JP2014118592A - 表面性状に優れ異方性が小さく切断後の形状が良好な熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C:0.03〜0.2%、Si:0.01〜0.6%、Mn:0.5〜2.2%、P:0.001〜0.020%、S:0.0005〜0.0400%、Al:0.01〜0.5%、N:0.0001〜0.010%、さらにNb:0.005〜0.1%、Ti:0.04〜0.14%のいずれか1種又は2種をC(%)−(Ti(%)/4)−(Nb(%)/7.75)>0を満足するように含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、板厚3〜15mm、スケール起因の表面疵発生箇所の面積率20%以下、圧延方向の降伏応力YP(L)および幅方向の降伏応力YP(C)がいずれも400MPa以上、|YP(C)−YP(L)|/(YP(C)≦0.04を満足する熱延鋼板とする。
【選択図】なし
Description
高強度化のニーズに対応するために、鋼成分中にSi、Mnなどの固溶強化元素と共に、Ti、Nb等の析出強化元素を多量に添加した鋼板が開発されている。例えば、特許文献1〜5は、いずれもTi析出強化を活用した鋼板の発明例である。
このため、従来の技術では、スケール起因の表面疵を抑制して、優れた表面性状を有する熱延鋼板を提供することが要求されていた。
すなわち、レベラー加工によって導入された圧延方向の変形に寄与する可動転位に時効処理を施す事で、固溶Cを可動転位上に固着させて不動化し圧延方向の降伏応力をあげることにより、反りの発生抑制と降伏応力の面内等方性を確保するものである。
本発明の表面性状に優れ異方性が小さく切断後の形状が良好な熱延鋼板およびその製造方法は、以下のとおりである。
C :0.03%以上、0.2%以下、
Si:0.01%以上、0.6%以下、
Mn:0.5%以上、2.2%以下、
P:0.001%以上、0.020%以下、
S:0.0005%以上、0.0400%以下、
Al:0.01%以上、0.5%以下、
N:0.0001%以上、0.010%以下、
さらに
Nb:0.005%以上、0.1%以下、
Ti:0.04%以上、0.14%以下
のいずれか1種又は2種をC(質量%)−(Ti(質量%)/4)−(Nb(質量%)/7.75)>0を満足するように含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼組成を有し、
板厚が3〜15mm、スケール起因の表面疵発生箇所の面積率が20%以下、圧延方向の降伏応力YP(L)および幅方向の降伏応力YP(C)がいずれも400MPa以上、かつYP(L)、YP(C)が|YP(C)−YP(L)|/YP(C)≦0.04を満足する事を特徴とする表面性状に優れ異方性が小さく切断後の形状が良好な熱延鋼板。
B:0.0003%以上、0.005%以下
を含有することを特徴とする(1)に記載の表面性状に優れ異方性が小さく切断後の形状が良好な熱延鋼板。
(3)さらに、質量%で、
Cr:0.1%以上、5.0%以下、
Mo:0.01%以上、3.0%以下、
W:0.01%以上、2.0%以下、
Cu:0.04%以上、2.0%以下、
Ni:0.02%以上、1.0%以下、
V:0.001%以上、0.30%以下、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の表面性状に優れ異方性が小さく切断後の形状が良好な熱延鋼板。
(4)更に、質量%で、
Ca、Mg、Zr、REMの1種または2種以上を合計で0.0005%以上、0.05%以下含有することを特徴とする(1)〜(3)の何れか一項に記載の表面性状に優れ異方性が小さく切断後の形状が良好な熱延鋼板。
前記熱延工程の後に、1機以上のロールレベラーを有する切断ラインに供し、鋼帯の状態もしくは切断後鋼板とした状態で、ロールレベラーによる矯正を少なくとも1回以上、式(1)を満足する条件で施すレベラー加工工程と、
前記レベラー加工工程の後、室温〜400℃の温度範囲で式(2)を満足する条件での時効処理を施す時効処理工程とを含むことを特徴とする、表面性状に優れ異方性が小さく切断後の形状が良好な熱延鋼板の製造方法。
式(1)においてt:板厚(mm)、R:ロールレベラー半径(mm)、YP(C):鋼板の幅方向の降伏応力(MPa)、E:ヤング率(MPa)である。
