JP2014164537A - 仮想現実サービス提供システム、仮想現実サービス提供方法 - Google Patents

仮想現実サービス提供システム、仮想現実サービス提供方法 Download PDF

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Abstract

【課題】現実の世界と融合した仮想現実の世界で提示することを可能とする仮想現実サービス提供システムが求められていた。
【解決手段】本発明の仮想現実サービス提示システムは、複数の仮想現実オブジェクトを記憶するオブジェクト記憶手段、ユーザが利用可能な仮想現実サービスを示す情報を記憶する利用可能サービス情報記憶手段、ユーザが利用可能な仮想現実サービスに用いる仮想現実オブジェクトをオブジェクト記憶手段より読み出すオブジェクト読み出し手段、ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報に基づいて、仮想空間における仮想現実オブジェクトの配置位置を決定するオブジェクト配置位置決定手段、ユーザの状態を示すユーザ状態情報と仮想現実オブジェクトの配置位置とに基づいて、ユーザが頭部に装着するHMD装置の表示パネルに表示される映像の符号化データを生成する表示映像生成手段、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、仮想現実サービス提供システム、仮想現実サービス提供方法、仮想現実サービス提供サーバ、情報処理システム、情報処理方法、情報処理サーバ、情報処理プログラム、仮想現実提示装置、ヘッドマウントディスプレイ装置、仮想現実提示システムに関する。
近年、映像を表示するための装置として、テレビなど従来の据え置き型ディスプレイに加えて様々な電子デバイスが開発されており、携帯電話端末やタブレット端末、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Human Mounted Display)と言った電子デバイスが既に開発されている。
先行文献1には、現実の風景にCG(Computer Graphics)を重ねてHMDで表示するための仮想現実感提示装置が開示されている。
特開2006−338163号公報
私達人間が生きる現実の世界は、物理的、社会的制約を受けている。例えば、質量のある物質は光速を超えることができないという物理的制約から惑星間旅行は実現が困難であるし、エネルギー保存の法則が支配すると言った物理的制約から生身の体で空を自由に飛ぶことはできない。
また、物理的には可能な事象であっても、現実の人間社会に平穏と秩序を与えるために設定されている倫理規範や各法律などにより、人間の行動は社会的な制約を受けている。このように、人間は自由を謳歌する立場でありながら、現実の世界では様々な制約を受ける条件的自由を享受しているに過ぎない。
現実の世界は様々な制約が課せられるが、人間が想像する世界はこれらの制約に縛られず、無限の自由度を有している。想像の世界では光速を超えることも、空を飛ぶことも可能である。世界中に散らばるクリエータは、ある者は映画と言う形態で架空の世界を創り出し、ある者は小説や漫画、アニメーション、ゲームと言う形態で架空の世界を構築する。一般需要者は、映画を見たり小説を読んだりすることで、クリエータが創り出した架空の世界を自身の脳内に再構築し、その世界を疑似的に体験している。
映画や小説など、クリエータが創り出すこれらのコンテンツは、想像力溢れる世界を一般需要者が各々自身の脳内に構築できるようにするための補助材料と見ることができる。小説、映画、アニメ、漫画、ゲームと言った各コンテンツの違いは、各コンテンツに表される架空の世界をユーザが自ら脳内に構築するために用いられる表現形態の違いに他ならない。例えば、映画は、クリエータであるシナリオライタが想像した世界をそのまま表現する形態であるのに対し、小説は、クリエータである小説家が想像した世界を、消費者が自らの想像で補完する自由度を与えた表現形態であると言える。
各需要者は、自らが有する視覚や聴覚を介してこの補助材料にリンクし、クリエータが創り出した架空の世界を自身の脳内に再構築する。従って、例えば漫画を読み終えた後でも、その漫画で表される世界を需要者は脳内で想像することができ、唯一そのクリエータだけが無から構築した架空の世界と同一の世界の片鱗を、需要者も脳内に構築することができる。
ここで、需要者は、現実の世界と、当該コンテンツを介して自身が脳内に創り出す想像の世界とを、明確に分離された2つの異なる世界であることを認識している。このことは、どれだけ既存のコンテンツが示す創り出された世界が現実的なものであったとしても変わることはない。
一方、私達は、現実の世界と想像の世界とを日頃の生活の中で同一視する経験をしばしば体験する。それは夢である。私達は夢を見ている間、それが現実の世界とは異なる想像上の世界であることを認識できてはいない。夢の世界は時として素晴らしいものであり、夢から覚めたときに、それが現実ではなく夢であったことを残念に感じることを私達人間はしばしば体験する。
言葉通り、夢のような時間を過ごすためには、現実の世界と想像の世界との境界とを明確に認識できない状態にユーザが置かれる必要がある。現実の世界と分離した想像の世界よりも現実と融合した想像の世界の方が、人間にとって親近感が強く、より素晴らしいものとして認識される。既存のコンテンツの最終的な表現形態は、クリエータが創造する架空の世界を需要者の現実の世界と融合した状態で表現する形態に集約されるものと考える。
絵画、彫刻、映画、アニメーション、漫画、ゲーム、小説、などいずれの表現形態を取るにせよ、創造性溢れるクリエータが創り出す世界とリンクすることで、創造性の乏しい需要者が自身の脳内に同一の世界を構築できるようにすることが芸術に対する消費の主目的であるのならば、現実の世界と融合した状態で表現する形態を取る場合において、クリエータが創り出す世界感を需要者に適切に提示できるようなシステムを構築する必要がある。これは、映画であれば映画館の音響環境を整えると言ったことや、ゲームであればプラットフォームを整えると言ったことに近い。従来の技術では、このような観点に対する十分な検討が加えられておらず、限定的な仮想現実を提示するものでしかなかった。
本発明は、上記課題を鑑み、創造力溢れるクリエータが創り出す想像上の世界をユーザが生きる現実の世界と融合した状態で提示することを可能とする仮想現実サービス提供システム及び仮想現実サービス提供方法としたものである。
本発明の一態様である仮想現実サービス提供システムは、複数の仮想現実オブジェクトを記憶する仮想現実オブジェクト記憶手段と、ユーザが利用可能な仮想現実サービスを示す情報を記憶する利用可能仮想現実サービス情報記憶手段と、前記ユーザが利用可能な仮想現実サービスに用いる仮想現実オブジェクトを前記仮想現実オブジェクト記憶手段より読み出す仮想現実オブジェクト読み出し手段と、ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報に基づいて、仮想空間における前記仮想現実オブジェクトの配置位置を決定する仮想現実オブジェクト配置位置決定手段と、ユーザの状態を示すユーザ状態情報と前記仮想現実オブジェクトの配置位置とに基づいて、ユーザが頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ装置の表示パネルに表示される映像の符号化データを生成する表示映像生成手段と、を備える。
本発明の一態様である仮想現実サービス提供方法は、複数の仮想現実オブジェクトを記憶する仮想現実オブジェクト記憶データベースと、ユーザが利用可能な仮想現実サービスを示す情報を記憶する利用可能仮想現実サービス情報記憶データベースと、を備える仮想現実サービス提供システムで用いられる仮想現実サービス提供方法である。当該仮想現実サービス提供方法は、前記利用可能仮想現実サービス情報記憶データベースに記憶される前記ユーザが利用可能な仮想現実サービスを示す情報に基づいて、前記ユーザが利用する仮想現実サービスに用いる仮想現実オブジェクトを前記仮想現実オブジェクト記憶データベースより読み出す仮想現実オブジェクト読み出しステップと、ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報に基づいて、前記読み出した仮想現実オブジェクトの仮想空間における配置位置を決定する仮想現実オブジェクト配置位置決定ステップと、ユーザの状態を示すユーザ状態情報と前記仮想現実オブジェクトの配置位置とに基づいて、ユーザが頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ装置の表示パネルに表示される映像の符号化データを生成する表示映像生成ステップと、を有する。
本発明によれば、クリエータが創り出す想像上の世界をユーザが生きる現実の世界と融合した状態で適切に提示することができる。
実施形態1に係る仮想現実サービス提供システムの機能構成を示すブロック図である。 仮想現実提示装置を装着しているユーザの周囲の現実の世界の景色と、表示部に表示される映像と、ユーザが感知する仮想現実の世界とをそれぞれ示す図である。 利用可能仮想現実サービス情報の一例を示す図である。 仮想現実オブジェクト記憶DBに記憶されている仮想現実オブジェクトを管理する管理ファイルの一例である。 仮想現実オブジェクトのモデル映像データの一例を説明する図である。 実施形態2に係る仮想現実サービス提供システムの機能構成を示すブロック図である。 実施形態2に係る仮想現実サービス提供システムの変形例の機能構成を示すブロック図である。 実施形態3に係る仮想現実サービス提供システムの機能構成を示すブロック図である。 実施形態3に係るHMD装置の斜め前方と斜め後方からの外観斜視図である。 実施形態3に係るHMD装置の断面図である。 契約者情報の一例である。 仮想現実コンテンツの構造を説明する図である。 仮想現実制御プログラムの分類を説明する図である。 セーブデータ管理ファイルの一例である。 実施形態3に係る仮想現実サービス提供システムにおける仮想現実サービス開始処理の流れを示すフローチャート図である。 実施形態3に係る仮想現実サービス提供システムにおける仮想空間の制御処理の流れを示すフローチャート図である。 実施形態3に係る仮想現実サービス提供システムにおける仮想現実オブジェクトの映像生成処理の流れを示すフローチャート図である。 実施形態3に係る仮想現実サービス提供システムにおける仮想現実オブジェクトの音声生成処理の流れを示すフローチャート図である。 実施形態3に係る仮想現実サービス提供システムにおける仮想現実サービスの中断・再開処理の流れを示すフローチャート図である。 実施形態3に係る仮想現実サービス提供システムにおける仮想現実サービスの終了処理の流れを示すフローチャート図である。 実施形態3に係るHMD装置から仮想現実サービス提供サーバに出される各種要求(パケット)のデータ構造の一例を示す図である。 実施形態3に係る仮想現実サービス提供サーバからHMD装置に出される各種通知情報(パケット)のデータ構造の一例を示す図である。 実施形態3に係るHMD装置の変形例の断面図である。 実施形態3に係るHMD装置の変形例の斜め前方と斜め後方からの外観斜視図である。 実施形態3に係る仮想現実サービス提供システムの変形例の機能構成を示すブロック図である。 実施形態3に係る仮想現実サービス提供システムの変形例の機能構成を示すブロック図である。 実施形態3に係る仮想現実サービス提供システムの変形例の機能構成を示すブロック図である。 実施形態3に係る仮想現実サービス提供システムの変形例の機能構成を示すブロック図である。 実施形態4に係る仮想現実提示システムの機能構成を示すブロック図である。 実施形態4に係る仮想現実提示システムの動作の流れを示すフローチャート図図である。 実施形態5に係る仮想現実提示システムの機能構成を示すブロック図である。 実施形態5に係る仮想現実提示システムの動作の流れを示すフローチャート図図である。 実施形態6に係る仮想現実提示システムの機能構成を示すブロック図である。 実施形態6に係る仮想現実提示システムの動作の流れを示すフローチャート図図である。 実施形態7に係る仮想現実提示システムの機能構成を示すブロック図である。 実施形態7に係る仮想現実提示システムの動作の流れを示すフローチャート図図である。 仮想現実体験ドームによるユーザ状態の検知方法を説明する図である。 HMD装置と制御処理装置が分離した形態の仮想現実提示装置を装着しているユーザを示した図である。 本発明のHMD装置の断面図の一例である。 本発明のHMD装置の断面図の一例である。 本発明のHMD装置の断面図の一例である。 本発明のHMD装置の断面図の一例である。 本発明のHMD装置の断面図の一例である。 本発明のHMD装置の断面図の一例である。 本発明のHMD装置の断面図の一例である。
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において同一の符号が付された部分は実質的に同一の機能を有している。また、発明の明確化のため重複部分は適宜説明が省略されている。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る仮想現実サービス提供システム1000の構成を示すブロック図である。仮想現実サービス提供システム1000は、仮想現実提示装置100を装着しているユーザに仮想現実サービスを提供するシステムであって、利用可能仮想現実サービス情報記憶データベース1100と、仮想現実オブジェクト記憶データベース1200と、仮想現実サービス提供サーバ1300と、を備える。仮想現実サービス提供サーバ1300は、ユーザが装着する仮想現実提示装置100と、インターネット等の通信網10を介して接続されている。
ここで、仮想現実(VR:Vertual Reality)とは、コンピュータグラフィックス(CG:Computer
Graphics)や音響効果を組み合わせることで、人工的に創り出される現実感(リアリティー)のある世界を言い、仮想現実サービスとは、このような仮想現実の世界をユーザに体験させるサービスである。
人間は、五感を用いて自身の周囲で生じる事象を感知し、感知した情報を脳で処理して状況把握を行う。従って、人間が有する感覚を欺くように映像を表示したり音声を出力したりすることで、仮想現実の世界を創り出すことができる。仮想現実の世界は、人工的に創り出される世界であるため、様々な形態の仮想現実サービスが存在する。
図2は、現実の世界と、表示される映像と、仮想現実の世界との対応関係を示している。ソファーが置かれている部屋にいるユーザに対して仮想現実提示装置100が仮想現実オブジェクトである犬の映像を表示することで、ユーザが見る世界(ユーザが感知する世界)は、ソファーの上に犬が寝ているという現実の世界とは異なる仮想現実の世界となる。
本実施形態1において仮想現実提示装置100は、ユーザが頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ(HMD:Human Mounted Display)装置であるとして説明する。仮想現実提示装置100は、ユーザに仮想現実の世界を提示する装置であって、ユーザ状態検知部110と、周囲状況検知部120と、通信部130と、表示制御部140と、表示部150と、を備える。
ユーザ状態検知部110は、仮想現実提示装置100を使用しているユーザの状態を検知し、ユーザの状態を示すユーザ状態情報を生成する。例えば、ユーザ状態検知部110は、ユーザの頭部の傾きを検知する傾きセンサや、ユーザの頭部の加速度を検知する加速度センサなどで構成される。ユーザ状態検知部110は、ユーザの状態を示すユーザ状態情報を通信部130に出力する。
周囲状況検知部120は、仮想現実提示装置100を使用しているユーザの周囲の状況を検知し、ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報を生成する。例えば、周囲状況検知部120は、ユーザの視線と対応した景色を撮影する視線カメラや、ユーザの両側や後方など視線カメラでは撮影できない範囲の景色を撮影する周囲カメラなどで構成される。周囲状況検知部120は、ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報を通信部130に出力する。
通信部130は、インターネット等の通信網10を介して仮想現実サービス提供サーバ1300と通信を行う。通信部130は、仮想現実提示装置100で生成された各種情報を無線で送信する無線送信部131と、仮想現実サービス提供サーバ1300より送信された各種情報を無線で受信する無線受信部132と、を備える。
無線送信部131は、仮想現実提示装置100で生成される各種情報を無線信号に変換して仮想現実サービス提供サーバ1300に送信する。無線送信部131は、少なくともユーザ状態検知部110で生成されるユーザ状態情報と、周囲状況検知部120で生成される周囲状況情報とを、仮想現実サービス提供サーバ1300に送信する。
無線受信部132は、仮想現実サービス提供サーバ1300より送信される各種情報を無線で受信し、当該受信した情報に対応する仮想現実提示装置100の各部へ出力する。無線受信部132は、少なくとも仮想現実サービス提供サーバ1300で生成された映像の符号化データを無線で受信し、当該符号化データを表示制御部140に出力する。
表示制御部140は、無線受信部132で受信された符号化データを復号化して、仮想現実オブジェクトの映像を表示部150に表示する制御を行う。
表示部150は、表示制御部140の表示制御に基づいて、仮想現実オブジェクトの映像を表示する。
次に、仮想現実サービス提供システム1000を構成する各装置ついて詳細に説明する。利用可能仮想現実サービス情報記憶データベース1100は、ユーザが利用可能な仮想現実サービスを示す情報である利用可能仮想現実サービス情報(利用可能サービス識別情報)を記憶する。
仮想現実サービス提供システム1000は、様々な種類の仮想現実サービスを提供可能なように構成されており、各ユーザは、それらの仮想現実サービスの中から自身が利用したい一部の仮想現実サービスを予め選択している。
図3は、利用可能仮想現実サービス情報の一例を示している。各ユーザと、当該ユーザが利用可能な仮想現実サービスとが対応付けられた状態で記憶されている。例えば、ユーザBは、S024で識別される仮想現実サービスが利用可能な状態であることを示している。ここでは、S024で識別される仮想現実サービスは、例えば仮想空間に犬の仮想現実オブジェクトを配置することで、ペットがいる仮想現実の世界をユーザに提示するというサービスであるとする。
仮想現実オブジェクト記憶データベース1200は、複数の仮想現実オブジェクトを記憶する。仮想現実オブジェクトとは、仮想空間に配置されることで、仮想現実の世界に表される仮想的な人物や建築物などを指す。仮想現実サービス提供サーバ1300が設定する仮想空間が、ユーザの周囲の現実の空間に対応するように設定されることで、ユーザに仮想現実の世界が提示される。
各種の仮想現実オブジェクトは、3Dコンピュータグラフィックスで外観形状を規定する3Dポリゴンデータや、当該ポリゴンデータで形成される形状の表面に張り付けられるテキスチャーデータなどから構成される。また、仮想現実オブジェクトを動作させるための関節ポイントデータや骨格データ等を含む構成とするとより好ましい。関節ポイントデータとポリゴンデータの頂点とが関連付けされており、関節ポイントの位置や角度を変更することで、関連付けされているポリゴンデータの頂点の位置が変更されることになり、仮想現実オブジェクトの外観形状が変化する。
仮想現実オブジェクトは、仮想現実の世界に配置されるオブジェクトの種類に応じて、人物オブジェクト、動物オブジェクト、非動物オブジェクト、その他のオブジェクトに分類することができる。各仮想現実オブジェクトには、その仮想現実オブジェクトを一意に識別するためのオブジェクトIDが割り当てられている。
人物オブジェクトとは、現実の人物や想像上・空想上の人物、歴史上の人物や創作上の人物などのオブジェクトであり、少なくとも動作が可能であり、また、好ましくは喋る(音声を出力する)ことが可能であると言う特徴を有する。
動物オブジェクトは、現実の動物や、想像上・空想上の動物、創作上の動物などのオブジェクトであり、動作が可能であると言う特徴を有する。また、動物オブジェクトの一部は、吠る(音声を出力する)と言った構成とすることが可能である。仮想現実の世界に配置される仮想的な動物であるため、人間と同様に言葉を喋る構成とすることも可能である。
非動物オブジェクトは、植物や、家具、建物などの静的なオブジェクトであり基本的に動作が無い物体である。但し、植物は、現実の世界で吹いている風に連動して一部動く構成としても良い。
その他のオブジェクトは、例えば背景のオブジェクトなどである。その他のオブジェクトは、仮想現実の世界を創り出すために単体で用いられても良いし、人物オブジェクトや動物オブジェクト等と組み合わせて用いられても良い。
図4は、仮想現実オブジェクト記憶データベース1200に記憶される仮想現実オブジェクトを管理する管理ファイルを示す。各仮想現実オブジェクトは、複数の種別によって分類分けされている。例えば、種別1は、オブジェクトの大まかな区分けを示しており、種別2は、現実のもの(人物)か空想上のもの(人物)であるかを示しており、種別3はオブジェクトに含まれる人物等の性別を示している。例えば、管理番号No000012の格納アドレスxx010110101・・・には、寝ている雌のライオンの仮想現実オブジェクトのデータが記憶されている。
図5は、仮想現実オブジェクトの一種であるオブジェクトIDナンバー:No000009の仮想現実オブジェクトと当該仮想現実オブジェクトを構成する3Dポリゴンデータと、を示している。
次に、仮想現実サービス提供サーバ1300について説明する。仮想現実サービス提供サーバ1300は、通信部1310と、仮想現実サービス提供管理部1320と、仮想現実オブジェクト読み出し部1330と、仮想現実オブジェクト配置位置決定部1340と、表示映像生成処理部1350と、を備える。
通信部1310は、インターネット等の通信網10を介して、各ユーザがそれぞれ装着している仮想現実提示装置100と通信を行う。通信部1310は、仮想現実提示装置100より送信される各種情報を受信する受信部1311と、仮想現実提示装置100に各種情報を送信する送信部1312とを備える。
受信部1311は、少なくともユーザの状態を示すユーザ状態情報と、ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報とを受信する。受信部1311は、受信した周囲状況情報を仮想現実オブジェクト配置位置決定部1340へ、ユーザ状態情報を表示映像生成部1350へそれぞれ出力する。
仮想現実サービス提供管理部1320は、利用可能仮想現実サービス情報記憶データベース1100に記憶されている利用可能仮想現実サービス情報を参照し、ユーザが利用可能な仮想現実サービスの中からユーザに提供する仮想現実サービスを決定する処理を行う。仮想現実サービス提供管理部1320は、定期的に仮想現実サービスの提供に関するスケジューリングを行うことでユーザに提供する仮想現実サービスを決定しても良いし、ユーザからの要求に基づいて決定しても良い。
