導物質からなる酸化物超電導層25を含むテープ状の線材である。
超電導線材20は、例えば、ステンレスまたは銅などの高強度の金属材質である基板22と、基板22の上に形成されて基板22と酸化物超電導層25の熱収縮の際に起因する熱歪みを防止する中間層24と、中間層24を基板22の表面に配向させるマグネシウムなどからなる配向層23と、中間層24の上に形成される酸化物でできた酸化物超電導層25と、銀、金または白金などで組成され、酸化物超電導層25に含まれる酸素が酸化物超電導層25から拡散することを防止して酸化物超電導層25を保護する保護層26と、銅またはアルミニウムなどの良伝導性の金属メッキであり酸化物超電導層25への過剰電流の迂回経路となってクエンチ現象を防止する安定化層21と、から構成される。
ただし、超電導線材20を構成する各層の種類および数はこれに限定されるものではなく、必要に応じて多くても少なくてもよい。
これら超電導線材20を構成する層は非常に剥離しやすいことが知られおり、超電導性はこの剥離やその他の応力などで容易に喪失する。
電気絶縁フィルム16は、図3に示されるように、巻回される超電導線材20の対向面30(30a,30b)の間に配置されて紫外領域または可視領域の電磁波18を透過する。
電気絶縁フィルム16の材料は、例えば、ポリエステル、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ウレタンなどである。
これらの材料は電磁波18を乱反射させながら透過させるため、電磁波18が入射される側面とは反対側の側面の近傍の接着層15にまで十分な電磁波18が届く。
これらの中から選ばれた材料をガラスクロスと組み合わせて電気絶縁フィルム16とすることもできる。
ガラスクロスはプラスチックに比べ弾性率が高く構造用の材料として適している。
ガラスクロスと上述の材料とを組み合わせることで、プラスチックの絶縁性を維持したまま比強度を高められる。
接着層15は、超電導線材20と電気絶縁フィルム16との界面に形成されて電磁波18を吸収して硬化する。
接着層15の材料には、例えば、紫外領域の電磁波18に対して反応するメタクロイル基やアントラセン基などの官能基をドープしたアクリル系樹脂などがある。
また、可視領域の電磁波18に対しては、例えば、東亜合成(登録商標)のアロニックス(登録商標)LCRシリーズなどの接着剤が使用できる。
なお、接着層15の材料は電磁波18で硬化する接着剤であれば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂など、特に制限はなく、公知のものを適宜選択して使用できる。
これらの接着剤は、短いものは数秒間の照射で硬化する。
また、図5(A)は本発明の第1実施形態にかかる高温超電導コイル10の製造装置40を示す概略図、(B)は図5(A)におけるIII−III方向の断面図である。
そして、図6は、各実施形態にかかる高温超電導コイル10を構成する各部材の幅および幅方向の端部が揃えられた状態を示す断面図である。
本発明の第1実施形態にかかる高温超電導コイル10の製造装置40は、図5および図
6に示されるように、電気絶縁フィルム16を光路として超電導線材20の対向面30(30a,30b)(図3)に電磁波18を照射する第1光源41と、第1光源41とは反対の側面に配置されて電磁波18を反射する反射手段42と、を備える。
さらに、第1実施形態にかかる高温超電導コイル10の製造装置40は超電導線材20と電気絶縁フィルム16との界面に接着層15(図3)を形成する形成手段44と、巻回の際に超電導線材20を軽く押し付けて高温超電導コイル10の形状を成形するガイド51を備える。
第1光源41は、電気絶縁フィルム16を光路として超電導線材20の対向面30(30a,30b)に電磁波18を照射する。
つまり、第1光源41は、対向面30に沿う方向(図5(B)参照)に向けて設置されて電磁波18を照射する。
電磁波18の波長領域は選ばれた材料に合わせて適宜選択される。
なお、LEDは、放電式のランプに比べ放出される電磁波18の波長領域が狭いため、樹脂の硬化に必要とされる波長領域以外の電磁波18の照射を低減できるので好適である。
つまり、LEDを用いることで、電磁波18の照射による高温超電導コイル10の各部材の変性のリスクを低減できる。
また、LEDは、放電式のランプに比べ消費電力が小さく、高温超電導コイル10の製造コストを軽減できる。
なお、例えばガイド51の押え付ける力が不十分で負曲率部分11の超電導線材20が浮いてしまっている場合には、その箇所を巻きなおすことがある。
このような巻きなおしを考慮し、一回転目の巻回では僅かに未硬化の状態を残しておき、数回転目で完全に硬化させるなど、電磁波18の強度は適宜調整される。
反射手段42は、高温超電導コイル10について、第1光源41とは反対の側面に配置されて電磁波18を反射する。
上述の各部材の変性のリスクを低減するため、できるだけ弱い電磁波18で、均等に接着層15を硬化させることが望まれる。
