JP2014077260A - 拡張アンカー、これを用いたネットバリア工法およびピンニング工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】挿填穴の浅い部分から深い部分に亘って、複数個所で強固にアンカリングを行うことができる拡張アンカー等を提供する。
【解決手段】タイル5およびモルタル3,4を貫通してコンクリート躯体2に穿孔した挿填穴8にアンカリングされる拡張アンカー10であって、挿填穴8にアンカリングされ、軸方向に分散して複数の拡開部33を有する筒状アンカー21と、筒状アンカー21に打ち込まれ、各拡開部33を押し広げる複数のコーン部41を有する拡張コーン22と、を備え、複数の拡開部33は、基端側から先端側に向かって順次、内部が狭くなるように形成され、複数のコーン部41は、基端側から先端側に向かって順次、外径が小さくなるように形成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、いわゆる「浮き」が生じた外壁や内壁等の壁体の補修に使用される拡張アンカー、これを用いたネットバリア工法およびピンニング工法に関するものである。
従来、この種のピンニング工法(注入口付アンカーピンニング工法)は、タイル等の仕上げ材(モルタルを含む)を貫通し且つコンクリート躯体を所定の深さまで穿孔した挿填穴に、コーンとアンカー本体とから成る拡張アンカーを打ち込むと共に、アンカー本体の注入口から接着剤を注入することで行なわれる(例えば、特許文献1参照)。 また、これに用いる拡張アンカーは、注入口付の筒状のアンカー本体と、アンカー本体の拡開アンカー部を押し開くコーンとで構成されている。アンカー本体は、コーンが打ち込まれる拡開アンカー部と、これに連なる胴部と、胴部に連なり仕上げ材を押さえるフランジ部とから構成されている。拡開アンカー部には複数の割りスリットが形成され、胴部には接着剤を挿填穴の穴壁側に導く複数の開口が形成されている。 拡張アンカーを打ち込んだ後、アンカー本体の注入口から接着剤を注入すると、接着剤はアンカー本体内に満たされた後、複数の割りスリットおよび複数の開口から挿填穴の穴壁側に流入して硬化する。これにより、フランジ部により仕上げ材を押さえた拡張アンカーが、挿填穴に、物理的且つ化学的にアンカリングされて壁体の補修が行なわれる。
特開2000−34839号公報
このような従来の拡張アンカーでは、コーンを打ち込んだアンカー本体は、コンクリート躯体にのみアンカリングされ、補修の対象となる仕上げ材や張付け材は、拡張アンカーのフランジ部を押さえられている状態となる。このため、挿填穴と拡張アンカーの外周面との間に接着剤が十分に注入されていないと、地震等により、仕上げ材が拡張アンカーから抜け落ちてしまうおそれがある。
もっとも、コーンを十分に長く形成し、アンカー本体の全体でアンカリングを行うようにすれば、かかる問題は解消される。しかし、このようにすると、グリップのための応力が分散し、拡張アンカーの引抜き強度が低下する。すなわち、地震等により、拡張アンカー自体が抜け落ちてしまうおそれがある。
本発明は、挿填穴の浅い部分から深い部分に亘って、複数個所で強固にアンカリングを行うことができる拡張アンカー、これを用いたネットバリア工法およびピンニング工法を提供することを課題としている。
本発明の拡張アンカーは、仕上げ材および張付け材を貫通してコンクリート躯体に穿孔した挿填穴にアンカリングされる拡張アンカーであって、挿填穴にアンカリングされ、軸方向に分散して複数の拡開部を有する筒状アンカーと、筒状アンカーに打ち込まれ、各拡開部を押し広げる複数のコーン部を有する拡張コーンと、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、挿填穴に挿入した筒状アンカーに拡張コーンを打ち込むと、拡張コーンの複数のコーン部が、筒状アンカーの複数の拡開部を押し広げる。この場合、複数の拡開部は、筒状アンカーの軸方向に分散して設けられているため、筒状アンカーは、コンクリート躯体のならず仕上げ材や張付け材にも、強いグリップ力をもってアンカリングされる。したがって、地震等による外力が作用しても、筒状アンカーがコンクリート躯体から抜け落ちることがなく、且つ仕上げ材や張付け材が筒状アンカーから抜け落ちることがない。
複数の拡開部は、基端側から先端側に向かって順次、内部が狭くなるように形成され、複数のコーン部は、基端側から先端側に向かって順次、径が小さくなるように形成されていることが好ましい。
この構成によれば、拡張コーンを、筒状アンカーの基端開口部側から差し込んで打ち込むことで、筒状アンカーの複数の拡開部を同時に押し広げることができる。
この場合、複数の拡開部は、筒状アンカーの基端部に設けた基端拡開部、中間部に設けた中間拡開部および先端部に設けた先端拡開部から成り、複数のコーン部は、基端拡開部に対応する基端コーン部、中間拡開部に対応する中間コーン部および先端拡開部に対応する先端コーン部から成ることが好ましい。
