JP2014124763A - 電動工具 - Google Patents

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弘識 益子
Tomomasa Nishikawa
智雅 西河
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Abstract

【課題】 トルクセンサを使用せずに止具の締付作業を確実に行うことができる電動工具の提供。
【解決手段】 電子パルスドライバ1は、正転方向又は逆転方向に回転可能なモータ3と、ハンマ42と、ハンマ42によって打撃されるアンビル52とを備えている。電子パルスドライバ1は、モータ3が逆転方向に回転したときのモータ3の電流が前回のモータ3逆転時のモータ3の電流より上回っている場合には、モータ3の駆動を継続させている。
【選択図】図3

Description

本発明は電動工具に関し、特に回転駆動力を出力する電子パルスドライバに関する。
従来の電動工具たる電子パルスドライバは、モータと、モータによって駆動されるハンマと、先端工具が着脱可能でありハンマによって打撃されるアンビルと、を備えている(例えば特許文献1参照)。モータは双方向に回転可能であって、モータが正回転してハンマがアンビルを打撃し、モータが逆回転してハンマとアンビルとが離間し、再びモータが正回転してハンマがアンビルを打撃する。これにより、先端工具で止具を加工部材に締結することができる。
特開2011−31314号公報
このような電子パルスドライバでは、正転時の電流が所定値を超えた時、止具が加工部材に着座したと判断してモータを停止していた。しかし、止具と先端工具とのかじりによって瞬間的に電流が所定値を超えることにより、締付作業途中で作業が停止してしまうという問題があった。締付トルクを正確に判断する手段として、新たにトルクセンサを設けることが考えられるが、製造コストが増加するため他の制御方法が望まれていた。
そこで本発明は、トルクセンサを使用せずに止具の締付作業を確実に行うことができる電動工具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、正転方向又は逆転方向に回転可能なモータと、前記モータにより回転されるハンマと、前記ハンマにより打撃されるアンビルと、を備え、前記モータが前記逆転方向に回転したときのモータ電流が前回のモータ逆転時のモータ電流より上回っている場合には、前記モータの駆動を継続させるように構成したことを特徴とする電動工具を提供している。
このような構成によると、モータが逆転方向に回転したときのモータ電流が前回のモータ逆転時のモータ電流より上回っている場合には、止具の締付が進んでいないと判断することができるため、モータを継続して駆動させることにより確実に締付作業を行うことができる。つまり、締付作業が完全に終了する前に作業が停止してしまうことを防止できる。
また、前記モータが前記逆転方向に回転したときの前記モータ電流が前回のモータ逆転時の前記モータ電流を下回った場合、所定の条件を満たした場合に前記モータを停止するように構成したことが好ましい。
このような構成によると、モータ電流が前回のモータ電流を下回った場合には、止具の締付が進んでいると判断することができる。所定条件を満たした場合にモータが停止するため、確実に締付作業を行うことができる。また、所定トルク以上で止具を締結することを防止できるため、正確なトルク管理が可能な電動工具を実現することができる。
また、前記所定の条件は、前記モータが前記逆転方向に回転したときの前記モータ電流が所定の電流閾値を下回った場合であることが好ましい。
このような構成によると、モータ電流が所定の電流閾値を下回った場合には、確実にモータを停止させることができる。これにより、確実に締付作業を行うことができる。
また、前記所定の条件は、前記モータが前記逆転方向に回転したときの前記モータ電流と前回のモータ逆転時の前記モータ電流との差が所定範囲内の場合であることが好ましい。
このような構成によると、モータ電流と前回のモータ電流との差が所定範囲内の場合には、確実にモータを停止させることができる。これにより、確実に締付作業を行うことができる。
本発明の別の観点によると、駆動力を供給する双方向に回転可能なモータと、前記駆動力により正転方向又は逆転方向へ回転されるハンマと、前記正転方向又は前記逆転方向へ回転した前記ハンマにより打撃されるアンビルと、前記打撃後に、前記モータを制御するためのパラメータを検出するパラメータ検出部と、前記パラメータ検出部によって検出された前記パラメータに基づいて、前記モータを停止させる制御部と、を備えた電動工具を提供している。
このような構成によると、制御部がパラメータに基づいてモータを停止するため、電動工具で締結作業を行う場合に正確なトルク管理が可能となる。また、打撃後のパラメータに基づいてモータを停止するため、所定の不具合等により発生した打撃中の一時的かつ急激な負荷の上昇を締付トルクの増加として誤検知することを防止できる。これにより、徐々に締付負荷が増加するような特殊な状況であっても、正確に締付作業を行うことができる。
また、前記パラメータ検出部は、前記ハンマが前記逆転方向に回転した時の前記モータの電流を前記パラメータとし、前記制御部は、前記電流に基づいて前記モータを停止させることが好ましい。
このような構成によると、ハンマが正転方向に回転した時の電流をパラメータとしてモータを停止させる場合と比べて、所定の不具合等により発生した打撃中の一時的かつ急激な負荷の上昇を締付トルクの増加として誤検知することを防止できる。これにより、制御部は正確に締付作業が終了した後にモータを停止することができる。
また、前記パラメータ検出部は、前記ハンマが前記逆転方向に回転した時の前記モータの回転数を前記パラメータとし、前記制御部は、前記回転数に基づいて前記モータを停止させることが好ましい。
