JP2014124858A - 射出成形機の射出装置及び射出成形方法、並びに、樹脂替え方法 - Google Patents

射出成形機の射出装置及び射出成形方法、並びに、樹脂替え方法 Download PDF

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昭男 岡本
Kazuaki Miyamoto
和明 宮本
Katsutoshi Fukano
克俊 深野
Yuichiro Fukuda
裕一郎 福田
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Abstract

【課題】全高及び全幅の増加を抑え、可塑化工程、計量工程及び射出充填工程の際、これら各工程に関係のない樹脂流路への溶融樹脂の逆流や流動を防止すると共に、樹脂替えが容易な射出成形機の射出装置及び射出成形方法、並びに、樹脂替え方法を提供する。
【解決手段】スクリュを同軸の二重スクリュ構造とし、内側の第2スクリュ17を外側の第1スクリュ16の後方に突出させて、それぞれのスクリュに、第1樹脂流路10及び第2樹脂流路11を形成させると共に、第1樹脂流路10と第2スクリュ17の逆止リング18より射出ノズル13側の空間とを連通する連絡樹脂流路21及び該連絡樹脂流路に配置される樹脂流路開放・遮断機構22により、いずれの樹脂流路で可塑化させた樹脂材料も、逆止リング18が配置される第2スクリュ17により、計量し、射出充填させることができる射出成形機の射出装置によって達成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂の射出成形機に用いる射出装置及び射出成形方法、並びに樹脂替え方法に関する。
一般的な射出成形機の射出装置は、その外周面に電気ヒータ等の加熱手段を配置させ、一方の端部に射出ノズルを、他方の端部に材料供給ホッパ等の材料供給部を備える加熱シリンダと、その加熱シリンダ内に、その長手軸中心に回転可能に、且つ、該軸方向に移動可能に配置されるスクリュとで構成される。また、スクリュの外周面には、加熱シリンダの内周面とスクリュの外周面との間に形成される樹脂流路において、スクリュを回転させることにより、材料供給部から供給された樹脂ペレット等の樹脂材料を射出ノズル側に流動させるフライトが連続して形成される。フライトの形状やサイズは、材料供給部側から射出ノズル側へ、樹脂材料の供給(流動)、圧縮、計量を行えるようそれぞれの仕様に設計されている。説明を簡単にするために、加熱シリンダの射出ノズル側を射出装置の”前方”、材料供給部側を”後方”とし、スクリュや樹脂材料等のそれぞれの方向への移動を”前進”及び”後退”とする。
更に、スクリュの前方端部にはスクリュヘッドが配置され、スクリュヘッドとスクリュとの間には、逆止リング(チェックリングとも呼称される)が、スクリュの長手軸方向に所定量移動可能に配置される。材料供給部から供給された樹脂ペレット等の樹脂材料は、スクリュが回転され、フライトにより前方に流動される間に、加熱シリンダの外周面に配置された加熱手段の熱エネルギに加えて、フライトの回転力によるせん断熱の熱エネルギにより溶融状態となる(可塑化工程)。そして、溶融状態となった樹脂材料(溶融樹脂)は、その流動による樹脂圧力により、逆止リングを前方に移動させ、樹脂流路を開放状態にすると共に、スクリュヘッドの溝部を経由して射出ノズル及びスクリュヘッド間に到達する。この時、射出ノズルは、射出ノズルもしくは、射出ノズルがドッキングしている固定金型の樹脂流入口に配置されている樹脂遮断開放切換弁等により閉じられた状態であるため、射出ノズル及びスクリュヘッド間に到達した溶融樹脂の樹脂圧力はスクリュヘッドにも作用し、スクリュ全体を後退させる。この後退に連動して形成される、加熱シリンダ内の射出ノズル及びスクリュヘッド間の空間に同溶融樹脂が連続して貯留される。この空間が拡張され、所定量の溶融樹脂が貯留されるまで、スクリュの回転とスクリュ全体の後退とが継続され、逆止リングの開放状態が維持される(計量工程)。この溶融樹脂が貯留される空間を貯留部と呼称する。
射出ノズル及びスクリュヘッド間の貯留部に所定量の溶融樹脂が貯留された後、スクリュの回転を停止させ、スクリュを所定速度及び所定力で前進させると、この溶融樹脂は、後方の樹脂流路へ逆流する溶融樹脂の樹脂圧力により逆止リングを後方へ移動させ、加熱シリンダの内周面とスクリュの外周面との間に形成される樹脂流路及びスクリュヘッド間をシールして、後方の樹脂流路への溶融樹脂の逆流を防止すると共に、射出ノズルを介して、射出ノズルをドッキングさせた固定金型及び可動金型内に形成される金型キャビティに射出充填される(射出充填工程)。
このような射出装置はインラインスクリュ式射出装置と呼称される。インラインスクリュ式射出装置は、先に説明したように、加熱シリンダ後方の材料供給部から供給された樹脂材料を、スクリュの回転により樹脂流路において前方に流動させる間に可塑化させる。そのため、樹脂材料の色替えや、その種類を変更する樹脂替えを行う場合、射出ノズル側の、ほとんど可塑化されて溶融状態の樹脂材料から、材料供給部近傍の、まだ可塑化されていない未溶融状態の樹脂材料まで、加熱シリンダ内の残留樹脂材料をすべて排出させる必要がある。このような残留樹脂材料の排出は、材料供給部に供給された前の樹脂材料が、すべて加熱シリンダから排出されるまで射出成形サイクルを継続させ、その排出が確認された後、必要あれば加熱シリンダ内の清掃を行い、新たな色や種類の樹脂材料を材料供給部に供給させる、あるいは、前の樹脂材料に引き続き、材料供給部に新たな色や種類の樹脂材料を供給して射出成形サイクルを継続させ、樹脂成形品の色や樹脂種類が完全に切り替わるまでの樹脂成形品を不良品として廃棄する、等の方法で行われる。そのため、樹脂材料の色替えや樹脂替えに時間が掛かったり、移行中に不良品が多く成形されたりするという問題が指摘されている。
また、内層用樹脂が表層用樹脂に内包される樹脂成形品を成形するサンドイッチ成形や、色や種類の異なる複数の樹脂材料を使用する多層・多色成形においては、1つの射出ノズルに複数の可塑化装置を備える射出装置や、複数の射出装置に共通の射出ノズルを備える射出装置が使用される。このように複数の可塑化装置や射出装置が配置される射出成形機においては、先の色替えや樹脂替えが、更に大きな問題となるだけでなく、射出装置の大型化という新たな問題が生じる。
このようなインラインスクリュ式射出装置の問題を解決するために、特許文献1や特許文献2のような射出成形機の射出装置が提案されている。
特許文献1には、1個の溶融樹脂射出用ノズル(射出ノズル)を有し、樹脂材料供給口に夫々ホッパ(材料供給部)を備えた複数個の第1加熱バレル(加熱シリンダ)を一体的に設けたブロックシリンダと、前記第1加熱バレル内に夫々回転及び軸方向の進退が自在に挿着され、前記ホッパから供給された樹脂材料を溶融し、射出、計量するスクリュと、前記スクリュを回転駆動するための回転駆動装置と、前記回転駆動装置の動力を各スクリュへ伝達する動力伝達装置と、前記スクリュの軸方向の移動を行うための駆動装置を有してなる射出成形機の射出装置が開示されている。この射出装置は、溶融樹脂を計量しておくスクリュ前方の第1加熱バレル前室(貯留部)と射出ノズルを連通する樹脂通路(連絡樹脂流路)に選択的に開閉する開閉弁(樹脂流路開放・遮断機構)を設けたことを特徴の一つとしている。
すなわち、特許文献1の射出成形機の射出装置は、1つの射出ノズルに複数の可塑化装置や射出装置を備えるものではなく、1つの射出ノズルを有する1つのブロックシリンダ(加熱シリンダ)に複数のスクリュを備え、これらスクリュの夫々の回転及び軸方向への進退をそれぞれ1台の回転駆動装置と駆動装置とで行うものである。この構成により、射出装置の長手方向の寸法を短くすることができるとしている。更に、複数のスクリュ夫々の前方の第1加熱バレル前室(貯留部)と射出ノズルとを連通する樹脂通路(連絡樹脂流路)に選択的に開閉する開閉弁(樹脂流路開放・遮断機構)を設け、この開閉弁の選択により、射出ノズルから射出充填する樹脂材料を、いずれのスクリュで可塑化・計量された樹脂材料とするか選択可能とする構成により、樹脂材料の色替えや樹脂替えが容易としている。
特許文献2には、1個の溶融樹脂射出用ノズル(射出ノズル)を有する射出バレル内を進退し、溶融樹脂を射出、計量するプランジャと、前記プランジャを進退させる駆動装置と、前記射出バレルの回りに複数個設け、樹脂材料供給口にホッパ(材料供給部)を夫々備えた第1加熱バレル(加熱シリンダ)と、前記第1加熱バレル内に回転自在に夫々挿着されたスクリュと、前記スクリュを回転駆動するための回転駆動装置と、前記回転駆動装置の動力を各スクリュへ伝達する動力伝達装置とを有してなる射出成形機の射出装置が開示されている。この射出装置は、溶融樹脂を計量しておくプランジャ前方の射出バレル前室(貯留部)と前記複数の加熱バレルのスクリュ前方の前室の間(連絡樹脂流路)に夫々開閉弁(樹脂流路開放・遮断機構)を設けたことを特徴の一つとしている。
特許文献2の射出成形機の射出装置は、複数の第1加熱バレル(加熱シリンダ)及びその内部に挿着されたスクリュが、可塑化のみに使用されるため、スクリュが軸方向に進退せず、回転動作のみ行われる点と、複数の第1加熱バレルで可塑化された樹脂材料の計量及び射出充填を、1台の射出バレル及びその内部を進退するプランジャで行い、そのために、射出バレルの周りに複数の第1加熱バレルが配置される点が、特許文献1の射出装置との相違点である。また、この構成の相違点により、複数の第1加熱バレルのスクリュ前方の前室が、それぞれの第1加熱バレル内で可塑化された樹脂材料の貯留部とならず、連絡樹脂流路を介して連通される、プランジャ前方の射出バレル前室が、すべての第1加熱バレルの共通の貯留部となる点も相違点である。しかしながら、これら連絡樹脂流路の夫々に開閉弁(樹脂流路開放・遮断機構)を設け、この開閉弁の選択により、射出ノズルから射出充填する樹脂材料を、いずれのスクリュで可塑化された樹脂材料とするか選択可能とする構成は特許文献1の射出装置と同じである。
