JP2014189754A - 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物及び画像形成方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光源として発光ダイオード(LED)を使用しても硬化性に優れ、良好な接着性と耐擦傷性を有し、かつ長期的な保存安定性に優れる活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物を提供する。
【解決手段】 活性エネルギー線重合性化合物及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクであって、(1)メタクリル基を有する活性エネルギー線重合性化合物を前記活性エネルギー線重合性化合物全量に対し0.5〜6質量%有し、(2)活性エネルギー線重合性基及びヘテロ原子として酸素原子または窒素原子を含む複素環を有する複素環式重合性化合物を前記活性エネルギー線重合性化合物全量に対し30〜55質量%有する活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク、及び画像形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物に関する。
インクジェットプリンター記録装置による印刷は、ノズルよりインクを噴射し被記録材に付着せしめる方式であり、該ノズルと被記録材とが非接触状態にあるため、曲面や凹凸した不規則な形状を有する表面に対して、良好な印刷を行うことができる。このため,産業用途で広範囲にわたる利用分野が期待されている印刷方式である。
このようなインクジェット記録用インクとしては、一般的には、主溶剤として水を用いた水性染料インクと、主溶剤として有機溶剤を用いた非水系(油性)染料インクとがある。しかしながら、従来の水性染料インクを産業用途で使用する場合の問題点として、プラスチック材料等の非吸収印刷材料へ印刷被膜を形成した後の乾燥速度、印刷被膜の付着性(接着性)が不十分であることが挙げられる。一方、油性染料インクには、希釈溶媒の有機溶剤やクロム等の重金属を含有するクロム錯塩染料を用いていることから、環境・安全性の面で問題があった。
そこで、これら着色剤に係わる問題点を改良したインクとして、着色剤に顔料を用いた水性顔料及び油性顔料インクや、希釈・溶解用の有機溶剤等の非重合性溶剤を実質的に含有せず、紫外線等の活性エネルギー線で印刷被膜を硬化、乾燥させることの可能な活性エネルギー線硬化型のインクジェット記録用インクが提案されている。
活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクは、活性エネルギー線で印刷被膜を硬化させるために、比較的耐久性に優れる印刷被膜が得られる。しかしながらプラスチック機材等の非吸収印刷材料への印字に対して、接着性に劣るといった問題があった。接着性を改善させる方法としては各種オリゴマーや接着性樹脂の添加が効果的だが、インクの粘度が高くなるため安定した出射性が得られるヘッド駆動条件が狭くなってくる。またオリゴマーや樹脂等の高分子材料の多量添加は、サテライトの増、出射曲がりなど着弾精度劣化、ノズル欠等の問題が生じてくる。
接着性を改善する方法として、1種以上の単官能または多官能のメタクリレートモノマーを5〜60質量%含有し、少なくとも1種以上の多官能のアクリレートモノマーを5〜90質量%含有する活性エネルギー線硬化型のインクジェット記録用インクが知られている。(例えば特許文献1参照)
一方、活性エネルギー線硬化型のインクジェット記録用インクの光源として、従来のメタルハライドランプや高圧水銀灯等から低いエネルギーの発光ダイオードランプ(以下「光ダイオード」を「LED」と称する場合がある)の切り替えが進んでいる。LEDランプは、例えばUV−LEDでは、発光ピーク波長が350〜420nmの範囲の紫外線を発生する。即ち、従来のメタルハライドランプや高圧水銀灯等の光源を用いていたインクをUV−LEDに適用させようとした場合、波長350〜420nm付近に吸収を有する光重合開始剤を使用する必要があるが、インキに使用する顔料自身が波長350〜420nmの範囲の光を吸収するため、多くの場合、波長350〜420nmに吸収を有する光重合開始剤を使用しても硬化が不十分となる問題が生じる。
特許文献1に記載のインクジェット記録用インクは、メタクリレートモノマーを5〜60質量%、実施例においては30質量%含有している。メタクリレートモノマーは活性エネルギー線硬化性が低いために、該組成のインキをLEDランプで硬化させるには多大な照射が必要となり、生産性に劣る問題があった。
特開2003−292855号公報
本発明の目的は、光源として発光ダイオードを使用しても硬化性に優れ、良好な接着性を付与できる活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物を提供することにある。
本発明者らは、下記(1)〜(2)の条件を満たす活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物が、光源として発光ダイオードを使用しても硬化性に優れ、良好な接着性を付与できることを見出した。
(1)メタクリル基を有する活性エネルギー線重合性化合物を前記活性エネルギー線重合性化合物全量に対し0.5〜6.0質量%有する。
(2)活性エネルギー線重合性基、及びヘテロ原子として酸素原子または窒素原子を含む複素環を有する複素環式重合性化合物を前記活性エネルギー線重合性化合物全量に対し 30〜55質量%有する。
即ち、本発明は、活性エネルギー線重合性化合物及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクであって、(1)メタクリル基を有する活性エネルギー線重合性化合物を前記活性エネルギー線重合性化合物全量に対し0.5〜6質量%有し、(2)活性エネルギー線重合性基、及びヘテロ原子として酸素原子または窒素原子を含む複素環を有する複素環式重合性化合物を前記活性エネルギー線重合性化合物全量に対し30〜55質量%有する活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクを提供する。
