JP2014070948A - 運転支援システム、方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】経済走行度を向上させるための意欲を低下させることなく経済走行度を向上させるための運転支援を行うことが可能な技術の提供。
【解決手段】車両の過去の走行における位置毎の車速に経済走行度が対応づけられた過去走行履歴が記録された記録媒体を参照し、前記経済走行度が良い順に複数回の過去の走行についての前記過去走行履歴を取得し、前記複数回の過去の走行についての前記過去走行履歴を、位置と車速とのそれぞれを軸としたグラフによって表示部に表示する。
【選択図】図3
【解決手段】車両の過去の走行における位置毎の車速に経済走行度が対応づけられた過去走行履歴が記録された記録媒体を参照し、前記経済走行度が良い順に複数回の過去の走行についての前記過去走行履歴を取得し、前記複数回の過去の走行についての前記過去走行履歴を、位置と車速とのそれぞれを軸としたグラフによって表示部に表示する。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両の経済走行度を向上させるための支援を行う運転支援システム、方法およびプログラムに関する。
従来、車両の燃費と車速とを関連づけて提示する各種の技術が開発されている。例えば、特許文献1においては、所定の勾配である区間での過去の最高燃費走行速度を算出し、区間毎の最高燃費走行速度を表示することで、勾配毎の最高燃費走行速度を運転者に意識させる技術が開示されている。
上述した従来技術においては、区間毎の最高燃費走行速度が提示されるため、当該最高燃費走行速度に近づけることを目標として運転者に運転を行わせることで、燃費改善の支援を行うことが可能である。しかし、従来の技術では最高燃費走行速度と異なる速度で車両を走行させた場合に燃費が向上するか否かを判断することができない。このため、区間内を走行中に車両の速度が最高燃費走行速度と異なる速度となってしまった場合、それ以後の走行において燃費の動向が不明となり、運転者の燃費向上意欲が低下する。そして、一般的には、区間内で最高燃費走行速度を常に維持することは困難であり、実際の走行においては、区間内で最高燃費走行速度と異なる速度で走行する場合が多い。従って、多くの場合において、運転者は燃費が向上しているのか否かを判断することができず、結果として燃費向上のための運転支援が実質的に行われなくなる場合が多い。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、経済走行度を向上させるための意欲を低下させることなく経済走行度を向上させるための運転支援を行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、経済走行度を向上させるための意欲を低下させることなく経済走行度を向上させるための運転支援を行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、記録媒体に車両の過去の走行における位置毎の車速に経済走行度が対応づけられた過去走行履歴が記録された状態とされる。そして、本発明において過去走行履歴取得手段は、当該記録媒体を参照し、経済走行度が良い順に複数回の過去の走行についての過去走行履歴を取得する。そして、車速表示手段は、複数回の過去の走行についての過去走行履歴を、位置と車速とのそれぞれを軸としたグラフによって表示部に表示する。
すなわち、経済走行度が良い順に複数回の過去の走行における位置毎の車速を示すグラフを表示する。この結果、運転者は、走行中に経済走行度が良かった過去の走行について、位置毎の車速を把握しながら運転を行うことができる。従って、表示された車速のいずれかに近い状態で車速が推移するように運転者が運転を行えば経済走行度が良かった過去の状態を再現することが可能であり、経済走行度を向上させるための運転支援を行うことができる。
また、過去の走行のうち、経済走行度が良かった複数回の過去の走行についての過去走行履歴が表示部に表示されるため、運転者がある一つの過去走行履歴と同等の車速で走行することを目標としている場合において、現在の車両の車速が目標とされた車速と異なってしまった場合であっても、表示された他の過去走行履歴の車速に近ければ依然として経済走行度を向上可能であるとして目標を変更して走行を継続することができる。このため、目標とされた車速と異なってしまった場合であっても経済走行度を向上させる機会を運転者に提供することができ、運転者の意欲を低下させることを抑制することができる。
ここで、過去走行履歴取得手段は、車両の過去の走行における位置毎の車速に経済走行度が対応づけられた過去走行履歴が記録された記録媒体を参照し、経済走行度が良い順に複数回の過去の走行についての過去走行履歴を取得することができればよい。すなわち、経済走行度が良い複数回の過去走行履歴を表示対象の過去走行履歴として取得することができればよい。
記録媒体には、車両の過去走行履歴が記録されていれば良く、記録媒体は運転支援システムに含まれていても良いし、運転支援システムと連携する他の装置(情報管理サーバ等)に含まれていても良い。後者の場合、各種通信によって運転支援システムが他の装置の記録媒体を参照すれば良い。過去走行履歴は、位置毎の車速を示す情報であり、位置毎の車速の推移を示す情報にその車速で走行が行われた場合の経済走行度が対応づけられていれば良い。すなわち、車速は経済走行度に影響を与える極めて重要な要因であり、車速と経済走行度とを対応づけて提示することができるように、位置毎の車速に経済走行度を対応づけた情報をデータベース化してあれば良い。
なお、過去走行履歴は、当該過去走行履歴の車速を再現することで当該過去走行履歴に対応づけられた経済走行度を再現できるように定義される。従って、過去走行履歴が取得された車両と、当該過去走行履歴が参照されて車速の再現が試みられる車両とは同一であることが好ましいが、経済走行度が同等になり得る範囲で車両が異なっても良い。例えば、同一車種の同一仕様の多数の車両についての過去走行履歴を収集し、当該車種の当該仕様の任意の車両に過去走行履歴を提供するような態様であっても良い。
