JP2014138681A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】役物に供給される電源が不安定な場合に生じる現象が演出面に関して遊技者に与える影響を軽減させることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】可動役物115に供給される電源の電圧が低下すると(S4921)、CPU42は、上位要求に関係なく発光部2,3を積極的に消灯させ(S4921)、かつ、発光部2,3が消灯状態であることを遊技盤110側に通知しない。そのため、電圧低下状態であるにもかかわらず、システム制御CPU301は、後続の演出として、表示中の色を変更する態様でLEDを即時点灯するという指示を出し(S4931、4941)、この指示を受けたLMP制御CPU321は、通常演出要求Y2を生成してCPU32を送信する(S4932、4942)。電圧が基準電圧以上に上昇すると(S4951)、CPU42は、遊技盤110側からの要求に対応する発光部2,3の発光演出を再開させる。
【選択図】図49

Description

本発明は、遊技球の入賞によって大当たりの抽選を行うパチンコ遊技機や遊技媒体の投入の際の抽選結果を複数リールの停止時に図柄の組み合わせで表示するスロットマシン等の遊技機に関するものである。
パチンコ遊技機等の遊技機では、遊技球が始動口等の役物に入賞することにより大当たりの抽選が行われる。そして、大当たりに当選した場合には、遊技機は、大入賞口が開放されて、多くの賞球を獲得し得る大当たり遊技状態となる。また、遊技機では、遊技者による遊技球の遊技に伴って、画像表示部での表示や各種のランプの点灯、スピーカによる音響等の各種の演出が行われる。
演出に用いられる役物の構成として、従来から種々のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、遊技の演出に用いられ、電気的機器を搭載した可動体と、往復動する可動体と相対移動する部位に配設され、可動体の電気的機器を駆動するドライバと、ドライバから電気的機器へ制御信号及び/又は電源の供給を行うフラットケーブルと、を備える構成の遊技機が開示されている。
特開2010−187992号公報
ここで、遊技機が持つ役物は、遊技機本体から供給される電源により様々な演出を実行する。遊技機本体からの電源が不安定な場合、役物は予定どおりの演出を実行できなくなってしまい、好ましくない。また、遊技は継続しているものの、予定どおりの演出が実行されないことに伴って遊技者が遊技に集中できなくなる等の不都合もある。ところで、遊技機本体に対して、電源の安定供給のための様々な対策を施したとしても、例えば遊技機を設置するホール側の事情等によって十分な対策にはならない場合が想定される。
本発明は、役物に供給される電源が不安定な場合に生じる現象が演出面に関して遊技者に与える影響を軽減させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明が適用される遊技機は、遊技の制御に応じて演出の制御が行われる遊技機100であって、演出を制御する演出制御部321と、前記演出制御部321に対して可動に前記遊技機100に配設され、当該遊技機100から電力の供給を受けて発光する発光部2,3を持ち、当該発光部2,3による発光演出を含む演出を行う可動体115と、を備え、前記可動体115は、前記遊技機100から供給される電力について所定の電圧変動を検出した場合に前記発光部2,3の消灯を行うことを特徴とするものである。
ここで、前記可動体115は、前記所定の電圧変動の検出に対応して行う前記発光部2,3の消灯を前記演出制御部321に通知しないことを特徴とすることができる。この場合には、演出制御の複雑化を防止することが可能になる。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、役物に供給される電源が不安定な場合に生じる現象が演出面に関して遊技者に与える影響を軽減させることが可能になる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の部分平面拡大図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。 本実施の形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。 本実施の形態の遊技制御部の主要動作を示すフローチャートである。 始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。 変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。 停止中処理の内容を示すフローチャートである。 客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。 遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。 電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図である。 演出制御部の動作を示すフローチャートである。 コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態におけるモードフラグの設定例を示す図である。 演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 変動演出終了中処理の内容を示すフローチャートである。 当たり演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 エンディング演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 客待ちコマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 演出ボタン処理の内容を示すフローチャートである。 演出制御部、画像/音響制御部およびランプ制御部の主要部の回路構成を例示する図である。 可動役物の動作を説明する概略図である。 可動役物の制御に関する構成を説明するブロック図である。 可動役物の制御に関する構成を説明するブロック図である。 可動役物による演出を説明する図である。 SPI通信のタイミングチャートである。 赤外線通信により可動役物に送信されるデータの構成例を説明する図である。 赤外線通信により可動役物に送信されるデータの構成例を説明する図である。 赤外線通信により可動役物に送信されるデータの構成例を説明する図である。 赤外線通信により可動役物に送信されるデータの構成例を説明する図である。 複数の演出データを送信する送信例を説明する図である。 複数の演出データを送信する送信例を説明する図である。 特別演出データの再表示例を説明する図である。 通信の基本シーケンスを説明するフローチャートである。 通信が正常でない場合のシーケンスを説明するフローチャートである。 通信が正常でない場合のシーケンスを説明するフローチャートである。 サム値の計算を説明する図である。 通常演出シーケンスの例を説明するフローチャートである。 特別演出データの差し替えを伴う通常演出シーケンスの例を説明するフローチャートである。 特別演出シーケンスの例を説明するフローチャートである。 特別演出シーケンスの例を説明するフローチャートである。 電断シーケンスの例を説明するフローチャートである。 電圧低下シーケンスの例を説明するフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動するゲート124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器を作動させることとなる遊技球の入賞に係る入賞口をいう。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
なお、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選において大当たりに当選する大当たり確率が変動する場合(低確状態(例えば300分の1)から高確状態(例えば30分の1)への変動)がある。また、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ123の羽根の開時間が延長されたり、電動チューリップ123の羽根が開く回数が増えたりする場合がある。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が始動しない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施の形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153(図2参照)と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄や普通図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに他の遊技球による入賞があると、その入賞した遊技球に対する図柄の変動表示動作は、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、規定個数(例えば4個)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2の(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。演出キー162は、その中央に1つの中央キーを配置し、また、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。遊技者は、4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能であり、また、中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(大当たり抽選)の未抽選分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、ゲート124への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)と、を備えている。なお、演出制御部300の回路構成については、後述する(図27参照)。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン等(演出ボタン161および演出キー162)を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。その際、演出ボタン等を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。また、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、を備えている。なお、画像/音響制御部310の回路構成については、後述する(図27参照)。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROMには、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPUは、ROMに記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、を備えている。なお、ランプ制御部320の回路構成については、後述する(図27参照)。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROMには、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROMには、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPUは、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。そして、払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、特別図柄抽選部231と、普通図柄抽選部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄抽選結果判定部234と、普通図柄制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235と、遊技進行制御部236と、を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
特別図柄抽選部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄の抽選を行う。
普通図柄抽選部232は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄抽選を行う。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄抽選結果判定部234は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、特別図柄の変動時間が短縮される時短遊技状態の有無および大当たりの当選確率が高確率に変動した確変遊技状態の有無の組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短遊技状態および確変遊技状態の両方が発生する大当たり、時短遊技状態のみが発生する大当たり、確変遊技状態のみが発生する大当たり、時短遊技状態および確変遊技状態のいずれも発生しない大当たりが有り得る。以下、これらの大当たりを区別する場合は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づき、「時短有り」、「時短無し」、「確変有り」、「確変無し」等と記載して区別する。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば一定時間経過または一定個数の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数繰り返される。通常、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態が発生する(時短有り)大当たりは長当たりとなり、時短遊技状態が発生しない(時短無し)大当たりは短当たりとなる。
なお、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態が発生する(確変有り)大当たりは「確変大当たり」とも呼ばれ、確変遊技状態が発生しない(確変無し)大当たりは「通常大当たり」とも呼ばれる。また、遊技の態様によっては、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態のみが発生し、時短遊技状態が発生しない(確変有り+時短無し)大当たりは「潜伏確変大当たり」、「突然確変(突確)大当たり」等とも呼ばれる。さらに、「確変大当たり」において、大入賞口125が開状態となるラウンド数に基づき、「15ラウンド(15R)確変大当たり」、「2ラウンド(2R)確変大当たり」等のように区別される場合もある。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば大入賞口125の開閉が所定回数行われる小当たり遊技が行われ、終了した後においても小当たり当選時の遊技状態を継続する当たりである。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が確変遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても確変遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が確率変動も時間短縮もしていない通常の遊技状態(通常遊技状態)である場合には、小当たり遊技の終了後においても通常遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「はずれ」では、「大当たり」でも「小当たり」でもなく、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、特別図柄の抽選結果が「大当たり」であった場合に、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。また、「リーチ演出を行うか否か」を判定する。ここでの「リーチ演出」とは、遊技者に大当たりを期待させるための画像表示部114等にて行われる演出である。
遊技進行制御部236は、各遊技状態において遊技の進行を制御する。
普通図柄制御部237は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。また、その抽選結果に応じて普通図柄の変動を制御する。この普通図柄抽選の当選確率は、主に時短遊技状態において行われる、電動チューリップ123の開放による第2始動口122への入賞サポート(いわゆる電チューサポート)がある場合には高くなる。
「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122への遊技球の入賞確率が高まる状態を発生させる。上記の入賞サポート(電チューサポート)時には、この規定回数や規定時間が増える。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態は発生しない。
大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の開放動作を制御する。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段やサブ制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部400により賞球の払い出しの制御が行われる。
図5は、遊技制御部200の主要動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。図4を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501〜506)。
乱数更新処理(ステップ501)では、遊技制御部200の乱数制御部242は、メイン制御手段やサブ制御手段による処理で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(ステップ502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(ステップ503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄抽選結果判定部234、変動パターン選択部235、および遊技進行制御部236により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(ステップ504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(ステップ505)では、遊技制御部200の賞球処理部240は、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
出力処理(ステップ506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップ505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に特別図柄抽選部231は、第1始動口121の入賞における未抽選分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップ602でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップ602でYes)、次に特別図柄抽選部231は、保留数U1の値を1加算する(ステップ603)。そして、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ604)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたはハズレを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短遊技状態の有無、確変遊技状態の有無、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数、リーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、特別図柄抽選部231は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちステップ605において)行うものであり、画像表示部114での演出に用いるための情報を取得するためのものである。なお、抽選結果の予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、特別図柄抽選部231は、ステップ603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数U1増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。ステップ605の事前判定処理が行われた場合は、保留数U1増加コマンドには、ステップ605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に特別図柄抽選部231は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(ステップ607)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に特別図柄抽選部231は、第2始動口122の入賞における未抽選分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップ608)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(ステップ608でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップ608でYes)、次に特別図柄抽選部231は、保留数U2の値を1加算する(ステップ609)。そして、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のステップ604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など)が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、特別図柄抽選部231は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ611)。この事前判定処理の内容は、上記のステップ605と同様である。この事前判定処理も、抽選結果の予告演出を行わないパチンコ遊技機100においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、特別図柄抽選部231は、ステップ609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数U2増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。ステップ611の事前判定処理が行われた場合は、保留数U2増加コマンドには、ステップ611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちのゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に普通図柄抽選部232は、未抽選分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップ702でYes)、次に普通図柄抽選部232は、保留数Gの値を1加算する(ステップ703)。そして、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数など)が取得される。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりまたは小当たりである場合に、これらの当たりに応じた遊技状態であることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ、小当たり遊技フラグのいずれかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は何らかの当たりによる遊技状態(特別図柄が選択されて停止している状態)であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップ801でYes)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップ801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(ステップ802)。特別図柄変動中でない場合(ステップ802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未抽選分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(ステップ803〜806)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(ステップ803)。保留数U2が1以上である場合(ステップ803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(ステップ804)。一方、保留数U2=0である場合は(ステップ803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(ステップ805)。保留数U1が1以上である場合(ステップ805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(ステップ806)。一方、保留数U1=0である場合は(ステップ805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(ステップ816)。
ステップ804またはステップ806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(ステップ807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(ステップ808、809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる設定情報(図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(ステップ810)。そして、この設定内容を示す設定情報(図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(ステップ811)。ステップ811でセットされた変動開始コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