また本発明は、活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物を被記録材に吐出することにより画像を印字する工程と、発光ダイオードを用いて波長ピークが365〜420nmの範囲にある活性エネルギー線を照射することにより前記画像を硬化させる工程とを含み、前記活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクが前記インク組成物である画像形成方法を提供する。
本発明により、光源として発光ダイオードを使用しても硬化性に優れ、良好な接着性と耐溶剤性とを付与できる活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物が得られる。
(活性エネルギー線重合性化合物 (1)メタクリルモノマー)
本発明で使用する(1)メタクリル基を有する活性エネルギー線重合性化合物(以下メタクリルモノマーと称す)は、反応性をコントロールする目的で添加する。しかしながら多量の添加は反応性が低下しすぎてしまうことから、添加量は1〜6質量%とする。
使用するメタクリルモノマーとしては特に限定はなく公知のメタクリルモノマーを使用することができる。例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、ラウリル、トリデシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イソデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、イソボルニル、テトラヒドロフルフリル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル等の置換基を有する単官能メタアクリレート、また、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジメタアクリレート、また、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジメタアクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジメタアクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジメタアクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリメタアクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート,ペンタエリスリトールトリメタアクリレート,ジペンタエリスリトールのポリメタアクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸メタアクリレート、エチレンオキサイド変性アルキルリン酸メタアクリレート等の多官能メタアクリレート等が挙げられる。
(活性エネルギー線重合性化合物 (2)複素環式モノマー)
本発明で使用する(2)活性エネルギー線重合性基、及びヘテロ原子として酸素原子または窒素原子を含む複素環を有する複素環式重合性化合物(以下複素環式モノマーと称す)は、具体的には、5〜7員環の複素環が好ましい。
複素環式モノマーとしては、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
中でも、本発明においては、テトラヒドロフルフリルアクリレートまたはN−ビニルカプロラクタムを使用することが好ましく、テトラヒドロフルフリルアクリレートとN−ビニルカプロラクタムとを併用することが最も好ましい。
(活性エネルギー線重合性化合物 (3)複素環のモル%)
本発明においては、前記複素環式モノマーが有する複素環を、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク中の複素環を有さない活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物(以下複素環を有さない単官能モノマーと称する)全量に対し、0.65〜2.00モル%の範囲で含むことがなお好ましい。
前記複素環をこの範囲で含むことによって、基材密着の効果がより高まる。中でも1.00〜1.85モル%の範囲がなお好ましく、1.50〜1.70モル%の範囲が最も好ましい。
一方で、複素環式モノマーのうち、窒素原子を含む複素環式モノマーは、配合量を増やしすぎるとインクの長期安定性を低下させるおそれがあるため、その配合量は、活性エネルギー線重合性化合物全量に対し15質量%以下とすることが好ましい。
なおモル%は以下の式で算出される。
Figure 2014189754
なお前記式において(a1、a2、a3・・)は複素環式モノマーを表し、(b1+b2+b3・・・)は複素環を有さない単官能モノマーを表す。「・・・・」は、モノマー種が増えた時を想定している。
例えば、複素環式モノマーとしてa1、a2の2種を使用し、複素環を有さない単官能モノマーとしてb1、b2、b3の3種を使用したときの式は、以下のようになる。
Figure 2014189754
(活性エネルギー線重合性化合物 その他のモノマー)
本発明においては、前記メタクリルモノマー、前記複素環式モノマーを使用する以外は特に限定なく公知の重合性化合物を使用することができる。中でも、活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物(以下単官能モノマーと称す)を、前記活性エネルギー線重合性化合物全量に対して80〜95質量%含むように使用することが、密着性付与の観点から好ましい。単官能モノマーとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル等の置換基を有するアクリレート、ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド等が挙げられる。
またこれらは2種類以上併用して用いることもできる。
