JP2014134479A - 回転検出装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】 、従来に比べて感度軸方向Pのずれ(ばらつき)の影響をキャンセルすることができる回転検出装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 図2(a)(b)に示すように、各磁気抵抗効果素子S1〜S4を用いて第1のブリッジ回路34を構成し、各磁気抵抗効果素子S5〜S8を用いて第2のブリッジ回路35を構成する。これにより、感度軸方向P1〜P4が0°、90°、180°、及び270°の方向に対してそれぞれθ1だけ傾いていても、θ1の影響をキャンセルでき、第1のブリッジ回路及び第2のブリッジ回路から得られる出力の位相差ずれを高精度に改善することができる。これにより、高精度に回転情報を検出することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁界発生部と磁気センサとを備え、回転情報を検出することが可能な回転検出装置に関する。
図8は従来の回転検出装置に用いられる磁気センサの概念図である。図8(a)は第1のブリッジ回路1の回路図であり、図8(b)は、第2のブリッジ回路2の回路図である。
以下では、平面内にて直交する2本の仮想直線A,Bの中心Cから順に0°の方向(X2方向)D、90°の方向(Y1方向)E、180°の方向(X1方向)F、及び270°の方向(Y2方向)Gと定義する。
図8(a)の第1のブリッジ回路1は4つの磁気抵抗効果素子(GMR素子)3〜6により構成される。
図8(a)に示すように、第1の磁気抵抗効果素子3と第2の磁気抵抗効果素子5とが、第1の出力部7を介して直列に接続されている。また第3の磁気抵抗効果素子5と第4の磁気抵抗効果素子6とが、第2の出力部8を介して直列に接続されている。
図8(a)に示すように第1の磁気抵抗効果素子3と第3の磁気抵抗効果素子5とが入力部9を介して接続され、第2の磁気抵抗効果素子4と第4の磁気抵抗効果素子6とが接地部10を介して接続されている。
図8(a)に示すように、第1の出力部7と第2の出力部8とが差動増幅部11に接続され、第1の外部出力部12に繋がっている。
図8(a)に示すように第1の磁気抵抗効果素子3と第6の磁気抵抗効果素子6の感度軸方向Pは、いずれも0°の方向Dとされている。また第2の磁気抵抗効果素子4及び第3の磁気抵抗効果素子5の感度軸方向Pは、いずれも180°の方向Fとされている。
一方、図8(b)の第2のブリッジ回路2は4つの磁気抵抗効果素子(GMR素子)13〜16により構成される。
図8(b)に示すように、第5の磁気抵抗効果素子13と第6の磁気抵抗効果素子14とが、第3の出力部17を介して直列に接続されている。また第7の磁気抵抗効果素子15と第8の磁気抵抗効果素子16とが、第4の出力部18を介して直列に接続されている。
図8(b)に示すように第5の磁気抵抗効果素子13と第7の磁気抵抗効果素子15とが入力部19を介して接続され、第6の磁気抵抗効果素子14と第8の磁気抵抗効果素子16とが接地部20を介して接続されている。
図8(b)に示すように、第3の出力部17と第4の出力部18とが差動増幅部21に接続され、第2の外部出力部22に繋がっている。
図8(b)に示すように第5の磁気抵抗効果素子13と第8の磁気抵抗効果素子16の感度軸方向Pは、いずれも270°の方向Gとされている。また第6の磁気抵抗効果素子14及び第7の磁気抵抗効果素子15の感度軸方向Pは、いずれも90°の方向Eとされている。
磁気センサに対して磁石が回転すると回転磁場が各磁気抵抗効果素子3〜6,13〜16に作用し、各磁気抵抗効果素子3〜6,13〜16の電気抵抗値が変動する。
このとき、第1のブリッジ回路1を構成する各磁気抵抗効果素子3〜6と、第2のブリッジ回路2を構成する各磁気抵抗効果素子13〜16とでは90°ずつ感度軸方向Pが異なっているので、第1の外部出力部12から得られる出力と、第2の外部出力部22から得られる出力との間には90°の位相差が生じる。
各外部出力部12,22からの出力及び位相差に基づいて回転角度や回転スピード、回転方向等の回転情報を検出することができる。
特開2010−175566号公報
しかしながら感度軸方向Pは製造過程においてずれが生じた。
図9は、感度軸方向Pを定める外部磁場25をウェハ26上に作用させた際の状態を示す概念図である。
図9に示すウェハ26から多数個の磁気センサを製造することができる。
今、図9ではY1方向に外部磁場25を作用させた状態を示している。しかしながら磁力線は、ウェハ26の中心からX1−X2方向に離れるほど折れ曲がり、aの位置にて作用する外部磁場25はY1方向からX2方向に向けてθだけ傾いた状態とされる。
このため、感度軸方向Pを90°の方向(Y1方向)Eに向けたい第6の磁気抵抗効果素子14及び第7の磁気抵抗効果素子15では、感度軸方向Pが90°の方向Eではなく270°の方向Gにθだけ傾いた状態となっている。
図9,図10に示すように、aの位置で形成される磁気センサを構成する各磁気抵抗効果素子3〜6,13〜16に対して、0°の方向D、90°の方向E、180°の方向Fあるいは270°の方向Gにそれぞれ外部磁場を作用させて各磁気抵抗効果素子3〜16,13〜16の感度軸方向Pを規定する際、実際には図10に示すθの傾きが生じた状態で感度軸方向Pが規定される。
理想的には、第1のブリッジ回路1からの出力と、第2のブリッジ回路2からの出力とが90°の位相差を有しているところ、実際には、図10に示すθの傾きを持った感度軸方向Pを備える各磁気抵抗効果素子3〜6,13〜16にて第1のブリッジ回路1及び第2のブリッジ回路2が構成されることから、後述の図7(a)に示すシミュレーション結果に示すように位相差が90°からずれることがわかった。
図7(a)での実験では、θを2°とした。このとき出力位相差は86°だったので、2θのずれが生じることがわかった。
