JP2014189409A - カーボンナノボール及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、球状で、径がナノオーダーのカーボンナノボール(スフェリュール)及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】径が400nm以上1570nm以下の球状のアモルファスカーボンからなるカーボンナノボールを用いることによって前記課題を解決できる。
【選択図】図15

Description

本発明は、カーボンナノボール及びその製造方法に関するものである。
近年、MEMS(Micro ElectroMechanical Systems)技術が著しい発展を遂げている。MEMS素子は、微細加工技術を用いて作製された素子であり、DMD(Digital Micromirror Device)、MEMSカンチレバー(片持ちばり)等が開発されている。
現在、研究としては、マイクロオーダーの微細加工技術からナノオーダーの微細加工技術であるナノメカニクス・ナノメカトロニクスに注目が移りつつある。
例えば、ナノメカニクス・ナノメカトロニクスの素子として、「有限長カーボンナノチューブに、化学修飾したフラーレンを詰め込んだ世界最小のカーボンナノチューブベアリング」の報告がある(非特許文献1)。また、カーボンナノチューブを用いたナノベアリングに関する計算ナノ・マイクロテクノロジーの報告がある(非特許文献2)。
また、バッキーボール(C60)のナノベアリング又はナノチューブの使用を含む装置の報告がある(特許文献1)。
また、従来、チューブ状ナノカーボンに注目が集まっていたが、近年、球状ナノカーボンの報告もある。例えば、球状カーボンが、メタン/Arプラズマを原料として、基板上800℃の超高温の条件で合成されている(非特許文献3、4)。しかし、この球状カーボンは、真球度は98.6%以上と極めて高いが、ミクロンサイズのカーボン粒子である。また、200nmサイズの炭素微小球が開発されている(非特許文献5)。しかし、真球度は低く、不定形のものが多い。更にまた、炭素微小球の生成の報告がある(非特許文献6)。しかし、ミクロンサイズの炭素微小球である。
特表2008−513813号公報
報道機関向け配布資料 2013年1月9日 公開 国立大学法人 東北大学 「世界最小」量産型カーボンナノチューブベアリング、インターネット(URL:http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv−press20130108_01web.pdf) SANO Masahiro et.al.、"Possible Structure of Nano−Bearing Assembled with Carbon Nanotubes"、JSME annual meeting 2004(1),413−414,2004−09−04 F.Shoji,Z.Feng,A.Kono,and T.Nagai,Appl.Phys.Letters, 89,171504 (2006) Z.Feng,A.Kono,T.Nagai,and F.Shoji,Appl.Phys.Letters. 90,221503(2007) 東海カーボン株式会社ホームページ、研究開発情報、炭素微小球、インターネット(URL:http://www.tokaicarbon.co.jp/research/carbon−particle.html) 稲垣道夫、逆井基次、「加圧下炭素化−炭素微小球の生成−」、炭素(134),p175−187,(1988)
本発明は、球状で、径がナノオーダーのカーボンナノボール(スフェリュール)及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、カーボンナノチューブやフラーレンなどを不活性ガス雰囲気において、高温高圧反応させる研究を行ってきた。その過程で、黒鉛が溶融するような非常に高い温度(約3500℃)を必要とせず、水素化フラーレン(C60H36)をアルゴンの高温高圧(800℃、300MPa)雰囲気下で保持することにより、アモルファスカーボンからなり、真球径状で、画期的なナノサイズ(径がナノオーダー)のカーボンナノボールを合成することに成功した。
本方法では、静水圧状態で、水素化フラーレンからなる試料を等方的に圧縮して、カーボンナノボールを生成するので、真球形状に形成できるとともに、中空でなく、均一に、かつ、密に充填されたカーボンナノボールを生成できる。このため、機械的強度を高くでき、ナノベアリングとしてナノメカニクス等に応用することができ、カーボンは導電性を有するので、導電性のナノベアリングに応用することも可能であることを見出して、本発明を完成した。
