JP2014057949A - 公害型廃石膏類の処理法ならびに無公害型石膏組成物 - Google Patents

公害型廃石膏類の処理法ならびに無公害型石膏組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 廃石膏ボード等から回収されるフッ素、カドミウム、ヒ素等を共存する公害型石膏類に対して、低コストで無害化処理が施されて環境基準に適う無公害型再資源化資材が、生活環境の中で安全な資材として提供される循環型社会の構築が求められている。
【解決手段】 本発明における課題の解決手段は、酸分解養生工程、アルカリ化処理工程、揮散工程を基本工程とする脱フッ素処理技術、ならびに重金属類固定化工程を基本工程とするカドミウム、ヒ素の固定・不溶化処理技術を駆使して、低アルカリ性域にある二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法を提供する技術;ならびに回収された低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して、中性域付与体、耐水性付与体、重金属類固定化体、再資源化体、低アルカリ水硬性付与体もしくは水吸着付与体を均質混和する複合化処理により、充填性機能、分散性機能または水硬性機能等を発揮する再資源化資材からなる土石資材、建築資材、土木資材、建設資材等に有効活用可能な無公害型石膏組成物を提供する技術にある。
【選択図】なし

Description

本発明の技術分野は、フッ素、カドミウムないしヒ素を共存している公害型廃石膏類に対して、酸分解養生工程ならびにアルカリ化処理工程に順次付し、必要に応じて固液分離洗浄工程に付し、次いで揮散工程に付し、必要に応じて脱水工程もしくは揮散・脱水工程に付して脱フッ素処理の施さされた脱フッ素石膏類を回収し、さらに該脱フッ素石膏類を処理対象に対して、前記の重金属類固定化工程に付して、カドミウムないしヒ素成分の重金属類が固定・不溶化処理が施されて、脱フッ素処理ならびに重金属類が固定・不溶化処理による無害化処理が順次施された無公害型廃石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法に関する。
さらに本発明の技術分野は、前記の公害型廃石膏類の処理法を駆使して回収された低アルカリ性域にある無公害型廃石膏類に対して、粉末形態にある中性域付与体、耐水性付与体、重金属類固定化体、再資源化体もしくは低アルカリ水硬性付与体を付加均質配合する複合化工程により、無公害型石膏類−中性域付与体の複合組成物、無公害型石膏−耐水性付与体の複合組成物、無公害型半水石膏−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物、無公害型廃石膏類−重金属類固定化体の複合組成物もしくは無公害型石膏−混合複合体の複合組成物を調製して、石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能に加え、さらに耐水性機能または重金属類の不溶・固定化機能の付加機能を発揮する無公害型石膏組成物に関する。
本発明において、処理対象となる石膏は、本来硫酸カルシウムを主成分とする鉱物である。硫酸カルシウムは、一般に1/2水和物をバサニ石、2水和物を石膏、無水物が硬石膏と呼ばれている。また硫酸カルシウムからなる各水和物および無水物を一纏めに「石膏」という場合もある。硫酸カルシウムの形態相としては、二水石膏、半水石膏、3種類(III型、II型。I型)の無水石膏の計3種類の硫酸カルシウムが存在する。半水石膏とIII型無水石膏には、α型とβ型の2種類が存在する。硫酸カルシウムの各形態、生成条件、性状等を下記表1に示す。本発明において対象とする主たる石膏類とは、工業的生産の容易である二水石膏、α半水石膏、β半水石膏、III型α無水石膏、III型β無水石膏、II型無水石膏等の硫酸カルシウムを対象とするが、特に制限されるものではない。
本発明において無公害化処理の処理対象となる「公害型廃石膏類」としては、フッ素およびその化合物、カドミウムおよびその化合物いしはヒ素およびその化合物の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる元素およびその化合物(以下、「有害物質成分」と略記)における環境省の環告18号の溶出量基準ないしは環告19号の含有量基準として定められている環境基準値をそれぞれ超えて共存する粉状・粒状・顆粒状にある二水石膏、半水石膏または無水石膏からなる石膏類が対象となる。
特に本発明においては、廃石膏ボードより回収された石膏類が対象となる。石膏ボードの原料となる石膏群は、国産の副生・化学石膏が主たる原料先であり、リン鉱石を硫酸処理してリン酸製造時に副生するリン酸石膏、イルメナイト鉱石を硫酸処理して酸化チタンを製造する際の硫酸鉄の処理により副生するチタン石膏、フッ化カルシウム(蛍石)よりフッ酸を製造する際に副生するフッ酸石膏、鉱水・精錬で使用された酸類の中和により副生する中和石膏、また石炭・重油火力発電所、精錬、石油化学、紙パルプ、鉄鋼、化学繊維などの産業から排出される排煙中の亜硫酸ガスを排煙規制により補修する排煙脱硫によりに副生される排煙石膏、陶磁器型材用での使用済み廃型等を挙げることができる。さらに天然石膏を含めた輸入石膏を挙げることができる。フッ素成分を多く含む副生石膏はリン酸石膏、フッ酸石膏、排煙脱硫石膏である。
なお、環境省の環告18号の溶出量基準、ならびに環告19号の含有量基準として定められている環境基準値を参考までに下記表1に示す。
Figure 2014057949
一般に硫酸カルシウムの2水和物である二水石膏を40ないし160℃の範囲で脱水処理して製造される半水石膏は、該半水石膏100質量部において、標準混水量としてα半水石膏で約37質量部、β半水石膏で約85質量部、さらにII型の無水石膏で硬化促進剤1.5質量部の添加が必要であるが約35質量部を選び加える時、水硬性機能を発揮して、所定強度を有する固化体を形成する水硬性機能を有している。この水硬性機能を有している点では、ポルトランドセメント等のセメント類と同様の機能を有しており、しかもセメントの固化体がpH値10以上の高アルカリ性域であるのに対して、石膏の固化体は中性域のあり、環境や人体に優しい点で優れている、
以上の中性域における水硬性機能の発揮と相まって、石膏類は一般に、石膏の形態ならびに目的・用途によっても異なるが、石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能に加え、さらに耐水性機能または重金属類の不溶・固定化機能等を付加機能を活用して、土木、建設、建材、農業、肥料、農薬、工芸、歯科医、陶磁器、微生物培養、樹脂加工等の広い分野で利用・活用されている。具体的には、分散・展性機能としては、農薬、肥料、香料、処理剤、従使用フィラー等で広く活用されている。充填補強機能としては、建材、仕上関連資材、外構え関連資材、インターロッキング材、樹脂加工品、道路路盤・路床、路線等で広く活用されている。成型体形成機能としては、工業模型用、陶磁器型材用、石膏鋳造型用、石膏鋳造型用、歯科模型用等で広く活用されている。水硬固化機能としては、土木分野での汚泥・ヘドロ等含水泥土等の脱水・固化、軟弱地盤の改良、堤・畦類の造成・改良、石膏ボード等に広く活用されている。土質造成機能としては、土壌・地盤・トンネル・盛土・造成土・路床・田畑・山林・苗床・ダム・河川・湖沼・海等に適応させる造成・改良・補修工事等、また海水で冠水した田畑等における塩害除去で広く活用され、また土壌・地盤・軟弱地盤、トンネル、上下水道、農業、公園、園芸等に適応させる造成・改良・補修工事等で広く活用されている。
しかるに一方で石膏類は、耐水性が欠如している。したがって、石膏類の各機能性を具体的に活用・利用しようとするとき、耐水性の欠如が石膏利用において注意すべき課題となる。即ち、石膏の溶解度は意外に大きく、表1に示す通り、二水石膏は100gの水に約0.2gも溶解し、半水石膏ならびに無水石膏ではさらに大きな溶解度を示す。したがって、石膏類を硬化・固形化させた固化体を流水中に放置するときは、その固化体は、跡形もなく溶けてしまう。即ち石膏類は、耐水性機能を保有しない。したがって、自然界や流水中においては、石膏類から調製した固化体は、固化体として用をなさない。それ故、石膏の硬化機能を活用して成型された石膏製品は、水を使用する場所、例えば外壁など、また屋外での活用・利用は避けざるを得ない傾向にある。その点で、水との係わりのある場所では、石膏単独での石膏製品より、耐水性の確保できるセメントや有機樹脂との併用により改質されている製品が使用されている例が多い。
硫酸カルシウムの形態、生成条件、性状等の情報を参考までに下記表2に示す。
Figure 2014057949
近年石膏は、建築物等における間仕切り材等とする不燃性「石膏ボード」は、安価な汎用耐火性の間仕切り等建材として広く使用されてきた。しかし、広く各方面に使用されてきた石膏ボードも、建築物等の建て替え時期を迎え、今多量の廃石膏ボードが発生しており、450万トン/年の廃石膏ボード量が廃棄・投棄されている。したがって廃石膏ボードから紙を除去して回収した粉末状の廃二水石膏を再資源化資材として再利用する活動が強く求められている。しかし、廃石膏ボードから回収された石膏粉末を再資源化資材として活用しようとするとき、下記の課題が挙げられている。
1.用途に対する品質保証が未熟であること。
2.硫化水素の発生を防止する技術検証がなされていないこと。
3.石膏ボード自体に環境基準値を超えるフッ素等の汚染物質が含まれていること。
4.含有していたアスベスト、ヒ素、カドミ等をリサイクル過程で除去できないこと。
そして平成18年6月1日付けで環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長から通知として「廃石膏ボードから付着している紙を除去したものの取扱いについて」に関する通知が提示されている。その後の新たな科学的知見として、廃石膏ボードにおける紙を除去した後でも安定型最終処分場へ埋立処分を行った場合、高濃度の硫化水素が発生するおそれがあることが明らかになったため、廃石膏ボードから紙を除去したものについても管理型最終処分場に埋め立てることが必要とされて制限が厳格化されている。
こうした状況から、フッ素、カドミウム、ヒ素等の有害重金属類を環境基準の基準値を超えて含有している公害型の石膏類の再資源化による再利用は強く求められ、特に廃石膏ボードを無公害型の再資源化処理して有効再利用する技術がさらに強く求められ出した。例えば(社)石膏ボード工業会では、今後もさらに廃石膏ボードの発生量の増加が見込まれることから、廃石膏ボードのリサイクル・ルートの確立および利用用途の拡大等に関し積極的なリサイクル促進が急務であると報告している。
したがって、廃石膏ボードの廃棄場所の枯渇と併せて、現在廃石膏ボードから回収される粉末状の廃石膏を再資源化資材としての活用がさらに強く求められている。特に廃石膏ボードを無公害型再資源化資材として再利用・再生利用する社会ニーズに応えて、例えば、廃石膏ボードより回収されて紙等の除去分離処理が施されている二水石膏を再資源資材として活用しようとする技術開示は多い。また、セメントや石膏ボード業界では、廃石膏ボードより回収された廃石膏をセメントや石膏ボードの副原料として、約8%程度の範囲でリサイクルして再利用されている。さらに廃石膏ボードより回収した公害型廃石膏類を従来技術のセメントや石灰等のアルカリ性の固化処理材の代替え資材として、活用しようとする技術の開示も多く示されている。
特に、石膏ボード等の建材に採択されている二水石膏は、各種の生産工場等から副生される副生石膏を主たる原材料として採択している。これらの副生石膏には、有害なフッ素成分が一般にフッ化カルシウム(CaF)の形で残留していることが知られている。また特に、フッ酸の製造の過程でフッ化カルシウム(蛍石)に濃硫酸を加えて分解せしめた場合、またリン酸の製造過程でリン鉱石に硫酸を加えて分解せしめた場合等においては、副生する石膏中に有害なフッ素成分は、フッ化カルシウムと硫酸カルシウムとの複合塩として形成しているフルオロスルホン酸カルシウム[Ca(FSO]として存在していること[カタログ文献1]が知られている。そして現在の環境基準値においては、フッ素およびその化合物は、環境省環告18号における溶出量基準で0.8mg/Lならびに環境省環告19号における含有量基準で4000mg/kgを超えていることは廃掃法上許されない。
カタログ文献1
Buss Engineering カタログ(1981)
事実副石膏類は、生活環境に有害なフッ素成分をフッ素として約数1000ppmの範囲で含有している。また石膏に共存するフッ化カルシウムは、水に対する溶解度として15mg/L濃度で溶解する。したがってフッ化カルシウムの溶解度から、公害型廃石膏類中に溶解しているフッ素の溶解度を換算すると、フッ素として約7.7mg/L濃度で溶解している。即ちフッ化カルシウムは、難溶性ではある。しかし、環境基準値である0.8mg/L濃度を遥かに超える濃度で水に溶解して溶出する実態を理解することができる。その溶解度の点で、フルオロスルホン酸カルシウムも同様の0.8mg/L濃度単位での溶解度を有している。
さらに、廃石膏ボードから回収された粉末状の二水石膏には、その二水石膏が副生製造された経過にしたがって、フッ素およびその化合物のみならず、カドミウムおよびその化合物ないしはヒ素およびその化合物を環境基準の基準値を超えて、それぞれ、0.03ないしは0.3mg/kgの濃度で共存している。したがって、ここに共存しているカドミウムおよびその化合物ないしはヒ素およびその化合物の有害物質成分の共存濃度を環境基準値の範囲内で固定化・不溶化等の処理が施されていないと、これらのカドミウムおよびその化合物ないしはヒ素およびその化合物を環境基準値を超えて共存する公害型の廃石膏を再資源資材としてリサイクルすることは不可能となる。
以上の本発明における背景技術を精査して、廃石膏ボードより回収された石膏粉末を再資源化資材として利用・活用しようとする時、この回収石膏粉末に環境基準値を超えて共存する有害なフッ素、カドミウム、ヒ素成分等の有害物資成分を環境基準値の範囲内に管理されていない限り、生活環境に安全な無公害型の再資源化資材として利用・活用することはできない。したがって、何れにしても公害型廃石膏類を無公害型廃石膏類として利用・活用するには、公害型廃石膏類に共存する有害物質成分を不溶化処理に付する技術か、もしくは除去・排除する脱フッ素処理に付する技術かの何れにより、公害型廃石膏類に無害化処理技術を施す手段が求められる、そして、これまでも石膏類において、これらの有害物質成分を環境基準値の範囲内に管理する技術は多く開示されている。特にフッ素成分に対しては、水溶出性フッ素成分を不溶・固定化する技術(不溶化処理技術)もしくは共存する有害なフッ素成分を除去する技術(脱フッ素処理技術)に対する技術開発は下記に示すがごとく多く行われている。
特に土木分野等で採択されている中性固化処理材等においては、従来から同分野で汎用されてきた安価なセメント類や石灰等のアルカリ性の固化処理材の代替え資材としての応用・利用に提供しようとしている企てならびに研究開発が多く開示されている。下記に示す出願特許例ならびに学術報文を代表的な開示例として示すことができ、本発明の背景技術として参照することができる。
特開2003−206133号公報 特開2005−305387号公報 特開2008−297172号公報 特開2009−214083号公報 特開2009−190904号公報 特開2009−233646号公報 特開2008−094901号公報
具体的な背景技術の開示例としては、[特許文献2]において、石膏スラリーにアルカリを添加してpHを9以上に上げ、その後、リン酸、及び/又は、酸を添加して、pHの下げ幅が1以上、下げたpHが6以上なるよう調整することにより、溶出するフッ素を低下させた石膏が得られる技術が開示され、さらに石膏スラリーにリン酸カルシウムを添加することにより、溶出するフッ素の抑制を促進させる技術等が開示されている。そして、[特許文献2]の発明における酸としては、水中でオキソニウムイオンを供給できるものなら、いずれの化合物でも良いとしており、例えば、リン酸、硫酸、塩酸等の鉱酸でも良いし、酢酸や蟻酸等の有機酸でもよいとしている。また、酸とアルカリの中和反応から生成される塩で、分子中に水素を含むもの、例えばリン酸一ナトリウム、リン酸ニナトリウム等も本発明における酸として使用することができるとしている。しかかるに[特許文献2]の発明においては、リン酸、及び/又は酸を添加した時のpHは6以上なるよう調整されており、酸を添加した時のpHを6未満になるようにして調整して溶出するフッ素を抑制している技術は開示されていない。
また、[特許文献3]において、フッ素含有土壌中に、カルシウム成分およびリン酸成分を互いに解離した状態で存在せしめた後、両成分を化学的に結合させてカルシウムフルオロアパタイトを形成することを特徴とするフッ素汚染土壌の処理方法が開示されている。さらにまた、[特許文献4]ならびに[特許文献5]において、フッ素共存の石膏に対して、リン酸二水素カルシウムを加えて、水溶出性フッ素成分をアパタイト化して水不溶性に改質する技術が開示されている。さらにまた、[特許文献6]ならびに[特許文献7]において、フッ素共存の石膏に対して、セメントや石灰を加えて、水溶出性フッ素成分をフッ化カルシウムとして水不溶性に改質する技術が開示されている。さらにまた、[特許文献8]において、フッ素共存の石膏に対して、マグネシヤを加えて、水溶出性フッ素成分をフッ化カルシウムとして水不溶性に改質する技術が開示されている。
以上の開示技術におけるフッ素成分の固定・不溶化の不溶化処理手段に付する技術において、水溶出性のフッ素を固定化ないしは不溶化するためにリン酸二水素カルシウム等のリン酸塩を系内に導入してフッ素をアパタイト化して固定・不溶化を試みている。しかるにここで採択されるリン酸二水素カルシウム等のリン酸塩等は、石膏に比べて10倍以上の価格を示す材料である。したがって、リン酸二水素カルシウム等のリン酸塩等によりアパタイト化してフッ素を固定・不溶化しても、近年リン成分が高騰していることから、ここに処理調製された無公害型の石膏類は大変高価な再資源化資材となり、特に大きいボリュームでの用途のある土木等の分野では容易に採用し難い材料・資材となってしまい好ましくない。
特に土木等の分野で採択される半水石膏を主成分とする固化材・改良材は、セメントや石灰と対比されることから、セメントや石灰に匹敵する安価な資材として提供されることが重要なポイントである。したがって、本発明における技術背景として、公害型廃石膏類を無公害型廃石膏類として無害化処理され再資源化資材として提供するには、セメントや石灰に匹敵する安価な価格が想定されねばならない。それ故、公害型廃石膏類から無公害型廃石膏類または公害型石膏組成物として無害化処理され無害化処理設備ならびに原・副材料に要する経費は極力小さい経費であることが必須であり、高価な無害化処理設備ならびに原・副材料を採用することはできない。
報文文献9
地盤工学ジャーナル.Vol.5.No.3.449−461、亀井、蓬莱、鵜飼また[報文文献9]において、フッその溶出を抑制するために、高炉セメントB種に新たなアルミナ源として石炭灰を補足添加に伴うエトリンガイトの生成の増加を確認したことにより、石膏からのフッ素溶出量の減少を明らかにしている。
また、本発明者等が既に開示している本発明に関連する出願特許を下記に示す。
特許 第4557191号 特開2005−097069号公報 特開2006−247645号公報 特開2011−036846号公報
本発明者等が開示している出願特許群の内、[特許文献10,11,12]においては、有害な重金属類の不溶・固定化処理技術を可能にするシリカ。アルミナ、カルシヤ、ナトリウム化合物等の組み合わせ化合物からなる組成物類を基礎とする重金属類の固定化処理剤に係る情報が開示されている。この本発明者らの既存の開示情報によるフッ素を含めたカドミウムないしはヒ素成分等の有害物質を不溶・固定化処理する無害化処理手段技術を基礎技術として、その線上で本発明者等はさらなる効率のより有害な水溶出性重金属類を不溶・固定化処理する無害化処理手段技術を開発することができる。
しかもこれら開示されている出願特許群における重金属類の固定化処理技術においては、本発明におけるアルミノケイ酸塩で特定限定されているシリカ:アルミナ:酸化ナトリウムのモル割合が1:0.5;0.5を主体とするナトリム型の4A型構造にあるゼオライト前駆体ないしはゼオライトを形成させる特定条件は開示されていない。また、本発明者等が開示している出願特許群[特許文献13]では、公害型廃石膏類に共存する有害なフッ素成分を不溶・固定化する無害化処理手段技術は開示されているが、フッ素成分を揮散せしめて系内からフッ素成分を系外に排除させる脱フッ素処理手段技術に関しては開示されていない。特に本発明において、フッ素成分を揮散せしめける特定条件として、公害型廃石膏類中に安定に存在しているフッ素成分を予めpH値5未満の酸性分解剤により分解・活性化してからフッ素成分を系外に揮散せしめる脱フッ素処理手段技術に係る開示はなされていない。
