JP2014066620A - すきま腐食センサー、すきま腐食評価装置及び評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】すきま腐食評価対象機器のすきま環境を短時間で再現し、すきま内水質、隙間内電位を測定することで、すきま腐食の評価を短時間かつ高精度で行う。
【解決手段】上部が開放され絶縁性を有する筐体2と、この筐体2の底部に配置された電位評価電極1と、前記筐体2の内部に充填されすきま腐食評価対象機器15のすきま部の環境と同等となるように設定される充填材3と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】上部が開放され絶縁性を有する筐体2と、この筐体2の底部に配置された電位評価電極1と、前記筐体2の内部に充填されすきま腐食評価対象機器15のすきま部の環境と同等となるように設定される充填材3と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種構造材における孔食、すきま腐食を評価するためのすきま腐食センサー、すきま腐食評価装置及び評価方法に関する。
腐食は反応性のある、液体、気体環境で使用される機器構造材料が環境中の液体、気体等と化学反応を起こし、金属状態からイオンなど他の化学形態に変化することで、材料としての機能が低下する経年劣化事象であり、発電プラントや、化学プラントにおいて機器寿命に影響する重要な因子である。
特に、孔食、すきま腐食などのすきま腐食は、腐食反応が局所化することで、局所化した部位の腐食速度が大きく増す現象であり、すきま腐食の発生は機器寿命を大きく低下させる要因である。海水など、塩化物が存在する環境では、すきま腐食が最も発生しやすいすきま腐食であり、すきま腐食発生を評価することで、機器寿命を決定することができる。
すきま腐食は構造材の接続部など、間隔が狭く、流体の流れが抑制される環境で発生する。流れの抑制された環境では、腐食で発生した金属イオンが滞留する。金属イオンはプラスの電荷を持つ陽イオンであり、金属イオンの滞留したすきま内の電気的中性条件を保つため、すきま内には塩化物イオン等のマイナスの電荷を持つ陰イオンが流入する。その際、塩化物イオンが一定の濃度以上となると、孔食、すきま腐食等のすきま腐食が発生し、ステンレスの耐食性を大きく低下させる。その結果、塩化物の濃縮の起こるすきま部が集中的に腐食し、すきまでの腐食速度の増加が起こる。
また、すきま等の局部での腐食加速は、すきまでの塩化物濃縮や腐食反応だけでなく、すきま外部で発生する反応も影響を与える。
鉄を例に腐食反応を化学式で示すと、次式(1)で示される。
Fe → Fe2++2e− …(1)
Fe → Fe2++2e− …(1)
ここでFeは金属状態の鉄、Fe2+は鉄イオン、e−は電子を示す。この腐食反応は電子を放出する反応であり、アノード反応と呼ばれる。反応後、鉄イオンは環境水中に放出され、電子は金属構造材中に移行する。しかし、構造材料内での電子は安定ではないため、式(1)の反応と同時に電子を消費する反応が行われなければ、腐食反応は継続されない。
大気環境で使用される金属材料の水中における電子の消費反応は式(2)が一般的である。
O2+2H2O+4e− → 4OH− …(2)
O2+2H2O+4e− → 4OH− …(2)
ここで、O2は大気由来で、水中に溶存した酸素分子、H2Oは水分子、OH−は水酸化イオンであり、式(2)の反応は大気開放環境の水中で発生する。この反応は電子を消費する反応でありカソード反応と呼ばれる。
すきまにおいて、すきま外部から流入する酸素は極小であるため、すきま内での式(2)の反応はわずかである。すきま腐食進展時において、式(2)のカソード反応はすきま部と電気的な接触のある外部で発生する。そのため、すきま腐食の評価には塩化物が濃縮したすきま環境と、同時にすきま外部のカソード反応発生箇所も同時に模擬する必要がある。
実際にすきま腐食の評価を行う場合、すきまのある試験片を作成し調査を行うが、すきま部の体積が小さいため、すきま内の環境分析が困難であるとともに、腐食試験においても材料、周辺環境、電位等のわずかな違いですきま内の環境が変化することが考えられる。そのため、すきま部を模擬した上で安定的なすきま腐食を評価する方法が提案されている。
例えば、特許文献1に示すすきま腐食モニタリング方法では、評価対象の電極兼金属片の表面に腐食性溶液をゲル化等により固定化し、評価対象電極に接触させることですきま部の環境を模擬している。
また、特許文献2に示すすきま腐食モニタリング方法では、すきま模擬部とすきま外部が小孔で液絡されており、すきま模擬部内とすきま外部に電気化学測定用の電極が設置されている。この2つの電極間で、電気化学測定を実施し、2つの電極間を流れる電流値から、すきま模擬部内の電極での腐食進行を確認している。
また、特許文献3に示す腐食モニタリング方法では、溶接部とすきま部が形成された試験片に面状発熱体を設け、電解槽に浸せきし電位変化をモニターすることですきま腐食の進行を確認している。
