JP2014067533A - 有機el表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工程数の増加なく各色最適な有機EL素子構成層を有し高効率且つ長寿命の有機EL表示装置。
【解決手段】基板上に形成された第1電極(102)と、該第1電極(102)を囲み発光画素領域となる第1開口部(110)を形成する第1絶縁層(103)と、第1開口部(110)の外側に該第1開口部(110)を含んだ第2開口部(111)を形成する第2絶縁層(104)と、第1電極上(102)に形成された有機発光層を含む発光媒体層(105)と、を備え、第1電極(102)から発光媒体層(105)を挟んで第1電極(102)に対向する第2電極(106)までを組み合わせた有機EL素子構成層が複数形成され、該有機EL素子構成層は、第1開口部面積と第2開口部面積との比率の異なる2種類以上を形成し、発光媒体層の各層のうち少なくとも1層は全画素一括に成膜されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置とその製造方法に関する。
有機EL表示装置は複数の有機EL素子により構成される。有機EL素子は、陽極としての電極と、陰極としての電極との間に、少なくともEL現象を呈する有機発光層を挟持してなる構造を有し、電極間に電圧が印加されると、有機発光層に正孔と電子とが注入され、この正孔と電子とが有機発光層で再結合することにより、有機発光層が発光する自発光型の素子である。さらに、有機EL素子において、発光効率を増大させるなどの目的から、陽極と有機発光層との間に正孔注入層、正孔輸送層、又は、有機発光層と陰極との間に電子輸送層、電子注入層などの機能層が適宜選択して設けられている。そして、有機発光層とこれら正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などの機能層を合わせて有機発光媒体層と呼ばれている。
有機発光媒体層を形成する有機材料には、低分子材料と高分子材料が有り、良く使用される方法として、低分子材料では真空蒸着法等により薄膜形成する方法がある。このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出にくいという問題がある。また、真空中で成膜するためにスループットが悪いという問題もある。
そこで高分子材料や低分子材料を溶媒に溶かしてインキとし、これをウェットコーティング法で薄膜形成する方法が試みられている。薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法、ディップコート法、印刷法等がある。高精細にパターニングしたり赤緑青(以下、RGBという)3色に塗り分けしたりする場合には、塗り分け・パターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。
有機材料を溶媒に溶解または分散させてインキとした場合、有機材料の溶解性から濃度を1〜5%前後とする必要がある。このインキを印刷する方法としては、弾性を有するゴム版や樹脂版を用いる有版印刷、さらにはインクジェット印刷法(例えば特許文献1参照)、ノズル印刷法などが提案されている。
有版印刷によるパターン形成方法としては、凹版印刷、平版印刷、スクリーン印刷、凸版印刷法などが提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2002−305077号公報 特開2008−216949号公報
しかしながら、被印刷基板としてガラス基板等を用いる有機EL素子やディスプレイでは、被印刷基板にキズやゆがみを生じるため、グラビア印刷法のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きである。また、有機発光層形成材料を溶媒に溶解若しくは分散させたインキは一般に粘度が低いため、オフセット印刷やスクリーン印刷には適さない。これに対し、ゴムやその他の樹脂を主成分とした感光性樹脂版を用いる凸版印刷法は、基板を傷つけることもなく、低粘度のインキにも適している。実際に、凸版印刷法による有機発光層の形成が提唱されている。
これら凸版印刷法やインクジェット法にて被印刷基板上に有機発光媒体層を形成する場合、濃度が1〜5%前後のインキがそのままの状態で被印刷基板に転写される。したがって、有機発光インキをRGB三色に塗り分けする場合、有機発光インキが隣の画素まで広がってしまい、混色が生じてしまう。そのため、インキの広がりを抑えるために隔壁を設け、さらに隔壁によって仕切られた画素電極内に有機発光インキを印刷するという方法が用いられている。
一般的には隔壁には、パターニングされた感光性ポリイミド等の絶縁物がサブピクセルを区画するように形成されている。その際、隔壁パターンは陽極として成膜されている透明電極のエッジ部を覆うように形成され、隔壁パターンがサブピクセル領域を規定している。
フルカラーの表示装置を提供する方法としては、RGBに発光する3色のサブピクセルを1組として周期的に複数配置する方法がよく用いられており、RGBの色ごとに発光するよう設計された有機材料がパターニングされ有機発光層として形成される。
発光媒体層の中で有機発光層以外の機能層として働く層についても、RGBごとに最適となる材料や膜厚で成膜することで、各色の有機EL発光特性を最適化することができるが、それぞれの色ごとに機能層を塗り分けすると製造コストが高くなり、また生産性が悪くなるという欠点があった。
