図1は、本実施の形態の画像形成装置のトナー補給に関連する部位と制御系の構成を示す図である。
画像形成装置1は、制御部10、感光体102、帯電装置103、露光装置104、現像装置105、クリーナ装置108、一次転写装置109、転写ベルト装置110、高圧電源111、及びトナー補給装置112を備えている。そして、現像装置105には、撹拌ミキサ213、現像スリーブ214、及びトナー濃度センサ220が設けられている。
感光体102は、感光体102の周方向である副走査方向に回転する。感光体102の周辺近傍には、帯電装置103が配置される。帯電装置103は、高圧電源111から付与される帯電高圧により、感光体102の表面を均一に帯電する。
露光装置104は、露光装置104内の半導体レーザを走査しながら画像信号に応じて発光/消灯する。この半導体レーザから出射されるレーザ光は、ポリゴンミラーなどの偏向器によって感光体102の回転軸方向である主走査方向に走査する光となる。そしてレンズ等の光学系によって、レーザ光は感光体102上に照射される。帯電した感光体102にレーザ光が照射されると、照射された部位の電位が低下し、静電潜像が形成される。
現像装置105は、現像剤層を現像スリーブ上に形成することで、感光体と現像スリーブが対向する位置、即ち現像位置にトナーを供給する。トナー補給装置112は着脱可能に設けられ、現像装置105にトナーを補給する。
感光体102の転写位置には一次転写装置109が設けられ、転写ベルト装置110の転写ベルトにトナー像を形成する。用紙トレイから供給される媒体は、転写位置まで搬送され二次転写装置(不図示)と転写ベルトとによってトナー像を転写される。トナー像が転写された媒体は、定着装置(不図示)に搬送され、加熱加圧によりトナー像が定着される。そしてトナー像を定着した媒体は排出される。
また、媒体へトナー像の転写が終了した後、感光体102上の残留トナーはクリーナ装置108によって取り除かれる。感光体102は、初期状態に復帰し、次の画像形成の待機状態となる。
以上のプロセス動作を繰り返すことにより、画像形成動作が連続して行われる。
現像装置105には、撹拌ミキサ213と現像スリーブ214とが設けられている。撹拌ミキサ213は、トナー補給装置112から補給されたトナーを撹拌し、現像スリーブ214を介して感光体102にトナーを供給する。この現像スリーブ214には、現像高圧が印加され、反転現象により感光体102上の静電潜像にトナーを現像する。
なお、現像スリーブ214、撹拌ミキサ213は、機械的に接続(メカタイ)され、現像モータ(不図示)によって共に駆動される。一方、感光体102は、他のモータ(不図示)によって駆動される。これらのモータの駆動は制御部10からの駆動指令に基づいて行われる。
また、現像装置105には現像容器内のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ220が設けられている。このトナー濃度センサ220は、現像容器内のトナー残量に対応した測定信号(濃度センサ検出電圧)を出力する。そこで、トナー濃度センサ220からの出力に基づいてトナー補給装置112を制御して現像容器内にトナーを補給する。例えば、トナー補給制御信号によって、トナー残量を表すトナー濃度センサ220の測定信号に対応した時間、トナー補給装置112から現像容器内にトナーを補給する。この詳細の補給動作については後述する。
また、画像形成装置1の制御系には、制御部10、コントロールパネル11、メモリ部12、画像情報管理部13及びサイズ情報管理部14が設けられている。
コントロールパネル11は、画像形成の開始や、スキャン動作による原稿の画像情報の読み取りの開始など画像形成装置1の動作を指示するための指示入力部である。メモリ部12は、トナー補給動作を制御するためのテーブル、情報を保存する。画像情報管理部13は、スキャン動作で読み取った原稿の画素情報を保存する。サイズ情報管理部14は、媒体のサイズ(縦×横×厚さなど)に関する情報を保存する。制御部10は、画像形成装置の動作を統括して制御する。
なお、メモリ部12、画像情報管理部13及びサイズ情報管理部14が保存する情報の内容については、後で詳細に説明する。