このような構成によると、ハンマが正転方向に回転した時のモータの回転数をパラメータとしてモータを停止させる場合と比べて、所定の不具合等により発生した打撃中の一時的かつ急激な負荷の上昇を締付トルクの増加として誤検知することを防止できる。これにより、制御部は正確に締付作業が終了した後にモータを停止することができる。
また、前記制御部は、パラメータ閾値を記憶する記憶部を有し、前記制御部は、前記パラメータ検出部によって検出された前記パラメータと、前記パラメータ閾値とを比較することによって前記モータを停止させることが好ましい。
このような構成によると、制御部は予め記憶部に記憶されたパラメータ閾値と検出されたパラメータとを比較することによって、正確にモータを停止させることができる。
また、前記モータに電力を供給する電源部と、前記電源部の電圧を検出する電圧検出部と、をさらに備え、前記制御部は、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記パラメータ閾値を算出することが好ましい。
このような構成によると、電動工具の使用によって電源部の電圧が低下した場合であっても、電源部の電圧に応じたパラメータ閾値を算出することができる。これにより、制御部は正確にモータを停止することができる。
また、前記ハンマが前記正転方向から前記逆転方向に回転するとき、前記モータから前記駆動力が伝達されない休止期間が設けられ、前記電圧検出部は前記休止期間に前記電源部の電圧を検出することが好ましい。
このような構成によると、電圧検出部は休止期間に電源部の電圧を検出するため、電圧降下の無い正確な電圧を検出できる。さらに、電圧検出部は、ノイズ等の影響を受けることなく電源部の電圧を検出できる。
また、操作量に応じて前記モータへ供給する前記電力が変化するトリガと、前記トリガの操作量を検出するトリガ操作量検出部と、をさらに備え、前記制御部は、前記トリガ操作量検出部が前記トリガの操作量が最大であると判断した場合に、前記パラメータと前記パラメータ閾値とを比較することが好ましい。
このような構成によると、トリガの操作量が最大である場合に、制御部は締付トルクを推定する。トリガの操作量が変化する場合には、これに応じて締付トルクも変化する。トリガの操作量が最大である場合に締付トルクを推定することにより、制御部は、正確に締付トルクを推定することができる。これにより、制御部は正確にモータを停止することができる。
また、前記制御部が、前記締付トルクが所定トルク以下であると判断し、且つ前記トリガ操作量検出部が前記トリガが操作されていないと判断した場合、作業者に記締付トルクが所定トルク以下である旨を報知する報知手段をさらに備えることが好ましい。
このような構成によると、作業者は報知手段の報知によって締付トルクが所定トルク以下であることを認識することができる。
また、前記制御部は、前記ハンマが前記アンビルを打撃する毎に、前記パラメータ閾値を算出することが好ましい。
このような構成によると、ハンマとアンビルとの打撃毎にパラメータ閾値を算出しているため、ハンマとアンビルとの打撃によって電源部の電圧が低下した場合であっても、制御部は正確にモータを停止することができる。
本発明の別の観点によると、正転方向又は逆転方向に回転可能なモータと、前記モータにより回転されるハンマと、前記前記ハンマにより打撃されるアンビルと、前記打撃後の前記ハンマの反発度合いを検出するパラメータ検出部と、を備え、前記パラメータ検出部によって検出された前記反発度合いに基づいて、前記モータを停止するように構成したことを特徴とする電動工具を提供している。
このような構成によると、制御部が反発度合いに基づいてモータを停止するため、電動工具で締結作業を行う場合に正確なトルク管理が可能となる。また、打撃後の反発度合いに基づいてモータを停止するため、所定の不具合等により発生した打撃中の一時的かつ急激な負荷の上昇を締付トルクの増加として誤検知することを防止できる。これにより、徐々に締付負荷が増加するような特殊な状況であっても、正確に締付作業を行うことができる。
前記パラメータ検出部は、前記反発度合いとして、前記ハンマが前記逆転方向に回転した時の前記モータの電流をパラメータとし、前記制御部は、前記電流に基づいて前記モータを停止させることが好ましい。
このような構成によると、ハンマが正転方向に回転した時の電流をパラメータとしてモータを停止させる場合と比べて、所定の不具合等により発生した打撃中の一時的かつ急激な負荷の上昇を締付トルクの増加として誤検知することを防止できる。これにより、制御部は正確に締付作業が終了した後にモータを停止することができる。
また、前記モータが前記逆転方向に回転したときの前記モータ電流が前回のモータ逆転時のモータ電流を下回った場合、所定の条件を満たした場合に前記モータを停止するように構成したことが好ましい。
このような構成によると、モータ電流が前回のモータ電流を下回った場合には、止具の締付が進んでいると判断することができる。所定条件を満たした場合にモータが停止するため、確実に締付作業を行うことができる。また、所定トルク以上で止具を締結することを防止できるため、正確なトルク管理が可能な電動工具を実現することができる。
また、前記所定の条件は、前記モータが前記逆転方向に回転したときの前記モータ電流が所定の電流閾値を下回った場合であることが好ましい。
このような構成によると、モータ電流が所定の電流閾値を下回った場合には、確実にモータを停止させることができる。これにより、確実に締付作業を完了させることができる。
また、前記所定の条件は、前記モータが前記逆転方向に回転したときの前記モータ電流と前回のモータ逆転時のモータ電流との差が所定範囲内の場合であることが好ましい。
