JP2014088100A - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】本願発明は、前車軸ケースの組立行程の簡素化を実現できる作業車両を提供するものである。
【解決手段】前車軸ケース14は、その左右中央位置の上部に設けられた枢支軸39の前方を覆う前側サポート15と、枢支軸39の後方を覆う後側サポート16とによって、枢支軸39がその軸方向前後で挟持される。そして、前側サポート15及び後側サポート16それぞれが走行機体2に固定されるとともに、枢支軸39が前側サポート15及び後側サポート16に対して回動可能に設置されて、前車軸ケース14が走行機体2に対して左右傾倒可能となる。
【選択図】図13
【解決手段】前車軸ケース14は、その左右中央位置の上部に設けられた枢支軸39の前方を覆う前側サポート15と、枢支軸39の後方を覆う後側サポート16とによって、枢支軸39がその軸方向前後で挟持される。そして、前側サポート15及び後側サポート16それぞれが走行機体2に固定されるとともに、枢支軸39が前側サポート15及び後側サポート16に対して回動可能に設置されて、前車軸ケース14が走行機体2に対して左右傾倒可能となる。
【選択図】図13
Description
本発明は、農作業に使用されるトラクタまたは土木作業に使用されるホイルローダ等の作業車両に関するものである。
従来、作業車両としてトラクタは、後部に配置したミッションケースの下部前面に設けられた前輪伝動軸の回転が、前車軸ケース(フロントアクスルケース)において、差動機構を介して左右の前車軸に伝達されて、左右の前車輪を駆動するように構成している。該前車軸ケースは、その左右中央上部に前後方向に挿入されたセンターピンを介して、走行機体(車両フレーム)の前下方に設置されることで(例えば、特許文献1の図4を参照)、走行機体に対して左右傾倒可能に枢支されている。
特許文献1のように、センターピンによって前車軸ケースを揺動可能に枢支する場合、このセンターピンを支持するためのブラケットを走行機体に固設させる必要がある。しかしながら、従来、このセンターピンを支持するブラケットは、走行機体の下方から組み付けるように構成されているため、その組み立て作業が煩雑となるだけでなく、組立性も悪いという問題があった。また、センターピンが前車軸ケースと別体であるため、センターピンを前車軸ケースに挿入する必要があり、前車軸ケースの取り付けのための作業工程に時間がかかっていた。
そこで、本願発明は、前車軸ケースの組立行程の簡素化を実現できる作業車両を提供しようとするものである。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明の作業車両は、エンジンが搭載された走行機体と、左右の走行部に前記エンジンの動力に基づく回転を左右の前車輪に伝達する前車軸ケースと、を備える作業車両において、前記前車軸ケースの左右中心位置の上部に配置され、前後方向を軸方向として前記前車軸ケースを前記走行機体に対して左右傾斜可能とする枢支軸を有するとともに、当該枢支軸を前記前車軸ケースと一体に形成したものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記枢支軸の前側が挿入される軸受部を有する前側サポートと、前記枢支軸の後側が挿入される軸受部を有する後側サポートと、を更に備え、前記走行機体に固設された前記後側サポートに、前記前車軸ケースを組み付けた後、前記前車軸ケースに前記前側サポートを組み付けるとともに、当該前側サポートを前記走行機体に固設して、前記前車軸ケースを、前記走行機体に固設された前記前側サポート及び前記後側サポートで枢支するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の作業車両において、前記前側サポートの前面に螺入される調整ネジを更に備え、当該調整ネジの前記前側サポートへの挿入量によって、前記前車軸ケースの前後位置が調整されるように構成したものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の作業車両において、前記走行機体の前方に取り付けられるフロントバンパーを更に備え、前記前側サポートが前記フロントバンパーと一体に形成されたものである。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の作業車両において、前記前側サポート及び前記後側サポートの少なくとも一方が、その軸受部の内側から外側に向かって貫通する空気穴を備えるものである。