上述した従来の腐食モニタリング方法において、試験片の表面に腐食性溶液をゲル化等により固定化する手法は(特許文献1)、すきま内の水質が一定の場合に有効であるが、実際にはすきま内の水質がすきま外部の塩化物濃度等で変化するため、この固定化手法では実際のすきま環境を再現することができず、すきま腐食を高精度で評価することは困難である。
また、すきま模擬部とすきま外部を小孔で液絡する試験方法は(特許文献2)、すきまと外部を液絡する小孔が小さい場合、小孔を経由してなされるすきま部の環境形成に長時間を要する一方、小孔が大きい場合、水系媒体がすきま内に十分滞留できず実際のすきま部の環境を再現できないという課題があった。
また、特許文献3の腐食モニタリング方法は、発熱体等の付加設備を必要とするため装置が複雑化するとともに、すきま内部の電位変化については評価しておらず、すきま部の腐食進行を高精度で評価することができないという課題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、実際のすきま環境を短時間で再現し、すきま内水質、隙間内電位を測定することで、すきま腐食の評価を高精度で行うことができるすきま腐食センサー、すきま腐食評価装置及び評価方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るすき間腐食センサーは、上部が開放され絶縁性を有する筐体と、この筐体の底部に配置された電位評価電極と、前記筐体の内部に充填されすきま腐食評価対象機器のすきま部の環境と同等となるように設定される充填材と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係るすき間腐食評価装置は、内部に流体が流れるすきま腐食評価対象機器の内部に配置された上記本発明に係るすきま腐食センサーと、前記すきま腐食センサーから所定距離離間して配置されたカソード反応電極及び参照電極と、前記すきま腐食評価対象機器の外部に配置され前記すきま腐食センサーの電位評価電極、カソード反応電極及び参照電極に導線によって接続された電位測定器と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係るすきま腐食評価方法は、上記本発明に係るすきま腐食評価装置を用い、当該すきま腐食評価装置の電位測定器で測定された電位をモニターすることにより、すきま腐食評価対象機器のすきま腐食評価を行うことを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、すきま腐食評価対象機器のすきま環境を短時間で再現し、すきま内水質、隙間内電位を測定することで、すきま腐食の評価を短時間かつ高精度で行うことができる。
以下、本発明に係るすきま腐食センサー、すきま腐食評価装置及び評価方法の実施形態を、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係るすきま腐食センサー、すきま腐食評価装置及び評価方法を図1及び図2を用いて説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係るすきま腐食センサー、すきま腐食評価装置及び評価方法を図1及び図2を用いて説明する。
(すきま腐食センサー)
本実施形態に係るすきま腐食センサー5は、上部が開放された容器状の筐体2と、筐体2底部に設置された電位測定可能な電位評価電極1と、絶縁材からなる筐体2の側板及び底板と、電位評価電極1を外部の電位電流測定器8に接続する導線4と、筐体2内に充填される多数の球状の充填材3とから構成される。
本実施形態に係るすきま腐食センサー5は、上部が開放された容器状の筐体2と、筐体2底部に設置された電位測定可能な電位評価電極1と、絶縁材からなる筐体2の側板及び底板と、電位評価電極1を外部の電位電流測定器8に接続する導線4と、筐体2内に充填される多数の球状の充填材3とから構成される。
電位評価電極1を構成する材料は、例えばSUS等のすきま腐食評価対象機器の金属と同じ材料を用いるが、すきま内の水質評価のみを目的とする場合は、反応性が高く、溶出等による評価水質への影響が小さい白金等を用いることもできる。
また、筐体2の側板と底板は、それらの接液面を絶縁材で被覆する構成としてもよい。
筐体2の寸法は、例えば、高さ数cm、幅及び奥行きは数cm程度である。なお、充填材3が充填される容器は筐体状に限らず、円筒状、楕円形状、又は多角形状としてもよい。
筐体2の寸法は、例えば、高さ数cm、幅及び奥行きは数cm程度である。なお、充填材3が充填される容器は筐体状に限らず、円筒状、楕円形状、又は多角形状としてもよい。
また、充填材は球状以外に粒状又は粉状のものを用いてもよく、その材質は電位評価電極1と同じ材料、又は水中で安定な酸化物に変化しうる鉄、インコネル(登録商標)、マグネタイト、等の材料が好ましい。
