JP2014166665A - 多方向加工方法および多方向加工用ワイヤソー - Google Patents

多方向加工方法および多方向加工用ワイヤソー Download PDF

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Abstract

【課題】
ワークの加工送り方向の変更時に、ワイヤ支持用の一対の案内ローラの向きを変更しないままワイヤを複数のガイドローラによって支持できるようにする。
【解決手段】
一対の案内ローラ3の間に張架されている走行状態のワイヤ4に対しXYテーブル5上のワーク6をX方向およびY方向に加工送りさせ、ワイヤ4によってワーク6を切断するワイヤソー2において、ワーク6を挟む各位置でワイヤ4の周囲に複数のガイドローラ17をワイヤ4に対して進退自在に配置し、ワーク6の切断加工時に、ワーク6の加工送り方向の変化に応じて加工送り方向に対向するガイドローラ17をワイヤ4に外接する位置まで移動させ、移動後のガイドローラ17によってワイヤ4を加工送り方向に対向する方向から支持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤソーのワイヤを用いて、ワークを多方向から加工する方法、および多方向加工用のワイヤソーに関する。
シングルワイヤ式のワイヤソーにおいて、ワークは、糸鋸のような1本のワイヤによって切断加工され、通常、ワイヤソーの加工送り装置によって走行中のワイヤに対し加工送りされるようになっている。ワークの加工送り方向は、ワイヤの蛇行や溝付きのローラからのワイヤの外れを防止するために、ワイヤに対する一対の溝付きのローラの支持方向、すなわち一対の溝付きのローラに対するワイヤの外接位置において各溝付きローラの半径方向またはそれに近い方向でなければならない。
このため、ワークの加工送り方向がワイヤに対する一対の溝付きローラの支持方向から外れるときに、作業者は、糸鋸によるワークの加工時のように、ワイヤを中心としてワークを旋回移動させながら加工送りしなければならない。このような加工送りは、加工の自動化を困難なものとしている。
一方、特許文献1は、ワークの加工方向の変化時に、ワイヤを中心として一対の溝付きローラをローラ支持用アームとともに回動させ、ワイヤに対する一対の溝付きローラの支持方向を変位させることによって、ワークの加工送り方向とワイヤに対する全剛性の支持方向とを一致させている。
特許文献1の技術は、一対の溝付きローラを回動させるために、ワイヤに作用する加工力の分力を検出して、ワイヤを中心としてローラ支持用アームを回動させている。この制御は、ワークの加工送り方向の変化にともなう現象、すなわち加工送り方向の変化の結果ワイヤに作用する分力から検出している。このため、ローラ支持用アームの回動操作に遅れが発生し易く、ワイヤの加工経路は、目標の加工経路から外れ易くなる。
また、特許文献2は、ワイヤを一対の溝付き旋回回転ローラで常時挟み込み、ワイヤの切断方向の変化に応じて、一対の溝付き旋回回転ローラを旋回させている。特許文献2の技術によると、一対の溝付き旋回回転ローラが常にワイヤ走行時の抵抗負荷となるため、ワイヤ走行に大きな動力が必要となる。
WO2008/001816号公報 特開2003−165047号公報
したがって、本発明の課題は、ワークの加工送り方向を変更するときに、ワイヤ支持用の一対の案内ローラの向きを変更しないまま、ワイヤを加工送り方向に対向する方向からガイドローラによって支持できるようにすることである。
上記の課題のもとに、本発明は、ワイヤソーのワイヤの周囲に複数のガイドローラを進退自在に配置し、ワークの切断加工時に、前記ワークの加工送り方向の変化に応じて前記加工送り方向に対向する位置の前記ガイドローラを前記ワイヤに外接する位置まで移動させ、移動後の前記ガイドローラによって前記ワイヤを前記加工送り方向に対向する方向から支持し、ワイヤを受け止めるようにしている。
