本発明に係る空気調和機は、室内機を備える空気調和機であって、前記室内機は、貫流式送風機と、前記貫流式送風機を囲むように配置された熱交換器ユニットとを備え、前記熱交換器ユニットは、フィンチューブ式熱交換器であり、風上面が前記室内機の前面側に向くように配置された前部熱交換器と、風上面が前記室内機の裏面側に向くように配置された後部熱交換器とを備え、前記前部熱交換器の少なくとも一部は、1列の伝熱管を備える熱交換器をM層(Mは2以上の自然数)積層して構成され、前記後部熱交換器は、1列の伝熱管を備える熱交換器をN層(NはMより小さい自然数)積層して構成されている。
この構成によれば、前部熱交換器の少なくとも一部は1列の伝熱管を備える熱交換器をM層(Mは2以上の自然数)積層して構成され、後部熱交換器は1列の伝熱管を備える熱交換器をN層(NはMより小さい自然数)積層して構成されているので、1つの熱交換器に2列の伝熱管を備える従来の空気調和機と比べて、各層の熱交換器が備える伝熱管の間の熱伝導を効果的に抑えることができ、熱損失を低減させることができる。その結果、空気調和機の暖房能力又は冷房能力を向上させることができる。
また、前記構成によれば、前部熱交換器の伝熱管の列数が後部熱交換器の伝熱管の列数よりも少なくなるので、前部熱交換器には流速の遅い空気が供給され、空気の流速が遅くなる後部熱交換器には流速の速い空気が供給されることになる。これにより、前部熱交換器を流れる空気の流速と後部熱交換器を流れる空気の流速との差異を小さくすることができ、騒音の発生を抑えることができる。
なお、前記室内機は、前記熱交換器ユニットの表面で生じる凝縮水を受ける水受け皿をさらに備え、前記前部熱交換器の前記水受け皿の底面に近接する部分は、1列の伝熱管を備える熱交換器をQ層(QはMより小さい自然数)積層して構成されることが好ましい。
水受け皿の近傍領域は、当該水受け皿によって空気の流れが妨げられるため、空気の流速が比較的遅くなる領域である。前記構成によれば、前部熱交換器の水受け皿の底面に近接する部分(水受け皿の近傍領域内の部分)における熱交換器の層数を、前部熱交換器のその他の部分における熱交換器の層数よりも少なくなるようにしている。これにより、前部熱交換器の水受け皿の底面に近接する部分と水受け皿とが接触することを抑えて、当該接触により騒音が発生することを抑えることができる。また、前記構成によれば、冷媒の流れ経路が短縮されるので、圧力損失を低下させて、熱交換能力を向上させることができる。その結果、空気調和機の暖房能力又は冷房能力を向上させることができる。
また、前記空気調和機の暖房モード運転時において入口配管となる配管は、前記前部熱交換器の前記貫流式送風機に近接する最内層の熱交換器に接続され、前記空気調和機の暖房モード運転時において出口配管となる配管は、前記前部熱交換器の前記貫流式送風機から離れた最外層の熱交換器に接続されることが好ましい。この構成によれば、伝熱管を流れる冷媒の距離を最大化させることが可能となり、前記入口配管となる配管と前記出口配管となる配管とが接近して配置されたとしても、空気調和機の暖房能力又は冷房能力が低下することを抑えることができる。
また、前記前部熱交換器の前記M層の熱交換器のそれぞれが備える伝熱管は、前記前部熱交換器の厚み方向に整列しないように互いにずれて配置され、前記後部熱交換器の前記N層の熱交換器のそれぞれが備える伝熱管は、前記後部熱交換器の厚み方向に整列しないように互いにずれて配置されることが好ましい。この構成によれば、前部熱交換器の各層の熱交換器と後部熱交換器の各層の熱交換器とは、十分に空気と熱交換を行うことができ、空気調和機の暖房能力又は冷房能力をさらに高めることができる。
また、前記前部熱交換器の前記貫流式送風機から離れた最外層の熱交換器の外表面は、当該外表面と対向する前記水受け皿の室内機前方側の内表面から4mm以上離れていることが好ましい。この構成によれば、前部熱交換器の最外層の熱交換器の外表面に発生した凝縮水をより確実に水受け皿に流れ込ませることができ、凝縮水が飛び散ることを抑えることができる。
また、前記前部熱交換器の前記水受け皿の底面に近接する部分の最下端部は、前部熱交換器のその他の部分の最下端部よりも下方に位置することが好ましい。この構成によれば、水受け皿の近傍領域の熱交換性能を高めることができる。
また、前記熱交換器ユニットが備える複数の熱交換器のうち、積層方向に隣接する2つの熱交換器の一方には第1端板が固定され、当該2つの熱交換器の他方には第2端板が固定され、前記第1端板又は前記第2端板のいずれか一方には、前記第1端板又は前記第2端板のいずれか他方に向かって延び当該他方に固定される固定部が設けられることが好ましい。この構成によれば、積層方向に隣接する2つの熱交換器の位置関係を維持することができ、それらの熱交換器の間に隙間を設けるなどしてそれらの熱交換器が備える伝熱管の間の熱伝導を効果的に抑えることができ、熱損失を効果的に低下させることができる。その結果、空気調和機の暖房能力又は冷房能力をさらに高めることができる。
また、前記固定部は、前記第1端板又は前記第2端板のいずれか他方が固定される熱交換器が備える伝熱管の間に配置されることが好ましい。この構成によれば、固定部と伝熱管とが干渉することを抑えることができる。
また、前記固定部は、ボルトにより前記第1端板又は前記第2端板のいずれか他方に固定されることが好ましい。この構成によれば、簡単な構造で固定部を前記第1端板又は前記第2端板のいずれか他方に固定することができる。
また、積層方向に隣接する2つの熱交換器の間に2mm以下(より好ましくは、1mm以下)の隙間があることが好ましい。この構成によれば、当該2つの熱交換器が接触しないので、それらの熱交換器が備える伝熱管の間の熱伝導を効果的に抑えることができ、熱損失を一層低減させることができる。その結果、空気調和機の暖房能力又は冷房能力をさらに高めることができる。
なお、特開平9−264555号公報には、前部熱交換器の貫流式送風機に近接する内表面で発生した凝縮水の排水構造については何ら開示されておらず、当該公報に記載の熱交換器ユニットでは、前記内表面で発生した凝縮水を受け皿へうまく流すことができず、貫流式送風機によって当該凝縮水が室内に吹き込まれることが起こり得る。
このため、前記前部熱交換器の前記貫流式送風機に近接する最内層の熱交換器は、内部に伝熱管が貫通されたフィンを複数段に折り曲げて形成されることが好ましい。この構成によれば、前部熱交換器の貫流式送風機に近接する内表面で発生した凝縮水を水受け皿へより確実に流すことができ、当該凝縮水が室内へ飛び散ることを抑えることができる。
