JP2014134435A - 肝細胞癌の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】体液中のマルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量または当該マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量に基づいて算出される値を指標とすることを特徴とする肝細胞癌の検出方法。
但し、当該マルチフコースを有するセロトランスフェリンとは、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖を、1分子あたり少なくとも1本もつセロトランスフェリンを表わす。
【選択図】図1
Description
自覚症状のない初期癌を発見するためには、画像診断よりも簡便でかつ費用の少ない血液検査が望ましいが、現在の癌マーカーは精度が不十分であるために、健常人が定期的に受ける健康診断では実施されていない。仮にこれを実施すると偽陽性と判定される健常者が続出し、彼らの追加検査(画像診断など)によっては病院の診断機能が麻痺してしまうためである。特に肝細胞癌の診断に使われるマーカーであるAFP、PIVKA−IIは慢性肝炎、肝硬変患者でも高値を示すため、再発モニターなど特別な用途にしか使われていないのが現状である。
また、セロトランスフェリンを血液中から単離し、その糖鎖をHPLC等で分析し、癌の進行との関係を解析している例もあるが(例えば、非特許文献4)、糖鎖一本あたりに結合するフコースの数までは詳しく解析がなされていない。
しかしながら、上述の文献に記載されているような従来の検出方法では、特異度も感度も不充分であった。これは、フコースの結合数に着目していないためと考えられる。上述のいずれの文献においても、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有する糖鎖をもつセロトランスフェリンが、糖鎖1本につき1つのフコースしか結合しないセロトランスフェリンに比べて癌を有意に判別ができる例を示したものはない。
(1)体液中のマルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量または当該マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量に基づいて算出される値を指標とすることを特徴とする肝細胞癌の検出方法。
但し、当該マルチフコースを有するセロトランスフェリンとは、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖を、1分子あたり少なくとも1本もつセロトランスフェリンを表わす。
(2)前記N結合型糖鎖の基本骨格が、3本分岐鎖または4本分岐鎖であることを特徴とする、(1)に記載の肝細胞癌の検出方法。
(3)前記N結合型糖鎖のフコース結合様式がルイスX型であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の肝細胞癌の検出方法。
(4)前記N結合型糖鎖が、少なくとも2つのシアル酸残基を有することを特徴とする、(1)〜(3)の何れかに記載の肝細胞癌の検出方法。
(5)前記N結合型糖鎖が、A3G3S2Fo2、A3G3S3Fo2、A3G3S3Fo3、A4G4S3Fo2、A4G4S4Fo2、A4G4S4Fo3
(但し、Aは分岐数、G はガラクトース数、Sはシアル酸数、FoはルイスX型フコー
ス数を示す。)よりなる群から選ばれる何れかの構造を有することを特徴とする、(1)〜(4)の何れかに記載の肝細胞癌の検出方法。
(6)前記N結合型糖鎖が、前記マルチフコースを有するセロトランスフェリンの、Asn432、およびAsn630よりなる群から選ばれる少なくとも一つの部位に結合していることを特徴とする、(1)〜(5)の何れかに記載の肝細胞癌の検出方法。
(7)体液中の糖タンパク質から、前記マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量を測定する工程を有することを特徴とする、(1)〜(6)の何れかに記載の肝細胞癌の検出方法。
(8)体液中の糖タンパク質から予めセロトランスフェリンを分離する工程、および、分離されたセロトランスフェリンに含まれる前記マルチフコースを有するセロトランスフェ
リンの存在量を測定する工程を有することを特徴とする、(1)〜(6)の何れかに記載の肝細胞癌の検出方法。