請求項1に係る発明は、前車軸ケースに枢支軸を一体に形成したものであるから、従来のように、前車軸ケースを枢支するためのセンターピンを不要とするだけでなく、前車軸ケースの組立工数を減らすことが可能となり、その組立工程を簡素化できる。
請求項2に係る発明は、前車軸ケースを枢支する前側サポートと後側サポートを備え、前車軸ケースの走行機体への組み付けの際、走行機体に固設された後側サポートに対して前車軸ケースを組み付けた後に、前側サポートを組み付けるものとすることで、前車軸ケースの組立行程における煩雑な作業を省略し、その作業を簡単化できる。
請求項3に係る発明は、前側サポートに調整ネジが螺入される構成とすることによって、調整ネジの挿入量の調整だけで、前車軸ケースの前後位置を容易に調整できるだけでなく、前車軸ケースの前後方向のブレの抑止も同時に実現できる。
請求項4に係る発明は、前側サポートとフロントバンパーとを一体に形成したものであるから、後側サポートに組み付けられた前車軸ケースを前側サポートに組み付ける際、フロントバンパーを走行機体に固設することによって、容易に前側サポートを固設できる。このとき、ボルト及びナットを用いて、走行機体の左右からフロントバンパーを固定するものとすることで、前側サポートの組付け作業をより簡単化できる。
請求項5に係る発明は、前側サポート及び後側サポートの少なくとも一方に空気穴を設けた構成としたものであるから、その空気穴が設けられた軸受部に対して前車軸ケースの枢支軸を挿入する作業における作業者への負荷を軽減でき、軸受部への枢支軸の組み付けを容易なものとできる。
以下、本発明の実施の形態を、作業車両としての農作業用トラクタに適用した場合の図面(図1〜図10)について説明する。図1〜図5に示す如く、トラクタ1は、左右一対の前車輪3と左右一対の後車輪4にて走行機体2を支持している。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。前記走行機体2の前部に搭載したエンジン5にて左右一対の後車輪4(前車輪3)を駆動することにより、前進走行または後進走行するように構成している。エンジン5はボンネット6にて覆われている。ボンネット6の後部に燃料タンク13を内設する。
また、ボンネット6の後部にハンドルコラム7を設置する。左右の前車輪3を左右に操舵する操縦ハンドル9を備える。ハンドルコラム7に操縦ハンドル9を配置する。前記走行機体2の上面のうち、操縦ハンドル9の後方に操縦座席8を設置する。ハンドルコラム7の下部には、オペレータが搭乗するステップ10を設ける。ステップ10上面のうちハンドルコラム7の左側にクラッチペダル11を設ける。ステップ10上面のうちハンドルコラム7の右側に制動操作具としてのブレーキペダル12を設ける。操縦座席8に座乗したオペレータが操縦ハンドル9を握り、クラッチペダル11またはブレーキペダル12を足踏み操作するように構成している。
前記走行機体2の前方には、ミッションケース17の下部前面に設けられた前輪伝動軸ケース17bと接続される前車軸ケース14を備える。これにより、ミッションケース17の回転が、前輪伝動軸ケース17bに内挿される前輪伝動軸(不図示)を通じて、前車軸ケース14内に内挿される左右の前車軸35(図11参照)に伝達されて、左右の前車輪3が回転駆動する。また、前車軸ケース14は、フロントバンパー15aと一体になった前側サポート15と、前側サポート15とともに走行機体2に固設される後側サポート16とによって挟持されることで、走行機体2に対して左右傾倒可能に枢支されている。
一方、前記走行機体2の後部には、前記エンジン5の回転を変速して左右の後車輪4(前車輪3)に伝達するためのミッションケース17を配置する。ミッションケース17の左右外側面から外向きに突出するように、左右の後車軸ケース18を装着する。左右の後車軸ケース18に左右の後車軸19を内挿する。前記ミッションケース17に後車軸19を介して後車輪4を取付け、後車輪4を正転駆動または逆転駆動するように構成している。