この構成により、特許文献2の射出装置は、特許文献1の効果、すなわち、射出装置の長手方向の寸法を短くすることができる点、また、樹脂材料の色替えや樹脂替えが容易である点に加えて、更に、スクリュの駆動装置を簡素化できる、としている。尚、説明を簡単にするために、樹脂材料の”色替え”も、色の異なる樹脂材料に替えるものと解し、”樹脂替え”には、樹脂材料の”色替え”も含むものとする。
特開平08−281731号公報 特開平08−281736号公報
特許文献1の射出装置においては、この複数のスクリュの軸方向の進退を1台の駆動装置で行わせている(特許文献1の段落0017、図1乃至図5他)。そのため、この1台の駆動装置は、スクリュ配置とのバランスや距離を鑑み、複数個配置される第1加熱バレルの中央に配置される必要がある。具体的には、第1加熱バレルが2個の場合は、上下に配置された第1加熱バレルの中央、あるいは、左右に配置された第1加熱バレルの中央に配置される。第1加熱バレルが3個以上の場合は、駆動装置を中央に、その周囲に中心角度が均等割り振りされるように配置される。そのため、射出装置の全高や全幅が大きくなるという問題がある。射出装置の全高や全幅が大きくなれば、固定盤の背面の凹部から、射出装置の射出ノズルを固定金型にドッキングさせる際、固定盤や固定盤の背面に配置される各種装置等に射出装置が干渉して、射出ノズルのドッキングが困難となる。また、これを回避するために、射出ノズル部分を前方に突出させれば、射出装置の長手方向の寸法が長くなる、あるいは、スクリュ前方の貯留部と射出ノズルを連通する樹脂通路(連絡樹脂流路)が不要に長くなる、という問題が新たに生じる。
一方、特許文献2の射出装置においても、複数の第1加熱バレルで可塑化された樹脂材料の計量及び射出充填を、1台の射出バレル及びその内部を進退するプランジャで行わせている。そのため、この射出バレルは、各スクリュ及び射出バレル間距離を鑑み、複数の第1加熱バレルの中央に配置される必要がある。その結果、射出装置の全高や全幅が大きくなるという特許文献1の射出装置と同様の問題がある。また、これを回避するために、射出ノズル部分を前方に突出させれば、射出装置の長手方向の寸法が長くなるという問題も同様に生じる。
また、特許文献1及び特許文献2の射出装置は、それぞれ、射出ノズル及び貯留部間、及び、スクリュ前方の前室及び貯留部間に開閉弁(樹脂流路開放・遮断機構)が設けられている。これら開閉弁は、射出ノズルから射出充填する樹脂材料を、いずれのスクリュで可塑化された樹脂材料とするか選択可能とするものであるが、可塑化工程や計量工程や射出充填工程の際、貯留部の溶融樹脂が、他の樹脂材料を可塑化する第1加熱バレル側へ流動することを防止する遮断弁(特許文献1及び特許文献2)として、あるいは、その樹脂材料の可塑化を行った第1加熱バレル側へ逆流することを防止する逆止弁(特許文献2)としても機能することは、それぞれの特許文献の記載から明らかである。
ここで、特許文献2の射出装置のように、樹脂材料の可塑化工程と、可塑化された樹脂材料の計量工程及び射出充填工程とを、それぞれ、スクリュとプランジャという別構成で行わせる射出装置として、所謂、プリプラ式射出装置が知られている(例えば、特開平10−249897等)。このようなプリプラ式射出装置においては、スクリュ及びプランジャ間の射出充填時における溶融樹脂のスクリュ側への逆流を防止する逆止弁機構が、複雑化、大型化、コスト高になるという問題が指摘されている。同様の目的のために設けられる特許文献1及び2の射出装置の開閉弁においても同様の問題があると考えられる。しかしながら、特許文献1及び特許文献2の射出装置においては、これら開閉弁が主要な構成要件であるにもかかわらず、具体的な構成等、その詳細については全く記載されていない。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたもので、全高及び全幅の増加を抑え、可塑化工程、計量工程及び射出充填工程の際、これら各工程に関係のない樹脂流路への溶融樹脂の逆流や流動を防止すると共に、樹脂替えが容易な、複数種類の樹脂材料の使用に対応可能な射出成形機の射出装置及び射出成形方法、並びに、樹脂替え方法を提供することを目的としている。
発明の上記目的は、いずれか一方の端部に射出ノズルを、他方の端部に第1材料供給部を有する第1加熱シリンダと、
前記第1加熱シリンダ内に、その長手軸中心に回転可能に配置される中空円筒状の第1スクリュと、
前記第1スクリュの中空部に、前記第1スクリュと同軸に回転可能、且つ、該軸方向に移動可能に配置される第2スクリュと、
前記第2スクリュの、前記射出ノズル側に配置される逆止リングと、
前記第1加熱シリンダの内周面と前記第1スクリュの外周面との間に形成される第1樹脂流路と、
前記第1樹脂流路と、前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側の空間とを連通する連絡樹脂流路と、
前記連絡樹脂流路を任意で開放・遮断可能な樹脂流路開放・遮断機構と、
前記第1スクリュの内周面と前記第2スクリュの外周面との間に形成される第2樹脂流路と、
を備え、
前記第2スクリュを、前記第1スクリュの、前記第1加熱シリンダの前記第1材料供給部側に突出させると共に、該突出部分が内包されるように、第2材料供給部を有する第2加熱シリンダが配置され、
前記第2樹脂流路が、前記第2加熱シリンダの内周面と前記第2スクリュの前記突出部分との間まで延長されている射出成形機の射出装置によって達成される。
すなわち、スクリュを同軸の二重スクリュ構造とし、内側の第2スクリュを外側の第1スクリュの後方に突出させることにより、それぞれのスクリュの第1樹脂流路及び第2樹脂流路において、2種類の樹脂材料に対応して、独立して可塑化工程を行わせることができる。
そして、外側の第1スクリュの第1樹脂流路と内側の第2スクリュの逆止リングより射出ノズル側の空間(貯留部)とを連通する連絡樹脂流路により、外側の第1スクリュの第1樹脂流路で可塑化された樹脂材料を内側の第2スクリュの逆止リングより射出ノズル側の空間(貯留部)に流動させ、第2スクリュの第2樹脂流路で可塑化された樹脂材料と同様に、第2スクリュにより、第1スクリュの第1樹脂流路で可塑化された樹脂材料を計量し、射出充填させることができる。そのため、射出充填工程用のスクリュやプランジャを別途配置させる必要がなくなり、射出装置の全高及び全幅の増加を抑えることができる。
また、連絡樹脂流路を任意で開放・遮断可能な樹脂流路開放・遮断機構を設け、外側の第1スクリュの第1樹脂流路で樹脂材料の可塑化工程を行い、内側の第2スクリュで計量工程及び射出充填工程を行う場合は、可塑化工程及び計量工程において、樹脂流路開放・遮断機構により連絡樹種流路を開放し、射出充填工程においては該連絡樹種流路を遮断することにより、射出充填工程には関係ない第1樹脂流路への、貯留部の溶融樹脂の逆流を防止することができる。一方、内側の第2スクリュの第2樹脂流路で可塑化工程、計量工程及び射出充填工程行う場合は、樹脂流路開放・遮断機構により連絡樹種流路を常時遮断し、これら各工程に関係のない第1樹脂流路への溶融樹脂の流動を防止することができる。
更に、樹脂材料の可塑化工程を、外側の第1スクリュで行なわせる場合、あるいは、内側の第2スクリュで行わせる場合のいずれであっても、第2スクリュに行わせる射出充填工程における、貯留部の溶融樹脂の第2樹脂流路への逆流を、逆止リングにより防止することができる。
このような構成により、外側の第1スクリュの第1樹脂流路での樹脂材料の可塑化工程と、内側の第2スクリュの第2樹脂流路での樹脂材料の可塑化工程と、の2種類の樹脂材料に対応して、それぞれの樹脂材料の可塑化工程を1つの射出装置内で独立して行わせることができると共に、樹脂流路開放・遮断機構により、射出ノズルから射出充填する樹脂材料を、いずれのスクリュで可塑化された樹脂材料とするか選択可能なため、2種類の樹脂材料の樹脂替えが容易となる。
一方、連絡樹脂流路及び樹脂流路開放・遮断機構については、前記第1スクリュの前記第1材料供給部側の端部が、前記第1加熱シリンダに支持されると共に、前記連絡樹脂流路が、前記第1加熱シリンダの前記射出ノズル側の内面と前記第1スクリュの端面との間の空間に形成され、
前記樹脂流路開放・遮断機構が、前記第1スクリュをその長手軸方向に移動可能に配置させ、前記第1加熱シリンダの前記射出ノズル側の内面と前記第1スクリュの端面との少なくとも一部を接触又は離間させて、前記連絡樹脂流路を遮断又は開放するように構成されても良い。
連絡樹脂流路が、第1加熱シリンダの前方内面と第1スクリュ端面との間の空間として形成されれば、第1加熱シリンダや第1スクリュ内部に別途、同様の連絡樹脂流路等を加工する必要がない。また、樹脂流路開放・遮断機構が、第1スクリュを前進させて、その前方の端面と第1加熱シリンダの前方の内面と接触させて、形成させた連絡樹脂流路を遮断する構成であるため、第1樹脂流路への溶融樹脂の逆流や流動を確実に防止することができる。また、第1加熱シリンダの前方内面と第1スクリュ端面との略全面を接触させることにより、連絡樹脂流路の略全流路を遮断することができるため、該連絡樹脂流路内において、2種類の樹脂材料が混流する虞もない。
また、連絡樹脂流路及び樹脂流路開放・遮断機構については、前記第1スクリュの前記第1材料供給部側及び前記射出ノズル側の両端が、前記第1加熱シリンダに支持され、前記連絡樹脂流路が、前記第1スクリュの前記射出ノズル側外周面から前記第1スクリュの中空部まで、前記第1スクリュを半径方向に貫通する少なくとも1箇所の連通穴で構成されると共に、
前記樹脂流路開放・遮断機構が、前記第1スクリュの中空部と略同じ内径を有する、前記第1スクリュの前記連絡樹脂流路の前記連通穴部分に配置されるリング状部材であって、その円周面に、前記連通穴と連通する少なくとも1つの開口部と、該開口部以外の遮断部とが形成され、前記リング状部材の前記第1スクリュに対する少なくとも1つの回転位置において、前記遮断部が、前記連通穴の全てを同時に遮断し、前記回転位置以外において、前記開口部が前記連通穴の少なくとも一部と連通するように構成されても良い。