(9)前記マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量と、前記体液中の全セロトランスフェリンの総量との比を指標とすることを特徴とする、(1)〜(8)の何れかに記載の肝細胞癌の検出方法。
(10)前記マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量と、前記体液中の総糖タンパク質量との比を指標とすることを特徴とする、(1)〜(8)の何れかに記載の肝細胞癌の検出方法。
(11)マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量を測定し得る試薬を含んでいることを特徴とする、肝細胞癌検出用キット。
但し、当該マルチフコースを有するセロトランスフェリンとは、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖を、1分子あたり少なくとも1本もつセロトランスフェリンを表わす。
本発明の肝細胞癌マーカーは、マルチフコースを有するセロトランスフェリンであり、具体的には、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖を、1分子あたり少なくとも1本もつことを特徴とするセロトランスフェリンである。以下、本発明の肝細胞癌マーカーの、「糖鎖1本あたり少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖」、即ち、マルチフコースを有するN結合型糖鎖のことを「本発明の糖鎖部」と称する。
セロトランスフェリンは、前記N結合型糖鎖を含む糖鎖部分と、セロトランスフェリンから前記糖鎖部分を除いたタンパク質部分とを有するが、前記糖鎖部分と前記タンパク質部分の結合様式は、アスパラギンとN−グリコシド結合をなしている。
ク質部」と称する場合がある。)のアミノ酸配列としては、配列表1に記載の配列等が挙げられる。ただし、前記配列表1に記載のアミノ酸配列は、本発明の効果が得られる範囲内で変異が入っていてもよい。
本発明で検出すべきタンパク質部は、前記セロトランスフェリンのタンパク質部の全長でなくてもよく、その一部を構成するペプチドでもよい。前記タンパク質部の一部を構成するペプチドとは、後述する測定方法等で、セロトランスフェリンの一部であることが特定できるものであればいずれのものでもよい。
本発明の糖鎖部の具体的な構造としては、好ましくはA3G3S2Fo2、A3G3S3Fo2、A3G3S3Fo3、A4G4S3Fo2、A4G4S4Fo2、A4G4S4Fo3などが挙げられる。ここで、Aは分岐数、Gはガラクトース数、Sはシアル酸(N−アセチルノイラミン酸)数、Foはルイス型フコース数を示す。具体的な構造の好ましい例として、図1にA3G3S2Fo2の構造を、図2にA3G3S3Fo2の構造を、図3にA3G3S3Fo3の構造を、図4にA4G4S3Fo2の構造を、図5にA4G4S4Fo2の構造を、図6にA4G4S4Fo3の構造を示す。
本発明の肝細胞癌マーカーは、糖タンパク質1分子あたり本発明の糖鎖部を1本以上有していることを必須とするが、糖タンパク質1分子あたり2本以上の本発明の糖鎖部を有していてもよい。
上述した本発明の肝細胞癌マーカーとして、より好ましい構造は、セロトランスフェリンのAsn432にA3G3S2Fo2が結合した糖タンパク質、セロトランスフェリンのAsn630にA4G4S3Fo2が結合した糖タンパク質、セロトランスフェリンのAsn630にA4G4S4Fo3が結合した糖タンパク質、セロトランスフェリンのAsn630にA4G4S4Fo2が結合した糖タンパク質、セロトランスフェリンのAsn432にA3G3S3Fo2が結合した糖タンパク質、セロトランスフェリンのAsn630にA3G3S2Fo2が結合した糖タンパク質、セロトランスフェリンのAsn630にA3G3S3Fo2が結合した糖タンパク質、セロトランスフェリンのAsn630にA3G3S3Fo3が結合した糖タンパク質などが挙げられる。これらの中でも、セロトランスフェリンのAsn432にA3G3S2Fo2が結合した糖タンパク質、セロトランスフェリンのAsn630にA4G4S3Fo2が結合した糖タンパク質、セロトランスフェリンのAsn630にA4G4S4Fo3が結合した糖タンパク質、セロトランスフェリンのAsn630にA4G4S4Fo2が結合した糖タンパク質、セロトランスフェリンのAsn432にA3G3S3Fo2が結合した糖タンパク質が特に好ましい。