さらに、ミッションケース17の後側面に、PTO駆動力を後向きに伝達するための後側PTO軸23を後向きに突出する。対地作業機としてのロータリ耕耘機24と、走行機体2の後部に連結する3点リンク機構20を備える。左右一対のロワーリンク21とトップリンク22とによって3点リンク機構20を形成する。左右ロワーリンク21の前端側は、左右の後車軸ケース18後端部のヒッチ部18aにロワーリンクピン25を介して回動可能に連結されている。トップリンク22の前端側は、ミッションケース17後側面のリンクヒッチ26にトップリンクピン27を介して連結されている。ロワーリンク21の左右方向の揺動を規制するチェックチェン33の前端側が、ロワーリンクピン25の中間部に連結されている(図9参照)。
また、ミッションケース17の後側面に、ロータリ耕耘機24を駆動するためのPTO軸23を後向きに突設する。左右一対のロワーリンク21とトップリンク22からなる3点リンク機構20にて、トラクタ1の後側にロータリ耕耘機24を牽引すると共に、ロータリ耕耘機24のロータリ耕耘爪28をPTO軸23からの動力にて回転させ、圃場の耕耘作業を実行するように構成している。
前記リンク機構20を昇降動するアクチュエータとしての単一の昇降油圧シリンダ29を備える。ミッションケース17の上部にリフトアーム軸34を介して左右のリフトアーム30を回動可能に設け、各リフトアーム30にリフトロッド31介して左右のロワーリンク21を連結させる。右側のリフトアーム30に、昇降油圧シリンダ29のピストンロッドを連結する。昇降油圧シリンダ29を作動させて、そのピストンロッドを進出または退入させることによって、左右のリフトアーム30先端側を上下方向に回動させ、ロワーリンクピン25を支点にして、ロワーリンク21後端側を上下方向に回動させ、ロワーリンク21後端側に連結したロータリ耕耘機24を昇降動させるように構成している。なお、ミッションケース17後面に一体形成したブラケット部17aと、左右の後車軸ケース18後端部に一体形成したヒッチ部18aに、シリンダ支持ピン32を介して昇降油圧シリンダ29を支持させている(図9参照)。
次に、図6〜図10を参照して、前記ミッションケース17の内部構造を説明する。前記ミッションケース17は、走行ブレーキ41機構及び差動機構42を内設する本体ケース43と、本体ケース43の前面側に着脱可能に固着する前面側蓋体44と、本体ケース43の後面側に着脱可能に固着する後面側蓋体45とから形成している。油圧ポンプ(不図示)及び油圧モータ(不図示)を有する無段変速機46と遊星ギヤ機構47が前面側蓋体44に配置されている。
無段変速機46と遊星ギヤ機構47を介して、エンジン5の出力が変速出力軸48に伝達されると共に、減速用ベベルギヤ49機構を介して、変速出力軸48から走行ブレーキ軸50に伝達されるように構成している。また、図6、図10に示す如く、前記走行ブレーキ41機構は、ブレーキシュー41aと、ブレーキ操作板51と、制動操作軸としてのブレーキ操作軸52を有する。ブレーキカム体52aを介してブレーキ操作軸52に加圧板51を連結すると共に、ブレーキ操作軸52上のブレーキ操作リンク53に、ブレーキ操作ロッド54を介してブレーキペダル12を連結している。ブレーキペダル12の足踏み操作により、ブレーキカム体52aにてブレーキシュー41aが圧着されて、走行ブレーキ軸50が制動されるように構成している。
一方、図6〜図8、図10に示す如く、差動機構42は、走行ブレーキ軸50に連結させるリングギヤ61と、リングギヤ61に固着する枠体62と、枠体62内に設ける左右サイドギヤ63と、左右サイドギヤ63を連結するピ二オンギヤ64を有する。左右後車軸19に左右サイドギヤ63を係合軸支する。走行ブレーキ軸50に伝達された走行変速出力によって、差動機構42を介して左右の後車軸19が差動回転し、左右の後車輪4が差動駆動される。
また、差動機構42は、枠体62にサイドギヤ63を係止するデフロックピン65と、デフロックピン65を設けるデフロックシフタ66と、後車軸19上のデフロックシフタ66をスライドさせるロックピン係脱操作機構としてのデフロックフォーク67と、デフロックフォーク67のフォークボス部67aをスライド可能に軸支させるデフロック軸68を有する。後車軸ケース18の左右の軸受部18b(ミッションケース17内部)にデフロック軸68の左右両端部を左右方向にスライド可能に支持している。枠体62の側面のうち、リングギヤ61が配置された側面と対向する側面に、デフロックシフタ66を左右方向にスライド可能に設ける。後車軸19軸心線上に枠体62を介してデフロックシフタ66をスライド可能に遊嵌軸支する。枠体62内にデフロックピン65の先端側を出入自在に構成すると共に、デフロックピン65に対向するサイドギヤ63の外周部にデフロックノッチ63aを形成し、デフロックノッチ63aにデフロックピン65の先端側を出入可能に形成し、サイドギヤ63にデフロックピン65を係脱可能に構成している。