また、本発明で使用する活性エネルギー線重合性基を2つ以上有する重合性化合物(以下多官能モノマーと称す)としては、特に限定はなく公知の多官能モノマーを使用できる。例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジアクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジアクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジアクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリアクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート,ペンタエリスリトールトリアクリレート,ジペンタエリスリトールのポリアクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキルリン酸アクリレート等の多官能アクリレート、
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物の、ビニルエーテル基を有する重合性化合物等が挙げられる。
これらは2種類以上併用して用いることができる。
一方本発明において、分子量の高いアクリレートオリゴマー等の反応性オリゴマーは硬化塗膜性能を上げる観点から若干量使用しても構わない。しかしながら多量の使用はサテライト発生等の恐れがあることから、使用量としては活性エネルギー線重合性化合物全量に対し20質量%を超えない量で使用することが好ましい。
反応性オリゴマーとしては、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられ、2種類以上併用して用いることができる。
前記活性エネルギー線重合性化合物は、使用するインクジェット装置にもよるが、各々のモノマーを配合後の粘度が概ね1〜100mPa・secとなるように設計することが好ましい。
(光重合開始剤)
本発明において、活性エネルギー線として紫外線を使用する場合には、光重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤としてはラジカル重合型の光重合開始剤が使用される。
具体的には、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
特に光源としたLEDを使用する場合には、LEDの発光ピーク波長を加味して光重合開始剤を選択することが好ましい。例えばUV−LEDを使用する場合に適した光重合開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン)、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
また上記光重合開始剤に対し、増感剤として例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物には、インクの保存安定性を高めるため、ハイドロキノン、メトキノン、ジ−t−ブチルハイドロキノン、P−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ニトロソアミン塩等の重合禁止剤をインク中に0.01〜2質量%の範囲で添加しても良い。
(着色剤)
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物は、色材を含まないニスのようなインクにも適用可能である。一方目的に応じて着色剤を使用してもよい。使用する着色剤としては染料、顔料のいずれであってもよいが、印刷物の耐久性の点から顔料を使用することが好ましい。
本発明で使用する染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェット記録に使用される各種染料が挙げられる。
本発明で使用する顔料としては、無機顔料あるいは有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、酸化チタンや酸化鉄、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
顔料の具体例としては、カーボンブラックとして、三菱化学社製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、同5250、同5000、同3500、同1255、同700等が、キャボット社製のRegal400R、同330R、同660R、Mogul L、同700、Monarch800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、同1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、ColorBlack S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同140U、Special Black 6、同5、同4A、同4等が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180、185、213等が挙げられる。
また、マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、C.I.ピグメントヴァイオレット 19等が挙げられる。
また、シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、60、16、22が挙げられる。
前記顔料の平均粒径は、10〜200nmの範囲にあるものが好ましく、より好ましくは50〜150nm程度のものである。また前記着色剤の添加量、十分な画像濃度や印刷画像の耐光性を得るため、インク全量の1〜20質量%の範囲で含有させることが好ましい。
また、活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物が着色剤を含有する場合、該着色剤を含有するインク組成物は、各色毎の複数有するものであっても良い。例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの基本4色に加えて、それぞれの色毎に同系列の濃色や淡色を加える場合、マゼンタに加えて淡色のライトマゼンタ、濃色のレッド、シアンに加えて淡色のライトシアン、濃色のブルー、ブラックに加えて淡色であるグレイ、ライトブラック、濃色であるマットブラックが挙げられる。
この他に、本発明の課題を損なわず、且つ吐出安定性を損なわない範囲において、必要に応じて界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することが出来る。
