JP2014193475A - 丸ビレットの連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブレークアウトの危険性を伴うことなく、且つ、設備コストを高めることなく、表面割れの少ない丸ビレットを安定して製造することのできる、丸ビレットの連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の丸ビレットの連続鋳造方法は、タンディッシュ内の溶鋼を浸漬ノズルを介して、内部空間横断面が円形である鋳型に注入し、鋳型内で形成される凝固シェルを1.0〜3.0m/分の引き抜き速度で鋳型の下方に連続的に引き抜いて丸ビレットを連続鋳造するにあたり、1573Kにおける粘度が1.0〜4.0Pa・sのモールドパウダーを鋳型内溶鋼湯面に添加するとともに、ネガティブストリップ時間が0.20〜0.35秒となる正弦波で前記鋳型を振動させることを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、表面のオシレーションマークの深さが浅く、表面割れの少ない丸ビレットを製造することを可能とする、丸ビレットの連続鋳造方法に関する。
連続鋳造によって製造された丸ビレットは、1200℃以上の温度に加熱された後に、マンネスマン穿孔設備などによって継目無鋼管に圧延加工されている。丸ビレットの表面には、連続鋳造時に発生した割れが存在することがあり、表面割れを有する丸ビレットから製造される継目無鋼管では、丸ビレットの表面割れに起因して継目無鋼管の表面に欠陥が発生する。
そこで、丸ビレットを連続鋳造によって製造する際に、丸ビレットの表面割れを防止する方法が幾つか提案されている。
例えば特許文献1には、炭素濃度が0.3〜1.0質量%の溶鋼から丸ビレットを連続鋳造する際に、鋳型直下における凝固シェル厚みをD(mm)、鋳型直下から最初に丸ビレットがスプレー冷却されるまでの間の復熱量をΔT(℃)とした場合、ΔT/Dが8.5℃/mm以下となるように、鋳型直下の二次冷却水量及び鋳造速度の少なくとも一つを制御する方法が提案されている。
また、特許文献2には、矯正部を有する連続鋳造機を用いて丸ビレットを連続鋳造する際に、丸ビレットの表面から深さ5mmの部位における温度がA3変態温度から800℃以下まで低下する間の冷却速度が5℃/秒以上10℃/秒未満となる二次冷却を、鋳型出口直下から行い、その後、鋳片を矯正するまでに丸ビレットの表面から深さ5mmの部位の温度を一旦950℃以上に復熱させ、その後に丸ビレットを矯正する方法が提案されている。
特開2000−317598号公報 特開2007−307574号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題点がある。
即ち、特許文献1では、鋳型内の冷却が不均一の場合には、鋳型出口における凝固シェル厚み(D)にばらつきが生じ、凝固シェル厚み(D)がばらつくことから、その結果として復熱量(ΔT)も異なり、復熱量(ΔT)にばらつきが発生する。つまり、ΔT/Dは鋳造方向のみならず丸ビレットの円周方向でも異なり、このようなΔT/Dを8.5℃/mm以下となるように制御するためには、鋳造方向のみならず丸ビレットの円周方向で、個別に二次冷却水量を制御可能な二次冷却装置が必要であり、実操業への適用は極めて困難といわざるを得ない。また、ΔT/Dが最も高い部位を対象として二次冷却水量を一括的に設定した場合には、ΔT/Dが低い部位は冷却が不足し、冷却不足によるブレークアウトの危険性がある。