特許請求の範囲にもとづいて詳細に記載すると、請求項1に係る多方向加工方法は、一対の案内ローラの間に張架されている走行状態のワイヤに対して、XYテーブル上のワークをX方向およびY方向に加工送りさせ、前記ワイヤによって前記ワークを切断するワイヤソーにおいて、前記ワークを挟む各位置で前記ワイヤの周囲に複数のガイドローラを前記ワイヤに対して進退自在に配置し、前記ワークの切断加工時に、前記ワークの加工送り方向の変化に応じて、前記加工送り方向に対向する方向の前記ガイドローラを前記ワイヤに外接する位置まで移動させ、移動後の前記ガイドローラによって前記ワイヤを前記加工送り方向に対向する方向から支持するようにしている。
請求項2に係る多方向加工方法は、前記ワークの加工送り方向の変化に応じて前記加工送り方向に対向する方向に近い位置で隣り合う前記ガイドローラを前記ワイヤに外接する位置まで移動させている。
そして、請求項3に係る多方向加工用ワイヤソーは、一対の案内ローラの間に張架されている走行状態のワイヤに対して、XYテーブル上のワークをX方向およびY方向に加工送りさせ、前記ワイヤによって前記ワークを切断するワイヤソーにおいて、前記ワークを挟む各位置で前記ワイヤの周囲に前記ワイヤに対して進退自在に配置されている複数のガイドローラと、前記各ガイドローラ毎に設けられ、前記各ガイドローラを待機位置から前記ワイヤに外接する位置へ移動させる複数のアクチュエータと、X方向およびY方向の加工送り量のデータから前記ワークの加工送り方向を検出し、検出した加工送り方向に対向する位置の前記アクチュエータを駆動する駆動制御装置とを具備し、前記ワークの切断加工時に、前記ワークの加工送り方向の変化に応じて、前記駆動制御装置によって前記X方向および前記Y方向の加工送り量のデータから前記ワークの加工送り方向を検出し、検出した加工送り方向に対向する方向の前記アクチュエータを駆動して、前記加工送り方向に対向する方向の前記ガイドローラを前記ワイヤに外接する位置まで移動させ、移動後の前記ガイドローラによって前記ワイヤを前記加工送り方向に対向する方向で支持するようにしている。
請求項4に係る多方向加工用ワイヤソーは、前記ワークの加工送り方向の変化に応じて前記加工送り方向に対向する方向に近い位置で隣り合う前記ガイドローラを前記アクチュエータによって前記ワイヤに外接する位置まで移動させている。
請求項5に係る多方向加工用ワイヤソーは、複数の前記ガイドローラのうち、前記ワイヤの周囲で隣り合う前記ガイドローラを前記ワイヤの長手方向で異なる位置に配置している。
請求項6に係る多方向加工用ワイヤソーは、複数の前記ガイドローラのうち、前記案内ローラと同じ支持方向の位置の前記ガイドローラを前記案内ローラで兼用している。
請求項1に係る多方向加工方法によると、ワークの切断加工時に、ワークの加工送り方向の変化に応じて、ワークの加工送り方向に対向する方向のガイドローラがワイヤに外接する位置まで移動するから、ワイヤが加工送り方向に対向する方向から支持されることになり、この結果、ワイヤの走行が安定し、またワイヤの支持方向以外のガイドローラがワイヤから離れているため、ワイヤの走行の負荷とならず、その分、ワイヤの走行が低い動力により行える。
請求項2に係る多方向加工方法によると、加工送り方向に対向する方向に近い位置で隣り合うガイドローラがワイヤに外接するから、ワークの加工送り方向が隣り合うガイドローラの間の境界域を指向しているときにも対応できる。
請求項3に係る多方向加工用ワイヤソーによると、ワークの切断加工時に、ワークの加工送り方向の変化に応じ、ワークの加工送り方向に対向する方向のガイドローラがワイヤに外接する位置まで移動するから、ワイヤが加工送り方向に対向する方向から支持されることになり、ワイヤの走行が安定し、またワイヤの支持方向以外のガイドローラがワイヤから離れているため、ワイヤの走行の負荷とならず、特に、複数のガイドローラ進退用のアクチュエータがワークの加工時のX方向およびY方向の加工送り量のデータにもとづいて選択され、駆動されるから、ガイドローラの進退駆動がワークの加工送り移動から遅れることなく、速やかに対応できる。
請求項4に係る多方向加工用ワイヤソーによると、加工送り方向に対向する方向に近い位置で隣り合うガイドローラがアクチュエータによってワイヤに外接するから、ワークの加工送り方向が隣り合うガイドローラの間の境界域を指向しているときにも適切に対応できる。
