JP2014104995A - 絞り出し多層容器 - Google Patents

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真輔 樽野
Daisuke Yamazaki
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Abstract

【課題】内容物の残り量に応じて収縮する内層を有し内容物の絞り出し後は空気導入通路をなすリブを通じて外部から空気を滞りなく導入できて外層の形状復元をはかることができる絞り出し多層容器を提供する。
【解決手段】容器の外層6に空気を導入する空気孔9を設けるとともに、容器の外層6の外面側に空気孔9の近傍で一端が開口しかつ他端が容器の底部で空気に開口する空気導入通路12をなすリブ10を形成してある。容器の外層6の表面にシュリンク包装11を施してある。
【選択図】図1

Description

本発明は、マヨネーズやケチャップ等の粘性食品あるいは醤油や食酢等の液体食品などの内容物を絞り出して使用する容器全般に用いられる絞り出し多層容器に関するものである。
マヨネーズやケチャップ等の粘性食品の容器としては、軟質プラスチック製の絞り出し容器が広く用いられている。また、この種の絞り出し容器において、容器本体を内外の二重壁構造にすると共に胴部外壁に空気導入孔を形成して、内容物が少なくなっても外壁に形状復元性をもたせたものは、特開昭58−193261号公報(特許文献1)、特開平4−267727号公報(特許文献2)にそれぞれ記載されているものなどが知られている。
特開昭58−193261号公報 特開平4−267727号公報
前掲の特許文献1および特許文献2に記載されている剥離性を有する多層の絞り出し容器にあっては、容器の外層に空気導入孔が設けられており、空気導入孔を指で押さえながら内容物を絞り出すことにより、内層は内容物の減少に伴って収縮し、外層は指を離した際に空気導入孔から内層と外層との間に空気が導入されるため、内容物の残り量にかかわらず元の形状に復元する。このような剥離性を有する多層の絞り出し容器にさらに内層にバリア性を備えることで、マヨネーズや醤油等の調味料が空気に接触することを極力抑えることができ、内容物の鮮度を長期間にわたって保つことができる。
しかしながら、外層に空気導入孔を備える容器にラベルやシュリンク包装を施した場合、指を離しても空気導入孔と包装が密着し、空気導入孔から容器内部の剥離界面に空気を導入することができず、外層の形状復元性に劣るという問題があった。
そこで、本発明の目的は、内層と外層の多層構造をなし、容器の外層の表面に包装を有する容器において、容器胴部の中心付近に外層と内層の界面へ空気を導入する空気孔を設け、エアを通すリブを穴周辺から容器底部及び/又は肩部に設け、内容物を絞り出す際に外層の空気孔に指を宛がって容器を押せば、内容物の残り量に応じて収縮する内層を有し内容物の絞り出し後は空気導入通路をなすリブを通じて外部から空気を滞りなく導入できて外層の形状復元をはかることができる絞り出し多層容器を提供するものである。
上記目的を達成する本発明の絞り出し多層容器は、内層と外層の多層構造をなす容器において、容器の外層に空気を導入する空気孔を設けるとともに、容器の外層の外面側に前記空気孔に空気を導入するための空気導入通路をなすリブを形成してあり、容器の外層の表面に包装を施してある構成としたことを特徴とするものである。
そして、本発明において、空気導入通路は、複数列のリブで形成されていることが好適である。
本発明の絞り出し多層容器によれば、内容物を絞り出す際に外層の空気孔に指を宛がって容器を押せば、内容物を絞り出すことができ、その絞り出し後は容器の底部から空気導入通路をなすリブを通じて空気孔から空気を導入して外層の形状復元をはかることができるものである。
本発明の一実施の形態に係る絞り出し多層容器の全体斜視図である。 図1におけるA−A断面図である。 図1におけるB−B断面図である。 図1における空気孔とその周辺部分の拡大斜視図である。 空気孔とその周辺部分の他の実施の形態を示す拡大斜視図である。 空気孔とその周辺部分のさらに他の実施の形態を示す拡大斜視図である。 空気孔とその周辺部分のまたさらに他の実施の形態を示す拡大斜視図である。 内容物を絞り出した後の復元状態を示す断面図である。
図1ないし図4において、本発明に係る絞り出し多層容器1は、胴部2の一端に絞り出し口3を有し、底部4を閉じた構成のものである。絞り出し多層容器1は、軟質プラスチック製であって、内層5とそれに対して非接着状態で重合する外層6によって構成された多層構造であり、さらにその外側にシュリンク包装11を備える。すなわち内層5と外層6は剥離界面を形成している。絞り出し口3と胴部2との境には首部7が形成されている。絞り出し口3にはキャップ8が着脱自在に装着されている。
絞り出し容器1の形状は、断面が丸形でない扁平ないしはやや扁平形状であることが、内容物の押し出し性の観点から好ましい。外層6の材質は、特に限定されることなく、公知の材料を用いることが可能であるが、形状復元性に優れたポリオレフィン系樹脂が好適である。内層5は、1層あるいは多層構造に構成され、好適にはその内側の層と接着層を介して配置された酸素バリア層の3層構造で構成される。このとき最内層は柔軟性に優れたポリオレフィン系樹脂で構成され、酸素バリア層はエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂で構成されている。このとき、外層6と接触する酸素バリア層には、外層6との接触界面に接着剤を備えないため、内層5と外層6とは剥離しており、内容物が減容した後に、後述する空気孔9を通して空気が導入されることで、内層5は押し出し時の収縮状態を保持し、外層6は元の状態に復元することになる。