このような構成によると、モータ電流と前回のモータ電流との差が所定範囲内の場合には、確実にモータを停止させることができる。これにより、確実に締付作業を完了させることができる。
本発明の電動工具によれば、トルクセンサを使用せずに止具の締付作業を確実に行うことができる電動工具を提供することができる。
本発明の実施形態に係る電子パルスドライバの断面図 本発明の実施形態に係る電子パルスドライバのブロック図 本発明の実施形態に係る電子パルスドライバの締付トルク、電流、電圧波形を表すグラフ 本発明の実施形態に係る電子パルスドライバの電池電圧と電流閾値との関係を表すグラフ 本発明の実施形態に係る電子パルスドライバのパルスモードでの制御を表すフローチャート 本発明の実施形態に係る電子パルスドライバのパルスモードでの制御を表すフローチャート 本発明の第2の実施形態に係る電子パルスドライバのパルスモードでの制御を表すフローチャート 本発明の第3の実施形態に係る電子パルスドライバのパルスモードでの制御を表すフローチャート
以下、本発明の第1の実施形態に係る電動工具の一例である電子パルスドライバ1の構成について、図1から図4に基づき説明する。
図1に示すように、電動工具の一例である電子パルスドライバ1は、ハウジング2と、モータ3と、ハンマ部4と、アンビル部5と、制御部6とから主に構成されている。ハウジング2は樹脂製であって電子パルスドライバ1の外郭を成しており、略筒状の胴体部21と、胴体部21から延出されるハンドル部22とから主に構成されている。
胴体部21内には、その長手方向がモータ3の軸方向と一致するようにモータ3が配置されると共に、モータ3の軸方向一端側に向かってハンマ部4、アンビル部5が並んで配置されている。以下の説明においては、アンビル部5側を前側、モータ3側を後側、モータ3の軸方向と平行な方向を前後方向と定義する。また、胴体部21側を上側、ハンドル部22側を下側、胴体部21からハンドル部22が延びる方向を上下方向と定義する。また、前後方向及び上下方向と直交する方向を左右方向と定義する。
胴体部21内の前側位置には、ハンマ部4及びアンビル部5が内蔵される金属製のハンマケース23が配置されている。ハンマケース23は、前方に向かうに従って徐々に径が細くなる略漏斗形状を成している。ハンマケース23には、前端部分には開口23aが形成され、開口23aを画成する内壁にはメタル23Aが設けられている。メタル23Aは、アンビル部5を回転可能に支承している。
開口23a近傍位置であってハンマケース23の下方位置には、後述の先端工具装着部51に装着された図示せぬ先端工具を照射するためのライト2Aが配置されている。また、ライト2Aの下方位置には、制御モードの切り替え及び締付トルク設定のためのダイヤル2Bが回転操作可能に配置されている。ライト2A及びダイヤル2Bは、左右方向における胴体部21の略中央位置にそれぞれ配置されている。また、胴体部21には、後述のファン32により胴体部21内に外気を吸入・排出する図示せぬ吸気口及び排気口が形成されている。更に、胴体部21の上部かつ後側には、いずれの制御モードが選択されているかを表示する表示部26が配置されている。また、表示部26には、LED28が設けられている。LED28は、予め設定された締付トルクに到達しないまま締付作業を終了した場合に点滅し、作業者に止具が締付トルクで締結されていない旨を警告する。LED28は、本発明の報知手段に相当する。
ハンドル部22は、胴体部21の前後方向略中央位置から下側に向けて延出され胴体部21と一体に構成されている。ハンドル部22の内部には、スイッチ機構7が内蔵されると共に、その下端位置にモータ3等に電力を供給する電池24が着脱可能に装着されている。ハンドル部22の上部かつ前側位置には、トリガ25が設けられている。トリガ25の近傍には、モータ3の回転方向を切替える正逆切替レバー27が設けられている(図2)。電池24は、本発明の電源部に相当する。
図1に示すように、モータ3は、出力軸31を有するロータ3Aと、ロータ3Aと対向配置されたステータ3Bとから主に構成されるブラシレスモータであり、出力軸31の軸方向が前後方向と一致するように胴体部21内に配置されている。出力軸31は、ロータ3Aの前後に突出しており、その突出した箇所でベアリングにより胴体部21に回転可能に支承されている。出力軸31の前側に突出している箇所には、出力軸31と同軸一体回転するファン32が設けられており、更に、当該箇所の最前端位置には、ピニオンギヤ31Aが出力軸31と同軸一体回転するように設けられている。モータ3の後方には、出力軸31に直交する方向に延びるインバータ基板8が設けられている。
ハンマ部4は、ギヤ機構41と、ハンマ42とから主に構成されており、ハンマケース23内のモータ3の前側に内蔵されている。ギヤ機構41は、2段遊星歯車機構であり、アウターギヤ41A及び41Bと、それぞれ3つの遊星歯車41C及び41Dと、キャリア41E、を備えている。アウターギヤ41A及び41Bは、ハンマケース23内に固定されている。
1段目の遊星歯車機構について説明する。3つの遊星歯車41Cは、太陽ギヤとしてのピニオンギヤ31Aの周囲にピニオンギヤ31Aと噛合するように配置され、かつ、アウターギヤ41A内にアウターギヤ41Aと噛合するように配置されている。また、3つの遊星歯車41Cは、太陽ギヤを有するキャリア41Eに固定されている。このような構成により、ピニオンギヤ31Aの回転に伴い、3つの遊星歯車41Bは、ピニオンギヤ31Aの周りを公転し、その公転により減速された回転がキャリア41Eの太陽ギヤに伝達される。同様にして、2段目の遊星歯車機構でもモータ3の回転は減速され、ハンマ42に伝達される。
ハンマ42は、ギヤ機構41の前側に配置されており、回転軸に対して対極に配置され、前側に向けて突出した第1係合突起42A及び第2係合突起42Bを有している。
