JP2014151248A - 微生物脱臭方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】微生物を用いた脱臭方法は、被処理臭気ガスのアンモニア等の臭気成分の濃度変動に弱く、菌叢が破過し易く、微生物脱臭能力が低下するという課題があった。
【解決手段】ロックウールの担持材31が充填された充填層30の上から、ポンプ15で貯水槽12の循環水を揚水し散水管14bにより散水する。その散水量を500〜800L/日・mの散水量で散水することにより、担持材31の表面で保水する水膜の厚みを略200μm程度と分厚化することで、アンモニア濃度変動に対するpH緩衝力が向上する。その結果、アンモニア濃度変動に対して、充填層30の担持材31に担持された微生物が失活し難くなり、すなわち、菌叢が破過し難く、充填層30の菌密度が均一になり、充填層30の単位体積当たりの微生物量が増大することとなる。したがって、微生物脱臭能力が向上し、微生物脱臭装置1のコンパクト化が図られることとなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニアを含む臭気ガスを浄化する微生物脱臭装置の小型化を図る発明である。
生ゴミ、畜糞、屎尿といった廃棄物からは、アンモニア、メルカプタン、硫化水素といった臭気ガスが発生する。これらの成分は、悪臭であるだけでなく、毒性が強く、また水に溶解することで水のpHを酸若しくはアルカリにするため、そのまま自然界に放出するべきではない。
これらの臭気ガスの処理方法として、微生物を用いた方法が、注目されている。臭気ガス中の成分を微生物によって分解する方法は、pH、酸素、温度、餌となる臭気ガスの成分を適切に管理することによって、永続的に処理を続けることができる。これは、結果としてコストの安い、しかも安全な処理方法である。
微生物を用いた臭気ガスの処理方法としては、微生物を担持させた担持体に水を散水しながら臭気ガスを通過させ、臭気ガス中の成分を微生物で分解させる。特に、臭気ガス中の成分として代表的なアンモニアに着目すると、好気性の微生物が有する硝化作用によって、アンモニアを硝酸若しくは亜硝酸性窒素に分解することで、脱臭する。具体的な実現方法としてすでに開示されたものがある。
特許文献1に示される処理方法は、被処理臭気ガスの処理の流れ方向と散水方向を同じ方向とする方法が開示されている。このように被処理臭気ガスの処理の流れ方向と散水方向を同じにすることで、担持体に散水した水の吹き上がりを防止するという効果がある。
また、特許文献1では、噴霧散水と微生物生育水散水と洗浄水散水の3段階に分け、微生物の担持体として樹皮を用いることが開示されている。この樹皮の含水率を50〜150%とすることで、微生物の繁殖が好適に保たれるとされる。
特許文献2は、硝化作用を有する微生物の場合は、生活環境としてpHが高い環境で硝化作用が失活するので、供給するアンモニア量が所定の値を越えない頻度で散水する方法が開示されている。
特開2009−090226号公報 特開平07−031835号公報(特許第3008969号)
微生物を用いた脱臭方法は、化学的な反応と比較して処理速度が遅いとされてきた。そのため、処理量を確保するためには、設備が大きくなるという課題があった。設備を小型にするには、単位体積当たりの担持材の処理量を増大させる必要がある。これは微生物を担持する充填層の担持材に微生物を均一に繁殖させ、充填層単位体積当たりの微生物量を増大させることを意味する。充填層の担持材に微生物を均一に繁殖させれば、微生物の菌密度が均一となり、菌密度が高まり、充填層の担持材単位体積当たりの微生物量は増大する。
特許文献1は、被処理臭気ガスと散水された水の流れ方向を一致させる点についての開示および工夫はあるものの、単位体積当たりの微生物の量を増やそうという技術的思想はない。
また、特許文献2には、微生物の生活環境を硝化作用が失活しないように、アンモニアの流入量を所定量以内に抑えるものであるものの、担持材の単位体積当たりの微生物量を増大させようという技術的思想はやはりない。
このような技術的思想がないために、特許文献1および特許文献2では、脱臭装置全体の小型化ができず、また単位体積当たりの処理量を向上させることもできない。すなわち、特許文献1および特許文献2とも、菌叢の付着水の厚みを厚くして、菌叢の保水量を上げるようにしておらず、充填層の微生物を担持する担持材の保水量が少なく、被処理臭気ガスのアンモニア等の臭気成分の濃度変動に対してのpH緩衝作用が弱い。
pH緩衝作用が弱いため、充填層に流入してくる被処理臭気ガスの臭気成分、例えば、高濃度のアンモニアが流入してくると、アンモニア濃度変動をまともに受けて、pHが8.5以上に上昇し、充填層の微生物担持材に繁殖した微生物が失活し、微生物の菌叢が破過し易くなるなど、硝化活性の高いpH7〜8を維持できる濃度適応性、すなわち、pH緩衝作用が低い。特に、微生物担持材充填層のアンモニアガスの流入側の微生物の菌叢が破過し易くなる。
被処理臭気ガスであるアンモニアの流入側の微生物の菌叢が破過すると、アンモニア処理後の排出側に微生物の菌叢が偏在することになり、充填層の菌密度が不均一になり、充填層単位体積当たりの微生物量が減少することとなる。その結果、微生物脱臭能力の低下が避けられなくなる。
本発明は上記課題に鑑みて検討を重ねた結果、被処理臭気ガスと散水される水の流れ方向を一致、すなわち、順流とし、循環散水量を増やすことにより、被処理臭気ガスの充填層内での気流の略均一な流れを確保しつつ、担持材表面の付着水、すなわち液膜の厚みを分厚くし、微生物を担持する担持材を充填した充填層に流入してくる被処理臭気ガスの臭気成分、例えば、アンモニア濃度変動に対する緩衝力を向上させることになる。
アンモニア濃度変動に対する緩衝力の向上により、変動の大きい高濃度アンモニアガスに対して流入側から排出側までの担持材全層の液膜で被処理臭気ガスのアンモニアを順次吸着し、すなわち担持材全層の液膜にアンモニアを順次吸収溶解し、アンモニア濃度を低下させつつpH7〜8の調整と硝化処理を行う。
それに伴い、アンモニア濃度変動に対して、充填層の担持材に担持された微生物が失活し難くなり、すなわち、菌叢が破過し難く、被処理臭気ガスの流入側、排出側を含む全域に亘って充填層の担持材の微生物の菌密度が均一になり、充填層単位体積当たりの微生物量が増大することとなる。その結果、微生物脱臭能力が向上し、微生物脱臭槽のコンパクト化が図られることを見出し、本発明を想到するに至った。
本発明に係る微生物脱臭方法は、
アンモニアを含む臭気ガスを、微生物を担持する担持材を充填した充填層に供給する工程と、
前記充填層に循環水を散水する工程を有し、
前記散水する工程は、前記充填層の単位体積(m)あたり500〜800L/日の前記循環水を前記充填層に散水することを特徴とする。
これにより、単位体積当たりの担持材の付着水量、すなわち保水量を多くし、担持材表面の付着水の液膜の厚みを厚くするので、被処理臭気ガスに含まれるアンモニア濃度変動に対するpH緩衝力が向上し、菌叢が微生物を担持する担持材を充填した充填層の担持材全体に均一に広がり、微生物による臭気ガスの硝化活性が高まる。
アンモニア濃度変動に対して、充填層の担持材に担持された微生物が失活し難くなり、すなわち、菌叢が破過し難く、被処理臭気ガスの流入側、排出側を含む全域に亘って充填層の微生物の菌密度が均一になり、充填層単位体積当たりの微生物量が増大することとなる。その結果、微生物脱臭能力が向上し、微生物脱臭槽のコンパクト化が図られることになる。
処理する臭気ガス中のアンモニア濃度に変動があっても、pH緩衝力が向上し、pHが急速に高まることがないので、菌叢が破過されることなく、微生物にとって安定した生活環境を提供する。これは結果として、脱臭装置としては、臭気ガス中のアンモニア濃度の変動に対する緩衝力が高まることとなる。