このように位相差ずれが生じる結果、高精度な回転情報を検出できない問題があった。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、従来に比べて感度軸方向Pのずれ(ばらつき)の影響をキャンセルすることができる回転検出装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、固定部と回転部との一方に磁界発生部が、他方に磁気センサが設けられた回転検出装置において、
前記磁気センサには、第1のブリッジ回路と第2のブリッジ回路とが設けられており、
平面内にて直交する仮想直線の交点から4つの方向を順に0°、90°、180°、270°と設定したとき、
前記第1のブリッジ回路は、第1の直列回路と第2の直列回路とが並列に接続された構成で、前記第1の直列回路は、0°の方向から90°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第1の磁気抵抗効果素子と、90°の方向から0°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第2の磁気抵抗効果素子とが第1の出力部を介して直列に接続された構成であり、前記第2の直列回路は、180°の方向から270°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第3の磁気抵抗効果素子と、270°の方向から180°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第4の磁気抵抗効果素子とが第2の出力部を介して直列に接続された構成であり、
前記第2のブリッジ回路は、第3の直列回路と第4の直列回路とが並列に接続された構成で、前記第3の直列回路は、270°の方向から180°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第5の磁気抵抗効果素子と、0°の方向から90°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第6の磁気抵抗効果素子とが第3の出力部を介して直列に接続された構成であり、前記第4の直列回路は、90°の方向から0°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第7の磁気抵抗効果素子と、180°の方向から270°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第8の磁気抵抗効果素子とが第4の出力部を介して直列に接続された構成であることを特徴とするものである。
また本発明は、固定部と回転部との一方に磁界発生部が、他方に磁気センサが設けられた回転検出装置において、
前記磁気センサには、第1のブリッジ回路と第2のブリッジ回路とが設けられており、
平面内にて直交する仮想直線の交点から4つの方向を順に0°、90°、180°、270°と設定したとき、
前記第1のブリッジ回路は、第1の直列回路と第2の直列回路とが並列に接続された構成で、前記第1の直列回路は、0°の方向から270°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第1の磁気抵抗効果素子と、90°の方向から180°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第2の磁気抵抗効果素子とが第1の出力部を介して直列に接続された構成であり、前記第2の直列回路は、180°の方向から90°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第3の磁気抵抗効果素子と、270°の方向から0°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第4の磁気抵抗効果素子とが第2の出力部を介して直列に接続された構成であり、
前記第2のブリッジ回路は、第3の直列回路と第4の直列回路とが並列に接続された構成で、前記第3の直列回路は、270°の方向から0°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第5の磁気抵抗効果素子と、0°の方向から270°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第6の磁気抵抗効果素子とが第3の出力部を介して直列に接続された構成であり、前記第4の直列回路は、90°の方向から180°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第7の磁気抵抗効果素子と、180°の方向から90°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第8の磁気抵抗効果素子とが第4の出力部を介して直列に接続された構成であり、
前記第1の磁気抵抗効果素子ないし前記第8の磁気抵抗効果素子の全ての磁気抵抗効果素子が1つの基板上に成膜されていることを特徴とするものである。
本発明では、前記各磁気抵抗効果素子は、セルフピン止め型の磁気抵抗効果素子であることが好ましい。
また本発明は、固定部と回転部との一方に磁界発生部を、他方に磁気センサを設けてなる回転検出装置の製造方法において、
前記磁気センサはウェハから多数個切り出されるものであり、
前記各磁気センサに、第1のブリッジ回路と第2のブリッジ回路とを形成し、
前記第1のブリッジ回路は、第1の直列回路と第2の直列回路とが並列に接続された構成で、前記第1の直列回路を第1の磁気抵抗効果素子と第2の磁気抵抗効果素子とが第1の出力部を介して直列に接続された構成であり、前記第2の直列回路は、第3の磁気抵抗効果素子と第4の磁気抵抗効果素子とが第2の出力部を介して直列に接続された構成であり、
前記第2のブリッジ回路は、第3の直列回路と第4の直列回路とが並列に接続された構成で、前記第3の直列回路は、第5の磁気抵抗効果素子と、第6の磁気抵抗効果素子とが第3の出力部を介して直列に接続された構成であり、前記第4の直列回路は、第7の磁気抵抗効果素子と、第8の磁気抵抗効果素子とが第4の出力部を介して直列に接続された構成であり、前記ウェハは各磁気センサの領域に区分けされ、各領域にそれぞれ前記第1の磁気抵抗効果素子ないし前記第8の磁気抵抗効果素子の全ての磁気抵抗効果素子が配置されており、