そこで、巻回された超電導線材20について、第1光源41とは反対の側面に反射手段42を配置し、反射手段42に入射する電磁波18を再度電気絶縁フィルム16へ入射させる。
なお、巻回する超電導線材20を支持するベース43の表面を金属加工して反射手段42としてもよい。
製造される高温超電導コイル10が複雑形状である場合、超電導線材20にこの形状を付与するためのベース43の必要性が高くなる。
すなわち、高温超電導コイル10が複雑形状になると、図2で示したように、円筒などの湾曲したベース43の曲面に沿って超電導線材20を巻枠17に巻回することとなる。
そこで、ベース43に反射加工を施して、超電導線材20に複雑形状を付与させるだけでなく、電磁波18の減衰を抑えて電磁波18を電気絶縁フィルム16に再入射させる。
なお、超電導線材20、接着層15および電気絶縁フィルム16はベース43によって幅方向の端部が揃えられるだけでなく、互いの幅も揃っていることが望まれる。
例えば、図6は、実施形態にかかる高温超電導コイル10を構成する各部材の幅および幅方向の端部が揃えられた状態を示す断面図である。
幅および幅方向の端部が揃えられていない場合、巻回されてできる超電導線材20の対向面30の間には空隙ができる。
すると、この空隙によって、熱収縮の際に応力に偏りが生じ、上述のように超電導線材20の各層が剥離して超電導性が喪失しやすくなる。
そこで、接着しあう超電導線材20、接着層15および電気絶縁フィルム16の幅を揃え、ベース43などで端部を揃えて巻回する。
このように、超電導線材20の端部に空隙をつくらないために端部を揃えることで、高温超電導コイル10の超電導特性を劣化させずに巻回できる。
形成手段44は、図5に示されるように、超電導線材20と電気絶縁フィルム16との界面に接着層15(図3)を形成する。
第1実施形態においては、例えば、図5のように2つの形成手段44が、線材リール45から繰り出される超電導線材20の両面に向けて設置され、接着剤19を噴射または塗布する。
なお、接着剤19は、絶縁リール46から繰り出される電気絶縁フィルム16の両側に噴射または塗布されてもよい。
次に本発明の第1実施形態にかかる高温超電導コイル10の製造手順を、図8を用いて説明する。
図8は第1実施形態にかかる高温超電導コイル10の製造手順を示すフローチャートである。
まず、線材リール45から繰り出される超電導線材20の両面に接着剤19を噴射または塗布して接着層15を形成する(ステップS11)。
なお、接着層15は超電導線材20に替えて電気絶縁フィルム16の両面に形成されてもよい。
そして、ベース43およびベース43に支持された巻枠17を回転させて巻回を開始する(ステップS12)。
なお、巻回する際の回転軸の方向は鉛直方向であっても水平方向であってもよい。
次に、巻回されている高温超電導コイル10に向けて対向面30に沿う方向から電磁波18を照射する(ステップS13)。
すると、照射されて電気絶縁フィルム16に入射する電磁波18は、電気絶縁フィルム16の内部で乱反射して接着層15に吸収される(ステップS14)。
電気絶縁フィルム16を透過した電磁波18は、反射加工が施されたベース43で反射して電気絶縁フィルム16に再度入射する(ステップS15)。
このようにして電気絶縁フィルム16の内部で乱反射する電磁波18を(ステップS16)、接着層15は吸収して硬化する(ステップS17)。
電磁波18を照射された部分は、一周巻回された時点で完全に硬化されてもよいし、巻きなおしを考慮して、僅かに未硬化であってもよい。
以上の手順は、高温超電導コイル10の大きさが求められた大きさまたは巻き数になるまで繰り返される(ステップS18;NO;ステップS11へ戻る)。
そして、高温超電導コイル10の大きさが求められた大きさまたは巻き数になったら巻回を終了する(ステップS18;YES)。
以上のように、本発明の第1実施形態にかかる高温超電導コイル10によれば、特定の電磁波18を吸収して硬化する接着層15およびその電磁波18を透過する電気絶縁フィルム16を組み合わせることで、超電導特性を劣化させずに巻回が正確になされた複雑形状の高温超電導コイル10を提供できる。
また、本発明の第1実施形態にかかる高温超電導コイル10の製造装置40および製造方法によれば、接着層15に、対向面30に沿う方向から電気絶縁フィルム16を光路として接着層15を硬化させる電磁波18を照射することにより、巻回とともに随時形状を固定できる。
すなわち、高温超電導コイル10が複雑形状であっても、製造工程で加熱や加圧などを不要とでき、巻回の際の超電導特性の劣化を抑えて正確に巻回することができる。
(第2実施形態)
図7(A)は本発明の実施形態にかかる高温超電導コイル10の製造装置40を示す概略図、図7(B)は図7(A)におけるIV−IV方向の断面図である。
