JP2014178005A - 遊星歯車機構を備えたロックタイプ双方向クラッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】入力側からの回転を伝達し、出力側からの回転伝達は阻止するロックタイプ双方向クラッチにおいて、作動の円滑化を図り、異音等の発生を防止する。
【解決手段】入力軸2と出力軸3を備えたハウジング1の内部に、2個の遊星歯車機構M1、M2を組み合わせた減速部とそれに続く速度変換部とを設置して双方向クラッチを構成する。減速部における第1遊星歯車機構M1には固定のリング歯車RGfを設けるとともに、第2遊星歯車機構M2には回転するリング歯車RGrを設け、入力軸2から回転リング歯車RGrを減速駆動する。速度変換部では、回転リング歯車RGrから増速、あるいは逆転するように出力軸3を駆動する。歯車機構を組み合わせてロックタイプ双方向クラッチが構成されているので、作動時に間隙が生じることはなく異音等の発生を防止するとともに、入出力軸間の変速作動が可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】入力軸2と出力軸3を備えたハウジング1の内部に、2個の遊星歯車機構M1、M2を組み合わせた減速部とそれに続く速度変換部とを設置して双方向クラッチを構成する。減速部における第1遊星歯車機構M1には固定のリング歯車RGfを設けるとともに、第2遊星歯車機構M2には回転するリング歯車RGrを設け、入力軸2から回転リング歯車RGrを減速駆動する。速度変換部では、回転リング歯車RGrから増速、あるいは逆転するように出力軸3を駆動する。歯車機構を組み合わせてロックタイプ双方向クラッチが構成されているので、作動時に間隙が生じることはなく異音等の発生を防止するとともに、入出力軸間の変速作動が可能となる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、入力軸と出力軸との間の動力伝達状態を変更するクラッチ装置、特に、入力軸(駆動側)からの正・逆回転の動力を伝達するとともに、出力軸(従動側)からの動力伝達は、出力軸を回転不能として遮断するロックタイプ双方向クラッチに関する。
モーターなどの駆動源から作業機器等を駆動する動力伝達系、例えば、モーターにより物品を上下に移送する昇降装置では、物品が所定の位置となったとき、モーターを停止すると物品が自動的にその位置を保持するような作動が求められる場合がある。そのため、入力軸及び出力軸を備えたロックタイプの双方向クラッチを用いて、入力軸を正・逆回転可能なモーターに連結するとともに、出力軸の回転により物品を昇降させる装置が知られている。この装置の双方向クラッチでは、モーターにより入力軸を正・逆回転したときは、出力軸が連動して正・逆回転し物品を昇降させる一方、出力軸を正・逆回転しようとすると、出力軸がロックされた状態となって物品の落下を防止する。
ロックタイプの双方向クラッチを利用する昇降装置の概要と、双方向クラッチの構造の一例とを図10、図11により説明する。図10は、ベルト及びプーリによって物品を上下する昇降装置と、その駆動装置に備えられる双方向クラッチのA−A断面構造を表すものであり、図11(a)は、出力軸が入力軸と連動して物品を昇降する状態のA−A断面を、(b)は、出力軸がロックされて物品の落下を阻止する状態のA−A断面を示す。
図10の昇降装置は、上下に配置したプーリP1、P2の間にベルトBを掛け渡し、ベルトBに移送する物品Wを固着した装置であって、上方のプーリP1には、これを回転駆動する正・逆回転可能なモーターMが、双方向クラッチDCを介して連結されている。双方向クラッチDCは、モーターMに連なる入力軸IS、プーリP1に連なる出力軸OS及び固定のハウジングHGを有している。
図10の昇降装置は、上下に配置したプーリP1、P2の間にベルトBを掛け渡し、ベルトBに移送する物品Wを固着した装置であって、上方のプーリP1には、これを回転駆動する正・逆回転可能なモーターMが、双方向クラッチDCを介して連結されている。双方向クラッチDCは、モーターMに連なる入力軸IS、プーリP1に連なる出力軸OS及び固定のハウジングHGを有している。
A−A断面矢視図に示されるように、双方向クラッチDCのハウジングHG内では、入力軸ISが複数の扇形部に分割され、扇形部の内側に出力軸OSが嵌め込まれる。出力軸OSには、入力軸ISの隣接する扇形部の間に入り込む突起部が設けてあり、この突起部の先端に形成したV字状凹所とハウジングHGとの間には、ローラRが介在されている。
図11(a)に示すように、モーターMにより入力軸ISが回転するときは、入力軸ISの扇形部の側面と出力軸OSの突起部の側面とが当接し、出力軸OSは、入力軸ISに押される形で同一方向に同一速度で回転する。入力軸ISが逆方向に回転するときも同様であって、図7の昇降装置において、モーターMを正・逆回転すると、ベルトBに固着した物品Wを上昇又は下降させることができる。
これに対し、出力軸OSが回転したときは、(b)に示されるように、ローラRがV字状凹所の斜面に押し上げられて外方に移動し、ハウジングHGと出力軸OSの突起部との間に挟み込まれる。これにより、出力軸OSがロックされてその位置で停止し、入力軸ISに回転が伝達されることはない。つまり、図10の昇降装置では、モーターMによる駆動を停止しても、物品Wが自重により落下するのを自動的に阻止することができる。このようなロックタイプの双方向クラッチは、本出願人の創案に係る特許第4850653号公報に開示されている。
これに対し、出力軸OSが回転したときは、(b)に示されるように、ローラRがV字状凹所の斜面に押し上げられて外方に移動し、ハウジングHGと出力軸OSの突起部との間に挟み込まれる。これにより、出力軸OSがロックされてその位置で停止し、入力軸ISに回転が伝達されることはない。つまり、図10の昇降装置では、モーターMによる駆動を停止しても、物品Wが自重により落下するのを自動的に阻止することができる。このようなロックタイプの双方向クラッチは、本出願人の創案に係る特許第4850653号公報に開示されている。