臭気ガスの硝化活性の高まりは、脱臭装置としては、処理能力が高まることとなり、装置の小型化を可能にする。特に、本発明に係る微生物脱臭装置では、充填層の担持材中を50秒程度で通り抜けるだけで、スクラバーを合わせると80分の1もの脱臭を完了させることができる。
また、上記の微生物脱臭方法であって、
臭気ガスによる窒素供給速度を算出する工程と、
前記循環水による窒素供給速度を算出する工程と、
前記窒素供給速度の合計と、
あらかじめ決められた最大窒素処理速度との差分相当量以上の窒素を前記散水に含有させ単位時間に供給する工程を有することを特徴とする。
これにより、予め決められた最大窒素処理量と現在供給できる窒素量の差分を窒素化合物によって微生物に供給するので、微生物の密度をいつも最大に維持することができる。
また、上記の微生物脱臭方法であって、
前記充填層が保持している保有水のpHが8.5を超えるか否かを予測する予測工程と、
前記予測工程で前記保有水のpHが8.5を超えると予測された場合に、
前記散水する工程における散水量を、一定レベルに増加させることを特徴とする。
これにより、散水量を多くして、充填層が保持している保有水、すなわち、充填層の担持材の表面に付着する付着水の入れ替えを速く行うことで、保有水、すなわち付着水の液膜のpHが8.5を超えるのを防ぎ、充填層の菌叢の硝化活性が失活することを未然に防止できる。
菌叢を覆う液膜の環境は直接測定できないものの、散布前の循環水のpH、散布後の循環水のpHといった間接的な測定値から菌叢の液膜のpHが8.5を超える前に、散水量を増加させて、担持材表面の付着水である菌叢の液膜の単位時間当たりの入れ替えを多くすることで、液膜のpHが8.5を超えるのを防ぎ、充填層の担持材に担持された菌叢の硝化活性が失活することを未然に防止できる。
本発明に係る微生物脱臭装置は、
微生物を担持する担持材を充填した充填層を有する処理槽と、
前記処理槽の下方に設けられた貯水槽と、
前記貯水槽中の循環水を前記処理槽の上方に散水する散水手段と、
前記散水手段の散水量を計測する散水量計測手段と、
前記処理槽の上方から臭気ガスを供給する臭気ガス供給手段と、
前記処理槽の下方から排出される気体を排出する排気手段と、
前記散水手段を制御する制御装置を有し、
前記制御装置は、
前記充填層への散水量が前記充填層の単位体積(m)あたり500〜800L/日であることを特徴とする。
これにより、単位体積当たりの担持材の保水量を多くし、担持材表面の液膜の厚みを厚くするので、アンモニアおよび空気中の酸素を含む被処理臭気ガスに含まれるアンモニア濃度変動に対するpH緩衝力が向上し、菌叢が微生物を担持する担持材を充填した充填層の担持材全体に均一に広がり、臭気ガスの硝化活性が高まる。
処理する臭気ガス中のアンモニア濃度に変動があっても、pH緩衝力が向上し、pHが急速に高まることがないので、菌叢が破過されることなく、微生物にとって安定した生活環境を提供する。これは結果として、脱臭装置としては、臭気ガス中のアンモニア濃度の変動に対する緩衝力が高まることとなる。
臭気ガスの硝化活性の高まりは、脱臭装置としては、処理能力が高まることとなり、装置の小型化を可能にする。特に、本発明に係る微生物脱臭装置では、担持材中を50秒程度で通り抜けるだけで、スクラバーを合わせると80分の1もの脱臭を完了させることができる。
また、上記の微生物脱臭装置であって、
前記臭気ガスのアンモニア濃度をガスアンモニア濃度として測定するガスアンモニア濃度計と、
前記循環水中のアンモニア濃度を循環水アンモニア濃度として測定する循環水アンモニア濃度計と、
前記散水手段中に設けられ、前記制御装置で制御される窒素化合物添加手段を有し、
前記制御装置は、
前記ガスアンモニア濃度から前記臭気ガスによる窒素供給速度を算出し、
前記循環水アンモニア濃度から前記循環水窒素量による窒素供給速度を算出し、
前記窒素供給速度の合計と、あらかじめ決められた最大窒素処理速度との差分相当量以上の窒素量を有する窒素化合物を単位時間に前記散水に混合させることを特徴とする。
これにより、予め決められた最大窒素処理量と現在供給できる窒素量の差分を窒素化合物によって微生物に供給するので、微生物の密度をいつも最大に維持することができる。
また、上記の微生物脱臭装置であって、
前記制御装置は、
前記充填層中の保有水のpHが8.5を超えると予測される場合に、前記散水量を一定レベルに増加させることを特徴とする。
これにより、散水量を多くして、充填層が保持している保有水、すなわち、充填層の担持材の表面に付着する付着水の入れ替えを速く行うことで、保有水、すなわち付着水の液膜のpHが8.5を超えるのを防ぎ、充填層の菌叢の硝化活性が失活することを未然に防止できる。
菌叢を覆う液膜の環境は直接測定できないものの、散布前の循環水のpH、散布後の循環水のpHといった間接的な測定値から菌叢の液膜のpHが8.5を超える前に、散水量を増加させて、担持材表面の付着水である菌叢の液膜の単位時間当たりの入れ替えを多くすることで、液膜のpHが8.5を超えるのを防ぎ、充填層の担持材に担持された菌叢の硝化活性が失活することを未然に防止できる。
本発明に係る微生物処理方法では、単位体積当たりの担持材の保水量を多くし、担持材表面の液膜の厚みを厚くするので、菌叢が微生物を担持する担持材を充填した充填層の担持材全体に均一に広がり、臭気ガスの硝化活性が高まる。
アンモニア濃度変動に対して、充填層の担持材に担持された微生物が失活し難くなり、すなわち、菌叢が破過し難く、被処理臭気ガスの流入側、排出側を含む全域に亘って充填層の微生物の菌密度が均一になり、充填層単位体積当たりの微生物量が増大することとなる。その結果、微生物脱臭能力が向上し、微生物脱臭槽のコンパクト化が図られることになる。
本発明に係る微生物脱臭装置の構成を示す図である。 充填層中の菌叢を最大に維持する微生物脱臭装置の構成を示す図である。 菌叢を取り巻く液膜のpHが8.5を超えると予想される場合に、菌叢の破過を回避する微生物脱臭装置の構成を示す図である。
以下に本発明に係る微生物脱臭装置と微生物脱臭方法について説明する。なお、以下の説明は本発明の実施形態の一例を示すものであり、本発明は以下の説明に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下の実施形態は変更することができる。
(実施の形態1)
図1に本発明に係る微生物脱臭装置1の構成を示す。微生物脱臭装置1は、処理槽10と、貯水槽12と、散水手段14と、散水量計測手段16と、臭気ガス供給手段18と、排気手段としての排気路20a、排気路20bと、制御手段としての制御装置22を含む。また、スクラバー50を含んでもよい。
貯水槽12の上方に処理槽10が配置される。処理槽10と貯水槽12の間は通気空間が設けられ、この通気空間が排気手段としての排気路20aとなる。貯水槽12からは配管14aが処理槽10の上方まで配設される。処理槽10の上方では、配管14aと連結された散水管14bが配置される。処理槽10の上面で散水管14bより下方には、被処理臭気ガス濃度を緩和する緩和層26を設けてもよい。配管14aの途中にはポンプ15が設けられる。また、配管14aの途中には流量計17も配設される。
臭気ガス供給手段18は、処理槽10の上部に開口を有するダクト18aとブロア19で構成される。制御装置22は、少なくとも流量計17と、ポンプ15に接続される。また、貯水槽12には、ヒータ24も設けられる。ヒータ24は、制御装置22と接続されていてもよい。