ステップ802で特別図柄変動中と判断された場合(ステップ802でYes)、またはステップ811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ812)。すなわち、ステップ810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(ステップ812でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動を停止し(ステップ813)、変動停止コマンドをRAM203にセットする(ステップ814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(ステップ815)。停止中処理の内容については後述する。ステップ814でセットされた変動停止コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄抽選結果判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数の判定を行い(ステップ901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップ902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(ステップ902でYes)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、大当たり図柄乱数の判定を行う(ステップ903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(確変有り+時短有り、確変有り+時短無し、確変無し+時短有り、確変無し+時短無しのいずれか)が決定される。いずれの大当たりとなるかは、図6のステップ604で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちのいずれと一致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄抽選結果判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ904)。
ステップ901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(ステップ902でNo、ステップ905でYes)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ906)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(ステップ902、ステップ905でNo)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。この判断は、大当たり判定処理(図9)のステップ901、902と同様である(ステップ902の判断結果を用いても良い)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
一方、大当たりしなかった場合(ステップ1001でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数の判定を行う(ステップ1003)。リーチ演出を行うか否かは、図6のステップ604で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(c)参照)。
乱数を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のステップ604またはステップ610で取得した変動パターン乱数およびステップ1002、1005、1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数の判定を行う(ステップ1007)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる場合がある。
この後変動パターン選択部235は、ステップ1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(ステップ1008)。ステップ1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のステップ811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のステップ815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において時短フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1101)。時短フラグとは、パチンコ遊技機100の遊技状態が時短遊技状態であることを識別するためのフラグである。時短フラグがONである場合(ステップ1101でYes)、遊技進行制御部236は、時短遊技状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップ1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(ステップ1101でNo)またはステップ1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(ステップ1103でNo)、次に遊技進行制御部236は、RAM203のフラグ設定において確変フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1105)。確変フラグとは、パチンコ遊技機100の遊技状態が確変遊技であることを識別するためのフラグである。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、一般に、長当たりの後に行われるような確変および時短が付いた遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、一般に、短当たりのあとに行われるような確変はしているが時短は付かない遊技状態である。
確変フラグがONである場合(ステップ1105でYes)、遊技進行制御部236は、確変遊技状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(ステップ1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(ステップ1107)。そして、抽選回数X=0であれば(ステップ1107でYes)、確変フラグをOFFにする(ステップ1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(ステップ1105でNo)またはステップ1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(ステップ1107でNo)、次に遊技進行制御部236は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1109)。そして、大当たりだった場合(ステップ1109でYes)、次に遊技進行制御部236は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(ステップ1110)。
これらの判断は、大当たり判定処理(図9)で設定情報にセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄のうち、通常図柄Aまたは確変図柄Aがセットされている場合は、大当たりの種類が長当たりであると判断される。また、通常図柄B、確変図柄Bまたは潜確図柄がセットされている場合は、大当たりの種類が短当たりであると判断される。したがって、設定情報に通常図柄Aまたは確変図柄Aがセットされているならば、ステップ1109、1110の両方でYesである。通常図柄B、確変図柄Bまたは潜確図柄がセットされているならば、ステップ1109でYes、ステップ1110でNoである。はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、ステップ1109でNoである。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
大当たりの種類が長当たりであった場合(ステップ1110でYes)、遊技進行制御部236は、長当たり遊技フラグをONにする(ステップ1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、確率変動の有無を区別していない。確率変動の有無は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(ステップ1110でNo)、遊技進行制御部236は、短当たり遊技フラグをONにする(ステップ1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。
ステップ1111またはステップ1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技進行制御部236は、抽選回数J、Xの値を初期化する(ステップ1113)。すなわち、特別図柄抽選で大当たりした(ステップ1109)のであるから、抽選回数J、Xの値を0に戻して新たに数え直す。また、遊技進行制御部236は、ステップ1101において時短フラグがONであって、ステップ1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(ステップ1114)。同様に、ステップ1105において確変フラグがONであって、ステップ1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(ステップ1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(ステップ1109でNo)、次に遊技進行制御部236は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(ステップ1115)。小当たりでなかった場合は(ステップ1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(ステップ1115でYes)、遊技進行制御部236は、小当たり遊技フラグをONにする(ステップ1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。
ステップ1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、またステップ1116で小当たり遊技フラグをONにした後、遊技進行制御部236は、オープニング動作を開始する(ステップ1117)。ここで、オープニング動作の内容は、ステップ1111、1112、1116のいずれで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作のいずれかが行われることとなる。
この後、遊技進行制御部236は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップ1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のステップ816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(ステップ1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技進行制御部236は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(ステップ1202)、客待ちフラグをONにする(ステップ1203)。ステップ1202でセットされた客待ちコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合に、これに応じた遊技状態(補助遊技状態)であることを識別するためにセットされるフラグである。補助遊技状態では、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易くなる(補助される)。
補助遊技フラグがONである場合、既に普通図柄が選択されて停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(ステップ1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(ステップ1301でNo)、次に普通図柄制御部237は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(ステップ1302)。普通図柄変動中でない場合(ステップ1302でNo)、次に普通図柄制御部237は、普通図柄の未抽選分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(ステップ1303)。保留数G=0である場合は(ステップ1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップ1303でYes)、普通図柄制御部237は、保留数Gの値を1減算し(ステップ1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1305)。当選したか否かは、図7のステップ704で取得した当たり乱数の値が当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄制御部237は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(ステップ1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄制御部237は、普通図柄の変動時間の設定を行う(ステップ1307)。この変動時間は、図11におけるステップ1104、1114、後述の図15におけるステップ1506等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、ステップ1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄制御部237は、ステップ1307の設定内容に基づき、図2に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(ステップ1308)。
ステップ1308で普通図柄の変動を開始した後、またはステップ1302で普通図柄変動中と判断された場合(ステップ1302でYes)、普通図柄制御部237は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ1309)。すなわち、ステップ1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(ステップ1309でYes)、普通図柄制御部237は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(ステップ1310)。そして、普通図柄制御部237は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1311)。当選したならば(ステップ1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(ステップ1312)。一方、抽選にはずれたならば(ステップ1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップ1401でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(ステップ1402でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(ステップ1403でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動設定を行い(ステップ1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(ステップ1405)、大入賞口125の作動ラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(ステップ1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(ステップ1407)。
ステップ1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部238は、ステップ1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(ステップ1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(ステップ1408でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(ステップ1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(ステップ1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(ステップ1409でYes)、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(ステップ1410)。
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rがステップ1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(ステップ1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(ステップ1411でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(ステップ1411でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング動作を開始する(ステップ1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップ1413)。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(ステップ1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(ステップ1417でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、遊技状態設定処理を行った後(ステップ1418)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(ステップ1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
ステップ1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(ステップ1402でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング中か否かを判断する(ステップ1415)。そして、エンディング中であるならば(ステップ1415でYes)、上記ステップ1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(ステップ1415でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(ステップ1416)。そして、作動中でないならば(ステップ1416でNo)、上記ステップ1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(ステップ1416でYes)、上記ステップ1408以降の動作を実行する。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(ステップ1417でYes)に実行される遊技状態設定処理(ステップ1418)の内容を図15に示す。
図15に示すように、大入賞口動作制御部238は、まず、図14のステップ1401で当たり遊技フラグがONとなっているので、その当たりの種類を判断する(ステップ1501、1502、1503、1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
当たりの種類が小当たりである場合(ステップ1501でYes)、遊技状態(パチンコ遊技機100の内部状態)は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
当たりの種類が確変無し+時短有りの大当たりである場合(ステップ1501でNo、ステップ1502、1503でYes)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグをONにする(ステップ1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短遊技状態となる。また、大入賞口動作制御部238は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、時短遊技状態が終了する。
一方、当たりの種類が確変無し+時短無しの大当たりである場合(ステップ1501でNo、1502でYes、ステップ1503でNo)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、時短遊技状態にも確変遊技状態にもならない。
当たりの種類が確変有り+時短有りの大当たりである場合(ステップ1501、1502でNo、ステップ1506でYes)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグをONにし(ステップ1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(ステップ1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、大入賞口動作制御部238は、確変フラグをONにし(ステップ1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(ステップ1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短付き確変遊技状態となる。そして、この時短付き確変遊技状態における抽選が10000回行われたならば、時短付き確変遊技状態は終了する。
一方、当たりの種類が確変有り+時短無しの大当たりである場合(ステップ1501、1502、ステップ1506でNo)、大入賞口動作制御部238は、確変フラグのみをONにし(ステップ1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(ステップ1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短の付かない確変遊技状態となる。そして、この時短無し確変遊技状態における抽選が10000回行われたならば、時短無し確変遊技状態は終了する。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップ1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップ1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(ステップ1602でNo)、電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(ステップ1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(ステップ1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるステップ1104、1114、図15におけるステップ1503、1506等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、ステップ1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短遊技状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
ステップ1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(ステップ1602でYes)、またはステップ1604で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部239は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(ステップ1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(ステップ1605でYes)、電動チューリップ動作制御部239は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図である。
図17(a)には大当たり乱数の構成例、図17(b)には大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)にはリーチ乱数の構成例、図17(d)には当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数は、パチンコ遊技機100の遊技状態が確変のない通常時の大当たりと確変時の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲はいずれも0〜299の300個である。通常時の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また確変時の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、確変時に始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、通常時に特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、確変か否かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、通常図柄A、通常図柄B、確変図柄A、確変図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、通常図柄Aおよび通常図柄Bは、確変無しの大当たりであることを表す図柄であり、このうち通常図柄Aは長当たり(時短有り)、通常図柄Bは短当たり(時短無し)をそれぞれ表す。確変図柄Aおよび確変図柄Bは、確変有りの大当たりであることを表す図柄であり、このうち確変図柄Aは長当たり(時短有り)、確変図柄Bは短当たり(時短無し)をそれぞれ表す。潜確図柄は、確変有り+時短無しの大当たりであることを表す図柄である。したがって、確変図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、確変潜伏演出を行う条件とするために確変図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