仮想現実オブジェクト読み出し部1330は、仮想現実サービス提供管理部1320で決定されたユーザに提供する仮想現実サービスに用いられる仮想現実オブジェクトを仮想現実オブジェクト記憶データベース1300より読み出す。
仮想現実オブジェクト配置位置決定部1340は、ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報に基づいて、仮想空間における前記仮想現実オブジェクトの配置位置を決定する。仮想現実オブジェクト配置位置決定部1340は、仮想現実オブジェクト読み出し部1330で読み出された仮想現実オブジェクトを、ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報に基づいて、仮想空間に配置する。
表示映像生成処理部1350は、ユーザの状態を示すユーザ状態情報と仮想現実オブジェクトの配置位置とに基づいて、ユーザが頭部に装着する仮想現実提示装置100の表示パネルに表示される映像を生成する。具体的には、表示映像生成処理部1350は、ユーザ状態情報に基づいて決定される仮想空間における視点と、前記仮想現実オブジェクトとの間に置かれたイメージプレーン上に前記仮想現実オブジェクトを投影することで映像を生成する。
仮想空間における視点は、現実空間におけるユーザの目の位置に対応しており、ユーザの頭部の動きが逐次ユーザ状態情報として表示映像生成処理部1350に入力され、仮想空間における視点が制御される。表示映像生成処理部1350は、ユーザ状態情報で示される前記ユーザの目の位置に対応した視点に基づいて、仮想空間に配置されている各仮想現実オブジェクトをイメージプレーンに投影する座標変換処理を行い、クリッピング処理、隠面処理、シェーディング処理、テキスチャーマッピング処理、アンチエリアシング処理等を行うことで、仮想現実提示装置100の表示部150に表示される映像を生成し、更に当該映像をMPEG2やH.264/AVCと言った所定の符号化方式で符号化を行うことで、当該映像の符号化データを生成する。表示映像生成処理部1350で生成された映像の符号化データは、送信部1312に出力される。
送信部1312は、表示映像生成処理部1350で生成された映像の符号化データを仮想現実提示装置100に送信する。当該映像の符号化データを受信した仮想現実提示装置100の表示制御部140において復号処理が行われ、表示部150に仮想現実オブジェクトの映像が表示される。
以上のように、本実施形態1に係る仮想現実サービス提供システムによれば、クリエータが創り出す想像の世界を現実の世界と融合した仮想現実の世界の中で表現することが可能となる。すなわち、各クリエータは、自身の想像する世界を仮想現実オブジェクトと言う表現形態で創造し、創造した仮想現実オブジェクトを仮想現実オブジェクト記憶DB1200に格納しておくことができる。当該クリエータが創り出す仮想現実の世界を享受したいユーザには、仮想現実サービスとして仮想現実サービス提供サーバ1300が、当該仮想現実オブジェクトを当該ユーザの現実の世界と融合するように配置することで、適切に仮想現実の世界をユーザに提示することができる。
(実施形態2)
図6は、本実施形態2に係る仮想現実サービス提供システム2000の構成を示すブロック図である。仮想現実サービス提供システム2000は、利用可能仮想現実サービス情報記憶DB1100と、仮想現実オブジェクト記憶DB1200と、仮想現実サービス提供サーバ2300と、仮想現実サービス利用条件記憶DB2400と、を備える。仮想現実サービス提供サーバ2300は、インターネット等の通信網を介して仮想現実提示装置200と通信可能な状態で接続されている。
仮想現実提示装置200は、ユーザ状態検知部110と、周囲状況検知部120と、通信部130と、表示制御部140と、表示部150と、仮想現実提示制御部260と、を備える。
ユーザ状態検知部110は、ユーザの状態を検知してユーザ状態情報を生成する。仮想現実提示装置200において、ユーザ状態検知部110は、ユーザの頭部の傾きを検知して傾き情報を生成する傾きセンサ111と、ユーザの頭部の加速度を検知して加速度情報を生成する加速度センサ112と、ユーザの現在位置を検出して位置情報を生成する現在位置検出部113と、を備える。各部で定期的に生成される傾き情報、加速度情報、位置情報は、それぞれユーザの状態を示すユーザ状態情報として通信部130に出力される。ユーザ状態情報には、当該ユーザ状態情報に含まれる各情報が生成された時刻を示す時刻情報(タイムスタンプ)が含まれる構成とすることが好ましい。
周囲状況検知部120は、ユーザの周囲の状況を検知して周囲状況情報を生成する。仮想現実提示装置200において、周囲状況検知部120は、視線カメラ(視線映像撮影部)121と、周囲カメラ(周囲映像撮影部)122とを備える。視線カメラ121は、ユーザの視線に対応するユーザ前方の景色を撮影して前方景色画像を取得する。周囲カメラ122は、ユーザの両側や後方など視線カメラ121では撮影できない範囲の景色を撮影すして周囲景色画像を取得する。視線カメラ121で撮影された前方景色画像や周囲カメラ122で定期的に撮影された周囲景色画像は、それぞれ適宜圧縮等の符号化が行われた上で、周囲状況情報として通信部130に出力される。
周囲状況情報には、当該周囲状況情報に含まれる各画像が撮影された時刻を示す時刻情報(タイムスタンプ)や、当該画像を撮影したカメラを識別するカメラ識別情報が合わせて含まれる構成とすることが好ましい。少なくともカメラを備える周囲状況検知部120を、本明細書では周囲映像撮影部と称することがある。
通信部130は、ユーザ状態検知部110より出力された傾き情報、加速度情報、位置情報など、ユーザの現在の状態を示すユーザ状態情報を入力し、仮想現実サービス提供サーバ2300へ送信する。また、通信部130は、周囲状況検知部120より出力された前方景色画像や周囲景色画像など、ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報を入力し、仮想現実サービス提供サーバ2300へ送信する。また、通信部130は、仮想現実サービス提供サーバ2300より送信されてくる映像の符号化データを受信し、表示制御部140に出力する。
表示制御部140は、通信部130で受信された映像の符号化データに復号化処理を行い、復号された映像を表示部150に表示する制御を行う。表示部150は、表示制御部140からの表示制御に従って映像を表示する。
仮想現実提示制御部260は、ユーザに仮想現実を提示するための全体制御を実行する。仮想現実提示制御部260は、通信部130で仮想現実サービスの提供開始を通知する仮想現実サービス開始通知情報が受信された場合に、仮想現実をユーザに提示するための制御を開始する。
具体的に、仮想現実提示制御部260は、当該仮想現実サービス開始通知情報に基づいて、ユーザ状態検知部110及び周囲状況検知部120に、それぞれユーザ状態情報と周囲状況情報の生成開始を指示する。また仮想現実提示制御部260は、通信部130に当該ユーザ状態情報と周囲状況情報を仮想現実サービス提供サーバ2300に定期的に送信するよう指示する。また、仮想現実提示制御部260は、表示制御部140に表示部150に映像を表示する制御の開始を指示する。
また、仮想現実提示制御部260は、通信部130で仮想現実サービスの提供終了を通知する仮想現実サービス終了通知情報が受信された場合に、仮想現実の提示を終了するための制御を行う。具体的に、仮想現実提示制御部260は、ユーザ状態検知部110と周囲状況検知部120に検知処理の終了を指示する。また、表示制御部140に表示制御処理の終了を指示する。
仮想現実サービス提供サーバ2300は、通信部1310と、仮想現実サービス提供管理部1320と、仮想現実オブジェクト1330と、仮想現実オブジェクト配置位置決定部1340と、表示映像生成処理部1350と、画像解析処理部2360と、を備える。
画像解析処理部2360は、周囲状況情報として通信部1310が仮想現実提示装置200より受信した前方景色画像や周辺景色画像を解析し、画像の中から所定の成分を抽出する処理を行う。
画像解析処理部2360は、物体の位置関係に関する情報を抽出する物体位置特定部2361と、明るさなど光学成分を抽出する光学抽出部2362と、を備える。
物体位置特定部2361は、左目と右目の位置に対応する場所に配置された複数の視線カメラで取得された前方景色画像や、複数の周囲カメラで撮影された周囲景色画像を入力し、各画像において、隣接する画素やブロックとの間で色差信号や輝度信号との差分を算出することで境界判定処理を行う。物体位置特定部2361は、当該境界判定処理に基づいて、当該画像に写っている各物体や壁、床、空などを特定し、特定した各物体等をラべリングする。物体位置特定部2361は、各カメラで取得された画像においてそれぞれ同一のラべルが張られた各物体の画素位置を比較することで、当該物体までの距離を求め、ユーザの周囲に存在する物体等の位置関係を特定する。
物体位置特定部2361は、特定したユーザの周囲に存在する物体の位置関係を示す情報を仮想現実オブジェクト配置位置決定部1340と、表示映像生成処理部1350の描画処理部1353にそれぞれ出力する。また、必要に応じて、特定したユーザの周囲に存在する物体の位置関係を示す情報を仮想現実サービス提供開始処理部1321と仮想現実サービス提供終了処理部1322にそれぞれ出力する構成としても良い。
好ましくは、物体位置特定部2361は、入力した画像から大きさやユーザまでの距離を特定した各物体をモデリングすることで、ユーザの周囲の物理的環境を示すモデルデータを生成すると良い。すなわち、物体位置特定部2361は、現実の世界におけるユーザの周囲の物理的環境を3Dポリゴンデータでモデル化する。物体位置特定部2361は、生成したモデルデータを仮想現実オブジェクト配置位置決定部1340と、表示映像生成処理部1350の描画処理部1353にそれぞれ出力する。
光学成分抽出部2362は、入力した前方景色画像の中から光学成分を抽出する。例えば、光学成分抽出部2362は、前方景色画像の各画素における輝度信号の平均値を算出することで、ユーザの周囲の全体的な明るさ(照度)を示す情報を取得する。また、光学成分抽出部2362は、各画素の色差信号の平均値を求めることで、ユーザの周囲の全体的な色を示す情報を取得する。これらの情報は、後述する光源制御部1352で制御される無限遠方光源の明るさ(照度)や色に対応する。
また、光学成分抽出部2362は、前方景色画像の各画素又はブロックにおける明るさを比較する比較処理や、影となる部分を特定することで、ユーザの周囲にある光源の位置や光源の明るさに関する情報を取得する。
光学成分抽出部2362は、周囲状況情報として入力された前方景色画像の中から抽出した光学成分に関する情報を光源制御部1352に出力する。なお、光学成分抽出部2362は、周囲状況情報として入力される周囲景色画像に対して同様の処理を行い、仮想空間における光源の位置や強さに関連する光学成分の情報を抽出し、光源制御部1352に出力する構成としても良い。
仮想現実サービス提供サーバ2300において、仮想現実サービス提供管理部1320は、仮想現実サービス提供開始処理部1321と、仮想現実サービス提供終了処理部1322と、を備える。
仮想現実サービス提供開始処理部1321は、利用可能仮想現実サービス情報記憶DB1100に記憶されている利用可能サービス情報を参照して、ユーザが利用可能な仮想現実サービスの中から当該ユーザに提供する仮想現実サービスを選択する。
例えば、仮想現実サービス提供開始処理部1321は、仮想現実サービスの開始を要求する仮想現実サービス開始要求が通信部1310で受信された場合に、当該仮想現実サービス開始要求で指定されている仮想現実サービスを、提供する仮想現実サービスとして選択する。また、仮想現実サービス提供開始処理部1321は、定期的に仮想現実サービスの提供に関するスケジューリングを行っており、利用可能サービス情報を参照して、ユーザが利用可能な仮想現実サービスの中から提供する仮想現実サービスを能動的に選択しても良い。
仮想現実サービス提供開始処理部1321は、選択した仮想現実サービスを提供可能であるかを、仮想現実サービス利用条件記憶DB2400に記憶されている仮想現実サービス利用条件を参照して判定する。
仮想現実サービス利用条件記憶DB2400は、仮想現実サービスを利用するための条件である仮想現実サービス利用条件を記憶する。当該仮想現実サービス利用条件としては、仮想現実サービス毎に異なる設定されていても良いし、各仮想現実サービスに共通の条件が設定されていても良い。
例えば、サービスNo:S001で識別される仮想現実サービスは、09:00〜17:00の間の時間帯でのみ利用可能であると言ったように、仮想現実サービスが利用可能な時間帯が仮想現実サービス利用条件として設定されていても良い。例えば、公共サービスと連動した仮想現実サービスである場合は、公共サービスの時間帯と連動するように、仮想現実サービスの利用が可能な時間帯を設定する。この場合、仮想現実サービス提供開始処理部1321は、現在の時刻が、仮想現実サービス利用条件である利用可能時間帯であるかを判定する。同様に、仮想現実サービス利用条件として、仮想現実サービスが利用できない時間帯が設定されていても良い。
また、例えば、サービスNo:S002で識別される仮想現実サービスは、所定の位置範囲内でのみ利用可能であると言ったように、仮想現実サービスが利用可能な位置範囲が仮想現実サービス利用条件として設定されていても良い。例えば、特定のイベント会場でのみ、No:S002で識別される仮想現実サービスの利用を可能とする場合に、位置範囲に関する条件を設定する。この場合、仮想現実サービス提供開始処理部1321は、通信部1310で受信される位置情報で示されるユーザの現在位置が、仮想現実サービス利用条件である位置範囲の中であるかを判定する。同様に、仮想現実サービス利用条件として、仮想現実サービスが利用できない位置範囲が設定されていても良い。
また、仮想現実サービス利用条件は、仮想現実サービスを提供するユーザ毎に異なる条件が設定されていても良い。ユーザは、予め自ら仮想現実サービスを利用する条件を仮想現実サービス利用条件として設定する。例えば、ユーザは自宅でのみ仮想現実サービスを利用したい場合は、自宅の位置範囲を仮想現実サービス利用条件として設定しておく。当該設定された仮想現実サービス利用条件が仮想現実サービス利用条件記憶DB2400に格納され、仮想現実サービスの提供を行うかどうかの判定処理に利用される。仮想現実サービス提供開始処理部1321は、仮想現実サービス利用条件記憶DB2400に記憶されている当該ユーザに対して設定されている仮想現実サービス利用条件を参照し、通信部1310が受信した位置情報が示す当該ユーザの現在の位置が、仮想現実サービス利用条件として設定されている自宅の位置範囲の中であるかを判定する。
なお、仮想現実サービス提供開始処理部1321は、画像解析処理部2360の物体位置特定部2361より、ユーザの周囲にある物体の位置関係に関する情報を入力し、仮想現実サービスをユーザが利用可能であるかを判定しても良い。例えば、ユーザから所定の距離以内の場所に干渉となる物体が無いことが、選択された仮想現実サービスにおける仮想現実サービス利用条件として設定されている場合に、物体位置特定部2361で特定されるユーザの周囲の物体の位置関係に基づいて当該条件を満たしているを判定する。その他、ユーザの周囲に所定の高さ以上の段差がないことを仮想現実サービスの利用を開始するための仮想現実サービス利用条件として設定されていても良い。仮想現実サービス提供開始処理部1321は上述した複数の種類の利仮想現実サービス利用条件に対して判定処理を行い、仮想現実サービスの提供を開始するかどうかを決定する。
仮想現実サービス提供開始処理部1321は、上記判定処理の結果、選択した仮想現実サービスを提供可能であると判定した場合、すなわち選択された仮想現実サービスをユーザは利用可能であると判定した場合に、仮想現実オブジェクト読み出し部1330に、当該仮想現実サービスに用いる仮想現実オブジェクトの読み出しを指示する。
また、仮想現実サービス提供開始処理部1321は、仮想現実サービスの提供を開始することを通知する仮想現実サービス開始通知情報を生成し、通信部1310に出力する。当該仮想現実サービス開始通知情報は、通信部1310より仮想現実提示装置200に送信され、仮想現実提示装置200の仮想現実提示制御部260における各種制御が開始される。
仮想現実サービス提供終了処理部1322は、ユーザに提供中の仮想現実サービスを終了する処理を行う。仮想現実サービス提供終了処理部1322は、現在提供中の仮想現実サービスの終了を要求する仮想現実サービス終了要求が通信部1310で受信された場合に、仮想現実サービスを終了する処理を行う。
また、仮想現実サービス提供終了処理部1322は、仮想現実サービス利用条件記憶DB2400に記憶されている仮想現実サービス利用条件を参照し、当該仮想現実サービス利用条件を満たさなくなった場合に、仮想現実サービス終了処理を実行する。例えば、位置範囲が仮想現実サービス利用条件に設定されている場合は、当該条件として指定されている位置範囲からユーザの現在位置が外れた場合に、現在提供中の仮想現実サービスを終了する処理を行う。また、例えば、時間帯が仮想現実サービス利用条件として設定されている場合は、当該条件として指定されている時間帯を現在の時刻が過ぎた場合に、現在提供中の仮想現実サービスを終了する処理を行う。
また、例えば、仮想現実サービスの一回における提供時間が2時間として仮想現実サービス利用条件に設定されている場合に、仮想現実サービス提供終了処理部1322は、仮想現実サービス提供開始処理部1321において仮想現実サービスの提供が開始された時点で上記仮想現実サービス利用条件として指定されている時間のタイマをセットして時間計測を開始する。仮想現実サービス提供終了処理部1322は、当該時間計測が完了した時点で、提供中の仮想現実サービスの終了処理を行う。
仮想現実サービス提供終了処理部1322は、表示映像生成処理部1350の描画処理部1353に描画処理の終了を指示することで仮想現実サービスの提供を終了する。また、仮想現実サービス提供終了処理部1322は、仮想現実サービスの提供を終了することを通知する仮想現実サービス終了通知情報を生成し、通信部1310に出力する。当該仮想現実サービス終了通知情報は、通信部1310より仮想現実提示装置200に送信され、仮想現実提示装置200の仮想現実提示制御部260によって仮想現実の提示を終了する制御が行われる。
仮想現実オブジェクト読み出し部1330は、仮想現実サービス提供開始処理部1321においてユーザへの提供を開始すると決定された仮想現実サービスに用いられる仮想現実オブジェクトを仮想現実オブジェクト記憶DB1200より読み出す。
仮想現実オブジェクト配置位置決定部1340は、ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報に基づいて、仮想空間における仮想現実オブジェクトの配置位置を決定する。仮想現実オブジェクト配置位置決定部1340は、周囲状況情報として入力された各カメラで取得された画像に基づいて、物体位置特定部2361で特定されたユーザの周囲の物体の位置関係に基づいて、仮想現実オブジェクト読み出し部1330で読み出された仮想現実オブジェクトを、当該ユーザの周囲の物体と干渉しない位置に配置する。
好ましくは、物体位置特定部2361が生成した現実の世界におけるユーザの周囲の物理的環境が3Dポリゴンデータでモデル化されている仮想空間において、3Dポリゴンデータでモデリングされているユーザの周囲の物体と干渉を起こさない位置に仮想現実オブジェクト読み出し部1330で読み出された仮想現実オブジェクトを配置する。
表示映像生成処理部1350は、ユーザの状態を示すユーザ状態情報と仮想現実オブジェクトの配置位置とに基づいて、ユーザが頭部に装着する仮想現実提示装置200の表示部150に表示される映像を生成する。仮想現実サービス提供サーバ2300において、表示映像生成処理部1350は、視点制御部1351と、光源制御部1352と、描画処理部1353と、映像符号化処理部1354と、を備える。
視点制御部1351は、ユーザの状態を示すユーザ状態情報に基づいて仮想現実オブジェクトを描画する際の視点の位置及び方向を制御する。具体的には、ユーザ状態情報に含まれるユーザの頭部の傾きを示す傾き情報やユーザの頭部の加速度を示す加速度情報に基づいて、ユーザの左目の位置と右目の位置に対応する仮想空間での視点位置を算出する。また、加速度情報に基づいて、ユーザの視線の方向に対応する仮想空間での視線方向を算出する。ここで、視線方向は、ユーザが眼球のみを移動させた場合の視線の方向ではなく、ユーザの頭部の方向と対応している。
なお、ユーザ状態情報の中にはユーザの方向を示す方位情報やユーザの移動速度を示す移動速度情報などが含まれていると更に好ましい。視点制御部1351は、ユーザ状態情報に含まれるこれら各情報に基づいてユーザの頭部の姿勢を算出し、ユーザの左目と右目の位置及びユーザの頭部が向いている方向を特定する。視点制御部1351は、ユーザの目の位置及び頭部の方向に対応する仮想空間における視点の位置及び視線の方向を算出する。
光源制御部1352は、画像解析処理部2360の光学成分抽出部2362で抽出された光学成分に基づいて、仮想空間における光源の位置及び光源の強さ(明るさ)を算出する。例えば、光源制御部1352は、光学成分抽出部2362で抽出された画像の各画素の輝度の平均値を算出することで、無限遠方の光源の強さを算出し、当該画像の画素間の輝度の差分に基づいて、他の光源の位置及び強さを算出する。また、光源制御部1352は、解析処理が行われた画像における画素の色差信号に基づいて光源の色を算出しても良い。
描画処理部1353は、仮想現実オブジェクトをリアルタイムにレンダリングして2次元画像を生成する。一例として、描画処理部1353は、以下に示す投影処理、クリッピング処理、隠面処理、シェーディング処理、テキスチャーマッピング処理等の一部又は複数の処理を組み合わせてレンダリングを行い、仮想現実オブジェクトの映像を生成する。
描画処理部1353は、視点制御部1351で求められた視点の位置及び視線の方向に基づいて、仮想空間内の所定の位置ににイメージプレーンを設定し、仮想現実オブジェクトを投影することで、仮想現実オブジェクトの投影画像を取得する。描画処理部1353は、仮想現実オブジェクトが投影されたイメージプレーンのクリッピング処理を行い、仮想現実提示装置200における表示部150で表示される範囲を選択する。
描画処理部1353は、物体位置特定部2361で特定された現実の世界の物体のモデルに基づいて隠面処理を行う。描画処理部1353は、イメージプレーンに投影された仮想現実オブジェクトの画像を構成する画素の中から、視点制御部1351で算出された視点位置と仮想現実オブジェクトの間に位置している現実の世界の物体のモデルの投影画像と重複する画素のデータを消去することで隠面処理を行う。
描画処理部1353は、光源制御部1352で算出された光源の位置及び強さに基づいてシェーディング処理を行い、仮想現実オブジェクトの表面の輝度や光の上がり具合、光の透過の状態を調整する。描画処理部1353は、仮想現実オブジェクトの表面に張り付けられるテキスチャーデータを用いてテキスチャーマッピング処理を行い、アンチエリアシング処理等の補正処理を適宜行い、最終的に仮想現実提示装置200の表示部150で表示する映像を生成する。