平面内にて直交する仮想直線の交点から4つの方向を順に0°、90°、180°、270°と設定したとき、
前記ウェハに対して0°の方向に外部磁場を与えて、前記第1の磁気抵抗効果素子及び第6の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
前記ウェハに対して90°の方向に外部磁場を与えて、前記第2の磁気抵抗効果素子及び前記第7の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
前記ウェハに対して180°の方向に外部磁場を与えて、前記第3の磁気抵抗効果素子及び前記第8の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
前記ウェハに対して270°の方向に外部磁場を与えて、前記第4の磁気抵抗効果素子及び前記第5の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
前記各磁気センサをウェハから切り出す工程と、
を有するものであり、
あるいは、前記ウェハに対して0°の方向に外部磁場を与えて、前記第1の磁気抵抗効果素子及び第6の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
前記ウェハに対して90°の方向に外部磁場を与えて、前記第2の磁気抵抗効果素子及び前記第7の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
前記ウェハに対して180°の方向に外部磁場を与えて、前記第3の磁気抵抗効果素子及び前記第8の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
前記ウェハに対して270°の方向に外部磁場を与えて、前記第4の磁気抵抗効果素子及び前記第5の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
前記各磁気センサを構成する前記領域をウェハから切り出す工程と、
を有することを特徴とするものである。
このとき、前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第6の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を0°の方向から90°の方向にθ1だけ傾いた方向とし、
前記第2の磁気抵抗効果素子及び前記第7の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を90°の方向から0°の方向にθ1だけ傾いた方向とし、
前記第3の磁気抵抗効果素子及び前記第8の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を180°の方向から270°の方向にθ1だけ傾いた方向とし、
前記第4の磁気抵抗効果素子及び前記第5の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を270°の方向から180°の方向にθ1だけ傾いた方向とし、
あるいは、
前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第6の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を0°の方向から270°の方向にθ2だけ傾いた方向とし、
前記第2の磁気抵抗効果素子及び前記第7の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を90°の方向から180°の方向にθ2だけ傾いた方向とし、
前記第3の磁気抵抗効果素子及び前記第8の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を180°の方向から90°の方向にθ2だけ傾いた方向とし、
前記第4の磁気抵抗効果素子及び前記第5の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を270°の方向から0°の方向にθ2だけ傾いた方向とする構成に本発明を好ましく適用できる。
本発明によれば、感度軸方向Pが0°、90°、180°、及び270°の方向に対しそれぞれθ(θは製造過程中に生じるずれ(ばらつき)である)だけ傾いても、θの影響をキャンセルでき、第1のブリッジ回路及び第2のブリッジ回路から得られる出力の位相差ずれを高精度に改善することができる。これにより、高精度に回転情報を検出することができる。
本発明によれば、感度軸方向Pが0°、90°、180°、及び270°の方向に対してそれぞれθだけ傾いていても、θの影響をキャンセルでき、第1のブリッジ回路及び第2のブリッジ回路から得られる出力の位相差ずれを高精度に改善することができる。これにより、高精度に回転情報を検出することができる。
図1は、本実施形態における回転検出装置の平面図である。 図2は、第1実施形態における回転検出装置の回路図であり、図2(a)は、第1のブリッジ回路の回路図、図2(b)は、第2のブリッジ回路の回路図である。 図3は、第2実施形態における回転検出装置の回路図であり、図3(a)は、第1のブリッジ回路の回路図、図3(b)は、第2のブリッジ回路の回路図である。 図4は、磁気抵抗効果素子の部分縦断面図である。 図5は、感度軸方向P1〜P4と0°方向、90°方向、180°方向及び270°方向との関係を示す概念図である。 図6はウェハに外部磁場を与えて各磁気抵抗効果素子の感度軸方向を規定する工程を示す平面図(概念図)であり、図6(a)は0°の方向に外部磁場を作用させたとき、図6(b)は90°の方向に外部磁場を作用させたとき、図6(c)は180°の方向に外部磁場を作用させたとき、図6(d)は270°の方向に外部磁場を作用させたときを示す。 図7(a)は従来例、図7(b)は、本実施例の出力を示すシミュレーション結果である。 図8は、従来例における回転検出装置の回路図であり、図8(a)は、第1のブリッジ回路の回路図、図8(b)は、第2のブリッジ回路の回路図である。 図9は、ウェハに外部磁場を与えて各磁気抵抗効果素子の感度軸方向を規定する一工程を示す平面図(概念図)である。 図10は、感度軸方向P1〜P4と0°方向、90°方向、180°方向及び270°方向との関係を示す概念図である。