さらに、デフロックノッチ63aにデフロックピン65を係合させる緩衝手段としてのデフロックバネ71と、デフロックノッチ63aからデフロックピン65を離脱させるロック解除バネ72を備える。デフロック軸68の左側端部にバネ座73を固着する。デフロック軸68の外周のうち、デフロックフォーク67のフォークボス部67aとバネ座73の間にデフロックバネ71を巻装する。
また、デフロック軸68の右側端部に円筒状のブレーキ連動体74を左右方向にスライド可能に被嵌する。右側方の軸受部18bにブレーキ連動体74の右側端面を当接する。一方、デフロック軸68の外周のうち、デフロックフォーク67のフォークボス部67aとブレーキ連動体74の左側端面の間にロック解除バネ72を巻装する。
図7、図8に示す如く、ブレーキペダル12にデフロックバネ71を介してデフロックピン65を連結するブレーキ連動手段として、回転力をスライド力に変更するカム機構75を設ける。カム機構75は、ブレーキ連動体74の軸孔に形成するカム溝76と、デフロック軸68の右側端部に貫通させるカムフロアピン77を有する。対称位置に形成する一対のカム溝76に、デフロック軸68外周に突出したカムフロアピン77の両端側を当接させる。
図6、図8、図10に示す如く、前記ブレーキ操作軸52に連動アーム81を設けると共に、デフロック軸68にロックアーム82を設ける。連動アーム81にピン83を介してデフロック操作リンク84の一端側を連結し、ロックアーム82にピン85を介してデフロック操作リンク84の他端側を連結する。連動アーム81、ロックアーム82、デフロック操作リンク84を介して、ブレーキペダル12にブレーキ連動体74を連結する。
上記の構成により、ブレーキペダル12が足踏み操作されていないとき、即ち、走行ブレーキ41(左右の後車輪4)が非制動状態に維持されているとき、ロック解除バネ72の弾圧力によって、デフロックフォーク67が左側方に摺動して、サイドギヤ63のデフロックノッチ63aからデフロックピン65が脱出した状態に保持され、差動機構42が働いて左右の後車輪4が差動駆動される。一方、オペレータによってブレーキペダル12が足踏み操作されたとき、走行ブレーキ41が制動状態に作動し、左右の後車輪4が制動されると同時に、デフロック軸68回りにブレーキ連動体74が回動し、カムフロアピン77がカム溝76内を移動し、デフロック軸68を右側方に移動させる。即ち、デフロックフォーク67と、デフロックシフタ66と、デフロックピン65を、デフロックバネ71の弾圧力によって右側方に移動させる。
ブレーキペダル12を足踏み操作したとき、サイドギヤ63のデフロックノッチ63aにデフロックピン65が対向していた場合、デフロックノッチ63aにデフロックピン65の先端部が係合する。一方、ブレーキペダル12を足踏み操作したとき、サイドギヤ63のデフロックノッチ63aにデフロックピン65が対向していない場合、サイドギヤ63の側面にデフロックピン65の先端面が弾圧当接し、その状態下でサイドギヤ63が回転駆動することによって、デフロックノッチ63aにデフロックピン65が対向して、デフロックノッチ63aにデフロックピン65の先端部が係合する。
したがって、ブレーキペダル12を足踏み操作したとき、デフロックノッチ63aにデフロックピン65が対向していない場合でも、デフロックバネ71の緩衝(圧縮)作用にてブレーキ操作軸52を回動でき、ブレーキ操作板51にて走行ブレーキ41を適正に作動でき、左右の後車輪4を確実に制動できる。また、ブレーキペダル12を足踏み操作したとき、サイドギヤ63の一回転以下の回転にて、デフロックノッチ63aにデフロックピン65を係合でき、差動機構42を強制的に固定でき、左右の後車輪4をデフロック状態で駆動できる。
その結果、差動機構42を介して駆動している左右の後車輪4を、走行ブレーキ41にて制動したとき、左右の後車輪4の制動力が不足する等、左右の後車輪4が不適正に制動されるのを防止できると共に、デフロックノッチ63aにデフロックピン65をスムーズに係合でき、左右の後車輪4をデフロック駆動状態に早期に移行できる。