連絡樹脂流路がこのように構成されれば、第1スクリュの前方外周面から中空部まで、第1スクリュを半径方向に貫通する連通穴の加工が必要になる。しかしながら、この構成により、第1スクリュの前方も、第1加熱シリンダに支持させることができ、第1スクリュの両端が第1加熱シリンダに支持され、第1スクリュの片持ち支持構造に対して、第1スクリュの支持構造を簡素化できると共に、第1スクリュの回転動作を正確に、且つ、安定させることができる。また、樹脂流路開放・遮断機構が、その円周面に、連通穴と連通する少なくとも1つの開口部と、該開口部以外の遮断部とが形成される、構造が簡素なリング状部材であり、このリング状部材を第1スクリュの中空部内面側に配置させる構成であるため、第1樹脂流路だけでなく、連絡樹脂流路への溶融樹脂の逆流や流動をも確実に防止できる。そのため、連絡樹脂流路内での2種類の樹脂材料の混流を防止し、樹脂替え性を向上させることができる。
また、更に、連絡樹脂流路及び樹脂流路開放・遮断機構については、前記第1スクリュの前記第1材料供給部側及び前記射出ノズル側の両端が、前記第1加熱シリンダに支持され、前記連絡樹脂流路が、前記第1スクリュの前記射出ノズル側外周面から前記第1スクリュの中空部まで、前記第1スクリュを半径方向に貫通する少なくとも1箇所の連通穴で構成されると共に、
前記樹脂流路開放・遮断機構が、前記第1スクリュの前記射出ノズル側を支持する、中空円筒状の第1スクリュ支持軸の円周面に、前記連通穴と連通する少なくとも1つの開口部と、該開口部以外の遮断部とが形成され、前記第1スクリュの少なくとも1つの回転位置において、前記遮断部が、前記連通穴の全てを同時に遮断し、前記回転位置以外において、前記開口部が前記連通穴の少なくとも一部と連通するように構成されても良い。
第1スクリュの両端が第1加熱シリンダに支持される形態において、樹脂流路開放・遮断機構として、第1スクリュ支持軸がこのように構成されれば、樹脂流路開放・遮断機構自体を、第1スクリュに対して相対的に回転させるための駆動機構や制御機構が不要になり、第1スクリュの回転動作により連絡樹脂流路の開閉・遮断状態を制御できる。そのため、樹脂流路開放・遮断機構をより簡素化することができる。
また、本発明に係る射出成形機の射出装置を使用すれば、前記樹脂流路開放・遮断機構により前記連絡樹脂流路を開放させて、前記第1材料供給部から供給された第1樹脂材料を、前記第1スクリュの前記第1樹脂流路において可塑化させ、第1溶融樹脂と成す第1可塑化工程と、
前記第1溶融樹脂を、前記連絡樹脂流路を介して前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側の空間に流動させ、前記第1溶融樹脂の圧力により、前記逆止リングを逆流防止状態に移行させると共に、前記第2スクリュを後退させる第1計量工程と、
前記樹脂流路開放・遮断機構により前記連絡樹脂流路を遮断させて、前記第1計量工程により、前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側に所定量貯留させた前記第1溶融樹脂を、前記第2スクリュの前記射出ノズル側への移動により、前記射出ノズルから射出させる第1射出充填工程と、
を有する射出成形方法が可能である。
一方で、本発明に係る射出成形機の射出装置を使用すれば、前記樹脂流路開放・遮断機構により前記連絡樹脂流路を遮断させて、前記第2材料供給部から供給された第2樹脂材料を、前記第2スクリュの前記第2樹脂流路において可塑化させ、第2溶融樹脂と成す第2可塑化工程と、
前記第2溶融樹脂を、前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側の空間に流動させ、前記第2溶融樹脂の圧力により、前記逆止リングを逆流防止状態に移行させると共に、前記第2スクリュを後退させる第2計量工程と、
前記第2計量工程により、前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側に所定量貯留させた前記第2溶融樹脂を、前記第2スクリュの前記射出ノズル側への移動により、前記射出ノズルから射出させる第2射出充填工程と、
を有する射出成形方法も可能である。
すなわち、本発明に係る射出成形機の射出装置を使用すれば、前記樹脂流路開放・遮断機構の、前記連絡樹脂流路の開放・遮断の切り替えにより、前記第1樹脂材料を使用する射出成形方法と、前記第2樹脂材料を使用する射出成形方法と、を任意で切り替える樹脂替え方法が可能となる。
本発明に係る射出成形機の射出装置は、いずれか一方の端部に射出ノズルを、他方の端部に第1材料供給部を有する第1加熱シリンダと、
前記第1加熱シリンダ内に、その長手軸中心に回転可能に配置される中空円筒状の第1スクリュと、
前記第1スクリュの中空部に、前記第1スクリュと同軸に回転可能、且つ、該軸方向に移動可能に配置される第2スクリュと、
前記第2スクリュの、前記射出ノズル側に配置される逆止リングと、
前記第1加熱シリンダの内周面と前記第1スクリュの外周面との間に形成される第1樹脂流路と、
前記第1樹脂流路と、前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側の空間とを連通する連絡樹脂流路と、
前記連絡樹脂流路を任意で開放・遮断可能な樹脂流路開放・遮断機構と、
前記第1スクリュの内周面と前記第2スクリュの外周面との間に形成される第2樹脂流路と、
を備え、
前記第2スクリュを、前記第1スクリュの、前記第1加熱シリンダの前記第1材料供給部側に突出させると共に、該突出部分が内包されるように、第2材料供給部を有する第2加熱シリンダが配置され、
前記第2樹脂流路が、前記第2加熱シリンダの内周面と前記第2スクリュの前記突出部分との間まで延長されているため、全高及び全幅の増加を抑え、可塑化工程、計量工程及び射出充填工程の際、これら各工程に関係のない樹脂流路への溶融樹脂の逆流や流動を防止すると共に、樹脂替えが容易な、複数種類の樹脂材料の使用に対応可能な射出成形機の射出装置とすることができる。
また、本発明に係る射出成形方法は、本発明に係る射出成形機の射出装置を使用して、前記樹脂流路開放・遮断機構により前記連絡樹脂流路を開放させて、前記第1材料供給部から供給された第1樹脂材料を、前記第1スクリュの前記第1樹脂流路において可塑化させ、第1溶融樹脂と成す第1可塑化工程と、
前記第1溶融樹脂を、前記連絡樹脂流路を介して前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側の空間に流動させ、前記第1溶融樹脂の圧力により、前記逆止リングを逆流防止状態に移行させると共に、前記第2スクリュを後退させる第1計量工程と、
前記樹脂流路開放・遮断機構により前記連絡樹脂流路を遮断させて、前記第1計量工程により、前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側に所定量貯留させた前記第1溶融樹脂を、前記第2スクリュの前記射出ノズル側への移動により、前記射出ノズルから射出させる第1射出充填工程と、
を有する射出成形方法であるため、第1材料供給部から第1樹脂材料を供給させて射出成形を行うことができる。
一方で、本発明に係る射出成形方法は、本発明に係る射出成形機の射出装置を使用して、前記樹脂流路開放・遮断機構により前記連絡樹脂流路を遮断させて、前記第2材料供給部から供給された第2樹脂材料を、前記第2スクリュの前記第2樹脂流路において可塑化させ、第2溶融樹脂と成す第2可塑化工程と、
前記第2溶融樹脂を、前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側の空間に流動させ、前記第2溶融樹脂の圧力により、前記逆止リングを逆流防止状態に移行させると共に、前記第2スクリュを後退させる第2計量工程と、
前記第2計量工程により、前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側に所定量貯留させた前記第2溶融樹脂を、前記第2スクリュの前記射出ノズル側への移動により、前記射出ノズルから射出させる第2射出充填工程と、
を有する射出成形方法であるため、第2材料供給部から第2樹脂材料を供給させて射出成形を行うことができる。
すなわち、本発明に係る樹脂替え方法は、本発明に係る射出成形機の射出装置を使用して、本発明に係る射出成形方法を行うため、前記樹脂流路開放・遮断機構の、前記連絡樹脂流路の開放・遮断の切り替えにより、前記第1樹脂材料を使用する射出成形方法と、前記第2樹脂材料を使用する射出成形方法と、を任意で切り替える樹脂換え方法が可能となる。
本発明の実施例1に係り、射出成形機の射出装置における射出充填工程を示す概略断面図である。 本発明の実施例1に係り、射出成形機の射出装置における第1樹脂材料の可塑化工程及び計量工程を示す概略断面図である。 本発明の実施例1に係り、射出成形機の射出装置における第2樹脂材料の可塑化工程及び計量工程を示す概略断面図である。 本発明の実施例2に係る射出成形機の射出装置の連絡樹脂流路近傍を示す概略断面図である。 本発明の実施例3に係る射出成形機の射出装置の連絡樹脂流路近傍を示す概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1乃至図5は、説明を容易にするために、射出装置以外の射出成形機や、その固定盤や固定金型及び可動金型等の構成は図示していない。また、同様の理由で、断面であっても、後述する加熱手段やスクリュ等には断面であることを表すハッチングを一部割愛した。尚、以下説明する実施例1乃至実施例3は、本発明を、記載されたそれぞれの実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲内の色々な形で実施できることは言うまでもない。