経済走行度は車両によるエネルギーの消費量が少ないほど良いと見なされ、例えば、車両の単位距離あたりのエネルギー消費量が基準のエネルギー消費量よりも少ない場合における走行を経済走行とし、当該経済走行が行われた割合を評価区間について評価する構成や、燃費自体を経済走行度と見なす構成等を採用可能である。むろん、エネルギー消費量は直接的に評価されても良いし、間接的に評価されてもよい。前者としてはエネルギー消費量を実測する構成が想定され、後者としてはエネルギー消費量が多くなる運転操作等が行われたか否かを判定する構成や、車速や加速度等が示す車両動作がエネルギー消費量の多くなる動作であるか否かを判定する構成等を採用可能である。
車速表示手段は、複数回の過去の走行についての過去走行履歴を、位置と車速とのそれぞれを軸としたグラフによって表示部に表示することができればよい。すなわち、複数回の過去の走行における位置毎の車速の推移をグラフ上で比較可能に表示することができればよい。なお、グラフ上では、所定範囲内の位置の車速が示されることによって位置毎の車速の推移が継続的に表示されることが好ましい。
グラフには位置毎の車速が示されるため、現在の車両の位置や現在の車両の車速がわかるように表示されることが好ましい。このための構成として、例えば、今回走行履歴取得手段によって車両の今回の走行における位置毎の車速を示す今回走行履歴を取得し、今回走行履歴をグラフに表示する構成としても良い。この構成によれば、今回走行履歴と過去走行履歴とを直接的に対比可能に表示することができる。従って、運転者が今回の走行における車速を経済走行度が良かった過去の走行における車速と同等になるように運転することが容易になる。
さらに、経済走行度は、車両の単位距離あたりのエネルギー消費量が少ないほど良いと見なされるように定義されれば良く、各種の定義を行うことができる。例えば、車両の停止地点から目的地までの経済走行度を位置毎の車速に対応づけて過去走行履歴を定義し、停止地点から目的地までの経済走行度が良い順に過去走行履歴を取得する構成とし、取得された過去走行履歴を表示する構成としても良い。すなわち、停止地点および目的地が共通の過去走行履歴同士を比較することとし、比較の結果、複数回の過去の走行についての過去走行履歴を経済走行度が良い順に取得し、表示する構成とする。この構成によれば、停止地点から目的地までの経済走行度を向上させるための運転支援を行うことが可能である。なお、出発地からの走行が開始される前に置いて車両は停止しているため、出発地は停止地点でもある。
また、車両の単位区間毎の経済走行度を位置毎の車速に対応づけて過去走行履歴を定義し、車両の現在位置が含まれる単位区間についての過去走行履歴を経済走行度が良い順に取得し、取得された過去走行履歴を表示する構成としても良い。すなわち、単位区間毎の経済走行度が良い順に複数回の過去の走行についての過去走行履歴を取得し、表示する構成とする。この構成によれば、単位区間毎の経済走行度を向上させるための運転支援を行うことが可能である。
さらに、表示部に表示されるグラフでは複数回の過去の走行についての過去走行履歴が表示されるため、各過去走行履歴が区別できるように表示されることが好ましい。このような構成例として、複数回の過去の走行のそれぞれを区別可能であるとともに、経済走行度が相対的に良かった走行についての過去走行履歴が強調される態様で、車速表示手段が過去走行履歴を表示する構成としても良い。すなわち、経済走行度が相対的に良かった走行についての過去走行履歴が強調されることにより、経済走行度をより良い状態にするために車速を合わせるべき過去走行履歴をわかりやすく表示することができる。さらに、過去走行履歴毎の経済走行度を相対的に比較することが可能になるため、過去走行履歴が示す車速の分布から理想の経済走行度を推定することも可能になる。例えば、経済走行度が最も良かった過去走行履歴が示す車速よりも遅い車速域と速い車速域とに、他の過去走行履歴が示す車速が分布している場合、経済走行度が最も良かった過去走行履歴が示す車速が経済走行度として理想的(あるいは理想に近い)と推定することができる。一方、経済走行度が最も良かった過去走行履歴が示す車速よりも速い車速域には他の過去走行履歴が示す車速が分布しているが、経済走行度が最も良かった過去走行履歴が示す車速よりも遅い車速域には他の過去走行履歴が示す車速が分布していない場合、経済走行度として理想的な車速がより遅い車速である可能性があると推定することができる。
なお、複数回の過去の走行のそれぞれを区別するための構成としては、種々の構成を採用可能であり、例えば、複数回の過去の走行のそれぞれを色によって区別可能な態様で過去走行履歴を表示する構成や、複数回の過去の走行のそれぞれが1本の曲線で結ばれることによって複数回の過去の走行のそれぞれを区別できるように表示する構成等を採用可能である。強調の態様としても種々の態様を採用可能であり、例えば、曲線の太さや線種によって強調しても良いし、視認されやすい色によって強調してもよい。
さらに、車速は走行過程において大きく変動するため、過去走行履歴が示す過去の車速に合わせるように現在の車速を調整するためには、複数回の過去の走行における過去の車速と現在の車速とが近い範囲に含まれることが好ましい。このために、今回の走行において車両が停止した場合、今回の走行における車両の停止地点と同一の停止地点で車両が停止した過去の走行での過去走行履歴から経済走行度が良い順に複数回の過去の走行についての過去走行履歴を新たに取得し、新たに取得された過去走行履歴を今回の走行における車両の停止地点よりも前方の位置についてのグラフに表示するように構成しても良い。
すなわち、車両が停止する度に、車両の今回の走行における停止地点より前方に表示される過去走行履歴が、同一地点で停止した過去の走行での過去走行履歴となるように更新される。この構成によれば、今回の走行で車両が停止地点に停止することによって車速が0km/hになり、再度車速が上昇する動作が行われる場合であっても、経済走行度が良かった過去走行履歴と比較できるように過去の車速の位置毎の推移が表示される。従って、経済走行度が大きく変化する発進時の車両の車速を経済走行度が良かった過去走行履歴と比較することができ、経済走行度を効果的に向上させることが可能になる。
さらに、本発明のように、複数回の過去の走行についての過去走行履歴を、位置と車速とのそれぞれを軸としたグラフによって表示部に表示する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合や、複数の装置によって実現される場合、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合が想定可能であり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような装置を備えたナビゲーションシステムや方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーション端末の構成:
(2)運転支援処理:
(3)他の実施形態:
(1)ナビゲーション端末の構成:
(2)運転支援処理:
(3)他の実施形態:
(1)ナビゲーション端末の構成:
図1は、車両に搭載された運転支援システムの構成を示すブロック図である。本実施形態において運転支援システムは、ナビゲーション端末10によって実現される。ナビゲーション端末10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20を備えており、ROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとしてナビゲーションプログラムを実行可能である。当該ナビゲーションプログラムは、ナビゲーション端末の表示部に車両の現在位置が含まれる地図を表示して運転者を目的地まで案内する機能を制御部20に実現させるプログラムであり、経済走行度を向上させるための運転支援を行う運転支援プログラム21が含まれている。
図1は、車両に搭載された運転支援システムの構成を示すブロック図である。本実施形態において運転支援システムは、ナビゲーション端末10によって実現される。ナビゲーション端末10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20を備えており、ROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとしてナビゲーションプログラムを実行可能である。当該ナビゲーションプログラムは、ナビゲーション端末の表示部に車両の現在位置が含まれる地図を表示して運転者を目的地まで案内する機能を制御部20に実現させるプログラムであり、経済走行度を向上させるための運転支援を行う運転支援プログラム21が含まれている。
本実施形態にかかる車両は、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43とユーザI/F部44とを備えている。GPS受信部41は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在位置を算出するための信号を示す信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の現在位置を取得する。車速センサ42は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ43は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ42およびジャイロセンサ43等は、車両の走行軌跡を特定するために利用され、本実施形態においては、車両の出発位置と走行軌跡とに基づいて現在位置が特定され、当該出発位置と走行軌跡とに基づいて特定された車両の現在位置がGPS受信部41の出力信号に基づいて補正される。
ユーザI/F部44は、運転者の指示を入力し、また運転者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイからなる表示部やスイッチ等の入力部、スピーカー等の音声出力部を備えている。ユーザI/F部44は制御信号を制御部20から受信し、各種案内を行うための画像をタッチパネルディスプレイに表示し、各種案内を行うための音声をスピーカーから出力する。
記録媒体30には地図情報30aが記録されている。地図情報30aは、車両が走行する道路の端点に対応するノードの位置等を示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ等を含んでいる。また、本実施形態においては、車両が走行するたびに車両の走行履歴を示す走行履歴情報30bが記録媒体30に記録される。本実施形態において走行履歴情報30bは、車両の位置毎の車速を示す情報に単位区間毎の経済走行度を示す情報が対応づけられた情報である。本実施形態においては、単位区間毎の燃費(単位区間毎の平均燃費)によって経済走行度が定義される。このように、本実施形態においては、車速が燃費に影響を与える極めて重要な要因であることに着目し、後述の構成によって車速と燃費とを対応づけて提示することができるように、位置毎の車速に燃費を対応づけた走行履歴情報30bをデータベース化していることになる。
制御部20は、ナビゲーションプログラムに含まれる運転支援プログラム21を実行することにより、車両の過去の走行における位置毎の車速の推移と、今回の走行における位置毎の車速の推移をユーザI/F部44の表示部に表示するこの処理を実行するため、運転支援プログラム21は、今回走行履歴取得部21aと過去走行履歴取得部21bと車速表示部21cとを備えている。
今回走行履歴取得部21aは、車両が走行する過程において車両の車速を位置毎に取得して走行履歴情報30bを生成し、車両が単位区間の長さである単位距離(例えば、100m)を走行する度に当該単位区間内での燃費を計算し、単位区間および単位区間毎の燃費を示す情報を走行履歴情報30bに対応づけて記録媒体30に記録する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、制御部20は、GPS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力信号に基づいて現在位置を取得し、車両の車速センサ42の出力信号に基づいて当該現在位置における車速を取得する処理を継続し、位置毎の車速を示す走行履歴情報30bを生成する。
また、制御部20は、現在位置の推移に基づいて出発地以後、車両が単位距離を走行した地点を単位区間の境界として単位区間の開始位置および終了位置を定義する。そして、制御部20は、当該単位区間を走行するために使用した燃料の量を取得し、単位区間の長さである単位距離を使用した燃料の量で除することにより単位区間の燃費を特定する。単位区間の燃費が特定されると、制御部20は、走行履歴情報30bに燃費および単位区間の開始位置および終了位置を示す情報を対応づけて記録媒体30に記録する。なお、制御部20は、図示しないナビゲーションプログラムにおいて予め設定された目的地に向けて車両が走行を開始した場合に、現在位置が目的地と同一と見なせる状態となったか否かを監視しており、現在位置が目的地と同一と見なせる状態となった場合(目的地に到着した場合)、走行履歴情報30bに目的地を対応づけて記録媒体30に記録する。