そのため、製造工程を出来るだけ少なくするために、有機発光層以外の機能層として働く発光媒体層は、RGB共通層として一様に一括で形成する方法が用いられており、RGBのバランスを考えて共通層の膜厚を設計する必要があり、RGBそれぞれの色ごとの最適条件にすることができないという問題もあった。
本発明は、上述した背景技術の問題を解決することを目的としてなされたものであり、製造時の工程数を増加させることなく、各色共に最適の有機EL素子構成層を有した高効率且つ長寿命の有機EL表示装置及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、発光画素領域を規定する第1絶縁層と、第1絶縁層の外側を囲うように形成された第2絶縁層を設けた構造において、第1絶縁層と第2絶縁層の面積比を変えることで、一括に全画素を成膜した場合においても、その面積比に応じてウェットコーティング法により成膜された有機膜の膜厚を変化させることが出来ることを見出した。それにより、例えば色ごとに第1絶縁層と第2絶縁層の比率を変化させた基板とすることで、それぞれの有機発光材料に最適な機能層膜厚を成膜工程の増加なしに、一括成膜にて得ることができることがわかった。
第1の発明は、基板上に電極と絶縁層と有機発光層を含む発光媒体層とを有する有機EL表示装置において、前記基板上に形成された第1電極と、該第1電極を囲み発光画素領域となる第1開口部を形成する第1絶縁層と、前記第1開口部の外側に該第1開口部を含んだ第2開口部を形成する第2絶縁層と、前記第1電極上に形成された前記有機発光層を含む発光媒体層と、を備え、前記第1電極から前記発光媒体層を挟んで前記第1電極に対向する第2電極までを組み合わせた有機EL素子構成層が複数形成され、該有機EL素子構成層は、前記第1開口部面積と前記第2開口部面積との比率の異なる2種類以上を形成し、前記発光媒体層の各層のうち少なくとも1層は全画素一括に成膜されていることを特徴とする有機EL表示装置である。この構成により、製造時の工程数を増加させることなく、全画素を一括成膜にて成膜される機能層膜厚を、各有機発光材料に最適となるような膜厚とした有機EL素子構成層を持った有機EL表示装置及びその製造方法を得ることが出来る。その結果、製造コストを増加させることなく、良好な特性の有機EL表示装置の製造を可能とする。
第2の発明は、前記第1開口部面積と第2開口部面積の比率が、3%以上異なる2種類以上の有機EL素子構成層を持つことを特徴とする、請求項1に記載の有機EL表示装置である。
第3の発明は、前記第1開口部面積と前記第2開口部面積の比率が異なる有機EL素子構成層ごとに、発光強度ピークの波長が異なる前記有機発光層が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機EL表示装置である。
第4の発明は、前記複数形成された有機EL素子構成層は、前記発光画素領域となる前記第1開口部面積を複数で同一に揃え、前記第2開口部面積が複数で異なるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機EL表示装置である。
第5の発明は、前記第1絶縁層の膜厚が、前記発光媒体層の第1開口部の中央膜厚より薄いことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL表示装置である。
第6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機EL表示装置の製造方法であって、前記全画素一括に成膜されている層はウェットコーティング法により形成されることを特徴とする有機EL表示装置の製造方法である。
第7の発明は、前記ウェットコーティング法が印刷法であることを特徴とする請求項6に記載の有機EL表示装置の製造方法である。
第8の発明は、前記ウェットコーティング法が凸版印刷法であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の有機EL表示装置の製造方法である。
第9の発明は、請求項6〜8のいずれか1項に記載の有機EL表示装置の製造方法であって、前記有機発光層の成膜方法が凸版印刷法であることを特徴とする有機EL表示装置の製造方法である。
本発明により、製造時の工程数を増加させることなく、各色共に最適の有機EL素子構成層を有した高効率且つ長寿命の有機EL表示装置及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の概略断面図である。 本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の開口部の正面図である。 本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法に用いる凸版印刷装置の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、ここでは、有機EL表示装置に適用される、図1に示すアクティブマトリクス駆動型の有機EL表示素子10をボトムエミッション型として本発明に適用した場合について説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、パッシブマトリクス駆動型の有機EL素子に適用することも可能であり、また、第1電極側から光を取り出すボトムエミッション型及び第2電極側から光を取り出すトップエミッション型の双方の型で実施することが可能である。
