JP2014162526A - コンテナ、コンテナの積み重ね方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンテナ10を、箱状をなしたコンテナ本体11と、コンテナ本体11の上面11aに配され、コンテナ本体11上に積み重ねられる他のコンテナ100の下面100bに接触する複数の突出部20を備え、突出部20は、弾性体21と、弾性体21よりも高剛性の板材22とが上下方向に2組以上交互に積層された積層体であるようにした。
【選択図】図2
Description
このようなコンテナには、船舶やトレーラ等における搬送中等に外部から振動が加わる。この振動により、搬送する物品が損傷したり荷崩れするのを防ぐため、例えば特許文献1に記載のように、コンテナの底部に防振装置を備えた構成が提案されている。
しかし、特許文献1に記載の技術では、上方からの衝撃に対して何らの衝撃緩和を図ることができない。
そこでなされた本発明の目的は、上方から加わる衝撃に対する防振性を高めることのできるコンテナ、コンテナの積み重ね方法を提供することである。
すなわち、本発明のコンテナは、箱状をなしたコンテナ本体と、前記コンテナ本体の上面に配され、該コンテナ本体上に積み重ねられる他のコンテナの下面に接触する複数の突出部を備え、前記突出部は、弾性体と、前記弾性体よりも高剛性の板材とが上下方向に2組以上交互に積層された積層体であることを特徴とする。
また、弾性体と板材とを上下方向に2組以上交互に積層して2層以上の弾性体を備えることによって、積層体の合成バネ定数(剛性)を小さくすることができる。これにより、他のコンテナが積み重ねられるときの衝撃を抑えることができる。
なお、第1の板材と第2の板材との間に、2枚以上の第3の板材を配置してもよい。その場合も、それぞれの第3の板材は、上下を2枚の弾性体の間に挟み込まれて設けられる。
ここで、コンテナ本体と突出部とからなる振動系の固有振動数は、コンテナ本体の特有の部位、例えば床板や横壁等の固有振動数と異ならせることができる。
そして、上記したような突出部を備えたコンテナ上に、他のコンテナを積み重ねるときに、予め、コンテナ上に積み重ねられる他のコンテナの重量に応じて、適切な剛性を有した積層体を選択することによって、コンテナのコンテナ本体に加わる衝撃を有効に抑えることができる。
このとき、コンテナ上に積み重ねる他のコンテナが2段以上であるときには、その合計重量に応じて、適切な剛性を有した積層体を選択する。
防振装置20は、クロロプレン、ウレタンゴム、天然ゴム等のゴム系材料等からなる弾性体21と、弾性体21よりも高剛性の、例えば鋼板等からなる板材22とが、上下方向に交互に積層された構成を有している。
これにより、中間プレート22Cは、下部弾性体21Aと上部弾性体21Bとの間に挟み込まれている。
弾性体21のバネ定数をkとしたとき、下部弾性体21Aと上部弾性体21Bとを有した防振装置20における合成バネ定数k’は、
1/k’=1/k+1/k
であることから、
k’=k/2
となることによる。
このようにして、下部弾性体21Aと上部弾性体21Bとが積層された防振装置20により、その剛性を低く抑え、他のコンテナ100を積み重ねるときにコンテナ本体11に加わる衝撃力が低減される。
これには、防振装置20の中間プレート22Cの質量を調整するのが好ましい。
中間プレート22Cの質量を増大させることによって、他のコンテナ100を積み重ねるときに、高周波領域におけるコンテナ本体11に加わる衝撃力が低減される。
ただし、中間プレート22Cの質量が過大となると、衝撃力の低減効果が小さくなるため、中間プレート22Cの質量は、事前のシミュレーション等によって適切に設定するのが好ましい。
この図3において、下部弾性体21A,上部弾性体21Bのバネ定数をk、下部弾性体21A,上部弾性体21Bにおける減衰定数をc、コンテナ100の質量をm100、中間プレート22の質量をm22、コンテナ100が落下したときのコンテナ100の変位をx100、中間プレート22の変位をx22、中間プレート22に作用する力をF1、コンテナ本体11に作用する力をF2としたとき、力F1、F2は次式(1)、(2)で表される(fは複素数)。
図4は、上式(1)〜(3)に基づいて得られる、上記の中間プレート22の質量m22とコンテナ本体11に作用する力F2との関係を示すものである。ここで周波数は100Hzとした。この図4にも示されるように、上記したように、中間プレート22Cの質量を増大させることによって、他のコンテナ100を積み重ねるときに、高周波領域におけるコンテナ本体11に加わる衝撃力が低減される。
また、中間プレート22Cを、コンテナ本体11の上面11aの長辺方向または短辺方向に延びる帯状とし、その両端部を、互いに隣接する防振装置20,20を構成する下部弾性体21A,上部弾性体21B間に挟み込み、互いに隣接する防振装置20,20にまたがって設置されるようにしてもよい。