なお、描画処理部1353は、視点制御部1351が制御する左目に対応する視点と右目に対応する視点に基づいて、左目用の映像と右目用の映像の2枚の映像を生成する。描画処理部1353は、生成した映像を映像符号化処理部1354に出力する。
映像符号化処理部1354は、描画処理部1353におけるリアルタイムレンダリング処理で順次生成される映像を所定の符号化方式に基づいて圧縮符号化処理を行う。映像符号化処理部1354符号化処理後の映像符号化データを通信部1310に出力する。通信部1310は、映像符号化処理部1354より出力される映像符号化データを仮想現実提示装置200に送信し、仮想現実提示装置200の表示制御部140で復号処理が行われ、復号処理後の映像が表示部150に表示される。
以上説明したように、本実施形態2に係る仮想現実サービス提供システム2000によれば、サービス利用条件を満たしているかの判定結果に基づいて、仮想現実サービスが提供されるため、現実の世界との関係で適切でない場合のサービス提供を防ぐことができる。
なお、仮想現実サービス提示サーバ2300は、図7に示す構成とすると更に好ましい。図7に示す仮想現実サービス提供サーバ2300において、仮想現実サービス提供管理部1320は、仮想現実サービス中断処理部1323を備え、画像解析処理部2360は、移動速度算出部2363を備える。
移動速度算出部2363は、物体位置特定部2361で特定されるユーザの周囲に存在する各物体の位置の時間的変化に基づいて、各物体の移動速度を算出する。移動速度算出部2363は、算出した各物体の移動速度を仮想現実サービス中断処理部1323に出力する。また、物体位置特定部2361は、算出した各物体の距離を仮想現実サービス中断処理部1323に出力する。
仮想現実サービス中断処理部1323は、仮想現実サービスをユーザに提供している場合であって、所定の中断条件を満たした場合に仮想現実サービスの提供を強制的に中断する処理を行う。仮想現実サービス利用条件記憶DB2400は、仮想現実サービスの提供を中断する条件である仮想現実サービス提供中断条件を更に記憶しており、仮想現実サービス中断処理部1323は、当該仮想現実サービス提供中断条件を参照して、仮想現実サービスの提供を中断するかどうかを判断する。
例えば、仮想現実サービス中断処理部1323は、ユーザより仮想現実サービスの利用中断を要求する仮想現実サービス中断要求が通信部1310で受信された場合に、提供中の仮想現実サービスの提供を中断する処理を行う。
また、例えば、仮想現実サービス中断処理部1323は、物体位置特定部2361で特定された物体の中で、当該物体までの距離Lが所定の範囲内であって、当該物体の移動速度Vが所定の速度以上である物体がある場合に、仮想現実サービスの中断処理を行う。例えば、仮想現実サービス提供中断条件として、0m<L≦20m、5m/s≦V≦200m/sと言った条件が設定されていても良いし、0<L/V≦4と言った条件が設定されていても良い。
また、例えば、仮想現実サービス中断処理部1323は、ユーザが移動している場合であって、ユーザの移動方向の所定の距離以内に障害となる物体が物体位置特定部2361で特定された場合に、仮想現実サービスの中断処理を行う。
仮想現実サービス中断処理部1323は、仮想現実サービスの提供を中断することを通知する仮想現実サービス中断通知情報を生成し、通信部1310に当該生成した仮想現実サービス中断通知情報を出力する。当該仮想現実サービス中断通知情報は、通信部1310より仮想現実提示装置200に送信され、仮想現実提示装置200の仮想現実提示制御部260は、当該仮想現実サービス中断通知情報を受け取った場合に、表示制御部140に、表示部150に表示中の映像の表示を中断する指示を出す。表示制御部140は、当該中断指示に基づいて、表示部150に表示している仮想現実オブジェクトの映像の表示を中断する制御を行う。なお、この場合、表示制御部140は、仮想現実オブジェクトの表示を強制的に中断することを示す画像を表示部150に表示する構成とすると、障害等の発生により仮想現実サービスの提供が強制的に中断されたことをユーザに適切に認識させることができるため好ましい。
仮想現実サービス中断処理部1323は、中断した仮想現実サービスを再開する場合に、仮想現実サービス再開通知情報を生成して通信部1310より仮想現実提示装置200に送信する。当該仮想現実サービス再開通知情報を受け取った仮想現実提示制御部260は、表示制御部140に、通信部130で受信される映像符号化データを復号して映像を表示部150に表示する制御を再開させる。
なお、仮想現実サービス中断処理部1323は、仮想現実サービスの中断中は、描画処理部1353にレンダリング処理の中断を指示して、レンダリング処理を止めておいても良い。
(実施形態3)
図8は、本実施形態3に係る仮想現実提示装置であるヘッドマウントディスプレイ(HMD)装置300の斜め前方と斜め後方からの外観斜視図である。HMD装置300は、フレーム301と、フロントパネル302と、を少なくとも備える。
フレーム301は、HMD装置300の筐体であり、内部には、CPU(Central Processing Unit)等の情報処理プロセッサ、RAM(Random
Access Memory)、ROM(Read only memory)、無線通信処理プロセッサ、バッテリーなどが配置されている。また、必要に応じて映像を描画する専用の映像処理プロセッサなどが合わせて配置されている。フレーム301は、大きく分けてライトフレーム301a、レフトフレーム301b、センターフレーム301cから構成される。
ライトフレーム301a及び301bは、ユーザの左右の耳にそれぞれ接続する筐体部材であり、それぞれ一端の内側にアナログ電気信号を空気振動に変換して音声を出力するスピーカ391a、391bが配置され、他端がセンターフレーム301cと接続されている。
また、ライトフレーム301a及びレフトフレーム301bの一端の外側に周囲の音声を集音する周囲マイクロフォン372a、372bが配置されている。また、ライトフレーム301aの内側の前端下方には、ユーザが発した音声を集音するユーザマイクロフォン371を備える。ユーザマイクロフォン371や周囲マイクロフォン372a、372bで集音された音声は、AD変換でデジタル音声信号に変換され、情報処理プロセッサに出力される。
ライトフレーム301a及び301bの端部には、それぞれ傾きを検知する傾きセンサ111a、111bと、加速度を検知する加速度センサ112a、112bが配置されている。また、ライトフレーム301a及びレフトフレーム301bの外側には、周囲の景色を撮影する周囲カメラ122a、122bがそれぞれ配置されている。
センターフレーム301cは、両端がそれぞれライトフレーム301a、レフトフレーム301bに接続されており、センターフレーム301cの下方にフロントパネル302が接続されている。
センターフレーム301cの中央付近と両端付近には、傾きを検知する傾きセンサ111c、111d、111eと、加速度を検知する加速度センサ112c、112d、112eがそれぞれ配置されている。また、センターフレーム301cの前方側であって、ユーザの左右の目の位置には、ユーザの視界と対応する景色を撮影する視線カメラ121a、121bが配置されている。視線カメラ121a、121bは、センターフレーム301cの前方側に、ユーザの左右の目の間隔に対応する距離だけ離れた位置に配置されている。
フロントパネル302は、HMD装置300を頭部に装着した状態でユーザの目の前方に来る位置に配置される。本実施形態3に係るHMD装置300において、フロントパネル302は透過型ディスプレイであり、右目の前方と左目の前方にそれぞれ映像を表示する表示領域であるライト表示パネル(第1映像表示部)151aとレフト表示パネル(第2映像表示部)151bとが配置される。
図8に示すHMD装置300では、ライト表示パネル151aとレフト表示パネル151bは、導光板と液晶パネル(LCD)が重ね合わされた構造を取る。液晶パネルは、透明電極(透明導電膜)、偏光板(偏光フィルム)、液晶層、ガラス基板、カラーフィルタ等が積層された構造をとる。
図9は、HMD装置300のライト表示パネル151a付近の断面図を示している。センターフレーム301cの下方には、フロントパネル302が配置されており、センターフレーム301cの下部には光源352が配置されている。
光源352より放射された可視光はフロントパネル302側へ照射される。フロントパネル302は、導光板353とLCD354とが合わさった構成であり、光源352より放射された可視光が導光板353でユーザ側へ反射され、表示制御されたLCD354を透過することで映像が表示される。
図10は、本実施形態3に係る仮想現実サービス提供システム3000の機能構成を示すブロック図である。仮想現実サービス提供システム3000は、契約者情報記憶DB3100と、仮想現実コンテンツ記憶DB3200と、仮想現実サービス提供サーバ3300と、セーブデータ記憶DB3500と、を備え、仮想現実提示装置であるHMD装置300とインターネット等の通信網を介して接続されている。
HMD装置300は、ユーザ状態検知部110と、周囲状況検知部120と、通信部130と、表示制御部140と、表示部150と、仮想現実提示制御部260と、音声入力部370と、音声再生制御部380と、音声出力部390と、を備える。
ユーザ状態検知部110は、仮想現実提示装置であるHMD装置300を使用しているユーザの状態を検知する。ユーザ状態検知部110として、HMD装置300は、傾きを検知する傾きセンサ111と、加速度を検知する加速度センサ112と、を備える。傾きセンサ111で生成された傾き情報や加速度センサ112で生成された加速度情報は、それぞれユーザの状態を示すユーザ状態情報として通信部130より仮想現実サービス提供サーバ3300へ送信される。
周囲状況検知部120は、HMD装置300を使用しているユーザの周囲の状況を検知する。具体的には、周囲状況検知部120は、外部環境の映像を取得することで周囲の状況を検知する。周囲状況検知部120として、HMD装置300は、ユーザの視線と対応した景色を撮影する視線カメラ121と、ユーザの両側や後方など視線カメラ121では撮影できない範囲の景色を撮影する周囲カメラ122と、を備える。視線カメラ121で撮影されたユーザ前方の景色の映像や周囲カメラ122で撮影されたユーザの周囲の映像は、それぞれ適宜圧縮等の符号化が行われた上で、周囲状況情報として通信部130より仮想現実サービス提供サーバ3300へ送信される。
通信部130は、仮想現実提示制御部260からの制御に従って、ユーザ状態検知部110で検知されたユーザ状態を示すユーザ状態情報、周囲状況検知部120で検知されたユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報、音声入力部370で入力された音声を示す音声情報、をそれぞれ仮想現実サービス提供サーバ3300に送信する。また、通信部130は、仮想現実サービス提供サーバ3300より受信した映像データと音声データをそれぞれ表示制御部140と音声再生処理部380へ出力する。
表示制御部140は、通信部130で受信される各種データのうち、仮想現実サービス提供サーバ3300で生成された映像の符号化データを入力し、当該入力した符号化データを復号して得た仮想現実オブジェクトの映像を表示部150に表示する制御を行う。
表示部150は、表示制御部140からの制御に基づいて所定の映像を表示する。表示部150に表示される映像は、仮想現実感を提供するための仮想現実オブジェクトの静止画像や動画像などの映像である。表示部150として、HMD装置100には、ライト表示パネル151aとレフト表示パネル151bが設けられており、それぞれ視差が加えられた映像を表示する。
仮想現実提示制御部260は、HMD装置300でユーザに仮想現実を提示する処理を制御する。仮想現実提示制御部260は、通信部130で仮想現実サービスの開始を指示する仮想現実サービス開始通知情報が受信された場合に、仮想現実を提示するための制御を開始する。
具体的に、仮想現実提示制御部260は、当該開始通知情報に基づいて、ユーザ状態検知部110、周囲状況検知部120、音声入力部370にそれぞれユーザ状態情報、周囲状況情報、音声情報の取得開始を指示すると共に通信部130に当該情報を仮想現実サービス提供サーバ2100に定期的に送信するよう指示する。また、仮想現実提示制御部260は、表示制御部140に表示部150に映像を表示する制御の開始を指示し、音声再生制御部380に音声出力部390より出力する音声の再生制御の開始を指示する。
音声入力部370は、音声を集音してアナログ電気信号に変換し、AD変換処理を行ってデジタル音声信号に変換することで音声を入力する。音声入力部370として、HMD装置300は、ユーザが発した音声を集音するユーザマイクロフォン371と、周囲の音声を集音する周囲マイクロフォン372とを備える。
ユーザの音声を効率良く集音できるよう、ユーザマイクロフォン371は、HMD装置300の内側(ユーザ側)に配置され、一方、周囲マイクロフォン372は、ユーザの外部環境からの音声を効率良く集音できるよう、HMD装置300の外側に配置される。周囲マイクロフォン372は、ユーザがHMD装置300を装着していない状態でユーザの耳に直接聞こえる音声を集音できるよう、HMD装置300における耳の位置付近に配置されていることが好ましい。ユーザマイクロフォン371や周囲マイクロフォン372は、音声を集音してアナログ電気信号に変換し、AD変換処理を行ってデジタル音声信号に変換することで音声を入力する。当該入力された音声は、必要に応じて音声符号化が行われた後、それぞれユーザ音声情報及び周囲音声情報として通信部130より仮想現実サービス提供サーバ3300に送信される。
音声再生制御部380は、通信部130で受信される各種データのうち、仮想現実サービス提供サーバ3300で生成された音声データを入力し、当該入力した音声データに基づいて仮想現実オブジェクトが発する音声を音声出力部390より出力する制御を行う。
ここで、バーチャルな現象が引き起こす音声をリアルな現象が引き起こしている音声としてユーザに認識させるためには、音声発生源である仮想現実オブジェクトの位置から音声が伝達されているようにユーザに認識させることが仮想現実の世界にユーザを引き込むうえで好ましい。そこで、音声再生制御部380は、5.1Chや6.1Ch、7.1Chと言った立体音響に対応する形で音声データを再生することが好ましい。
音声出力部390は、音声再生制御部370からの再生制御に従って音声を出力する。音声出力部390として、HMD装置300は、ライトフレーム301a及びレフトフレーム301bの後端付近に配置されるスピーカ391a、391bを備えており、音声再生制御部380で再生された各チャンネルの音声データにDA変換を行い、アナログ電気信号に変換し、更に空気振動に変換して外部へ放音する。
次に、仮想現実サービス提供システム3000について説明する。契約者情報記憶データベース部3100は、仮想現実サービスを利用するユーザである契約者を管理する契約者情報を記憶する。各ユーザは、仮想現実サービスを利用するにあたり、仮想現実サービス提供会社との間で、仮想現実サービス利用契約を締結している。
図11は、契約者情報記憶データベース部3100に記憶される契約者情報の一例を示している。図11において、契約者情報には、仮想現実サービス利用契約を締結しているユーザの個人情報(契約者個人情報)や、当該ユーザが契約しているプランやそのプランに含まれるサービス内容などが含まれている。
仮想現実コンテンツ記憶データベース3200は、仮想現実コンテンツを記憶する。ここで、仮想現実コンテンツとは、仮想現実の世界を創り出すために使用されるデータ等の総称であり、仮想現実オブジェクトの外観を規定するモデルデータと、当該仮想現実オブジェクトが発する音声データと、仮想現実サービスを制御する仮想現実サービス制御プログラムとを含む。図12は、仮想現実コンテンツの構造を示している。
仮想現実オブジェクトのモデルデータは、当該仮想現実オブジェクトの形状を規定するポリゴンデータと、当該ポリゴンデータで規定される形状の表面に張り付けられるテキスチャーデータと、を含む。
仮想現実オブジェクトの音声データは、当該仮想現実オブジェクトで表される人物等が読み上げる所定の文章の音声を予め収録した文章音声データや、当該仮想現実オブジェクトが発する音声の元となる音声基礎データと、を含む。音声基礎データは、例えば、仮想現実オブジェクトが実在の人間を元にして創り出された人物オブジェクトである場合、当該実在の人物の肉声より抽出した声質、ピッチ、音声波形、音素等のデータである。これらの音声基礎データが音声合成処理によって合成されてユーザに提示されることで、当該人物オブジェクトが実際に喋っているようにユーザに感知される。なお、音声基礎データの抽出方法(収録方法)は、様々な切り口で抽出することが可能であり、音声発音データと音声表情データとに分類する形で抽出しても良いし、他の分類方法で抽出しても良い。当該抽出方法は、実施される音声合成処理のアルゴリズムによって決定される。
仮想現実制御プログラムは、ユーザに提供される仮想現実サービスを制御するために実行されるプログラムであって、大きく仮想現実メイン制御プログラムと、仮想現実サブ制御プログラムと、仮想現実オブジェクト人格制御プログラムと、仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムと、に分類される。図13は、仮想現実制御プログラムの階層構造を示している。
仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムは、仮想空間に配置されている仮想現実オブジェクトの挙動を制御するためのプログラムであって、仮想現実オブジェクト人格制御プログラムによって読み出される。例えば、仮想現実オブジェクトが人間オブジェクトである場合、仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムAは、右膝の関節ポイントを少し折り曲げ、口元のテキスチャーデータを笑顔のテキスチャーデータに段階的に変更すると言った制御を行うプログラムである。一方、仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムNは、のけぞるように腰の関節ポイントを折り曲げ、右肩と右ひじの関節ポイントを所定量回転させることで右腕を前に突き出すと言った制御を行う。当該挙動制御プログラムが実行されることで、フレーム経過に伴って仮想空間に配置されているオブジェクトの外観形状が変化していく。
仮想現実オブジェクト人格制御プログラムは、仮想現実サブ制御プログラムによって読み出されるプログラムであって、仮想空間に配置されている仮想現実オブジェクトに対する入力と出力との対応関係を制御する。
例えば、音声解析部3380のコンテキスト取得部3381で「おはよう」と言うコンテキストが取得されたとする。この場合、仮想現実オブジェクト人格制御プログラムXが実行されている場合、当該「おはよう」と言う入力に対して仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムAを読み出して実行する。一方、仮想現実オブジェクト人格制御プログラムZが実行されている場合、同一の「おはよう」と言う入力が行われたとしても、仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムAではなく、仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムNが読み出されて実行される。このように、仮想空間に配置されている各仮想現実オブジェクトに対してぞれぞれ実行されている仮想現実オブジェクト人格制御プログラムによって、外界からの入力と、当該仮想現実オブジェクトからの出力との対応関係が異なる。従って、仮想現実オブジェクトを実在する人間として見立てた場合に、仮想現実オブジェクト人格制御プログラムは、当該仮想現実オブジェクトの人格を表しているとみることができる。
仮想現実サブ制御プログラムは、仮想現実メイン制御プログラムによって適宜呼び出されるプログラムであり、提供する仮想現実サービスと対応している。仮想現実サブ制御プログラムは、提供中の仮想現実サービスに用いる仮想現実オブジェクトを仮想空間に読み出して配置する制御や、予め設定されている順序に従って仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムを直接読み出して、仮想現実オブジェクトに所定の挙動を行わせる制御を行う。
仮想現実メイン制御プログラムは、仮想現実サービス毎に対応するプログラムであって、仮想現実サービスの提供開始に当たり、第1に実行されるプログラムである。仮想現実メイン制御プログラムが実行されることで、当該プログラムに対応する仮想現実サービスのための仮想空間の設定や環境設定が行われる。HMD装置300より適宜送信されるユーザ状態情報や周囲状況情報、音声情報等の情報に基づいて、仮想現実メイン制御プログラムが、適切な仮想現実サブ制御プログラムを読み出し、当該仮想現実サブ制御プログラムによって実行される内容に従って仮想現実の世界がHMD装置300を介してユーザに提示される。
セーブデータ記憶データベース3500は、ユーザのセーブデータを記憶する。セーブデータとは、仮想現実サービスを途中から開始するためのデータである。仮想現実サービスの中には、ストーリー性があるものや、仮想現実サービスを利用するに従ってサービス内容が変化するものや、仮想現実サービスの中でアイテムや経験値等を取得できるものがある。そこで、ユーザがこれまでに利用済みの部分を記憶し、仮想現実サービスを前回終了した途中地点から再開できるようにセーブデータが記憶される。
図14は、セーブデータ記憶データベース3500に記憶されているセーブデータ管理ファイルの一例である。セーブデータ管理ファイルには、各セーブデータに一意に割り当てられたセーブデータ管理番号、当該セーブデータに係るユーザ名、当該ユーザを識別するユーザ識別番号、当該セーブデータに係る仮想現実サービス名、当該仮想現実サービスを一意に識別する仮想現実サービス識別番号、当該セーブデータの格納アドレス、などが対応付けられた状態で記憶されている。
仮想現実サービス提供サーバ3300は、通信部1310と、仮想現実サービス提供管理部1320と、表示映像生成処理部1350と、画像解析処理部2360と、仮想現実サービス制御部3330と、仮想現実オブジェクト挙動制御部3370と、音声解析処理部3380と、再生音声生成処理部3390と、を備える。
仮想現実サービス提供管理部1320は、契約者情報記憶DB3100に記憶されている契約者情報を参照して、ユーザに提供する仮想現実サービスの管理を行う。例えば、仮想現実サービス提供管理部1320は、ユーザから出された仮想現実サービス開始要求や仮想現実サービス終了要求等に基づいて仮想現実仮想現実サービスの開始処理や終了処理を行う。
