JP2014094340A - 光触媒体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
製造コストを軽減すると共に、被処理流体の圧力損失を少なくし、且つ、光触媒に対する衝突確率を向上させることにより、汚染流体の処理効率を向上させる。
【解決手段】
チタンシート(2)に、切込部位を曲げ加工して開口された流通口(5)と、当該流通口(5)を流通する被処理流体と衝突する位置に曲げ加工された衝突片(6)とを備えた多数の衝突流路を形成し、当該チタンシートの表面は粗面化されて、その表層に陽極酸化被膜(9)が形成され、さらにその表層に光触媒層(4)を形成した。
【選択図】図1
製造コストを軽減すると共に、被処理流体の圧力損失を少なくし、且つ、光触媒に対する衝突確率を向上させることにより、汚染流体の処理効率を向上させる。
【解決手段】
チタンシート(2)に、切込部位を曲げ加工して開口された流通口(5)と、当該流通口(5)を流通する被処理流体と衝突する位置に曲げ加工された衝突片(6)とを備えた多数の衝突流路を形成し、当該チタンシートの表面は粗面化されて、その表層に陽極酸化被膜(9)が形成され、さらにその表層に光触媒層(4)を形成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、紫外線環境下で空気や水などの流体中に含まれる汚染物質を分解する光触媒体と、その製造方法に関する。
アナターゼ型の酸化チタンは光触媒として知られており、紫外線照射によりヒドロキシラジカル(・OH)などの活性種や正孔が生成し、これによって有機物が分解されるため、脱臭効果や殺菌効果が得られ、空気清浄機などに応用されている。
このような空気清浄機に使用される光触媒体として、円筒形金属メッシュの全表面に光触媒をコーティングさせたものが知られている(特許文献1参照)。
そして、この光触媒体の中心に紫外線ランプを配したものを空気流路中に置けば、汚染空気が光触媒体の金属メッシュを透過し、メッシュ表面にコーティングされた光触媒に接触するので、汚染空気中の有害周期成分を処理することができる。
そして、この光触媒体の中心に紫外線ランプを配したものを空気流路中に置けば、汚染空気が光触媒体の金属メッシュを透過し、メッシュ表面にコーティングされた光触媒に接触するので、汚染空気中の有害周期成分を処理することができる。
しかしながら、光触媒となるアナターゼ型の酸化チタンを一般の金属メッシュや金属網目体にコーティングさせようとしても、酸化チタンは結合強度が弱く、担体となる金属表面に形成した酸化チタン膜が剥がれやすいため、製品寿命が短い。また、酸化チタン膜が剥がれた部分では、有害臭気成分を効率的に分解することができないという問題がある。
特に、表面積を増やすために細いワイヤを細かく編んだ金属メッシュを円筒に形成したものは、手で軽く握るだけで簡単に凹んでしまう程度に機械的強度が低いため、組み立てが困難なだけでなく、その外周面を握ることにより表面が撓んでしまうと、広範囲にわたって酸化チタン膜が簡単に剥がれ落ちてしまうという問題があった。
このため、本出願人らは、厚さ0.1〜0.3mm程度のチタンシートの片面又は両面から非周期的パターンによるエッチング処理を施して表裏を貫通する多数の微細流路を形成して、当該チタンシートを非周期性海綿構造とし、その表面に陽極酸化処理を施して酸化チタンベースを形成し、当該酸化チタンベースにアナターゼ型酸化チタン粒子を焼き付けた触媒体を提案した(特許文献2参照)
これによれば、チタンシートに光触媒となるアナターゼ型酸化チタンを強固に担持させると共に剥がれを防止し、さらに、光触媒に接する機会を増大させて、光触媒による浄化処理効率を格段に向上させることができる。
また、図8(a)に示すように、チタンシート51はエッチング処理により多数の微細流路52が形成されて非周期性海綿構造を成し、その微細流路52は、図8(b)に示すZ−Z線断面図のように内壁53がクランク状に形成された屈曲流路となっている。
そして、チタンシート51の表面及び微細流路52の内壁53に陽極酸化処理が施されてアナターゼ型酸化チタン粒子を焼き付けられている。
このように、微細流路52はその内壁がクランク状に形成されているので、微細流路52を通過する汚染空気が内壁53に衝突する衝突する確率が高くなる。
