JP2014121709A - イオン交換樹脂のホウ素汚染防止方法 - Google Patents

イオン交換樹脂のホウ素汚染防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ホウ素濃度が1ng/L以下の超純水を安定して製造するためのイオン交換樹脂の再生方法と超純水製造装置を提供する。
【解決手段】イオン交換樹脂を再生剤と接触させて再生する方法において、再生に先立ち、該再生剤をホウ素除去手段で処理してホウ素を除去することを特徴とするイオン交換樹脂の再生方法。再生型イオン交換装置と、該再生型イオン交換装置に再生剤を供給する再生剤供給ラインとを有する超純水製造装置において、該再生剤供給ラインにホウ素除去手段が設けられていることを特徴とする超純水製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオン交換樹脂の再生方法及び超純水製造装置に関し、特に、半導体製造分野等における電子部品部材類の洗浄水等として用いられる超純水の製造工程に有効なイオン交換樹脂の再生方法と超純水製造装置に関する。
超純水を汎用している半導体、薬品製造等の分野において、近年、益々高純度の水質が要求されている。即ち、半導体基板や各種電子材料を洗浄する水(超純水)や薬液中の不純物は、半導体などのシリコン基板の電気的特性に影響を与えるため、厳しく管理されている。特に、超純水の水質項目のうち、ホウ素については、1ng/L以下にまで低減することが望まれている。
超純水は、一般に、河川水、地下水及び工業用水等の被処理水を前処理工程で処理して被処理水中の懸濁物及び有機物の大半を除去し、次いで、この前処理水を一次系純水製造装置及び二次系純水製造装置(サブシステムと呼ばれることもある。)で順次処理することによって製造される。二次系純水製造装置では、一次純水中に残存する極微量のイオン、有機物、微粒子などを除去するために、さらに紫外線照射、イオン交換、限外濾過膜などを組み合わせて処理され、最終的に所望の超純水が得られる。
このような超純水製造装置においては、再生型イオン交換装置の後段に、特殊なコンディショニングが施された非再生型イオン交換装置を設けて不純物の低減を図っている。ここで、非再生型イオン交換装置を用いるのは、既にその前段で十分に処理された水を処理するものであるため特殊なコンディショニングで高度に精製され、かつ、再生を行わない非再生型イオン交換装置が有効であること、また、超純水製造装置の出口付近で万が一にも再生用の薬液がユースポイントに流れ込んだりしないように非再生型イオン交換装置とすることによる。
しかしながら、近年、超純水の要求水質が向上し、不純物濃度が極微量に抑えられることで、次のような問題があった。
・非再生型イオン交換装置でも除去し得ない不純物が残留し、超純水の要求水質を満たすことができない。
・非再生型イオン交換装置でこのような不純物を高度に除去しようとすると、非再生型イオン交換装置のBTC(Break through capacity:貫流交換容量)が非常に少なくなり、交換頻度が高くなる。
例えば、ホウ素のような弱酸性物質は、BTP(Break through point:貫流点)を1ng/Lとした場合、BTCがμg/L−アニオン交換樹脂オーダーとなり、非再生型イオン交換装置の交換頻度は1回/月と著しく高くなる。
特開平8−84986号公報には、ホウ素選択性イオン交換樹脂を用いることにより、ホウ素濃度1ng/L以下の超純水を製造することが記載されている。しかしながら、このホウ素選択性イオン交換装置の後段または、それと混合して、混床式イオン交換樹脂が使用されると、該混床式イオン交換樹脂に用いられるアニオン交換樹脂からのホウ素溶出によりホウ素濃度が上昇し、この結果、その後段の非再生型イオン交換装置において、上述のような問題点が起こっていた。
なお、特開2005−177564号公報には、超純水製造プロセスにおいて、得られる超純水のホウ素濃度を低減すると共に、イオン交換装置の再生頻度を低減するために、イオン交換装置の前段に熱交換器を設け、イオン交換装置に通水する水の温度を25℃以下に制御することが記載されているが、イオン交換樹脂からのホウ素溶出の問題自体を解決するものではない。
また、特開2003−315496号公報には、加圧水型原子力発電所の復水脱塩装置において、再生されたイオン交換樹脂からのNa,Clイオンの流出を抑えるために、再生に用いられる再生剤を精製することが記載されているが、超純水製造におけるイオン交換樹脂の再生とは全く別異の技術分野に属するものである。また、ホウ素の低減についての記載もない。
特開平8−84986号公報 特開2005−177564号公報 特開2003−315496号公報
本発明は、ホウ素濃度が1ng/L以下の超純水を安定して製造することができるイオン交換樹脂を得るためのイオン交換樹脂の再生方法と超純水製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、超純水中のホウ素はイオン交換樹脂からのリークが原因であること、このイオン交換樹脂中のホウ素は再生剤によってもたらされることを見出した。
しかして、本発明者らは、イオン交換樹脂の再生に先立ち、再生に用いる再生剤からホウ素を除去し、ホウ素を除去した再生剤を用いてイオン交換樹脂の再生を行うことにより、再生剤に起因するイオン交換樹脂のホウ素汚染を防止して、超純水製造時のホウ素リークの問題のないイオン交換樹脂を得ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] イオン交換樹脂を再生剤と接触させて再生する方法において、再生に先立ち、該再生剤をホウ素除去手段で処理してホウ素を除去することを特徴とするイオン交換樹脂の再生方法。