次いで、図6、図9、図10を参照して、ロータリ耕耘機24などの対地作業機を駆動するPTO駆動構造を説明する。ミッションケース17の後側面から後向きに突出させる後側PTO軸23と、PTO駆動力を前向きに伝達するための前側PTO軸87を備える。走行機体2の後部に配置されるロータリ耕耘機24などの作業機を後側PTO軸23にて駆動する一方、前車輪3と後車輪4の間などの走行機体2の下面側または機体前方側に配置される草刈り機などの作業機を前側PTO軸87にて駆動するように構成している。
図6、図9、図10に示す如く、無段変速機46または遊星ギヤ機構47を介することなくエンジン5の動力を伝達するPTOクラッチ88及びPTO伝達軸89を備えている。PTO伝達軸89の後端側に連結するアイドル軸90を設けている。後面側蓋体45にアイドル軸90の後端部を軸支し、減速ギヤ91を介してアイドル軸90に後側PTO軸23の前端側を連結し、後側PTO軸23の後端側からロータリ耕耘機24などの作業機に動力を伝達するように構成している。なお、アイドル軸90に一体的に形成したアイドルギヤ90aに減速ギヤ91を常時歯合させている。
また、前記本体ケース43の内部に向けて後面側蓋体45の内面の一部を突設させて、後面側蓋体45の内面にPTO伝動ギヤ軸92を一体的に形成する。PTO伝動ギヤ軸92にPTO伝動ギヤ93を遊転軸支する。前記減速ギヤ91にPTO伝動ギヤ93を常時歯合させる。後面側蓋体45の下部に前側PTO軸87の後端側を軸支し、前側PTO軸87の後端部に前側PTOクラッチ94を設け、PTO伝動ギヤ93に前側PTOクラッチ94を介して前側PTO軸87の後端部を継断可能に連結するように構成している。
上記の構成により、後側PTO軸23と、減速ギヤ91と、PTO伝動ギヤ93を後面側蓋体45に組付けた状態で、本体ケース43に対して後面側蓋体45を脱着操作できる。アイドルギヤ90aと減速ギヤ91の噛み合わせを考慮するだけで、本体ケース43に後面側蓋体45を簡単に装着操作できる。また、後面側蓋体45の内面側に、減速ギヤ91と、PTO伝動ギヤ93を平面的にコンパクトに配置できる。なお、後面側蓋体45の外側面にヒッチブラケット95を介して後側ヒッチ96を取り付けている。
図1、図6〜図8、図10に示す如く、エンジン5が搭載された走行機体2と、左右の走行部としての後車輪4にエンジン5の動力を伝達するミッションケース17と、ミッションケース17に内設する差動機構42と、差動機構42の差動伝達動作をロックするデフロックピン65と、デフロックピン65を係脱操作するロックピン係脱操作機構としてのデフロックフォーク67を備える作業車両において、左右の走行部4を制動する制動操作具としてのブレーキペダル12及び走行ブレーキ41と、ブレーキペダル12にデフロックフォーク67を連結させる緩衝手段としてのデフロックバネ71を設ける構造であって、ブレーキペダル12にデフロックバネ71を介してデフロックピン65を連結するブレーキ連動手段としてのカム機構75を備え、ミッションケース17の内部にデフロックバネ71及びカム機構75を配置したものであるから、デフロックフォーク67、またはデフロックバネ71、またはカム機構75に圃場等の泥土が付着することがなく、例えば湿田での耕耘作業などにおいて、付着した泥土が乾燥する前に、その泥土を除去する必要がなく、メンテナンス作業を簡略化できる。
図7、図8に示す如く、回転力をスライド力に変更するカム機構75によって前記ブレーキ連動手段を形成したものであるから、デフロックフォーク67、またはデフロックバネ71、または前記ブレーキ連動手段としてのカム機構75を、ミッションケース17の内部にコンパクトに配置でき、ミッションケース17の製造コストを低減できる。
図6〜図8、図10に示す如く、差動機構42を内設する本体ケース43と、本体ケース43に着脱可能に固着する後面側蓋体45によって、ミッションケース17を形成すると共に、差動機構42の一方側に単一の走行ブレーキ41及び制動操作軸としてのブレーキ操作軸52を配置する一方、ミッションケース17の内部にデフロック軸68を介してデフロックピン65を軸支し、デフロック軸68の軸芯線方向に前記デフロックピン65を摺動可能に支持する構造であって、デフロックピン65をデフロック作動させるデフロックバネ71と、デフロックピン65をロック解除作動させるロック解除バネ72を設け、ブレーキペダル12の操作にて走行ブレーキ41を制動作動させたときに、カム機構75にてデフロック軸68を軸心線方向に移動させて、ロック解除バネ72に抗して、デフロックピン65をデフロックバネ71の弾圧作用にて係合動作させるように構成したものであるから、走行ブレーキ41を遅滞なく制動作動させることができるものでありながら、デフロックピン65をスムーズに係合動作させることができる。また、ブレーキ操作軸52にデフロック軸68を連結するデフロックフォーク67、またはデフロックバネ71、またはカム機構75を、デフロック軸68周辺のミッションケース17内部にコンパクトに配置できる。