また、図8(a)に示すように、チタンシート51はエッチング処理により多数の微細流路52が形成されて非周期性海綿構造を成し、その微細流路52は、図8(b)に示すZ−Z線断面図のように内壁53がクランク状に形成された屈曲流路となっている。
そして、チタンシート51の表面及び微細流路52の内壁53に陽極酸化処理が施されてアナターゼ型酸化チタン粒子を焼き付けられている。
このように、微細流路52はその内壁がクランク状に形成されているので、微細流路52を通過する汚染空気が内壁53に衝突する衝突する確率が高くなる。
しかしながら、チタンシートを非周期性海綿構造とするために、その両面から非周期的パターンによるエッチング処理を施した場合、そのコストが嵩むという問題がある。
また、微細流路52の流路長は、当然のことながらチタンシート51の厚さ(0.1〜0.3mm)が限度であり、微細流路52の開口径を厚さと同程度まで細く形成すれば、微細流路52が屈曲流路として機能するため汚染空気の衝突確率が向上するが、圧力損失が増大して透過空気量が減少するため必ずしも処理効率が向上しないことが判明した。
これとは逆に、微細流路52による開口径を厚さに比して十分大きくすれば、流路抵抗が減少して透過空気量が増大するが、素通りする空気流が増え微細流路52が屈曲流路として機能しないため、汚染空気の衝突確率が減少し、処理効率を向上させることができない。
また、微細流路52の流路長は、当然のことながらチタンシート51の厚さ(0.1〜0.3mm)が限度であり、微細流路52の開口径を厚さと同程度まで細く形成すれば、微細流路52が屈曲流路として機能するため汚染空気の衝突確率が向上するが、圧力損失が増大して透過空気量が減少するため必ずしも処理効率が向上しないことが判明した。
これとは逆に、微細流路52による開口径を厚さに比して十分大きくすれば、流路抵抗が減少して透過空気量が増大するが、素通りする空気流が増え微細流路52が屈曲流路として機能しないため、汚染空気の衝突確率が減少し、処理効率を向上させることができない。
そこで本発明は、製造コストが極めて安価で、圧力損失が少なく、且つ、光触媒に対する衝突確率を向上させることにより、汚染流体の処理効率を向上させることを技術的課題としている。
この課題を解決するために、本発明は、チタンシートの表面にアナターゼ型酸化チタン粒子が担持された光触媒層を備えた光触媒体において、前記チタンシートには、切込部位を曲げ加工して開口された流通口と、当該流通口を流通する被処理流体と衝突する位置に曲げ加工された前記切込部位で成る衝突片とを備えた多数の衝突流路が形成され、当該チタンシートの表面は粗面化されて、その表層に陽極酸化被膜が形成され、さらにその表層に前記光触媒層が形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、チタンシートに形成された多数の衝突流路が、切込部位を曲げ加工して開口された流通口と、当該流通口を流通する被処理流体と衝突する位置に曲げ加工された切込部位で成る衝突片とを備えた構成となっているので、各衝突流路は、流通口及び衝突片を個別に形成することなく、プレス成形により一工程で形成することができるので、エッチングにより流通口を形成する場合に比して格段にコストを軽減することができる。
また、チタンシートの表面に陽極酸化被膜が形成され、その表層に、アナターゼ型酸化チタン粒子が塗布焼成されて光触媒層が形成されている。
チタンシートの陽極酸化皮膜と光触媒層は、酸化チタン同士であるので、これらの結合性が極めて強く、光触媒層が剥がれ難い。
さらに、陽極酸化被膜は、粗面化されたチタンシートの表面に形成されているので、同様に粗面化されており、その表層に光触媒層を形成した場合の結合性はさらに高いものとなる。
チタンシートの陽極酸化皮膜と光触媒層は、酸化チタン同士であるので、これらの結合性が極めて強く、光触媒層が剥がれ難い。
さらに、陽極酸化被膜は、粗面化されたチタンシートの表面に形成されているので、同様に粗面化されており、その表層に光触媒層を形成した場合の結合性はさらに高いものとなる。
このように構成された光触媒体に、汚染空気を流通させると、流通口のない部分に衝突した汚染空気は光触媒層に接触した後、チタンシートに沿って流通口に向けて流れが曲げられ、流通口に吹き付けられた汚染空気はそのまま流通口から衝突流路に流入する。