アンビル部5は、ハンマ部4の前方に配置されており、先端工具装着部51と、アンビル52とから主に構成されている。先端工具装着部51は、円筒状に構成され、ハンマケース23の開口23a内にメタル23Aを介して回転可能に支持されている。先端工具装着部51には、図示せぬ先端工具が挿入される穿孔51aが前後方向へ穿設されており、前端部分には、図示せぬ先端工具を保持するチャック51Aが設けられている。
アンビル52は、先端工具装着部51の後方であってハンマケース23内に先端工具装着部51と一体に構成されており、先端工具装着部51の回転中心に対して対極に配置され後側に向けて突出した第1被係合突起52A及び第2被係合突起52Bを有している。ハンマ42が回転すると、第1係合突起42Aと第1被係合突起52Aとが衝突すると同時に、第2係合突起42Bと第2被係合突起52Bとが衝突し、これにより、ハンマ42の回転力がアンビル52に伝達される。
次に、モータ3の駆動制御系の構成を図2に基づき説明する。本実施の形態では、モータ3は、3相のブラシレスDCモータであり、ロータ3Aは複数組(本実施の形態では2組)のN極とS極を含む永久磁石3Cを有し、ステータ3Bはスター結線された3相の固定子巻線U、V、Wである。
図2に示すように、インバータ基板8は、3相ブリッジ形式に接続されたFET等の6個のスイッチング素子Q1〜Q6及び3つの回転位置検出素子9が設けられている。回転位置検出素子9は、ロータ3Aの永久磁石3Cに対向する位置に設けられており、ロータ3Aの周方向に所定の間隔毎(例えば角度60°毎)に配置されている。
制御部6は、ハンドル部22内の電池24近傍位置に配置された基板に搭載されており、電池24に接続されると共に表示部26、トリガ25(スイッチ機構7)、及び正逆切替レバー27に接続されている。また、制御部6は、電流検出回路61Aと、電圧検出回路61Bと、スイッチ操作検出回路62と、印加電圧設定回路63と、回転方向設定回路64と、回転子位置検出回路65と、回転数検出回路66と、演算部68と、制御信号出力回路69と、を備えている。電流検出回路61Aは、本発明のパラメータ検出部に相当する。電圧検出回路61Bは、本発明の電圧検出部に相当する。
インバータ基板8の各スイッチング素子Q1〜Q6のゲートは、制御部6の制御信号出力回路69に接続され、各スイッチング素子Q1〜Q6のドレイン又はソースは、ステータ3Bの固定子巻線U、V、Wに接続されている。6個のスイッチング素子Q1〜Q6は、制御信号出力回路69から入力されるスイッチング素子駆動信号によってスイッチング動作を行い、インバータ基板8に印加される電池24の直流電圧を3相(U相、V相及びW相)電圧Vu、Vv、Vwとして固定子巻線U、V、Wに電力を供給する。詳細には、制御信号出力回路69から正電源側スイッチング素子Q1、Q2、Q3に入力される出力切替信号H1、H2、H3により、通電される固定子巻線U、V、W、すなわち、ロータ3Aの回転方向が制御される。また、制御信号出力回路69から負電源側スイッチング素子Q4、Q5、Q6に入力されるパルス幅変調信号(PWM信号)H4、H5、H6により、固定子巻線U、V、Wへの電力供給量、すなわち、ロータ3Aの回転速度が制御される。
電流検出回路61Aは、モータ3に供給される電流を検出し、演算部68に出力する。電圧検出回路61Bは、電池24の電圧を検出し、演算部68に出力する。スイッチ操作検出回路62は、トリガ25の操作の有無を検出して演算部68に出力する。印加電圧設定回路63は、トリガ25の操作量に応じた信号を演算部68に出力する。印加電圧設定回路63は、本発明のトリガ操作量検出部に相当する。
回転方向設定回路64は、正逆切替レバー27の切り替えを検出すると、モータ3の回転方向を切り替えるための信号を演算部68に送信する。
回転子位置検出回路65は、回転位置検出素子9からの信号に基づきロータ3Aの回転位置を検出し、演算部68に出力する。回転数検出回路66は、回転位置検出素子9からの信号に基づきロータ3Aの回転数を検出し、演算部68へ出力する。
演算部68は、処理プログラムとデータに基づいて駆動信号を出力するための図示せぬ中央処理装置(CPU)と、処理プログラムや制御データを記憶するための記憶部68Aと、を備えている。記憶部68Aには、図4に示すような電池24の電圧と電流閾値との関係を示すグラフや後述の打撃開始電流閾値等が保存されている。電流閾値は、本発明のパラメータ閾値に相当する。演算部68は、回転方向設定回路64と回転子位置検出回路65からの信号に基づき、出力切替信号H1、H2、H3を、印加電圧設定回路63からの信号に基づきパルス幅変調信号(PWM信号)H4、H5、H6を生成し、制御信号出力回路69に出力する。なお、PWM信号を正電源側スイッチング素子Q1〜Q3に出力し、出力切替信号を負電源側スイッチング素子Q4〜Q6に出力してもよい。
次に、図3〜図6を用いて、電子パルスドライバ1における制御モードについて説明する。本実施の形態による電子パルスドライバは、ドリルモード、クラッチモード、パルスモードの3つの制御モードを備えており、ダイヤル2Bを操作することによりモード切り替えが可能である。
ドリルモードとは、ハンマ42とアンビル52とを一体的に回転させるモードであって、主に、木ネジを締結する場合等に用いられる。クラッチモードとは、ハンマ42とアンビル52とを一体的に回転させた状態でモータ3に流れる電流が目標値まで増加した場合にモータ3の駆動を停止させるモードであって、主に、締結後に外観に現れる留め金具を締結する場合等に用いられる。
パルスモードとは、図3に示すように、ハンマ42とアンビル52とを一体的に回転させた状態でモータ3に流れる電流が所定値まで増加した場合にモータ3の正転及び逆転を交互に切り換えて打撃により留め金具を締結するモードであって、主に、外観に現れない場所で用いられる長尺のネジを締結する場合等に用いられる。これにより、強力な締結力を供給することができると同時に、被加工部材からの反発力を低減することができる。