この構成によれば、筒状アンカーを、挿填穴の浅い部分、中間の部分および深い部分にそれぞれアンカリングすることができる。すなわち、筒状アンカーを、コンクリート躯体のならず仕上げ材や張付け材にも、強いグリップ力をもってアンカリングすることができる。
本発明の他の拡張アンカーは、仕上げ材および張付け材を貫通してコンクリート躯体に穿孔した挿填穴にアンカリングされる拡張アンカーであって、挿填穴にアンカリングされ、軸方向に分散して複数の拡開部を有する筒状アンカーと、基端側から筒状アンカーに打ち込まれ、各拡開部を押し広げる複数の部分拡張コーンと、を備え、複数の拡開部は、基端側から先端側に向かって順次、内部が狭くなるように形成され、複数の部分拡張コーンは、基端側に打ち込まれるのものから先端側に打ち込まれるものまで順次、径が小さくなるように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、挿填穴に挿入した筒状アンカーに対し、複数の部分拡張コーンを径の小さいものから順に打ち込むと、各部分拡張コーンが、筒状アンカーの複数の拡開部を順に押し広げる。この場合、複数の拡開部は、筒状アンカーの軸方向に分散して設けられているため、筒状アンカーは、コンクリート躯体のならず仕上げ材や張付け材にも、強いグリップ力をもってアンカリングされる。また、複数の部分拡張コーンは、相互に独立した部材で構成されているため、筒状アンカーの対応箇所を確実にアンカリングすることができる。したがって、地震等による外力が作用しても、筒状アンカーがコンクリート躯体から抜け落ちることがなく、且つ仕上げ材や張付け材が筒状アンカーから抜け落ちることがない。
この場合、複数の拡開部は、筒状アンカーの基端部に設けた基端拡開部、中間部に設けた中間拡開部および先端部に設けた先端拡開部から成り、複数の部分拡張コーンは、基端拡開部に対応する基端拡張コーン、中間拡開部に対応する中間拡張コーンおよび先端拡開部に対応する先端拡張コーンから成ることが好ましい。
この構成によれば、筒状アンカーを、挿填穴の浅い部分、中間の部分および深い部分にそれぞれアンカリングすることができる。すなわち、筒状アンカーを、コンクリート躯体のならず仕上げ材や張付け材にも、強いグリップ力をもってアンカリングすることができる。
これらの場合、複数の拡開部は、基端側から先端側に向かって順次、肉厚が厚くなるように形成されていることが好ましい。
この構成によれば、拡張コーンの打ち込みにより、各拡開部が挿填穴の内周面に喰い込むようにしてアンカリングされる。したがって、各拡開部におけるグリップ力を、十分に大きくすることができる。
本発明の他の拡張アンカーは、仕上げ材および張付け材を貫通してコンクリート躯体に穿孔した挿填穴にアンカリングされる拡張アンカーであって、挿填穴にアンカリングされ、内周面に基端側から先端側に向かって狭窄する傾斜肉厚部を有する筒状アンカーと、基端側から筒状アンカーに打ち込まれ、傾斜肉厚部の複数個所を押し広げる複数の部分拡張コーンと、を備え、複数の部分拡張コーンは、基端側に打ち込まれるのものから先端側に打ち込まれるものまで順次、径が小さくなるように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、挿填穴に挿入した筒状アンカーに対し、複数の部分拡張コーンを外径の小さいものから順に打ち込むと、各部分拡張コーンが、筒状アンカーの傾斜肉厚部の複数個所を順に押し広げる。この場合、複数の部分拡張コーンは、基端側に打ち込まれるのものから先端側に打ち込まれるものまで順次、径が小さくなるように形成されているため、傾斜肉厚部は、軸方向に分散した複数個所で押し広げられる。これにより、筒状アンカーは、コンクリート躯体のならず仕上げ材や張付け材にも、強いグリップ力をもってアンカリングされる。また、部分拡張コーンの径により、傾斜肉厚部における軸方向の任意の複数個所を拡開させることができる。さらに、複数の部分拡張コーンは、相互に独立した部材で構成されているため、筒状アンカーの対応箇所を確実にアンカリングすることができる。したがって、地震等による外力が作用しても、筒状アンカーがコンクリート躯体から抜け落ちることがなく、且つ仕上げ材や張付け材が筒状アンカーから抜け落ちることがない。
この場合、各部分拡張コーンは、球形に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、外径の異なる複数の部分拡張コーンを簡単に製造することができる。
また、筒状アンカーは、半割り構造の2つのアンカー片を抱き合わせて、構成されていることが好ましい。
この構成によれば、半割り構造とすることで、筒状アンカーを簡単に製造することができる。なお、2つのアンカー片の抱き合わせは、複数箇所で溶着するか、樹脂や金属のリング等で一体化することが好ましい。