スクラバー50は、臭気ガス入口50aと臭気ガス出口50bを有する縦長の空間で、スクラバー50の下部でスクラバー貯水槽54と貯水槽12とが、循環水が行き来できるように連通している。また、スクラバー50内の循環水をスクラバー50上部から噴霧できるように、スクラバーポンプ51とスクラバー散水管52が配置される。また、スクラバー散水管52の途中には、マイクロバブル発生装置53を設けてもよい。なお、スクラバー50は、処理槽10に連結されるので、スクラバー50の臭気ガス出口50bは、ブロア19若しくはダクト18aと連結される。
処理槽10は、内筒37と外筒38の二重筒状に形成され、中央の内筒37に排気路20b、その内筒37と内筒37の周囲の外筒38との間に充填層30が設けられている。微生物を担持する担持材31が充填されている充填層30と通気空間の排気路20aは連通し、通気空間の排気路20aと排気路20bは連通し、外部とつながっている。
したがって、被処理臭気ガスは、内筒37と外筒38の間の充填層30で微生物脱臭処理され、排気路20aに流入し、排気路20aから内筒37の排気路20bを通って、外部、あるいは外気に排出される。
なお、処理槽10の内筒37と外筒38は、それぞれ、円筒であっても良いし、四角あるいは五角形、六角形などの多角形の角筒であっても良い。
微生物を担持する担持材31が充填されている充填層30の上底27と下底28が開放された形状に形成されている。充填層30の上底27と下底28は開放されているとはいえ、ネットあるいは粗い網目状の格子(図示していない)などが配設されており、臭気ガスや散水にとっては開放であるが、充填層30に充填される担持材31は、流下しないようになっている。
処理槽10には、担持材31が充填された充填層30が構成されている。担持材31は、比表面積が大きく通気性を有する素材で構成される。具体的には、グラスウール、ロックウールと言った人工繊維が好適に利用できる。特にロックウールは、比表面積が大きく、通気性も有するので好適に利用することができる。
ロックウールの担持材31が充填された充填層30の上から、ポンプ15で貯水槽12の貯水である循環水を揚水し散水管14bにより散水すると、担持材31に散水供給される循環水と担持材31の上部の担持材31から重力により離脱流下してくる離脱水が下部の担持材31に供給され担持材31の表面に付着する。
担持材31の毛管力、すなわち吸着力による水の付着による保水と、毛管力により保水された水の重力による担持材31からの離脱流下により、担持材31の表面に付着する付着水の供給と離脱が順次行われ、付着水の入れ替えが行われる。また、付着水の供給と離脱のバランスにより、担持材31の表面に付着する付着水、すなわち保水される水膜厚、すなわち液膜厚はほぼ一定に保たれる。
担持材31の表面に付着した付着水は、アンモニアおよび空気中の酸素を含む被処理臭気ガスと接触し、被処理臭気ガス中のアンモニア成分などを吸着、吸収溶解する。また、付着水は、充填層30の上部の担持材31から下部の担持材31に向かって、順々に流下し、上方にある担持材31からの付着水の離脱流下と、その下方の担持材31への供給付着が行われる。
充填層30の上から下に向かって次々と行われる付着水の離脱流下とその離脱流下水の供給付着により、担持材31の表面に付着する付着水の入れ替えが行われる。そのため、付着水の液膜厚はほぼ一定に保たれる。
散水量を増やせば、担持材31の表面に付着する付着水の液膜厚が分厚くなり、被処理臭気ガスのアンモニア濃度変動に対するpH緩衝力が向上する。pH緩衝力が向上すると、担持材31の表面に担持された微生物が破過し難くなり、充填層30の全域に亘って担持材31に担持された微生物、菌叢の菌密度が均一化する。菌叢の菌密度が均一化することで、充填層30の単位体積当たりの微生物量が増大する。つまり、単位体積当たりのアンモニア脱臭力が高くなり、微生物脱臭槽のコンパクト化が図られることになる。
散水量を増やせば、担持材31の液膜厚は増加する。しかし、液膜厚の増加にしたがって重力作用が大きくなり、付着水が担持材31の表面から離脱流下し、ある一定液膜に収束する。また、散水量を多くすれば、ポンプ動力が大きくなり、エネルギー消費が増加することになる。
担持材31として、例えば、繊維状で比表面積の大きいロックウールに500〜800L/担持材−m・日の循環水を散水すれば、ロックウール表面に付着する付着水の液膜厚が略150〜200μm程度、略200μm程度の厚みでほぼ一定に保たれる。この時、ポンプ動力、エネルギー消費を少なくして、なおかつ、液膜厚が分厚く、pH緩衝力向上によるアンモニア脱臭効率が向上し、微生物脱臭槽のコンパクト化が可能になることがわかった。
その際、ブロア19により供給される被処理臭気ガスと散水される水の流れ方向が同じとし、すなわち、空気と水の流れを順流とすることにより、循環散水量を500〜800L/担持材−m・日と増やしても、充填層30内の気流の流れ、気流路が確保される。したがって、充填層30内の全域に被処理臭気ガスが供給され、また、散水された循環水中に被処理臭気ガスのアンモニアなどの臭気成分が溶解し、充填層30の担持材31に担持された微生物により脱臭処理される。
充填層30への散水と被処理臭気ガスの通気を両者とも上から下に向かって行う順流では、散水量と透水量、すなわち、散水量と排水量がバランスして等しくなるため、散水量の増減に応じて透水量、すなわち、排水量が増減する。そのため、充填層30における保水量レベルの変動は小さく、空隙率の変化も小さいため、散水による圧損への影響が小さい。
順流では予め、圧損と比例する通気ガスの線速度を圧損が問題にならない範囲に設定すれば良い。例えば、充填層通気(LV)線速度を略36mm/s程度に設定すれば、散水による圧損への影響が小さくなる。
したがって、循環散水量を増やしても被処理臭気ガスの充填層30内での気流の略均一な流れを確保しつつ、担持材31表面の液膜の厚みを分厚くできる。液膜の厚みが分厚いと、微生物を担持する担持材31を充填した充填層30に流入してくる被処理臭気ガスの臭気成分、例えば、アンモニア濃度変動に対するpH緩衝力を向上させることができる。
充填層30の担持材31に散水する散水量、すなわち、循環散水量を、500〜800L/担持材−m・日程度まで増やしても、担持材31に担持された微生物が剥離、流出することなく、微生物担持が維持できる。この時、担持材の表面で保水する付着水の水膜の厚みは、略200μm程度まで分厚くすることができる。
略200μm程度と、担持材31の分厚い水膜の厚みにより、流入してくるアンモニアおよび空気中の酸素を含む被処理臭気ガス中の臭気成分のアンモニア濃度変動が緩和され、担持材31の表面で保水する付着水の液膜、すなわち、水膜のpH変動が緩和される。そのため、硝化菌が失活するpH8.5を超えることなく、硝化菌の適正pHである6.5〜8.5(最適範囲pH7〜8)が維持され易くなる。
溶存酸素が透過する液膜、すなわち、水膜の厚みは略150μm程度であり、これに嫌気性部分を略50μm程度にして、水膜の厚みを略200μm程度にすると、担持材31表面に水膜の表面から略150μm程度までは好気性菌である硝化菌が繁殖し、その下から担持材31までは略50μm程度の嫌気性菌が繁殖する。その結果、硝化菌と嫌気性菌である脱窒菌が程良く繁殖することになり、硝化脱窒が効率良く行われ、アンモニア脱臭性能の向上が図られることとなる。
したがって、担持材31の表面で保水する付着水の水膜の厚みを例えば略200μm程度と分厚化するように循環散水し、例えば、500〜800L/m・日の散水量で散水することにより、担持材31の表面で保水する水膜の厚みを略200μm程度に分厚化する。