本発明は、以下の構成を有する。
(1)径が400nm以上1570nm以下の球状のアモルファスカーボンからなることを特徴とするカーボンナノボール。
(2) SEM像から得られる最大径である一の径と、前記一の径の垂直二等分線で得られる他の径とにより規定される他の径/一の径×100からなる真球率rが98%以上であることを特徴とする(1)に記載のカーボンナノボール。
(3) 表面の凹凸が10nm以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のカーボンナノボール。
(4) 表面修飾フラーレンからなる粉末を、不活性ガス又は窒素ガスを700℃以上、かつ、250MPa以上として800分以上保持することを特徴とするカーボンナノボールの製造方法。
(5) 前記不活性ガス又は窒素ガスを超臨界流体とすることを特徴とする(4)に記載のカーボンナノボールの製造方法。
(6) 前記不活性ガスとしてアルゴンガスを用い、前記アルゴンガスを700℃以上1100℃以下、250MPa以上350MPa以下とすることを特徴とする(4)に記載のカーボンナノボールの製造方法。
(7) 前記表面修飾フラーレンが水素又はハロゲンで修飾されたフラーレンであることを特徴とする(4)に記載のカーボンナノボールの製造方法。
(8) 前記水素で修飾されたフラーレンが水素化フラーレン(C60H36)であることを特徴とする(7)に記載のカーボンナノボールの製造方法。
本発明のカーボンナノボールは、径が400nm以上1570nm以下の球状のアモルファスカーボンからなる構成なので、球状で、径がナノオーダーのカーボンナノボールとすることができる。ナノカーボンの形状は、従来からチューブ状のものに注目が集まっているが、画期的なナノサイズの真球の合成ができる。
本発明のカーボンナノボールの製造方法は、表面修飾フラーレンからなる粉末を、不活性ガス又は窒素ガスを700℃以上、かつ、250MPa以上として800分以上保持する構成なので、球状で、径がナノオーダーのカーボンナノボールを容易に、かつ、製造効率高く、製造することができる。
本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法で用いられる製造装置の一例を示す断面模式図である。 本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法で用いられる試料部の一例を示す断面模式図である。 本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法で用いられるサンプルバスケットの一例を示す模式図であり、(a)平面図、(b)正面図である。 本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法で用いられるカプセルの形成工程の一例を示す工程図であり、(a)平面図、(b)正面図である。 本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法で用いられるカプセルの形成工程の一例を示す工程図であり、(a)平面図、(b)正面図である。 本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法で用いられるカプセルの形成工程の一例を示す工程図であり、(a)平面図、(b)正面図である。 本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法で用いられるカプセルの形成工程の一例を示す工程図であり、(a)平面図、(b)正面図である。 試料装填Au−Pd合金カプセルの模式図である。 試料装填Au−Pd合金カプセルを配置したサンプルバスケットをワイヤーに通して配置して構成した試料部の模式図である。 ガス圧縮装置の模式図(高圧容器と試料室詳細図)である。 温度・圧力処理条件(温度圧力履歴及び保持時間)を示すグラフである。 実施例1合成試料(カーボンナノボール)の高分解能走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例1合成試料のSEM写真である。 実施例1合成試料のSEM写真である。 実施例1合成試料のSEM写真である。 図13のSEM写真をもとにした説明図である。 実施例1合成試料のTEM写真である。 実施例1合成試料のEDSグラフである。 実施例1合成試料のEDP写真である。 実施例1合成試料のSTEM写真である。 実施例4合成試料のSEM写真であり(a)、その拡大写真(b)である。
(本発明の実施形態)
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態であるカーボンナノボール及びその製造方法について説明する。