図1は、本実施形態における磁気センサと磁石とを備えた回転検出装置の平面図である。
図1に示す回転検出装置30は、回転体31と、磁気センサ32とを備えて構成される。磁気センサ32は、回転体31に対して非接触で配置される。
図1の形態では、磁気センサ32は固定部側に支持される。回転体31は、軸中心Oを回転中心として時計回りの方向、あるいは、反時計回りの方向、又は、時計回り及び反時計回りの双方の方向に回転可能に支持されている。図1に示すように、回転体31には、磁界発生部である第1の磁石M1と第2の磁石M2が固定されている。第1の磁石M1は、回転軸Oに対向する内面がN極に着磁されており、第2の磁石M2は、回転軸Oに対向する内面がS極に着磁されている。よって、第1の磁石M1から第2の磁石M2に向けて磁界Hが形成される。
なお図1と異なって、磁石M1,M2を固定部側、磁気センサ32を回転部側に配置することもできる。
図1に示すように、磁気センサ32を構成する基板33の表面には複数の磁気抵抗効果素子S1〜S8が配置されている。各磁気抵抗効果素子S1〜S8は一つの基板33に成膜される。各磁気抵抗効果素子S1〜S8は、外部磁界に対して磁気抵抗効果を発揮するGMR素子である。図1の各磁気検知素子S1〜S8に示す矢印は感度軸方向P1〜P4を指す。ここで感度軸方向P1〜P4とは、外部磁界が感度軸方向Pと平行な方向から作用したときに各磁気抵抗効果素子S1〜S8の電気抵抗が最小値となり、外部磁界Hが感度軸方向Pの反対方向から作用したときに各磁気抵抗効果素子S1〜S8の電気抵抗が最大値となる方向を指す。
図4には磁気抵抗効果素子S1,S6の部分縦断面図である。ここでは代表的に磁気抵抗効果素子S1,S6を用いて説明するが、他の磁気抵抗効果素子S2〜S5,S7,S8も磁気抵抗効果素子S1,S6と同様の積層構造である。
図4に示すように本実施形態の磁気抵抗効果素子S5,S6は、下から、シード層42、固定磁性層43、非磁性材料層44、フリー磁性層45及び保護層46の順に積層されて成膜される。磁気抵抗効果素子S5,S6を構成する各層は、例えばスパッタにて成膜される。
シード層42は、NiFeCrあるいはCr等で形成される。またシード層42の膜厚は、36〜60Å程度である。シード層42と、図示しない基板との間に、Ta,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,W等からなる下地層が形成されていてもよい。
固定磁性層43は、第1磁性層43aと第2磁性層43cと、第1磁性層43a及び第2磁性層43c間に介在する非磁性中間層43bとのSFP(Synthetic Ferri Pin)構造である。
図3に示すように第1磁性層33aの固定磁化方向(P)と、第2磁性層3cの固定磁化方向(P)は反平行となっている。
図3に示すように、第1磁性層43aはシード層42上に形成されており、第2磁性層43cは、後述する非磁性材料層44に接して形成されている。
本実施形態における第1磁性層43aは、第2磁性層43cよりも高保磁力材料で形成される。
非磁性材料層44に接する第2磁性層43cは磁気抵抗効果(GMR効果)に寄与する層であり、第2磁性層43cには、アップスピンを持つ伝導電子とダウンスピンを持つ伝導電子の平均自由行程差を大きくできる磁性材料が選択される。
第2磁性層43cの固定磁化方向Pが感度軸方向P1と一致している。なお、感度軸方向P1は実際には図1に示すようにX2方向と平行ではなく若干、傾いているが、図3では、感度軸方向P1をX2方向に平行に示した。
第1磁性層43a及び第2磁性層43cの各膜厚は、第1磁性層43aと第2磁性層43cの磁化量(飽和磁化Ms・膜厚t)の差が実質的にゼロとなるように調整されている。
本実施形態における固定磁性層43は、SFP構造によるセルフピン止め型である。すなわち反強磁性層を備えない構成である。
非磁性材料層44は、Cu(銅)などの非磁性導電材料で形成される。また、非磁性材料層44は絶縁層で形成されTMR素子にも適用できる。フリー磁性層45は、NiFe、CoFe、CoFeNiなどの軟磁性材料で形成される。図3に示す構造では、フリー磁性層45は、CoFe合金層45aとNiFe合金層45bとの積層構造であるが、フリー磁性層45の構造は限定されるものでない。すなわちフリー磁性層45の材質を限定するものでなく、また、単層構造、積層構造、及び積層フェリ構造の別を問わない。保護層46は、Ta(タンタル)などの非磁性材料で形成される。
また本実施形態では、下からフリー磁性層45、非磁性材料層44及び固定磁性層(下から第2磁性層43c、非磁性中間層43b、第1磁性層43aの順)43の順に積層された構造としてもよい。
図4に示すセルフピン止め型の磁気抵抗効果素子とすることで、反強磁性層を用いず、よって磁場中熱処理を施すことなく固定磁性層43を構成する各磁性層43a,43cを磁化固定することができる。そして、図1に示すように感度軸方向Pが異なる各磁気抵抗効果素子S1〜S8を同一基板33上に形成することができる。
図1に示すように、各磁気抵抗効果素子S1〜S8の両側には電極47が設けられている。そして、第1の磁気抵抗効果素子S1、第2の磁気抵抗効果素子S2、第3の磁気抵抗効果素子S3及び第4の磁気抵抗効果素子S4が図2(a)に示す第1のブリッジ回路34を構成するように電極47を介して接続されている。また、第5の磁気抵抗効果素子S5、第6の磁気抵抗効果素子S6、第7の磁気抵抗効果素子S7及び第8の磁気抵抗効果素子S8が図2(b)に示す第2のブリッジ回路35を構成するように電極47を介して接続されている。
図2(a)に示すように、第1のブリッジ回路34では、第1の磁気抵抗効果素子S1と第2の磁気抵抗効果素子S2とが第1の出力部50を介して直列に接続されている。また、第3の磁気抵抗効果素子S3と第4の磁気抵抗効果素子S4とが第2の出力部51を介して直列に接続されている。第1の磁気抵抗効果素子S1と第3の磁気抵抗効果素子S3とが入力部52を介して接続され、第2の磁気抵抗効果素子S2と第4の磁気抵抗効果素子S4とが接地部53を介して接続されている。
