JP2014138681A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可動役物115に供給される電源の電圧が低下すると(S4921)、CPU42は、上位要求に関係なく発光部2,3を積極的に消灯させ(S4921)、かつ、発光部2,3が消灯状態であることを遊技盤110側に通知しない。そのため、電圧低下状態であるにもかかわらず、システム制御CPU301は、後続の演出として、表示中の色を変更する態様でLEDを即時点灯するという指示を出し(S4931、4941)、この指示を受けたLMP制御CPU321は、通常演出要求Y2を生成してCPU32を送信する(S4932、4942)。電圧が基準電圧以上に上昇すると(S4951)、CPU42は、遊技盤110側からの要求に対応する発光部2,3の発光演出を再開させる。
【選択図】図49
Description
本発明は、役物に供給される電源が不安定な場合に生じる現象が演出面に関して遊技者に与える影響を軽減させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
ここで、前記可動体115は、前記所定の電圧変動の検出に対応して行う前記発光部2,3の消灯を前記演出制御部321に通知しないことを特徴とすることができる。この場合には、演出制御の複雑化を防止することが可能になる。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施の形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)と、を備えている。なお、演出制御部300の回路構成については、後述する(図27参照)。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン等(演出ボタン161および演出キー162)を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。その際、演出ボタン等を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。また、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、を備えている。なお、画像/音響制御部310の回路構成については、後述する(図27参照)。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROMには、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPUは、ROMに記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、を備えている。なお、ランプ制御部320の回路構成については、後述する(図27参照)。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROMには、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROMには、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPUは、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、特別図柄抽選部231と、普通図柄抽選部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄抽選結果判定部234と、普通図柄制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235と、遊技進行制御部236と、を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
普通図柄抽選部232は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄抽選を行う。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、特別図柄の変動時間が短縮される時短遊技状態の有無および大当たりの当選確率が高確率に変動した確変遊技状態の有無の組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短遊技状態および確変遊技状態の両方が発生する大当たり、時短遊技状態のみが発生する大当たり、確変遊技状態のみが発生する大当たり、時短遊技状態および確変遊技状態のいずれも発生しない大当たりが有り得る。以下、これらの大当たりを区別する場合は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づき、「時短有り」、「時短無し」、「確変有り」、「確変無し」等と記載して区別する。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「はずれ」では、「大当たり」でも「小当たり」でもなく、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
遊技進行制御部236は、各遊技状態において遊技の進行を制御する。
「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122への遊技球の入賞確率が高まる状態を発生させる。上記の入賞サポート(電チューサポート)時には、この規定回数や規定時間が増える。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態は発生しない。
電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の開放動作を制御する。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段やサブ制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部400により賞球の払い出しの制御が行われる。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。図4を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501〜506)。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄抽選結果判定部234、変動パターン選択部235、および遊技進行制御部236により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
出力処理(ステップ506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップ505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
図6は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に特別図柄抽選部231は、第1始動口121の入賞における未抽選分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップ602でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
この後、特別図柄抽選部231は、ステップ603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数U1増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。ステップ605の事前判定処理が行われた場合は、保留数U1増加コマンドには、ステップ605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
この後、特別図柄抽選部231は、ステップ609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数U2増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。ステップ611の事前判定処理が行われた場合は、保留数U2増加コマンドには、ステップ611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
図7は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちのゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に普通図柄抽選部232は、未抽選分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
図8は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりまたは小当たりである場合に、これらの当たりに応じた遊技状態であることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ、小当たり遊技フラグのいずれかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄抽選結果判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数の判定を行い(ステップ901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップ902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
以上の判定の後、特別図柄抽選結果判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ904)。
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。この判断は、大当たり判定処理(図9)のステップ901、902と同様である(ステップ902の判断結果を用いても良い)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
乱数を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
図11は、停止中処理(図8のステップ815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において時短フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1101)。時短フラグとは、パチンコ遊技機100の遊技状態が時短遊技状態であることを識別するためのフラグである。時短フラグがONである場合(ステップ1101でYes)、遊技進行制御部236は、時短遊技状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップ1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
一方、小当たりであった場合(ステップ1115でYes)、遊技進行制御部236は、小当たり遊技フラグをONにする(ステップ1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。
この後、遊技進行制御部236は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップ1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
図12は、客待ち設定処理(図8のステップ816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
図13は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合に、これに応じた遊技状態(補助遊技状態)であることを識別するためにセットされるフラグである。補助遊技状態では、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易くなる(補助される)。