ロックタイプの双方向クラッチは、例えば、複写機のフィニッシャーにおいて、用紙を載せた用紙テーブルを移送する昇降装置、あるいは、建築物の窓のブラインドを昇降する昇降装置に適用することができる。そして、これを利用すると簡易な装置による自動的な動力伝達の制御が可能となって、例えば、電磁クラッチにより制御する場合のような、電力等の使用が不必要となるとともに、出力軸側から不測の逆入力があった場合に、駆動源のモーターを保護することも可能となる。
上述のとおり、図10のロックタイプ双方向クラッチは、コンパクトであって確実に動力伝達を制御可能な機械部品であるけれども、用途によっては未だ改良すべき余地が残されている。本発明は、双方向クラッチの以下に述べるような課題を解決するものである。
図10の構造の双方向クラッチでは、その機能を達成するには、入力軸ISの扇形部と出力軸OSの突起部との間などに間隙を設ける必要があり、作動中に衝撃音が発生する。また、双方向クラッチを図10の昇降装置に適用した場合、モーターMを正転させて物品Wを上昇するときは問題ないが、モーターMを逆転させ物品Wを下降するときに、物品Wの重力に起因して出力軸OSの速度が細かな変動を繰り返し、振動や異音を生じることがある。これは、次の理由による。
物品Wを下降させるためモーターMを逆回転させた場合に、物品Wに作用する重力により、出力軸OSが入力軸ISよりも速く回転(オーバーラン)することがあり、オーバーランが起こると、図11(b)の状態となってローラRとハウジングHGとが噛み合い、出力軸OSがロックする。このロック状態は、入力軸ISの回転でローラRが押されたときに解除されるが、噛み込みと解除の繰り返しは、出力軸OSの速度に細かな変動を与えることとなる。なお、ロック状態の解除には、ローラに働く摩擦力に打ち勝つトルク(モーメント)を付与する必要があるが、この点は、停止状態にある物品Wを上昇させるときも同じであって、モーターMには、物品Wを上昇させる負荷トルクに加えて噛み込み解除のためのトルクも要求される。
物品Wを下降させるためモーターMを逆回転させた場合に、物品Wに作用する重力により、出力軸OSが入力軸ISよりも速く回転(オーバーラン)することがあり、オーバーランが起こると、図11(b)の状態となってローラRとハウジングHGとが噛み合い、出力軸OSがロックする。このロック状態は、入力軸ISの回転でローラRが押されたときに解除されるが、噛み込みと解除の繰り返しは、出力軸OSの速度に細かな変動を与えることとなる。なお、ロック状態の解除には、ローラに働く摩擦力に打ち勝つトルク(モーメント)を付与する必要があるが、この点は、停止状態にある物品Wを上昇させるときも同じであって、モーターMには、物品Wを上昇させる負荷トルクに加えて噛み込み解除のためのトルクも要求される。
さらに、図10のロックタイプの双方向クラッチでは、出力軸OSの回転数は常に入力軸ISの回転数と等しいとともに、出力軸OSの回転方向も入力軸ISの回転方向と等しい。双方向クラッチ自体では、回転方向や回転速度を変更する変速作動が不可能であり、そのため、入出力軸間でトルクを増減することもできず、出力軸OSに作用する負荷トルクが大きいときは、それに見合うトルクを発生する大型のモーターを駆動源として用意する必要がある。
上記の課題に鑑み、本発明は、噛み込み用ローラを用いることなく、複数の遊星歯車機構、つまり、太陽歯車とリング歯車との間にキャリア(リテーナとも呼ばれる)に支持される遊星歯車を配した歯車機構、を組み合わせてロックタイプ双方向クラッチを構成し、双方向クラッチの作動に伴う異音等の発生を防止するとともに、入出力軸間の変速作動を可能とし、かつ、出力軸を停止させるときはロック状態を確実に保持するようにしたものである。すなわち、本発明は、
「回転不能のハウジング、入力軸及び出力軸を備え、前記入力軸からの正・逆方向の回転は前記出力軸に伝達されるとともに、前記出力軸からの前記入力軸への回転の伝達は、前記出力軸を回転不能として遮断されるロックタイプ双方向クラッチであって、
前記ロックタイプ双方向クラッチが減速部と速度変換部とを具備し、
前記減速部は、前記入力軸に連結された第1太陽歯車、第1遊星歯車及び回転不能の固定リング歯車を有する第1遊星歯車機構と、前記第1太陽歯車に連結された第2太陽歯車、第2遊星歯車及び回転可能の回転リング歯車を有する第2遊星歯車機構とを備えるとともに、前記第1遊星歯車機構と前記第2遊星歯車機構との間には、前記第1遊星歯車及び第2遊星歯車を支持する支持軸を両側に設けたキャリアが設置され、かつ、
前記第1遊星歯車機構と前記第2遊星歯車機構とにおいて、リング歯車と太陽歯車との少なくとも一方の歯車の間に歯数差が設けられて、前記入力軸から前記回転リング歯車に減速して回転が伝達されるように構成されており、
前記速度変換部は、前記回転リング歯車から前記出力軸に変速して回転が伝達されるように構成されている」
ことを特徴とするロックタイプ双方向クラッチとなっている。
「回転不能のハウジング、入力軸及び出力軸を備え、前記入力軸からの正・逆方向の回転は前記出力軸に伝達されるとともに、前記出力軸からの前記入力軸への回転の伝達は、前記出力軸を回転不能として遮断されるロックタイプ双方向クラッチであって、
前記ロックタイプ双方向クラッチが減速部と速度変換部とを具備し、
前記減速部は、前記入力軸に連結された第1太陽歯車、第1遊星歯車及び回転不能の固定リング歯車を有する第1遊星歯車機構と、前記第1太陽歯車に連結された第2太陽歯車、第2遊星歯車及び回転可能の回転リング歯車を有する第2遊星歯車機構とを備えるとともに、前記第1遊星歯車機構と前記第2遊星歯車機構との間には、前記第1遊星歯車及び第2遊星歯車を支持する支持軸を両側に設けたキャリアが設置され、かつ、
前記第1遊星歯車機構と前記第2遊星歯車機構とにおいて、リング歯車と太陽歯車との少なくとも一方の歯車の間に歯数差が設けられて、前記入力軸から前記回転リング歯車に減速して回転が伝達されるように構成されており、
前記速度変換部は、前記回転リング歯車から前記出力軸に変速して回転が伝達されるように構成されている」