続いて、従来のトナー補給制御動作について説明する。
図2は、従来の画像形成装置におけるトナー補給制御動作を示すシーケンス図である。図2の横軸は時間経過を表し、特徴的な動作を与えるタイミングをt0〜t4として示している。また縦軸は動作の内容を動作S1〜動作S6の種類に分類して示している。
タイミングt0において、例えば、ユーザがコントロールパネル11から印刷動作の開始を指示すると、印刷シーケンス開始動作S1が起動する。続いて、現像モータ動作S2が起動し、現像スリーブ214、撹拌ミキサ213が回転を開始する。なお、このとき感光体102も回転を始める。
タイミングt1において、原稿の1ページ目の画像データを感光体102に書き込む画像書込み動作S3が起動する。なお、このタイミングt1において、トナー補給モータ動作S6が起動しているが、この内容については後で説明するため、ここでの説明は省略する。画像書込み動作S3の終了に続いて、ページ画素カウント情報取得動作S5が起動し、1ページ目の画像データに含まれる画素数をカウントする。このカウントは、画像情報管理部13の「印刷ページ画素カウント情報」に格納される。
タイミングt2において、原稿の2ページ目の画像データを感光体102に書き込む画像書込み動作S3が起動する。そして、このタイミングt2において、トナー濃度センサ情報取得動作S4が起動し、トナー濃度センサ220の検出電圧を取得する。
なお、安定したトナー濃度センサ220の検出電圧を取得するため、現像モータの起動から一定時間はセンサの検知信号を取り込むことは禁止されている。この禁止の一定時間は、メモリ部12に保存されている「トナー濃度センサ検知禁止時間」に規定されている。
次に、「印刷ページ画素カウント情報」から補給時間を取得する。この補給時間の取得に際しては、メモリ部12に保存されている「画素カウント情報トナー補給時間変換テーブル」を参照して取得する。更に、トナー濃度センサ220の検出電圧から補給時間を取得する。この補給時間の取得に際しては、メモリ部12に保存されている「トナー濃度センサ情報トナー補給時間変換テーブル」を参照して取得する。そして、各々の情報から取得される補給時間を比較し長いほうの補給時間でトナーを補給する。この補給動作は、トナー補給モータ動作S6で実行される。
以降、最終ページの一ページ前までは、上述の動作が繰り返して実行される。
タイミングt3において、原稿の最終ページの画像データを感光体102に書き込む画像書込み動作S3が起動する。そして、このタイミングt3において、トナー濃度センサ情報取得動作S4が起動し、トナー濃度センサ220の検出電圧を取得する。この際、タイミングt3において、トナー濃度センサ情報取得動作S4が起動し、トナー濃度センサ220の検出電圧を取得する。そして、上述のように各々の情報から取得される補給時間を比較し長いほうの補給時間でトナーを補給する。この補給動作は、トナー補給モータ動作S6で実行される。
画像書込み動作S3の終了に続いて、ページ画素カウント情報取得動作S5が起動し、最終ページ目の画像データに含まれる画素数をカウントする。そして、このカウントから算出される補給時間がデータAとしてメモリ部に保存される。
タイミングt4において、終了シーケンスが入力される。この終了シーケンスは、最終ページの画像形成動作が終了して媒体が所定位置まで搬送されたときに入力される信号である。タイミングt4において、トナー濃度センサ情報取得動作S4が起動し、トナー濃度センサ220の検出電圧を取得する。この検出電圧から算出される補給時間がデータBとしてメモリ部に保存される。そして、現像モータ動作S2と印刷シーケンス開始動作S1とが終了する。
上述の印刷動作で保存されたデータAとデータBは、次の印刷ジョブにおいて参照される。即ち、次の印刷ジョブのタイミングt1において、前ジョブの終了時に保存したデータA、データBを比較して長い方の補給時間で補給動作を開始する。この動作は図2のタイミングt1におけるトナー補給モータ動作S6で示している。なお、データBに対応するトナー濃度センサ220の検出電圧がトナーが上限の値であり補給不要のレベル(補給禁止レベル)であるときは、このタイミングt1におけるトナー補給モータ動作S6は実行しない。
