JP2014073559A - 竪型工作機械 - Google Patents

竪型工作機械 Download PDF

Info

Publication number
JP2014073559A
JP2014073559A JP2012222632A JP2012222632A JP2014073559A JP 2014073559 A JP2014073559 A JP 2014073559A JP 2012222632 A JP2012222632 A JP 2012222632A JP 2012222632 A JP2012222632 A JP 2012222632A JP 2014073559 A JP2014073559 A JP 2014073559A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tool
axis
workpiece
attached
carry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012222632A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Kanematsu
実 金松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2012222632A priority Critical patent/JP2014073559A/ja
Publication of JP2014073559A publication Critical patent/JP2014073559A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Multi-Process Working Machines And Systems (AREA)

Abstract

【課題】多種類の加工を行うことが可能であって、機械の設置スペースの小さな工作機械を提供する。また、工作物の供給から加工後の排出までのタイムサイクルを短くすると共に、工作物の供給位置と排出位置について自由度の高い工作機械を提供する。
【解決手段】把捉機構9の上側に、X軸移動機構2を設け、X軸移動機構2により個別に移動するZ軸移動機構3を2式設け、2式のZ軸移動機構3にそれぞれにサドル4を取り付け、2式のサドル4はX軸方向とZ軸方向に個別に移動可能にすると共に、2式のサドル4にそれぞれ把持具5を取り付けることにより、搬入装置8a及び搬出装置8bを構成する。さらに、把捉具5に対して把捉機構9に近い側に、工具6や回転工具7を取り付けてなる竪型工作機械1a、1b、1cとする。
【選択図】図1