ここで、各防振装置20において、剛性、および中間プレート22Cのプレートの質量を調整することによって、コンテナ本体11に加わる衝撃力を有効に低減することができる。
また、下部弾性体21Aと上部弾性体21Bとを積層することにより、下部弾性体21Aと上部弾性体21Bの合計の厚さと同じ厚さの弾性体21を1段のみ備える場合に比較して、防振装置20は、合成バネ定数は同じでありながら、大きな静的荷重に耐えることのできるものとなっている。これにより、コンテナ10の上に積み重ねられる他のコンテナ100の荷重を支持しつつ、高い防振性能を発揮することが可能となっている。
そこで、積み重ねられる他のコンテナ100の数や重量によって、防振装置20の特性(剛性)を選択するのが好ましい。このためには、弾性体21のバネ定数が互いに異なり、剛性が互いに異なる防振装置20を複数種類準備しておく。なお、一つのコンテナ本体11には、同じ種類の防振装置20を取り付けるため、各種類、4個一組の防振装置20を用意しておく。
そして、このコンテナ10上に積み重ねられる他のコンテナ100の質量の合計を、コンテナ船におけるコンテナ積荷情報、港湾のコンテナヤードにおけるコンテナレイアウト情報、コンテナ100の通関書類等から取得する。
取得された他のコンテナ100の質量の剛性に応じ、複数種類の防振装置20から適切な剛性を有する防振装置20を選択する。そして、選択された適切な剛性を有する防振装置20を備えたコンテナ10を用いる。
このとき、防振装置20は、コンテナ本体11上面11aにボルト等の固定手段によって締結可能な構成としておき、適切な剛性を有する防振装置20をコンテナ本体11の上面11aに対して取り付けるようにしてもよい。また、予め、複数組のコンテナ10を準備しておき、それぞれのコンテナ10において、装備される防振装置20の剛性が互いに異なるものとしてもよい。これによって、積み重ねられる他のコンテナ100の質量の合計が取得された時点で、適切な剛性を有する防振装置20を備えたコンテナ10を選択して用いればよい。
次に、上記構成からなるコンテナ10について、実験、および解析による検討を行ったので、その結果を示す。
まず、実際に、防振装置20を備えたコンテナ本体11上に他のコンテナ100が落下したことを想定し、重さ10ポンド(4.5359kg)のハンマーで30cmの高さから打撃したときのコンテナ本体11に加わる加振力(衝撃力)を測定した(実施例1)。ここで、コンテナ本体11の重量は3000kg、中間プレート22Cの質量は1kgとした。
表1に、実施例、比較例1、比較例2における防振装置20に相当する部分の剛性と減衰係数等の具体的条件を示した。
図6に示すように、コンテナ本体11に作用する加振力(衝撃)は、比較例1、2に対し、防振装置20を備えた実施例において、大きく減少している。
図8に示すように、比較例1,2に対し、実施例においては、加振力が大きく低減できることが確認された。
これにはまず、コンテナ本体11の固有振動数を解析にて求めた。ここでは、コンテナ本体11の横壁11bと床11fの最低次の固有振動数を求めた。その結果、横壁11bの固有振動数は12.7Hz,床11fの固有振動数は46.7Hzであった。
図9に示すように、それぞれのコンテナ100の上に質量3000kgの他のコンテナ100を積層した状態で、さらに、その上にもう1段、他のコンテナ100を積み重ねるときにコンテナ本体11に加わる加振力について、周波数ごとに解析を行った。
図4に示したモデル図において、上記条件と上式(1)〜(3)とにおいて、他のコンテナ100の落下によりコンテナ100上に1[N]の力F3が作用したとして、周波数を0〜100Hzに変動させて解析を行った。
図10に示すように、防振装置20を備える実施例11では、加振力のピークP1が、比較例12における加振力のピークP2に対し、より低周波側にシフトした。
これに伴い、比較例12の加振力がピークP2となったときよりも高い周波数帯域A1においては、各周波数における加振力が6割程度低減されている。
なお、比較例12の加振力がピークP2となったときよりも低い周波数帯域A2においては、比較例12よりも実施例11の方が加振力が大きくなっているが、この周波数帯域A2はコンテナ本体11の固有振動数(12.7Hz、46.7Hz)と一致しないため、コンテナ本体11が共振することはない。
ここで、防振装置20の中間プレート22Cの質量は、1kg(実施例21)、180kg(実施例22)、1000kg(実施例23)の3通りとした。また、比較のため、中間プレート22Cを備えず、1層の弾性体21とした場合(比較例24)についても解析した。
図11に示すように、床11fの固有振動数46.7Hzよりも高い周波数帯域においては、実施例21〜23とも、比較例よりも加振力を大きく低減できるのが確認された。