また、本発明者等の出願特許群[特許文献13]では、水吸着性を向上せしめる吸着補助体による複合化技術、さらに耐水性付与体による複合化技術において活用される熱履歴を受けている焼却灰等のシリケート類の扱い等に関する技術は開示されている。特に予め改質した無公害型廃石膏類に対して、水吸着性を向上せしめる吸着補助体による複合化技術、さらに耐水性付与体による複合化技術において活用される熱履歴を受けている焼却灰等のシリケート類の扱いに関しては、本発明者等の出願特許[特許文献11、12]開示されている。当然、本発明においても、水分等の吸着機能を有する無公害型の半水石膏等に対して、安価に入手可能な各種の焼却灰類の併用は、循環型社会で求められる廃棄資源の再利用の立場からも好ましい。
また特に、重金属類の不溶・固定化機能が発揮できる重金属類固定化体による複合化技術は、本発明者等の出願特許において既に開示している技術の線上で、有害な重金属類を共存する焼却灰や汚染土壌等に対応できる石膏を応用した重金属類の不溶・固定化技術として有効である。当然、水分等の吸着機能を有する無公害型の石膏類に対して、水分調整剤として役割を果たせる各種の焼却灰類の併用は有効である。しかし、これらの各種の焼却灰類は、一般に有害な水溶出性重金属類を共存している。具体的に各種の焼却灰類は、可燃性ゴミ・廃棄物類の焼却灰、下水汚泥の焼却灰、石炭焼却によるフライアッシュ、木質・繊維質・紙類スラッジの焼却灰として発生する焼却灰類からなる熱履歴を受けているシリケート類の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる公害型廃棄物類を無害化処理対象素材として選択する技術背景がここにある。
また[特許文献12]等においては、廃棄物類の汚泥・底質、汚染土壌、さらには熱根歴を受けているシリケート等を主成分とする灰類等の素材類には、フッ素を含む有害な重金属類を共存していることから、これらの廃棄物類を有効に再資源化資材として活用するためには、予めこれらの素材類に共存する有害な重金属類を固定化して不溶化せしめておく必要がある。この有害な重金属類を固定化して不溶化せしめる固定化技術は、上記の本発明者等の出願特許に既に開示されている。したがって、今回の二水石膏ならびに吸着補助体に共存する有害な重金属類を固定化して不溶化せしめる固定化技術は、以上の本発明者等の出願特許に開示されている技術の線上で応用することができる。
さらにまた、既に本発明者等が開示している出願特許[特許文献13]においては、石膏類に対して被覆・凝結剤を付加させて加熱脱水処理を施して、水分吸着率が30%以上であり、水と接触したとき非再泥化状態が確保されており、pH値が6ないしは8.6の範囲にあり、共存する有害水溶出性重金属類が環境基準値以下の範囲内に固定化されている半水石膏を主成分とする水分吸着体に係る技術が開示されている。しかるに、[特許文献12]に開示されている二水石膏に被覆・凝結剤と水とを加えた含水粉顆粒状処理物に対して、脱フッ素処理と脱水処理を施す条件は、予め調製される含水粉顆粒状処理物のpH値を6ないしは8.6の範囲が確保することを条件としている。
一方、公害型廃石膏類を脱フッ素処理手段に付する技術としては、一般にフッ化水素(フッ酸)の製造法として、フッ化カルシウム(CaF)に濃硫酸を加熱下に反応せしめ、フッ化水素(フッ酸)を揮散回収する製造法が教科書的に知られている。この反応を利用・応用して、廃石膏中に含有・共存するフッ素を揮散除去する技術として、フッ素共存の廃石膏に濃硫酸液を加えて加熱して強酸性の雰囲気下でフッ素成分を回収・除去する方法も考えられる。
しかし、公害型廃石膏類にppm単位で共存しているフッ素成分は、フッ化カルシウム[CaF]に留まらず、フルオロスルホン酸カルシウム[Ca(FSO]の形の共存が[カタログ文献1]等において示されており、フルオロオキソ酸カルシウム形態にあるフルオロオキソ酸カルシウムの形態で含有共存していることが知られている。即ち、フッ化カルシウムと硫酸との反応によりフルオロスルホン酸カルシウムが生成ずる以上、ここに生成しているフルオロスルホン酸カルシウムにさらなる硫酸を加えて接触・反応せしめてもフッ素成分をフルオロオキソ酸カルシウムを分解・遊離を完結させることはできない。事実、フルオロスルホン酸カルシウムに硫酸を加えて反応させてもフルオロスルホン酸カルシウムの分解を起こすことはできない。
したがって、フルオロスルホン酸カルシウムの形でフッ素成分を共存する公害型廃石膏類に対して、硫酸液を加えて加熱しても、むしろここに加えられた硫酸はフッ素成分をフルオロスルホン酸カルシウムの形で保護し、またフッ化水素−硫酸−水系の共沸点の関係から、加熱によるフッ酸の一部は系外に排出できても、硫酸水の濃縮による水の完全脱水が不能であることから、フルオロスルホン酸カルシウム中のフッ素成分を完全に系外に排出することはできない。即ち、生成する硫酸カルシウム中に残るフルオロスルホン酸カルシウムを硫酸液中の水にppm単位で溶解しているフッ素の残留を避けることはできない。特にフッ素溶出の環境基準値である0.8mg/L以下の範囲で硫酸液中に溶解しているppm単位のフッ素成分を完全分離除去することはできない。また、ここに副生する石膏類を洗浄により、フッ素成分を完全に洗浄・分離・除去するには、大量の洗浄水を要して無害化処理せねばならず、実質的に工業化は困難である。
即ち、ppm単位でフッ素成分を共存している公害型廃石膏類に対して、水を伴った90%以上の濃硫酸等を加えても、共存するフッ化カルシウムは一旦分解しても、フッ素成分がフルオロスルホン酸カルシウムに固定化されており、硫酸による加熱分解によりフッ素成分を系外に完全に放出・除去することはできず、ppm単位でフッ素成分は副生石膏中に残留する。したがって、フッ素成分をフッ素として約数1000ppmの範囲で含有し、また水溶出性のフッ素成分をフッ素として3ないし8mg/L濃度で含有している公害型廃石膏類に対して、以上の背景技術において示してきた従来技術の無害化処理手段である不溶化処理手段ないしは脱フッ素処理手段に付する技術を駆使して施しても、公害型廃石膏類を低価格で安全にして、環境基準値である0.8mg/L以下の範囲となる無公害型廃石膏類に無害化処理することはできず、公害型廃石膏類を生活環境の中で安全な再資源化資材として利用・活用できる技術の具体的開示はない。
特に、フッ素の沸点が、19.54℃と低い常温にありながら、常温で公害型廃石膏類の共存フッ素成分を公害型廃石膏類からppm単位で揮散排除する技術は開示されていない。また、フッ素成分を揮散回収しようとする従来技術は、リン鉱石のアパタイトもしくはフッ化カルシウム等を硫酸で分解して、リン酸とフッ酸もしくはフッ酸を回収する技術である。しかし、ここで副生回収される副生石膏類にフッ素成分がフルオロスルホン酸カルシウム等としてppm単位であるが残存する事実は無視されてきた。
本発明者等が、以上で示した本発明における処理対象素材となる副生石膏や廃石膏からなる公害型廃石膏類に共存するフッ素成分を中心とする有害物質成分である不純成分の無害化処理技術に関して、本発明に関連する従来技術等からな背景技術を精査・検証するとき、本発明が解決せねばならない本発明の公害型廃石膏類が抱えている基本的な解決せねばならない課題として、下記に示す三つの課題を示すことができる。
1.フッ素、カドミウム、ヒ素が環境基準値を超えて共存して廃掃法に不合格。
2.石膏固化体には耐水性がなく屋外での土木・建材業界資材としては不適切。
3.公害型廃石膏類を低価格で再資源化資材への改質なくしてリサイクル不能。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、従来管理区域等に投棄・廃棄するに際し処理費を投じてまで処理してきた公害型廃石膏類に対して、公害型廃石膏類が抱えている以上三つの基本的課題を解決して公害型廃石膏類を無公害型廃石膏類に無害化処理して再資源化資材として有効にリサイクル活用するところにある。以上三つの基本的課題を解決するために必要な技術的な課題は、下記に示す四つの技術が求められる。
1.公害型廃石膏類にppm単位で共存のフッ素成分を脱フッ素処理する基本技術。
2.公害型廃石膏類に共存カドミウム、ヒ素成分を固定・不溶化処理する基本技術。
3.予め調製された無公害型廃石膏類に対して耐水性等の機能を付与する応用技術。
4.公害型廃石膏類の無公害化技術を低価格で遂行する工程・装置等の工学的技術。
以上の公害型廃石膏類を無公害型石膏類からなる安全な再資源化資材に無害化処理して生活環境の中で無公害型廃石膏類として再利用・活用するためには、フッ素を含む重金属類の有害物質を共存する公害型廃石膏類に対して、酸性雨を含めた自然界の厳しい環境条件下で安全に耐え得る無公害化処理が施されている必要がある。特にフッ素成分に対応して、無公害化処理を施す基本技術として、公害型廃石膏類に対して不溶化処理に付する技術例として、水可溶性フッ素成分にリン酸成分とカルシウム成分とを加えて、水不溶性のアパタイト化合物を形成せしめる方法等も開示(参照:[特許文献1]されている。しかし、アパタイト化合物の形成を促す人工的形成条件による不溶化処理によっては、酸性雨を含めた自然界の厳しい環境条件下に耐え得るアパタイト化合物を形成せしめることは難しい。また近年リン酸製品は高騰しており、公害型廃石膏類を低価格で不溶化処理した無公害型廃石膏類を土木業界等に提供することは困難な傾向にある。
また、公害型廃石膏類に共存する水可溶性ならびに水不溶性のフッ素成分を揮散排除による脱フッ素により無害化処理を施す時、ppm単位で公害型廃石膏類に共存しているフッ素成分は、フッ化カルシウムもしくはフルオロスルホン酸カルシウム等のフルオロオキソ酸カルシウムとして共存している場合が多い。したがって、これらのフッ素成分に対して、直接硫酸等の酸類で、ppm単位で共存するフルオロオキソ酸カルシウム等を揮散性に富むフッ素化合物に分解して揮散せることは難しく不可能である。本発明における技術課題は、公害型廃石膏類系内にppm単位で共存するフルオロオキソ酸カルシウム等を分解して揮散性に富むフッ素成分に改質するため、カルシウム塩での溶解度の高い硝酸等の酸類でフルオロオキソ酸カルシウムを分解し、次いで分解遊離したフッ素成分に結合していたオキソ酸をアルカリ化処理剤で外して低アルカリ性雰囲気下でフッ素成分を水の伴う揮散性可能なフッ化水素酸に改質して、加熱により水を伴ったフッ化水素酸を揮散せしめる脱フッ素処理条件にあると考えた。
さらに、カドミウムならびにヒ素成分を無公害化処理する技術としては、先の背景技術において示した本発明者等が開示[特許文献10,11,12]した水可溶性重金属類の不溶化処理技術の線上技術で対応することができる。本発明では有害物質成分がカドミウムならびにヒ素の限定されていることから、A型ゼオライト前駆体ないしゼオライトを容易に形成し易い原材料成分として、熱履歴シリケートの主成分であるアルミノケイ酸塩を主たる原材料として、この熱履歴シリケートを活性化するために、熱履歴シリケートが含有するカルシヤを硫酸塩と反応させて脱カリシヤと共に活性化し、そこにナトリウムイオンを付加結合せしめて、カドミウムならびにヒ素成分を取り込んだゼオライト前駆体ないしはゼオライト、特にゼオライト4A型を形成する条件を試みた。そしてこのアルミノケイ酸塩にカドミウムおよびヒ素成分を取り込み固定化して水不溶性化合物となるゼオライト前駆体ないしはゼオライトを形成せしめる条件をフッ素成分の脱フッ素条件と並行して行う無害化処理条件の技術を提案した。
さらに本発明者等は、本発明の公害型廃石膏類の処理法を駆使して調製された無公害型廃石膏類の無機質素材としての特性を生かして、改質された無公害型廃石膏類を再資源化資材として各分野で有効に活用・利用しようとするとき、上記の無公害型廃石膏類が有する機能性に加えて、さらに各種の機能を無機質素材類を付加せしめた複合化処理により再資源化素材として回収された無公害型廃石膏類の用途・活用範囲を広げることが有効であると考えた。したがって、本発明における無公害型廃石膏類の応用に係る技術課題は、無公害型廃石膏類に対して、アルカリ性中和体、低アルカリ水硬性付与体、重金属類固定化体、吸着補助体または耐水性付与体を付加均質配合する複合化処理を施して、無公害型廃石膏類−中和付与体混和物、無公害型半水石膏−低アルカリ水硬性付与体混和物、無公害型廃石膏類−重金属類固定化体混和物、無公害型石膏−吸着体複合混和物もしくは無公害型石膏−吸着体−耐水性付与体複合混和物からなる石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能に加え、さらに耐水性機能または重金属類の不溶・固定化機能の付加機能を発揮する無公害型廃石膏組成物に対して、改質処理する複合化改質処理条件を与えるところにある。
本発明において、本発明の課題に対応して解決する本発明の手段は、「有害重金属類」を共存している公害型石膏類に対して、酸分解養生工程ならびにアルカリ化処理工程に付した後、揮散工程に付する脱フッ素処理、ならびにカドミウム・ヒ素の固定化・不溶化処理からなる2種類の無害化処理を施して、公害型石膏類を無公害型石膏類からなる再資源化資材に改質して回収する手段を以下に詳細する。
本発明によれば、少なくともフッ素成分を共存する公害型廃石膏類を処理対象として、水系溶媒を伴った酸性分解剤を加えて均質に接触混和して酸性域にある酸分解含水処理物を調製する酸分解処理を施す酸分解養生工程に付し、次いで調製された酸性域にある酸分解含水処理物に対してアルカリ化処理剤を加えて低アルカリ性含水処理物を調製するアルカリ化処理を施すアルカリ化処理工程に付し、調製された低アルカリ性含水処理物を揮散雰囲気中からなる揮散媒体中と接触させて共存するフッ素成分を水が伴われて揮散排除せしめる揮散工程からなる脱フッ素処理を施す3工程に付して、低アルカリ性域にある石膏類を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する廃石膏類の処理法において:
上記の公害型廃石膏類が、フッ素およびその化合物、カドミウムおよびその化合物、ないしはヒ素およびその化合物の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる元素およびその化合物(以下、フッ素、カドミウムないしヒ素を「有害重金属類」と略記)における環境省の環告18号の溶出量基準ないしは環告19号の含有量基準として定められている環境基準値をそれぞれ超えて共存する粉状・粒状・顆粒状にある二水石膏、半水石膏または無水石膏からなる石膏類であり;
上記の水系溶媒が、自然水(雨水、地下水、河川・湖沼水・たまり水、湧き水、井戸水、海水、人工池・ダム水類)ないしは人工処理水(蒸留水、飲料水、工場用水、農業用水、水道水、下水道処理水、産業界の副生水、産業界の排水、生活排水、排水類の処理水類)の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなるフッ素、カドミウムおよびヒ素を含まない水系溶媒であり;
上記の酸性分解剤が、水系溶媒100質量部に対して、窒素元素のオキソ酸もしくは塩化水素の群より選ばれる酸類の単独ないし2種の組み合わせからなる酸類を100%濃度換算で少なくとも1質量部が付加されている酸溶液で構成されており;
上記の酸分解養生工程が、公害型廃石膏類100質量部に対して、酸溶液を無水の酸類100%濃度換算で酸性分解剤を1ないし4質量部、系内の水の総和水量が20ないし100質量部になるように水系溶媒を加えて全体を均質接触混和せしめて系内pH値が5未満にある酸分解含水処理物を調製し、次いで酸性域にある該酸分解含水処理物を常温条件下に少なくとも1時間放置して養生して公害型廃石膏類に共存するフッ素成分化合物に対して酸分解処理を施す工程であり;
上記のアルカリ化処理剤が、周期律表第1族元素のナトリウム、カリウムの群もしくは第2族元素のマグネシウム、カルシウムないしストロンチウムの群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる元素の酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、アルミン酸塩、リン酸塩ないしホウ酸塩を主成分とするアルカリ性機能を発揮するアルカリ性無機化合物で構成されており;
上記のアルカリ化処理工程が、上記の酸性域にある酸分解含水処理物100質量部に対して、酸化物基準換算でアルカリ化処理剤の1ないし4質量部を加えて、必要に応じて処理物系内の水の含水総和量が25ないし35質量%の範囲内になるように水系溶媒を加えて調整して均質混和して系内のpH値が7.5ないし9未満にある低アルカリ性含水処理物を調製し、次いで低アルカリ性域にある該低アルカリ性含水混和物を常温条件下に少なくとも10分間放置により養生して、酸分解含水処理物に共存していたフッ素成分に酸分解処理が施されているフッ素成分化合物に対してアルカリ化処理を施した低アルカリ性含水混和物を回収する工程であり;
上記の揮散工程が、上記の低アルカリ性含水処理物を常圧ないし減圧下における常温ないし420℃にある揮散性雰囲気からなる揮散媒体中に少なくとも1時間暴露接触せしめて、低アルカリ性含水処理物系内に共存するフッ素成分を水が伴われて揮散排除される脱フッ素処理を施し、低アルカリ性域にある石膏類を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する工程であり;
上記の公害型廃石膏類の処理法が、公害型廃石膏類に共存するフッ素成分を処理対象として、酸分解養生工程、次いでアルカリ化処理工程、さらに揮散工程からなる3工程に付して脱フッ素処理を施して、10μmないし1mm粒径にある粉状または1ないし7mmφ粒径にありて、pH値が7.5ないし9未満の低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法が提供される。
本発明によれば、前記の公害型廃石膏類の処理法における酸分解養生工程ならびにアルカリ化処理工程に付した後、ここに調製された低アルカリ性含水処理物における固液の分離を予め行い、さらに固液の分離を行った低アルカリ性含水処理物をアルカリ性液状体にて洗浄して低アルカリ性含水洗浄ケーキを調製する固液分離洗浄工程に付し、次いでここに調製された低アルカリ性含水洗浄ケーキを揮散雰囲気中に暴露して系内に共存するフッ素成分が水を伴って揮散排除せしめる揮散工程からなる脱フッ素処理を施す4工程に付して、低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法において:
上記のアルカリ性液状体が、水系溶媒100質量部に対して、前記のアルカリ化処理剤の2ないし6質量部を加えてスラリー化ないし溶液化されてpH値を7.5ないし9未満の低アルカリ性にあるアルカリ性液状体であり;
上記の固液分離洗浄工程が、アルカリ化処理工程で調製された低アルカリ性含水処理物における固体と液体を分離した低アルカリ性含水ケーキ状処理物を調製し、さらにアルカリ性液状体を洗浄水として該低アルカリ性含水ケーキ状処理物を洗浄して、低アルカリ性含水ケーキ状処理物を洗浄してpH値8ないし10未満にある低アルカリ性含水洗浄ケーキを調製する工程であり:
上記の公害型廃石膏類の処理法が、公害型廃石膏類に共存するフッ素成分を処理対象として、酸分解養生工程ならびにアルカリ化処理工程に付した後、固液分離洗浄工程に付してから揮散工程に付する4工程を付して脱フッ素処理を施して、10μmないし1mm粒径にある粉状または1ないし7mmφ粒径にあって、pH値が8ないし10未満の低アルカリ性域にある粉粒形態にある二水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法が提供される。
本発明によれば、前記の公害型廃石膏類の処理法における酸分解養生工程、ないしは酸分解養生工程と固液分離洗浄工程、ならびにアルカリ化処理工程、および揮散工程に付して脱フッ素処理を施して回収される低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類に対して、さらに脱水工程を加えて加熱脱水処理を施して低アルカリ性域にある半水石膏ないし無水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法において:
上記の脱水工程が、予め回収された低アルカリ性域の二水石膏を主成分とする無公害型石膏類を90ないし420℃の脱水性雰囲気中に少なくとも1時間暴露する加熱脱水処理を施して、低アルカリ性域にあって半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類を回収する工程であり;
上記の公害型廃石膏類の処理法が、脱フッ素処理の施された低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類に対して、さらに脱水工程に付して、10μmないし1mm粒径にある粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある粉粒体形状にあって、脱フッ素処理が施されて、加熱脱水処理が施されている低アルカリ性域にあって半水石膏ないしは無水石膏の何れかを主成分とする脱フッ素石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法が提供される。
