JP2014125833A - リップ溝形鋼用取付部材、その施工方法、及びそれを用いた外装構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】取付部材1は、上フランジ62から上歯621が、下フランジ63から下歯631がそれぞれ開口部64に臨むリップ溝形鋼からなる構造材6に内外装材を敷設するための部材で、組付状態において構造材6の側面に並立して構造材6の上方へ延在し、構造材6の開口部64から内部に位置させる足部分2、構造材6の上面に位置させる腕部分3、構造材6の側面に並立させる胴部分4、上端の頭部分5とからなるフレーム固定部10と構造材6に対する規制手段3を備え、胴部分4と足部分2との境には、上方が開放する上方係止溝421及び下方が開放する下方係止溝422を設け、上方係止溝421が構造材6の上歯621に、下方係止溝422が構造材6の下歯631に位置するよう固定し規制手段3にて一体的に固定する。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、C型鋼やL型鋼である屋根下地材(構造材)の下向き片に掛止する第1金具と、構造材上に配設する第2金具とをボルトナットにて一体化した固定金具が記載されている。
また、特許文献2には、上部取付部材と下部取付部材とからなるボルトナットにて一体化して取付具とし、該取付具を、受金具にボルトナットにて一体的に固定してL型鋼である構造材に取り付けた構造が記載されている。
また、締め付けに際し、ボルト自体は各部材などに組み付けられていても、その先端に締め付けるナットは、作業者が作業場まで持ち運んで取り付ける必要があるため、部材管理が面倒であった。さらに、作業場である高所からナットや治具が落下する可能性があるため、作業上の危険があった。
前記フレーム固定部は、組付状態において構造材の側面に並立すると共に構造材の上方へ延在し、構造材の開口部からその内部に位置させる足部分と、構造材の側面に並立させる胴部分と、上端の頭部分とからなり、前記胴部分と前記足部分との境には、上方が開放する上方係止溝及び下方が開放する下方係止溝を設けた構成である。
足部分は、配設状態において、構造材の開口部からその内部に位置させる部位である。
この足部分は、胴部分との境に、それぞれ外側に向かって開放する2つの係止溝(上方係止溝、下方係止溝)を有する構成であり、上方係止溝よりさらに上方に位置する部位を上足部とし、下方係止溝よりさらに下方に位置する部位を下足部とする。前記上方係止溝は構造材の上歯に、下方係止溝は下歯に係止する(食い込むように固定させる)ものであるから、各係止溝の底部間の距離は、上歯と下歯との距離とほぼ同一に又は僅かに大きく形成しておくことが望ましい。前者の寸法が後者の寸法より小さい場合には、仮に弾性的な付勢によって固定されても緩い嵌合状態となってしまい、ズレ動く等の不具合が生じ易いからである。
胴部分は、配設状態において構造材の側面から構造材の上方まで延在する部位である。
この胴部分は、構造材の側面に並立すると共に構造材の上面から突出する主幹部分となっている。
頭部分は、前記胴部分の上方に形成され、配設状態において上端に位置させる部位である。
この頭部分には、例えば後述する図示実施例のように外装材を保持するための形状(保持部)を設けることが好ましく、別途作成した保持部材をこの頭部分に一体的に固定するようにしてもよい。この保持部としては、取り付ける折板屋根の構造に応じた形状を適宜に選択すればよく、特に限定するものではない。
この第1実施例における胴部分4は、図1(a)に示すように縦長の正面壁41の左右に中空部を挟んで対向する側壁42,42が設けられる略コ字状(略U字状)の金属枠体とした。そして、前記側壁42は、後述する足部分2を除いて長さ方向(上下方向)に亘って略同一幅であるため、この胴部分4は略四角筒状に形成され、フレーム固定部10の回転を妨げるものではない。
この第1実施例における足部分2は、図1(a)に示すように前記側壁42,42から同一面状に延在する内側部分であり、胴部分4との境には上方が開放する上方係止溝421及び下方が開放する下方係止溝422が形成され、前記上方係止溝421の上方に位置する部位を上足部21とし、前記下方係止溝412の下方に位置する部位を下足部22とした。
この第1実施例における腕部分3は、図1(a)に示すように前記側壁42,42の高さ方向の略中央付近の奥端から外側へ延在する片状部分であって、その上端は略水平状に、その下端は傾斜状に形成され、基端側が広幅で外側に向かって狭くなるように形成されている。
この第1実施例における頭部分5は、外装材7を保持する保持部を設けた構成であり、この保持部は、図1(a)に示すように前記側壁42,42の高さ方向の上端の奥端外側へ延在する略扇状の受片51,51が形成され、該受片51,51の内側上端及び外側上端をそれぞれ前方へ折曲して被載置片52,52及び傾斜受支片53,53とし、傾斜受支片53,53とその下方に形成される空間とで被係合部54,54を形成している構成である。
まず、図示(1)の状態は、構造材6に対して取付部材1を傾倒状に臨ませ、下歯631上に左側の側壁42の下方係止溝422をあてがいつつ、開口部64から足部分2を内部に位置させた状態である。この状態で構造材6の上歯621には、取付部材1の右側の側壁42の上方係止溝421が緩くあてがわれつつある。なお、一点鎖線で囲った部位Xは、下歯631に下方係止溝422をあてがった部分であり、回転の支点となる。