また、内層5と外層6により構成される多層構造の絞り出し多層容器1において、容器の外層6には、胴部2の一面上部寄りの位置に空気を導入する空気孔9が設けられている。空気孔9は指で全体を覆うことができる程度の大きさで形成することが好ましい。また、容器の外層6の胴部2にあたる表面には、シュリンクフィルムによるシュリンク包装11が施されている。なお、シュリンク包装11には、印刷などを施し、空気孔9の位置が視認しやすいようにすることが好ましい。また、空気孔9を突出させることで、シュリンク包装11で覆われた後でも空気孔9が容易に認識できるようにしても良い。さらに、容器の外層6の外面側には前記空気孔9の近傍、あるいは接触位置で一端が開口、あるいは空気孔9を指で押さえられる程度に間隔が空けられ、かつ他端が容器の底部、あるいは肩部で外部に向かって開口し、空気孔9に空気を導入するための空気導入通路12をなすリブ10が形成されている。リブ10は、2本の外側に突出した凸リブ、あるいは内側に凹んだ凹リブからなり、少なくとも容器のシュリンク包装11で覆われた部分よりも外側まで連通していることで、シュリンク包装11の外側から空気孔9へ空気を導入する。図1ないし図4に示す実施の形態においては、前記リブ10が空気孔9を取り囲んだうえ左右に2条の空気導入通路12が底部4にのびるように形成されている。
このような絞り出し多層容器1は、シュリンク包装11の上から空気孔9を押さえて内容物の絞り出しが行われ、容器の凹み量に応じて絞り出し口3から内容物が吐出する。容器を窪ませた際には、内層5及び外層6が同時に凹み、収縮することになるが、指を離すとシュリンク包装11の外側からリブ10で形成された空気導入通路12を通じて、空気孔9から内層5と外層6との剥離界面に空気が導入される。これにより、内層5は、凹んだ状態を保持することになるが、外層6は、徐々に元の状態に復元することになり、例えば内層5をバリア性を有する樹脂で構成することにより、内容物の酸化劣化を防止でき、長期間にわたって内容物を保護することが可能になる。
前記空気孔9とその空気導入通路12は、図5に示すように、左右に2条の空気導入通路12を凹みとし、空気導入通路12の空気孔9に連なる部分の幅を狭小とした構成としたり、さらに図6に示すように、空気導入通路を3条の凹条13として空気孔9に近接させた構成にしたり、またさらに図7に示すように、空気孔9に近接する位置から空気導入位置にかけて複数条の突起条14を設けて空気導入通路を構成してもよい。なお、空気導入通路による空気導入位置は容器の底部のほか容器の肩部に設けてもよく、またその両方であってもよい。
絞り出し多層容器1は、マヨネーズやケチャップ等の粘性食品あるいは醤油や食酢等の液体食品などの調味料や薬品などの容器として全般的に用いることが可能であり、内容物を絞り出す際には、胴部2をもった手の指で空気孔9の部分を押さえながら胴部2を押して絞り出し口3から内容物が絞り出される。そして、絞り出しを終えたならば絞り出し口3を逆止弁(図示せず)を有するキャップ8で閉じるが、絞り出しにより変形した外層6は、空気導入通路12を通じて空気孔9に空気が導入されて形状が復元され、内容物の残り量にかかわらず良好な外観性が保持される。
1 絞り出し多層容器
2 胴部
3 絞り出し口
4 底部
5 内層
6 外層
7 首部
8 キャップ
9 空気孔
10 リブ
11 シュリンク包装
12 空気導入通路
13 凹条
14 突起条

Claims (3)

  1. 内層と外層の層構造をなす容器において、容器の外層に外層と内層の界面へ空気を導入する空気孔を設けるとともに、容器の外層の外面側に前記空気孔に空気を導入するための空気導入通路をなすリブを形成してあり、容器の外層の表面に包装を施してあることを特徴とする絞り出し多層容器。
  2. 空気導入通路は、複数列のリブで形成されていることを特徴とする請求項1記載の絞り出し多層容器。
  3. 容器の内層は酸素バリア層を有する樹脂で構成される層を有する多層構造とすることを特徴とする請求項1または2記載の絞り出し多層容器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018002231A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 株式会社吉野工業所 二重容器
JP2018002239A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 株式会社吉野工業所 二重容器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018002231A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 株式会社吉野工業所 二重容器
JP2018002239A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 株式会社吉野工業所 二重容器

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