Description

本発明は旋盤加工、フライス加工、研削加工など多種類の加工を行うことが可能な工作機械において、設置スペースをできる限り小さくした機械であって、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルを短くした工作機械に関するものである。
従来、水平に設けた主軸、水平の2軸方向に移動可能な送り台、並びに、送り台に設けた供給装置、バイトホルダ及び取出装置を有するNC旋盤の発明があった(例えば、特許文献1参照)。また、主軸チャックに対して相対的に移動可能に設けたベース上に、刃物台と、ローダーチャック及びアンローダーチャックからなるオートローダを取り付けた発明があった(例えば、特許文献2参照)。
しかしこれらの発明は、水平の主軸に対して供給装置(ローダーチャック)と取出装置(アンローダーチャック)とを、平面上に並べる構成であるため、機械の設置スペースが過大となり、狭いスペースに設置することが困難になる問題と、限られた床面積を有効に活用することができない問題があった。
さらに、特許文献1に係る発明のように、供給装置と取出装置の間の距離を長尺にした場合や、特許文献2に係る発明のように、ローダーチャックとアンローダーチャックの外側に刃物台を取り付けた場合は、工作物の供給、排出及び加工時の移動ストロークが長くなり省スペース化できない問題があった。
また、特許文献1、2に係る発明は、供給装置(ローダーチャック)と取出装置(アンローダーチャック)とを同一の駆動機構により移動させる構成である。このため、引用文献1に係る発明のように、供給装置と取出装置の間の距離を長尺にした場合は、加工後の工作物を排出する搬出サイクルと、次に加工する工作物を主軸に供給する搬入サイクルとを、同時に行うことができずタイムサイクルに無駄が生じた。
一方、特許文献2に係る発明のように、工作物の供給位置と主軸中心との間の距離と、主軸中心と工作物の排出位置との間の距離と、ローダーチャックとアンローダーチャックとの間の距離を同一の距離にすれば、排出サイクルと供給サイクルを同時に行うことは可能であるが、設備を配置する上で自由な設計ができない問題があった。
さらに特許文献1、2に係る発明は、主軸で把捉した工作物の加工中に搬出サイクルや搬入サイクルを行うことができず、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルが過大になる問題があった。
実開昭59− 19201号公報 特開平 8−309602号公報
ガントリーローダやロボットを使うことなく工作物の搬入出を行い、多種類の加工を行うことを可能にすると共に、機械の設置スペースを小さくした工作機械を提供する。また、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルを短くした工作機械を提供する。さらに、工作物の供給位置と排出位置について設備設計上の自由度の高い工作機械を提供する。
工作物の把捉機構と、把捉機構の上側に取り付けた、水平方向たるX軸方向に個別に移動可能であって、かつ、垂直方向たるZ軸方向に個別に移動可能な2式のサドルと、2式のサドルにそれぞれ取り付けた工作物の把持具を設ける。そして、サドル及び把持具を有する搬入出装置を2式設け、サドルに工具を取り付けてなる竪型工作機械とする。
そして、2式の搬入出装置のX軸方向の移動範囲が互いに重なり合うよう構成する。さらに各搬入出装置において、工作物の搬入出時における把持具のX軸方向の移動及び工作物の加工時における工具のX軸方向の移動、並びに、工作物の搬入出時おける把持具のZ軸方向の移動及び工作物の加工時における工具のZ軸方向の移動について、それぞれ単一の駆動機構により行う。
また、搬入出装置において把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付ける。例えば、2式の搬入出装置の内の一方を搬入装置とし他方を搬出装置とし、搬入装置においては工具を把持具に対して搬出装置側に取り付け、搬出装置においては工具を把持具に対して搬入装置側に取り付けることにより、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付けることができる。
把捉機構の上側に搬入出装置と工具を取り付けたため、設置スペースの小さな工作機械を提供することができた。また2式の搬入出装置について、それぞれ個別に移動可能とすると共に、X軸方向の移動範囲が互いに重なり合う構成とし、さらに、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付ける構成としたため、2式の搬入出装置の移動ストロークが短くなり、機械の省スペース化が可能になった。
さらに、ガントリーローダやロボットを使うことなく工作物の搬入出を行うと共に、搬入出装置において、工作物の搬入出時についても加工時についても、X軸及びZ軸方向の移動について、それぞれ単一の駆動機構を使用して行う構成としたため、複雑な制御が不要となり、設備の単純化、省スペース化及び安価な設備の提供が可能になった。
そして、搬入装置及び搬出装置を個別に移動させると共に、工作物の加工工程において最初に使用する工具を搬入装置に取り付け、加工工程において最後に使用する工具を搬出装置に取り付けたため、搬出装置に取り付けた工具による工作物の加工中に搬入サイクルを開始したり、搬出サイクルを行っている間に搬入装置に取り付けた工具による加工を開始することが可能になった。
以上のように、工作物の加工中に、次に加工する工作物の搬入サイクルや加工後の工作物の搬出サイクルを開始することが可能になったこと、及び、搬入出装置、搬入装置及び搬出装置の移動ストロークが短くなったことから、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルを短くすることができた。
さらに、搬入装置及び搬出装置を個別に移動させる構成とし、互いに衝突しない範囲で、制限を受けることなくそれぞれ移動することを可能にしたので、工作物の供給位置と排出位置を自由に設定することが可能になった。
竪型工作機械の正面図である。 竪型工作機械の側面図である。 竪型工作機械の平面図である。 各工程における把持具と工具の位置関係を示す正面図である。 竪型工作機械の側面図である。 各工程における把持具と工具・回転工具の位置関係を示す正面図である。 竪型工作機械の側面図である。 各工程における把持具と回転工具の位置関係を示す正面図である。
工作物の把捉機構と、把捉機構の上側に取り付けた、X軸方向への移動機構であるX軸移動機構を設け、またX軸移動機構に取り付けた、Z軸方向への移動機構であるZ軸移動機構を2式設け、2式のZ軸移動機構にそれぞれサドルを取り付け、2式のサドルをZ軸方向に個別に移動可能に構成する。
そしてX軸移動機構は、2式のZ軸移動機構を個別に移動させるX軸駆動機構を有するものとし、またサドルにそれぞれ工作物の把持具を取り付けることにより、Z軸移動機構、サドル及び把持具を有する搬入出装置を2式設け、さらにサドルに工具を取り付けた竪型工作機械とする。
このようにすれば、X軸方向に個別に移動可能、かつ、Z軸方向に個別に移動可能なサドル2式と、2式のサドルに工作物の把持具をそれぞれ取り付けてなる搬入出装置を2式有し、さらにサドルに工具を取り付けた竪型工作機械を得ることができる。このとき、2式の搬入装置のX軸方向の移動範囲が互いに重なり合うよう構成すると、省スペース化が可能になり好ましい。
さらに、把捉機構の上側に2式の搬入出装置を設けることができる。2式の搬入出装置を有する竪型工作機械では、2式の搬入出装置を交互に使用して、右側から供給した工作物と左側から供給した工作物を交互に加工することが可能である。
水平に設けた1式のX軸レールと、垂直に設けたレールであってX軸レールを個別に走行する2式のZ軸レールと、2式のZ軸レールにそれぞれ取り付けたサドルであって、Z軸レールを個別に走行可能なサドルを有するものとする。そして、X軸レール及び2式のX軸駆動機構とで2式のX軸移動機構を構成すると共に、Z軸レール及びZ軸駆動機構を有するZ軸移動機構を2式設けた竪型工作機械とする。さらに、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付ける。
このとき、上下2本のレールによって1式のX軸レールを構成し、左右2本のレールによって1式のZ軸レールを構成することが好ましい。さらに、上下2本のレールにそれぞれ2個ずつ取り付けた合計4個のXリニア軸受により1式のZ軸レールを保持する構成とし、左右2本のレールにそれぞれ2個ずつ取り付けた合計4個のZリニア軸受によりサドルを保持する構成とすることが好ましい。
このようすれば、Z軸移動機構、サドル及び把持具を有する搬入出装置を2式設けると共に、互いに衝突しない範囲で個別に移動可能な搬入出装置を2式、把捉機構の上側に重ねて配置することが可能になる。さらに、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付けたことにより、搬入出装置の移動ストロークを短くすることができる。このため、設置スペースの小さな工作機械を得ることができる。
把捉機構を垂直軸を中心として回転可能な構成とした竪型工作機械とする。工具にはドリルやフライスのように回転しながら切削する回転工具、及び、回転しながら研削する回転砥石などがある。そして、工作物の把捉機構を非回転とした場合は、回転工具や回転砥石を使用して工作物を加工すればよい。
しかし、把捉機構を回転可能な構成にすることにより、バイトのように非回転で旋削する工具やホーニングなど非回転の砥石を使用して、工作物を回転させつつ加工することが可能になる。また、工作物を回転させて角度位置を変更しつつ又は角度位置を変更した後に工作物を固定して、回転工具や回転砥石により工作物を加工するなど、多種類の加工を行うことが可能になりさらに好ましいからである。
また、2式の搬入出装置の内の、一方を搬入装置とし他方を搬出装置とし、搬入装置においては把捉具に対して工具を搬出装置側に取り付け、かつ、搬出装置においては把捉具に対して工具を搬入装置側に取り付けた竪型工作機械とすることが好ましい。このようにすると、工作物の供給装置や排出装置をそれぞれ2式設ける必要がなくなる。また、搬入装置及び搬出装置の移動ストロークを短くすることができる。さらに工作物を一方から供給し、加工後の工作物を他方に流すレイアウトの方が好ましい場合が多いからである。
工作物の加工工程において最初に使用する工具を搬入装置に取り付け、加工工程において最後に使用する工具を搬出装置に取り付けた竪型工作機械とする。このようにすると、搬出装置に取り付けた工具による工作物の加工中に、搬入装置により次に加工する工作物の搬入サイクルを開始することが可能であり、また、搬出装置により加工後の工作物の搬出サイクルを行っている間に、搬入装置に取り付けた工具による工作物の加工を開始することが可能になり、タイムサイクルを短縮することができるからである。
竪型工作機械であって、主軸を有する把捉機構の構成、又は、割出テーブルを有する把捉機構の構成の内の、いずれかの構成とした竪型工作機械とする。把捉機構として、チャックを取り付けた主軸を使用すれば、把捉機構により把捉した工作物を高速で回転させながら加工することが可能になり、割出テーブルを使用すれば、工作物の角度位置を変えて加工することが可能になるからである。
本発明の実施例1を図1〜図4に示し説明する。実施例1の竪型工作機械1aは、コラム11の手前に設けた、垂直軸を中心として回転する主軸9aと、主軸9aに取り付けたチャック9bとからなる把捉装置9を有するNC竪型工作機械とした。
また、コラム11の上部に水平に取り付けた2本のレールからなるX軸レール15を設け、上下のレールにそれぞれ4個、合計8個のXリニア軸受21を取り付けた。そして上下それぞれ2個、合計4個のXリニア軸受21に対して垂直に取り付けた、2本のレールからなるZ軸レール16を設けた。このようにして、合計8個のXリニア軸受21に対して、それぞれ左右2本のレールを有するZ軸レール16を2式設けた。
さらに、2式のZ軸レール16をX軸方向に個別に移動させるX軸駆動機構2aを2式設けた。そして、2式のX軸移動機構2はX軸レール15を共通に使用するが、4個のXリニア軸受21及びX軸駆動機構2aを個別に有する構成とした。
また、X軸駆動機構2aはサーボモータ、ボールネジ及びXナットを有するものとし、数値制御することによりサーボモータを回転させ、サーボモータによりボールネジを回転させ、ボールネジに取り付けたXナットをX軸方向に移動させることにより、Xナットと連結したZ軸レール16を移動させる構成とした。
Z軸レール16の左右のレールにそれぞれ2個、合計4個のZリニア軸受22を取り付け、4個のZリニア軸受22に対してサドル4を取り付けた。さらにサドル4をZ軸方向に移動させるZ軸駆動機構3aを設けた。このようにして、Z軸レール16、4個のZリニア軸受22及びZ軸駆動機構3aからなるZ軸移動機構3を2式設けた。
そしてZ軸駆動機構3aはサーボモータ、ボールネジ及びZナットを有するものとし、数値制御することによりサーボモータを回転させ、サーボモータによりボールネジを回転させ、ボールネジに取り付けたZナットをZ軸方向に移動させることにより、Zナットと連結したサドル4を移動させる構成とした。
また左右2式のサドル4には、それぞれ把持具5と工具6を取り付け、把持具5は昇降機構5aとハンド5bを有するものとした。そしてX軸移動機構2、Z軸移動機構3、サドル4及び把持具5からなる搬入出装置を2式設けると共に、2式の搬入出装置の内の左側を搬入装置8aとし右側を搬出装置8bとした。
さらに、左側に供給コンベア12を右側に排出コンベア14を設け、平面視において、供給コンベア12及び排出コンベア14の工作物の搬送中心、主軸9a中心、並びに、搬入装置8a及び搬出装置8aによる工作物の搬送中心が一直線上になるよう配置した。
図4(a)〜(c)はいずれも、左側に搬入装置8aの把持具5と工具6を示し、右側に搬出装置8bの把持具5と工具6を示したものである。図4(a)に示した搬出装置8bのサドル4の位置と、(c)に示した搬入装置8aのサドル4の位置は、互いに重なり合う位置に配置している。
搬入装置8aによる搬入サイクルは、図4(a)の左側に示したように、供給コンベア12上において、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させて工作物18を把持する工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させた後又は上昇させながら、X軸移動機構2により把捉機構9の上部まで工作物18をX軸方向に移動させる工程と、X軸方向へ移動させた後又は移動させながら、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させる工程と、図4(c)の左側に示したように、ハンド5bを開放して工作物18を把捉機構9に置く工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させる工程とからなる、供給コンベア12上の工作物18を把捉機構9に供給するサイクルである。
搬出装置8bによる搬出サイクルは、図4(a)の右側に示したように、把捉機構9上において、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させて工作物18を把持する工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させた後又は上昇させながら、X軸移動機構2により排出コンベア14の上まで工作物18をX軸方向に移動させる工程と、X軸方向へ移動させた後又は移動させながら、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させる工程と、図4(c)の右側に示したように、ハンド5bを開放して工作物18を排出コンベア14に置く工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させる工程とからなる、把捉機構9上の工作物18を排出コンベア14に排出するサイクルである。
そして、把捉機構9のチャック9bにより工作物18を把捉した状態で、主軸9aを回転させながら、X軸移動機構2によりサドル4をX軸方向に移動させ又は移動させつつ、Z軸移動機構3によりサドル4をZ軸方向に移動させ又は移動させつつ、搬入装置8a及び搬出装置8bに取り付けた複数の工具6により工作物18を加工する。図4(b)に示したように、搬入装置8aと搬出装置8bに取り付けた工具6の両方を使用して同時に加工することも、時期をずらして個別の工具6により加工することも可能である。
また、最初の加工に使用する工具6を搬入装置8aに取り付け、最後の加工に使用する工具6を搬出装置8bに取り付けることが好ましい。このようにすると、搬出装置8bに取り付けた工具6による最後の加工中に、搬入装置8aによる搬入サイクルを開始することが可能であり、また、搬出装置8bによる加工後の工作物18の搬出サイクル中に、搬入装置8aに取り付けた工具6による加工を開始することができるからである。