図1は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の概略断面図である。本発明のアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置に適応される有機EL表示素子10の概略断面図の一例である。図2は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の開口部の正面図である。
本発明のアクティブマトリックス駆動型有機EL表示装置に適応される有機EL表示素子10の開口部の正面図の一例である。以下、本発明を適用した有機EL表示素子10について、図1、図2を参照して説明する。
図1及び図2に示すアクティブマトリクス駆動型の有機EL表示素子10は、画素ごとに設けられる薄膜トランジスタTFTを備えたTFT基板101と、第1電極102(陽極)と、第1電極102の周端を覆うように設けられ第1開口部110を形成する第1絶縁層103と、第1開口部よりも外側で第1開口部を含んで設けられ第2開口部111を形成する第2絶縁層104と、第2開口部111内で第1電極102上に形成される発光媒体層105と、発光媒体層105上に形成される第2電極106(陰極)とを備える。
発光媒体層105は1層以上の層構成を持つ有機発光層と、正孔輸送層、正孔注入層、インターレイヤ層、電子ブロック層、電子輸送層、電子注入層、正孔ブロック層などの機能層を少なくとも1層以上持った構成となっており、機能層の1層以上がウェットコーティング法により全画素一括に成膜されているウェットコート層105aとなる。ウェットコート層105aは有機発光層よりも第1電極側に形成されていることがより好ましい。
すなわち、本発明における有機EL表示装置は、基板上に形成された第1電極102と、該第1電極102を囲み発光画素領域となる第1開口部110を形成する第1絶縁層103と、第1開口部110の外側に該第1開口部110を含んだ第2開口部111を形成する第2絶縁層104と、第1電極上102に形成された有機発光層を含む発光媒体層105と、を備え、第1電極102から発光媒体層105を挟んで第1電極102に対向する第2電極106までを組み合わせた有機EL素子構成層が複数形成され、該有機EL素子構成層は、第1開口部面積と第2開口部面積との比率の異なる2種類以上を形成し、発光媒体層の各層のうち少なくとも1層は全画素一括に成膜されている。なお、有機EL素子構成層は、第1電極102から発光媒体層105を挟んで第1電極102に対向する第2電極106までを組み合わせて有機EL素子を構成する部分である。
本発明における有機EL表示装置は、第1開口部110と第2開口部111の面積の比率が異なる2種類以上の有機EL表示素子10よって構成されている。好ましくは面積比率の違いが3%以上異なる2種類以上の有機EL表示素子10によって構成されている。
本発明における有機EL表示装置は、発光強度ピーク波長が同じ有機発光層を持つ有機EL表示素子10は、第1開口部110と第2開口部111の面積の比率も同じとなるように構成することが望ましい。すなわち、第1開口部面積と第2開口部面積の比率が異なる有機EL素子構成層ごとに、発光強度ピークの波長が異なる有機発光層が形成される。
なお、複数形成された有機EL素子構成層は、発光画素領域となる第1開口部面積を複数で同一に揃え、第2開口部面積が複数で異なるようにした。
また、第1絶縁層103の膜厚は1μm以下が好ましい。より好ましくは発光媒体層105の第1開口部110の中央膜厚より薄い膜厚である。
尚、図2において第1開口部110及び第2開口部111の開口パターンは長方形をしているが、開口パターンについてはその限りではない。また、第1開口部110と第2開口部111についても同様の開口パターンである必要はなく、第1開口部を含んで第2開口部が形成されていれば良い。また、第1開口部110の面積が、本発明の有機EL表示装置の全ての有機EL表示素子10で同じであっても、第2開口部111との面積比率が異なる2種類以上の有機EL表示素子10によって構成されていれば良い。
<基板>
本発明で用いることのできる基板101としては、基板に積層される電極や有機発光媒体層を支持することができればよい。基板には、さらに、有機発光媒体層や電極の劣化を防ぐために、水分や酸素の透過率の低い材料や、透過を防ぐ処理を施してあることが好ましい。有機EL表示装置をアクティブマトリクス駆動とする場合には基板として薄膜トランジスタを形成したTFT基板を用いることができる。
基板の材料としては、ステンレスや鉄などの金属、ガラス、プラスチックのフィルムまたはシートを用いることができる。0.2〜1.0mmの薄いガラス基板を用いれば、水分や酸素に対するバリア性が非常に高い薄型の有機EL素子を作製することができる。第1電極側から光を取り出す、いわゆるボトムエミッションタイプの有機EL素子とする場合には、ガラスやプラスチック等の透光性を備えている基板を用いる。