前記顔料は、前記活性エネルギー線重合性化合物等に対する分散安定性を高める目的で顔料分散剤を用いることが好ましい。具体的には、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、PB822、PB817、アビシア社製のソルスパーズ24000GR、32000、33000、39000、楠本化成社製のディスパロンDA―703―50、DA−705、DA−725等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、高分子分散剤の使用量は、顔料に対して10〜80質量%の範囲が好ましく、特に20〜60質量%の範囲が好ましい。使用量が10質量%未満の場合には分散安定性が不十分となる傾向にあり、80質量%を超える場合にはインクの粘度が高くなる傾向にあり、吐出安定性が低下しやすい傾向にある。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物には、被印刷基材に対する接着性の付与等を目的に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル等の非反応性樹脂等を配合することができる。しかしながら非反応性樹脂の添加はサテライト発生の恐れがあることや、耐溶剤性の低下のおそれがあることから、添加量は少量にとどめておくことが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物の製造は、顔料を含む場合は顔料、及び活性エネルギー線重合性化合物、必要に応じ高分子分散剤、樹脂を加えた混合物をビーズミル等の通常の分散機を用いて顔料を分散した後、光重合開始剤を加え、さらに必要に応じ表面張力調整剤等の添加剤を加えて攪拌、溶解することで調製できる。予め、ビーズミル等の通常の分散機を用いて高濃度の顔料分散液(ミルベース)を作製後、光重合開始剤を溶解した活性エネルギー線重合性化合物、添加剤等を攪拌、混合して調製することもできる。
顔料を分散させるための攪拌・分散装置としては、ビーズミルの他、たとえば超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、ナノマイザーなど、公知慣用の各種分散機を使用することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物は、活性エネルギー線、好ましくは紫外線等の光照射をすることにより硬化反応を行う。紫外線等の光源としては、通常UV硬化性インクジェットインキに使用する光源、例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等であれば問題なく硬化させることができる。例えばFusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
本発明のインク組成物は、これら紫外線光源から発せられる紫外線にて積算光量で50〜1000mJ/cmの照射で硬化することが好ましく、より好ましくは50〜200mJ/cmで硬化することが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物は感度がよいことから、UV−LEDや、紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子により硬化が可能である。具体的には、活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物を被記録材に吐出することにより画像を印字する工程と、発光ダイオード(LED)を用いて波長ピークが365〜420nmの範囲にある活性エネルギー線を照射することにより前記画像を硬化させることで、画像を形成させることが可能である。
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式がいずれも使用できる。例えば圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法が挙げられる。
本発明に係るインクジェット記録方法によれば、低粘度、および低照度の紫外線照射でも優れた光硬化性を示す光硬化型インク組成物を使用するため、インクの取り扱い性および吐出安定性に優れ、低照度でも硬化性の高い画像を形成することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物はプラスチック材に対する接着性に優れる。従って、曲面や凹凸した不規則な形状を有するような、プラスチック成形体等の表面にも容易に印字することができる。具体的には、汎用の射出成形用プラスチックとして使用される、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、PVC(ポリ塩化ビニル)/ABS樹脂、PA(ポリアミド)/ABS樹脂、PC(ポリカーボネート)/ABS樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)/ABS等のABS系のポリマーアロイ、AAS(アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン)樹脂、AS(アクリロニトリル・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレンゴム・スチレン)樹脂、MS((メタ)アクリル酸エステル・スチレン)系樹脂、PC(ポリカーボネート)系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、PP(ポリプロピレン)系樹脂、等が挙げられる。
また、被記録材として包装材料用の熱可塑性樹脂フィルム等のプラスチック材からなるフィルムを使用することも可能である。例えば食品包装用として使用される熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンレテフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム等が挙げられる。これらは一軸延伸や二軸延伸等の延伸処理を施してあってもよい。またフィルム表面には必要に応じて火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理を施してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物は、特にアクリル、メタクリル系樹脂、ポリプロピレン樹脂に対する接着性に優れる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下実施例中にある部は、質量部を表す。