その分厚化により、アンモニア濃度変動に対する緩衝力が向上し、アンモニア濃度変動に対して、充填層30の担持材31に担持された微生物が失活し難くなり、すなわち、菌叢が破過し難く、充填層30の被処理臭気ガス中のアンモニアの流入側21でも菌叢が破過されることなく微生物繁殖が維持され、充填層30の菌密度が均一になり、充填層30の単位体積当たりの微生物量が増大することとなる。その結果、微生物脱臭能力が向上し、微生物脱臭装置1のコンパクト化が図られることとなる。
担持材31としてのロックウールは、見かけ密度が110kg/mのもので、620〜650L/mの水を保有、保水することができる。なお、ここで、保水量とは、担持材31に保有される水の量をいう。言い換えると、充填層30に充填された担持材31の表面で付着する付着水量である。したがって、保水量は620〜650L/mとなる。
担持材31には、水による液膜が形成され、適度な窒素と酸素を、液膜を介して供給することで、主として硝化作用を有する微生物が発生する。また、酸素が到達しにくい部分には、脱窒作用を有する微生物も発生する。これらの微生物は主として菌叢を形成する。
処理槽10内に充填される担持材31の充填量は、処理する臭気ガスの処理量で求められる。例えば、臭気ガス毎分1.2m当たり、担持材31としてのロックウールが1mの割合で充填層30に充填される。
処理槽10の上面には、被処理臭気ガス濃度を緩和する緩和層26が設けられる。緩和層26は、アンモニア濃度の高い臭気ガスが直接処理槽10の上部に存在する微生物に当たり、微生物が失活し、菌叢が破過しないようにするために設けられる。
従来技術のように、緩和層26がないと、被処理臭気ガスであるアンモニア濃度変動をまともに受けて、微生物担持材充填層の被処理臭気ガス中のアンモニアガスの流入側21の微生物の菌叢が破過する。そして、アンモニア処理後の排出側に微生物の菌叢が偏在することにより、充填層30の菌密度が不均一になり、充填層30単位体積当たりの微生物量が減少し、微生物脱臭能力が低下するのを、防止できることになる。
具体的に緩和層26は、保水力と通気性のある厚さ数センチ程度の人工繊維などが好適に用いられる。担持材31と同じくロックウールは好適に利用することができる。例えば、処理槽10の上面に被処理臭気ガス濃度を緩和する緩和層26として、厚さ略3cm〜5cmのロックウールシートを設ける。ポンプ15で貯水槽12の循環水を揚水し散水管14bを介してロックウールシートの上から散水すると、散水により、ロックウールシートの表面が濡れ、散水によりロックウールシートに循環水が供給され、毛管力により循環水が保水される。
その保水により、緩和層26としてのロックウールシートに流入してくる被処理臭気ガスの臭気成分、例えば、アンモニアが溶解する。その結果、被処理臭気ガスのアンモニア濃度が緩和されて、緩和層26としてのロックウールシートの下流側に設けられた充填層30に供給されることになる。ロックウールシートに散水された循環水も、ロックウールシートを経由して充填層30に流下、散水、供給される。
被処理臭気ガス中に高濃度アンモニアの含有が予想される場合、充填層30の上部に緩和層26としてのロックウールシートを設けることで、充填層30のpH上昇が緩和される。急激なpHの上昇が抑制されることで、被処理臭気ガス中の高濃度のアンモニアが、直接充填層30に流入して、pH8.5超えのpH上昇による菌叢が破過されるのを未然に防ぐことができる。
緩和層26としてのロックウールシート通過後の充填層30の被処理臭気ガスの流入側21でのpH変動が緩和され、緩衝され、硝化菌が失活するpH8.5を超えることなく、硝化菌の適正pHである6.5〜8.5(最適範囲pH7〜8)が維持され易くなる。
貯水槽12は、処理槽10の下方に載置された上方が開口している容器である。充填層30の被処理臭気ガスが浄化されて充填層30から排出される排出側39から散水された水(循環水)が、貯水槽12に排水として流れ落ちてくる。貯水槽12は、充填層30からの排水としての循環水を受け止め、貯留する。
貯水槽12からは配管14aが処理槽10の上方まで配設される。配管14aには、処理槽10の上方で散水管14bと連通されている。配管14aの途中には、ポンプ15が設けられている。配管14aと散水管14bとポンプ15によって散水手段14は構成される。散水手段14は、貯水槽12に溜まった循環水を再度処理槽10の上方から充填層30に散水する。散水管14bは、充填層30の上面に隈なく散水できるようにノズルが配置されるのが望ましい。
なお、ポンプ15は、制御装置22と連結されており、制御装置22からの信号Cpによって駆動が制御される。この結果、配管14a内を流れる循環水の流量は変化させることができる。
また、配管14aの途中には、流量計17も配設されている。流量計17は、配管14a中を流れる循環水の流量を測定することができる。この測定値は、信号Sfとして制御装置22に送られる。流量計17若しくは流量計17と制御装置22によって散水量計測手段16が構成される。
臭気ガス供給手段18は、図示していないが、例えば堆肥などの臭気ガス発生源からの臭気ガスを処理槽10の上方に位相するダクト18aと、ダクト18a内の臭気ガスを処理槽10に送風するブロア19によって構成される。ダクト18aの開口は、処理槽10の上方で処理槽10の二重筒の内筒37と外筒38の間の充填層30の上面に均等に臭気ガスが当たるようにする。なお、充填層30の上底27に緩和層26が配置されている場合は、臭気ガスはまず緩和層26に当たる。
一方、充填層30で微生物脱臭処理された浄化空気は、処理槽10の充填層30の下底28から、処理槽10と貯水槽12の間の通気空間の排気手段としての排気路20aを通って、処理槽10の中央の内筒37の排気路20bから、外部あるいは外気に排気される。
制御手段としての制御装置22は、メモリを有するマイクロコンピュータで構成される。内部若しくは外部に時計22Tを有する。制御装置22は、少なくとも、流量計17とポンプ15に接続され、それぞれを制御する。なお、制御装置22は、ブロア19、ヒータ24と接続され、これらを制御するようにしてもよい。
<動作説明>
次に微生物脱臭装置1の動作について説明する。本発明の微生物脱臭装置1は、処理槽10内の充填層30の担持材31に生息する微生物の菌叢の密度を充填層30中で均一にし、しかも最大にすることで、アンモニアを含む臭気ガスの単位時間あたりの処理量を増大させる。
処理槽10内の担持材31のように、通気性を有する好気環境下では、担持材31の表面に水からなる液膜が形成される。この液膜は表面から150μm程度の厚みは、酸素が透過する。従って、この液膜の表面には、主として硝化作用を行う硝化菌が繁殖する。この硝化菌は、酸素呼吸をして、アンモニアを硝酸性窒素若しくは亜硝酸性窒素に変換する。この微生物の生活活性が、アンモニアを含む臭気ガスの脱臭の基本となる。
したがって、臭気ガスの処理量を増やすためには、これらの細菌を多く繁殖させる必要がある。好気性の細菌は、窒素成分を栄養源とするため、アンモニアを含む水を与えればよい。一方、これらの細菌は、被処理臭気ガス中のアンモニアなどによりpHが略8.5以上に高くなると硝化作用が失活する。
そこで、本発明に係る微生物脱臭装置1では、担持材31に多量の循環水を与えて、担持材31の保水量を増大させて、臭気ガス中のアンモニア濃度変動に対する緩衝力を上げ、微生物脱臭能力の向上を図る。
担持材31としてのロックウールに、500〜800L/担持材−m・日の循環水を散水することで、充填層30の担持材31に供給される循環水と担持材31の毛管力による付着と重力による付着水の離脱とにより、担持材31に付着する付着水の入れ替えが行われつつ、供給と離脱とのバランスにより、担持材31表面の液膜厚、水膜厚が略150〜200μm程度、略200μm程度と、見かけの液膜厚はほぼ一定に保たれる。