請求項5に係る多方向加工用ワイヤソーによると、複数の前記ガイドローラのうち、隣り合うガイドローラがワイヤの長手方向で異なる位置に配置されておれば、隣り合うガイドローラが同時にワイヤに外接しても干渉しないため、ワークの加工送り方向が隣り合うガイドローラの間を指向しているとき、隣り合うガイドローラを同時にワイヤに外接させるときに有効に対応できる。
請求項6に係る多方向加工用ワイヤソーによると、案内ローラが同じ支持方向の位置のガイドローラを兼用しているとき、その位置でのガイドローラおよびアクチュエータが省略できるため、その分、構成が簡単化できる。
本発明に係る多方向加工用ワイヤソーのブロック線図である。 本発明に係る多方向加工用ワイヤソーにおいて、ワイヤ、ワーク、一対の案内ローラおよび複数のガイドローラの側面図である。 ガイドローラの支持部分の平面図である。 ワイヤ、ワーク、一対の案内ローラおよび複数のガイドローラの斜面図である。 ガイドローラの分担範囲の説明図である。 ワークの加工送り方向とガイドローラとの対応関係の説明図である。 ワークの加工送り方向とガイドローラとの対応関係の説明図である。
図1ないし図7は、本発明に係る多方向加工方法にもとづく多方向加工用ワイヤソー1の具体的な構成例を示している。図1および図2に示すように、多方向加工ワイヤソー1は、シングル式のワイヤソー2を前提としている。シングル式のワイヤソー2は、一対の案内ローラ3の間において、所定の張力のもとに張架されている1本のワイヤ4を走行させ、走行状態のワイヤ4に対してXYテーブル5上のワーク6をXYZ直交座標上でX方向およびY方向に送り移動させることによって、ワーク6を任意の形状に切断する。一対の案内ローラ3は、円板状溝付きローラまたは円柱状溝付きローラであり、定位置で回転自在に支持されており、外周面の溝内でワイヤ4を案内する。
ワイヤ4は、好ましくは固定砥粒付きワイヤ、例えばダイヤモンド付きワイヤであり、ワイヤ送り出し装置7から送り出された後に、一対の案内ローラ3の間にZ方向に巻き掛けられ、ワイヤ巻き取り装置8によって巻き取られる。図示のワイヤ4は、有端状であるが、無端状として構成することもできる。ワイヤ送り出し装置7およびワイヤ巻き取り装置8は、一対の案内ローラ3の間でワーク6を切断するために、ワイヤ4を一方向の連続走行の状態または往復走行の状態で駆動し、ワイヤ4の張力をワーク6の切断加工に適切な値に制御しながら、ワイヤ4のたるみを吸収する機能を有している。
XYテーブル5は、加工位置でのワイヤ4の通過を許容するために、例えば矩形状の枠体であり、枠体のXY平面上で加工しようとするワーク6を図示しないクランプ手段により位置決め状態で固定しており、XY割り出しユニット9、Y方向送り用の駆動モータ11およびX方向送り用の駆動モータ12によってX方向およびY方向にそれぞれ送り移動させられ、ワイヤ4に対して位置決めされる。
XY割り出しユニット9は、図示しないが、X方向およびY方向の移動案内手段とX方向およびY方向の送りねじユニットとの組み合わせからなり、それぞれの駆動モータ11および駆動モータ12は、各方向の送りねじユニットを回転させ、XYテーブル5をX方向およびY方向に送り、位置決めする。駆動モータ11および駆動モータ12は、送り制御装置10からの加工送り量のデータにもとづいて駆動増幅器13、14によって駆動される。
送り制御装置10は、ワーク6に対する目標の切断加工のために、例えばNC制御用の加工プログラムを内蔵しており、ワーク6の切断加工時に、加工送り量のデータにもとづいて駆動モータ11、12の回転量および回転方向を制御して、XYテーブル5の上のワーク6を所定の方向に送り移動させて、図4に例示するワーク6の目標の加工経路15にそってワイヤ4を相対的に移動させる。加工プログラムや加工経路15の加工送り量のデータは、表示器付き入力器16によって入力できるようになっている。
そして、本発明に係る多方向加工用ワイヤソー1は、前記ワイヤソー2を前提とし、特徴的な構成として、図1および図2に示すように、ワイヤ4を支えるために移動式の複数のガイドローラ17と、各ガイドローラ17を移動させる複数のアクチュエータ18と、各アクチュエータ18を駆動する駆動制御装置19とを具備している。