衝突流路には、被処理流体と衝突する位置に衝突片が曲げ加工されているので、汚染空気がそのまま衝突流路を素通りして反対側に透過することがなく、ほとんどが衝突片に衝突してその表面に形成された光触媒と接触する。
さらに、衝突流路の断面積を数mm2〜10mm2と比較的大きくすることにより圧力損失を低下させても、衝突流路には衝突片が設けられているので、被処理流体と光触媒との衝突確率を高率に維持することができ、処理効率を向上させることができる。
衝突流路には、被処理流体と衝突する位置に衝突片が曲げ加工されているので、汚染空気がそのまま衝突流路を素通りして反対側に透過することがなく、ほとんどが衝突片に衝突してその表面に形成された光触媒と接触する。
さらに、衝突流路の断面積を数mm2〜10mm2と比較的大きくすることにより圧力損失を低下させても、衝突流路には衝突片が設けられているので、被処理流体と光触媒との衝突確率を高率に維持することができ、処理効率を向上させることができる。
本発明は、製造コストを軽減し、被処理流体の圧力損失を少なくし、且つ、光触媒に対する衝突確率を向上させることにより、汚染流体の処理効率を向上させるという目的を達成するため、チタンシートに、切込部位を曲げ加工して開口された流通口と、当該流通口を流通する被処理流体と衝突する位置に起こされた前記切込部位で成る衝突片とを備えた多数の衝突流路が形成され、当該チタンシートの表面は粗面化されて、その表層に陽極酸化被膜が形成され、さらにその表層に前記光触媒層を形成した。
図1(a)は本発明に係る光触媒体1の正面図、図1(b)はその縦断面図、図1(c)は拡大斜視図、図1(d)はA−A線断面図であり、光触媒体1は、チタンシート2の表面にアナターゼ型酸化チタン粒子3が担持された光触媒層4を備えている。
チタンシート2には、切込部位を曲げ加工して開口された流通口5と、当該流通口5を流通する被処理流体と衝突する位置に曲げ加工された前記切込部位でなる衝突片6とを備えた多数の衝突流路7A、7Bが、プレス成型により形成されている。
チタンシート2には、切込部位を曲げ加工して開口された流通口5と、当該流通口5を流通する被処理流体と衝突する位置に曲げ加工された前記切込部位でなる衝突片6とを備えた多数の衝突流路7A、7Bが、プレス成型により形成されている。
本例では、チタンシート2として厚さ0.1〜0.3mm程度のチタン箔が用いられると共に、直径3mm程度、中心角315°程度の円弧状の切込みが形成され、その切込みで囲まれた略円形の領域からなる切込部位が45°程度曲げ加工されて、チタンシート2に流通口5が開口されると共に、曲げ加工された前記切込部位で衝突片6が形成され、この流通口5と衝突片6とで衝突流路7A、7Bが形成されている。
これにより、チタンシート2の片側から反対側へ透過する被処理流体は、衝突流路7A、7Bを通過する際に衝突片6に衝突されて、方向を変えながらチタンシート2の反対側へ透過されることになる。
これにより、チタンシート2の片側から反対側へ透過する被処理流体は、衝突流路7A、7Bを通過する際に衝突片6に衝突されて、方向を変えながらチタンシート2の反対側へ透過されることになる。
この衝突流路7Aは、衝突片6がチタンシート2の一方の面に突出するように曲げ加工され、衝突流路7Bは、衝突片6がチタンシート2の他方の面に突出するように曲げ加工されて、チタンシート2にこれらが混在して形成されている。
ただし、本発明ではこれに限らず、すべての衝突片6がチタンシート2の一方の面に突出するように曲げ加工される場合であってもよい。
ただし、本発明ではこれに限らず、すべての衝突片6がチタンシート2の一方の面に突出するように曲げ加工される場合であってもよい。
また、チタンシート2の表面は、サンドブラストなどにより粗面化された凹凸面8となっており、その表層に陽極酸化被膜9が形成され、さらにその表層に、アナターゼ型酸化チタン粒子3が付着焼成された光触媒層4が形成されている。
以上が本発明に係る光触媒体1の構成例であり、次に製造方法について説明する。
図2はその製造方法を示す説明図であり、図2(a)に示す粗面処理工程P1と、図2(b)及び(c)に示すプレス成形工程P2と、図2(d)及び(e)に示す陽極酸化処理工程P3と、図2(f)及び(g)に示す光触媒層形成工程P4からなる。