契約者情報には、ユーザが仮想現実サービスを利用する条件やユーザが利用可能な仮想現実サービスに関する情報等が含まれる。すなわち、契約者情報には、仮想現実サービス利用条件が含まれている。仮想現実サービス提供管理部1320は、これらの情報に基づいて、仮想現実サービスを提供可能であるかを判定し、また、提供する仮想現実サービスを決定する処理を行う。
仮想現実サービス提供管理部1320は、提供を開始する仮想現実サービスと、当該仮想現実サービスを利用するユーザをそれぞれ識別する情報を仮想現実サービス制御部3330に出力する。また、仮想現実サービス提供管理部1320は、仮想現実サービスの提供を開始することを当該ユーザに通知する。
仮想現実サービス制御部3330は、仮想現実サービスを制御する。具体的には、仮想現実サービス制御部3330は、仮想現実サービス提供管理部1320で仮想現実サービスの提供を開始すると決定された場合に、当該仮想現実サービスに用いる仮想現実コンテンツを仮想現実コンテンツ記憶データベース3200より読み出す。
なお、当該仮想現実サービスのセーブデータがセーブデータ記憶データベース3500に記憶されている場合は、仮想現実サービス制御部3330は、当該仮想現実サービスを提供するユーザのセーブデータを読み出し、当該セーブデータで示されるサービス再開位置に係る部分の仮想現実コンテンツを読み出す。
具体的に、仮想現実サービス制御部3330は、当該仮想現実サービスの全体を制御する仮想現実メイン制御プログラムを読み出して実行することで、仮想空間を設定し、当該仮想現実サービスを提供するユーザのHMD装置300との間の通信で使用するポート番号等の設定などを行う。
また、仮想現実サービス制御部3330は、仮想現実サブ制御プログラムを読み出して実行することで、仮想現実オブジェクトを仮想現実コンテンツ記憶データベース3200より読み出し、仮想空間の所定の位置に当該読み出した仮想現実オブジェクトを配置する。
ここで、仮想現実サービス制御部3330は、仮想空間内において、予め定められている位置に仮想現実オブジェクトを配置しても良いし、画像解析処理部2360で得られた現実空間におけるユーザ周辺の物体の配置関係を考慮して仮想現実オブジェクトを干渉が生じない位置に配置する構成としても良い。この場合、仮想現実サービス制御部3330は、画像解析処理部2360におけるモデル化処理によって生成されたユーザの周囲に存在する物体等のモデルデータを仮想空間に配置し、当該モデルデータで示される物体と重なることで干渉が起きないように、仮想現実オブジェクトの配置位置を決定する。仮想現実サービス制御部3330は、仮想空間における当該決定した配置位置に仮想現実オブジェクトを配置する。
仮想現実オブジェクト挙動制御部3370は、仮想空間に配置されている仮想現実オブジェクトの挙動を制御する。仮想空間に配置されている仮想現実オブジェクトが動作可能なオブジェクトである場合は、仮想現実オブジェクト挙動制御部3370は、当該仮想現実オブジェクトの挙動を制御する仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムを実行することで、仮想現実オブジェクトに当該プログラムに対応した挙動を行わせる。
また、仮想現実サービス制御部3330は、当該仮想空間に配置している仮想現実オブジェクトが音声等の入力に対して所定の出力を返す動的な仮想現実オブジェクトである場合は、当該仮想現実オブジェクトに対する入力と、当該入力に基づく仮想現実オブジェクトの挙動との因果関係を規定している仮想現実オブジェクト人格制御プログラムを仮想現実オブジェクト挙動制御部3370に実行させる。仮想現実オブジェクト挙動制御部3370は、画像解析処理部2360や音声解析処理部3380における解析結果を入力として仮想現実オブジェクト人格制御プログラムを実行することで、当該入力に対応する仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムを特定する。仮想現実オブジェクト挙動制御部3370は、当該特定した仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムを仮想現実コンテンツ記憶DB3200より読み出して実行することで、仮想現実オブジェクトの挙動を制御する。すなわち、仮想現実オブジェクト挙動制御部3370は、実行する仮想現実オブジェクトに従って、仮想空間に配置されている各仮想現実オブジェクトの形状を変形させる。
表示映像生成処理部1350は、ユーザ状態情報で示される視点位置からの仮想空間に配置されている仮想現実オブジェクトの映像を生成する。仮想現実オブジェクトが動的な仮想現実オブジェクトである場合は、表示映像生成処理部1350は、仮想現実オブジェクト挙動制御部3370における制御に従って順次外観形状が変化していく仮想現実オブジェクトの各フレームタイミングにおける上記視点位置からの映像を順次生成する。なお、仮想現実オブジェクトが静的な仮想現実オブジェクトである場合は、表示映像生成処理部1350は、仮想現実サービス制御部3330が仮想現実サブ制御プログラムを実行することで仮想空間に配置する仮想現実オブジェクトの各フレームタイミングにおける上記視点位置からの映像を順次生成する。なお、この場合は、ユーザの視点に変化が無ければ、HMD装置300の表示パネル151a、151bでそれぞれ表示される映像に変化は無いため、以前のフレームタイミングで生成した映像を複製して現タイミングにおける映像とすることができる。
音声解析処理部3380は、HMD装置300の音声入力部370で入力された音声を解析する処理を行う。音声解析処理部3380は、音声レベル抽出部3381と、感情要素抽出部3382と、コンテキスト取得部3383と、を備える。
音声レベル抽出部3381は、入力した周囲音声情報に基づいて、ユーザの外部環境で生じている雑音の音声レベル(音量レベル)を特定する。音声レベル抽出部3381は、入力したユーザ音声情報に基づいて、ユーザが発した音声の音声レベルを特定する。音声レベル抽出部3381は、周囲音声情報から抽出した外部環境の音声の音声レベルを再生音声生成処理部3390に出力し、ユーザ音声情報から抽出したユーザの音声レベルを感情要素抽出部3382とコンテキスト取得部3383にそれぞれ出力する。
感情要素抽出部3382は、入力したユーザ音声情報に基づいて、ユーザの感情要素を抽出する。具体的には、感情要素抽出部3382は、予め登録しているユーザの音声波形とマッチング処理を行うことで、ユーザの喜怒哀楽などの状態を特定し、感情要素として抽出する。ここで、感情要素抽出部3382は、音声レベル抽出部3381で抽出されるユーザの音声レベルに基づいて入力するユーザ音声情報に含まれる音声に増幅処理等を行った上で感情要素を抽出しても良い。感情要素抽出部3382は、抽出した感情要素データを仮想現実オブジェクト挙動制御部3370に出力する。
コンテキスト取得部3383は、入力したユーザ音声情報に基づいて、ユーザが発した音声のコンテキストを取得する。コンテキスト取得部3383は、入力したユーザ音声情報に含まれる音声データに対して、音声レベル抽出部3381で抽出された音声レベルに基づく増幅処理を行った後、所定の音声解析アルゴリズムに従って当該音声データが示すコンテキストを取り出す処理を行う。
例えば、コンテキスト取得部3383は、複数の音声単位を記憶する音声データベースに含まれる音声単位データと、入力した音声データとのマッチング処理を行うことで、音声データを単位音声に分割する。当該音声データベースに含まれる音声単位データは、例えば「い」の単位音声がコードNo004、「こ」の単位音声がコードNo021というように、コードが割り当てられている。コンテキスト取得部3383は、入力した音声データを単位音声に分割することで、当該入力した音声データをコードの羅列に変換する。なお、上記音声データベースの図示は省略している。
コンテキスト取得部3383は、複数の単語データや文法構造を規定する文法データを記憶している単語・文法データベースにアクセスし、音声解析処理で得られた一連のコードのいくつかと、上記データベースに記憶される単語データとのマッチングを行うことで、意味のある部分を抽出していく。コンテキスト取得部3383は、当該一連の処理に基づいて、入力された音声データが示すコンテキストを取得する。
例えば、入力された音声データが「ねことたわむれたいな」と言う音声であった場合、コンテキスト取得部3383は、「ね」、「こ」、「と」、「た」、「わ」、「む」、「れ」、「た」、「い」、「な」と単位音声に分割する。各単位音声にはコードが割り当てられているため、コンテキスト取得部3383は、当該音声データを「072/021/041/036/124/085/099/036/004/043」といったコードの羅列に変換する。
コンテキスト取得部3383は、入力された音声データから変換された当該コードと単語・文法データベースの単語を示すコードとのマッチング処理を行うことで単語の羅列に変換する。例えば、コンテキスト取得部3383は、当該マッチング処理を行うことで、「072021」、「034」、「036124085099」、「036004043」と纏まり毎に抽出し、「Ob:ねこ、Of:と、Va:たわむれ、Vc:たいな」と言う形で主語、目的語、述語、助詞、などに整理する。コンテキスト取得部3383は、当該処理により、入力された音声は、「猫と戯れたい」というコンテキストを示していると判定する。
このようにコンテキスト取得部3383で取得されたコンテキストは、仮想現実サービス提供管理部1320、仮想現実サービス制御部3330、仮想現実オブジェクト挙動制御部3370にそれぞれ出力される。
仮想現実サービス提供管理部1320は、コンテキスト取得部3383で取得された音声データのコンテキストが「ガガフロンティアを開始したい」と言った仮想現実サービスの開始を要求するコンテキストであった場合、当該コンテキストで示されている仮想現実サービスの提供開始を決定する。このように、仮想現実サービス提供管理部1320は、仮想現実サービス開始要求、仮想現実サービス終了要求、仮想現実サービス中断要求など、ユーザからの要求を音声データと言った形式で入力する。
仮想現実サービス制御部3330は、コンテキスト取得部3383で取得された音声データのコンテキストに基づいて、当該音声入力に対応する仮想現実サービス制御プログラムを仮想現実コンテンツ記憶DB3200より読み出して実行する。
仮想現実オブジェクト挙動制御部3370は、コンテキスト取得部3383で取得された音声データのコンテキストや、感情要素抽出部3382で抽出された感情要素データに基づいて、仮想空間に配置されている仮想現実オブジェクトの挙動を制御する。
再生音声生成処理部3390は、HMD装置300の音声再生制御部380より再生される音声データを生成する。再生音声生成処理部3390は、仮想現実サービス制御部3330によって仮想現実コンテンツ記憶DB3200より読み出された音声データや、仮想現実オブジェクト挙動制御部3370で制御された仮想現実オブジェクトが発する音声データに対して、音声レベル抽出部3381で抽出された音声レベルに基づく利得調整処理を行う。再生音声生成処理部3390は、通信部1310で受信されたユーザ状態情報で示されるユーザの頭部の姿勢に基づいて、ユーザの左右の耳の位置を特定し、入力した上記音声データを複数のチャンネルに分割して各チャンネルの音声データを生成する。再生音声生成処理部3390は、当該複数のチャンネルに分割した音声データを、CELP等の符号化方式で符号化して音声符号化データを生成し、通信部1310に出力する。当該再生音声生成処理部3390で生成された音声符号化データは、通信部1310よりHMD装置300に送信され、HMD装置300の音声再生制御部380で音声復号処理が行われた後、音声出力部170である各スピーカより音声が出力される。
次に、仮想現実サービス提供システム3000の動作について説明する。図15は、仮想現実サービスの提供開始処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
仮想現実サービス提供管理部1320は、ユーザに対して仮想現実サービスを提供することを決定する決定処理を行う(ステップS301〜S304)。具体的には、通信部1310で仮想現実サービス開始要求が受信されたかを判定する(ステップS301)。通信部1320で仮想現実サービス開始要求が受信されていない場合は、当該サービス開始要求が受信されるまで待機する。
通信部1310で仮想現実サービス開始要求が受信された場合、仮想現実サービス提供管理部1320は、当該仮想現実サービス開始要求に基づいて、要求元のユーザに当該仮想現実サービス開始要求で指定されている仮想現実サービスの提供を開始することが可能であるかを判定する(ステップS302)。具体的には、仮想現実サービス提供管理部1320は、仮想現実サービス利用条件記憶DB2400や契約者情報記憶DB3100に記憶されている当該仮想現実サービスを利用するための条件である仮想現実サービス利用条件を参照して、当該仮想現実サービス開始要求で指定されている仮想現実サービスの提供を開始することが可能であるかを判定する。
ステップS302における判定の結果、当該仮想現実サービス利用条件を満たさないと判定された場合、仮想現実サービス提供管理部1320は、上記仮想現実サービス開始要求で開始が要求されている仮想現実サービスを提供することを拒絶する通知を行う(ステップS303)。具体的には、仮想現実サービス提供管理部1320は、仮想現実サービスの提供の開始を拒絶することを示す仮想現実サービス開始拒絶通知情報を生成し、通信部1310より仮想現実サービス開始要求の要求元ユーザに送信する。当該仮想現実サービス開始拒絶通知情報には、仮想現実サービスの提供を開始できない理由を示す仮想現実サービス提供拒絶理由を含める構成とすることが好ましい。
一方、ステップS302における判定の結果、当該仮想現実サービス利用条件を満たすと判定された場合、仮想現実サービス提供管理部1320は、当該要求に基づく仮想現実サービスの提供開始を決定する(ステップS304)。具体的には、仮想現実サービス提供管理部1320は、仮想現実サービス制御部3330に、要求されている仮想現実サービスの制御開始を指示する。
仮想現実サービス制御部3330は、仮想現実サービス提供管理部1320で仮想現実サービスの提供開始が決定された場合、当該仮想現実サービスに係る仮想現実コンテンツを、仮想現実コンテンツ記憶DB3200より読み出す(ステップS305)。
仮想現実サービス制御部3330は、提供する仮想現実サービス用に、仮想空間を設定する(ステップS306)。通常、ユーザに提示される仮想現実の世界は、ユーザの視界に収まる範囲であるため、10m四方程度の大きさに設定することが好ましい。但し、ユーザが移動しながら仮想現実の世界を鑑賞したりする場合は、100mm四方程度の大きさの仮想空間を予め確保しておくことが好ましい。このように、仮想現実サービスの内容に従って、必要となる仮想空間の大きさも異なってくる。従って、仮想現実サービス制御部3330は、仮想現実サービス提供管理部1320で決定された仮想現実サービスに基づいて、仮想空間を設定する構成とすることが好ましい。例えば、S001の仮想現実サービスを提供する場合は、50m四方の仮想空間を、S025の仮想現実サービスを提供する場合は、X方向が1km、Y方向が1km、Z方向が20mの仮想空間を設定する構成とすることができる。どの程度の大きさの仮想空間を必要とするかは、仮想現実コンテンツの一部の制御データとして、仮想現実コンテンツ記憶DB3200に記憶されていると良い。仮想現実サービス制御部3330は、仮想現実コンテンツを読み出し、仮想現実コンテンツに含まれる当該制御データを参照して仮想空間を設定する。不必要に大きすぎる仮想空間を設定すると不要なリソース消費が発生する一方、仮想現実サービスと比較して小さすぎる仮想空間では、仮想現実サービスの提供に用いられる仮想現実オブジェクトを適切に配置できない可能性が残る。このような観点から、予め記憶されている制御データを参照して、仮想空間の大きさが決定される構成とすることが好ましい。
次に、仮想現実サービス制御部3330は、仮想現実サービスの提供に用いられる環境パラメータの設定を行う(ステップS307)。環境パラメータとは、仮想現実の世界をユーザに提示するために、HMD装置(仮想現実提示装置)300と、仮想現実サービス提供サーバ3300との間で行われる通信の制御を規定する情報である。
例えば、仮想現実サービス制御部3330は、環境パラメータとして、HMD装置300と仮想現実サービス提供サーバ3300との間の通信を暗号化する暗号鍵を設定する。HMD装置300では、周囲状況情報にはユーザの周囲の景色を撮影した画像データが含まれるため、プライバシーに係るものが写っている可能性がある。そこで、当該2つの装置間での通信を暗号化するために、仮想現実サービス制御部3330は、通信用の暗号鍵を生成又は仮想現実コンテンツ記憶DB3200より読み出す。当該暗号鍵は、共通鍵であっても良いし、公開鍵であっても良い。
また、例えば、仮想現実サービス制御部3330は、環境パラメータとして、HMD装置300と仮想現実サービス提供サーバ3300との間の通信で使用するポートを設定する。当該ポートは、送受信される情報に応じて複数の異なるポートが割り当てられていても良いし、1つのポートを共通して用いる構成としても良い。
また、例えば、仮想現実サービス制御部3330は、環境パラメータとして、HMD装置300から仮想現実サービス提供サーバ3300へ定期的に送信されるユーザ状態情報や周囲状況情報の送信間隔やデータ形式などを設定する。仮想空間内で仮想現実オブジェクトが大きく移動するような仮想現実サービスでは、当該移動する仮想現実オブジェクトが現実の世界の物体と重なり合わないよう、現実の世界の状況を高い頻度で更新する必要がある。また、ユーザの頭部の動きが小さい場合は、ユーザ状態情報や周囲状況情報は、過去の情報を再利用することができる。このように、HMD装置300から仮想現実サービス提示サーバ3300へ定期的に送信される情報の取得間隔(生成間隔)、送信間隔、データ形式、などを環境パラメータとして設定する。
また、例えば、仮想現実サービス制御部3330は、環境パラメータとして、仮想現実サービス提供サーバ3300で生成される映像のフレームレートや、映像符号化処理で用いられる符号化方式を識別する情報、また、生成される音声のチャンネル数や、音声符号化方式を識別する情報などを設定する。このように、仮想現実サービス制御部3330は、仮想現実サービス提供サーバ3300からHMD装置300へ定期的に送信される情報に関するパラメータを、環境パラメータとして設定する。
仮想現実サービス制御部3330は、映像生成処理部1350、画像解析処理部2360、音声解析処理部3380、音声再生処理部3390、と言った仮想現実サービスを提供するために行われる各処理部に対して、上記設定した環境パラメータに従って担当処理を実行させる制御を行う(ステップS308)。例えば、当該制御に基づいて、映像生成処理部1350は、仮想現実サービス制御部3330が設定したフレームレートに従って、仮想空間に配置されている仮想現実オブジェクトをレンダリングして2次元画像を取得する。
当該環境パラメータの設定が完了した場合、仮想現実サービス提供管理部1320は、仮想現実サービス開始通知情報を生成し、通信部1320よりHMD装置300に送信することで、仮想現実サービスの開始を通知する(ステップS309)。当該仮想現実サービス開始通知情報には、上記設定された環境パラメータが含まれている。
なお、上記サービス開始決定処理は、サービス開始要求が受信されたことをトリガーとする場合に限られるものではなく、現在サービスを利用可能なユーザの中から自サーバが使用可能なリソースに基づいてスケジューリングを行う構成とすることも可能である。また、ステップS306とS307は順不同であっても良い。
図16は、仮想現実サービス提供管理部1320において、仮想現実サービスの提供が決定された場合における当該仮想現実サービスのメイン制御処理を示している。仮想現実サービス提供管理部1320において仮想現実サービスの開始がHMD装置300に通知されることで、HMD装置300より環境パラメータに従ってユーザ状態情報及び周囲状況情報が定期的に送信されてくることになる。通信部1310は、当該ユーザ状態情報及び周囲状況情報を受信する(ステップS310)。通常、ユーザ状態情報の受信頻度は周囲状況情報の受信頻度よりも高くなるように環境パラメータによって設定されている。また、HMD装置300の音声入力部370で入力される音声も定期的に、又は、所定の音声レベル以上の音声が入力された場合に音声情報として送信され、通信部1310は、当該音声情報を受信する。
画像解析処理部2360は、周囲状況情報として送信されてくる前方景色画像や周囲景色画像の画像データに基づいて所定の解析処理を行うことでユーザの周囲にある現実の物体の位置関係を特定し、特定した物体をモデリングしてモデルデータを生成するモデリング処理を行う(ステップS311)。例えば、前方景色画像を取得する視線カメラは左目と右目に対応する位置に配置されているため、これら2つのカメラで撮影される画像を比較することで物体までの距離を特定することが可能となる。当該モデルデータは、現実の物体の外観形状を規定するポリゴンデータと当該物体の位置を示す座標データとを含み、更に好ましくは、当該モデルデータを識別するモデルラベル情報、当該モデルデータで表される現実の物体を識別する物体ラベル情報、当該現実の物体の種類を示す物体種類情報、などを含んでいる。画像解析処理部2360で生成される現実の物体のモデルデータは、仮想現実サービス制御部3330に出力される。
仮想現実サービス制御部3330は、画像解析処理部2360より出力されるユーザの周囲にある現実物体のモデルデータをステップS306で設定した仮想空間に配置する(ステップS312)。モデルデータは、ユーザの位置からの相対位置を示す座標データが含まれているため、仮想空間におけるユーザの位置を示すユーザ位置座標に当該座標データを加算して求まる位置に画像解析処理部2360におけるモデリング処理で得られた現実の物体のモデルデータを配置する。なお、仮想空間におけるユーザ位置座標は、ユーザ状態情報に基づいて適宜変更されていく。また、ユーザの移動に伴い、画像解析処理部2360に入力される画像の撮影範囲が変化するため、今まで画像に写っていなかった範囲にある現実の物体のモデルデータが順次生成されていく。仮想現実サービス制御部3330は、画像解析処理部2360で順次生成されるモデルデータに基づいて、仮想空間に配置する現実の物体のモデルデータを順次更新していく。
仮想現実サービス制御部3330は、新たな仮想現実オブジェクトを仮想空間に配置するかを判定する(ステップS313)。仮想現実サービス制御部3330は、仮想現実コンテンツ記憶DB3200より読み出す仮想現実コンテンツに含まれる各種制御プログラムに基づいて、仮想現実オブジェクトを仮想空間に配置するかを判定する。