図14は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップ1401でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップ1413)。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
エンディング時間が経過した場合(ステップ1417でYes)に実行される遊技状態設定処理(ステップ1418)の内容を図15に示す。
図15に示すように、大入賞口動作制御部238は、まず、図14のステップ1401で当たり遊技フラグがONとなっているので、その当たりの種類を判断する(ステップ1501、1502、1503、1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
当たりの種類が確変無し+時短有りの大当たりである場合(ステップ1501でNo、ステップ1502、1503でYes)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグをONにする(ステップ1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短遊技状態となる。また、大入賞口動作制御部238は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、時短遊技状態が終了する。
図16は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップ1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップ1602)。
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図である。
図17(a)には大当たり乱数の構成例、図17(b)には大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)にはリーチ乱数の構成例、図17(d)には当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
通常図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に通常図柄Bでの当選(確変無し+時短無し)となる確率は、15/250(=3/50)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Aでの当選(確変有り+時短有り)となる確率は、175/250(=7/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Bでの当選(確変有り+時短無し)となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図18は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図18(a)に示すメイン処理と、図18(b)に示す割り込み処理とからなる。図18(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップ1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップ1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップ1803)、割り込み処理を受け付ける。
図19は、コマンド受信処理(図18(b)のステップ1811)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(ステップ1901)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(ステップ606、612)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(ステップ1901でYes)、演出制御部300は、RAM305(図27参照)に保持されている保留数の値を1加算し(ステップ1902)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM305にセットする(ステップ1903)。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(ステップ1904でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(ステップ1905)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(ステップ1906でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(ステップ1907)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(ステップ1908でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(ステップ1909)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(ステップ1910でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(ステップ1911)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
演出制御部300により演出が行われる場合、特別図柄抽選の抽選結果に応じて設定される動作モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この動作モードは、RAM305(図27参照)にセットされるモードフラグによって決定される。図20に示す例では、AモードからEモードまでの5種類のモードが設定され、各モードに対してモードフラグの値0〜4が割り当てられている。また、Bモードには確変図柄Aの大当たりが、Cモードには通常図柄Aの大当たりが、Dモードには確変図柄Bおよび通常図柄Bの大当たりが、Eモードには潜確図柄の大当たりおよび小当たりが、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。Aモードには何れの当たりも割り当てられていない。さらに、図20に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(ステップ2101)。また、演出制御部300は、RAM305(図27参照)の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(ステップ2102)、RAM305に保持されている保留数の値を1減算する(ステップ2103)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される動作モードに基づき、その動作モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(ステップ2104)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROMから読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM305にセットして、演出選択処理を終了する(ステップ2105)。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(ステップ2201)。また、演出制御部300は、RAM305(図27参照)の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2202)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(ステップ2203)。何らかの当たりである場合は(ステップ2203でYes)、その当たりの種類に応じて、図20に示した設定例に基づきRAM305にセットされているモードフラグを変更する(ステップ2204)。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(ステップ2301)、解析結果から得られたオープニング動作の内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(ステップ2302)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROMから読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM305(図27参照)にセットして、当たり演出選択処理を終了する(ステップ2303)。この当たり演出を、オープニング演出とも呼ぶ。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(ステップ2401)、RAM305(図27参照)の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2402)。次に、演出制御部300は、エンディングコマンドの解析結果から得られたエンディング動作の内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(ステップ2403)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROMから読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM305にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(ステップ2404)。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(ステップ2501)。客待ちコマンドを受信した場合(ステップ2501でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(ステップ2502)、RAM305(図27参照)において計測フラグをONにする(ステップ2503)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(ステップ2501でNo)、RAM305に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(ステップ2504)。計測フラグがOFFであれば(ステップ2504でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン等が操作されたか否かを判断する(ステップ2601)。ここで、演出ボタン等の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
図27は、演出制御部300、画像/音響制御部310およびランプ制御部320の主要部の回路構成を例示する図である。
図27に示す回路ユニットは、演出/画像/音響制御基板330およびランプ制御基板340により構成されている。上述するように、演出/画像/音響制御基板330は、演出制御部300および画像/音響制御部310に対応し、また、ランプ制御基板340は、ランプ制御部320に対応している。演出/画像/音響制御基板330とランプ制御基板340とは、コネクタ331とコネクタ341とで相互に電気的に結合されている。
演出/画像/音響制御基板330は、演出制御部300の演算装置としてシステム制御CPU301を備える。システム制御CPU301には、システム制御CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶された制御用ROM303と、システム制御CPU301の作業用メモリ等として用いられる記憶手段であるデータ書き換え可能なRAM305と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)307と、が接続されている。RTC307は、電池(BATT)309によりバックアップされ、内部に記憶手段であるRAM308を備えている。