また、すきま腐食センサー5の各種条件をすきま腐食評価対象となるすきま部と同等にするために、種々の粒径の充填材3が用いられる。例えば、粒径が2.3μmの充填材で充填した後の充填材間の平均すき間は約0.03μmであり、これにより約0.03μm程度のすき間を有する評価対象金属の腐食を精度良く評価することができる。同様に、例えば、粒径が11μm、47.5μm、3.1mmの充填材の平均すき間は、それぞれ約0.14μm、0.61μm、40μmであり、それぞれ評価対象の実際のすき間に応じて適切な粒径の充填材が選択される。
(すきま腐食評価装置)
このように構成されたすきま腐食センサー5を、図2に示すように、内部に流体13が流れるすきま腐食評価対象機器15、本例では配管の内部に設置し、カソード反応電極6、参照電極7、電位測定器8とともに、すきま腐食評価装置を構成する。ここで、実際の評価対象となるすき間はすきま腐食評価対象機器15のフランジ部、計装配管の取付部等に形成されるすき間である(図示せず)。
このように構成されたすきま腐食センサー5を、図2に示すように、内部に流体13が流れるすきま腐食評価対象機器15、本例では配管の内部に設置し、カソード反応電極6、参照電極7、電位測定器8とともに、すきま腐食評価装置を構成する。ここで、実際の評価対象となるすき間はすきま腐食評価対象機器15のフランジ部、計装配管の取付部等に形成されるすき間である(図示せず)。
図2において、参照電極7はすきま腐食センサー5近傍のすきま腐食評価対象機器15に、カソード反応電極6がすきま腐食センサー5近傍のすきま腐食評価対象機器15の内部に設置され、それぞれ電位測定器8に導線4により接続される。
カソード反応電極6は、評価対象金属と同じ材質のものが用いられ、その面積は一定の値以上であることが望ましい。また、実際の金属材料上でカソード反応が発生する範囲は、アノード反応の発生箇所から一定の距離以内であり、その距離は一般にワグナー(Wagner)長さと呼ばれている。そのため、カソード反応電極6はワグナー長さより内側に設置することが望ましい。
なお、カソード反応電極6の面積が不十分の場合、腐食進行速度が遅くなるものの、腐食反応は発生するため、センサーとしての利用は可能である。また、通常、評価対象となる金属は機器構造材料であるため、カソード反応電極6として構造材自身に電気的に接続することで代用してもよい。
(作用)
このように構成されたすきま腐食評価装置において、まず、すきま腐食センサー5と参照電極7間の電位(V1)、及びカソード反応電極6と参照電極7間の電位(V2)をそれぞれ測定し、この電位差(V1−V2)をすきま腐食センサー7とカソード反応電極6間に印加し、これによりすきま腐食センサー5を試験対象のすき間と同じ環境にする。次に、すきま腐食センサー7とカソード反応電極6間の電位を電位測定器8によりモニターし、その電位の変動に基づいて腐食の進行を監視するとともに腐食評価を行う。
このように構成されたすきま腐食評価装置において、まず、すきま腐食センサー5と参照電極7間の電位(V1)、及びカソード反応電極6と参照電極7間の電位(V2)をそれぞれ測定し、この電位差(V1−V2)をすきま腐食センサー7とカソード反応電極6間に印加し、これによりすきま腐食センサー5を試験対象のすき間と同じ環境にする。次に、すきま腐食センサー7とカソード反応電極6間の電位を電位測定器8によりモニターし、その電位の変動に基づいて腐食の進行を監視するとともに腐食評価を行う。
(効果)
以上説明したように、従来のすきま試験片では、単一のすきま試験片内のわずかな水を対象に電位測定を実施し腐食を評価していたのに対し、本実施形態のすきま腐食センサーを用いたすき間腐食評価装置では、多数の充填材間の各すきまが対象となるため、全体としてのすきま内の液量は大きな値となり、かつ、充填材とすきま内水の接液面積は大きくなる。これにより、実際のすきまと同等の環境を短時間で再現することができるとともに、十分な液量を用いてすき間腐食を評価することが可能となるため、高精度かつ短時間で信頼性の高い腐食評価を行うことができる。そして、その腐食評価に基づいて適切な防食対策を施すことが可能となる。
以上説明したように、従来のすきま試験片では、単一のすきま試験片内のわずかな水を対象に電位測定を実施し腐食を評価していたのに対し、本実施形態のすきま腐食センサーを用いたすき間腐食評価装置では、多数の充填材間の各すきまが対象となるため、全体としてのすきま内の液量は大きな値となり、かつ、充填材とすきま内水の接液面積は大きくなる。これにより、実際のすきまと同等の環境を短時間で再現することができるとともに、十分な液量を用いてすき間腐食を評価することが可能となるため、高精度かつ短時間で信頼性の高い腐食評価を行うことができる。そして、その腐食評価に基づいて適切な防食対策を施すことが可能となる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係るすきま腐食センサーについて、図3を用いて説明する。