可撓性のあるプラスチック製のフィルムを用いれば、巻き取りにより連続的に有機EL素子の製造が可能であり、安価に素子を提供することができる。基板として用いることのできるプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等を用いることができる。また、第1電極102を製膜しない側にセラミック蒸着フィルムやポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物等の他のガスバリア性フィルムを積層すれば、よりバリア性が向上し、寿命の長い有機EL素子とすることができる。
<第1電極>
第1電極102には、透明または半透明の電極を形成することのできる導電性物質を好適に使用することができる。
第1電極102が陽極である場合、例えば、インジウムと錫の複合酸化物(以下、ITOと略す)、インジウムと亜鉛の複合酸化物(以下、IZOと略す)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、亜鉛アルミニウム複合酸化物等が挙げられる。特に、低抵抗であること、耐溶剤性があること、透明性が高い等からITOを好ましく用いることができ、前記基板101上に蒸着またはスパッタリング法などにより成膜することができる。
また、オクチル酸インジウムやアセトンインジウムなどの前駆体を基板101上に塗布後、熱分解により酸化物を形成する塗布熱分解法等により形成することもできる。あるいは、金属としてアルミニウム、金、銀等の金属を半透明状に蒸着することもできる。あるいはポリアニリン等の有機半導体も用いることができる。
第1電極102は、必要に応じてエッチング等によりパターニングを行うことができる。また、UV処理、プラズマ処理などにより表面の活性化を行うこともできる。
<絶縁層>
次に、第1絶縁層103、第2絶縁層104を形成する方法について説明する。第1絶縁層103は、第1電極102の周端を覆い、単位画素に対応した発光領域を区画するように第1開口部110形成する。第2絶縁層104は、第1開口部110より外側で第1開口部110を含んで設けられた第2開口部111を形成する。第1絶縁層と第2絶縁層は2段隔壁の形状とする。
第1絶縁層103及び第2絶縁層104の形成方法としては、従来と同様、基体上に無機膜を一様に形成し、レジストでマスキングした後、ドライエッチングを行う方法や、基体上に感光性樹脂を積層し、フォトリソグラフィ法により所定のパターンとする方法が挙げられる。第1絶縁層103及び第2絶縁層104に使用する材料は任意であるが、第1絶縁層103には無機材料、第2絶縁層104に感光性樹脂を使用することがより望ましい。
第1絶縁層103の膜厚は1μm以下が好ましい。より好ましくは発光媒体層105の第1開口部110の中央膜厚より薄い。
第2絶縁層104の好ましい高さは0.5μm以上2μm以下程度である。第2絶縁層104の高さが2μmより高すぎると第2電極106の形成及び封止を妨げてしまい、0.5μmより低すぎると有機発光層等の形成時に隣接する画素とショートしたり混色したりしてしまうからである。
<発光媒体層>
次に、本発明の実施の形態にかかる有機発光層等の発光媒体層105の形成方法について説明する。発光媒体層105は1層以上の層構成を持つ有機発光層と、正孔輸送層、正孔注入層、インターレイヤ層、電子ブロック層、電子輸送層、電子注入層、正孔ブロック層などの機能層を少なくとも1層以上持った構成となっており、機能層の1層以上がウェットコーティング法により全画素一括に成膜されてウェットコート層105aとなる。ウェットコート層105aは有機発光層よりも第1電極側に形成されていることがより好ましい。発光媒体層105の一例として、正孔注入層、インターレイヤ、有機発光層、電子輸送層が順次設けられる構成が挙げられ、正孔注入層、インターレイヤ層がウェットコート層105aとなる。
正孔注入層は第1電極から正孔を注入する機能を有する。正孔注入層の物性値としては、画素電極の仕事関数と同等以上の仕事関数を有することが好ましい。これは画素電極からインターレイヤへ効率的に正孔注入を行うためである。画素電極の材料により異なるが4.5eV以上6.5eV以下を用いることができ、画素電極がITOやIZOの場合、5.0eV以上6.0eV以下が好適に用いることが可能である。正孔注入層の比抵抗に関しては、膜厚30nm以上の状態で、1×103 〜2×106 Ω・mであることが好ましく、より好ましくは5×103 〜1×106 Ω・mである。また、ボトムエッション構造では画素電極側から放出光を取り出すため、光透過性が低いと取り出し効率が低下してしまうため、可視光波長領域の全平均で75%以上が好ましく、85%以上ならば好適に用いることが可能である。
正孔注入層を構成する材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物等の高分子材料を用いることができる。この他にも、導電率が10−2S/cm以上10−6 S/cm以下である導電性高分子を好ましく用いることができる。高分子材料は、湿式法による成膜工程に使用可能である。このため、正孔注入層を形成する際に高分子材料を用いることが好ましい。このような高分子材料は、水又は溶剤によって分散或いは溶解され、分散液又は溶液として使用される。
正孔注入材料として無機材料を用いる場合、無機材料としては、CuO,Cr,Mn ,FeOx (x≧0.1)NiO,CoO,Pr ,AgO,MoO ,Bi 、ZnO,TiO ,SnO,ThO ,V ,Nb ,Ta,MoO ,WO ,MnO などを用いて真空蒸着法やスパッタ法により形成する。ただし材料はこれらに限定されるものではない。