また、使用した燃料の量は種々の手法によって特定可能である。例えば、車両が備える燃料タンクに取り付けられた燃料計の出力信号に基づいて使用した燃料の量を特定しても良いし、インジェクタに対する制御信号に基づいてインジェクタから噴射された燃料の量を取得して使用した燃料の量を特定しても良いし、車両に備えられた燃料消費量測定装置の出力情報を社内通信規格(Controller Area Network等)によって取得して使用した燃料の量を特定しても良く、種々の構成を採用可能である。
以上のようにして取得された走行履歴情報30bは、今回走行履歴と過去走行履歴との双方になり得る。すなわち、車両において現在走行中である場合、出発地から現在位置までの走行は今回の走行であり、出発地から現在位置までの走行の過程に取得された走行履歴情報30bは、今回走行履歴を示す情報となる。一方、今回の走行における目的地に車両が到達するなどして今回の走行が終了すると、それ以前に取得された走行履歴情報30bは、過去走行履歴を示す情報となる。今回走行履歴と過去走行履歴とは、例えば、過去走行履歴に過去走行履歴であることを示すフラグを付するなどして区別可能である。
過去走行履歴取得部21bは、記録媒体30を参照し、車両の過去の走行における位置毎の車速に燃費が対応づけられた過去走行履歴から、燃費が良い順に複数回の過去の走行についての過去走行履歴を取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、燃費が良い複数回の過去走行履歴を表示対象の過去走行履歴として取得する。
なお、本実施形態において制御部20は、出発地から目的地に向けた走行を開始する前に走行履歴情報30bを参照して、目的地が同一の過去走行履歴を取得し、当該過去走行履歴に対応づけられた目的地までの燃費を特定する。具体的には、制御部20は、走行履歴情報30bが示す位置毎の車速を参照し、今回の走行における出発地と同一地点において過去の走行で停止し、かつ、今回の走行における目的地と同一の目的地が対応づけられている過去走行履歴を取得する。すなわち、制御部20は、出発地において停止した状態から走行を開始した後に今回の走行における目的地に到達した過去の走行における過去走行履歴を取得する。そして、制御部20は、取得された過去走行履歴の中から燃費が良い順に複数回の過去の走行についての過去走行履歴を取得する。ここで、燃費は、出発地から目的地までの燃費であり、制御部20は、今回の走行における出発地と同一の停止地点を含む単位区間から今回の走行における目的地を含む単位区間までの各単位区間についての燃費を取得し、平均化することによって出発地から目的地までの燃費を特定する。以上の処理の結果、今回の走行における出発地から走行を開始した過去の走行において燃費が良かった複数回分の過去走行履歴が取得される。
さらに、今回の走行の開始後に車両が停止した場合、制御部20は、過去走行履歴取得部21bの処理により、今回の走行における車両の停止地点と同一の停止地点で車両が停止した過去の走行での過去走行履歴から燃費が良い順に複数回の過去の走行についての過去走行履歴を新たに取得する。具体的には、制御部20は、走行履歴情報30bが示す位置毎の車速を参照して車両が過去に停止した停止地点を特定する。そして、今回の走行における車両の停止地点と同一の停止地点で車両が停止した過去の走行での過去走行履歴を特定する。そして、制御部20は、特定された過去走行履歴から燃費が良い順に複数回の過去の走行についての過去走行履歴を新たに取得する。ここで、燃費は、停止地点から目的地までの燃費であり、制御部20は、今回の走行における停止地点と同一の停止地点を含む単位区間から今回の走行における目的地を含む単位区間までの各単位区間についての燃費を取得し、平均化することによって停止地点から目的地までの燃費を特定する。以上の処理の結果、本実施形態においては、今回の走行で車両が停止する度に、今回の走行における停止地点から走行を再開した過去の走行において燃費が良かった複数回分の過去走行履歴が取得される。なお、本実施形態においては、停止地点等(停止地点や目的地)が今回の走行と過去の走行とで同一であるか否かが判定されるが、むろん、ここでは、今回の走行における停止地点等と過去の走行における停止地点等とが所定範囲の距離内にある場合に同一地点と見なす構成を採用可能である。
車速表示部21cは、複数回の過去の走行についての過去走行履歴を、位置と車速とのそれぞれを軸としたグラフによって表示部に表示する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、過去走行履歴取得部21bの処理によって取得された過去走行履歴が示す、複数回の過去の走行における位置毎の車速の推移をグラフ上で比較可能に表示する。また、制御部20は、今回走行履歴取得部21aの処理によって取得された今回走行履歴が示す、車両の今回の走行における位置毎の車速の推移を同一グラフ上で比較可能に表示する。
具体的には、制御部20は、過去走行履歴および今回走行履歴を同一グラフ上で表示するための制御信号をユーザI/F部44の表示部に対して出力する。この結果、ユーザI/F部44の表示部においては、過去走行履歴および今回走行履歴を示すグラフが表示される。図3A〜3Bは当該グラフの例であり、これらの図に示すように、表示部には横軸を位置(m)、縦軸を車速(km/h)としたグラフが表示され、縦軸の範囲は表示対象の過去走行履歴および今回走行履歴に応じて適宜変動し得る。横軸の範囲は−130m(後方130m)〜130m(前方130m)であり、中央の0mは今回の走行における車両の現在位置である。むろん、横軸の範囲が変動するような構成を採用しても良い。
また、図3A〜3Cに示す各グラフにおいては、太い実線の曲線、細い実線の曲線、細い破線の曲線、細い一点鎖線の曲線によって過去走行履歴を示しており、太い二点鎖線が今回走行履歴を示している。なお、図3Aに示すグラフは車両の現在位置が出発地である場合の例であり、図3Bに示すグラフは車両が走行中である場合の例であり、図3Cに示すグラフは車両の現在位置が停止地点である場合の例である。