本発明の肝細胞癌検出方法は、被検動物から採取された体液中の、上述の本発明の肝細胞癌マーカー(マルチフコースを有するセロトランスフェリン、即ち、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖を、糖タンパク質1分子あたり少なくとも1本以上もつセロトランスフェリン)の存在量を測定し、マルチフコースを有するセロトランスフェリンまたは当該マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量に基づいて算出される値を指標として肝細胞癌を検出する方法である。つまり、体液中から、(i)タンパク質部がセロトランスフェリンのタンパク質部と一致すること、(ii)糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖(マルチフコースを有するN結合型糖鎖)を、糖タンパク質1分子あたり少なくとも1本以上有すること、という2つの条件を満たす糖タンパク質の存在量の測定し、必要に応じて解析を行なうことで検出する方法である。後述の具体的な測定方法に記載するように、上記(i)と(ii)とは、別工程として測定してもよいし、一つの工程で測定してもよく、上記(i)と(ii)の測定する順序にも特に制限はなく任意に設定することができる。
(1)体液中の糖タンパク質から、前記マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量を測定する工程を有することを特徴とする、肝細胞癌の検出方法。
(2)体液中の糖タンパク質から予めセロトランスフェリンを分離する工程、および、分離されたセロトランスフェリンに含まれる前記マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量を測定する工程を有することを特徴とする、肝細胞癌の検出方法。
るセロトランスフェリンの存在量の測定工程(B)」を含む方法等が挙げられる。なお、マルチフコース糖タンパク質の存在量の測定工程(B)としては、マルチフコース糖タンパク質全体を測定の対象としてもよいしマルチフコース糖タンパク質の糖鎖部分(本発明の糖鎖部)のみを測定の対象としてもよいが、本発明の糖鎖部のみを検出の対象とすることが好ましい。
前記セロトランスフェリン分離工程(A)としては、セロトランスフェリンを特異的に認識して、体液中のその他の糖タンパク質から分離し得る方法であればいずれのものでもよい。具体的には、抗セロトランスフェリン抗体を用いた免疫沈降法または抗体アフィニティーカラムによりセロトランスフェリンを分離する方法が挙げられる。
好ましく用いられる。ここで、ヒドラジン分解法を用いた場合には、ヒドラジン分解によって脱離したアセチル基を再アセチル化する必要があり、例えば、K. Tanabe et al., Anal.Biochem. 348 (2006) 324-6.記載の方法等を用いることができる。また、シアル酸は
検出を阻害することがあるため、必要に応じて、検出を容易にするためにノイラミニダーゼ等のシアル酸切断酵素を用いてシアル酸を切断してもよい。
して標識した糖鎖を誘導体化する方法として、標識にTMAPAを用いる場合は、例えば、M. Okamoto et al., Rapid Commun Mass Spectrom 9 (1995) 641-3.に記載の方法等が
用いられ、標識に2-アミノピリジンを用いる場合はY. Otake et al., J Biochem (Tokyo)
129 (2001) 537-42に記載の方法等が用いられる。
蛍光検出法を用いて検出する場合は、上述の2−アミノピリジンなどの蛍光物質で予め糖鎖を標識化する必要がある。蛍光検出法の検出条件は、検出対象とする本発明の糖鎖部を検出できるものであれば、特に限定されるものではない。2−アミノピリジンを標識化合物に使った場合は、励起光に波長280nm〜330nm、蛍光検出に波長350nm〜420nmを選択することが好ましい。
また、上述した方法の他、被検動物から採取された体液から、本発明の糖鎖部を有する糖タンパク質を分離する工程と、分離された本発明の糖鎖部をもつ糖タンパク質に含まれるセロトランスフェリンの存在量を測定する工程とを含む方法を用いることもできる。
上述の方法により、被検動物の体液中の本発明の肝細胞癌マーカーの存在量、または本発明の肝細胞癌マーカーの存在量に基づいて算出される値を指標として、該体液を提供した被検動物の肝細胞癌の可能性を判断することができる。
ば特に制限されるものではないが、他の癌マーカー値、生化学検査値、特定のタンパク質量や全タンパク質量、代謝物の発現量等が挙げられ、より具体的には、体液中の総糖タンパク質量(体液中に含まれる全ての糖タンパク質の存在量の総量をいう。)、体液中のセロトランスフェリンの総量(糖鎖の構造に関わらず、体液中に含まれるセロトランスフェリンの存在量の総量をいう。)、質量分析または蛍光検出器で検出した全ピークの合計面積などが挙げられる。中でも、本発明の肝細胞癌マーカーの存在量と、セロトランスフェリンの総量との比を指標とすることや、本発明の肝細胞癌マーカーの存在量と、体液中の総糖タンパク質量との比を指標とすることが好ましい。