特許文献2では、二次冷却水量が多いために、スプレーノズルの状態によっては冷却にばらつきが生じやすく、却って表面割れが助長される虞があり、また、大量の二次冷却水を扱うことから、二次冷却装置が大型化し、設備費が高価になるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ブレークアウトの危険性を伴うことなく、且つ、設備コストを高めることなく、表面割れの少ない丸ビレットを安定して製造することのできる、丸ビレットの連続鋳造方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]タンディッシュ内の溶鋼を浸漬ノズルを介して、内部空間横断面が円形である鋳型に注入し、鋳型内で形成される凝固シェルを1.0〜3.0m/分の引き抜き速度で鋳型の下方に連続的に引き抜いて丸ビレットを連続鋳造するにあたり、1573Kにおける粘度が1.0〜4.0Pa・sのモールドパウダーを鋳型内溶鋼湯面に添加するとともに、ネガティブストリップ時間が0.20〜0.35秒となる正弦波で前記鋳型を振動させることを特徴とする、丸ビレットの連続鋳造方法。
本発明によれば、引き抜き速度が1.0〜3.0m/分の条件で丸ビレットを連続鋳造する際に、鋳型内に添加するモールドパウダーとして、比較的粘度の高い、1573Kにおける粘度が1.0〜4.0Pa・sのモールドパウダーを使用するので、モールドパウダーによるオシレーションマーク深さへの影響が少なくなり、且つ、ネガティブストリップ時間が0.20〜0.35秒となる正弦波で鋳型を振動させるので、鋳型振動によるオシレーションマーク深さの影響も少なくなり、この両者の効果によってオシレーションマークの深さを浅くすると同時にオシレーションマーク深さのばらつきを小さくすることができ、その結果、ブレークアウトの危険性を伴うことなく、且つ、設備コストを高めることなく、連続鋳造で製造する丸ビレットの表面割れを大幅に低減することが実現される。
オシレーションマーク深さと表面割れ個数(指数)との関係の調査結果を示す図である。 オシレーションマーク深さと表層下介在物量(指数)との関係の調査結果を示す図である。 鋳型振動の1周期における鋳型の変位yと鋳型の振動速度uとの関係を示す図である。 モールドパウダーの粘度とオシレーションマーク深さとの関係の調査結果を示す図である。 モールドパウダーの粘度とブレークアウト発生頻度との関係の調査結果を示す図である。 鋳型振動のネガティブストリップ時間とオシレーションマーク深さとの関係の調査結果を示す図である。 鋳型振動のネガティブストリップ時間とブレークアウト発生頻度との関係の調査結果を示す図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明者らは、タンディッシュ内の溶鋼を、浸漬ノズルを介して、内部空間横断面が円形である鋳型に注入し、鋳型内に注入された溶鋼が鋳型内壁と接触して冷却されて形成する、外形が円形の凝固シェルを鋳型の下方に連続的に引き抜くことで製造される丸ビレットについて、この丸ビレットの表面割れを、ブレークアウトの危険性を伴うことなく、且つ、設備コストを高めることなく、効率的に低減する方法を検討した。以下、検討結果を説明する。
鋼の連続鋳造では、鋳型と凝固シェルとの焼き付きを防止するために、鋳型を周期的且つ連続的に鋳造方向に振動させている。この振動は「オシレーション」とも呼ばれており、この鋳型振動によって、連続鋳造鋳片の表面には凹状の、所謂、「オシレーションマーク」が形成される。このオシレーションマークの深さが深い場合、凹みのノッチ効果により表面割れの起点になることが、スラブ連続鋳造機においては従来から知られている。
図1に示すように、本発明者らの調査結果から、連続鋳造で製造される丸ビレットにおいても、オシレーションマークの深さが0.5mmを超えると、表面割れが増加することがわかった。この表面割れは、顕微鏡観察の結果から、凝固後に生じた割れであることが確認されており、従って、この表面割れは、オシレーションマークの凹みのノッチ効果によって連続鋳造機の二次冷却帯で発生したものであるとの確証を得た。つまり、丸ビレットの表面割れを低減するためには、オシレーションマークの深さを0.5mm以下に制御する必要があることを見出した。尚、図1は、オシレーションマーク深さと表面割れ個数(指数)との関係の調査結果を示す図である。