[高濃度顔料分散液(ミルベース)の調整例]
(ミルベース(1)の製造例)
ファストゲンブルーTGR-G 10部
DIC製 フタロシアニン顔料C.I.ピグメントブルー15:4
ソルスパーズ 32000 4.5部
ルーブリゾール製 高分子顔料分散剤
ライトアクリレートPO−A 85.5部
共栄社化学製 フェノキシエチルアクリレート
を攪拌機で1時間撹拌混合した後、ビーズミルで2時間処理し、ミルベース(1)を作製した。
(実施例1〜8 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物の製造方法)
表1、2の組成に従い、活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物を製造した。具体的には、重合性モノマーの混合物に、光重合開始剤としてイルガキュア819(BASF社製)を1.7部、ルシリンTPO(BASF(株)社製)を2.5部、DETX−S(日本化薬(株)社製 ジエチルチオキサントン)を3.3部、表面張力調整剤としてKF−351A(信越シリコーン(株)社製 ポリエーテル変性シリコーンオイル)0。17部、重合禁止剤としてメトキシハイドロキノン 0.1部を添加し、60℃で30分加熱攪拌した後、調整例のミルベースを添加し、十分に混合した。次いで1.2μmのフィルターを用いてろ過することにより活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物(1)〜(8)を得た。
(比較例1〜6 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物の製造方法)
表3の組成に従った以外は実施例1と同様にして、比較例用の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物(H1)〜(H6)を得た。
(物性測定方法)
活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物(1)〜(8)、(H1)〜(H6)の物性として、表面張力と粘度を測定した。測定方法を示す。
[表面張力]
協和界面科学社製のウェルヘルミー型表面張力測定器:CBUP−A3を用いて表面張力を測定した。プラスチック容器に入れたインク組成物を恒温水槽に浸漬し、予め25℃に調整することで25℃の表面張力を測定した。
[粘度]
東機産業社製粘度測定器:TVE−20Lにて、25℃における粘度を測定した。測定回転数は、20rpm/mimとした。なお、本発明の実施例で使用したインクジェット印刷評価装置にて安定に印刷する為にインク組成物の粘度を14〜16mPa・secの間に調整した。
Figure 2014189754
Figure 2014189754

Figure 2014189754

表1〜3中、略語及び※は以下の通りである。
※1 メタクリレートモノマー質量%:メタクリル基を有する活性エネルギー線重合性化合物の活性エネルギー線重合性化合物全量に対する質量%
※2 単官能モノマー質量%:単官能モノマーの活性エネルギー線重合性化合物全量に対する質量%
※3 複素環式モノマー質量%:複素環式モノマーの活性エネルギー線重合性化合物全量に対する質量%
※4 複素環モル%:複素環式モノマーの活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク中の複素環を有さない単官能モノマー全量に対する質量%
SR−344:サートマー社製 ポリエチレングリコールジアクリレート
SR−351:サートマー社製 トリメチロールプロパントリアクリレート
SR−350:サートマー社製 トリメチロールプロパントリメタクリレート
SR203:サートマー社製 テトラヒドロフルフリルメタクリレート
SR285:サートマー社製 テトラヒドロフルフリルアクリレート
V−CAP:ISP(株)社製 N−ビニルカプロラクタム
IBXA:大阪有機(株)社製 イソボロニルアクリレート
POA:共栄社化学(株)社製 フェノキシエチルアクリレート
(インク評価)
実施例または比較例の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物の印刷被膜の特性は以下のように行った。
[基材への印刷方法]
シェアモード型ピエゾ方式のインクジェットヘッドを備えたインクジェット印刷評価装置に、実施例または比較例の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物を充填し、対象となる基材に所定の膜厚になる様に印刷を行なった。
[活性エネルギー線(LED)硬化性]
実施例または比較例の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物を、ポリカーボネート板(1mm厚)に対し、前述の印刷方法にて6μmの膜厚で塗布し、次いでステージ移動装置を備えた浜松ホトニクス(株)社製のLED照射装置(発光波長:385nm、ピーク強度:500mW/cm)にて、1回の照射エネルギー量が50J/mとなるように照射し、タックフリーになるまでの照射エネルギー量の積算値を測定した。
尚、インクの感度は、LED硬化型プリンターにての実用的な印刷条件に対応する為には、200mJ/cm迄の積算光量で硬化する感度が好ましい。
[貯蔵安定性]
実施例または比較例の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物15mlをポリ容器に入れ、恒温槽内で60℃で4週間静置保存した。静置保存前のインクの粘度と静置保存後の粘度を比較し、その変化率を、下記式により求めた。粘度の測定方法は、前述の粘度物性測定方法に準じた。
Figure 2014189754
尚、インクジェットヘッドからのインク吐出適正から考慮し、吐出適正に悪影響を与えない粘度変化率10%以内を合格とした。
[接着性:クロスカットテープ剥離試験]