本発明によれば、前記の公害型廃石膏類の処理法における酸分解養生工程ならびにアルカリ化処理工程により調製された低アルカリ性含水処理物ないしは固液分離洗浄工程により調製された含水ケーキ状洗浄物に対して、さらに揮散工程および脱水工程を併用付し、脱フッ素処理ならびに加熱脱水処理を同時に連続して施して半水石膏ないし無水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法において:
上記の揮散・脱水工程が、予め調製された酸分解含水処理物を80ないしは420℃の揮散・脱水性雰囲気中に少なくとも1時間暴露する揮散による脱フッ素理ならびに脱水による脱水処理を連続して施して、弱酸性域にあって半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする脱フッ素石膏類を回収する工程であり;
上記の公害型廃石膏類の処理法が、酸分解養生工程およびアルカリ化処理工程により調製された低アルカリ性含水処理物ないしは固液分離洗浄工程により調製された低アルカリ性含水洗浄ケーキに対して、脱フッ素処理ならびに加熱脱水処理を同時に連続して施す揮散・脱水工程に付することにより、10μmないし1mm粒径にある粉状または1ないし7mmφ粒径にある粉粒形態にあって、低アルカリ性域にある半水石膏ないし無水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する4ないし5工程からなる脱フッ素処理工程で構成されている公害型廃石膏類の処理法が提供される。
本発明によれば、カドミウムまたはヒ素成分の単独成分もしくは2成分が環境基準値を超えて共存する公害型廃石膏類を処理対象として、もしくは前記の公害型廃石膏類の処理法によって脱フッ素処理が施されてカドミウムまたはヒ素成分が環境基準値を超えて共存している脱フッ素石膏類を処理対象として、以上の該処理対象に対して、重金属類固定化剤と水系溶媒を均質に混和して、含水固定化剤混和物を調製して、共存するカドミウムおよびヒ素成分の固定・不溶化処理を施す重金属類固定化工程に付し、カドミウムおよびヒ素成分の固定・不溶化処理が施された二水石膏、半水石膏ないし無水石膏を主成分とする無公害型石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法において:
上記の重金属類固定化剤が、熱履歴シリケート100質量部に対して、無水物換算でナトリウム塩化合物の5ないし110質量部、無水物換算で硫酸塩化合物の20ないし90質量部、マグネシヤないしカルシヤの零を含む60質量部未満を加えて、少なくとも系内のシリカ:アルミナ:酸化ナトリウムのモル比が1:0.5:0.5になるように調整されて均質混和されて粉粒形態でワンパック化されて、pH値10未満にある低アルカリ性が確保されており、水を介して水可溶性重金属類を取り込んで、水可溶性重金属類の固定・不溶化処理機能を発揮するアルミノケイ酸塩組成物からなる重金属類固定化剤であり;
上記の重金属類固定化剤を構成する熱履歴シリケートが、乾燥物の酸化物基準で表してシリカ成分を20ないしは80質量%、アルミナ成分を5ないしは35質量%、およびカルシヤ成分を1ないしは40質量%を含有して熱履歴を受けているアルミノケイ酸塩系化合物を主成分とする人工合成品、ゴミ・廃棄物・紙類・下水汚泥の焼却灰、高炉スラグ、セメント類、窯業関連廃材・資材もしくは火山噴出物からなる乾粉形態にあるアルミノケイ酸塩化合物を主成分とするシリケートであり;
上記の重金属類固定化剤を構成するナトリウム塩化合物が、ナトリウム金属元素の酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、硫酸塩、アルミン酸塩ないしリン酸塩の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせの乾粉形態にあるナトリウム塩化合物であり;
上記の重金属類固定化剤を構成する硫酸塩化合物が、アルミニウム、鉄(II)ないし鉄(III)の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる乾粉形態にある硫酸塩化合物であり;
上記の重金属類固定化工程が、上記の公害型廃石膏類からなる処理対象100質量部に対して、重金属類固定化剤の2ないし8質量部および水系溶媒の10ないし40質量部を加えて均質混和して、pH値で少なくとも10未満の低アルカリ性域にある含水固定化剤混和物を調製し、該含水固定化剤混和物を少なくとも常温ないしは180℃の範囲で10分間以上放置養生・脱水して処理対象に環境基準値を超えて共存する水可溶性のカドミウムないしヒ素成分をここに形成するゼオライト前駆体ないしはゼオライトに取り込み固定・不溶化処理を完成させ、系内に存在する水を揮散せしめて、二水石膏ないし半水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類を回収する工程であり;
上記の公害型廃石膏類の処理法が、上記の処理対象に対して、水を伴って上記の重金属類固定化剤を加えて均質混和した含水固定化剤混和物を少なくとも常温に24時間放置養生して、処理対象に共存している水可溶性のカドミウムないしヒ素成分に固定・不溶化処理が施されて、10μmないし1mm粒径にある粉状または1ないし7mmφ粒径にある粉粒体形状にあって、pH値が8ないし10の低アルカリ性域にあってカドミウムないしヒ素成分が固定・不溶化処理の施されている二水石膏、半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類を回収する重金属類固定化工程で構成されている公害型廃石膏類の処理法が提供される
本発明によれば、フッ素、カドミウムおよびヒ素成分の重金属類を共存する公害型廃石膏類を処理対象として、該処理対象に対して、前記の酸分解養生工程ならびにアルカリ化処理工程に順次付し、必要に応じて固液分離洗浄工程に付し、次いで揮散工程に付し、必要に応じて脱水工程もしくは揮散・脱水工程に付する脱フッ素処理が施されて回収した脱フッ素石膏類を処理対象として、該処理対象に対して、前記の重金属類固定化工程に付して、カドミウムないしヒ素成分に固定・不溶化処理が施されて、脱フッ素処理ならびに重金属類の固定・不溶化処理による無害化処理が順次施されている無公害型廃石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法が提供される。
本発明によれば、前記の公害型廃石膏類の処理法を駆使して予め脱フッ素処理もしくはカドミウムないしヒ素成分の固定・不溶化処理を伴う無害化処理が施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して、粉粒形態にある中性域付与体を付加して均質接触混和する中性域付与体複合化工程に付して粉粒形態が確保されており、中性域にあって石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能を発揮させる無公害型石膏類−中性域付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物において;
上記の中性域付与体が、シリケートを主成分とする無機質吸着担持体100質量部に対して、オキソ酸を100%濃度換算で、水系溶媒に対して10ないし30質量%濃度にあるオキソ酸が水系溶媒に分散・溶解させた液状酸性成分を吸着・担持させたアルカリ性素材の中和機能を有する粉粒形態にある中性域付与体として構成されており;
上記の無機質吸着担持体が、比表面積が100m/g以上ある粉粒形態にあり、酸類との反応性に乏しいシリケートを主成分とする無機質吸着担持体であるゲル状非晶質ケイ酸塩、珪藻土、活性白土、ゼオライト、活性ケイ酸塩、木質・竹類・石炭を乾留処理した炭灰類からなる無機質素材類の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる吸着性細孔を有する吸着・担持性素材類で構成されており;
上記の酸性成分が、ホウ素元素、炭素元素、窒素元素、リン元素ないし硫黄元素より選ばれる元素のオキソ酸、またはカルボン酸からなる有機化合物のオキソ酸の群より選ばれる単独ないし2種の組み合わせからなるオキソ酸で構成されており;
上記の中性域付与体複合化工程が、予め脱フッ素を伴う無害化処理が施されている低アルカリ性域にある二水石膏、半水石膏または無水石膏を主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒形態にある中性域付与体の1ないし6質量部を付加して均質接触混和が施されて、pH値が6ないし8未満の中性域が付与された無公害型石膏類−中和付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化工程であり;
上記の無公害型石膏組成物が、予め脱フッ素を伴った無害化処理の施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して中性域付与体複合化工程が付され、10μmないし1mmの粒径にある乾粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状の粉粒形態にあって、pH値が6ないし8未満の中性域にある石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−中性域付与体の複合組成物として調製されている無公害型石膏組成物が提供される。
本発明によれば、前記の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素処理もしくはカドミウムないしヒ素成分の固定・不溶化処理を伴う無害化処理が施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する無機質素材特性を基礎とし、無公害型石膏類に対して耐水性付与体を付加均質接触混和する耐水性付与体複合化工程に付して、乾粉状態ないし粉粒形態が確保され、アルカリ性域にあって耐水性機能が付加されて石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能を発揮させる無公害型石膏類−耐水性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物において;
上記の耐水性付与体が、粉粒体形状にあるケイ酸塩系組成物からなる水硬性鉱物類で構成されており、該水硬性鉱物類が、セメント類、高炉スラグ、フィロケイ酸塩鉱物類ないしアルノケイ酸カルシウムの群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなるケイ酸塩系組成物からなる水硬性機能を有する水硬性鉱物であり;
上記の耐水性付与体複合化工程が、予め脱フッ素を伴った無害化処理が施されて無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒体形状にある耐水性付与体の10ないし100質量部を付加均質接触混和が施されて、pH値9ないし11の範囲のアルカリ性域にあって耐水性機能の付与された無公害型石膏類−耐水性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化工程であり;
上記の無公害型石膏組成物が、予め脱フッ素を伴った無害化処理が施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して耐水性付与体複合化処理が施され、10μmないし1mmの粒径にある乾粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状の粉粒体形状にあって、耐水性が付与されてpH値9ないし11の範囲のアルカリ性域にあって耐水性機能が付加されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−耐水性付与体の複合組成物として調製されている無公害型石膏組成物が提供される。
本発明によれば、前記の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素処理もしくはカドミウムないしヒ素成分の固定・不溶化処理を伴う無害化処理が施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する無機質素材特性を基礎とし、無公害型石膏類に対してアルミノケイ酸塩、無機酸塩およびナトリウム塩の3者で構成される重金属類固定化体を付加均質接触混和する重金属類固定化体複合化工程に付して、乾粉状態ないし粉粒形態が確保されており、重金属類の不溶・固定化機能が付加されて石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能を発揮させる無公害型石膏類−重金属類固定化体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物において;
上記の重金属類固定化体が、請求項5記載の重金属類固定化剤100質量部に対して、粉末形態にあるリン元素のオキソ酸ないしは該リン元素のオキソ酸の塩化合物の5ないし20質量部ならびにメタケイ酸ナトリウムの5ないし20質量部を加えて均質混和されてワンパック化されている粉粒形態にあって、pH値として10未満が確保されており、水を介して水可溶性重金属類を取り込んで固定・不溶化する機能を発揮するアルミノケイ酸塩組成物を主成分とする重金属類固定化体であり;
上記の重金属類固定化体複合化工程が、予め脱フッ素を伴った無害化処理が施されて無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒体形状にあるアルミノケイ酸塩組成物からなる重金属類固定化体の50ないし100質量部範囲で付加均質接触混和が施されて、pH値10未満であって粉粒体形状にある水可溶性重金属類の不溶・固定化機能が付与された無公害型石膏類−重金属類固定化体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化工程であり;
上記の無公害型石膏組成物が、予め脱フッ素を伴った無害化処理の施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して、重金属類固定化体複合化処理が施され、10μmないし1mmの粒径にある乾粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状の粉粒体形状にあって、pH値10未満である水可溶性重金属類の不溶・固定化機能が付加されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−重金属類固定化体の複合組成物として調製されている無公害型石膏組成物が提供される。
本発明によれば、前記の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素処理もしくはカドミウムないしヒ素成分の固定・不溶化処理を伴う無害化処理が施された無公害型の二水石膏、半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する無機質素材特性を基礎とし、無公害型石膏類対して、無公害型焼却灰類からなる再資源化体を付加して均質接触混和する再資源化体複合化工程に付し、pH値6ないし8未満の中性域にあって粉粒体形状が確保されており、再資源化体が付加されて石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能を発揮させる無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物において;
上記の再資源化体が、粉粒体形状にあって熱履歴を受けて発生する可燃性ゴミ・廃棄物類の焼却灰、下水汚泥の焼却灰、石炭焼却によるフライアッシュ、木質・繊維質・紙類スラッジの焼却灰からなるシリケート類の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせの水溶出性重金属類を共存する公害型廃焼却灰類に対して、請求項9記載の重金属類固定化体を所定量加えて均質接触混和し、次いで養生する無公害化処理工程に付し、公害型廃焼却灰類に共存していた水溶出性重金属類を固定・不溶化せしめる無公害化処理工程に付して、公害型の廃焼却灰類を無公害型に無公害化処理が施された焼却灰類からなる再資源化体であり;
上記の無公害化処理工程が、公害型焼却灰類100質量部に対して、重金属類固定化体を3ないし25質量部の量割合で、さらに水系溶媒を20ないし50質量部加えて水を介して混和し、次いで少なくとも常温で24時間以上養生して無公害型に改質された焼却灰類からなる再資源化体を回収する工程であり;
上記の再資源化体複合化工程が、予め脱フッ素を伴った無害化処理が施されて無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒体形状にある再資源化体10ないし100質量部を付加均質混和が施され、pH値6ないし8未満の範囲の中性域ないし低アルカリ性域にあって再資源化された土質性機能が付与された無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化工程であり;
上記の無公害型石膏組成物が、予め脱フッ素を伴った無害化処理の施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して、再資源化体複合化処理が施され、粉粒体形状の確保されており、10μmないし1mmの粒径にある乾粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状の粉粒状にあって、pH値6ないし8の中性域にあって再資源化体が付加されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物として調製されている無公害型石膏組成物が提供される。
本発明によれば、前記の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素処理、もしくはカドミウムないしヒ素成分の固定・不溶化処理を伴う無害化処理が施された無公害型の半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する無機質素材特性を基礎とし、無公害型石膏類に対して低アルカリ水硬性付与体を付加均質混和する低アルカリ水硬性付与体複合化工程に付して、pH値が10未満の低アルカリ性域にあって水硬性機能が強化されて石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能を発揮させる無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物において;
上記の低アルカリ水硬性付与体が、水硬性鉱物類および脂肪族のヒドロキシ酸からなる有機酸との2者で構成され、水硬性鉱物類100質量部に対して、脂肪族のヒドロキシ酸からなる有機酸が2ないし10質量部の範囲内で配合されて均質混和され、粉粒体形状にあって水硬性鉱物類を主成分とする低アルカリ性において水硬性機能を発揮する水硬性鉱物組成物からなる低アルカリ水硬性付与体であり;
上記の水硬性鉱物類が、セメント類、高炉スラグ、フィロケイ酸塩鉱物類、アルミン酸カルシウム、アルミノケイ酸カルシウムないしは焼却灰類の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる水硬性鉱物類であり;
上記の有機酸が、ヒドロキシ酸からなるグリコール酸、乳酸、グルセリン酸、酒石酸、ヒドロキシ酪酸類、リンゴ酸、クエン酸類、サルチル酸もしくは没食子酸の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせのpH値が6未満にある脂肪族のヒドロキシ基ならびにカルボキシル基を併せ有するオキソ酸からなる有機酸であり;
上記の低アルカリ水硬性付与体複合化工程が、予め脱フッ素を伴った無害化処理が施されて無公害型の半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする弱酸性域ないし中性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒体形状にある低アルカリ水硬性付与体の5ないし100質量部を付加均質混和が施されて、水硬性機能が付与されて、粉粒体形状にあってpH値が10未満の低アルカリ性域にあって水硬性機能の付与された無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化工程であり;