図6、図9、図10に示す如く、差動機構42を内設する本体ケース43と、本体ケース43の前面側及び後面側に着脱可能に固着する前面側蓋体44及び後面側蓋体45によって、ミッションケース17を形成すると共に、後面側蓋体45にPTO軸23,87を配置する構造であって、本体ケース43の内部に向けて後面側蓋体45の内面の一部を突設させて、後面側蓋体45の内面にPTO伝動ギヤ軸92を一体的に形成し、PTO伝動ギヤ軸92にPTO伝動ギヤ93を回転自在に軸支したものであるから、ミッションケース17にリンク機構20(トップリンク、ロワーリンク)とPTO軸23,87を設け、機体の後部にリンク機構20を介してロータリ耕耘機24(対地作業機)を昇降可能に装着し、ロータリ耕耘機24を前記PTO軸23,87にて駆動する場合、PTO軸23,87に回転力を伝達するPTO伝動ギヤ軸92またはPTO伝動ギヤ83などを、後面側蓋体45を介してミッションケース17の内部に簡単に設置でき、圃場等の泥土が付着するのを防止すべく、例えば、デフロックフォーク67、またはデフロックバネ71、またはカム機構75をミッションケース17の内部に簡単に設置でき、ミッションケース17の内部構造を簡略化でき、ミッションケース17を小型化して、その製造コストを低減できる。
次に、図11〜図13を参照して、前記前車軸ケース14の内部構造を説明する。前車軸ケース14は、前車軸35及び差動機構36を内設する本体ケース38と、本体ケース38の上部で一体に設けられる枢支軸39と、前車軸35からの回転を前車輪3に伝達するベベルギヤ機構37を内設するギヤケース40と、を備える。本体ケース38は、左右横長で中空状の形態を備え、その左右両端にギヤケース40が固設されるとともに、その左右中間部に枢支軸39が設けられる。
差動機構36は、前輪伝動軸(不図示)の先端部に固着されたピニオンギヤ55に連結するリングギヤ56と、リングギヤ56に固着する枠体57と、枠体57内に設けるとともに左右前車軸35を係合軸支する左右サイドギヤ58と、左右サイドギヤ58を連結するピニオンギヤ59を有する。前輪伝動軸(不図示)を通じて伝達される回転が左右の前車軸35に伝達されるとき、差動機構36が働くことによって、左右の前車軸35が差動回転する。
ベベルギヤ機構37は、前車軸35のサイドギヤ58の逆側端部に固着されたベベルギヤ97と、前車軸35を係合軸支するベベルギヤ97と連結するベベルギヤ98と、ベベルギヤ98が上端に固着されたキングピン軸99と、キングピン軸99の下端に固着されたベベルギヤ100と、キングピン軸99のベベルギヤ100と連結するベベルギヤ101を有する。上記のように、差動機構36を介して前車軸35が回転すると、ベベルギヤ機構37を介して、ベベルギヤ101の回転軸(不図示)に軸支された前車輪3が回転する。
上記の構成を備えた前車軸ケース14は、枢支軸39の前方を覆う前側サポート15と、枢支軸39の後方を覆う後側サポート16とによって、枢支軸39がその軸方向前後で挟持される。そして、前側サポート15及び後側サポート16それぞれが走行機体2に固定されるとともに、枢支軸39が前側サポート15及び後側サポート16に対して回動可能に設置されて、前車軸ケース14が走行機体2に対して左右傾倒可能となる。
前側サポート15は、走行機体2を構成する左右の鋼板を架橋する支持部151と、当該支持部151の中心位置下側で固設された軸受部152と、当該軸受部152の前方を覆う蓋面153の中心位置に設けられたネジ穴156に螺入される調整用ネジ157と、を備える。そして、コの字型の金属板で形成されるフロントバンパー15aの両端部が支持部151の左右両端に固着されることによって、前側サポート15がフロントバンパー15aと一体に構成される。
一方、後側サポート16は、走行機体2を構成する左右の鋼板を架橋する支持部161と、当該支持部161の中心位置下側で固設された軸受部162と、を備える。そして、後側サポート16は、支持部161の両端が、走行機体2を構成する左右の鋼板に溶接などにより固着される。