図2はその製造方法を示す説明図であり、図2(a)に示す粗面処理工程P1と、図2(b)及び(c)に示すプレス成形工程P2と、図2(d)及び(e)に示す陽極酸化処理工程P3と、図2(f)及び(g)に示す光触媒層形成工程P4からなる。
粗面処理工程P1では、厚さ0.1〜0.3mm程度のチタンシート2の表裏両面にサンドブラスト処理を施してその表面を粗面化する。
プレス成形工程P2では、形成する衝突流路の形状に応じた切曲パンチ11とダイプレート12を用い、粗面処理工程P1が終了したチタンシート2をダイプレート12上に載せ、切曲パンチ11を降下させて切曲加工を行う。
チタンシート2は、切曲パンチ11によりダイプレート12の凹部13に押し込まれて円弧状の切込みが形成され、さらにパンチ11が降下されると、その切込みに囲まれた略円形の切込部位が凹部13内に設けられたノックアウト14との間に挟まれて切残し部分から45°に折り曲げられるので、一工程で、切込部位に流通口5と衝突片6が形成され、これにより、衝突流路7A、7Bが形成される。
チタンシート2は、切曲パンチ11によりダイプレート12の凹部13に押し込まれて円弧状の切込みが形成され、さらにパンチ11が降下されると、その切込みに囲まれた略円形の切込部位が凹部13内に設けられたノックアウト14との間に挟まれて切残し部分から45°に折り曲げられるので、一工程で、切込部位に流通口5と衝突片6が形成され、これにより、衝突流路7A、7Bが形成される。
流通口5は、チタンシート2の面内に開口され、衝突片6は、その流通口5を通ってチタンシート2を直角に貫通する直線を横切るように曲げ加工されている。
これにより、衝突片6は、流通口5を流通する被処理流体と衝突する位置に配されることになり、流通口5側から衝突片6側に向かって流れる被処理流体は、衝突片6に衝突してその周囲からチタンシート2の反対面側に拡散され、衝突片6側から流通口5側に向かって流れる被処理流体は、衝突片6に衝突してこれを回り込むように流れて流通口5からチタンシート2の反対面側に透過される。
これにより、衝突片6は、流通口5を流通する被処理流体と衝突する位置に配されることになり、流通口5側から衝突片6側に向かって流れる被処理流体は、衝突片6に衝突してその周囲からチタンシート2の反対面側に拡散され、衝突片6側から流通口5側に向かって流れる被処理流体は、衝突片6に衝突してこれを回り込むように流れて流通口5からチタンシート2の反対面側に透過される。
陽極酸化処理P3では、リン酸浴(例えばリン酸3%水溶液)B中で、陽極となるチタンシート2と陰極Cとの間に所定電圧を印加して行われ、その結果、チタンシート2の表面が酸化されて陽極酸化皮膜が形成される。
このとき、酸化皮膜は、チタンシート2の表裏両面だけでなく、衝突片6の表面や切断端面などリン酸浴に曝されている全表面に形成される。
その後、このチタンシート2を電気炉Hにより、大気存在下で550℃、3時間加熱する加熱処理を施す。
このとき、酸化皮膜は、チタンシート2の表裏両面だけでなく、衝突片6の表面や切断端面などリン酸浴に曝されている全表面に形成される。
その後、このチタンシート2を電気炉Hにより、大気存在下で550℃、3時間加熱する加熱処理を施す。
光触媒層形成工程P4は、表面に陽極酸化被膜9が形成されたチタンシート2を、アナターゼ型酸化チタン粒子3を分散したスラリーS中にディッピングして付着させた後、これを電気炉Hで550℃で焼成すると、チタンシート2及び衝突片6の表裏両面に光触媒層4が形成される。
陽極酸化被膜9と光触媒層4は、酸化チタン同士が結合することになるので、その結合性が極めて強くなり、その結果、光触媒層4が剥がれ難くなる。
陽極酸化被膜9と光触媒層4は、酸化チタン同士が結合することになるので、その結合性が極めて強くなり、その結果、光触媒層4が剥がれ難くなる。
さらに、サンドブラストなどの粗面処理P1を施しているので、陽極酸化皮膜9も凹凸状に形成され、光触媒層4がより強固に結合するだけでなく、表面積が増え、処理効率が格段に向上する。
また、UV光を照射したときに光触媒層5の表面及び酸化チタンベース3との界面で乱反射/光散乱が起き、UV光を効率よく利用できる。
さらにまた、チタンシートを使用したことで光触媒体自体を軽量に形成することができることから設計の自由度が大きくなり、耐熱性、耐薬品にも優れるため、過酷な使用条件の下でも使用に耐え得る。