さらに、周波数40Hz前後においては、中間プレート22Cの質量が180kgである実施例22の加振力が、中間プレート22Cを備えない比較例24と同等となっている。
この結果から、中間プレート22Cの質量は、1〜180kgとするのが好ましいことが確認された。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、図12に示すように、各防振装置20は、上部プレート22Bの上面を、ゴム系材料等からなる衝撃吸収部材50によって覆うようにしてもよい。これにより、他のコンテナ100が積み重ねられるときの衝撃を有効に低減することができる。
例えば、防振装置20は、弾性体21を上下2層に備えるようにしたが、これを3層以上としてもよい。
さらに、防振装置20は、コンテナ本体11の四隅に設けるようにしたが、これ以外の位置に設けるものとしてもよい。
また、実施例で挙げたシミュレーションによる数値等は、あくまでも実施例で検討したコンテナを対象としてシミュレーションを行うことによって得られたものであり、検討対象のコンテナの固有振動数や、防振装置20の剛性や減衰係数が異なれば、結果として異なる数値が得られる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
11 コンテナ本体
11a 上面
11b 横壁
11f 床
20 防振装置(突出部、積層体)
21 弾性体
21A 下部弾性体
21B 上部弾性体
22 板材
22A 下部プレート(第2の板材)
22B 上部プレート(第1の板材)
22C 中間プレート(第3の板材)
50 衝撃吸収部材
100 コンテナ
100b 下面
Claims (6)
- 箱状をなしたコンテナ本体と、
前記コンテナ本体の上面に配され、該コンテナ本体上に積み重ねられる他のコンテナの下面に接触する複数の突出部を備え、
前記突出部は、弾性体と、前記弾性体よりも高剛性の板材とが上下方向に2組以上交互に積層された積層体であることを特徴とするコンテナ。 - 前記板材は、
前記突出部の最下部に位置して前記コンテナ本体の上面に接する第1の板材と、
前記突出部の最上部に位置して前記他のコンテナの下面に接する第2の板材と、
前記第1の板材と前記第2の板材との間に配置され、上下にそれぞれ配置された2枚の前記弾性体の間に挟み込まれている第3の板材と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。 - 前記第3の板材は、前記コンテナ本体と前記突出部とからなる振動系の固有振動数が、前記コンテナ本体の固有振動数と異なるよう、その質量が設定されてなるものであることを特徴とする請求項2に記載のコンテナ。
- 前記第3の板材は、複数の前記突出部に跨って設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のコンテナ。
- 前記第2の板材の上面に、前記他のコンテナと接触したときの衝撃を吸収する衝撃吸収部材が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のコンテナ。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載のコンテナ上に、前記他のコンテナを積み重ねていく方法であって、
前記コンテナ上に積み重ねられる前記他のコンテナの重量を取得する工程と、
剛性が互いに異なる複数種の前記積層体から、取得された前記他のコンテナの重量に応じた剛性を有した前記積層体を特定する工程と、
特定された前記積層体を有した前記コンテナを設置する工程と、
前記コンテナ上に前記他のコンテナを積み重ねる工程と、
を備えることを特徴とするコンテナの積み重ね方法。
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---|---|---|---|
JP2013036326A JP2014162526A (ja) | 2013-02-26 | 2013-02-26 | コンテナ、コンテナの積み重ね方法 |
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS61116142A (ja) * | 1984-11-09 | 1986-06-03 | Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd | 免震・防振構造 |
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-
2013
- 2013-02-26 JP JP2013036326A patent/JP2014162526A/ja active Pending
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