新たな仮想現実オブジェクトを配置すると決定した場合、仮想現実サービス制御部3330は、仮想現実コンテンツ記憶DB3200より仮想現実オブジェクトを読み出して仮想空間に配置する(ステップS314)。ここで、仮想現実サービス制御部3330は、仮想空間に配置されている現実の物体のモデルデータと仮想空間内で重なり合わない位置に仮想現実オブジェクトを配置する。より好ましくは、仮想現実オブジェクトに対して配置条件が設定されており、仮想現実サービス制御部3330は、当該配置条件に従がって仮想現実オブジェクトを仮想空間に配置する。例えば、仮想現実オブジェクトが人間オブジェクトであり、「配置条件1:他の物体と重なる領域が1%以下であること、配置条件2:床の上に接触した状態で配置すること」と言う配置条件が設定されている場合、仮想現実サービス制御部3330は、仮想空間に配置している現実の物体のモデルデータのうち、床のモデルデータの上部に、1%以下の重なり状態を持って接触した状態で仮想現実オブジェクトを配置する。
一方、ステップS313で新たな仮想現実オブジェクトを配置しないと決定された場合、ステップS314を飛ばして次のステップS315に進む。
仮想現実サービス制御部3330は、仮想空間に配置している仮想現実オブジェクトの挙動を制御するかを判定する(ステップS315)。仮想現実サービス制御部3330は、仮想現実サブ制御プログラムを実行しており、画像解析処理部2360や音声解析処理部3380における処理結果を入力し、当該処理結果に基づいて配置中の仮想現実オブジェクトの挙動を制御するかを判定する処理を行う。なお、仮想現実サービス制御部3330は、上記処理結果の入力に依らず、現在実行中の仮想現実サブ制御プログラムに従って順次仮想現実オブジェクトの挙動を制御していく場合もある。
ステップS315で仮想現実オブジェクトの挙動を制御すると判定された場合、仮想現実オブジェクト制御部3370は、仮想現実オブジェクトの挙動を制御する(ステップS316)。具体的には、ステップS316において、仮想現実オブジェクトの挙動を制御すると仮想現実サービス制御部3330が判定した場合、仮想現実サービス制御部3330は、仮想現実コンテンツ記憶DB3200より仮想現実オブジェクト人格制御プログラムと、当該仮想現実オブジェクト人格制御プログラムで読み出される仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムとを読み出して仮想現実オブジェクト制御部3370に送る。仮想現実オブジェクト制御部3370は、仮想現実オブジェクト人格制御プログラムを実行し、画像解析処理部2360や音声解析処理部3380における処理結果を入力として、実行する仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムを選択する。仮想現実オブジェクト制御部3370は、選択した仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムを実行することで、仮想現実オブジェクトの仮想空間内での位置や仮想現実オブジェクトの関節ポイントの位置や角度、仮想現実オブジェクトの表面に張り付けられるテキスチャーを変更する。このように、仮想現実オブジェクト制御部3370は、仮想現実オブジェクト挙動制御プログラムに従って仮想現実オブジェクトの挙動を制御する。
なお、ステップS315で仮想現実オブジェクトの挙動を制御しないと判定された場合は、上記ステップS316の挙動制御処理を行うことなく、次のステップS317に移行する。
次に、仮想現実サービス制御部3330は、仮想空間に配置中の現実の物体のモデルデータを仮想空間の中から削除するかを判定する(ステップS317)。仮想現実サービス制御部3330は、ユーザとの相対距離が所定の基準値以上離れたことにより、仮想現実の提示に影響を与えなくなった物体のモデルデータや、他の物体のモデルデータとの間で干渉を生じるようになったモデルデータや、移動したことによってユーザの周囲からいなくなった物体のモデルデータなど、所定の削除基準を満たしたモデルデータがあるかを判定する。
仮想現実サービス制御部3330は、所定の削除基準を満たしたと判定した現実の物体のモデルデータを仮想空間の中から削除する(ステップS318)。一方、所定の削除基準を持たすと判定した現実の物体のモデルデータが無い場合は、当該削除処理を行うことなく次のステップS319に進む。
次に、仮想現実サービス制御部3330は、仮想空間に配置中の仮想現実オブジェクトを仮想空間の中から削除するかを判定する(ステップS319)。仮想現実サービス制御部3330は、仮想現実サービスの進行に従って、不必要となった仮想現実オブジェクトや、ユーザとの相対距離が所定の基準値以上離れたことにより、仮想現実の提示に影響を与えなくなった仮想現実オブジェクトや、現実の物体のモデルデータや他の仮想現実オブジェクトとの干渉を生じるようになった仮想現実オブジェクトなど、所定の削除基準を満たした仮想現実オブジェクトがあるかを判定する。
仮想現実サービス制御部3330は、所定の削除基準を満たしたと判定した仮想現実オブジェクトを仮想空間の中から削除し、ステップS310に戻る(ステップS320)。一方、所定の削除基準を持たすと判定した仮想現実オブジェクトが無い場合は、当該削除処理を行うことなく次のステップS310に戻る。
このように、仮想現実サービス制御部3330は、設定した仮想空間に配置する仮想現実オブジェクトや現実の物体のモデルデータを適宜追加、変形、削除を繰り返し行うことで仮想空間を更新する。
次に、HMD装置300で表示される映像の生成処理について説明する。図17は、当該映像生成処理の流れを示すフローチャート図である。
ユーザ状態情報が通信部1310で新たに受信された場合(ステップS321)、表示映像生成処理部1350は、当該受信された最新のユーザ状態情報に基づいて仮想空間における視点を制御する(ステップS321)。具体的には、表示映像生成処理部1350は、ユーザ状態情報に含まれる加速度情報や傾き情報に基づいて、ユーザの左目の位置と右目の位置に対応する仮想空間上の座標を視点の位置として求め、また、ユーザの頭部が向いている方向を視線方向として求める。一方、ユーザ状態情報が受信されていない場合は、このタイミングにおける視点制御はスキップする。
一方、周囲状況情報が通信部1310で新たに受信された場合(ステップS323)、表示映像生成処理部1350は、当該受信された最新の周囲状況情報に基づいて仮想空間における光源を制御する(ステップS324)。具体的には、表示映像生成処理部1350は、仮想空間に配置する光源の位置及び光の強さを設定する。一方、周囲状況情報が受信されていない場合は、このタイミングにおける光源制御はスキップする。
次に、表示映像生成処理部1350は、ステップS323で制御された光源からの照射環境における仮想空間に配置されている仮想現実オブジェクトの、ステップS321で制御された視点からの映像を生成する(ステップS325)。具体的には、表示映像生成処理部1350は、ステップS321で制御された視点位置の視線方向前方に配置したイメージプレーンに仮想空間内の仮想現実オブジェクトを投影する。ここで、表示映像生成処理部1350は、イメージプレーンには現実の物体のモデルデータは投影せず、仮想現実オブジェクトだけを投影する。ここで、表示映像生成処理部1350は、仮想現実オブジェクトと視点位置との間に現実の物体のモデルデータがある場合は、仮想現実オブジェクトの中で当該モデルデータに隠される部分は投影しない隠面処理を行う。また、表示映像生成処理部1350は、ステップS324で制御された光源からの照射環境に基づいて、投影された仮想現実オブジェクトに対するシェーディング処理を行う。これら、各処理を行うことで、表示映像生成処理部1350は、HMD装置300の表示パネル151a、151bで表示される2つの映像を生成する。
次に、表示映像生成処理部1350は、生成した映像を所定の圧縮符号化方式で符号化することで映像符号化データを生成し(ステップS326)、通信部1310は、当該生成された映像符号化データをHMD装置300へ送信する(ステップS327)。なお、HMD装置300と仮想現実サービス提供サーバ3300の間の通信を暗号化する場合は、ステップS326で生成された映像符号化データを暗号化した上で送信する。
当該ステップS321〜S327の処理を一つのフレーム処理として、繰り返すことにより、表示パネル151a、151bで順次仮想現実オブジェクトの映像が表示される。
次に、HMD装置300で再生される音声の生成処理について説明する。図18は、当該音声生成処理の流れを示すフローチャート図である。
ユーザ状態情報が通信部1310で新たに受信された場合(ステップS331)、再生音声生成処理部3390は、当該受信された最新のユーザ状態情報に基づいて仮想空間における耳の位置を制御する(ステップS332)。具体的には、再生音声生成処理部3390は、ユーザ状態情報に含まれる加速度情報や傾き情報に基づいて、ユーザの耳の位置に対応する仮想空間における音声集音位置(音声集音位置座標)を求める。一方、ユーザ状態情報が受信されていない場合は、このタイミングにおける耳の位置(音声集音位置)の制御はスキップする。
一方、周囲音声情報が通信部1310で新たに受信された場合(ステップS333)、再生音声生成処理部3390は、当該受信された最新の周囲音声情報に基づいてユーザの周囲における雑音等の音声レベルを算出し、HMD装置300の音声再生制御部380で再生する音声における音声レベルを設定する(ステップS334)。一方、周囲音声情報が受信されていない場合は、このタイミングにおける音声レベル設定はスキップする。
仮想現実サービス制御部3330は、画像解析処理部2360や音声解析処理部3380における処理結果に基づいて、音声を再生するかを判定する(ステップS335)。このタイミングでは再生しないと判定した場合、ステップS331に戻って次の音声再生判定タイミングまで待機する。
一方、音声を再生すると判定した場合、仮想現実サービス制御部3330は、再生する音声を音声合成によって生成するかを判定する(ステップS336)。音声合成を行わない場合は、仮想現実サービス制御部3330は、予め仮想現実コンテンツの一部として仮想現実コンテンツ記憶DB3200に記憶されている音声データを読み出して再生音声生成処理部3390へ出力する(ステップS337)。
一方、音声を合成すると判定した場合は、仮想現実サービス制御部3330は、仮想現実コンテンツ記憶DB3200に予め仮想現実コンテンツの一部として記憶されている音声基礎データを読み出して再生音声生成処理部3390に送り、再生音声生成処理部339おは、自ら求めたコンテキスト又は他のコンテキスト生成処理部で生成されたコンテキストに従って音声基礎データを合成することで、合成音声データを生成する(ステップS338)。
再生音声生成処理部3390は、仮想現実サービス制御部3330より出力された音声データ又は音声合成処理によって生成した音声データに対して、ステップS334で設定された音声レベルに基づいて利得調整処理を行う(ステップS339)。
再生音声生成処理部3390は、利得調整された音声データを、ステップS332で制御された耳の位置(音声集音位置)に基づいて複数のチャンネルに分配する分配処理を行う(ステップS340)。当該分配処理により、再生音声生成処理部3390は、HMD装置300が備える複数の音声チャンネルでそれぞれ再生されるチャンネル別音声データを生成する。
再生音声生成処理部3390は、各チャンネルへ分配した音声データをH.729等の音声符号化方式に従って符号化処理を行い、音声符号化データを生成し、通信部1310へ出力する(ステップS341)。
通信部1310は、再生音声生成処理部3390より出力された音声符号化データをHMD装置300に送信し、ステップS331に戻る(ステップS342)。当該送信された音声符号化データは、HMD装置300の音声再生制御部380で復号され、音声出力部390において各チャンネルの音声データがDA変換処理でアナログ音声信号に変換された後、空気振動に変換されて外部へ音声として出力される。
次に、仮想現実サービスの中断処理の流れについて説明する。図19は、仮想現実サービス中断処理の流れを示すフローチャート図である。
仮想現実サービス提供管理部1320は、現在提供中の仮想現実サービスを中断するかを判定する(ステップS351)。例えば、仮想現実サービス提供管理部1320は、仮想現実サービス中断要求が受信された場合や、仮想現実サービスを中断する条件として予め設定されている仮想現実サービス提供中断条件を満たした場合に、現在提供中の仮想現実サービスを中断すると判定する。
仮想現実サービス提供管理部1320は、ステップS351で仮想現実サービスの提供を中断すると判定した場合、仮想現実サービスの提供を中断することを通知する仮想現実サービス中断通知情報を生成し、通信部1310へ出力する(ステップS352)。
通信部1310は、当該仮想現実サービス中断通知情報をHMD装置300へ送信する(ステップS353)。該仮想現実サービス中断通知情報はHMD装置300の通信部130で受信されて仮想現実提示制御部260に送られる。仮想現実提示制御部260は、当該中断通知情報に基づいて、各部の機能を停止する制御を行う。例えば、表示制御部140に映像の表示制御を中断させ、音声再生制御部380に音声の再生制御を中断させる。但し、仮想現実サービス提供サーバ3300が、サービス中断中のユーザの状態や周囲の状況を追跡できるよう、仮想現実提示制御部260は、ユーザ状態検知部110と周囲状況検知部120の機能は中断しない構成とすることが好ましい。仮想現実サービスの提供が中断されている場合であっても、HMD装置300において、ユーザ状態検知部110はユーザの状態を検知してユーザ状態情報を生成し、通信部130より仮想現実サービス提供サーバ3300に送信される。また、仮想現実サービスの提供が中断されている場合であっても、HMD装置300において、周囲状況検知部120は、ユーザの周囲の状況を検知して周囲状況情報を生成し、通信部130より仮想現実サービス提供サーバ3300に送信される。
仮想現実サービス提供管理部1320は、自サーバにおける各処理部に処理中断指示を送る(ステップS354)。当該指示に基づいて表示映像生成処理や再生音声生成処理が停止されることで自サーバのリソースの消費を抑える。但し、後続における仮想現実サービス再開時にタイムラグを生じさせず再開できるよう、当該ステップS354はスキップし、各処理を継続する構成としても良い。この場合、映像データや音声データはHMD装置300に送信されるものの、HMD装置300の仮想現実提示制御部260がサービス中断通知情報に基づいて行う制御によって、映像の表示や音声の再生は行われず、従って仮想現実の世界がユーザに提示されることはない。
仮想現実サービスの提供を中断している状態において、仮想現実サービス提供管理部1320は、中断中の仮想現実サービスの提供を再開するかを判定する(ステップS355)。仮想現実サービス提供管理部1320は、仮想現実サービス再開要求が通信部1310で受信された場合や、仮想現実サービス提供中断条件が解消された場合に、仮想現実サービスの提供を再開すると判定する。
仮想現実サービス提供管理部1320は、自サーバにおける各処理部に処理の再開を指示することで、ステップS354で停止させた処理を再開させる(ステップS356)。
仮想現実サービス提供管理部1320は、仮想現実サービスの提供を再開することを示す仮想現実サービス再開通知情報を生成し、通信部1310へ出力する(ステップS357)。
通信部1310は、当該仮想現実サービス再開通知情報をHMD装置300へ送信し、ステップS351へ戻る(ステップS358)。当該仮想現実サービス再開通知情報はHMD装置300の通信部130で受信されて仮想現実提示制御部260に送られる。仮想現実提示制御部260は、当該再開通知情報に基づいて、各部の機能を再開させる。例えば、表示制御部140に映像の表示制御を再開させ、音声再生制御部380に音声の再生制御を再開させる。
次に、仮想現実サービスの終了処理の流れについて説明する。図20は、仮想現実サービス終了処理の流れを示すフローチャート図である。
仮想現実サービス提供管理部1320は、現在提供中の仮想現実サービスを終了するかを判定する(ステップS361)。例えば、仮想現実サービス提供管理部1320は、仮想現実サービス終了要求が受信された場合や、ユーザの現在の状態が仮想現実サービス利用条件を満たさなくなった場合に、現在提供中の仮想現実サービスを終了すると判定する。
仮想現実サービス提供管理部1320は、ステップS361で仮想現実サービスの提供を終了すると判定した場合、仮想現実サービスの提供を終了することを通知する仮想現実サービス終了通知情報を生成し、通信部1310へ出力する(ステップS362)。
通信部1310は、当該仮想現実サービス終了通知情報をHMD装置300へ送信する(ステップS363)。当該仮想現実サービス終了通知情報は、HMD装置300の通信部130で受信されて仮想現実提示制御部260に送られる。仮想現実提示制御部260は、当該終了通知情報に基づいて、仮想現実の提示に関連する各部の機能を停止し、仮想現実の提示を終了する制御を行う。例えば、表示制御部140に映像の表示制御を中断させ、音声再生制御部380に音声の再生制御を終了させる。また、仮想現実提示制御部260は、ユーザ状態検知部110にユーザ状態の検知処理を終了させ、周囲状況検知部120に周囲状況の検知処理を終了させる。具体的には、傾きセンサ111や加速度センサ112への給電を遮断し、前方カメラ121や周囲カメラ121への給電を遮断する。
仮想現実サービス提供管理部1320は、自サーバにおける各処理部に処理終了指示を送る(ステップS364)。当該終了指示に基づいて仮想現実サービスの提供に関連する各部の処理が終了され、自サーバのリソースが解放される。また、当該仮想現実サービス用に設定されている仮想空間も解放される。
仮想現実サービス提供管理部1320は、これまでの仮想現実サービスの経過状況等をセーブデータとしてセーブデータ記憶DB3500に格納し、仮想現実サービスの提供を終了する(ステップS365)。例えば、ユーザが仮想現実の世界で獲得した仮想的なアイテムや経験値に関する情報、仮想現実サービスのストーリー上の進行状況などをセーブデータとして格納する。
図21は、HMD装置300より仮想現実サービス提供サーバ3300へ送信される各種要求のデータ構造を、図22は、仮想現実サービス提供サーバ3300よりHMD装置300へ送信される各種通知情報のデータ構造をそれぞれ示している。
各要求(情報)には、送信元アドレスとして自装置300のアドレスが、送信先アドレスとして仮想現実サービス提供サーバ3300のアドレスが含まれる。一方、各通知情報には、送信元アドレスとして自サーバ3300のアドレスが、送信先アドレスとしてHMD装置300のアドレスがそれぞれ含まれる。
各要求には要求内容を示す要求種別情報と、当該要求を識別するために割り当てた管理用の番号である要求識別情報と、が含まれる。例えば要求種別情報は2ビットの情報であり、“00”が仮想現実サービス開始要求を、“01”が仮想現実サービス中断要求を、“10”が仮想現実サービス再開要求を、“11”が仮想現実サービス終了要求をそれぞれ表している。
一方、各通知情報には、通知内容を示す通知種別情報と、どの要求に対する応答であるかを識別するために上記要求識別情報とが含まれる。例えば、通知種別情報は3ビットの上方であり、“000”が仮想現実サービス開始通知情報を、“001”が仮想現実サービス開始拒絶通知情報を、“010”が仮想現実サービス中断通知情報を、“011”が仮想現実サービス再開通知情報を、“100”が仮想現実サービス終了通知情報を、それぞれ表している。なお、HMD装置300より送られてくる要求に対する応答として通知される情報ではなく、自発的に仮想現実サービス提供サーバ3300が送信する場合は、各通知情報には要求識別情報は含まれない。
仮想現実サービス開始要求には、当該要求に係るユーザを識別するユーザIDと、仮想現実サービスを開始するためのパスワード、開始を要求する仮想現実サービスを識別する仮想現実サービス識別情報が含まれる。当該サービス開始要求を受け取った仮想現実サービス提供管理部1320は、契約者情報記憶DB3100に記憶される契約者情報に含まれるユーザIDとパスワードの組と比較することで、適切なユーザからの要求であるかを判定する。また、仮想現実サービス提供管理部1320は、当該サービス開始要求に含まれる仮想現実サービス識別情報で識別される仮想現実サービスを当該ユーザが利用可能であるかを判定する。これらの判定を適切に通過した場合に、仮想現実サービスの提供開始処理が進められる。
仮想現実サービス開始通知情報には、提供を開始する仮想現実サービスを識別する仮想現実サービス識別情報と、当該仮想現実サービスにおいて自サーバ3300とHMD装置300との間で発生する各通信を他の通信と区別するために用いる提供中仮想現実サービス管理番号と、各種環境パラメータを設定するための環境設定情報と、が含まれる。環境設定情報には、自サーバ3300とHMD装置300との間の通信を暗号化するための暗号鍵と、当該通信で用いるポート番号を指定する使用ポート番号と、自サーバ3300からHMD装置300へ送信される映像データのフレームレートを指定するフレームレート情報と、HMD装置300より自サーバ3300へ送信させるユーザ状態情報や周囲状況情報の送信頻度を指定するHMD側情報送信頻度指定情報と、自サーバ3300からHMD装置300へ送信する映像及び音声の符号化方式をそれぞれ指定する映像符号化方式指定情報と音声符号化方式指定情報などが含まれる。
当該仮想現実サービス開始通知情報を受信したHMD装置300において、仮想現実提示制御部260は、当該サービス開始通知情報に含まれる環境設定情報に基づいて、各パラメータを設定し、HMD装置300側での各処理を開始させる。
仮想現実サービス開始拒絶通知情報には、上述した送信元アドレス、送信先アドレス、通知種別情報、要求識別情報に加えて、仮想現実サービスの提供開始を拒絶する理由が付加情報として含まれる構成としても良い。
仮想現実サービス中断要求、仮想現実サービス再開要求、仮想現実サービス終了要求には、それぞれ中断、再開、終了に係る仮想現実サービスに割り当てられている上述の提供中仮想現実サービス管理番号が含まれる。当該仮想現実サービス中断要求、仮想現実サービス再開要求、仮想現実サービス終了要求をそれぞれ受け取った仮想現実サービス提供管理部1320は、当該要求に含まれる提供中仮想現実サービス管理番号で管理されている仮想現実サービスの中断処理、再開処理、終了処理を実行する。
仮想現実サービス中断通知情報、仮想現実サービス再開通知情報、仮想現実サービス終了通知情報には、それぞれ中断、再開、終了に係る仮想現実サービスを識別する提供仮想現実サービス識別情報と、当該仮想現実サービス用に割り当てられている提供中仮想現実サービス管理番号とが含まれる。当該サービス中断通知情報、サービス再開通知情報、サービス終了通知情報を受信したHMD装置300において、仮想現実提示制御部260は、指定される仮想現実サービスに係る仮想現実の提示の中断、再開、終了を制御する。
以上説明したように、本実施形態3に係る仮想現実サービス提供システム3000によれば、仮想空間に配置された仮想現実オブジェクトの挙動を制御する仮想現実オブジェクト挙動制御部を備えることで、ユーザに提示される仮想現実の世界に表される仮想現実オブジェクトが動作するため、より豊かな仮想現実の世界をユーザに提示することができる。