上記の無公害型石膏組成物が、予め脱フッ素を伴った無害化処理の施された無公害型の半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して、低アルカリ水硬性付与体を付加均質混和する低アルカリ水硬性付与体複合化処理に付し、10μmないし1mmの粒径にある乾粉状または1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状の粉粒体形状にあってpH値が10未満の低アルカリ性域にあって水硬性機能が強化されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物として調製されている無公害型石膏組成物が提供される。
本発明において、前記の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素処理もしくはカドミウムないしヒ素成分の固定・不溶化処理を伴う無害化処理が施された無公害型の半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する水硬性機能特性を基礎とし、無公害型石膏類に対して水吸着付与体を付加均質混和する水吸着付与体複合化工程に付して、pH値が10未満の低アルカリ性域にあって粉粒体形状が確保されて水吸着機能が付加されて石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能を発揮させる無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物において;
上記の水吸着付与体が、比表面積が100m/g以上あり、粉粒体形状にあるゲル状非晶質ケイ酸塩、珪藻土、酸性白土、活性白土、ゼオライト、活性ケイ酸塩、アルミノケイ酸カルシウム、木質・竹類・石炭を乾留処理した炭・灰類からなる炭・活性炭ないし熱履歴を受けている焼却灰類や高炉スラグからなるケイ酸塩を主成分とする無機質素材類の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる水吸着性細孔を有する水吸着性素材類で構成されており;
上記の水吸着付与体複合化工程が、予め脱フッ素処理が施されて無公害型半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒体形状にある水吸着付与体の25ないし100質量部を付加均質混和する水吸着付与体複合化処理が施され、粉粒体形状にあってpH値が10未満の低アルカリ性域にあって水硬性機能ならびに水吸着性機能の付与された無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化工程であり;
上記の無公害型石膏組成物が、予め脱フッ素を伴った無害化処理の施された無公害型の半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して、水吸着付与体を付加均質混和する水吸着付与体複合化処理に付して、10μmないし1mmの粒径にある乾粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状の粉粒体形状にあって、pH値が10未満の低アルカリ性域にあって水吸着性機能が付加されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物として調製されている無公害型石膏組成物が提供される。
従来技術において、平成15年に環境省告示18号が改正されるまでは、副生石膏類や廃石膏類を再資源化資材として活用・再利用を検討する時、副生石膏類や廃石膏類群が、フッ素成分をppm単位であるが石膏類に残留している事実は無視されてきた。即ち、副生石膏類や廃石膏類が副生生産されてきた主たる目的は、あくまでも、廃ガス中の硫黄のオキソ酸の除去・回収、リン鉱石からリン成分の生産、蛍石からフッ酸の生産、チタン工業における酸化チタンの生産等が主たる目的であって、ここで生産される副生石膏はあくまでも目的外の副生品であり、余分な産物であった。したがって、ここに副生する石膏類に共存するフッ素、カドミウム、ヒ素成分やその他のアルミニウム等の不純物の存在は、ppm単位の少量であったこともあり、実質的には無視されてきた。このような状況から、副生石膏類を副生生産している製造業者や利用業者では、副生される硫酸カルシウムの石膏中にフッ素成分がフッ化カルシウムやフルオロスルホン酸カルシウム等の複合塩で、またカドミウム、ヒ素成分が水可溶性の状態で僅かなppm単位で共存する現象に対して疎い姿勢にあった。
しかし現時点では、フッ素に関しても環境基準値が制定され、フッ素およびその化合物は、環境省環告18号における溶出量基準で0.8mg/Lならびに環境省環告19号における含有量基準で4000mg/kgを超えていることは廃掃法上許されない。さらに従来から、カドミウムおよびヒ素成分に関しては環境基準値が制定されており、カドミウムおよびその化合物いしはヒ素およびその化合物は、環境省環告18号における溶出量基準で0.01mg/Lならびに環境省環告19号における含有量基準で150mg/kgを超えていることは廃掃法上許されない。
ここで本発明者等は、以上の有害物質成分を共存している副生石膏類や廃石膏類群を再利用・活用するとき、この副生石膏類や廃石膏類群においては、共存する有害物質成分が環境基準値以下の範囲内にあることが最優先される条件であると考えた。したがって本発明者等は、本発明において、副生石膏類や廃石膏類群からなる公害型石膏類に共存するフッ素成分を揮散・排除せしめる脱フッ素処理技術、同時にカドミウムおよびヒ素成分を固定化して水に不溶化状態に改質する固定・不溶化処理技術からなる無公害化処理技術を駆使して、副生石膏類や廃石膏類を生活環境での再利用・再活用を可能にする無公害型石膏類に改質処理する技術の開発を行った。
しかるに従来技術における脱フッ素処理技術において、例えば蛍石やリン鉱石から、フッ酸やリン酸を回収する場合、これらの蛍石やリン鉱石原材料に硫酸を作用せしめて、それぞれフッ酸やリン酸を回収してきた。ここで副生する石膏は、フッ素と復塩で難溶性であるが水溶解性のあるフルオロスルホン酸カルシウムやフルオロリン酸カルシウム等のフルオロオキソ酸カルシウムを形成して副生石膏に共存しており、環境基準値を超える量での水溶出性フッ素成分や水不溶性フッ素成分を共存している。しかるに、この復塩として形成しているフルオロオキソ酸カルシウムを直接系外に揮散せしめて、フッ素成分を系外に排除する化学的・物理的条件による解決技術は開示されていない。また、脱フッ素処理に並行してまたは同時にカドミウムおよびヒ素の有害物質成分に対して固定・不溶化処理技術を施した無公害型石膏類を回収する技術は開示されていない。
したがって本発明者等は、特にフッ素成分に関しては、公害型石膏の中に不活性状態のフルオロオキソ酸カルシウムを形成しているフッ素成分を揮散性に富むフッ化水素酸に予め改質するために、共存フルオロオキソ酸カルシウムをまず分解する必要があると判断した。この共存フルオロオキソ酸カルシウムに対して過剰の酸類を酸性分解剤として加えて分解・活性化環境を作り、フルオロオキソ酸カルシウムを分解・活性化せしめておいてから、分解・活性化されたフルオロオキソ酸カルシウムに対して、アルカリ化処理剤を加え、フルオロオキソ酸カルシウムを揮散性に富むフッ化水素酸に改質し、次いで改質されたフッ化水素酸を加熱により、フッ素成分が水を伴う揮散により系外に排除される手法を試みて、本発明の脱フッ素処理技術に係る本発明に至った。
さらに本発明者等は、カドミウムまたはヒ素成分の単独成分もしくは2成分の重金属類が環境基準値を超えて、しかもフッ素成分が環境基準値を超えて共存する公害型廃石膏類に対して、共存カドミウムまたはヒ素成分に対して特定される重金属類固定化剤と水系溶媒を均質に混和して含水固定化剤混和物を調製して、共存するカドミウムならびにヒ素成分の固定・不溶化処理を施す重金属類固定化工程に付し、同時に本発明の脱フッ素処理を施して、二水石膏、半水石膏ないし無水石膏を主成分とする重金属類が固定・不溶化されている石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法に係わる本発明に至った。
さらに本発明者等は、前記の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、共存フッ素成分を含む有害重金属類を対象として、脱フッ素処理、ならびに共存カドミウムまたはヒ素成分の固定・不溶化処理による無害化処理が施されて回収される低アルカリ性域にある二水石膏、半水石膏もしくは無水石膏の何れかを主成分とする無公害型廃石膏類に対して、中性域付与体、耐水性付与体、重金属類固定化体、再資源化体または低アルカリ水硬性付与体を付加均質配合する複合化処理を施して調製される無公害型石膏−中性域付与体の複合組成物、無公害型石膏−耐水性付与体の複合物、無公害型廃石膏類−重金属類固定化体の複合物、無公害型石膏類−再資源化体の複合物もしくは無公害型半水石膏−低アルカリ水硬性付与体の複合物からなる無公害型石膏組成物に係わる本発明に至った。
またここに調製された無公害型石膏類を基礎素材として、該基礎素材の無公害型石膏類に各種の機能性素材類を複合化処理せしめて調製された無公害型石膏−耐水性付与体の複合物、無公害型廃石膏類−重金属類固定化体の複合物、無公害型石膏類−再資源化体の複合物もしくは無公害型半水石膏−低アルカリ水硬性付与体の複合物からなる無公害型石膏組成物は、酸性域、中性域ないしアルカリ性域にある乾粉状態にある粉末状または砂粒・顆粒状が確保された無公害型石膏類が有する分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能に加え、さらに耐水性機能または重金属類の不溶・固定化機能の付加機能を発揮して、充填材・骨材土壌・地盤・盛土・路床・堤・畦類・田畑に適応できる基盤造成材または軟弱・汚泥状の土壌・地盤に適応できる土質改良材等に提供できる無公害型石膏組成物に係わる本発明に至った。
[処理法]
本発明における公害型廃石膏類の処理法においては、副生石膏類の公害型石膏類に僅かなppm単位で残存している有害物質成分であるフッ素成分の脱フッ素処理と、カドミウムおよびヒ素成分の固定・不溶化処理の二つの処理により有害物質成分の含有濃度を環境基準値以下の範囲に低減させる二つの異なった必要処理技術が包含されている。
本発明での脱フッ素処理に関する処理法の基本は、公害型廃石膏類に共存するフッ素成分であるフッ化カルシウムないしは複合塩のフルオロスルホン酸カルシウム等の形態にあるフッ素成分、ないしは水不溶性にある例えばフロオロアパタイト等の形態にあるフッ素成分に対して、予め酸性分解剤を加えて均質接触混和・養生して、安定域にあるフッ素成分の化合物を酸性域内で分解・活性化してフッ素成分を揮散性に富むフッ素成分に予め改質しておいてから、次いで揮散性に富むフッ素成分に改質されたフッ素成分に対して、揮散媒体による揮散処理条件を与えて、フッ素成分をフッ化水素酸としての水を伴った揮散による系内からの脱フッ素処理を施し、環境基準値に適う無害化処理に施された有用な無機質素材として脱フッ素石膏類を回収する処理法にある。
本発明の公害型石膏類の処理法における脱フッ素処理工程は、予め処理対象である公害型石膏類に対して、酸性分解剤を加えて均質接触混和・養生して、フッ素成分を酸性域内で分解・活性化しておく酸分解養生工程を施して弱酸性にある酸分解含水処理物を調製する工程、次いで、該酸分解含水処理物に対して、アルカリ化処理剤を加えてアルカリ化処理工程を施して低アルカリ性含水処理物を調製しておく工程、さらに次いで、該低アルカリ性含水処理物を加熱による揮散雰囲気中に暴露して、共存フッ素成分が水を伴って揮散排除される脱フッ素処理である揮散工程に付する3工程で構成される処理工程により脱フッ素処理を施して無公害型石膏類を本発明における脱フッ素処理工程の基本工程として重要である。
即ち、本発明の公害型石膏類の処理法においては、予め前処理工程として、有害なフッ素成分がフッ化カルシウムないしはフルオロスルホン酸カルシウム等の形態でppm単位の量で共存する公害型廃石膏類に対して、水を伴った酸性分解剤を加えて均質接触混和されて、酸性域にあってフッ素成分が活性化されている酸分解含水処理物を調製する酸分解養生工程が重要である。次いでここで活性化されたフッ素成分を共存する酸性域にある酸分解含水処理物に対してアルカリ化処理剤を加えてアルカリ化処理を施して、共存するフッ素成分を揮散性に富むフッ化水素酸に改質されている低アルカリ性含水処理物を調製するアルカリ化処理工程が重要である。勿論本発明においては、必要に応じて、予め調製された酸分解含水処理物における固液を予め分離し、さらに必要に応じてアルカリ性液状体にて洗浄して低アルカリ性含水洗浄ケーキを調製する固液分離洗浄工程を施して、酸性分解剤により水可溶性フッ素に改質されたフッ素成分が洗浄除去されたケーキ状洗浄物を調製する固液分離洗浄工程を施す付加工程も有効である。
本発明の公害型石膏類の処理法におる前処理工程である酸分解養生工程は、公害型石膏類に対して、酸性分解剤を特定量加えて均質接触混和する混和処理を施し、次いで少なくとも常温に放置して養生を施し、酸性域にある酸分解含水処理物を調製する工程である。一般に本発明の公害型石膏類に共存するフッ素成分は、オキソ酸のカルシウム塩を形成しており、低温での揮散性を拒む複塩を形成する傾向にある。事実、フッ素とリン酸カルシウムとで形成されるフロオロアパタイト、またフッ素と硫酸カルシウムとで形成されるフルオロスルホン酸カルシウム等が知られている。これらのオキソ酸カルシウムとフッ素の複塩は、低温における揮散性は乏しい。その点で、本発明における酸性分解剤として、リン酸や硫酸を選ぶことはできない。
したがって本発明における公害型石膏類の処理法においては、予め公害型石膏類の系内に共存する水難溶性にあるフルオロスルホン酸カルシウム等のフルオロオキソ酸カルシウムを揮散性が容易な状態に分解しておく必要がある。そのために、この分解を促す分解剤として、カルシウム塩として高い溶解度を示す窒素元素のオキソ酸である硝酸等ないしは塩酸より選ばれる酸性分解剤を特定することができる。
本発明の酸分解養生工程において採択される酸性分解剤は、水系溶媒100質量部に対して、窒素元素のオキソ酸もしくは塩化水素の群より選ばれる酸類の単独ないし2種の組み合わせからなる酸類を100%濃度換算で1ないし4質量部が付加されている酸溶液で構成されていることが好ましい。本発明の酸分解養生工程において採択される酸性分解剤を構成する窒素元素のオキソ酸の具体的例としては、硝酸ないは亜硝酸からなる酸類を好適に選ぶことができる。さらにまた、塩化水素の具体的例としては、一般的呼称である塩酸の水溶液、いわゆる塩酸水を選ぶことができる。
本発明の酸性分解剤における硝酸は、硝酸の沸点は82.6℃と低温にあり、後段の揮散工程において、フッ素成分をフッ化水素酸として揮散せしめるのみならず、余分な遊離の硝酸も揮散排除することが可能であり、揮散排除処理後の無公害型石膏類系内に遊離の酸根を残さないことからも好ましい。また本発明の酸性分解剤における塩酸は、本来は塩化水素酸と呼ばれるべき酸であり、市販の塩酸は、塩化水素の37質量%水溶液が一般的である。そして塩酸の沸点は48℃(37質量%水溶液)と低温にあり、硝酸の場合同様に揮散排除処理後の無公害型石膏類系内に遊離の酸根を残さないことからも好ましい。しかも重要なことは、硝酸カルシウムの溶解度が121.2g/100g水(20℃)であり、塩酸カルシウムの溶解度が74.5g/100g水(20℃)とカルシウム塩として大変大きい点にある。本発明の酸性分解剤としての特長は、このカルシウム塩としての溶解度が大きい点にあり、本発明の酸性分解剤として有効に役割を果たす条件になっている。
また、本発明の酸分解養生工程において、酸性分解剤を構成する水系溶媒としては、各種の水系溶媒から選ぶことができる。水系溶媒として具体的な例としては、自然水(雨水、地下水、河川・湖沼水・たまり水、湧き水、井戸水、海水、人工池・ダム水)、人工処理水(蒸留水、飲料水、工場用水、農業用水、水道水、下水道処理水、産業界の副生水、産業界の排水、生活排水、排水類の処理水)、公害型石膏類の包含水・結晶水、また硝酸ないしはリン酸を溶解せしめている溶解溶媒水の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなるフッ素、カドミウムおよびヒ素等の行該物質を含まない水系溶媒の水を選ぶことが必須である。
本発明の酸分解養生工程における酸分解含水処理物の調製は、公害型廃石膏類100質量部に対して、窒素元素のオキソ酸ないしは塩化水素を100%濃度換算で酸性分解剤を1ないし4質量部、系内の水の総和水を20ないし100質量部になるように加えて全体を均質接触混和せしめてpH値が5未満にある酸分解含水処理物を調製し、次いで酸性域にある酸分解含水処理物を常温条件下に少なくとも1時間放置して養生する工程であることが好ましい。公害型廃石膏類100質量部に対して、酸性分解剤の配合量が1質量部より少ない時は形成される酸分解含水処理物のpH値を5未満に確保することが困難な傾向にあり、共存フッ素成分を容易に分解・解離することは困難な傾向にある。また公害型廃石膏類100質量部に対して、酸性分解剤の配合量が4質量部より多く配合しても特段形成される酸分解含水処理物に優れた効果を期待することはできない。
さらに、本発明の公害型廃石膏類100質量部に対して、系内の水の総和水が20質量部より少ない時は、湿潤な混和物は得られるが、酸分解含水処理物の調製は困難となる傾向にある。また、系内の水の総和水が100質量部より多い時は、水の揮散に時間を要して、水の揮散に経費が無駄となる。したがって本発明の揮散工程においては、フッ素成分に対して水を伴った状態でフッ素成分を揮散しめることから、公害型廃石膏類に対して、等量を超えない範囲の量割合で水系溶媒が加えられて、酸分解含水処理物が調製されていることが好ましい。なお、予め硫酸等のオキソ酸で分解されたpH値5未満にある副生石膏を処理対象とする時は、この酸分解養生工程を省略することができる。
本発明の公害型廃石膏類の処理法における脱フッ素処理工程において、予め調製されたpH値が5未満にある酸分解含水処理物に共存するフッ素成分は、揮散性に富むフッ化水素酸と可溶性のオキソ酸カルシウムに改質処理されて弱酸性にある酸分解含水処理物形成している。ここに調製された酸分解含水処理物に対してアルカリ化処理剤を均質に混和して、酸分解含水処理物を低アルカリ性含水処理物に改質して、揮散性に富むフッ化水素酸とオキソ酸カルシウムに改質処理を施して、フッ素成分を揮散性に富むフッ化水素酸に改質しておくアルカリ化処理工程が必要であり、有効である。
本発明のアルカリ化処理工程において採択されるアルカリ化処理剤は、周期律表第1族元素のナトリウム、カリウムの群もしくは第2族元素のマグネシウム、カルシウムないしストロンチウムの群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる元素の酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、アルミン酸塩ないしリン酸塩からなるアルカリ性機能を発揮する無機化合物で構成されていることが好ましい。本発明で好適に選ばれるアルカリ化処理剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム。酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸ストロンチウ、セメント、高炉スラグ類等を挙げることができる。また、本発明のアルカリ化処理剤として、周期律表第1族元素のナトリウムないしはカリウムのリン酸塩を選ぶときは、系内がアルカリサイドにある時にフッ素成分が共存しているときは、ここに存在するフッ素成分とカルシヤとリン酸とで水不溶性フッ素燐灰石(フルオロアパタイト)を形成することから、水可溶性のフッ素成分を水可溶性のフルオロアパタイトとして固定できることから好ましい。
本発明におけるアルカリ化処理工程における具体的条件は、酸分解養生工程において調製された酸性域にある酸分解含水処理物100質量部に対して、酸化物基準換算でアルカリ化処理剤の1ないし4質量部を加え、必要に応じてアルカリ化処理物系内の水の含水総和量が25ないし33質量%の範囲内になるように水系溶媒を用いて調製し、さらにアルカリ化処理物系内のpH値が7.5ないし9未満の低アルカリ性が確保されている低アルカリ性含水処理物を調製する処理工程であることが好ましい。もし酸分解含水処理物の100質量部に対して、アルカリ化処理剤を1質量部より少ない時は、調製される低アルカリ性含水処理物のpH値を7.5ないし9未満に確保することが困難な傾向にある。また酸分解含水処理物100質量部に対して、アルカリ化処理剤を8質量部より多くなっても特段に優れた効果を見ることはできない。何れにしても、酸分解含水処理物をpH値7.5ないし9未満の低アルカリ性にある低アルカリ性含水処理物に改質して、酸分解含水処理物で確保されていたフルオロオキソ酸カルシウムは揮散性に富むフッ化水素酸とオキソ酸カルシウムに改質処理することができる。
また、調製される低アルカリ性含水処理物におけるpH値が9を超えるアルカリサイドに移行することは、形成された強いアルカリ性雰囲気により、フッ素成分がアルカリのフッ化物として固定化され、揮散しにくい傾向になる。したがって、後段の揮散工程における常温ないいし420℃の低温の揮散性雰囲気中において、これらの強いアルカリ性雰囲気にあるフッ化物は、揮散し難い化合物となり、本発明の揮散条件に適さない傾向になり好ましくない。