[2] [1]において、前記再生剤をホウ素除去手段で処理することにより、該再生剤のホウ素濃度を30μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液以下とすることを特徴とするイオン交換樹脂の再生方法。
[3] [1]又は[2]において、前記イオン交換樹脂がアニオン交換樹脂であり、前記再生剤が水酸化ナトリウム水溶液であることを特徴とするイオン交換樹脂の再生方法。
[5] 再生型イオン交換装置と、該再生型イオン交換装置に再生剤を供給する再生剤供給ラインとを有する超純水製造装置において、該再生剤供給ラインにホウ素除去手段が設けられていることを特徴とする超純水製造装置。
[6] [5]において、前記再生剤供給ラインは、再生剤の希釈手段を有し、前記ホウ素除去手段は該希釈手段の下流側に設けられていることを特徴とする超純水製造装置。
本発明によれば、イオン交換樹脂の再生に先立ち、再生剤をホウ素除去手段で処理して再生剤中のホウ素を除去することにより、再生剤に起因するイオン交換樹脂のホウ素汚染を防止して、ホウ素リークの問題のないイオン交換樹脂を得ることができる。
再生剤は、ホウ素除去手段で処理することにより、再生剤中のホウ素濃度が30μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液以下にまでホウ素が除去されることが好ましい(請求項2)。
本発明は、ホウ素汚染が問題となるアニオン交換樹脂を水酸化ナトリウム水溶液で再生する場合に特に有効である(請求項3)。
本発明の超純水製造装置では、再生型イオン交換装置に再生剤を供給する再生剤供給ラインにホウ素除去手段を設けたことにより、再生型イオン交換装置に供給される再生剤をこのホウ素除去手段で処理して、ホウ素を除去した再生剤で再生型イオン交換装置の再生を行うことができる。
この再生剤供給ラインには、通常、再生剤の希釈手段が設けられているが、ホウ素除去手段をこの希釈手段の下流側に設けることにより、希釈水に含まれて再生剤中に混合するホウ素をも除去することが可能となる(請求項5)。
本発明のイオン交換樹脂の再生方法は、特に再生型イオン交換装置のイオン交換樹脂の再生に有効であり、再生型イオン交換装置のイオン交換樹脂を本発明に従って再生し、ホウ素リークのない再生型イオン交換装置を調整することにより、再生型イオン交換装置からのホウ素のリークが防止され、この結果、超純水製造装置において、この再生型イオン交換装置の後段に設けられた非再生型イオン交換装置の負荷を軽減して非再生型イオン交換装置の交換頻度を低減することができる。
本発明の超純水製造装置の実施の形態を示す系統図である。 カチオン交換膜を用いた電解装置の構成図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明のイオン交換樹脂の再生方法について説明する。
本発明のイオン交換樹脂の再生方法は、イオン交換樹脂を再生剤と接触させて再生するに当たり、再生に用いる再生剤をホウ素除去手段で処理してホウ素を除去することを特徴とするものである。
なお、本発明において再生処理の対象となるイオン交換樹脂とは、ホウ素をイオン交換により吸着するアニオン交換樹脂であり、また、このアニオン交換樹脂の再生薬剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシサイド、モノエタノール等が例示されるが、中でも水酸化ナトリウムが好適である。再生剤として水酸化ナトリウム(NaOH)を用いる場合、通常、NaOH濃度1〜10重量%程度の水溶液が用いられる。
本発明で再生剤からのホウ素除去に用いるホウ素除去手段としては、水中のホウ素を高度に除去することができるものであれば良く、特に制限はないが、例えば次のようなものが挙げられる。これらのホウ素除去手段は必要に応じて2種以上組み合わせて用いても良い。
・ホウ素選択性イオン交換樹脂
・カチオン交換膜を用いた電解装置
・連続式電気脱イオン装置
・アニオン交換樹脂
・アニオン交換フィルタ
・アニオン交換膜
ホウ素選択性イオン交換樹脂としては、ホウ素吸着能力を有し、かつホウ素を選択的に吸着するイオン交換樹脂であれば特に限定されるものではないが、交換基としてN−メチルグルカミン基を有するホウ素選択性樹脂が最も好ましい。このN−メチルグルカミン基を有するホウ素選択性樹脂としては、ダイヤイオン(登録商標:三菱化学(株))CRB01、CRB02,CRB03,CRB05、アンバーライト(登録商標;ロームアンドハース社)IRA743、デュオライト(登録商標:ロームアンドハース社)ES−371N,ユニセレック(登録商標:ユニチカ(株))UR−3500等の市販品から適宜選ぶことができる。
カチオン交換膜を用いた電解装置は、図2に示す如く、電解セル10内がカチオン交換膜11により陽極室12と陰極室13とに仕切られたものであり、例えば陽極室12にホウ素を含む粗NaOH水溶液を導入し、陰極室13にホウ素を含まない超純水を導入して、陽極12A、陰極13A間に図示しない直流電源により電圧を印加すると、陽極室12内の粗NaOH水溶液中のNaイオンがカチオン交換膜11を透過して陰極室13へ移動し、陰極13Aで生成するOHイオンと結合してNaOHとなる。
一方、陽極室12内の粗NaOH水溶液中のホウ素はホウ酸イオンの形で存在するため、陰極室13側へ移動することはなく、陽極室12内にとどまる。この結果、陰極室13からは、ホウ素を含まない高純度NaOH水溶液が得られ、陽極室12からは、NaOH濃度が低減されたホウ素含有粗NaOH水溶液が得られる。