また、本発明の肝細胞癌マーカーの肝細胞癌動物における存在量は、慢性肝炎を発症している動物における存在量よりも有意に多くなるという特徴があるため、肝細胞癌を慢性肝炎と区別して検出する際に好ましく用いられる。慢性肝炎とは、B型肝炎ウイルス(HBV)またはC型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで発症するウイルス性肝炎であり、将来的に肝硬変、肝細胞癌に発展する可能性が高い疾患である。
また、肝細胞癌予防薬もしくは治療薬を動物に投与した後に、該動物より採取された体液中の本発明の肝細胞癌マーカーの存在量を測定し、得られた本発明の肝細胞癌マーカーの存在量またはその値に基づき算出される値を指標とすることによって、該動物における肝細胞癌の予防もしくは治療効果の評価を行うこともできる。
)、フルオロウラシル(一般名)、シクロホスファミド(一般名)、ミトキサントロン(一般名)などが挙げられる。
さらに、肝細胞癌予防薬または治療薬の候補化合物を動物に投与した後に該動物より採取された体液中の本発明の肝細胞癌マーカーの存在量を測定し、該本発明の肝細胞癌マーカーの存在量またはそれから算出される値を指標とすることによって、該候補化合物の肝細胞癌の予防もしくは治療効果を評価することもできる。
ここで用いる候補化合物としては、低分子化合物でもよいし、ペプチドやタンパク質などであってもよい。また、評価対象の動物として好ましくはヒトである。
本発明の肝細胞癌検出用測定キットまたは肝細胞癌検出用測定装置(以下、「本発明のキット」または「本発明の装置」と称する場合がある。)とは、マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量を測定し得る試薬を含んでいることを特徴とする、肝細胞癌検出用キットまたは装置である。但し。当該マルチフコースを有するセロトランスフェリンとは、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖を、1分子あたり少なくとも1本もつセロトランスフェリンを表わす。
血清サンプルから得られた糖ペプチドについて液体クロマトグラフィー(Agilent HP1200、Agilent technologies社製)および質量分析装置(Q-TOF 6520、Agilent technologies社製。MSMS測定が可能。)を用いて以下の条件で測定を行なった。
液体クロマトグラフィーのカラムはイナートシルODS4(内径1.5mm,長さ100mm,粒径2μm)を用いた。溶離液にはA液:0.1%ギ酸水溶液,B液:0.1%ギ酸、90%アセトニトリル水溶液を使用し、40分間かけてB液比率を10%から56%まで直線的に変化させた後、さらに10分間B液比率を56%に維持した。カラムオーブン温度は40℃、流速は0.1ml/分とした。質量分析はネガティブモードとし、キャピラリーボルテージ:4000V,ネブライザーガス量:45psi,ドライガス10L/分(350℃)にて測定した。
前記質量分析装置を用いたペプチド同定を目的としたMSMS測定のコリジョンエネル
ギーは各ペプチドに応じて20eV〜70eV間で最適化した。
肝臓疾患患者および類縁疾患患者の血清中に存在するセロトランスフェリンの糖鎖の検出および存在量の測定
インフォームドコンセントを取得した血清を東京大学医科学研究所バイオバンクより入手した。はじめに、入手した血清サンプルを以下のグループに分類した。
グループ1:非癌患者・健常者グループ 105名
(健常者または糖尿病患者35名、慢性肝炎患者(B型肝炎)26名、慢性肝炎患者(C型肝炎)25名、肝硬変患者17名が含まれる。)
グループ2:肝細胞癌患者グループ 44名
次に、質量分析装置で取得した個々のピーク面積から発現量を換算し、グループ2(肝細胞癌患者)の血清サンプルのセロトランスフェリンに由来する糖ペプチド発現量と、グループ1(非癌患者・健常者)の血清サンプルのセロトランスフェリンに由来する糖ペプチド発現量とを比較した。糖鎖構造の異なるセロトランスフェリンそれぞれについてROC曲線を作成の上、AUC値を算出した。その結果を表1に示す。さらに、表1に記載の全てのセロトランスフェリン由来の糖ペプチドを、結合しているフコース数により分類し、それぞれのROC曲線のAUCを求めた(表2)。