ことを特徴とするロックタイプ双方向クラッチとなっている。
請求項2に記載のように、前記第1太陽歯車と前記第2太陽歯車とを単一の歯車として形成するとともに、前記固定リング歯車と前記回転リング歯車との間に歯数差を設けることができる。
請求項3に記載のように、前記ハウジングを、円周壁と端板とを備えるカップ状の固定部材とし、その円周壁の内部には、前記固定リング歯車が形成される小径部と前記回転リング歯車を収容する大径部とを設けることができる。
請求項4に記載のように、前記入力軸及び前記出力軸を前記ハウジングの中心に対向して設置し、前記入力軸及び前記出力軸の一方には、中心部に断面円形の凸部を形成するとともに、他方には前記凸部が嵌まり込む凹部を形成することが好ましい。
前記速度変換部としては、請求項5に記載のように、前記出力軸に連結された第3太陽歯車と、前記キャリアに支持されて前記回転リング歯車及び前記第3太陽歯車に噛み合う第3遊星歯車とを備える機構を採用し、前記回転リング歯車から前記出力軸に増速して回転が伝達されるよう構成することができる。
また、請求項6に記載のように、前記速度変換部として、前記出力軸に連結された出力歯車と、前記ハウジングに支持されて前記回転リング歯車及び前記出力歯車に噛み合う伝動歯車とを備える機構を採用し、前記回転リング歯車から前記出力軸に増速して回転が伝達されるよう構成することができる。
請求項7に記載のように、前記第2遊星歯車機構は、前記キャリアに支持され、互いに噛み合う2個の前記第2遊星歯車を備え、その一方が前記第2太陽歯車と噛み合うとともに、他方が前記回転リング歯車と噛み合うよう構成することができる。
本発明のロックタイプ双方向クラッチは、回転不能のハウジングと、その中心に設置される入力軸及び出力軸を有しており、入力軸の回転が一旦減速される減速部と、減速された回転を変速して出力軸に伝達する速度変換部とを具備している。減速部は、第1遊星歯車機構と第2遊星歯車機構とを組み合わせたものであって、両方の遊星歯車機構の太陽歯車は入力軸に連結される。そして、第1遊星歯車機構のリング歯車(内歯歯車)が回転不能の固定リング歯車であるのに対し、第2遊星歯車機構には回転可能の回転リング歯車が設けられ、両方の遊星歯車機構の間には、第1遊星歯車及び第2遊星歯車を支持する支持軸を両側に設けたキャリアが設置されている。
第1遊星歯車機構と第2遊星歯車機構とにおいて、リング歯車と太陽歯車との少なくとも一方の歯車の間に歯数差が設けられる。そのため、入力軸に連結された太陽歯車が回転すると、固定リング歯車を有する第1遊星歯車機構によりキャリアが減速して回転され、第2遊星歯車機構においては、入力軸に連結された太陽歯車と両方の遊星歯車機構に共通のキャリアの回転とに応じて、回転リング歯車がさらに減速されて回転する。この回転リング歯車の回転は、速度変換部で変速されて出力軸を回転させるので、入力軸からの正・逆方向の回転は、遊星歯車機構などで変速されながら出力軸に伝達される。
第1遊星歯車機構と第2遊星歯車機構とにおいて、リング歯車と太陽歯車との少なくとも一方の歯車の間に歯数差が設けられる。そのため、入力軸に連結された太陽歯車が回転すると、固定リング歯車を有する第1遊星歯車機構によりキャリアが減速して回転され、第2遊星歯車機構においては、入力軸に連結された太陽歯車と両方の遊星歯車機構に共通のキャリアの回転とに応じて、回転リング歯車がさらに減速されて回転する。この回転リング歯車の回転は、速度変換部で変速されて出力軸を回転させるので、入力軸からの正・逆方向の回転は、遊星歯車機構などで変速されながら出力軸に伝達される。
これに対し、出力軸から入力軸へ回転を伝達しようとすると、減速部終端となる回転リング歯車から第2遊星歯車機構及び第1遊星歯車機構を経由して入力軸へ動力が伝達されることとなる。しかし、詳しくは後述するが、このとき第2遊星歯車機構と第1遊星歯車機構とはロックされた状態となり、出力軸の回転は不能となる。
このように、本発明のロックタイプ双方向クラッチにおいては、遊星歯車機構を利用して、入力軸から出力軸へ回転動力を伝達するとともに、反対向きへの伝達は遮断する。出力軸からの回転伝達の遮断は、遊星歯車機構をロック状態とすることにより摩擦力を利用しないで行われるから、出力軸の停止の保持が摩擦力により制限されることはない。さらに、遊星歯車機構のロック状態は、出力軸側から駆動しようとすると直ちに生じるので、図10の双方向クラッチとは異なり、作動中に衝撃音が発生することはない。また、ローラの噛み込みと解除の繰り返しに起因する出力軸の速度変動の発生がないとともに、ローラの噛み込みの解除のために余分なトルクを付与する必要も生じない。
ここで、本発明のロックタイプ双方向クラッチにおいて、第1遊星歯車機構と第2遊星歯車機構とを備えた減速部は、いわば差動式の遊星歯車機構を構成するものであり、その変速比は、以下のように計算することができる。
一般に遊星歯車機構においては、太陽歯車の回転数nSG、リング歯車の回転数nRG及びキャリアの回転数nCRの間に次の関係がある。
nRG+γ・nSG=(1+γ)nCR
γ=ZSG/ZRG ZSG:太陽歯車の歯数、ZRG:リング歯車の歯数
減速部の変速比(減速比)は、太陽歯車の回転数nSGと第2遊星歯車機構の回転リング歯車の回転数nRGrとの比である。第1遊星歯車機構と第2遊星歯車機構は共通のキャリアを備えており、その回転数nCRは第1遊星歯車機構により決定される。第2遊星歯車機構における回転リング歯車の回転数nRGrは、太陽歯車の回転数nSG(なお、第1遊星歯車機構と第2遊星歯車機構の太陽歯車は、回転数は同一でも歯数の異なる場合がある)とキャリアの回転数nCRから上式により決定され、結局、本発明の減速部の変速比は次式で表される。
nSG/nRGr=(1+γ1)/(γ1−γ2)
γ1=ZSG1/ZRGf ZSG1:第1遊星歯車機構の太陽歯車の歯数
γ2=ZSG2/ZRGr ZSG2:第2遊星歯車機構の太陽歯車の歯数