本実施形態では、すきま腐食評価センサー5の底部にpH等の水質を評価する水質センサー12を設置する構成としている。
第2の実施形態に係るすきま腐食センサーについて、図3を用いて説明する。
本実施形態では、すきま腐食評価センサー5の底部にpH等の水質を評価する水質センサー12を設置する構成としている。
すきま腐食発生時にはすきま内の水質が低pH環境となること、及びpHが低い環境では多くの材料が高腐食性となることが知られている。しかしながら、従来のすきまセンサーは保持できる液量が少なく、すきま部のpH等の水質を精度良く測定することはできなかった。
一方、本実施形態のすきま腐食センサーは大量の液量を保持することができるため、すきま腐食センサー5の筐体2の底面に一つ又は複数の水質センサー12を設置することで、pH等の水質測定を高精度で行うことができる。
なお、pH以外に塩化物濃度、導電率等の水質測定を行うようにしてもよい。
なお、pH以外に塩化物濃度、導電率等の水質測定を行うようにしてもよい。
本実施形態によれば、従来のすきまセンサーでは困難であった水質測定を、本実施形態のすきま腐食センサー12を用いることで高精度で測定することができるため、腐食性評価の信頼性をさらに高めることが可能となる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係るすきま腐食センサー及び装置を図4を用いて説明する。
なお、上記実施形態と同一又は類似の構成には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
第3の実施形態に係るすきま腐食センサー及び装置を図4を用いて説明する。
なお、上記実施形態と同一又は類似の構成には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
第1の実施形態ではすきま腐食センサー5の筐体2の内部に複数の球状の充填材3を充填しているが、本実施形態では複数の板状の充填材9を筐体2内に充填した構成としている。
この複数の板状の充填材9の相互の間隔は実機のすきまと同等とすることを基本とするが、例えば、すきま腐食の進展速度調査を目的とした場合、よりすきま腐食の発生しやすいすきま幅での試験も可能である。
すなわち、すきま腐食の発生しやすさはすきま幅によって違いがあることが知られている。例えばステンレス(SUS304)の場合は、境界すきま腐食深さ(約40μm)の内外ですきま腐食の腐食速度が異なること、及びすきまが境界すきま腐食深さ以上となると腐食速度が速くなることが知られている(JIS G05922「腐食すきまの再不動態化電位測定」)。
そのため、本実施形態では、板状の充填材9の間隔を境界すきま腐食深さ程度とすることで、すきま腐食の進展速度評価試験を行うことができる。
そのため、本実施形態では、板状の充填材9の間隔を境界すきま腐食深さ程度とすることで、すきま腐食の進展速度評価試験を行うことができる。
また、第1の実施形態の球状の充填材3は、筐体2を傾けて設置すると充填材3が傾斜したり、筐体2から落下する恐れがあるとともに、高流速環境下では充填材3が流出する恐れがあるが、本実施形態の板状の充填材9は、筐体2の設置個所や高流速下の環境に関わらず、安定的に筐体2内に保持できるため、種々の環境で使用することができるとともに、腐食性評価の信頼性をさらに高めることができる。
なお、本実施形態では、板状の充填材を用いた例を説明したが、板状に限らず、棒状、柱状、格子状等の充填材を用いてもよい。
なお、本実施形態では、板状の充填材を用いた例を説明したが、板状に限らず、棒状、柱状、格子状等の充填材を用いてもよい。
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係るすきま腐食センサー及び装置を図5、図6を用いて説明する。
なお、上記実施形態と同一又は類似の構成には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
第4の実施形態に係るすきま腐食センサー及び装置を図5、図6を用いて説明する。
なお、上記実施形態と同一又は類似の構成には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
本実施形態に係るすきま腐食センサー5は、上部が開放された容器状の筐体2と、筐体2の上部を覆うように設けられた網状電極10と、網状電極10を外部の電位電流測定器8bに接続する導線11と、筐体2底部に設置された電位測定可能な電位評価電極1と、絶縁材からなる筐体2の側板及び底板と、電位評価電極1を外部の電位電流測定器8aに接続する導線4と、筐体2内に充填される多数の球状の充填材3とから構成される。網状電極10は評価対象金属と同じ材質からなる。
このように構成されたすきま腐食センサー5は、図5に示すように、すきま腐食評価対象機器15、本例では配管の内部に設置し、カソード反応電極6、参照電極7、電位測定器8とともに、すきま腐食評価装置を構成する。