さらに、搬入サイクルの満了時における搬入装置8aの位置と最初の加工に使用する工具6との位置が近く、また最後の加工に使用する工具6の位置と搬出サイクルの開始時における搬入装置8aとの位置が近いため、搬入サイクル満了位置から工作物18の加工を開始する位置までの搬入装置8aの移動時間及び工作物18の加工終了位置から搬出サイクルを開始する位置までの搬出装置8bの移動時間を短縮することができた。
本発明の実施例2を図5及び図6に示して説明する。実施例2の竪型工作機械1bは、搬入装置8aのサドル4に回転駆動機構7aによって駆動する回転工具7を取り付け、搬出装置8bのサドル4に工具6を取り付けた点で実施例1と異なるだけである。
図6の(d)〜(f)はいずれも、左側に搬入装置8aの把持具5と回転工具7を示し、右側に搬出装置8bの把持具5と工具6を示したものである。そして、図6の(d)の左側に、供給コンベア12上において工作物18を把持する状態を示し、右側に、把捉機構9上において工作物18を把持する状態を示した。
また図6の(e)左側に、回転工具7により工作物18を加工する状態を示し、右側に次の加工に備えて工具6を待機させた状態を示した。さらに図6の(f)の左側に、ハンド5bを開放して工作物18を把捉機構9上に置く状態を示し、右側にハンド5bを開放して工作物18を排出コンベア14上に置く状態を示した。
実施例2の竪型工作機械1bにおいて、回転工具7によって加工する場合は、主軸9aにより工作物18の角度位置を割り出し、主軸9aを回転させることなく工作物18を加工し、工具6によって加工する場合は、主軸9aを回転させながら加工する。その他については、実施例1と同じ説明になるので、重複した記載を避け省略する。
本発明の実施例3を図7及び図8に示して説明する。実施例2の竪型工作機械1cは、搬入装置8a及び搬出装置8bの両方のサドル4に、回転駆動機構7aによって駆動する回転工具7を取り付けた点で実施例1と異なるだけである。
図8の(g)〜(i)はいずれも、左側に搬入装置8aの把持具5と回転工具7を示し、右側に搬出装置8bの把持具5と回転工具7を示したものである。そして図8の(g)の左側に、供給コンベア12上において工作物18を把持する状態を示し、右側に、把捉機構9上において工作物18を把持する状態を示した。
また図8の(h)に、搬入装置8aの回転工具7と搬出装置8bの回転工具7により、工作物18を同時に加工する状態を示した。さらに図8(i)の左側に、ハンド5bを開放して工作物18を把捉機構9上に置く状態を示し、右側に、ハンド5bを開放して工作物18を排出コンベア14上に置く状態を示した。
実施例3の竪型工作機械1cでは、主軸9aにより工作物18の平面位置を割り出し、主軸9aを回転させることなく、回転工具7によって工作物18を加工する。その他については、実施例1と同じ説明になるので、重複した記載を避け省略する。
上記各実施例では、搬入装置8aと搬出装置8bの両方に刃物を取り付けた実施例を記載したが、一方に刃物を取り付け他方に芯押台センタを取り付けると、センタリングしながら加工することが可能になり、長尺な工作物の加工に適したNC竪型工作機械とすることができる。また、垂直軸を中心として回転する回転工具7ではなく、水平軸を中心として回転する回転工具を取り付けたNC竪型工作機械とすることもできる。
本発明は、工作機械を製造販売する産業だけでなく機械加工品を製造する産業においても利用される。
1a:竪型工作機械 1b:竪型工作機械 1c:竪型工作機械
2 :X軸移動機構 2a:X軸駆動機構 3 :Z軸移動機構
3a:Z軸駆動機構 4 :サドル 5 :把持具
5a:昇降機構 5b:ハンド 6 :工具
7 :回転工具 7a:回転駆動機構 8a:搬入装置
8b:搬出装置 9 :把捉機構 9a:主軸
9b:チャック 11 :コラム 12 :供給コンベア
14 :排出コンベア 15 :X軸レール 16 :Z軸レール
18 :工作物 21 :Xリニア軸受 22 :Zリニア軸受
本発明は旋盤加工、フライス加工、研削加工など多種類の加工を行うことが可能な工作機械において、設置スペースをできる限り小さくした機械であって、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルを短くした工作機械に関するものである。
従来、水平に設けた主軸、水平の2軸方向に移動可能な送り台、並びに、送り台に設けた供給装置、バイトホルダ及び取出装置を有するNC旋盤の発明があった(例えば、特許文献1参照)。また、主軸チャックに対して相対的に移動可能に設けたベース上に、刃物台と、ローダーチャック及びアンローダーチャックからなるオートローダを取り付けた発明があった(例えば、特許文献2参照)。
しかしこれらの発明は、水平の主軸に対して供給装置(ローダーチャック)と取出装置(アンローダーチャック)とを、平面上に並べる構成であるため、機械の設置スペースが過大となり、狭いスペースに設置することが困難になる問題と、限られた床面積を有効に活用することができない問題があった。
さらに、特許文献1に係る発明のように、供給装置と取出装置の間の距離を長尺にした場合や、特許文献2に係る発明のように、ローダーチャックとアンローダーチャックの外側に刃物台を取り付けた場合は、工作物の供給、排出及び加工時の移動ストロークが長くなり省スペース化できない問題があった。
また、特許文献1、2に係る発明は、供給装置(ローダーチャック)と取出装置(アンローダーチャック)とを同一の駆動機構により移動させる構成である。このため、引用文献1に係る発明のように、供給装置と取出装置の間の距離を長尺にした場合は、加工後の工作物を排出する搬出サイクルと、次に加工する工作物を主軸に供給する搬入サイクルとを、同時に行うことができずタイムサイクルに無駄が生じた。
一方、特許文献2に係る発明のように、工作物の供給位置と主軸中心との間の距離と、主軸中心と工作物の排出位置との間の距離と、ローダーチャックとアンローダーチャックとの間の距離を同一の距離にすれば、排出サイクルと供給サイクルを同時に行うことは可能であるが、設備を配置する上で自由な設計ができない問題があった。
さらに特許文献1、2に係る発明は、主軸で把捉した工作物の加工中に搬出サイクルや搬入サイクルを行うことができず、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルが過大になる問題があった。
実開昭59− 19201号公報 特開平 8−309602号公報
ガントリーローダやロボットを使うことなく工作物の搬入出を行い、多種類の加工を行うことを可能にすると共に、機械の設置スペースを小さくした工作機械を提供する。また、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルを短くした工作機械を提供する。さらに、工作物の供給位置と排出位置について設備設計上の自由度の高い工作機械を提供する。
固定のコラムと、工作物の把捉機構と、把捉機構の上側においてコラムに取り付けた、水平方向たるX軸方向に個別に移動可能であって、かつ、垂直方向たるZ軸方向に個別に移動可能な2式のサドルと、2式のサドルにそれぞれ取り付けた工作物の把持具を設ける。そして、サドル及び把持具を有する搬入出装置を2式設け、サドルに工具を取り付けてなる竪型工作機械とする。
そして、2式の搬入出装置のサドルのX軸方向の移動範囲が互いに重なり合うよう構成する。さらに各搬入出装置において、工作物の搬入出時における把持具のX軸方向の移動及び工作物の加工時における工具のX軸方向の移動、並びに、工作物の搬入出時おける把持具のZ軸方向の移動及び工作物の加工時における工具のZ軸方向の移動について、それぞれ単一の駆動機構により行う。
また、搬入出装置において把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付ける。例えば、2式の搬入出装置の内の一方を搬入装置とし他方を搬出装置とし、搬入装置においては工具を把持具に対して搬出装置側に取り付け、搬出装置においては工具を把持具に対して搬入装置側に取り付けることにより、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付けることができる。
把捉機構の上側に搬入出装置と工具を取り付けたため、設置スペースの小さな工作機械を提供することができた。また2式の搬入出装置について、それぞれ個別に移動可能とすると共に、サドルのX軸方向の移動範囲が互いに重なり合う構成とし、さらに、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付ける構成としたため、2式の搬入出装置の移動ストロークが短くなり、機械の省スペース化が可能になった。
さらに、ガントリーローダやロボットを使うことなく工作物の搬入出を行うと共に、搬入出装置において、工作物の搬入出時についても加工時についても、X軸及びZ軸方向の移動について、それぞれ単一の駆動機構を使用して行う構成としたため、複雑な制御が不要となり、設備の単純化、省スペース化及び安価な設備の提供が可能になった。
そして、搬入装置及び搬出装置を個別に移動させると共に、工作物の加工工程において最初に使用する工具を搬入装置に取り付け、加工工程において最後に使用する工具を搬出装置に取り付けたため、搬出装置に取り付けた工具による工作物の加工中に搬入サイクルを開始したり、搬出サイクルを行っている間に搬入装置に取り付けた工具による加工を開始することが可能になった。
以上のように、工作物の加工中に、次に加工する工作物の搬入サイクルや加工後の工作物の搬出サイクルを開始することが可能になったこと、及び、搬入出装置、搬入装置及び搬出装置の移動ストロークが短くなったことから、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルを短くすることができた。
さらに、搬入装置及び搬出装置を個別に移動させる構成とし、互いに衝突しない範囲で、制限を受けることなくそれぞれ移動することを可能にしたので、工作物の供給位置と排出位置を自由に設定することが可能になった。
竪型工作機械の正面図である。 竪型工作機械の側面図である。 竪型工作機械の平面図である。 各工程における把持具と工具の位置関係を示す正面図である。 竪型工作機械の側面図である。 各工程における把持具と工具・回転工具の位置関係を示す正面図である。 竪型工作機械の側面図である。 各工程における把持具と回転工具の位置関係を示す正面図である。
固定のコラムと、工作物の把捉機構と、把捉機構の上側においてコラムに取り付けた、X軸方向への移動機構であるX軸移動機構を設け、またX軸移動機構に取り付けた、Z軸方向への移動機構であるZ軸移動機構を2式設け、2式のZ軸移動機構にそれぞれサドルを取り付け、2式のサドルをZ軸方向に個別に移動可能に構成する。
そしてX軸移動機構は、2式のZ軸移動機構を個別に移動させるX軸駆動機構を有するものとし、またサドルにそれぞれ工作物の把持具を取り付けることにより、Z軸移動機構、サドル及び把持具を有する搬入出装置を2式設け、さらにサドルに工具を取り付けた竪型工作機械とする。
このようにすれば、X軸方向に個別に移動可能、かつ、Z軸方向に個別に移動可能なサドル2式と、2式のサドルに工作物の把持具をそれぞれ取り付けてなる搬入出装置を2式有し、さらにサドルに工具を取り付けた竪型工作機械を得ることができる。このとき、2式の搬入装置のサドルのX軸方向の移動範囲が互いに重なり合うよう構成すると、省スペース化が可能になり好ましい。
さらに、把捉機構の上側に2式の搬入出装置を設けることができる。2式の搬入出装置を有する竪型工作機械では、2式の搬入出装置を交互に使用して、右側から供給した工作物と左側から供給した工作物を交互に加工することが可能である。
水平に設けた1式のX軸レールと、垂直に設けたレールであってX軸レールを個別に走行する2式のZ軸レールと、2式のZ軸レールにそれぞれ取り付けたサドルであって、Z軸レールを個別に走行可能なサドルを有するものとする。そして、X軸レール及び2式のX軸駆動機構とで2式のX軸移動機構を構成すると共に、Z軸レール及びZ軸駆動機構を有するZ軸移動機構を2式設けた竪型工作機械とする。さらに、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付ける。
このとき、上下2本のレールによって1式のX軸レールを構成し、左右2本のレールによって1式のZ軸レールを構成することが好ましい。さらに、上下2本のレールにそれぞれ2個ずつ取り付けた合計4個のXリニア軸受により1式のZ軸レールを保持する構成とし、左右2本のレールにそれぞれ2個ずつ取り付けた合計4個のZリニア軸受によりサドルを保持する構成とすることが好ましい。
このようすれば、Z軸移動機構、サドル及び把持具を有する搬入出装置を2式設けると共に、互いに衝突しない範囲で個別に移動可能な搬入出装置を2式、把捉機構の上側に重ねて配置することが可能になる。さらに、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付けたことにより、搬入出装置の移動ストロークを短くすることができる。このため、設置スペースの小さな工作機械を得ることができる。
把捉機構を垂直軸を中心として回転可能な構成とした竪型工作機械とする。工具にはドリルやフライスのように回転しながら切削する回転工具、及び、回転しながら研削する回転砥石などがある。そして、工作物の把捉機構を非回転とした場合は、回転工具や回転砥石を使用して工作物を加工すればよい。
しかし、把捉機構を回転可能な構成にすることにより、バイトのように非回転で旋削する工具やホーニングなど非回転の砥石を使用して、工作物を回転させつつ加工することが可能になる。また、工作物を回転させて角度位置を変更しつつ又は角度位置を変更した後に工作物を固定して、回転工具や回転砥石により工作物を加工するなど、多種類の加工を行うことが可能になりさらに好ましいからである。
また、2式の搬入出装置の内の、一方を搬入装置とし他方を搬出装置とし、搬入装置においては把捉具に対して工具を搬出装置側に取り付け、かつ、搬出装置においては把捉具に対して工具を搬入装置側に取り付けた竪型工作機械とすることが好ましい。このようにすると、工作物の供給装置や排出装置をそれぞれ2式設ける必要がなくなる。また、搬入装置及び搬出装置の移動ストロークを短くすることができる。さらに工作物を一方から供給し、加工後の工作物を他方に流すレイアウトの方が好ましい場合が多いからである。
工作物の加工工程において最初に使用する工具を搬入装置に取り付け、加工工程において最後に使用する工具を搬出装置に取り付けた竪型工作機械とする。このようにすると、搬出装置に取り付けた工具による工作物の加工中に、搬入装置により次に加工する工作物の搬入サイクルを開始することが可能であり、また、搬出装置により加工後の工作物の搬出サイクルを行っている間に、搬入装置に取り付けた工具による工作物の加工を開始することが可能になり、タイムサイクルを短縮することができるからである。
竪型工作機械であって、主軸を有する把捉機構の構成、又は、割出テーブルを有する把捉機構の構成の内の、いずれかの構成とした竪型工作機械とする。把捉機構として、チャックを取り付けた主軸を使用すれば、把捉機構により把捉した工作物を高速で回転させながら加工することが可能になり、割出テーブルを使用すれば、工作物の角度位置を変えて加工することが可能になるからである。
本発明の実施例1を図1〜図4に示し説明する。実施例1の竪型工作機械1aは、コラム11の手前に設けた、垂直軸を中心として回転する主軸9aと、主軸9aに取り付けたチャック9bとからなる把捉装置9を有するNC竪型工作機械とした。
また、コラム11の上部に水平に取り付けた2本のレールからなるX軸レール15を設け、上下のレールにそれぞれ4個、合計8個のXリニア軸受21を取り付けた。そして上下それぞれ2個、合計4個のXリニア軸受21に対して垂直に取り付けた、2本のレールからなるZ軸レール16を設けた。このようにして、合計8個のXリニア軸受21に対して、それぞれ左右2本のレールを有するZ軸レール16を2式設けた。
さらに、2式のZ軸レール16をX軸方向に個別に移動させるX軸駆動機構2aを2式設けた。そして、2式のX軸移動機構2はX軸レール15を共通に使用するが、4個のXリニア軸受21及びX軸駆動機構2aを個別に有する構成とした。
また、X軸駆動機構2aはサーボモータ、ボールネジ及びXナットを有するものとし、数値制御することによりサーボモータを回転させ、サーボモータによりボールネジを回転させ、ボールネジに取り付けたXナットをX軸方向に移動させることにより、Xナットと連結したZ軸レール16を移動させる構成とした。
Z軸レール16の左右のレールにそれぞれ2個、合計4個のZリニア軸受22を取り付け、4個のZリニア軸受22に対してサドル4を取り付けた。さらにサドル4をZ軸方向に移動させるZ軸駆動機構3aを設けた。このようにして、Z軸レール16、4個のZリニア軸受22及びZ軸駆動機構3aからなるZ軸移動機構3を2式設けた。