本発明の脱フッ素処理工程においては、酸分解養生工程で調製された酸分解含水処理物に対して、アルカリ化処理剤によるアルカリ化処理工程で調製された低アルカリ性にある低アルカリ性含水処理物における固液の分離を予め施す固液分離工程に付することができる。さらにまたアルカリ性液状体を洗浄水として、該低アルカリ性含水処理物に対して洗浄を施すことができる。本発明においては、アルカリ化処理工程で調製された低アルカリ性含水処理物の液状部分に溶解しているフッ素成分が予め分離・洗浄・除去された低アルカリ性含水洗浄ケーキを調製する固液洗浄工程に付することが可能である。特に、フッ素成分の含有量の多い公害型石膏類に対する処理手段としては、この固液分離洗浄工程を施すことは有効である。
しかし、ppm単位で存在するフッ素成分を固・液分離と洗浄により、系内に共存するフッ素成分の量を減少せしめることは可能であるが、完全に分離・洗浄することとは困難な傾向にある。したがってここで回収された低アルカリ性含水洗浄ケーキに対しては、次いで施される揮散・排除条件により、フッ素成分を揮散・排除せしめる脱フッ素を伴った無害化処理を施す揮散工程を施す工程は是非必要である。本発明の固液分離洗浄工程において採択される洗浄水となるアルカリ性溶液は、水系溶媒100質量部に対して、前記のアルカリ化処理剤2ないし6質量部を加えてスラリー化ないし溶液化されてpH値7.5ないし9未満の低アルカリ性にあるアルカリ性液状体が好ましい。
本発明の固液分離洗浄工程は、アルカリ化処理工程で調製された含水アルカリ性混和物における固体と液体を分離された低アルカリ性にある含水ケーキ状混和物に対して、さらにアルカリ性分解剤からなるアルカリ性液状体を洗浄水として、含水ケーキ状混和物を洗浄してpH値7.5ないし8.5未満にある低アルカリ性含水洗浄ケーキを調製する工程であることが好ましい。洗浄は、複数回によるデカンテーション方式でも、また固−液分離後のケーキの上部より洗浄水を注ぎ洗浄する方式でも、公知・公用の洗浄方式から適宜選び選択することができる。
本発明の公害型石膏類の処理法においては、公害型石膏類に対して、酸分解養生工程ならびにアルカリ化処理工程、必要に応じて固液分離洗浄工程を施して調製された低アルカリ性含水処理物ないしは低アルカリ性含水洗浄ケーキを揮散工程に付して無害化処理を完成することができる。本発明における揮散工程は、低アルカリ性含水処理物ないしは低アルカリ性含水洗浄ケーキを常圧ないし減圧下における常温ないし420℃にある揮散性雰囲気からなる揮散媒体中に少なくとも1時間暴露して、低アルカリ性にある含水処理物ないしは含水洗浄ケーキ系内に共存するフッ素成分が水を伴ったフッ化水素(沸点:19.54℃)からなるフッ化水素酸として揮散・除去せしめる揮散排除される脱フッ素処理を施して、低アルカリ性域にある石膏類を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する工程であることが好ましい。
本発明の揮散工程において、揮散媒体として選ばれる空気等の気体は、常圧ないし減圧下にあって常温ないし420℃にある気体であることが好ましい。選ばれる揮散媒体には、気体中ないしは処理対象の含水処理物ないしは含水洗浄ケーキ系内に包含されている水が気体状態で含まれることは当然である。揮散媒体を減圧下にすることは、低温におけるフッ素成分等の揮散を有効に揮散させることができることから好ましい。この時の減圧の程度は、760mmHgの常圧に対して、50ないし10%減の圧力で経済性を確保することができる。揮散媒体の温度は、回収する石膏類の結晶形態(参照表2:二水石膏、α半水石膏、β半水石膏、III型α無水石膏、III型β無水石膏、II型無水石膏)に対応して選ぶことができる。揮散媒体との接触時間は、フッ素の含有量、媒体の圧力、温度、装置形態等により異なるが、少なくとも1時間は処理対象物と接触させることが好ましい。
したがって本発明の公害型石膏類の処理法においては、低アルカリ性にある含水処理物ないしは含水洗浄ケーキを本発明の揮散工程に付することにより、本発明における公害型石膏類の無害化処理を完結させることができる。ここに採択される揮散媒体の温度に応じて回収される二水石膏、半水石膏、無水石膏を主成分とする無公害型石膏類は、10μmないし1mmの粒径にある粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状にある乾粉・粒状品として回収することができる。なお、揮散された排気に含まれるフッ化水素酸等のフッ素成分は、公知・公用のアルカリ系媒体によるフッ素成分回収設備により生活環境に放出することなく回収・除去することができる。
本発明の公害型石膏類の処理法における酸分解養生工程、または酸分解養生工程および固液分離洗浄工程で採択される混和器等の装置群は、ここで採択される少なくとも常温における硝酸や塩酸等に耐える耐酸性材料で構成されておればよい。次いでアルカリ化処理工程および固液分離洗浄工程等で採択される混和器等の装置群は、ここで採択される弱アルカリ性に耐える耐アルカリ性材料で構成されておればよい。さらに、揮散工程ないし脱水工程で採択される加熱キルン等の装置群は、常温ないしは420℃以下の温度雰囲気中に暴露される装置としては、一般に公知・公用されている常圧ないしは減圧雰囲気下で躯動可能な加熱炉・乾燥炉・焼成炉である棚式、ベルトコンベヤ式ないしは回転キルン式等の加熱・蒸発の躯動可能な装置をそれぞれ適宜選び採択することができる。特に本発明において、少なくとも常圧ないし減圧の条件下における常温下での躯動可能な装置を採択する場合は、特別な熱エネルギー等を必要とせず、経済的に二水石膏からなる無公害型石膏類を回収することができることから好ましい。
特にアルカリ化処理工程において調製された低アルカリ性含水処理物ないしは低アルカリ性含水洗浄ケーキを80ないしは420℃の揮散・脱水性の雰囲気中に少なくとも1時間暴露する揮散による脱フッ素を伴った脱フッ素処理ならびに脱水による脱水処理を施す装置としては、スラリー状物ないしは湿潤物の蒸発・濃縮機能を有する各種の公知・公用の加熱・脱水・濃縮装置等から適宜選び採択することができる。勿論、既存のβ半水石膏等を製造できるケットルと呼ばれる平窯式の加熱装置を利用採択することもできる。また既存のα半水石膏等を製造できる加圧水蒸気法ないしは加圧水溶液法による加熱装置を利用採択することもできる。
勿論、アルカリ化処理工程における加熱装置の熱源は、燃焼ガスないし電気より選ぶことできる。また他の設備からの排熱等より供給される熱を利用することは、省エネの立場からも、熱の再利用の立場からも好ましい。何れにしても各種熱源を活用して、コントロールされている熱源を利用する加熱乾燥・焼成炉装置であり、中でも連続的作業の可能な回転キルン等であることが好ましい。また、本発明の公害型石膏類の処理法における酸分解養生工程、揮散工程ならびに脱水工程を一連の工程を連続した装置で連続的に制御して施し、無害化処理の施された弱酸性域にある二水石膏、半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類の回収を合理的に実行することもできる。
本発明の公害型石膏類の処理法における固定・不溶化処理工程においては、予め処理対象である環境基準値を超えた溶解濃度でカドミウムまたはヒ素成分を共存している公害型石膏類を処理対象として、もしくは前記した公害型廃石膏類の処理法によって脱フッ素処理が施されてカドミウムまたはヒ素成分が環境基準値を超えて共存している脱フッ素石膏類を処理対象として、該処理対象に対して、重金属類固定化剤と水系溶媒を均質に混和して、含水固定化剤混和物を調製して、共存するカドミウムならびにヒ素成分の固定・不溶化処理を施す重金属類固定化工程に付し、二水石膏、半水石膏ないし無水石膏を主成分とする重金属類が固定・不溶化された石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法を好適に選ぶことができる。
本発明において、公害型石膏類に共存しているカドミウムまたはヒ素成分をゼオライト前駆体ないしはゼオライトに取り込み固定・不溶化処理を施す工程は、基本的に本発明者等が既に開示している発明(参照;[特許文献10,11,12])の線上にある。即ち本発明における重金属類固定化工程は、水可溶性のカドミウムまたはヒ素成分を本発明の重金属類固定化剤が水を伴って形成するアルミノケイ酸塩からなるゼオライト前駆体ないしはゼオライトの形成時にカドミウムまたはヒ素成分を取り込み、カドミウムまたはヒ素成分を取り込んだ水不溶性のアルミノケイ酸塩からなるゼオライト前駆体ないしはゼオライトを形成させる条件を与える工程であることが好ましい。
本発明の重金属類固定化工程においては、本発明で処理対象とする公害型石膏類に共存する重金属類は、カドミウムならびにヒ素成分に限定されることから、カドミウムならびにヒ素成分を対象に固定・不溶化処理機能を発揮できる重金属類固定化剤であればよい。特に、カドミウムならびにヒ素成分を取り込むゼオライト前駆体ないしはゼオライトの形態としては、シリカとアルミナのモル比が2対1にあるナトリウム型の4A型形態であることが、カドミウムならびにヒ素成分を効率よく取り込むゼオライト前駆体ないしはゼオライトの形態として特に好ましい。このシリカとアルミナのモル比が2対1にありナトリウム型の4A型であるゼオライト前駆体ないしはゼオライトの骨格を形成するアルミノケイ酸塩は、カルシウム成分を包含しているがアルミノケイ酸塩を主成分とする熱履歴シリケートに由来させることが好ましい。
本発明において、カドミウムならびにヒ素成分を効率よく取り込むゼオライト前駆体ないしはゼオライトの骨格として、熱履歴シリケートに結合包含しているカルシヤに対して、本発明の重金属類固定化剤において同時に構成配合される硫酸塩化合物が重要である。本発明でこの選ばれる硫酸塩化合物である例えば硫酸アルミニウムや硫酸鉄が熱履歴シリケートに結合包含しているカルシヤと反応して、硫酸カルシウムを形成するとともに熱履歴シリケートを活性化し、ナトリウムイオンの共存下で4A型であるゼオライト前駆体ないしはゼオライトの骨格を良好に形成促進させる上から好ましい。
したがって、本発明におけるアルミノケイ酸塩からなるゼオライト前駆体ないしはゼオライトの形成を可能にする重金属類固定化剤としては、既存の4A型ゼオライトの主たる組成のシリカ:アルミナ:酸化ナトリウムのモル割合が1:0.5;0.5を目標として調整されていることが好ましい。その結果、本発明における重金属類固定化剤原材料を構成する配合割合は、熱履歴シリケート100質量部に対して、無水物換算でナトリウム塩化合物の5ないし110質量部、無水物換算で硫酸塩化合物の20ないし90質量部、マグネシヤないしカルシヤの零を含む60質量部未満を加えて、シリカ:アルミナ:酸化ナトリウムのモル割合が1:0.5;0.5になるように調整・計算されて配合されることが好ましい。そして、ここに配合される重金属類固定化剤原材料は、原材料が均質に混和されてワンパック化されて粉粒形態にあって、しかもpH値として10未満、好ましくは9未満の低アルカリ性が確保されていることがゼオライト前駆体ないしゼオライトを形成させる上から好ましい。
本発明における重金属類固定化剤を構成する熱履歴シリケートは、乾燥物の酸化物基準で表してシリカ成分を20ないしは65質量%、アルミナ成分を5ないしは35質量%、およびカルシヤ成分を5ないしは40質量%を含有して熱履歴を受けているアルミノケイ酸塩系化合物を主成分とする人工合成品、ゴミ・廃棄物・紙類・下水汚泥の焼却灰、高炉スラグ、セメント類、窯業関連廃材・資材ないしは火山噴出物の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせの粒径1ないし50mmφにある乾粉形態にあるアルミノケイ酸塩化合物を主成分とするシリケートであることが好ましい。そして、該熱履歴シリケートに結合包含されているカルシヤ成分を硫酸塩等で予め外す処理による活性化することにより、熱履歴シリケートをゼオライト前駆体ないしゼオライトの形成骨格となるアルミノケイ酸塩を形成させることができることから好ましい。
勿論、熱履歴シリケートに結合包含されているカルシヤ成分に対して、硫酸塩化合物が反応して硫酸カルシウムが形成され、熱履歴シリケートに結合包含されているカルシヤ成分は硫酸カルシウムとして離脱する。そして、アルミノケイ酸塩化合物を主成分とする骨格からなるゼオライト構造の骨格が形成されることから好ましい。特に本発明においては、ゼオライト構造がナトリウム型の4A型を形成する組成配合を想定して重金属類固定化剤の原材料が構成されていることから、カドミウムならびにヒ素成分を取り込み易いナトリウム型で4A型のゼオライトを形成させる環境にある。
しかし、本発明の重金属類固定化剤に選ばれる熱履歴シリケートとしては、その種類によりさまざまな組成内容にある熱履歴シリケートを選ぶことができる。しかし、本発明で採択する重金属類固定化剤は、4A型ゼオライトを構成できるシリカ:アルミナ:酸化ナトリウムのモル割合が1:0.5;0.5であることが好ましい。モル割合を調整するためには、選ぶ熱履歴シリケートの組成内容(参照:参考例5における表7)に対応して、熱履歴シリケート以外のナトリウム塩化合物や硫酸塩化合物の選択に関し、シリカ:アルミナ:酸化ナトリウムのモル割合が1:0.5;0.5になるように予め計算して、熱履歴シリケート100質量部に対して、無水物換算でナトリウム塩化合物の5ないし110質量部、無水物換算で硫酸塩化合物の20ないし90質量部、マグネシヤないしカルシヤの零を含む60質量部未満の範囲内から選び調整する必要がある。
本発明における重金属類固定化剤を構成するナトリウム塩化合物は、ナトリウム金属元素の酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、硫酸塩、アルミン酸塩、リン酸塩ないしホウ酸塩の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる乾粉形態にあるナトリウム塩化合物であることが好ましい。具体的には、酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、各モル比のケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルミナン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムの単独ないしは2種以上を組み合わせからなるナトリウム塩化合物から適宜選ぶことができる。これらのナトリウム塩化合物は、一般に何水かの結晶水を持っているが、何れの結晶水を持っているナトリウム塩化合物であれ、乾粉形態にあるナトリウム塩化合物を本発明では採択することができる。
本発明における重金属類固定化剤を構成する硫酸塩化合物は、アルミニウム、鉄(II)ないし鉄(III)の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる元素の硫酸塩化合物であることが好ましい。具体的には、硫酸アルミニウム、硫酸鉄(II)ないし硫酸鉄(III)を市販工業薬品から適宜選ぶことができる。これらの硫酸塩化合物は、一般に単独ないしは複数の結晶水を持っているが、いずれの結晶水を持っている硫酸塩化合物であれ、本発明では乾粉形態にある硫酸塩化合物を採択することができる。
さらに本発明における重金属類固定化剤を構成するマグネシヤないしカルシヤは、マグネシウムないしカルシウム元素の酸化物ないし水酸化物であれば、本発明の重金属類固定化剤用の原材料として採択することができる。しかし一般に、重金属類固定化剤に採択される熱履歴シリケートには、マグネシヤないしカルシヤが結合物として包含されている場合が多く。したがって、カルシヤ成分の相当量が既に多く包含されている場合は、重金属類固定化剤用の原材料として、マグネシヤないしカルシヤ成分の配合量は零配合になる場合がある。
本発明における重金属類固定化工程は、処理対象100質量部に対して、上記の重金属類固定化剤の3ないし10質量部、ならびに水系溶媒の10ないし40質量部を加えて均質混和して、pH値で少なくとも9未満の低アルカリ性域にある含水固定化剤混和物を調製し、該含水固定化剤混和物を少なくとも常温において3時間以上、60℃ないし180℃の範囲で10分間以上暴露放置して養生することによりゼオライト前駆体ないしはゼオライトを形成させて、処理対象の公害型廃石膏類に環境基準値を超えて共存する水可溶性のカドミウムないしヒ素成分を形成されるゼオライト前駆体ないしはゼオライトに取り込み固定・不溶化処理を完成させることができる。この時、常温ないし180℃の範囲で10分間以上放置養生することにより、系内に存在する水分は揮散して乾粉状態にある二水石膏ないし半水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類を回収する工程であることが好ましい。勿論、本発明の重金属類固定化工程における養生・脱水条件として、180℃以上の温度条件を選び時は、ここに形成するゼオライト前駆体ないしはゼオライトからも脱水があり結晶を崩壊せしめる傾向にあり好ましくない。
本発明の重金属類固定化工程において、公害型廃石膏類からなる処理対象100質量部に対して、加える重金属類固定化剤が3質量部より少ない時は、共存するカドミウムないしヒ素成分を形成するアルミノケイ酸塩に充分に取り込むことができない傾向にある。また、処理対象100質量部に対して、重金属類固定化剤が10質量部より多くても特段に固定・不溶化機能が効果的になることはない。また、重金属類固定化工程において、系内に加える水系溶媒が10ないし40質量部の範囲にあれば、熱履歴シリケートを主成分とする重金属類固定化剤を活性化してゼオライト前駆体ないしはゼオライトを形成するに十分な量の水量である。
本発明の重金属類固定化工程において調製された含水固定化剤混和物は、採択した重金属類固定化剤を構成する熱履歴シリケート、硫酸アルミニウムおよび硫酸ナトリウム等の原材料の種類と配合量によるが、含水固定化剤混和物のpH値が少なくとも10未満の低アルカリ性域にあることが好ましい。含水固定化剤混和物のpH値が10以上となると、固定・不溶化処理の施された無公害型廃石膏類のpH値が高くなり好ましくない。また含水固定化剤混和物のpH値が7に近い中性域にある時は、カドミウムないしヒ素成分を取り込んだゼオライト前駆体ないしはゼオライトの形成が難しくなる傾向にあり好ましくない。したがって本発明における含水固定化剤混和物のpH値は、7.6ないし10未満、好むらくは9未満の低アルカリ性域内で調製されている含水固定化剤混和物であることが好ましい。
また本発明の重金属類固定化工程において、熱履歴シリケートと硫酸塩化合物とで反応して形成される硫酸カルシウムは、形成された含水固定化剤混和物ないしは処理対象である無公害型廃石膏類における石膏類と同レベルの結晶化合物として好適に扱うことができる。なお、本発明の重金属類固定化剤を構成する熱履歴シリケート中に包含結合しているカルシヤ成分が20質量%以上と多い時は、ここに生成されるゼオライト前駆体ないしはゼオライトの量が少なくことから、公害型廃石膏類に配合する重金属類固定化剤の配合量を多くしておくことが好ましい。
したがって本発明においては、フッ素成分の共存の有無がいずれであれ、少なくともカドミウムないしヒ素成分を共存する公害型廃石膏類を処理対象とする時は、公害型廃石膏類である処理対象に対して、本発明の重金属類固定化剤が水を伴って加えられて均質混和した含水固定化剤混和物を少なくとも少なくとも常温ないし180℃の範囲で10分間以上放置養生し、処理対象の公害型廃石膏類に共存している水可溶性のカドミウムないしヒ素成分に対して固定・不溶化処理が施され、10μmないし1mm粒径にある粉状または1ないし7mmφの粒径にある粒状からなる粉粒体形態にあって、pH値が8ないし10未満の低アルカリ性域にあってカドミウムないしヒ素成分が固定・不溶化処理されている二水石膏を主成分とする石膏類を回収する重金属類固定化工程で構成される公害型廃石膏類の処理法を提供することができる。
勿論本発明においては、フッ素、カドミウムおよびヒ素成分の重金属類を共存する公害型廃石膏類を処理対象成分として、該処理対象に対して、前記の酸分解養生工程ならびにアルカリ化処理工程に順次付し、必要に応じて固液分離洗浄工程に付し、次いで揮散工程に付し、必要に応じて脱水工程もしくは揮散・脱水工程に付する脱フッ素処理が施さされた脱フッ素石膏類を回収し、さらにここに回収された脱フッ素石膏類を処理対象に対して、前記の重金属類固定化工程に付して、カドミウムないしヒ素成分の重金属類が固定・不溶化処理が施されて、脱フッ素処理ならびに重金属類の固定・不溶化処理による無害化処理が順次施されている無公害型廃石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法を提供することができる。