前側サポート15及び後側サポート16それぞれの支持部151,161は、板金部品によって形成される、左右に伸びた中空の筐体で構成されるものとしてもよい。このとき、支持部151,161の左右中心位置には、その下側に軸受部152,162それぞれが嵌合されるよう、その前後の鋼板181には、断面が軸受部152,162の側面の形状と同一の円弧状となる切欠部182が設けられる。また、支持部151,161の下側には、上記切欠部の左右両端から支持部151,161の両端までを覆う下側鋼板183が左右に設けられ、この左右の下側鋼板183は、前後の鋼板181の下側に溶接などで固着される。
軸受部152は、その前面が蓋面153で覆われるとともに後面が開放された円筒形状とされる一方で、軸受部162は、その後面が蓋面163で覆われるとともに前面が開放された円筒形状とされる。また、軸受部152,162はそれぞれ、蓋面153,163で覆われた外側筐体154,164の内周面に沿って摺動する内側リング155,165を備えた二重リング形状とされる。そして、軸受部152,162それぞれの外周面上側が、支持部151,161の前後の鋼板181下側に設けられた切欠部182に嵌合されるとともに、支持部151,161の下側鋼板183で挟持される。これにより、軸受部152,162はそれぞれ、支持部151,161に吊持される。
フロントバンパー15aは、上記支持部151の左右端部それぞれが固着される左右板部171に、走行機体2の前方に固定させるためのボルト174が挿入される貫通穴が設けられている。一方、走行機体2も、その左右鋼板それぞれの前方に、上記ボルト174が挿入される貫通穴が設けられる。従って、フロントバンパー15a及び走行機体2それぞれの貫通穴を通したボルト174をナット175に螺挿して締結させることにより、フロントバンパー15aと一体となる前側サポート15が走行機体2に固設される。
上記前車軸ケース14の走行機体2への組み付けについて、図11〜図13を参照して、以下に説明する。まず、走行機体2に固着された後側サポート16の軸受部162に対して、前車軸ケース14の枢支軸39の後側を、その前側から挿入する。軸受部162の前側開放面から枢支軸39を挿入するとき、枢支軸39を内側リング165で包接させることで、枢支軸39が軸受部162に対して回動するように、前車軸ケース1が後側サポート16に組み付けられる。
なお、軸受部162の蓋面163には、軸方向に貫通した空気穴166が設けられる。この空気穴166によって、軸受部162に枢支軸39が嵌入される際、軸受部162と枢支軸39との間の空間の空気を外気に放出させることができるため、前車軸ケース14の後側サポート16への組付けが容易となる。
次に、その後側が後側サポート16で軸支された枢支軸39の前部に対して、前側サポート15の軸受部152を嵌合させる。すなわち、軸受部152の後側開放面に枢支軸39の前方が挿入されるように、走行機体2の前側から前側サポート15を前車軸ケース14に組み付ける。このとき、枢支軸39が軸受部152に対して回動するように、枢支軸39が軸受部152の内側リング155によって包接される。なお、軸受部152においても、軸受部162と同様、蓋面153を貫通する空気穴が設けられるものとしてもよい。
そして、フロントバンパー15a及び走行機体2の貫通穴を通過させたボルト174とナット175を締結させて、前側サポート15を走行機体2に固定させる。これにより、前側サポート15が走行機体2に固着されるため、前側サポート15及び後側サポート16により挟持される前車軸ケース14は、走行機体2に対して左右傾斜可能となるように枢支される。
最後に、走行機体2に固設された前側サポート15に対して、その軸受部152の蓋面153に設けられたネジ穴156に、調整用ネジ157を螺入する。当該調整用ネジ157は、軸受部152の蓋面153を貫通し、軸受部152内側に挿入されている枢支軸39の前面に当接する。このとき、調整用ネジ157の軸受部152内部への挿入量が調整されることで、枢支軸39の前後方向の位置を調整する。これにより、枢支軸39が、調整用ネジ157と軸受部162の蓋面163によって挟持されることとなり、軸方向に対する前車軸ケース14の前後のブレが抑止される。なお、枢支軸39の前面に調整用ネジ157の先端が挿入される凹部が設けられ、この凹部に調整用ネジ157の先端が挿入されるものとしてもよい。
2 走行機体
4 後車輪(走行部)
5 エンジン
12 ブレーキペダル(制動操作具)
14 前車軸ケース