通常図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に通常図柄Aでの当選(確変無し+時短有り)となる確率は、35/250(=7/50)である。
通常図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に通常図柄Bでの当選(確変無し+時短無し)となる確率は、15/250(=3/50)である。
確変図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Aでの当選(確変有り+時短有り)となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Aでの当選(確変有り+時短有り)となる確率は、175/250(=7/10)である。
確変図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Bでの当選(確変有り+時短無し)となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Bでの当選(確変有り+時短無し)となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選(確変有り+時短無し)となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、確変有り+時短無しの大当たり(確変図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、確変有り+時短有りの大当たり(確変図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122のいずれか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短遊技状態が発生していないときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短遊技状態が発生しているときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
これらの乱数値は、所定の初期値から始まって、図5に示す乱数更新処理(ステップ501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当たり乱数では299)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図18は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図18(a)に示すメイン処理と、図18(b)に示す割り込み処理とからなる。図18(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップ1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップ1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップ1803)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、ステップ1802で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図18(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(ステップ1811)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(ステップ1812)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(ステップ1813)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図19は、コマンド受信処理(図18(b)のステップ1811)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(ステップ1901)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(ステップ606、612)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(ステップ1901でYes)、演出制御部300は、RAM305(図27参照)に保持されている保留数の値を1加算し(ステップ1902)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM305にセットする(ステップ1903)。
受信したコマンドが保留数増加コマンドでない場合(ステップ1901でNo)、またはステップ1903の保留数増加コマンドのセット後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(ステップ1904)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(ステップ811)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(ステップ1904でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(ステップ1905)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドでない場合(1901およびステップ1904でNo)、またはステップ1905の演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(ステップ1906)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(ステップ814)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(ステップ1906でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(ステップ1907)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904およびステップ1906でNo)、またはステップ1907の変動演出終了中処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(ステップ1908)。このオープニングコマンドは、図11に示した停止中処理においてセットされ(ステップ1118)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(ステップ1908でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(ステップ1909)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904、ステップ1906およびステップ1908でNo)、またはステップ1909の当たり演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(ステップ1910)。このエンディングコマンドは、図14に示した大入賞口処理においてセットされ(ステップ1413)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(ステップ1910でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(ステップ1911)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904、ステップ1906、ステップ1908およびステップ1910でNo)、またはステップ1911のエンディング演出選択処理の終了後にコマンドを受信した場合、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(ステップ1912)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図20は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、特別図柄抽選の抽選結果に応じて設定される動作モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この動作モードは、RAM305(図27参照)にセットされるモードフラグによって決定される。図20に示す例では、AモードからEモードまでの5種類のモードが設定され、各モードに対してモードフラグの値0〜4が割り当てられている。また、Bモードには確変図柄Aの大当たりが、Cモードには通常図柄Aの大当たりが、Dモードには確変図柄Bおよび通常図柄Bの大当たりが、Eモードには潜確図柄の大当たりおよび小当たりが、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。Aモードには何れの当たりも割り当てられていない。さらに、図20に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図21は、図19の演出選択処理(ステップ1905)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(ステップ2101)。また、演出制御部300は、RAM305(図27参照)の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(ステップ2102)、RAM305に保持されている保留数の値を1減算する(ステップ2103)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される動作モードに基づき、その動作モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(ステップ2104)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROMから読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM305にセットして、演出選択処理を終了する(ステップ2105)。
図22は、図19の変動演出終了中処理(ステップ1907)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(ステップ2201)。また、演出制御部300は、RAM305(図27参照)の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2202)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(ステップ2203)。何らかの当たりである場合は(ステップ2203でYes)、その当たりの種類に応じて、図20に示した設定例に基づきRAM305にセットされているモードフラグを変更する(ステップ2204)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が当たりでない場合(ステップ2203でNo)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(ステップ2205)。モードフラグが0でない場合(ステップ2205でNo)、演出制御部300は、パラメータMを1減算し(ステップ2206)、Mの値が0になったか否かを調べる(ステップ2207)。Mの値が0になったならば(ステップ2207でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に設定する(ステップ2208)。
ステップ2205でモードフラグが0であった場合(ステップ2205でYes)、ステップ2207でパラメータMの値が0にならなかった場合(ステップ2207でNo)、またはステップ2208でモードフラグを0に設定した後、あるいはステップ2204でモードフラグを変更した後、演出制御部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM305にセットして、変動演出終了中処理を終了する(ステップ2209)。ここで、図20を参照すると、ステップ2204でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の動作モードは当たりの種類に応じた動作モードとなる。また、ステップ2205でモードフラグが0であった場合およびステップ2208でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の動作モードはAモードとなる。また、ステップ2207でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの動作モードが継続される。
図23は、図19の当たり演出選択処理(ステップ1909)の内容を示すフローチャートである。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(ステップ2301)、解析結果から得られたオープニング動作の内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(ステップ2302)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROMから読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM305(図27参照)にセットして、当たり演出選択処理を終了する(ステップ2303)。この当たり演出を、オープニング演出とも呼ぶ。
図24は、図19のエンディング演出選択処理(ステップ1911)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(ステップ2401)、RAM305(図27参照)の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2402)。次に、演出制御部300は、エンディングコマンドの解析結果から得られたエンディング動作の内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(ステップ2403)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROMから読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM305にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(ステップ2404)。
図25は、図19の客待ちコマンド受信処理(ステップ1912)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(ステップ2501)。客待ちコマンドを受信した場合(ステップ2501でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(ステップ2502)、RAM305(図27参照)において計測フラグをONにする(ステップ2503)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(ステップ2501でNo)、RAM305に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(ステップ2504)。計測フラグがOFFであれば(ステップ2504でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(ステップ2504でYesまたはステップ2503でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(ステップ2505)。タイムアップしていない場合(ステップ2505でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(ステップ2505でYes)、演出制御部300は、RAM305に保持されている計測フラグをOFFにし(ステップ2506)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM305にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(ステップ2507)。
以上のようにして客待ちコマンド受信処理が完了すると、RAM305には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドのいずれかがセットされている。
図26は、演出ボタン処理(図18(b)のステップ1812)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン等が操作されたか否かを判断する(ステップ2601)。ここで、演出ボタン等の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン等が操作されたならば(ステップ2601でYes)、演出制御部300は、演出ボタン等の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM305(図27参照)にセットして演出ボタン処理を終了する(ステップ2602)。
この後、演出制御部300は、図18(b)のコマンド送信処理(ステップ1813)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM305にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔演出制御部、画像/音響制御部、およびランプ制御部の回路構成〕
図27は、演出制御部300、画像/音響制御部310およびランプ制御部320の主要部の回路構成を例示する図である。
図27に示す回路ユニットは、演出/画像/音響制御基板330およびランプ制御基板340により構成されている。上述するように、演出/画像/音響制御基板330は、演出制御部300および画像/音響制御部310に対応し、また、ランプ制御基板340は、ランプ制御部320に対応している。演出/画像/音響制御基板330とランプ制御基板340とは、コネクタ331とコネクタ341とで相互に電気的に結合されている。
〔演出制御部の回路構成〕
演出/画像/音響制御基板330は、演出制御部300の演算装置としてシステム制御CPU301を備える。システム制御CPU301には、システム制御CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶された制御用ROM303と、システム制御CPU301の作業用メモリ等として用いられる記憶手段であるデータ書き換え可能なRAM305と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)307と、が接続されている。RTC307は、電池(BATT)309によりバックアップされ、内部に記憶手段であるRAM308を備えている。
さらに、演出/画像/音響制御基板330は、画像/音響制御部310のVDP(Video Display Processor)311、音響DSP(Digital Signal Processor)312、ランプ制御部320のランプ(LMP)制御CPU321、および演出制御部300のシステム制御CPU301各々を個別にリセット(再起動)するための操作入力を受け付けるリセットスイッチ352を備える。また、リセットスイッチ352がONされた場合に、VDP311、音響DSP312、LMP制御CPU321、およびシステム制御CPU301の何れかに対してリセット要求信号を出力して再起動を指示するリセットロジック回路351を備える。
システム制御CPU301は、コネクタ332を介して遊技制御部200から特別図柄処理(図8参照)の結果(抽選結果)に応じたコマンドを取得する。そして、遊技制御部200から受信したコマンドに対して上記図16に示したコマンド受信処理やコマンド送信処理等を含む各種処理を行う。それにより、遊技制御部200からのコマンドに応じた演出内容を実行するように、画像/音響制御部310およびランプ制御部320を統合的に制御する。
また、システム制御CPU301は、コマンド受信処理(図18のステップ1811、図19参照)において、図21乃至図25に示す各種のコマンド(変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドのいずれか)をRAM305にセットする。また、演出ボタン処理(図18(b)のステップ1812、図26参照)において、演出ボタンコマンドをRAM305にセットする。そして、システム制御CPU301は、RAM305にセットしたこれらのコマンドを演出制御CPU302およびランプ制御部320に出力する。
〔画像/音響制御部の回路構成〕
演出/画像/音響制御基板330に配置された画像/音響制御部310は、各種演出を実行する機能部を制御する制御信号を生成する演出制御CPU302と、演出制御CPU302から取得した制御信号に基づき演出内容を表現する画像を生成するVDP311と、演出制御CPU302から取得した制御信号に基づき演出内容を表現する音響を生成する音響DSP312と、を備える。また、画像/音響制御部310は、演出制御CPU302にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶された制御用ROM304と、演出制御CPU302の作業用メモリ等として用いられるRAM306と、を備える。
演出制御CPU302は、演出制御部300(システム制御CPU301)から取得したコマンドに対応させて、各種演出を実行する機能部における各種動作を制御するための制御信号を生成する。そして、演出制御CPU302は、生成した制御信号をVDP311および音響DSP312に出力する。
VDP311は、演出制御CPU302との協働により演出内容を表現する画像の生成を制御し、画像/音響制御部310として機能する。VDP311には、画像表示部114に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、期待値の大きさに応じた演出を表示するためのキャラクタやアイテム等に関する画像データを記憶する画像用ROM313が接続されている。
VDP311は、画像用ROM313に記憶された画像データの中から、演出制御CPU302から送られた制御信号に対応したものを選択して読み出す。そして、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等を行うための画像データを生成する。さらに、VDP311は、生成した画像データを、コネクタ334を介して画像表示部114(図3参照)に出力する。コネクタ334は、画像表示部114への出力用の第1の出力端子を含むコネクタである。
音響DSP312は、演出制御CPU302との協働により演出内容を表現する音響の生成を制御し、画像/音響制御部310として機能する。音響DSP312には、演出を実行するスピーカ156(図3参照)から出力させる楽曲や音声等の各種音響データを記憶する音響用ROM(サウンドROM)315と、音響DSP312の作業用メモリ等として用いられるSDRAM314と、が接続されている。
音響DSP312は、音響用ROM315に記憶された音響データの中から、演出制御CPU302から送られた制御信号に対応したものを選択して読み出す。そして、VDP311から出力される画像データと同期させて、またはVDP311から出力される画像データとは独立させて、生成した音響データをコネクタ333から増幅器(アンプ:不図示)を介してスピーカ156(図3参照)に出力する。
また、演出/画像/音響制御基板330には電源回路部360が配置されている。電源回路部360は、ランプ制御基板340からコネクタ331およびコネクタ341を介して供給される例えば直流電圧3.3Vを例えば直流電圧1.26Vおよび1.2Vに変換して、それぞれ音響DSP312およびVDP311に供給する。
〔ランプ制御部の回路構成〕
ランプ制御基板340は、発光制御装置および可動役物動作制御装置を構成すると共にランプ制御部320の演算装置を構成するランプ(LMP)制御CPU321を備える。また、演出を実行する機能部である盤ランプ116や枠ランプ157(図3参照)を駆動するLEDドライバ325と、同じく演出を実行する機能部である可動役物115を動作させるモータ34(図28参照)をコネクタ345を介して駆動するモータドライバ326と、を備える。LMP制御CPU321には、LMP制御CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶された制御用ROM322と、LMP制御CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、が接続されている。さらに、LMP制御CPU321からの制御信号に応じてロジックレベル「0」または「1」を選択してLEDドライバ325に出力するI/O回路部324が接続されている。
LMP制御CPU321は、システム制御CPU301にて遊技制御部200からのコマンドを処理することで生成されたコマンド(図柄演出コマンド、変動終了コマンド、当たり演出コマンド、エンディングコマンド、客待ち演出コマンド等)、および期待値に対応する図柄演出コマンドをコネクタ331およびコネクタ341を介して取得する。そして、システム制御CPU301にて生成されたコマンドに対応させて、LEDドライバ325およびモータドライバ326を制御する制御信号を生成する。さらに、生成した制御信号をI/O回路部324を介してLEDドライバ325と、モータドライバ326に出力する。
また、LMP制御CPU321は、システム制御CPU301にて生成されたコマンドに対応させて可動役物115を制御する制御信号を生成し、生成した制御信号をコネクタ347を介して基板61(図29参照)に向けて出力する。
LMP制御CPU321に接続された制御用ROM322には、システム制御CPU301にて生成されたコマンドに応じた盤ランプ116や枠ランプ157(図3参照)の発光パターンデータが記憶されている。LMP制御CPU321は、制御用ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、システム制御CPU301からのコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、LMP制御CPU321は、読み出した発光パターンデータを、I/O回路部324を介してLEDドライバ325に出力する。それにより、LEDドライバ325は、コネクタ342、343、344を介して接続された盤ランプ116や枠ランプ157(図3参照)を発光パターンデータに対応させて発光させる。
また、制御用ROM322には、システム制御CPU301にて生成されたコマンドに応じた可動役物115(図3参照)の動作パターンデータが記憶されている。LMP制御CPU321は、制御用ROM322に記憶された動作パターンデータの中から、システム制御CPU301からのコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、LMP制御CPU321は、読み出した動作パターンデータをモータドライバ326に出力する。それにより、モータドライバ326は、コネクタ345を介して接続された可動役物115(図3参照)を動作パターンデータに対応するように動作させる。