正孔注入層を形成した後、インターレイヤを形成する。このインターレイヤを形成する際に用いる材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの、芳香族アミンを含むポリマーなどが挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解または分散させ、スピンコーター等を用いた各種ウェットコーティング法や凸版印刷法やインクジェット法などの各種印刷法を用いて形成される。また無機材料では、CuO、Cr 、Mn 、NiO、CoO、Pr 、Ag O、MoO 、ZnO、TiO 、V2 O、Nb 、Ta 、MoO 、WO、MnO 等の遷移金属酸化物およびこれらの窒化物、硫化物を一種以上含んだ無機化合物が挙げられる。ただし、本発明はこれらに限定されるわけではない。
インターレイヤを形成した後、有機発光層を形成する。この有機発光層は、電流を流すことにより発光する層であり、有機発光層を形成する有機発光材料は、例えばクマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N‘−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系などの発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられるが、本発明ではこれらに限定されるわけではない。
これらの有機発光材料は溶媒に溶解または安定に分散させ有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの単独またはこれらの混合溶媒が上げられる。中でもトルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶媒が有機発光材料の溶解性の面から好適である。また、有機発光インキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
上述した高分子材料に加え、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス[8−(パラ−トシル)アミノキノリン]亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレンなどの低分子系発光材料が使用できる。
有機発光層の形成法としては、ウェットコーティング法が好ましく、インクジェット法、凸版印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの既存の成膜法を用いることができる。
ここで、本発明の実施の形態では、発光媒体層105として正孔注入層、インターレイヤ、有機発光層と形成したが、これらの層構成は、使用する材料等に応じて適宜選択することが好ましい。例えば、さらに、有機発光層と陰極としての第2電極106との間に、電子輸送層及び電子注入層の両方又は何れか一方を設けるようにしてもよい。
<印刷法による発光媒体層の形成方法>
発光媒体層105を形成する方法としては蒸着法やスパッタ法などの真空成膜とウェットコーティング法がある。ウェットコーティング法にて塗り分けを行う場合の印刷法としては、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法などの有版印刷法や、インクジェット法、ノズル印刷法等を用いることができる。すなわち、有機発光層の成膜方法には、凸版印刷法が好適である。一方、塗り分けを行わない場合には、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法、ディップコート法等の一括塗工可能な方法を用いることができる。
特に凸版印刷法は、塗布液の粘性特性が良好な粘度範囲で、基材を傷つけることなく印刷することができ、塗布液材料の利用効率が良いため好ましい。
図3は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法に用いる凸版印刷装置の説明図である。発光媒体層を塗布形成する方法の一例として凸版印刷法により形成する場合には、図3に示すような、発光媒体層105の材料を有する塗布液を電極等が形成された被印刷基板201上に直接塗布する凸版印刷装置200を用いることが出来る。なお、本発明の発光媒体層105の形成方法はこれに限るものではない。
凸版印刷装置200は、インキタンク202、インキチャンバ203、アニロックスロール204、凸版が設けられた印刷版205がマウントされた版胴206を有している。インキタンク202には、発光媒体層105の材料を有する塗布液が収容されており、インキチャンバ203にはインキタンク202より塗布液が送り込むことができる。アニロックスロール204はインキチャンバ203の塗布液供給部に接して回転可能に支持指示されている。塗布液供給部はインキを溜まりにアニロックスロールが浸かるインキ壷、又はアニロックスロール上にインキを吐出するダイコーターを用いることが出来る。
アニロックスロール204の回転に伴い、アニロックスロール204の表面に供給された塗布液の塗布層204aは均一な膜厚に形成される。この塗布層204aはアニロックスロール204に近接して回転駆動される版胴206にマウントされた印刷版205の凸部に転移する。