複数、例えば4個のガイドローラ17は、図1および図2の他、図4に示すように、ワーク6を挟む位置、すなわち図示の例によると、ワーク6の上下の位置毎に、ワイヤ4の周囲において、ワイヤ4の半径方向に進退自在に配置されている。4個のガイドローラ17は、好ましくは円板状溝付きローラまたは円柱状溝付きローラであり、ワイヤ4を取り囲んでワイヤ4の半径方向に放射状として、言い換えると、ワイヤ4に対する垂直面すなわちXY平面上で、ワイヤ4を中心として中心角90度の位置毎に放射に配置され、図3に示すように、それぞれローラホルダ20のローラ軸21によって回転自在に支持されている。ガイドローラ17が溝付きローラであれば、ワイヤ4の横振れがなく、ワイヤ4の安定な走行が可能となる。
それぞれのローラホルダ20は、電磁プランジャやエアシリンダなどのアクチュエータ18によってワイヤ4に対して進退自在に設けられ、ワイヤ4から離れた待機位置に後退しているが、ワイヤ4を支えるときに、アクチュエータ18に駆動されて前進し、ワイヤ4に外接して、ワーク6の加工送り方向の力を受け止める。
なお、ガイドローラ17の設置数は、4個に限らず、3個以上であればよく、例えば8個とし、ワイヤ4を中心として中心角45度の位置毎に放射状に配置することもできる。また、上下の案内ローラ3は、同じ支持方向のガイドローラ17、すなわち同じ位相のガイドローラ17の機能を兼用できるから、その位置のガイドローラ17およびアクチュエータ18は、必要に応じて省略できる。その位置のガイドローラ17およびアクチュエータ18を省略すると、その分、構成が簡単化できる。
駆動制御装置19は、送り制御装置10からX方向および前記Y方向の加工送り量のデータを入力とし、両方の加工送り量のデータからベクトル計算を行い、これによってワーク6の加工送り方向を検出し、検出した加工送り方向の範囲に対向する位置のアクチュエータ18を選択し、選択したアクチュエータ18を駆動することによって、ワーク6を切断している時のワイヤ4をガイドローラ17によって加工送り方向に対向する支持方向、すなわちワイヤ4を受け止める方向から支える。
図示の例によると、ガイドローラ17が4個設けられているため、図5に示すように、各ガイドローラ17は、中心角90度の範囲A、B、C、Dを受け持ち、その範囲内でワイヤ4を支えることになる。
例えばCFRPのワーク6に対する加工経路15が図4の例のように矩形の窓のような切り抜き加工のときに、加工前に、ワーク6に加工開始用孔22が予め形成される。加工開始用孔22の加工後に、ワーク6は、XYテーブル5の上に図示しないクランプ手段により位置決め状態で取り付けられ、固定される。
切断加工に際し、作業者は、加工プログラムや加工経路15についてX方向およびY方向の加工送り量のデータを表示器付き入力器16の操作によって送り制御装置10に入力してから、一対の案内ローラ3の間でワイヤ4を切り、ワイヤ4の一方の切り端を加工開始用孔22に通し、通したワイヤ4の一方の切り端をワイヤ4の他方の切り端に溶接または結びにより接続してから、ワイヤ4に目標の張力を掛けながら、ワイヤ4を連続走行または往復走行させ、送り制御装置10に加工開始の指令を与える。
ここで送り制御装置10は、加工経路15に対する加工送り量のデータにもとづいて各駆動モータ11、12の回転量、回転方向を制御し、XY割り出しユニット9を位置決めし、XYテーブル5の上のワーク6を加工経路15にそって移動させ、ワーク6の目標の加工経路15にそって一定位置のワイヤ3を相対的に移動させる。
一方、駆動制御装置19は、送り制御装置10からX方向およびY方向の送り量のデータを入力とし、両方の送り量のデータからベクトル計算を行い、ワーク6の加工送り方向を検出し、検出した加工送り方向に対向する位置のアクチュエータ18を駆動することにより、ガイドローラ17を前進させてワイヤ4に外接させ、ワーク6の加工送り方向に対向する支持方向から外接状態のガイドローラ17の従動回転によってワイヤ4を支える。ワイヤ4に対するガイドローラ17の支持方向は、ワイヤ4の切断方向と一致しており、ワーク6の加工送り方向に向き合っている。
このように、複数のガイドローラを進退させるためのアクチュエータ18がワーク6の加工時のX方向およびY方向の加工送り量のデータにもとづいて選択され、駆動されるため、ガイドローラ17の進退駆動は、ワーク6の加工送り移動の制御と並行して行われるから加工送りから遅れることなく進められる。