次に、電子パルスドライバ1がパルスモードによって締結作業を行う際の制御部6による制御について説明する。パルスモードでは、所定のトルクTに達した時、電子パルスドライバ1の動作を停止する。
図3は、パルスモードで止具を締結する際の電流、電圧、締付トルクの推移を表すグラフである。制御モードがパルスモードに設定されている場合には、トリガ25が操作されると、制御部6はモータ3を回転させてハンマ42とアンビル52とを一体的に回転させる。時刻t1において電流が予め設定された打撃開始電流閾値を超えると、休止期間を挟んで、時刻t2においてモータ3を逆転させる。打撃開始電流閾値とは、ハンマ42がアンビル52への打撃を開始する電流値である。休止期間とは、モータ3に電流が付与されていな期間のことをいう。これにより、ハンマ42とアンビル52とが回転方向に互いに離間する。時刻t1から時刻t2の間の休止期間では、ハンマ42は慣性力によってアンビル52を回転方向に押圧している。
休止期間を置いた後、時刻t3において、制御部6はモータ3を正転させるように制御する。これによって、時刻tにおいて、ハンマ42とアンビル52とが互いに衝突する。休止期間を経過した後、時刻t4において、制御部6は、再びモータ3を逆転させる。このような制御を繰り返すことにより、ハンマ42とアンビル52とが連続的に衝突して、止具に締付トルクが付与される。止具の締結が進むにつれて、ハンマ42がアンビル52を打撃した後の反発力が増加する。これは、止具の締結が進むと、ハンマ42がアンビル52を打撃した際の回転エネルギーが、アンビル52の回転に使用されずに反発力としてハンマ42に戻ってきてしまうためである。反発力は、ハンマ42をアンビル52と離間させる方向に働くため、ハンマ42を逆転させるための負荷が徐々に低下する。これにより、締付作業が進行するにつれて、徐々に逆転時の電流が低下する(図3の逆転電流推移を参照)。同時に、締付トルクは、徐々に上昇する。
すなわち、制御部6は、打撃毎に逆転時の電流が定められた電流閾値を超えているか否かを判断している。時刻t5において、電流が電流閾値(本実施の形態では20[A])以下となると、制御部6は締付トルクが所定トルクT(本実施の形態では20[Nm])に到達したと判断してモータ3を停止させる。
次に、図5及び図6を参照しながら電子パルスドライバ1の制御フローについて説明する。
電子パルスドライバ1に電池24が装着されることにより、制御部6が起動してフローチャートがスタートする。制御部6は、トリガ25が操作されたか否かを判断する(S1)。トリガ25が操作されていない場合は(S1:NO)、S1をループする。トリガ25が操作された場合は(S1:YES)、制御部6はモータ3を正転させる(S2)。制御部6は、モータ3の電流が打撃開始電流閾値を超えたか否かを判断する(S3)。詳細には、演算部68が、電流検出回路61Aからの信号に基づいてモータ3の電流が打撃開始電流閾値を超えたか否かを判断する。モータ3の電流が打撃開始電流閾値未満の場合には(S3:NO)、モータ3を引き続き正転させる(S2)。モータ3の電流が打撃開始電流閾値以上の場合には(S3:YES、図3のt1)、打撃動作・締付トルク判定処理へと進む(S4)。
図6に示すように、打撃動作・締付トルク判定処理では、モータ3を休止させる休止期間(S5)の間に電圧検出回路61Bによって電池24の電圧値を検出し、電流閾値を算出する(S6)。ここでいう休止期間は、図3の時刻t1から時刻t2の間に相当する。制御部6の演算部68は、電圧検出回路61Bからの信号に基づいて、記憶部68Aに記憶された図4に示すグラフを参照することにより電流閾値を決定する。電流閾値とは、設定された締付トルクに応じて決定される閾値である。本実施の形態では、電池24の電圧は20[V]であるため、算出される電流閾値は20[A]となる。休止区間においては、図3に示すように、電池24の電圧の変動はほとんど無い。これにより、正確に電池24の電圧を計測することができる。
制御部6は、モータ3を逆転させ(S7)、トリガ25の操作量が最大であるか否かを判断する(S8)。詳細には、制御部6の演算部68は、印加電圧設定回路63からの信号に基づいて、トリガ25の操作量が最大であるか否かを判断する。電子パルスドライバ1では、トリガ25の操作量に応じてモータ3に供給する電流を制御している。つまり、トリガ25の操作量が小さければモータ3に供給される電流も小さくなる。従って、止具を所定トルクTで締結するためには、トリガ25の操作量が最大である必要がある。
トリガ25の操作量が最大の場合には(S8:YES)、制御部6がモータ3の電流を検出し(S9)、検出した電流がS6にて算出された電流閾値よりも小さいか否かを判断する(S10)。詳細には、電流検出回路61Aからの信号により、演算部68がモータ3の電流と電流閾値とを比較する。モータ3の電流が電流閾値よりも小さい場合には(S10:YES)、制御部6は止具が所定トルクTで締結されていると推定し、判定OKと判断する(S11)。そして、打撃動作・締付トルク判定処理を終了する。
トリガ25操作量が最大でないと判断された場合(S8:NO)、又はモータ3の電流が電流閾値以上の場合には(S10:NO)、制御部6は止具が所定トルクTで締結されていないと推定し、判定NGと判断する(S12)。制御部6は、再びモータ3を休止させた後(S13)、モータ3を正転させ(S14)、打撃動作・締付トルク判定処理を終了する。