また、UV光を照射したときに光触媒層5の表面及び酸化チタンベース3との界面で乱反射/光散乱が起き、UV光を効率よく利用できる。
さらにまた、チタンシートを使用したことで光触媒体自体を軽量に形成することができることから設計の自由度が大きくなり、耐熱性、耐薬品にも優れるため、過酷な使用条件の下でも使用に耐え得る。
以上が本発明に係る光触媒体の構成及び製造方法であり、次にその作用を図3及び図4に基づいて説明する。
図3は光触媒体1を用いた空気清浄器15を示し、両端に流入口16in及び流出口16outが形成された角筒状のチャンバ16内に、紫外線ランプ17が平行に複数本配されると共に、その前後に一対の光触媒体1、1が配されており、流入口16inには大きな塵埃を除去するフィルタ18が配され、流出口16outにはファン19が配され、このファン19により、チャンバ16内を流入口16inから流出口16outに向かう強制対流が形成される。
図3は光触媒体1を用いた空気清浄器15を示し、両端に流入口16in及び流出口16outが形成された角筒状のチャンバ16内に、紫外線ランプ17が平行に複数本配されると共に、その前後に一対の光触媒体1、1が配されており、流入口16inには大きな塵埃を除去するフィルタ18が配され、流出口16outにはファン19が配され、このファン19により、チャンバ16内を流入口16inから流出口16outに向かう強制対流が形成される。
図4は、この光触媒体1を透過する汚染空気の流線モデルである。
衝突片6が、チタンシート2の両面に突出している場合、衝突片6がチタンシート2の背面側に突出された衝突流路7Aの近傍に吹き付けられる流れFAと、衝突片6がチタンシート2の正面側に突出された衝突流路7Bの近傍に吹き付けられる流れFBが形成される。
衝突片6が、チタンシート2の両面に突出している場合、衝突片6がチタンシート2の背面側に突出された衝突流路7Aの近傍に吹き付けられる流れFAと、衝突片6がチタンシート2の正面側に突出された衝突流路7Bの近傍に吹き付けられる流れFBが形成される。
流れFAのうちチタンシート2の正面側から衝突流路7Aの流通口5に流入された汚染空気は、そのほとんどが衝突片6に衝突された後、衝突片6の傾きに沿って流れ、略円形の衝突片6の周囲から拡散するようにチタンシート2の背面側へ透過される。
また、流れFAのうちチタンシート2に衝突した汚染空気は、チタンシート2の表面に沿って流れ、衝突流路7Aの流通口5に流入して、同様に、チタンシート2の背面側に透過される。
また、流れFAのうちチタンシート2に衝突した汚染空気は、チタンシート2の表面に沿って流れ、衝突流路7Aの流通口5に流入して、同様に、チタンシート2の背面側に透過される。
流れFBのうちチタンシート2の正面側から衝突流路7Bの衝突片6に衝突した汚染空気は、衝突片6の斜面及びチタンシート2の正面に沿って流れ、隣接する衝突流路7Aの流通口5に流入される。
また、流れFBのうちチタンシート2に衝突した汚染空気は、チタンシート2の表面に沿って流れ、衝突片6に衝突して衝突流路7Bの流通口5に向かうように流れの方向が変えられて、チタンシート2の背面側に透過される。
そして、流通口5及び衝突片6の縁を流れる汚染空気は、これらを通過する際にその背面側に流れが巻き込まれて乱れ、あるいは、渦が形成されるので、その流れの乱れ等によりチタンシート2の背面側に再度衝突される。
また、流れFBのうちチタンシート2に衝突した汚染空気は、チタンシート2の表面に沿って流れ、衝突片6に衝突して衝突流路7Bの流通口5に向かうように流れの方向が変えられて、チタンシート2の背面側に透過される。
そして、流通口5及び衝突片6の縁を流れる汚染空気は、これらを通過する際にその背面側に流れが巻き込まれて乱れ、あるいは、渦が形成されるので、その流れの乱れ等によりチタンシート2の背面側に再度衝突される。
このように、流れFA及びFBとも、ほとんどがチタンシート2及び衝突片6の一方又は双方に衝突しながら正面側から背面側に透過され、場合によっては流れに乱れにより背面側に再度衝突されるので、光触媒層4に確実に接触される。
また、いずれにも衝突することなく光触媒体1を透過する空気流は極めて少ないので、圧力損失が低いにもかかわらず、処理効率が極めて高いというメリットがある。