図1乃至図3を参照しながら本発明の実施例1を説明する。図1は本発明の実施例1に係り、射出成形機の射出装置における射出充填工程を示す概略断面図である。図2は本発明の実施例1に係り、射出成形機の射出装置における第1樹脂材料の可塑化工程及び計量工程を示す概略断面図である。図2(a)が可塑化工程及び計量工程の開始状態、図2(b)が計量工程の完了状態を示す。図3は本発明の実施例1に係り、射出成形機の射出装置における第2樹脂材料の可塑化工程及び計量工程を示す概略断面図である。
最初に、本発明の実施例1に係る射出成形機の射出装置1の基本構成について説明する。図示しない射出成形機の型締装置の固定盤の背面側に、固定盤を介して、固定盤の正面側(可動盤と対向する面)に取り付けられた固定金型にドッキング可能に配置された射出装置1は、射出充填工程が完了した状態である。射出装置1は、図示しない固定盤側(図面左側)の端部に射出ノズル13を、その他方(図面右側)の端部に第1材料供給部14を有する第1加熱シリンダ15と、第1加熱シリンダ15内に、その長手軸中心に回転可能に配置される中空円筒状の第1スクリュ16と、第1スクリュ16の中空部に、第1スクリュ16と同軸に回転可能、且つ、該軸方向に移動可能に配置される第2スクリュ17と、第2スクリュ17の、射出ノズル13側に配置される逆止リング18と、第1加熱シリンダ15の内周面と第1スクリュ16の外周面との間に形成される第1樹脂流路10と、第1樹脂流路10と第2スクリュ17の前記逆止リング18より射出ノズル13側の空間とを連通する連絡樹脂流路21と、連絡樹脂流路21を任意で開放・遮断可能な樹脂流路開放・遮断機構22と、第1スクリュ16の内周面と第2スクリュ17の外周面との間に形成される第2樹脂流路11と、を備える。
そして、第2スクリュ17を、第1スクリュ16の、第1加熱シリンダ15の第1材料供給部14側に突出させると共に、該突出部分が内包されるように、第2材料供給部24を有する第2加熱シリンダ25が配置され、第2樹脂流路11が、第2加熱シリンダ25の内周面と第2スクリュ17の突出部分との間まで延長されている。ここで、説明を簡単にするために、第1加熱シリンダ15の射出ノズル13側(図面左側)を射出装置1の”前方”、第1材料供給部14側(図面右側)を”後方”とし、第2スクリュ17や樹脂材料等のそれぞれの方向への移動を”前進”及び”後退”とすることは先に説明したとおりである。
次に、個々の基本構成の詳細について説明する。第1加熱シリンダ15及び第2加熱シリンダ25の外周面には、電気ヒータ等の第1加熱手段15a及び第2加熱手段25aが、それぞれの加熱シリンダに巻き付けられるように配置されている。また、第1加熱シリンダ15の後方外周面上方の第1材料供給部14や、第2加熱シリンダ25の後方外周面上方の第2材料供給部24は、上方が大きく開放可能な材料供給ホッパであることが一般的であり、同ホッパに配置されたレベルセンサ等によって同ホッパ内の樹脂材料量をモニタしながら、外部からバッチで樹脂材料が供給されることが多い。しかしながら、使用する樹脂材料の種類等、必要に応じて、材料供給装置がその上流に取り付けられたり、材料供給パイプ等の材料供給手段が直接、連結されたりする場合もある。
そして、第1スクリュ16の外周面には、第1樹脂流路10において、第1スクリュ16を回転させることにより、第1材料供給部14から供給された樹脂ペレット等の第1樹脂材料14aを前方に流動させる第1フライト16aが連続して形成される。第1フライト16aの形状やサイズは、第1材料供給部14から供給させた第1樹脂材料14aが、第1樹脂流路10において、計量に適した可塑化状態(第1溶融樹脂14b)となるような仕様に設計されている。また、第1スクリュ16は、第1材料供給部14側の端部が、第1加熱シリンダ15に支持され、電動モータ等の第1スクリュ回転駆動手段16bにより、第1スクリュ16の、第1加熱シリンダ15の後方から突出させた後方外周面に配置されたリングギアや、プーリ及びベルト・チェーン等の第1回転駆動伝達機構16cを介して、任意の速度、任意の回転力で回転させることができる。更に、第1スクリュ16は、第2加熱シリンダ25と一体で、その長手軸方向に移動可能に配置されているが、その詳細については後述する。
一方、第1スクリュ16の中空部に配置された第2スクリュ17の外周面にも、第2樹脂流路11において、第2スクリュ17を回転させることにより、第2材料供給部24から供給された樹脂ペレット等の第2樹脂材料24aを前方に流動させる第2フライト17aが連続して形成される。第2フライト17aの形状やサイズについても、第2材料供給部24から供給させた第2樹脂材料24aが、第2樹脂流路11において、計量に適した可塑化状態(第2溶融樹脂24b)となるような仕様に設計されている。また、第1スクリュ16と同様に、電動モータ等の第2スクリュ回転駆動手段17bにより、第2スクリュ17の、第2加熱シリンダ25の後方から突出させた後方外周面に配置されたギアや、プーリ及びベルト・チェーン等の第2回転駆動伝達機構17cを介して、第2スクリュ17を任意の速度、任意の回転力で回転させることができる。更に、第2スクリュ17は、油圧シリンダや、電動モータ及びボールねじ等を組み合わせた第2スクリュ駆動手段17dにより、第1スクリュ16の長手軸方向に、任意の速度、任意の移動力で移動させることができる。本実施例においては、第2スクリュ駆動手段17dは、電動モータ17e及びボールねじ17fを組み合わせた構成を前提にしている。ここで、計量工程において、可塑化された溶融樹脂の樹脂圧力により、第2スクリュ17が後退し、同溶融樹脂が貯留される逆止リング18の前方の空間を貯留部20とする。
第2スクリュ17の射出ノズル13側に配置された逆止リング18は、先に説明したような、一般的な射出成形機の射出装置のスクリュ前方に配置され、計量工程においては、溶融樹脂の樹脂圧力により樹脂流路(第2樹脂流路11)及び逆止リング(逆止リング18)の前方の貯留部(貯留部20)間を開放し、射出充填工程においては、計量工程時とは逆向きに作用する溶融樹脂の樹脂圧力により樹脂流路(第2樹脂流路11)及び逆止リング(逆止リング18)の前方の貯留部(貯留部20)間をシールする一般的な構成であっても良い。更に、それぞれの工程における逆止リングの開放及びシール動作を、スクリュの回転動作を利用して、機械的に且つ強制的に行うことができる構成が開示されており(例えば、本出願人が出願人である、特開平7−214619や特開2008−254359等)、このような逆止リングであっても良く、公知の逆止リングが採用されれば良い。
そして、第2スクリュ17の突出部分が内包されるように配置される第2加熱シリンダ25の内周面と第2スクリュ17の外周面との間は、第1スクリュ16の内周面と第2スクリュ17の外周面との間に形成される第2樹脂流路11がそのまま延長されるため、それぞれの第2樹脂流路11の接続部分において樹脂漏れ等生じないようなシール機能を有する連結手段25bを介して第1スクリュ16の後方に連続して配置されている。この連結手段25bは、第2加熱シリンダ25に対して、第1スクリュ回転駆動手段により第1スクリュ16を回転可能に連結する一方、その長手軸方向については、第1スクリュ16及び第2加熱シリンダ25を一体で移動可能に連結するよう構成されている。そのため、可塑化工程において、第1スクリュ16は、第1スクリュ回転駆動手段16bにより回転され、第2材料供給部24を有する第2加熱シリンダ25は回転しない。また、射出充填工程においては、第2加熱シリンダ25に配置され、油圧シリンダや、電動モータ及びボールねじ等を組み合わせた第1スクリュ駆動手段16dにより、第1スクリュ16及び第2加熱シリンダ25を一体で長手軸方向に前進させ、連絡樹脂流路21を遮断すると共に、射出充填工程以外においては、第1スクリュ16及び第2加熱シリンダ25を一体で長手軸方向に後退させ、連絡樹脂流路21を開放する。本実施例においては、第1スクリュ駆動手段16dは、電動モータ16e及びボールねじ16fを組み合わせた構成を前提にしており、これらの構成を含め、第1スクリュ16をその長手方向に移動させて、連絡樹脂流路21を開放・遮断する機構を樹脂流路開放・遮断機構22とするものである。
引き続き、図1、図2及び図3を参照しながら、本発明の実施例1に係る射出成形機の射出装置を使用する射出成形方法、並びに樹脂替え方法を説明する。
まず、図1、図2(a)及び図2(b)を参照しながら、第1樹脂材料14aを使用して、外側の第1スクリュ16の第1樹脂流路10で可塑化工程を行う射出成形方法を説明する。図1は、射出充填工程が完了した状態である。ここで、図1は、別途説明する、第2樹脂材料24aを使用して内側の第2スクリュ17の第2樹脂流路11で可塑化工程を行う射出成形方法における射出充填工程の完了状態と全く同じため、該別途説明を鑑み、同図中に樹脂材料等の符号は記載していない。図1において、射出ノズル13は開放状態であり、逆止リング18は、第2スクリュ16の前方の空間(貯留部20)と第2樹脂流路11との間をシールした状態(×印)である。また、連絡樹脂流路21は、第1スクリュ駆動手段16dにより、第1スクリュ16及び第2加熱シリンダ25を一体で前進させ、遮断状態である。図示はしていないが、第1樹脂流路10には、前の成形サイクルの計量工程完了時点での第1樹脂材料14a(前方は溶融状態の第1溶融樹脂14b、後方は未溶融状態)が滞留している。尚、図中の矢印は、樹脂材料、各構成の移動や、それらに作用する力や圧力の方向を示す。
射出充填工程が完了した後、図2(a)に示すように、第1スクリュ駆動手段16dにより、第1スクリュ16及び第2加熱シリンダ25を一体で後退させ、連絡樹脂流路21を開放する。第1スクリュ回転駆動手段16bにより、第1スクリュ16を回転させると、第1樹脂供給部14から供給された第1樹脂材料14aは、第1フライト16aにより第1樹脂流路10において前方に流動され、第1加熱手段15a及び第1フライト16aの回転力によるせん断熱の熱エネルギにより溶融状態(第1溶融樹脂14b)となる。また、前の成形サイクルにおいて第1樹脂流路10に滞留していた第1樹脂材料14aの未溶融状態部分も同様に溶融状態(第1溶融樹脂14b)となり、開放状態の連絡樹脂流路21を経由して、第2スクリュ17の前方の空間(貯留部20)に流動される(可塑化工程)。