なお、AUC値は以下のようにして算出した。
癌患者と識別できる場合)は左上の頂点を通る線となる。AUC(Area Under
Curve)値とは、ROCカーブにより区切られた正方形の右下部分の面積のことである(感度=1、特異度=1のときにAUCは1となる)。
本発明の肝細胞癌マーカーと既存マーカーAFPとの性能比較
実施例1で用いたグループ1(非癌患者・健常者)から27名とグループ2(肝細胞癌患者)から29名を選択し、実施例1と同一の条件で糖ペプチドを得て、上述の方法によりLC−MSを用いて分析を行なった。
Claims (11)
- 体液中のマルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量または当該マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量に基づいて算出される値を指標とする
ことを特徴とする肝細胞癌の検出方法。
但し、当該マルチフコースを有するセロトランスフェリンとは、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖を、1分子あたり少なくとも1本もつセロトランスフェリンを表わす。 - 前記N結合型糖鎖の基本骨格が、3本分岐鎖または4本分岐鎖である
ことを特徴とする、請求項1に記載の肝細胞癌の検出方法。 - 前記N結合型糖鎖のフコース結合様式がルイスX型である
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の肝細胞癌の検出方法。 - 前記N結合型糖鎖が、少なくとも2つのシアル酸残基を有する
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の肝細胞癌の検出方法。 - 前記N結合型糖鎖が、A3G3S2Fo2、A3G3S3Fo2、A3G3S3Fo3、A4G4S3Fo2、A4G4S4Fo2、A4G4S4Fo3
(但し、Aは分岐数、G はガラクトース数、Sはシアル酸数、FoはルイスX型フコー
ス数を示す。)よりなる群から選ばれる何れかの構造を有する
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の肝細胞癌の検出方法。 - 前記N結合型糖鎖が、前記マルチフコースを有するセロトランスフェリンの、Asn432、およびAsn630よりなる群から選ばれる少なくとも一つの部位に結合していることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の肝細胞癌の検出方法。
- 体液中の糖タンパク質から、前記マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量を測定する工程を有する
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の肝細胞癌の検出方法。 - 体液中の糖タンパク質から予めセロトランスフェリンを分離する工程、
および、分離されたセロトランスフェリンに含まれる前記マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量を測定する工程を有する
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の肝細胞癌の検出方法。 - 前記マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量と、前記体液中の全セロトランスフェリンの総量との比を指標とする
ことを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の肝細胞癌の検出方法。 - 前記マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量と、前記体液中の総糖タンパク質量との比を指標とする
ことを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の肝細胞癌の検出方法。 - マルチフコースを有するセロトランスフェリンの存在量を測定し得る試薬を含んでいることを特徴とする、肝細胞癌検出用キット。
但し、当該マルチフコースを有するセロトランスフェリンとは、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖を、1分子あたり少なくとも1本もつセロトランスフェリンを表わす。
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