本発明の第2実施形態にかかる高温超電導コイル10の製造装置40は、図7に示されるように、繰り出される超電導線材20および電気絶縁フィルム16の貼合面31に接着層15(図3)を形成する第1形成手段47と、超電導線材20と電気絶縁フィルム16とを貼り合せた後に電気絶縁フィルム16の側から電磁波18を照射する第2光源48と、電磁波18の照射で貼り合された超電導線材20および電気絶縁フィルム16の少なくとも片表面に接着層15を形成する第2形成手段49と、を備える。
第1形成手段47は、線材リール45および絶縁リール46からそれぞれ繰り出される超電導線材20および電気絶縁フィルム16の貼合面31に接着層15を形成する。
貼合面31にのみ接着層15を形成すればよいことを除けば、第1形成手段47の機能は第1実施形態の形成手段44と同一である。
貼合棒52は、繰り出される超電導線材20に軽いテンションがかけられた電気絶縁フィルム16を押し付けて貼り合せる。
貼合棒52は、例えば、棒状のローラであれば、電気絶縁フィルム16にかかる摩擦を低減でき、静電気の発生など防止できる。
第2光源48は、超電導線材20と電気絶縁フィルム16とを貼り合せた後に電気絶縁フィルム16の側から電磁波18を照射する。
第2光源48は、貼合棒52で貼り合された超電導線材20および電気絶縁フィルム16は未だ巻回されていない部分に向けて設置される。
よって、対向面30に沿う方向から電気絶縁フィルム16に電磁波18を照射してその内部で乱反射させなくとも、電気絶縁フィルム16を透過させて接着層15に直接照射できる。
第2形成手段49は、電磁波18の照射で貼り合された超電導線材20および電気絶縁フィルム16の少なくとも片表面に接着層15を形成する。
なお、接着剤19の噴射または塗布が超電導線材20または電気絶縁フィルム16のいずれか片表面だけでよいことを除き、第2形成手段49の機能は第1実施形態の形成手段44と同一である。
このように、電気絶縁フィルム16を透過して貼合面31に形成された接着層15を万遍なく照射することができるので、接着層15の硬化が不均一になることを防止できる。
さらに、巻回される直前の電気絶縁フィルム16を超電導線材20に随時固定するので、巻回の位置の内外差によって巻回とともに生じる超電導線材20に対する電気絶縁フィルム16のずれを防止することができる。
なお、第1形成手段47、第2光源48および第2形成手段49が設けられたこと以外は、第2実施形態は第1実施形態と同じ構造となるので、重複する説明を省略する。
また、巻回の前に超電導線材20と電気絶縁フィルム16とが貼り合せられて接着層15が硬化されること以外は、製造手順も同様であるので重複する説明を省略する。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
製造された後の高温超電導コイル10も、第1実施形態にかかる高温超電導コイル10と同様の部材を備える。
次に本発明の第2実施形態にかかる高温超電導コイル10の製造手順を、図9を用いて説明する。
図9は第2実施形態にかかる高温超電導コイル10の製造手順を示すフローチャートである。
まず、線材リール45から繰り出される超電導線材20の電気絶縁フィルム16との貼合面31に接着剤19を噴射または塗布して接着層15を形成する(ステップS01)。
そして、電気絶縁フィルム16を超電導線材20と幅方向の端部を揃えて貼り合せる(ステップS02)。
次に、超電導線材20と電気絶縁フィルム16とを貼り合せた後に電気絶縁フィルム16の側から第2光源48で電磁波18を照射する(ステップS03)。
このとき、電磁波18は電気絶縁フィルム16を透過して直接接着層15に照射される。
接着層15が電磁波18を吸収して硬化することで電気絶縁フィルム16が超電導線材20に固定される(ステップS04)。
その後、電磁波18の照射で貼り合された超電導線材20および電気絶縁フィルム16の少なくとも片表面に接着層15を形成する(ステップS05)。
そして、第1実施形態と同様の製造手順で巻回する(ステップS12〜ステップS17)。
以上の手順は、高温超電導コイル10の大きさが求められた大きさまたは巻き数になるまで繰り返される(ステップS18;NO;ステップS01へ戻る)。
そして、高温超電導コイル10の大きさが求められた大きさまたは巻き数になったら巻回を終了する(ステップS18;YES)。
このように、本発明の第2実施形態にかかる高温超電導コイル10によれば、特定の電磁波18を吸収して硬化する接着層15およびその電磁波18を透過する電気絶縁フィルム16を組み合わせることで、超電導特性を劣化させずに巻回が正確になされた複雑形状の高温超電導コイル10を提供できる。
また、本発明の第2実施形態にかかる高温超電導コイル10の製造装置40および製造方法によれば、接着層15に、対向面30に沿う方向から電気絶縁フィルム16を光路として接着層15を硬化させる電磁波18を照射することにより、巻回とともに随時形状を固定できる。
すなわち、高温超電導コイル10が複雑形状であっても、製造工程で加熱や加圧などを不要とでき、巻回の際の超電導特性の劣化を抑えて正確に巻回することができる。