本発明のネットバリア工法は、上記した拡張アンカーを用いて、仕上げ材、張付け材およびコンクリート躯体から成る壁体を補修するネットバリア工法であって、壁体に対し、仕上げ材および張付け材を貫通してコンクリート躯体に複数の挿填穴を穿孔する穿孔工程と、壁体の表面に、下地調整剤を塗布する調整剤塗布工程と、下地調整剤上に、ネット張付け剤を介してネットを張り付けるネット張り工程と、各挿填穴に拡張アンカーを打ち込んで、ネットを押さえるネット固定工程と、ネット上に張付け材を介して新たに仕上げ材を張る仕上げ材張り工程と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、各挿填穴に拡張アンカーを打ち込むことで、ネットを押さえ得るだけでなく、拡張アンカーを介して、コンクリート躯体に仕上げ材および張付け材をアンカリングすることができる。したがって、新たに設ける仕上げ材の下地を強固なものとすることができ、地震等による新たに設けた仕上げ材等の脱落を有効に防止することができる。なお、下地をより強固なものとすべく、挿填穴に接着剤を注入するようにしてもよい。
本発明のピンニング工法は、上記した拡張アンカーを用いて、仕上げ材、張付け材およびコンクリート躯体から成る壁体を補修するピンニング工法であって、壁体の要補修箇所に対し、仕上げ材および張付け材を貫通してコンクリート躯体に前記挿填穴を穿孔する穿孔工程と、挿填穴に接着剤を注入する接着剤注入工程と、接着剤を注入した挿填穴に拡張アンカーを打ち込むアンカリング工程と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、挿填穴に拡張アンカーを打ち込むことおよび挿填穴に接着剤を注入することで、拡張アンカーを介して、コンクリート躯体に仕上げ材および張付け材をアンカリングすることができる。すなわち、仕上げ材、張付け材およびコンクリート躯体を、拡張アンカーおよび接着剤により一体化することができ、地震等による外力が作用しても、筒状アンカーがコンクリート躯体から抜け落ちることがなく、且つ仕上げ材や張付け材が筒状アンカーから抜け落ちることがない。なお、接着剤の注入に際し、仕上げ材と張付け材との間に生じた浮き部、および張付け材とコンクリート躯体との間に生じた浮き部にも、接着剤が注入されるようにすることが好ましい。
実施形態に係る拡張アンカーの、ピンニング工法における施工状態の断面図である。 実施形態に係る拡張アンカーの、ネットバリア工法における施工状態の断面図である。 第1実施形態に係る拡張アンカーの構造図である。 ピンニング工法に用いる拡張アンカー(変形例)の構造図である。 ピンニング工法を手順(1)と共に説明する説明図である。 ピンニング工法を手順(2)と共に説明する説明図である。 ネットバリア工法を手順(1)と共に説明する説明図である。 ネットバリア工法を手順(2)と共に説明する説明図である。 第2実施形態に係る拡張アンカーの構造図である。 第3実施形態に係る拡張アンカーの構造図である。 第4実施形態に係る拡張アンカーの構造図である。 第4実施形態の変形例に係る拡張アンカーの構造図である。 第5実施形態に係る拡張アンカーの構造図である。 第6実施形態に係る拡張アンカーの構造図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る拡張アンカー、これを用いたネットバリア工法およびピンニング工法について説明する。このピンニング工法は、いわゆる注入口付アンカー(拡張アンカー)を用いたアンカーピンニング工法であり、既設建物の外壁や吹き抜け・ホールの内壁等の壁体に生じた浮き部を補修するものである。実施形態のものでは、外壁の要補修箇所に穿孔した挿填穴に、仕上げ材を押さえるように拡張アンカーを打ち込むと共に接着剤を注入して、外壁の補修を行なうようにしている。
一方、ネットバリア工法は、浮き部やクラックが生じた既設の外壁(壁体)に、ネットを介して仕上げ材を新たに張り付けるものであり、仕上げ材の張り付けに先立って、外壁に穿孔した複数の挿填穴に、ネットを押さえるように拡張アンカーを打ち込むようにしている。
図1は、実施形態のピンニング工法の施工状態を表した断面図であり、図2は、実施形態のネットバリア工法の施工状態を表した断面図である。両図に示すように、既設の外壁1は、例えばコンクリート躯体2と、下地モルタル3と、張付けモルタル4と、仕上げ材であるタイル5とで構成されている。この場合、仕上げ材は石材等であってもよいし、モルタルは3層以上であってもよい。ここで、コンクリート躯体2と下地モルタル3との間に第1浮き部6が、また張付けモルタル4とタイル5との間に第2浮き部7が生じているものとする。さらに、外壁1には、これを補修すべく、タイル5、張付けモルタル4および下地モルタル3を貫通し且つコンクリート躯体2を所定の深さまで穿孔した挿填穴8が形成されている。
ピンニング工法では、穿孔した挿填穴8に対し、拡張アンカー10を打ち込むと共に、接着剤Rを注入することにより、外壁1の補修が行なわれる(詳細は、後述する)。なお、ピンニング工法用の挿填穴8には、拡張アンカー10を埋没させるべく、その開口部8aにザグリ穴8bが形成されている。また、ネットバリア工法では、外壁1の壁面にネット11を張り、このネット11を押さえるように挿填穴8に拡張アンカー10を打ち込んで、新たに張る新タイル12のための下地を作る(詳細は、後述する)。なお、両工法において、拡張アンカー10が挿填される挿填穴8は、タイル5等を貫通してコンクリート躯体2に対し20mm以上の深さに穿孔される。