これから明らかなように、(γ1−γ2)の値を小さくすると変速比が大きな値となり、遊星歯車の歯数や回転数は、全体の変速比には影響しない。また、本発明の双方向クラッチでは、入力軸から出力軸を駆動する際には、減速部及び速度変換部の変速比と回転方向を自由に設定することができる。ことに、遊星歯車機構等の歯数の設定により、入力軸と出力軸とを等速で同一方向又は逆方向に回転することが可能であって、双方向クラッチとして使い勝手が良いものを容易に構成することができる。
一般に遊星歯車機構においては、太陽歯車の回転数nSG、リング歯車の回転数nRG及びキャリアの回転数nCRの間に次の関係がある。
nRG+γ・nSG=(1+γ)nCR
γ=ZSG/ZRG ZSG:太陽歯車の歯数、ZRG:リング歯車の歯数
減速部の変速比(減速比)は、太陽歯車の回転数nSGと第2遊星歯車機構の回転リング歯車の回転数nRGrとの比である。第1遊星歯車機構と第2遊星歯車機構は共通のキャリアを備えており、その回転数nCRは第1遊星歯車機構により決定される。第2遊星歯車機構における回転リング歯車の回転数nRGrは、太陽歯車の回転数nSG(なお、第1遊星歯車機構と第2遊星歯車機構の太陽歯車は、回転数は同一でも歯数の異なる場合がある)とキャリアの回転数nCRから上式により決定され、結局、本発明の減速部の変速比は次式で表される。
nSG/nRGr=(1+γ1)/(γ1−γ2)
γ1=ZSG1/ZRGf ZSG1:第1遊星歯車機構の太陽歯車の歯数
γ2=ZSG2/ZRGr ZSG2:第2遊星歯車機構の太陽歯車の歯数
これから明らかなように、(γ1−γ2)の値を小さくすると変速比が大きな値となり、遊星歯車の歯数や回転数は、全体の変速比には影響しない。また、本発明の双方向クラッチでは、入力軸から出力軸を駆動する際には、減速部及び速度変換部の変速比と回転方向を自由に設定することができる。ことに、遊星歯車機構等の歯数の設定により、入力軸と出力軸とを等速で同一方向又は逆方向に回転することが可能であって、双方向クラッチとして使い勝手が良いものを容易に構成することができる。
請求項2の発明は、太陽歯車軸に単一の太陽歯車を形成し、第1遊星歯車と第2遊星歯車とがともにその太陽歯車と噛み合うようにしたものであり、これによると、太陽歯車軸の製造が容易となる。このときは、両方の遊星歯車機構における太陽歯車の歯数が同一であって(ZSG1=ZSG2)、リング歯車に歯数差が設定される。
請求項3の発明は、ハウジングを、円周壁と端板とを備えるカップ状の固定部材として、その円周壁の内部に、固定リング歯車が形成される小径部と回転リング歯車を収容する大径部とを設けるものであり、この構造としたときは、本発明の双方向クラッチの全体的な構造を簡素化し、小型でコンパクトな双方向クラッチを得ることができる。
また、請求項4の発明のように、入力軸及び出力軸をハウジングの中心に対向して設置し、一方の軸の中心部に断面円形の凸部を、他方の軸に凹部を形成して互いに嵌め込むようにすると、入力軸及び出力軸の回転が安定化して軸の傾きや振動が防止され、円滑な動力伝達を図ることができる。
また、請求項4の発明のように、入力軸及び出力軸をハウジングの中心に対向して設置し、一方の軸の中心部に断面円形の凸部を、他方の軸に凹部を形成して互いに嵌め込むようにすると、入力軸及び出力軸の回転が安定化して軸の傾きや振動が防止され、円滑な動力伝達を図ることができる。
請求項5の発明は、減速部終端の回転リング歯車から出力軸に動力を伝達する速度変換部として、やはり遊星歯車機構を採用するものである。速度変換部の遊星歯車機構(第3遊星歯車機構)は、第1、第2遊星歯車機構と共通のキャリアに支持された第3遊星歯車を備え、この第3遊星歯車が、回転リング歯車と出力軸に連結された第3太陽歯車とに噛み合うよう構成される。これによれば、遊星歯車機構を利用して変速比(増速比)の大きな速度変換部を構成することができるとともに、減速部及び速度変換部の遊星歯車機構におけるキャリアを共通として、双方向クラッチのコンパクト化、製造コストの低下が可能となる。
また、請求項6の発明は、速度変換部としていわば通常の歯車伝動装置を採用するものであり、第2遊星歯車機構の回転リング歯車と出力軸に連結された出力歯車との間に伝動歯車を設置する。伝動歯車は固定軸に嵌め込まれたアイドラ歯車であって、変速比は、回転リング歯車の歯数と出力歯車の歯数との比によって定まる。伝動歯車は、回転不能のハウジングの蓋体に支持されているため、速度変換部の構造がコンパクトであり、かつ、安定した動力伝達が可能である。
請求項7の発明は、回転リング歯車を有する第2遊星歯車機構の遊星歯車として、互いに噛み合う2個の歯車を配置する、いわゆるダブルピニオン(二重遊星歯車)を採用するものである。これによると、減速部における変速比の設定の自由度が大きくなり、双方向クラッチを介して動力を伝達する際に、出力軸の回転方向を入力軸に対し反対方向とすることも容易となる。
以下、図面に基づき、本発明のロックタイプ双方向クラッチについて説明する。まず、図1乃至図5に示す第1実施例により、双方向クラッチの基本構造となる減速部について説明するが、第1実施例は、第1、第2遊星歯車機構の太陽歯車として軸方向に長い単一の歯車を用い、速度変換部には遊星歯車機構を採用したものである。第1実施例の双方向クラッチの全体的な構造を図1に示し、その作動の説明図を図2に示す。また、図3乃至図5は、第1実施例の双方向クラッチを構成する部品を単体で示すものである。
図1の中央の縦断面図に示すように(各部品を単品で示す図3乃至図5も参照)、第1実施例の双方向クラッチは、中央に置かれた固定のハウジング1の両側に入力軸2及び出力軸3をそれぞれ配した構造であり、図示は省略するが、入力軸2はモーター等の駆動側に接続され、出力軸3は昇降装置等の従動側に接続される。ハウジング1の端部には、その一部をなす蓋体1Cが圧入されてシ−ルドされており、蓋体1Cは、これを貫通する出力軸3の軸受けを兼ねている。ハウジング1の内部には、第1遊星歯車機構M1(断面矢視A−A)と第2遊星歯車機構M2(断面矢視B−B)とを組み合わせた減速部が入力軸2側に配置され、第3遊星歯車機構M3(断面矢視C−C)からなる速度変換部が出力軸3側に配置されている。