以上のべた少なくとも一つの実施形態の高温超電導コイル10によれば、特定の電磁波18を吸収して硬化する接着層15およびその電磁波18を透過する電気絶縁フィルム16を組み合わせることで、超電導特性を劣化させずに巻回が正確になされた複雑形状の高温超電導コイル10を提供できる。
また、本発明の第2実施形態にかかる高温超電導コイル10の製造装置40および製造方法によれば、接着層15に、対向面30に沿う方向から電気絶縁フィルム16を光路として接着層15を硬化させる電磁波18を照射することにより、巻回とともに随時形状を固定できる。
すなわち、高温超電導コイル10が複雑形状であっても、製造工程で加熱や加圧などを不要とでき、巻回の際の超電導特性の劣化を抑えて正確に巻回することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…高温超電導コイル、11…負曲率部分、15…接着層、16…電気絶縁フィルム、17…巻枠、18…電磁波、20…超電導線材、21…安定化層、22…基板、23…配向層、24…中間層、25…酸化物超電導層、26…保護層、30(30a,30b)…対向面、31…貼合面、40…製造装置、41…第1光源、42…反射手段、43…ベース、44…形成手段、45…線材リール、46…絶縁リール、47…第1形成手段、48…第2光源、49…第2形成手段、51…ガイド、52…貼合棒。

Claims (11)

  1. 少なくとも酸化物超電導層を含むテープ状の超電導線材と、
    巻回される前記超電導線材の対向面の間に配置されて紫外領域または可視領域の電磁波を透過する電気絶縁フィルムと、
    前記超電導線材と前記電気絶縁フィルムとの界面に形成されて前記電磁波を吸収して硬化する接着層と、を備えることを特徴とする高温超電導コイル。
  2. 前記電気絶縁フィルムは、前記電磁波を乱反射させながら透過させることを特徴とする請求項1に記載の高温超電導コイル。
  3. 前記電気絶縁フィルムの材料は、ポリエステル、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ウレタンからなる群より選ばれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高温超電導コイル。
  4. 前記電気絶縁フィルムは、前記群より選ばれた前記材料をガラスクロスと組み合わせてなることを特徴とする請求項3に記載の高温超電導コイル。
  5. 前記超電導線材、前記電気絶縁フィルムおよび前記接着層の幅および幅方向の端部が揃えられて巻回されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の高温超電導コイル。
  6. 前記電気絶縁フィルムを光路として前記超電導線材の前記対向面に前記電磁波を照射する第1光源を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の高温超電導コイルの製造装置。
  7. 前記第1光源とは反対の側面に配置されて前記電磁波を反射する反射手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の高温超電導コイルの製造装置。
  8. 前記反射手段は、巻回する前記超電導線材を支持するベースであることを特徴とする請求項7に記載の高温超電導コイルの製造装置。
  9. 繰り出される前記超電導線材および前記電気絶縁フィルムの貼合面に前記接着層を形成する第1形成手段と、
    前記超電導線材と前記電気絶縁フィルムとを貼り合せた後に前記電気絶縁フィルムの側から前記電磁波を照射する第2光源と、
    前記電磁波の照射で貼り合された前記超電導線材および前記電気絶縁フィルムの少なくとも片表面に前記接着層を形成する第2形成手段と、を備えることを特徴とする請求項8に記載の高温超電導コイルの製造装置。
  10. 少なくとも酸化物超電導層を含むテープ状の超電導線材の両面に紫外領域または可視領域の電磁波を吸収して硬化する接着層を形成するステップと、
    前記超電導線材に前記接着層に前記電磁波を透過する電気絶縁フィルムを重ねて巻回するステップと、
    巻回と同時に前記電気絶縁フィルムを光路として前記超電導線材の対向面に前記電磁波を照射するステップと、を含むことを特徴とする高温超電導コイルの製造方法。
  11. 前記接着層を形成する前記ステップは、繰り出される前記超電導線材および前記電気絶縁フィルムの貼合面に前記接着層を形成するステップと、
    前記超電導線材と前記電気絶縁フィルムとを貼り合せた後に前記電気絶縁フィルムの側から前記電磁波を照射するステップと、
    前記電磁波の照射で貼り合された前記超電導線材および前記電気絶縁フィルムの少なくとも片表面に前記接着層を形成するステップと、からなることを特徴とする請求項10に記載の高温超電導コイルの製造方法。
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