また、前記最内層の熱交換器の互いに隣接する段の熱交換器の間の切り口には、当該栗口に流れ込んだ凝縮水を前記水受け皿へ案内するための間隙部が形成されることが好ましい。この構成によれば、前部熱交換器の貫流式送風機に近接する内表面以外で発生した凝縮水も水受け皿へより確実に流すことができ、当該凝縮水が室内へ飛び散ることを一層抑えることができる。
なお、前記間隙部は、例えば、前記切り口の形状に合わせて前記切り口に嵌合される間隙部本体と、前記切り口の上方に位置する熱交換器の底面に沿って延びるように形成された上部ガイド部と、前記切り口の下方に位置する熱交換器の外表面に沿って延びるように形成された下ガイド部とを備えるように構成すればよい。
また、前記切り口は、例えば、前記フィンの厚さ方向のほぼ中央部に当該フィンの長さ方向に沿って配列されるように複数の切断深度制限孔を形成し、前記フィンの厚さ方向の端部から前記切断深度制限孔まで前記厚さ方向に前記フィンを切断し、当該切断した部分を基準として折り曲げることにより形成される。
なお、前部熱交換器の上端部と後部熱交換器の上端部との間に隙間がある場合、空気が当該隙間を通過して冷媒と熱交換されないことが起こり得る。
このため、前記前部熱交換器の上端部のフィンと前記後部熱交換器の上端部のフィンとが互いに当接するように、前記前部熱交換器の上端部と前記後部熱交換器の上端部とに固定される上端部固定部材をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、前部熱交換器の上端部と後部熱交換器の上端部との間に隙間が発生することをより確実に防止し、空気が当該隙間を通過して冷媒と熱交換されないことを抑えることができる。
また、前記上端部固定部材は、板状の本体部を備え、前記本体部は、前記本体部に一端部に設けられ、前記前部熱交換器の前記貫流式送風機から離れた最外層の熱交換器の上端部に位置する伝熱管の外周面に係合する円弧状の第1内周面を有する第1爪部と、前記本体部の他端部に設けられ、前記第1内周面と対向するように設けられ且つ前記後部熱交換器の前記貫流式送風機から離れた最外層の熱交換器の上端部に位置する伝熱管の外周面に係合する円弧状の第2内周面を有する第2爪部とを備えるように構成されることが好ましい。この構成によれば、前部熱交換器の上端部と後部熱交換器の上端部との間に隙間が発生することをより確実に防止し、空気が当該隙間を通過して冷媒と熱交換されないことを抑えることができる。
また、前記上端部固定部材は、さらに、当該上部固定部材が前記前部熱交換器の上端部と前記後部熱交換器の上端部とに固定されるときに、前記前部熱交換器の上端部と前記後部熱交換器の上端部よりも上方に位置する部分に、前記本体部の厚み方向に突出するように設けられた加力部を備えることが好ましい。この構成によれば、加力部を押圧することで、上端部固定部材を前部熱交換器の上端部と後部熱交換器の上端部とに、より確実に固定することができる。
また、前記上端部固定部材は、当該上端部固定部材が前記前部熱交換器の上端部と前記後部熱交換器の上端部とに固定されるときに、前記前部熱交換器よりも前方に突出するガイド部を備えることが好ましい。この構成によれば、空気フィルタ網が前部熱交換器の前方を覆うように取り付けられるとき、当該空気フィルタ網が、前部熱交換器よりも先にガイド部に接触することになる。これにより、空気フィルタ網が前部熱交換器を傷つけることを抑えることができる。
また、前記上端部固定部材は、前記前部熱交換器の天井部と前記後部熱交換器の天井部との隙間を覆うように前記本体部に一体成形された被覆部材を備えることが好ましい。この構成によれば、被覆部材により、前部熱交換器の上端部と後部熱交換器の上端部との間に隙間が発生することをより確実に防止し、空気が当該隙間を通過して冷媒と熱交換されないことを抑えることができる。
また、前記上端部固定部材の構成材料としては、弾性材料が使用されることが好ましい。この場合、上端部固定部材の弾性変形を利用して第1爪部と第2爪部との間隔を微調整することができ、前部熱交換器の上端部と後部熱交換器の上端部とをより堅固に固定することができる。
なお、空気調和機に用いられる熱交換器ユニットは、通常、長さ方向の長さが長く、特にその中間部分が自重によって変形しやすい。熱交換器ユニットが変形した場合、当該熱交換器ユニットから騒音や振動が発生するなどの問題が生じ得る。
このため、前記前部熱交換器の前記貫流式送風機から離れた最外層の熱交換器である第M層熱交換器の最下端部は、当該第M層熱交換器に対して積層方向に隣接する第M−1層熱交換器の最下端部よりも上方に位置し、前記第M層熱交換器の下端部に位置する伝熱管と前記第M−1層熱交換器の下端部に位置する伝熱管とにそれぞれ係合して、前記第M層熱交換器の下端部と前記第M−1層熱交換器の下端部とを固定する下端部固定部材をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、熱交換器ユニットの変形を抑えることができ、熱交換器ユニットから騒音や振動が発生することを抑えることができる。
また、前記下端部固定部材は、板状の本体部を備え、前記本体部は、前記本体部に一端部に設けられ、第M層熱交換器の下端部に位置する伝熱管の外周面に係合する円弧状の第1内周面を有する第1爪部と、前記本体部の他端部に設けられ、前記第1内周面と対向するように設けられ且つ第M−1層熱交換器の下端部に位置する伝熱管の外周面に係合する円弧状の第2内周面を有する第2爪部とを備えるように構成されることが好ましい。この構成によれば、熱交換器ユニットの変形をより確実に抑えることができ、熱交換器ユニットから騒音や振動が発生することをより確実に抑えることができる。
また、前記下端部固定部材は、当該下端部固定部材が前記第M層熱交換器の下端部と前記第M−1層熱交換器の下端部とを固定するとき、前記第M層熱交換器の最下端部よりも下方に突出するように形成された位置制限部をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、位置制限部が熱交換器ユニットよりも水受け皿の近くに位置することになるので、当該位置制限部により、熱交換器ユニットが水受け皿に接触することを抑えることができる。その結果、熱交換器ユニットが水受け皿に接触することによる騒音の発生を抑えることができる。