連続式電気脱イオン装置は、陽極、陰極間に複数のアニオン交換膜及びカチオン交換膜を交互に配列して濃縮室と脱塩室とを交互に形成し、脱塩室にイオン交換樹脂、イオン交換繊維もしくはグラフト交換体等からなるアニオン交換体及びカチオン交換体を混合もしくは複層状に充填したものであり、この連続式電気脱イオン装置を用いてホウ素イオンとNaイオンとをそれぞれ濃縮することにより、ホウ素を含まないNaOH水溶液を得ることができる。即ち、連続式電気脱イオン装置に導入されたホウ素を含む粗NaOH水溶液中のNaイオンはカチオン交換膜を透過して陰極側の濃縮室に濃縮され、この濃縮室からホウ素が低減されたNaOH水溶液が得られ、一方、ホウ酸イオンの形態のホウ素はアニオン交換膜を透過して陽極側の濃縮室に濃縮される。
本発明においては、このようなホウ素除去手段で再生剤を処理することにより、再生剤中のホウ素濃度を30μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液以下とすることが好ましい。この再生剤のホウ素濃度は、低い程好ましいが、ホウ素濃度を極低濃度にするための処理コストを勘案した場合、30μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液以下であれば、1μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液以上でも十分な効果が得られる。即ち、アニオン交換樹脂を再生剤で再生した場合、再生剤からアニオン交換樹脂中に取り込まれるホウ素量は、再生剤中のホウ素量に対して更に少ない量であるため、ホウ素濃度1〜30μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液程度の再生剤であれば十分なアニオン交換樹脂のホウ素汚染防止効果を得ることができる。
通常、工業的に市販されている試薬としての水酸化ナトリウムを超純水(ホウ素濃度<1ng/L)で希釈して得られる4重量%程度の濃度のNaOH水溶液のホウ素濃度は50μg/L程度である。本発明ではこのようなNaOH水溶液を上述のホウ素除去手段で処理してホウ素濃度30μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液以下のNaOH水溶液とすることが好ましい。
なお、再生剤は、通常再生薬剤を、水(通常、ホウ素濃度30μg/L程度の水)で適当な濃度に希釈して用いられるが、本発明においては、希釈され、再生時の使用濃度に調整された再生剤に対して、ホウ素除去手段でホウ素除去処理を行うことが、希釈水中に含まれるホウ素もホウ素除去手段で除去することができるため好ましい。
なお、イオン交換樹脂の再生に当たり、上述のように、ホウ素除去処理を施した再生剤のみを用いて再生を行う必要はなく、再生の初期においてはホウ素除去処理を施していない再生剤を用いて再生を行い、その後ホウ素除去処理を施した再生剤を用いて再生を行うようにしても良く、このように再生剤を切り換えて用いることにより、再生に用いる再生剤当たりのホウ素除去処理コストの低減を図ることができる。
なお、再生剤による再生後は、通常、押出洗浄が行われるが、この押出洗浄に用いる洗浄水についても、ホウ素濃度が十分に低減された水であることが好ましく、ホウ素濃度1ng/L以下の超純水を用いることが好ましい。
本発明においては、このようにホウ素を除去した再生剤を用いてイオン交換樹脂を再生することにより、後述の実施例の項で示される測定方法により測定されるホウ素含有量が50μg/L−イオン交換樹脂(湿潤状態)以下、特に10μg/Lイオン交換樹脂(湿潤状態)以下のイオン交換樹脂を得ることが好ましい。
このような本発明のイオン交換樹脂の再生方法は、再生型イオン交換装置のイオン交換樹脂の再生に有効であるが、本発明の方法に従って再生されたホウ素含有量50μg/L−イオン交換樹脂(湿潤状態)以下、特に10μg/Lイオン交換樹脂(湿潤状態)以下のイオン交換樹脂は、非再生型イオン交換装置のイオン交換樹脂としても好適に用いられる。
次に本発明の超純水製造装置について図面を参照して説明する。
図1(a)〜(d)は、本発明の超純水製造装置の実施の形態を示すイオン交換装置(再生型イオン交換装置)とその再生剤供給ライン部分を示す系統図である。このイオン交換装置1は、通常の超純水製造装置に組み込まれるものであって、その前段には紫外線酸化装置、脱気装置などが設けられ、後段には非再生型イオン交換装置や限外濾過膜分離装置などが設けられる。1Aはイオン交換装置1の被処理水流入ラインであり、1Bはイオン交換処理水流出ラインである。
図1(a)は、再生剤貯槽2からイオン交換装置1にポンプPにより再生剤を供給するライン3に、前述のホウ素除去手段4を設けたものであり、再生剤は、このホウ素除去手段4でホウ素が除去された後、イオン交換装置1に供給され、装置1内のイオン交換樹脂の再生が行われる。
図1(b)は、図1(a)の再生剤供給ライン3に希釈水注入ライン6を設けたものであり、再生薬剤(再生剤原液)貯槽5からの再生薬剤は、希釈水で希釈された後、ホウ素除去手段3でホウ素が除去され、イオン交換装置1に供給される。
図1(c)は、図1(a)の再生剤供給ライン3に希釈水注入ライン6と希釈水槽8を設けたものであり、再生薬剤(再生剤原液)貯槽5からの再生薬剤は、ライン3Aを経て希釈水槽8に送給され、ライン6Aからの希釈水で希釈された後、ライン6からの希釈水で更に希釈され、その後、ホウ素除去手段4でホウ素が除去された後、イオン交換装置1に供給され、装置1内のイオン交換樹脂の再生が行われる。