そしてZ軸駆動機構3aはサーボモータ、ボールネジ及びZナットを有するものとし、数値制御することによりサーボモータを回転させ、サーボモータによりボールネジを回転させ、ボールネジに取り付けたZナットをZ軸方向に移動させることにより、Zナットと連結したサドル4を移動させる構成とした。
また左右2式のサドル4には、それぞれ把持具5と工具6を取り付け、把持具5は昇降機構5aとハンド5bを有するものとした。そしてX軸移動機構2、Z軸移動機構3、サドル4及び把持具5からなる搬入出装置を2式設けると共に、2式の搬入出装置の内の左側を搬入装置8aとし右側を搬出装置8bとした。
さらに、左側に供給コンベア12を右側に排出コンベア14を設け、平面視において、供給コンベア12及び排出コンベア14の工作物の搬送中心、主軸9a中心、並びに、搬入装置8a及び搬出装置8aによる工作物の搬送中心が一直線上になるよう配置した。
図4(a)〜(c)はいずれも、左側に搬入装置8aの把持具5と工具6を示し、右側に搬出装置8bの把持具5と工具6を示したものである。図4(a)に示した搬出装置8bのサドル4の位置と、(c)に示した搬入装置8aのサドル4の位置は、互いに重なり合う位置に配置している。
搬入装置8aによる搬入サイクルは、図4(a)の左側に示したように、供給コンベア12上において、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させて工作物18を把持する工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させた後又は上昇させながら、X軸移動機構2により把捉機構9の上部まで工作物18をX軸方向に移動させる工程と、X軸方向へ移動させた後又は移動させながら、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させる工程と、図4(c)の左側に示したように、ハンド5bを開放して工作物18を把捉機構9に置く工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させる工程とからなる、供給コンベア12上の工作物18を把捉機構9に供給するサイクルである。
搬出装置8bによる搬出サイクルは、図4(a)の右側に示したように、把捉機構9上において、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させて工作物18を把持する工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させた後又は上昇させながら、X軸移動機構2により排出コンベア14の上まで工作物18をX軸方向に移動させる工程と、X軸方向へ移動させた後又は移動させながら、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させる工程と、図4(c)の右側に示したように、ハンド5bを開放して工作物18を排出コンベア14に置く工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させる工程とからなる、把捉機構9上の工作物18を排出コンベア14に排出するサイクルである。
そして、把捉機構9のチャック9bにより工作物18を把捉した状態で、主軸9aを回転させながら、X軸移動機構2によりサドル4をX軸方向に移動させ又は移動させつつ、Z軸移動機構3によりサドル4をZ軸方向に移動させ又は移動させつつ、搬入装置8a及び搬出装置8bに取り付けた複数の工具6により工作物18を加工する。図4(b)に示したように、搬入装置8aと搬出装置8bに取り付けた工具6の両方を使用して同時に加工することも、時期をずらして個別の工具6により加工することも可能である。
また、最初の加工に使用する工具6を搬入装置8aに取り付け、最後の加工に使用する工具6を搬出装置8bに取り付けることが好ましい。このようにすると、搬出装置8bに取り付けた工具6による最後の加工中に、搬入装置8aによる搬入サイクルを開始することが可能であり、また、搬出装置8bによる加工後の工作物18の搬出サイクル中に、搬入装置8aに取り付けた工具6による加工を開始することができるからである。
さらに、搬入サイクルの満了時における搬入装置8aの位置と最初の加工に使用する工具6との位置が近く、また最後の加工に使用する工具6の位置と搬出サイクルの開始時における搬入装置8aとの位置が近いため、搬入サイクル満了位置から工作物18の加工を開始する位置までの搬入装置8aの移動時間及び工作物18の加工終了位置から搬出サイクルを開始する位置までの搬出装置8bの移動時間を短縮することができた。
本発明の実施例2を図5及び図6に示して説明する。実施例2の竪型工作機械1bは、搬入装置8aのサドル4に回転駆動機構7aによって駆動する回転工具7を取り付け、搬出装置8bのサドル4に工具6を取り付けた点で実施例1と異なるだけである。
図6の(d)〜(f)はいずれも、左側に搬入装置8aの把持具5と回転工具7を示し、右側に搬出装置8bの把持具5と工具6を示したものである。そして、図6の(d)の左側に、供給コンベア12上において工作物18を把持する状態を示し、右側に、把捉機構9上において工作物18を把持する状態を示した。
また図6の(e)左側に、回転工具7により工作物18を加工する状態を示し、右側に次の加工に備えて工具6を待機させた状態を示した。さらに図6の(f)の左側に、ハンド5bを開放して工作物18を把捉機構9上に置く状態を示し、右側にハンド5bを開放して工作物18を排出コンベア14上に置く状態を示した。
実施例2の竪型工作機械1bにおいて、回転工具7によって加工する場合は、主軸9aにより工作物18の角度位置を割り出し、主軸9aを回転させることなく工作物18を加工し、工具6によって加工する場合は、主軸9aを回転させながら加工する。その他については、実施例1と同じ説明になるので、重複した記載を避け省略する。
本発明の実施例3を図7及び図8に示して説明する。実施例2の竪型工作機械1cは、搬入装置8a及び搬出装置8bの両方のサドル4に、回転駆動機構7aによって駆動する回転工具7を取り付けた点で実施例1と異なるだけである。
図8の(g)〜(i)はいずれも、左側に搬入装置8aの把持具5と回転工具7を示し、右側に搬出装置8bの把持具5と回転工具7を示したものである。そして図8の(g)の左側に、供給コンベア12上において工作物18を把持する状態を示し、右側に、把捉機構9上において工作物18を把持する状態を示した。
また図8の(h)に、搬入装置8aの回転工具7と搬出装置8bの回転工具7により、工作物18を同時に加工する状態を示した。さらに図8(i)の左側に、ハンド5bを開放して工作物18を把捉機構9上に置く状態を示し、右側に、ハンド5bを開放して工作物18を排出コンベア14上に置く状態を示した。
実施例3の竪型工作機械1cでは、主軸9aにより工作物18の平面位置を割り出し、主軸9aを回転させることなく、回転工具7によって工作物18を加工する。その他については、実施例1と同じ説明になるので、重複した記載を避け省略する。
上記各実施例では、搬入装置8aと搬出装置8bの両方に刃物を取り付けた実施例を記載したが、一方に刃物を取り付け他方に芯押台センタを取り付けると、センタリングしながら加工することが可能になり、長尺な工作物の加工に適したNC竪型工作機械とすることができる。また、垂直軸を中心として回転する回転工具7ではなく、水平軸を中心として回転する回転工具を取り付けたNC竪型工作機械とすることもできる。
本発明は、工作機械を製造販売する産業だけでなく機械加工品を製造する産業においても利用される。
1a:竪型工作機械 1b:竪型工作機械 1c:竪型工作機械
2 :X軸移動機構 2a:X軸駆動機構 3 :Z軸移動機構
3a:Z軸駆動機構 4 :サドル 5 :把持具
5a:昇降機構 5b:ハンド 6 :工具
7 :回転工具 7a:回転駆動機構 8a:搬入装置
8b:搬出装置 9 :把捉機構 9a:主軸
9b:チャック 11 :コラム 12 :供給コンベア
14 :排出コンベア 15 :X軸レール 16 :Z軸レール
18 :工作物 21 :Xリニア軸受 22 :Zリニア軸受
本発明は旋盤加工、フライス加工、研削加工など多種類の加工を行うことが可能な工作機械において、設置スペースをできる限り小さくした機械であって、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルを短くした工作機械に関するものである。
従来、水平に設けた主軸、水平の2軸方向に移動可能な送り台、並びに、送り台に設けた供給装置、バイトホルダ及び取出装置を有するNC旋盤の発明があった(例えば、特許文献1参照)。また、主軸チャックに対して相対的に移動可能に設けたベース上に、刃物台と、ローダーチャック及びアンローダーチャックからなるオートローダを取り付けた発明があった(例えば、特許文献2参照)。
しかしこれらの発明は、水平の主軸に対して供給装置(ローダーチャック)と取出装置(アンローダーチャック)とを、平面上に並べる構成であるため、機械の設置スペースが過大となり、狭いスペースに設置することが困難になる問題と、限られた床面積を有効に活用することができない問題があった。
さらに、特許文献1に係る発明のように、供給装置と取出装置の間の距離を長尺にした場合や、特許文献2に係る発明のように、ローダーチャックとアンローダーチャックの外側に刃物台を取り付けた場合は、工作物の供給、排出及び加工時の移動ストロークが長くなり省スペース化できない問題があった。
また、特許文献1、2に係る発明は、供給装置(ローダーチャック)と取出装置(アンローダーチャック)とを同一の駆動機構により移動させる構成である。このため、引用文献1に係る発明のように、供給装置と取出装置の間の距離を長尺にした場合は、加工後の工作物を排出する搬出サイクルと、次に加工する工作物を主軸に供給する搬入サイクルとを、同時に行うことができずタイムサイクルに無駄が生じた。
一方、特許文献2に係る発明のように、工作物の供給位置と主軸中心との間の距離と、主軸中心と工作物の排出位置との間の距離と、ローダーチャックとアンローダーチャックとの間の距離を同一の距離にすれば、排出サイクルと供給サイクルを同時に行うことは可能であるが、設備を配置する上で自由な設計ができない問題があった。
さらに特許文献1、2に係る発明は、主軸で把捉した工作物の加工中に搬出サイクルや搬入サイクルを行うことができず、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルが過大になる問題があった。
実開昭59− 19201号公報 特開平 8−309602号公報
ガントリーローダやロボットを使うことなく工作物の搬入出を行い、多種類の加工を行うことを可能にすると共に、機械の設置スペースを小さくした工作機械を提供する。また、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルを短くした工作機械を提供する。さらに、工作物の供給位置と排出位置について設備設計上の自由度の高い工作機械を提供する。
固定のコラムと、工作物の把捉機構と、把捉機構の上側においてコラムに取り付けた、水平方向たるX軸方向に個別に移動可能であって、かつ、垂直方向たるZ軸方向に個別に移動可能な2式のサドルを設け、2式のサドルにそれぞれ工作物の把持具と工具を取り付ける。そして、サドル及び把持具を有する搬入出装置を2式設け、把持具は昇降機構とハンドを有するものとし、把持具と工具とを横に並べて配置した竪型工作機械とする。
そして、2式の搬入出装置のサドルのX軸方向の移動範囲が互いに重なり合うよう構成する。さらに各搬入出装置において、工作物の搬入出時における把持具のX軸方向の移動及び工作物の加工時における工具のX軸方向の移動、並びに、工作物の搬入出時おける把持具のZ軸方向の移動及び工作物の加工時における工具のZ軸方向の移動について、それぞれ単一の駆動機構により行う。
また、搬入出装置において把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付ける。例えば、2式の搬入出装置の内の一方を搬入装置とし他方を搬出装置とし、搬入装置においては工具を把持具に対して搬出装置側に取り付け、搬出装置においては工具を把持具に対して搬入装置側に取り付けることにより、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付けることができる。
把捉機構の上側に搬入出装置と工具を取り付けたため、設置スペースの小さな工作機械を提供することができた。また2式の搬入出装置について、それぞれ個別に移動可能とすると共に、サドルのX軸方向の移動範囲が互いに重なり合う構成とし、さらに、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付ける構成としたため、2式の搬入出装置の移動ストロークが短くなり、機械の省スペース化が可能になった。
さらに、ガントリーローダやロボットを使うことなく工作物の搬入出を行うと共に、搬入出装置において、工作物の搬入出時についても加工時についても、X軸及びZ軸方向の移動について、それぞれ単一の駆動機構を使用して行う構成としたため、複雑な制御が不要となり、設備の単純化、省スペース化及び安価な設備の提供が可能になった。
そして、搬入装置及び搬出装置を個別に移動させると共に、工作物の加工工程において最初に使用する工具を搬入装置に取り付け、加工工程において最後に使用する工具を搬出装置に取り付けたため、搬出装置に取り付けた工具による工作物の加工中に搬入サイクルを開始したり、搬出サイクルを行っている間に搬入装置に取り付けた工具による加工を開始することが可能になった。
以上のように、工作物の加工中に、次に加工する工作物の搬入サイクルや加工後の工作物の搬出サイクルを開始することが可能になったこと、並びに、搬入出装置、搬入装置及び搬出装置の移動ストロークが短くなったことから、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルを短くすることができた。
さらに、搬入装置及び搬出装置を個別に移動させる構成とし、互いに衝突しない範囲で、制限を受けることなくそれぞれ移動することを可能にしたので、工作物の供給位置と排出位置を自由に設定することが可能になった。
竪型工作機械の正面図である。 竪型工作機械の側面図である。 竪型工作機械の平面図である。 各工程における把持具と工具の位置関係を示す正面図である。 竪型工作機械の側面図である。 各工程における把持具と工具・回転工具の位置関係を示す正面図である。 竪型工作機械の側面図である。 各工程における把持具と回転工具の位置関係を示す正面図である。
固定のコラムと、工作物の把捉機構と、把捉機構の上側においてコラムに取り付けた、X軸方向への移動機構であるX軸移動機構を設けるまたX軸移動機構に取り付けた、Z軸方向への移動機構であるZ軸移動機構を2式設け、2式のZ軸移動機構にそれぞれサドルを取り付け、2式のサドルをZ軸方向に個別に移動可能に構成する。
そしてX軸移動機構は、2式のZ軸移動機構を個別に移動させるX軸駆動機構を有するものとし、またサドルにそれぞれ昇降機構とハンドを有する工作物の把持具を取り付けることにより、Z軸移動機構、サドル及び把持具を有する搬入出装置を2式設ける。さらにサドルに工具を取り付け、把持具と工具とを横に並べて配置した竪型工作機械とする。
このようにすれば、X軸方向に個別に移動可能、かつ、Z軸方向に個別に移動可能なサドル2式と、2式のサドルに工作物の把持具をそれぞれ取り付けてなる搬入出装置であって、工作物を回転させることなく把捉機構に搬入出する装置を2式有する竪型工作機械を得ることができる。このとき、2式の搬入装置のサドルのX軸方向の移動範囲が互いに重なり合うよう構成すると、省スペース化が可能になり好ましい。
さらに、把捉機構の上側に2式の搬入出装置を設けることができる。2式の搬入出装置を有する竪型工作機械では、2式の搬入出装置を交互に使用して、右側から供給した工作物と左側から供給した工作物を交互に加工することが可能である。
水平に設けた1式のX軸レールと、垂直に設けたレールであってX軸レールを個別に走行する2式のZ軸レールと、2式のZ軸レールにそれぞれ取り付けたサドルであって、Z軸レールを個別に走行可能なサドルを有するものとする。そして、X軸レール及び2式のX軸駆動機構とで2式のX軸移動機構を構成すると共に、Z軸レール及びZ軸駆動機構を有するZ軸移動機構を2式設けた竪型工作機械とする。さらに、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付ける。
このとき、上下2本のレールによって1式のX軸レールを構成し、左右2本のレールによって1式のZ軸レールを構成することが好ましい。さらに、上下2本のレールにそれぞれ2個ずつ取り付けた合計4個のXリニア軸受により1式のZ軸レールを保持する構成とし、左右2本のレールにそれぞれ2個ずつ取り付けた合計4個のZリニア軸受によりサドルを保持する構成とすることが好ましい。