なお、前記位置制限部と前記水受け皿との間隔は1mm以下であることが好ましく、前記位置制限部と前記水受け皿とは接触していることがより好ましい。この場合、水受け皿によって位置制限部を支持することができ、第M層熱交換器の下端部と第M−1層熱交換器の下端部とをより確実に固定することができる。
なお、前記下端部固定部材の構成材料としては、弾性材料が使用されることが好ましい。この場合、下端部固定部材の弾性変形を利用して第1爪部と第2爪部との間隔を微調整することができ、第M層熱交換器の下端部と第M−1層熱交換器の下端部とをより堅固に固定することができる。
なお、特開平7−260177号公報には、熱交換器ユニットの側面に端板を固定した空気調和機が記載されている。この空気調和機において、端板には、少なくとも2箇所の切り込み部又は切欠部が設けられるとともに、当該切り込み部又は切欠部の両側に係止部と係合部とが設けられている。前記空気調和機においては、前記端板を切り込み部又は切欠部で折り曲げた状態で係止部と係合部とを係合させることで、折り曲げ角度が維持されるようにしている。
しかしながら、特開平7−260177号公報に記載の空気調和機では、係止部と係合部とを係合させる作業が必要であるので、作業員の負担が大きい。また、当該空気調和機の運搬時に、係合部が容易に破損し、不良品が発生してしまうという課題もある。
このため、前記熱交換器ユニットの側面には、端板ユニットが固定され、前記端板ユニットは、前記前部熱交換器の側面に固定された前部端板と、前記後部熱交換器の側面に固定された後部端板と、前記前部端板と前記後部端板との位置関係を維持するように前記前部端板と前記後部端板とに固定された接続端板とを備えることが好ましい。
この構成によれば、前部端板と後部端板とに接続端板を固定することにより、前部端板と後部端板との位置関係を維持することができるので、前述したような係止部と係合部とを係合させる作業を行う必要性を無くすことができる。また、係合部が破損することもないので、不良品の発生を抑えることができる。さらに、前部端板と後部端板とが変形したり、分離したりすることを抑えることができる。
なお、前記前部熱交換器の前記貫流式送風機に近接する最内層の熱交換器は、内部に伝熱管が貫通するフィンを複数段に折り曲げて形成され、当該最内層の熱交換器の側面に固定される前記前部端板も複数段に折り曲げて形成されていることが好ましい。この構成によれば、前部熱交換器の貫流式送風機に近接する内表面で発生した凝縮水を水受け皿へより確実に流すことができ、当該凝縮水が室内へ飛び散ることを抑えることができる。
また、前記前部端板は、前記最内層の熱交換器に固定される内側前部端板と、前記最内層の熱交換器に外側で隣接する熱交換器に固定される外側前部端板とを備え、前記内側前部端板と前記外側前部端板とが固定されていることが好ましい。この構成によれば、前部熱交換器の取り付け誤差を減少させることができる。
また、前記接続端板の上部には、頂角が前記前部熱交換器と前記後部熱交換器との接続部分が成す角度と一致する三角部が形成され、前記接続端板の下部には、前記最内層の熱交換器の内表面に沿って延びる前部延伸部と、前記後部熱交換器の前記貫流式送風機に近接する内表面に沿って延びる後部延伸部とが形成されていることが好ましい。この構成によれば、前記前部端板と前記後部端板とが変形することを抑えて、両者の位置関係をより確実に維持することができる。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、ここでは、同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態に係る空気調和機は、室内機1と室外機(図示せず)とを備えている。室内機1は、通常、室内の壁に取り付けられるものである。
図3は、本発明の第1実施形態に係る空気調和機の室内機1の概略構成を示す断面図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係る空気調和機の室内機1が備える熱交換器ユニットの概略構成を示す正面図である。図5は、本発明の第1の実施形態に係る空気調和機の室内機1が備える熱交換器ユニットの概略構成を示す側面図である。
図3に示すように、室内機1は、室内機本体10と、熱交換器ユニット20と、貫流式送風機30と、水受け皿40とを備えている。貫流式送風機30は、室内機本体10の天井部に設けられた吸い込み口から空気を取り入れ、当該取り入れた空気を熱交換器ユニット20に流して熱交換を行い、当該熱交換によって加熱又は冷却された空気を吹き出し口から室内へ送風するものである。水受け皿40は、熱交換器ユニット20の表面で生じる凝縮水を受けるものである。
また、図3に示すように、室内機1の内部には、貫流式送風機30を囲むように(例えば、貫流式送風機30の上部及び前部を囲むように)熱交換器ユニット20が形成されている。熱交換器ユニット20は、フィンチューブ式熱交換器である。熱交換器ユニット20は、風上面が室内機1の前面側に向くように配置された前部熱交換器201と、風上面が室内機1の裏面側に向くように配置された後部熱交換器202とを備えている。ここで、「風上面」とは、図3の矢印に示すように、吸い込みグリルを通じて室内機1の内部に吸い込まれた空気が、最初に前部熱交換器201又は後部熱交換器202と接触する面をいう。
具体的には、前部熱交換器201は、貫流式送風機30側に配置された第1層熱交換器203と、第1層熱交換器203の風上面に積層された第2層熱交換器205とを備えている。第1層熱交換器203は、内部に伝熱管Kが貫通されたフィンを複数段に折り曲げて形成されている。すなわち、第1層熱交換器203は、第1段熱交換器207と第2段熱交換器208と第3段熱交換器206とを備えるように形成されている。第2層熱交換器205は、第4段熱交換器209と第5段熱交換器210とを備えている。第4段熱交換器209は、第1段熱交換器207上に積層されている。第5段熱交換器210は、第2段熱交換器208上に積層されている。第1〜第5段熱交換器206〜210は、それぞれ1列の伝熱管Kを備える熱交換器である。
また、後部熱交換器202は、1列の伝熱管Kを備える熱交換器により構成されている。