20≦ln(T+273)−ln(t)+13230.7/(T+273)≦40
‥‥(2)
式(2)においてT:時効温度(℃)、t:時効時間(分)である。
‥‥(3)
|YP(C)−YP(L)|/YP(C)≦0.04 ‥‥(4)
[鋼組成]
(C:炭素)0.03%以上、0.2%以下
Cは、安価に強度を確保出来る元素であり、本発明の必須元素である。C含有量が0.03%未満では、本発明で規定している強度を満足できない。また、C含有量が0.2%を超えると強度が上がりすぎ、延性が低下すると共に、溶接性も劣化する。このため、本発明では、Cの含有量を0.03%以上、0.2%以下に規定した。Cの含有量は0.06%以上、0.15%以下であることが好ましい。更に好ましくは0.08%以上、0.12%以下である。
Siは強度を確保するために0.01%以上添加する。また、溶接性の観点からは、Siを0.1%以上添加することが望ましい。しかし、Siを0.6%超添加すると表面にSiスケールと呼ばれる欠陥が発生し、表面品位を著しく低下させることから、0.6%を上限とする。また、この観点から、Siの添加量は、より好ましくは0.3%以下、更に好ましくは0.15%以下である。
Mnは強度確保の観点から0.5%以上添加する。また、この観点からは、Mnは1.0%以上添加することが望ましく、更に望ましくは1.3%以上である。また、Mn添加量が2.2%を超えると、溶接割れ感受性が劣化することから上限を2.2%以下とする。この観点からはMnの添加量を2.0%以下とすることが望ましく、更に望ましくは1.8%以下である。
Pは鋼板の強度を上げる元素として必要な強度レベルに応じて添加する。しかしながら、Pの添加量が多いと、粒界へ偏析するために局部延性、溶接性、靭性を劣化させる。従って、P含有量の上限値は0.020%以下とする。この観点からは、P含有量は0.012%以下とする事が望ましい。一方、P含有量が0.001%未満ではPの劣化効果は無視できる他、これ未満にするにはコストの上昇を招くことから0.001%を下限とし、好ましくは0.004%以上とする。
Sは、MnSを生成することで局部延性、溶接性、靭性を劣化させる元素であり、鋼中に存在しない方が好ましい元素であることから、S含有量を0.0400%以下とする。この観点からはS含有量は0.0100%以下とすることが望ましい。一方、S含有量を0.0005%未満にするにはコストの上昇を招くことから、これを下限とし、好ましくは0.001%以上とする。
Alは脱酸材として0.01%以上添加する必要がある。Alは、好ましくは0.02%以上含有させる。一方、Alを過度に添加しても、かえって鋼を脆化させるとともに、溶接性も低下させるため、0.5%を上限とする。この観点から望ましくは0.3%以下とする。
Nは、鋼中に不可避的に含まれる元素であるが、加工性を劣化させる事から、その含有量を0.010%以下とする。また、この観点からはNは0.006%以下の添加が望ましい。一方、不必要にNを低減することは製鋼工程でのコストが増大するのでその含有量の下限は0.0001%とし、好ましくは0.001%以上とする。
(Ti:チタン)0.04%以上、0.14%以下
NbとTiは、いずれも再結晶の抑制、組織の微細化、炭化物の析出を介して強度上昇、特に降伏応力の向上に寄与することから、いずれか1種または2種を添加する。
Nbは0.005%未満、Tiは0.04%未満の添加では、上記の効果は十分得られない事から、それぞれ0.005%、0.04%を下限とする。一方、Nb0.10%超、Ti0.14%超の添加は、靭性、溶接性、延性を著しく劣化させることからこの値を上限とする。この観点からはNbは0.06%以下、Tiは0.1%以下の添加が望ましい。更に望ましくは、Nbは0.03%以下、Tiは0.08%以下である。
C(質量%)−(Ti(質量%)/4)−(Nb(質量%)/7.75)>0
‥‥(3)
Bは安価な焼き入れ性向上元素であり、強度上昇に寄与する事から、必要に応じて0.0003%以上添加する事が望ましい。この観点からは、Bは0.0006%以上の添加がより望ましい。一方、Bを0.005%以上添加しても特段の効果が得られないばかりでなく、靭性の劣化を招くことから0.005%を上限とする。また、この観点からは、Bは0.003%以下の添加がより望ましい。