図1(d)は、図1(b)において、再生剤供給ライン3にホウ素除去手段4をバイパスするバイパスライン9と流路切り換えバルブVを設けたものであり、希釈水で希釈された再生剤は、再生開始初期はバイパスライン9を経てイオン交換装置1に供給され、その後、バルブVの切り換えによりホウ素除去手段4でホウ素が除去された後イオン交換装置1に供給され、装置1内のイオン交換樹脂の再生が行われる。
このように、再生剤の供給ラインにホウ素除去手段を設けた超純水製造装置であれば、装置内のイオン交換装置1のイオン交換樹脂の再生に当たり、ホウ素除去手段4でホウ素を除去した再生剤で再生を行うことができ、再生によるイオン交換樹脂のホウ素汚染を防止することができる。
図1(b)〜(d)のように、再生剤の希釈手段の下流側にホウ素除去手段4を設けることにより、希釈水中のホウ素をもホウ素除去手段4で除去することができる。
また、図1(d)のように、再生剤の流路切り換えを行えるようにすることにより、再生開始初期は、ホウ素除去処理を施していない再生剤で再生を行い、その後、ホウ素除去手段4でホウ素を除去した再生剤で再生を行うことができる。
なお、図1(a)〜(d)において、ホウ素除去手段4の前段又は後段には熱交換器を設けて再生剤の温度調整を行っても良い。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下において再生薬剤として用いた水酸化ナトリウムはキシダ化学(株)製の食添用NaOH(純度98%)であり、再生したアニオン交換樹脂はダウケミカル(株)製「モノスフィア650CUPW(H)」である。
また、水中のホウ素濃度は、必要に応じてサンプルを濃縮した後、誘導結合プラズマ質量分析法(ICPMS)により分析した。また、アニオン交換樹脂のホウ素含有量は以下の方法で測定した。
<アニオン交換樹脂のホウ素含有量>
アニオン交換樹脂100mLを清浄なポリプロピレン製容器に採取し、これに、高純度硝酸(4重量%)500mLを添加して1時間振とう(5ストローク/秒)させた後、硝酸中のホウ素濃度をICPMSにより測定し、以下の式から、アニオン交換樹脂中のホウ素濃度を算出した。
樹脂のホウ素含有量(μg/L−アニオン交換樹脂)
=[ICPMS分析値(μg/L)×硝酸量(0.5L)]/樹脂量(0.1L)
[実施例1]
再生薬剤のNaOHを超純水(ホウ素濃度<1ng/L)で4重量%濃度に希釈して再生剤(以下「再生剤A」と称す。)とした。
再生剤Aのホウ素濃度を測定したところ20μg asB/L−4重量%NaOH水溶液であった。
この再生剤Aをホウ素選択性イオン交換樹脂(三菱化学(株)製ホウ素キレート樹脂「ダイヤイオン(登録商標)CRB03」)を充填したカラムにSV=10hr−1で通液してホウ素の除去処理を行った(ホウ素除去処理した再生剤Aを「再生剤B」と称す。)。
この再生剤Bのホウ素濃度は10μg asB/L−4重量%NaOH水溶液であった。
アニオン交換樹脂を再生用カラムに充填し、再生剤Bを通液して再生を行った。再生レベルは50g asNaOH/L−アニオン交換樹脂とした。
再生されたアニオン交換樹脂の一部につき、前述の方法でホウ素含有量の測定を行った。また、アニオン交換樹脂の残部は、アクリル製カラム(直径40mm、高さ800mm)に充填し、このアニオン交換樹脂充填カラムに超純水(ホウ素濃度<1ng/L)を流速833mL/分(SV=50hr−1)で通水し、流出水中のホウ素濃度を測定した。
これらの結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1において、再生剤Bの代りに再生剤Aを用いたこと以外は同様に再生後のアニオン交換樹脂の再生を行い、同様にアニオン交換樹脂のホウ素含有量を測定すると共に、アニオン交換樹脂充填カラムに超純水を通水して流出水中のホウ素濃度を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2014121709
表1より、ホウ素を除去した再生剤を用いて再生を行うことにより、ホウ素含有量が著しく少ないアニオン交換樹脂を得ることができ、アニオン交換樹脂からのホウ素のリークを防止して高純度の超純水を得ることができることが分かる。
[実施例2]
図2に示すカチオン交換膜を用いた電解装置を用いて再生剤のホウ素除去処理を行った。
用いた電解装置(角型のセル)の各部の仕様は次の通りである。
有効面積:2dm
陽極:Ti−Ptメッキ板
陰極:SUS316板
カチオン交換膜:ディユポン社製「ナフィオン(登録商標)112」
NaOHを超純水(ホウ素濃度<1ng/L)で48重量%の水溶液とし、このNaOH水溶液を電解装置の陽極室に、超純水(ホウ素濃度<1ng/L)を陰極室にそれぞれ流速12mL/hrで通液した。
電流は2.0A、電圧は5Vで操作した。その結果、陰極室からはNaOH濃度24重量%、ホウ素濃度12μg asB/L(2μg asB/L−4重量%NaOH水溶液)のホウ素除去NaOH水溶液を得ることができ、陽極室からはNaOH24重量%、ホウ素濃度860μg asB/Lのホウ素が濃縮されたNaOH水溶液が得られた。
このホウ素除去NaOH水溶液を用い、実施例1と同様にしてアニオン交換樹脂の再生を行い、再生されたアニオン交換樹脂のホウ素含有量を測定したところ8μg asB/L−アニオン交換樹脂であった。
このアニオン交換樹脂を超純水(ホウ素濃度<1ng/L)で洗浄した後、500mLを秤り取り、H形転換率が99.95%以上のカチオン交換樹脂(ダウケミカル社製「モノスフィアCUPW(H)」)500mLと混合して、アクリル製カラム(直径40mm、高さ800mm)に充填して混床式イオン交換装置を作製した。
作製した混床式イオン交換装置に超純水(ホウ素濃度<1ng/L)を流速2.7mL/分(SV=160hr−1)で通水したところ、流出水のホウ素濃度は1ng/L未満と、十分に高水質であった。