本実施形態において、図3A〜3Cに示すグラフの横軸は、車両の現在位置から−130m〜130mの範囲が含まれるように範囲が設定されており、表示対象の走行履歴が存在すれば、現在位置における車速のみならず−130m〜130mの範囲に含まれる位置での車速がグラフ上に表示される。また、各過去走行履歴は1本の連続的な曲線で示されている。すなわち、所定範囲内(本例では−130m〜130mの範囲内)の位置の車速がグラフで示されることによって位置毎の車速の推移が継続的に表示されるように構成されている。
以上の構成により、ユーザI/F部44の表示部には、燃費が良い順に取得された複数回の過去の走行における位置毎の車速を示すグラフが表示される。この結果、運転者は、走行中に燃費が良かった過去の走行について、位置毎の車速を把握しながら運転を行うことができる。従って、表示された車速のいずれかに近い状態で車速が推移するように運転者が運転を行えば燃費が良かった過去の状態を再現することが可能であり、燃費を向上させるための運転支援を行うことができる。
また、過去の走行のうち、燃費が良かった複数回の過去の走行についての過去走行履歴が表示部に表示されるため、運転者がある一つの過去走行履歴と同等の車速で走行することを目標としている場合において、現在の車両の車速が目標とされた車速と異なってしまった場合であっても、表示された他の過去走行履歴の車速に近ければ依然として燃費を向上可能であるとして目標を変更して走行を継続することができる。例えば、図3Bに示す例において、太い実線の曲線の車速を目標として太い二点鎖線の曲線のような車速で今回の走行を行った後、加速を行って太い実線の曲線に示された車速と二点鎖線の曲線で示された車速とが異なってしまった場合であっても、運転者が細い破線の曲線で示された車速を新たな目標とすれば燃費向上のための運転を続けることができる。このため、目標とされた車速と異なってしまった場合であっても燃費を向上させる機会を運転者に提供することができ、運転者の意欲を低下させることを抑制することができる。
さらに、ユーザI/F部44の表示部に表示されたグラフには、今回の走行における位置毎の車速が対比可能に表示される。従って、運転者が今回の走行における車速を燃費が良かった過去の走行における車速と同等になるように運転することが容易になる。さらに、本実施形態においては、車両の出発直後において、出発地から目的地までの燃費が良い順に過去走行履歴が取得され、表示される。従って、この構成によれば、出発地から目的地までの燃費を向上させるための運転支援を行うことが可能である。
さらに、本実施形態においては、車両が停止する度に、車両の今回の走行における停止地点から目的地までの燃費が良い順に過去走行履歴が取得され、今回の走行における停止地点より前方の過去走行履歴が更新されて表示される。すなわち、本実施形態においては、今回の走行の車速の推移が、グラフに表示された過去の走行の車速の推移に類似するように運転を行うことによって燃費を向上させることが可能になるため、今回の走行での車速に類似した車速が過去走行履歴として表示されていることが好ましい。本実施形態においては、今回の走行での停止地点よりも前方の過去走行履歴が更新されて表示されるため、今回の走行で車両が停止した場合、少なくとも、今回の走行での停止地点よりも前方においては、車両での巡航走行中の車速(例えば、時速50km/h等)ではなく、停止地点から車速が徐々に上昇するような過去走行履歴がグラフに表示されることになる。例えば、今回の走行で車両が停止した場合、図3Bに示すようなグラフではなく、図3Cに示すグラフのように停止地点から車速が徐々に上昇するような過去走行履歴がグラフに表示される。
従って、今回の走行での停止地点よりも前方の位置における複数回の過去の走行における過去の車速と現在の車速とは近い範囲に含まれることになり、今回の走行で車両が停止地点に停止することによって車速が0km/hになり、再度車速が上昇する動作が行われる場合であっても、燃費が良かった過去走行履歴と比較できるように過去の車速の位置毎の推移が表示される。このため、燃費が大きく変化する発進時の車両の車速を燃費が良かった過去走行履歴と比較することができ、過去走行履歴が示す過去の車速に合わせるように現在の車速を調整することが容易になり、燃費を効果的に向上させることが可能になる。
(2)運転支援処理:
次に、運転支援処理について詳細に説明する。図2は、運転支援処理のフローチャートであり、本実施形態において制御部20は、ナビゲーションプログラムの処理によって目的地の設定が行われた後に運転支援処理を開始する。運転支援処理において、制御部20は、過去走行履歴取得部21bの処理により、走行履歴情報30bを参照し、出発地から目的地までの燃費が良い順に複数回の過去の走行の過去走行履歴を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、出発地と同一の地点で停止し、かつ、ナビゲーションプログラムの処理によって設定された目的地と同一の目的地まで走行した過去の走行についての過去走行履歴を記録媒体30に記録された走行履歴情報30bから取得する。そして、制御部20は、取得された過去走行履歴に対応づけられた燃費を参照し、各過去走行履歴について出発地から目的地までの燃費を取得し、取得された燃費が良い順に複数回(本実施形態においては、4回)の過去の走行の過去走行履歴を取得する。なお、出発地から目的地までの燃費を取得するため、制御部20は、過去走行履歴を参照し、今回の走行における出発地と同一の停止地点を含む単位区間から今回の走行における目的地を含む単位区間までの各単位区間についての燃費を取得し、平均化する処理を行う。
次に、運転支援処理について詳細に説明する。図2は、運転支援処理のフローチャートであり、本実施形態において制御部20は、ナビゲーションプログラムの処理によって目的地の設定が行われた後に運転支援処理を開始する。運転支援処理において、制御部20は、過去走行履歴取得部21bの処理により、走行履歴情報30bを参照し、出発地から目的地までの燃費が良い順に複数回の過去の走行の過去走行履歴を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、出発地と同一の地点で停止し、かつ、ナビゲーションプログラムの処理によって設定された目的地と同一の目的地まで走行した過去の走行についての過去走行履歴を記録媒体30に記録された走行履歴情報30bから取得する。そして、制御部20は、取得された過去走行履歴に対応づけられた燃費を参照し、各過去走行履歴について出発地から目的地までの燃費を取得し、取得された燃費が良い順に複数回(本実施形態においては、4回)の過去の走行の過去走行履歴を取得する。なお、出発地から目的地までの燃費を取得するため、制御部20は、過去走行履歴を参照し、今回の走行における出発地と同一の停止地点を含む単位区間から今回の走行における目的地を含む単位区間までの各単位区間についての燃費を取得し、平均化する処理を行う。