再び図5に戻り、制御部6は判定がOKであるかNGであるかを判断する(S15)。つまり、制御部6は止具が所定トルクTで締結されているか否かを判断する。判定がOKである場合には(S15:YES)、トリガ25の操作に関わらずモータ3を停止する(S16)。判定がNGである場合には(S15:NO)、トリガ25が操作されているか否かを判断する(S17)。トリガ25が引き続き操作されている場合には(S17:YES)、再び打撃動作・締付トルク判定処理(S4)を行う。トリガ25が操作されていない場合には(S17:NO)、モータ3を停止する(S18)。このときは、判定がNGとなされているため止具が所定トルクTで締結されていない。制御部6は、LED28を点滅させて作業者に止具が所定トルクTで締結されていないことを報知する(S19)。
このような構成によると、制御部6が逆転時の電流に基づいてモータ3を停止するため、電子パルスドライバ1で締結作業を行う場合に正確なトルク管理が可能となる。また、打撃後の電流に基づいてモータ3を停止するため、所定の不具合等により発生した打撃中の一時的かつ急激な負荷の上昇を締付トルクの増加として誤検知することを防止できる。これにより、徐々に締付負荷が増加するような特殊な状況であっても、正確に締付作業を行うことができる。
このような構成によると、ハンマ42が正転方向に回転した時の電流に基づいてモータ3を停止させる場合と比べて、所定の不具合等により発生した打撃中の一時的かつ急激な負荷の上昇を締付トルクの増加として誤検知することを防止できる。これにより、制御部6は正確に締付作業が終了した後にモータ3を停止することができる(S16)。
このような構成によると、制御部6は予め記憶部68Aに記憶された電流閾値と検出された電流とを比較することによって、正確にモータ3を停止することができる(S16)。
このような構成によると、電子パルスドライバ1の使用によって電池24の電圧が低下した場合であっても、記憶部68Aに記憶されたグラフを参照することにより、電池24の電圧に応じた電流閾値を算出することができる。これにより、制御部6は正確にモータ3を停止することができる(S16)。
このような構成によると、電圧検出回路61Bは休止期間に電源部の電圧を検出するため、電圧降下の無い正確な電圧を検出できる。さらに、電圧検出回路61Bは、ノイズ等の影響を受けることなく電池24の電圧を検出できる。
このような構成によると、トリガ25の操作量が最大である場合に(S8:YES)、制御部6は締付トルクを推定する(S10)。トリガ25の操作量が変化する場合には、これに応じて締付トルクも変化する。トリガ25の操作量が最大である場合に締付トルクを推定することにより、制御部6は、正確にモータ3を停止することができる(S16)。
このような構成によると、作業者は報知手段のLED28の点滅によって(S19)、締付トルクが所定トルクT以下であることを認識することができる。
このような構成によると、ハンマ42とアンビル52との打撃毎に電流閾値を算出しているため(S6)、ハンマ42とアンビル52との打撃によって電池24の電圧が低下した場合であっても、制御部6は正確にモータ3を停止することができる(S16)。
このような構成によると、制御部6が締付トルクが所定トルクTに到達したと推定した場合、モータ3を停止させるため(S16)、所定トルクT以上で止具を締結することを防止できる。これにより、正確なトルク管理が可能な電子パルスドライバ1を実現することができる。
なお、本発明の電子パルスドライバは、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
上述した実施の形態では、電流をパラメータ又は反発度合いの一例としてモータを停止させたが、これに限定されない。例えば、モータ3の回転数を検出することにより、モータを停止させても良い。具体的には、演算部68は回転数検出回路66からの信号によってモータ3の回転数を認識する。記憶部68Aには、モータ3の回転数閾値と電池24の電圧との関係を示すグラフが記憶されている。電圧が高いほど回転数閾値は大きくなる関係、すなわち図4と同様の関係になる。止具を加工部材に締結していくと負荷が上昇していくため、負荷の増加に伴いモータ3の正転方向の回転数は減少していく。一方、逆転方向においては、負荷が増加するとハンマ42の反発も増加するため回転数は上昇していく。従って、上述のS10において、モータ3の逆転方向の回転数が回転数閾値よりも高いと判断した場合には、締付トルクは所定トルクTに到達したと判断し、判定OKとなる。なお、モータ3の正転方向の回転数が逆転回転数閾値よりも低いと判断した場合に判定OKとしてもよい。回転数検出回路66は、本発明のパラメータ検出部に相当する。このような構成によると、ハンマ42が正転方向に回転した時のモータ3の回転数をパラメータ又は反発度合いとしてモータを停止させる場合と比べて、所定の不具合等により発生した打撃中の一時的かつ急激な負荷の上昇を締付トルクの増加として誤検知することを防止できる。これにより、制御部6は正確にモータ3を停止させることができる。
上述した実施の形態では、報知手段の一例としてLED28を点滅させたが、LED28を点灯させても良く、音声等により報知しても良い。
上述した実施の形態では、打撃後のモータ3を逆回転させる際の電流によりモータを停止させたが、これに限定されない。例えば、アンビルの位置を検出するセンサを取付けて、打撃後のアンビルの位置を検出することによって締付トルクを推定してモータを停止させても良い。また、アンビルの角度を検出するセンサを取付けて、打撃後のアンビルの角度を検出することによって締付トルクを推定してモータを停止させても良い。また、ハンマの位置又は角度を検出するセンサを取付けて、センサの検出結果に基づいてモータを停止させても良い。また、ジャイロセンサ等を設けることによって、打撃後の電子パルスドライバ1に発生する反力(反発度合い)などにより締付トルクを推定してモータを停止させても良い。