<カーボンナノボールの製造方法>
次に、本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法について、図1〜7を参照して、説明する。
図1は、本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法で用いられる製造装置の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、この製造装置11は、内部を減圧可能な試料室12cを有する高圧容器12と、試料室12c内に接続されたガス管16と、ガス管16と高圧容器12を接合する接合部14と、試料室12c内に導入されたガスを加圧可能な油圧機構13と、油圧機構13を保持する保持部15と、を有している。
ガス管16の他端にはガス貯蔵部(図示略)が接続され、ガス貯蔵部に貯蔵されたガスを、試料室12c内に矢印Aの方向に導入可能とされている。また、ガス管16には、圧力計18が接続され、試料室12c内のガス圧を測定可能とされているとともに、試料室内のガス圧を所定の値に保持できるように、高圧バルブ17が取り付けられている。
また、試料室12c内のガス圧は、保持部15内で油圧機構13を矢印Bの方向に移動させることによって、微調整可能とされている。
試料室12c内には、試料部21が配置されている。
ガスとしては、不活性ガス又は窒素ガスを用いることが好ましい。
図2は、本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法で用いられる試料部の一例を示す断面模式図である。
図2に示すように、試料部21は、略円板状のステンレスキャップ22と、ステンレスキャップ22上に配置された略円筒状のパイロフィライトチューブ23と、パイロフィライトチューブ23に嵌合された略円筒状のアルミナチューブ24と、アルミナチューブ24の端部に一端側が埋め込まれた略円筒状に形成されたモリブデンワイヤー25と、モリブデンワイヤー25の他端側が埋め込まれたアルミナリング26と、を有して概略構成されている。
アルミナリング26にはワイヤー29が張られ、そのワイヤー29を持ち手にくぐらすようにして、サンプルバスケット31が配置されている。
モリブデンワイヤー25は、配線(図示略)を通じて、サンプルバスケット31を所定の温度まで昇温可能とされている。
また、ステンレスキャップ22、パイロフィライトチューブ23、アルミナチューブ24の内部を通すようにして、アルミナリング26まで、熱電対に利用されるワイヤー27、28が張られており、サンプルバスケット31の温度を測定可能とされている。
図3は、本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法で用いられるサンプルバスケットの一例を示す模式図であり、(a)平面図、(b)正面図である。
図3に示すように、サンプルバスケット31は、袋部32と、持ち手33と、を有して構成されている。
袋部32の袋内部32cには、カプセル41が5つ平面視直列に配置されている。
図4〜7は、本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法で用いられるカプセルの形成工程の一例を示す工程図であり、それぞれ(a)平面図、(b)正面図である。
まず、図4に示すように、筒内空洞部42cを有する筒42を用意する。
次に、図5に示すように、筒42の一端側をつぶし、折り曲げ、溶接して、溶接部43を形成する。
まず、図6に示すように、筒内空洞部42cに試料51を入れる。
まず、図7に示すように、筒42の他端側をつぶし、折り曲げてから、更に折り曲げ、折り曲げ部44を形成して、カプセル41を形成する。
試料51としては、表面修飾フラーレンからなる粉末を用いる。
前記表面修飾フラーレンは水素又はハロゲンで修飾されたフラーレンであることが好ましい。ハロゲンとしてはフッ素が好ましい。
前記水素で修飾されたフラーレンは水素化フラーレン(C60H36)であることが好ましい。
<合成工程>
まず、試料51を封入したカプセル41を5つ直列に袋内部32cに配置したサンプルバスケット31をワイヤー29に通した試料部21を試料室12c内に配置する。
次に、試料室12c内を減圧する。
次に、高圧バルブ17を開け、不活性ガス又は窒素ガスを試料室12c内に導入する。
次に、試料室12c内のガス圧を所定の値とする。
次に、モリブデンヒーター25を加熱し、サンプルバスケット31を所定の値とし、一定時間保持する。
次に、モリブデンヒーター25の加熱をやめ、サンプルバスケット31を室温に戻す。
次に、試料室12c内を排気してから、サンプルバスケット31を取り出す。