演出/画像/音響制御基板330に配置された画像/音響制御部310は、各種演出を実行する機能部を制御する制御信号を生成する演出制御CPU302と、演出制御CPU302から取得した制御信号に基づき演出内容を表現する画像を生成するVDP311と、演出制御CPU302から取得した制御信号に基づき演出内容を表現する音響を生成する音響DSP312と、を備える。また、画像/音響制御部310は、演出制御CPU302にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶された制御用ROM304と、演出制御CPU302の作業用メモリ等として用いられるRAM306と、を備える。
ランプ制御基板340は、発光制御装置および可動役物動作制御装置を構成すると共にランプ制御部320の演算装置を構成するランプ(LMP)制御CPU321を備える。また、演出を実行する機能部である盤ランプ116や枠ランプ157(図3参照)を駆動するLEDドライバ325と、同じく演出を実行する機能部である可動役物115を動作させるモータ34(図28参照)をコネクタ345を介して駆動するモータドライバ326と、を備える。LMP制御CPU321には、LMP制御CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶された制御用ROM322と、LMP制御CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、が接続されている。さらに、LMP制御CPU321からの制御信号に応じてロジックレベル「0」または「1」を選択してLEDドライバ325に出力するI/O回路部324が接続されている。
また、LMP制御CPU321は、システム制御CPU301にて生成されたコマンドに対応させて可動役物115を制御する制御信号を生成し、生成した制御信号をコネクタ347を介して基板61(図29参照)に向けて出力する。
図28は、可動役物115の動作を説明する概略図であり、(a)は可動役物115が円形状である丸型の状態の場合を示す概略正面図であり、(b)は可動役物115が星型の状態の場合を示す概略正面図である。
図28に示すように、可動役物115は、画像表示部114の周囲を囲むように配置された複数の可動部材1a, 1b, 1c, 1d, 1e, 1f, 1g, 1h, 1i,1j(以下、可動部材1ということがある)を含んで構成されている。本実施の形態に係る可動役物115は、10個の可動部材1a〜1jを有する。
これらの可動部材1の各々は、隣り合うもの同士が互いに連結されており、駆動力を受けて動きによる各種の演出を行うことが可能である。なお、後述するように、可動部材1a〜1jの各々は、光による各種の演出を行うための後述する複数の発光部2a〜2j,3a〜3j(図30参照)を備えている。この可動部材1a〜1jを、動きの演出を実行する動き演出実行部(演出実行部)ということができ、また、発光部2a〜3j,3a〜3jを、光の演出を実行する発光演出実行部(演出実行部、演出発光部)ということができる。
さらに説明すると、可動役物115は、可動部材1a〜1jの各々の相互の位置関係を維持しつつ遊技盤110に対して移動可能であり(回転)、また、可動部材1a〜1jの各々の相互の位置関係を変えることで遊技盤110に対して移動可能である(変形)。これらの可動部材1の回転動作および変形動作は、モータ34の駆動力により行われる。
なお、本実施の形態では、可動役物115が回転動作および変形動作を行うことが可能に構成されているが、スライド移動するスライド動作が可能な構成例に本実施の形態を適用することも考えられる。
可動役物115は、これらの可動部材1の移動により、同図の(a)に示す丸型の状態で時計方向に所定の角度回転することが可能であると共に反時計方向に所定の角度回転することが可能である。また、同図の(b)に示す星型の状態で時計方向に所定の角度回転することが可能であると共に反時計方向に所定の角度回転することが可能である。また、可動役物115は、これらの可動部材1の移動により、同図の(a)に示す丸型の状態と同図の(b)に示す星型の状態とを相互に変形することが可能である。付言すると、可動役物115は、360度以上連続的に同じ方向に回転することが可能であり、画像表示部114の回りを何周も回り続けることが可能である。
図29および図30は、可動役物115の制御に関する構成を説明するブロック図である。図29は、主に給電系統および通信系統を説明するものであり、図30は、主に可動部材1の構成を説明するものである。
まず、図29を用いて可動役物115の給電系統および通信系統を説明する。
図29に示すように、可動役物115は、遊技盤110から電力の供給を受けるための給電ユニット20を備えている。この給電ユニット20は、軸受け(不図示)により回転自在に保持されてその回転軸を囲むように位置する外周面21aを有する回転部材21と、回転部材21の外周面21aに接触する固定部材22と、を含む。なお、給電ユニット20の回転部材21は筒形状であり、回転部材21の内周面で画像表示部114(図1参照)の回りを囲むように回転部材21が配置されている。
回転部材21および固定部材22により、スリップリング構造を構成する。回転部材21は、遊技盤110と電力線により接続され、また、固定部材22は、可動役物115と電力線により接続されている。そして、回転部材21は、直流電圧15Vの電力が出力される端子およびグランド用の端子を持ち、また、固定部材22は、直流電圧15Vの電力が入力される端子およびグランド用の端子を持つ。
なお、本実施の形態では、給電ユニット20では、接点飛びを防止することでより確実な給電を確保すべく、2つの固定部材22を互いに対向する位置に配設するいわゆる2点接点の構造を採用している。
このような構成により、ノイズ対策を簡便なものにしてコスト上昇を抑制し、さらには、スリップリングの幅寸法(図29における回転部材21の紙面垂直方向の寸法。遊技盤110の奥行き方向の寸法)を狭くすることが可能になる。
また、無線通信の代わりに、有線による通信(有線通信)を採用することも考えられる。その場合には、可動役物115と遊技盤110との間の電気信号の伝達は、ノイズが発生する可能性の高い場面(可動役物115が移動する場合)では控え、ノイズが発生する可能性の低い場面(可動役物115が移動しない場合)で実行する制御例を併せて採用することが考えられる。
これら固定側通信部31および移動側通信部41は、可動役物115の演出に関するデータ(演出データ)および情報、例えば後述する各種の要求やセンサ44,45,33の検出結果等を赤外線通信する。
可動役物115は、移動側通信部41による赤外線通信を制御するCPU42と、赤外線通信により取得した演出データが一時的に格納されるSRAM(Static Random Access Memory)43と、を備えている。このCPU42は、内部にメモリ領域としてのバッファ42aを持つ。
赤外線通信により可動役物115が取得する演出データは、演出の際に用いられるデータである。より詳細には、取得する演出データには、後述の発光部2a〜2j,3a〜3jによる発光内容を示す電気信号である発光データ、点灯データないし発光制御データが含まれる。なお、可動部材1を駆動するモータ34(図28参照)が遊技盤110に取り付けられる構成ではなく、可動役物115に取り付けられる構成の場合には、演出データには、発光データのほかにモータ34(図28参照)の駆動データないし駆動制御データが含まれることになる。
CPU42は、かかる制御に際し、バッファ42aに演出データを保持する。例えば、CPU42は、赤外線通信により取得した演出データをSRAM43に蓄積することなくバッファ42aで保持し、そして、SRAM43に蓄積されている演出データを読み出すことなくバッファ42aに保持される演出データ(後述の通常演出データ)を用いて発光演出制御を行う。
また、CPU42は、SRAM43に蓄積されている演出データを破棄する制御を行う。
さらに説明すると、可動役物115において、取得した演出データをSRAM43に蓄積する際に、取得した演出データのすべてをSRAM43に蓄積する場合のほか、取得した演出データに含まれる一部の演出データのみをSRAM43に蓄積する場合がある。後者の場合には、可動役物115は、取得した演出データのうちSRAM43に蓄積されない演出データを用いて即時点灯を実行し、その後に破棄する。
本実施の形態では、センサ44,45として、受光素子および発光素子(不図示)を備えるフォトセンサを用いている。すなわち、受光素子(不図示)と発光素子(不図示)との間を遊技盤110側の突出片(不図示)が通ることで、突出片の位置を検出するものである。なお、センサ44,45として、フォトセンサ以外のものを用いることも考えられる。
中継基板52と基板51とを互いに接続する信号線は、センサ44,45が出力する信号(センサ状態、センサ信号)を中継基板52から基板51に送り(図29のPH1およびPH2を参照)、また、演出データおよびクロック信号を基板51から中継基板52に送る。
そして、基板5fに送られた演出データおよびクロック信号は、可動部材1gの基板5g、可動部材1hの基板5h、可動部材1iの基板5i、可動部材1jの基板5jに順次送られる(図30参照)。また、基板5aに送られた演出データおよびクロック信号は、可動部材1bの基板5b、可動部材1cの基板5c、可動部材1dの基板5d、可動部材1eの基板5eに順次送られる(図30参照)。
中継基板53と中継基板52とを互いに接続する電力線は、給電ユニット20から中継基板53に供給される直流電圧15Vの電力を中継基板52に供給すると共に、レギュレータ46による直流電圧5Vの電力を中継基板52に供給する。また、中継基板52と基板51とを互いに接続する電力線は、直流電圧5Vの電力を基板51に供給する。
そして、基板5aに供給された直流電圧15Vおよび直流電圧5Vの電力は、基板5b、基板5c、基板5d、基板5eに順次供給される(図30参照)。また、基板5fに供給された直流電圧15Vおよび直流電圧5Vの電力は、基板5g、基板5h、基板5i、基板5jに順次供給される(図30参照)。
図30に示すように、可動部材1の各々は、発光演出を行うための発光部2a〜2j(以下、発光部2ということがある)と、発光部2と共にまたは発光部2とは独立して発光演出を行うための発光部3a〜3j(以下、発光部3ということがある)と、発光部2および発光部3を駆動するLEDドライバ4a〜4j(以下、LEDドライバ4ということがある)と、を備えている。
このように、可動部材1はいずれも、互いに同じ構成である。
なお、本実施の形態では、可動役物115において、回転すると共に変形動作可能な基板5に発光部2,3およびLEDドライバ4を実装しているが、他の構成例も考えられる。例えば、基板5に発光部2,3を実装する一方で、可動役物115の構成部材のうち回転するものの変形動作しない部材にLEDドライバ4を実装する構成例である。
さらに説明すると、発光部2のLED素子と発光部3のLED素子とは互いに異なるタイプである。より具体的には、前者は、実装されている基板5の表面と平行な面が発光面であるいわゆるトップ型であり、また、後者は、実装されている基板5の表面に交差する方向に延びる面が発光面であるいわゆるサイド型である。
遊技盤110は、赤外線通信を行う上述の固定側通信部31を備えるほか、固定側通信部31による赤外線通信を制御するCPU32と、を備えている。
このCPU32は、固定側通信部31と移動側通信部41との間の通信状態を監視し、監視結果を赤外線通信の通信状態としてLMP制御CPU321に通知する。また、CPU32は、移動側通信部41により取得され赤外線通信を介してCPU32が受信したセンサ44,45のセンサ状態を、LMP制御CPU321に通知する。
このような通信状態およびセンサ状態は、CPU32によって2ms以内にLMP制御CPU321に通知される。