このようすれば、Z軸移動機構、サドル及び把持具を有する搬入出装置を2式設けると共に、互いに衝突しない範囲で個別に移動可能な搬入出装置を2式、把捉機構の上側に重ねて配置することが可能になる。さらに、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付けたことにより、搬入出装置の移動ストロークを短くすることができる。このため、設置スペースの小さな工作機械を得ることができる。
把捉機構を垂直軸を中心として回転可能な構成とした竪型工作機械とする。工具にはドリルやフライスのように回転しながら切削する回転工具、及び、回転しながら研削する回転砥石などがある。そして、工作物の把捉機構を非回転とした場合は、回転工具や回転砥石を使用して工作物を加工すればよい。
しかし、把捉機構を回転可能な構成にすることにより、バイトのように非回転で旋削する工具やホーニングなど非回転の砥石を使用して、工作物を回転させつつ加工することが可能になる。また、工作物を回転させて角度位置を変更しつつ又は角度位置を変更した後に工作物を固定して、回転工具や回転砥石により工作物を加工するなど、多種類の加工を行うことが可能になりさらに好ましいからである。
また、2式の搬入出装置の内の、一方を搬入装置とし他方を搬出装置とし、搬入装置においては把捉具に対して工具を搬出装置側に取り付け、かつ、搬出装置においては把捉具に対して工具を搬入装置側に取り付けた竪型工作機械とすることが好ましい。このようにすると、工作物の供給装置や排出装置をそれぞれ2式設ける必要がなくなる。また、搬入装置及び搬出装置の移動ストロークを短くすることができる。さらに工作物を一方から供給し、加工後の工作物を他方に流すレイアウトの方が好ましい場合が多いからである。
工作物の加工工程において最初に使用する工具を搬入装置に取り付け、加工工程において最後に使用する工具を搬出装置に取り付けた竪型工作機械とする。このようにすると、搬出装置に取り付けた工具による工作物の加工中に、搬入装置により次に加工する工作物の搬入サイクルを開始することが可能であり、また、搬出装置により加工後の工作物の搬出サイクルを行っている間に、搬入装置に取り付けた工具による工作物の加工を開始することが可能になり、タイムサイクルを短縮することができるからである。
竪型工作機械であって、主軸を有する把捉機構の構成、又は、割出テーブルを有する把捉機構の構成の内の、いずれかの構成とした竪型工作機械とする。把捉機構として、チャックを取り付けた主軸を使用すれば、把捉機構により把捉した工作物を高速で回転させながら加工することが可能になり、割出テーブルを使用すれば、工作物の角度位置を変えて加工することが可能になるからである。
本発明の実施例1を図1〜図4に示し説明する。実施例1の竪型工作機械1aは、コラム11の手前に設けた、垂直軸を中心として回転する主軸9aと、主軸9aに取り付けたチャック9bとからなる把捉装置9を有するNC竪型工作機械とした。
また、コラム11の上部に水平に取り付けた2本のレールからなるX軸レール15を設け、上下のレールにそれぞれ4個、合計8個のXリニア軸受21を取り付けた。そして上下それぞれ2個、合計4個のXリニア軸受21に対して垂直に取り付けた、2本のレールからなるZ軸レール16を設けた。このようにして、合計8個のXリニア軸受21に対して、それぞれ左右2本のレールを有するZ軸レール16を2式設けた。
さらに、2式のZ軸レール16をX軸方向に個別に移動させるX軸駆動機構2aを2式設けた。そして、2式のX軸移動機構2はX軸レール15を共通に使用するが、4個のXリニア軸受21及びX軸駆動機構2aを個別に有する構成とした。
また、X軸駆動機構2aはサーボモータ、ボールネジ及びXナットを有するものとし、数値制御することによりサーボモータを回転させ、サーボモータによりボールネジを回転させ、ボールネジに取り付けたXナットをX軸方向に移動させることにより、Xナットと連結したZ軸レール16を移動させる構成とした。
Z軸レール16の左右のレールにそれぞれ2個、合計4個のZリニア軸受22を取り付け、4個のZリニア軸受22に対してサドル4を取り付けた。さらにサドル4をZ軸方向に移動させるZ軸駆動機構3aを設けた。このようにして、Z軸レール16、4個のZリニア軸受22及びZ軸駆動機構3aからなるZ軸移動機構3を2式設けた。
そしてZ軸駆動機構3aはサーボモータ、ボールネジ及びZナットを有するものとし、数値制御することによりサーボモータを回転させ、サーボモータによりボールネジを回転させ、ボールネジに取り付けたZナットをZ軸方向に移動させることにより、Zナットと連結したサドル4を移動させる構成とした。
また左右2式のサドル4には、それぞれ把持具5と工具6を取り付け、把持具5は昇降機構5aとハンド5bを有するものとした。そしてX軸移動機構2、Z軸移動機構3、サドル4及び把持具5からなる搬入出装置を2式設けると共に、2式の搬入出装置の内の左側を搬入装置8aとし右側を搬出装置8bとした。
さらに、左側に供給コンベア12を右側に排出コンベア14を設け、平面視において、供給コンベア12及び排出コンベア14の工作物の搬送中心、主軸9a中心、並びに、搬入装置8a及び搬出装置8aによる工作物の搬送中心が一直線上になるよう配置した。
図4(a)〜(c)はいずれも、左側に搬入装置8aの把持具5と工具6を示し、右側に搬出装置8bの把持具5と工具6を示したものである。図4(a)に示した搬出装置8bのサドル4の位置と、(c)に示した搬入装置8aのサドル4の位置は、互いに重なり合う位置に配置している。
搬入装置8aによる搬入サイクルは、図4(a)の左側に示したように、供給コンベア12上において、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させて工作物18を把持する工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させた後又は上昇させながら、X軸移動機構2により把捉機構9の上部まで工作物18をX軸方向に移動させる工程と、X軸方向へ移動させた後又は移動させながら、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させる工程と、図4(c)の左側に示したように、ハンド5bを開放して工作物18を把捉機構9に置く工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させる工程とからなる、供給コンベア12上の工作物18を回転させることなく把捉機構9に供給するサイクルである。
搬出装置8bによる搬出サイクルは、図4(a)の右側に示したように、把捉機構9上において、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させて工作物18を把持する工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させた後又は上昇させながら、X軸移動機構2により排出コンベア14の上まで工作物18をX軸方向に移動させる工程と、X軸方向へ移動させた後又は移動させながら、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させる工程と、図4(c)の右側に示したように、ハンド5bを開放して工作物18を排出コンベア14に置く工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させる工程とからなる、把捉機構9上の工作物18を回転させることなく排出コンベア14に排出するサイクルである。
そして、把捉機構9のチャック9bにより工作物18を把捉した状態で、主軸9aを回転させながら、X軸移動機構2によりサドル4をX軸方向に移動させ又は移動させつつ、Z軸移動機構3によりサドル4をZ軸方向に移動させ又は移動させつつ、搬入装置8a及び搬出装置8bに取り付けた複数の工具6により工作物18を加工する。図4(b)に示したように、搬入装置8aと搬出装置8bに取り付けた工具6の両方を使用して同時に加工することも、時期をずらして個別の工具6により加工することも可能である。
また、最初の加工に使用する工具6を搬入装置8aに取り付け、最後の加工に使用する工具6を搬出装置8bに取り付けることが好ましい。このようにすると、搬出装置8bに取り付けた工具6による最後の加工中に、搬入装置8aによる搬入サイクルを開始することが可能であり、また、搬出装置8bによる加工後の工作物18の搬出サイクル中に、搬入装置8aに取り付けた工具6による加工を開始することができるからである。
さらに、搬入サイクルの満了時における搬入装置8aの位置と最初の加工に使用する工具6との位置が近く、また最後の加工に使用する工具6の位置と搬出サイクルの開始時における搬入装置8aとの位置が近いため、搬入サイクル満了位置から工作物18の加工を開始する位置までの搬入装置8aの移動時間及び工作物18の加工終了位置から搬出サイクルを開始する位置までの搬出装置8bの移動時間を短縮することができた。
本発明の実施例2を図5及び図6に示して説明する。実施例2の竪型工作機械1bは、搬入装置8aのサドル4に回転駆動機構7aによって駆動する回転工具7を取り付け、搬出装置8bのサドル4に工具6を取り付けた点で実施例1と異なるだけである。
図6の(d)〜(f)はいずれも、左側に搬入装置8aの把持具5と回転工具7を示し、右側に搬出装置8bの把持具5と工具6を示したものである。そして、図6の(d)の左側に、供給コンベア12上において工作物18を把持する状態を示し、右側に、把捉機構9上において工作物18を把持する状態を示した。
また図6の(e)左側に、回転工具7により工作物18を加工する状態を示し、右側に次の加工に備えて工具6を待機させた状態を示した。さらに図6の(f)の左側に、ハンド5bを開放して工作物18を把捉機構9上に置く状態を示し、右側にハンド5bを開放して工作物18を排出コンベア14上に置く状態を示した。
実施例2の竪型工作機械1bにおいて、回転工具7によって加工する場合は、主軸9aにより工作物18の角度位置を割り出し、主軸9aを回転させることなく工作物18を加工し、工具6によって加工する場合は、主軸9aを回転させながら加工する。その他については、実施例1と同じ説明になるので、重複した記載を避け省略する。
本発明の実施例3を図7及び図8に示して説明する。実施例2の竪型工作機械1cは、搬入装置8a及び搬出装置8bの両方のサドル4に、回転駆動機構7aによって駆動する回転工具7を取り付けた点で実施例1と異なるだけである。
図8の(g)〜(i)はいずれも、左側に搬入装置8aの把持具5と回転工具7を示し、右側に搬出装置8bの把持具5と回転工具7を示したものである。そして図8の(g)の左側に、供給コンベア12上において工作物18を把持する状態を示し、右側に、把捉機構9上において工作物18を把持する状態を示した。
また図8の(h)に、搬入装置8aの回転工具7と搬出装置8bの回転工具7により、工作物18を同時に加工する状態を示した。さらに図8(i)の左側に、ハンド5bを開放して工作物18を把捉機構9上に置く状態を示し、右側に、ハンド5bを開放して工作物18を排出コンベア14上に置く状態を示した。
実施例3の竪型工作機械1cでは、主軸9aにより工作物18の平面位置を割り出し、主軸9aを回転させることなく、回転工具7によって工作物18を加工する。その他については、実施例1と同じ説明になるので、重複した記載を避け省略する。
上記各実施例では、搬入装置8aと搬出装置8bの両方に刃物を取り付けた実施例を記載したが、一方に刃物を取り付け他方に芯押台センタを取り付けると、センタリングしながら加工することが可能になり、長尺な工作物の加工に適したNC竪型工作機械とすることができる。また、垂直軸を中心として回転する回転工具7ではなく、水平軸を中心として回転する回転工具を取り付けたNC竪型工作機械とすることもできる。
本発明は、工作機械を製造販売する産業だけでなく機械加工品を製造する産業においても利用される。
1a:竪型工作機械 1b:竪型工作機械 1c:竪型工作機械
2 :X軸移動機構 2a:X軸駆動機構 3 :Z軸移動機構
3a:Z軸駆動機構 4 :サドル 5 :把持具
5a:昇降機構 5b:ハンド 6 :工具
7 :回転工具 7a:回転駆動機構 8a:搬入装置
8b:搬出装置 9 :把捉機構 9a:主軸
9b:チャック 11 :コラム 12 :供給コンベア
14 :排出コンベア 15 :X軸レール 16 :Z軸レール
18 :工作物 21 :Xリニア軸受 22 :Zリニア軸受
本発明は旋盤加工、フライス加工、研削加工など多種類の加工を行うことが可能な工作機械において、設置スペースをできる限り小さくした機械であって、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルを短くした工作機械に関するものである。
従来、水平に設けた主軸、水平の2軸方向に移動可能な送り台、並びに、送り台に設けた供給装置、バイトホルダ及び取出装置を有するNC旋盤の発明があった(例えば、特許文献1参照)。また、主軸チャックに対して相対的に移動可能に設けたベース上に、刃物台と、ローダーチャック及びアンローダーチャックからなるオートローダを取り付けた発明があった(例えば、特許文献2参照)。
しかしこれらの発明は、水平の主軸に対して供給装置(ローダーチャック)と取出装置(アンローダーチャック)とを、平面上に並べる構成であるため、機械の設置スペースが過大となり、狭いスペースに設置することが困難になる問題と、限られた床面積を有効に活用することができない問題があった。
さらに、特許文献1に係る発明のように、供給装置と取出装置の間の距離を長尺にした場合や、特許文献2に係る発明のように、ローダーチャックとアンローダーチャックの外側に刃物台を取り付けた場合は、工作物の供給、排出及び加工時の移動ストロークが長くなり省スペース化できない問題があった。
また、特許文献1、2に係る発明は、供給装置(ローダーチャック)と取出装置(アンローダーチャック)とを同一の駆動機構により移動させる構成である。このため、引用文献1に係る発明のように、供給装置と取出装置の間の距離を長尺にした場合は、加工後の工作物を排出する搬出サイクルと、次に加工する工作物を主軸に供給する搬入サイクルとを、同時に行うことができずタイムサイクルに無駄が生じた。
一方、特許文献2に係る発明のように、工作物の供給位置と主軸中心との間の距離と、主軸中心と工作物の排出位置との間の距離と、ローダーチャックとアンローダーチャックとの間の距離を同一の距離にすれば、排出サイクルと供給サイクルを同時に行うことは可能であるが、設備を配置する上で自由な設計ができない問題があった。
さらに特許文献1、2に係る発明は、主軸で把捉した工作物の加工中に搬出サイクルや搬入サイクルを行うことができず、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルが過大になる問題があった。
実開昭59− 19201号公報 特開平 8−309602号公報
ガントリーローダやロボットを使うことなく工作物の搬入出を行い、多種類の加工を行うことを可能にすると共に、機械の設置スペースを小さくした工作機械を提供する。また、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルを短くした工作機械を提供する。さらに、工作物の供給位置と排出位置について設備設計上の自由度の高い工作機械を提供する。
固定のコラムと、工作物の把捉機構と、把捉機構の上側においてコラムに取り付けた、水平方向たるX軸方向に個別に移動可能であって、かつ、垂直方向たるZ軸方向に個別に移動可能な2式のサドルを設け、2式のサドルにそれぞれ工作物の把持具と工具を取り付ける。そして、サドル及び把持具を有する搬入出装置を2式設け、把持具は昇降機構とハンドを有するものとし、把持具と工具とを横に並べて配置した竪型工作機械とする。
そして、2式の搬入出装置のサドルのX軸方向の移動範囲が互いに重なり合うよう構成する。さらに各搬入出装置において、工作物の搬入出時における把持具のX軸方向の移動及び工作物の加工時における工具のX軸方向の移動、並びに、工作物の搬入出時おける把持具のZ軸方向の移動及び工作物の加工時における工具のZ軸方向の移動について、それぞれ単一の駆動機構により行う。
また、搬入出装置において把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付ける。例えば、2式の搬入出装置の内の一方を搬入装置とし他方を搬出装置とし、搬入装置においては工具を把持具に対して搬出装置側に取り付け、搬出装置においては工具を把持具に対して搬入装置側に取り付けることにより、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付けることができる。