次に、制御部20は、車速表示部21cの処理により、複数回の過去の走行の過去走行履歴と、今回走行履歴とを表示する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、過去走行履歴と今回走行履歴とを示すグラフを表示するための制御信号をユーザI/F部44の表示部に対して出力し、過去走行履歴と今回走行履歴とを示すグラフを表示部に表示させる。
なお、本実施形態において制御部20は、複数回の過去の走行についての過去走行履歴が区別できるように各過去走行履歴を示す曲線の線種を変更して過去走行履歴を表示する。さらに、制御部20は、表示される過去走行履歴の中で燃費が相対的に良かった走行についての過去走行履歴を強調表示する。本実施形態においては、最も燃費が良かった走行についての過去走行履歴を太い実線の曲線で強調表示し、2番目に燃費が良かった走行についての過去走行履歴を細い実線の曲線で表示し、3番目に燃費が良かった走行についての過去走行履歴を細い破線の曲線で表示し、4番目に燃費が良かった走行についての過去走行履歴を細い一点鎖線の曲線で表示する構成が採用されている。すなわち、燃費が良いほど目立ちやすい曲線で表示される構成されている。この構成により、燃費が相対的に良かった走行についての過去走行履歴が強調されることになり、燃費をより良い状態にするために車速を合わせるべき過去走行履歴をわかりやすく表示することができる。
さらに、過去走行履歴毎の燃費を相対的に比較することが可能になるため、過去走行履歴が示す車速の分布から理想の燃費を推定することも可能になる。例えば、燃費が最も良かった過去走行履歴が示す車速よりも遅い車速域と速い車速域とに、他の過去走行履歴が示す車速が分布している場合、燃費が最も良かった過去走行履歴が示す車速が燃費として理想的(あるいは理想に近い)と推定することができる。より具体的には、図3Bに示す例においては、最も燃費が良かった走行についての過去走行履歴(太い実線の曲線)より遅い車速域に2番目に燃費が良かった走行についての過去走行履歴(細い実線の曲線)が分布している。また、最も燃費が良かった走行についての過去走行履歴より速い車速域に3番目、4番目に燃費が良かった走行についての過去走行履歴(細い破線の曲線、細い一点鎖線の曲線)が分布している。従って、この場合においては、燃費が最も良かった過去走行履歴が示す車速が燃費として理想的(あるいは理想に近い)と推定することができる。
一方、燃費が最も良かった過去走行履歴が示す車速よりも速い車速域には他の過去走行履歴が示す車速が分布しているが、燃費が最も良かった過去走行履歴が示す車速よりも遅い車速域には他の過去走行履歴が示す車速が分布していない場合、燃費として理想的な車速がより遅い車速である可能性があると推定することができる。より具体的には図3Aに示す例においては、最も燃費が良かった走行についての過去走行履歴(太い実線の曲線)より速い車速域に2番目、3番目、4番目に燃費が良かった走行についての過去走行履歴(細い実線の曲線、細い破線の曲線、細い一点鎖線の曲線)が分布している。しかし、最も燃費が良かった走行についての過去走行履歴より遅い車速域に過去走行履歴は分布していない。従って、この場合においては、燃費として理想的な車速がより遅い車速である可能性があると推定することができる。
次に、制御部20は、車速表示部21cの処理により、車両が所定距離移動したか否かを判定し(ステップS110)、所定距離移動したと判定された場合、ステップS105以降の処理を繰り返す。すなわち、所定距離移動することによって、直前にステップS105にて表示部にグラフを表示した状態よりも現在位置が前方に所定距離移動しているため、再度ステップS105が実行された場合には、直前に表示されていたグラフにおける現在位置の情報が所定距離だけ後方の位置に移動するようにグラフを更新して過去走行履歴と今回走行履歴とを表示する。
一方、ステップS110において、車両が所定距離移動したと判定されない場合、制御部20は、過去走行履歴取得部21bの処理により、車両が停止したか否かを判定する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、車速センサ42の出力信号が示す車速が所定車速以下となった場合に車両が停止したと判定する。ステップS115において、車両が停止したと判定されない場合、制御部20は、ステップS110以降の処理を繰り返す。
一方、ステップS115において、車両が停止したと判定された場合、制御部20は、走行履歴情報30bを参照し、同一停止地点で停止した複数回の過去の走行の過去走行履歴を燃費が良い順に取得する(ステップS120)。すなわち、今回の走行において車両が停止地点で停止した場合、同一の停止地点で停止し、かつ、ナビゲーションプログラムの処理によって設定された目的地と同一の目的地まで走行した過去の走行についての過去走行履歴を記録媒体30に記録された走行履歴情報30bから取得する。そして、制御部20は、取得された過去走行履歴に対応づけられた燃費を参照し、各過去走行履歴について停止地点から目的地までの燃費を取得し、取得された燃費が良い順に複数回(本実施形態においては、4回)の過去の走行の過去走行履歴を取得する。そして、制御部20は、ステップS105以降の処理を繰り返す。すなわち、制御部20は、ステップS120にて取得された過去走行履歴と今回走行履歴とを表示部に表示して処理を継続する。なお、停止地点から目的地までの燃費を取得するため、制御部20は、過去走行履歴を参照し、今回の走行における停止地点と同一の停止地点を含む単位区間から今回の走行における目的地を含む単位区間までの各単位区間についての燃費を取得し、平均化する処理を行う。
次に、以上の処理によって表示部に表示されるグラフの例を図3A〜3Cによって説明する。まず、目的地が設定されることによって運転支援処理のステップS100,S105が実行されると、今回の走行における出発地と同一の地点で停止し、かつ、今回の走行における目的地まで走行した過去の走行における過去走行履歴が取得されて表示される。図3Aは、この場合の例を示しており、出発前であるため、今回走行履歴は表示されず、過去走行履歴は出発地である現在位置(横軸の0mの位置)よりも前方に表示され、現在位置よりも後方には表示されない。