本第1実施形態に係る空気調和機によれば、前部熱交換器201の少なくとも一部は1列の伝熱管Kを備える熱交換器を2層積層して構成され、後部熱交換器202は1列の伝熱管Kを備える1層の熱交換器で構成されているので、1つの熱交換器に2列の伝熱管を備える従来の空気調和機と比べて、各層の熱交換器が備える伝熱管の間の熱伝導を効果的に抑えることができ、熱損失を効果的に低下させることができる。その結果、空気調和機の暖房能力又は冷房能力を向上させることができる。
また、本第1実施形態に係る空気調和機によれば、前部熱交換器201の少なくとも一部における熱交換器の層数が後部熱交換器202における熱交換器の層数よりも多いので、空気調和機の前部の熱交換能力を強化することができ、空気調和機の暖房能力又は冷房能力を向上させることができる。
また、本第1実施形態に係る空気調和機によれば、前部熱交換器201の伝熱管Kの列数が後部熱交換器202の伝熱管Kの列数よりも少なくなるので、前部熱交換器201には流速の遅い空気が供給され、空気の流速が遅くなる後部熱交換器202には流速の速い空気が供給されることになる。これにより、前部熱交換器201を流れる空気の流速と後部熱交換器202を流れる空気の流速との差異を小さくすることができ、騒音の発生を抑えることができる。
また、本第1実施形態に係る空気調和機によれば、前部熱交換器201の貫流式送風機30に近接する最内層の熱交換器である第1層熱交換器203は、複数段に折り曲げて形成されているので、前部熱交換器201の最内層の熱交換器の内表面で発生した凝縮水を水受け皿40へより確実に流すことができ、当該凝縮水が室内へ飛び散ることを抑えることができる。
なお、前部熱交換器201の水受け皿40の底面に近接する部分は、1列の伝熱管Kを備える熱交換器を、前部熱交換器201のその他の部分よりも少ない層積層して構成されることが好ましい。水受け皿40の近傍領域は、当該水受け皿40によって空気の流れが妨げられるため、空気の流速が比較的遅くなる領域である。本第1実施形態においては、前部熱交換器201の水受け皿40の底面に近接する部分(水受け皿40の近傍領域内の部分)における熱交換器の層数を1層(第3段熱交換器206のみ)とし、前部熱交換器201のその他の部分における熱交換器の層数(第1及び第4段熱交換器207,209、あるいは、第2及び第5段熱交換器208,210の2層)よりも少なくなるようにしている。この構成によれば、前部熱交換器201の水受け皿40の底面に近接する部分と水受け皿40とが接触することを抑えて、当該接触により騒音が発生することを抑えることができる。また、前記構成によれば、冷媒の流れ経路が短縮されるので、圧力損失を低下させて、熱交換能力を向上させることができる。その結果、空気調和機の暖房能力又は冷房能力を向上させることができる。
また、図5に示すように、空気調和機の暖房モード運転時において入口配管となる配管51,52は、それぞれ前部熱交換器201の貫流式送風機30に近接する最内層の熱交換器である第1層熱交換器203に接続されることが好ましい。また、空気調和機の暖房モード運転時において出口配管となる配管53は、前部熱交換器201の貫流式送風機30から離れた最外層の熱交換器である第2層熱交換器205に接続されることが好ましい。この構成によれば、伝熱管Kを流れる冷媒の距離を最大化させることが可能となり、配管51,52と配管53とが接近して配置されたとしても、空気調和機の暖房能力又は冷房能力が低下することを抑えることができる。
また、図6に示すように、前部熱交換器201と後部熱交換器202とは、互いに交差するように配置され、後部熱交換器202と垂直方向Yとが成す角度αは0<α≦40°であることが好ましく、第1段熱交換器207と垂直方向Yとが成す角度βは0<β≦40°であることが好ましい。換言すれば、後部熱交換器202と第1段熱交換器207とが成す角度は0<α+β≦80°であることが好ましい。α,βを前述の範囲内に設定することによって、後部熱交換器202及び前部熱交換器201と周辺部材とが干渉することを抑えることができる。
また、図7に示すように、前部熱交換器201において、第1層熱交換器203が備える伝熱管Kと第2層熱交換器205が備える伝熱管Kとは、前部熱交換器201の厚み方向に整列しないように互いにずれて配置されることが好ましい。この構成によれば、第1層熱交換器203と第2層熱交換器205とは、十分に空気と熱交換を行うことができ、空気調和機の暖房能力又は冷房能力をさらに高めることができる。
また、図7に示すように、第1段熱交換器207と第2段熱交換器208とは、貫流式送風機30に近接する内表面が連続するように接続されることが好ましい。この構成によれば、第1段熱交換器207の貫流式送風機30に近接する内表面で発生した凝縮水Sを、第2段熱交換器208の貫流式送風機30に近接する内表面を経由して水受け皿40内に流れ込ませることができ、凝縮水Sが飛び散ることを抑えることができる。
また、第1段熱交換器207と第2段熱交換器208とが成す角度γは、140°−β≦γ≦180°であることが好ましい。γ=180°の場合、第1段熱交換器207と第2熱交換器208とは、一体化される。
また、図7に示すように、第2段熱交換器208と第3段熱交換器206とは、貫流式送風機30に近接する内表面が連続するように接続されることが好ましい。この構成によれば、第2段熱交換器208の貫流式送風機30に近接する内表面で発生した凝縮水Sを、第3段熱交換器206の貫流式送風機30に近接する内表面を経由して水受け皿40内に流れ込むことができ、凝縮水Sが飛び散ることを抑えることができる。
また、第2段熱交換器208と第3段熱交換器206とがなす角度δは、320°−β−γ≦δ≦180°であることが好ましい。この構成によれば、第3段熱交換器206の貫流式送風機30に近接する内表面を流れる凝縮水Sをより確実に水受け皿40に流れ込ませることができる。
また、図7に示すように、前部熱交換器201の最外層の熱交換器である第2層熱交換器205の外表面205Sは、当該外表面205Sと対向する水受け皿40の室内機前方側の内表面40Sから4mm以上離れていることが好ましい。この構成によれば、第2層熱交換器205の外表面205Sに発生した凝縮水Sをより確実に水受け皿40に流れ込ませることができ、凝縮水Sが飛び散ることを抑えることができる。
また、図7に示すように、前部熱交換器201の水受け皿40の底面に近接する部分である第3段熱交換器206の最下端部206aは、前部熱交換器201の第2層熱交換器205の最下端部205aよりも下方に位置することが好ましい。この構成によれば、水受け皿40の近傍領域の熱交換性能を高めることができる。