そして、図示(3)の状態は、取付部材1の頭部分5又は胴部分4を持って、破線矢印で示すように取付部材1を時計回りに回転(回動)させた状態であり、構造材6の上歯621に取付部材1の左右の側壁42の上方係止溝421,421が食い込むと共に、下歯631に左右の側壁の42の下方係止溝431,431が食い込んで強固に取り付けられている。
なお、図示(2)の状態は、前記(1)と(3)の中間の状態であって、取付部材1を回転する時に構造材6の上下の歯621,631の距離が一時的に開いた状態であって、この構造材6のスプリングバックによって取付部材1を固定することができる。
さらに、前記構成のキャップ材8を、隣接する外装材7,7に跨るように配設し、上方から押圧するだけで覆い部81が拡開状に変形して嵌合部82,82が前記外装材の係合部721,721の外側に弾性的に嵌合して取り付けられる。
まず、図3(a)では断面略L字片状に腕部分(規制手段)3Aを形成し、前記第1実施例と同様に構造材6の上フランジ62側へ折り曲げて横片部分31を構造材6の上フランジ62に面状に係止でき、より安定且つ一体的に固定することができる。
図3(b)では、略中央に補助孔32を形成した略矩形状片に腕部分(規制手段)3Bを形成し、先端が前記補助孔32より大径の治具(図示せず)をあてがった状態で前記第1実施例と同様に構造材6の上フランジ62側へ折り曲げることにより、静かに且つ容易に腕部分3Bを上フランジ62に係止でき、一体的に固定することができる。
図3(c)では、腕部分(規制手段)4C自体は前記第1実施例とほぼ同様であるが、胴部分4の側壁42に補助孔423を設け、その上面図に示すようにこの補助孔423に棒状治具9を挿入して矢印方向に倒すことにより、静かに且つ容易に腕部分4Cを上フランジ62に係止でき、一体的に固定することができる。
図4(a)では、腕部分3Dを内側へ複数形成し、胴部分4の正面壁41に補助孔411を設け、その平面図及び側面図に示すようにこの補助孔411に棒状治具9を挿入して矢印方向に倒すことにより、静かに且つ容易に腕部分4Fを上フランジ62に係止でき、一体的に固定することができる。
図4(b)では、腕部分3Eを内側へ形成し、胴部分4の正面壁41に補助孔411を設け、その側面図に示すようにこの補助孔411に棒状治具9を挿入して矢印方向に倒すことにより、静かに且つ容易に腕部分4Eを上フランジ62に係止でき、一体的に固定することができる。
また、図4(c)では、腕部分3Fを側壁42に切り起こし片にて形成したものであって、敷設状態で図中に矢印で示すように上フランジ62の上歯621の先端(下端)に当接する係止され、一体的に固定することができる。
なお、図4(d)は、足部分2'を前記正面壁41と略平行状に形成した例であり、左右の側壁42,42の先端を外側へ向かって略垂直状に設曲して形成した例である。
10 フレーム固定部
2 足部分
21 上足部
22 下足部
3,3A〜3F 規制手段(腕部分)
4 胴部分
41 正面壁
42 側壁
421 上方係止溝
422 下方係止溝
5 頭部分
6 構造材(リップ溝形鋼)
61 ウエブ部
62 上フランジ
621 上歯
63 下フランジ
631 下歯
64 開口部
7 外装材
71 面板部
72 側縁成形部
721 係合部
722 傾斜状部
733 載置部
734 第二係合部
8 キャップ材
81 覆い部
82 嵌合部
Claims (5)
- 上フランジから上歯が、下フランジから下歯がそれぞれ開口部に臨むリップ溝形鋼からなる構造材に内外装材等を敷設するために用いる取付部材であって、
前記取付部材は、組付状態において構造材の側面に並立すると共に構造材の上方へ延在し、構造材の開口部からその内部に位置させる足部分と、構造材の側面に並立させる胴部分と、上端の頭部分とからなるフレーム固定部と、構造材に対する規制手段と、を備え、前記胴部分と前記足部分との境には、上方が開放する上方係止溝及び下方が開放する下方係止溝を設け、
上方係止溝が構造材の上歯に、下方係止溝が構造材の下歯に位置するように固定すると共に規制手段にて一体的に固定することを特徴とするリップ溝形鋼用取付部材。 - 規制手段は、胴部分から延在する腕部分を構造材に係止するものであることを特徴とする請求項1に記載のリップ溝形鋼用取付部材。
- フレーム固定部は、中空部を挟んで左右の側壁が対向する枠体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリップ溝形鋼用取付部材。
- 上フランジから上歯が、下フランジから下歯がそれぞれ開口部に臨むリップ溝形鋼からなる構造材に請求項1〜3の何れか一項に記載の取付部材を取り付け固定し、隣り合う取付部材間に外装材を配し、外装材の側縁成形部を取付部材の頭部分に取り付けてなることを特徴とする外装構造。
- 上フランジから上歯が、下フランジから下歯がそれぞれ開口部に臨むリップ溝型鋼からなる構造材に請求項1〜3の何れか一項に記載の取付部材を取り付ける施工方法であり、
フレーム固定部の足部分を傾倒状に構造材の開口部に配し、下歯の所定箇所に下方係止溝を係止した状態で回転させることにより、上方係止溝を構造材の上歯に位置させると共に規制手段にて一体的に固定することを特徴とするリップ溝形鋼用取付部材の施工方法。
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