ここで、射出ノズル13は、この可塑化工程の開始時、射出ノズル13もしくは、射出ノズル13がドッキングしている図示しない固定金型の樹脂流入口に配置されている樹脂遮断開放切換弁等により、適切なタイミングで閉じられている(×印)。そのため、貯留部20に連続して貯留される第1溶融樹脂14bの樹脂圧力は、逆止リング18及び第2スクリュ17にも作用する。射出充填工程後、貯留部20と第2樹脂流路11との間をシールした状態(×印)のままの逆止リング18は、この樹脂圧力によりシール状態が維持されると共に、この樹脂圧力により、第2スクリュ17全体が後退方向の力を受け後退を始める。そして、図2(b)に示すように、この後退に連動して形成される貯留部20に第1溶融樹脂14bが連続して貯留される。この貯留部20が拡張され、所定量の第1溶融樹脂14bが貯留されるまで、第1スクリュ16の回転と第2スクリュ17の後退とが継続され、逆止リング18のシール状態が維持される(計量工程)。
この第2スクリュ17の後退動作時、この後退動作に所定の抵抗力(背圧)を作用させるために、第2スクリュ駆動手段17dにより第2スクリュ17への前進方向の力を作用させても良い。このように後退動作への抵抗力を制御することで、貯留部20の第1溶融樹脂14bの樹脂圧力を制御することも可能である。貯留部20に所定量の溶融樹脂が貯留されたことが、第2スクリュ17の図示しない位置検出機能等により確認されれば、第1スクリュ回転駆動手段16b及び第1回転駆動伝達機構16cによる第1スクリュ16の回転動作を停止させ、計量工程の完了となる。
計量工程の完了後、図示はしていないが、第1スクリュ駆動手段16dにより、第1スクリュ16及び第2加熱シリンダ25を一体で前進させ、連絡樹脂流路21を遮断する。その後、第2スクリュ駆動手段17dにより、第2スクリュ17を任意の速度、任意の移動力で前進させる。この時、射出ノズル13は、適切なタイミングで開放されている。また、逆止リング18は、第2スクリュ17の前進により貯留部20の第1溶融樹脂14bに生じた樹脂圧力を受け、そのシール状態(×印)が維持されるため、貯留部20の第1溶融樹脂14bは、第2樹脂流路11へ逆流することなく、射出ノズル13を介して、射出ノズル13をドッキングさせた図示しない固定金型及び可動金型内に形成される金型キャビティに射出充填される(射出充填工程)。
射出充填工程の完了後、図示しない射出成形機においては、型締装置の型締動作により、固定金型及び可動金型間に形成された金型キャビティに射出充填された第1溶融樹脂14bが冷却固化するまで型締状態が維持される。そして、その冷却固化時間経過後、型締装置により固定金型から可動金型が型開きされ、冷却固化させた、第1樹脂材料14aを使用した樹脂成形品が製品取出手段等により、金型キャビティから金型外へ搬送される。引き続き、型締装置により可動金型が固定金型へ型閉じされ、再び、固定金型及び可動金型間に金型キャビティが形成されて、次の射出充填工程の準備が完了する。この間、射出装置1においては、射出充填工程完了後、次の射出充填工程のタイミングに合わせて、第1樹脂流路10における計量工程を完了させれば良い。
次に、図3を参照しながら、第2樹脂材料24aを使用して、内側の第2スクリュ17の第2樹脂流路11で可塑化工程を行う射出成形方法を説明する。図3は、先に説明したように、可塑化工程及び計量工程を示す概略断面図である。図3において、射出ノズル13はシール状態(×印)である。また、連絡樹脂流路21は、第1スクリュ駆動手段16dにより、第1スクリュ16及び第2加熱シリンダ25を一体で前進させ、遮断状態である。尚、図1と同様に、図中の矢印は、樹脂材料、各構成の移動や、それらに作用する力や圧力の方向を示す。
図3に示すように、第1スクリュ駆動手段16dにより、第1スクリュ16及び第2加熱シリンダ25を一体で前進させ、連絡樹脂流路21を遮断する。この遮断状態は以後も継続される。第2スクリュ回転駆動手段17bにより、第2スクリュ17を回転させると、第2樹脂供給部24から供給された第2樹脂材料24aは、第2フライト17aにより第2樹脂流路11において前方に流動され、第1加熱手段15a、第2加熱手段25a及び第2フライト17aの回転力によるせん断熱の熱エネルギにより溶融状態(第2溶融樹脂24b)となる(可塑化工程)。また、前の成形サイクルにおいて第2樹脂流路11に滞留していた第2樹脂材料24aの未溶融状態部分も同様に溶融状態(第2溶融樹脂24b)となり逆止リング18に到達する。この第2溶融樹脂24bの樹脂圧力が逆止リング18を前進させ、第2樹脂流路11及び貯留部20間を開放すると共に、その第2溶融樹脂14bが逆止リング18を経由してその前方の貯留部20に連続して貯留される(計量工程)。
第2スクリュ17の第2樹脂流路11での可塑化工程において、第1スクリュ16の中空部の第2樹脂流路11での第2樹脂材料24aの加熱は、第1加熱シリンダ15の第1加熱手段15aにより行われる。そのため、その間の加熱効率は、第1スクリュ16の第1樹脂流路10での第1樹脂材料14aの加熱効率に対して低下せざるを得ない。しかしながら、第2スクリュ17の第2フライト17aを、フライトの回転力によるせん断熱の熱エネルギをより多く発生させる仕様にすることや、第2加熱シリンダ25内の第2樹脂流路11では、第1樹脂流路10と同様に、第2加熱手段25aで直接、第2樹脂材料24aを加熱できることを活用して、この、第1スクリュ16の中空部の第2樹脂流路11での第2樹脂材料24aの加熱効率の低下を補うことが可能である。必要あれば、第2加熱シリンダ25の第2加熱手段25aとは別に、第1スクリュ16の中空部の内周面近傍や、第2スクリュ17の外周面近傍や内部に、第2樹脂流路11用の加熱手段を設けても良い。
第2樹脂流路11での可塑化工程の後、第2スクリュ17により行われる計量工程は、連絡樹脂流路21が遮断状態にあることと、第2溶融樹脂24bが、連絡樹脂流路21からではなく、第2樹脂流路11から逆止リング18を経由して、貯留部20に貯留されることと、を除いて、第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法の計量工程(図2(a)及び図2(b))と同じであり、その計量工程後に行われる射出充填工程は全く同じである。先に説明したように、第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法の射出充填工程においても、その完了時は、図1に示す状態となる。
このように、本発明に係る射出成形機の射出装置1は、可塑化工程を行わせるスクリュを同軸の二重スクリュ構造とし、内側の第2スクリュ17を外側の第1スクリュ16の後方に突出させることにより、それぞれのスクリュの第1樹脂流路10及び第2樹脂流路11において、2種類の樹脂材料に対応して、独立して可塑化工程を行わせることができる。そして、外側の第1スクリュ16の第1樹脂流路10と内側の第2スクリュ17の射出ノズル13側の空間(貯留部20)とを連通する連絡樹脂流路21により、第1樹脂流路10及び第2樹脂流路11のいずれの樹脂流路で可塑化工程を行わせても、内側の第2スクリュ17で計量工程及び射出充填工程を行わせることができる。そのため、計量工程及び射出充填工程用のスクリュやプランジャを別途配置させる必要がなくなり、射出装置1の全高及び全幅の増加を抑えることができる。
ここで、先に説明した、本発明に係る射出成形機の射出装置と、この射出装置を使用する射出成形方法と、を踏まえ、第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法から、第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法に、成形を中断させることなく樹脂替えを行う場合の樹脂替え方法について説明する。
第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法の完了時、第2スクリュ17は図1に示す射出充填完了位置の状態にある。第1スクリュ駆動手段16dにより、第1スクリュ16及び第2加熱シリンダ25を一体で前進させ、連絡樹脂流路21を遮断した状態のまま、第2材料供給部24から第2樹脂材料24aの供給に切り替えて、先に説明した、第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法を開始させることで、成形を中断させることなく、第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法から、第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法に切り替えることができる。また、連絡樹脂流路21を略完全に遮断させる構成により、連絡樹脂流路内において、2種類の樹脂材料が混流する虞もなく、第2スクリュ17の射出充填完了位置において、第2スクリュ17の前方の空間の容積を、可能な限り小さくなるように構成すれば、射出充填工程完了後に、この空間に滞留する第1溶融樹脂14bは非常に少量となる。これにより、最も、樹脂残りが生じ易いとされる加熱シリンダ前方の内壁面とスクリュとの距離が最小となり、この空間に滞留する第1溶融樹脂14bの薄い溶融樹脂層に、新たな計量工程においてこの空間に流動(貯留)される、第2溶融樹脂24bの回転せん断力による高い掻き取り力を作用させることができるため、第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法の開始後、1、2回の少ない成形サイクルで、樹脂材料を完全に第2樹脂材料24aに切り換えることができる。このように、樹脂替えを短時間で行うことができ、樹脂替え時の不良品の成形数も少ないため、樹脂替えが非常に容易である。