次に、カプセル41の折り曲げ部44を開けて、合成した試料を取り出す。
表面修飾フラーレンからなる粉末を、不活性ガス又は窒素ガスを700℃以上、かつ、250MPa以上として800分以上保持することが好ましい。これにより、静水圧状態で水素化フラーレンからなる試料を等方的に圧縮して真球率の高いカーボンナノボールを生成でき、真球形状で、径がナノオーダーのカーボンナノボールを容易に、かつ、製造効率高く、製造することができる。
前記不活性ガス又は窒素ガスを超臨界流体とすることが好ましい。超臨界流体にすることにより、超臨界流体中で試料を水と油のような中で激しく攪拌しながら反応させることができ、静水圧状態で水素化フラーレンからなる試料を等方的に圧縮してカーボンナノボールを生成できるので、真球形状に形成できるとともに、中空でなく、均一に、かつ、密に充填されたカーボンナノボールを生成できる。
なお、不活性ガスとしては、アルゴンガスが好ましい。ネオンガスはコストが高く、ヘリウムは取り扱いが面倒という点であまり好ましくない。
前記不活性ガスとしてアルゴンガスを用い、前記アルゴンガスを700℃以上1100℃以下、250MPa以上350MPa以下とすることが好ましい。これにより、静水圧状態で水素化フラーレンからなる試料を圧縮してカーボンナノボールを生成でき、真球形状で、径がナノオーダーのカーボンナノボールを容易に、かつ、製造効率高く、製造することができる。
<カーボンナノボール>
本発明の実施形態であるカーボンナノボールについて説明する。
本発明の実施形態であるカーボンナノボールは、径が400nm以上1570nm以下の球状のアモルファスカーボンからなる。
また、本発明の実施形態であるカーボンナノボールは、SEM像から得られる最大径である一の径と、前記一の径の垂直二等分線で得られる他の径とにより規定される他の径/一の径×100からなる真球率rが98%以上であることが好ましい。これにより、ナノオーダー径のナノベアリングを構成するナノオーダー径のボールに利用できる他、他のナノデバイスに利用できる。98%未満では、ナノオーダー径のナノベアリングを構成するナノオーダー径のボールに利用したときに、ナノベアリングの回転を妨げるおそれを発生させる。99%以上であることがより好ましい。
また、本発明の実施形態であるカーボンナノボールは、表面の凹凸が10nm以下であることが好ましい。これにより、ナノオーダー径のナノベアリングを構成するナノオーダー径のボールに利用できる他、他のナノデバイスに利用できる。表面の凹凸が10nm未満では、ナノオーダー径のナノベアリングを構成するナノオーダー径のボールに利用したときに、ナノベアリングの回転を妨げるおそれを発生させる。5nm以下であることがより好ましい。
上記の条件のカーボンナノボールは、AFMを用いたピッキング技術を用いて、選択して収集することができる。条件をそろえたカーボンナノボールを用いて、ナノオーダー径のナノベアリングを構成するナノオーダー径のボールに利用できる他、他のナノデバイスを作製することができる。
本発明の実施形態であるカーボンナノボールは、径が400nm以上1570nm以下の球状のアモルファスカーボンからなる構成なので、球状で、径がナノオーダーのカーボンナノボールであり、中空でなく、均一に、かつ、密に充填されたカーボンナノボールなので、機械的強度を高くでき、ナノベアリングとしてナノメカニクス等に応用することができるとともに、カーボンは導電性を有するので、導電性のナノベアリングに応用することも可能である。
本発明の実施形態であるカーボンナノボールは、SEM像から得られる最大径である一の径と、前記一の径の垂直二等分線で得られる他の径とにより規定される他の径/一の径×100からなる真球率rが98%以上である構成なので、真球形状で径がナノオーダーのカーボンナノボールを構成することができ、中空でなく、均一に、かつ、密に充填されたカーボンナノボールなので、機械的強度を高くでき、ナノベアリングとしてナノメカニクス等に応用することができるとともに、カーボンは導電性を有するので、導電性のナノベアリングに応用することも可能である。また、ナノベアリングの回転性能を向上させることができる。
本発明の実施形態であるカーボンナノボールは、表面の凹凸が10nm以下である構成なので、表面平滑性の高いカーボンナノボールとすることができ、ナノベアリング等のナノデバイスに利用したときに、回転性能を向上させることができる。
本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法は、表面修飾フラーレンからなる粉末を、不活性ガス又は窒素ガスを700℃以上、かつ、250MPa以上として800分以上保持する構成なので、静水圧状態で水素化フラーレンからなる試料を等方的に圧縮してカーボンナノボールを生成できるので、真球形状に形成できるとともに、中空でなく、均一に、かつ、密に充填された径がナノオーダーのカーボンナノボールを容易に、かつ、製造効率高く、生成できる。