図2は、丸ビレットの表面割れとは直接関係しないものの、オシレーションマーク深さと丸ビレットの表層下介在物量(指数)との関係の調査結果を示す図である。図2に示すように、オシレーションマークの深さが0.5mmを超えると、表層下介在物が増加することがわかった。ここで、表層下介在物とは、顕微鏡観察によって測定される、丸ビレット表面から5.0mm以内に存在する粒径100μm以上の介在物であり、図2の縦軸は測定された介在物個数を指数化した値である。図2より、オシレーションマークの深さを0.5mm以下に制御すれば、表層下介在物も減少するとの知見を得た。
オシレーションマークは、鋳型内溶鋼湯面近傍の凝固シェル(凝固直後の凝固シェル)が、鋳型の振動に伴って、鋳型に付着するモールドパウダー(「スラグリム」ともいう)によって鋳型方向とは反対側の溶鋼側に押し曲げられ、押し曲げられた凝固シェルの上面に鋳型内の溶鋼が覆いかぶさって形成されると考えられている。従って、オシレーションマーク深さが浅くなると表層下介在物が少なくなる理由は、凝固シェルの押し曲げられ量が少なくなることで、この押し曲がった凝固シェルへの溶鋼中介在物の捕捉頻度が減少することによると考えられる。
ところで、従来、オシレーションマークの深さは、鋳型振動に依存することが知られており、オシレーションマークの深さを浅くする具体的な方法としては、鋳型振動時の鋳型の下降速度が鋳片の引き抜き速度よりも速くなる時間帯として定義される、所謂、ネガティブストリップ時間を小さくすることが行われている(例えば、「鉄と鋼、1985、S1026」などを参照)。以下、鋳型振動時のネガティブストリップ時間について説明する。
鋼の連続鋳造においては、一般的に、鋳型は下記の(1)式で示す正弦波形で振動されている。但し、(1)式において、yは振動中心位置からの鋳型の変位(mm)、aは振動の振幅(mm)、fは振動数(cpm)、tは時間(分)である。
Figure 2014193475
鋳型の振動速度は、鋳型の変位yを微分して得られ、下記の(2)式で示される。但し、(2)式において、uは鋳型の振動速度(mm/分)である。
Figure 2014193475
鋳型振動の1周期における鋳型の変位yと鋳型の振動速度uとの関係を図3に示す。図3の鋳型の振動速度uを示す図には、鋳片の引き抜き速度をVcとして表示しており、鋼の連続鋳造においては、鋳型の鋳造方向への振動速度uつまり下降速度が鋳片の引き抜き速度Vcよりも速くなるように、鋳型振動条件が設定されている。この鋳型振動の1周期のうちで、鋳型の下降速度が鋳片の引き抜き速度よりも速い時期をネガティブストリップ期、それ以外の時期をポジティブストリップ期と称し、ネガティブストリップ期の時間をネガティブストリップ時間(TN)、ポジティブストリップ期の時間をポジティブストリップ時間(TP)と定義している。このネガティブストリップ時間(TN)は下記の(3)式で求められる。但し、(3)式のネガティブストリップ時間(TN)の単位は「分」である。また、ポジティブストリップ時間(TP)は、「TN+TP=1/f」なる関係式から求めることができる。
Figure 2014193475
ネガティブストリップ時間(TN)を小さくすることでオシレーションマーク深さが減少する理由は、凝固シェルが、鋳型に付着したスラグリムによって溶鋼側へ押し曲げられている時間が短くなり、これにより、オシレーションマーク深さが減少するものと考えられる。図3には、ネガティブストリップ時間(TN)及びポジティブストリップ時間(TP)を表示しており、振動条件の変更または鋳片の引き抜き速度Vcを変更することで、ネガティブストリップ時間(TN)は変化する。