また、第1層熱交換器203と第2層熱交換器205との間には、隙間が存在してもよい。この場合、第1層熱交換器203と第2層熱交換器205とが備える伝熱管Kの間の熱伝導をより効果的に抑えることができ、熱損失を一層低減させることができる。なお、この隙間の長さは、2mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。
また、第1層熱交換器203と第2層熱交換器205とは接触していてもよい。この場合でも、第1層熱交換器203と第2層熱交換器205とが独立して構成されているので、従来の熱交換器ユニットよりも第1層熱交換器203と第2層熱交換器205との間の熱伝導を抑えることができる。
次に、図8〜図14を参照しながら、熱交換器ユニット20の製造方法について説明する。図8〜図12は、熱交換器ユニット20の製造方法を示す断面図である。図13は、熱交換器ユニット20を加工するための治具折り曲げ台400の概略構成を示す側面図である。図14は、熱交換器ユニット20の加工完了後の状態を示す斜視図である。
まず、図8に示すように、1列の伝熱管Kが内部に挿入された長尺のフィンを複数枚用意し、各フィンを組み合わせて真っ直ぐな熱交換器ユニット、すなわちフィンの組み合わせを作成する。また、各フィンの折曲部B,Cにおけるフィンの厚さ方向のほぼ中央部に、それぞれ切断深度制限孔Rを形成する。2つの切断深度制限孔Rは、フィンの長さ方向に沿って配列されるように形成する。さらに、フィンの厚さ方向の端部から切断深度制限孔Rまで、フィンの厚さ方向に切り目Fを形成する。
次いで、治具カッター(図示せず)を用いて、図8に示す切断位置A,D,Eで前記作成した真っ直ぐなフィンの組み合わせをフィンの厚さ方向に切断し、4つのフィンの組み合わせQ1〜Q4を得る。
次いで、治具カッター(図示せず)を用いて、フィンの組み合わせQ1の2つの切り目Fを完全に切断する。
次いで、図13に示す治具折り曲げ台400を用いて、フィンの組み合わせQ1を折曲部B,Cで折り曲げ、3段に折り曲げられたフィンの組み合わせを得る。なお、このとき、フィンの組み合わせQ1に形成した切断深度制限孔Rにより、フィンの組み合わせQ1の折り曲げに利用されるフィンの接続部分の広さを確保することができる。
次いで、図14に示すように、フィンの組み合わせQ2を治具折り曲げ台400に載せ、図11に示すように、3段に折り曲げられたフィンの組み合わせQ1の端面にフィンの組み合わせQ2を接続する。
次いで、図14に示すように、フィンの組み合わせQ1上にフィンの組み合わせQ3を積層するとともに、フィンの組み合わせQ1上にフィンの組み合わせQ4を積層して、図12に示すフィンの組み合わせQ1〜Q4を得る。これにより、熱交換器ユニット20を得ることができる。
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態に係る空気調和機について説明する。本第2実施形態に係る空気調和機が前記第1実施形態に係る空気調和機と異なる点は、熱交換器ユニット20に代えて熱交換器ユニット20’を備えている点である。図15は、本第2実施形態に係る空気調和機の室内機が備える熱交換器ユニットの概略構成を示す斜視図である。
図15に示すように、本第2実施形態に係る熱交換器ユニット20’は、フィンチューブ式熱交換器である。熱交換器ユニット20‘は、風上面が室内機1の前面側に向くように配置された前部熱交換器201’と、風上面が室内機1の裏面側に向くように配置された後部熱交換器202’とを備えている。
具体的には、前部熱交換器201’は、貫流式送風機30側に配置された第1層熱交換器203’と、第2層熱交換器204’と、第3層熱交換器205’とを備えている。第1層熱交換器203’は、複数段に折り曲げて形成されている。第2層熱交換器204’は2つに分割され、第1層熱交換器203’の風上面に積層されている。第3層熱交換器205’は2つに分割され、第2層熱交換器204’の風上面に積層されている。第1〜第3層熱交換器203’〜205’は、それぞれ1列の伝熱管を備える熱交換器である。
また、前部熱交換器201の水受け皿40の底面に近接する部分は、2層の熱交換器208’,209’を積層して構成され、前部熱交換器201のその他の部分は、3層の熱交換器を積層して構成されている。
また、後部熱交換器202’は、貫流式送風機30側に配置された第1層熱交換器206’と、第1層熱交換器206’の風上面に積層された第2層熱交換器207’とを備えている。第1及び第2層熱交換器206’,207’は、それぞれ1列の伝熱管を備える熱交換器である。
本第2実施形態に係る空気調和機によっても、前記第1実施形態に係る空気調和機と同様の効果を実現することができる。
《第3実施形態》
本発明の第3実施形態に係る空気調和機について説明する。本第3実施形態に係る空気調和機が前記第1実施形態に係る空気調和機と異なる点は、熱交換器ユニット20において積層方向に隣接する2つの熱交換器が互いに固定されている点である。図16は、本第3実施形態に係る空気調和機の室内機が備える熱交換器ユニットの概略構成を示す側面図である。
図16に示すように、前部熱交換器201の第1層熱交換器203には、第1端板51が固定され、第1層熱交換器203に隣接する第2層熱交換器205には、第2端板52が固定されている。
また、第2端板52には、第1端板51に向かって延びる固定部53が設けられている。固定部53は、ボルト54などの締結部材により第1端板51に固定されている。
本第3実施形態に係る空気調和機によれば、積層方向に隣接する2つの熱交換器203,205が互いに固定されているので、当該2つの熱交換器203,205の位置関係を維持することができ、それらの熱交換器203,205の間に隙間を設けるなどしてそれらの熱交換器203,205が備える伝熱管の間の熱伝導を効果的に抑えることができ、熱損失を一層低減させることができる。その結果、空気調和機の暖房能力又は冷房能力をさらに高めることができる。
なお、固定部53は、第1層熱交換器203の内部に設けられた伝熱管の間(すなわち、伝熱管が配置されていない部分)に配置されることが好ましい。この構成によれば、固定部53と伝熱管とが干渉することを抑えることができる。