図3は、これらピンニング工法およびネットバリア工法に用いる拡張アンカー10の構造図である。図1ないし3に示すように、拡張アンカー10は、挿填穴8に挿填され拡張アンカー10の主体を為す筒状アンカー21と、挿填穴8内において筒状アンカー21を部分的に押し広げる拡張コーン22と、を備えている。拡張コーン22を、筒状アンカー21に基端部側から打ち込むことにより、筒状アンカー21の複数個所が押し広げられ、拡張アンカー10が挿填穴8にアンカリングされる。
筒状アンカー21は、薄肉筒状の本体筒状部31と、本体筒状部31の基端に設けた鍔部32と、本体筒状部31の軸方向に分散して設けた複数の拡開部33とから成り、ステンレス等で形成されている。また、複数の拡開部33は、筒状アンカー21(本体筒状部31)の基端部に設けた基端拡開部33a、中間部に設けた中間拡開部33bおよび先端部に設けた先端拡開部33cから成り、これら基端拡開部33a、中間拡開部33bおよび先端拡開部33cは、本体筒状部31より厚肉であって、本体筒状部31の内側に突出するように形成されている。
また、基端拡開部33a、中間拡開部33bおよび先端拡開部33cは、この順で内径が小さくなるように、言い換えればこの順で肉厚が大きくなるように形成されている。このように構成された筒状アンカー21は、半割り構造の2つのアンカー片21a,21aを、割りスリット34を存して抱き合わせて構成されている。具体的には、2つのアンカー片21a,21aは、軸方向に延びる一対の割りスリット34,34を存して抱き合わされ、各割りスリット34の2箇所で連結(溶着)されている。
一対の割りスリット34,34は、相互に180°対称位置に配設されており、基端拡開部33a、中間拡開部33bおよび先端拡開部33cは、拡張コーン22により一対の割りスリット34,34を境にその両半部が相互に外側に押し開かれるようになっている。なお、2つのアンカー片21a,21aは、上記の連結部分で溶着するか、樹脂や金属のリング(バンド)で一体に組み合わせることが、好ましい、また、各拡開部33の基端側は、面取りされていることが好ましい。
拡張コーン22は、筒状アンカー21の複数の拡開部33に対応して設けた複数のコーン部41を有し、ステンレス等で一体に形成されている。各コーン部41は、それぞれ先端側に各拡開部33への打ち込みをガイドするテーパー部42を有しており、拡張コーン22は、このテーパー部42を含んで複数のコーン部41を連ねた形態を有している。複数のコーン部41は、基端拡開部33aに対応する基端コーン部41a、中間拡開部33bに対応する中間コーン部41bおよび先端拡開部33cに対応する先端コーン部41cから成り、これら基端コーン部41a、中間コーン部41bおよび先端コーン部41cは、この順で外径が小さくなるように形成されている。
拡張コーン22の長さは、筒状アンカー21の長さと略同一に形成されており、拡張コーン22は、最終的にその端面が拡張コーン22の端面とが面一になるように打ち込まれる(図1および図2参照)。この打ち込みにより、基端コーン部41aが基端拡開部33aを、中間コーン部41bが中間拡開部33bを、そして先端コーン部41cが先端拡開部33cを、それぞれ外側に押し広げる。これにより、先端拡開部33cがコンクリート躯体2に喰い込み、中間拡開部33bが下地モルタル3に喰い込み、さらに基端拡開部33aがタイル5に喰い込んで、アンカリングが為される(図1および図2参照)。
このように構成された拡張アンカー10は、ピンニング工法およびネットバリア工法に共通して用いられるが、図4に示すように、ピンニング工法に用いる拡張アンカー10は、さらに化粧キャップ24を備えている。上述のように、挿填穴8の開口部8aには、ザグリ穴8bが形成され、筒状アンカー21の鍔部32がこのザグリ穴8bの孔底に着座するように、拡張アンカー10が打ち込まれる(図1参照)。そして、この開口部8aを閉塞する化粧キャップ24が設けられている。また、化粧キャップ24が装着されるように、拡張コーン22の軸心には、装着孔44が形成されている。
化粧キャップ24は、挿填穴8の開口部8a(ザグリ穴8b)と同径に形成した円板状のキャップ本体46と、拡張コーン22の装着孔44に嵌合する嵌合軸部47と、で一体に形成されている。また、キャップ本体46の表面には、タイル5と同色の焼付け塗装が施されている。嵌合軸部47を装着孔44に嵌合するようにして化粧キャップ24装着すると、キャップ本体46が挿填穴8の開口部8a、すなわちザグリ穴8bに嵌合し、且つキャップ本体46の表面とタイル5の表面とが面一になり、化粧キャップ24は目立ち難いものとなる。
一方、ネットバリア工法に用いる拡張アンカー10は、その鍔部32を大きく形成し(大径)、後述する押え板59を兼ねる構造とすることが、好ましい。