図2(a)に示すように、第1の出力部50と第2の出力部51とが差動増幅部54に接続され、さらに第1の外部出力部55に繋がっている。
また、図2(b)に示すように、第2のブリッジ回路35では、第5の磁気抵抗効果素子S5と第6の磁気抵抗効果素子S6とが第3の出力部56を介して直列に接続されている。また、第7の磁気抵抗効果素子S7と第8の磁気抵抗効果素子S8とが第4の出力部57を介して直列に接続されている。第5の磁気抵抗効果素子S5と第7の磁気抵抗効果素子S7とが入力部58を介して接続され、第6の磁気抵抗効果素子S6と第8の磁気抵抗効果素子S8とが接地部59を介して接続されている。
図2(b)に示すように、第3の出力部56と第4の出力部57とが差動増幅部60に接続され、さらに第2の外部出力部61に繋がっている。
ここで、図5に示すように、平面内にて直交する2本の仮想直線A,Bの中心Cから順に0°の方向(X2方向)、90°の方向(Y1方向)、180°の方向(X1方向)、及び270°の方向(Y2方向)と定義する。ただし、これは一例であり、0°の方向をY1、X1、Y2方向のいずれかにすることもでき、それにより順次(0°から見て反時計回りでも時計回りでもどちらでもよい)、90°の方向、180°の方向及び270°の方向を定めることができる。
さて、図1、図2、図5に示すように、第1の磁気抵抗効果素子S1及び第6の磁気抵抗効果素子S6の感度軸方向P1は、0°の方向(X2)から90°の方向(Y1)に向けてθ1だけ傾いた方向となっている。また、第2の磁気抵抗効果素子S2及び第7の磁気抵抗効果素子S7の感度軸方向P2は、90°の方向(Y1)から0°の方向(X1)に向けてθ1だけ傾いた方向となっている。また、第3の磁気抵抗効果素子S3及び第8の磁気抵抗効果素子S8の感度軸方向P3は、180°の方向(X1)から270°の方向(Y2)に向けてθ1だけ傾いた方向となっている。また、第4の磁気抵抗効果素子S4及び第5の磁気抵抗効果素子S5の感度軸方向P4は、270°の方向(Y1)から180°の方向(X1)に向けてθ1だけ傾いた方向となっている。
図5に示すように、各感度軸方向P1〜P4は、0°の方向、90°の方向、180°の方向及び270°の方向と平行にならず、θ1だけずれ、しかもそのずれ方向が図5に示す状態になるになるのは、後述するように製造過程において固定磁性層43の固定磁化方向を0°の方向、90°の方向、180°の方向及び270°の方向と平行に固定しようとしても、外部磁場が図5に示すθ1だけずれた方向に作用するために生じる。
θ1は、最大値としては0.5°〜2°程度であるが、θ1の大きさは、製造過程におけるウェハ上での場所によって異なり、ウェハの中心を通る0°と180°との間を結ぶ方向(X1−X2)及び90°と270°との間を結ぶ方向(Y1−Y2)から離れるほど徐々にθ1は大きくなる(図6参照)。したがってウェハの中心を通るX1−X2線上及びY1−Y2線上で製造される磁気センサについてはθ1は、ほぼゼロになるが、これら線上から離れるほどθ1は大きくなる。ただし、磁気センサ32を構成する各磁気抵抗効果素子S1〜S8の感度軸方向Pのずれ量θ1は、同じ磁気センサ32内であればそれぞれ同じ値になっている。
図2(a)に示すように、0°の方向から90°の方向にθ1だけ傾いた方向の感度軸方向P1を有する第1の磁気抵抗効果素子S1と、90°の方向から0°の方向にθ1だけ傾いた方向の感度軸方向P2を有する第2の磁気抵抗効果素子S1とを第1の出力部50を介して直列接続し、180°の方向から270°の方向にθ1だけ傾いた方向の感度軸方向P3を有する第3の磁気抵抗効果素子S3と270°の方向から180°の方向にθ1だけ傾いた感度軸方向P4を有する第4の磁気抵抗効果素子S4とを第2の出力部51を介して直列接続する。
一方、図2(b)に示す第2のブリッジ回路35では、270°の方向から180°の方向にθ1だけ傾いた方向の感度軸方向P4を有する第5の磁気抵抗効果素子S5と、0°の方向から90°の方向にθ1だけ傾いた方向の感度軸方向P1を有する第6の磁気抵抗効果素子S6とを第3の出力部56を介して直列接続し、90°の方向から0°の方向にθ1だけ傾いた方向の感度軸方向P2を有する第7の磁気抵抗効果素子S7と180°の方向から270°の方向にθ1だけ傾いた感度軸方向P3を有する第8の磁気抵抗効果素子S8とを第4の出力部57を介して直列接続する。
図1に示す回転体31の回転に伴い、磁石M1,M2間で生じる磁界方向がX1−X2とY1−Y2からなる平面内にて変動し(回転し)、これにより、各磁気抵抗効果素子S1〜S8の電気抵抗値は変動する。このとき、例えばθ1が0°、すなわち各感度軸方向P1〜P4にずれがないとすると、互いに対応する、第1のブリッジ回路34を構成する各磁気抵抗効果素子S1〜S4と第2のブリッジ回路35を構成する各磁気抵抗効果素子S5〜S8とでは感度軸方向がそれぞれ90°異なっているため、第1の外部出力部55から得られる出力と、第2の外部出力部61から得られる出力との間には90°の位相差が生じる。
θ1が0°でなく(0°<θ1)、感度軸方向P1〜P4が0°の方向、90°の方向、180°の方向及び270°の方向からθ1だけ傾いている場合であっても、図7(b)に示す実験結果に示すように、位相差が90°になることがわかった。なお図7(a)は、図8に示す従来例における実験結果である。図7のシミュレーション実験では、θを2°として実験を行った。
このように図7(b)の実施例では、θの影響をキャンセルでき、位相差を90°に保つことができるとわかった。これにより従来に比べて高精度に回転情報を得ることが可能になる。
図3は第2の実施形態の磁気センサの回路構成図である。図2と違うには各磁気抵抗効果素子S1〜S8の感度軸方向P1〜P4である。図3では、第1の磁気抵抗効果素子S1及び第6の磁気抵抗効果素子S6の感度軸方向P1が0°の方向から180°の方向に向けてθ2だけ傾き、第2の磁気抵抗効果素子S2及び第7の磁気抵抗効果素子S7の感度軸方向P2は、90°の方向から180°の方向に向けてθ2だけ傾き、第3の磁気抵抗効果素子S3及び第8の磁気抵抗効果素子S8の感度軸方向P3は、180°の方向から90°の方向に向けてθ2だけ傾き、第4の磁気抵抗効果素子S4及び第5の磁気抵抗効果素子S5の感度軸方向P4は270°の方向から0°の方向にθ2だけ傾いている。図3における各感度軸方向P1〜P4と0°の方向、90°の方向、180°の方向及び270°の方向との関係を図5に点線で示した。