基板61とLMP制御CPU321を互いに接続する信号線は、センサ44の検出結果(図29の「PH1」参照)およびセンサ45の検出結果(同図の「PH2」参照)を基板61からLMP制御CPU321に送り、また、制御信号をLMP制御CPU321から基板61に送る。
基板62とLMP制御CPU321を互いに接続する信号線は、センサ33の検出結果(同図の「PH3」参照)を基板62からLMP制御CPU321に送る。
詳細は後述するが、遊技盤110の固定側通信部31と可動役物115の移動側通信部41との間での赤外線通信による電気信号の伝送は、可動役物115が原点位置にあるときに行われる。言い換えると、遊技盤110と可動役物115との間の赤外線通信は、センサ33の検出結果を基に、原点位置に可動役物115がいるときに行う一方で、原点位置以外の位置に可動役物115がいるときには行わない。
付言すると、可動役物115の可動部材1がモータ34(図28参照)の駆動力により丸型から星型への変形動作または星型から丸型への変形動作が行われる際に、LMP制御CPU321は、赤外線通信を介して取得する可動役物115のセンサ44,45の検出結果を基に、モータ34(図28参照)を制御する。すなわち、星型への変形動作の場合には、センサ45の検出結果を用いることで制御され、丸型への変形動作の場合には、センサ44の検出結果を用いることで制御される。
しかしながら、これは構成の一例を示すものであり、他の構成例も考えられる。例えば、センサ44,45を遊技盤110側に配設し、センサ33を可動役物115側に配設する構成や、センサ44,45およびセンサ33を遊技盤110側または可動役物115側に配設する構成である。別の言い方をすると、例えば、センサ44,45が配設されている側と同じ側または異なる側にモータ34(図28参照)を配設する構成や、センサ33が配設されている側と同じ側または異なる側にモータ34(図28参照)を配設する構成とすることも考えられる。
次に、可動役物115による演出について説明する。
図31は、可動役物115による演出を説明する図であり、(a)は、通常演出モードの場合を示し、(b)および(c)は、特別演出モードの場合を示す。なお、同図では、可動役物115の形状を模式的に示している。
ここにいう通常演出モードは、例えば変動演出が行われる際に可動役物115にて実行されるものであり、後述の通常演出データに応じた発光演出ないし光の演出が行われる(モータ非作動でのLED表示)。また、ここにいう特別演出モードは、例えばリーチ演出や大当たり演出が行われる際に可動役物115にて実行されるものであり、後述の特別演出データに応じた光の演出のみならず、モータ34(図28参照)による動きの演出(変形動作や回転動作の演出)が行われる(モータ作動でのLED表示)。
通常演出モードの場合には、図31の(a)に示すように、可動役物115は丸型の状態(図28の(a)参照)であり、かつ、原点位置に停止している。すなわち、静止状態の可動役物115は、画像表示部114を囲むように発光部2,3の配置を丸型の状態に維持して、発光部2,3が所定の発光パターンで発光する。
このように、特別演出モードの場合には、発光を伴う回転ないし回転を伴う発光を行う。
LMP制御CPU321が取得するセンサ44,45の検出結果は、例えば2ms以内で更新される。
なお、CPU32とLMP制御CPU321との間では、LMP制御CPU321がマスター側(クロック発振)で、CPU32がスレーブ側である。CPU42とLEDとの間では、CPU42がマスター側(クロック発振)で、LEDがスレーブ側である。CPU42とSRAM43との間では、CPU42がマスター側(クロック発振)で、SRAM43がスレーブ側である。
同図に示すタイミングチャートでは、各コマンドのSTXコードの送信前にCSを制御し、また、各コマンドのETXコードの送信後にCSを制御する。そして、SCKの立ち上がりでデータサンプルを行う。転送速度は2Mbpsであり、データ長は8ビットであり、データ転送順序はMSBファースト(Most Significant Byte First)である。
なお、本実施の形態では、シリアル通信を採用するが、パラレル通信を採用することも考えられる。
次に、図31に戻って、可動役物115の遊技盤110に対する位置と赤外線通信の可否との関係を説明する。
図31には、可動役物115と遊技盤110との相対的な位置関係が示されている。すなわち、同図の(a)および(c)では、可動役物115が原点位置にあり、(b)では、可動役物115が原点位置にない。
同図の(a)および(c)に示すように、可動役物115が原点位置にあるときには、可動役物115が丸型であるか星型であるかを問わず、遊技盤110側の固定側通信部31と可動役物115側の移動側通信部41との間での赤外線通信ができる。その一方で、同図の(b)に示すように、可動役物115が原点位置にないときには、固定側通信部31と移動側通信部41との間での赤外線通信ができない。
さらに説明すると、赤外線通信が可能であれば常に赤外線通信を行うとは限らない。すなわち、可動役物115が原点位置にあっても他の制約条件により赤外線通信を行わない制御例も考えられる。
付言すると、赤外線通信を行うことができる場合に、赤外線通信により送信された演出データをSRAM43(図29参照)に蓄積しながら、すでにSRAM43(図29参照)に蓄積されている他の演出データをSRAM43(図29参照)から読み出して演出を行う制御例も考えられる。
次に、赤外線通信により遊技盤110の固定側通信部31(図29参照)から可動役物115の移動側通信部41(図29参照)に送信されるデータの構造について説明する。
図33、図34、図35および図36は、赤外線通信により可動役物115に送信されるデータの構成例を説明する図である。図33は、赤外線通信により行われる指令(コマンド)の一つであるモード設定要求Y1のデータ構成を説明する図である。図34の(a)は、LEDのIC数と全体の最大演出データ数との関係を説明する表であり、図34の(b)は、可動役物115における基板51のSRAM43に設定される格納領域71,72,73について説明する図である。図35は、赤外線通信により行われる指令の一つである通常演出要求Y2のデータ構成を説明する図である。図36は、赤外線通信により行われる指令の一つである特別演出要求Y3のデータ構成を説明する図である。
ここにいうモード設定要求Y1とは、演出モードを変更する場合に可動役物115側へ送信されるものをいう。また、ここにいう通常演出要求Y2および特別演出要求Y3とは、演出データについて指示する場合に可動役物115側へ送信されるものをいい、より具体的には、通常演出要求Y2は、通常演出データの即時点灯を指示するものであり、特別演出要求Y3は、特別演出データの蓄積を指示するものである。
なお、後述するように、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3の各々には、初期設定を指示する内容(以下、初期化指示Y4または初期化要求Y4ということがある)も含まれる。このようなデータ構造(型)の共通化を図ることで、LMP制御CPU321が様々なテンプレートを持たなくても済む。
そして、CPU32は、LMP制御CPU321から送信されたデータを加工せずに、固定側通信部31から赤外線通信で移動側通信部41に送信する。すなわち、固定側通信部31は、LMP制御CPU321と移動側通信部41との間のインターフェース変換を主目的とする。これによって、LMP制御CPU321が移動側通信部41を直接制御するようになる。
言い換えると、モード設定要求Y1を受信した可動役物115のCPU42は、発光による特別演出を実行する。このように、CPU42は、モード設定要求Y1を受信すると、特別演出を実行することから、モード設定要求Y1は、演出の実行を指示する制御指示ということができる。
より詳細には、センサ44,45の検出結果が赤外線通信で送信される際には、他のデータ送信を行わない。すなわち、上述したように、センサ44,45の検出結果は、SRAM43に格納されることなく赤外線通信を介してLMP制御CPU321に送信され、モータ34(図28参照)の駆動制御に用いられる。このため、可動役物115の可動部材1(図28参照)を丸型へ変形する際や星型へ変形する動きの演出を行う場合に、センサ44,45の検出結果が円滑に赤外線通信されないと、モータ34(図28参照)が必要以上に駆動されることにより、可動部材1(図28参照)が押し込まれる等の不具合が発生するおそれがある。かかる事情によって、LMP制御CPU321は、可動役物115にて動きの演出を行っている間には、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3を赤外線通信しない。
モード設定要求Y1のデータは28バイトであり、固定長である(図33参照)。また、通常演出要求Y2のデータおよび特別演出要求Y3のデータはいずれも、最大98バイトの可変長である(図35および図36参照)。
なお、図33、図35および図36における「UC」は、Unsigned Charの略であり、また、「US」は、Unsigned Shortの略である。
3つの要求のうち、まずモード設定要求Y1について説明する。
図33に示すモード設定要求Y1では、項目として、上述したコマンド種別のほかに、電文長、LEDのIC数、特別演出データの初期化、特別演出モードT1,T2,T3の各々の最大演出データ数およびスレーブアドレスが含まれる。これらの項目は、モード設定要求Y1のみならず、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3にも含まれるもので、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3のいずれも備える共通項目ないし一般項目と言えるものである。
モード設定要求Y1における電文長は、28である。
なお、モード設定要求Y1が項目として備えるサム値(電文)については、後述する。
図33に示す特別演出データの初期化の項目には、特別演出データを初期化するかしないかを特定する情報が設定される。このため、特別演出データを初期化する場合と特別演出データを初期化しない場合とがある。
より詳細には、ここにいう特別演出データを初期化するないし特別演出データを初期化しないというのは、後述するSRAM43の第1格納領域71、第2格納領域72および第3格納領域73(図34の(b)参照)の各々について設定される。したがって、特別演出要求Y3により取得して第1格納領域71に格納されている特別演出モードT1の特別演出データと、特別演出要求Y3により取得して第2格納領域72に格納されている特別演出モードT2の特別演出データと、特別演出要求Y3により取得して第3格納領域73に格納されている特別演出モードT3の特別演出データのいずれか一または複数を選択して初期化することが可能である。
このようにして初期化するとして選択された格納領域71,72,73に蓄積されている特別演出データは、CPU42の制御により破棄される。言い換えると、SRAM43について第1格納領域71、第2格納領域72および第3格納領域73(図34の(b)参照)を単位とする部分的な初期化が可能である。当然ながら、第1格納領域71、第2格納領域72および第3格納領域73(図34の(b)参照)のすべてを破棄することも可能である。
なお、特別演出データを初期化することの指示は「0x01」がセットされ、初期化しないことの指示は「0x00」がセットされる。このような指示は、格納領域71,72,73ごとにセットされる。
なお、設定されたLEDのIC数は、通常演出および特別演出のいずれでも適用される。付言すると、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3のいずれでもLEDのIC数を設定可能である。
そして、特別演出モードT1,T2,T3の各々の最大演出データ数N1,N2,N3を相互に加算した値(N1+N2+N3)は、全体の最大演出データ数N0以下となる。全体の最大演出データ数N0の最大演出データ数N1,N2,N3の各々への配分は、任意に設定できる。
なお、特別演出モードを3以外の数とすることも考えられる。
第1格納領域71に格納される最大演出データ数は、特別演出モードT1の最大演出データ数N1により設定される。第2格納領域72に格納される最大演出データ数は、特別演出モードT2の最大演出データ数N2により設定される。第3格納領域73に格納される最大演出データ数は、特別演出モードT3の最大演出データ数N3により設定される。