1 イオン交換装置
2 再生剤貯槽
4 ホウ素除去手段
5 再生薬剤貯槽
8 希釈水槽
10 電解セル
11 カチオン交換膜
12 陽極室
13 陰極室
本発明は、イオン交換樹脂のホウ素汚染防止法に関し、特に、半導体製造分野等における電子部品部材類の洗浄水等として用いられる超純水の製造工程に有効なイオン交換樹脂のホウ素汚染防止法に関する。
超純水を汎用している半導体、薬品製造等の分野において、近年、益々高純度の水質が要求されている。即ち、半導体基板や各種電子材料を洗浄する水(超純水)や薬液中の不純物は、半導体などのシリコン基板の電気的特性に影響を与えるため、厳しく管理されている。特に、超純水の水質項目のうち、ホウ素については、1ng/L以下にまで低減することが望まれている。
超純水は、一般に、河川水、地下水及び工業用水等の被処理水を前処理工程で処理して被処理水中の懸濁物及び有機物の大半を除去し、次いで、この前処理水を一次系純水製造装置及び二次系純水製造装置(サブシステムと呼ばれることもある。)で順次処理することによって製造される。二次系純水製造装置では、一次純水中に残存する極微量のイオン、有機物、微粒子などを除去するために、さらに紫外線照射、イオン交換、限外濾過膜などを組み合わせて処理され、最終的に所望の超純水が得られる。
このような超純水製造装置においては、再生型イオン交換装置の後段に、特殊なコンディショニングが施された非再生型イオン交換装置を設けて不純物の低減を図っている。ここで、非再生型イオン交換装置を用いるのは、既にその前段で十分に処理された水を処理するものであるため特殊なコンディショニングで高度に精製され、かつ、再生を行わない非再生型イオン交換装置が有効であること、また、超純水製造装置の出口付近で万が一にも再生用の薬液がユースポイントに流れ込んだりしないように非再生型イオン交換装置とすることによる。
しかしながら、近年、超純水の要求水質が向上し、不純物濃度が極微量に抑えられることで、次のような問題があった。
・非再生型イオン交換装置でも除去し得ない不純物が残留し、超純水の要求水質を満たすことができない。
・非再生型イオン交換装置でこのような不純物を高度に除去しようとすると、非再生型イオン交換装置のBTC(Break through capacity:貫流交換容量)が非常に少なくなり、交換頻度が高くなる。
例えば、ホウ素のような弱酸性物質は、BTP(Break through point:貫流点)を1ng/Lとした場合、BTCがμg/L−アニオン交換樹脂オーダーとなり、非再生型イオン交換装置の交換頻度は1回/月と著しく高くなる。
特開平8−84986号公報には、ホウ素選択性イオン交換樹脂を用いることにより、ホウ素濃度1ng/L以下の超純水を製造することが記載されている。しかしながら、このホウ素選択性イオン交換装置の後段または、それと混合して、混床式イオン交換樹脂が使用されると、該混床式イオン交換樹脂に用いられるアニオン交換樹脂からのホウ素溶出によりホウ素濃度が上昇し、この結果、その後段の非再生型イオン交換装置において、上述のような問題点が起こっていた。
なお、特開2005−177564号公報には、超純水製造プロセスにおいて、得られる超純水のホウ素濃度を低減すると共に、イオン交換装置の再生頻度を低減するために、イオン交換装置の前段に熱交換器を設け、イオン交換装置に通水する水の温度を25℃以下に制御することが記載されているが、イオン交換樹脂からのホウ素溶出の問題自体を解決するものではない。
また、特開2003−315496号公報には、加圧水型原子力発電所の復水脱塩装置において、再生されたイオン交換樹脂からのNa,Clイオンの流出を抑えるために、再生に用いられる再生剤を精製することが記載されているが、超純水製造におけるイオン交換樹脂の再生とは全く別異の技術分野に属するものである。また、ホウ素の低減についての記載もない。
特開平8−84986号公報 特開2005−177564号公報 特開2003−315496号公報
本発明は、ホウ素濃度が1ng/L以下の超純水を安定して製造することができるイオン交換樹脂を得るためのイオン交換樹脂のホウ素汚染防止法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、超純水中のホウ素はイオン交換樹脂からのリークが原因であること、このイオン交換樹脂中のホウ素は再生剤によってもたらされることを見出した。
しかして、本発明者らは、イオン交換樹脂の再生に先立ち、再生に用いる再生剤からホウ素を除去し、ホウ素を除去した再生剤を用いてイオン交換樹脂の再生を行うことにより、再生剤に起因するイオン交換樹脂のホウ素汚染を防止して、超純水製造時のホウ素リークの問題のないイオン交換樹脂を得ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] イオン交換樹脂を、再生薬剤を水で希釈した再生剤と接触させて再生する際に、該再生剤に起因する該イオン交換樹脂のホウ素汚染を防止する方法において、再生に先立ち、該再生剤をホウ素除去手段で処理してホウ素を除去することを特徴とするイオン交換樹脂のホウ素汚染防止方法。
[2] [1]において、前記再生剤をホウ素除去手段で処理することにより、該再生剤のホウ素濃度を30μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液以下とすることを特徴とするイオン交換樹脂のホウ素汚染防止方法。
[3] [1]又は[2]において、前記イオン交換樹脂がアニオン交換樹脂であり、前記再生剤が水酸化ナトリウム水溶液であることを特徴とするイオン交換樹脂のホウ素汚染防止方法