また、いずれにも衝突することなく光触媒体1を透過する空気流は極めて少ないので、圧力損失が低いにもかかわらず、処理効率が極めて高いというメリットがある。
なお空気清浄器15は、図5に示すように、光触媒体1を円筒状に巻回させ、その中央に紫外線ランプ17を配するようにしてもよい。
図6は本発明の他の実施形態を示し、図6(a)は本発明に係る光触媒体21の正面図、図6(b)はその縦断面図、図6(c)は拡大斜視図、図6(d)はX−X線断面図である。なお、図1と重複する部分については、同一符号を付して詳細説明を省略する。
本例の光触媒体21は、チタンシート2として厚さ0.1〜0.3mm程度のチタン箔が用いられると共に、長さ3〜5mm程度の直線状の切込みを長辺とする長方形エリアでなる切込部位がルーバー状に曲げ加工されて、チタンシート2に流通口22が開口されると共に、曲げ加工された前記切込部位で衝突片23が形成され、この流通口22と衝突片23とで衝突流路7A、7Bが形成されている。
これにより、チタンシート2の片側から反対側へ透過する被処理流体は、衝突流路7A、7Bを通過する際に衝突片23に衝突されて、方向を変えながらチタンシート2の反対側へ透過されることになる。
本例の光触媒体21は、チタンシート2として厚さ0.1〜0.3mm程度のチタン箔が用いられると共に、長さ3〜5mm程度の直線状の切込みを長辺とする長方形エリアでなる切込部位がルーバー状に曲げ加工されて、チタンシート2に流通口22が開口されると共に、曲げ加工された前記切込部位で衝突片23が形成され、この流通口22と衝突片23とで衝突流路7A、7Bが形成されている。
これにより、チタンシート2の片側から反対側へ透過する被処理流体は、衝突流路7A、7Bを通過する際に衝突片23に衝突されて、方向を変えながらチタンシート2の反対側へ透過されることになる。
この衝突流路7Aは、衝突片23がチタンシート2の一方の面に突出するように曲げ加工され、衝突流路7Bは、衝突片23がチタンシート2の他方の面に突出するように曲げ加工されて、チタンシート2にこれらが混在して形成されている。
なお、チタンシート2の表面は、サンドブラストなどにより粗面化された凹凸面8が形成され、その表層に陽極酸化被膜9が形成され、さらにその表層にアナターゼ型酸化チタン粒子3が付着焼成された光触媒層4が形成されている点は、実施例1と同様である。
また、光触媒体21の製造方法も、プレス成形工程P2で用いる切曲パンチ11とダイプレート12を、ルーバー状の衝突片23の形状に応じたものとすれば足り、それ以外は実施例1と同様であり、また、作用効果についても同様である。
また、光触媒体21の製造方法も、プレス成形工程P2で用いる切曲パンチ11とダイプレート12を、ルーバー状の衝突片23の形状に応じたものとすれば足り、それ以外は実施例1と同様であり、また、作用効果についても同様である。
図7は本発明の他の実施形態を示し、図7(a)は本発明に係る光触媒体31の斜視図、図7(b)はその縦断面図、図7(c)はY−Y線断面図である。なお、図1と重複する部分については、同一符号を付して詳細説明を省略する。
本例の光触媒体31は、チタンシート2として厚さ0.1〜0.3mm程度のチタン箔が用いられると共に、長さ3mm程度の直線状の切込みを底辺とする三角形エリアでなる切込部位が三角錘状に曲げ加工されて、チタンシート2に三角形状の流通口32が開口されると共に、三角錘状に曲げ加工された前記切込部位で衝突片33が形成され、この流通口32と衝突片33とで衝突流路7A、7Bが形成されている。
これにより、チタンシート2の片側から反対側へ透過する被処理流体は、衝突流路7A、7Bを通過する際に衝突片33に衝突されて、方向を変えながらチタンシート2の反対側へ透過されることになる。
本例の光触媒体31は、チタンシート2として厚さ0.1〜0.3mm程度のチタン箔が用いられると共に、長さ3mm程度の直線状の切込みを底辺とする三角形エリアでなる切込部位が三角錘状に曲げ加工されて、チタンシート2に三角形状の流通口32が開口されると共に、三角錘状に曲げ加工された前記切込部位で衝突片33が形成され、この流通口32と衝突片33とで衝突流路7A、7Bが形成されている。
これにより、チタンシート2の片側から反対側へ透過する被処理流体は、衝突流路7A、7Bを通過する際に衝突片33に衝突されて、方向を変えながらチタンシート2の反対側へ透過されることになる。