次に、これまで説明した樹脂替え方法とは逆に、第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法から、第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法に、成形を中断させることなく樹脂替えを行う場合の樹脂替え方法について説明する。
第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法の完了時も、第2スクリュ17は図1に示す射出充填完了位置の状態にある。また、第2スクリュ17の前方に配置された逆止リング18はシール状態(×印)である。この状態から、第1スクリュ駆動手段16dにより、第1スクリュ16及び第2加熱シリンダ25を一体で後退させ、連絡樹脂流路21を開放する。そして、第1樹脂供給部14から第1樹脂材料14aの供給に切り替えて、先に説明した、第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法を開始させることで、成形を中断させることなく、第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法から、第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法に切り替えることができる。
すなわち、第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法における射出充填完了位置において、第2スクリュ17の前方の貯留部に滞留する第2溶融樹脂24bは非常に少量である。また、第1スクリュ16の第1樹脂流路10からは、第1樹脂材料14a(第1溶融樹脂14b)が、第1スクリュ16の回転により、連絡樹脂流路21を経由して、第2スクリュ17の前方の貯留部20に連続して流動される(可塑化工程及び計量工程)。そのため、加熱シリンダ前方の内壁面とスクリュとの間の、第2樹脂材料24bの薄い溶融樹脂層に、第1溶融樹脂14bの回転せん断力による高い掻き取り力を作用させることができると共に、その樹脂圧力により、可塑化工程及び計量工程中、逆止リング18のシール状態が維持される。更に、射出充填工程においても、逆止リング18のシール状態(×印)が、射出充填させる第1溶融樹脂14bの樹脂圧力により維持されるため、第2樹脂流路11内の第2樹脂材料24a(第2溶融樹脂24b)が、第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法が行われている間、逆止リング18を経由して貯留部20に流動され、混流する虞はない。更に、連絡樹脂流路21を略完全に遮断させる構成により、連絡樹脂流路内に第2溶融樹脂24bはほとんど滞留しておらず、第2スクリュ17の前方の空間に滞留する少量の第2溶融樹脂24bは、滞留している第1樹脂材料14a(第1溶融樹脂14b)と一緒に、樹脂替え直後の計量工程において貯留部20に貯留される。そのため、第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法の開始後、1、2回の少ない成形サイクルで、樹脂材料を完全に第1樹脂材料14aに切り換えることができる。
ここで、第1スクリュ16の第1加熱手段15aを、第1スクリュ16内の第1樹脂材料14aの加熱と、第2スクリュ17内の第2樹脂材料24aの加熱とに兼用する場合、第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法の間は、第1樹脂材料14aも加熱保持され、第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法の間は、第2樹脂材料24aも加熱保持されるため、夫々の樹脂材料の加熱保持による滞留劣化の可能性がある。従って、滞留劣化を最小限に留める工夫が必要である。例えば、夫々の樹脂材料の滞留劣化が生じない成形サイクルの範囲内で、夫々の樹脂材料を相互に樹脂替えを行うような生産調整を行う工夫や、夫々の樹脂流路内を窒素ガスなどの不活性ガスで置換充満させる、あるいは、真空吸引装置等で夫々の樹脂流路内の空気を減圧吸引させる等、滞留劣化の原因の1つとなる酸素濃度を減少させる工夫を加えることが好ましい。
また、先に説明したように、第2加熱シリンダ25の第2加熱手段25aとは別に、第1スクリュ16の中空部の内周面近傍や、第2スクリュ17の外周面近傍や内部に、第2樹脂流路11用の加熱手段等が設けられるのであれば、夫々の樹脂材料を使用した射出成形方法の状況に応じて、夫々の加熱手段を適宜組み合わせて温調制御を行うことにより、夫々の樹脂材料の加熱劣化を最小限に留めることが可能となる。
これまで説明したように、本発明に係る樹脂替え方法は、本発明に係る射出成形機の射出装置を使用して、本発明に係る射出成形方法を行うため、第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法と、第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法と、を任意で切り替えることができる。特に、2種類の樹脂材料を頻繁に樹脂替えする場合において、成形を中断させることなく樹脂替えを短時間で行うことができ、樹脂替え時の不良品の成形数も少ないため、樹脂替えが非常に容易である。一方、成形を中断させて樹脂替えを行う場合、例えば、使用する金型を変更する場合等においても、先に説明したように、射出装置内の2つの樹脂流路において、それぞれの樹脂が混流されることがないため、樹脂替えが非常に容易である。また、3種類以上の樹脂材料の樹脂替えを行う場合は、本発明に係る射出成形機の射出装置を2台以上配置させれば対応可能である。
このように、射出装置を複数台配置させる場合においても、本発明に係る射出成形機の射出装置は好適である。すなわち、スクリュを同軸の二重スクリュ構造とする基本構成により、特許文献1及び特許文献2の射出装置に対して、1台の射出装置の全高及び全幅の増加を抑え、射出装置全体を細身に構成させることができる。これにより、一般的なインラインスクリュ式射出装置でも採用される、2台の射出装置を、前方の射出ノズル同士を後方の材料供給部より接近させるハの字配置が可能となり、4種類の樹脂材料の樹脂替えに対応可能で、且つ、特許文献1及び特許文献2の射出装置のように、固定盤の背面の凹部から、射出装置の射出ノズルを固定金型にドッキングさせる際、固定盤や固定盤の背面に配置される各種装置等に射出装置が干渉して、射出ノズルのドッキングが困難となる虞はない。同様に、3台以上の射出装置を、前方の射出ノズル同士を後方の材料供給部より接近させる円錐状配置も可能となり、6種類以上の樹脂替えにも対応可能となる。
次に、図4を参照しながら本発明の実施例2を説明する。図4は本発明の実施例2に係る射出成形機の射出装置の連絡樹脂流路近傍を示す概略断面図である。図4(a)が射出装置の連絡樹脂流路近傍を示す概略断面図、図4(b)が図4(a)の樹脂流路開放・遮断機構の具体例1、図4(c)が同じく、樹脂流路開放・遮断機構の具体例2を示す。
実施例2の射出装置2と、実施例1の射出装置1との基本構成上の相違点は、まず、第1スクリュの第1材料供給部側及び射出ノズル側の両端が第1加熱シリンダに支持される点である。次に、この相違点により、連絡樹脂流路が、スクリュの前方外周面から中空部まで、第1スクリュを貫通する連通穴で構成される点である。そして、最後の相違点は、この連通穴部分に配置される樹脂流路開放・遮断機構の構成である。これら以外の基本構成は実施例1で説明した個々の基本構成と同じため、それらの説明は割愛し、図4において、実施例1(図1乃至図3)と同じ基本構成については同じ符号を付し、実施例1との相違点についてのみ説明する。また、第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法及び第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法、並びに、これら2種類の樹脂材料の樹脂替え方法についても、実施例1と基本的に同じため、それぞれの説明は割愛する。
第1スクリュ16’は、その第1材料供給部14側及び射出ノズル13側の両端が第1加熱シリンダ15に支持されている。具体的には、図4(a)に示すように、第1スクリュ16’の前方の端部を、中空状の回転軸として突出させて、第1加熱シリンダ15の前方(前方支持部15b)に、図示しないベアリング等の回転支持手段を介して回転可能に支持されている。前方支持部15bは、第1加熱シリンダ15内のメンテナンス等のために、第1加熱シリンダ15の躯体に、位置決めが容易なインロー構造等で取り付けられ、射出ノズル13と一体で脱着可能に構成されることが好ましい。また、図示はしていないが、前方支持部15bの内側を第1スクリュ16’の中空部の内径に合わせて突出させて、第1スクリュ16’の回転軸とする構成でも良い。
この構成により、第1スクリュ16’の前方も、第1加熱シリンダ15に支持させることができ、第1スクリュ16’の両端が第1加熱シリンダ15に支持され、第1スクリュ16の片持ち支持構造に対して、第1スクリュ16’の支持構造を簡素化できると共に、第1スクリュ16’の回転動作を、より正確に、且つ、より安定させることができる。
また、第1スクリュ16’の前方の外周面から中空部まで、第1スクリュ16’を半径方向に貫通する連通穴21’が形成されている。この連通穴21’が実施例1における連絡樹脂流路21の代替となるものである。連通穴21’の形状、数量及び配置等は、射出装置の仕様に応じて適宜設計されれば良い。例えば、連通穴21’を、第1スクリュ16’の外周面から中空部中心まで、半径方向に垂直に形成させても、第1スクリュ16’の第1樹脂流路10における第1樹脂材料14a(第1溶融樹脂14b)の流動方向が、第1スクリュ16’の外周面の円周方向であることを考慮して、所定角度斜め、あるいは、曲線を描くように形成させても良い。