把捉機構の上側に搬入出装置と工具を取り付けたため、設置スペースの小さな工作機械を提供することができた。また2式の搬入出装置について、それぞれ個別に移動可能とすると共に、サドルのX軸方向の移動範囲が互いに重なり合う構成とし、さらに、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付ける構成としたため、2式の搬入出装置の移動ストロークが短くなり、機械の省スペース化が可能になった。
さらに、ガントリーローダやロボットを使うことなく工作物の搬入出を行うと共に、搬入出装置において、工作物の搬入出時についても加工時についても、X軸及びZ軸方向の移動について、それぞれ単一の駆動機構を使用して行う構成としたため、複雑な制御が不要となり、設備の単純化、省スペース化及び安価な設備の提供が可能になった。
そして、搬入装置及び搬出装置を個別に移動させると共に、工作物の加工工程において最初に使用する工具を搬入装置に取り付け、加工工程において最後に使用する工具を搬出装置に取り付けたため、搬出装置に取り付けた工具による工作物の加工中に搬入サイクルを開始したり、搬出サイクルを行っている間に搬入装置に取り付けた工具による加工を開始することが可能になった。
以上のように、工作物の加工中に、次に加工する工作物の搬入サイクルや加工後の工作物の搬出サイクルを開始することが可能になったこと、並びに、搬入出装置、搬入装置及び搬出装置の移動ストロークが短くなったことから、工作物の供給から加工後の工作物の排出までのタイムサイクルを短くすることができた。
さらに、搬入装置及び搬出装置を個別に移動させる構成とし、互いに衝突しない範囲で、制限を受けることなくそれぞれ移動することを可能にしたので、工作物の供給位置と排出位置を自由に設定することが可能になった。
竪型工作機械の正面図である。 竪型工作機械の側面図である。 竪型工作機械の平面図である。 各工程における把持具と工具の位置関係を示す正面図である。 竪型工作機械の側面図である。 各工程における把持具と工具・回転工具の位置関係を示す正面図である。 竪型工作機械の側面図である。 各工程における把持具と回転工具の位置関係を示す正面図である。
固定のコラムと、工作物の把捉機構と、把捉機構の上側においてコラムに取り付けた、X軸方向への移動機構であるX軸移動機構を設ける。またX軸移動機構に取り付けた、Z軸方向への移動機構であるZ軸移動機構を2式設け、2式のZ軸移動機構にそれぞれサドルを取り付け、2式のサドルをZ軸方向に個別に移動可能に構成する。
そしてX軸移動機構は、2式のZ軸移動機構を個別に移動させるX軸駆動機構を有するものとし、またサドルにそれぞれ昇降機構とハンドを有する工作物の把持具を取り付けることにより、Z軸移動機構、サドル及び把持具を有する搬入出装置を2式設ける。さらにサドルに工具を取り付け、把持具と工具とを横に並べて配置した竪型工作機械とする。
このようにすれば、X軸方向に個別に移動可能、かつ、Z軸方向に個別に移動可能なサドル2式と、2式のサドルに工作物の把持具をそれぞれ取り付けてなる搬入出装置であって、工作物を回転させることなく把捉機構に搬入出する装置を2式有する竪型工作機械を得ることができる。このとき、2式の搬入装置のサドルのX軸方向の移動範囲が互いに重なり合うよう構成すると、省スペース化が可能になり好ましい。
さらに、把捉機構の上側に2式の搬入出装置を設けることができる。2式の搬入出装置を有する竪型工作機械では、2式の搬入出装置を交互に使用して、右側から供給した工作物と左側から供給した工作物を交互に加工することが可能である。
水平に設けた1式のX軸レールと、垂直に設けたレールであってX軸レールを個別に走行する2式のZ軸レールと、2式のZ軸レールにそれぞれ取り付けたサドルであって、Z軸レールを個別に走行可能なサドルを有するものとする。そして、X軸レール及び2式のX軸駆動機構とで2式のX軸移動機構を構成すると共に、Z軸レール及びZ軸駆動機構を有するZ軸移動機構を2式設けた竪型工作機械とする。さらに、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付ける。
このとき、上下2本のレールによって1式のX軸レールを構成し、左右2本のレールによって1式のZ軸レールを構成することが好ましい。さらに、上下2本のレールにそれぞれ2個ずつ取り付けた合計4個のXリニア軸受により1式のZ軸レールを保持する構成とし、左右2本のレールにそれぞれ2個ずつ取り付けた合計4個のZリニア軸受によりサドルを保持する構成とすることが好ましい。
このようすれば、Z軸移動機構、サドル及び把持具を有する搬入出装置を2式設けると共に、互いに衝突しない範囲で個別に移動可能な搬入出装置を2式、把捉機構の上側に重ねて配置することが可能になる。さらに、把持具に対して把捉機構に近い側に工具を取り付けたことにより、搬入出装置の移動ストロークを短くすることができる。このため、設置スペースの小さな工作機械を得ることができる。
把捉機構を垂直軸を中心として回転可能な構成とした竪型工作機械とする。工具にはドリルやフライスのように回転しながら切削する回転工具、及び、回転しながら研削する回転砥石などがある。そして、工作物の把捉機構を非回転とした場合は、回転工具や回転砥石を使用して工作物を加工すればよい。
しかし、把捉機構を回転可能な構成にすることにより、バイトのように非回転で旋削する工具やホーニングなど非回転の砥石を使用して、工作物を回転させつつ加工することが可能になる。また、工作物を回転させて角度位置を変更しつつ又は角度位置を変更した後に工作物を固定して、回転工具や回転砥石により工作物を加工するなど、多種類の加工を行うことが可能になりさらに好ましいからである。
また、2式の搬入出装置の内の、一方を搬入装置とし他方を搬出装置とし、搬入装置においては把捉具に対して工具を搬出装置側に取り付け、かつ、搬出装置においては把捉具に対して工具を搬入装置側に取り付けた竪型工作機械とすることが好ましい。このようにすると、工作物の供給装置や排出装置をそれぞれ2式設ける必要がなくなる。また、搬入装置及び搬出装置の移動ストロークを短くすることができる。さらに工作物を一方から供給し、加工後の工作物を他方に流すレイアウトの方が好ましい場合が多いからである。
搬入出装置の把持具の昇降機構によりハンドを下降させた状態として、ハンドにより工作物を把持する構成とする。このようにすると、工作物と工具との干渉を避けつつ、把持具と工具とを接近させて取り付けることができるからである。
工作物の加工工程において最初に使用する工具を搬入装置に取り付け、加工工程において最後に使用する工具を搬出装置に取り付けた竪型工作機械とする。このようにすると、搬出装置に取り付けた工具による工作物の加工中に、搬入装置により次に加工する工作物の搬入サイクルを開始することが可能であり、また、搬出装置により加工後の工作物の搬出サイクルを行っている間に、搬入装置に取り付けた工具による工作物の加工を開始することが可能になり、タイムサイクルを短縮することができるからである。
竪型工作機械であって、主軸を有する把捉機構の構成、又は、割出テーブルを有する把捉機構の構成の内の、いずれかの構成とした竪型工作機械とする。把捉機構として、チャックを取り付けた主軸を使用すれば、把捉機構により把捉した工作物を高速で回転させながら加工することが可能になり、割出テーブルを使用すれば、工作物の角度位置を変えて加工することが可能になるからである。
本発明の実施例1を図1〜図4に示し説明する。実施例1の竪型工作機械1aは、コラム11の手前に設けた、垂直軸を中心として回転する主軸9aと、主軸9aに取り付けたチャック9bとからなる把捉装置9を有するNC竪型工作機械とした。
また、コラム11の上部に水平に取り付けた2本のレールからなるX軸レール15を設け、上下のレールにそれぞれ4個、合計8個のXリニア軸受21を取り付けた。そして上下それぞれ2個、合計4個のXリニア軸受21に対して垂直に取り付けた、2本のレールからなるZ軸レール16を設けた。このようにして、合計8個のXリニア軸受21に対して、それぞれ左右2本のレールを有するZ軸レール16を2式設けた。
さらに、2式のZ軸レール16をX軸方向に個別に移動させるX軸駆動機構2aを2式設けた。そして、2式のX軸移動機構2はX軸レール15を共通に使用するが、4個のXリニア軸受21及びX軸駆動機構2aを個別に有する構成とした。
また、X軸駆動機構2aはサーボモータ、ボールネジ及びXナットを有するものとし、数値制御することによりサーボモータを回転させ、サーボモータによりボールネジを回転させ、ボールネジに取り付けたXナットをX軸方向に移動させることにより、Xナットと連結したZ軸レール16を移動させる構成とした。
Z軸レール16の左右のレールにそれぞれ2個、合計4個のZリニア軸受22を取り付け、4個のZリニア軸受22に対してサドル4を取り付けた。さらにサドル4をZ軸方向に移動させるZ軸駆動機構3aを設けた。このようにして、Z軸レール16、4個のZリニア軸受22及びZ軸駆動機構3aからなるZ軸移動機構3を2式設けた。
そしてZ軸駆動機構3aはサーボモータ、ボールネジ及びZナットを有するものとし、数値制御することによりサーボモータを回転させ、サーボモータによりボールネジを回転させ、ボールネジに取り付けたZナットをZ軸方向に移動させることにより、Zナットと連結したサドル4を移動させる構成とした。
また左右2式のサドル4には、それぞれ把持具5と工具6を取り付け、把持具5は昇降機構5aとハンド5bを有するものとした。そしてX軸移動機構2、Z軸移動機構3、サドル4及び把持具5からなる搬入出装置を2式設けると共に、2式の搬入出装置の内の左側を搬入装置8aとし右側を搬出装置8bとした。
さらに、左側に供給コンベア12を右側に排出コンベア14を設け、平面視において、供給コンベア12及び排出コンベア14の工作物の搬送中心、主軸9a中心、並びに、搬入装置8a及び搬出装置8aによる工作物の搬送中心が一直線上になるよう配置した。
図4(a)〜(c)はいずれも、左側に搬入装置8aの把持具5と工具6を示し、右側に搬出装置8bの把持具5と工具6を示したものである。図4(a)に示した搬出装置8bのサドル4の位置と、(c)に示した搬入装置8aのサドル4の位置は、互いに重なり合う位置に配置している。
搬入装置8aによる搬入サイクルは、図4(a)の左側に示したように、供給コンベア12上において、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させて工作物18を把持する工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させた後又は上昇させながら、X軸移動機構2により把捉機構9の上部まで工作物18をX軸方向に移動させる工程と、X軸方向へ移動させた後又は移動させながら、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させる工程と、図4(c)の左側に示したように、ハンド5bを開放して工作物18を把捉機構9に置く工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させる工程とからなる、供給コンベア12上の工作物18を回転させることなく把捉機構9に供給するサイクルである。
搬出装置8bによる搬出サイクルは、図4(a)の右側に示したように、把捉機構9上において、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させて工作物18を把持する工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させた後又は上昇させながら、X軸移動機構2により排出コンベア14の上まで工作物18をX軸方向に移動させる工程と、X軸方向へ移動させた後又は移動させながら、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを下降させる工程と、図4(c)の右側に示したように、ハンド5bを開放して工作物18を排出コンベア14に置く工程と、Z軸移動機構3及び昇降機構5aによりハンド5bを上昇させる工程とからなる、把捉機構9上の工作物18を回転させることなく排出コンベア14に排出するサイクルである。
そして、把捉機構9のチャック9bにより工作物18を把捉した状態で、主軸9aを回転させながら、X軸移動機構2によりサドル4をX軸方向に移動させ又は移動させつつ、Z軸移動機構3によりサドル4をZ軸方向に移動させ又は移動させつつ、搬入装置8a及び搬出装置8bに取り付けた複数の工具6により工作物18を加工する。図4(b)に示したように、搬入装置8aと搬出装置8bに取り付けた工具6の両方を使用して同時に加工することも、時期をずらして個別の工具6により加工することも可能である。
また、最初の加工に使用する工具6を搬入装置8aに取り付け、最後の加工に使用する工具6を搬出装置8bに取り付けることが好ましい。このようにすると、搬出装置8bに取り付けた工具6による最後の加工中に、搬入装置8aによる搬入サイクルを開始することが可能であり、また、搬出装置8bによる加工後の工作物18の搬出サイクル中に、搬入装置8aに取り付けた工具6による加工を開始することができるからである。
さらに、搬入サイクルの満了時における搬入装置8aの位置と最初の加工に使用する工具6との位置が近く、また最後の加工に使用する工具6の位置と搬出サイクルの開始時における搬入装置8aとの位置が近いため、搬入サイクル満了位置から工作物18の加工を開始する位置までの搬入装置8aの移動時間及び工作物18の加工終了位置から搬出サイクルを開始する位置までの搬出装置8bの移動時間を短縮することができた。
本発明の実施例2を図5及び図6に示して説明する。実施例2の竪型工作機械1bは、搬入装置8aのサドル4に回転駆動機構7aによって駆動する回転工具7を取り付け、搬出装置8bのサドル4に工具6を取り付けた点で実施例1と異なるだけである。
図6の(d)〜(f)はいずれも、左側に搬入装置8aの把持具5と回転工具7を示し、右側に搬出装置8bの把持具5と工具6を示したものである。そして、図6の(d)の左側に、供給コンベア12上において工作物18を把持する状態を示し、右側に、把捉機構9上において工作物18を把持する状態を示した。
また図6の(e)左側に、回転工具7により工作物18を加工する状態を示し、右側に次の加工に備えて工具6を待機させた状態を示した。さらに図6の(f)の左側に、ハンド5bを開放して工作物18を把捉機構9上に置く状態を示し、右側にハンド5bを開放して工作物18を排出コンベア14上に置く状態を示した。
実施例2の竪型工作機械1bにおいて、回転工具7によって加工する場合は、主軸9aにより工作物18の角度位置を割り出し、主軸9aを回転させることなく工作物18を加工し、工具6によって加工する場合は、主軸9aを回転させながら加工する。その他については、実施例1と同じ説明になるので、重複した記載を避け省略する。
本発明の実施例3を図7及び図8に示して説明する。実施例2の竪型工作機械1cは、搬入装置8a及び搬出装置8bの両方のサドル4に、回転駆動機構7aによって駆動する回転工具7を取り付けた点で実施例1と異なるだけである。
図8の(g)〜(i)はいずれも、左側に搬入装置8aの把持具5と回転工具7を示し、右側に搬出装置8bの把持具5と回転工具7を示したものである。そして図8の(g)の左側に、供給コンベア12上において工作物18を把持する状態を示し、右側に、把捉機構9上において工作物18を把持する状態を示した。
また図8の(h)に、搬入装置8aの回転工具7と搬出装置8bの回転工具7により、工作物18を同時に加工する状態を示した。さらに図8(i)の左側に、ハンド5bを開放して工作物18を把捉機構9上に置く状態を示し、右側に、ハンド5bを開放して工作物18を排出コンベア14上に置く状態を示した。
実施例3の竪型工作機械1cでは、主軸9aにより工作物18の平面位置を割り出し、主軸9aを回転させることなく、回転工具7によって工作物18を加工する。その他については、実施例1と同じ説明になるので、重複した記載を避け省略する。
上記各実施例では、搬入装置8aと搬出装置8bの両方に刃物を取り付けた実施例を記載したが、一方に刃物を取り付け他方に芯押台センタを取り付けると、センタリングしながら加工することが可能になり、長尺な工作物の加工に適したNC竪型工作機械とすることができる。また、垂直軸を中心として回転する回転工具7ではなく、水平軸を中心として回転する回転工具を取り付けたNC竪型工作機械とすることもできる。
本発明は、工作機械を製造販売する産業だけでなく機械加工品を製造する産業においても利用される。
1a:竪型工作機械 1b:竪型工作機械 1c:竪型工作機械
2 :X軸移動機構 2a:X軸駆動機構 3 :Z軸移動機構
3a:Z軸駆動機構 4 :サドル 5 :把持具
5a:昇降機構 5b:ハンド 6 :工具
7 :回転工具 7a:回転駆動機構 8a:搬入装置
8b:搬出装置 9 :把捉機構 9a:主軸
9b:チャック 11 :コラム 12 :供給コンベア
14 :排出コンベア 15 :X軸レール 16 :Z軸レール
18 :工作物 21 :Xリニア軸受 22 :Zリニア軸受