続いて、このような従来のトナー補給動作における問題と本実施の形態におけるトナー補給動作の基本的な考え方を説明する。
図3は、本実施の形態の画像形成装置の現像装置のケース内部の配置を示す横断面図である。
現像装置のケース内には、仕切板70を挟んで2つの撹拌ミキサ213が設けられている。また、ケースの上部にはトナー補給口52が設けられ、トナー補給装置112から搬送されるトナーがこのトナー補給口52を介してケース内に落下して供給される。そして、トナー補給口52の位置から上流側に距離Lだけ離間した位置には現像スリーブ214が設けられている。
現像スリーブ214は、ケース内で回転自在に設けられる。現像スリーブ214は、感光体102に形成される静電潜像にトナーを供給して、トナー像を形成する。撹拌ミキサ213は、オーガを構成しており、撹拌ミキサ213を回転させることによりケース内の現像剤(トナーとキャリア)は、ミキシングされながら図中の矢印方向に移動されケース内を循環する。即ち、トナー補給口52を介して供給されたトナーは、ケース内を循環して現像スリーブ214に供給される。
従って、現像スリーブ214が現像剤を供給するタイミングと、トナーが消費された現像剤の領域が撹拌ミキサ213によってトナー補給口52まで到達するタイミングとの間には時間的な差が存在する。従来のトナー補給方法では、この時間差は考慮されていなかった。本願では、この時間差を考慮したトナー補給方法を提示する。
図4は、本実施の形態の画像形成装置におけるトナー補給制御の考え方を説明する図である。
現像スリーブ214によって感光体102に供給され消費されるトナー量は、感光体102に形成される静電潜像に依存する。即ち、画素カウント情報が消費されるトナー量に対応している。そのため、図4に示すように画素カウントに閾値Cthを設定し、この閾値Cthよりも大きい画素カウント値である場合は、画素カウントに基づいてトナー補給時間を求めてトナー補給を実行する。この補給を「画素カウント補給」という。一方、画素カウント値が閾値Cth以下の場合は、トナー濃度センサの検出電圧に基づいてトナー補給時間を求めてトナー補給を実行する。
図5は、本実施の形態の画像形成装置における画素カウントに基づくトナー補給制御の考え方を説明する図である。横軸はケース内の位置を表し、縦軸は各位置におけるトナー濃度を表している。
図5に示す曲線Aは、ケース内のトナー濃度の分布形状を表している。この分布形状では、現像スリーブ214によって消費された領域のトナー濃度が低下した凹状の形状となっている。この形状が、撹拌ミキサ213によってそのまま移動される。そして、トナー補給口52位置においてトナーが補給される。
曲線Bは、従来の補給方法によってトナーを補給した後のトナー濃度の分布形状を表している。この形状では、トナーは凹状の形状の一部分が盛り上がっており、トナー濃度は凹凸のある分布形状となっている。
曲線Cは、本実施の形態の補給方法によってトナーを補給した後のトナー濃度の分布形状を表している。トナーを複数回に分割して供給することによってトナー濃度は平坦な分布形状となっている。
図6は、本実施の形態の画像形成装置におけるトナー補給制御動作を示すシーケンス図である。図6の横軸は時間経過を表し、特徴的な動作を与えるタイミングをt0〜t4として示している。また縦軸は動作の内容を動作S1〜動作S6の種類に分類して示している。
なお、この図6に示すシーケンス図では、3ページの印刷を行う場合であって、1ページ目及び3ページ目が画素カウント情報に基づくトナー補給が選択され、2ページ目がトナー濃度センサ出力に基づくトナー補給が選択された場合を表している。
タイミングt0において、例えば、ユーザがコントロールパネル11から印刷動作の開始を指示すると、印刷シーケンス開始動作S1が起動する。続いて、現像モータ動作S2が起動し、現像スリーブ214、撹拌ミキサ213が回転を開始する。なお、このとき感光体102も回転を始める。
タイミングt1において、原稿の1ページ目の画像データを感光体102に書き込む画像書込み動作S3が起動する。なお、このタイミングt1において、トナー補給モータ動作S6が起動しているが、この内容については後で説明するため、ここでの説明は省略する。画像書込み動作S3の終了に続いて、ページ画素カウント情報取得動作S5が起動し、1ページ目の画像データに含まれる画素数をカウントする。