なお、後述するように、挿填穴8に接着剤の注入を行ってから、拡張アンカー10を打ち込む方法を執る場合には、図3(d)に示すように、筒状アンカー21に拡張コーン22を差し込み、カシメ等により一体化しておくことが好ましい。また、実施形態の拡張アンカー10は、3つの拡開部33とこれに対応する3つのコーン部41とを有しているが、下地モルタル3や張付けモルタル4等の積層構造により、その数を2つ或いは4つ、5つとするようにしてもよい。
ここで、図5および図6を参照して、上記第1実施形態の拡張アンカー10を用いた外壁1補修のためのピンニング工法を、その手順と共に説明する。このピンニング工法は、外壁1の要補修箇所に挿填穴8を穿孔する穿孔工程と、挿填穴8に接着剤Rを注入する接着剤注入工程と、挿填穴8に拡張アンカー10を打ち込むアンカリング工程と、化粧キャップ24を装着するキャッピング工程と、を備えている。なお、穿孔工程に先立って、外壁1を打鍵して挿填穴8の穿孔位置(浮き部)を探知し、該当箇所のタイル5の中心位置にマーキングを行っておく。
穿孔工程では、ダイヤモンドコアドリル等の穿孔工具51により、マーキング箇所において、タイル5等を貫通してコンクリート躯体2に所定の深さまで挿填穴8を穿孔する(図5(a)参照)。この場合、ドリルビット52の基部に補助ビット53を装着して、ザグリ穴8bを同時に形成するようにする。なお、コンクリート躯体2への穿孔深さは20mm以上とし、また挿填穴8の径は、拡張アンカー10(筒状アンカー21)の外径(4mm〜6mm)より、1mm〜2mm程度太径とする。
接着剤注入工程では、樹脂注入器56を用い、その注入ノズル57を挿填穴8の開口部8aにあてがって、接着剤Rの注入を行なう(図5(b)参照)。注入ノズル57から吐出された接着剤Rは、挿填穴8の基端側からも注入され。やがて、第1浮き部6および第2浮き部7に達し、第1浮き部6および第2浮き部7に円形に広がる(図5(c)参照)。なお、接着剤Rは、ザグリ穴8bの位置まで満たすようにし、接着剤Rが硬化する前に、次のアンカリング工程およびキャッピング工程に移行する。
アンカリング工程では、先ず筒状アンカー21をその鍔部32がザグリ穴8bの穴底に着座するように投入する(図5(c)参照)。続いて、拡張コーン22を筒状アンカー21に差し入れ、ハンマー54により拡張コーン22を打ち込む(図6(a)参照)。拡張コーン22を打ち込んで行くと、筒状アンカー21の複数の拡開部33が同時に押し広げられ、挿填穴8にアンカリングされる。この打込みの最終段階では、例えば、専用のポンチ55を筒状アンカー21にあてがっておいて、筒状アンカー21の基端が鍔部32と面一になるように打ち込む(図6(b)参照)。
キャッピング工程では、嵌合軸部47を拡張コーン22の装着孔44に嵌合させると共に、化粧キャップ24をザグリ穴8bに嵌合させるように装着する(図6(c)参照)。この場合、化粧キャップ24を、キャップ本体46の表面とタイル5の表面とが面一になるように押し込む。また、化粧キャップ24に装着により接着剤Rが溢れ出た場合には、接着剤Rが硬化する前に拭き取るか、或いは硬化してからカッタ等で削ぎ取るようにする。
なお、挿填穴8に筒状アンカー21を投入した後、挿填穴8に接着剤Rを注入してもよい。この場合には、一対の割りスリット34,34を介して、第1浮き部6および第2浮き部7に接着剤Rが注入される。もっとも、本実施形態の拡張アンカー10は、コンクリート躯体2のみならず各モルタル3,4等にもアンカリングされて十分な引抜き強度を奏するため、接着剤注入工程を省略することも可能である。
次に、図7および図8を参照して、上記の拡張アンカー10を用いた外壁1補修のためのネットバリア工法を、その手順と共に説明する。このネットバリア工法は、外壁1に複数の挿填穴8を穿孔する穿孔工程と、外壁1の壁面(表面)に下地調整剤13を塗布する調整剤塗布工程と、下地調整剤13上に、ネット張付け剤14を介してネット11を張り付けるネット張り工程と、各挿填穴8に拡張アンカー10を打ち込んで、ネット11を押さえるネット固定工程と、ネット11上に張付けモルタル15を介して新タイル12を張るタイル張り工程(仕上げ材張り工程)と、を備えている。なお、穿孔工程に先立って、壁面(タイル面)の点検および清掃を行っておく。
穿孔工程では、上記のピンニング工法と同様に複数の挿填穴8を穿孔するが、この場合には、壁面の全域において、縦横所定のピッチで複数の挿填穴8を形成する(図7(a)参照)。調整剤塗布工程では、壁面の全域に下地調整剤13を塗り付け、その後、刷毛引きを行う(図7(b)参照)。ネット張り工程では、硬化した下地調整剤13の上にネット張付け剤14を塗り付け、これにネット11をローラー58で毛羽立たせながら張り付ける(図7(c)参照)。