本発明によれば、イオン交換樹脂の再生に先立ち、再生剤をホウ素除去手段で処理して再生剤中のホウ素を除去することにより、再生剤に起因するイオン交換樹脂のホウ素汚染を防止して、ホウ素リークの問題のないイオン交換樹脂を得ることができる。
再生剤は、ホウ素除去手段で処理することにより、再生剤中のホウ素濃度が30μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液以下にまでホウ素が除去されることが好ましい(請求項2)。
本発明は、ホウ素汚染が問題となるアニオン交換樹脂を水酸化ナトリウム水溶液で再生する場合に特に有効である(請求項3)
発明のイオン交換樹脂のホウ素汚染防止方法は、特に再生型イオン交換装置のイオン交換樹脂の再生に有効であり、再生型イオン交換装置のイオン交換樹脂を本発明に従って再生し、ホウ素リークのない再生型イオン交換装置を調整することにより、再生型イオン交換装置からのホウ素のリークが防止され、この結果、超純水製造装置において、この再生型イオン交換装置の後段に設けられた非再生型イオン交換装置の負荷を軽減して非再生型イオン交換装置の交換頻度を低減することができる。
本発明の超純水製造装置の実施の形態を示す系統図である。 カチオン交換膜を用いた電解装置の構成図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明のイオン交換樹脂のホウ素汚染防止方法について説明する。
本発明のイオン交換樹脂のホウ素汚染防止方法は、イオン交換樹脂を再生剤と接触させて再生するに当たり、再生に用いる再生剤をホウ素除去手段で処理してホウ素を除去することを特徴とするものである。
なお、本発明において再生処理の対象となるイオン交換樹脂とは、ホウ素をイオン交換により吸着するアニオン交換樹脂であり、また、このアニオン交換樹脂の再生薬剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシサイド、モノエタノール等が例示されるが、中でも水酸化ナトリウムが好適である。再生剤として水酸化ナトリウム(NaOH)を用いる場合、通常、NaOH濃度1〜10重量%程度の水溶液が用いられる。
本発明で再生剤からのホウ素除去に用いるホウ素除去手段としては、水中のホウ素を高度に除去することができるものであれば良く、特に制限はないが、例えば次のようなものが挙げられる。これらのホウ素除去手段は必要に応じて2種以上組み合わせて用いても良い。
・ホウ素選択性イオン交換樹脂
・カチオン交換膜を用いた電解装置
・連続式電気脱イオン装置
・アニオン交換樹脂
・アニオン交換フィルタ
・アニオン交換膜
ホウ素選択性イオン交換樹脂としては、ホウ素吸着能力を有し、かつホウ素を選択的に吸着するイオン交換樹脂であれば特に限定されるものではないが、交換基としてN−メチルグルカミン基を有するホウ素選択性樹脂が最も好ましい。このN−メチルグルカミン基を有するホウ素選択性樹脂としては、ダイヤイオン(登録商標:三菱化学(株))CRB01、CRB02,CRB03,CRB05、アンバーライト(登録商標;ロームアンドハース社)IRA743、デュオライト(登録商標:ロームアンドハース社)ES−371N,ユニセレック(登録商標:ユニチカ(株))UR−3500等の市販品から適宜選ぶことができる。
カチオン交換膜を用いた電解装置は、図2に示す如く、電解セル10内がカチオン交換膜11により陽極室12と陰極室13とに仕切られたものであり、例えば陽極室12にホウ素を含む粗NaOH水溶液を導入し、陰極室13にホウ素を含まない超純水を導入して、陽極12A、陰極13A間に図示しない直流電源により電圧を印加すると、陽極室12内の粗NaOH水溶液中のNaイオンがカチオン交換膜11を透過して陰極室13へ移動し、陰極13Aで生成するOHイオンと結合してNaOHとなる。
一方、陽極室12内の粗NaOH水溶液中のホウ素はホウ酸イオンの形で存在するため、陰極室13側へ移動することはなく、陽極室12内にとどまる。この結果、陰極室13からは、ホウ素を含まない高純度NaOH水溶液が得られ、陽極室12からは、NaOH濃度が低減されたホウ素含有粗NaOH水溶液が得られる。
連続式電気脱イオン装置は、陽極、陰極間に複数のアニオン交換膜及びカチオン交換膜を交互に配列して濃縮室と脱塩室とを交互に形成し、脱塩室にイオン交換樹脂、イオン交換繊維もしくはグラフト交換体等からなるアニオン交換体及びカチオン交換体を混合もしくは複層状に充填したものであり、この連続式電気脱イオン装置を用いてホウ素イオンとNaイオンとをそれぞれ濃縮することにより、ホウ素を含まないNaOH水溶液を得ることができる。即ち、連続式電気脱イオン装置に導入されたホウ素を含む粗NaOH水溶液中のNaイオンはカチオン交換膜を透過して陰極側の濃縮室に濃縮され、この濃縮室からホウ素が低減されたNaOH水溶液が得られ、一方、ホウ酸イオンの形態のホウ素はアニオン交換膜を透過して陽極側の濃縮室に濃縮される。
本発明においては、このようなホウ素除去手段で再生剤を処理することにより、再生剤中のホウ素濃度を30μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液以下とすることが好ましい。この再生剤のホウ素濃度は、低い程好ましいが、ホウ素濃度を極低濃度にするための処理コストを勘案した場合、30μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液以下であれば、1μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液以上でも十分な効果が得られる。即ち、アニオン交換樹脂を再生剤で再生した場合、再生剤からアニオン交換樹脂中に取り込まれるホウ素量は、再生剤中のホウ素量に対して更に少ない量であるため、ホウ素濃度1〜30μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液程度の再生剤であれば十分なアニオン交換樹脂のホウ素汚染防止効果を得ることができる。