図5において、参照電極7がすきま腐食センサー5近傍のすきま腐食評価対象機器15に、カソード反応電極6がすきま腐食センサー5近傍のすきま腐食評価対象機器15の内部に設置され、それぞれ電位測定器8a、8bに導線により接続される。網状電極10は導線11により電位測定器8bに接続されている。この網状電極10によりすきま腐食センサー5の筐体2の上部液体の電位測定を行う。
すなわち、筐体2内の液体の電位測定は底部に設置した電位評価電極1で評価可能であるが、筐体2の上部の電位も評価することが望ましい。そのため、筐体2の上部に網状電極10を設置することで、筐体2内へのイオン移動を制限することなく、筐体2上部の電位測定を行う。
そして、網状電極10及び電位評価電極1の電位の変動をモニターし、その変動に基づいて腐食の進行を監視するとともに腐食評価を行う。
本実施形態によれば、筐体2の上部に網状電極10を設けたことにより、短時間でかつより高精度ですき間腐食を評価すること可能となる。
本実施形態によれば、筐体2の上部に網状電極10を設けたことにより、短時間でかつより高精度ですき間腐食を評価すること可能となる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、組み合わせ、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電位評価電極、2…筐体、3、9…充填材、4、11…導線、5…すきま腐食センサー、6…カソード反応電極、7…参照電極、8、8a、8b…電位測定器、10…網状電極、12…水質センサー、13…流体、15…すきま腐食評価対象機器。
Claims (12)
- 上部が開放され絶縁性を有する筐体と、この筐体の底部に配置された電位評価電極と、前記筐体の内部に充填されすきま腐食評価対象機器のすきま部の環境と同等となるように設定される充填材と、を有することを特徴とするすきま腐食センサー。
- 前記筐体は絶縁材からなるか、又は筐体の外面を絶縁材で被覆したことを特徴とする請求項1記載のすきま腐食センサー。
- 前記電位評価電極の材料として、すきま腐食評価対象機器の材料と同一の材料を用いたことを特徴とする請求項1又は2記載のすきま腐食センサー。
- 前記充填材は複数の球状、粒状又は粉状の充填材、あるいは複数の板状の充填材であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のすきま腐食センサー。
- 前記充填材の材料として前記電位評価電極と同じ材料を用いるか、又は水中で安定な金属酸化物を用いることを特徴とする請求項4記載のすきま腐食センサー。
- 前記複数の板状の充填材の相互の間隔を、すきま腐食評価対象機器のすきま部の環境と同等になるように設定したことを特徴とする請求項4又は5記載のすきま腐食センサー。
- 前記複数の板状の充填材の相互の間隔を、境界すきま腐食深さとしたことを特徴とする請求項4又は5記載のすきま腐食センサー。
- 前記筐体の底部に少なくとも一つの水質センサーを配置したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のすきま腐食センサー。
- 前記筐体の上部に網状電極を配置したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のすきま腐食センサー。
- 内部に流体が流れるすきま腐食評価対象機器の内部に配置された請求項1乃至8のいずれか1項に記載のすきま腐食センサーと、前記すきま腐食センサーから所定距離離間して配置されたカソード反応電極及び参照電極と、前記すきま腐食評価対象機器の外部に配置され前記すきま腐食センサーの電位評価電極、カソード反応電極及び参照電極に導線によって接続された電位測定器と、を備えたことを特徴とするすきま腐食評価装置。
- 内部に流体が流れるすきま腐食評価対象機器の内部に配置された請求項10に記載のすきま腐食センサーと、前記すきま腐食センサーから所定距離離間して配置されたカソード反応電極及び参照電極と、前記すきま腐食評価対象機器の外部に配置され前記すきま腐食センサーの電位評価電極、カソード反応電極、参照電極及び網状電極に導線によって接続された電位測定器と、を備えたことを特徴とするすきま腐食評価装置。
- 請求項10又は11記載のすきま腐食評価装置を用い、当該すきま腐食評価装置の電位測定器で測定された電位をモニターすることにより、すきま腐食評価対象機器のすきま腐食評価を行うことを特徴とするすきま腐食評価方法。
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WO2024069920A1 (ja) * | 2022-09-30 | 2024-04-04 | 日本電信電話株式会社 | 試験体およびその作製方法 |
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