ネット固定工程では、押え板59を装着した筒状アンカー21を挿填穴8に挿入し(図8(a)参照)、その後、これに拡張コーン22を打ち込む(図8(b)参照)。拡張コーン22を打ち込んで行くと、筒状アンカー21の複数の拡開部33が同時に押し広げられ、挿填穴8にアンカリングされる。タイル張り工程では、硬化したネット張付け剤14およびネット11の上に、通常の方法で張付けモルタル15を塗り付け、さらにその上に、新タイル12をタイル張りする(図8(c)参照)。なお、ネットバリア工法においても、ネット固定工程の前工程として、ピンニング工法と同様に接着剤注入工程を実施することが好ましい。
このように第1実施形態によれば、挿填穴8に挿入した筒状アンカー21に拡張コーン22を打ち込むことにより、拡張アンカー10を挿填穴8の深い位置、中間の位置および浅い位置にアンカリングすることができる。すなわち、拡張アンカー10を、コンクリート躯体2のならず下地モルタル3、張付けモルタル4おびタイル5に、強いグリップ力をもってアンカリングすることができる。言い換えれば、拡張アンカー10を介して、タイル5、張付けモルタル4および下地モルタル3をコンクリート躯体2にアンカリングすることができる。したがって、地震等による外壁1に外力が作用しても、拡張アンカー10がコンクリート躯体2から抜け落ちることがなく、且つタイル5、張付けモルタル4および下地モルタル3が、拡張アンカー10から抜け落ちることがない。また、施工後の拡張コーン22が筒状アンカー21の心材として機能するため、拡張アンカー10のせん断に対する強度アップを図ることができる。
次に、図9を参照して、拡張アンカーの第2実施形態について説明する。第2実施形態の拡張アンカー10Aは、複数の拡開部33を有する第1実施形態と同一形態の筒状アンカー21と、筒状アンカー21の各拡開部33を押し広げる複数の部分拡張コーン70と、を備えている。複数の部分拡張コーン70は、筒状アンカー21の基端拡開部33aに対応する基端拡張コーン71、中間拡開部33bに対応する中間拡張コーン72および先端拡開部33cに対応する先端拡張コーン73から成り、これら基端拡張コーン71、中間拡張コーン72および先端拡張コーン73は、この順で外径が小さくなるように形成されている。
各部分拡張コーン70は、それぞれステンレス等で構成され、先端側にはテーパー部70aが形成されている。また、複数の部分拡張コーン70は、筒状アンカー21に対し、先端拡張コーン73、中間拡張コーン72、基端拡張コーン71の順で打ち込まれるが、打ち込み順を間違えないように色分けされ、或いは番号が付されている。なお、各部分拡張コーン70の打つ込みは、ポンチ等を用いて行う。
このように第2実施形態によれば、筒状アンカー21に複数の部分拡張コーン70を順に打ち込むことにより、拡張アンカー10Aを挿填穴8の深い位置、中間の位置および浅い位置にアンカリングすることができる。このため、拡張アンカー10Aを介して、タイル5、張付けモルタル4および下地モルタル3をコンクリート躯体2にアンカリングすることができる。特に、この場合には、各拡開部33と各部分拡張コーン70とが1対1で対応するため、径方向におけるグリップ力のバランスにおいて、任意の1の部分拡張コーン70が他の部分拡張コーン70の影響を受けることがない。したがって、拡開部33を安定して押し広げることができ、各部を確実にアンカリングすることができる。
次に、図10を参照して、拡張アンカーの第3実施形態について説明する。この拡張アンカー10Bは、第1実施形態と一部形態の異なる筒状アンカー21Bと、第1実施形態と同一形態の拡張コーン22と、を備えている。第3実施形態の筒状アンカー21Bは、複数の拡開部33を構成する基端拡開部33aと中間拡開部33bと先端拡開部33cとが連設された形態となっている。すなわち、複数の拡開部33は、筒状アンカー21Bの基端部に位置する基端拡開部33aと、基端拡開部33aに段部を存して連なり、基端拡開部33aより厚肉に(内径が小さく)形成された中間拡開部33bと、中間拡開部33bに段部を存して連なり、中間拡開部33bより厚肉に(内径が小さく)形成された先端拡開部33cと、を有している。
このように第3実施形態によれば、筒状アンカー21Bに拡張コーン22を打ち込むことにより、拡張アンカー10Bを挿填穴8の深い位置、中間の位置および浅い位置にアンカリングすることができる。このため、拡張アンカー10Bを介して、タイル5、張付けモルタル4および下地モルタル3をコンクリート躯体2にアンカリングすることができる。なお、この第3実施形態の筒状アンカー21Bと、第2実施形態の複数の部分拡張コーン70を組み合わせて、拡張アンカー10Bを構成するようにしてもよい。
次に、図11を参照して、拡張アンカーの第4実施形態について説明する。この拡張アンカー10Cは、第1実施形態と形態の異なる筒状アンカー21Cと、第1実施形態と類似形態の複数の部分拡張コーン80と、を備えており、各部分拡張コーン80の外径により、筒状アンカー21Cの拡開部位を任意の位置に設定できるようになっている。
筒状アンカー21Cは、上記の実施形態のように複数の拡開部33が無く、これに代えて、その内周面に基端側から先端側に向かって狭窄する傾斜肉厚部36を有している。この場合、傾斜肉厚部36は、テーパー状(円錐台形状)に狭窄するものであってもよいし(図11(b)参照)、一対の傾斜部であってもよい(図11(c)参照)。