このように、SRAM43には、特別演出要求Y3(図36参照)に含まれる特別演出データが格納される。本実施の形態のSRAM43には、通常演出要求Y2(図35参照)に含まれる通常演出データが格納されない。なお、SRAM43に通常演出データを格納する領域を設定する制御例も考えられる。
なお、赤外線通信による1回のデータ送信は20m秒であり、特別演出要求Y3(図36参照)により特別演出モードT2の特別演出データ200個を送信するのに必要な時間はおよそ4秒である。
また、図34の(b)に示す設定例1では、特別演出モードT1,T2,T3の各最大演出データ数N1,N2,N3の合計は320であり(N1+N2+N3=320)、全体の最大演出データ数N0との差は116である。したがって、モード設定要求Y1にて、最大演出データ数N1と最大演出データ数N2と最大演出データ数N3のうち例えば最大演出データ数N3を減らす一方で最大演出データ数N2を増やし、最大演出データ数N1を変えない別の設定が可能である。
このように、初期化指示Y4によって、全体の最大演出データ数N0を超えない範囲で最大演出データ数N1,N2,N3の各々の値を増減変更することが可能である。なお、上述のとおり、LEDのIC数を減らすことで、全体の最大演出データ数N0が増える。
使用しないLEDドライバ4に対しては「0xff」がセットされる。すなわち、初期化指示Y4によって、使用しないLEDドライバ4のアドレスを切ることでLEDのIC数を減らすことが可能になり、全体の最大演出データ数N0の値(図34の(a)参照)を増やすことが可能になる。また、使用しないLEDドライバ4のアドレスを切ることで、演出を行う部分を変更することが可能になる。このように、例えばデモ中(客待ち状態)と遊技中とで使用するLEDドライバ4の数を異ならしめることで、状況に応じて省電力を図ることが可能になる。
なお、上述したように、モード設定要求Y1は、赤外線通信により固定側通信部31から移動側通信部41(図29参照)へ送信される。
図33に示すモード設定要求Y1では、項目として、1番目の特別演出の表示内容、2番目の特別演出の表示内容および3番目の特別演出の表示内容が含まれ、また、1番目の特別演出のリピート回数、2番目の特別演出のリピート回数および3番目の特別演出のリピート回数が含まれる。
1番目から3番目の特別演出の表示内容を指定することで、表示順番が設定される。モード設定要求Y1において、特別演出モードT1が「0x01」、特別演出モードT2が「0x02」、特別演出モードT3が「0x03」として指定される。また、表示しない場合には「0xff」と指定される。
また、1番目から3番目の特別演出の各々のリピート回数(表示回数)を指定することで、1回分の周期のデータを何回繰り返すかが設定される。すなわち、SRAM43に蓄積された特別演出データによる特別演出パターンを表示する回数が設定される。具体的には、特別演出パターンを表示する回数を1〜254回の値で指定することになり、255回の値で指定すると無限リピートとして制御される。
このように、モード設定要求Y1では、通常演出モードで蓄積した特別演出データを用いて実行すべき特別演出の内容(順番/回数)を設定するものである。この意味において、モード設定要求Y1を特別演出の実行を要求するものであると把握することができる。
なお、図33に示すモード設定要求Y1は、通常演出要求Y2(図35参照)に含まれる通常演出データや特別演出要求Y3(図36参照)に含まれる特別演出データを含んでいない。
図35に示すモード設定要求Y1では、1番目〜3番目の特別演出の各々についてリピート回数の設定が可能である。このため、変形例として、特別演出モードにて例えば1番目の特別演出をリピートして実行している際に、例えば3番目の特別演出に係る特別演出データを書き換える制御例も考えられる。
かかる変形例は、特別演出データを書き換えながら特別演出による発光を実行するものである。言い換えると、特別演出により発光しながらSRAM43(図34参照)の蓄積データを書き換えるものである。このようなデータ蓄積とデータ読み出しの並行処理を行うことで、書き換えたデータによる継ぎ目のない特別演出が可能になる。
より詳細に説明すると、かかる場合にSRAM43の格納領域72,73に格納される特別演出データは、特別演出要求Y3(図36参照)のデータ送信によるものである。なお、可動役物115が通常演出要求Y2(図35参照)を受信すると通常演出モードに移行してしまうことから、モード移行を伴わずに特別演出データの送信を行い得るものにより、特別演出データが送信されることになる。
なお、蓄積データの書き換えタイミングは、通信可/不可により制約される。このため、例えば可動役物115が原点位置にないときであっても遊技盤110と可動役物115との間の通信が可能な通信形態を採用する場合には、この限りではない。
このため、上述の変形例は、基板61のCPU32とランプ制御部320のLMP制御CPU321との間の通信をシリアル通信ではなくてパラレル通信によるものとすることで、変形動作を伴う特別演出をより円滑に行うことが可能になる。
モード設定要求Y1において、全特別演出が終了すると最終演出を維持する場合(1回のみ)が「0x00」として指定される。また、全特別演出が終了すると1番目の特別演出からリピートする場合(リピート)が「0x01」として指定される。また、全特別演出が終了すると消灯する場合(消灯)が「0x02」として指定される。
そして、1番目の特別演出のリピート回数に「9」が設定され、2番目の特別演出のリピート回数に「4」が設定される。また、全演出データ終了後の表示に「0x02」が設定される。
また、モード設定要求Y1にてリピート回数の指定を行うことから、SRAM43に蓄積すべき特別演出データの容量が削減され、また、蓄積可能容量を増やさなくても、より多くの演出態様を実行するデータの蓄積が可能になった。
また、モード設定要求Y1におけるSRAM43に蓄積された特別演出データの表示順番を変えたりリピート回数を変えたり全演出データ終了後の表示設定を変えたりすることで、特別演出要求Y3により特別演出データを新たに取得しなくても前回の特別演出とは異なる特別演出を行うことが可能になる。
かかる制御により、発光部2,3を発光させる特別演出を途中で強制的に止めさせた上で、他の内容の特別演出を開始させることが可能になる。すなわち、いったん開始した特別演出を中止して他の特別演出に差し替えたいというようなイレギュラーな事態に対処することが可能になる。
付言すると、特別演出中に通常演出要求Y2を送ることによって、特別演出を強制的に終了させて通常演出に移行させることが可能である。
このような制御を行うことで、イレギュラーな事態に対応することが可能になる。
また、初期化指示Y4において、LEDのIC数を変更せずにスレーブアドレスの項目においてアドレスの入れ替えを行うことで、前回の特別演出で用いたデータと同じものを用いても、遊技者が前回の特別演出とは異なる印象を受ける特別演出を行うことが可能になる。
通常演出要求Y2について説明する。
図35に示す通常演出要求Y2では、項目として、上述した一般項目が含まれる。通常演出要求Y2における一般項目としての電文長は、共通のものと可変のものとを加算した値が設定される。
また、通常演出要求Y2では、上述した一般項目の他に、通常演出データが含まれる。この通常演出データは、サム値(演出データ)、演出モードおよび演出表示時間という項目を備えている。なお、サム値(演出データ)については、後述する。
通常演出要求Y2における演出モードには、通常演出であることを示す「0x00」が設定される。また、通常演出要求Y2では、演出表示時間という項目を備えるものの、演出表示時間を指定することができず、「0x00」が設定される。
なお、通常演出要求Y2が項目として備えるサム値(電文)については、後述する。
特別演出要求Y3について説明する。
図36に示す通常演出要求Y2では、項目として、上述した一般項目が含まれる。特別演出要求Y3における一般項目としての電文長は、通常演出要求Y2の場合(図35参照)と同じく、共通のものと可変のものとを加算した値が設定される。
そして、特別演出要求Y3では、上述した一般項目の他に、特別演出データが含まれる。この特別演出データは、サム値(演出データ)、演出モードおよび演出表示時間という項目を備えている。なお、サム値(演出データ)については、後述する。
特別演出要求Y3における演出モードには、特別演出要求Y3に含まれる特別演出データの種類を特定するための情報が設定される。具体的には、特別演出データを特別演出モードT1としてデータ蓄積する場合に「0x01」が設定される。また、特別演出要求Y3に含まれる特別演出データを特別演出モードT2としてデータ蓄積する場合に「0x02」が設定され、また、特別演出モードT3としてデータ蓄積する場合に「0x03」が設定される。
さらに説明すると、特別演出要求Y3を受信すると、可動役物115側のCPU42(図29参照)は、演出データの項目の内容を参照して、特別演出データがあるか否か、そして特別演出データがあれば特別演出モードT1〜T3のいずれのものであるかを判定する。特別演出データがある場合、CPU42は、SRAM43の対応する格納領域71,72,73に格納する。
これに対し、通常演出データはSRAM43に格納されない。すなわち、通常演出要求Y2を受信すると、CPU42(図29参照)は、その通常演出要求Y2に含まれる通常演出データに応じて即時点灯し、リアルタイムで通常演出として発光演出が実行される。この意味において、通常演出要求Y2を通常演出の実行を要求するものであると把握することができる。なお、更新周期は20ms以上である。
なお、通常演出要求Y2が項目として備えるサム値(電文)については、後述する。
このような特別演出データの演出表示時間の設定により、モード設定要求Y1を契機に行われる特別演出において、SRAM43に蓄積された特別演出データを、20〜3600msで指定したタイミングで切り替えながら発光部2a〜2h,3a〜3h(図30参照)を点灯できる。
次に、複数の特別演出要求Y3による特別演出データの設定例および通常演出要求Y2による通常演出データの設定例について説明する。
図37および図38は、複数の演出データを送信する送信例を説明する図である。図37の(a)は、特別演出1、特別演出2および特別演出3の全特別演出データを蓄積する場合の送信例である。図37の(b)は、特別演出2の特別演出データを蓄積する場合の送信例であり、図38は、通常演出データで通常演出する場合の送信例である。なお、ここにいう特別演出1とは、SRAM43の第1格納領域71(図34の(b)参照)に格納される特別演出データを用いて特別演出モードT1として実行される特別演出をいう。また、特別演出2とは、SRAM43の第2格納領域72(図34の(b)参照)に格納される特別演出データを用いて特別演出モードT2として実行される特別演出をいう。また、特別演出3とは、SRAM43の第3格納領域73(図34の(b)参照)に格納される特別演出データを用いて特別演出モードT3として実行される特別演出をいう。
図37および図38に示す送信例において、各特別演出モード内の特別演出データは、表示順に連続して送信される。また、使用するLEDのみLED番号の昇順に詰めてセットされる。すなわち、例えば第1回目の特別演出要求Y3に含まれる初期化指示Y4(図36の(a)参照)でスレーブアドレスが設定されたLEDドライバ4a〜4hのみの設定内容をLEDa〜LEDhの昇順に詰める。これらの送信例では、スレーブアドレスが設定されたLEDドライバ4としては、LEDドライバ4a(LEDa)、LEDドライバ4c(LEDc)およびLEDドライバ4e(LEDe)の3つである。
そして、特別演出モードにおける特別演出1の表示順は、まず第1回目の特別演出要求Y3の設定内容(1番目の演出)の後に第8回目の特別演出要求Y3の設定内容(2番目の演出)であり、特別演出2の表示順は、第2回目の特別演出要求Y3の設定内容(1番目の演出)の次に第3回目の特別演出要求Y3の設定内容(2番目の演出)である。また、特別演出モードにおける特別演出3の表示順は、最初に第4回目の特別演出要求Y3の設定内容(1番目の演出)であり、これに続いて第5回目〜第7回目の特別演出要求Y3の設定内容(2番目〜4番目の演出)である。