また、ランプ制御基板340にはパチンコ遊技機100内の電源基板(不図示)から電力を受け取るコネクタ346が配置されている。コネクタ346は、ランプ制御基板340および演出/画像/音響制御基板330に対して、例えば直流電圧32V、15V、5V、3.3Vの電力を供給する。
〔可動役物115について〕
図28は、可動役物115の動作を説明する概略図であり、(a)は可動役物115が円形状である丸型の状態の場合を示す概略正面図であり、(b)は可動役物115が星型の状態の場合を示す概略正面図である。
図28に示すように、可動役物115は、画像表示部114の周囲を囲むように配置された複数の可動部材1a, 1b, 1c, 1d, 1e, 1f, 1g, 1h, 1i,1j(以下、可動部材1ということがある)を含んで構成されている。本実施の形態に係る可動役物115は、10個の可動部材1a〜1jを有する。
これらの可動部材1の各々は、隣り合うもの同士が互いに連結されており、駆動力を受けて動きによる各種の演出を行うことが可能である。なお、後述するように、可動部材1a〜1jの各々は、光による各種の演出を行うための後述する複数の発光部2a〜2j,3a〜3j(図30参照)を備えている。この可動部材1a〜1jを、動きの演出を実行する動き演出実行部(演出実行部)ということができ、また、発光部2a〜3j,3a〜3jを、光の演出を実行する発光演出実行部(演出実行部、演出発光部)ということができる。
可動部材1は、遊技盤110に対して移動することが可能である。すなわち、可動部材1a〜1jに対し駆動機構10(図28の(b)参照)を介してモータ34(図28の(b)参照)の駆動力が伝達することにより、可動部材1a〜1jは動作する。なお、本実施の形態では、モータ34が遊技盤110に取り付けられているが、可動役物115に取り付ける構成例も考えられる。
さらに説明すると、可動役物115は、可動部材1a〜1jの各々の相互の位置関係を維持しつつ遊技盤110に対して移動可能であり(回転)、また、可動部材1a〜1jの各々の相互の位置関係を変えることで遊技盤110に対して移動可能である(変形)。これらの可動部材1の回転動作および変形動作は、モータ34の駆動力により行われる。
なお、本実施の形態では、可動役物115が回転動作および変形動作を行うことが可能に構成されているが、スライド移動するスライド動作が可能な構成例に本実施の形態を適用することも考えられる。
可動役物115の回転動作および変形動作についてより具体的に説明する。
可動役物115は、これらの可動部材1の移動により、同図の(a)に示す丸型の状態で時計方向に所定の角度回転することが可能であると共に反時計方向に所定の角度回転することが可能である。また、同図の(b)に示す星型の状態で時計方向に所定の角度回転することが可能であると共に反時計方向に所定の角度回転することが可能である。また、可動役物115は、これらの可動部材1の移動により、同図の(a)に示す丸型の状態と同図の(b)に示す星型の状態とを相互に変形することが可能である。付言すると、可動役物115は、360度以上連続的に同じ方向に回転することが可能であり、画像表示部114の回りを何周も回り続けることが可能である。
〔可動役物115の構成〕
図29および図30は、可動役物115の制御に関する構成を説明するブロック図である。図29は、主に給電系統および通信系統を説明するものであり、図30は、主に可動部材1の構成を説明するものである。
まず、図29を用いて可動役物115の給電系統および通信系統を説明する。
図29に示すように、可動役物115は、遊技盤110から電力の供給を受けるための給電ユニット20を備えている。この給電ユニット20は、軸受け(不図示)により回転自在に保持されてその回転軸を囲むように位置する外周面21aを有する回転部材21と、回転部材21の外周面21aに接触する固定部材22と、を含む。なお、給電ユニット20の回転部材21は筒形状であり、回転部材21の内周面で画像表示部114(図1参照)の回りを囲むように回転部材21が配置されている。
回転部材21および固定部材22により、スリップリング構造を構成する。回転部材21は、遊技盤110と電力線により接続され、また、固定部材22は、可動役物115と電力線により接続されている。そして、回転部材21は、直流電圧15Vの電力が出力される端子およびグランド用の端子を持ち、また、固定部材22は、直流電圧15Vの電力が入力される端子およびグランド用の端子を持つ。
給電ユニット20において、回転部材21の回転に伴って固定部材22が回転部材21の外周面21aに摺動し、これによる接点にて、固定部材22から回転部材21への電力の供給が行われる。このようにして可動役物115に供給される電力は、可動役物115自身が演出を行うのに用いられる。
なお、本実施の形態では、給電ユニット20では、接点飛びを防止することでより確実な給電を確保すべく、2つの固定部材22を互いに対向する位置に配設するいわゆる2点接点の構造を採用している。
付言すると、このようなスリップリング構造では、専ら給電を行い、電気信号の伝達を行わない。スリップリング構造による電気信号の伝達を採用すると、ノイズ対策が必要になり、また、コストを押し上げることになる。本実施の形態では、ノイズ対策等の観点から、可動役物115と遊技盤110との間の電気信号の伝達をスリップリング構造ではなく、無線による通信(無線通信)を利用して行っている。言い換えると、本実施の形態では、給電方式とは異なる方式で可動役物115と遊技盤110との間の電気信号の伝達が行われる。
このような構成により、ノイズ対策を簡便なものにしてコスト上昇を抑制し、さらには、スリップリングの幅寸法(図29における回転部材21の紙面垂直方向の寸法。遊技盤110の奥行き方向の寸法)を狭くすることが可能になる。
本実施の形態では、後述するように無線通信の一つである赤外線通信を採用しているが、赤外線通信以外の無線通信、例えばブルートゥース(Bluetooth。登録商標)を採用することも考えられる。
また、無線通信の代わりに、有線による通信(有線通信)を採用することも考えられる。その場合には、可動役物115と遊技盤110との間の電気信号の伝達は、ノイズが発生する可能性の高い場面(可動役物115が移動する場合)では控え、ノイズが発生する可能性の低い場面(可動役物115が移動しない場合)で実行する制御例を併せて採用することが考えられる。
図29に示すように、遊技盤110は、可動役物115との間で赤外線通信による双方向のデータ送受信を行う赤外線モジュールである固定側通信部(赤外送信部)31を有する。また、可動役物115は、遊技盤110との間で赤外線通信による双方向のデータ送受信を行う赤外線モジュールである移動側通信部(赤外受信部)41を有する。すなわち、遊技盤110と可動役物115との間の赤外線通信は、固定側通信部31および移動側通信部41により行われる。
これら固定側通信部31および移動側通信部41は、可動役物115の演出に関するデータ(演出データ)および情報、例えば後述する各種の要求やセンサ44,45,33の検出結果等を赤外線通信する。
図29に示す可動役物115側の構成について説明する。
可動役物115は、移動側通信部41による赤外線通信を制御するCPU42と、赤外線通信により取得した演出データが一時的に格納されるSRAM(Static Random Access Memory)43と、を備えている。このCPU42は、内部にメモリ領域としてのバッファ42aを持つ。
赤外線通信により可動役物115が取得する演出データは、演出の際に用いられるデータである。より詳細には、取得する演出データには、後述の発光部2a〜2j,3a〜3jによる発光内容を示す電気信号である発光データ、点灯データないし発光制御データが含まれる。なお、可動部材1を駆動するモータ34(図28参照)が遊技盤110に取り付けられる構成ではなく、可動役物115に取り付けられる構成の場合には、演出データには、発光データのほかにモータ34(図28参照)の駆動データないし駆動制御データが含まれることになる。
CPU42は、取得した演出データをSRAM43に蓄積する制御を行い、また、SRAM43に蓄積されている演出データを読み出す制御を行う。また、CPU42は、取得した演出データを用いて可動部材1の各々の演出制御を行う。より具体的には、CPU42は、演出データを用いて後述の発光部2a〜2j,3a〜3jの発光演出制御を行う。
CPU42は、かかる制御に際し、バッファ42aに演出データを保持する。例えば、CPU42は、赤外線通信により取得した演出データをSRAM43に蓄積することなくバッファ42aで保持し、そして、SRAM43に蓄積されている演出データを読み出すことなくバッファ42aに保持される演出データ(後述の通常演出データ)を用いて発光演出制御を行う。
また、CPU42は、SRAM43に蓄積されている演出データを破棄する制御を行う。
このようなCPU42による各種の制御は、赤外線通信により可動役物115が取得する制御データを基に行われる。この制御データは、後述の発光部2a〜2j,3a〜3jが発光する発光パターン(点灯パターン)を特定するための電気信号である。CPU42は、かかる制御データをSRAM43に蓄積する制御を行うことが考えられ、また、SRAM43に蓄積しない制御を行うことも考えられる。
このように、可動役物115は、CPU42およびSRAM43を備えていることから、移動側通信部41を介して取得した演出データをCPU42の制御下でいったんSRAM43に蓄積しておくことができる。このため、可動役物115は、SRAM43から演出データを所定のタイミングで読み出すことで、読み出された演出データを用いて発光演出を実行し得る。したがって、可動役物115は、発光演出を実行する度に演出データを受信しなくても済み、円滑な発光演出に移行することが可能になる。
ここで、可動役物115において、取得した演出データが常にSRAM43に蓄積されるとは限らない。すなわち、取得した演出データがSRAM43に蓄積される場合のほか、取得した演出データがSRAM43に蓄積されない場合がある。後者の場合には、可動役物115は、演出データを取得したときにその演出データを用いて発光演出を実行し(即時点灯)、発光演出の実行後に発光演出に用いた演出データを破棄する。
さらに説明すると、可動役物115において、取得した演出データをSRAM43に蓄積する際に、取得した演出データのすべてをSRAM43に蓄積する場合のほか、取得した演出データに含まれる一部の演出データのみをSRAM43に蓄積する場合がある。後者の場合には、可動役物115は、取得した演出データのうちSRAM43に蓄積されない演出データを用いて即時点灯を実行し、その後に破棄する。
可動役物115は、可動部材1の位置を検出するセンサ44,45を備えている。このセンサ44は、可動部材1が丸型の状態(図28の(a)参照)であることを検出するためのものである。センサ45は、可動部材1が星型の状態(図28の(b)参照)であることを検出するためのものである。
本実施の形態では、センサ44,45として、受光素子および発光素子(不図示)を備えるフォトセンサを用いている。すなわち、受光素子(不図示)と発光素子(不図示)との間を遊技盤110側の突出片(不図示)が通ることで、突出片の位置を検出するものである。なお、センサ44,45として、フォトセンサ以外のものを用いることも考えられる。
これら移動側通信部41、CPU42およびSRAM43は、基板51に実装されている。また、センサ44,45は、基板51と接続する中継基板52に実装されている。
中継基板52と基板51とを互いに接続する信号線は、センサ44,45が出力する信号(センサ状態、センサ信号)を中継基板52から基板51に送り(図29のPH1およびPH2を参照)、また、演出データおよびクロック信号を基板51から中継基板52に送る。
基板51から中継基板52に送られた演出データおよびクロック信号は、可動部材1fの基板5fに送られ、また、中継基板53を介して可動部材1aの基板5aに送られる(図29参照)。
そして、基板5fに送られた演出データおよびクロック信号は、可動部材1gの基板5g、可動部材1hの基板5h、可動部材1iの基板5i、可動部材1jの基板5jに順次送られる(図30参照)。また、基板5aに送られた演出データおよびクロック信号は、可動部材1bの基板5b、可動部材1cの基板5c、可動部材1dの基板5d、可動部材1eの基板5eに順次送られる(図30参照)。
また、可動役物115は、給電ユニット20により供給される入力電圧15Vを出力電圧5Vに変換するレギュレータ46を備えている。このレギュレータ46は、中継基板52と接続する中継基板53に実装されている。
中継基板53と中継基板52とを互いに接続する電力線は、給電ユニット20から中継基板53に供給される直流電圧15Vの電力を中継基板52に供給すると共に、レギュレータ46による直流電圧5Vの電力を中継基板52に供給する。また、中継基板52と基板51とを互いに接続する電力線は、直流電圧5Vの電力を基板51に供給する。
直流電圧15Vおよび直流電圧5Vの電力は、中継基板53を介して基板5aに供給され、また、中継基板52を介して基板5fに供給される。
そして、基板5aに供給された直流電圧15Vおよび直流電圧5Vの電力は、基板5b、基板5c、基板5d、基板5eに順次供給される(図30参照)。また、基板5fに供給された直流電圧15Vおよび直流電圧5Vの電力は、基板5g、基板5h、基板5i、基板5jに順次供給される(図30参照)。
次に、可動役物115が備える可動部材1の構成を説明する。
図30に示すように、可動部材1の各々は、発光演出を行うための発光部2a〜2j(以下、発光部2ということがある)と、発光部2と共にまたは発光部2とは独立して発光演出を行うための発光部3a〜3j(以下、発光部3ということがある)と、発光部2および発光部3を駆動するLEDドライバ4a〜4j(以下、LEDドライバ4ということがある)と、を備えている。
LEDドライバ4は、CPU42(図29参照)から送られた演出データに応じて発光部2および発光部3を発光させる。これらのLEDドライバ4は、9chの定電流ドライバであり、7bitのPWM階調機能を内蔵する。LEDドライバ4の各々に対してアドレスの設定(スレーブの設定)が可能である。
可動部材1aは、発光部2,3およびLEDドライバ4が実装される上述の基板5aを備えている。同様に、可動部材1b〜1jは、発光部2,3およびLEDドライバ4が実装される上述の基板5b,5c,5d,5e,5f,5g,5h,5i,5j(以下、基板5ということがある)を備えている。言い換えると、基板5の各々にLEDドライバ4が実装されている。
このように、可動部材1はいずれも、互いに同じ構成である。
なお、本実施の形態では、可動役物115において、回転すると共に変形動作可能な基板5に発光部2,3およびLEDドライバ4を実装しているが、他の構成例も考えられる。例えば、基板5に発光部2,3を実装する一方で、可動役物115の構成部材のうち回転するものの変形動作しない部材にLEDドライバ4を実装する構成例である。
本実施の形態では、基板5の各々はいずれも、発光部2として4個のLED素子が実装され、発光部3として6個のLED素子が実装されている。これら10個のLED素子の各々は、RGB発光するフルカラーであり、R、G、Bの各色の階調を128段階(0〜127)で指定して例えばレインボーの光の演出を行うことが可能である。
さらに説明すると、発光部2のLED素子と発光部3のLED素子とは互いに異なるタイプである。より具体的には、前者は、実装されている基板5の表面と平行な面が発光面であるいわゆるトップ型であり、また、後者は、実装されている基板5の表面に交差する方向に延びる面が発光面であるいわゆるサイド型である。
図29に戻って、同図に示す遊技盤110側の構成について説明する。
遊技盤110は、赤外線通信を行う上述の固定側通信部31を備えるほか、固定側通信部31による赤外線通信を制御するCPU32と、を備えている。
このCPU32は、固定側通信部31と移動側通信部41との間の通信状態を監視し、監視結果を赤外線通信の通信状態としてLMP制御CPU321に通知する。また、CPU32は、移動側通信部41により取得され赤外線通信を介してCPU32が受信したセンサ44,45のセンサ状態を、LMP制御CPU321に通知する。
このような通信状態およびセンサ状態は、CPU32によって2ms以内にLMP制御CPU321に通知される。
また、遊技盤110は、可動役物115の遊技盤110に対する位置を特定する位置情報を出力するセンサ33を備えている。より具体的には、遊技盤110のセンサ33は、可動役物115が遊技盤110に対して所定の位置にいるか否かの検出をする。本実施の形態では、センサ33として、センサ44,45と同じくフォトセンサを用いているが、他の形式のものを用いることも考えられる。
固定側通信部31およびCPU32は、基板61に実装されている。また、センサ33は、基板62に実装されている。
基板61とLMP制御CPU321を互いに接続する信号線は、センサ44の検出結果(図29の「PH1」参照)およびセンサ45の検出結果(同図の「PH2」参照)を基板61からLMP制御CPU321に送り、また、制御信号をLMP制御CPU321から基板61に送る。
基板62とLMP制御CPU321を互いに接続する信号線は、センサ33の検出結果(同図の「PH3」参照)を基板62からLMP制御CPU321に送る。
ここで、上述した遊技盤110のセンサ33で検出される所定の位置とは、予め設定された可動役物115の遊技盤110に対する位置(原点位置、ホーム位置)をいう。すなわち、可動役物115が遊技盤110に対して原点位置以外の位置に移動することがある(回転動作)。このような場合に、LMP制御CPU321が可動役物115を原点位置に戻すようにモータ34(図28参照)を制御する際に、センサ33の検出結果が用いられる。
詳細は後述するが、遊技盤110の固定側通信部31と可動役物115の移動側通信部41との間での赤外線通信による電気信号の伝送は、可動役物115が原点位置にあるときに行われる。言い換えると、遊技盤110と可動役物115との間の赤外線通信は、センサ33の検出結果を基に、原点位置に可動役物115がいるときに行う一方で、原点位置以外の位置に可動役物115がいるときには行わない。
固定側通信部31から移動側通信部41へ赤外線通信により伝送される電気信号には、演出データや制御データが含まれる。また、移動側通信部41から固定側通信部31へ赤外線通信により伝送される電気信号には、センサ44,45の検出信号が含まれる。
付言すると、可動役物115の可動部材1がモータ34(図28参照)の駆動力により丸型から星型への変形動作または星型から丸型への変形動作が行われる際に、LMP制御CPU321は、赤外線通信を介して取得する可動役物115のセンサ44,45の検出結果を基に、モータ34(図28参照)を制御する。すなわち、星型への変形動作の場合には、センサ45の検出結果を用いることで制御され、丸型への変形動作の場合には、センサ44の検出結果を用いることで制御される。
本実施の形態では、図29に示すように、センサ44,45が可動役物115側に配設され、センサ33が遊技盤110側に配設されている。また、上述したように、モータ34(図28参照)は、遊技盤110側に配設されている。
しかしながら、これは構成の一例を示すものであり、他の構成例も考えられる。例えば、センサ44,45を遊技盤110側に配設し、センサ33を可動役物115側に配設する構成や、センサ44,45およびセンサ33を遊技盤110側または可動役物115側に配設する構成である。別の言い方をすると、例えば、センサ44,45が配設されている側と同じ側または異なる側にモータ34(図28参照)を配設する構成や、センサ33が配設されている側と同じ側または異なる側にモータ34(図28参照)を配設する構成とすることも考えられる。
〔可動役物115による演出〕
次に、可動役物115による演出について説明する。
図31は、可動役物115による演出を説明する図であり、(a)は、通常演出モードの場合を示し、(b)および(c)は、特別演出モードの場合を示す。なお、同図では、可動役物115の形状を模式的に示している。
ここにいう通常演出モードは、例えば変動演出が行われる際に可動役物115にて実行されるものであり、後述の通常演出データに応じた発光演出ないし光の演出が行われる(モータ非作動でのLED表示)。また、ここにいう特別演出モードは、例えばリーチ演出や大当たり演出が行われる際に可動役物115にて実行されるものであり、後述の特別演出データに応じた光の演出のみならず、モータ34(図28参照)による動きの演出(変形動作や回転動作の演出)が行われる(モータ作動でのLED表示)。
より具体的に可動役物115による演出を説明する。
通常演出モードの場合には、図31の(a)に示すように、可動役物115は丸型の状態(図28の(a)参照)であり、かつ、原点位置に停止している。すなわち、静止状態の可動役物115は、画像表示部114を囲むように発光部2,3の配置を丸型の状態に維持して、発光部2,3が所定の発光パターンで発光する。
また、特別演出モードの場合には、例えば図31の(b)に示すように、可動役物115は星型の状態(図28の(b)参照)であり、かつ、回転する態様がある。すなわち、可動役物115は、発光部2,3の配置を星型の状態に維持して画像表示部114の周りを一方向(図31では反時計方向)に回転しながら、発光部2,3が所定の発光パターンで発光する。付言すると、星型の状態の可動役物115が、双方向すなわち時計方向と反時計方向の相互の回転を繰り返して発光部2,3が所定の発光パターンで発光する場合も考えられる。
このように、特別演出モードの場合には、発光を伴う回転ないし回転を伴う発光を行う。
特別演出モードの他の態様として、例えば図31の(c)に示すように、原点位置に停止している可動役物115が、発光部2,3の配置を丸型の状態と星型の状態とを相互に変形し続ける場合がある(双方向の変形)。また、発光部2,3の配置を丸型の状態から星型の状態へと変形する場合や、逆に発光部2,3の配置を星型の状態から丸型の状態へと変形する場合も考えられる(一方向の変形)。このように、特別演出モードの他の態様として、発光部2,3の配置が変形中に発光部2,3が所定の発光パターンで発光するという発光を伴う変形ないし変形を伴う発光を行う。
なお、可動役物115の可動部材1(図28参照)を丸型へ変形する際や星型へ変形する際には、LMP制御CPU321は、センサ44,45の検出結果を基に、モータ34(図28参照)を制御する。LMP制御CPU321が取得するセンサ44,45の検出結果は、赤外線通信を介して可動役物115から送信される。
LMP制御CPU321が取得するセンサ44,45の検出結果は、例えば2ms以内で更新される。
通常演出モードや特別演出モードにて発光部2,3が所定の発光パターンで発光する場合には、10個の可動部材1a〜1jの中から発光演出を実行するものが選択されたり、選択された可動部材1a〜1jの発光部2,3の各々についてRGB各色を複数階調(例えば128階調)で指定したりする。
ここで、基板61のCPU32とLMP制御CPU321との間の通信(図29参照)は、マスターICとスレーブICとの間の通信を行うためのクロック同期式のシリアル通信の規格であるSPI(Serial Peripheral Interface)で行われる。また、基板51のCPU42のLED DATA信号およびLED CLK信号の通信は、同じくクロック同期式のシリアル通信の規格であるSPIで行われる。このSPI通信について、図32を用いて説明する。
なお、CPU32とLMP制御CPU321との間では、LMP制御CPU321がマスター側(クロック発振)で、CPU32がスレーブ側である。CPU42とLEDとの間では、CPU42がマスター側(クロック発振)で、LEDがスレーブ側である。CPU42とSRAM43との間では、CPU42がマスター側(クロック発振)で、SRAM43がスレーブ側である。
図32は、SPI通信のタイミングチャートである。
同図に示すタイミングチャートでは、各コマンドのSTXコードの送信前にCSを制御し、また、各コマンドのETXコードの送信後にCSを制御する。そして、SCKの立ち上がりでデータサンプルを行う。転送速度は2Mbpsであり、データ長は8ビットであり、データ転送順序はMSBファースト(Most Significant Byte First)である。
なお、本実施の形態では、シリアル通信を採用するが、パラレル通信を採用することも考えられる。
〔赤外線通信について〕
次に、図31に戻って、可動役物115の遊技盤110に対する位置と赤外線通信の可否との関係を説明する。
図31には、可動役物115と遊技盤110との相対的な位置関係が示されている。すなわち、同図の(a)および(c)では、可動役物115が原点位置にあり、(b)では、可動役物115が原点位置にない。
同図の(a)および(c)に示すように、可動役物115が原点位置にあるときには、可動役物115が丸型であるか星型であるかを問わず、遊技盤110側の固定側通信部31と可動役物115側の移動側通信部41との間での赤外線通信ができる。その一方で、同図の(b)に示すように、可動役物115が原点位置にないときには、固定側通信部31と移動側通信部41との間での赤外線通信ができない。
このように、固定側通信部31と移動側通信部41との間の赤外線通信は、可動役物115が原点位置にあるときに可能になる。すなわち、赤外線通信を実行するためには、原点位置という制約条件がある。
さらに説明すると、赤外線通信が可能であれば常に赤外線通信を行うとは限らない。すなわち、可動役物115が原点位置にあっても他の制約条件により赤外線通信を行わない制御例も考えられる。
また、本実施の形態では、可動役物115が原点位置にないと可動役物115と遊技盤110との間の通信を行うことができないが、可動役物115が原点位置にあるとき以外にも通信を行うことが可能な通信形態(例えば有線による通信や赤外線通信以外の無線による通信)の場合であっても、適用することが考えられる。すなわち、モータ34(図28参照)の作動に伴うノイズの不具合防止のために、モータ34の作動時にはデータの送信を行わず、モータ34の非作動時にデータの送信を行うようにする制御例が考えられる。とりわけ、可動役物115にモータ34が搭載されている場合には、可動役物115側のモータ34が作動している状態(所定の状態)のときにノイズ対策のために可動役物115と遊技盤110との間の通信を行わないように制御する。
なお、可動役物115が原点に位置することの検出は、上述したように、センサ33(図29参照)で行い、また、赤外線通信が可能になると、基板61のCPU32(図29参照)は、受信可能であることの信号(通信状態)をLMP制御CPU321に出力する(同図の「DTR」参照)。図29に示すDTRは制御信号であり、通信可のときはHiになり、通信不可/センサ不定のときはLoになる。
さらに説明すると、遊技盤110のLMP制御CPU321は、赤外線通信が可能なときに、可動役物115に対し、可動役物115のSRAM43(図29参照)に蓄積する演出データを送信する。そして、赤外線通信を行うことができない場合には、可動役物115は、SRAM43(図29参照)に蓄積されている演出データを用いて演出を行う。
なお、赤外線通信を行うことができる場合であっても、可動役物115は、SRAM43(図29参照)に蓄積されている演出データを用いて演出を行う制御例も考えられる。例えば、赤外線通信により演出データを取得するのに必要な時間が、SRAM43(図29参照)に蓄積されている演出データを読み出して取得する時間よりも長い場合に、より速やかに演出を開始する必要があるときには、そのような制御例を行うことが考えられる。