移動定盤207には、被印刷基板201が印刷版205の凸部による印刷版接触位置にまで図示していない搬送手段によって搬送されるようになっている。そして、印刷版205の凸部にあるインキは被印刷基板201に対して印刷される。
印刷完了後必要に応じてベークなどの乾燥工程を経ることで、被印刷基板201上に、好適に発光媒体層105を成膜することができる。
凸版が設けられた印刷版205は、感光性樹脂凸版が好ましい。感光性樹脂凸版は、露光した樹脂版を現像する際に用いる現像液が有機溶剤である溶剤現像タイプのものと現像液が水である水現像タイプのものがあるが、溶剤現像タイプのものは水系のインキに対し耐性を示し、水現像タイプのものは有機溶剤系のインキに耐性を示す。発光媒体層105の材料を有する塗布液の特性に従い、溶剤現像タイプ、水現像タイプを好適に選ぶことができる。
<第2電極>
第2電極106を陰極とする場合には、発光媒体層105への電子注入効率の高い、仕事関数の低い物質を用いる。具体的にはMg,Al,Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体層と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。
第2電極106の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。
<封止体>
有機EL素子に大気のガスが到達しないようにするために通常は、外部と遮断するために封止材と樹脂層とを有する封止体を設けることができる。あるいはキャップ状の封止材をと接着剤を用いて密閉封止した封止体の構成としても良い。
封止材としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、封止材の材料の一例として、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、耐湿性フィルムなどを挙げることができる。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤を塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10−6 g/m /day以下であることが好ましい。
樹脂層の材料の一例として、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。樹脂層を封止材の上に形成する方法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミネート法、溶融・ホットメルト法カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止材上に形成する樹脂層の厚みは、封止する有機EL素子の大きさや形状により任意に決定されるが、5μm〜500μmが望ましい。なお、ここでは封止材上に樹脂層として形成したが直接有機EL素子側に形成することもできる。
最後に、有機EL素子と封止体との貼り合わせを封止室で行う。封止体を、封止材と樹脂層の2層構造とし、樹脂層に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行うことが好ましい。熱硬化型接着樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着した後、さらに硬化温度で加熱硬化を行うことが好ましい。光硬化性接着樹脂を使用した場合は、ロールで圧着した後、さらに光を照射することで硬化を行うことができる。
こうして本発明による有機EL素子を製造することができる。本発明の課題を解決し、効果を得ることができるかぎり、他の構成要素は任意に置き換えが可能である。有機EL素子としては、単一の第1電極と第2電極を対向するように配置し、全面を発光させる単純な構造の他、情報表示可能なディスプレイ用途に向く駆動方式として、第1電極と第2電極を互いに直交するストライプ状に形成し、交点への電流の印加によって発光させるパッシブマトリクス型の有機EL素子とすることも、一方の電極を複数の画素に区画し、それぞれの画素にトランジスタを形成し個別に電流のオン−オフが可能としたアクティブマトリクス型の有機EL素子とすることもできる。また、本明細書では光の取り出し方向が基板側であるボトムエミッションタイプの有機EL素子について主に説明したが、第2電極及び封止方法を透光性のものとし、基板とは反対側から光を取り出すトップエミッション構造とすることもできる。また、第1電極を陰極とし、第2電極を陽極とし、有機発光媒体層の積層順を逆とすることもできる。
以下に本発明の実施例及び比較例を示す。
(実施例1)
基板として、支持体上に設けられたスイッチング素子として機能する薄膜トランジスタ(TFT)と、その上方に形成された画素電極とを備えたアクティブマトリクス基板を用いた。基板のサイズは300mm×300mmでその中に対角10.4インチ、画素数は1024×768のディスプレイが中央に配置されている。
画素用の電極としてITOを用いた。ITOはスパッタリングにより形成し、膜厚は40nmとし、そのITO膜を、フォトリソグラフィ法と酸溶液によるエッチングによってパターニングを行った。