鋼の連続鋳造では、鋳型と凝固シェルとの潤滑、鋳型内溶鋼の酸化防止や保温などの目的で鋳型内溶鋼湯面にモールドパウダーを添加している。モールドパウダーの物性は鋳型に付着するスラグリムの大きさや硬さに影響を及ぼしていると考えられる。つまり、スラグリムの大きさや硬さが変化すれば、オシレーションマーク深さが変わると考えられる。そこで、本発明者らは、モールドパウダーの物性もオシレーションマークの深さに影響を及ぼしていると考え、モールドパウダーのオシレーションマーク深さに及ぼす影響について調査した。この調査では、鋳型振動のネガティブストリップ時間(TN)は0.35秒の一定値とし、使用するモールドパウダーの物性値を変更して行った。モールドパウダーの物性値としては、1573Kにおける粘度に着目した。尚、モールドパウダーの粘度は、鋳型と凝固シェルとの間隙へのモールドパウダーの流れ込み量に影響し、モールドパウダーの粘度が下がるほど鋳型と凝固シェルとの間隙への流れ込み量は多くなり、モールドパウダーの消費量が増加する。
図4に、モールドパウダーの粘度とオシレーションマーク深さとの関係の調査結果を示す。図4に示すように、モールドパウダーの1573Kにおける粘度が1.0Pa・s以上になると、オシレーションマーク深さが0.5mm以下となることから、使用するモールドパウダーは、1573Kにおける粘度が1.0Pa・s以上、より望ましくは2.0Pa・s超えのモールドパウダーとすべきことがわかった。モールドパウダーの粘度が高くなるとオシレーションマーク深さが減少する理由は、モールドパウダーの粘度が高くなると鋳型に付着するスラグリムが小さくなるためであると考えられる。
一方、図5は、このモールドパウダー変更試験において、モールドパウダーの粘度とブレークアウト発生頻度との関係の調査結果を示す図である。ブレークアウト発生頻度はブレークアウト予知装置によって検知されたものであり、1チャージ鋳造する間に、或る1つのストランドで1回以上ブレークアウトが検知されたとき、そのストランドでブレークアウトが発生したとして評価した。
図5に示すように、モールドパウダーの1573Kにおける粘度が4.0Pa・sを超えると、モールドパウダーの流れ込み量が少なくなり、鋳型と凝固シェルとの潤滑が不足して、ブレークアウト発生頻度が高くなることから、使用するモールドパウダーは、1573Kにおける粘度が4.0Pa・s以下のモールドパウダーとすべきことがわかった。
以上の結果から、使用するモールドパウダーは、1573Kにおける粘度が1.0〜4.0Pa・sであることを前提として、この条件下で可能な限りオシレーションマーク深さを浅くすることを目的として、1573Kにおける粘度が1.0Pa・sのモールドパウダーを使用して鋳型振動条件を変更し、鋳型振動のネガティブストリップ時間(TN)のオシレーションマーク深さに及ぼす影響について調査した。この試験で、1573Kにおける粘度が1.0Pa・sのモールドパウダーを使用した理由は、使用するモールドパウダーのなかで最もオシレーションマーク深さが大きくなるモールドパウダーであるからである。
図6に、鋳型振動のネガティブストリップ時間(TN)とオシレーションマーク深さとの関係の調査結果を示す。図6に示すように、ネガティブストリップ時間(TN)が小さくなるほどオシレーションマーク深さは浅くなり、ネガティブストリップ時間(TN)が0.35秒以下であれば、オシレーションマーク深さが0.5mm以下となることから、鋳型振動のネガティブストリップ時間(TN)は、0.35秒以下とすべきことがわかった。
一方、図7は、このネガティブストリップ時間(TN)の変更試験において、ネガティブストリップ時間(TN)とブレークアウト発生頻度との関係の調査結果を示す図である。ブレークアウト発生頻度の評価方法は上記の説明と同一である。図7に示すように、ネガティブストリップ時間(TN)が0.20秒未満になると、モールドパウダーの流れ込み量が少なくなり、ブレークアウト発生頻度が高くなることから、ネガティブストリップ時間(TN)は、0.20秒以上とすべきことがわかった。