付言すると、使用すると設定されたLEDa、LEDc、LEDeについては、特別演出データが必ずセットされる。また、差し替える特別演出モードは、全ての特別演出データが送信される。
次に、特別演出データの再表示例について説明する。
図39は、特別演出データの再表示例を説明する図であり、(a)は再表示例1であり、(b)は再表示例2である。
図39の(a)に示す再表示例1では、特別演出データの演出表示時間(図36参照)が100msである特別演出1の1番目(赤点灯)と、特別演出データの演出表示時間が100msである特別演出1の2番目(緑点灯)を連続して表示する場合のものである。
特別演出データの演出表示時間が20msを超えているので、CPU42は、発光部2,3を20ms周期で再表示するものの、第2回目の表示の次の演出タイミングが20ms未満のために、第3回目の表示を実行しない。すなわち、CPU42は、次の演出タイミングが20ms未満の場合は再表示しないように制御する。
また、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3のいずれも、詳細を後述するサム値(電文)が含まれ、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3には、詳細を後述するサム値(演出データ)が含まれる。なお、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3では、後述のサム値(電文)およびサム値(演出データ)という2つのサム値をとることで、演出データの抜け防止を図り、通信成功/失敗についての検出精度を高めることが可能になり、また、通信失敗の場合に原因特定の容易化を図ることが可能になる。
通常演出要求Y2の内容として、通常演出データの送信が含まれる。また、特別演出要求Y3の内容として、演出モードの種類、特別演出データの演出表示時間設定および特別演出データの送信が含まれる。
また、特別演出要求Y3が送信されることで可動役物115はSRAM43(図29参照)に特別演出データを蓄積する。さらに、モード設定要求Y1が送信されることで可動役物115は特別演出モードに移行し、SRAM43(図29参照)に蓄積された特別演出データにより表示する。
なお、通常演出要求Y2に通常演出データのみならず特別演出データを含ませるデータ構造を採用することも考えられる。仮に通常演出要求Y2に対してこのようなデータ構造を採用すると、上述の割り込み処理が不要ないし軽減され、制御の複雑化を防止して制御負担を軽減させることが可能になる。しかしながら、本実施の形態では、割り込み処理というよりもむしろ、通常演出要求Y2と特別演出要求Y3との間のデータ構造を共通化することによる制御負担という観点に着目し、通常演出データを通常演出要求Y2を介して送信すると共に特別演出データを特別演出要求Y3を介して送信するというように、通常演出データおよび特別演出データを互いに分けてそれぞれ単独で送信する構成を採用する。
次に、遊技盤110と可動役物115との間における通信の基本動作を説明する。
図40は、通信の基本シーケンスを説明するフローチャートである。なお、同図に示す基本シーケンスは、通信の正常動作を示す。
図40に示すように、遊技盤110から送信されたデータを赤外線通信で受信した可動役物115は、確認応答ないし肯定応答としてのACK(Acknowledgement)を遊技盤110に赤外線通信で返信し、かつ、受信したデータに応じた動作を行う。すなわち、上位から下位への要求(上位要求、コマンド)のすべてに下位がレスポンスするという所謂コマレス型の通信仕様を適用する。
ここで、可動役物115から遊技盤110にACKが返信されるのは、可動役物115のCPU42が遊技盤110のCPU32から赤外線通信のデータを受信したこと、および受信したデータを基に算出したサム値(詳細は後述)が正しいことを可動役物115のCPU42が確認したことという2つの条件を満たした場合である。
このため、遊技盤110のLMP制御CPU321は、データ送信に対してACKを受信すれば可動役物115との間の通信に障害が発生していないことを把握でき、また、データ送信に対してACKを受信しなければ可動役物115との間の通信に障害が発生していることを把握できる。このような通信仕様によって、LMP制御CPU321は、可動役物115との間の通信に障害が発生したか否か(通信障害発生の有無)を検知することができる。
しかしながら、何らかの原因によって前回のデータ送信に対するACKを受信しなくても、一定周期でデータ送信を行う通信制御を採用することから、LMP制御CPU321は、データ送信を実行することができる。すなわち、LMP制御CPU321は、前回のデータ送信から20ms経過してもACKを受信しないときには、ACKを受信するのをずっと待ち続けることなく、例えばデータを再送したりエラー表示をしたりするといった対応を速やかに行うことができる。
かかる点で、本実施の形態のようなコマレス型を採用することで、かかる不都合を防止することが可能になる。すなわち、可動役物115での発光演出が実行されない事態を防止することで、可動役物115による発光演出の確実な実行が可能になり、発光演出の統一感を担保することが可能になる。
なお、さらに赤外線通信の通信速度を高める構成(例えば115kbpsから1.1Mbpsに変更)を採用し、後述の表示リフレッシュの間隔を短縮したり特別演出データの蓄積時間を短縮したりすることで、通信障害が特別演出の見た目への影響度を減らすことが考えられる。例えば、上位要求の通信間隔を20msから例えば18msに変更することで、特別演出データ100個の蓄積時間を200ms短縮できる。
ここにいう通信障害としては、通信途絶のほかに、データ化けや通信異常等が考えられる。データ化けの場合には、正しいサム値を計算できなくなり、ACKを返信できない。
通常演出要求Y2が遊技盤110のLMP制御CPU321からCPU32に送信されると(ステップ4011)、CPU32は、受信した通常演出要求Y2を赤外線通信で可動役物115のCPU42に送信する(ステップ4012)。
そして、可動役物115のCPU42は、CPU32からの通常演出要求Y2を受信するとACKを返信すると共に(ステップ4013)、通常演出要求Y2の通常演出データをLEDドライバ4の各々に送信して発光部2,3の表示を更新する(ステップ4014)。
遊技盤110のCPU32は、CPU42からACKを受信すると、LMP制御CPU321に送信する(ステップ4015)。これにより、遊技盤110のLMP制御CPU321は、送信した通常演出要求Y2が可動役物115に受信されたことを把握することができる。
また、特別演出要求Y3を受信したCPU42は、特別演出要求Y3の特別演出データをSRAM43(図29参照)に蓄積する(ステップ4020)。この場合の特別演出データは、特別演出モードT1として蓄積される「表示色が青色で、演出表示時間が100ms」を特定するものである。
表示リフレッシュの詳細については後述する。
また、モード設定要求Y1を受信したCPU42は、LEDドライバ4に対して通常演出モードから特別演出モードへの変更(モード変更)を指示する(ステップ4026)。すなわち、CPU42は、SRAM43(図29参照)に蓄積されている特別演出データを読み出し、LEDドライバ4に送信する。これにより、青色の100ms表示を含む発光演出がLEDドライバ4にて、実行される。
通信が正常でない場合のシーケンスについては、後述する。
ここで、表示リフレッシュの制御について説明する。
可動役物115のCPU42は、表示リフレッシュの際にLEDドライバ4の各々に対して発光部2,3での表示リフレッシュの実行指示をするだけではなく、表示リフレッシュに用いる演出データをLEDドライバ4の各々に対して送信する。
このような演出データ送信による表示リフレッシュを採用する理由は、以下のとおりである。すなわち、可動役物115の可動部材1が遊技盤110に対して回転したり丸型と星型との間で相互に変形(図28参照)したりする機構を備えることから、可動役物115のLEDドライバ4に対してノイズが入力し易い構成であると言える。また、例えば接地不十分等によって可動役物115への帯電が増えるおそれがある。かかる事情によって、LEDドライバ4の内部バッファ(不図示)に保持されている演出データがノイズ等で破損する可能性が高いと言える。
なお、可動役物115に対するノイズ対策を施すときに、複数のLEDドライバ4の各々に対して行うことが困難な場合がある。また、ノイズ対策を複数のLEDドライバ4の各々に対して行う場合よりも、単数のCPU42ないしバッファ42aに対して行う場合の方がより効率的である。そのため、ノイズ対策を施すことでノイズの影響を受け難いバッファ42aの演出データを、表示リフレッシュに際して複数のLEDドライバ4に送信している。
可動役物115は、赤外線通信を介して遊技盤110からデータを受信しない状態であっても、発光部2,3での発光演出を継続することが可能である。
なお、このような表示リフレッシュは、通常演出モードの場合のみならず、特別演出モードの場合にも行うことが可能である。
上述したように、可動役物115においてLEDドライバ4が発光部2,3を用いて行う演出モードには、特別演出モードと通常演出モードとがある。通常演出モードから特別演出モードに変更されるのは、可動役物115のCPU42がモード設定要求Y1を受信した場合であり(ステップ4026のモード変更を参照)、また、特別演出モードから通常演出モードに変更されるのは、CPU42が通常演出要求Y2を受信した場合である。
なお、CPU42が特別演出要求Y3を受信しても特別演出モードに変更されず、通常演出モードである。
そして、上述したように、通常演出要求Y2を受信すると、CPU42は、その通常演出要求Y2に含まれる通常演出データで発光部2,3を即時表示する制御を行う。また、特別演出要求Y3を受信すると、CPU42は、その特別演出要求Y3に含まれる特別演出データをSRAM43(図29参照)に格納する制御を行う。
しかしながら、特別演出要求Y3を受信しても通常演出モードであることから、特別演出要求Y3の受信に伴ってSRAM43(図29参照)に格納されている特別演出データを読み出す制御を行ったとしても、LEDドライバ4は、その特別演出データを用いて発光演出を行うことができない。
これにより、特別演出データをより確実にSRAM43に蓄積しつつ通常演出を実行することができる。特別演出要求Y3に応答して行う表示リフレッシュには、かかる意義がある。
なお、通常演出データを遊技盤110側から可動役物115に送信する場合に比べて、このような表示リフレッシュの場合には、可動役物115のCPU42は、再送された通常演出データに対する処理や通常演出データが何であるかの確認を省略することができ、制御負担の軽減を図ることが可能である。
可動役物115のCPU42は、前回の通常演出要求Y2受信時に取得して既に実行した通常演出データをバッファ42a(図29参照)に保持しており、特別演出要求Y3を受信すると、バッファ42aに内部保持する通常演出データをLEDドライバ4の各々に送る。LEDドライバ4の各々は、実行済みの通常演出データをCPU42から改めて取得し、これにより発光部2,3を発光させる。
このように、本実施の形態では、可動役物115が赤外線通信により遊技盤110から新たな通常演出データを取得しなくても、前回の赤外線通信で受信した通常演出データで発光部2,3の発光演出を実行するように構成されている。
本実施の形態ではこのような制御を採用することから、表示リフレッシュを行う条件として、通常演出モード下で通常演出要求Y2を受信しない場合を挙げることができる。言い換えると、表示リフレッシュは、通常演出モードにて発光部2,3の発光が20ms間変化しない場合に行われる。付言すると、通常演出モードにて通常演出要求Y2を受信しないとき(特別演出要求Y3を受信するとき)には、一定間隔(20msごと)の表示リフレッシュが行われる。