例示の具体例によると、4個のガイドローラ17は、図5のように、それぞれ中心角90度の範囲A、範囲B、範囲C、範囲Dを受け持ち、各範囲毎にワイヤ4を支える。したがって、切断位置でワイヤ4は、前進したガイドローラ17に後押しされて、切断方向に切り込んでいくことになる。このとき、ワイヤ4の支持方向以外のガイドローラ17は、ワイヤ4から離れているため、従動回転せず、ワイヤ4の走行負荷となることはない。
図4および図6の(1)に例示するように、加工開始用孔22から加工経路15に至るまでのX方向の加工区間では、加工送り方向Fは、範囲Bのガイドローラ17に向き合っている。このため、駆動制御装置19は、範囲Bのガイドローラ17のアクチュエータ18を選択して駆動し、ガイドローラ17をワイヤ4に外接させ、切断時のワーク6の加工送り方向Fの押し付け力を受け止める。なお、範囲Bのガイドローラ17が省略されているとき、案内ローラ3は、省略されている範囲Bのガイドローラ17に代わって切断時のワーク6の加工送り方向Fの押し付け力を受け止めることになる。
その後、図4および図6の(2)に例示するように、ワイヤ4が加工経路15にそってY方向に相対移動するとき、駆動制御装置19は、ワーク6の加工経路15の方向からワイヤ4の加工送り方向Fを求め、求めた加工送り方向Fに対応する範囲Aのガイドローラ17のアクチュエータ18を選択して駆動し、ガイドローラ17をワイヤ4に外接させ、切断時のワーク6の加工送り方向Fの押し付け力を受け止める。
以下、同様にして残りの加工経路15についても、駆動制御装置19は、加工経路15にしたがって範囲D、範囲C、範囲B、範囲Aのガイドローラ17をワイヤ4に順次に外接させ、切断時のワーク6の加工送り方向Fの押し付け力を受け止め、切り抜き加工を行う。このようにして、ワイヤ4は、ワーク6の加工経路15の開始点から加工経路15に沿って相対的に移動し、加工経路15の終点で止まり、加工経路15の内側部分を切り抜く。
この切断過程で、ワーク6の厚みが部分的に変化していても、切断加工は、厚みに関係なく進められる。加工経路25の輪郭は、矩形に限らず、円、楕円、雲形定規の形状など任意に設定できる。なお、切り抜き加工以外の場合に、加工開始用孔22は不要となり、ワイヤ4の切り・接続などの操作は必要とされない。
通常、ワイヤ4は、ワーク6に対して垂直に設定されるため、切り取部分の切り口(切断面)はワーク6の表裏面に対して直角とする。しかし、ワイヤ4がワーク6に対して傾斜状態に設定されるならば、切り取部分の切り口(切断面)は、ワーク6の表裏面に対して傾斜面となる。
つぎに、図6の(3)に例示するように、ワーク6の加工送り方向FがX方向とY方向との合成方向を指向している時、駆動制御装置19は、ベクトル計算によってそれらの合力を計算し、求めた合力の方向を加工送り方向Fとし、その加工送り方向Fに対応する範囲Cのガイドローラ17をワイヤ4に外接させ、切断時のワーク6の押し付け力を受け止める。
図6の(3)の例のように、ワーク6の加工送り方向Fとローラ支持方向とが完全に一致しないとき、ワイヤ4は、溝付きのガイドローラ17の溝内で溝側面に接触し、ガイドローラ17の案内抵抗を受け、蛇行し易くなり、安定に走行しなくなることもある。このことからガイドローラ17の設置数は、可能な限り多くすれば、ワーク6の加工送り方向Fとローラ支持方向とのずれを小さくできる点で有利となる。
また、ワイヤ4に対して1つの垂直な平面(XY平面)に多くのガイドローラ17が放射状に設置されると、隣り合うガイドローラ17が前進後退するときに干渉し易くなる。このような隣り合うガイドローラ17の干渉は、ワイヤ4に対して複数の垂直な平面にガイドローラ17を分散状態で設置することによって回避できる。
図7のa、bに例示するように、ワイヤ4の周囲で例えば範囲B、範囲Cで隣り合う2個のガイドローラ17がワイヤ4の長手方向で異なる位置、すなわち異なる平面位置にあるとき、隣り合う2個のガイドローラ17をワイヤ4の長手方向で異なる位置に対して同時にワイヤ4に外接させても、2個のガイドローラ17は干渉しなくなる。このように、ワイヤ4の長手方向で異なる位置において、隣り合う2個のガイドローラ17を同時にワイヤ4に外接させるときに、ワーク6の加工送り方向Fは、隣り合う2個のガイドローラ17によるローラ支持方向の合力によって、加工送り方向Fに正確に対向させることもできる。