なお、上記説明では、HMD装置300は、光源352から照射された光がユーザ側へ反射され、LCD等のディスプレイを通過することで映像が表示される構成について説明したが、本発明のHMD装置は当該構成に限定されるものではない。例えば、表示部150として、LCD154の代わりにプロジェクション機構を備える構成としても良い。
図23は、プロジェクション機構の表示部150を有するHMD装置300におけるフロントパネル102の断面図を示している。フロントパネル102の上部に位置するセンターフレーム101cの内部にプロジェクション機構が表示部150として配置されている。
センターフレーム101cの内部上方に配置されている光源152より照射された白色光は、レンズ群155aによって集光された後、ポラライジングコンバータ(PLC)155bによって偏光成分が一方向に整えられたのち、第1反射ミラー155cによって垂直方向に反射される。第1反射ミラー155cで反射された白色光は、R反射ダイクロイックミラー155dによって赤色の光成分(R成分)だけが水平方向へ反射され、他の成分の光は、R反射ダイクロイックミラー155dを透過する。
R反射ダイクロイックミラー155dを透過した光は、G反射ダイクロイックミラー155eで緑色の光成分(G成分)だけが水平方向に反射され、残りの青色の光成分(B成分)はG反射ダイクロイックミラー155eを透過する。
G反射ダイクロイックミラー155eを透過したB成分の光は、第2反射ミラー155fで水平方向に反射され、更に第3反射ミラー155gで垂直上方へ反射され、第1液晶パネル155hを透過した後にクロスダイクロプリズム155jに入射される。
一方、R反射ダイクロイックミラー155dで反射されたR成分の光は、第4反射ミラー155kによって垂直方向に反射され、第2液晶パネル155mを透過した後にクロスダイクロプリズム155jに入射される。また、G反射ダイクロイックミラー155eで反射されたG成分の光は、第3液晶パネル155nを透過した後にクロスダイクロプリズム155jに入射される。
クロスダイクロプリズム155jは、分離されてそれぞれ液晶パネルを通過したR成分、G成分、B成分の3つの光を合成して水平方向に反射する。クロスダイクロプリズム155jより出力された合成光は、ガルバノミラー155pによって垂直方向に反射され、照射窓155qよりフロントパネル102へ照射される。ガルバノミラー155pは、クロスダイクロプリズム155jより出力された合成光を水平方向(y方向)に走査しながら反射する。
フロントパネル102のうち、照射窓155qの下方には透過型導光板153が配置されており、当該導光板153によって再度水平方向に反射された光がユーザの目の中へ入射される。ガルバノミラー155pによって水平方向に光が操作されているため、導光板153で反射される光は垂直方向(z方向)に走査される。
なお、図23における各部材は、x方向すなわち紙面垂直方向に長細い構成をとっており、右目用の映像におけるx方向の一列を纏めて表示する。当該一列の映像がガルバノミラー155pによってy方向に走査されて順次表示されることで、xz平面の2次元画像がフロントパネル102の導光板153に映し出されることになる。同様に、左目の上部にも同一のプロジェクション機構が配置されており、導光板153に左目用の映像が映し出される。このように、導光板153及びセンターフレーム101c内に格納されている右目用プロジェクション機構と左目用プロジェクション機構によって表示部が形成され、導光板153が表示パネルとして機能する。なお、左目用プロジェクション機構と右目用プロジェクション機構は共通化されていても良い。
また、センターフレーム101cには、視線カメラ121a、121bが配置されている。視線カメラ121aは、外部の光を集光するレンズ群121a−1と、集光した光を絞る絞り機構121a−2と、CCDやCMOS等の固体撮像素子121a−3などで構成される。固体撮像素子121a−3で光からアナログ電気信号に変換された後、AD変換器でデジタル信号に変換され、後続のDSP(Degital Signal Processor)で所定の補正処理及び符号化処理が行われた後、周囲状況情報として通信部130より仮想現実サービス提供サーバ3300へ送信される。
なお、上記説明ではHMD装置300が透過型ディスプレイを備える仮想現実提示装置である場合について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、図24に示すHMD装置300bのように、フロントパネル102は、遮蔽型のパネルであって外側に視線カメラ121a、121bが、内側に表示パネル151a、151bがそれぞれ配置される構成であっても良い。但し、この場合、フロントパネル302によってユーザの視界は遮蔽されているため、視線カメラ121a、121bでそれぞれ撮影された映像が表示パネル151a、151bに表示されることでユーザは前方の様子を見ることができる構成を取る。
図25は、図24に示したHMD装置300bの構成を示すブロック図である。HMD装置300bにおいて、表示制御部140は、映像復号処理部141と、映像合成処理部142とを備える。
映像復号処理部141は、仮想現実サービス提供サーバ3300で生成された映像の符号化データに対して復号処理を行うことで、仮想現実オブジェクトの映像を取得する。
映像合成処理部142は、視線カメラ121で撮影された前方景色画像に映像復号処理部141で取得された仮想現実オブジェクトの映像を合成することで、仮想現実の映像を生成する。具体的には、映像合成処理部142は、右視線カメラ121aで撮影された前方景色画像と右視点で生成された仮想現実オブジェクトの映像とを合成し、左視線カメラ121bで撮影された前方景色画像と左視点で生成された仮想現実オブジェクトの映像とを合成することで2つの映像を生成する。映像合成処理部142は、生成した2つの映像をそれぞれライト表示パネル151aとレフト表示パネル151bとにそれぞれ表示する。
なお、当該形態を取る場合は、周囲状況情報は仮想現実サービス提供サーバ3300へ送信されない構成としても良い。この場合、HMD装置300bは、図26に示すように構成されていても良い。図26に示すHMD装置300bにおいて、周囲状況検知部120は、視線カメラ121と視線補助カメラ123とを備える。
フロントパネル102の厚みを増やすと装着性が低下するため、フロントパネル102はできるだけ薄いことが好ましい。一方、フロントパネル102の厚みが薄いと、視線カメラ121における光学パスが十分確保取れないため、撮像される画像に比較的大きい歪みが生じる。そこで、フロントパネル102の外側前方に別途視線補助カメラ123を配置する。
表示制御部140は、映像復号処理部141と、映像合成処理部142と、視界映像生成処理部143と、境界特定処理部144と、を備える。映像復号処理部141は、仮想現実サービス提供サーバ3300で生成された仮想現実オブジェクトの映像の符号化データに対して復号処理を行うことで、当該仮想現実オブジェクトの映像を取得する。
視界映像生成処理部143は、視線カメラ121で撮影された映像と視線補助カメラ123で撮影された映像とを組み合わせることで歪みを補正し、ユーザの視界となる映像である視界映像を生成する。当該視界映像は、HMD装置300をつけていない場合にユーザが肉眼で見える視界の景色と略同一の景色の映像である。視界映像生成処理部143は、左目用の視界映像と右目用の視界映像とを生成する。
境界特定処理部144は、視界映像生成処理部143で生成されたユーザの視界の映像に対して境界判定処理を行うことで、当該映像に写っている各物体の境界と距離とを特定する。境界特定処理部144は、隣接する画素やブロックの色差信号の差が所定の基準値を超えて離れている場合に、当該部分が物体の境界であると判定し、左右2つの視界映像においてそれぞれ同一の物体が表示されている位置の差分から、当該物体までの距離を算出する。
映像合成処理部142は、視界映像生成処理部143で生成された左目用視界映像と右目用視界映像にそれぞれ映像復号処理部141で取得された左目用の仮想現実オブジェクトの映像と右目用の仮想現実オブジェクトの映像とを合成する処理を行う。
ここで、映像合成処理部142は、境界特定処理部144で特定された視界映像に含まれる物体の境界位置に基づいて、仮想現実オブジェクトの一部を境界に沿って削除する補正処理を行い、当該補正処理が行われた仮想現実オブジェクトの映像を視界映像と合成することで表示用の映像を生成する。これは、仮想現実オブジェクトの映像が仮想現実サービス提供サーバ3300で生成されるのに対し、視界映像がHMD装置300で生成されるため、合成する際にズレが生じる場合があるためである。
なお、当該構成の場合には、仮想現実オブジェクトまでの距離を示す距離情報が映像データと合わせて仮想現実サービス提供サーバ3300より送信される構成とすると更に良好である。この場合、映像合成処理部142は、当該距離情報で示される仮想現実オブジェクトの距離よりもユーザ側にある物体の境界で仮想現実オブジェクトの映像の一部を削除する補正処理を行った上で、視界映像と仮想現実オブジェクトの映像とを合成する。
例えば、仮想現実サービス提供サーバ3300で生成される映像に仮想現実オブジェクトA、B、Cが含まれているとして、当該仮想現実オブジェクトA、B、Cまでのユーザからの距離がそれぞれ2.1m、4.0m、4.8mであったとする。一方、境界特定処理部144における境界特定処理により、視界映像の中にそれぞれユーザの位置から1.0m、3.1m、4.5m、5.2m、8mの距離にある物体P、Q、R、S、Tが写っていることが特定されたとする。この場合、仮想現実オブジェクトAよりも物体Pだけがユーザにより近い位置にあるため、仮想現実オブジェクトAの映像から、物体Pと重なり合う部分の映像を削除する処理を行う。同様に、仮想現実オブジェクトBよりも、物体P、Qがユーザにより近い位置にあるため、仮想現実オブジェクトBの映像から、物体P、Qと重なり合う部分の映像を削除する処理を行う。同様に、仮想現実オブジェクトCの映像から物体P、Q、Rと重なり合う部分の映像を削除する処理を行う。
このように、表示制御部140は、仮想現実サービス提供サーバ3300で生成された仮想現実オブジェクトの映像を、ユーザの視界に入る物体に基づいて補正を行い、補正処理後の仮想現実オブジェクトの映像を表示パネル151a、151bにそれぞれ表示する制御を行うことで、仮想現実オブジェクトがより自然な状態でユーザの周囲の景色と同化するため、高い現実感を有する仮想現実の世界をユーザに提示することが可能となる。
なお、非透過型のディスプレイを備えるHMD装置の構成として、図27に示すHMD装置300cの形態とすることも可能である。HMD装置300cは、非透過型のディスプレイである点を除き、図8に示すHMD装置300と同一の構成を取る。
一方、仮想現実サービス提供サーバ3300において、表示映像生成処理部1350は、視点制御部1351と、光源制御部1352と、描画処理部1353と、符号化処理部1354と、映像合成処理部1355と、を備える。
視点制御部1351は、ユーザ状態情報で示されるユーザの目の位置(視線カメラの位置)に基づいて仮想空間における視点位置及び視線方向を制御する。光源制御部1352は、画像解析処理部2360における画像解析結果に基づいて光源位置及び光源の強さ(照度)を制御する。
描画処理部1353は、視点制御部1351及び光源制御部1352でそれぞれ制御される視点及び光源に基づいて、仮想空間に配置されている仮想現実オブジェクトの映像を生成する。
映像合成処理部1355は、視線カメラ121で撮影された前方景色映像に描画処理部1353で生成された仮想現実オブジェクトの映像を合成することでHMD装置300cの表示パネル151a、151bでそれぞれ表示される映像を生成する。
ここで、合成とは前方景色映像の上に仮想現実オブジェクトの映像をのせることで、前方景色映像と仮想現実オブジェクトの映像を合成する。すなわち、前方景色映像のうち、仮想現実オブジェクトに対応する画素を、仮想現実オブジェクトの映像の画素に置換することで、これら2つの映像を合成する。但し、仮想現実オブジェクトを半透明として表示する場合は、前方景色映像の画素の値と仮想現実オブジェクトの映像の画素の値との平均値や片方に重み付けをして足し合わせた値で画素の値を置換することでこれら2つの映像を合成する構成としても良い。
また、前方景色映像の境界特定処理によって前方景色映像に写る物体と仮想現実オブジェクトの位置関係とを判定し、仮想現実オブジェクトよりも前方に位置する物体を優先して、仮想現実オブジェクトの一部を削除する処理を行っても良い。
映像合成処理部1355における合成処理によって生成された映像は、映像符号化処理部1354によって映像符号化データに変換され、通信部1310よりHMD装置300cへ送信される。
なお、上述した仮想現実サービス提供サーバ3300で行われる各処理は1台のサーバで行われても良いし、複数のサーバが協働して行う構成としても良い。例えば、図28に示す仮想現実サービス提供システム3000では、仮想現実サービスを提供する仮想現実サービス提供サーバ3300と、HMD装置300において周囲状況情報として取得された画像を解析する画像解析サーバ3600と、HMD装置300において入力された音声を解析する音声解析サーバ3700と、ユーザに対する応答のコンテキストを生成する応答コンテキスト生成サーバ3800と、音声を合成する音声合成サーバ3900と、を備えている。
画像解析処理サーバ3600は、HMD装置300で撮影された画像を入力し、境界特定処理、物体特定処理、物体距離算出処理、物体モデル化処理等を行い、物体の種類、物体の位置、物体までの距離、物体のモデルデータ等を生成する。
境界特定処理は、同一画像における隣接ブロックや隣接画素を比較することで、物体の境界であるかを判定する。物体特定処理は、予め基準物体データベースに記憶している各物体の画像とのパターンマッチング処理を行うことで、相関値が所定の基準値以上である画像の物体であると判定する。物体距離算出処理は、複数のカメラで撮影された画像に写る物体の画素位置の差分に基づいて距離を算出する。モデル化処理は、境界特定処理で特定された境界に沿って、各物体を抽出し、当該物体の形状の頂点座標を求めて3Dポリゴンデータを生成することで当該物体のモデルデータを取得する。
音声解析処理サーバ3700は、HMD装置300で入力された音声データを入力し、当該音声データに含まれる特徴量に基づいて、当該音声データを時系列に複数の音素データに分割する。分割された各音素データを、基準音素データベースに記憶している基準音素データとマッチング処理を行うことで、分割した音素データがどの音であるかを特定する。各基準音素データには、当該音素データの音を示す符号と対応付けられているため、入力した音声データが符号列に変換される。音声解析処理サーバ3700は、単語データベースに記憶されている単語に対応付けられている符号と、符号列との間でマッチング処理を行うことで、変換された符号列を意味のある単語の羅列に変換し、入力した音声のコンテキストを取得する。
また、音声解析処理サーバ3700は、入力した音声の音声レベルやピッチに基づいて感情要素を抽出する。例えば、入力した音声における感情要素を、「喜怒哀楽」の5段階評価に分類する。例えば、音声解析処理サーバ3700は、高いピッチの音声の感情要素を「楽5」として抽出する。また、例えば、音声解析処理サーバ3700は、低いピッチで音声レベルの低い音声の感情要素を「哀2」として抽出する。
音声解析処理サーバ3700は、取得したコンテキストや抽出した感情要素を応答コンテキスト生成サーバ3800に出力する。
応答コンテキスト生成サーバ3800は、音声解析処理サーバ3700で取得されたコンテキストや感情要素を入力し、HMD装置300で入力された音声に対する応答コンテキストを生成する。ここで、応答コンテキスト生成サーバ3800は、仮想現実コンテンツ記憶DB3200に記憶されている仮想現実オブジェクトの人格制御プログラムを読み出して実行しており、音声解析処理サーバ3700より入力されるコンテキストや感情要素に基づいて、応答コンテキストを生成する。応答コンテキスト生成サーバ3800は、生成した応答コンテキストを音声合成処理サーバ3900に出力する。
音声合成処理サーバ3900は、応答コンテキスト生成サーバ3800で生成された応答コンテキストに従って仮想現実コンテンツ記憶DB3200に記憶されている上記仮想現実オブジェクトに対応付けられている基礎音声データを組み合わせることで、合成音声データを生成する。
仮想現実サービス提供サーバ3300は、仮想空間に仮想現実オブジェクトを配置し、ユーザ状態情報に基づいて制御された視点からの仮想現実オブジェクトの映像を生成する。仮想現実サービス提供サーバ3300は、生成した映像や音声合成処理サーバ3900で生成された合成音声データを符号化してHMD装置300へ送信する。また、仮想現実サービス提供サーバ3300は、仮想現実コンテンツ記憶DB3200から読み出した音声データを符号化してHMD装置300へ送信する。HMD装置300は、これら仮想現実オブジェクトの映像を表示したり、音声データを再生したりすることで仮想現実の世界をユーザに提示する。このように構成されていても良い。
(実施形態4)
本発明は、ユーザに対して仮想現実の世界を提示する。人間は、5感を用いて外界で起きている事象を感知するが、通常時では視覚による情報取得量が最も多いため、仮想現実の世界を提示するために、ユーザが装着している仮想現実提示装置の表示部に仮想現実オブジェクトの映像を表示する。ここで、当該表示に必要となる各処理は、仮想現実提示装置で行われても良いし、処理能力の高い外部のサーバで行われても良い。どこで処理が行われるかは、仮想現実提示装置の処理能力や記憶容量、消費電力等に基づいて決定されるものであって、ユーザに提示される仮想現実の世界には大きな影響を与えるものではない。すなわち、どのように処理を仮想現実提示装置と外部の情報処理サーバとの間で分担するかは、適宜仮想現実提示装置の能力に応じて決定される構成とすることができ、仮想現実を提示する仮想現実提示システムとしてはどのような処理分担を行っても同一のシステムとなる。
図29は、本実施形態4に係る仮想現実提示システム4000の構成を示すブロック図である。仮想現実提示システム4000は、少なくとも、ユーザ状態検知部410と、仮想現実コンテンツ記憶部420と、視点制御部430と、描画処理部440と、表示部450と、を備える。
ユーザ状態検知部410は、上述したユーザ状態検知部110と対応しており、ユーザの現在の状態を検知する。ユーザ状態検知部410は、ユーザの状態としてユーザの頭部の傾きを検知する傾きセンサ、ユーザの頭部の加速度を検知する加速度センサ、ユーザの速度を検知する速度センサ、GPS等を利用してユーザの現在位置を検出する位置検出部、などの一部又は全部を組み合わせることで構成される。
仮想現実コンテンツ記憶部420は、上述した仮想現実コンテンツ記憶DB3200と対応しており、少なくとも仮想現実オブジェクトを含む仮想現実コンテンツを記憶する。
視点制御部430は、視点制御部1351と対応しており、ユーザ状態検知部410で検知されたユーザの状態に基づいて、仮想現実オブジェクトの描画処理における視点を制御する。視点制御部430は、ユーザ状態検知部410におけるユーザの状態に基づいて、視点の位置及び視点の方向(視線)を算出する。視点制御部430は、ユーザの右目に対応する第1視点とユーザの左目に対応する第2視点の少なくとも2つの視点を制御する。ここで、第1視点と第2視点の位置及び視線は、連動している。第1視点と第2視点は予め設定された距離だけ離れており、第1視点及び第2視点の方向(視線)は同一方向となる。
描画処理部440は、描画処理部1353と対応しており、視点制御部430で制御される視点に基づいて、仮想現実コンテンツ記憶部420より読み出された仮想現実オブジェクトを描画する処理を行う。描画処理部440は、視点制御部430で制御される第1視点と第2視点の2つの視点に基づいて、仮想現実オブジェクトを描画することで、同一の仮想現実オブジェクトの2つ映像を生成する。但し、描画処理部440は、第1視点と第2視点とは連動しているため、独立して描画処理を行う必要はなく、第1視点に基づいて描画された第1映像に補正処理を行うことで第2映像を生成しても良い。描画処理部440は、仮想現実オブジェクトを含む映像を生成する処理を行うため、映像生成処理部と称されることがある。
表示部450は、上述した表示部150と対応しており、描画処理部440で描画された映像を表示する。表示部450は、具体的にユーザの左目と右目の前方に配置されている2枚の表示パネルであって、描画処理部440で生成された仮想現実オブジェクトの2つの映像をそれぞれ表示する。
なお、視点制御部430が行う視点制御は、表示部450に表示される仮想現実オブジェクトの位置を制御するものでもあるため、仮想現実オブジェクト表示位置制御部と称されることがある。
図30は、仮想現実提示システム4000の動作の流れを示すフローチャート図である。ユーザ状態検知部410が新たにユーザの状態を検知した場合(ステップS401でYes)、視点制御部430は、当該検知された最新のユーザの状態に基づいて視点を制御する(ステップS402)。次のフレームタイミングが到達した場合(ステップS403でYes)、描画処理部440は仮想現実オブジェクトの映像を生成する(ステップS404)。表示部450は、ステップS404で生成された映像を表示する(ステップS405)。
当該構成によれば、現実の世界の挙動と対応する仮想現実の世界をユーザに提示することが可能となる。
(実施形態5)
実施形態4で行われる視点制御は、仮想現実の世界を提示するために必須の制御である。一方、現実の世界が夜で暗いにもかかわらず、表示される仮想現実オブジェクトの輝度が高すぎる場合など、仮想現実オブジェクトの輝度と現実の世界における物体表面の輝度が異なると、ユーザに違和感を生じさせることになる。本実施形態5は、当該輝度のずれを修正する機能を備えていることを特徴とする。
図31は、本実施形態5に係る仮想現実提示システム5000の構成を示すブロック図である。仮想現実提示システム5000は、少なくとも、ユーザ状態検知部410と、仮想現実コンテンツ記憶部420と、視点制御部430と、描画処理部440と、表示部450と、周囲状況検知部510と、光源制御部520と、を備える。
周囲状況検知部510は、上述した周囲状況検知部120と対応しており、ユーザの周囲の状況を検知する。具体的に、周囲状況検知部510は、ユーザの周囲の明るさ(照度)を検知する。周囲状況検知部510は、ユーザの視線方向を撮影する視線カメラやユーザの左右上下や後方などユーザの周囲を撮影する周囲カメラ、その他、外界の明るさを検知する光センサなどで構成される。
光源制御部520は、上述した光源制御部1352と対応しており、周囲状況検知部420で検知されたユーザの周囲の状況に基づいて、仮想現実オブジェクトの描画処理における光源を制御する。具体的には、光源制御部520は、周囲状況検知部510において検知されたユーザの周囲の明るさ(照度)に基づいて、光源の輝度を算出する。なお、周囲状況検知部510が視線カメラなど位置分解能を有する画像を撮影することでユーザの周囲の状況を検知する場合は、光源制御部520は、周囲状況検知部510において撮影された画像に基づいて、光源の輝度及び光源の位置を算出する。