この画素カウントは、閾値Cthよりも大きい値である。従って、画素カウント補給が選択され、次に補給パターンが決定される。
図7は、本実施の形態の画像形成装置におけるトナー補給シーケンスパターンの内容を示す図である。
トナー補給パターンは、印刷速度によって速度1(低速)及び速度2(高速)に区分されている。なお、媒体の厚みが厚い場合は、画像形成装置の印刷速度は速度1(低速)が選択され、媒体の厚みが薄い場合は、画像形成装置の印刷速度は速度2(高速)が選択される。ここで、印刷速度と現像剤循環速度とは対応して増減する。従って、この速度は現像剤の循環速度として把握することができる。
速度1(低速)の場合は、画素カウントxによって補給パターンが異なる。画素カウントx≦nのときは、算出した量のトナー補給を1回の補給動作で実行する。n<画素カウントx≦mのときは、算出した量のトナー補給を2回に分割して実行する。m<画素カウントxのときは、算出した量のトナー補給を3回に分割して実行する。
速度2(高速)の場合は、画素カウントxによって補給パターンが異なる。画素カウントx≦mのときは、算出した量のトナー補給を1回の補給動作で実行する。m<画素カウントxのときは、算出した量のトナー補給を2回に分割して実行する。
ここでは、ページ画素カウント情報取得動作S5は、算出した量のトナー補給を3回に分割して実行すると決定する。即ち、1回目の補給(11)、2回目の補給(12)、3回目の補給(13)を実行すると決定する。
次に、画像書き込み動作S3の開始から、a(1)秒経過するまで待機する。ここで、a(1)秒は、図3に示す現像スリーブ214の左端の位置(現像位置)からトナー補給口52までの距離Lと現像剤循環速度とから決定される。即ち、a(1)秒は、現像スリーブ214によってトナーが消費された現像剤の領域がトナー補給口52に到達する時間に相当する。
この時間は、図8に示すトナー補給開始タイミング情報としてメモリ部12に保存されている。図8では、印刷速度(現像剤循環速度)に対応して現像位置からトナー補給口52までの移動時間が規定されているため、この情報を使用することで容易に移動時間を把握することができる。
そこで、a(1)秒経過時にトナー濃度センサ情報取得動作S4を開始してトナー濃度センサ220の検出電圧を取得する。この検出電圧からトナーをこれ以上補給することが禁止されていなければ、トナー補給モータ動作S6が実行されて3分割された補給動作の1回目の補給(11)が行われる。
なお、安定したトナー濃度センサ220の検出電圧を取得するため、現像モータの起動から一定時間はセンサの検知信号を取り込むことは禁止されている。この禁止の一定時間は、メモリ部12に保存されている「トナー濃度センサ検知禁止時間」に規定されている。
なお、3分割された補給動作の2回目の補給(12)は、b(11)秒経過後に実行され、3回目の補給(13)は、更にb(12)秒経過後に実行される。これらの時間は、図5の曲線Cに示すような均等な補給となるように、サイズ情報管理部14に保存されている媒体サイズ(凹部の幅に対応)、現像剤循環速度に基づいて求められる。
タイミングt2において、原稿の2ページ目の画像データを感光体102に書き込む画像書込み動作S3が起動する。画像書込み動作S3の終了に続いて、ページ画素カウント情報取得動作S5が起動し、1ページ目の画像データに含まれる画素数をカウントする。この画素カウントは、閾値Cth以下の値である。従って、画素カウント補給は選択されず、トナー濃度センサ220の測定値に基づいて補給量が確定される。
次に、2ページ目の画像書き込み動作S3の開始から、a(2)秒経過するまで待機する。ここで、a(2)秒は、図3に示す現像スリーブ214の左端の位置(現像位置)からトナー補給口52までの距離Lと現像剤循環速度とから決定される。即ち、a(2)秒は、現像スリーブ214によってトナーが消費された現像剤の領域がトナー補給口52に到達する時間に相当する。