図7のように、加工送り方向Fが範囲Bと範囲Cとの境界位置にあっても、その加工送り方向Fは、隣り合う2個のガイドローラ17によって対応できる。したがって、ワーク6の加工送り方向Fが隣り合うガイドローラ17の間を指向しているときにも、隣り合う2個のガイドローラ17によってワイヤソーの支持が可能となる。
本発明は、ワーク5としてCFRPの加工のために開発されたが、それに限らず、結晶体や金属板、その他の材料の加工にも適用できる。
1 多方向加工用ワイヤソー
2 ワイヤソー
3 案内ローラ
4 ワイヤ
5 XYテーブル
6 ワーク
7 ワイヤ送り出し装置
8 ワイヤ巻き取り装置
9 XY割り出しユニット
10 送り制御装置
11 駆動モータ
12 駆動モータ
13 駆動増幅器
14 駆動増幅器
15 加工経路
16 表示器付き入力器
17 ガイドローラ
18 アクチュエータ
19 駆動制御装置
20 ローラホルダ
21 ローラ軸
22 加工開始用孔

Claims (6)

  1. 一対の案内ローラの間に張架されている走行状態のワイヤに対して、XYテーブル上のワークをX方向およびY方向に加工送りさせ、前記ワイヤによって前記ワークを切断するワイヤソーにおいて、
    前記ワークを挟む各位置で前記ワイヤの周囲に複数のガイドローラを前記ワイヤに対して進退自在に配置し、前記ワークの切断加工時に、前記ワークの加工送り方向の変化に応じて前記加工送り方向に対向する方向の前記ガイドローラを前記ワイヤに外接する位置まで移動させ、移動後の前記ガイドローラによって前記ワイヤを前記加工送り方向に対向する方向から支持する、ことを特徴とする多方向加工方法。
  2. 前記ワークの加工送り方向の変化に応じて前記加工送り方向に対向する方向に近い位置で隣り合う前記ガイドローラを前記ワイヤに外接する位置まで移動させる、ことを特徴とする請求項1記載の多方向加工方法。
  3. 一対の案内ローラの間に張架されている走行状態のワイヤに対して、XYテーブル上のワークをX方向およびY方向に加工送りさせ、前記ワイヤによって前記ワークを切断するワイヤソーにおいて、
    前記ワークを挟む各位置で前記ワイヤの周囲に前記ワイヤに対して進退自在に配置されている複数のガイドローラと、前記各ガイドローラ毎に設けられ、前記各ガイドローラを待機位置から前記ワイヤに外接する位置へ移動させる複数のアクチュエータと、X方向およびY方向の加工送り量のデータから前記ワークの加工送り方向を検出し、検出した加工送り方向に対向する位置の前記アクチュエータを駆動する駆動制御装置とを具備し、前記ワークの加工時に、前記ワークの加工送り方向の変化に応じて、前記駆動制御装置によって前記X方向および前記Y方向の加工送り量のデータから前記ワークの加工送り方向を検出し、検出した加工送り方向に対向する位置の前記アクチュエータを駆動して、前記加工送り方向に対向する方向の前記ガイドローラを前記ワイヤに外接する位置まで移動させ、移動後の前記ガイドローラによって前記ワイヤを前記加工送り方向に対向する方向で支持することを特徴とする多方向加工ワイヤソー。
  4. 前記ワークの加工送り方向の変化に応じて前記加工送り方向に対向する方向に近い位置で隣り合う前記ガイドローラを前記アクチュエータによって前記ワイヤに外接する位置まで移動させる、ことを特徴とする請求項3記載の多方向加工方法。
  5. 複数の前記ガイドローラのうち、前記ワイヤの周囲で隣り合う前記ガイドローラを前記ワイヤの長手方向で異なる位置に配置する、ことを特徴とする請求項3または請求項4記載の多方向加工用ワイヤソー。
  6. 複数の前記ガイドローラのうち、前記案内ローラと同じ支持方向の位置の前記ガイドローラを前記案内ローラで兼用する、ことを特徴とする請求項3、請求項4または請求項5記載の多方向加工用ワイヤソー。
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