減速部において、ハウジング1の中心に置かれた入力軸2には太陽歯車SGが形成されており、これは、軸方向に長い単一の歯車であって、第1、第2遊星歯車機構に共通(同一歯数)の太陽歯車となっている。断面矢視A−Aに示すとおり、第1遊星歯車機構M1では太陽歯車SGの周りに3個の第1遊星歯車PG1が配置され、この第1遊星歯車PG1は、ハウジング1の小径部に形成された固定リング歯車RGfと噛み合う。また、断面矢視B−Bに示すとおり、第2遊星歯車機構M2においては、太陽歯車SGの周りに3個の第2遊星歯車PG2が配置されており、この第2遊星歯車PG2は、ハウジング1の大径部に収容される環状の回転リング歯車RGrと噛み合う。回転リング歯車RGrの歯数は、固定リング歯車RGfの歯数よりも多くなるよう設定されている。
固定リング歯車RGfと回転リング歯車RGrとの間には、両側の面に遊星歯車の支持軸を立設した円板状のキャリア4が配置される。図5に示すように、キャリア4の中央には、入力軸2に形成された太陽歯車SGの貫通する中央孔41が設けられ、そして、第1遊星歯車PG1が、キャリア4の一方側の面に立設した3本の支持軸4P1に回転可能に嵌め込まれ、第2遊星歯車PG2が、キャリア4の他方側の面に立設した3本の支持軸4P2に回転可能に嵌め込まれる。このように、キャリア4は、減速部を構成する第1遊星歯車機構及び第2遊星歯車機構に共通の部品であり、それぞれの機構の遊星歯車を支持する。各々の歯車は、サイクロイドを基本とした歯型曲線を有するサイクロイド歯車となっている。
図1の第1実施例の双方向クラッチにおいては、速度変換部にも遊星歯車機構が採用されている。速度変換部の第3遊星歯車機構M3では、断面矢視C−Cに示すとおり、出力軸3に連結された第3太陽歯車SG3の周りに3個の第3遊星歯車PG3が配置されており、この第3遊星歯車PG3は、外方において第2遊星歯車機構M2の回転リング歯車RGrと噛み合っている。また、第3太陽歯車SG3は、キャリア4の第2遊星歯車機構M2側の面に立設した3本の支持軸4P3に回転可能に嵌め込まれている。つまり、キャリア4は、第1、第2及び第3遊星歯車機構の全てに共通するキャリアであり、その片側の面には、3本ずつの支持軸4P2と支持軸4P3とが、60°間隔で交互に配置される。支持軸4P3には、減速部と速度変換部を軸方向に隔て、第2遊星歯車PG2と第3太陽歯車SG3の接触等を防止するため、薄い円板状の隔板5が嵌め込まれる(図5参照)。
次いで、第1実施例のロックタイプ双方向クラッチの作動について、減速部の遊星歯車機構の作動を示す図2を用いて説明する。
図2の上方の断面矢視A−Aのように、入力軸2から太陽歯車SGに時計方向(軸方向断面図の右方から見て)の回転トルクを付与したときは、太陽歯車SGは、まず、第1遊星歯車PG1を反対方向に自転させて固定リング歯車RGfに沿って遊星運動を行わせ、キャリア4を太陽歯車SGの周りに同一方向に回転させる。太陽歯車SGは、第2遊星歯車機構の第2遊星歯車PG2とも噛み合っており、第2遊星歯車機構M2においては、太陽歯車SGの回転がキャリア4の公転によりいわば相殺される形となるが(上方の断面矢視B−B)、回転リング歯車RGrの歯数が固定リング歯車RGfの歯数と相違しているので、歯数の差に基づいて回転リング歯車RGrが低速で回転する。これは、入力軸2の回転方向には関係なく、本発明の双方向クラッチの減速部においては、入力軸2からの正・逆方向の回転は、減速されて回転リング歯車RGrに伝達される。
図2の上方の断面矢視A−Aのように、入力軸2から太陽歯車SGに時計方向(軸方向断面図の右方から見て)の回転トルクを付与したときは、太陽歯車SGは、まず、第1遊星歯車PG1を反対方向に自転させて固定リング歯車RGfに沿って遊星運動を行わせ、キャリア4を太陽歯車SGの周りに同一方向に回転させる。太陽歯車SGは、第2遊星歯車機構の第2遊星歯車PG2とも噛み合っており、第2遊星歯車機構M2においては、太陽歯車SGの回転がキャリア4の公転によりいわば相殺される形となるが(上方の断面矢視B−B)、回転リング歯車RGrの歯数が固定リング歯車RGfの歯数と相違しているので、歯数の差に基づいて回転リング歯車RGrが低速で回転する。これは、入力軸2の回転方向には関係なく、本発明の双方向クラッチの減速部においては、入力軸2からの正・逆方向の回転は、減速されて回転リング歯車RGrに伝達される。
これに対し、図2の下方の断面矢視B−Bのように、出力軸3から(第3遊星歯車機構の第3遊星歯車PG3を介して)第2遊星歯車機構M2の回転リング歯車RGrに反時計方向(軸方向断面図の左方から見て)の回転トルクを与えた場合には、第2遊星歯車機構M2の太陽歯車SGと第2遊星歯車PG2には、それぞれ破線矢印の方向のトルクが作用して、キャリア4には、反時計方向に回転させるF1の力が働く。一方、第1遊星歯車機構の太陽歯車SGと固定リング歯車RGfには、図2の下方の断面矢視A−Aの破線矢印の方向(軸方向断面図の右方から見て)のトルクが作用し、キャリア4には、第1遊星歯車PG1を介して反時計方向(軸方向断面図の左方から見ると時計方向)に回転させるF2の力が働く。F1とF2の力は反対方向に作用するため、キャリア4はロックして回転しない。
つまり、双方向クラッチの減速部においては、回転リング歯車RGrから入力軸2を回転しようとすると、遊星歯車機構のロックにより回転が遮断される。本発明のロックタイプ双方向クラッチにおいては、回転リング歯車RGrが速度変換部を介して出力軸3に連結されているが、出力軸3から入力軸2を回転させようとしても、途中に介在される減速部がロックされて出力軸3が回転不能となり、入力軸2に回転が伝達されない。
つまり、双方向クラッチの減速部においては、回転リング歯車RGrから入力軸2を回転しようとすると、遊星歯車機構のロックにより回転が遮断される。本発明のロックタイプ双方向クラッチにおいては、回転リング歯車RGrが速度変換部を介して出力軸3に連結されているが、出力軸3から入力軸2を回転させようとしても、途中に介在される減速部がロックされて出力軸3が回転不能となり、入力軸2に回転が伝達されない。