付言すると、赤外線通信を行うことができる場合に、赤外線通信により送信された演出データをSRAM43(図29参照)に蓄積しながら、すでにSRAM43(図29参照)に蓄積されている他の演出データをSRAM43(図29参照)から読み出して演出を行う制御例も考えられる。
〔赤外線通信による送信データの構造(データ構成)〕
次に、赤外線通信により遊技盤110の固定側通信部31(図29参照)から可動役物115の移動側通信部41(図29参照)に送信されるデータの構造について説明する。
図33、図34、図35および図36は、赤外線通信により可動役物115に送信されるデータの構成例を説明する図である。図33は、赤外線通信により行われる指令(コマンド)の一つであるモード設定要求Y1のデータ構成を説明する図である。図34の(a)は、LEDのIC数と全体の最大演出データ数との関係を説明する表であり、図34の(b)は、可動役物115における基板51のSRAM43に設定される格納領域71,72,73について説明する図である。図35は、赤外線通信により行われる指令の一つである通常演出要求Y2のデータ構成を説明する図である。図36は、赤外線通信により行われる指令の一つである特別演出要求Y3のデータ構成を説明する図である。
ここにいうモード設定要求Y1とは、演出モードを変更する場合に可動役物115側へ送信されるものをいう。また、ここにいう通常演出要求Y2および特別演出要求Y3とは、演出データについて指示する場合に可動役物115側へ送信されるものをいい、より具体的には、通常演出要求Y2は、通常演出データの即時点灯を指示するものであり、特別演出要求Y3は、特別演出データの蓄積を指示するものである。
なお、後述するように、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3の各々には、初期設定を指示する内容(以下、初期化指示Y4または初期化要求Y4ということがある)も含まれる。このようなデータ構造(型)の共通化を図ることで、LMP制御CPU321が様々なテンプレートを持たなくても済む。
上述したモード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3は、LMP制御CPU321(図29参照)により生成され、上述のSPI通信(図32にタイミングチャートを図示)により基板61のCPU32(図29参照)に送信される。
そして、CPU32は、LMP制御CPU321から送信されたデータを加工せずに、固定側通信部31から赤外線通信で移動側通信部41に送信する。すなわち、固定側通信部31は、LMP制御CPU321と移動側通信部41との間のインターフェース変換を主目的とする。これによって、LMP制御CPU321が移動側通信部41を直接制御するようになる。
これらの3つの要求の一般的な送信順序としては、例えば電源投入を契機にしてまず通常演出要求Y2が送信され、その後に特別演出要求Y3が送信され、次にモード設定要求Y1が送信される。すなわち、LMP制御CPU321は、初期設定を指示する内容を含む通常演出要求Y2を送信して通常演出を行うと共に最大演出データ数等を設定し、特別演出データを送る特別演出要求Y3を送信した上で、モード設定要求Y1を送信すると、可動役物115のCPU42は特別演出を実行する。
言い換えると、モード設定要求Y1を受信した可動役物115のCPU42は、発光による特別演出を実行する。このように、CPU42は、モード設定要求Y1を受信すると、特別演出を実行することから、モード設定要求Y1は、演出の実行を指示する制御指示ということができる。
さらに説明すると、本実施の形態では、可動役物115のCPU42は、モード設定要求Y1を受信した後に、センサ44,45(図29参照)の検出結果(センサ状態)を移動側通信部41から赤外線通信を介して固定側通信部31へ送信する。このセンサ状態は、2ms以内で更新される。
より詳細には、センサ44,45の検出結果が赤外線通信で送信される際には、他のデータ送信を行わない。すなわち、上述したように、センサ44,45の検出結果は、SRAM43に格納されることなく赤外線通信を介してLMP制御CPU321に送信され、モータ34(図28参照)の駆動制御に用いられる。このため、可動役物115の可動部材1(図28参照)を丸型へ変形する際や星型へ変形する動きの演出を行う場合に、センサ44,45の検出結果が円滑に赤外線通信されないと、モータ34(図28参照)が必要以上に駆動されることにより、可動部材1(図28参照)が押し込まれる等の不具合が発生するおそれがある。かかる事情によって、LMP制御CPU321は、可動役物115にて動きの演出を行っている間には、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3を赤外線通信しない。
モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3の各々のデータ構成には、コマンド種別が含まれる。すなわち、コマンド種別として、モード設定要求Y1では「0xa1」がセットされ(図33参照)、通常演出要求Y2では「0xa3」がセットされ(図35参照)、特別演出要求Y3では「0xa5」がセットされる(図36参照)。
モード設定要求Y1のデータは28バイトであり、固定長である(図33参照)。また、通常演出要求Y2のデータおよび特別演出要求Y3のデータはいずれも、最大98バイトの可変長である(図35および図36参照)。
なお、図33、図35および図36における「UC」は、Unsigned Charの略であり、また、「US」は、Unsigned Shortの略である。
〔モード設定要求Y1のデータ構成〕
3つの要求のうち、まずモード設定要求Y1について説明する。
図33に示すモード設定要求Y1では、項目として、上述したコマンド種別のほかに、電文長、LEDのIC数、特別演出データの初期化、特別演出モードT1,T2,T3の各々の最大演出データ数およびスレーブアドレスが含まれる。これらの項目は、モード設定要求Y1のみならず、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3にも含まれるもので、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3のいずれも備える共通項目ないし一般項目と言えるものである。
モード設定要求Y1における電文長は、28である。
なお、モード設定要求Y1が項目として備えるサム値(電文)については、後述する。
LEDのIC数、特別演出データの初期化、特別演出モードT1,T2,T3の各々の最大演出データ数およびスレーブアドレスは、初期設定を指示する内容(初期化指示Y4ないし初期化要求Y4)に相当するものである。
図33に示す特別演出データの初期化の項目には、特別演出データを初期化するかしないかを特定する情報が設定される。このため、特別演出データを初期化する場合と特別演出データを初期化しない場合とがある。
より詳細には、ここにいう特別演出データを初期化するないし特別演出データを初期化しないというのは、後述するSRAM43の第1格納領域71、第2格納領域72および第3格納領域73(図34の(b)参照)の各々について設定される。したがって、特別演出要求Y3により取得して第1格納領域71に格納されている特別演出モードT1の特別演出データと、特別演出要求Y3により取得して第2格納領域72に格納されている特別演出モードT2の特別演出データと、特別演出要求Y3により取得して第3格納領域73に格納されている特別演出モードT3の特別演出データのいずれか一または複数を選択して初期化することが可能である。
このようにして初期化するとして選択された格納領域71,72,73に蓄積されている特別演出データは、CPU42の制御により破棄される。言い換えると、SRAM43について第1格納領域71、第2格納領域72および第3格納領域73(図34の(b)参照)を単位とする部分的な初期化が可能である。当然ながら、第1格納領域71、第2格納領域72および第3格納領域73(図34の(b)参照)のすべてを破棄することも可能である。
なお、特別演出データを初期化することの指示は「0x01」がセットされ、初期化しないことの指示は「0x00」がセットされる。このような指示は、格納領域71,72,73ごとにセットされる。
なお、特別演出データの初期化の項目に、特別演出データを初期化しないことの情報が設定される場合には、後述する最大演出データ数の変更等を行うために初期化指示Y4を送る意義がある。当然ながら、特別演出データの初期化の項目に、特別演出データを初期化することの情報が設定される際にも後述の最大演出データ数の変更等を行うときがあり得る。
ここで、図33に示すように、LEDのIC数および最大演出データ数の設定が可能である。ここにいうLEDのIC数とは、発光部2および発光部3を駆動するLEDドライバ4(図30参照)の数をいい、1〜8の任意の数が指定される。このLEDのIC数(LEDドライバ4の数)は、仕様により最大値が適宜定められるものであり、例えば10とされる場合があるが(図30参照)、以下、LEDのIC数(LEDドライバ4の数)として指定可能な最大値が8の場合について説明する。
なお、設定されたLEDのIC数は、通常演出および特別演出のいずれでも適用される。付言すると、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3のいずれでもLEDのIC数を設定可能である。
また、ここにいう最大演出データ数には、全体の最大演出データ数と特別演出モードT1,T2,T3の各々の最大演出データ数とが含まれる。すなわち、図34の(a)に示すように、LEDのIC数に応じて全体の最大演出データ数N0が決定される。言い換えると、LEDのIC数によって全体の最大演出データ数N0が変わり、蓄積できる演出データの最大パターン数は異なる。例えばLEDのIC数が1のときは、SRAM43(図29または図34の(a)参照)に2730パターンの蓄積が可能である。
そして、特別演出モードT1,T2,T3の各々の最大演出データ数N1,N2,N3を相互に加算した値(N1+N2+N3)は、全体の最大演出データ数N0以下となる。全体の最大演出データ数N0の最大演出データ数N1,N2,N3の各々への配分は、任意に設定できる。
より具体的に説明すると、本実施の形態では、LEDのIC数が8であり(図30のLEDドライバ4を参照)、これらのすべてを使用する場合には、図34の(a)に示すように、全体の最大演出データ数N0は436となる(N0=436)。そして、特別演出モードとして、特別演出モードT1、特別演出モードT2および特別演出モードT3の3つが設定されており、この場合には、3つの特別演出データパターンをSRAM43に蓄積することが可能である。
なお、特別演出モードを3以外の数とすることも考えられる。
図34の(b)に示すように、SRAM43は、特別演出モードT1の特別演出データを格納する第1格納領域71と、特別演出モードT2の特別演出データを格納する第2格納領域72と、特別演出モードT3の特別演出データを格納する第3格納領域73と、を備える。
第1格納領域71に格納される最大演出データ数は、特別演出モードT1の最大演出データ数N1により設定される。第2格納領域72に格納される最大演出データ数は、特別演出モードT2の最大演出データ数N2により設定される。第3格納領域73に格納される最大演出データ数は、特別演出モードT3の最大演出データ数N3により設定される。
このように、SRAM43には、特別演出要求Y3(図36参照)に含まれる特別演出データが格納される。本実施の形態のSRAM43には、通常演出要求Y2(図35参照)に含まれる通常演出データが格納されない。なお、SRAM43に通常演出データを格納する領域を設定する制御例も考えられる。
図34の(b)に示す設定例1では、特別演出モードT1の最大演出データ数N1が20(N1=20)、特別演出モードT2の最大演出データ数N2が200(N2=200)、特別演出モードT3の最大演出データ数N3が100である(N3=100)。最大演出データ数N1,N2,N3の和は320であり、全体の最大演出データ数N0よりも小さい(N1+N2+N3<N0)。付言すると、かかる一例の場合には、特別演出モードT1では、例えば白色の単色発光による演出を行うものであり、特別演出モードT2では、例えばカラー発光による演出(レインボー演出)を行うものであり、特別演出モードT3では、例えば赤色の単色発光による演出を行うものである。
なお、赤外線通信による1回のデータ送信は20m秒であり、特別演出要求Y3(図36参照)により特別演出モードT2の特別演出データ200個を送信するのに必要な時間はおよそ4秒である。
また、図34の(b)に示す設定例2では、特別演出モードT1の最大演出データ数N1が140(N1=140)、特別演出モードT2の最大演出データ数N2が140(N2=140)、特別演出モードT3の最大演出データ数N3が140である(N3=140)。最大演出データ数N1,N2,N3の和は420であり、全体の最大演出データ数N0よりも小さい(N1+N2+N3<N0)。
なお、上述のレインボー演出はデータ量が最も多い演出であり、その場合でも、一般的な演出量総数は100〜200である。したがって、本実施の形態では、従来から行われているランプ演出のほぼ全てが赤外線通信で実現可能である。
さらに説明すると、初期化指示Y4によって、図34に示す設定例1から設定例2に変更することが可能であり、また、設定例2から設定例1に変更することが可能である。
また、図34の(b)に示す設定例1では、特別演出モードT1,T2,T3の各最大演出データ数N1,N2,N3の合計は320であり(N1+N2+N3=320)、全体の最大演出データ数N0との差は116である。したがって、モード設定要求Y1にて、最大演出データ数N1と最大演出データ数N2と最大演出データ数N3のうち例えば最大演出データ数N3を減らす一方で最大演出データ数N2を増やし、最大演出データ数N1を変えない別の設定が可能である。
このように、初期化指示Y4によって、全体の最大演出データ数N0を超えない範囲で最大演出データ数N1,N2,N3の各々の値を増減変更することが可能である。なお、上述のとおり、LEDのIC数を減らすことで、全体の最大演出データ数N0が増える。
また、図33に示すスレーブアドレスの項目には、スレーブアドレスに関する情報が設定される。すなわち、スレーブアドレスの項目によって、可動役物115が有する8個のLEDドライバ4の各々(図33にLEDa〜LEDhで表示)について使用の有無を設定する。すなわち使用する発光部2,3のLEDドライバ4に対してスレーブアドレスが指定される。より具体的には、ビット0およびビット7には「0」、ビット1〜6にはスレーブアドレスが設定される。
使用しないLEDドライバ4に対しては「0xff」がセットされる。すなわち、初期化指示Y4によって、使用しないLEDドライバ4のアドレスを切ることでLEDのIC数を減らすことが可能になり、全体の最大演出データ数N0の値(図34の(a)参照)を増やすことが可能になる。また、使用しないLEDドライバ4のアドレスを切ることで、演出を行う部分を変更することが可能になる。このように、例えばデモ中(客待ち状態)と遊技中とで使用するLEDドライバ4の数を異ならしめることで、状況に応じて省電力を図ることが可能になる。
図33に示すモード設定要求Y1は、LMP制御CPU321から可動役物115のCPU42(図29参照)に、SRAM43に対する所定の制御を指示する内容を含むものである。ここにいうモード設定要求Y1により指示される所定の制御としては、上述のとおり、SRAM43の格納領域71,72,73に蓄積されている特別演出データの破棄の要否(初期化の有無)、LEDのIC数の変更に伴う全体の最大演出データ数N0(図34の(a)参照)の変更、および/または、SRAM43の格納領域71,72,73に格納される特別演出モードT1,T2,T3の最大演出データ数の変更などである。
なお、上述したように、モード設定要求Y1は、赤外線通信により固定側通信部31から移動側通信部41(図29参照)へ送信される。
図33に示すモード設定要求Y1の他の項目についても説明する。
図33に示すモード設定要求Y1では、項目として、1番目の特別演出の表示内容、2番目の特別演出の表示内容および3番目の特別演出の表示内容が含まれ、また、1番目の特別演出のリピート回数、2番目の特別演出のリピート回数および3番目の特別演出のリピート回数が含まれる。
1番目から3番目の特別演出の表示内容を指定することで、表示順番が設定される。モード設定要求Y1において、特別演出モードT1が「0x01」、特別演出モードT2が「0x02」、特別演出モードT3が「0x03」として指定される。また、表示しない場合には「0xff」と指定される。
また、1番目から3番目の特別演出の各々のリピート回数(表示回数)を指定することで、1回分の周期のデータを何回繰り返すかが設定される。すなわち、SRAM43に蓄積された特別演出データによる特別演出パターンを表示する回数が設定される。具体的には、特別演出パターンを表示する回数を1〜254回の値で指定することになり、255回の値で指定すると無限リピートとして制御される。
このように、モード設定要求Y1では、通常演出モードで蓄積した特別演出データを用いて実行すべき特別演出の内容(順番/回数)を設定するものである。この意味において、モード設定要求Y1を特別演出の実行を要求するものであると把握することができる。
なお、図33に示すモード設定要求Y1は、通常演出要求Y2(図35参照)に含まれる通常演出データや特別演出要求Y3(図36参照)に含まれる特別演出データを含んでいない。
ここで、モード設定要求Y1に関連する変形例について説明する。
図35に示すモード設定要求Y1では、1番目〜3番目の特別演出の各々についてリピート回数の設定が可能である。このため、変形例として、特別演出モードにて例えば1番目の特別演出をリピートして実行している際に、例えば3番目の特別演出に係る特別演出データを書き換える制御例も考えられる。
かかる変形例は、特別演出データを書き換えながら特別演出による発光を実行するものである。言い換えると、特別演出により発光しながらSRAM43(図34参照)の蓄積データを書き換えるものである。このようなデータ蓄積とデータ読み出しの並行処理を行うことで、書き換えたデータによる継ぎ目のない特別演出が可能になる。
この変形例についてさらに説明すると、3番目の特別演出として特別演出モードT1が設定されている場合に、SRAM43の第1格納領域71(図34参照)に格納されている特別演出データを読み出して特別演出モードT1をリピートして実行しているときに、特別演出モードT1以外の特別演出モードT2,T3のいずれか一方または両方についての特別演出データを赤外線通信で取得してSRAM43の格納領域72,73(図34参照)に格納する。
より詳細に説明すると、かかる場合にSRAM43の格納領域72,73に格納される特別演出データは、特別演出要求Y3(図36参照)のデータ送信によるものである。なお、可動役物115が通常演出要求Y2(図35参照)を受信すると通常演出モードに移行してしまうことから、モード移行を伴わずに特別演出データの送信を行い得るものにより、特別演出データが送信されることになる。
付言すると、かかる変形例を適用する場合に、格納領域72,73に格納される特別演出データを送信する要求が、モード設定要求Y1の内容を含むように構成することも考えられる。この場合には、SRAM43から特別演出データを読み出して演出を実行すること、およびSRAM43への別の特別演出データを格納することが指示される。また、モード設定要求Y1の内容を含まない構成の場合には、モード設定要求Y1が可動役物115に送信された後に、格納領域72,73に格納される特別演出データを送信する要求が可動役物115に送信される制御を行うことになる。
また、上述の変形例における蓄積データの書き換えは、可動役物115の丸型と星型との相互の変形動作が行われているときに行われ、可動役物115の回転動作が行われているときは行われない。すなわち、固定側通信部31と移動側通信部41との間の相互の赤外線通信は、可動役物115が原点位置にあるときに行われるものである。したがって、本実施の形態の場合では、原点位置にとどまらない可動役物115の回転動作中に変形例が実行されない。
なお、蓄積データの書き換えタイミングは、通信可/不可により制約される。このため、例えば可動役物115が原点位置にないときであっても遊技盤110と可動役物115との間の通信が可能な通信形態を採用する場合には、この限りではない。
また、本実施の形態では、上述したとおり、基板61のCPU32とランプ制御部320のLMP制御CPU321との間の通信(図29参照)は、クロック同期式のシリアル通信の規格であるSPIで行われる。そして、本実施の形態では、可動役物115の丸型と星型との相互の変形動作が行われているときには、可動役物115のセンサ44,45により検出される検出結果(センサ状態)が赤外線通信およびSPI通信を介してランプ制御部320のLMP制御CPU321(図29参照)に通知される。
このため、上述の変形例は、基板61のCPU32とランプ制御部320のLMP制御CPU321との間の通信をシリアル通信ではなくてパラレル通信によるものとすることで、変形動作を伴う特別演出をより円滑に行うことが可能になる。
モード設定要求Y1の説明に戻る。図33に示すモード設定要求Y1では、特別演出の全演出データ終了後の表示も含まれる。この全演出データ終了後の表示は、上述した1番目から3番目の特別演出の表示内容および1番目から3番目の特別演出の各々のリピート回数で指定された一連の全特別演出がすべて行われた最終演出後の表示について指定するものである。
モード設定要求Y1において、全特別演出が終了すると最終演出を維持する場合(1回のみ)が「0x00」として指定される。また、全特別演出が終了すると1番目の特別演出からリピートする場合(リピート)が「0x01」として指定される。また、全特別演出が終了すると消灯する場合(消灯)が「0x02」として指定される。
モード設定要求Y1の一例を示すと、1番目が特別演出モードT3で、次に特別演出モードT1、そして最後に特別演出モードT2の順に1回ずつ表示させるときには、1番目の特別演出の表示内容に「0x03」が設定され、2番目の特別演出の表示内容に「0x01」が設定され、3番目の特別演出の表示内容に「0x02」が設定される。そして、1番目から3番目の特別演出の各々のリピート回数に「1」が設定される。また、全演出データ終了後の表示に「0x00」が設定される。
かかる設定内容のモード設定要求Y1を受信すると、可動役物115のCPU42(図29参照)は、SRAM43から特別演出モードT1,T2,T3として格納されている特別演出データを読み出して設定された順番で1回ずつ表示し、すべての特別演出が終了すると、最終演出の状態を維持する制御を行う。
また、モード設定要求Y1の他の例を示すと、最初に特別演出モードT1を9回表示させ、その後に特別演出モードT2を4回表示させ、最後に消灯させるときには、1番目の特別演出の表示内容に「0x01」が設定され、2番目の特別演出の表示内容に「0x02」が設定され、3番目の特別演出の表示内容に「0xff」が設定される。なお、1番目の特別演出の表示内容、2番目の特別演出の表示内容および3番目の特別演出の表示内容のすべてに「0xff」を設定することは本実施の形態ではできないが、設定可能にする構成例も考えられる。
そして、1番目の特別演出のリピート回数に「9」が設定され、2番目の特別演出のリピート回数に「4」が設定される。また、全演出データ終了後の表示に「0x02」が設定される。
かかる設定内容のモード設定要求Y1を受信すると、可動役物115のCPU42(図29参照)は、SRAM43の第1格納領域71に格納されている特別演出データと第2格納領域72に格納されている特別演出データを読み出す。そして、第1格納領域71の特別演出データを特別演出モードT1としての特別演出パターンを9回表示し、その後に第2格納領域72の特別演出データを特別演出モードT2としての特別演出パターンを4回表示し、すべての特別演出が終了すると、消灯する制御を行う。
このようなモード設定要求Y1を、モータ34(図28参照)が動き始める前に可動役物115への送信を行うだけで、可動役物115側のSRAM43の第1格納領域71、第2格納領域72および第3格納領域73の各々に蓄積された特別演出データを用いて特別演出を行うことが可能である。すなわち、特別演出を行うことが決まった段階で可動役物115への特別演出データの送信を行うものではなく、事前に特別演出データの送信を行ってSRAM43に蓄積する制御を採用することから、特別演出への移行を円滑に行うことが可能になる。
また、モード設定要求Y1にてリピート回数の指定を行うことから、SRAM43に蓄積すべき特別演出データの容量が削減され、また、蓄積可能容量を増やさなくても、より多くの演出態様を実行するデータの蓄積が可能になった。
ここで、モード設定要求Y1を送信した後に通常演出要求Y2や特別演出要求Y3を送信することなくモード設定要求Y1を送信(連続送信)した場合には、書き換え可能な状態であるものの、蓄積データの書き換えが行われない。このため、SRAM43に蓄積された特別演出データを用いて前回の全特別演出と同じ内容の特別演出を再度行うことができる(ループ演出)。
また、モード設定要求Y1におけるSRAM43に蓄積された特別演出データの表示順番を変えたりリピート回数を変えたり全演出データ終了後の表示設定を変えたりすることで、特別演出要求Y3により特別演出データを新たに取得しなくても前回の特別演出とは異なる特別演出を行うことが可能になる。
また、モード設定要求Y1が連続送信された場合において、前回送信したモード設定要求Y1による特別演出が終了していないときには、実行中の特別演出を強制的に終了し、全特別演出の最初の演出から一連の特別演出が開始される。すなわち、可動役物115のCPU42(図29参照)は、モード設定要求Y1を受信したことを契機に開始される特別演出が終了するまでの間に、次のモード設定要求Y1を受信すると、その特別演出の終了を待たずにそのモード設定要求Y1に応じた特別演出を最初から開始する。
このように、CPU42(図29参照)は、モード設定要求Y1を受信すると、受信したモード設定要求Y1に応じた特別演出をその都度実行する。言い換えると、モード設定要求Y1を受信すると、CPU42(図29参照)は、それ以前に受信したモード設定要求Y1に応じた特別演出が終了しているか終了していないかにかかわらず、次のモード設定要求Y1の受信を契機にして当該次のモード設定要求Y1に応じた特別演出を開始する。
かかる制御により、発光部2,3を発光させる特別演出を途中で強制的に止めさせた上で、他の内容の特別演出を開始させることが可能になる。すなわち、いったん開始した特別演出を中止して他の特別演出に差し替えたいというようなイレギュラーな事態に対処することが可能になる。
付言すると、特別演出中に通常演出要求Y2を送ることによって、特別演出を強制的に終了させて通常演出に移行させることが可能である。
また、特別演出を強制的に終了させるのみならず、SRAM43に格納されている特別演出データを他の特別演出データに差し替えたいときには、特別演出中にモード設定要求Y1を送信する。この場合のモード設定要求Y1には、最小限の発光演出を実行する指示が含まれる。例えば、モード設定要求Y1における1番目の特別演出の表示内容に「0x01」が設定され、2番目および3番目の特別演出の表示内容に「0x00」が設定される。また、1番目の特別演出のリピート回数に「1」が設定され、全演出データ終了後の表示に「0x00」が設定されることで、発光演出がなるべく遊技者に認識困難な内容になり、かつ、発光演出の時間がなるべく短くなるようにすることで、速やかな蓄積データの差し替えが可能になる。