この時間は、図8に示すトナー補給開始タイミング情報としてメモリ部12に保存されている。図8では、印刷速度(現像剤循環速度)に対応して現像位置からトナー補給口52までの移動時間が規定されているため、この情報を使用することで容易に時間を把握することができる。
そこで、a(2)秒経過時にトナー濃度センサ情報取得動作S4を開始してトナー濃度センサ220の検出電圧を取得する。この検出電圧からトナーをこれ以上補給することが禁止されていなければ、トナー補給モータ動作S6が実行されてトナー濃度センサによる補給(2)が行われる。この補給時間の取得に際しては、メモリ部12に保存されている「トナー濃度センサ情報トナー補給時間変換テーブル」を参照して取得する。
タイミングt3において、原稿の最終ページ(3ページ目)の画像データを感光体102に書き込む画像書込み動作S3が起動する。画像書込み動作S3の終了に続いて、ページ画素カウント情報取得動作S5が起動し、3ページ目の画像データに含まれる画素数をカウントする。
この画素カウントは、閾値Cthよりも大きい値である。従って、画素カウント補給が選択され、次に補給パターンが決定される。この動作は、1ページ目の動作と同様であるため詳細の説明は省略する。即ち、ページ画素カウント情報取得動作S5は、算出した量のトナー補給を3回に分割して実行すると決定する。例えば、1回目の補給(11)、2回目の補給(12)、3回目の補給(13)を実行すると決定する。
そして、画像書き込み動作S3の開始から、a(3)秒経過時にトナー濃度センサ情報取得動作S4を開始してトナー濃度センサ220の検出電圧を取得する。この検出電圧からトナーをこれ以上補給することが禁止されていなければ、トナー補給モータ動作S6が実行されて3分割された補給動作の1回目の補給(31)が行われる。
続いて、3分割された補給動作の2回目の補給(32)は、b(31)秒経過後に実行される。そして、3回目の補給(33)は、更にb(32)秒経過後に実行される計画である。
タイミングt4において、終了シーケンスが入力される。タイミングt4において、トナー濃度センサ情報取得動作S4が起動し、トナー濃度センサ220の検出電圧を取得する。この検出電圧から算出される補給時間がデータBとしてメモリ部に保存される。そして、現像モータ動作S2と印刷シーケンス開始動作S1とが終了する。
なお、終了シーケンス入力の後に実行が予定されていた3回目の補給(33)は、行われない。上述の印刷動作で保存されたデータBは、次の印刷ジョブにおいて参照される。即ち、次の印刷ジョブのタイミングt1において、前ジョブの終了時に保存したデータBの補給時間で補給動作を開始する。この動作は図6のタイミングt1におけるトナー補給モータ動作S6で示している。
図9、図10、図11は、本実施の形態の画像形成装置におけるトナー補給処理手順を示すフロー図である。このフロー図に示す処理の動作は制御部10が統括して実行する。なお、このフロー図に示されておらず、また言及されていない内容であっても、図1乃至図8に記載された内容、及びこれらの図を参照して説明した内容は本実施の形態に含まれる。
ユーザがコントロールパネル11から原稿の読込とその印刷シーケンスの開始を指示すると、制御部10は、印刷シーケンスを開始させる。図9のアクト01において、制御部10は現像モータの動作を開始する。アクト02において、印刷シーケンスの開始から所定時間(t1)経過するまで待機する。所定時間(t1)が経過したとき(アクト02でYES)、アクト03において、制御部10は1ページ目の画像データを感光体102に書込む動作を開始させる。
アクト04において、制御部10は媒体の厚さなどから印刷速度を把握する。そして、メモリ部12のトナー補給開始タイミング情報を参照して印刷速度に対応したトナー補給開始時間a(1)を抽出する。そして、トナー補給開始時間a(1)をセットする。
アクト05において、前のジョブからトナーの補給要求が発生しているかどうかを調べる。前のジョブからトナーの補給要求が発生しているとき(アクト05でYES)は、アクト06において要求されたトナーの補給時間を取得してトナー補給の実行を指示する。前のジョブからのトナーの補給要求が発生していないとき(アクト05でNO)、及びアクト06の指示を実行した後は、アクト07において1ページ目の画像書込み動作が終了するまで待機する。