なお、固定部53は、第2端板52に設けられることに限定されるものではなく、例えば、第1端板52に設けられてもよい。この場合、第2端板51に向かって延びる固定部を第1端板51に設け、当該固定部がボルト54などの締結部材により第2端板52に固定されるようにすればよい。この場合でも、同様の効果を得ることができる。
《第4実施形態》
本発明の第4実施形態に係る空気調和機について説明する。本第4実施形態に係る空気調和機が前記第1実施形態に係る空気調和機と異なる点は、第1段熱交換器207と第2段熱交換器208との間の切り口Lに、凝縮水Sを案内する間隙部60が形成されている点である。図17は、本第4実施形態に係る空気調和機の室内機の概略構成を示す断面図である。図18は、図17の点線で囲まれた領域Hの拡大図である。
図18に示すように、間隙部60は、切り口Lの形状に合わせて切り口Lに嵌合される間隙部本体601と、切り口Lの上方に位置する第2層熱交換器205の底面205Dに沿って延びるように形成された上部ガイド部602と、切り口Lの下方に位置する第1層熱交換器203の外表面に沿って延びるように形成された下部ガイド部603とを備えている。
本第4実施形態に係る空気調和機が冷房モードで運転されるとき、室内機本体10の天井部に設けられた吸い込み口から室内機本体10内に空気が取り入れられる。このとき、空気と熱交換器ユニット20との間には、温度差(空気の温度が比較的高く、熱交換器ユニット20の温度が比較的低い)がある。このため、空気中の水分が熱交換器ユニット20の表面で液化して、凝縮水Sが発生し得る。
図17に示すu部で発生した凝縮水Sは、第1層熱交換器203の内表面に沿って水受け皿40へ流れる。図17に示すv部で発生した凝縮水Sは、間隙部60の間隙部本体601に沿って水受け皿40へ流れる。図17に示すw部で発生した凝縮水Sのうち流速が比較的速い部分は、第2層熱交換器205の外表面に沿って水受け皿40へ流れる。一方、図17に示すw部で発生した凝縮水Sのうち流速が比較的遅い部分は、間隙部60の上ガイド部602及び下ガイド部603に沿って水受け皿40へ流れる。
図17に示すx部で発生した凝縮水Sは、第1層熱交換器203の内表面に沿って水受け皿40へ流れる。図17に示すy部で発生した凝縮水Sのうち流速が比較的速い部分は、第2層熱交換器205の外表面に沿って水受け皿40へ流れる。一方、図17に示すy部で発生した凝縮水Sのうち流速が比較的遅い部分は、第2段熱交換器208と第3段熱交換器206との間の切り口へ流れる。図17に示すz部で発生した凝縮水Sは、第2層熱交換器205の外表面に沿って水受け皿40へ流れる。
従って、本第4実施形態に係る空気調和機によれば、u部〜z部で発生した凝縮水Sをより確実に水受け皿40へ流すことができ、凝縮水が水受け皿40の外側や室内へ飛び散ることを一層抑えることができる。これにより、本第4実施形態に係る空気調和機から漏水が発生することを防止することができる。
なお、前記では、間隙部60は、第1段熱交換器207と第2段熱交換器208との間の切り口Lのみに設けたが、本発明はこれに限定されない。間隙部60は、第1段熱交換器207と第2段熱交換器208との間の切り口L、又は、第2段熱交換器208と第3段熱交換器206との間の切り口の少なくとも一方に設ければよい。
《第5実施形態》
本発明の第5実施形態に係る空気調和機について説明する。本第5実施形態に係る空気調和機が前記第1実施形態に係る空気調和機と異なる点は、前部熱交換器201の上端部と後部熱交換器202の上端部とに固定される上端部固定部材70をさらに備える点である。図19は、本第5実施形態に係る空気調和機の室内機が備える熱交換器ユニットの概略構成を示す斜視図である。図20は、図19の熱交換器ユニットの一部拡大断面図である。図21は、図19の熱交換器ユニットが備える固定部材の概略構成を示す斜視図である。
図19に示すように、上端部固定部材70は、前部熱交換器201の上端部のフィン201Qと後部熱交換器202の上端部のフィン202Qとが互いに当接するように、前部熱交換器201の上端部と後部熱交換器202の上端部とに固定されている。また、上端部固定部材70は、熱交換器ユニット20の幅方向に所定のピッチで複数設けられている。
図20又は図21に示すように、上端部固定部材70は、板状の本体部701を備えている。本体部701は、第1爪部702と、第2爪部703とを備えている。第1爪部702は、本体部701の一端部に設けられ、円弧状の第1内表面702Sを有している。第1内表面702Sは、第2層熱交換器205の上端部に位置する伝熱管Kの外表面に係合するように形成されている。第2爪部703は、本体部701の他端部に設けられ、円弧状の第2内表面703Sを有している。第2内表面703Sは、第1内表面702Sと対向するように設けられ、後部熱交換器202の上端部に位置する伝熱管Kの外表面に係合するように形成されている。上端部固定部材70は、第1爪部702の第1内表面702Sが第2層熱交換器205の上端部に位置する伝熱管Kの外表面に係合し、第2爪部703の第2内表面703Sが後部熱交換器202の上端部に位置する伝熱管Kの外表面に係合することにより、前部熱交換器201の上端部と後部熱交換器202の上端部とに固定される。
また、図21に示すように、上端部固定部材70は、当該上部固定部材70が前部熱交換器201の上端部と後部熱交換器202の上端部とに固定されるときに、両上端部よりも上方に位置する部分に、本体部701の厚み方向に突出するように設けられた加力部705を備えている。
また、図21に示すように、上端部固定部材70は、当該上端部固定部材70が前部熱交換器201の上端部と後部熱交換器202の上端部とに固定されるときに、前部熱交換器201よりも前方に突出するガイド部(リブ部)707を備えている。
また、図20に示すように、上端部固定部材70は、前部熱交換器201の天井部と後部熱交換器202の天井部との隙間を覆うように本体部701に一体成形された被覆部材708を備えている。
本第5実施形態に係る空気調和機によれば、上端部固定部材70により、前部熱交換器201の上端部と後部熱交換器202の上端部との間に隙間が発生することをより確実に防止し、空気が当該隙間を通過して冷媒と熱交換されないことを抑えることができる。