このような制御を行うことで、イレギュラーな事態に対応することが可能になる。
さらに説明すると、上述した初期化指示Y4において、使用するLEDドライバ4の数が減るようにスレーブアドレスの項目を設定すると共に特別演出データの初期化の項目を初期化しないに設定することで、蓄積データの書き換えを行わなくても、発光演出する発光部2,3(図30参照)の数を減らして遊技者が前回の特別演出とは異なる印象を受ける特別演出を行うことが可能になる。
また、初期化指示Y4において、LEDのIC数を変更せずにスレーブアドレスの項目においてアドレスの入れ替えを行うことで、前回の特別演出で用いたデータと同じものを用いても、遊技者が前回の特別演出とは異なる印象を受ける特別演出を行うことが可能になる。
このように、本実施の形態では、モード設定要求Y1や初期化指示(初期化要求)Y4の使い方次第で、特別演出要求Y3によって既にSRAM43に蓄積されている特別演出データを活用することが可能であり、可動役物115への赤外線通信による特別演出データの送信の頻度を低減させることが可能である。
〔通常演出要求Y2のデータ構成〕
通常演出要求Y2について説明する。
図35に示す通常演出要求Y2では、項目として、上述した一般項目が含まれる。通常演出要求Y2における一般項目としての電文長は、共通のものと可変のものとを加算した値が設定される。
また、通常演出要求Y2では、上述した一般項目の他に、通常演出データが含まれる。この通常演出データは、サム値(演出データ)、演出モードおよび演出表示時間という項目を備えている。なお、サム値(演出データ)については、後述する。
通常演出要求Y2における演出モードには、通常演出であることを示す「0x00」が設定される。また、通常演出要求Y2では、演出表示時間という項目を備えるものの、演出表示時間を指定することができず、「0x00」が設定される。
また、通常演出データは、チャンネル個別にRGB各色を128階調で指定する項目を備えている。すなわち、上述のとおり、LEDドライバ4は9チャンネルであり、各チャンネルに対して階調指定する。具体的には、LEDa〜LEDhの各々について、LEDドライバ4a〜4hのチャンネルに対応してCH01R、CH01G、CH01B、CH02R、CH02G、CH02B、CH03R、CH03G、CH03Bで階調が設定される。さらに説明すると、チャンネル個別にRGB各色を128階調で指定できる。
なお、通常演出要求Y2が項目として備えるサム値(電文)については、後述する。
〔特別演出要求Y3のデータ構成〕
特別演出要求Y3について説明する。
図36に示す通常演出要求Y2では、項目として、上述した一般項目が含まれる。特別演出要求Y3における一般項目としての電文長は、通常演出要求Y2の場合(図35参照)と同じく、共通のものと可変のものとを加算した値が設定される。
そして、特別演出要求Y3では、上述した一般項目の他に、特別演出データが含まれる。この特別演出データは、サム値(演出データ)、演出モードおよび演出表示時間という項目を備えている。なお、サム値(演出データ)については、後述する。
特別演出要求Y3における演出モードには、特別演出要求Y3に含まれる特別演出データの種類を特定するための情報が設定される。具体的には、特別演出データを特別演出モードT1としてデータ蓄積する場合に「0x01」が設定される。また、特別演出要求Y3に含まれる特別演出データを特別演出モードT2としてデータ蓄積する場合に「0x02」が設定され、また、特別演出モードT3としてデータ蓄積する場合に「0x03」が設定される。
特別演出データは、上述のとおり、SRAM43(図29参照)に格納される。すなわち、特別演出モードT1の特別演出データはSRAM43の第1格納領域71(図34参照)に格納され、特別演出モードT2の特別演出データはSRAM43の第2格納領域72(図34参照)に格納され、特別演出モードT3の特別演出データはSRAM43の第3格納領域73(図34参照)に格納される。
さらに説明すると、特別演出要求Y3を受信すると、可動役物115側のCPU42(図29参照)は、演出データの項目の内容を参照して、特別演出データがあるか否か、そして特別演出データがあれば特別演出モードT1〜T3のいずれのものであるかを判定する。特別演出データがある場合、CPU42は、SRAM43の対応する格納領域71,72,73に格納する。
このように、特別演出データは、CPU42(図29参照)によりいったんSRAM43に格納され、モード設定要求Y1を受信したタイミングで読み出され、これにより、モード設定要求Y1の内容に従って特別演出として発光演出が実行される。
これに対し、通常演出データはSRAM43に格納されない。すなわち、通常演出要求Y2を受信すると、CPU42(図29参照)は、その通常演出要求Y2に含まれる通常演出データに応じて即時点灯し、リアルタイムで通常演出として発光演出が実行される。この意味において、通常演出要求Y2を通常演出の実行を要求するものであると把握することができる。なお、更新周期は20ms以上である。
特別演出要求Y3における特別演出データの項目には、通常演出要求Y2の場合と同じく、チャンネル個別にRGB各色を128階調で指定する。すなわち、上述のとおり、LEDドライバ4は9チャンネルであり、各チャンネルに対して階調指定する。具体的には、LEDa〜LEDhの各々について、LEDドライバ4a〜4hのチャンネルに対応してCH01R、CH01G、CH01B、CH02R、CH02G、CH02B、CH03R、CH03G、CH03Bで階調が設定される。
なお、通常演出要求Y2が項目として備えるサム値(電文)については、後述する。
図36に示す特別演出要求Y3に含まれる特別演出データの演出表示時間は、1つの特別演出要求Y3にセットされる特別演出データごとに20〜3600msの任意の値が設定される。すなわち、特別演出データの演出表示時間は、可動役物115の発光部2,3が同時に発光演出を行うのに用いられる特別演出データの各々に対して一律に設定されるものである。なお、特別演出データの演出表示時間に設定される値は、特別演出データと共にSRAM43に格納される。
このような特別演出データの演出表示時間の設定により、モード設定要求Y1を契機に行われる特別演出において、SRAM43に蓄積された特別演出データを、20〜3600msで指定したタイミングで切り替えながら発光部2a〜2h,3a〜3h(図30参照)を点灯できる。
ここで、本実施の形態では、特別演出データの演出表示時間の設定を特別演出要求Y3に含めているが(図36参照)、モード設定要求Y1(図33参照)に含めることも考えられる。モード設定要求Y1に特別演出データの演出表示時間の設定を含めるデータ構成の図示は、省略するが、上述の説明を基にすれば容易に実現することができる。
〔演出データの設定例〕
次に、複数の特別演出要求Y3による特別演出データの設定例および通常演出要求Y2による通常演出データの設定例について説明する。
図37および図38は、複数の演出データを送信する送信例を説明する図である。図37の(a)は、特別演出1、特別演出2および特別演出3の全特別演出データを蓄積する場合の送信例である。図37の(b)は、特別演出2の特別演出データを蓄積する場合の送信例であり、図38は、通常演出データで通常演出する場合の送信例である。なお、ここにいう特別演出1とは、SRAM43の第1格納領域71(図34の(b)参照)に格納される特別演出データを用いて特別演出モードT1として実行される特別演出をいう。また、特別演出2とは、SRAM43の第2格納領域72(図34の(b)参照)に格納される特別演出データを用いて特別演出モードT2として実行される特別演出をいう。また、特別演出3とは、SRAM43の第3格納領域73(図34の(b)参照)に格納される特別演出データを用いて特別演出モードT3として実行される特別演出をいう。
図37および図38に示す送信例において、各特別演出モード内の特別演出データは、表示順に連続して送信される。また、使用するLEDのみLED番号の昇順に詰めてセットされる。すなわち、例えば第1回目の特別演出要求Y3に含まれる初期化指示Y4(図36の(a)参照)でスレーブアドレスが設定されたLEDドライバ4a〜4hのみの設定内容をLEDa〜LEDhの昇順に詰める。これらの送信例では、スレーブアドレスが設定されたLEDドライバ4としては、LEDドライバ4a(LEDa)、LEDドライバ4c(LEDc)およびLEDドライバ4e(LEDe)の3つである。
図37の(a)に示す送信例では、特別演出データを含む特別演出要求Y3を第1回目から第8回目まで順番に送信する。より具体的には、特別演出1(「0x01」)については、第1回目の特別演出要求Y3と第8回目の特別演出要求Y3で送信され、特別演出2(「0x02」)については、第2回目の特別演出要求Y3と第3回目の特別演出要求Y3で送信され、特別演出3(「0x03」)については、第4回目の特別演出要求Y3と第5回目の特別演出要求Y3と第6回目の特別演出要求Y3と第7回目の特別演出要求Y3で送信される。
そして、特別演出モードにおける特別演出1の表示順は、まず第1回目の特別演出要求Y3の設定内容(1番目の演出)の後に第8回目の特別演出要求Y3の設定内容(2番目の演出)であり、特別演出2の表示順は、第2回目の特別演出要求Y3の設定内容(1番目の演出)の次に第3回目の特別演出要求Y3の設定内容(2番目の演出)である。また、特別演出モードにおける特別演出3の表示順は、最初に第4回目の特別演出要求Y3の設定内容(1番目の演出)であり、これに続いて第5回目〜第7回目の特別演出要求Y3の設定内容(2番目〜4番目の演出)である。
このように、図37の(a)に示す送信例では、特別演出1の2番目の特別演出データを最後に追加している。すなわち、初期化指示Y4で設定する特別演出モードの最大演出データ数を変更する場合は、使用する特別演出モードの全特別演出データが送信される。
付言すると、使用すると設定されたLEDa、LEDc、LEDeについては、特別演出データが必ずセットされる。また、差し替える特別演出モードは、全ての特別演出データが送信される。
図37の(b)に示す送信例では、第1回目から第5回目までの特別演出要求Y3すべてが特別演出2についてのものであり(演出モードが「0x02」)、特別演出データを含む特別演出要求Y3を順番に送信する。すなわち、特別演出1(表示順1〜2)、特別演出2(表示順1〜5)および特別演出(表示順1〜4)のうち特別演出2のみが蓄積される。
図38に示す送信例では、演出モードが「0x00」である通常演出データに通常演出データがセットされており、特別演出データはセットされていない。このため、このような通常演出要求Y2によって通常演出が行われるが、SRAM43(図29参照)への蓄積は行われない。
〔特別演出データの再表示例〕
次に、特別演出データの再表示例について説明する。
図39は、特別演出データの再表示例を説明する図であり、(a)は再表示例1であり、(b)は再表示例2である。
図39の(a)に示す再表示例1では、特別演出データの演出表示時間(図36参照)が100msである特別演出1の1番目(赤点灯)と、特別演出データの演出表示時間が100msである特別演出1の2番目(緑点灯)を連続して表示する場合のものである。
このように、CPU42は、演出表示時間が20msを超える特別演出データについては、20ms周期で発光部2,3について再表示するように制御する。このような再表示の制御により、SRAM43(図29参照)に蓄積されて演出に用いられる特別演出データの量を減らすことができる。すなわち、100msの特別演出を行う場合に、もし再表示の制御によらない場合には、5つの特別演出データが必要になり、これに対し、再表示の制御による場合には、1つの特別演出データで足りる。したがって、蓄積するデータ量を減らすことが可能になり、これに伴い、SRAM43(図29参照)の容量を増やさなくても多様な内容の特別演出データを蓄積することが可能になる。
また、図39の(b)に示す再表示例2では、特別演出データの演出表示時間(図36参照)が50msである特別演出1の1番目(赤点灯)と、特別演出データの演出表示時間が100msである特別演出1の2番目(緑点灯)を連続して表示する場合のものである。
特別演出データの演出表示時間が20msを超えているので、CPU42は、発光部2,3を20ms周期で再表示するものの、第2回目の表示の次の演出タイミングが20ms未満のために、第3回目の表示を実行しない。すなわち、CPU42は、次の演出タイミングが20ms未満の場合は再表示しないように制御する。
上述したように、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3のいずれも、初期設定を指示する内容(初期化指示Y4ないし初期化要求Y4)が含まれる。かかる内容は、特別演出データの初期化と、特別演出データの最大データ数の決定およびスレーブアドレスの設定である。
また、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3のいずれも、詳細を後述するサム値(電文)が含まれ、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3には、詳細を後述するサム値(演出データ)が含まれる。なお、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3では、後述のサム値(電文)およびサム値(演出データ)という2つのサム値をとることで、演出データの抜け防止を図り、通信成功/失敗についての検出精度を高めることが可能になり、また、通信失敗の場合に原因特定の容易化を図ることが可能になる。
さらに説明すると、モード設定要求Y1の内容として、記憶した特別演出を表示する順番設定、記憶した特別演出ごとのリピート回数設定および全演出データ終了後の表示内容が含まれる。
通常演出要求Y2の内容として、通常演出データの送信が含まれる。また、特別演出要求Y3の内容として、演出モードの種類、特別演出データの演出表示時間設定および特別演出データの送信が含まれる。
そして、通常演出要求Y2が送信されることで可動役物115は通常演出モードに移行し、通常演出要求Y2に含まれる通常演出データで即時表示する。
また、特別演出要求Y3が送信されることで可動役物115はSRAM43(図29参照)に特別演出データを蓄積する。さらに、モード設定要求Y1が送信されることで可動役物115は特別演出モードに移行し、SRAM43(図29参照)に蓄積された特別演出データにより表示する。
ここで、通常演出要求Y2による通常演出は、特別演出に比べて頻繁に行われるものであり、このため、通常演出要求Y2の送信は、特別演出要求Y3ないしモード設定要求Y1の送信に比べて、高い頻度で行われる。言い換えると、いつも行われている通常演出要求Y2の送信に割り込んで特別演出要求Y3を送信するという割り込み処理を行っている。
なお、通常演出要求Y2に通常演出データのみならず特別演出データを含ませるデータ構造を採用することも考えられる。仮に通常演出要求Y2に対してこのようなデータ構造を採用すると、上述の割り込み処理が不要ないし軽減され、制御の複雑化を防止して制御負担を軽減させることが可能になる。しかしながら、本実施の形態では、割り込み処理というよりもむしろ、通常演出要求Y2と特別演出要求Y3との間のデータ構造を共通化することによる制御負担という観点に着目し、通常演出データを通常演出要求Y2を介して送信すると共に特別演出データを特別演出要求Y3を介して送信するというように、通常演出データおよび特別演出データを互いに分けてそれぞれ単独で送信する構成を採用する。
〔基本シーケンス〕
次に、遊技盤110と可動役物115との間における通信の基本動作を説明する。
図40は、通信の基本シーケンスを説明するフローチャートである。なお、同図に示す基本シーケンスは、通信の正常動作を示す。
図40に示すように、遊技盤110から送信されたデータを赤外線通信で受信した可動役物115は、確認応答ないし肯定応答としてのACK(Acknowledgement)を遊技盤110に赤外線通信で返信し、かつ、受信したデータに応じた動作を行う。すなわち、上位から下位への要求(上位要求、コマンド)のすべてに下位がレスポンスするという所謂コマレス型の通信仕様を適用する。
ここで、可動役物115から遊技盤110にACKが返信されるのは、可動役物115のCPU42が遊技盤110のCPU32から赤外線通信のデータを受信したこと、および受信したデータを基に算出したサム値(詳細は後述)が正しいことを可動役物115のCPU42が確認したことという2つの条件を満たした場合である。
このため、遊技盤110のLMP制御CPU321は、データ送信に対してACKを受信すれば可動役物115との間の通信に障害が発生していないことを把握でき、また、データ送信に対してACKを受信しなければ可動役物115との間の通信に障害が発生していることを把握できる。このような通信仕様によって、LMP制御CPU321は、可動役物115との間の通信に障害が発生したか否か(通信障害発生の有無)を検知することができる。
さらに説明すると、遊技盤110のLMP制御CPU321は、一定周期でCPU32へデータ送信する。すなわち、図40に示すように、遊技盤110から可動役物115への赤外線通信が20ms間隔で行われる。なお、本実施の形態では、一定周期として20msの値を採用するが、他の値を採用することも考えられる。
通常は、遊技盤110のLMP制御CPU321は、次のデータ送信を行うまでに前回のデータ送信に対するACKを受信することになる。
しかしながら、何らかの原因によって前回のデータ送信に対するACKを受信しなくても、一定周期でデータ送信を行う通信制御を採用することから、LMP制御CPU321は、データ送信を実行することができる。すなわち、LMP制御CPU321は、前回のデータ送信から20ms経過してもACKを受信しないときには、ACKを受信するのをずっと待ち続けることなく、例えばデータを再送したりエラー表示をしたりするといった対応を速やかに行うことができる。
仮に、ACK信号を返信しない所謂データ送りっぱなしの制御を採用する場合には、データを正常に受信していない可動役物115は発光演出が実行されず、他の演出(例えば液晶による画像演出)に対するズレが生じてしまうおそれがある。
かかる点で、本実施の形態のようなコマレス型を採用することで、かかる不都合を防止することが可能になる。すなわち、可動役物115での発光演出が実行されない事態を防止することで、可動役物115による発光演出の確実な実行が可能になり、発光演出の統一感を担保することが可能になる。
このようなコマレス型での再送を実行することで、特別演出データを蓄積する時点で発生した通信障害が特別演出の見た目に影響しないように構成できる。すなわち、通信障害による発光演出が実行されないという事態の発生を抑制させることが可能である。
なお、さらに赤外線通信の通信速度を高める構成(例えば115kbpsから1.1Mbpsに変更)を採用し、後述の表示リフレッシュの間隔を短縮したり特別演出データの蓄積時間を短縮したりすることで、通信障害が特別演出の見た目への影響度を減らすことが考えられる。例えば、上位要求の通信間隔を20msから例えば18msに変更することで、特別演出データ100個の蓄積時間を200ms短縮できる。
付言すると、上述したように、遊技盤110におけるLMP制御CPU321とCPU32との間の通信および可動役物115におけるCPU42とLEDドライバ4との間の通信は、いずれもSPI通信により行われ、また、遊技盤110のCPU32と可動役物115のCPU42との間の通信は、赤外線通信により行われる。そして、可動役物115が遊技盤110に対して可動である等という事情によって、かかる赤外線通信の方がSPI通信よりも通信障害の発生確率が高いと言える。
ここにいう通信障害としては、通信途絶のほかに、データ化けや通信異常等が考えられる。データ化けの場合には、正しいサム値を計算できなくなり、ACKを返信できない。
図40に示すフローチャートをより具体的に説明する。
通常演出要求Y2が遊技盤110のLMP制御CPU321からCPU32に送信されると(ステップ4011)、CPU32は、受信した通常演出要求Y2を赤外線通信で可動役物115のCPU42に送信する(ステップ4012)。
そして、可動役物115のCPU42は、CPU32からの通常演出要求Y2を受信するとACKを返信すると共に(ステップ4013)、通常演出要求Y2の通常演出データをLEDドライバ4の各々に送信して発光部2,3の表示を更新する(ステップ4014)。
遊技盤110のCPU32は、CPU42からACKを受信すると、LMP制御CPU321に送信する(ステップ4015)。これにより、遊技盤110のLMP制御CPU321は、送信した通常演出要求Y2が可動役物115に受信されたことを把握することができる。
また、特別演出要求Y3がLMP制御CPU321からCPU32に送信されると(ステップ4016)、CPU32から赤外線通信で可動役物115のCPU42に転送される(ステップ4017)。そして、特別演出要求Y3の受信を契機に生成されるACKは、CPU42から赤外線通信で遊技盤110のCPU32に送信され(ステップ4018)、CPU32からLMP制御CPU321に転送される(ステップ4019)。
また、特別演出要求Y3を受信したCPU42は、特別演出要求Y3の特別演出データをSRAM43(図29参照)に蓄積する(ステップ4020)。この場合の特別演出データは、特別演出モードT1として蓄積される「表示色が青色で、演出表示時間が100ms」を特定するものである。
また、特別演出要求Y3を受信したCPU42は、LEDドライバ4に対して表示リフレッシュを指示する(ステップ4021)。このような表示リフレッシュは、可動役物115の移動側通信部41(図29参照)が赤外線通信を受信したタイミングで行われる。すなわち、一定間隔で表示リフレッシュが行われる場合がある。ここにいう一定間隔としては、CPU42により保持されるデータがノイズによって壊れない程度の時間をいい、例えば20msを挙げることができる。
表示リフレッシュの詳細については後述する。
さらに、モード設定要求Y1が遊技盤110のLMP制御CPU321からCPU32を介して可動役物115のCPU42に送信されると(ステップ4022、4023)、ACKがCPU42からCPU32を介してLMP制御CPU321に送信される(ステップ4024、4025)。
また、モード設定要求Y1を受信したCPU42は、LEDドライバ4に対して通常演出モードから特別演出モードへの変更(モード変更)を指示する(ステップ4026)。すなわち、CPU42は、SRAM43(図29参照)に蓄積されている特別演出データを読み出し、LEDドライバ4に送信する。これにより、青色の100ms表示を含む発光演出がLEDドライバ4にて、実行される。
上述したように、本実施の形態では、コマレス型の通信を採用すると共に一定周期の通信を採用する。そのため、遊技盤110のLMP制御CPU321は、何らかの事情によって送信に対するACKを受信しなくても、対処することが可能になる。すなわち、通信が正常に行われていない場合に、LMP制御CPU321は、自ら積極的に対応することが可能になる(能動的な対処)。
通信が正常でない場合のシーケンスについては、後述する。
〔表示リフレッシュについて〕
ここで、表示リフレッシュの制御について説明する。
可動役物115のCPU42は、表示リフレッシュの際にLEDドライバ4の各々に対して発光部2,3での表示リフレッシュの実行指示をするだけではなく、表示リフレッシュに用いる演出データをLEDドライバ4の各々に対して送信する。
このような演出データ送信による表示リフレッシュを採用する理由は、以下のとおりである。すなわち、可動役物115の可動部材1が遊技盤110に対して回転したり丸型と星型との間で相互に変形(図28参照)したりする機構を備えることから、可動役物115のLEDドライバ4に対してノイズが入力し易い構成であると言える。また、例えば接地不十分等によって可動役物115への帯電が増えるおそれがある。かかる事情によって、LEDドライバ4の内部バッファ(不図示)に保持されている演出データがノイズ等で破損する可能性が高いと言える。
そこで、本実施の形態では、CPU42は、発光部2,3での表示リフレッシュを実行する場合には、バッファ42aが保持する演出データを改めてLEDドライバ4に対して送信する制御を採用する。このようなバッファ42aが保持する演出データのLEDドライバ4に向けた送信は、赤外線通信のタイミングで行われる。
なお、可動役物115に対するノイズ対策を施すときに、複数のLEDドライバ4の各々に対して行うことが困難な場合がある。また、ノイズ対策を複数のLEDドライバ4の各々に対して行う場合よりも、単数のCPU42ないしバッファ42aに対して行う場合の方がより効率的である。そのため、ノイズ対策を施すことでノイズの影響を受け難いバッファ42aの演出データを、表示リフレッシュに際して複数のLEDドライバ4に送信している。
可動役物115は、赤外線通信を介して遊技盤110からデータを受信しない状態であっても、発光部2,3での発光演出を継続することが可能である。
付言すると、表示リフレッシュについての制御として、演出データ(通常演出データ、特別演出データ)の保持を可動役物115のCPU42が持つバッファ42aで行う場合(バッファ42aのキャッシュ的な使い方)のほか、可動役物115のSRAM43の一部で演出データの保持を行う場合(SRAM43のバッファ的な使い方)が考えられる。
なお、このような表示リフレッシュは、通常演出モードの場合のみならず、特別演出モードの場合にも行うことが可能である。
次に、図40にステップ4021として示す表示リフレッシュの意義について説明する。
上述したように、可動役物115においてLEDドライバ4が発光部2,3を用いて行う演出モードには、特別演出モードと通常演出モードとがある。通常演出モードから特別演出モードに変更されるのは、可動役物115のCPU42がモード設定要求Y1を受信した場合であり(ステップ4026のモード変更を参照)、また、特別演出モードから通常演出モードに変更されるのは、CPU42が通常演出要求Y2を受信した場合である。
なお、CPU42が特別演出要求Y3を受信しても特別演出モードに変更されず、通常演出モードである。
また、上述したように、通常演出要求Y2は、通常演出データを含むと共に特別演出データを含まず(図35参照)、特別演出要求Y3は、特別演出データを含むと共に通常演出データを含まない(図36参照)。
そして、上述したように、通常演出要求Y2を受信すると、CPU42は、その通常演出要求Y2に含まれる通常演出データで発光部2,3を即時表示する制御を行う。また、特別演出要求Y3を受信すると、CPU42は、その特別演出要求Y3に含まれる特別演出データをSRAM43(図29参照)に格納する制御を行う。
かかる制御下で、CPU42は、通常演出要求Y2の受信時には、通常演出モードにて通常演出要求Y2に含まれる新たな通常演出データにより発光部2,3の発光演出が行われる。その一方で、特別演出要求Y3の受信時には、新たな通常演出データを取得しないことから、発光部2,3による発光演出がまったく行われなくなってしまう。このような特別演出要求Y3の受信時に可動役物115の発光演出が一時的に中断してしまうという事態の発生は、遊技に伴って可動役物115にて行われる演出上、好ましくない。
しかしながら、特別演出要求Y3を受信しても通常演出モードであることから、特別演出要求Y3の受信に伴ってSRAM43(図29参照)に格納されている特別演出データを読み出す制御を行ったとしても、LEDドライバ4は、その特別演出データを用いて発光演出を行うことができない。