図1の第1実施例において、速度変換部として設置された第3遊星歯車機構M3(断面矢視C−C)では、入力軸2により回転リング歯車RGrが減速回転するときは、第3遊星歯車PG3を支持するキャリア4も入力軸2により減速回転している。回転リング歯車RGr及びキャリア4の回転に応じて、出力軸3に連結された第3太陽歯車SG3は、減速部の終端である回転リング歯車RGrよりも相当増速された状態で回転する。このように、入力軸2の回転は減速部で減速された後速度変換部において増速されて、出力軸3は入力軸2と等しい速度あるいは近接した速度で回転する。そして、入力軸2と出力軸3の回転数の比である変速比は、各遊星歯車機構の歯車の歯数で決定されることとなる。
図1の第1実施例では、各遊星歯車機構の歯車の歯数は、次のように設定されている。
第1遊星歯車機構:ZSG1=24、ZRGf=48 (ZPG1=12)
第2遊星歯車機構:ZSG2=24、ZRGr=54 (ZPG2=15)
第3遊星歯車機構:ZSG3=36、ZRGr=54 (ZPG3=9)
このように設定したときは、全ての遊星歯車機構において歯車のモジュールの値を同一とすることが可能であって、転位歯車等を使用することなく円滑な歯車の噛み合いを実現できる。また、遊星歯車機構の回転数や変速比についての前述の関係式により、本発明の第1実施例の双方向クラッチにおける減速部の変速比、速度変換部の変速比及び全体の変速比は、次のとおり計算される。
減速部の変速比 nRGr/nSG1=1/27
速度変換部の変速比 nSG3/nRGr=21
全体の変速比 nSG3/nSG1=7/9
第1遊星歯車機構:ZSG1=24、ZRGf=48 (ZPG1=12)
第2遊星歯車機構:ZSG2=24、ZRGr=54 (ZPG2=15)
第3遊星歯車機構:ZSG3=36、ZRGr=54 (ZPG3=9)
このように設定したときは、全ての遊星歯車機構において歯車のモジュールの値を同一とすることが可能であって、転位歯車等を使用することなく円滑な歯車の噛み合いを実現できる。また、遊星歯車機構の回転数や変速比についての前述の関係式により、本発明の第1実施例の双方向クラッチにおける減速部の変速比、速度変換部の変速比及び全体の変速比は、次のとおり計算される。
減速部の変速比 nRGr/nSG1=1/27
速度変換部の変速比 nSG3/nRGr=21
全体の変速比 nSG3/nSG1=7/9
これから分かるように、第1実施例の双方向クラッチは、入力軸から出力軸に回転を伝達するときは、その回転数が7/9となり、等速に近い変速比で出力軸に伝達される。減速部では回転数が1/27となって大きく減速され、それに反比例して回転駆動のためのトルクは増大するので、この点からも逆方向の回転伝達は実質的にロックされる。ちなみに、第1遊星歯車機構及び第2遊星歯車機構の歯数を変更することなく、速度変換部である第3遊星歯車機構の太陽歯車の歯数を、
第3遊星歯車機構:ZSG3=24 (ZRGr=54、ZPG3=12)
としたときは、入力軸の回転を等速で出力軸に伝達することができる。
第3遊星歯車機構:ZSG3=24 (ZRGr=54、ZPG3=12)
としたときは、入力軸の回転を等速で出力軸に伝達することができる。
ここで、第1実施例の双方向クラッチにおけるハウジングや入出力軸等の構造につき、図3、図4により説明する。
図3の静止部品の単品図に示されるように、ハウジング1は、円周壁11と端板12とを備えるカップ状の固定部材であって、その円周壁11の内部には、固定リング歯車RGfが形成される小径部11Aと回転リング歯車RGrを収容する大径部11Bとが設けられ、小径部11Aと大径部11Bとの中間には、キャリア4の円板部を収容する段付き部が形成される。端板12には、これを貫通する入力軸2を軸受するように中央孔が設けられるとともに、端板12の反対側には蓋体1Cが圧入され、蓋体1Cには出力軸3を軸受する中央孔が設けられる。
図3の静止部品の単品図に示されるように、ハウジング1は、円周壁11と端板12とを備えるカップ状の固定部材であって、その円周壁11の内部には、固定リング歯車RGfが形成される小径部11Aと回転リング歯車RGrを収容する大径部11Bとが設けられ、小径部11Aと大径部11Bとの中間には、キャリア4の円板部を収容する段付き部が形成される。端板12には、これを貫通する入力軸2を軸受するように中央孔が設けられるとともに、端板12の反対側には蓋体1Cが圧入され、蓋体1Cには出力軸3を軸受する中央孔が設けられる。
図4の入出力軸等の単品図に示されるように、入力軸2には、第1遊星歯車機構及び第2遊星歯車機構に共通の太陽歯車SGとなる、軸方向に長い歯車が形成され、出力軸3には、第3遊星歯車機構の太陽歯車が形成される。また、入力軸2の中心部には断面円形の凸部21が形成されるとともに、出力軸3の中心部には対応する凹部31が形成されており、凸部21と凹部31は、双方向クラッチを組み立てたときに互いに嵌め込まれる。これにより、入力軸2及び出力軸3は、互いに軸受されていわば両持ちの状態となり、軸の傾きや振動が防止されるようになる。減速部と速度変換部との間に置かれる回転リング歯車RGrは円環状の部材であって、内面には、第2遊星歯車機構及び第3遊星歯車機構の遊星歯車が共に噛み合う軸方向に長い内歯が形成されている。
本発明のロックタイプ双方向クラッチの第2実施例について、図6及び図7により説明する。第2実施例の双方向クラッチは、減速部を構成する第2遊星歯車機構にダブルピニオンを採用して、回転伝達時に出力軸の回転方向を入力軸と反対としたもので、速度変換部には、第1実施例と同様に遊星歯車機構が採用されている。第2実施例の双方向クラッチの全体的な構造を図6に示し、キャリア部分の構造を図7に示す。これらの図面では、第1実施例の部品に相当するものについては同一の符号を付してある。
図7の中央の縦断面図に示すように、第2実施例の双方向クラッチは、第1実施例のものと同じく、中央に置かれた固定のハウジング1の両側に入力軸2及び出力軸3をそれぞれ配した構造である。ハウジング1の内部には、第1遊星歯車機構M1(断面矢視A−A)と第2遊星歯車機構M2(断面矢視B−B)とを組み合わせた減速部が入力軸2側に配置され、さらに、第3遊星歯車機構M3(断面矢視C−C)からなる速度変換部が出力軸3側に配置されている。