上述した実施の形態では、S10においてモータ3の電流が電流閾値を超えた場合、所定トルクTに到達したと判断して、モータ3を停止させた(S16)が、これに限定されない。例えば、所定トルクTに到達したと判断したことを契機として、従前とは異なる制御をしても良い。
上述した実施の形態では、打撃後のモータ3を逆回転させる際の電流に基づき、当該電流が電流閾値を下回ったときにモータ3を停止させる構成としたが、これに限るものではない。図3、図7及び図8を用いて、電子パルスドライバ1における第2及び第3の実施の形態に係る制御モードについて説明する。図3において、時刻t2,t4等でモータ3を逆転させているが、時刻t4でモータ3を逆転させたときの電流(ピーク電流)は、前回の時刻t2の電流(ピーク電流)より小さくなっている。これは上記したように、止具の締結が進むにつれて、ハンマ42がアンビル52を打撃した後の反発力が増加するためである。従って、止具の締付が進むとモータ3の逆転時の電流は小さくなる。そのため、今回(最新)の逆転時の電流が前回(1つ前)の逆転時の電流より大きい場合には、何らかの不具合等により止具の締付が進んでいないことになるためモータ3の駆動を継続させる。
一方、今回の逆転時の電流が前回の逆転時の電流より小さい場合には、止具の締付が進んでいるため、所定の条件を満たしたときにモータ3の駆動を停止させる。モータ3の逆転時の電流は締付が進むにつれて小さくなるため、この電流値が所定の値より小さくなったことを条件としてモータ3を停止させる。或いは、モータ3の逆転時の電流の下がり幅が所定の範囲内になった場合にモータ3を停止させる。これは、締付が進むとハンマ42のアンビル52に対する反発量が殆ど変化しなくなるため、その時の逆転電流の下がり幅も殆ど変化しなくなる(変化量が小さくなる)。
次に、図7を参照しながら電子パルスドライバ1の第2の実施の形態に係る制御フローについて説明する。第1の実施の形態と異なる点は図5の打撃動作・締付トルク判定処理(S4)の処理である。
図7に示すように、打撃動作・締付トルク判定処理では、モータ3を休止させる休止期間(S20)の間に電圧検出回路61Bによって電池24の電圧値を検出し、電流閾値を算出する(S21)。その後、制御部6は、モータ3を逆転させ(S22)、モータ3の電流を検出する(S23)。これらの処理S20〜S23は第1の実施の形態のS5〜7、S9と同じである。なお、第1の実施の形態と同様にトリガ操作量を検出しても良い。
制御部6は、検出したモータ3の逆転時の電流を記憶部68Aに記憶している。制御部6は、今回の逆転時(図3の時刻t4)に検出した電流値と、前回の逆転時(図3の時刻t2)に検出して記憶部68Aに記憶してある電流値とを比較する(S24)。今回の電流値の方が前回の電流値より小さい場合(S24:YES)には、今回検出した電流値がS21にて算出された電流閾値よりも小さいか否かを判断する(S25)。モータ3の電流(今回検出値)が電流閾値よりも小さい場合には(S25:YES)、制御部6は止具が所定トルクTで締結されていると推定し、判定OKと判断する(S26)。そして、打撃動作・締付トルク判定処理を終了する。
一方、モータ3の今回電流値が前回電流値より大きい場合(S24:NO)、又は今回電流値が電流閾値以上の場合(S25:NO)には、制御部6は止具が締め付けが安定していない、すなわち所定トルクTに到達していないとし、判定NGと判断する(S27)。制御部6は、再びモータ3を休止させた後(S28)、モータ3を正転させ(S29)、打撃動作・締付トルク判定処理を終了する。
このような構成によると、モータ3が逆転方向に回転したときのモータ電流が前回のモータ逆転時のモータ電流より上回っている場合には(S24:NO)、止具の締付が進んでいないと判断することができるため、モータ3を継続して駆動させることにより確実に締付作業を行うことができる。つまり、締付作業が完全に終了する前に作業が停止してしまうことを防止できる。
このような構成によると、モータ電流が前回のモータ電流を下回った場合には(S24:YES)、止具の締付が進んでいると判断することができる。モータ電流が電流閾値を上回った場合に(S25:YES)モータが停止するため、確実に締付作業を行うことができる。
次に、図8を参照しながら電子パルスドライバ1の第3の実施の形態に係る制御フローについて説明する。第2の実施の形態と異なる点は、S25でモータ3の電流が電流閾値より小さいか否かを判断することに替えて、S30で電流の下がり幅が所定範囲内か否かを判断することである。なお、第3の実施の形態では、電流閾値を算出する必要が無いため、S21に相当するステップは省略される。
上記したように、締付が進むとハンマ42のアンビル52に対する反発量が殆ど変化しなくなるため、その時の逆転電流の下がり幅も殆ど変化しなくなる(変化量が小さくなる)。そのため、S30において今回の電流値と前回の電流値との差(下がり幅)が所定範囲内の場合(S30:YES)には、締付作業が安定しており、十分な締付トルクが得られたと判断して判定OK(S26)とする。
このような構成によると、モータ電流と前回のモータ電流との差が所定範囲内の場合には、確実にモータ3を停止させることができる。これにより、確実に締付作業を行うことができる。
以上から、モータ3の逆転時の電流に基づいてモータ3を停止することにより、締付作業途中でモータ3を停止することがなく、正確な締付け作業を行うことができる。
また、上記した実施の形態では電子パルスドライバを例に説明したが、モータを正転方向のみに制御するインパクトドライバであってもよい。この場合、止具を加工部材に締結していくと、締付トルクが上昇すると共にモータに流れる電流も上昇する。従って、今回の打撃時の電流値が前回の電流値より大きくなった場合で所定の条件を満たした場合、すなわち打撃後の電流値が電流閾値を超えた場合に所望の締付トルクに到達したとしてモータを停止させる。なお、今回の打撃時の電流値が前回よりも小さい場合には何らかの不具合が生じているためモータの駆動は継続させる。