そこで、本実施の形態では、可動役物115のCPU42が特別演出要求Y3の受信に伴って特別演出データをSRAM43(図29参照)に格納するときに、発光部2,3の発光演出を実行すべく、既に実行済みの通常演出データを再び用いて発光部2,3を発光させる表示リフレッシュを指示する(後述する図44のステップ4424、ステップ4444参照)。
これにより、特別演出データをより確実にSRAM43に蓄積しつつ通常演出を実行することができる。特別演出要求Y3に応答して行う表示リフレッシュには、かかる意義がある。
なお、通常演出データを遊技盤110側から可動役物115に送信する場合に比べて、このような表示リフレッシュの場合には、可動役物115のCPU42は、再送された通常演出データに対する処理や通常演出データが何であるかの確認を省略することができ、制御負担の軽減を図ることが可能である。
図40にステップ4021として示す通常演出モードの表示リフレッシュについて説明する。
可動役物115のCPU42は、前回の通常演出要求Y2受信時に取得して既に実行した通常演出データをバッファ42a(図29参照)に保持しており、特別演出要求Y3を受信すると、バッファ42aに内部保持する通常演出データをLEDドライバ4の各々に送る。LEDドライバ4の各々は、実行済みの通常演出データをCPU42から改めて取得し、これにより発光部2,3を発光させる。
このように、本実施の形態では、可動役物115が赤外線通信により遊技盤110から新たな通常演出データを取得しなくても、前回の赤外線通信で受信した通常演出データで発光部2,3の発光演出を実行するように構成されている。
さらに説明すると、上述したように、遊技盤110から可動役物115にモード設定要求Y1、通常演出要求Y2または特別演出要求Y3が一定間隔で送られる。すなわち、可動役物115は、20msごとにモード設定要求Y1、通常演出要求Y2または特別演出要求Y3のいずれかを受信する。そして、通常演出要求Y2受信時には、通常演出モードにて通常演出要求Y2の通常演出データで通常演出が行われ、特別演出要求Y3受信時には、通常演出モードにて表示リフレッシュによる通常演出が行われる。また、モード設定要求Y1受信時には、特別演出モードにてSRAM43(図29参照)の特別演出データで特別演出が行われる。
本実施の形態ではこのような制御を採用することから、表示リフレッシュを行う条件として、通常演出モード下で通常演出要求Y2を受信しない場合を挙げることができる。言い換えると、表示リフレッシュは、通常演出モードにて発光部2,3の発光が20ms間変化しない場合に行われる。付言すると、通常演出モードにて通常演出要求Y2を受信しないとき(特別演出要求Y3を受信するとき)には、一定間隔(20msごと)の表示リフレッシュが行われる。
ここで、本実施の形態における表示リフレッシュは、上述した通常演出モードの場合のみならず、特別演出モードの場合にも行われる。以下、説明する。
モード設定要求Y1の受信を契機に、可動役物115は、通常演出モードから特別演出モードに移行する。そして、可動役物115のCPU42は、モード設定要求Y1に対応して、SRAM43(図29参照)の特別演出データを読み出し、その特別演出データをバッファ42a(図29参照)に保持すると共にLEDドライバ4の各々に送信する。これにより、LEDドライバ4の各々は、特別演出モードにて発光部2,3を発光させる特別演出データを取得する。LEDドライバ4の各々は、CPU42から送信された特別演出データを内部バッファ(不図示)に一時的に保持し、保持された特別演出データを用いて特別演出を実行する。
しかしながら、上述したように、LEDドライバ4の内部バッファ(不図示)に保持されている演出データがノイズ等で破損する可能性が高いと言える。とりわけ、特別演出モードでは、可動役物115が星型で回転中に発光部2,3を発光させる演出を行うことから、特別演出データが破損するおそれが高い。
そこで、本実施の形態では、特別演出モードの場合に、CPU42は自身の内部バッファ(不図示)に保持する特別演出データを所定時間(20ms)ごとにLEDドライバ4の各々に送信する制御を採用する。すなわち、CPU42は、LEDドライバ4の各々が保持する特別演出データが破損しているか否かを問わず、LEDドライバ4の各々に特別演出データを再送する(後述する図46のステップ4617、ステップ4677参照)。
このため、LEDドライバ4の各々は、自身が保持する特別演出データと同じものを特別演出モードにて一定間隔で受信し、受信した特別演出データを用いて発光部2,3の発光による特別演出を実行する(表示リフレッシュ)。このように、特別演出モードの場合に、CPU42は一定周期で発光部2,3による表示をリフレッシュする。
言い換えると、特別演出モードのときには、遊技盤110と可動役物115との間の赤外線通信が必ずしも可能でないことから、CPU42は、特別演出モードでは、遊技盤110からの通信を受信しなくても、特別演出データをLEDドライバ4の各々に送信して、表示リフレッシュを行う。このように、本実施の形態では、表示リフレッシュをより積極的に利用している。
〔通信が正常でない場合のシーケンス〕
次に、遊技盤110と可動役物115との間における通信が正常でない場合の動作を説明する。
図41および図42は、通信が正常でない場合のシーケンスを説明するフローチャートである。より具体的には、図41は、通信途絶の場合のシーケンスを説明するためのものであり、図42は、データ化け/通信異常の場合のシーケンスを説明するためのものである。すなわち、両図に示すシーケンスはいずれも、図40に示す通信成功の場合とは異なり、通信が失敗した場合であり、通信の異常動作を示す。両図の(a)は、遊技盤110におけるLMP制御CPU321からCPU32への通信に不具合が発生した場合のシーケンスを説明するもので、両図の(b)は、遊技盤110のCPU32から可動役物115のCPU42への通信に不具合が発生した場合のシーケンスを説明するものである。
図41の(a)に示す状況は、遊技盤110のLMP制御CPU321からCPU32に要求Aが送信されたものの(ステップ4111)、何らかの原因によって送信途中で通信がとだえてしまう通信途絶(杜絶)が発生した場合である。すなわち、要求Aを構成する項目の最初部分であるSTXとしての「0xaa」をCPU32が受信したものの、最後の項目であるETXとしての「0x55」を受信していない状態である(図33、図35または図36参照)。
このような通信途絶は、送信側が原因で生じる場合と受信側が原因で生じる場合とが考えられる。
なお、ここにいう要求Aは、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2または特別演出要求Y3のいずれかであり、どれかに限定されるものではない。
もし通信が正常であれば、LMP制御CPU321は、CPU32に対する要求Aの送信後20ms以内にCPU32からのACKを受信する(図41のステップ4015参照)。しかしながら、図41の(a)に示すように、CPU32との間の通信が正常でないと、CPU32からの返信は何らなく無応答であり、したがってLMP制御CPU321は、ACKを受信しない。
そこで、LMP制御CPU321は、CPU32に対する要求Aを送信しても次の送信タイミングまでにACKを受信しないときには、要求Aを再送する(ステップ4112)。すなわち、LMP制御CPU321は、このままACKを待っていては可動役物115との間の通信を継続することができないとして、要求Aの再送を開始する。
なお、このような要求Aの再送を開始する前には、可動役物115は要求Aに対応する動作を行うことができず、いわゆる動作失敗となる。
本実施の形態のように、遊技盤110のLMP制御CPU321からの送信内容が可動役物115の発光演出に反映されることは、遊技に伴う演出上とても重要なことである。そのため、可動役物115がLMP制御CPU321からの送信内容を確実に受信することが求められる。しかしながら、発光演出を実行する可動役物115が遊技盤110に対して回転したり変形したりする動作を行うという構造を採用することもあり、安定的な通信状況を確保することが難しいことも想定される。
このような事情によって、要求Aの再送は、通信が成功するまで繰り返される。その一方で、再送を無限に継続することに伴う不都合も想定される。そこで、かかる制御において、通信エラーの判定を行うことが考えられる。通信エラー判定の一例を示すと、要求Aの再送回数を計測し、計測された再送回数が所定値(例えば、5回や10回等)を超えると、通信エラーと判定する。また、他の例としては、要求Aの再送開始からの経過時間を計測し、計測された経過時間が所定値(例えば、2秒間)を超えると、通信エラーと判定する。通信エラーと判定したときには、再送を中断し、エラー表示を行う等の制御が考えられる。
このように、LMP制御CPU321からCPU32に要求A(ステップ4112参照)が再送された結果、通信途絶せずに送信完了すると、要求Aを受信した遊技盤110のCPU32は、可動役物115のCPU42に対して要求Aを送信する。
可動役物115のCPU42は、要求Aの受信完了後に遊技盤110のCPU32に対して要求Aの通信(通信A)が成功したこと(ACK)を返信し(ステップ4114)、さらに、CPU32は、LMP制御CPU321に対して通信Aの成功(ACK)を送信する(ステップ4115)。これにより、LMP制御CPU321は、要求Aが可動役物115に到達したことを把握できる。
そして、可動役物115のCPU42は、要求Aに対応する処理(処理A)を実行する(ステップ4116)。例えば、要求Aがモード設定要求Y1または通常演出要求Y2の場合には、LEDドライバ4による発光部2,3の発光状態が変わる。
図41の(b)に示す状況は、LMP制御CPU321から送信された要求AがCPU32により受信され(ステップ4121)、その後に、遊技盤110のCPU32から要求Aが可動役物115のCPU42へ送信される際に(ステップ4122)、何らかの原因によって送信途中で赤外線通信の途絶が発生した場合である。このため、可動役物115の動作失敗である。
LMP制御CPU321は、CPU32からの返信がなく無応答であることから、要求Aの再送を開始する(ステップ4123)。このような再送開始後は、図41の(a)の場合と同じゆえ、その説明を省略する。なお、同図の(b)のステップ4124〜4127はそれぞれ、上述した同図の(a)のステップ4113〜4116に対応するものである。
次に、図42の場合について説明する。同図の(a)に示す状況は、遊技盤110のLMP制御CPU321からCPU32に要求Aが送信される場合に(ステップ4211)、CPU32は、送信された要求Aを受信したものの、データ化け/通信異常が発生した場合である。
また、図42の(b)に示す状況は、LMP制御CPU321から送信された要求AがCPU32を介して可動役物115のCPU42へ送信される場合に(ステップ4221、4122)、CPU42は、送信された要求Aを受信したものの、データ化け/通信異常が発生した場合である。
図42の(a)および(b)のいずれの場合も、要求Aの受信側(CPU32またはCPU42)では、データ化け/通信異常の発生のために、ACKが返信されず、無応答である。ACKを受信しないLMP制御CPU321は、要求Aの再送を開始する(ステップ4212、ステップ4223)。
図42における再送開始後は、図41の場合と同じゆえ、その説明を省略する。すなわち、図42の(a)のステップ4213〜4216はそれぞれ、上述した図41の(a)のステップ4113〜4116に対応するものである。また、図42の(b)のステップ4224〜4227はそれぞれ、上述した図41の(b)のステップ4124〜4127に対応するものである。
ここで、可動役物115のCPU42は、遊技盤110から要求Aを受信すると、チェックサムを行う。要求A受信後のチェックサムにより通信成功/通信失敗の判断を行う。このチェックサムは、要求Aを構成する項目の最初部分であるSTXとしての「0xaa」および最後の項目であるETXとしての「0x55」(図33、図35または図36参照)を受信した後にサム値を見て行うものである。すなわち、図42で説明したデータ化け/通信異常は、受信側にて行われるチェックサムにより検出される。
チェックサムは、要求Aの予め定められた部分について所定の計算を行ってサム値を算出し、算出したサム値を要求Aに含まれるサム値と照合することにより行われる。
以下、サム値の計算について説明する。
図43は、サム値の計算を説明する図であり、同図の(a)はサム値(電文)の場合を示し、同図の(b)および(c)はサム値(演出データ)の場合を示す。
ここで、サム値(電文)は、上述したモード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3の各々に含まれる(図33、図35および図36参照)。また、サム値(演出データ)は、モード設定要求Y1には含まれず(図33参照)、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3に含まれる(図35および図36参照)。このように、本実施の形態に係る可動役物115は、モード設定要求Y1に対してサム値(電文)のチェックサムを行い、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3に対しては、サム値(電文)およびサム値(演出データ)についてチェックサムを行う。
したがって、モード設定要求Y1を受信すると、サム値(電文)が一致すれば、遊技盤110にACKが返信され、また、通常演出要求Y2または特別演出要求Y3を受信すると、サム値(電文)が一致すると共にサム値(演出データ)が一致するときに遊技盤110にACKが返信される。
図43の(a)に示すように、サム値(電文)は、可変部についての演算で取得される。すなわち、サム値(電文)は、共通部を除いて計算される。付言すると、上述したように、共通部は、STX、サム値(電文)およびETXを備える。
なお、図43の(a)におけるデータ1、データ2およびデータ3は、説明の便宜のために、コマンド種別および電文長以外の可変部の部分を抽象的に表したものである。
本実施の形態でのチェックサムの仕方としては、コマンド種別の「0xa1」、電文長の「0x12」、データ1の「0x34」、データ2の「0x56」およびデータ3の「0x78」を基に所定の方法で算出した値が共通部のサム値(電文)の「0xb5」と一致するかどうかの判定を行う。より具体的には、可動役物115のCPU42は、受信した要求に含まれる可変部についてのバイト単位の足し算を行い、これにより得た値の下2桁を、共通部のサム値(電文)の「b5」と比較する。すなわち、可変部についてのバイト単位の足し算は、「1b5」であり、その下2桁は、共通部のサム値(電文)と一致する。
両者比較の結果、一致する場合には、通信が正常であり通信成功と判定する。
また、サム値(演出データ)は、図43の(b)または(c)に示すように、特別演出要求Y3の特別演出データ(図36参照)についての演算で取得される。より具体的には、サム値(演出データ)は、演出表示時間およびLEDの演出データを用いて計算され、演出モードが用いられない。
なお、図43の(b)は、LEDa〜LEDhという8個の演出データが含まれる場合を例示したものであり、(c)は、LEDa〜LEDfという6個の演出データが含まれる場合を例示したものである。すなわち、図43の(c)は、特別演出モードにてLEDa〜LEDfを用いて点灯演出を行う場合であり、LEDgおよびLEDhを点灯させない場合である。
チェックサムの仕方は、上述したとおりゆえ、その説明を省略する。また、通常演出要求Y2の通常検出データ(図35参照)についてのサム値(演出データ)は、上述した特別演出データの場合と同じゆえ、その説明を省略する。
〔通常演出シーケンスおよび特別演出シーケンスの例示〕
次に、通常演出シーケンスおよび特別演出シーケンスの例について図44〜図47を用いて説明する。
図44は、通常演出シーケンスの例を説明するフローチャートである。
図44に示すフローチャートでは、まず遊技盤110のシステム制御CPU301が、発光部2,3を即時点灯することすなわち表示中の色を変更することを指示すると(ステップ4411)、遊技盤110のLMP制御CPU321は、通常演出データがセットされる通常演出要求Y2を生成する(ステップ4412)。そして、LMP制御CPU321は、生成した通常演出要求Y2を遊技盤110のCPU32にSPI通信で送信し、CPU32は、受信した通常演出要求Y2を赤外線通信で可動役物115のCPU42に送信する(ステップ4413)。
CPU42は、通常演出要求Y2を受信すると、これに応答してCPU32にセンサ状態を送信し(ステップ4414)、また、発光部2,3を通常演出モードに移行させる。すなわち、CPU42は、通常演出要求Y2にセットされている通常演出データをLEDドライバ4の各々にSPI通信で送信する。また、上述したように、可動役物115のCPU42は、チェックサムにより通信成功と判定すると、ACKを遊技盤110のCPU32に送信する(図40の例えばステップ4013参照)。
そして、CPU42からの通常演出データをLEDドライバ4の各々が取得すると、その通常演出データによって発光部2,3を発光させる。
こうして、通常演出要求Y2に応じた発光部2,3による通常演出が実行される。なお、通常演出要求Y2が受信されてもSRAM43(図29参照)には特別演出データが蓄積されず、未登録状態である。
ここで、CPU32は、LMP制御CPU321から通常演出要求Y2を受信すると、通信状態およびセンサ状態を20ms以内で更新する。すなわち、CPU32は、通常演出要求Y2を受信してから20ms以内に、通信状態が通信可でありセンサ状態が丸型であることをLMP制御CPU321に通知する(ステップ4415)。また、CPU32は、可動役物115のCPU42からのACKをLMP制御CPU321に送信する。
付言すると、CPU32は、CPU42からの応答を受けることによって通信状態が通信可であることを認識し、また、応答の内容によってセンサ状態が丸型であることを認識する。
そして、CPU32は、CPU42に対して状態要求を送信すると(ステップ4416)、CPU42は、これに応答してCPU32にセンサ状態を返信する(ステップ4417)。このセンサ状態は、センサ44,45の検出信号により取得する。なお、ここにいう状態要求は、可動役物115が備えるセンサ44,45の検出結果を取得する場合に遊技盤110のCPU32により赤外線通信で可動役物115のCPU42に送信されるものである。付言すると、赤外線通信により遊技盤110のCPU32から可動役物115のCPU42に送信されるものとしては、上述したモード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3のほかに、かかる状態要求がある。
CPU32は、LMP制御CPU321からの要求を受信しないときには、赤外線通信の通信状態およびセンサ44,45のセンサ状態を2ms以内にLMP制御CPU321に通知する(ステップ4418)。こうして、LMP制御CPU321における通信状態およびセンサ状態が更新される。
また、システム制御CPU301は、特別演出データを蓄積すること(表示中の色を変更しないこと)を指示すると(ステップ4421)、LMP制御CPU321は、特別演出データがセットされる特別演出要求Y3を生成する(ステップ4422)。生成された特別演出要求Y3は、LMP制御CPU321からCPU32に送信され、さらにCPU42に送信される(ステップ4423)。なお、今回の特別演出要求Y3(ステップ4422)は、LMP制御CPU321からCPU32への前回の通常演出要求Y2(ステップ4412)が送信されてから20ms以上が経過した後になされる。
CPU42は、CPU32から特別演出要求Y3を受信すると、これに応答してCPU32にセンサ状態を送信し(ステップ4424)、また、表示リフレッシュにより通常演出を実行すると共に特別演出データをSRAM43に格納する。付言すると、上述したように特別演出要求Y3を受信しても通常演出モードのままである。
この場合には、前回の通常演出要求Y2(ステップ4412参照)に含まれる通常演出データを用いた発光部2,3の発光による通常演出が行われると共に、「黄色100ms」という特別演出データがSRAM43の格納領域71(図34参照)に一時的に蓄積される。これにより、通常演出データを含まない特別演出要求Y3を受信し、特別演出データをSRAM43に格納している際に、発光部2,3の発光演出を中断せずに行うことが可能になる。
なお、ステップ4425〜4428は、上述したステップ4415〜4418に相当するものであり、その説明を省略する。
また、システム制御CPU301は、発光部2,3を即時点灯することおよび表示中の色を変更することを指示すると(ステップ4431)、LMP制御CPU321は、ステップ4412の場合とは異なる通常演出データがセットされる通常演出要求Y2を生成する(ステップ4432)。このように生成された通常演出要求Y2は、CPU32を介してCPU42で受信され(ステップ4433)、これにより、発光部2,3にて表示中の色を変更する通常演出が実行される(ステップ4434)。
なお、ステップ4435〜4438は、上述したステップ4415〜4418に相当するものであり、その説明を省略する。
また、システム制御CPU301は、特別演出データを蓄積すること(表示中の色を変更しないこと)を指示すると(ステップ4441)、LMP制御CPU321は、ステップ4422の場合とは異なる特別演出データがセットされる特別演出要求Y3を生成する(ステップ4442)。このように生成された特別演出要求Y3が、CPU32を介してCPU42で受信されると(ステップ4443)、CPU42は、前回の通常演出要求Y2(ステップ4432参照)に含まれる通常演出データを用いた表示リフレッシュを行うと共に、SRAM43の格納領域71(図34参照)に「紫色100ms」という別の特別演出データがさらに一時的に蓄積される(ステップ4444)。
なお、ステップ4445〜4448は、上述したステップ4415〜4418に相当するものであり、その説明を省略する。
図45は、特別演出データの差し替えを伴う通常演出シーケンスの例を説明するフローチャートであり、同図の(a)はその一例を示し、(b)は他の例を示す。
図45の(a)に示すフローチャートでは、通常演出シーケンス(図44参照)で特別演出データが可動役物115のSRAM43(図29参照)に蓄積された場合に、遊技盤110のシステム制御CPU301は、特別演出を開始しないことおよび特別演出データを差し替えることを指示すると(ステップ4501)、遊技盤110のLMP制御CPU321は、初期化の実施指示を含む通常演出要求Y2を生成する(ステップ4502)。
より具体的に説明すると、SRAM43では、Aパターンとして、格納領域71(図34参照)に「黄色100ms」および「紫色100ms」が蓄積され、また、格納領域72(図34参照)に「緑色100ms」および「紫色100ms」が蓄積され、また、格納領域73(図34参照)に「青色100ms」および「紫色100ms」が蓄積されている。そして、システム制御CPU301による指示は、既にSRAM43に蓄積されていて未だ一度も表示されていないAパターンを、別のパターンであるBパターンに差し替えることである。また、生成される通常演出要求Y2における特別演出データの初期化の項目には、特別演出データを初期化する(0x01)が設定される(図35参照)。
LMP制御CPU321は、生成した通常演出要求Y2を遊技盤110のCPU32に送信すると、CPU32は、その通常演出要求Y2を可動役物115のCPU42に送信する(ステップ4503)。通常演出要求Y2を受信したCPU42は、これに応答して、通常演出要求Y2に含まれる通常演出データを用いた発光部2,3の発光による通常演出が行われると共に、SRAM43に対する初期化処理を行う(ステップ4504)。さらに、CPU42は、センサ状態をCPU32に送信する(ステップ4504)。
なお、ステップ4505は、上述したステップ4415(図44参照)に相当するものであり、その説明を省略する。
この場合の初期化指示Y4は、通常演出シーケンスによって蓄積した特別演出データ(Aパターン)のすべてを破棄するものである。さらに説明すると、初期化指示Y4で破棄したAパターンを構成する特別演出データはすべて使用できず、一部差し替えができないことから、初期化処理後にはBパターンを構成するすべての特別演出データを蓄積することになる。
図45の(b)に示すフローチャートは、特別演出に用いるためにSRAM43に蓄積されたAパターンをBパターンに差し替えるものである点で、図45の(a)に示す場合と同じである。そして、そのような差し替えのために、図45の(b)に示すフローチャートは、特別演出要求Y3でSRAM43の初期化を行う点で、SRAM43の初期化を通常演出要求Y2で行う図45の(a)に示す場合と異なる。
具体的に説明すると、LMP制御CPU321は、システム制御CPU301からの指示により(ステップ4551)、初期化の実施指示を含む特別演出要求Y3を生成する(ステップ4552)。生成された特別演出要求Y3は、CPU32を介して可動役物115のCPU42に送信される(ステップ4552、ステップ4553)。
特別演出要求Y3を受信したCPU42は、これに応答して、センサ状態をCPU32に送信する(ステップ4554)。また、CPU42は、LEDドライバ4に対する表示リフレッシュを指示する(ステップ4554)。
さらには、CPU42は、SRAM43に対する初期化処理を行った後に、特別演出データをSRAM43に格納する(ステップ4554)。すなわち、CPU42は、SRAM43への特別演出データ格納に先立って、初期化処理を行う。CPU42は、SRAM43に特別演出データを格納した後に初期化処理を行うのではない。
なお、ステップ4555は、上述したステップ4505(図45の(a)参照)に相当するものであり、その説明を省略する。
図46および図47は、特別演出シーケンスの例を説明するフローチャートである。すなわち、図46では、特別演出シーケンスの開始段階を示し、図47では、特別演出シーケンスの終了段階を示す。
図46に示すフローチャートは、通常演出シーケンス(図44参照)で特別演出データが可動役物115のSRAM43(図29参照)に蓄積されている場合のその後の処理手順を示している。具体的には、システム制御CPU301が丸型から星型への特別演出を開始することを指示すると(ステップ4611)、LMP制御CPU321は、これに対応するモード設定要求Y1を生成し、CPU32にSPI通信で送信する(ステップ4612)。
この場合に生成されるモード設定要求Y1は、特別演出2を2回実行した後に、特別演出3を1回実行するというものである。より具体的には、表示順番および表示回数がそれぞれ、モード設定要求Y1における1〜2番目の特別演出の表示内容の項目および1〜2番目の特別演出のリピート回数の項目で設定される(図33参照)。なお、この場合のモード設定要求Y1では、1〜2番目の特別演出に関する設定が行われ、3番目の特別演出に関する設定は行われない。
CPU32は、受信したモード設定要求Y1を赤外線通信で可動役物115のCPU42に送信する(ステップ4613)。CPU42は、これに応答してCPU32にセンサ状態を返信し(ステップ4614)、また、1番目の特別演出の表示内容である特別演出モードT2の特別演出データをSRAM43の第2格納領域72(図34参照)から読み出して発光部2,3にSPI通信で送信する。より具体的には、CPU42からの特別演出データをLEDドライバ4の各々が取得すると、特別演出2の1番目の特別演出データによって発光部2,3を発光させ、次に、特別演出2の2番目の特別演出データによって発光部2,3を発光させる。