15 前側サポート
15a フロントバンパー
16 後側サポート
38 本体ケース
39 枢支軸
40 ギヤケース
151 支持部
152 軸受部
157 調整ネジ
161 支持部
162 軸受部
4 後車輪(走行部)
5 エンジン
12 ブレーキペダル(制動操作具)
14 前車軸ケース
15 前側サポート
15a フロントバンパー
16 後側サポート
38 本体ケース
39 枢支軸
40 ギヤケース
151 支持部
152 軸受部
157 調整ネジ
161 支持部
162 軸受部
Claims (5)
- エンジンが搭載された走行機体と、左右の走行部に前記エンジンの動力に基づく回転を左右の前車輪に伝達する前車軸ケースと、を備える作業車両において、
前記前車軸ケースの左右中心位置の上部に配置され、前後方向を軸方向として前記前車軸ケースを前記走行機体に対して左右傾斜可能とする枢支軸を有するとともに、当該枢支軸を前記前車軸ケースと一体に形成することを特徴とする作業車両。 - 前記枢支軸の前側が挿入される軸受部を有する前側サポートと、
前記枢支軸の後側が挿入される軸受部を有する後側サポートと、
を更に備え、
前記走行機体に固設された前記後側サポートに、前記前車軸ケースを組み付けた後、
前記前車軸ケースに前記前側サポートを組み付けるとともに、当該前側サポートを前記走行機体に固設して、
前記前車軸ケースを、前記走行機体に固設された前記前側サポート及び前記後側サポートで枢支することを特徴とする請求項1に記載の作業車両。 - 前記前側サポートの前面に螺入される調整ネジを更に備え、当該調整ネジの前記前側サポートへの挿入量によって、前記前車軸ケースの前後位置が調整されることを特徴とする請求項2に記載の作業車両。
- 前記走行機体の前方に取り付けられるフロントバンパーを更に備え、
前記前側サポートが前記フロントバンパーと一体に形成されることを特徴とする請求項2または3に記載の作業車両。 - 前記前側サポート及び前記後側サポートの少なくとも一方が、その軸受部の内側から外側に向かって貫通する空気穴を備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の作業車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012239158A JP2014088100A (ja) | 2012-10-30 | 2012-10-30 | 作業車両 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012239158A JP2014088100A (ja) | 2012-10-30 | 2012-10-30 | 作業車両 |
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---|---|
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Family Applications (1)
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JP2012239158A Pending JP2014088100A (ja) | 2012-10-30 | 2012-10-30 | 作業車両 |
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Country | Link |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61269217A (ja) * | 1985-05-23 | 1986-11-28 | Mitsubishi Electric Corp | 回転ヘツドアセンブリ |
JPS63160226U (ja) * | 1987-04-09 | 1988-10-20 | ||
JPH0848165A (ja) * | 1994-07-29 | 1996-02-20 | Deere & Co | 操縦し易い車両 |
-
2012
- 2012-10-30 JP JP2012239158A patent/JP2014088100A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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