(Mo:モリブデン)0.01%以上、3.0%以下
(W:タングステン)0.01%以上、2.0%以下
Cr、Mo、Wはいずれも焼入性を向上させると共に炭化物を形成して強度を高める効果を有する元素である。そのため、各々0.1%(Cr)、0.01%(Mo)、0.01%(W)以上添加することが望ましい。一方、各々5.0%超(Cr)、3.0%超(Mo)、2.0%超(W)の添加は、延性や溶接性を低下させる。以上の観点から、Crは0.1%以上、5.0%以下、Moは0.01%以上、3.0%以下、Wは0.01%以上、2.0%以下の範囲で必要に応じて添加することが望ましい。さらに、Crの含有量は0.15%以上、3.0%以下であることが好ましく、Moの含有量は0.05%以上、2.0%以下であることが好ましく、Wの含有量は 0.1%以上、1.5%以下であることが好ましい。
Cuは鋼板強度を上げると共に、耐食性やスケールの剥離性を向上させる元素であることから0.04%以上添加することが望ましい。一方Cuの2.0%超の添加は、表面疵の原因となるため、0.04%以上、2.0%以下の範囲で必要に応じて添加することが望ましい。さらに、Cuの含有量は0.1%以上、1.5%以下であることが好ましい。
Niは鋼板強度を上げると共に、靭性を向上させる元素であることから、0.02%以上添加することが望ましい。一方、Niの1.0%超の添加は延性劣化の原因となるため、0.02%以上、1.0%以下の範囲で必要に応じて添加することが望ましい。さらに、Niの含有量は0.1%以上、0.8%以下であることが好ましい。
Vは、炭化物を形成し強度を向上させる元素であることから、0.001%以上添加することが望ましい。この観点からVは0.01%以上の添加がより望ましい。一方、0.30%を超える添加では、靱性の低下を招くため、0.001%〜0.30%の範囲で必要に応じて添加することが望ましい。さらに、Vの含有量は0.01%以上、0.10%以下であることが好ましい。
Ca、Mg、Zr、REMは、硫化物や酸化物の形状を制御して靭性を向上させる。この目的のためには、これらの元素の1種または2種以上を単独または合計で0.0005%以上添加する必要がある。しかしながら、これらの元素の過度の添加は加工性を劣化させるため、その上限を0.05%とした。さらに、Ca、Mg、Zr、REM(希土類元素)の1種または2種以上の合計の含有量は0.0008%以上、0.03%以下であることが好ましい。
本発明は、板厚が3mm〜15mmの熱延鋼板に適用される。板厚が3mm以下になると、レベラーでの歪みの導入が難しくなり、特に高強度側で切断後の形状確保が困難となる事から、この板厚を下限とする。この観点から板厚は4mm以上とする事が望ましく、更に望ましくは4.5mmである。一方、板厚が15mm以上になると、レベラーで導入される予歪み量が高くなりすぎる事から、異方性が拡大する。そのため、板厚の上限は15mmとする。この観点から板厚は望ましくは12mm以下、更に望ましくは10mm以下である。
本発明の熱延鋼板におけるスケール起因の表面疵発生箇所の面積率は、20%以下とする。上記の面積率が20%以下である場合、スケール起因の表面疵が十分に抑制された優れた表面性状を有するものとなる。上記の面積率が10%以下である場合、より優れた表面性状を有するものとなり、好ましい。この面積率が20%を超えると、表面性状を改善するために表面全体の研削が必要となり、作業性、コスト共にかかることからこの値を上限とする。最も好ましいのは疵発生箇所の面積率が0%、すなわち表面疵がまったく発生しない場合である。
圧延方向の降伏応力YP(L)と幅方向の降伏応力YP(C)は、いずれも400MPa以上とし、450MPa以上とすることが好ましい。降伏応力が400MPa未満の鋼板では、レベラー加工によって鋼板に導入される歪みが小さく、かつ元々の降伏応力が低い事から異方性の絶対値差も小さく、実質上問題になるケースが少ないためである。
|YP(C)−YP(L)|/YP(C)≦0.04 ‥‥(4)
本発明に係る表面性状に優れ異方性が小さく切断後の形状が良好な熱延鋼板の製造方法について以下に説明する。
まず、鋼を常法により溶製、鋳造し、熱間圧延に供する鋼片(スラブ)を得る。この鋼片は、鋼塊を鍛造又は圧延したものでも良いが、生産性の観点から、連続鋳造により鋼片を製造することが好ましく、または、薄スラブキャスターなどで製造してもよい。あるいは溶製した鋼を鋳造後、直ちに熱間圧延を行う連続鋳造−直接圧延(CC−DR)のようなプロセスを採用しても良い。