次に、基板上に設けられた画素電極の周端を被覆し発光領域となるように第1開口部を第1絶縁層により形成した。この第1絶縁層は、基板上に無機材料を真空蒸着法により厚さ80nmで一様に形成し、レジストでマスキングした後、電極の周端を0.5μm被覆し、発光領域を形成する第1開口部を規定するようにドライエッチング法によりパターンを形成した。
画素間を区画する隔壁として第2開口部を第2絶縁層により形成した。第2絶縁層の形成は、ポジレジストを用いて、スピンコーター法にて基板全面に厚み2μmで形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングして形成した。
第1開口部の開口は42μm×142μmの長方形パターンとした。第2開口部の開口は3種類の異なる開口のパターンを周期的に形成しており、パターン1は44μm×144μm、パターン2は46×146μm、パターン3は49×149μmの長方形パターンとした。尚、第2開口部は第1開口部を含んだ開口となっている。
第1開口部と第2開口部の面積比率は、パターン1が94.1%、パターン2が88.8%、パターン3が81.7%となった。
次に、電極と絶縁層の表面上に、正孔注入材料として、厚さ10nmの酸化モリブデン(MoOx)を、真空蒸着法により積層させ、正孔注入層を形成した。蒸発源と基板との距離は300mm、前記基板表面中心から前記蒸着源方向と前記基板表面の法線方向とのなす角度が0度となる位置に設置した。
次に、正孔輸送材料であるポリビニルカルバゾール誘導体を濃度0.5%になるようにトルエンに溶解させたインキを用いて、上述した正孔注入層まで形成した基板を被印刷基板として、凸版印刷装置にセッティングし、第2絶縁層に挟まれた第2開口部の真上にそのラインパターンに合わせて正孔輸送層を凸版印刷法で全ての画素に一括で印刷した。すなわち、全画素一括に成膜する。
印刷、ベーク乾燥後の正孔輸送層の画素中央部膜厚はパターン1で21nm、パターン2で28nm、パターン3で36nmとなった。
次に、有機発光材料であるポリフェニレンピニレン誘導体を濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、上述した正孔輸送層までを形成した基板を被印刷基板として、凸版印刷装置にセッティングし、第2絶縁層に挟まれた第2開口部の真上にそのラインパターンに合わせて有機発光層を凸版印刷法で印刷した。
この際パターン1の画素には赤色の発光、パターン2の画素には緑色の発光、パターン3の画素には青色の発光をするように設計した有機発光材料をそれぞれ塗り分けてパターン1、パターン2、パターン3の順に印刷している。
印刷、ベーク乾燥後の有機発光層の画素中央部膜厚は、パターン1が55nm、パターン2が65nm、パターン3が50nmとなった。
次に、対向電極として真空蒸着法でBa膜を、メタルマスクを用いて膜厚4nmに成膜した後、Al膜を真空蒸着法によりメタルマスクを用いて膜厚250nmに成膜した。そして、キャップ型封止ガラスと接着剤を、発光領域をカバーするように載せ、約90℃、1時間接着剤を熱硬化して密閉封止し、有機EL表示素子を製作した。
このようにして作成したアクティブマトリックス駆動型有機EL表示装置を、色別に評価した結果、パターン1の赤色発光の電流効率は11.3cd/A、1000cd/mスタート時の輝度半減時間は3120時間、パターン2の緑色発光の電流効率は15.5cd/A、1000cd/mスタート時の輝度半減時間は1020時間、パターン3の青色発光の電流効率は7.3cd/A、1000cd/mスタート時の輝度半減時間は220時間となった。
(比較例1)
基板として、支持体上に設けられたスイッチング素子として機能する薄膜トランジスタ(TFT)と、その上方に形成された画素電極とを備えたアクティブマトリクス基板を用いた。基板のサイズは300mm×300mmでその中に対角10.4インチ、画素数は1024×768のディスプレイが中央に配置されている。
画素用の電極としてITOを用いた。ITOはスパッタリングにより形成し、膜厚は40nmとし、そのITO膜を、フォトリソグラフィ法と酸溶液によるエッチングによってパターニングを行った。
次に、基板上に設けられた画素電極の周端を被覆し発光領域となるように第1開口部を第1絶縁層により形成した。この第1絶縁層は、基板上に無機材料を真空蒸着法により厚さ80nmで一様に形成し、レジストでマスキングした後、電極の周端を0.5μm被覆し、発光領域を形成する第1開口部を規定するようにドライエッチング法によりパターンを形成した。
画素間を区画する隔壁として第2開口部を第2絶縁層により形成した。第2絶縁層の形成は、ポジレジストを用いて、スピンコーター法にて基板全面に厚み2μmで形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングして形成した。
全ての画素について第1開口部の開口は42μm×142μmの長方形パターンとし、第2開口部の開口は44μm×144μmの長方形パターンとした。尚、第2開口部は第1開口部を含んだ開口となっている。
次に、電極と絶縁層の表面上に、正孔注入材料として、厚さ10nmの酸化モリブデン(MoOx)を、真空蒸着法により積層させ、正孔注入層を形成した。蒸発源と基板との距離は300mm、前記基板表面中心から前記蒸着源方向と前記基板表面の法線方向とのなす角度が0度となる位置に設置した。