減速部において、第1遊星歯車機構M1では、入力軸2に形成された太陽歯車SGの周りに3個の第1遊星歯車PG1が配置され、第1遊星歯車PG1は、ハウジング1の小径部に形成された固定リング歯車RGfと噛み合う。この点は第1実施例のものと変わりはないが、断面矢視B−Bに示すとおり、第2遊星歯車機構M2においては、互いに噛み合う2個の第2遊星歯車PG2A、PG2Bからなる3組のダブルピニオンが設けてあり、遊星歯車PG2Aが太陽歯車SGと噛み合い、遊星歯車PG2Bが環状の回転リング歯車RGrと噛み合うよう構成される。回転リング歯車RGrの歯数は、固定リング歯車RGfの歯数よりも多くなるよう設定されている。
第2遊星歯車機構の遊星歯車がダブルピニオンであることから、図7に示すように、キャリア4の出力軸側の面(図の左方の面)には、2個の第2遊星歯車PG2A、PG2Bがそれぞれ嵌め込まれる支持軸4P2A、4P2Bが立設される。また、キャリア4のその面には、速度変換部である第3遊星歯車機構M3(図6の断面矢視C−C)の遊星歯車PG3を支持する3本の支持軸4P3も同時に立設されており、この支持軸は第2遊星歯車の支持軸よりも長い。支持軸4P3には、減速部と速度変換部とを軸方向に隔てるための薄い円板状の隔板5が嵌め込まれる。
図6に示す第2実施例では、減速部及び速度変換部を構成する各遊星歯車機構の歯車の歯数は、次のように設定されている。
第1遊星歯車機構:ZSG1=24、ZRGf=48 (ZPG1=12)
第2遊星歯車機構:ZSG2=24、ZRGr=54 (ZPG2=11、12)
第3遊星歯車機構:ZSG3=18、ZRGr=54 (ZPG3=18)
ところで、ダブルピニオンを備えた遊星歯車機構の場合は、太陽歯車の回転数nSG、リング歯車の回転数nRG及びキャリアの回転数nCRの間に成立する関係式は、次のようになる。
nRG−γ・nSG=(1−γ)nCR
γ=ZSG/ZRG ZSG:太陽歯車の歯数、ZRG:リング歯車の歯数
この関係式を第2遊星歯車機構に適用することにより、第2実施例の双方向クラッチにおける減速部の変速比は、次のとおり計算される。
減速部の変速比 nRGr/nSG1=17/27
また、速度変換部の変速比及び全体の変速比は、次のとおり計算される。
速度変換部の変速比 nSG3/nRGr=−15/17
全体の変速比 nSG3/nSG1=−5/9
第1遊星歯車機構:ZSG1=24、ZRGf=48 (ZPG1=12)
第2遊星歯車機構:ZSG2=24、ZRGr=54 (ZPG2=11、12)
第3遊星歯車機構:ZSG3=18、ZRGr=54 (ZPG3=18)
ところで、ダブルピニオンを備えた遊星歯車機構の場合は、太陽歯車の回転数nSG、リング歯車の回転数nRG及びキャリアの回転数nCRの間に成立する関係式は、次のようになる。
nRG−γ・nSG=(1−γ)nCR
γ=ZSG/ZRG ZSG:太陽歯車の歯数、ZRG:リング歯車の歯数
この関係式を第2遊星歯車機構に適用することにより、第2実施例の双方向クラッチにおける減速部の変速比は、次のとおり計算される。
減速部の変速比 nRGr/nSG1=17/27
また、速度変換部の変速比及び全体の変速比は、次のとおり計算される。
速度変換部の変速比 nSG3/nRGr=−15/17
全体の変速比 nSG3/nSG1=−5/9
これから分かるように、第2実施例の双方向クラッチは、入力軸から出力軸に回転を伝達するときは、その回転数が−5/9となり、入力軸の回転方向が反対となって出力軸に伝達される。そして、第2実施例において、第1遊星歯車機構及び第2遊星歯車機構の歯数を変更することなく、速度変換部である第3遊星歯車機構の太陽歯車の歯数を、
第3遊星歯車機構:ZSG3=12 (ZRGr=54、ZPG3=21)
としたときは、入力軸の回転を等速で逆向きに出力軸に伝達することができる。
第3遊星歯車機構:ZSG3=12 (ZRGr=54、ZPG3=21)
としたときは、入力軸の回転を等速で逆向きに出力軸に伝達することができる。
本発明のロックタイプ双方向クラッチの第3実施例について、図8及び図9により説明する。第3実施例の双方向クラッチは、減速部を構成する第1、第2遊星歯車機構については基本的に第1実施例のものと同様であるが、速度変換部として、いわば通常の歯車列からなる伝動歯車機構を採用したものである。第3実施例の双方向クラッチの全体的な構造を図8に示し、キャリア部分の構造を図9に示す。これらの図面では、第1実施例の部品に相当するものについては同一の符号を付してある。
図8の中央の縦断面図に示すように、第3実施例の双方向クラッチも、第1、第2実施例のものと同じく、中央に置かれた固定のハウジング1の両側に入力軸2及び出力軸3をそれぞれ配した構造である。ハウジング1の内部には、第1遊星歯車機構M1(断面矢視A−A)と第2遊星歯車機構M2(断面矢視B−B)とを組み合わせた減速部が入力軸2側に配置される。そして、出力軸3側に設置される速度変換部は、減速部の遊星歯車機構とは独立した伝動歯車装置TG(断面矢視C−C)であって、したがって、図9に示すように、第3実施例のキャリア4には、第1、第2遊星歯車機構の遊星歯車のみが支持されている。
減速部においては、ハウジング1の小径部に形成された固定リング歯車RGfを有する第1遊星歯車機構M1と、回転リング歯車RGrを有する第2遊星歯車機構M2とが配置され、入力軸2の回転が減速されて回転リング歯車RGrに伝達される。速度変換部は、回転リング歯車RGrにより出力軸3に固着した出力歯車OGを増速して回転駆動する伝動歯車装置であって、回転リング歯車RGrと出力歯車OGとの間に、両方の歯車と噛み合う伝動歯車GGが設置されている。この伝動歯車GGは、ハウジング1の蓋体1Cに一体的に形成した軸に嵌め込まれて、ハウジング1の内部に収容されているため、速度変換部の構造がコンパクトであり、かつ、安定した動力伝達が可能である。
図8に示す第3実施例では、減速部及び速度変換部を構成する各遊星歯車機構の歯車の歯数は、次のように設定されている。