1・・電子パルスドライバ
3・・モータ
4・・ハンマ部
5・・アンビル部
6・・制御部
42・・ハンマ
52・・アンビル
61A・・電流検出回路
61B・・電圧検出回路
62・・スイッチ操作検出回路
63・・印加電圧設定回路
66・・回転数検出回路

Claims (18)

  1. 正転方向又は逆転方向に回転可能なモータと、
    前記モータにより回転されるハンマと、
    前記ハンマにより打撃されるアンビルと、を備え、
    前記モータが前記逆転方向に回転したときのモータ電流が前回のモータ逆転時のモータ電流より上回っている場合には、前記モータの駆動を継続させるように構成したことを特徴とする電動工具。
  2. 前記モータが前記逆転方向に回転したときの前記モータ電流が前回のモータ逆転時の前記モータ電流を下回った場合、所定の条件を満たした場合に前記モータを停止するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  3. 前記所定の条件は、前記モータが前記逆転方向に回転したときの前記モータ電流が所定の電流閾値を下回った場合であることを特徴とする請求項2に記載の電動工具。
  4. 前記所定の条件は、前記モータが前記逆転方向に回転したときの前記モータ電流と前回のモータ逆転時の前記モータ電流との差が所定範囲内の場合であることを特徴とする請求項2に記載の電動工具。
  5. 駆動力を供給する双方向に回転可能なモータと、
    前記駆動力により正転方向又は逆転方向へ回転されるハンマと、
    前記正転方向又は前記逆転方向へ回転した前記ハンマにより打撃されるアンビルと、
    前記打撃後に、前記モータを制御するためのパラメータを検出するパラメータ検出部と、
    前記パラメータ検出部によって検出された前記パラメータに基づいて、前記モータを停止させる制御部と、を備えた電動工具。
  6. 前記パラメータ検出部は、前記ハンマが前記逆転方向に回転した時の前記モータの電流を前記パラメータとし、前記制御部は、前記電流に基づいて前記モータを停止させることを特徴とする請求項5に記載の電動工具。
  7. 前記パラメータ検出部は、前記ハンマが前記逆転方向に回転した時の前記モータの回転数を前記パラメータとし、前記制御部は、前記回転数に基づいて前記モータを停止させることを特徴とする請求項5に記載の電動工具。
  8. 前記制御部は、パラメータ閾値を記憶する記憶部を有し、
    前記制御部は、前記パラメータ検出部によって検出された前記パラメータと、前記パラメータ閾値とを比較することによって前記モータを停止させることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の電動工具。
  9. 前記モータに電力を供給する電源部と、
    前記電源部の電圧を検出する電圧検出部と、をさらに備え、
    前記制御部は、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記パラメータ閾値を算出することを特徴とする請求項8に記載の電動工具。
  10. 前記ハンマが前記正転方向から前記逆転方向に回転するとき、前記モータから前記駆動力が伝達されない休止期間が設けられ、前記電圧検出部は前記休止期間に前記電源部の電圧を検出することを特徴とする請求項9に記載の電動工具。
  11. 操作量に応じて前記モータへ供給する前記電力が変化するトリガと、
    前記トリガの操作量を検出するトリガ操作量検出部と、をさらに備え、
    前記制御部は、前記トリガ操作量検出部が前記トリガの操作量が最大であると判断した場合に、前記パラメータと前記パラメータ閾値とを比較することを特徴とする請求項8に記載の電動工具。
  12. 前記制御部が、前記締付トルクが所定トルク以下であると判断し、且つ前記トリガ操作量検出部が前記トリガが操作されていないと判断した場合、作業者に記締付トルクが所定トルク以下である旨を報知する報知手段をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の電動工具。
  13. 前記制御部は、前記ハンマが前記アンビルを打撃する毎に、前記パラメータ閾値を算出することを特徴とする請求項9から12のいずれか1項に記載の電動工具。
  14. 正転方向又は逆転方向に回転可能なモータと、
    前記モータにより回転されるハンマと、
    前記前記ハンマにより打撃されるアンビルと、
    前記打撃後の前記ハンマの反発度合いを検出するパラメータ検出部と、を備え、
    前記パラメータ検出部によって検出された前記反発度合いに基づいて、前記モータを停止するように構成したことを特徴とする電動工具。
  15. 前記パラメータ検出部は、前記反発度合いとして、前記ハンマが前記逆転方向に回転した時のモータ電流をパラメータとし、前記制御部は、前記モータ電流に基づいて前記モータを停止させることを特徴とする請求項14に記載の電動工具。
  16. 前記モータが前記逆転方向に回転したときの前記モータ電流が前回のモータ逆転時のモータ電流を下回った場合、所定の条件を満たした場合に前記モータを停止するように構成したことを特徴とする請求項15に記載の電動工具。
  17. 前記所定の条件は、前記モータが前記逆転方向に回転したときの前記モータ電流が所定の電流閾値を下回った場合であることを特徴とする請求項16に記載の電動工具。
  18. 前記所定の条件は、前記モータが前記逆転方向に回転したときの前記モータ電流と前回のモータ逆転時のモータ電流との差が所定範囲内の場合であることを特徴とする請求項16に記載の電動工具。
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