また、本第5実施形態に係る空気調和機によれば、加力部705を押圧することで、上端部固定部材70の第1及び第2爪部702,703を伝熱管Kの外表面により容易に係合させることができ、上端部固定部材70を前部熱交換器201の上端部と後部熱交換器202の上端部とに、より確実に固定することができる。
また、本第5実施形態に係る空気調和機によれば、図22に示すように、空気フィルタ網80が前部熱交換器201の前方を覆うように取り付けられるとき、当該空気フィルタ網80が、前部熱交換器201よりも先にガイド部707に接触することになる。これにより、空気フィルタ網80が前部熱交換器201を傷つけることを抑えることができる。
また、本第5実施形態に係る空気調和機によれば、被覆部材708を備えることにより、前部熱交換器201の上端部と後部熱交換器202の上端部との間に隙間が発生することをより確実に防止し、空気が当該隙間を通過して冷媒と熱交換されないことを抑えることができる。
なお、上端部固定部材70の構成材料としては、弾性材料が使用されることが好ましい。この場合、上端部固定部材70の弾性変形を利用して第1爪部702と第2爪部703との間隔を微調整することができる。これにより、例えば、第1爪部702と第2爪部703との間隔が第2層熱交換器205の伝熱管Kと後部熱交換器202の伝熱管Kとの間隔よりも小さかったとしても、第1爪部702と第2爪部703との間隔が広がるように弾性変形させて、第1爪部702を第2層熱交換器205の伝熱管Kに係合させるとともに、第2爪部703を後部熱交換器202の伝熱管Kに係合させることができる。また、当該係合させた後においては、上端部固定部材70の弾性回復力により、第2層熱交換器205の上端部と後部熱交換器202の上端部とをより堅固に固定することができる。
《第6実施形態》
本発明の第6実施形態に係る空気調和機について説明する。本第6実施形態に係る空気調和機が前記第1実施形態に係る空気調和機と異なる点は、第2層熱交換器205の最下端部と第1層熱交換器203の最下端部とを固定する下端部固定部材90をさらに備える点である。図23は、本第6実施形態に係る空気調和機の室内機が備える下端部固定部材近傍の概略構成を示す断面図である。図24は、図23の下端部固定部材の概略構成を示す断面図である。
図23に示すように、第2層熱交換器(第M層熱交換器)205の最下端部205aは、第1層熱交換器(第M−1層熱交換器)の最下端部206aよりも上方に位置している。
図24に示すように、下端部固定部材90は、板状の本体部901を備えている。本体部901は、第1爪部902と、第2爪部903とを備えている。第1爪部902は、本体部901の一端部に設けられ、円弧状の第1内表面902Sを有している。第1内表面902Sは、第2層熱交換器205の下端部に位置する伝熱管Kの外表面に係合するように形成されている。第2爪部903は、本体部901の他端部に設けられ、円弧状の第2内表面903Sを有している。第2内表面903Sは、第1内表面902Sと対向するように設けられ、第1層熱交換器203の下端部に位置する伝熱管Kの外表面に係合するように形成されている。下端部固定部材90は、第1爪部902の第1内表面902Sが第2層熱交換器205の下端部に位置する伝熱管Kの外表面に係合し、第2爪部903の第2内表面903Sが第1層熱交換器203の下端部に位置する伝熱管Kの外表面に係合することにより、第2層熱交換器205の下端部と第1層熱交換器203の下端部とを固定する。
本第6実施形態に係る空気調和機によれば、第2層熱交換器205の下端部と第1層熱交換器203の下端部とを下端部固定部材90により固定するようにしているので、第1層及び第2層熱交換器203,205の変形を抑えることができ、第1及び第2熱交換器203,205から騒音や振動が発生することを抑えることができる。
なお、下端部固定部材90は、当該下端部固定部材90が第1及び第2層熱交換器203,205の下端部を固定するときに、第2層熱交換器205の最下端部205aよりも下方に突出するように形成された位置制限部906をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、位置制限部906が第1層及び第2層熱交換器203,205よりも水受け皿40の近くに位置することになるので、当該位置制限部906により、第1層及び第2層熱交換器203,205が水受け皿40に接触することを抑えることができる。その結果、第1層及び第2層熱交換器203,205が水受け皿40に接触することによる騒音の発生を抑えることができる。
なお、位置制限部906と水受け皿40との間隔は1mm以下であることが好ましく、位置制限部906と水受け皿40とは接触していることがより好ましい。この場合、水受け皿40によって位置制限部906を支持することができ、第1及び第2層熱交換器203,205の下端部をより確実に固定することができる。
なお、下端部固定部材90の構成材料としては、弾性材料が使用されることが好ましい。この場合、下端部固定部材90の弾性変形を利用して第1爪部902と第2爪部903との間隔を微調整することができる。これにより、例えば、第1爪部902と第2爪部903との間隔が第2層熱交換器205の伝熱管Kと第1層熱交換器203の伝熱管Kとの間隔よりも小さかったとしても、第1爪部902と第2爪部903との間隔が広がるように弾性変形させて、第1爪部902を第2層熱交換器205の伝熱管Kに係合させるとともに、第2爪部903を第1層熱交換器203の伝熱管Kに係合させることができる。また、当該係合させた後においては、下端部固定部材90の弾性回復力により、第1及び第2層熱交換器203,205の下端部をより堅固に固定することができる。
《第7実施形態》
本発明の第7実施形態に係る空気調和機について説明する。本第7実施形態に係る空気調和機が前記第1実施形態に係る空気調和機と異なる点は、熱交換ユニット20の側面に端板ユニット100が固定されている点である。図25は、本第7実施形態に係る空気調和機の室内機が備える端板ユニットの概略構成を示す側面図である。
図25に示すように、端板ユニット100は、後部端板101と、前部端板102〜106と、接続端板107とを備えている。各端板101〜107は、例えば、板金により構成されている。