本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法は、前記不活性ガス又は窒素ガスを超臨界流体とする構成なので、静水圧状態で水素化フラーレンからなる試料を等方的に圧縮してカーボンナノボールを生成できるので、真球形状に形成できるとともに、中空でなく、均一に、かつ、密に充填されたカーボンナノボールを生成できる。
本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法は、前記不活性ガスとしてアルゴンガスを用い、前記アルゴンガスを700℃以上1100℃以下、250MPa以上350MPa以下とする構成なので、静水圧状態で水素化フラーレンからなる試料を等方的に圧縮してカーボンナノボールを生成できるので、真球形状に形成できるとともに、中空でなく、均一に、かつ、密に充填されたカーボンナノボールを生成できる。
本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法は、前記表面修飾フラーレンが水素又はハロゲンで修飾されたフラーレンである構成なので、真球形状で、径がナノオーダーのカーボンナノボールを容易に、かつ、製造効率高く、製造することができる。
本発明の実施形態であるカーボンナノボールの製造方法は、前記水素で修飾されたフラーレンが水素化フラーレン(C60H36)である構成なので、真球形状で、径がナノオーダーのカーボンナノボールを容易に、かつ、製造効率高く、製造することができる。
本発明の実施形態であるカーボンナノボール及びその製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で、種々変更して実施することができる。本実施形態の具体例を以下の実施例で示す。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、2φ×10mmの筒状のAu−Pdカプセルを用意し、水素化フラーレン(C60H36)からなる、黄白色の粉末試料を封入してから、上部を折り曲げて、図8に示すように、試料装填Au−Pd合金カプセルを作製した。
次に、この試料装填Au−Pd合金カプセルを5つサンプルバスケット内に配置してから、図9に示すように、所定の位置にワイヤーを通してサンプルバスケットを配置して、試料部を構成した。
次に、この試料部を、図10に示すガス圧縮装置の高圧容器の試料室内に配置した。
次に、試料室内にアルゴンガスを導入して、図11の温度・圧力条件で処理した。具体的に、0minから50minまで一定の昇圧速度で200MPaとした。
次に、50minから70minまで一定の昇圧速度で300MPaとした。このとき、サンプルバスケットの温度を一定の昇温速度で室温(27℃)から800℃とした。
次に、300MPa、800℃の条件で、1050min保持した。
次に、1100minから1120minまで一定の降圧速度で300MPaから0MPaとした。このとき、一定の昇温速度で800℃から50℃としてから、室温(27℃)に戻した。
次に、試料装填Au−Pd合金カプセルを取出し、その中から合成した黒色の粉末試料(実施例1合成試料)を取り出した。
実施例1合成試料のSEM、TEM、EDS、EDP、STEMの測定を行った。
図12〜15は、実施例1合成試料のSEM写真である。図12から図15に向けて、倍率を上げている。
図12〜15に示すように、400nm〜1570nmの直径を持つナノボール状カーボンが生成した。
図15から、表面の凹凸が10nm以下であることを確認した。
図16は、真球率のデータを算出するために、図13のSEM写真(SEM像)をもとにした説明図である。
まず、SEM像から外郭が明確な粒子a1〜a16を選択し、その最大径(一の径)を算出した(点線)。なお、a9に関しては、図12を元に最大径(一の径)を算出した(点線)。
次に、前記一の径の垂直二等分線で得られる他の径を算出した(実線)。
次に、他の径/一の径×100からなる真球率rを算出した。
その算出結果を表1に示す。
図17は、実施例1合成試料のTEM写真である。コントラストがなく、中空ではないことを確認した。
図18は、実施例1合成試料のEDSグラフである。カーボンのピークのみが観測された。
図19は、実施例1合成試料のEDP写真である。ハローしか見えないので、アモルファスであることを確認した。
図20は、実施例1合成試料のSTEM写真である。コントラストがなく、中空ではないことを確認した。
(実施例2)