本発明は、これらの試験結果に基づくものであり、本発明の丸ビレットの連続鋳造方法は、タンディッシュ内の溶鋼を浸漬ノズルを介して、内部空間横断面が円形である鋳型に注入し、鋳型内で形成される凝固シェルを1.0〜3.0m/分の引き抜き速度で鋳型の下方に連続的に引き抜いて丸ビレットを連続鋳造するにあたり、1573Kにおける粘度が1.0〜4.0Pa・sのモールドパウダーを鋳型内溶鋼湯面に添加するとともに、ネガティブストリップ時間が0.20〜0.35秒となる正弦波で前記鋳型を振動させることを必須条件とする。
本発明において丸ビレットの引き抜き速度を1.0〜3.0m/分に規定する理由は、1.0m/分未満では鋳造量が少なく生産性が確保できず、一方、3.0m/分を超えるとモールドパウダーの流れ込み量が少なくなり、ブレークアウトの危険性が高まるからである。尚、1.0〜3.0m/分の引き抜き速度は、定常鋳造中での引き抜き速度であり、鋳造開始時期や鋳造終了時期、及び、多ヒートの連続連続鋳造での取鍋交換時期は、引き抜き速度が1.0m/分未満になっても構わない。
以上説明したように、本発明によれば、引き抜き速度が1.0〜3.0m/分の条件で丸ビレットを連続鋳造する際に、鋳型内に添加するモールドパウダーとして、比較的粘度の高い、1573Kにおける粘度が1.0〜4.0Pa・sのモールドパウダーを使用するので、鋳型に付着するスラグリムが小さくなって、凝固シェルの溶鋼側への押し曲げられ量が少なくなることでオシレーションマーク深さが浅くなり、且つ、ネガティブストリップ時間が0.20〜0.35秒となる正弦波で鋳型を振動させるので、凝固シェルが溶鋼側へ押し曲げられている時間が短くなることでオシレーションマーク深さが浅くなり、この両者の効果によってオシレーションマークの深さを浅くすると同時にオシレーションマーク深さのばらつきを小さくすることができ、その結果、連続鋳造で製造する丸ビレットの表面割れを大幅に低減することが実現される。
直径が120〜300mmの丸ビレットを鋳造する6ストランドの湾曲型ビレット連続鋳造機において、1573Kにおける粘度が1.0〜4.0Pa・sのモールドパウダーを使用し、且つ、鋳型振動のネガティブストリップ時間が0.20〜0.35秒となる正弦波で鋳型を振動させて、定常鋳造時の引き抜き速度を1.0〜3.0m/分の範囲として連続鋳造を実施した。
鋳造後の丸ビレットを大気中で常温まで冷却し、その後、浸透法(カラーチェック)によって表面割れなどの表面欠陥を検査し、表面欠陥の部位を表面手入れにより除去し、表面手入れ後の丸ビレットを継目無鋼管用の素材として供した。
この工程において、丸ビレットの表面手入れによる歩留りロスを調査した。本発明を適用する以前は、丸ビレットの表面手入れによる歩留りロスが0.5質量%であったが、本発明を適用することで、歩留りロスが0.2質量%に低減され、歩留りを0.3質量%向上させることが実現された。製管後の製品においては、本発明を適用する以前と以後とで表面欠陥の発生率に差は無かった。
このように、本発明を適用することで、丸ビレットの表面割れを大幅に低減できることが確認された。尚、本発明の適用後も丸ビレットの表面手入れによる歩留りロスがゼロとならない理由は、丸ビレットの表面手入れは表面割れのみを対象としておらず、ノロカミやブローホールなどの、表面割れ以外の表面欠陥も対象としていることによる。

Claims (1)

  1. タンディッシュ内の溶鋼を浸漬ノズルを介して、内部空間横断面が円形である鋳型に注入し、鋳型内で形成される凝固シェルを1.0〜3.0m/分の引き抜き速度で鋳型の下方に連続的に引き抜いて丸ビレットを連続鋳造するにあたり、1573Kにおける粘度が1.0〜4.0Pa・sのモールドパウダーを鋳型内溶鋼湯面に添加するとともに、ネガティブストリップ時間が0.20〜0.35秒となる正弦波で前記鋳型を振動させることを特徴とする、丸ビレットの連続鋳造方法。
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