描画処理部440は、視点制御部430で制御される視点と光源制御部520で制御される光源とに基づいて、仮想現実コンテンツ記憶部420より読み出された仮想現実オブジェクトを描画する処理を行う。描画処理部440は、光源制御部520で制御される光源に基づいて、仮想現実オブジェクトの表面の輝度を算出するシェーディング処理を行う。描画処理部440は、シェーディング処理によって表面の輝度が調整された仮想現実オブジェクトの映像を生成する。
図32は、仮想現実提示システム5000の動作の流れを示すフローチャート図である。ユーザ状態検知部410が新たにユーザの状態を検知した場合(ステップS401でYes)、視点制御部430は、当該検知された最新のユーザの状態に基づいて視点を制御する(ステップS402)。
光源制御部510は、新たに光源を制御するか、すなわち、光源の配置関係や輝度を更新するかを判定する(ステップS501)。光源を制御すると判定した場合、光源制御部510は、周囲状況検知部510で検知されるユーザの周囲の状況に基づいて、光源を制御する、すなわち、光源に関する設定を更新する(ステップS502)。なお、光源制御部510は、予め定められた時間間隔で当該更新を行っても良いし、周囲状況検知部510で検知される周囲の状況に所定の基準以上の変化があった場合に、光源の配置関係や光源の輝度など、光源に関する設定を更新する構成としても良い。
次のフレームタイミングが到達した場合(ステップS403でYes)、描画処理部440は仮想現実オブジェクトの映像を生成する(ステップS404)。具体的には、描画処理部440は、シェーディング処理を行い、仮想現実オブジェクトの表面の輝度を算出した上で当該算出された輝度で表される仮想現実オブジェクトの映像を生成する。表示部450は、ステップS404で生成された映像を表示する(ステップS405)。
以上のように、本実施形態5に係る仮想現実提示システム5000では、視点制御に加えて光源制御を行うことで、より現実感のある仮想現実の世界をユーザに提示することが可能となる。
(実施形態6)
仮想現実提示システムでは、現実の世界の所定の位置にあるように表示部に仮想現実オブジェクトの映像を表示する。しかしながら、当該所定の位置とユーザとの間に、ユーザの腕などが入り込んだ場合に、本来は当該腕に隠されて見えなくなるべき仮想現実オブジェクトが表示部に表示され続けると、現実の世界と仮想現実の世界との間で乖離が生じ、現実感が低下することになる。本実施形態6は、このように、仮想現実オブジェクトとユーザの位置との間に現実の物体が入り込んだ場合に、仮想現実の世界の挙動と現実の世界の挙動とが一致するように制御を行うことを特徴とする。
図33は、本実施形態6に係る仮想現実提示システム6000の構成を示すブロック図である。仮想現実提示システム6000は、少なくとも、ユーザ状態検知部410と、仮想現実コンテンツ記憶部420と、視点制御部430と、描画処理部440と、表示部450と、周囲状況検知部510と、光源制御部520と、物体特定部610を備える。
物体位置特定部610は、上述した物体位置特定部2361と対応しており、周囲状況検知部510で検知されたユーザの周囲の状況に基づいて、少なくともユーザの前方にある物体の位置を特定する。
描画処理部440は、視点制御部430で制御される視点と光源制御部520で制御される光源と物体位置特定部610で特定される物体の位置とに基づいて、仮想現実コンテンツ記憶部420より読み出された仮想現実オブジェクトを描画する処理を行う。描画処理部440は、物体位置特定部610で特定される物体の位置に基づいて、仮想現実オブジェクトの一部又は全部を隠す陰面処理を行う。描画処理部440は、陰面処理によって一部又は全部が隠された仮想現実オブジェクトの映像を生成する。
図34は、仮想現実提示システム6000の動作の流れを示すフローチャート図である。ユーザ状態検知部410が新たにユーザの状態を検知した場合(ステップS401でYes)、視点制御部430は、当該検知された最新のユーザの状態に基づいて視点を制御する(ステップS402)。
光源制御部510は、新たに光源を制御するか、すなわち、光源の配置関係や輝度を更新するかを判定する(ステップS501)。光源を制御すると判定した場合、光源制御部510は、周囲状況検知部510で検知されるユーザの周囲の状況に基づいて、光源を制御する、すなわち、光源に関する設定を更新する(ステップS502)。
物体位置特定部610は、周囲状況検知部510で検知されたユーザの周囲の状況に基づいて、ユーザの周囲にある物体の位置を特定する(ステップS601)。具体的には、物体位置特定部610は、周囲状況検知部510で撮影された画像に基づいて、ユーザの周囲にある物体の位置を特定する。物体位置特定部610は、ユーザの周囲にある物体の種類や配置関係等を特定する構成とすると更に良好である。
次のフレームタイミングが到達した場合(ステップS403でYes)、描画処理部440は仮想現実オブジェクトの映像を生成する(ステップS404)。具体的には、描画処理部440は、ステップS601で特定された物体の位置に基づいて、仮想現実オブジェクトの一部又は全部を隠す陰面処理を行い、陰面処理で一部又は全部が隠されている仮想現実オブジェクトの映像を生成する。表示部450は、ステップS404で生成された映像を表示する(ステップS405)。
当該構成とすることで、仮想現実の世界と現実の世界の挙動を一致させることができ、より高い現実感を有する仮想現実の世界をユーザに提示することができる。
(実施形態7)
仮想現実提示システムでは、現実の世界の所定の位置にあるように表示部に仮想現実オブジェクトの映像を表示する。仮想現実オブジェクトが花瓶や建物のような静的なオブジェクトである場合は特に問題とならないが、仮想現実オブジェクトが人間などである場合は、仮想現実の世界の中で動作を行えなければ単なる人形が置かれているような状況となり、仮想現実の世界の現実感が低下することになる。本実施形態7は、仮想現実オブジェクトが、現実の世界で対応する人間等と同じように仮想現実の世界で表されるように制御することを特徴とする。
図35は、本実施形態7に係る仮想現実提示システム7000の構成を示すブロック図である。仮想現実提示システム7000は、少なくとも、ユーザ状態検知部410と、仮想現実コンテンツ記憶部420と、視点制御部430と、描画処理部440と、表示部450と、周囲状況検知部510と、光源制御部520と、物体特定部610と、仮想現実管理部710と、仮想空間設定部720と、仮想現実オブジェクト配置部730と、仮想現実オブジェクト挙動制御部740と、を備える。
仮想現実管理部710は、上述の仮想現実サービス提供管理部1320に対応し、仮想現実の提示の開始処理や終了処理を行うことでユーザに仮想現実の世界を提示することを管理する。
仮想空間設定部720は、上述の仮想現実サービス制御部3330に対応し、仮想現実オブジェクトを配置する仮想空間を設定する。仮想空間設定部720は、仮想現実管理部710で新たに仮想現実の提示を開始すると決定された場合に、新たに仮想空間を生成する。
仮想現実オブジェクト配置部730は、上述の仮想現実オブジェクト配置位置決定部1340や仮想現実サービス制御部3330に対応し、仮想空間設定部720が設定した仮想空間に、仮想現実コンテンツ記憶部420より読み出した仮想現実オブジェクトを配置する。仮想現実オブジェクト配置部730は、周囲状況検知部510で検知されるユーザの周囲の状況やユーザ状態検知部410で検知されるユーザの状態に基づいて、仮想空間における仮想現実オブジェクトの配置位置を決定して配置する構成とすることが好ましい。
仮想現実オブジェクト挙動制御部740は、上述の仮想現実オブジェクト挙動制御部3370に対応し、仮想空間設定部720が設定した仮想空間に仮想現実オブジェクト配置部730によって配置されている仮想現実オブジェクトの挙動を制御する。仮想現実オブジェクト挙動制御部740は、仮想現実オブジェクトに設定されている関節ポイントの角度や位置を変化させることで、仮想現実オブジェクトの外観形状を変化させたり、仮想現実オブジェクトの表面に張り付けられるテキスチャーを変更したりすることで、仮想現実オブジェクトの挙動を制御する。
描画処理部440は、仮想現実オブジェクト挙動制御部740によって挙動が制御される仮想現実オブジェクトを視点制御部430で制御される視点に基づいて描画することで、当該挙動が制御されている仮想現実オブジェクトの映像を生成する。
図36は、仮想現実提示システム7000の動作の流れを示すフローチャート図である。仮想現実管理部710は、新たに仮想現実の提示を開始するかを判定する(ステップS701)。ステップS701で新たに仮想現実の提示を開始すると判定された場合、仮想空間設定部720は、新たに仮想空間を設定する(ステップS702)。
次に、仮想現実オブジェクト配置部730は、ステップS702で設定された仮想空間に、仮想現実コンテンツ記憶部420より読み出した仮想現実オブジェクトを配置する(ステップS703)。仮想現実の世界を提示している最中であっても、仮想現実オブジェクト配置部730は、必要に応じて新たな仮想現実オブジェクトを追加して仮想空間に配置する。
仮想現実オブジェクト挙動制御部730は、ステップS703で仮想空間に配置された仮想現実オブジェクトの挙動を制御するかどうか、すなわち仮想現実オブジェクトの外観形状を変形させるかを判定する(ステップS704)。仮想現実オブジェクトの挙動を制御すると判定した場合、仮想現実オブジェクトの挙動を制御する、すなわち、仮想現実オブジェクトの外観形状を変化させる(ステップS705)。
ユーザ状態検知部410が新たにユーザの状態を検知した場合(ステップS401でYes)、視点制御部430は、当該検知された最新のユーザの状態に基づいて視点を制御する(ステップS402)。
光源制御部510は、新たに光源を制御するか、すなわち、光源の配置関係や輝度を更新するかを判定する(ステップS501)。光源を制御すると判定した場合、光源制御部510は、周囲状況検知部510で検知されるユーザの周囲の状況に基づいて、光源を制御する、すなわち、光源に関する設定を更新する(ステップS502)。
物体位置特定部610は、周囲状況検知部510で検知されたユーザの周囲の状況に基づいて、ユーザの周囲にある物体の位置を特定する(ステップS601)。具体的には、物体位置特定部610は、周囲状況検知部510で撮影された画像に基づいて、ユーザの周囲にある物体の位置を特定する。物体位置特定部610は、ユーザの周囲にある物体の種類や配置関係等を特定する構成とすると更に良好である。
次のフレームタイミングが到達した場合(ステップS403でYes)、描画処理部440は仮想現実オブジェクトの映像を生成する(ステップS404)。具体的には、描画処理部440は、ステップS601で特定された物体の位置に基づいて、仮想現実オブジェクトの一部又は全部を隠す陰面処理を行い、陰面処理で一部又は全部が隠されている仮想現実オブジェクトの映像を生成する。表示部450は、ステップS404で生成された映像を表示する(ステップS405)。
仮想現実管理部710は、仮想現実の提示を終了するかを判定する(ステップS707)。仮想現実の提示を終了すると判定した場合に、システムの各部へ処理や制御を終了する指示を出して仮想現実の提示を終了する。一方、仮想現実の提示を終了しない場合は、ステップS703へ戻る。
当該構成とすることで、仮想現実の世界の中で仮想現実オブジェクトが動くことにより、より現実感のある仮想現実の世界を提示することが可能となる。
なお、仮想現実提示システムにおける各機能は、一部又は全部が仮想現実提示装置に、残りの一部が仮想現実サービス提供サーバによって実現される。
なお、ユーザ状態検知部410や周囲状況検知部510は、ユーザが身に着ける仮想現実提示装置に配置されているものに限定されるものではない。例えば、図37に示すように、仮想現実の提示を受けたいユーザが仮想現実提示装置を身に着けた状態で仮想現実体験ドームに入り、仮想現実の提示を受ける構成とすることもできる。仮想現実体験ドームには、ユーザの状態を検知するセンサやユーザの周囲の状況を検知するセンサが複数設けられており、当該センサで検知された情報は、仮想現実サービス提供サーバへ送られる。
また、図38に示すように、仮想現実提示装置は、頭部に装着するHMD装置と、頭部以外の上半身に装着する制御処理装置とが接続ケーブルで接続される構成とすることができる。頭部に装着するHMD装置側にはできるだけ少ない機能のみを搭載し、バッテリーやCPU等は制御処理装置側に配置する。制御処理装置は、腰に巻きつけるように装着する構成としても良いし、肩から背負う構成としても良い。当該構成とすることで、ユーザに疲労感を感じさせることなく長時間の仮想現実の世界の堪能が可能となる。但し、バッテリー技術の進歩又は半導体集積技術の進歩により、長時間使用可能な小型バッテリーをHMD装置に搭載可能であれば、HMD装置に当該小型バッテリーを搭載する形態の方が、装着性が高まるため好ましい。
なお、上述した透過型HMD装置では、仮想現実の映像が表示パネルに表示されるものの、外部よりHMD装置を透過した光が混ざって見えてしまうため、仮想現実オブジェクトが透き通ってしまう。そこで、図39に示すように、導光板の外側に液晶パネルを配置する構成とするとさらに良好である。
図40は、当該構成の断面図の拡大図である。外側から第1偏光板、第1透明電極、第1配向膜、液晶層、第2配向膜、第2透明電極、第2偏光板、導光板、の順にフロントパネルに配置され、プロジェクション機構がフロントパネルの縁にあたる上部に配置されている。なお、プロジェクション機構は、フロントパネルの下部に配置されていても良いし、フロントパネルの左右両側に配置されていても良い。
なお、図41に示すように、外側から第1偏光板、第1透明電極、第1配向膜、液晶層、第2配向膜、第2透明電極導光板、第2偏光板の順にフロントパネルに配置される構成であっても良い。この場合、プロジェクション機構から照射された映像も第2偏光板で偏光方向が整えられるため、外界から液晶パネルを透過してきた光と、プロジェクション機構から照射された光の間で同様の雰囲気を生じるため、より現実感のある仮想現実の世界を提示することができる。
なお、図42に示すように、プロジェクション機構の代わりに光源が配置される場合、フロントパネルには、外側液晶パネルと内側液晶パネルが導光板を挟んで配置されていても良い。この場合、図43の拡大図が示すように、外側から第1偏光板、第1透明電極、第1配向膜、液晶層、第2配向膜、第2透明電極、導光板、第3透明電極、第3配向膜、液晶層、第4配向膜、第4透明電極、カラーフィルタ、第3偏光板の順に配置される。なお、光源の前方に第2配向板が配置される。従って、外界からの光は第1偏光板と第3偏光板を、光源からの光は、第2偏光板と第3偏光板を透過することになる。
なお、図44に示すように、導光板の外側に外界の光の透過を制御する外側液晶パネルが配置され、光源の前方に仮想現実用の映像を制御する光源側液晶パネルが配置されていても良い。光源側液晶パネルは、光源と共にセンターフレーム内に格納されている。この場合、外側液晶パネルと光源側液晶パネルは略垂直な位置関係で配置されている。
なお、上記構成とすると、外界の光が偏光板によって一部さえぎられて暗くなってしまうため、図45のように、光源と導光板の間に液晶パネルを配置し、外界の光は偏光板を透過しない構成とすることで明るさを確保する構成とすると良い。図45において、液晶パネルは、例えば、第1偏光板、第1透明電極、第1配向膜、液晶層、第2配向膜、第2透明電極、カラーフィルタ、第2偏光板の順に積層される構成とすることができる。
また、上述した各実施形態は、本発明の一実施例を示したものであり、適宜変更が可能である。例えば、上述した各実施形態を組み合わせることが可能である。
また、上述した各部はハードウェアによって実現されていても良いし、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにプログラムを実行させることにより、ハードウェアとソフトウェアの協働で実現されていても良い。
また、上記説明では、少なくともユーザの目の前方に配置される表示部(表示パネル)に仮想現実オブジェクトの映像を表示することで仮想現実を提示する場合について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、位置分解能を有する磁場発生装置をユーザの脳に照射することで、脳内の特定の領域を刺激してユーザが眼球を通じることなく映像を視ることができる構成としても良い。但し、この場合、少なくとも脳内の現在の神経ネットワークの結合構成等を予め把握しておく必要がある。しかしながら、究極的には、仮想現実提示装置はユーザの脳に直接刺激を与える構成に到達するものと考えられる。
また、上述した周囲状況検知部としては、音響ソナーや超音波センサを用いることも可能である。また、周囲状況検知部は、他人の現在位置を示す位置情報を取得することで、ユーザの周囲の状況として、ユーザの周囲にいている人間の存在を検知する構成としても良い。他人の位置情報は、例えば当該他人が所有している携帯端末で取得される位置情報を入手する構成としても良い。その他、車に取り付けられた電磁波発生装置から放射される電磁波に基づいて周囲を走っている車の存在を検知しても良い。
また、上述した仮想現実提示装置は、仮想現実以外の情報を表示するHMD装置としても利用することが可能である。
また、本発明は以下の形態を取ることが可能である。
(付記1)(システム基本設計)
複数の仮想現実オブジェクトを記憶する仮想現実オブジェクト記憶手段と、
ユーザが利用可能な仮想現実サービスを示す情報を記憶する利用可能仮想現実サービス情報記憶手段と、
前記ユーザが利用する仮想現実サービスに用いる仮想現実オブジェクトを前記仮想現実オブジェクト記憶手段より読み出す仮想現実オブジェクト読み出し手段と、
ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報に基づいて、仮想現実空間における前記仮想現実オブジェクトの配置位置を決定する仮想現実オブジェクト配置位置決定手段と、
ユーザの状態を示すユーザ状態情報と前記仮想現実オブジェクトの配置位置とに基づいて、ユーザが頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ装置の表示パネルに表示される映像を生成する表示映像生成手段と、
を備える仮想現実サービス提供システム。
(付記2)(システム基本設計)
前記ヘッドマウントディスプレイ装置より前記周囲状況情報と前記ユーザ状態情報を受信する受信手段と、
前記表示映像生成手段で生成された映像を符号化する映像符号化手段と、
前記符号化された映像を前記ヘッドマウントディスプレイ装置へ送信する送信手段と、
を更に備える付記1に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記3)(視線カメラ)
前記周囲状況情報として、前記ヘッドマウントディスプレイ装置は、前方を撮影することで前方景色画像を取得する視線カメラを備えることを特徴とする、
付記1又は2に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記4)(周囲カメラ)
前記周囲状況情報として、前記ヘッドマウントディスプレイ装置は、前記視線カメラの撮影範囲外の方向を撮影することで周囲景色画像を取得する周囲カメラを備えることを特徴とする、
付記3に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記5)(傾きセンサ)
前記ユーザ状態情報として、前記ヘッドマウントディスプレイ装置は、ユーザの頭部の傾きを検知することで傾き情報を取得する傾きセンサを備えることを特徴とする、
付記1〜4のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記6)(加速度センサ)
前記ユーザ状態情報として、前記ヘッドマウントディスプレイ装置は、ユーザの頭部の移動に伴う加速度を検知することで加速度情報を取得する加速度センサを備えることを特徴とする、
付記1〜5のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記7)(方位センサ)
前記ユーザ状態情報として、前記ヘッドマウントディスプレイ装置は、ユーザの頭部が向いている方位を検知することで方位情報を取得する方位センサを備えることを特徴とする、
付記1〜6のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記8)(位置情報:GPS)
前記ユーザ状態情報として、前記ヘッドマウントディスプレイ装置は、ユーザの位置を検出することで位置情報を取得する位置情報取得部を備えることを特徴とする、
付記1〜7のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記9)(ユーザ音声入力)
前記ヘッドマウントディスプレイ装置は、ユーザが発する音声を入力してユーザ音声情報を生成するユーザ音声入力部を備えることを特徴とする、
付記1〜8のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記10)(ユーザ音声入力)
前記ヘッドマウントディスプレイ装置は、ユーザの周囲の音声を入力して周囲音声情報を生成する周囲音声入力部を備えることを特徴とする、
付記1〜9のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記11)(仮想現実サービス提供開始)
前記ユーザに仮想現実サービスの提供を開始することを決定する仮想現実サービス開始決定手段を備え、
前記仮想現実サービス開始決定手段で仮想現実サービスの提供を開始すると決定された場合に、前記仮想現実オブジェクト読み出し手段は、前記ユーザに提供する仮想現実サービスに用いる仮想現実オブジェクトを前記仮想現実オブジェクト記憶手段より読み出すことを特徴とする付記1〜10のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記12)(ユーザからの要求に応じてサービス開始)
前記受信手段は、仮想現実サービスの提供開始を要求するサービス開始要求を受信し、
前記仮想現実サービス開始決定手段は、前記受信手段で前記サービス開始要求が受信された場合に、前記サービス開始要求の要求元ユーザに仮想現実サービスの提供を開始すると決定する、
付記11に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記13)(音声で開始要求を入力)
前記受信手段は、ヘッドマウントディスプレイ装置で入力されたユーザの音声を含むユーザ音声情報を受信し、
前記ユーザ音声情報に含まれるユーザの音声を解析してコンテキストを取得するコンテキスト取得手段を更に備え、
前記仮想現実サービス開始決定手段は、前記コンテキスト取得手段で取得されたコンテキストが仮想現実サービスの開始を要求するものである場合に、前記ユーザに仮想現実サービスの提供を開始すると決定する、