通常、鋼片は鋳造後、冷却し、熱間圧延を行うために、再度加熱する。熱間圧延を行う際の鋼片の加熱温度は1300℃以下とする。この温度が1300℃超となると、鋼板の結晶粒径が粗大になり、加工性を損なうことがあるとともに、酸化が急速に進行し表層のスケールが厚くなる。また、加熱温度が1300℃超となると、加熱炉への負荷が高くなると共に表面性状が劣化するため、この値を上限とし、1250℃以下であることが好ましい。加熱温度の下限は特には定めないが、仕上げ温度の下限である(Ar3−50)℃を達成するためには、加熱温度がこの温度より高く設定されることは言うまでもない。
熱延工程の後に、100℃以下になるまで冷却したコイルを、1機以上のロールレベラーを有する切断ラインに供し、鋼帯の状態もしくは切断後鋼板とした状態で、ロールレベラーによる矯正を少なくとも1回以上、下記の式(1)を満足する条件で施す。ロールレベラーによる矯正の回数は、特に限定されるものではなく、適宜決定できる。また、ロールレベラーの数についても特に限定されるものではなく、1機であってもよいし、2機以上であってもよい。
式(1)においてt:板厚(mm)、R:ロールレベラー半径(mm)、YP(C):鋼板の幅方向の降伏応力(MPa)、E:ヤング率(MPa)である。
レベラー加工工程の後、ロールレベラーで形状矯正を行った平板に、室温〜400℃の温度範囲で式(2)を満足する条件での時効処理を施す。
式(2)は実験的に求めたものであり、時効中のCの拡散を表す指標であり、値が小さいほど、Cがレベラー加工で導入された可動転位上に移動し、転位を固着し、圧延方向の降伏応力を向上させる。時効温度を室温以下にする事は特段の効果が得られないことから、室温を下限とし、100℃以上であることが好ましい。時効温度が400℃超となると、Cの移動だけではなく、炭化物の生成や再固溶、粒成長等ミクロ組織自体の変化により、鋼板全体の特性が劣化する事からこの温度を上限とし、250℃以下であることが好ましい。
‥‥(2)
式(2)においてT:時効温度(℃)、t:時効時間(分)である。
したがって、例えば、大型クレーンのブームを始めとする建機の構造用部材等に本発明を適用する事により、任意のサイズに切断した後にも良好な形状を得る事が出来、かつ面内の降伏応力の異方性の違いも小さい事から、成形時の形状凍結性不良や加工性不足などの不具合が発生しづらいことから、作業効率が顕著に向上するメリットを十分に享受することが出来る。したがって、その社会的貢献は計り知れない。
本実施例においては、まず、下記表1に示す組成を有する鋼を溶製し、鋳造し、熱間圧延に供する鋼片(スラブ)を得た。その後、スラブを下記表2に示す条件(加熱温度(SRT)、仕上温度(FT))で熱間圧延を行い、熱延鋼帯とし、表2に示す温度(CT)で巻き取って鋼帯をコイル状とし、その後コイルが常温になるまで冷却した(熱延工程)。
引張特性は、JIS5号引張試験片を圧延方向に対して平行および直角方向から採取し引張強度(TS)を評価した。
○:5000m≧ρ
△:3500m≦ρ≦5000m
×:ρ<3500m
○:スケール起因の表面疵無し
△:スケール起因の表面疵発生箇所の面積率20%以下
×:スケール起因の表面疵発生箇所の面積率20%超
製造No.25はCの添加量が下限より低いために、圧延方向および幅方向の降伏応力(YP(L)、YP(C))が400MPa未満となった例である。また、No.25は固溶Cも残存しない事から、時効処理による圧延方向の降伏応力の上昇も起こらず異方性(|YP(C)−YP(L)|/YP(C)の値)も改善されていない。
No.26はTi,Nbのいずれも添加されていないために、強度が低下しており圧延方向および幅方向の降伏応力が400MPa未満である。
製造No.28はTiの添加量が高すぎる場合である。No.29は、Nbの添加量が高すぎる場合である。TiまたはNbの添加量が高すぎる場合、熱間圧延中の再結晶が著しく遅延されることから、熱延後のミクロ組織が圧延方向に延びた形状になり、圧延方向及び幅方向の降伏応力の差を助長する。
No.2は加熱温度が高すぎるために、表面性状が劣化している。