そして、連通穴21’の貯留部20側に、第1スクリュ16’の中空部と略同じ内径を有するリング状部材であって、その円周面に、連通穴21’と連通する開口部23aと、開口部23a以外の遮断部23bとが形成される樹脂流路開放・遮断機構23が配置される。樹脂流路開放・遮断機構23は、図示しない回転駆動手段により、第1スクリュ16’に対して、任意の角度で回転可能である。
樹脂流路開放・遮断機構23の具体例1を図4(b)に示す。開口部23aは、リング状の樹脂流路開放・遮断機構23の端部を切り欠くように形成され、開口部23a以外の遮断部23bは、切り欠かれていない樹脂流路開放・遮断機構23の円周面となる。樹脂流路開放・遮断機構23の遮断部23bが、第1スクリュ16に対する、少なくとも1つの回転位置において、連通穴21’(連絡樹脂流路)の全てを同時に遮断し、その回転位置以外において、開口部23aが連通穴21’と連通するように構成されているため、リング状の樹脂流路開放・遮断機構23を、第1スクリュ16’に対して、その回転位置まで回転させることにより、連通穴21’(連絡樹脂流路)の全てが遮断状態となり、その回転位置から所定角度回転させることにより、連通穴21’を開放状態にすることができる。
また、樹脂流路開放・遮断機構23は、図4(c)に示す具体例2のように、開口部23aを切り欠きではなく、その円周面上の開口穴として形成させても良い。いずれの樹脂流路開放・遮断機構23であっても、実施例1の樹脂流路開放・遮断機構22のように、第1スクリュ16’及び第2加熱シリンダ25を一体で、その長手軸方向に移動させる必要がないため、第1スクリュ駆動手段16dが不要となる。そして、リング状の樹脂流路開放・遮断機構23を所定角度回転させるだけで、連通穴21’(連絡樹脂流路)の開放・遮断が可能なので、樹脂流路開放・遮断機構23を回転させる回転駆動手段は、電動モータ等だけでなく、油圧シリンダ等の往復動作が可能な直動アクチュエータが採用でき、樹脂流路開放・遮断機構を簡素化できる。更に、簡素化された樹脂流路開放・遮断機構であっても、第1スクリュ16’の中空部の内周面において、連通穴21’の開放・遮断を行わせるため、実施例1の樹脂流路開放・遮断機構と同様に、連通穴21’中で、第1樹脂材料14a及び第2樹脂材料24aを混流させることがなく、第1樹脂材料14a及び第2樹脂材料24aの樹脂替えを確実に行うことができる。
次に、図5を参照しながら本発明の実施例3を説明する。図5は本発明の実施例3に係る射出成形機の射出装置の連絡樹脂流路近傍を示す概略断面図である。図5(a)が射出装置の連絡樹脂流路近傍を示す概略断面図、図5(b)が図5(a)の樹脂流路開放・遮断機構の具体例1、図5(c)が同じく、樹脂流路開放・遮断機構の具体例2、図5(d)が図5(a)のA−A矢視を示す。
実施例3に係る射出成形機の射出装置については、実施例1の射出装置1との相違点を説明するよりも、実施例2の射出装置2との相違点を説明する方がその理解が容易である。実施例3の射出装置3と、実施例2の射出装置2との基本構成上の相違点は、第1スクリュの前方が中空円筒状の第1スクリュ支持軸に支持される点である。次に、この第1スクリュ支持軸が、第1スクリュの回転動作により機能する樹脂流路開放・遮断機構として構成される点である。これら以外の基本構成は実施例1及び実施例2で説明した個々の基本構成と同じため、それらの説明は割愛し、図5において、実施例2(図4)と同じ基本構成については同じ符号を付し、実施例2との相違点についてのみ説明する。また、第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法及び第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法、並びに、これら2種類の樹脂材料の樹脂替え方法については、実施例1と基本的に同じため、それぞれの説明は割愛する。
実施例2と同様に、第1スクリュ16’の第1材料供給部14側及び射出ノズル13側の両端が第1加熱シリンダ15に支持されている。具体的には、図5(a)に示すように、第1スクリュ16’側に突出させるように、第1加熱シリンダ15の前方支持部15bに取り付けられる中空円筒状の第1スクリュ支持軸15cに、図示しないベアリング等の回転支持手段を介して回転可能に支持されている。そして、第1スクリュ支持軸15cの、第1スクリュ16’側の端部は、第1スクリュ16’の中空部と略同じ内径を有し、第1スクリュ16’に形成されている連通穴21’(連絡樹脂流路)の後方まで突出している。前方支持部15bと同様に、第1スクリュ支持軸15cは、第1スクリュ16’の中空部内のメンテナンス等のために、第1加熱シリンダ15の前方支持部15bに、位置決めが容易なインロー構造等で取り付けられ、射出ノズル13と一体で脱着可能に構成されることが好ましい。
更に、第1スクリュ支持軸15cの、第1スクリュ16’側の突出部の円周面に、連通穴21’(連絡樹脂流路)と連通する開口部23aと、開口部23a以外の遮断部23bとが形成されている。実施例3においては、この第1スクリュ支持軸15cと、その円周面に形成される開口部23a及び遮断部23bにより、樹脂流路開放・遮断機構23’が構成される。
第1スクリュ支持軸15c(樹脂流路開放・遮断機構23’)の具体例1を図5(b)に示す。開口部23aは、第1スクリュ支持軸15cの、第1スクリュ16’側の突出部の端部を切り欠くように形成され、開口部23a以外の遮断部23bは、切り欠かれていない該突出部の円周面となる。第1スクリュ支持軸15cの遮断部23bが、第1スクリュ16に対する、少なくとも1つの回転位置において、連通穴21’(連絡樹脂流路)の全てを同時に遮断し、その回転位置以外において、開口部23aが連通穴21’(連絡樹脂流路)と連通するように構成されているため、第1スクリュ16’を、第1スクリュ支持軸15cに対して、その回転位置まで回転させることにより、連通穴21’(連絡樹脂流路)の全てが遮断状態となり、その回転位置から所定角度回転させることにより、連通穴21’(連絡樹脂流路)を開放状態にすることができる。すなわち、第1スクリュ16’に対して、この第1スクリュ支持軸15c(樹脂流路開放・遮断機構23’)を回転させる回転駆動手段は不要であり、連通穴21’の開放・遮断状態は、第1スクリュ16’の回転動作により制御される。
このように構成される第1スクリュ支持軸15c(樹脂流路開放・遮断機構23’)により、第2樹脂材料24aを使用して、内側の第2スクリュ17の第2樹脂流路11で可塑化工程を行う射出成形方法を行う場合、第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法(射出充填工程)が完了した後、第1スクリュ16’を、すべての連通穴21’(連絡樹脂流路)を遮断できる回転位置まで回転させることにより、そのまま、第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法を開始することができる。
具体的には、第1スクリュ16’を、すべての連通穴21’(連絡樹脂流路)を遮断できる回転位置まで回転させる際、第1樹脂流路10の第1樹脂材料14a(第1溶融樹脂14b)を後方へ流動させる方向に回転(逆回転)させれば、すべての連通穴21’を遮断できる回転位置に第1スクリュ16’が到達するまでの間、連通穴21’から第1溶融樹脂14bが貯留部20へ流動されることはない。また、図5(d)に示すように、すべての連通穴21’を遮断できる回転位置を1箇所ではなく複数個所(図5(d)においては4箇所)設ければ、第1樹脂流路10の第1樹脂材料14a(第1溶融樹脂14b)を前方へ流動させる方向に回転(正回転)させた場合でも、回転角度を少なくすることができる(図5(d)においては90°)ため、すべての連通穴21’を遮断できる回転位置に第1スクリュ16’が到達するまでの間、連通穴21’から貯留部20へ流動される第1溶融樹脂14bを少なくすることができる。
一方、第1樹脂材料14aを使用して、外側の第1スクリュ16’の第1樹脂流路10で可塑化工程を行う射出成形方法を行う場合、第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法(射出充填工程)が完了した後、この状態から、第1スクリュ回転駆動手段16bにより、第1スクリュ16’を回転させて、第1樹脂供給部14から第1樹脂材料14aを供給させ、第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法を開始させれば良い。
具体的には、第2樹脂材料24aを使用する射出成形方法(射出充填工程)が完了した後、先に説明したように、第1スクリュ16’は、第1スクリュ支持軸15c(樹脂流路開放・遮断機構23’)に対して、すべての連通穴21’(連絡樹脂流路)を遮断できる回転位置にある。第1樹脂材料14aを使用する射出成形方法の開始により、当然ながら、第1スクリュ16’は、正回転される。そのため、すべての連通穴21’(連絡樹脂流路)の遮断状態は、図5(d)に示すように、すぐに開放状態へ移行する。また、可塑化工程及び計量工程の間、第1スクリュ16’の正回転を継続させれば、図5(d)に示すように、連通穴21’において、開放・遮断状態が繰り返される。しかしながら、すべての連通穴21’(連絡樹脂流路)を遮断できる回転位置が複数個所設けられる場合でも、1箇所の該回転位置を最低限の余裕を含む最小限の角度範囲に設定し、第1スクリュ16’の1回転中、遮断状態が維持される時間の合計に対して、開放状態が維持される時間の合計が十分に大きくなるように、第1スクリュ支持軸15c(樹脂流路開放・遮断機構23’)の開口部23a及び遮断部23bが形成されれば、第1スクリュ16’の正回転中における、連通穴21’(連絡樹脂流路)の遮断状態は、同じピッチで一瞬生じるのみである。