付記11に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記14)(仮想現実サービス提供開始可否判定)
前記仮想現実サービスの提供を開始するための条件となるサービス提供開始条件を記憶するサービス提供開始条件記憶手段を備え、
前記仮想現実サービス開始決定手段は、前記受信手段で受信された周囲状況情報が示すユーザの周囲の状況が前記サービス提供開始条件を満たしている場合に、前記ユーザに仮想現実サービスの提供を開始すると決定する、
付記11〜13のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記15)(サービス開始可能位置)
前記サービス提供開始条件記憶手段は、前記仮想現実サービスの提供を開始するための条件として、前記仮想現実サービスの提供を受けることができる位置範囲を示すサービス利用可能位置範囲を記憶し、
前記受信手段は、前記周囲状況情報として、少なくとも前記ユーザの現在の位置を示す位置情報を受信し、
前記仮想現実サービス開始決定手段は、前記受信手段で受信された周囲状況情報である前記位置情報が示すユーザの現在位置が前記サービス利用可能位置範囲内である場合に、前記ユーザに仮想現実サービスの提供を開始すると決定する、
付記14に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記16)(仮想現実サービス提供開始通知)
前記送信手段は、前記仮想現実サービス開始決定手段で前記ユーザに仮想現実サービスの提供を開始すると決定された場合に、前記仮想現実サービスの提供の開始を通知するサービス開始通知情報を前記ユーザのヘッドマウントディスプレイ装置へ送信する、
付記11〜15のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記17)(仮想現実サービス提供終了)
前記ユーザに提供中の仮想現実サービスを終了することを決定する仮想現実サービス終了決定手段を備え、
前記仮想現実サービス終了決定手段で仮想現実サービスの提供を終了すると決定された場合に、前記仮想現実オブジェクト読み出し手段は、前記ユーザが利用可能な仮想現実サービスに用いる仮想現実オブジェクトを前記仮想現実オブジェクト記憶手段より読み出すことを特徴とする付記1〜16のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記18)(仮想現実サービス提供終了通知)
前記送信手段は、前記仮想現実サービス終了決定手段で前記ユーザに提供中の仮想現実サービスの提供を終了すると決定された場合に、前記仮想現実サービスの提供の終了を通知するサービス終了通知情報を前記ユーザのヘッドマウントディスプレイ装置へ送信する、
付記17に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記19)(ユーザからの要求に応じてサービス終了)
前記受信手段は、仮想現実サービスの提供終了を要求するサービス終了要求を受信し、
前記仮想現実サービス終了決定手段は、前記受信手段で前記サービス終了要求が受信された場合に、前記サービス終了要求の要求元ユーザに提供中の仮想現実サービスの提供を終了すると決定する、
付記17又は18に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記20)(音声で終了要求を入力)
前記受信手段は、ヘッドマウントディスプレイ装置で入力されたユーザの音声を含むユーザ音声情報を受信し、
前記ユーザ音声情報に含まれるユーザの音声を解析してコンテキストを取得するコンテキスト取得手段を更に備え、
前記仮想現実サービス終了決定手段は、前記コンテキスト取得手段で取得されたコンテキストが仮想現実サービスの終了を要求するものである場合に、前記ユーザに提供中の仮想現実サービスの提供を終了すると決定する、
付記17〜19のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記21)(仮想現実サービス提供終了可否判定)
前記ユーザに提供中の前記仮想現実サービスの提供を終了するための条件となるサービス提供終了条件を記憶するサービス提供終了条件記憶手段を備え、
前記仮想現実サービス終了決定手段は、前記受信手段で受信された周囲状況情報が示すユーザの周囲の状況が前記サービス提供終了条件を満たしている場合に、前記ユーザに仮想現実サービスの提供を終了すると決定する、
付記17〜20のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記22)(サービス終了位置)
前記サービス提供終了条件記憶手段は、前記サービス提供終了条件として、前記仮想現実サービスの提供を受けることができる位置範囲を示すサービス利用可能位置範囲を記憶し、
前記受信手段は、前記周囲状況情報として、少なくとも前記ユーザの現在の位置を示す位置情報を受信し、
前記仮想現実サービス終了決定手段は、前記受信手段で受信された周囲状況情報である前記位置情報が示すユーザの現在位置が前記サービス利用可能位置範囲外となった場合に、前記ユーザに仮想現実サービスの提供を終了すると決定する、
付記21に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記23)(仮想現実サービス提供中断)
前記ユーザに提供中の前記仮想現実サービスの提供を中断するための条件となるサービス提供中断条件を記憶するサービス提供中断条件記憶手段と、
前記受信手段で受信された周囲状況情報が示すユーザの周囲の状況が前記サービス提供中断条件を満たしている場合に、前記ユーザに提供中の仮想現実サービスの提供を中断する処理を行うサービス提供中断処理手段と、
を備える付記1〜22のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記24)(映像生成中断指示)
前記サービス提供中断処理手段は、前記表示映像生成手段に前記映像の生成の中断を指示する映像生成中断指示情報を生成し、
前記表示映像生成手段は、前記映像生成中断指示情報に基づいて、前記映像の生成を中断する、
付記23に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記25)(映像送信中断指示)
前記サービス提供中断処理手段は、前記表示映像生成手段で生成された前記映像の送信中断を指示する映像送信中断指示情報を生成し、
前記送信手段は、前記映像送信中断指示情報に基づいて、前記表示映像生成手段が生成した前記映像を前記ヘッドマウントディスプレイ装置へ送信することを中断する、
付記23に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記26)(仮想現実サービス提供中断指示)
前記サービス提供中断処理手段は、前記表示映像生成手段で生成された前記映像の表示の中断を指示する映像表示中断指示情報を生成し、
前記送信手段は、前記サービス提供中断処理手段で生成された前記映像表示中断指示情報を前記ヘッドマウントディスプレイ装置へ送信する、
付記23に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記27)(位置による中断)
前記サービス提供中断条件記憶手段は、前記サービス提供中断条件として、前記仮想現実サービスの提供を受けることができる位置範囲を示すサービス利用可能位置範囲を記憶し、
前記受信手段は、前記周囲状況情報として、少なくとも前記ユーザの現在の位置を示す位置情報を受信し、
前記仮想現実サービス中断処理手段は、前記受信手段で受信された周囲状況情報である前記位置情報が示すユーザの現在位置が前記サービス利用可能位置範囲外となった場合に、前記ユーザに仮想現実サービスの提供を中断する処理を行う、
付記23〜付記26のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記28)(物体接近による中断)
前記サービス提供中断条件記憶手段は、前記サービス提供中断条件として、ユーザに接近する物体の速度と距離に関する条件を記憶し、
前記受信手段は、前記周囲状況情報として、少なくとも前記ユーザの周囲の景色を撮影した周囲景色画像を受信し、
前記サービス提供中断処理手段は、前記周囲景色画像に含まれる物体のユーザに対する速度とユーザまでの距離とが、それぞれ前記サービス提供中断条件として記憶されている前記速度よりも早く、前記距離よりも近い場合に、前記ユーザに提供中の仮想現実サービスの提供を中断する処理を行う、
付記23〜26のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記29)(動的仮想現実オブジェクト)
仮想現実空間に配置されている前記仮想現実オブジェクトの挙動を制御する仮想現実オブジェクト制御手段を備え、
前記表示映像生成手段は、前記ユーザの状態を示すユーザ状態情報と前記仮想現実オブジェクトの配置位置とに基づいて決定される表示位置に、前記仮想現実オブジェクト制御手段によって挙動が制御される前記仮想現実オブジェクトが表示される映像を生成する、
付記1〜27のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記30)(周囲状況による挙動制御)
前記仮想現実オブジェクト制御手段は、前記周囲状況情報に基づいて前記仮想現実オブジェクトの挙動を制御する、
付記29に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記31)(音声による挙動制御)
前記受信手段は、ヘッドマウントディスプレイ装置で入力された音声を含む音声情報を受信し、
前記音声情報に含まれる音声を解析してコンテキストを取得するコンテキスト取得手段を更に備え、
前記仮想現実オブジェクト制御手段は、前記コンテキスト取得手段で取得されたコンテキストに基づいて、前記仮想現実空間に配置されている前記仮想現実オブジェクトの挙動を制御する、
付記29に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記32)(照度による光学補正)
ユーザの周囲の明るさを示す周囲照度情報に基づいて前記仮想現実空間に配置された前記仮想現実オブジェクトの明るさを補正する光学補正手段を備え、
前記表示映像生成手段は、前記ユーザの状態を示すユーザ状態情報と前記仮想現実オブジェクトの配置位置とに基づいて決定される表示位置に、前記光学補正手段によって明るさの補正が行われた前記仮想現実オブジェクトが表示される映像を生成する、
付記1〜31のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記33)(配置位置における照度による光学補正)
前記周囲状況情報として、前記ヘッドマウントディスプレイ装置で撮影されたユーザの周囲の景色の画像に基づいて、前記仮想現実オブジェクトが配置されている仮想現実空間の位置に対応する位置における光照射状況を特定する光照射状況特定手段と、
前記特定された前記光照射状況に基づいて、仮想現実空間に配置された前記仮想現実オブジェクトの明るさを補正する光学補正手段と、
を備え、
前記表示映像生成手段は、前記ユーザの状態を示すユーザ状態情報と前記仮想現実オブジェクトの配置位置とに基づいて決定される表示位置に、前記光学補正手段によって明るさの補正が行われた前記仮想現実オブジェクトが表示される映像を生成する、
付記1〜31のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記34)(仮想現実オブジェクトの音声合成)
前記仮想現実オブジェクトに対応付けられた複数の音声要素データを記憶する音声要素記憶手段と、
前記周囲状況情報又はヘッドマウントディスプレイ装置で入力された音声情報に基づいて、前記仮想現実オブジェクトが発する音声の内容を決定する音声決定手段と、
前記決定された音声の内容に従って前記音声要素データを結合することで、前記仮想現実オブジェクトから発せられる音声を生成する音声生成手段と、
を備える付記1〜33のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記35)(音声再生仮想現実オブジェクト)
仮想現実空間における前記仮想現実オブジェクトの配置位置に基づいて、前記生成された音声を、前記ヘッドマウントディスプレイ装置のスピーカから出力される複数のチャンネルの音声に変換する音声変換手段と、
を備える付記34に記載の仮想現実サービス提供システム。
(付記36)(方法基本設計)
複数の仮想現実オブジェクトを記憶する仮想現実オブジェクト記憶データベースと、ユーザが利用可能な仮想現実サービスを示す情報を記憶する利用可能仮想現実サービス情報記憶データベースと、を備える仮想現実サービス提供システムで用いられる仮想現実サービス提供方法であって、
前記利用可能仮想現実サービス情報記憶データベースに記憶される前記ユーザが利用可能な仮想現実サービスを示す情報に基づいて、前記ユーザが利用する仮想現実サービスに用いる仮想現実オブジェクトを前記仮想現実オブジェクト記憶データベースより読み出す仮想現実オブジェクト読み出しステップと、
ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報に基づいて、前記読み出した仮想現実オブジェクトの仮想現実空間における配置位置を決定する仮想現実オブジェクト配置位置決定ステップと、
ユーザの状態を示すユーザ状態情報と前記仮想現実オブジェクトの配置位置とに基づいて、ユーザが頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ装置の表示パネルに表示される映像を生成する表示映像生成ステップと、を備える仮想現実サービス提供方法。
本発明は、クリエイティビティーの高い仮想現実の世界の提供などに幅広く利用可能である。
100 仮想現実提示装置 110 ユーザ状態検知部
111 傾きセンサ 112 加速度センサ
113 現在位置検出部 120 周囲状況検知部
121 視線カメラ 121−1 レンズ群
121−2 絞り機構 121−3 固体撮像素子
122 周囲カメラ
130 通信部 131 無線送信部
132 無線受信部 140 表示制御部
141 映像復号処理部 142 映像合成処理部
143 視界映像生成処理部 144 境界特定処理部
150 表示部 151a ライト表示パネル
151b レフト表示パネル 152 光源
153 導光板 154 LCD
155a レンズ群 155b PLC
155c 第1反射ミラー 155d R反射ダイクロイックミラー
155e G反射ダイクロイックミラー 155f 第2反射ミラー
155g 第3反射ミラー 155h 第1液晶パネル
155j クロスダイクロプリズム 155k 第4反射ミラー
155m 第2液晶パネル 155n 第3液晶パネル
155p ガルバノミラー 155q 照射窓
200 仮想現実提示装置 260 仮想現実提示制御部
300 HMD装置(仮想現実提示装置) 301a ライトフレーム
301b レフトフレーム 301c センターフレーム
302 フロントパネル 370 音声入力部
371 ユーザマイクロフォン 372 周囲マイクロフォン
380 音声再生制御部 390 音声出力部
391a ライトスピーカ 391b レフトスピーカ
410 ユーザ状態検知部 420 仮想現実コンテンツ記憶部
430 視点制御部 440 描画処理部
450 表示部 510 周囲状況検知部
520 光源制御部 610 物体位置特定部
710 仮想現実管理部 720 仮想空間設定部
730 仮想現実オブジェクト配置部 740 仮想現実オブジェクト挙動制御部
1000 仮想現実サービス提供システム
1100 利用可能仮想現実サービス情報記憶DB
1200 仮想現実オブジェクト記憶DB
1300 仮想現実サービス提供サーバ
1310 通信部 1311 受信部
1312 送信部 1320 仮想現実サービス提供管理部
1321 仮想現実サービス提供開始処理部
1322 仮想現実サービス提供終了処理部
1323 仮想現実サービス提供中断処理部
1330 仮想現実オブジェクト読み出し部
1340 仮想現実オブジェクト配置位置決定部
1350 表示映像生成処理部 1351 視点制御部
1352 光源制御部 1353 描画処理部
1354 映像符号化処理部
2000 仮想現実サービス提供システム
2300 仮想現実サービス提供サーバ
2360 画像解析処理部 2361 物体位置特定部
2362 光学成分抽出部 2363 移動速度算出部
2400 仮想現実サービス利用条件記憶DB
3000 仮想現実サービス提供システム
3100 契約者情報記憶DB
3200 仮想現実コンテンツ記憶DB
3300 仮想現実サービス提供サーバ
3330 仮想現実サービス制御部
3370 仮想現実オブジェクト挙動制御部
3380 音声解析処理部 3381 音声レベル抽出部
3382 感情要素抽出部 3383 コンテキスト取得部
3390 再生音声生成処理部
4000 仮想現実提示システム 5000 仮想現実提示システム
6000 仮想現実提示システム 7000 仮想現実提示システム

Claims (9)

  1. 複数の仮想現実オブジェクトを記憶する仮想現実オブジェクト記憶手段と、
    ユーザが利用可能な仮想現実サービスを示す情報を記憶する利用可能仮想現実サービス情報記憶手段と、
    前記ユーザが利用する仮想現実サービスに用いる仮想現実オブジェクトを前記仮想現実オブジェクト記憶手段より読み出す仮想現実オブジェクト読み出し手段と、
    ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報に基づいて、仮想現実空間における前記仮想現実オブジェクトの配置位置を決定する仮想現実オブジェクト配置位置決定手段と、
    ユーザの状態を示すユーザ状態情報と前記仮想現実オブジェクトの配置位置とに基づいて、ユーザが頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ装置の表示パネルに表示される映像を生成する表示映像生成手段と、
    を備える仮想現実サービス提供システム。
  2. 前記ヘッドマウントディスプレイ装置より前記周囲状況情報と前記ユーザ状態情報を受信する受信手段と、
    前記表示映像生成手段で生成された映像を符号化する映像符号化手段と、
    前記符号化された映像を前記ヘッドマウントディスプレイ装置へ送信する送信手段と、
    を更に備える請求項1に記載の仮想現実サービス提供システム。
  3. 前記ユーザに仮想現実サービスの提供を開始することを決定する仮想現実サービス開始決定手段を備え、
    前記仮想現実サービス開始決定手段で仮想現実サービスの提供を開始すると決定された場合に、前記仮想現実オブジェクト読み出し手段は、前記ユーザに提供する仮想現実サービスに用いる仮想現実オブジェクトを前記仮想現実オブジェクト記憶手段より読み出すことを特徴とする請求項又は2に記載の仮想現実サービス提供システム。
  4. 前記受信手段は、ヘッドマウントディスプレイ装置で入力されたユーザの音声を含むユーザ音声情報を受信し、
    前記ユーザ音声情報に含まれるユーザの音声を解析してコンテキストを取得するコンテキスト取得手段を更に備え、
    前記仮想現実サービス開始決定手段は、前記コンテキスト取得手段で取得されたコンテキストが仮想現実サービスの開始を要求するものである場合に、前記ユーザに仮想現実サービスの提供を開始すると決定する、
    請求項3に記載の仮想現実サービス提供システム。
  5. 前記仮想現実サービスの提供を開始するための条件となるサービス提供開始条件を記憶するサービス提供開始条件記憶手段を備え、
    前記仮想現実サービス開始決定手段は、前記受信手段で受信された周囲状況情報が示すユーザの周囲の状況が前記サービス提供開始条件を満たしている場合に、前記ユーザに仮想現実サービスの提供を開始すると決定する、
    請求項3又は4に記載の仮想現実サービス提供システム。
  6. 前記サービス提供開始条件記憶手段は、前記仮想現実サービスの提供を開始するための条件として、前記仮想現実サービスの提供を受けることができる位置範囲を示すサービス提供可能位置範囲を記憶し、
    前記受信手段は、前記周囲状況情報として、少なくとも前記ユーザの現在の位置を示す位置情報を受信し、
    前記仮想現実サービス開始決定手段は、前記受信手段で受信された周囲状況情報である前記位置情報が示すユーザの現在位置が前記サービス提供可能位置範囲内である場合に、前記ユーザに仮想現実サービスの提供を開始すると決定する、
    請求項5に記載の仮想現実サービス提供システム。
  7. (動的仮想現実オブジェクト)
    仮想空間に配置されている前記仮想現実オブジェクトの挙動を制御する仮想現実オブジェクト制御手段を備え、
    前記表示映像生成手段は、前記ユーザの状態を示すユーザ状態情報と前記仮想現実オブジェクトの配置位置とに基づいて決定される表示位置に、前記仮想現実オブジェクト制御手段によって挙動が制御される前記仮想現実オブジェクトが表示される映像を生成する、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の仮想現実サービス提供システム。
  8. (音声による挙動制御)
    前記受信手段は、ヘッドマウントディスプレイ装置で入力された音声を含む音声情報を受信し、
    前記音声情報に含まれる音声を解析してコンテキストを取得するコンテキスト取得手段を更に備え、
    前記仮想現実オブジェクト制御手段は、前記コンテキスト取得手段で取得されたコンテキストに基づいて、前記仮想現実空間に配置されている前記仮想現実オブジェクトの挙動を制御する、
    請求項7に記載の仮想現実サービス提供システム。
  9. (方法基本設計)
    複数の仮想現実オブジェクトを記憶する仮想現実オブジェクト記憶データベースと、ユーザが利用可能な仮想現実サービスを示す情報を記憶する利用可能仮想現実サービス情報記憶データベースと、を備える仮想現実サービス提供システムで用いられる仮想現実サービス提供方法であって、
    前記利用可能仮想現実サービス情報記憶データベースに記憶される前記ユーザが利用可能な仮想現実サービスを示す情報に基づいて、前記ユーザが利用する仮想現実サービスに用いる仮想現実オブジェクトを前記仮想現実オブジェクト記憶データベースより読み出す仮想現実オブジェクト読み出しステップと、
    ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報に基づいて、前記読み出した仮想現実オブジェクトの仮想現実空間における配置位置を決定する仮想現実オブジェクト配置位置決定ステップと、
    ユーザの状態を示すユーザ状態情報と前記仮想現実オブジェクトの配置位置とに基づいて、ユーザが頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ装置の表示パネルに表示される映像を生成する表示映像生成ステップと、を備える仮想現実サービス提供方法。
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