Claims (8)

  1. 工作物の把捉機構と、前記把捉機構の上側に取り付けた、水平方向たるX軸方向への移動機構であるX軸移動機構を設け、また前記X軸移動機構に取り付けた、垂直方向たるZ軸方向への移動機構であるZ軸移動機構を2式設け、2式の前記Z軸移動機構にそれぞれサドルを取り付け、2式の前記サドルをZ軸方向に個別に移動可能に構成し、
    前記X軸移動機構は、2式の前記Z軸移動機構を個別に移動させるX軸駆動機構を有するものとし、また前記サドルにそれぞれ工作物の把持具を取り付けることにより、前記Z軸移動機構、前記サドル及び前記把持具を有する搬入出装置を2式設け、さらに前記サドルに工具を取り付けたことを特徴とする竪型工作機械。
  2. 工作物の把捉機構と、前記把捉機構の上側に、X軸方向に個別に移動可能、かつ、Z軸方向に個別に移動可能なサドルを2式設け、さらに、2式の前記サドルに工作物の把持具をそれぞれ取り付けることにより、前記サドル及び前記把持具を有する搬入出装置を2式設けると共に、前記サドルに工具を取り付けたことを特徴とする竪型工作機械。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載した竪型工作機械であって、水平に設けた1式のX軸レールと、垂直に設けたレールであって前記X軸レールを個別に走行する2式のZ軸レールと、2式の前記Z軸レールにそれぞれ設けたサドルであって、前記Z軸レールを個別に走行可能なサドルを有するものとし、
    前記X軸レール及び2式のX軸駆動機構とで2式のX軸移動機構を構成すると共に、前記Z軸レール及びZ軸駆動機構を有するZ軸移動機構を2式設けたことを特徴とする竪型工作機械。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載した竪型工作機械であって、2式の前記搬入出装置において、前記把持具に対して前記把捉機構に近い側に工具を取り付けたことを特徴とする竪型工作機械。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載した竪型工作機械であって、前記把捉機構を垂直軸を中心として回転可能な構成としたことを特徴とする竪型工作機械。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載した竪型工作機械であって、2式の前記搬入出装置の内の、一方を搬入装置とし他方を搬出装置とし、前記搬入装置においては前記把持具に対して工具を搬出装置側に取り付け、かつ、前記搬出装置においては前記把持具に対して工具を搬入装置側に取り付けたことを特徴とする竪型工作機械。
  7. 請求項6に記載した竪型工作機械であって、工作物の加工工程において最初に使用する工具を前記搬入装置に取り付け、加工工程において最後に使用する工具を前記搬出装置に取り付けたことを特徴とする竪型工作機械。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載した竪型工作機械であって、主軸を有する把捉機構の構成、又は、割出テーブルを有する把捉機構の構成の内の、いずれかの構成としたことを特徴とする竪型工作機械。
JP2012222632A 2012-10-05 2012-10-05 竪型工作機械 Pending JP2014073559A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012222632A JP2014073559A (ja) 2012-10-05 2012-10-05 竪型工作機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012222632A JP2014073559A (ja) 2012-10-05 2012-10-05 竪型工作機械