次に、正孔輸送材料であるポリビニルカルバゾール誘導体を濃度0.5%になるようにトルエンに溶解させたインキを用いて、上述した正孔注入層まで形成したア基板を被印刷基板として、凸版印刷装置にセッティングし、第2絶縁層に挟まれた第2開口部の真上にそのラインパターンに合わせて正孔輸送層を凸版印刷法で全ての画素に一括で印刷した。
印刷、ベーク乾燥後の正孔輸送層の画素中央部膜厚は36nmとなった。
次に、有機発光材料であるポリフェニレンピニレン誘導体を濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、上述した正孔輸送層までを形成した基板を被印刷基板として、凸版印刷装置にセッティングし、第2絶縁層に挟まれた第2開口部の真上にそのラインパターンに合わせて有機発光層を凸版印刷法で印刷した。
この際赤色の発光、緑色の発光、青色の発光をするように設計した有機発光材料をそれぞれ順に塗り分けて印刷している。
印刷、ベーク乾燥後の有機発光層の画素中央部膜厚は、赤色発光材料ならば55nm、緑色発光材料ならば65nm、青色発光材料ならば50nmとなった。
次に、対向電極として真空蒸着法でBa膜を、メタルマスクを用いて膜厚4nmに成膜した後、Al膜を真空蒸着法によりメタルマスクを用いて膜厚250nmに成膜した。そして、キャップ型封止ガラスと接着剤を、発光領域をカバーするように載せ、約90℃、1時間接着剤を熱硬化して密閉封止し、有機EL表示素子を製作した。
このようにして作成したアクティブマトリックス駆動型有機EL表示装置を、色別に評価した結果、パターン1の赤色発光の電流効率は8.3cd/A、1000cd/mスタート時の輝度半減時間は2040時間、パターン2の緑色発光の電流効率は12.2cd/A、1000cd/mスタート時の輝度半減時間は660時間、パターン3の青色発光の電流効率は7.3cd/A、1000cd/mスタート時の輝度半減時間は220時間となった。
Figure 2014067533
101:基板
102:第1電極(例として陽極:有機EL素子構成層)
103:第1絶縁層
104:第2絶縁層
105:発光媒体層(有機EL素子構成層)
105a:ウェットコート層
106:第2電極(例として陰極:有機EL素子構成層)
110:第1開口部
111:第2開口部
201:被印刷基板
202:インキタンク
203:インキチャンバ
204:アニロックスロール
204a:塗布層
205:印刷版
206:版胴
207:移動定盤

Claims (9)

  1. 基板上に電極と絶縁層と有機発光層を含む発光媒体層とを有する有機EL表示装置において、
    前記基板上に形成された第1電極と、
    該第1電極を囲み発光画素領域となる第1開口部を形成する第1絶縁層と、
    前記第1開口部の外側に該第1開口部を含んだ第2開口部を形成する第2絶縁層と、
    前記第1電極上に形成された前記有機発光層を含む発光媒体層と、を備え、
    前記第1電極から前記発光媒体層を挟んで前記第1電極に対向する第2電極までを組み合わせた有機EL素子構成層が複数形成され、
    該有機EL素子構成層は、前記第1開口部面積と前記第2開口部面積との比率の異なる2種類以上を形成し、
    前記発光媒体層の各層のうち少なくとも1層は全画素一括に成膜されていることを特徴とする有機EL表示装置。
  2. 前記第1開口部面積と第2開口部面積の比率が、3%以上異なる2種類以上の有機EL素子構成層を持つことを特徴とする、請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 前記第1開口部面積と前記第2開口部面積の比率が異なる有機EL素子構成層ごとに、発光強度ピークの波長が異なる前記有機発光層が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機EL表示装置。
  4. 前記複数形成された有機EL素子構成層は、
    前記発光画素領域となる前記第1開口部面積を複数で同一に揃え、
    前記第2開口部面積が複数で異なるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
  5. 前記第1絶縁層の膜厚が、前記発光媒体層の第1開口部の中央膜厚より薄いことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機EL表示装置の製造方法であって、
    前記全画素一括に成膜されている層はウェットコーティング法により形成されることを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  7. 前記ウェットコーティング法が印刷法であることを特徴とする請求項6に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  8. 前記ウェットコーティング法が凸版印刷法であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の有機EL表示装置の製造方法であって、
    前記有機発光層の成膜方法が凸版印刷法であることを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
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