サンプルバスケットの最大温度を800℃ではなく、1000℃とした他は実施例1と同様にして、実施例2合成試料の作成を試みた。
合成した黒色の粉末試料(実施例2合成試料)が作成された。
実施例2合成試料のSEM、TEM、EDS、EDP、STEMの測定を行った。415nm〜1565nmの直径を持つ真球形状のナノボール状カーボンが生成した。
(実施例3)
水素化フラーレンからなる試料の代わりに、フッ化フラーレンを用いた他は実施例1と同様にして、実施例3合成試料の作成を試みた。
合成した黒色の粉末試料(実施例3合成試料)が作成された。
実施例3合成試料のSEM、TEM、EDS、EDP、STEMの測定を行った。410nm〜1550nmの直径を持つ真球形状のナノボール状カーボンが生成した。
(実施例4)
実施例1と同様にして、実施例4合成試料の作成を試みた。
合成した黒色の粉末試料(実施例4合成試料)が作成された。
実施例4合成試料のSEMの測定を行った。405nm〜1560nmの直径を持つナノボール状カーボンが生成した。表面の凹凸が10nmのナノボール状カーボンが生成した(図21)。
(比較例1)
水素化フラーレンからなる試料の代わりに、水素化しないフラーレンを用いた他は実施例1と同様にして、比較例1合成試料の作成を試みた。
ナノボール状カーボンは生成されず、水素化しないフラーレンがそのままでてきた。
(比較例2)
水素化フラーレンからなる試料の代わりに、単層ナノチューブ(SWNT)を用いた他は実施例1と同様にして、比較例2合成試料の作成を試みた。
ナノボール状カーボンは生成されず、単層ナノチューブ(SWNT)がそのままでてきた。なお、バンドルの隙間にアルゴンが入り込んでいる結果が得られた。
(比較例3)
水素化フラーレンからなる試料の代わりに、多層ナノチューブ(MWNT)を用いた他は実施例1と同様にして、比較例3合成試料の作成を試みた。
ナノボール状カーボンは生成されず、多層ナノチューブ(MWNT)がそのままでてきた。
本発明のカーボンナノボール及びその製造方法は、真球形状で、径がナノオーダーのカーボンナノボール及びその製造方法に関するものであり、ナノ−マイクロメカニクス・メカトロニクス産業、NEMS(Nano ElectroMechanical Systems)及びMEMS産業において利用可能性がある。
本発明のカーボンナノボールは、真球率が高く、表面が平滑で、中身が中空でなく、ぎっしりと詰まったボールなので、力学的に強く、安定であるので、具体的には、ナノ軸受等のボールへの応用等が考えられる。
11…製造装置、12…高圧容器、12c…試料室、13…油圧機構、14…接合部、15…保持部、16…ガス管、17…高圧バルブ、18…圧力計、21…試料部、22…ステンレスキャップ、23…パイロフィライトチューブ、24…アルミナチューブ、25…モリブデンワイヤー、26…アルミナリング、29…ワイヤー、31…サンプルバスケット、32…袋部、32c…袋内部、33…持ち手、41…カプセル、42…筒、42c…筒内空洞部、43…溶接部、44…折り曲げ部、51…試料。

Claims (8)

  1. 径が400nm以上1570nm以下の球状のアモルファスカーボンからなることを特徴とするカーボンナノボール。
  2. SEM像から得られる最大径である一の径と、前記一の径の垂直二等分線で得られる他の径とにより規定される他の径/一の径×100からなる真球率rが98%以上であることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノボール。
  3. 表面の凹凸が10nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンナノボール。
  4. 表面修飾フラーレンからなる粉末を、不活性ガス又は窒素ガスを700℃以上、かつ、250MPa以上として800分以上保持することを特徴とするカーボンナノボールの製造方法。
  5. 前記不活性ガス又は窒素ガスを超臨界流体とすることを特徴とする請求項4に記載のカーボンナノボールの製造方法。
  6. 前記不活性ガスとしてアルゴンガスを用い、前記アルゴンガスを700℃以上1100℃以下、250MPa以上350MPa以下とすることを特徴とする請求項4に記載のカーボンナノボールの製造方法。
  7. 前記表面修飾フラーレンが水素又はハロゲンで修飾されたフラーレンであることを特徴とする請求項4に記載のカーボンナノボールの製造方法。
  8. 前記水素で修飾されたフラーレンが水素化フラーレン(C60H36)であることを特徴とする請求項7に記載のカーボンナノボールの製造方法。


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