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014073559A true JP2014073559A (ja) 2014-04-24

Family

ID=50748141

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012222632A Pending JP2014073559A (ja) 2012-10-05 2012-10-05 竪型工作機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014073559A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105500008A (zh) * 2016-01-06 2016-04-20 宁波金凯机床制造有限公司 一种铣削磨削组合机床
CN106475786A (zh) * 2016-11-07 2017-03-08 江苏宏宝电力有限公司 一种变压器套管自动打磨设备
CN108608208A (zh) * 2018-05-08 2018-10-02 威远红卫橡胶有限公司 一种中小型橡胶件自动加工系统
KR20200141872A (ko) * 2019-06-11 2020-12-21 에스엠에스비 주식회사 인너레이스 볼트랙 연삭장치
CN116141014A (zh) * 2023-04-20 2023-05-23 广东豪德数控装备股份有限公司 一种五轴钻铣加工中心
CN117381439A (zh) * 2023-10-24 2024-01-12 浙江海帝克机床有限公司 一种立式车铣复合机床

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63127850A (ja) * 1986-11-17 1988-05-31 Om Seisakusho:Kk 2軸型立旋盤における物品の供給搬出方法
JPS63127851U (ja) * 1987-02-12 1988-08-22
JPH0544401U (ja) * 1991-11-20 1993-06-15 桐生機械株式会社 立型2軸旋盤
JPH09253905A (ja) * 1996-03-14 1997-09-30 Kawaguchiko Seimitsu Kk 加工旋盤
JP2007175852A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Seiki Techno Design Co Ltd 逆立ち主軸複合nc旋盤

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63127850A (ja) * 1986-11-17 1988-05-31 Om Seisakusho:Kk 2軸型立旋盤における物品の供給搬出方法
JPS63127851U (ja) * 1987-02-12 1988-08-22
JPH0544401U (ja) * 1991-11-20 1993-06-15 桐生機械株式会社 立型2軸旋盤
JPH09253905A (ja) * 1996-03-14 1997-09-30 Kawaguchiko Seimitsu Kk 加工旋盤
JP2007175852A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Seiki Techno Design Co Ltd 逆立ち主軸複合nc旋盤

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105500008A (zh) * 2016-01-06 2016-04-20 宁波金凯机床制造有限公司 一种铣削磨削组合机床
CN106475786A (zh) * 2016-11-07 2017-03-08 江苏宏宝电力有限公司 一种变压器套管自动打磨设备
CN108608208A (zh) * 2018-05-08 2018-10-02 威远红卫橡胶有限公司 一种中小型橡胶件自动加工系统
KR20200141872A (ko) * 2019-06-11 2020-12-21 에스엠에스비 주식회사 인너레이스 볼트랙 연삭장치
KR102206642B1 (ko) * 2019-06-11 2021-01-28 에스엠에스비 주식회사 인너레이스 볼트랙 연삭장치
CN116141014A (zh) * 2023-04-20 2023-05-23 广东豪德数控装备股份有限公司 一种五轴钻铣加工中心
CN116141014B (zh) * 2023-04-20 2023-06-27 广东豪德数控装备股份有限公司 一种五轴钻铣加工中心
CN117381439A (zh) * 2023-10-24 2024-01-12 浙江海帝克机床有限公司 一种立式车铣复合机床

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5550554B2 (ja) ワーク加工装置及びワーク加工方法
CN108161459B (zh) 一种多主轴车铣钻复合加工中心
US8950302B2 (en) Self-loading machining apparatus with two vertical workpiece spindles
KR101554033B1 (ko) 차량용 휠 캐리어 브라켓의 탭 가공을 위한 다축 자동 탭핑 장치
EP2246136B1 (en) Machine and method for machining crankshaft ends
WO2013125551A1 (ja) 回転加工機及び回転加工方法
JP5988432B2 (ja) シャフト状のワークピースを加工するための工作機械
JP2014073559A (ja) 竪型工作機械
WO2013125550A1 (ja) 回転加工機
JP2015506852A (ja) 複数の作業ステーションと回転テーブルを備えたホーニング機械
JP2008183705A (ja) ワークピース処理装置
US20090053000A1 (en) Compact High Precision Multiple Spindle Computer Controlled Machine Tool
JP2014065133A (ja) 平行2軸複合工作機械
JP5351541B2 (ja) 加工装置
TWM452030U (zh) 工具機
CN212398785U (zh) 一种基于柔性化多轴动力头加工去毛刺机工作站
JP3679318B2 (ja) ワーク交換装置
WO2014188600A1 (ja) ワーク加工システム
JP6469540B2 (ja) マシニングセンタ
TWM448342U (zh) 工具機之工件移出裝置及工具機
US20190247997A1 (en) Automatic workpiece transfer machine
KR20140040425A (ko) 공작기계 일체형 이송장치
JP2012139805A (ja) ワーク搬送装置
CN108377613B (zh) 一种全自动铣刀鱼尾切割机
JP2014065131A (ja) 工作機械システム

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131010