車両が出発地を出発して目的地に向かい、車両が巡航速度で走行している過程においては、ステップS110にて所定距離移動したと判定された結果、ステップS105にて表示内容が更新されるという処理が繰り返される。図3Bは、車両が巡航速度で走行している過程におけるグラフの例を示しており、図3Bにおいては太い二点鎖線の曲線に示されるような車速で車両が今回の走行を行って現在位置に到達した例を示している。この例において、今回の走行における車両の車速の推移は、最も燃費が良い過去の走行における車速の推移(太い実線の曲線)に類似しているため、運転者が現在位置以後も最も燃費が良い過去の走行における車速の推移に合わせて車速を調整することで、燃費を向上させることが可能である。また、仮に、今回の走行における車両の車速の推移が最も燃費が良い過去の走行における車速の推移と異なる状態になったとしても、運転者は、グラフ上に表示された他の車速の推移に近づけることができれば燃費が良い状態であることを認識することができる。従って、運転者が燃費を向上させる意欲を低下させることなく燃費向上のための運転支援を行うことができる。
さらに、今回の走行において車両が停止位置で停止すると、ステップS115を経てステップS120が実行されて過去走行履歴が更新され、ステップS105にて表示内容が更新される。従って、今回の走行において車両が停止するための車速が徐々に低下し、仮に、図3Cにおいて現在位置より後方に示すように今回の走行の車速の推移に類似する過去走行履歴が存在しなかった場合であっても、停止位置より前方においては、燃費が良かった過去の走行における過去走行履歴が表示され得る状態とすることができる。従って、運転者は、再度、燃費向上のための支援を受けることができる。
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、複数回の過去の走行についての過去走行履歴を、位置と車速とのそれぞれを軸としたグラフによって表示部に表示する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、走行履歴情報30bが記録された記録媒体は、運転支援システムに含まれていても良いし、運転支援システムと連携する他の装置(情報管理サーバ等)に含まれていても良い。後者の場合、各種通信によって運転支援システムが他の装置の記録媒体を参照すれば良い。
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、複数回の過去の走行についての過去走行履歴を、位置と車速とのそれぞれを軸としたグラフによって表示部に表示する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、走行履歴情報30bが記録された記録媒体は、運転支援システムに含まれていても良いし、運転支援システムと連携する他の装置(情報管理サーバ等)に含まれていても良い。後者の場合、各種通信によって運転支援システムが他の装置の記録媒体を参照すれば良い。
むろん、ナビゲーション端末10からなる運転支援システムは、車両に固定的に搭載されていても良いし、持ち運び可能なナビゲーション端末10が車両内に持ち込まれて利用される態様であっても良い。
さらに、過去走行履歴は、当該過去走行履歴の車速を再現することで当該過去走行履歴に対応づけられた経済走行度を再現できるように定義されればよい。従って、上述の実施形態のように、過去走行履歴が取得された車両と、当該過去走行履歴が参照されて車速の再現が試みられる車両とが同一であってもよいが、経済走行度が同等になり得る範囲で車両が異なっても良い。例えば、同一車種の同一仕様の多数の車両についての過去走行履歴を収集し、当該車種の当該仕様の任意の車両に過去走行履歴を提供するような態様であっても良い。
経済走行度は車両によるエネルギーの消費量が少ないほど良いと見なされるように定義されればよく、燃費以外にも種々の要素を経済走行度によって定義可能である。例えば、車両の単位距離あたりのエネルギー消費量が基準のエネルギー消費量よりも少ない場合における走行を経済走行とし、当該経済走行が行われた割合を評価区間について評価する構成等を採用可能である。むろん、エネルギー消費量は直接的に評価されても良いし、間接的に評価されてもよい。前者としてはエネルギー消費量を実測する構成が想定され、後者としてはエネルギー消費量が多くなる運転操作等が行われたか否かを判定する構成や、車速や加速度等が示す車両動作がエネルギー消費量の多くなる動作であるか否かを判定する構成等を採用可能である。むろん、エネルギーは、液体燃料によって生成されても良いし、電力によって生成されても良いし、各種のエネルギー源を想定可能である。
さらに、経済走行度の評価区間は任意である。例えば、車両の単位区間毎の経済走行度を比較し、単位区間毎の経済走行度が良い順に過去走行履歴を取得して表示する構成としても良い。例えば、制御部20が、走行履歴情報30bを参照し、出発地から目的地までの走行予定経路上の各単位区間についての過去走行履歴を取得する構成とする。さらに、制御部20が、取得された過去走行履歴から、グラフ上での表示対象となる過去走行履歴(現在位置の前後所定範囲内の位置についての過去走行履歴)を取得し、ユーザI/F部44の表示部に表示させる構成とする。図4は、単位区間毎の経済走行度が良い順に過去走行履歴を取得して表示する構成におけるグラフの表示例を示しており、単位区間Zuの境界線を縦方向の破線で示している。図4に示す例においては、単位区間Zu毎に経済走行度が良い上位4回分の過去の走行での過去走行履歴が表示されるため、単位区間毎の経済走行度を向上させるための運転支援を行うことが可能である。なお、本例において、単位区間の開始位置および終了位置は今回の走行と過去の走行とで同一であるが、むろん、今回の走行や過去の走行同士で単位区間の開始位置および終了位置が異なっていても良い。
さらに、複数回の過去の走行のそれぞれを区別するための構成としては、上述のように線種を変更する構成の他にも種々の構成を採用可能であり、例えば、複数回の過去の走行のそれぞれを色によって区別可能な態様で過去走行履歴を表示する構成を採用可能である。過去走行履歴を強調する態様としても種々の態様を採用可能であり、例えば、視認されやすい色であるほど強調されているように構成しても良い。