モード設定要求Y1の受信を契機に、可動役物115は、通常演出モードから特別演出モードに移行する。そして、可動役物115のCPU42は、モード設定要求Y1に対応して、SRAM43(図29参照)の特別演出データを読み出し、その特別演出データをバッファ42a(図29参照)に保持すると共にLEDドライバ4の各々に送信する。これにより、LEDドライバ4の各々は、特別演出モードにて発光部2,3を発光させる特別演出データを取得する。LEDドライバ4の各々は、CPU42から送信された特別演出データを内部バッファ(不図示)に一時的に保持し、保持された特別演出データを用いて特別演出を実行する。
しかしながら、上述したように、LEDドライバ4の内部バッファ(不図示)に保持されている演出データがノイズ等で破損する可能性が高いと言える。とりわけ、特別演出モードでは、可動役物115が星型で回転中に発光部2,3を発光させる演出を行うことから、特別演出データが破損するおそれが高い。
このため、LEDドライバ4の各々は、自身が保持する特別演出データと同じものを特別演出モードにて一定間隔で受信し、受信した特別演出データを用いて発光部2,3の発光による特別演出を実行する(表示リフレッシュ)。このように、特別演出モードの場合に、CPU42は一定周期で発光部2,3による表示をリフレッシュする。
言い換えると、特別演出モードのときには、遊技盤110と可動役物115との間の赤外線通信が必ずしも可能でないことから、CPU42は、特別演出モードでは、遊技盤110からの通信を受信しなくても、特別演出データをLEDドライバ4の各々に送信して、表示リフレッシュを行う。このように、本実施の形態では、表示リフレッシュをより積極的に利用している。
次に、遊技盤110と可動役物115との間における通信が正常でない場合の動作を説明する。
図41および図42は、通信が正常でない場合のシーケンスを説明するフローチャートである。より具体的には、図41は、通信途絶の場合のシーケンスを説明するためのものであり、図42は、データ化け/通信異常の場合のシーケンスを説明するためのものである。すなわち、両図に示すシーケンスはいずれも、図40に示す通信成功の場合とは異なり、通信が失敗した場合であり、通信の異常動作を示す。両図の(a)は、遊技盤110におけるLMP制御CPU321からCPU32への通信に不具合が発生した場合のシーケンスを説明するもので、両図の(b)は、遊技盤110のCPU32から可動役物115のCPU42への通信に不具合が発生した場合のシーケンスを説明するものである。
このような通信途絶は、送信側が原因で生じる場合と受信側が原因で生じる場合とが考えられる。
なお、ここにいう要求Aは、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2または特別演出要求Y3のいずれかであり、どれかに限定されるものではない。
そこで、LMP制御CPU321は、CPU32に対する要求Aを送信しても次の送信タイミングまでにACKを受信しないときには、要求Aを再送する(ステップ4112)。すなわち、LMP制御CPU321は、このままACKを待っていては可動役物115との間の通信を継続することができないとして、要求Aの再送を開始する。
なお、このような要求Aの再送を開始する前には、可動役物115は要求Aに対応する動作を行うことができず、いわゆる動作失敗となる。
このような事情によって、要求Aの再送は、通信が成功するまで繰り返される。その一方で、再送を無限に継続することに伴う不都合も想定される。そこで、かかる制御において、通信エラーの判定を行うことが考えられる。通信エラー判定の一例を示すと、要求Aの再送回数を計測し、計測された再送回数が所定値(例えば、5回や10回等)を超えると、通信エラーと判定する。また、他の例としては、要求Aの再送開始からの経過時間を計測し、計測された経過時間が所定値(例えば、2秒間)を超えると、通信エラーと判定する。通信エラーと判定したときには、再送を中断し、エラー表示を行う等の制御が考えられる。
可動役物115のCPU42は、要求Aの受信完了後に遊技盤110のCPU32に対して要求Aの通信(通信A)が成功したこと(ACK)を返信し(ステップ4114)、さらに、CPU32は、LMP制御CPU321に対して通信Aの成功(ACK)を送信する(ステップ4115)。これにより、LMP制御CPU321は、要求Aが可動役物115に到達したことを把握できる。
LMP制御CPU321は、CPU32からの返信がなく無応答であることから、要求Aの再送を開始する(ステップ4123)。このような再送開始後は、図41の(a)の場合と同じゆえ、その説明を省略する。なお、同図の(b)のステップ4124〜4127はそれぞれ、上述した同図の(a)のステップ4113〜4116に対応するものである。
また、図42の(b)に示す状況は、LMP制御CPU321から送信された要求AがCPU32を介して可動役物115のCPU42へ送信される場合に(ステップ4221、4122)、CPU42は、送信された要求Aを受信したものの、データ化け/通信異常が発生した場合である。
図42における再送開始後は、図41の場合と同じゆえ、その説明を省略する。すなわち、図42の(a)のステップ4213〜4216はそれぞれ、上述した図41の(a)のステップ4113〜4116に対応するものである。また、図42の(b)のステップ4224〜4227はそれぞれ、上述した図41の(b)のステップ4124〜4127に対応するものである。
チェックサムは、要求Aの予め定められた部分について所定の計算を行ってサム値を算出し、算出したサム値を要求Aに含まれるサム値と照合することにより行われる。
以下、サム値の計算について説明する。
ここで、サム値(電文)は、上述したモード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3の各々に含まれる(図33、図35および図36参照)。また、サム値(演出データ)は、モード設定要求Y1には含まれず(図33参照)、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3に含まれる(図35および図36参照)。このように、本実施の形態に係る可動役物115は、モード設定要求Y1に対してサム値(電文)のチェックサムを行い、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3に対しては、サム値(電文)およびサム値(演出データ)についてチェックサムを行う。
したがって、モード設定要求Y1を受信すると、サム値(電文)が一致すれば、遊技盤110にACKが返信され、また、通常演出要求Y2または特別演出要求Y3を受信すると、サム値(電文)が一致すると共にサム値(演出データ)が一致するときに遊技盤110にACKが返信される。
なお、図43の(a)におけるデータ1、データ2およびデータ3は、説明の便宜のために、コマンド種別および電文長以外の可変部の部分を抽象的に表したものである。
両者比較の結果、一致する場合には、通信が正常であり通信成功と判定する。
なお、図43の(b)は、LEDa〜LEDhという8個の演出データが含まれる場合を例示したものであり、(c)は、LEDa〜LEDfという6個の演出データが含まれる場合を例示したものである。すなわち、図43の(c)は、特別演出モードにてLEDa〜LEDfを用いて点灯演出を行う場合であり、LEDgおよびLEDhを点灯させない場合である。
チェックサムの仕方は、上述したとおりゆえ、その説明を省略する。また、通常演出要求Y2の通常検出データ(図35参照)についてのサム値(演出データ)は、上述した特別演出データの場合と同じゆえ、その説明を省略する。
次に、通常演出シーケンスおよび特別演出シーケンスの例について図44〜図47を用いて説明する。
図44は、通常演出シーケンスの例を説明するフローチャートである。
図44に示すフローチャートでは、まず遊技盤110のシステム制御CPU301が、発光部2,3を即時点灯することすなわち表示中の色を変更することを指示すると(ステップ4411)、遊技盤110のLMP制御CPU321は、通常演出データがセットされる通常演出要求Y2を生成する(ステップ4412)。そして、LMP制御CPU321は、生成した通常演出要求Y2を遊技盤110のCPU32にSPI通信で送信し、CPU32は、受信した通常演出要求Y2を赤外線通信で可動役物115のCPU42に送信する(ステップ4413)。
そして、CPU42からの通常演出データをLEDドライバ4の各々が取得すると、その通常演出データによって発光部2,3を発光させる。
こうして、通常演出要求Y2に応じた発光部2,3による通常演出が実行される。なお、通常演出要求Y2が受信されてもSRAM43(図29参照)には特別演出データが蓄積されず、未登録状態である。
付言すると、CPU32は、CPU42からの応答を受けることによって通信状態が通信可であることを認識し、また、応答の内容によってセンサ状態が丸型であることを認識する。
CPU32は、LMP制御CPU321からの要求を受信しないときには、赤外線通信の通信状態およびセンサ44,45のセンサ状態を2ms以内にLMP制御CPU321に通知する(ステップ4418)。こうして、LMP制御CPU321における通信状態およびセンサ状態が更新される。
この場合には、前回の通常演出要求Y2(ステップ4412参照)に含まれる通常演出データを用いた発光部2,3の発光による通常演出が行われると共に、「黄色100ms」という特別演出データがSRAM43の格納領域71(図34参照)に一時的に蓄積される。これにより、通常演出データを含まない特別演出要求Y3を受信し、特別演出データをSRAM43に格納している際に、発光部2,3の発光演出を中断せずに行うことが可能になる。
なお、ステップ4425〜4428は、上述したステップ4415〜4418に相当するものであり、その説明を省略する。
なお、ステップ4435〜4438は、上述したステップ4415〜4418に相当するものであり、その説明を省略する。
なお、ステップ4445〜4448は、上述したステップ4415〜4418に相当するものであり、その説明を省略する。
図45の(a)に示すフローチャートでは、通常演出シーケンス(図44参照)で特別演出データが可動役物115のSRAM43(図29参照)に蓄積された場合に、遊技盤110のシステム制御CPU301は、特別演出を開始しないことおよび特別演出データを差し替えることを指示すると(ステップ4501)、遊技盤110のLMP制御CPU321は、初期化の実施指示を含む通常演出要求Y2を生成する(ステップ4502)。
より具体的に説明すると、SRAM43では、Aパターンとして、格納領域71(図34参照)に「黄色100ms」および「紫色100ms」が蓄積され、また、格納領域72(図34参照)に「緑色100ms」および「紫色100ms」が蓄積され、また、格納領域73(図34参照)に「青色100ms」および「紫色100ms」が蓄積されている。そして、システム制御CPU301による指示は、既にSRAM43に蓄積されていて未だ一度も表示されていないAパターンを、別のパターンであるBパターンに差し替えることである。また、生成される通常演出要求Y2における特別演出データの初期化の項目には、特別演出データを初期化する(0x01)が設定される(図35参照)。
なお、ステップ4505は、上述したステップ4415(図44参照)に相当するものであり、その説明を省略する。
さらには、CPU42は、SRAM43に対する初期化処理を行った後に、特別演出データをSRAM43に格納する(ステップ4554)。すなわち、CPU42は、SRAM43への特別演出データ格納に先立って、初期化処理を行う。CPU42は、SRAM43に特別演出データを格納した後に初期化処理を行うのではない。
なお、ステップ4555は、上述したステップ4505(図45の(a)参照)に相当するものであり、その説明を省略する。
図46に示すフローチャートは、通常演出シーケンス(図44参照)で特別演出データが可動役物115のSRAM43(図29参照)に蓄積されている場合のその後の処理手順を示している。具体的には、システム制御CPU301が丸型から星型への特別演出を開始することを指示すると(ステップ4611)、LMP制御CPU321は、これに対応するモード設定要求Y1を生成し、CPU32にSPI通信で送信する(ステップ4612)。
こうして、モード設定要求Y1に応じた発光部2,3による特別演出モードT2が実行される。付言すると、CPU42から発光部2,3への通信と発光部2,3による演出とは互いに非同期である。