1ページ目の画像書込み動作が終了したとき(アクト07でYES)は、図10のアクト11において、印刷ページの画素カウント情報を取得する([ページ画素カウント情報取得動作S5])。アクト12において、画素カウント補給を実行する条件に合致したか否かを調べる。即ち、画素カウントが閾値Cthよりも大きいかどうかを調べる。
画素カウント補給を実行する条件に合致したとき(アクト12でYES)は、アクト13において、画素カウントをトナー補給時間に変換する。アクト14において、現像剤が現像位置からトナー補給口52の位置に到達するまで待機する。即ち、画像書込み開始時からトナー補給開始時間a(i)が経過するまで待機する。現像剤がトナー補給を開始する位置(トナー補給口52の位置)に到達したとき(アクト14でYES)は、アクト15において、トナー濃度センサ情報を取得する([トナー濃度センサ情報取得動作S4])。
アクト16において、トナー濃度センサ情報からトナーが不足して強制トナー補給レベルにあるかどうかを判断する。強制トナー補給レベルにあるとき(アクト16でYES)は、強制トナー補給動作に移行する。この強制トナー補給動作に移行した後は、本トナー補給動作にはリターンせずに特別の処理を実行する。従って、本処理は終了する。
強制トナー補給レベルにないとき(アクト16でNO)は、アクト17において、トナー濃度センサ情報からトナーが過剰にあるため、トナー補給が禁止されるレベルであるかどうかを判断する。トナー補給が禁止されるレベルであるとき(アクト17でYES)は、アクト20の処理を実行する。
トナー補給が禁止されるレベルでないとき(アクト17でNO)は、アクト18において、トナー補給シーケンスパターンを取得する。即ち、画素カウントとトナー補給シーケンスパターン情報とに基づいて、分割して補給するか否か、及び分割補給時における動作タイミングなどの補給方法を決定する。アクト19において、決定された補給方法に従ってトナー補給動作の実行を開始する。
一方、アクト12でNOの場合、即ち、画素カウントが閾値Cth以下であり、画素カウント補給を実行する条件に合致しないときは、アクト25において、現像剤が現像位置からトナー補給口52の位置に到達するまで待機する。即ち、画像書込み開始時からトナー補給開始時間a(i)が経過するまで待機する。現像剤がトナー補給を開始する位置(トナー補給口位置)に到達したとき(アクト25でYES)は、アクト26において、トナー濃度センサ情報を取得する([トナー濃度センサ情報取得動作S4])。
アクト27において、トナー濃度センサ情報からトナーが不足して強制トナー補給レベルにあるかどうかを判断する。強制トナー補給レベルにあるとき(アクト27でYES)は、強制トナー補給動作に移行する。この強制トナー補給動作に移行した後は、本トナー補給動作にはリターンせずに特別の処理を実行する。従って、本処理は終了する。
強制トナー補給レベルにないとき(アクト27でNO)は、アクト28において、トナー濃度センサ220の検出電圧を取得し、この検出電圧から補給時間を算出する。そして、アクト19の処理を実行する。
アクト20において、最終ページの処理実行が終了したかどうかを調べる。最終ページの処理実行が終了していないとき(アクト20でNO)は、アクト11に戻って新たなページの処理を実行する。最終ページの処理実行が終了しているとき(アクト20でYES)は、図11のアクト31の処理を実行する。
アクト31において、終了シーケンスの開始まで待機する。終了シーケンスが開始されたとき(アクト31でYES)は、アクト32において、トナー補給動作を停止する。アクト33において、トナー濃度センサ220の検出電圧を取得する。アクト34において、この検出電圧からトナー補給時間を算出してトナー補給要求があることを保存する。
アクト35において、トナー濃度センサ情報からトナーが不足して強制トナー補給レベルにあるかどうかを判断する。強制トナー補給レベルにないとき(アクト35でNO)は、本トナー補給処理を終了する。強制トナー補給レベルにあるとき(アクト35でYES)は、強制トナー補給動作に移行する。この強制トナー補給動作に移行した後は、本トナー補給動作にはリターンせずに特別の処理を実行する。従って、本処理は終了する。