図3に示す構成においても、θ2の影響をキャンセルでき、第1の外部出力部55から得られる出力と、第2の外部出力部61から得られる出力との位相差を90°に保つことができ、高精度な回転情報を検出することができる。
図6は、ウェハ70上に形成された多数の磁気センサに対し外部磁場を与えて、各磁気抵抗効果素子S1〜S8の感度軸方向P1〜P4を所定方向に固定する工程である。
図6(a)では、0°の方向(X1方向)に向けて外部磁場71をウェハ70に与えている。なおこの時点でウェハ70上の各磁気センサの領域には第1の磁気抵抗効果素子S1及び第6の磁気抵抗効果素子S6が形成されている。
このとき図6(a)に示すように、外部磁場71は全体が0°の方向に直線的とならず、ウェハ70の中心O2から0°の方向と180°の方向との間を結ぶ直線方向(X1−X2方向)α及びウェハ70の中心O2から90°の方向と270°の方向との間を結ぶ直線方向(Y1−Y2方向)βからそれぞれ離れるにしたがって徐々に、外部磁場71は、0°の方向から図のように曲がっていく。
例えば図6(a)に示すbの位置(領域)に形成される磁気センサに対して、0°の方向から90°の方向に向けてθ1の傾きを持つ外部磁場71が供給される。
図6(a)の工程では、図2(a)(b)に示す第1の磁気抵抗効果素子S1及び第6の磁気抵抗効果素子S6の感度軸方向P1が規制される。感度軸方向P1は0°の方向から90°の方向にθ1の傾きを有している。
次に図6(b)の工程では、90°の方向(Y1方向)に向けて外部磁場72をウェハ70に与えている。図6(a)の工程と図6(b)の工程の間に、各磁気センサの領域に、第2の磁気抵抗効果素子S2及び第7の磁気抵抗効果素子S7を形成する。図6(b)の工程においても、外部磁場72は全体が90°の方向に直線的とならず、ウェハ70の中心O2から0°の方向と180°の方向との間を結ぶ直線方向(X1−X2方向)α及びウェハ70の中心O2から90°の方向と270°の方向との間を結ぶ直線方向(Y1−Y2方向)βから離れるにしたがって徐々に、外部磁場72は、90°の方向から図のように曲がっていく。
このとき図6(b)に示すbの位置(領域)の磁気センサに対して、90°の方向から0°の方向に向けてθ1の傾きを持つ外部磁場72が供給される。
図6(b)の工程では、図2(a)(b)に示す第2の磁気抵抗効果素子S2及び第7の磁気抵抗効果素子S7の感度軸方向P2が規制される。感度軸方向P2は90°の方向から0°の方向にθ1の傾きを有している。本実施形態では、磁気抵抗効果素子をセルフピン止め型で形成している(図4参照)。このため、図6(b)の工程で、第2の磁気抵抗効果素子S2及び第7の磁気抵抗効果素子S7に対して外部磁場72を供給しても、すでに感度軸方向P1が固定された第1の磁気抵抗効果素子S1及び第6の磁気抵抗効果素子S6は外部磁場72の影響を受けない。
次に図6(c)の工程では、180°の方向(X1方向)に向けて外部磁場73をウェハ70に与えている。図6(b)の工程と図6(c)の工程の間に、各磁気センサの領域に、第3の磁気抵抗効果素子S3及び第8の磁気抵抗効果素子S8を形成する。図6(c)の工程においても、外部磁場73は全体が180°の方向に直線的とならず、ウェハ70の中心O2から0°の方向と180°の方向との間を結ぶ直線方向(X1−X2方向)α及びウェハ70の中心O2から90°の方向と270°の方向との間を結ぶ直線方向(Y1−Y2方向)βから離れるにしたがって徐々に、外部磁場73は、180°の方向から図のように曲がっていく。
このとき図6(c)に示すbの位置(領域)の磁気センサに対して、180°の方向から270°の方向に向けてθの傾きを持つ外部磁場73が供給される。
図6(c)の工程では、図2(a)(b)に示す第3の磁気抵抗効果素子S3及び第8の磁気抵抗効果素子S8の感度軸方向P3が規制される。感度軸方向P3は180°の方向から270°の方向にθ1の傾きを有している。本実施形態では、磁気抵抗効果素子をセルフピン止め型で形成している。このため、図6(c)の工程で、第3の磁気抵抗効果素子S3及び第8の磁気抵抗効果素子S8に対して外部磁場73を供給しても、すでに感度軸方向P1,P2が固定された第1の磁気抵抗効果素子S1、第2の磁気抵抗効果素子S2、第6の磁気抵抗効果素子S6及び第7の磁気抵抗効果素子S7は外部磁場73の影響を受けない。
次に図6(d)の工程では、270°の方向(Y2方向)に向けて外部磁場74をウェハ70に与えている。図6(c)の工程と図6(d)の工程の間に、各磁気センサの領域に、第4の磁気抵抗効果素子S4及び第5の磁気抵抗効果素子S5を形成する。図6(d)の工程においても、外部磁場74は全体が270°の方向に直線的とならず、ウェハ70の中心O2から0°の方向と180°の方向との間を結ぶ直線方向(X1−X2方向)α及びウェハ70の中心O2から90°の方向と270°の方向との間を結ぶ直線方向(Y1−Y2方向)βから離れるにしたがって徐々に、外部磁場74は、270°の方向から図のように曲がっていく。
このとき図6(d)に示すbの位置(領域)の磁気センサに対して、270°の方向から180°の方向に向けてθの傾きを持つ外部磁場74が供給される。
図6(d)の工程では、図2(a)(b)に示す第4の磁気抵抗効果素子S4及び第5の磁気抵抗効果素子S5の感度軸方向P4が規制される。感度軸方向P4は270°の方向から180°の方向にθの傾きを有している。本実施形態では、磁気抵抗効果素子をセルフピン止め型で形成している。このため、図6(d)の工程で、第4の磁気抵抗効果素子S4及び第5の磁気抵抗効果素子S5に対して外部磁場74を供給しても、すでに感度軸方向P1,P2,P3が固定された第1の磁気抵抗効果素子S1、第2の磁気抵抗効果素子S2、第3の磁気抵抗効果素子S3、第6の磁気抵抗効果素子S6、第7の磁気抵抗効果素子S7及び第8の磁気抵抗効果素子S8は外部磁場74の影響を受けない。