さらに、表示対象となる過去走行履歴を選択するための要素を追加しても良く、例えば、過去走行履歴が示す車速の値が、今回の走行における車両の車速±所定値の範囲に存在する過去走行履歴を表示対象とする構成としても良い。
さらに、停止地点から目的地までの燃費を特定可能にするための構成は種々の構成を採用可能であり、例えば、制御部20が今回走行履歴取得部21aの処理によって生成する走行履歴情報30bに停止地点から目的地までの燃費を対応づける構成としても良い。すなわち、車両が目的地まで走行した後に、制御部20が目的地より前の停止地点を特定し、各停止地点を含む単位区間から目的地を含む単位区間までの各単位区間についての燃費を取得し、平均化することによって各停止地点から目的地までの燃費を取得し、走行履歴情報30bに対応づけて記録媒体30に記録する構成としても良い。
10…ナビゲーション端末、20…制御部、21…運転支援プログラム、21a…今回走行履歴取得部、21b…過去走行履歴取得部、21c…車速表示部、30…記録媒体、30a…地図情報、30b…走行履歴情報、41…GPS受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、44…ユーザI/F部
Claims (10)
- 車両の過去の走行における位置毎の車速に経済走行度が対応づけられた過去走行履歴が記録された記録媒体を参照し、前記経済走行度が良い順に複数回の過去の走行についての前記過去走行履歴を取得する過去走行履歴取得手段と、
前記複数回の過去の走行についての前記過去走行履歴を、位置と車速とのそれぞれを軸としたグラフによって表示部に表示する車速表示手段と、
を備えることを特徴とする運転支援システム。 - 前記車両の今回の走行における位置毎の車速を示す今回走行履歴を取得する今回走行履歴取得手段を備え、
前記車速表示手段は、前記今回走行履歴を前記グラフに表示する、
請求項1に記載の運転支援システム。 - 前記経済走行度は、前記車両の停止地点から目的地までの経済走行度であり、
前記過去走行履歴取得手段は、前記停止地点から前記目的地までの前記経済走行度が良い順に前記過去走行履歴を取得し、
前記車速表示手段は、取得された前記過去走行履歴を表示する、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の運転支援システム。 - 前記経済走行度は、前記車両の単位区間毎の経済走行度であり、
前記過去走行履歴取得手段は、前記車両の現在位置が含まれる前記単位区間についての前記過去走行履歴を前記経済走行度が良い順に取得し、
前記車速表示手段は、取得された前記過去走行履歴を表示する、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の運転支援システム。 - 前記車速表示手段は、前記複数回の過去の走行のそれぞれを区別可能であるとともに、前記経済走行度が相対的に良かった走行についての前記過去走行履歴が強調される態様で、前記過去走行履歴を表示する、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の運転支援システム。 - 前記車速表示手段は、前記複数回の過去の走行のそれぞれを色によって区別可能な態様で、前記過去走行履歴を表示する、
請求項5に記載の運転支援システム。 - 前記過去走行履歴取得手段は、今回の走行において前記車両が停止した場合、今回の走行における前記車両の停止地点と同一の停止地点で前記車両が停止した過去の走行での前記過去走行履歴から前記経済走行度が良い順に複数回の過去の走行についての前記過去走行履歴を新たに取得し、
前記車速表示手段は、新たに取得された前記過去走行履歴を今回の走行における前記車両の停止地点よりも前方の位置についての前記グラフに表示する、
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の運転支援システム。 - 前記経済走行度は、車両の単位距離あたりのエネルギー消費量が少ないほど良いと見なされる、
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の運転支援システム。 - 車両の過去の走行における位置毎の車速に経済走行度が対応づけられた過去走行履歴が記録された記録媒体を参照し、前記経済走行度が良い順に複数回の過去の走行についての前記過去走行履歴を取得する過去走行履歴取得工程と、
前記複数回の過去の走行についての前記過去走行履歴を、位置と車速とのそれぞれを軸としたグラフによって表示部に表示する車速表示工程と、
を含むことを特徴とする運転支援方法。 - 車両の過去の走行における位置毎の車速に経済走行度が対応づけられた過去走行履歴が記録された記録媒体を参照し、前記経済走行度が良い順に複数回の過去の走行についての前記過去走行履歴を取得する過去走行履歴取得機能と、
前記複数回の過去の走行についての前記過去走行履歴を、位置と車速とのそれぞれを軸としたグラフによって表示部に表示する車速表示機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする運転支援プログラム。
Priority Applications (1)
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JP2012216081A JP2014070948A (ja) | 2012-09-28 | 2012-09-28 | 運転支援システム、方法およびプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012216081A JP2014070948A (ja) | 2012-09-28 | 2012-09-28 | 運転支援システム、方法およびプログラム |
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JP2014070948A true JP2014070948A (ja) | 2014-04-21 |
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- 2012-09-28 JP JP2012216081A patent/JP2014070948A/ja active Pending
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