充填層30の担持材31に付着する付着水の水量、すなわち保水量は略620〜650L/m程度となる。
アンモニアを含む被処理臭気ガスは、ブロア19により単位時間あたり決められた体積量だけ充填層30に流入し、担持材31に付着する付着水と気液接触し、付着水に吸着、吸収溶解され、担持材31に担持された微生物によりアンモニアが硝化され、アンモニア脱臭処理される。
アンモニアおよび空気中の酸素を含む被処理臭気ガス中のアンモニアは充填層30の流入側21から被処理臭気ガスが浄化されて充填層30から排出される排出側39に向かうにつれ、付着水に吸収溶解され、濃度が薄くなる。一方、被処理臭気ガスが流入する流入側21から供給される循環水は、付着水を洗い流し付着水の入れ替えが行われる。入れ替えられたアンモニア濃度の高い付着水は、排出側39に流れる。したがって、流入側21では、被処理臭気ガスから供給される窒素量が多い。一方、被処理臭気ガスが浄化されて充填層30から排出される排出側39では、付着水から供給される窒素量が多い。このような作用によって、充填層30中のアンモニア濃度は均一化し、それに伴って微生物の存在も均一化される。
担持材31表面の液膜厚、水膜厚が略150〜200μm程度、略200μm程度と分厚くなると、被処理臭気ガスに含まれるアンモニア濃度変動に対するpH緩衝力が向上し、液膜のpHが8.5を超え難く、菌叢が破過し難くなる。すると、菌密度が均一となり、菌密度が高まり、充填層30単位体積当たりの微生物量が増大する。微生物脱臭能力が向上し、微生物脱臭槽のコンパクト化が図られる。
散水量を多くすると、担持材31の表面に付着する付着水の入れ替えが速く行われる。例えば、500〜800L/担持材−m・日と散水量の多い循環水を散水すると、担持材31の表面に付着する付着水の入れ替えが速く行われ、かつ、付着水の厚みも分厚く、すなわち付着水量、保水量が多いため、アンモニアおよび空気中の酸素を含む被処理臭気ガスとの気液接触などでの化学平衡移動が生じ易く、好気的アンモニア脱臭浄化、すなわち硝化が進行し易い。
また、循環水中のNH の硝化により生成したNO により、被処理臭気ガスに含まれるアンモニアガスの吸着力と中和力が向上し、高濃度アンモニアガス、およびアンモニア濃度変動に対するpH緩衝力を高める。また、NH は硝化菌の栄養成分であり、硝化菌の増殖、活性化に寄与する。
微生物の菌密度が均一になるように散水するということは、充填層30に充填された担持材31に担持された微生物の菌密度が菌叢の破過が少なく担持された微生物による脱臭能力が維持できる程度に充填層30全体に亘って略均一になれば良い。例えば、散水された循環水が充填層30を通って、充填層30の排出側39から排水として排水、流下するが、その排水のpHが6〜7、好ましくは6.5〜7となるように、あるいは、排水のpHが6〜7、好ましくは6.5〜7となるようにして同時に溶存酸素濃度(DO)が6mg/リットル以上となるように、循環水を散水すればよい。このようにすることで、充填層30全域に亘って、充填された担持材31の菌叢が破過されることなく、菌叢が破過したとしても菌叢の破過が少なく、微生物の菌密度が充填層30全体に亘って略均一になる。そして、充填層30単位体積当たりの微生物量が増大することで、微生物脱臭能力が向上し微生物脱臭槽のコンパクト化が図られる。
あるいは、充填層30に散水する散水量を多く、例えば、充填層30の単位体積(m)当たり500〜800L/日の循環水を充填層30に散水することで、充填層30の単位体積当たりの担持材31の付着水量、すなわち充填層30の保水量を多くする。
また、担持材31表面の付着水の液膜の厚みを厚くするので、アンモニアおよび空気中の酸素を含む被処理臭気ガスに含まれるアンモニア濃度変動に対するpH緩衝力が向上し、アンモニア濃度変動に対して、充填層30の担持材31に担持された微生物が失活し難くなる。すなわち、菌叢が破過し難く、菌叢が破過したとしても菌叢の破過が少なく、被処理臭気ガスが流入する流入側21、被処理臭気ガスが浄化されて充填層30から排出される排出側39を含む全域に亘って充填層30の微生物の菌密度が略均一になり、充填層30単位体積当たりの微生物量が増大し、微生物脱臭能力が向上し、微生物脱臭槽のコンパクト化が図られることになる。
したがって、微生物の菌密度が均一になるように散水する一例としては次のような場合が上げられる。充填層30に散水された水が充填層30から排水として排水されるが、その充填層30の排水のpHが6〜7、好ましくは6.5〜7となるように散水することである。また、他の例としては、充填層30の単位体積(m)当たり500〜800L/日を充填層30に散水することなどがある。
充填層30の排水のpHが6〜7、好ましくは6.5〜7となるように充填層30に散水、あるいは、充填層30の単位体積(m)当たり500〜800L/日を充填層30に散水すれば、充填層30の担持材31に担持された微生物の菌密度が微生物破過、すなわち菌叢の破過が少なく担持された微生物による脱臭能力が維持できる程度に、被処理臭気ガスが流入する流入側21から排出側39まで充填層30の全体に亘って略均一になり、充填層30単位体積当たりの微生物量が増大し、微生物脱臭能力が向上し、微生物脱臭槽のコンパクト化が図られることになる。
このように多量の循環水を散水すると担持材31中の菌叢が充填層30全体で均一な状態となる。ここで、「均一」とは充填層30中の任意の箇所をサンプリングした場合に、菌叢の密度がほぼ同じになることをいう。なおほぼ同じとは、重量若しくは数といった比較の指標において、担持された微生物による脱臭能力が維持できる程度に充填層30全体に亘って略均一になれば良く、例えば、略±20%程度の範囲内にあることをいう。言い換えると、充填層30中の菌叢若しくは微生物の菌密度を均一にするように循環水を散水すると言ってもよい。
従来ロックウールを担持材31として用いた場合、排気側上方より散水し、臭気ガスは下方から対向させていた。散水量が多いと圧損への影響が大きく、散水の吹き上がりも懸念される。従って、脱臭槽単位容積あたりの散水量が8L/m・日程度と少なく、液膜が非常に薄いため、アンモニアガス吸着によるpH急上昇が生じやすかった。
硝化菌活性はpH6.5〜7で上昇、pH7〜8で最大、pH8〜8.5で下降、pH8.5超えで活性喪失する。アンモニアガス濃度が低レベルの場合には、硝化(NO生成)による中和で、高い硝化活性を得やすい。しかし、高濃度になると液膜が薄いのでアンモニア吸着によりpH8を超えやすく、pH8.5を超えると、通気側、すなわちアンモニアおよび空気中の酸素を含む被処理臭気ガスが流入する流入側21から硝化菌活性が落ち、破過が生じる。
それにつれ未処理の通気アンモニアガスは次第に排気側、すなわち排出側39の菌密度を増やし硝化活性層は、排気側、すなわち排出側39に移動する。すなわち、菌密度が不均一となる。また、液膜も薄いので、被処理臭気ガスに含まれるアンモニア濃度変化が急激であると排気側での菌密度が過少であるため吸着も硝化もできずアンモニアガスが排出され易い。
つまり、従来の脱臭装置では、液膜が薄く、アンモニアガス吸着による硝化活性の高いpH7〜8を維持できる濃度適応性が低いため、アンモニア負荷は、200ppm×1.5m/分当たり担持材2.5m(断面積1m×層厚さ2.5m、100秒接触)と流入側21から排出側39まで大きな処理容積を必要としている。