上述の実施の形態で示したように、強制トナー補給動作に遷移した後は、本トナー補給動作は中止される。また、トナー補給禁止レベルになったときも本トナー補給動作は中止される。従って、このようなパフォーマンス低下状態に遷移しないようにトナー補給動作を制御することが必要である。
図12は、本実施の形態の画像形成装置におけるパフォーマンス低下状態への遷移を低減する処理手順を示すフロー図である。
アクト41において、画素カウントに基づくトナー補給が実行されると、アクト42において、画素カウントに基づくトナー補給が連続して実行されたかどうかを調べる。前回のトナー補給がトナー濃度センサ情報に基づくトナー補給であり、画素カウントに基づくトナー補給が連続して行われていないとき(アクト42でNO)は、本処理を終了する。
画素カウントに基づくトナー補給が連続して行われているとき(アクト42でYES)は、アクト43において、トナー濃度センサ情報からトナーが不足して強制トナー補給レベルにあるかどうかを判断する。強制トナー補給レベルにあるとき(アクト43でYES)は、アクト45において、トナー補給装置112内のトナーがエンプティになっているかどうかを調べる。
トナー補給装置112内のトナーがエンプティになっているとき(アクト45でYES)は、強制トナー補給レベルとなったのはトナー補給装置112が原因であるため本処理を終了する。トナー補給装置112内のトナーがエンプティになっていないとき(アクト45でNO)は、アクト46の処理を実行する。
強制トナー補給レベルにないとき(アクト43でNO)は、アクト44において、トナー濃度センサ情報からトナーが過剰にありトナー補給が禁止されるレベルであるかどうかを判断する。トナー補給が禁止されるレベルでないとき(アクト44でNO)は、現在問題は発生していないため本処理を終了する。トナー補給が禁止されるレベルであるとき(アクト44でYES)は、アクト46の処理を実行する。
強制トナー補給レベルにあるかトナー補給が禁止されるレベルであるときは、即ち、トナー補給に異常が発生しているときは、アクト46において、画素カウント情報トナー補給時間変換テーブルの値を変更する。
図13は、本実施の形態の画像形成装置における画素カウント情報トナー補給時間変換テーブルの値を変更する方法を説明するための図である。
図13の座標の横軸は画素カウントを表し、縦軸はトナー補給時間を表している。特性曲線Xは、画素カウント情報トナー補給時間変換テーブルで規定されている画素カウントとトナー補給時間との対応を表している。
従って、図13(1)に示すように、特性曲線Xの傾きを変更することで強制トナー補給レベル、あるいはトナー補給が禁止されるレベルに遷移することを回避する。そのために、所定の値だけ現在の特性曲線Xの傾きを増減する。
また、図13(2)に示すように、特性曲線Xを上下(又は左右)に移動することでトナー補給時間を変更し、強制トナー補給レベル、あるいはトナー補給が禁止されるレベルに遷移することを回避する。そのために、所定の値だけ現在の特性曲線Xを上下(又は左右)に移動する。
以上説明した実施の形態によれば、現像装置内の現像剤中のトナー濃度を均一に保つことができるため、印刷画像の品質を高めることができる。
なお、上述の実施の形態で説明した各機能は、ハードウエアを用いて構成しても良く、また、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現しても良い。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
更に、各機能は図示しない記録媒体に格納したプログラムをコンピュータに読み込ませることで実現させることもできる。ここで本実施の形態における記録媒体は、プログラムを記録でき、かつコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、その記録形式は何れの形態であってもよい。
尚、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。