こうして、モード設定要求Y1に応じた発光部2,3による特別演出モードT2が実行される。付言すると、CPU42から発光部2,3への通信と発光部2,3による演出とは互いに非同期である。
CPU42は、モード設定要求Y1を受信すると、これに応答してCPU32にセンサ状態を送信し、また、通信成功との判定によりACKをCPU32に送信する(ステップ4615)。
CPU32は、CPU42に対して状態要求を送信すると(ステップ4616)、CPU42は、これに応答してセンサ状態を返信し(ステップ4617)、また、特別演出2の第2回目を実行させるべく、特別演出データを発光部2,3に送信する。すなわち、特別演出2の第2回目を実行させる場合には、第1回目を繰り返すことの実行指示ではなく、特別演出データをLEDドライバ4の各々に対して再び送信する(特別演出モードの表示リフレッシュ)。
そして、CPU32は、通信状態およびセンサ状態をLMP制御CPU321に送信する。すなわち、CPU32は、通信状態が通信可でありセンサ状態が変形中(後述のステップ4631,4632参照)であることをLMP制御CPU321に通知する(ステップ4618)。
CPU32は、CPU42に対して状態要求を送信すると(ステップ4619)、CPU42は、これに応答してCPU32にセンサ状態を返信し(ステップ4620)、また、特別演出モードT3を実行させるべく、特別演出データを発光部2,3に送信する。
そして、CPU32は、通信状態が通信可でありセンサ状態が星型(後述のステップ4631,4632参照)であることをLMP制御CPU321に送信する(ステップ4621)。
ここで、システム制御CPU301は、丸型から星型への特別演出の開始指示(ステップ4611参照)に伴い、丸型から星型への変形を開始することを指示する(ステップ4631)。この指示を受けたLMP制御CPU321は、丸型から星型への変形指示に対応する動作パターンデータを生成する(ステップ4632)。生成された動作パターンデータはモータドライバ326(図27参照)に出力され、これによりモータ34(図28の(b)参照)が作動する。こうして、可動役物115の可動部材1(図28の(b)参照)は、モータ34の駆動力により相互に移動し、図46に示すように、可動役物115が星型に変形する。
次に、システム制御CPU301は、星型で回転中の特別演出を開始することを指示すると(ステップ4641)、LMP制御CPU321は、対応するモード設定要求Y1を生成する。この場合に生成されるモード設定要求Y1は、特別演出1、特別演出2および特別演出3を順番に1回ずつ実行するというものである。
ここで、システム制御CPU301は、星型で回転中の特別演出の開始指示(ステップ4641参照)に伴い、星型での回転を開始することを指示すると(ステップ4661)、LMP制御CPU321は、星型で回転する動作パターンデータを生成し(ステップ4662)、生成した動作パターンデータに応じたモータ34の作動により、図46に示すように、星型の可動役物115が反時計方向および時計方向に回転する回転状態になる。
LMP制御CPU321は、システム制御CPU301の指示(ステップ4641参照)を受けて生成したモード設定要求Y1をCPU32に送信し(ステップ4642)、CPU32がCPU42に転送する(ステップ4643)。すると、CPU42はセンサ状態を返信すると共に、対応する特別演出データをSRAM43から読み出して発光部2,3に送信する(ステップ4644)。
CPU42は、モード設定要求Y1の受信に応答してCPU32にセンサ状態を送信すると共にACKをCPU32に送信する(ステップ4645)。
また、CPU32がCPU42に対して状態要求を送信する場合(ステップ4646)、CPU42は、その状態要求を受信すると、これに応答してCPU32にセンサ状態を返信する(ステップ4647)。しかしながら、回転状態の可動役物115は、遊技盤110に対して原点位置にはいない。このため、可動役物115のCPU42と遊技盤110のCPU32との間の赤外線通信ができない状況であり、CPU42から送信されたセンサ状態をCPU32が受信することができない。
CPU42からのセンサ状態を受信しない場合、CPU32は、通信状態が通信不可でありセンサ状態は不定であることをLMP制御CPU321に通知する(ステップ4648)。
CPU32により送信された状態要求を受信すると、CPU42はこれに応答してセンサ状態を返信し(ステップ4649およびステップ4650)、対応する特別演出データをSRAM43から読み出して発光部2,3に送信する。
そして、CPU32は、通信状態が通信可でありセンサ状態が星型であることをLMP制御CPU321に送信する(ステップ4651)。
次に、システム制御CPU301は、星型から丸型への特別演出を開始することを指示すると(ステップ4671)、LMP制御CPU321は、対応するモード設定要求Y1を生成してCPU32に送信する(ステップ4672)。この場合に生成されるモード設定要求Y1は、特別演出3を2回実行するというものである。
また、システム制御CPU301は、星型から丸型への変形を開始することを指示すると(ステップ4691)、LMP制御CPU321は、星型から丸型へ変形する動作パターンデータを生成する(ステップ4692)。これにより、可動役物115は、図46に示す丸型に変形する。
CPU32は、モード設定要求Y1を受信するとCPU42に転送し(ステップ4673)、CPU42はセンサ状態を返信する(ステップ4674)。そして、CPU42は、対応する特別演出データをSRAM43から読み出して発光部2,3に送信する。
センサ状態を受信したCPU32は、通信状態が通信可でありセンサ状態が星型であること、およびACKをLMP制御CPU321に送信する(ステップ4675)。
CPU32は、CPU42に対して状態要求を送信すると(ステップ4676)、CPU42は、これに応答してセンサ状態を返信し(ステップ4677)、また、特別演出3の第2回目を実行させるべく、特別演出データを発光部2,3に送信する(特別演出モードの表示リフレッシュ)。
そして、CPU32は、通信状態が通信可でありセンサ状態が変形中(ステップ4692参照)であることをLMP制御CPU321に通知する(ステップ4678)。
CPU32は、次に状態要求を送信すると(ステップ4679)、CPU42は、これに応答してセンサ状態を返信する(ステップ4680)。そして、CPU32は、通信状態が通信可でありセンサ状態が丸型であることをLMP制御CPU321に送信する(ステップ4681)。
図47に示すフローチャートは、通常演出シーケンス(図44参照)で特別演出データ(Aパターン)が可動役物115のSRAM43(図29参照)に蓄積されている場合のその後の処理手順を示している。具体的には、システム制御CPU301からLMP制御CPU321に特別演出の開始が指示されると(ステップ4711)、それを契機に生成されたモード設定要求Y1がLMP制御CPU321からCPU32を介してCPU42に送られる(ステップ4712およびステップ4713)。
この場合に生成されるモード設定要求Y1には、SRAM43の初期化を行う指示が含まれる(ステップ4712参照)。また、このモード設定要求Y1は、特別演出2を1回実行するというものである。
そして、モード設定要求Y1に応答してセンサ状態(星型)がCPU42からCPU32に返信され(ステップ4714)、通信状態が通信可であることおよびセンサ状態が丸型であること、さらにはACKがCPU32からLMP制御CPU321に送信される(ステップ4715)。
ここで、CPU42は、応答を契機に、SRAM43から特別演出データを読み出し、読み出した特別演出データによって発光部2,3を発光させる(ステップ4714)。すなわち、CPU42は、特別演出2の1番目の特別演出データによって発光部2,3を発光させる。そして、これに続いて、CPU42は、特別演出2の2番目〜5番目の特別演出データによって発光部2,3を発光させる。これにより、可動役物115は、図47に示す丸型にて発光演出を行う。
また、CPU42は、SRAM43から特別演出データを読み出した後に、SRAM43に対する初期化処理を行う(ステップ4714)。これにより、SRAM43に蓄積された特別演出データのすべてが破棄される。
このように、モード設定要求Y1による初期化処理は、SRAM43から特別演出データを読み出す前ではなく、SRAM43から特別演出データを読み出した後に行われる(図47のステップ4714参照)。かかる点で、特別演出データをSRAM43に格納する前に行う特別演出要求Y3による初期化処理の場合(図45の(b)のステップ4554参照)と処理順序が異なる。
付言すると、CPU42は、モード設定要求Y1および特別演出要求Y3が持つコマンド種別(図33、図36参照)を基に、予め定められた初期化処理の処理順序で実行する。なお、コマンド種別ごとに互いに異なる初期化の内容をCPU42が実行する変形例も考えられる。
次に、システム制御CPU301からLMP制御CPU321に、特別演出を終了することおよび通常演出を開始することが指示されると(ステップ4721)、それを契機に生成される通常演出要求Y2がLMP制御CPU321からCPU32を介してCPU42に送られる(ステップ4722およびステップ4723)。
そして、通常演出要求Y2に応答してセンサ状態がCPU42からCPU32に返信され(ステップ4724)、通信状態が通信可であることおよびセンサ状態が丸型であること、さらにはACKがCPU32からLMP制御CPU321に送信される(ステップ4725)。
CPU42は、応答(ステップ4724)を契機に、発光部2,3を通常演出モードに移行させる。その後の通常演出シーケンスで、特別演出データ(Bパターン)がSRAM43に蓄積される。付言すると、Bパターンの全部または一部が蓄積される。すなわち、Aパターンから一部の特別演出データのみのデータ差し替えは可能である。
〔初期化指示(初期化要求)Y4に対応する初期化処理〕
遊技盤110による初期化指示(初期化要求)Y4に対応して可動役物115で行われる初期化処理について、より詳しく説明する。すなわち、モード設定要求Y1で初期化する場合、通常演出要求Y2で初期化する場合および特別演出要求Y3で初期化する場合の可動役物115側における初期化処理の違いを説明する。
既に説明した内容ではあるが、初期化処理に関連する事項を改めて以下説明しつつ、初期化処理を説明する。
上述したように、LMP制御CPU321は、CPU42に対して、モード設定要求Y1で初期化指示Y4を行うことが可能である(図47参照)。また、通常演出要求Y2で初期化指示Y4を行うことが可能であり(図45の(a)参照)、特別演出要求Y3で初期化指示Y4を行うことが可能である(図45の(b)参照)。
そして、かかる初期化指示Y4には、SRAM43に格納されている特別演出データを初期化することも含まれる(図33、図35および図36参照)。
また、上述したように、可動役物115のCPU42は、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2または特別演出要求Y3のいずれかを受信すると、SRAM43にアクセスして所定の処理を行ったりSRAM43にアクセスせずに所定の処理を行ったりする。すなわち、モード設定要求Y1を受信すると、SRAM43の特別演出データを使って発光演出を実行する。通常演出要求Y2を受信すると、通常演出要求Y2の通常演出データを使って発光演出を実行し、また、通常演出要求Y2を受信すると、特別演出要求Y3の特別演出データをSRAM43に格納すると共に表示リフレッシュによる発光演出を実行する(図40参照)。
このように、モード設定要求Y1は、可動役物115のCPU42がSRAM43(図29参照)に対して演出データを読み出す動作を行うためのものである。言い換えると、モード設定要求Y1は、SRAM43にアクセスし、格納済みの特別演出データを利用して特別演出を実行するものである。そのため、モード設定要求Y1に特別演出データを初期化することの指示が含まれる場合は、それを受信したCPU42は、まずSRAM43にアクセスして格納済みの特別演出データを読み出した後に、SRAM43の特別演出データを初期化する(図47参照)。
すなわち、モード設定要求Y1でSRAM43を初期化する場合には、モード設定要求Y1に固有の処理(特別演出データの読み出し)を行った後に、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3に共通する処理(初期化処理)を行うことになり、処理の順番が固定される。このようなモード設定要求Y1での初期化を行う場合には、特別演出を行ったことで不要になったSRAM43の特別演出データを速やかに消去することができ、何らかの事情による誤発光等の発生をより確実に防止することが可能になる。
また、特別演出要求Y3は、可動役物115のCPU42がSRAM43(図29参照)に対して演出データを蓄積する動作を行うためのものである。すなわち、特別演出要求Y3は、SRAM43にアクセスし、特別演出データを格納するものである。そして、特別演出データを初期化することの指示が含まれる特別演出要求Y3を受信すると、CPU42は、初期化処理に関し、モード設定要求Y1の場合とは異なる動作を行う。より具体的には、CPU42は、SRAM43にアクセスしてまずSRAM43を初期化した後に、その特別演出要求Y3に含まれる特別演出データをSRAM43に格納する(図45の(b)参照)。
特別演出要求Y3でSRAM43を初期化する場合には、共通の処理(初期化処理)を行った後に、特別演出要求Y3に固有の処理(特別演出データの書き込み)を行うことになる。すなわち、モード設定要求Y1の場合とは初期化処理の順番が逆であるものの、モード設定要求Y1の場合と同じく、処理の順番が固定される。
その一方で、通常演出要求Y2は、CPU42がSRAM43(図29参照)に対して演出データを蓄積したり読み出したりする動作を行うためのものではない。すなわち、通常演出要求Y2は、モード設定要求Y1や特別演出要求Y3の場合とは異なり、SRAM43にアクセスすることなく、通常演出データで通常演出を実行し得るものである。言い換えると、通常演出要求Y2は、SRAM43に蓄積されるデータに影響を及ぼす処理を実行させるものではない。このため、通常演出要求Y2による初期化処理(図45の(a)参照)は、通常演出を実行するタイミングとは関係なく実行可能である。すなわち、モード設定要求Y1や特別演出要求Y3の場合とは異なり、処理の順番が固定されない。
したがって、通常演出要求Y2による初期化処理を、通常演出の実行前に行う制御を採用しても、通常演出の実行後に行う制御を採用してもよく、通常演出の実行と共に行う制御を採用してもよい。
〔可動役物115への電力供給変動に伴うシーケンス〕
次に、可動役物115に供給される電力が遮断または電圧低下した場合のシーケンスの例について、以下説明する。
なお、このような可動役物115へ供給されている電力が遮断(電断)したり、その電力の電圧が一時的に低下(電圧低下)したりする現象は、そのパチンコ遊技機100の遊技状態や演出状態とは関係のない時期になされ得る。
〔電断シーケンスの例示〕
図48は、電断シーケンスの例を説明するフローチャートである。このような電断シーケンスが実行される場合としては、例えばホールでの閉店に伴いパチンコ遊技機100の主電源がOFFされ、翌営業日の開店に伴ってパチンコ遊技機100の主電源がONされる場合が想定される。そのため、電源OFF/ONされる時間帯は、ある程度定められるものの、電源OFF時にパチンコ遊技機100がどのような内部状態であるか或いはどのような演出を行っているかは不定である。
かかる事情により、図48の電源OFF(ステップ4816)される前の処理内容として示すステップ4811〜4815は、その例示であり、また、SRAM43(図29参照)に蓄積されている特別演出データの内容も例示である。
なお、図48のステップ4811〜4815は、上述した図44のステップ4411〜4415に相当するものであり、その説明を省略する。
図48に示すように、パチンコ遊技機100の主電源がOFFされると(ステップ4816)、例えば演出制御部300への給電や可動役物115への給電が遮断される。これにより、可動役物115の発光部2,3は発光せず、また、可動役物115の可動部材1は動作しない。
なお、電断は、電源遮断監視処理(不図示)で検出され、電断検出後には遊技制御部200により所定の処理が実行される。この電源遮断開始処理は、電断信号としてのINITを用いる判断により行われる。INITは、電源ONではHiになり、電源OFFではLoになる。
付言すると、図48では、電断時に可動役物115が丸型の場合を例示しているが、可動役物115が星型の場合もあり得る。すなわち、特別演出モード中の電断(動作中の電断)である。そのような星型で電断しても、可動役物115は星型に戻らず、電源ON時に伴って行われる初期動作のときに、星型から丸型に戻される。
電断後にパチンコ遊技機100の主電源がONされると(ステップ4821)、遊技制御部200により復旧処理(不図示)が実行される。そして、演出制御部300や可動役物115に電力が供給されると、可動役物115のCPU42は、初期動作の一つとしての初期演出を実行する(ステップ4822)。この場合の初期演出は、発光部2,3が例えば白色点灯することで行われる。
その一方で、遊技盤110のCPU32は、赤外線通信によりCPU42に状態要求を送信する(ステップ4823)。CPU42は状態要求を受信すればCPU32にセンサ状態を返信するものの、例えば可動役物115が原点位置になくて遊技盤110のCPU32との間で赤外線通信できない場合には、CPU42からCPU32への応答信号が受信されない(破線で示す矩形を参照)。このため、CPU32は、LMP制御CPU321に対して、通信状態が通信不可でありセンサ状態は不定であることを通知する(ステップ4824)。
CPU32により再送された状態要求(ステップ4825)を受信すると、CPU42は、これに応答してセンサ状態を返信する(ステップ4826)。そして、遊技盤110のCPU32は、通信状態が通信可でありセンサ状態が丸型であることをLMP制御CPU321に送信する(ステップ4827)。このような送信の際に、CPU32は、初期化有という情報をLMP制御CPU321に通知する。すなわち、CPU32は、上位要求の受信前は初期化有を通知し(ステップ4827参照)、また、上位要求の受信後は初期化無を通知する(後述のステップ4835参照)。この場合の上位は、システム制御CPU301ないしLMP制御CPU321を意味する。
なお、このような電源ON後の電断シーケンスを電源投入シーケンスということができる。
なお、可動役物115のCPU42は、初期動作の一つとして、SRAM43の初期化を行う。すなわち、電源ONにより、SRAM43における特別演出データが未登録になる。
付言すると、可動役物115に送信される特別演出要求Y3は、シーケンス番号が付される。より具体的には、電源ONされた後に生成される順番でシーケンス番号として1から100までの数が特別演出要求Y3ごとに付される。100が付された後は、シーケンス番号として再び1が付される。すなわち、遊技盤110のCPU32は、送信した特別演出要求Y3についてACKの受信をシーケンス番号で確認し、通信が成功したのかどうかを認識する。このため、シーケンス番号を付す制御を採用することによって、通信障害が発生した場合に再送すべき特別演出要求Y3を把握することができる。
電断シーケンスの説明に戻る。その後、発光部2,3を即時点灯すること(表示中の色を変更すること)の指示がシステム制御CPU301からLMP制御CPU321になされた場合(ステップ4831)のその後のシーケンスであるステップ4832〜4838は、上述した図44のステップ4412〜4418に相当するものであり、その説明を省略する。付言すると、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3のうち、電源投入時には、通常演出要求がまず可動役物115に送信される。
なお、ステップ4835は上位要求の受信後であることから、初期化無がCPU32からLMP制御CPU321に通知される。
〔電圧低下シーケンスの例示〕
図49は、電圧低下シーケンスの例を説明するフローチャートである。
図49に示す電圧低下シーケンスが実行される場合としては、可動役物115に供給される電源の電圧が発光部2,3を光らせるために必要な電圧(基準電圧)よりも低下してしまう場合である。通常時に可動役物115に供給される電源電圧は、基準電圧以上のものである。
なお、本実施の形態では、可動役物115に供給される直流電圧が基準電圧以上であるか否かを可動役物115で検出するが、その検出部(不図示)は、周知慣用の技術を用いて構成することができる。
このような電圧低下は、例えばホールでの島設備の事情や落雷、衝撃によるコネクタの半差し状態等によって発生するものであり、事前に特定できない時期に発生する。そして、いったん基準電圧よりも低下した電圧は、その後に回復する可能性がある。なお、このような電圧低下は、パチンコ遊技機100の遊技を継続することが可能なものである。
さらに説明すると、かかる電圧低下が発生すると、可動役物115での発光演出に支障が出るおそれがあるものの、遊技盤110との間の赤外線通信が可能であり、SRAM43への特別演出データの蓄積も可能であり、また、可動役物115のCPU42が遊技盤110のCPU32から受信すると、ACKを返信可能である。この点で、電圧低下シーケンスは、電断中に赤外線通信できずACKを返信しない電断シーケンス(図48参照)と異なる。
なお、図49のステップ4911〜4915は、上述した図44のステップ4411〜4415ないし図48のステップ4811〜4815に相当するものであり、その説明を省略する。
図49に示すように、可動役物115に供給される電源の電圧が低下すると(ステップ4921)、可動役物115のCPU42は、上位要求に関係なく、発光部2,3を積極的に消灯させる(ステップ4921または後述のステップ4934参照)。また、CPU42は、発光部2,3が消灯状態であることないしは電圧低下が発生状態であることを遊技盤110側に通知しない。
電圧低下に伴って発光部2,3を消灯させることによって、電圧低下によって発光部2,3が例えば通常よりも不規則的に弱く光ることで見栄えが悪くなって遊技者の遊技に対する集中力が低下したり継続意欲が低下したりすることを防止することができる。さらには、可動役物115は、赤外線通信を介した遊技盤110からの消灯指示がなくても自主的に発光部2,3を消灯させることから、かかる不都合な事態のより確実な防止が可能になる。
付言すると、遊技盤110では盤ランプ116による発光演出が可能であり、また、枠部材150では枠ランプ157による発光演出が可能であることから(図1および図3参照)、可動役物115での発光部2,3による発光演出を中止しても重大な事態には至らないと考えられる。
なお、電圧低下時に遊技が継続しつつも発光部2,3を消灯させることは、パチンコ遊技機100の外部に対して何らかの不都合な事態の発生、具体的には電圧低下の発生を報知するものであるということができる。
本実施の形態に係る可動役物115では、電圧の低下に伴って消灯制御を行っているが、逆に、電圧の上昇を検出する場合に、例えば発光部2,3の誤発光防止や破損防止のために、同様の消灯制御を行う変形例も考えられる。
言い換えると、可動役物115は、所定の電圧変動を検出した場合に、発光部2,3の消灯制御を行うものであるということができる。
また、可動役物115のCPU42は、遊技盤110のシステム制御CPU301ないしLMP制御CPU321に対し、電圧低下したことを通知しない。また、CPU42は、遊技盤110側からの指示がなくても発光部2,3を自発的に消灯させ、また、発光部2,3を消灯したことを通知しない。
遊技盤110側に通知しないことで、遊技盤110での演出制御の複雑化が防止され、また、通信内容の抑制による消費電力の低減を図ることが可能になる。
このように、CPU42は、発光部2,3が消灯状態であることの通知をしないことから、電圧低下状態であるにもかかわらず(ステップ4921参照)、遊技盤110のシステム制御CPU301は、後続の演出として、表示中の色を変更する態様でLEDを即時点灯するという指示を出し(ステップ4931、4941)、この指示を受けたLMP制御CPU321は、通常演出要求Y2を生成してCPU32を送信する(ステップ4932、4942)。
なお、本実施の形態では、このような通知の省略をしているが、通知する制御を採用することも考えられる。
遊技盤110のCPU32は、受信した通常演出要求Y2を可動役物115のCPU42に送信し(ステップ4933、4943)、これを受信したCPU42は、通常演出要求Y2に応答してセンサ状態がCPU42からCPU32に返信する(ステップ4934、4944)。
そして、CPU42は、未だ電圧低下の状態のままであるとして、通常演出要求Y2に含まれる通常演出データを用いて発光部2,3を発光させる通常演出を行わず、発光部2,3を消灯させる(ステップ4934、4944)。すなわち、発光部2,3が消灯している状態(消灯状態)が維持される。
図49のステップ4935〜4938は、上述した図44のステップ4415〜4418に相当することから、その説明を省略する。また、図49のステップ4945は図44のステップ4415に相当することから、その説明を省略する。
このように、可動役物115のCPU42は、発光部2,3の消灯状態を維持すると共に遊技盤110のCPU32からの送信に対応しつつ、電圧が回復するのを待つ。そして、電圧が基準電圧以上に上昇すると(ステップ4951)、CPU42は、遊技盤110側からの要求に対応して動作する。すなわち、CPU42は、発光部2,3を発光させて通常演出を行う(ステップ4964)。
なお、図49のステップ4961〜4963、4965〜4968は、上述した図44のステップ4411〜4413、4415〜4418に相当することから、その説明を省略する。
以上説明したように、本実施の形態では、可動役物115が遊技盤110から供給される電源の電圧変動を監視し、電圧低下を検出すると、遊技盤110から発光演出指示があっても発光部2,3を勝手に消灯させるので、電圧低下による誤発光等を防止することが可能になる。
ここで、パチンコ遊技機100(図1参照)は遊技機の一例である。
ランプ制御部320のLMP制御CPU321(図27または図29参照)は、演出制御部の一例である。可動役物115(図1、図3または図28〜図31参照)は、可動体の一例であり、発光部2a〜2j,3a〜3j(図30参照)は、発光部の一例である。
2,3…発光部、4…LEDドライバ、41…移動側通信部、42…CPU、42a…バッファ、43…SRAM、100…パチンコ遊技機、115…可動役物、300…演出制御部、321…LMP制御CPU

Claims (2)

  1. 遊技の制御に応じて演出の制御が行われる遊技機であって、
    演出を制御する演出制御部と、
    前記演出制御部に対して可動に前記遊技機に配設され、当該遊技機から電力の供給を受けて発光する発光部を持ち、当該発光部による発光演出を含む演出を行う可動体と、
    を備え、
    前記可動体は、前記遊技機から供給される電力について所定の電圧変動を検出した場合に前記発光部の消灯を行うことを特徴とする遊技機。
  2. 前記可動体は、前記所定の電圧変動の検出に対応して行う前記発光部の消灯を前記演出制御部に通知しないことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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