実施例または比較例の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物を、下記プラスチック基材に、前述の印刷方法にて膜厚約6μmとなるように印刷し、次にステージ移動装置を備えた浜松ホトニクス(株)社製のLED照射装置(発光波長:385nm、ピーク強度:500mW/cm)により、塗膜表面のタック感がなくなるまで照射し、接着性用評価板を得た。
接着性用評価板上の硬化塗膜に、2mm幅で5×5の25マス様にカッターナイフで切り込みを入れた後、ニチバン製セロハンテープを貼り付け、10回程爪で擦りつけた。次いで、剥離速度約1cm/secの速度にて勢い良くテープを剥がし、塗膜の残ったマス目の数を確認した。
尚、残存マス数が20以上の場合を、合格と判断した。
プラスチック基材は、以下の通りである。
印刷基材
PVC:硬質塩ビ板(三菱樹脂(株)製:ヒシプレート303GE)
ビニール:ビニールシート(クラレプラスチックス(株)製クラスタME−400)
PC:ポリカーボネート板(旭硝子(株)製:レキサン)
PET:易接着処理PET板(東洋紡績(株)製:コスモシャインA4100)
アクリル:アクリル板((株)クラレ製:コモグラスP)
(メタクリレートモノマー配合の影響)
実施例1〜8、および比較例1の評価結果より、メタクリレートモノマーを配合した実施例1〜8は、全ての基材に対して良好な接着性を示したが、実施例1〜4と反応部位以外の構造が同一のアクリレートモノマーを配合した比較例1は、評価基材全てへの接着性に劣る事が分かった。このことより反応性化合物としてメタクリレートモノマーの配合がプラスチック基材への接着性に有効であることが判る。
(メタクリレートモノマーの配合量の影響)
実施例1〜8、および比較例2の評価結果から、メタクリレートモノマーの配合量が約1〜6質量%の割合で配合された場合、プラスチック基材への接着が良好であることがわかる。またその塗膜の硬化には、積算光量200mJ/cmで硬化していることが判る。
また、比較例2からは、メタクリレートモノマーの配合量が6質量%以上の場合、硬化に要する積算光量が350mJ/cm以上必要となることが判る。
(複素環式モノマーの配合量の影響について)
実施例1〜5および比較例3、4の評価結果より、複素環式モノマーは、30質量%以上配合量することでプラスチック基材に対する接着性が非常に向上することが判る(実施例2と比較例3の比較より)、一方55質量%を超える比較例4では、アクリル基材への密着が劣り、また粘度変化率が上昇し、インクジェットインキとしての適性が劣る傾向にある。
また、実施例1〜3の結果より、窒素含有の複素環式モノマーの配合量が増えるほど、粘度がやや上昇する傾向にあることがわかる。
(単官能モノマーの配合量の影響について)
実施例4、比較例5の評価結果より、単官能モノマーの質量%が前記活性エネルギー線重合性化合物全量に対して80質量%未満であると、プラスチック基材に対する接着性が劣ることが判った。このことより、単官能モノマーの質量%は前記活性エネルギー線重合性化合物全量に対して80質量%以上が必要であることが分かる。また、比較例6の評価結果より単官能モノマーの質量%が前記活性エネルギー線重合性化合物全量に対して95質量%以上であると密着性は得られるが、積算光量が350J/m以上であっても硬化塗膜の表面にタック感が残り、即ち硬化に劣ることがわかった。
以上の結果より単官能モノマーの配合量は、80質量%〜95%質量%である必要があることが分かる。

Claims (8)

  1. 活性エネルギー線重合性化合物及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクであって、
    (1)メタクリル基を有する活性エネルギー線重合性化合物を前記活性エネルギー線重合性化合物全量に対し0.5〜6質量%有し、
    (2)活性エネルギー線重合性基、及びヘテロ原子として酸素原子または窒素原子を含む複素環を有する複素環式重合性化合物を前記活性エネルギー線重合性化合物全量に対し30〜55質量%有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク。
  2. 前記複素環式重合性化合物を、前記活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク中の複素環を有さない活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物全量に対し0.65〜2.0モル%の範囲で含む請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク。
  3. 前記複素環式重合性化合物における複素環が5〜7員環である請求項1〜2に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク。
  4. 前記複素環式重合性化合物がテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートまたはN−ビニルカプロラクタムである請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク。
  5. 活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物を前記活性エネルギー線重合性化合物全量に対して80〜95質量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク。
  6. 着色剤として顔料を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク。
  7. 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物を被記録材に吐出することにより画像を印字する工程と、発光ダイオードを用いて波長ピークが365〜420nmの範囲にある活性エネルギー線を照射することにより前記画像を硬化させる工程とを含み、前記活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクが請求項1〜6のいずれかに記載のインク組成物であることを特徴とする画像形成方法。
  8. 前記被記録材がプラスチック材である請求項7に記載の画像形成方法。
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