勿論本発明においては、本発明で採択される処理対象となる公害型廃石膏類に共存する有害重金属類が、フッ素成分、カドミウム成分ないしヒ素成分の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる元素成分の何れの場合であれ、本発明の公害型廃石膏類の処理法においては、脱フッ素処理工程ならびに固定・不溶化処理工程が単独工程であれ、併用・同時工程であれ、いずれの場合もそれぞれの工程における処理条件を阻害する条件が存在してはならない。その点で、本発明における脱フッ素処理工程ならびに固定・不溶化処理工程は、それぞれ独立した処理工程として採択されるが、それぞれの処理工程を阻害する条件はなく、脱フッ素処理工程ならびに固定・不溶化処理工程を単独工程ないしは併用・同時工程として採択することが可能である。
[無公害型石膏組成物]
本発明においては、有害なフッ素、カドミウムもしくはヒ素を共存する公害型廃石膏類を処理対象として、本発明の公害型石膏類の処理法を駆使して、低アルカリ性域にある無公害型の二水石膏、半水石膏もしくは無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類を再資源化資材の基礎無機質素材として調製・回収することができる。本来中性域にある一般の石膏類は、その石膏形態によって異なるが、石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能に加え、さらに耐水性機能または重金属類の不溶・固定化機能の付加機能を有している。しかるに一方石膏類は、耐水性が欠如している。さらに、本発明の公害型石膏類の処理法により回収された無公害型石膏類は、低アルカリ性域にあることから、石膏類としての応用用途分野において、自ずと制限を受けることになる。
以上の状況に鑑み、本発明者等は、本発明の公害型石膏類の処理法を駆使して調製・回収された低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して、中性域付与体、耐水性付与体、重金属類固定化体、再資源化体または、低アルカリ水硬性付与体または水吸着付与体を付加均質配合する複合化処理を施すことにより調製された無公害型石膏−中性域付与体の複合組成物、無公害型石膏−耐水性付与体の複合組成物、無公害型廃石膏類−重金属類固定化体の複合組成物、無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物、無公害型半水石膏−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物もしくは無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物からなる新たに中性域機能、耐水性機能、重金属類の不溶・固定化機能が付加されて石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能等を発揮して有効活用可能な無公害型石膏組成物群からなる新規の無機質素材複合組成物の開発を行った。
本発明の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素を伴う無害化処理が施されて回収された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類は、低アルカリ性域にある。しかし本発明においては、粉粒形態が確保されて低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する石膏類の基本機能を有効に活用するために、該無公害型石膏類に対して、無機質系酸性素材からなる粉粒形態にある中性域付与体を付加して均質接触混和する中性域付与体複合化処理に付して、粉粒形態が確保されてpH値が6ないし8未満の中性域にあって石膏類の基本機能を発揮する無公害型の二水石膏、半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類−中性域付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を提供することができる。
しかし、本発明の無公害型石膏組成物では、粉粒形態であることが求められる。しかし、アルカリ性素材を中和できる酸性を発揮する化合物類は、液状態であることが一般的であり、本発明の複合組成物を粉粒形態での調製目的にそぐわない。したがって、本発明の無公害型石膏類−中性域付与体の複合組成物において採択される中性域付与体としては、粉粒形態であることが第一条件である。したがって、本発明で中性域付与体となる酸性を発揮する化合物類を粉粒形態で確保するためには一つの工夫が必要となる。
本発明では、粉粒形態で無機質の酸性化合物を確保するために、シリケートを主成分とする無機質吸着担持体に対して、オキソ酸を吸着・担持させてアルカリ性素材に対する中和機能を発揮させる工夫を行った。具体的には、シリケートを主成分とする無機質吸着担持体100質量部に対して、オキソ酸を100%濃度換算で、水系溶媒に対して10ないし30質量%濃度にあるオキソ酸が水系溶媒に分散・溶解させた液状酸性成分を吸着・担持させたアルカリ性素材の中和機能を有する粉粒形態にある中性域付与体として構成されることができる。
本発明の中性域付与体を構成する無機質吸着担持体は、比表面積が100m/g以上ある粉粒形態にあり、酸類との反応性に乏しいシリケートを主成分とする無機質吸着担持体であるゲル状非晶質ケイ酸塩、珪藻土、活性白土、ゼオライト、活性ケイ酸塩、木質・竹類・石炭を乾留処理した炭灰類からなる無機質素材類の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる吸着性細孔を有する吸着・担持性素材類で構成されていることが好ましい。
本発明の中性域付与体を構成する酸性成分のオキソ酸は、ホウ素元素、炭素元素、窒素元素、リン元素ないし硫黄元素より選ばれる元素のオキソ酸、またはカルボン酸からなる有機化合物のオキソ酸の群より選ばれる単独ないし2種の組み合わせからなるオキソ酸で構成されていることが好ましい。具体的な例として、元素のオキソ酸では、ホウ酸、炭酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、硫酸、亜硫酸等を好適に挙げることできる。またカルボン酸からなる有機化合物のオキソ酸では、飽和脂肪酸であるギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸等、不飽和カルボン酸であるオレイン酸、リノール酸、リノレン酸等、ヒドロキシ酸である乳酸、リンゴ酸、クエン酸等、芳香族カルボン酸である安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸等、ジカルボン酸であるシュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸等、オキソカルボン酸であるピルビン酸等を好適に挙げることできる。
本発明における中性域付与体複合化処理は、予め脱フッ素を伴う無害化処理が施されている低アルカリ性域にある二水石膏、半水石膏または無水石膏を主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒形態にある中性域付与体の1ないし6質量部を付加して均質接触混和が施されて、pH値が6ないし8未満の中性域が付与された無公害型石膏類−中和付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化処理であることが好ましい。
本発明の中性域付与体複合化処理において、無機質吸着担持体100質量部に対して、オキソ酸の100%濃度換算で5質量部以下の量で加えても、中性域付与体としての中和機能を充分に発揮することができない傾向にある。また無機質吸着担持体100質量部に対して、オキソ酸100%濃度換算で30質量部以上の量で加えても特段に優れた効果を期待することはできない。また、低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、中性域付与体の1質量部以下の範囲で付加均質接触混和する中性域付与体複合化処理が施されても、低アルカリ性域にある無公害型石膏類によっては、充分にpH値が6ないし8未満の中性域に改質することができない傾向にある。また低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、中性域付与体の6質量部以上の範囲で付加して均質接触混和する中性域付与体複合化処理が施されると、pH値が6未満の酸性になる傾向にあり好ましくない。
したがって、本発明の無公害型石膏類−中性域付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物は、予め脱フッ素を伴った無害化処理の施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して中性域付与体複合化処理が施されて、粉粒形態の確保されており、10μmないし1mmの粒径にある粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状からなる乾粉・粒状品であって、中和されてpH値が6ないし8未満の中性域にあって石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−中性域付与体の複合組成物として調製されている無公害型石膏組成物を提供することができる。
従来から石膏類、特に焼石膏(半水石膏)は、中性の水硬性固化剤として広く汎用されてきた。しかし石膏類は、水に対する溶解度は意外に大きく、二水石膏においては、100gの水中に対して約0.2gも溶解する。したがって石膏類の硬化・固化成型体は、セメントに代わる無機質の水硬性固化体としては、一般的な特に水系に範囲内での水硬性固化体として適さない。特に水との接触が強いられる屋外や水辺の場所等での使用は避けねばならない欠点を有している。
したがって本発明者等は、本発明の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素を伴う無害化処理が施されて回収された低アルカリ性域にある無公害型の二水石膏、半水石膏もしくは無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類を処理対象素材として、該無公害型石膏類が有する無機質素材としての石膏類の基本機能は生かして、無公害型石膏類に対して耐水性機能を付与することを試みた。具体的には無公害型石膏類に対して、選ばれた耐水性付与体を複合化処理することにより、耐水性機能が付加されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型の二水石膏、半水石膏ないしは無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類と耐水性付与体複合の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製して無公害型石膏組成物を提供することができる。
本発明において耐水性機能を付与するための耐水性付与体としては、粉粒形態にあるケイ酸塩系組成物からなる水硬性鉱物類で構成されており、該水硬性鉱物類が、セメント類、高炉スラグ、フィロケイ酸塩鉱物類ないしアルノケイ酸カルシウムの群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなるケイ酸塩系組成物からなる水硬性機能を有する水硬性鉱物を耐水性付与体として好適に挙げることができる。
本発明の耐水性付与体として選ばれるケイ酸塩系組成物のセメント類としては、ポルトランドセメントの他に、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント、混合セメント、白セメント、エコセメント、特殊セメント(アルミナセメント、超速硬性セメント、コロイド状セメント、油井セメント、地熱セメント、膨潤セメント)、アルミン酸カルシウムないしはアルミノケイ酸カルシウムの群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせの粉末状水硬性鉱物類の水硬性セメンティング材を挙げることができる。さらにセメントと同様に水硬性機能を発揮できる水硬性セメンティング材としては、高炉スラグ、粘土類からなるフィロケイ酸塩鉱物類、アルミン酸カルシウム、アルミノケイ酸カルシウム等は耐水性付与体としての機能を充分に発揮することができる。
本発明の無公害型石膏類に対して、耐水性付与体を複合化処理する耐水性付与体複合化処理条件は、予め脱フッ素を伴った無害化処理が施されている無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒体形状にある耐水性付与体10ないし100質量部を付加均質接触混和する耐水性付与体の複合化処理が施されて、pH値9ないし11の範囲のアルカリ性域にある無公害型石膏類−耐水性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する耐水性付与体複合化処理であることが好ましい。
本発明における耐水性付与体複合化処理は、無公害型石膏類100質量部に対して、耐水性付与体の配合量が10質量部未満では形成される無公害型石膏組成物に充分なる耐水性を期待することはできない。また、無公害型石膏類100質量部に対して、耐水性付与体の配合量が100質量部を超えて配合されることは、無公害型石膏類が有する本来の機能性を損なう傾向にあり好ましくない。何れにしても、無公害型石膏類100質量部に対して、耐水性付与体の10ないし100質量部の範囲で付加均質接触混和する条件が、石膏の特徴を生かして耐水性を付与する条件として好ましい。
本発明において、予め脱フッ素を伴った無害化処理の施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して耐水性付与体の複合化処理が施された無公害型石膏組成物は、10μmないし1mmの粒径にある粉状または1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状からなる乾粉・粒状品であって、pH値9ないし11のアルカリ性域にあって耐水性機能が付与されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−耐水性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物として土木・建設・建築等の分野の各用途に提供することができる。
本発明者等は、既に開示している出願特許技術(参照:[特許文献10,11,12,])を基礎にして、酸化ナトリウム・シリカ・アルミナ・ヘマタイト・カルシヤ・硫酸根・リン酸根等を主成分とする重金属類固定化組成物による重金属類の固定・不溶化技術を開示して実績を挙げてきた。そして、この開示技術の中で本発明者等は、特に土木分野で活用する場合において、既存の石膏を展剤として重金属類固定化組成物の有効成分を載せて、重金属類による汚染土壌等の修復工事用資材として提供して実績を挙げてきた。今回本発明においては、環境基準値を超えてフッ素。カドミウムもしくはヒ素を共存している公害型廃石膏類を無公害型の再資源化資材として低価格で提供可能にすることから、既に開示している重金属類固定化組成物を土木分野に提供するに際して、性能とともに低価格であることが優先される。そうした状況から、本発明者等が開示してきた重金属類固定化組成物を供給するためには、重金属類固定化組成物の有効な展剤となる石膏類を低価格で供給する必要がある。そのために、先に示した公害型廃石膏類の処理法で低価格で再資源化資材である無公害型石膏類を提供できることから、この低価格の無公害型石膏類を展剤とする重金属類固定化剤の開発を無公害型石膏類−重金属類固定化体の複合組成物として開発した。
そして本発明者等は、公害型廃石膏類に共存するカドミウムまたはヒ素成分に限定される有害物質を固定・不溶化処理する技術として、本発明の公害型廃石膏類の処理法における重金属類固定化工程において、公害型廃石膏類に対して特定される重金属類固定化剤の所定量を加えて均質混和した後、所定温度で養生・脱水して、共存する水可溶性のカドミウムないしヒ素成分を固定・不溶化処理して無公害型石膏類を回収する工程を提案している。
本発明の重金属類固定化工程において採択される重金属類固定化剤は、熱履歴シリケート100質量部に対して、無水物換算でナトリウム塩化合物の5ないし110質量部、無水物換算で硫酸塩化合物の20ないし90質量部、マグネシヤないしカルシヤの零を含む60質量部未満を加えて、少なくとも系内のシリカ:アルミナ:酸化ナトリウムのモル比が1;0.5:0.5になるように調整されて均質混和されて粉粒形態でワンパック化されて、pH値10未満にある低アルカリ性が確保されており、水を介して水可溶性重金属類を取り込んで、水可溶性重金属類の固定・不溶化処理機能を発揮するアルミノケイ酸塩組成物からなる重金属類固定化剤である。
しかし、本発明の複合組成物において対象となる有害物質は、環境基準値リストに載っている8種の重金元素群を対象とする固定・不溶化処理を可能とする技術である必要がある。したがって本発明の複合組成物においては、8種の重金属類に対して不溶・固定化処理機能を発揮する重金属類固定化体であることが求められる。したがって、本発明の複合組成物を構成する重金属類固定化体としては、先に示した重金属類固定化剤に加えて、本発明者等が開示している出願特許技術(参照:[特許文献10,11,12,])を基礎にした重金属類固定化機能を発揮できる素材類を原材料として加えて新規の重金属類固定化体を構成させる必要がある。
したがって、本発明における重金属類固定化体は、重金属類固定化剤の100質量部に対して、さらに粉末形態にあるリン元素のオキソ酸ないしは該リン元素のオキソ酸の塩化合物の5ないし20質量部ならびにメタケイ酸ナトリウムの5ないし20質量部を加えて均質混和されてワンパック化されている粉粒形態にあって、pH値として10未満が確保されており、水を介して水可溶性重金属類を取り込んで固定・不溶化する機能を発揮するアルミノケイ酸塩組成物を主成分とする重金属類固定化体で構成させることが好ましい。具体的な例としては、工業薬品ないしは試薬より粉末形態にあるピロリン酸、トリポリリン酸、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム等、さらにメタケイ酸ナトリウム等から適宜選ぶことができる。
本発明の重金属類固定化体において、予め調製された重金属類固定化剤の100質量部に対して、リン成分が5質量部より少ない時は、フッ素成分の不溶化等が充分に達成できない傾向にあり、また20質量部より多くても特段有効な効果は見られない。またメタケイ酸ナトリウムが5質量部より少ない時は、ホウ素成分の不溶化等が充分に達成できない傾向にあり、また20質量部より多くても特段有効な効果は見られない。
本発明の無公害型石膏類に対して、重金属類固定化体を複合化処理する重金属類固定化体複合化処理条件は、予め脱フッ素を伴った無害化処理が施されている無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒形態にある重金属類固定化体の50ないし100質量部範囲で付加均質接触混和が施されて、pH値10未満であって粉粒体形状にある水可溶性重金属類の不溶・固定化機能が付与された無公害型石膏類−重金属類固定化体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化工程であることが好ましい。
本発明の無公害型石膏類−重金属類固定化体の複合組成物の開発に際し、廃棄物類である焼却灰等に共存する水可溶性重金属類の不溶・固定化処理は、所定の装置内で実行することが可能である。しかるに汚染土壌等に共存する水可溶性重金属類を原位置で不溶・固定化処理を安価で実行できる技術は求められている。特に持ち運び不能な原位置に存在する汚染土壌等100質量部に対して、例えば重金属類の不溶・固定化剤の5質量部を原位置で土木的手法により、均質に混和接触させることは実質不可能である。均質な混和接触条件を土木的手法により満足させるには、少なくとも汚染土壌等100質量部に対して、10質量部以上の重金属類の不溶・固定化剤の量であれば、原位置で土木的手法により汚染土壌と重金属類の不溶・固定化剤との均質な混和接触が可能となり、重金属類の不溶・固定化処理を原位置で可能となる。即ち、汚染土壌等に対する重金属類の不溶・固定化剤は、有効成分を希釈剤である分散・展剤等により広げておく必要があり、この分散・展剤として、本発明で再資源化処理された石膏類は大変有効である。
したがって、本発明の無公害型石膏類−重金属類固定化体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物は、予め脱フッ素処理ないしは重金属類が固定・不溶化処理が施されている低アルカリ性域ないし中性域にある無公害型の二水石膏、半水石膏ないしは無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類に対して、粉粒体形状にある重金属類固定化体を付加均質配合して均質接触混和による重金属固定化体複合化処理が施されて、10μmないし1mmの粒径にある粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状からなる乾粉・粒状品であって、pH値10未満である水可溶性重金属類の不溶・固定化機能が付加されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−重金属類固定化体の複合組成物として調製されており、土木・建設・建築等の分野での各用途に適した再資源資材として提供することができる。