複数の部分拡張コーン80は、傾斜肉厚部36の先端部、すなわちコンクリート躯体2に対応する部分を押し広げる第1拡張コーン81と、下地モルタル3に対応する部分を押し広げる第2拡張コーン82と、張付けモルタル4に対応する部分を押し広げる第3拡張コーン83と、タイル5に対応する部分を押し広げる第4拡張コーン84と、を有している。各部分拡張コーン80は、傾斜肉厚部36の傾斜角度に合わせたテーパー形状に形成されている。また、これら第1拡張コーン81、第2拡張コーン82、第3拡張コーン83および第4拡張コーン84は、この順で外径が小さくなるように形成されている。
図12は、第4実施形態の変形例であり、この変形例では、各部分拡張コーン80が球形に形成されている。この場合も、筒状アンカー21Cに対し、第1拡張コーン81を打ち込むと、筒状アンカー21Cのコンクリート躯体2に対応する部分が所定の寸法に押し広げられる。同様に、第2拡張コーン82を打ち込むと、筒状アンカー21Cの下地モルタル3に対応する部分が所定の寸法に押し広げられ、第3拡張コーン83を打ち込むと、筒状アンカー21Cの張付けモルタル4に対応する部分が所定の寸法に押し広げられ、さらに第4拡張コーン84を打ち込むと、筒状アンカー21Cのタイル5に対応する部分が所定の寸法に押し広げられる。
このように第4実施形態によれば、外径(直径)の異なる複数の部分拡張コーン80を用意しておけば、筒状アンカー21Cの軸方向における任意の位置を拡開することができる。すなわち、筒状アンカー21Cに、選択された複数の部分拡張コーン80を打ち込むことにより、拡張アンカー10Cを挿填穴8の必要とする複数個所にアンカリングすることができる。このため、拡張アンカー10Cを介して、タイル5、張付けモルタル4および下地モルタル3をコンクリート躯体2にアンカリングすることができる。なお、部分拡張コーン80の個数は、2以上あれば任意である。例えば、挿填穴8を介して外壁1の構造(浮き部を含む)を診断し、この診断結果に基づいて、部分拡張コーン80の個数と径を決定することが好ましい。
次に、図13を参照して、拡張アンカーの第5実施形態について説明する。この拡張アンカー10Dは、第1実施形態と形態の異なる筒状アンカー21Dと、第1実施形態と同一形態の拡張コーン22と、を備えている。第5実施形態の筒状アンカー21Dは、各拡開部33が、本体筒状部をプレス等で略「M」字状に内側に変形させて形成されている。そして、基端拡開部33a、中間拡開部33bおよび先端拡開部33cは、この順で内径が小さくなるように、すなわち、この順で変形量が大きくなるように形成されている。
このような構成では、挿填穴8に投入した拡張アンカー10Dに、拡張コーン22を打ち込むと、先端拡開部33cがコンクリート躯体2に喰い込み、中間拡開部33bが下地モルタル3に喰い込み、さらに基端拡開部33aがタイル4に喰い込んで、アンカリングが為される。なお、各拡開部33を、「かしめ」或いは「絞り」加工等により、一般的なリング状の複数の内向き突部としてもよい。また、この第5実施形態の筒状アンカー21Dと、第2実施形態の複数の部分拡張コーン70を組み合わせて、拡張アンカー10Dを構成するようにしてもよい。
次に、図14を参照して、拡張アンカーの第6実施形態について説明する。第6実施形態の拡張アンカー10Eは、いずれも第1実施形態と形態の異なる筒状アンカー21Eと、拡張コーン22Eと、を備えている。この場合、筒状アンカー21Eの複数の拡開部33を構成する基端拡開部33a、中間拡開部33bおよび先端拡開部33cは、同一の内径、すなわち同一の肉厚に形成されている。同様に、拡張コーン22Eの複数のコーン部41を構成する基端コーン部41a、中間コーン部41bおよび先端コーン部41cは、同一の外径に形成されている。そして、この拡張アンカー10Eでは、製造段階で筒状アンカー21Eに拡張コーン22Eを組み込んで製品化される。
この実施形態では、拡張アンカー10Eを挿填穴8挿入し、拡張コーン22Eを打ち込むことにより、拡張アンカー10Eを挿填穴8の深い位置、中間の位置および浅い位置にアンカリングすることができる。このため、拡張アンカー10Eを介して、タイル5、張付けモルタル4および下地モルタル3をコンクリート躯体2にアンカリングすることができる。
1 外壁、2 コンクリート躯体、3 下地モルタル、4 張付けモルタル、5 タイル、8 挿填穴、10,10A,10B,10C,10D,10E 拡張アンカー、11 ネット、12 新タイル、13 下地調整剤、14 ネット張付け剤、15 張付けモルタル、21,21B,21C,21D,21E 筒状アンカー、22,22E 拡張コーン、33 拡開部、33a 基端拡開部、33b 中間拡開部、33c 先端拡開部、36 傾斜肉厚部、41 コーン部、41a 基端コーン部、41b 中間コーン部、41c 先端コーン部、70 部分拡張コーン、71 基端拡張コーン、72 中間拡張コーン、73 先端拡張コーン、80 部分拡張コーン、81 第1拡張コーン、82 第2拡張コーン、83 第3拡張コーン、84 第4拡張コーン