しかし、本発明に係る微生物脱臭装置1のように、臭気ガスと散水の方向を同じにしたうえで、散水量を従来の100倍程度にまですることで、変動の大きい高濃度アンモニアガスに対して、全層の液膜で順次吸着し、pH7〜8の調整と、硝化処理を行い、それに伴い、充填層30中の硝化菌密度を全層にわたり均一化することができる。その結果、アンモニア負荷750ppm×1.5m/分当たり担持材1.8m(断面積1m×層厚さ1.8m、50秒接触)と充填層30のコンパクト化が可能となった。
微生物脱臭装置1を始動させる際には、例えば、制御装置22がヒータ24に始動指示Chを送信する。ヒータ24は、貯水槽12中の循環水の温度を微生物の生活環境に適した温度に上げる。具体的には、25℃〜45℃であり、好ましくは30℃〜35℃である。そして、ポンプ15、スクラバーポンプ51およびブロア19をそれぞれ指示Cp、Csp、Cbrを送ることで始動させる。また、スクラバーポンプ51の始動と共に、マイクロバブル発生装置53を始動させてもよい。
制御装置22は、ポンプ15に指示Cpを送ることで、循環水の移送量を制御する。また流量計17からの信号Sfによって、配管14aを実際に流れた循環水の量を知ることができる。制御装置22は、流量計17からの信号Sfを受信すると、前回信号Sfを受けた時刻との時間差ΔTを求め、単位時間当たりの散水量ΔWを計測する。
一方、制御装置22には予め単位時間毎の散水レートの目標値Osが与えられている。そこで、制御装置22は、単位時間当たりの散水量ΔWが目標値Osに等しくなるようにポンプ15を制御する。より具体的には、散水量ΔWが目標値Osより多ければ、ポンプ15を絞り、散水量ΔWが目標値Osより少なければポンプ15を開く。このようにして、制御装置22は、500〜800L/日・mの量の循環水を担持材31に散水することができる。
臭気ガスは、堆肥などの臭気ガス源から導かれ、スクラバー50の下方に設けられた臭気ガス入口50aに導入される。スクラバー50中には、マイクロバブル発生装置53によってマイクロバブルが混入された循環水がミスト状に噴霧されている。マイクロバブルは、微小な泡であり、これを循環水に混合することで、循環水のアンモニア保持量を増やすことができる。臭気ガス中のアンモニアは、水に対する溶解性が高く、このスクラバー50を上昇していく間に、約40%が循環水に溶解し、除去される。
スクラバー50上方にはブロア19が配置されている。このブロア19によってスクラバー50により処理された臭気ガスはダクト18aに風速を伴って流れ込む。ダクト18aは、処理槽10の上面に開口しており、臭気ガスは、処理槽10の上面から充填層30に向って供給される。
処理槽10の上方には、散水手段14の散水管14bが配置されている。臭気ガスは、この散水(これは循環水)と共に、処理槽10の下方に向って進むことになる。
処理槽10の上面には、緩和層26が設けられている。緩和層26は、例えば、通気性があり、略3〜5cm程度の厚みのロックウールシートである。そのロックウールシートに、散水管14bから循環水が散水され、ブロア19により、臭気ガスが供給される。したがって、臭気ガスは、まず緩和層26としてのロックウールシートで、循環水にある程度吸収され、供給される臭気ガス中のアンモニア濃度が緩和される。この緩和層26があるので、臭気ガス中のアンモニア量が多くても、処理槽10上部の細菌のいる液膜のpHが急激に上昇することはない。
高濃度のアンモニアは、菌叢が存在する液膜の水分のpHを一気に高くする。すると、菌叢は失活する場合もある。しかし、緩和層26が存在するために、供給される臭気ガス中のアンモニア濃度が緩和され、充填層30の上部に存在する微生物が失活し、菌叢が破過する恐れが低下する。
担持材31中は、多量の保有水があるとはいえ、通気性もあるために、臭気ガス中のアンモニアは、菌叢のいる液膜に取り込まれ、硝化される。また、担持材31に供給される循環水は担持材31の保水量を常に満たす程度に供給されているので、担持材31中に均一に菌叢が発生しており、硝化速度が高くなる。
担持材31を通過した臭気ガス中のアンモニア濃度は、スクラバー50の臭気ガス入口50aでの濃度と比較するとおよそ80分の1まで減少しており、ほとんど臭気として気にならない程度まで、低下させることができる。処理槽10を通過した臭気ガスは、処理槽10の中央の内筒37の排気路20bから、大気中に放出される。
以上のように、本実施の形態では、担持材31で形成された充填層30中に、多量の循環水を散水することで、充填層30内の細菌の菌叢を均一に繁殖させ、単位時間あたりの処理量を増やすことができる。
(実施の形態2)
図2に本実施の形態に係る微生物脱臭装置2の構成を示す。実施の形態1と同じ部分は同じ番号で示し、説明は省略する。微生物脱臭装置2は、実施の形態1の微生物脱臭装置1に、加えさらにガスアンモニア濃度計32と、循環水アンモニア濃度計34と窒素化合物添加手段36を有する。
窒素化合物添加手段36は、貯蓄部36bと混合部36aで構成される。貯蓄部36bには、窒素化合物が蓄積されている。混合部36aは、循環水が流れる配管14aの途中に設けられ、貯蓄部36bから窒素化合物を取り出し、循環水に混ぜて、散水管14bへ送り出す。どの程度の量の窒素化合物を循環水に混合するかは、制御装置22からの信号CPaに従うように混合部36aは作製される。
微生物脱臭装置2は、実施の形態1の場合の微生物脱臭装置1が充填層30内の菌叢を均一化したことに加え、さらに、菌量を最大化することを目的とする。好気性の微生物は、pH、酸素濃度、温度といった生活環境が好適に保持されている限りにおいて、供給窒素量、すなわちNH 供給速度に比例して増加する。
一方、充填層30に供給される窒素量は臭気ガスの濃度がある程度の幅で変動するため、一定とは言えない。そこで、臭気ガス中のアンモニア濃度を測定し、さらに、循環水中のアンモニア濃度も測定し、これらから充填層30に供給される単位時間あたりの窒素量を算出する。すなわち、臭気ガスと循環水によって供給される窒素供給速度を算出する。そして、充填層30において想定される最大窒素処理速度に対して不足する窒素分に相当する窒素化合物を散水中に混合することで供給する。すなわち、充填層30の最大窒素処理速度と同等以上の窒素量を供給する。
ガスアンモニア濃度計32は、臭気ガス中のアンモニア濃度を測定する。その値は、信号Aaとして制御装置22に送られる。また、循環水アンモニア濃度計34は、貯水槽12中の循環水のアンモニア濃度を測定し、その値を信号Awとして制御装置22に送る。
制御装置22は、予め微生物脱臭装置2の最大窒素処理速度maxNが記憶されている。この最大窒素処理速度maxNは、充填層30に実施の形態1のように多量の循環水を散水しながら、多量の窒素化合物を与えることで、計測しておく。
制御装置22は、ガスアンモニア濃度計32からの信号Aaと循環水アンモニア濃度計34からの信号Awを受信した後、ブロア19による臭気ガス供給速度(単位時間当たりの供給量)を用いて、これらの窒素供給速度を算出する。算出された窒素供給速度をそれぞれN(Aa)、N(Aw)とする。そしてこれらの和と最大窒素処理速度maxNとの差を算出する。これをN(Pa)とする。あらわに記載するとN(Pa)は(1)式のように表される。
N(Pa)=maxN−N(Aa)−N(Aw) ・・・(1)
制御装置22は、N(Pa)に相当する窒素化合物の供給速度をさらに算出する。これをPaとする。そして制御装置22は、窒素化合物添加手段36に指示CPaを送信する。窒素化合物添加手段36は、指示CPaに基づいて、単位作業時間の間にPaより多い量の窒素化合物を散水管14bの直前の循環水に添加する。なお、窒素化合物は例えばリン酸アンモニウムなどを好適に使用することができる。言い変えると、前記窒素供給速度の合計と、あらかじめ決められた最大窒素処理速度maxNとの差分相当量以上の窒素を前記散水に含有させ単位時間に供給する。