後部端板101は、後部熱交換器202の側面に固定されている。前部端板102〜106は、前部熱交換器201の側面に固定されている。より具体的には、前部端板102は第1段熱交換器207の側面に固定され、前部端板103は第2段熱交換器208の側面に固定され、前部端板104は第3段熱交換器206の側面に固定されている。すなわち、前部端板102〜104は、第1層熱交換器203の形状に対応するように、複数段に折り曲げて形成されている。これにより、前部熱交換器201の最内層の熱交換器の内表面で発生した凝縮水を水受け皿40へより確実に流すことができ、当該凝縮水が室内へ飛び散ることを抑えることができる。
また、前部端板105は、第4段熱交換器209の側面に固定され、前部端板106は第5段熱交換器210の側面に固定されている。接続端板107は、後部端板101と前部端板102〜106との位置関係を維持するように後部端板101と前部端板102〜106とに固定されている。
図26は、端板ユニット100を作成する前の、後部端板201と前部端板202〜206とが真っ直ぐにつながった状態を示す側面図である。
図26に示すように、前部端板102と前部端板103との間、及び前部端板103と前部端板104との間には、それぞれ接続部111が設けられている。接続部111の長さは、例えば約1mmである。前部端板101と前部端板102との間、前部端板104と前部端板105との間、及び前部端板105と前部端板106との間には、それぞれ切断部112が設けられている。
2枚の端板ユニット100(後部端板201と前部端板202〜206とが真っ直ぐにつながった状態)の間に、図8で説明した折り曲げ前のフィンを複数枚、配置する。そして、端板ユニット100、フィンのそれぞれに設けられた複数の孔に複数の伝熱管Kを挿入する。伝熱管Kを機械拡管又は液圧拡管を行うことによって、伝熱管Kの外径を拡大させ、伝熱管Kとフィン、端板とを密着させ、接合する。
その後、後部端板101、前部端板105、及び前部端板106は、切断部112で切断されることにより、前部端板102〜104から分離される。この際、図8を用いて説明したように、フィンも切断位置A,D,Eで切断する。そして、前部端板102、前部端板103、前部端板104は、図9、図10、図13を用いて説明したように、フィンとともに折り曲げられる。
図27は、後部端板101と前部端板102〜106とを組み合わせた状態を示す側面図である。
図27に示すように、前部端板102〜104は、互いに切り離されることなく折り曲げられる。その後、前部端板102上に前部端板105が配置され、両者が互いに固定される。また、前部端板103上に前部端板106が配置され、両者が互いに固定される。前部端板102と前部端板105とは、例えば、前部端板102にネジ穴を設けるとともに前部端板105にネジ穴を有する突出部を設け、それらのネジ穴を通じてボルトなどの締結部材を第1段熱交換器207の側面にネジ込むことにより固定することができる。同様に、前部端板103と前部端板106とは、例えば、前部端板103にネジ穴を設けるとともに前部端板106にネジ穴を有する突出部を設け、それらのネジ穴を通じてボルトなどの締結部材を第2段熱交換器208の側面にネジ込むことにより固定することができる。このようにして、前部熱交換器201の側面に前部端板102〜106を固定することにより、前部熱交換器201の取り付け誤差を減少させることができる。
図28は、接続端板107の側面図である。
図28に示すように、接続端板107の上部には、三角部121が形成されている。三角部121の頂角は、前部熱交換器201と後部熱交換器202との接続部分が成す角度と一致している。言い換えれば、三角部121の頂角は、後部端板101と前部端板102との接続部分が成す角度と一致している。
接続端板37の下部には、第1層熱交換器203の内表面に沿って延びる前部延伸部122と、後部熱交換器202の内表面に沿って延びる後部延伸部123とが形成されている。前部延伸部122を第1層熱交換器203に固定するとともに、後部延伸部123を後部熱交換器202に固定することにより、前部端板102〜104と後部端板101とが変形することを抑えて、両者の位置関係をより確実に維持することができる。
接続端板37と後部端板101とは、例えば、後部端板101にネジ穴を設けるとともに、三角部121及び後部延伸部123にネジ穴を有する突出部121aを設け、それらのネジ穴を通じてボルトなどの締結部材を後部熱交換器202の側面にネジ込むことにより固定することができる。なお、接続端板37と後部端板101との固定は、例えば、三角部121に係合部121bを設け、当該係合部121bを後部端板101に係合させた状態で行うことが好ましい。これにより、接続端板37と後部端板101とを位置ズレを抑えてしっかりと固定することができる。
接続端板37と前部端板102とは、例えば、接続端板37にネジ穴122aを設け、前述した前部端板102と前部端板105とを固定する締結部材を、当該ネジ穴122aを通じて第1段熱交換器207の側面にネジ込むことにより固定することができる。また、接続端板37と前部端板103とは、例えば、接続端板37にネジ穴122bを設け、前述した前部端板103と前部端板106とを固定する締結部材を、当該ネジ穴122bを通じて第2段熱交換器208の側面にネジ込むことにより固定することができる。また、接続端板37と前部端板104とは、例えば、接続端板37にネジ穴122cを設けるとともに、前部端板104にネジ穴を設け、それのネジ穴を通じてボルトなどの締結部材を第3段熱交換器206の側面にネジ込むことにより固定することができる。なお、接続端板37と前部端板102〜104との固定は、例えば、三角部121に係合部121cを設け、当該係合部121cを前部端板102に係合させた状態で行うことが好ましい。これにより、接続端板37と前部端板102〜104とを位置ズレを抑えてしっかりと固定することができる。
なお、係合部121b,121cとネジ穴121a,122a,122b,122cの設置位置及び設置個数は、これらに限定されるものではなく、接続端板37と後部端板101及び前部端板102〜104とを堅固に接続することができる位置及び個数であればよい。
なお、前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
以上、本発明に係る空気調和機の実施形態について説明したが、本発明に係る空気調和機は前記実施形態に限定されるものではなく、当業者は本発明の要旨と範囲を逸脱しない場合、必要に応じて本発明を変形又は変更することが可能である。この変形と変更もすべて本発明の範囲内に含まれる。