図6(a)〜図6(d)に示す各外部磁場71〜74を供給して各磁気抵抗効果素子S1〜S8の感度軸方向P1〜P4を規制した後、ウェハ70から切り出して各磁気センサに個片化する。
各磁気検出素子S1〜S8は、bの位置(領域)内に配置されており、ウェハ71を各領域にて切断することで個片化された後、各磁気検出素子S1〜S8は一つの基板上に配置された状態となっている(図1参照)。
ウェハ70上のどの位置で磁気センサが形成されるかで、供給される外部磁場71〜74の0°方向、90°方向、180°方向及び270°方向からの傾きθの大きさや傾き方向が異なる。
図6に示すbの位置(領域)で形成される磁気センサは、図2に示す第1の実施形態を構成するが、cの位置(領域)で形成される磁気センサは、図3に示す第2の実施形態を構成する。
すなわち図6(a)に示すcの位置で形成される第1の磁気抵抗効果素子S1及び第6の磁気抵抗効果素子S6の感度軸方向P1は、0°の方向から270°の方向に向けてθ2だけ傾く。また図6(b)に示すcの位置で形成される第2の磁気抵抗効果素子S2及び第7の磁気抵抗効果素子S7の感度軸方向P2は、90°の方向から180°の方向に向けてθ2だけ傾く。また図6(c)に示すcの位置で形成される第3の磁気抵抗効果素子S3及び第8の磁気抵抗効果素子S8の感度軸方向P3は、180°の方向から90°の方向に向けてθ2だけ傾く。また図6(d)に示すcの位置で形成される第4の磁気抵抗効果素子S4及び第5の磁気抵抗効果素子S5の感度軸方向P4は、270°の方向から0°の方向に向けてθ2だけ傾く。
以上により製造された各磁気抵抗効果素子S1〜S8を用いて、図2や図3に示すように回路を組み込むことで、θ1、θ2の影響をキャンセルでき、高精度な回転情報を得ることが可能な回転検出装置を製造することが可能になる。
A、B 仮想直線
M1、M2 磁石
P1〜P4 感度軸方向
S1〜S8 磁気抵抗効果素子
30 回転検出装置
31 回転体
32 磁気センサ
34 第1のブリッジ回路
35 第2のブリッジ回路
43 固定磁性層
44 非磁性材料層
45フリー磁性層
50、51、56、57 出力部
55 第1の外部出力部
61 第2の外部出力部
70 ウェハ
71〜74 外部磁場

Claims (5)

  1. 固定部と回転部との一方に磁界発生部が、他方に磁気センサが設けられた回転検出装置において、
    前記磁気センサには、第1のブリッジ回路と第2のブリッジ回路とが設けられており、
    平面内にて直交する仮想直線の交点から4つの方向を順に0°、90°、180°、270°と設定したとき、
    前記第1のブリッジ回路は、第1の直列回路と第2の直列回路とが並列に接続された構成で、前記第1の直列回路は、0°の方向から90°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第1の磁気抵抗効果素子と、90°の方向から0°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第2の磁気抵抗効果素子とが第1の出力部を介して直列に接続された構成であり、前記第2の直列回路は、180°の方向から270°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第3の磁気抵抗効果素子と、270°の方向から180°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第4の磁気抵抗効果素子とが第2の出力部を介して直列に接続された構成であり、
    前記第2のブリッジ回路は、第3の直列回路と第4の直列回路とが並列に接続された構成で、前記第3の直列回路は、270°の方向から180°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第5の磁気抵抗効果素子と、0°の方向から90°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第6の磁気抵抗効果素子とが第3の出力部を介して直列に接続された構成であり、前記第4の直列回路は、90°の方向から0°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第7の磁気抵抗効果素子と、180°の方向から270°の方向に向けてθ1だけ傾いた感度軸方向を有する第8の磁気抵抗効果素子とが第4の出力部を介して直列に接続された構成であり、
    あるいは、前記第1のブリッジ回路は、第1の直列回路と第2の直列回路とが並列に接続された構成で、前記第1の直列回路は、0°の方向から270°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第1の磁気抵抗効果素子と、90°の方向から180°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第2の磁気抵抗効果素子とが第1の出力部を介して直列に接続された構成であり、前記第2の直列回路は、180°の方向から90°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第3の磁気抵抗効果素子と、270°の方向から0°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第4の磁気抵抗効果素子とが第2の出力部を介して直列に接続された構成であり、
    前記第2のブリッジ回路は、第3の直列回路と第4の直列回路とが並列に接続された構成で、前記第3の直列回路は、270°の方向から0°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第5の磁気抵抗効果素子と、0°の方向から270°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第6の磁気抵抗効果素子とが第3の出力部を介して直列に接続された構成であり、前記第4の直列回路は、90°の方向から180°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第7の磁気抵抗効果素子と、180°の方向から90°の方向に向けてθ2だけ傾いた感度軸方向を有する第8の磁気抵抗効果素子とが第4の出力部を介して直列に接続された構成であり、