制御装置22のこのような処理によって、充填層30から見ると、常に最大窒素処理速度maxNに相当するアンモニアが供給されることとなる。つまり、微生物の生活環境は、最大量の微生物が繁殖できる一定の環境が保たれることとなる。
このように充填層30の微生物量を最大量に保持し続けておけば、臭気ガスのアンモニア量が増えた場合は、窒素化合物量を減らし、臭気ガス中のアンモニア量が減った場合は、窒素化合物量を増やすことで、臭気ガス中のアンモニア量の変動に容易に追従でき、なおかつ、微生物の生活環境に負荷を与えない状態に維持することができる。
(実施の形態3)
図3に本実施の形態に係る微生物脱臭装置3の構成を示す。実施の形態1および2と同じ要素は、同じ番号を付し、説明は省略する。微生物脱臭装置3は、充填層30中の微生物に異常が発生しそうな生活環境であると予想した場合に、散水量を増加させ、充填層30中のpHを下げる機能を有する。
微生物脱臭装置1または2では、微生物の生活環境を安定に保持するために、従来より多量の循環水を充填層30に散水し、最大窒素処理量に当たる窒素を補充する。しかし、供給されるアンモニア濃度が高すぎたり、なんらかの事由で、菌叢が繁殖する生活環境の液膜のpHが上昇した場合、硝化細菌は失活する。または死滅するおそれもある。
そこで、充填層30中の菌叢が繁殖している液膜中のpHが、微生物が硝化作用を発揮できるとされるpH8.5を超えると予想される場合は、循環水の散水量を増大させ、充填層30中の保有水を入れ替える。そうすることにより、充填層30中の菌叢の破過を未然に防ぎ、微生物脱臭性能の維持を図る。
微生物脱臭装置3は、微生物脱臭装置2に加え、散水前の循環水のpHを測定する散水前pH測定器40と、散水後の循環水のpHを測定する散水後pH測定器42と、循環水の電気伝導率を測定するORP測定器44と、中央の内筒37の排気路20bを通過する排出気体中のアンモニア濃度を測定する排出アンモニア濃度測定器46が追加される。
散水前pH測定器40は、散水管14bから散水され、充填層30若しくは緩和層26に到達する前の循環水のpHを測定する。測定したpHは信号Saとして制御装置22に送られる。
散水後pH測定器42は、充填層30を通過し、貯水槽12に流下する途中の循環水のpHを測定する。測定したpHは信号Sbとして制御装置22に送られる。ORP(Oxidation Reduction Potential:酸化還元電位)測定器44は、貯水槽12中の酸化還元電位を測定する。測定された酸化還元電位は信号Scとして制御装置22に送られる。
酸化還元電位は、破過等による菌体分解や有機物分解に伴うアンモニア生成、すなわち還元と、硝化すなわちNH →NO によるNO 生成、すなわち酸化のいずれかの優勢傾向を把握するために用いる。硝化が優勢ならORP300mV以上となり、破過傾向ならORPは急低下し200mVを下回る。このことから、破過を回避する散水量増加のタイミングを把握することができる。
排出アンモニア濃度測定器46は、中央の内筒37の排気路20bから、微生物脱臭装置3の外気へ放出されるガス中のアンモニア濃度を測定する。測定したアンモニア濃度は信号Aeとして制御装置22に送られる。微生物脱臭装置3が正常に機能していれば、中央の内筒37の排気路20bから外部に放出される気体中には、アンモニアは極微量しか含まれていないはずである。つまり、排出アンモニア濃度測定器46が、所定値以上のアンモニアの存在を検出するということは、充填層30中の硝化作用が正常に行われていないことを表している。
制御装置22は少なくとも以下の条件の場合に、充填層30中の液膜中のpHが8.5(微生物が硝化作用を失活するpH)であると予想する。まず、供給される臭気ガス中の窒素負荷が25g−N/m・hr以上か否かを判断する。具体的には、ガスアンモニア濃度計32によって、臭気ガス中のアンモニア濃度Aaを測定し、それを窒素量N(Aa)に変換して算出する。
臭気ガスから与えられる充填層30の窒素負荷が上記の値以上の場合は、散水前の循環水のpHが6.5以上または、散水後の循環水のpHが7以上または、循環水のORPの値が200mV以下を6時間以上継続または、充填層30の微生物により臭気ガスが処理され排気される排気ガスのアンモニア濃度が50ppm以上のいずれかの条件が満たされるか否かを判断する。
これらのいずれかの条件が満たされた場合は、充填層30の微生物が保水している液膜が硝化菌を失活させるpH8.5を超え、充填層30の菌叢が破過されると予測されるので、その菌叢の破過を未然に防ぐために、制御装置22は、散水量を一定レベルに増加させる。
具体的には、ポンプ15を指示Cpによって移送量を増やす。一定レベルに増加させる増加の目安は、担持材31の保有水を8時間以内で入れ替える程度の量である。例えば、担持材31をロックウールとした場合は、その保有水の量(保水量)は、620〜650L/mである。これを8時間で入れ替えようとする場合の散水量は、1.3〜1.35L/m・分となる。24時間に換算すると、1860〜1950L/m・日となる。したがって、一定レベルに増加させた散水量は、略1800〜2000L/m・日程度となる。
この操作は、充填層30中の液層のpHを低下させるのが目的であるので、上記の量以上の散水を行ってもよい。ただし、あまり散水量を多くしてしまうと、菌叢が散水と共に流れてしまう若しくは菌叢が常に循環水に浸かった状態となると言った理由から、却って微生物にダメージを与える。循環水を散水する量は、2000L/m・日までにしておくことが好適である。
以下に実施例について説明する。微生物脱臭装置1を用いた。スクラバー50は、0.82mで、毎分1000Lの散水を行った。また、充填層30は高さ1.8mで断面積は4.61mである。つまり、充填層30は8.3mの体積を有する。これは、充填層1mあたりに毎分1.2mの臭気ガスを通過させるように設計し、毎分10mの臭気ガスを流す仕様とするためである。また、この値は、充填層30を通過する臭気ガスの線速度を36mm/secとする仕様である。すなわち、臭気ガスは50秒間で充填層30中を通過する。
充填層30には、見かけ比重が110kg/mのロックウールを充填した。貯水槽12は4mである。これは充填層30の半分の容積を目安としている。ブロア19は臭気ガスの送り量を10m/分に設定した。また、充填層30への散水量は、4.4L/分とした。これは単位体積当たりのロックウールに対して、1日あたり800L(800L/m・日)に相当する。
この微生物脱臭装置1にアンモニア濃度が200〜800ppmの臭気ガスを供給し中央の内筒37の排気路20bから流れ出た気体中のアンモニア濃度を測定した。まず、スクラバー50の出口(ブロア19の入口)でのアンモニア濃度は120〜480ppmであった。つまり、スクラバー50中の散水によって、臭気ガス中のアンモニアは40%が除去された。除去されたアンモニアは循環水中に溶け込み、充填層30中の菌叢に供給される。
充填層30の中央の内筒37の排気路20bから排出された気体中のアンモニア濃度は5〜10ppmであった。つまり、臭気ガスは、わずか50秒で充填層30中を通過し、その間に50分の1程度にアンモニア濃度を低減させることができた。また、スクラバー50の効果を加えると、実に80分の1程度にアンモニア濃度を低減させることができた。
本発明に係る微生物脱臭装置は、畜産分野、工場の廃液処理、生活排水処理、下水処理といったアンモニアに代表される悪臭の発生する分野で好適に利用することができる。
1、2、3 微生物脱臭装置
10 処理槽
12 貯水槽
14 散水手段
14a 配管
14b 散水管
15 ポンプ
16 散水量計測手段
17 流量計
18 臭気ガス供給手段
18a ダクト
19 ブロア