Claims (11)

  1. 仕上げ材および張付け材を貫通してコンクリート躯体に穿孔した挿填穴にアンカリングされる拡張アンカーであって、
    前記挿填穴にアンカリングされ、軸方向に分散して複数の拡開部を有する筒状アンカーと、
    前記筒状アンカーに打ち込まれ、前記各拡開部を押し広げる複数のコーン部を有する拡張コーンと、を備えていることを特徴とする拡張アンカー。
  2. 前記複数の拡開部は、基端側から先端側に向かって順次、内部が狭くなるように形成され、
    前記複数のコーン部は、基端側から先端側に向かって順次、径が小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の拡張アンカー。
  3. 前記複数の拡開部は、前記筒状アンカーの基端部に設けた基端拡開部、中間部に設けた中間拡開部および先端部に設けた先端拡開部から成り、
    前記複数のコーン部は、前記基端拡開部に対応する基端コーン部、前記中間拡開部に対応する中間コーン部および前記先端拡開部に対応する先端コーン部から成ることを特徴とする請求項2に記載の拡張アンカー。
  4. 仕上げ材および張付け材を貫通してコンクリート躯体に穿孔した挿填穴にアンカリングされる拡張アンカーであって、
    前記挿填穴にアンカリングされ、軸方向に分散して複数の拡開部を有する筒状アンカーと、
    基端側から前記筒状アンカーに打ち込まれ、前記各拡開部を押し広げる複数の部分拡張コーンと、を備え、
    前記複数の拡開部は、基端側から先端側に向かって順次、内部が狭くなるように形成され、
    前記複数の部分拡張コーンは、基端側に打ち込まれるのものから先端側に打ち込まれるものまで順次、径が小さくなるように形成されていることを特徴とする拡張アンカー。
  5. 前記複数の拡開部は、前記筒状アンカーの基端部に設けた基端拡開部、中間部に設けた中間拡開部および先端部に設けた先端拡開部から成り、
    前記複数の部分拡張コーンは、前記基端拡開部に対応する基端拡張コーン、前記中間拡開部に対応する中間拡張コーンおよび前記先端拡開部に対応する先端拡張コーンから成ることを特徴とする請求項4に記載の拡張アンカー。
  6. 前記複数の拡開部は、基端側から先端側に向かって順次、肉厚が厚くなるように形成されていることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の拡張アンカー。
  7. 仕上げ材および張付け材を貫通してコンクリート躯体に穿孔した挿填穴にアンカリングされる拡張アンカーであって、
    前記挿填穴にアンカリングされ、内周面に基端側から先端側に向かって狭窄する傾斜肉厚部を有する筒状アンカーと、
    基端側から前記筒状アンカーに打ち込まれ、前記傾斜肉厚部の複数個所を押し広げる複数の部分拡張コーンと、を備え、
    前記複数の部分拡張コーンは、基端側に打ち込まれるのものから先端側に打ち込まれるものまで順次、径が小さくなるように形成されていることを特徴とする拡張アンカー。
  8. 前記各部分拡張コーンは、球形に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の拡張アンカー。
  9. 前記筒状アンカーは、半割り構造の2つのアンカー片を抱き合わせて、構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の拡張アンカー。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の拡張アンカーを用いて、前記仕上げ材、前記張付け材および前記コンクリート躯体から成る壁体を補修するネットバリア工法であって、
    前記壁体に対し、前記仕上げ材および前記張付け材を貫通して前記コンクリート躯体に複数の前記挿填穴を穿孔する穿孔工程と、
    前記壁体の表面に、下地調整剤を塗布する調整剤塗布工程と、
    前記下地調整剤上に、ネット張付け剤を介してネットを張り付けるネット張り工程と、
    前記各挿填穴に前記拡張アンカーを打ち込んで、ネットを押さえるネット固定工程と、
    前記ネット上に張付け材を介して新たに仕上げ材を張る仕上げ材張り工程と、を備えたことを特徴とするネットバリア工法。
  11. 請求項1ないし9のいずれかに記載の拡張アンカーを用いて、前記仕上げ材、前記張付け材および前記コンクリート躯体から成る壁体を補修するピンニング工法であって、
    前記壁体の要補修箇所に対し、前記仕上げ材および前記張付け材を貫通して前記コンクリート躯体に前記挿填穴を穿孔する穿孔工程と、
    前記挿填穴に接着剤を注入する接着剤注入工程と、
    前記接着剤を注入した前記挿填穴に前記拡張アンカーを打ち込むアンカリング工程と、を備えたことを特徴とするピンニング工法。
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