通常、工業的に市販されている試薬としての水酸化ナトリウムを超純水(ホウ素濃度<1ng/L)で希釈して得られる4重量%程度の濃度のNaOH水溶液のホウ素濃度は50μg/L程度である。本発明ではこのようなNaOH水溶液を上述のホウ素除去手段で処理してホウ素濃度30μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液以下のNaOH水溶液とすることが好ましい。
なお、再生剤は、通常再生薬剤を、水(通常、ホウ素濃度30μg/L程度の水)で適当な濃度に希釈して用いられるが、本発明においては、希釈され、再生時の使用濃度に調整された再生剤に対して、ホウ素除去手段でホウ素除去処理を行うことが、希釈水中に含まれるホウ素もホウ素除去手段で除去することができるため好ましい。
なお、イオン交換樹脂の再生に当たり、上述のように、ホウ素除去処理を施した再生剤のみを用いて再生を行う必要はなく、再生の初期においてはホウ素除去処理を施していない再生剤を用いて再生を行い、その後ホウ素除去処理を施した再生剤を用いて再生を行うようにしても良く、このように再生剤を切り換えて用いることにより、再生に用いる再生剤当たりのホウ素除去処理コストの低減を図ることができる。
なお、再生剤による再生後は、通常、押出洗浄が行われるが、この押出洗浄に用いる洗浄水についても、ホウ素濃度が十分に低減された水であることが好ましく、ホウ素濃度1ng/L以下の超純水を用いることが好ましい。
本発明においては、このようにホウ素を除去した再生剤を用いてイオン交換樹脂を再生することにより、後述の実施例の項で示される測定方法により測定されるホウ素含有量が50μg/L−イオン交換樹脂(湿潤状態)以下、特に10μg/Lイオン交換樹脂(湿潤状態)以下のイオン交換樹脂を得ることが好ましい。
このような本発明のイオン交換樹脂の再生方法は、再生型イオン交換装置のイオン交換樹脂の再生に有効であるが、本発明の方法に従って再生されたホウ素含有量50μg/L−イオン交換樹脂(湿潤状態)以下、特に10μg/Lイオン交換樹脂(湿潤状態)以下のイオン交換樹脂は、非再生型イオン交換装置のイオン交換樹脂としても好適に用いられる。
次に本発明の超純水製造装置について図面を参照して説明する。
図1(a)〜(d)は、本発明の超純水製造装置の実施の形態を示すイオン交換装置(再生型イオン交換装置)とその再生剤供給ライン部分を示す系統図である。このイオン交換装置1は、通常の超純水製造装置に組み込まれるものであって、その前段には紫外線酸化装置、脱気装置などが設けられ、後段には非再生型イオン交換装置や限外濾過膜分離装置などが設けられる。1Aはイオン交換装置1の被処理水流入ラインであり、1Bはイオン交換処理水流出ラインである。
図1(a)は、再生剤貯槽2からイオン交換装置1にポンプPにより再生剤を供給するライン3に、前述のホウ素除去手段4を設けたものであり、再生剤は、このホウ素除去手段4でホウ素が除去された後、イオン交換装置1に供給され、装置1内のイオン交換樹脂の再生が行われる。
図1(b)は、図1(a)の再生剤供給ライン3に希釈水注入ライン6を設けたものであり、再生薬剤(再生剤原液)貯槽5からの再生薬剤は、希釈水で希釈された後、ホウ素除去手段3でホウ素が除去され、イオン交換装置1に供給される。
図1(c)は、図1(a)の再生剤供給ライン3に希釈水注入ライン6と希釈水槽8を設けたものであり、再生薬剤(再生剤原液)貯槽5からの再生薬剤は、ライン3Aを経て希釈水槽8に送給され、ライン6Aからの希釈水で希釈された後、ライン6からの希釈水で更に希釈され、その後、ホウ素除去手段4でホウ素が除去された後、イオン交換装置1に供給され、装置1内のイオン交換樹脂の再生が行われる。
図1(d)は、図1(b)において、再生剤供給ライン3にホウ素除去手段4をバイパスするバイパスライン9と流路切り換えバルブVを設けたものであり、希釈水で希釈された再生剤は、再生開始初期はバイパスライン9を経てイオン交換装置1に供給され、その後、バルブVの切り換えによりホウ素除去手段4でホウ素が除去された後イオン交換装置1に供給され、装置1内のイオン交換樹脂の再生が行われる。
このように、再生剤の供給ラインにホウ素除去手段を設けた超純水製造装置であれば、装置内のイオン交換装置1のイオン交換樹脂の再生に当たり、ホウ素除去手段4でホウ素を除去した再生剤で再生を行うことができ、再生によるイオン交換樹脂のホウ素汚染を防止することができる。
図1(b)〜(d)のように、再生剤の希釈手段の下流側にホウ素除去手段4を設けることにより、希釈水中のホウ素をもホウ素除去手段4で除去することができる。
また、図1(d)のように、再生剤の流路切り換えを行えるようにすることにより、再生開始初期は、ホウ素除去処理を施していない再生剤で再生を行い、その後、ホウ素除去手段4でホウ素を除去した再生剤で再生を行うことができる。
なお、図1(a)〜(d)において、ホウ素除去手段4の前段又は後段には熱交換器を設けて再生剤の温度調整を行っても良い。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下において再生薬剤として用いた水酸化ナトリウムはキシダ化学(株)製の食添用NaOH(純度98%)であり、再生したアニオン交換樹脂はダウケミカル(株)製「モノスフィア650CUPW(H)」である。