特に、公害型石膏類の廃石膏から、本発明の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素を伴う無害化処理が施されて回収された無公害型の半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する無機質素材としての特性を活用として低価格で再資源化された本発明の無公害型石膏類−重金属類固定化体の複合組成物は、大量に発生する汚染土壌ならびに汚染廃棄物類に対して、原位置での修復を可能とする重金属類に対する不溶・固定化剤として有効にして低価格で提供することができる。そして、公害問題に対応して循環型社会の構築に貢献できる。
本発明において処理対象となる公害型石膏類は、廃棄物である廃石膏ボード等から回収された石膏であり、本発明は基本的に、この廃棄物である廃石膏ボード等から回収された石膏が有する土質造成機能等を有効活用させて再資源化資材として提供して、循環型社会への貢献を目指している。一方、土質造成機能を有して大量に放出されている廃棄物として各種の焼却灰類がある。しかし、これらの焼却灰には有害な水可溶性の重金属類が共存しており、無処理の焼却灰をそのまま再資源化資材として活用することはできない。本発明者等は、廃棄物の焼却灰に共存しているフッ素成分を無公害化すると共に、各焼却灰類における水可溶性重金属類を無公害化して、共に有している土質性機能を生かした石膏類+焼却灰類で構成される再資源化資材の構築を検討した。
本発明者等は、各種の焼却灰類の無公害化処理としては、無公害型石膏組成物として無公害型石膏類−重金属類固定化体の複合組成物を調製した時に採択した重金属類固定化体を重金属類の固定・不溶化剤として、処理対象素材となる焼却灰類に加えて、予め水を介して反応せしめて無公害化処理工程に付して無公害型焼却灰類を調製し、無公害化処理が施された無公害型焼却灰類を再資源化体として低アルカリ性域ないしは中性域にある無公害型石膏類に複合化処理を施して、土質造成機能を有効に発揮する低価格の無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を構築した。
本発明における再資源化体は、粉粒体形状にあって熱履歴を受けて発生する可燃性ゴミ・廃棄物類の焼却灰、下水汚泥の焼却灰、石炭焼却によるフライアッシュ、木質・繊維質・紙類スラッジの焼却灰からなるシリケート類の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせの水溶出性重金属類を共存する公害型廃焼却灰類に対して、請求項9記載の重金属類固定化体を所定量加えて均質接触混和し、次いで養生する無公害化処理工程に付し、公害型廃焼却灰類に共存していた水溶出性重金属類を固定・不溶化せしめる無公害化処理工程に付して、公害型の廃焼却灰類を無公害型に無公害化処理が施された焼却灰類からなる再資源化体であることが好ましい。
本発明における無公害化処理工程は、公害型焼却灰類100質量部に対して、重金属類固定化体を3ないし25質量部の量割合で、さらに水系溶媒を20ないし50質量部加えて水を介して混和し、次いで少なくとも常温で24時間以上養生して無公害型焼却灰類からなる再資源化体を回収する工程であることが好ましい。公害型焼却灰類100質量部に対して、重金属類固定化体が3質量部より少ない時は、公害型焼却灰類に共存する重金属類を有効に不溶・固定化することができない傾向にある。また公害型焼却灰類100質量部に対して、重金属類固定化体が25質量部より多くても特段に優れた効果を得ることはできない。さらに公害型焼却灰類100質量部に対して、水系溶媒が20質量部より少ない時は、系内全体を均質に濡らすことが困難傾向にあり、水を介した不溶・固定化反応を完結できない傾向にある。また水が50質量部より多い時は、系内全体が流動体となる傾向にあり、取り扱い上好ましくない。
本発明における再資源化体複合化処理は、脱フッ素を伴った無害化処理が施されて二水石膏、半水石膏ないしは無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域ないし中性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒体形状にある再資源化体が10ないし100質量部を付加均質接触混和する再資源化体複合化処理が施されて、pH値6ないし8未満の範囲の中性域にある無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する再資源化体複合化処理であることが好ましい。無公害型石膏類100質量部に対して、再資源化体が10質量部より少ない時は、再資源化体を複合化せしめるに充分な硬化を発揮させることはできない。再資源化体が100質量部より多くなる公害型石膏類としての土質性機能を充分に発揮させることはできない。
したがって本発明における無公害型石膏組成物は、予め脱フッ素を伴った無害化処理の施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域ないし中性域にある無公害型石膏類に対して、再資源化体複合化処理が施されることにより、10μmないし1mmの粒径にある粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状からなる乾粉・粒状品であってpH値6ないし8の中性域にあって再資源化体が付加されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物として調製されている無公害型石膏組成物を提供することができる。
特に無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物は、廃棄物類である廃石膏ならびに廃焼却灰からを原材料として改質処理して回収した土質性機能を発揮する再資源資材であることから、土木・建設分野等に向けて低価格での提供が可能であり、土木資材としては、土壌・地盤・盛土・造成土・路床・堤・畦類・田畑・山林・苗床・ダム・河川・湖沼・海等に適応させる造成・改良・補修工事等で活用できる。また建設資材としては、道路路盤・路床、路線、橋梁、トンネル、上下水道、農業、公園、園芸等に適応させる造成・改良・補修工事等で提供することができる。
本来石膏類のなかでも半水石膏ないしはIII型無水石膏は、中性であるが速硬性の水硬性機能を有する鉱物として知られている。一方、セメントは高アルカリ性で遅硬性の水硬性機能を有する鉱物として知られている。しかし本発明者等は、本発明では低アルカリ性域ないしは中性域にあって無公害型の半水石膏もしくはIII型無水石膏を主成分とする無公害型石膏類における水硬性機能を有する基礎素材として、pH値が10未満の低アルカリ性域にある水硬性セメンティング材の試作を試みた。
本発明においてpH値が10未満の低アルカリ性域にあって水硬性機能を発揮する無公害型石膏組成物とする調製は、本発明の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素処理が施された低アルカリ性域ないし中性域にある無公害型の半水石膏もしくはIII型無水石膏を主成分とする水硬固化機能を有する無公害型石膏類に対して、所定量の低アルカリ水硬性付与体が付加均質配合して混和する水硬性付与体複合化処理に付することにより低アルカリ水硬性付与体による複合化処理が施されて、pH値が10未満の低アルカリ性域にあり、粉粒体形状にある10μmないし1mmの粒径にある粉末状ないしは1ないし7mmφの粒径にある砂粒・顆粒状にあり、特に耐水性機能および水硬固化機能を発揮できる無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物として改質処理されている無公害型石膏組成物として調製することができる。
本発明における低アルカリ水硬性付与体は、水硬性鉱物類および脂肪族のヒドロキシ酸からなる有機酸との2者で構成されていることが好ましい。したがって、水硬性鉱物類100質量部に対して、脂肪族のヒドロキシ酸からなる有機酸が10ないし60質量部の範囲内で配合されて均質接触混和されて、水硬性鉱物類を主成分とする低アルカリ性において水硬性機能を発揮する水硬性鉱物組成物からなる低アルカリ水硬性付与体であることが好ましい。本発明の低アルカリ水硬性付与体が、水硬性鉱物類100質量部に対して、有機酸が10質量部より少ない時は形成されるる無公害型石膏組成物のpH値を10未満の低アルカリ性に確保することが困難になる。また有機酸が60質量部より多い時は、水硬性鉱物類の含有量が少なくなり水硬性の付与が困難になる傾向にある。
本発明の低アルカリ水硬性付与体を構成する水硬性鉱物類は、セメント類、高炉スラグ、フィロケイ酸塩鉱物類、アルミン酸カルシウム、アルミノケイ酸カルシウムないしは焼却灰類の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる水硬性鉱物類であることが好ましい。また、本発明の低アルカリ水硬性付与体を構成する有機酸は、ヒドロキシ酸からなるグリコール酸、乳酸、グルセリン酸、酒石酸、ヒドロキシ酪酸類、リンゴ酸、クエン酸類、サルチル酸もしくは没食子酸の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせのpH値が6未満にある脂肪族のヒドロキシ基ならびにカルボキシル基を併せ有するオキソ酸からなる有機酸であることが好ましい。
本発明の低アルカリ水硬性付与体複合化処理は、予め脱フッ素処理が施されて低アルカリ性域にある無公害型の半水石膏ないしIII型無水石膏を主成分とする無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒体形状にある低アルカリ水硬性付与体の5ないし100質量部を付加均質配合して均質接触混和する低アルカリ水硬性付与体複合化処理が施されて、粉粒体形状の粉末状ないし砂粒・顆粒状にてpH値が10未満の範囲の低アルカリ性域にある無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する低アルカリ水硬性付与体複合化処理手段であることが好ましい。無公害型石膏類100質量部に対して低アルカリ水硬性付与体が5質量部より少ない時は、水硬性の向上を顕著にみることはできない。また、無公害型石膏類100質量部に対して低アルカリ水硬性付与体が100質量部より多い時は、形成される無公害型石膏組成物のpH値を10未満の低アルカリ性を確保することが困難な方向になるい傾向がある。
本発明の無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物である無公害型石膏組成物は、予め脱フッ素処理が施された低アルカリ性域にある無公害型の半水石膏ないしIII型無水石膏を主成分とする無公害型石膏類を複合対象物として、低アルカリ水硬性付与体による複合化処理に付して低アルカリ水硬性付与体複合化処理が施され、10μmないし1mmの粒径にある粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状からなる乾粉・粒状品であって、pH値が10未満の低アルカリ性域で水硬固化機能が強化されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物として好適に調製されている。
よって、本発明による無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物は、本来水硬性機能を有する無公害型半水石膏に対して、水硬固化機能を発揮する水硬性鉱物であるセメント類等に対して、本発明の脂肪族のヒドロキシ酸からなる有機酸を水硬性鉱物類と併用することにより、半水石膏が有する早い硬化速度をアルカリサイドにあることから緩やかな遅硬性に改善し、pH値10未満の低アルカリ性域を確保して、また、水硬性鉱物本来の硬化・固化時に起こる収縮歪みを緩和して、安定した固化体の形成を可能とすることができる。特に本発明の無公害型石膏組成物が、低アルカリ性にある無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物で構成されていることから、生活環境に対してアルカリおよびアルカリ成分溶出によるによる弊害・負担をかけることがなく好ましい。
本発明において調製された無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物の具体的な用途例としては、例えば、土石資材では、充填材、骨材、土質材等に適応させることができる。また建築資材では、建材、石膏ボード、躯体関連資材、仕上関連資材、外構え関連資材、インターロッキング材等に適応できる。また土木資材では、土壌・地盤・盛土・造成土・路床・堤・畦類・田畑・山林・苗床・ダム・河川・湖沼・海等に適応させる造成・改良・補修工事等で活用できる。また建設資材では、道路路盤・路床、路線、橋梁、トンネル、上下水道、農業、公園、園芸等に適応させる造成・改良・補修工事、セルフレベリング材等で活用できる。特に半水石膏を主成分とする無公害型石膏組成物は、低アルカリ性で水硬性機能を発揮して、土木・建設資材となる低アルカリの土壌・地盤改良材として、また固化材として広く応用活用することができる。特に無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物は、土木分野における含水泥土・汚泥・低質等を対象として、高アルカリ性のセメントに代わる低アルカリ固化改良材として有効に各分野での用途に提供することができる。
本発明の公害型廃石膏類の処理法を駆使して調製された低アルカリ性域にある無公害型の半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する水硬性機能による水を吸着・吸収する機能特性を活用して、さらに無公害型石膏類に水吸着性機能を付与することができる。具体的には低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して、水吸着付与体を付加均質混和する水吸着付与体複合化処理に付して、粉粒形態の確保されており、pH値が10未満の低アルカリ性域にあって水吸着性機能が付加されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を提供することができる。
本発明の無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物に採択される水吸着付与体は、比表面積が100m/g以上ある粉粒体形状にあるゲル状非晶質ケイ酸塩、珪藻土、酸性白土、活性白土、ゼオライト、活性ケイ酸塩、アルミノケイ酸カルシウム、木質・竹類・石炭を乾留処理した炭・灰類からなる炭・活性炭ないし熱履歴を受けている焼却灰類や高炉スラグからなるケイ酸塩を主成分とする無機質素材類の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる水吸着性細孔を有する水吸着性素材類の水吸着付与体で構成されていることが好ましい。
本発明の無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物を調製する水吸着付与体複合化処理は、予め脱フッ素を伴った無害化処理が施されている半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒体形状にある水吸着付与体の25ないし100質量部を付加均質混和する水吸着付与体複合化処理が施され、粉粒体形状にあってpH値が10未満の低アルカリ性域で水吸着性機能が付与され、石膏類の基本機能能を発揮する無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化処理であることが好ましい。
よって、本発明による無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物は、本来水硬固化機能を有する無公害型半水石膏に対して、水吸着性機能を発揮する水吸着付与体である比表面積が100m/g以上ある細孔を有して水吸着性を発揮する無機質素材類の付加均質混和する水吸着付与体複合化処理に付して、10μmないし1mmの粒径にある乾粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状の粉粒状にあって、pH値が10未満の低アルカリ性域にあって水硬固化機能が付加されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を回収して提供することができる。そして、本発明で調製された無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物の無公害型石膏組成物は、具体的用途例としては、例えば、ヘドロや汚泥、また軟弱地盤等の含水率の高い土壌・地盤等における土壌・地盤等の改良・改善に適応させることができる。
結局、本発明においては、有害なフッ素、カドミウムもしくはヒ素を共存する公害型廃石膏類を処理対象として、本発明の公害型石膏類の処理法を駆使して、低アルカリ性域にある無公害型の二水石膏、半水石膏もしくは無水石膏の何れかを主成分として、石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能に加え、さらに耐水性機能または重金属類の不溶・固定化機能の付加機能を付与せしめる複合化処理を施すことにより、無公害型石膏−中性域付与体の複合組成物、無公害型石膏−耐水性付与体の複合組成物、無公害型廃石膏類−重金属類固定化体の複合組成物、無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物、無公害型半水石膏−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物もしくは無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物群を低価格の再資源化資材として提供することができる。
[物性評価試験方法]
本発明においては、本発明の実施例で調製される無公害型廃石膏類ならびに無公害型石膏組成物に係わる性状、物性等を評価するための試験方法は、特記しない限り、基本的にはJIS記載の方法に準拠した試験・分析方法を採択して、本発明に係わる原材料、素材類、調製物、供試料等の諸物性・性能を評価した。
なお、本明細書においては「部」および「%」の記載は、特記しない限り「質量」を以って示し、容量リッターの表示記載を「L」を以って表示することがある。
1.水溶出pH値:
本実施例における供試料におけるpH値は、pH7の純水50gの入った容器に供試料10gを採り、約20℃で30分間攪拌し、次いで3時間放置した溶出検液における固・液分離を行って回収した供試料液をpHメーターによりpH測定し、供試料の5質量倍水に対するサスペンジョン溶出検液におけるpH値として測定した。
2.重金属類の溶出試験:
本発明においては、各供試料における含有微量元素群および主たる組成分の分析は、土壌分析法における底質調査方法IIならびに各溶出試験法に準拠して測定した。また、重金属類の溶出試験は、環境庁告示46号溶出試験方法に準拠して行った。
2−1.環境庁告示46号溶出試験[略記:中性域溶出試験]
2−1−1 試料の作成
供試料を風乾し、中小礫、木片等を取り除き、土塊、団粒を粗砕した後、非金属製2mm目篩を通過させた供試料を十分に均質化して溶出試験用試験体とした。
2−1−2 試料液の調製
溶出試験用試験体(g)を溶媒(純水に必要に応じて塩酸を加え、水素イオン濃度指数が5.8以上6.3以下となるように調製した)に重量比10%の割合で混合し、且つ、その混合液が500ml以上となるようにして調製試料液とする。
2−1−3 元素群の溶出
調製試料液を常温(おおむね20℃)常圧(おおむね1気圧)で振とう機(あらかじめ振とう回数を毎分約200回に、振とう幅を4cm以上5cm以下に調整したもの)を用いて、6時間連続して振とうする。
2−1−4 検液の作成
以上の操作による試料液を10分〜30分静置後、毎分約3,000回転で20分間遠心分離し、上澄液を孔径0.45μmのメンブランスフィルターでろ過してろ液を採り、定量に必要な正確な量を検液とする。なおフッ素に関しては、JIS K0102・34.1記載に準拠して、供試料に所定量の水を加え蒸留により回収して検液とした。
2−2−5 各検液の分析測定方法
各検液における元素群の分析測定方法は、下記に記載される方法に準拠して行った。
Cd;JIS K0102・ 55.4
Pb:JIS K0102・ 54.4