    前記第1の磁気抵抗効果素子ないし前記第8の磁気抵抗効果素子の全ての磁気抵抗効果素子が1つの基板上に成膜されていることを特徴とする回転検出装置。
  2. 前記各磁気抵抗効果素子は、セルフピン止め型の磁気抵抗効果素子である請求項1記載の回転検出装置。
  3. 固定部と回転部との一方に磁界発生部を、他方に磁気センサを設けてなる回転検出装置の製造方法において、
    前記磁気センサはウェハから多数個切り出されるものであり、
    前記各磁気センサに、第1のブリッジ回路と第2のブリッジ回路とを形成し、
    前記第1のブリッジ回路は、第1の直列回路と第2の直列回路とが並列に接続された構成で、前記第1の直列回路を第1の磁気抵抗効果素子と第2の磁気抵抗効果素子とが第1の出力部を介して直列に接続された構成であり、前記第2の直列回路は、第3の磁気抵抗効果素子と第4の磁気抵抗効果素子とが第2の出力部を介して直列に接続された構成であり、
    前記第2のブリッジ回路は、第3の直列回路と第4の直列回路とが並列に接続された構成で、前記第3の直列回路は、第5の磁気抵抗効果素子と、第6の磁気抵抗効果素子とが第3の出力部を介して直列に接続された構成であり、前記第4の直列回路は、第7の磁気抵抗効果素子と、第8の磁気抵抗効果素子とが第4の出力部を介して直列に接続された構成であり、前記ウェハは各磁気センサの領域に区分けされ、各領域にそれぞれ前記第1の磁気抵抗効果素子ないし前記第8の磁気抵抗効果素子の全ての磁気抵抗効果素子が配置されており、
    平面内にて直交する仮想直線の交点から4つの方向を順に0°、90°、180°、270°と設定したとき、
    前記ウェハに対して0°の方向に外部磁場を与えて、前記第1の磁気抵抗効果素子及び第6の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
    前記ウェハに対して90°の方向に外部磁場を与えて、前記第2の磁気抵抗効果素子及び前記第7の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
    前記ウェハに対して180°の方向に外部磁場を与えて、前記第3の磁気抵抗効果素子及び前記第8の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
    前記ウェハに対して270°の方向に外部磁場を与えて、前記第4の磁気抵抗効果素子及び前記第5の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
    前記各磁気センサをウェハから切り出す工程と、
    を有するものであり、
    あるいは、前記ウェハに対して0°の方向に外部磁場を与えて、前記第1の磁気抵抗効果素子及び第6の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
    前記ウェハに対して90°の方向に外部磁場を与えて、前記第2の磁気抵抗効果素子及び前記第7の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
    前記ウェハに対して180°の方向に外部磁場を与えて、前記第3の磁気抵抗効果素子及び前記第8の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
    前記ウェハに対して270°の方向に外部磁場を与えて、前記第4の磁気抵抗効果素子及び前記第5の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を固定する工程、
    前記各磁気センサを構成する前記領域をウェハから切り出す工程と、
    を有することを特徴とする回転検出装置の製造方法。
  4. 前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第6の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を0°の方向から90°の方向にθ1だけ傾いた方向とし、
    前記第2の磁気抵抗効果素子及び前記第7の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を90°の方向から0°の方向にθ1だけ傾いた方向とし、
    前記第3の磁気抵抗効果素子及び前記第8の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を180°の方向から270°の方向にθ1だけ傾いた方向とし、
    前記第4の磁気抵抗効果素子及び前記第5の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を270°の方向から180°の方向にθ1だけ傾いた方向とし、
    あるいは、
    前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第6の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を0°の方向から270°の方向にθ2だけ傾いた方向とし、
    前記第2の磁気抵抗効果素子及び前記第7の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を90°の方向から180°の方向にθ2だけ傾いた方向とし、
    前記第3の磁気抵抗効果素子及び前記第8の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を180°の方向から90°の方向にθ2だけ傾いた方向とし、
    前記第4の磁気抵抗効果素子及び前記第5の磁気抵抗効果素子の各感度軸方向を270°の方向から0°の方向にθ2だけ傾いた方向とする請求項3記載の回転検出装置の製造方法。
  5. 前記各磁気抵抗効果素子を、セルフピン止め型の磁気抵抗効果素子で形成する請求項3又は4に記載の回転検出装置の製造方法。
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