また、水中のホウ素濃度は、必要に応じてサンプルを濃縮した後、誘導結合プラズマ質量分析法(ICPMS)により分析した。また、アニオン交換樹脂のホウ素含有量は以下の方法で測定した。
<アニオン交換樹脂のホウ素含有量>
アニオン交換樹脂100mLを清浄なポリプロピレン製容器に採取し、これに、高純度硝酸(4重量%)500mLを添加して1時間振とう(5ストローク/秒)させた後、硝酸中のホウ素濃度をICPMSにより測定し、以下の式から、アニオン交換樹脂中のホウ素濃度を算出した。
樹脂のホウ素含有量(μg/L−アニオン交換樹脂)
=[ICPMS分析値(μg/L)×硝酸量(0.5L)]/樹脂量(0.1L)
[実施例1]
再生薬剤のNaOHを超純水(ホウ素濃度<1ng/L)で4重量%濃度に希釈して再生剤(以下「再生剤A」と称す。)とした。
再生剤Aのホウ素濃度を測定したところ20μg asB/L−4重量%NaOH水溶液であった。
この再生剤Aをホウ素選択性イオン交換樹脂(三菱化学(株)製ホウ素キレート樹脂「ダイヤイオン(登録商標)CRB03」)を充填したカラムにSV=10hr−1で通液してホウ素の除去処理を行った(ホウ素除去処理した再生剤Aを「再生剤B」と称す。)。
この再生剤Bのホウ素濃度は10μg asB/L−4重量%NaOH水溶液であった。
アニオン交換樹脂を再生用カラムに充填し、再生剤Bを通液して再生を行った。再生レベルは50g asNaOH/L−アニオン交換樹脂とした。
再生されたアニオン交換樹脂の一部につき、前述の方法でホウ素含有量の測定を行った。また、アニオン交換樹脂の残部は、アクリル製カラム(直径40mm、高さ800mm)に充填し、このアニオン交換樹脂充填カラムに超純水(ホウ素濃度<1ng/L)を流速833mL/分(SV=50hr−1)で通水し、流出水中のホウ素濃度を測定した。
これらの結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1において、再生剤Bの代りに再生剤Aを用いたこと以外は同様に再生後のアニオン交換樹脂の再生を行い、同様にアニオン交換樹脂のホウ素含有量を測定すると共に、アニオン交換樹脂充填カラムに超純水を通水して流出水中のホウ素濃度を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2014121709
表1より、ホウ素を除去した再生剤を用いて再生を行うことにより、ホウ素含有量が著しく少ないアニオン交換樹脂を得ることができ、アニオン交換樹脂からのホウ素のリークを防止して高純度の超純水を得ることができることが分かる。
[実施例2]
図2に示すカチオン交換膜を用いた電解装置を用いて再生剤のホウ素除去処理を行った。
用いた電解装置(角型のセル)の各部の仕様は次の通りである。
有効面積:2dm
陽極:Ti−Ptメッキ板
陰極:SUS316板
カチオン交換膜:ディユポン社製「ナフィオン(登録商標)112」
NaOHを超純水(ホウ素濃度<1ng/L)で48重量%の水溶液とし、このNaOH水溶液を電解装置の陽極室に、超純水(ホウ素濃度<1ng/L)を陰極室にそれぞれ流速12mL/hrで通液した。
電流は2.0A、電圧は5Vで操作した。その結果、陰極室からはNaOH濃度24重量%、ホウ素濃度12μg asB/L(2μg asB/L−4重量%NaOH水溶液)のホウ素除去NaOH水溶液を得ることができ、陽極室からはNaOH24重量%、ホウ素濃度860μg asB/Lのホウ素が濃縮されたNaOH水溶液が得られた。
このホウ素除去NaOH水溶液を用い、実施例1と同様にしてアニオン交換樹脂の再生を行い、再生されたアニオン交換樹脂のホウ素含有量を測定したところ8μg asB/L−アニオン交換樹脂であった。
このアニオン交換樹脂を超純水(ホウ素濃度<1ng/L)で洗浄した後、500mLを秤り取り、H形転換率が99.95%以上のカチオン交換樹脂(ダウケミカル社製「モノスフィアCUPW(H)」)500mLと混合して、アクリル製カラム(直径40mm、高さ800mm)に充填して混床式イオン交換装置を作製した。
作製した混床式イオン交換装置に超純水(ホウ素濃度<1ng/L)を流速2.7mL/分(SV=160hr−1)で通水したところ、流出水のホウ素濃度は1ng/L未満と、十分に高水質であった。
1 イオン交換装置
2 再生剤貯槽
4 ホウ素除去手段
5 再生薬剤貯槽
8 希釈水槽
10 電解セル
11 カチオン交換膜
12 陽極室
13 陰極室

Claims (5)

  1. イオン交換樹脂を再生剤と接触させて再生する方法において、再生に先立ち、該再生剤をホウ素除去手段で処理してホウ素を除去することを特徴とするイオン交換樹脂の再生方法。
  2. 請求項1において、前記再生剤をホウ素除去手段で処理することにより、該再生剤のホウ素濃度を30μg asB/L−0.1Nアルカリ溶液以下とすることを特徴とするイオン交換樹脂の再生方法。
  3. 請求項1又は2において、前記イオン交換樹脂がアニオン交換樹脂であり、前記再生剤が水酸化ナトリウム水溶液であることを特徴とするイオン交換樹脂の再生方法。
  4. 再生型イオン交換装置と、該再生型イオン交換装置に再生剤を供給する再生剤供給ラインとを有する超純水製造装置において、該再生剤供給ラインにホウ素除去手段が設けられていることを特徴とする超純水製造装置。
  5. 請求項4において、前記再生剤供給ラインは、再生剤の希釈手段を有し、前記ホウ素除去手段は該希釈手段の下流側に設けられていることを特徴とする超純水製造装置。
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