第1スクリュ支持軸15c(樹脂流路開放・遮断機構23’)の開口部23a及び遮断部23bが、このように形成されることにより、第1スクリュ16’の第1樹脂流路10において可塑化された第1樹脂材料14a(第1樹脂材料14b)は、連通穴21’(連絡樹脂流露)を経由して、ほぼ安定して貯留部20に貯留される。計量工程完了後は、貯留部20に新たな第1溶融樹脂14bが流動されないように、第1スクリュ16’を、すべての連通穴21’(連絡樹脂流路)を遮断できる回転位置まで逆回転させることにより、そのまま、射出充填工程を開始することができる。この逆回転の際の回転角度は、先に説明したように、すべての連通穴21’(連絡樹脂流路)を遮断できる回転位置を複数個所設けることによって少なくすることができるため、この逆回転により、第1樹脂流路10を後方に流動される第1樹脂材料14a(第1樹脂材料14b)が問題になる虞はない。
また、第1スクリュ支持軸15c(樹脂流路開放・遮断機構23’)は、図5(c)に示す具体例2のように、開口部23aを切り欠きではなく、その円周面上の開口穴として形成させても良い。いずれの第1スクリュ支持軸15cであっても、実施例1の樹脂流路開放・遮断機構22のように、第1スクリュ16’及び第2加熱シリンダ25を、一体でその長手軸方向に移動させる必要がないため、第1スクリュ駆動手段16dが不要となる。そして、実施例2の、リング状の樹脂流路開放・遮断機構23のように、連通穴21’(連絡樹脂流路)の開放・遮断を行わせるために、樹脂流路開放・遮断機構23を第1スクリュ16’に対して回転させる必要がないため、樹脂流路開放・遮断機構23を回転させる回転駆動手段が不要になり、樹脂流路開放・遮断機構23’を、より簡素化できる。更に、より簡素化された樹脂流路開放・遮断機構であっても、第1スクリュ16’の中空部の内周面において、連通穴21’の開放・遮断を行わせるため、実施例1の樹脂流路開放・遮断機構22と同様に、連通穴21’中で、第1樹脂材料14a及び第2樹脂材料24aを混流させることがなく、第1樹脂材料14a及び第2樹脂材料24aの樹脂替えを確実に行うことができる。
更に、本実施例3では、樹脂流路開放・遮断機構23’(第1スクリュ支持軸15c)を回転させないとしたが、このように、第1スクリュ支持軸15cが、第1加熱シリンダ15の前方支持部15bの前方から脱着可能な構成であれば、第1スクリュ支持軸15cを、実施例2のリング状の樹脂流路開放・遮断機構23のように回転させる構成において、第1スクリュ支持軸15c用の回転駆動手段を、それ自体が回転する第1スクリュ16’に設ける必要がなく、第1加熱シリンダ15や前方支持部15bに設けることができるため、それらの構成の配置がより容易になる。
1 射出装置
2 射出装置(実施例2)
3 射出装置(実施例3)
10 第1樹脂流路
11 第2樹脂流路
13 射出ノズル
14 第1材料供給部
14a 第1樹脂材料
14b 第1溶融樹脂
15 第1加熱シリンダ
16 第1スクリュ
16’ 第1スクリュ(実施例2/実施例3)
16’ 第1スクリュ(実施例2/実施例3)
17 第2スクリュ
18 逆止リング
21 連絡樹脂流路
21’ 連通穴(実施例2/実施例3)
22 樹脂流路開放・遮断機構
23 樹脂流路開放・遮断機構(実施例2)
23a 開口部(実施例2/実施例3)
23b 遮断部(実施例2/実施例3)
23’ 樹脂流路開放・遮断機構(実施例3)
24 第2材料供給部
24a 第2樹脂材料
24b 第2溶融樹脂
25 第2加熱シリンダ

Claims (7)

  1. いずれか一方の端部に射出ノズルを、他方の端部に第1材料供給部を有する第1加熱シリンダと、
    前記第1加熱シリンダ内に、その長手軸中心に回転可能に配置される中空円筒状の第1スクリュと、
    前記第1スクリュの中空部に、前記第1スクリュと同軸に回転可能、且つ、該軸方向に移動可能に配置される第2スクリュと、
    前記第2スクリュの、前記射出ノズル側に配置される逆止リングと、
    前記第1加熱シリンダの内周面と前記第1スクリュの外周面との間に形成される第1樹脂流路と、
    前記第1樹脂流路と、前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側の空間とを連通する連絡樹脂流路と、
    前記連絡樹脂流路を任意で開放・遮断可能な樹脂流路開放・遮断機構と、
    前記第1スクリュの内周面と前記第2スクリュの外周面との間に形成される第2樹脂流路と、
    を備え、
    前記第2スクリュを、前記第1スクリュの、前記第1加熱シリンダの前記第1材料供給部側に突出させると共に、該突出部分が内包されるように、第2材料供給部を有する第2加熱シリンダが配置され、
    前記第2樹脂流路が、前記第2加熱シリンダの内周面と前記第2スクリュの前記突出部分との間まで延長されている射出成形機の射出装置。
  2. 前記第1スクリュの前記第1材料供給部側の端部が、前記第1加熱シリンダに支持されると共に、前記連絡樹脂流路が、前記第1加熱シリンダの前記射出ノズル側の内面と前記第1スクリュの端面との間の空間に形成され、
    前記樹脂流路開放・遮断機構が、前記第1スクリュをその長手軸方向に移動可能に配置させ、前記第1加熱シリンダの前記射出ノズル側の内面と前記第1スクリュの端面との少なくとも一部を接触又は離間させて、前記連絡樹脂流路を遮断又は開放するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の射出装置。
  3. 前記第1スクリュの前記第1材料供給部側及び前記射出ノズル側の両端が、前記第1加熱シリンダに支持され、前記連絡樹脂流路が、前記第1スクリュの前記射出ノズル側外周面から前記第1スクリュの中空部まで、前記第1スクリュを半径方向に貫通する少なくとも1箇所の連通穴で構成されると共に、
    前記樹脂流路開放・遮断機構が、前記第1スクリュの中空部と略同じ内径を有する、前記第1スクリュの前記連絡樹脂流路の前記連通穴部分に配置されるリング状部材であって、その円周面に、前記連通穴と連通する少なくとも1つの開口部と、該開口部以外の遮断部とが形成され、前記リング状部材の前記第1スクリュに対する少なくとも1つの回転位置において、前記遮断部が、前記連通穴の全てを同時に遮断し、前記回転位置以外において、前記開口部が前記連通穴の少なくとも一部と連通するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の射出装置。
  4. 前記第1スクリュの前記第1材料供給部側及び前記射出ノズル側の両端が、前記第1加熱シリンダに支持され、前記連絡樹脂流路が、前記第1スクリュの前記射出ノズル側外周面から前記第1スクリュの中空部まで、前記第1スクリュを半径方向に貫通する少なくとも1箇所の連通穴で構成されると共に、
    前記樹脂流路開放・遮断機構が、前記第1スクリュの前記射出ノズル側を支持する、中空円筒状の第1スクリュ支持軸の円周面に、前記連通穴と連通する少なくとも1つの開口部と、該開口部以外の遮断部とが形成され、前記第1スクリュの少なくとも1つの回転位置において、前記遮断部が、前記連通穴の全てを同時に遮断し、前記回転位置以外において、前記開口部が前記連通穴の少なくとも一部と連通するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の射出装置。
  5. 前記樹脂流路開放・遮断機構により前記連絡樹脂流路を開放させて、前記第1材料供給部から供給された第1樹脂材料を、前記第1スクリュの前記第1樹脂流路において可塑化させ、第1溶融樹脂と成す第1可塑化工程と、
    前記第1溶融樹脂を、前記連絡樹脂流路を介して前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側の空間に流動させ、前記第1溶融樹脂の圧力により、前記逆止リングを逆流防止状態に移行させると共に、前記第2スクリュを後退させる第1計量工程と、
    前記樹脂流路開放・遮断機構により前記連絡樹脂流路を遮断させて、前記第1計量工程により、前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側に所定量貯留させた前記第1溶融樹脂を、前記第2スクリュの前記射出ノズル側への移動により、前記射出ノズルから射出させる第1射出充填工程と、
    を有する請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の射出成形機の射出装置を使用する射出成形方法。
  6. 前記樹脂流路開放・遮断機構により前記連絡樹脂流路を遮断させて、前記第2材料供給部から供給された第2樹脂材料を、前記第2スクリュの前記第2樹脂流路において可塑化させ、第2溶融樹脂と成す第2可塑化工程と、
    前記第2溶融樹脂を、前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側の空間に流動させ、前記第2溶融樹脂の圧力により、前記逆止リングを逆流防止状態に移行させると共に、前記第2スクリュを後退させる第2計量工程と、
    前記第2計量工程により、前記第2スクリュの前記逆止リングより前記射出ノズル側に所定量貯留させた前記第2溶融樹脂を、前記第2スクリュの前記射出ノズル側への移動により、前記射出ノズルから射出させる第2射出充填工程と、
    を有する請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の射出成形機の射出装置を使用する射出成形方法。
  7. 前記樹脂流路開放・遮断機構の、前記連絡樹脂流路の開放・遮断の切り替えにより、請求項5に記載の、前記第1樹脂材料を使用する射出成形方法と、請求項6に記載の、前記第2樹脂材料を使用する射出成形方法と、を任意で切り替えることを特徴とする樹脂換え方法。
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