No.4は仕上げ温度が(Ar3−50)℃よりも低い場合の例である。この場合、α域で加工が加えられるために結晶粒が伸びた状態のまま残存し、その結果、降伏応力の異方性が発現し、圧延方向の降伏応力(YP(L))が400MPa未満となった。このようなミクロ組織に起因する異方性は時効処理によっても解消されない。
製造No.8は時効温度が高すぎたために軟化が起こり、圧延方向および幅方向の降伏応力が400MPa未満に低下した例である。
No.10は板厚が厚すぎるために式(1)の値が上限を超えてしまったために、非常に強い曲げ加工がレベラーで加えられたケースである。この場合、本発明の範囲の時効処理を施しても異方性を完全に解消する事は困難であり、|YP(C)−YP(L)|/YP(C)の値が0.04超となった。
No.22は板厚が薄すぎるために式(1)の値が下限を満足できないために条切りの際にキャンバーが発生した場合である。
Claims (5)
- 質量%で、
C :0.03%以上、0.2%以下、
Si:0.01%以上、0.6%以下、
Mn:0.5%以上、2.2%以下、
P:0.001%以上、0.020%以下、
S:0.0005%以上、0.0400%以下、
Al:0.01%以上、0.5%以下、
N:0.0001%以上、0.010%以下、
さらに
Nb:0.005%以上、0.1%以下、
Ti:0.04%以上、0.14%以下
のいずれか1種又は2種をC(質量%)−(Ti(質量%)/4)−(Nb(質量%)/7.75)>0を満足するように含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼組成を有し、
板厚が3〜15mm、スケール起因の表面疵発生箇所の面積率が20%以下、圧延方向の降伏応力YP(L)および幅方向の降伏応力YP(C)がいずれも400MPa以上、かつYP(L)、YP(C)が|YP(C)−YP(L)|/YP(C)≦0.04を満足する事を特徴とする表面性状に優れ異方性が小さく切断後の形状が良好な熱延鋼板。 - さらに質量%で、
B:0.0003%以上、0.005%以下
を含有することを特徴とする請求項1に記載の表面性状に優れ異方性が小さく切断後の形状が良好な熱延鋼板。 - さらに、質量%で、
Cr:0.1%以上、5.0%以下、
Mo:0.01%以上3.0%以下、
W:0.01%以上、2.0%以下、
Cu:0.04%以上、2.0%以下、
Ni:0.02%以上、1.0%以下、
V:0.001%以上、0.30%以下、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面性状に優れ異方性が小さく切断後の形状が良好な熱延鋼板。 - 更に、質量%で、
Ca、Mg、Zr、REMの1種または2種以上を合計で0.0005%以上、0.05%以下含有することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の表面性状に優れ異方性が小さく切断後の形状が良好な熱延鋼板。 - 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の熱延鋼板を製造する方法であって、
請求項1〜請求項4の何れかに記載の鋼成分を有するスラブを1300℃以下に加熱した後、仕上温度が(Ar3−50)℃以上となるように熱間圧延を行い、650℃以下で巻き取って鋼帯をコイル状とし、その後コイルが100℃以下になるまで冷却する熱延工程と、
前記熱延工程の後に、1機以上のロールレベラーを有する切断ラインに供し、鋼帯の状態もしくは切断後鋼板とした状態で、ロールレベラーによる矯正を少なくとも1回以上、式(1)を満足する条件で施すレベラー加工工程と、
前記レベラー加工工程の後、室温〜400℃の温度範囲で式(2)を満足する条件での時効処理を施す時効処理工程とを含むことを特徴とする、表面性状に優れ異方性が小さく切断後の形状が良好な熱延鋼板の製造方法。
2.5≦(t/2R)/(YP(C)/E)≦11.0 ‥‥(1)
式(1)においてt:板厚(mm)、R:ロールレベラー半径(mm)、YP(C):鋼板の幅方向の降伏応力(MPa)、E:ヤング率(MPa)である。
20≦ln(T+273)−ln(t)+13230.7/(T+273)≦40
‥‥(2)
式(2)においてT:時効温度(℃)、t:時効時間(分)である。
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