第1遊星歯車機構:ZSG1=12、ZRGf=24 (ZPG1=6)
第2遊星歯車機構:ZSG2=12、ZRGr=36 (ZPG2=12)
速度変換部 :ZRGr=36、ZOG=6 (ZTG=15)
第3実施例の双方向クラッチの減速部における変速比は、次のとおり計算される。
減速部の変速比 nRGr/nSG1=1/9
また、速度変換部の変速比及び全体の変速比は、次のとおり計算される。
速度変換部の変速比 nOG/nRGr=6
全体の変速比 nOG/nSG1=2/3
つまり、第3実施例の双方向クラッチにおいては、入力軸から出力軸に回転を伝達するときは、その回転数が2/3となる。
第1遊星歯車機構:ZSG1=12、ZRGf=24 (ZPG1=6)
第2遊星歯車機構:ZSG2=12、ZRGr=36 (ZPG2=12)
速度変換部 :ZRGr=36、ZOG=6 (ZTG=15)
第3実施例の双方向クラッチの減速部における変速比は、次のとおり計算される。
減速部の変速比 nRGr/nSG1=1/9
また、速度変換部の変速比及び全体の変速比は、次のとおり計算される。
速度変換部の変速比 nOG/nRGr=6
全体の変速比 nOG/nSG1=2/3
つまり、第3実施例の双方向クラッチにおいては、入力軸から出力軸に回転を伝達するときは、その回転数が2/3となる。
以上詳述したように、本発明のロックタイプ双方向クラッチは、太陽歯車とリング歯車との間にキャリアに支持される遊星歯車を配した遊星歯車機構を複数設けて減速部を構成し、これに速度変換部を組み合わせたものである。したがって、本発明の双方向クラッチでは、作動に伴う異音等の発生を防止、入出力軸間での変速等が可能となる。上記の実施例では、回転リング歯車と固定リング歯車との歯数に差を設けているが、回転リング歯車と固定リング歯車との歯数を同一として、第1、第2遊星歯車機構における太陽歯車の歯数を異ならせてもよい。また、各遊星歯車と支持軸との間に転がりベアリングを介在させて摩擦損失を低減する、固定リング歯車や回転リング歯車の歯車部分を別体で製作して部品に組み付ける、各歯車の歯型曲線としてインボリュート歯形その他特殊形状歯型を採用するなど、上記実施例に対し各種の変形が可能であるのは明らかである。
1 ハウジング
1C 蓋体
2 入力軸
3 出力軸
4 キャリア
4P1、4P2、4P3 支持軸(遊星歯車の)
5 隔板
SG 太陽歯車
PG1、PG2、PG3 遊星歯車
RGf 固定リング歯車
RGr 回転リング歯車
1C 蓋体
2 入力軸
3 出力軸
4 キャリア
4P1、4P2、4P3 支持軸(遊星歯車の)
5 隔板
SG 太陽歯車
PG1、PG2、PG3 遊星歯車
RGf 固定リング歯車
RGr 回転リング歯車
Claims (7)
- 回転不能のハウジング、入力軸及び出力軸を備え、前記入力軸からの正・逆方向の回転は前記出力軸に伝達されるとともに、前記出力軸からの前記入力軸への回転の伝達は、前記出力軸を回転不能として遮断されるロックタイプ双方向クラッチであって、
前記ロックタイプ双方向クラッチが減速部と速度変換部とを具備し、
前記減速部は、前記入力軸に連結された第1太陽歯車、第1遊星歯車及び回転不能の固定リング歯車を有する第1遊星歯車機構と、前記第1太陽歯車に連結された第2太陽歯車、第2遊星歯車及び回転可能の回転リング歯車を有する第2遊星歯車機構とを備えるとともに、前記第1遊星歯車機構と前記第2遊星歯車機構との間には、前記第1遊星歯車及び第2遊星歯車を支持する支持軸を両側に設けたキャリアが設置され、かつ、
前記第1遊星歯車機構と前記第2遊星歯車機構とにおいて、リング歯車と太陽歯車との少なくとも一方の歯車の間に歯数差が設けられて、前記入力軸から前記回転リング歯車に減速して回転が伝達されるように構成されており、
前記速度変換部は、前記回転リング歯車から前記出力軸に変速して回転が伝達されるように構成されていることを特徴とするロックタイプ双方向クラッチ。 - 前記第1太陽歯車と前記第2太陽歯車とが単一の歯車として形成されるとともに、前記固定リング歯車と前記回転リング歯車との間に歯数差が設けられる請求項1に記載のロックタイプ双方向クラッチ。
- 前記ハウジングは、円周壁と端板とを備えるカップ状の固定部材であり、その円周壁の内部には、前記固定リング歯車が形成される小径部と前記回転リング歯車を収容する大径部とが設けられる請求項1又は請求項2のいずれかに記載のロックタイプ双方向クラッチ。
- 前記入力軸及び前記出力軸が前記ハウジングの中心に対向して設置され、前記入力軸及び前記出力軸の一方には、中心部に断面円形の凸部が形成されるとともに、他方には前記凸部が嵌まり込む凹部が形成される請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のロックタイプ双方向クラッチ。
- 前記速度変換部は、前記出力軸に連結された第3太陽歯車と、前記キャリアに支持されて前記回転リング歯車及び前記第3太陽歯車に噛み合う第3遊星歯車とを備え、前記回転リング歯車から前記出力軸に増速して回転が伝達される請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のロックタイプ双方向クラッチ。
- 前記速度変換部は、前記出力軸に連結された出力歯車と、前記ハウジングに支持されて前記回転リング歯車及び前記出力歯車に噛み合う伝動歯車とを備え、前記回転リング歯車から前記出力軸に増速して回転が伝達される請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のロックタイプ双方向クラッチ。
- 前記第2遊星歯車機構は、前記キャリアに支持され、互いに噛み合う2個の前記第2遊星歯車を備え、その一方が前記第2太陽歯車と噛み合うとともに、他方が前記回転リング歯車と噛み合う請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のロックタイプ双方向クラッチ。
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