20a 排気路
20b 排気路
21 流入側
22 制御装置
24 ヒータ
26 緩和層
27 上底
28 下底
30 充填層
31 担持材
32 ガスアンモニア濃度計
34 循環水アンモニア濃度計
36 窒素化合物添加手段
36a 混合部
36b 貯蓄部
37 内筒
38 外筒
39 排出側
40 散水前pH測定器
42 散水後pH測定器
44 ORP測定器
46 排出アンモニア濃度測定器
50 スクラバー
50a 臭気ガス入口
50b 臭気ガス出口
51 スクラバーポンプ
52 スクラバー散水管
53 マイクロバブル発生装置
54 スクラバー貯水槽

Claims (18)

  1. アンモニアを含む臭気ガスを、微生物を担持する担持材を充填した充填層に供給する工程と、
    前記充填層に循環水を散水する工程を有し、
    前記散水する工程は、前記充填層の単位体積(m)あたり500〜800L/日の前記循環水を前記充填層に散水することを特徴とする微生物脱臭方法。
  2. 前記散水する工程は、前記充填層から排出される前記循環水のpHが6〜7になるように散水することを特徴とする請求項1に記載された微生物脱臭方法。
  3. 前記散水する循環水を25℃〜45℃に加熱する工程を有することを特徴とする請求項1または2の何れかの請求項に記載された微生物脱臭方法。
  4. 前記担持材はロックウールであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載された微生物脱臭方法。
  5. 前記アンモニアを含む臭気ガスを前記充填層に供給する工程の前に、緩和層に前記アンモニアを含む臭気ガスを通過させる工程を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載された微生物脱臭方法。
  6. 臭気ガスによる窒素供給速度を算出する工程と、
    前記循環水による窒素供給速度を算出する工程と、
    前記窒素供給速度の合計と、
    あらかじめ決められた最大窒素処理速度との差分相当量以上の窒素を前記散水に含有させ単位時間に供給する工程を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載された微生物脱臭方法。
  7. 前記充填層が保持している保有水のpHが8.5を超えるか否かを予測する予測工程と、
    前記予測工程で前記保有水のpHが8.5を超えると予測された場合に、
    前記散水する工程における散水量を、一定レベルに増加させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1の請求項に記載された微生物脱臭方法。
  8. 前記予測工程は、
    前記臭気ガスのアンモニア負荷が25g−N/m・hrでありかつ
    散水前の循環水のpHが6.5以上または、
    散水後の循環水(排水カップ)のpHが7以上または、
    循環水のORPが200mV以下を6時間以上継続または、
    充填層の微生物により臭気ガスが処理され排気される排気ガスのアンモニア濃度が50ppm以上のいずれかの場合に、前記保有水のpHが8.5を超えると予測する工程であることを特徴とする請求項7に記載された微生物脱臭方法。
  9. アンモニアを含む臭気ガスを、微生物を担持する担持材を充填した充填層に供給する工程と、
    前記充填層に循環水を散水する工程を有し、
    前記散水する工程は、前記充填層中の微生物の菌密度が均一になるように散水することを特徴とする微生物脱臭方法。
  10. 微生物を担持する担持材を充填した充填層を有する処理槽と、
    前記処理槽の下方に設けられた貯水槽と、
    前記貯水槽中の循環水を前記処理槽の上方に散水する散水手段と、
    前記散水手段の散水量を計測する散水量計測手段と、
    前記処理槽の上方から臭気ガスを供給する臭気ガス供給手段と、
    前記処理槽の下方から排出される気体を排出する排気手段と、
    前記散水手段を制御する制御装置を有し、
    前記制御装置は、
    前記充填層への散水量が前記充填層の単位体積(m)あたり500〜800L/日であることを特徴とする微生物脱臭装置。
  11. 前記充填層への散水量は、前記充填層の下方から排出される前記循環水のpHが6〜7になるようにすることを特徴とする請求項10に記載された微生物脱臭装置。
  12. 前記循環水を加熱するヒータを有することを特徴とする請求項10または11のいずれかの請求項に記載された微生物脱臭装置。
  13. 前記担持材はロックウールであることを特徴とする請求項10乃至12の何れか1の請求項に記載された微生物脱臭装置。
  14. 前記充填層の上部であって、前記散水手段および前記臭気ガス供給手段より下方に緩和層を有することを特徴とする請求項10乃至13の何れか1の請求項に記載された微生物脱臭装置。
  15. 前記臭気ガスのアンモニア濃度をガスアンモニア濃度として測定するガスアンモニア濃度計と、
    前記循環水中のアンモニア濃度を循環水アンモニア濃度として測定する循環水アンモニア濃度計と、
    前記散水手段中に設けられ、前記制御装置で制御される窒素化合物添加手段を有し、
    前記制御装置は、
    前記ガスアンモニア濃度から前記臭気ガスによる窒素供給速度を算出し、
    前記循環水アンモニア濃度から前記循環水窒素量による窒素供給速度を算出し、
    前記窒素供給速度の合計と、あらかじめ決められた最大窒素処理速度との差分相当量以上の窒素量を有する窒素化合物を単位時間に前記散水に混合させることを特徴とする請求項10乃至14の何れか1の請求項に記載された微生物脱臭装置。
  16. 前記制御装置は、
    前記充填層中の保有水のpHが8.5を超えると予測される場合に、前記散水量を一定レベルに増加させることを特徴とする請求項10乃至15の何れか1の請求項に記載された微生物脱臭装置。
  17. 前記臭気ガス中のアンモニア濃度を測定するガスアンモニア濃度測定器と、
    散水前の前記循環水のpHを測定する散水前pH測定器と、
    散水後の前記循環水のpHを測定する散水後pH測定器と、
    循環水の電気伝導率を測定するORP測定器と、
    前記排気手段からの排出気体中のアンモニア濃度を測定する排出アンモニア濃度測定器とをさらに有し、
    前記制御装置は、
    前記臭気ガスのアンモニア負荷が25g−N/m・hrでありかつ
    散水前の循環水のpHが6.5以上または、
    散水後の循環水(排水カップ)のpHが7以上または、
    循環水のORPが200mV以下を6時間以上継続または、
    充填層の微生物により臭気ガスが処理され排気される排気ガスのアンモニア濃度が50ppm以上のいずれかの場合に、前記充填層中の水のpHが8.5を超えると予測することを特徴とする請求項16に記載された微生物脱臭装置。
  18. 微生物を担持する担持材を充填した充填層を有する処理槽と、
    前記処理槽の下方に設けられた貯水槽と、
    前記貯水槽中の循環水を前記処理槽の上方に散水する散水手段と、
    前記散水手段の散水量を計測する散水量計測手段と、
    前記処理槽の上方から臭気ガスを供給する臭気ガス供給手段と、
    前記処理槽の下方から排出される気体を排出する排気手段と、
    前記散水手段を制御する制御装置を有し、
    前記制御装置は、前記充填層中の微生物の菌密度が均一になるように前記散水手段に散水させることを特徴とする微生物脱臭装置。
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