衝突流路7Aは、衝突片33がチタンシート2の一方の面に突出するように曲げ加工され、衝突流路7Bは、衝突片33がチタンシート2の他方の面に突出するように曲げ加工されて、チタンシート2にこれらが混在して形成されている。
なお、チタンシート2の表面には、サンドブラストなどにより粗面化された凹凸面8が形成され、その表層に陽極酸化被膜9が形成され、さらにその表層にアナターゼ型酸化チタン粒子3が付着焼成された光触媒層4が形成されている点は、実施例1と同様である。
また、光触媒体31の製造方法も、プレス成形工程P2で用いる切曲パンチ11とダイプレート12を、略三角錘形状の衝突片33に応じたものとすれば足り、それ以外は実施例1と同様であり、また、作用効果についても同様である。
また、光触媒体31の製造方法も、プレス成形工程P2で用いる切曲パンチ11とダイプレート12を、略三角錘形状の衝突片33に応じたものとすれば足り、それ以外は実施例1と同様であり、また、作用効果についても同様である。
本発明の衝突流路7A、7Bは、上記各実施例で例示した形状に限らず、プレス成形により切曲加工し得るものであれば、その形状は問わない。
本発明は、紫外線環境下で空気や水に含まれる汚染物質を分解する光触媒体に用いて好適である。
1 光触媒体
2 チタンシート
3 アナターゼ型酸化チタン粒子
4 光触媒層
5 流通口
6 衝突片
7A、7B 衝突流路
8 凹凸面
9 陽極酸化被膜
2 チタンシート
3 アナターゼ型酸化チタン粒子
4 光触媒層
5 流通口
6 衝突片
7A、7B 衝突流路
8 凹凸面
9 陽極酸化被膜
Claims (6)
- 触媒体
チタンシートの表面にアナターゼ型酸化チタン粒子が担持された光触媒層を備えた光触媒体において、
前記チタンシートには、切込部位を曲げ加工して開口された流通口と、当該流通口を流通する被処理流体と衝突する位置に起こされた前記切込部位で成る衝突片とを備えた多数の衝突流路が形成され、
当該チタンシートの表面は粗面化されて、その表層に陽極酸化被膜が形成され、さらにその表層に前記光触媒層が形成されたことを特徴とする光触媒体。 - 前記チタンシートには、前記衝突片が当該チタンシートの一方の面に突出するように曲げ加工された衝突流路と、前記衝突片が当該チタンシートの他方の面に突出するように曲げ加工された衝突流路が混在して形成された請求項1記載の光触媒体。
- 前記チタンシートの表面がサンドブラスト処理により粗面化された請求項1記載の光触媒体。
- チタンシートの表面にアナターゼ型酸化チタン粒子が担持された光触媒層を備えた光触媒体の製造方法において、
前記チタンシートに、切込部位を曲げ加工して開口された流通口と、当該流通口を流通する被処理流体と衝突する位置まで曲げ加工された衝突片とを備えた多数の衝突流路を形成するプレス成形工程と、
当該プレス成形工程の前工程又は後工程として、前記チタンシートの表面を粗面化する粗面処理工程と、
前記プレス成形工程及び粗面処理工程が終了したチタンシートの表層に陽極酸化被膜を形成する陽極酸化処理工程と、
前記陽極酸化被膜の表層にアナターゼ型酸化チタン粒子を付着させ焼成して光触媒層を形成する光触媒層形成工程を含むことを特徴とする光触媒体の製造方法。 - 前記プレス成形工程で、前記衝突片が前記チタンシートの一方の面に突出するように曲げ加工された衝突流路と、前記衝突片が前記チタンシートの他方の面に突出するように曲げ加工された衝突流路を混在して形成する請求項4記載の光触媒体の製造方法。
- 前記粗面処理工程で、サンドブラスト処理が施される請求項4記載の光触媒体の製造方法。
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JP2012246635A JP2014094340A (ja) | 2012-11-08 | 2012-11-08 | 光触媒体及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2012
- 2012-11-08 JP JP2012246635A patent/JP2014094340A/ja active Pending
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