そして、CPU32は、通信状態およびセンサ状態をLMP制御CPU321に送信する。すなわち、CPU32は、通信状態が通信可でありセンサ状態が変形中(後述のステップ4631,4632参照)であることをLMP制御CPU321に通知する(ステップ4618)。
そして、CPU32は、通信状態が通信可でありセンサ状態が星型(後述のステップ4631,4632参照)であることをLMP制御CPU321に送信する(ステップ4621)。
ここで、システム制御CPU301は、星型で回転中の特別演出の開始指示(ステップ4641参照)に伴い、星型での回転を開始することを指示すると(ステップ4661)、LMP制御CPU321は、星型で回転する動作パターンデータを生成し(ステップ4662)、生成した動作パターンデータに応じたモータ34の作動により、図46に示すように、星型の可動役物115が反時計方向および時計方向に回転する回転状態になる。
CPU42は、モード設定要求Y1の受信に応答してCPU32にセンサ状態を送信すると共にACKをCPU32に送信する(ステップ4645)。
CPU42からのセンサ状態を受信しない場合、CPU32は、通信状態が通信不可でありセンサ状態は不定であることをLMP制御CPU321に通知する(ステップ4648)。
そして、CPU32は、通信状態が通信可でありセンサ状態が星型であることをLMP制御CPU321に送信する(ステップ4651)。
また、システム制御CPU301は、星型から丸型への変形を開始することを指示すると(ステップ4691)、LMP制御CPU321は、星型から丸型へ変形する動作パターンデータを生成する(ステップ4692)。これにより、可動役物115は、図46に示す丸型に変形する。
センサ状態を受信したCPU32は、通信状態が通信可でありセンサ状態が星型であること、およびACKをLMP制御CPU321に送信する(ステップ4675)。
そして、CPU32は、通信状態が通信可でありセンサ状態が変形中(ステップ4692参照)であることをLMP制御CPU321に通知する(ステップ4678)。
この場合に生成されるモード設定要求Y1には、SRAM43の初期化を行う指示が含まれる(ステップ4712参照)。また、このモード設定要求Y1は、特別演出2を1回実行するというものである。
また、CPU42は、SRAM43から特別演出データを読み出した後に、SRAM43に対する初期化処理を行う(ステップ4714)。これにより、SRAM43に蓄積された特別演出データのすべてが破棄される。
付言すると、CPU42は、モード設定要求Y1および特別演出要求Y3が持つコマンド種別(図33、図36参照)を基に、予め定められた初期化処理の処理順序で実行する。なお、コマンド種別ごとに互いに異なる初期化の内容をCPU42が実行する変形例も考えられる。
CPU42は、応答(ステップ4724)を契機に、発光部2,3を通常演出モードに移行させる。その後の通常演出シーケンスで、特別演出データ(Bパターン)がSRAM43に蓄積される。付言すると、Bパターンの全部または一部が蓄積される。すなわち、Aパターンから一部の特別演出データのみのデータ差し替えは可能である。
遊技盤110による初期化指示(初期化要求)Y4に対応して可動役物115で行われる初期化処理について、より詳しく説明する。すなわち、モード設定要求Y1で初期化する場合、通常演出要求Y2で初期化する場合および特別演出要求Y3で初期化する場合の可動役物115側における初期化処理の違いを説明する。
既に説明した内容ではあるが、初期化処理に関連する事項を改めて以下説明しつつ、初期化処理を説明する。
そして、かかる初期化指示Y4には、SRAM43に格納されている特別演出データを初期化することも含まれる(図33、図35および図36参照)。
すなわち、モード設定要求Y1でSRAM43を初期化する場合には、モード設定要求Y1に固有の処理(特別演出データの読み出し)を行った後に、モード設定要求Y1、通常演出要求Y2および特別演出要求Y3に共通する処理(初期化処理)を行うことになり、処理の順番が固定される。このようなモード設定要求Y1での初期化を行う場合には、特別演出を行ったことで不要になったSRAM43の特別演出データを速やかに消去することができ、何らかの事情による誤発光等の発生をより確実に防止することが可能になる。
特別演出要求Y3でSRAM43を初期化する場合には、共通の処理(初期化処理)を行った後に、特別演出要求Y3に固有の処理(特別演出データの書き込み)を行うことになる。すなわち、モード設定要求Y1の場合とは初期化処理の順番が逆であるものの、モード設定要求Y1の場合と同じく、処理の順番が固定される。
したがって、通常演出要求Y2による初期化処理を、通常演出の実行前に行う制御を採用しても、通常演出の実行後に行う制御を採用してもよく、通常演出の実行と共に行う制御を採用してもよい。
次に、可動役物115に供給される電力が遮断または電圧低下した場合のシーケンスの例について、以下説明する。
なお、このような可動役物115へ供給されている電力が遮断(電断)したり、その電力の電圧が一時的に低下(電圧低下)したりする現象は、そのパチンコ遊技機100の遊技状態や演出状態とは関係のない時期になされ得る。
図48は、電断シーケンスの例を説明するフローチャートである。このような電断シーケンスが実行される場合としては、例えばホールでの閉店に伴いパチンコ遊技機100の主電源がOFFされ、翌営業日の開店に伴ってパチンコ遊技機100の主電源がONされる場合が想定される。そのため、電源OFF/ONされる時間帯は、ある程度定められるものの、電源OFF時にパチンコ遊技機100がどのような内部状態であるか或いはどのような演出を行っているかは不定である。
かかる事情により、図48の電源OFF(ステップ4816)される前の処理内容として示すステップ4811〜4815は、その例示であり、また、SRAM43(図29参照)に蓄積されている特別演出データの内容も例示である。
なお、図48のステップ4811〜4815は、上述した図44のステップ4411〜4415に相当するものであり、その説明を省略する。
なお、電断は、電源遮断監視処理(不図示)で検出され、電断検出後には遊技制御部200により所定の処理が実行される。この電源遮断開始処理は、電断信号としてのINITを用いる判断により行われる。INITは、電源ONではHiになり、電源OFFではLoになる。
付言すると、図48では、電断時に可動役物115が丸型の場合を例示しているが、可動役物115が星型の場合もあり得る。すなわち、特別演出モード中の電断(動作中の電断)である。そのような星型で電断しても、可動役物115は星型に戻らず、電源ON時に伴って行われる初期動作のときに、星型から丸型に戻される。
CPU32により再送された状態要求(ステップ4825)を受信すると、CPU42は、これに応答してセンサ状態を返信する(ステップ4826)。そして、遊技盤110のCPU32は、通信状態が通信可でありセンサ状態が丸型であることをLMP制御CPU321に送信する(ステップ4827)。このような送信の際に、CPU32は、初期化有という情報をLMP制御CPU321に通知する。すなわち、CPU32は、上位要求の受信前は初期化有を通知し(ステップ4827参照)、また、上位要求の受信後は初期化無を通知する(後述のステップ4835参照)。この場合の上位は、システム制御CPU301ないしLMP制御CPU321を意味する。
なお、このような電源ON後の電断シーケンスを電源投入シーケンスということができる。
付言すると、可動役物115に送信される特別演出要求Y3は、シーケンス番号が付される。より具体的には、電源ONされた後に生成される順番でシーケンス番号として1から100までの数が特別演出要求Y3ごとに付される。100が付された後は、シーケンス番号として再び1が付される。すなわち、遊技盤110のCPU32は、送信した特別演出要求Y3についてACKの受信をシーケンス番号で確認し、通信が成功したのかどうかを認識する。このため、シーケンス番号を付す制御を採用することによって、通信障害が発生した場合に再送すべき特別演出要求Y3を把握することができる。
なお、ステップ4835は上位要求の受信後であることから、初期化無がCPU32からLMP制御CPU321に通知される。
図49は、電圧低下シーケンスの例を説明するフローチャートである。
図49に示す電圧低下シーケンスが実行される場合としては、可動役物115に供給される電源の電圧が発光部2,3を光らせるために必要な電圧(基準電圧)よりも低下してしまう場合である。通常時に可動役物115に供給される電源電圧は、基準電圧以上のものである。
なお、本実施の形態では、可動役物115に供給される直流電圧が基準電圧以上であるか否かを可動役物115で検出するが、その検出部(不図示)は、周知慣用の技術を用いて構成することができる。
さらに説明すると、かかる電圧低下が発生すると、可動役物115での発光演出に支障が出るおそれがあるものの、遊技盤110との間の赤外線通信が可能であり、SRAM43への特別演出データの蓄積も可能であり、また、可動役物115のCPU42が遊技盤110のCPU32から受信すると、ACKを返信可能である。この点で、電圧低下シーケンスは、電断中に赤外線通信できずACKを返信しない電断シーケンス(図48参照)と異なる。
なお、図49のステップ4911〜4915は、上述した図44のステップ4411〜4415ないし図48のステップ4811〜4815に相当するものであり、その説明を省略する。
付言すると、遊技盤110では盤ランプ116による発光演出が可能であり、また、枠部材150では枠ランプ157による発光演出が可能であることから(図1および図3参照)、可動役物115での発光部2,3による発光演出を中止しても重大な事態には至らないと考えられる。
なお、電圧低下時に遊技が継続しつつも発光部2,3を消灯させることは、パチンコ遊技機100の外部に対して何らかの不都合な事態の発生、具体的には電圧低下の発生を報知するものであるということができる。
言い換えると、可動役物115は、所定の電圧変動を検出した場合に、発光部2,3の消灯制御を行うものであるということができる。
遊技盤110側に通知しないことで、遊技盤110での演出制御の複雑化が防止され、また、通信内容の抑制による消費電力の低減を図ることが可能になる。
なお、本実施の形態では、このような通知の省略をしているが、通知する制御を採用することも考えられる。
そして、CPU42は、未だ電圧低下の状態のままであるとして、通常演出要求Y2に含まれる通常演出データを用いて発光部2,3を発光させる通常演出を行わず、発光部2,3を消灯させる(ステップ4934、4944)。すなわち、発光部2,3が消灯している状態(消灯状態)が維持される。
図49のステップ4935〜4938は、上述した図44のステップ4415〜4418に相当することから、その説明を省略する。また、図49のステップ4945は図44のステップ4415に相当することから、その説明を省略する。
なお、図49のステップ4961〜4963、4965〜4968は、上述した図44のステップ4411〜4413、4415〜4418に相当することから、その説明を省略する。
ランプ制御部320のLMP制御CPU321(図27または図29参照)は、演出制御部の一例である。可動役物115(図1、図3または図28〜図31参照)は、可動体の一例であり、発光部2a〜2j,3a〜3j(図30参照)は、発光部の一例である。
Claims (2)
- 遊技の制御に応じて演出の制御が行われる遊技機であって、
演出を制御する演出制御部と、
前記演出制御部に対して可動に前記遊技機に配設され、当該遊技機から電力の供給を受けて発光する発光部を持ち、当該発光部による発光演出を含む演出を行う可動体と、
を備え、
前記可動体は、前記遊技機から供給される電力について所定の電圧変動を検出した場合に前記発光部の消灯を行うことを特徴とする遊技機。 - 前記可動体は、前記所定の電圧変動の検出に対応して行う前記発光部の消灯を前記演出制御部に通知しないことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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