Cr:JIS K0102・ 65.1.5
As:JIS K0102・ 61.2
Se:JIS K0102・ 67.2
Hg:昭和46年12月環境庁告示第59号付表1
F :JIS K0102・ 34.1
B :昭和46年12月環境庁告示第59号付表7
Na:JIS K0102・ 48.1
3.結晶形態:
石膏等の結晶形態は、X線アナライザー装置により測定して評価した。
4.一軸圧縮強度試験:
一軸圧縮強度試験は、JISA1132(コンクリート強度試験用供試体の作り方)に準拠して、セメントモルタル試験用ミキサー(容量:5L)により所定量材料と所定量水とで調合されるモルタルタイプの均質混和物をφ50×100mmの円柱状プラスチック製の容器(JISR5201)に注入充填し、表面をビニールフイルムにより覆って密封状態にて、特記しない限り常温で28日間養生せしめた後脱型する手順で調製・作成された強度測定用の円柱体(φ50×100mm:n=3)を試験用検体として、JISA1216(一軸圧縮強度試験方法)に準拠して一軸圧縮破壊強度(q)を測定して、N/mm(MPa)単位で表した。
5.コーン指数の試験:
含水の汚泥等に対する本実施例の無公害型石膏組成物の水分吸着性の効果を確認するコーン指数は、JISA1228(締固めたに土のコーン指数試験方法)に準拠して、供試料のモルタル型均質含水処理対象基礎材を2ないし7φmm顆粒体に調製して常温で28日間養生して4.75mmふるいにより分級した供試料をモールド内に突き固めにより締固め、締固めた供試体について、ポータブルコーンペネトロメーターを用いてコーン指数を求めた貫入試験法により平均貫入抵抗力=qcを求め、KN/mで表した。
6.耐水性試験:
本実施例の無公害型石膏組成物における耐水性を確認するための耐水性試験は、本実施例で調製した粉末状供試料40gに対して、水16g加えて混和したモルタルを20×20×20mmのサイコロ状の型枠に流し込み、常温で7日間養生して回収した成型体に関して、該成型体を水道水の流水中に24時間曝した後、該成型体の形状を観察して、20×20×20mmのサイコロ状成型体の型が崩れることなく確保されているときを耐水性「あり」と評価し、サイコロ状成型体の型が崩れているときを耐水性「なし」と評価した。
7.吸水率:
本実施例における供試料の吸水率は、底部に真鍮製300メッシュの金網が張られている内径20cmφ×長さ150cmのガラス製円筒管を縦型でセット固定して、このガラス製円筒管内に対象供試料100gを充填し、供試料の充填された上部より水を注ぎ、下部より注いだ水が流出するまで注ぎ、次いでガラス製円筒管下部より水が垂れなくなった時点を供試料が、水を吸着した終点とし、この時の供試料の増量から吸着した水分量を求め、供試料に対する増量%をこの供試料の吸水率とした。
本実施例において、フッ素、カドミウムないしヒ素を共存している公害型廃石膏類を処理対象素材として、公害型廃石膏類の脱フッ素処理ならびにカドミウムおよびヒ素の固定・不溶化処理からなる無害化処理法ならびに複合化処理された無公害型石膏組成物に関して、具体的実施例に関連する条件を例示を以って以下に説明する。
なお、以下本実施例で採択候補される各原材料を以下の参考例で示す。候補とされる原材料は、市販の無機・有機工業薬品、試薬、廃棄物類等より適宜選び、必要に応じて下記記載の条件で調製した試作素材から選んだ。またここに選らばれた素材・材料・薬剤類の配合数量等は、本発明の請求項等で示す有効成分は乾燥物基準で換算した数量表示を基本とするが、各素材・材料・薬剤類の配合数量等の数量表示を有姿数量表示で示す場合がある。また本発明は、本実施例の例示に限定されるものでない。
[参考例1]
本参考例において、本実施例で採択する処理対象となる公害型廃石膏類である粉末状二水石膏を表3に示す。粉末状二水石膏の主成分ならびに二水石膏に共存するフッ素成分の含有量(mg/kg)および水溶出量(mg/L)、ならびにカドミウムおよびヒ素の水溶出量(mg/L)を表3に併せ表示する。
Figure 2014057949
[参考例2]
本参考例において、公害型廃石膏類の処理法における酸混和養生工程で採択される酸性分解剤を構成する酸類として窒素元素のオキソ酸ならびに塩酸を市販の工業薬品もしくは試薬より選び、また水系溶媒を参考例2より選び、酸溶液として調製した時の種類と量割合を表4に示す。
なお、参考までに硝酸、亜硝酸、塩酸のカルシウム塩溶解度[g/100cc(20℃)]を表4に併せ示す。
Figure 2014057949
[参考例3]
本参考例において、公害型廃石膏類の処理法の基本工程における酸分解養生工程、およびその他の工程で採択される水系溶媒を表5に示す。勿論、本発明で採択される水系溶媒は、フッ素、カドミウムおよびヒ素成分等の有害物質を含有しない水系溶媒であることが確認されている。
Figure 2014057949
[参考例4]
本参考例において、公害型廃石膏類の処理法におけるアルカリ化処理工程で採択される市販の工業薬品および試薬より選ばれたアルカリ化処理剤ならびに水系溶媒(純水:W01)を加えて調製したアルカリ性液状体について表6に示す。
Figure 2014057949
[参考例5]
本参考例において、公害型廃石膏類の処理法における重金属類固定化工程に採択される重金属類固定化剤を構成する熱履歴シリケートの組成内容を表7に示し、その他の原材料を市販工業薬品より選ばれた硫酸アルミニウム(16水塩)、硫酸鉄(III)(5水塩)、硫酸ナトリウム(10水塩)およびアルミン酸ナトリウム(4水塩)に関する組成内容を結晶水を有している有姿ならびにその無水物換算した分子量を表8に示す。
Figure 2014057949
Figure 2014057949
本実施例で採択される重金属類固定化剤を調製した際の原材料である熱履歴シリケート、硫酸アルミニウム(16水塩)、硫酸鉄(III)(5水塩)、硫酸ナトリウム(10水塩),アルミン酸ナトリウム(4水塩)、水酸化カルシウムおよび水酸化ナトリウムの種類と有姿による量割合で構成される重金属類固定化剤を表9に示す。
Figure 2014057949
なお、表9で示した本実施例で調製された重金属類固定化剤の組成に関し、調合配合した原材料から無水物換算で再計算した組成の質量%を表10に示す。なお、比較のため市販ゼオライトにおけるナトリウム型の4A型ゼオライトの代表的組成内容を無水物換算で表10に併せて示す。さらに、ゼオライトの主たる骨格を形成するシリカのモル量を1とした時の組成内のアルミナならびに酸化ナトリム成分のモル量との比較をモル比の比率で換算して表10に併せて示す。
Figure 2014057949
[参考例6]
本参考例において、中性域付与体複合化処理により調製される無公害型廃石膏類−中性域付与体の複合組成物に採択される中性域付与体に関し、中性域付与体を構成する無機質吸着担持体を市販の工業薬品より選び表11に示す。また、中性域付与体を構成するオキソ酸を市販の工業薬品および試薬より選び表12に示す。次いで、吸着担持体に対して、参考例2より選んだ水系溶媒とオキソ酸とで調製した液状酸性成分を吸着担持体に吸着担持させた粉粒形態にある中性域付与体を表13に示す。
Figure 2014057949
Figure 2014057949
Figure 2014057949
[参考例7]
本参考例において、耐水性付与体複合化処理が施されて調製される無公害型廃石膏類−耐水性付与体の複合組成物に採択される耐水性付与体に関し、参考例5で示した熱履歴シリケートから選び、その主たる組成を表14に示す。
Figure 2014057949
[参考例8]
本参考例において、重金属類固定化体複合処理手段が施されて調製される無公害型石膏類−重金属類固定化体混和物に採択される重金属類固定化体を構成する副原料である粉末形態にあるリン元素のオキソ酸ならびにその塩化合物を表15に示す。また、重金属類固定化体の主成分となる重金属類固定化剤を参考例5より選び、ここに加える粉末形態にあるリン元素のオキソ酸ならびにその塩化合物、さらにメタケイ酸ナトリウムで構成される重金属類固定化体を表12に示す。
Figure 2014057949
Figure 2014057949
[参考例9]無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物本参考例の無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物において、無公害型石膏類に対する複合化素材となる再資源化体の基礎材となる公害型の焼却灰類における組成内容を表17に示し、ならびに公害型の焼却灰類における重金属類の水溶出量を表18に示す。この焼却灰類に対して、前記の表7に示した重金属類固定化体を加えて水を介して混和し、次いで養生する無公害化処理工程条件を表19に示し、この無公害化処理工程で回収された再資源化体における重金属類の水溶出量を測定し、その結果を表20に示す。
Figure 2014057949
Figure 2014057949
Figure 2014057949
Figure 2014057949
[参考例10]
本参考例の無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物において、無公害型石膏類に対する複合化素材となる水硬性鉱物を表21に示す。
Figure 2014057949
本参考例において、低アルカリ水硬性付与体を構成するセメント類に対して、ヒドロキシ酸からなる有機酸を加えて調製された水硬性鉱物組成物からなる低アルカリ水硬性付与体を表22に示す。
Figure 2014057949
[参考例11]
本参考例の無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物において、無公害型石膏類に対する複合化素材となる水吸着性細孔を有する水吸着付与体の主成分ならびに比表面積(m2/g)を表23に示す。
Figure 2014057949
本実施例において、有害フッ素成分を共存している公害型廃石膏類を処理対象として、水を伴った酸性分解剤を加えて均質接触混和して酸分解含水処理物を調製する酸混和養生工程、次いで該酸分解含水処理物に対してアルカリ化処理剤を加えてアルカリ化処理を施して低アルカリ性含水処理物を調製するアルカリ化処理工程、さらにここに調製された低アルカリ性含水処理物を揮散雰囲気中に暴露して系内に共存のフッ素成分を水に伴われて揮散排除せしめる揮散工程に付する脱フッ素処理により害化処理が施され、低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする無公害型石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法に関する実施例を説明する。
本実施例において、処理対象となる公害型廃石膏類は、参考例1で選んだG01、G02およびG03の3種類の公害型廃石膏類を選んだ。初期分解処理剤となる酸性分解剤は、参考例3で示した酸性分解剤から選び、水系溶媒は、参考例3で示した水道水を選んだ。酸混和養生工程において、酸分解含水処理物を構成する公害型廃石膏類、酸性分解剤ならびに水系溶媒の種類と量割合ならびにpH値を表24に併せ表示する。次いで施されるアルカリ化処理工程において、上記で調製した酸分解含水処理物を混和構成するアルカリ化処理剤の種類と量割合およびpH値を表20に併せ表示する。
なお、本実施例における比較例として、酸分解養生工程は実施するが、アルカリ化処理工程を実施しなかった場合に回収した含水混和物、ならびに酸分解養生工程を実施せずにアルカリ化処理工程を実施した場合に回収した含水混和物について、いずれも揮散工程を施して回収した二水石膏を比較例とした。
Figure 2014057949
次いで施されたアルカリ化処理工程により混和調製された低アルカリ性含水処理物を揮散処理対象として、系内に共存するフッ素成分を表25に示す条件下で水を伴って揮散排除せしめる脱フッ素による無害化処理を施す揮散工程に付し、低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする無公害型石膏類を回収し、回収した無公害型石膏類のフッ素の溶出量と含有量を表25に併せ表示した。なお、減圧は減圧ポンプを併用した。
なお、ここで回収された低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする無公害型石膏類における水可溶性フッ素成分量と含有量、さらにそのpH値を測定し、その結果性状を表25に併せ示す。また、本実施例の比較例(試料No.H1−01ないしH1−04)として、本発明の公害型廃石膏類の処理法における酸分解養生工程ないしはアルカリ化処理工程を採用せずして直接揮散工程を施して回収した二水石膏を主成分とする石膏類に関する測定の結果性状を表25に併せ表示する。
Figure 2014057949
以上の結果、本発明の公害型廃石膏類の処理法において、公害型廃石膏類を処理対象として、水を伴った酸性分解剤を加えて均質接触混和して酸分解含水処理物を調製する酸分解養生工程、次いで該酸分解含水処理物に対してアルカリ化処理剤を加えてアルカリ化処理を施して低アルカリ性含水処理物を調製するアルカリ化処理工程、さらに次いで調製された低アルカリ性含水処理物を揮散雰囲気中に暴露する揮散工程の基本的3工程、特に減圧下における常温での揮散工程に付する公害型廃石膏類の処理法を施すことにより、公害型廃石膏類系内に共存するフッ素成分が水に伴われて揮散排除される脱フッ素処理によりフッ素成分が環境基準値以下に無害化処理が施され、pH値が9未満の低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする無公害型石膏類が回収される公害型廃石膏類の処理法であることが良く理解される。
なお、比較例を本実施例と比較して考察する時、本発明の公害型廃石膏類の処理法において、酸分解養生工程は施すが、アルカリ化処理工程を施さずに処理物を揮散工程に付すると、水溶出性フッ素成分の溶出量は環境基準値を大きく超えており無公害型石膏類として回収することはできなかった。また本発明の公害型廃石膏類の処理法において、酸分解養生工程を施さず、アルカリ化処理工程のみを施した処理物を揮散工程に付すると、水溶出性フッ素成分の溶出量は環境基準値を超えており、フッ素成分の含有量も環境基準値の範囲内に減少させることはできなかった。即ち、本発明の公害型廃石膏類の処理法においては、揮散工程を施す前処理として、まず酸分解養生工程を施して酸分解含水処理物を調製し、次いで該酸分解含水処理物に対してアルカリ化処理工程を施す2段構えの前処理工程を予め施しておく工程の必要性が良く理解される。
本実施例において、公害型廃石膏類に対して、水を伴った酸性分解剤を加えて均質接触混和して酸分解含水処理物を調製する酸分解養生工程、次いで調製された酸性域にある酸分解含水処理物に対してアルカリ化処理剤を加えてアルカリ化処理を施して低アルカリ性含水処理物を調製するアルカリ化処理工程を施した後、ここに調製された含水低アルカリ性混和物における固液の分離を行い、そしてアルカリ性液状体により洗浄して低アルカリ性含水洗浄ケーキを調製する固液分離洗浄工程を施し、次いで調製された低アルカリ性含水洗浄ケーキを揮散雰囲気中に暴露して系内に共存するフッ素成分が水に伴われて揮散排除する脱フッ素による無害化処理が施される揮散工程の4工程に付し、低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする無公害型石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法に関する実施例を説明する。
本実施例で採択したアルカリ化処理工程を施した含水低アルカリ性混和物は、実施例1で調製した含水低アルカリ性混和物から選んだ。本実施例の固液分離洗浄工程おいて採択したける洗浄水であるアルカリ性液状体は、参考例4で選んだアルカリ性液状体から表24に示す種類と量を選んだ。なお、本実施例における洗浄手段は、バッチ式のデカンテーション方式によりそれぞれ3回繰り返して洗浄を行って低アルカリ性含水洗浄ケーキを回収した。なお、ここに回収した低アルカリ性含水洗浄ケーキを表26に示す条件の揮散工程に付して、脱フッ素によりフッ素成分が環境基準値以下に無害化処理が施して、低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする無公害型石膏類を回収し、その回収無公害型石膏類の性状を測定し、その結果を表26に併せ示す。
Figure 2014057949
以上の結果、本発明の公害型廃石膏類の処理法において、予め調製した低アルカリ性含水処理物における固液の分離を行い、さらに低アルカリ性含水処理物に対してアルカリ性液状体をもちいて洗浄することにより、予め効率よく水に溶解しているフッ素成分が除去されており、さらに次いで低アルカリ性含水洗浄ケーキを揮散工程に付することにより、ここに回収された無公害型石膏類に残る含有フッ素成分は極度に減少した無公害型石膏類が回収されることが良く理解される。
本実施例において、本発明の公害型廃石膏類の処理法による酸分解養生工程ないしは酸分解養生工程と固液分離洗浄工程、ならびにアルカリ化処理工程、および揮散工程を施して回収された脱フッ素処理が施された低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする無公害型石膏類に対して、加熱脱水処理を施す脱水工程を施して、低アルカリ性域にある半水石膏ないし無水石膏を主成分とする無公害型石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法に関する実施例を説明する。
本実施例で処理対象となる先の実施例において揮散工程を施して回収された低アルカリ性域にある脱フッ素処理の施された二水石膏を主成分とする無公害型石膏類としては、実施例1ないし実施例2において調製した二水石膏を主成分とする無公害型石膏類を選び表27に示す。二水石膏を主成分とする無公害型石膏類に対して加熱脱水処理を施す脱水工程における脱水条件は、表27に併せ示す。
Figure 2014057949
以上の結果、本発明の公害型廃石膏類の処理法において、予め調製された低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して、それぞれ所定温度で脱水工程を付加させることにより、脱フッ素処理の施された二水石膏が、半水石膏ないしは無水石膏を主成分とする無公害型石膏類に改質されている無公害型石膏類が回収されることが良く理解される。
本実施例において、本発明の公害型廃石膏類の処理法による酸分解養生工程ならびにアルカリ化処理工程により調製された低アルカリ性含水処理物ないしは固液分離洗浄工程により調製された低アルカリ性含水洗浄ケーキを処理対象として揮散工程ならびに脱水工程を併用させて施して、脱フッ素を伴った無害化処理ならびに加熱脱水処理を同時に施す揮散・脱水工程に付して、半水石膏ないし無水石膏を主成分とする無公害型石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法に関する実施例を説明する。
本実施例で処理対象となる低アルカリ性含水処理物ないしは低アルカリ性含水洗浄ケーキは、実施例1で調製した低アルカリ性含水処理物、ならびに実施例2で調製した低アルカリ性含水洗浄ケーキを選んだ。また、揮散工程と脱水工程を同時に連続して行う処理条件は、所定時間の揮散工程を経た後、連続して脱水工程の条件で揮散・脱水処理した条件を表28に併せ示す。なお、本実施例で回収した石膏類の形態を同定した結果を表28に併せ示し回収した半水石膏ないし無水石膏における性状を測定し、その結果を表28に併せ示す。
Figure 2014057949
以上の結果、予め調製された低アルカリ性含水洗浄ケーキまたは低アルカリ性含水処理物を処理対象として、揮散工程と脱水工程を連続して行う処理条件として、140℃ないしは335℃を選ぶときは、フッ素成分の揮散・排除ならびに結晶転移の処理が同時に進行して処理される様子が良く理解される。
本実施例において、本発明の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素を伴う無害化処理が施されて回収された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する無機質素材特性を活用して、該無公害型石膏類に対して中性域付与体を付加均質接触混和する中性域付与体複合化処理に付して、中性域にあって乾粉状態ないし粉粒形態が確保されており、充填性機能、水硬性機能もしくは土質性機能を発揮する無公害型石膏類−中性域付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物に関する実施例を説明する。
本実施例で処理対象となる低アルカリ性域にある石膏としは、実施例1および3において回収された二水石膏、半水石膏ないしは無水石膏の中から選んだ。本実施例で採択した中性域付与体は、参考例6で示した中性域付与体の中から選んだ。中和工程は、表29に併せ示す条件により、処理対象の石膏類に対して所定量のアルカリ中和付与体を付加均質混和する中性域付与体複合化処理を施して、中性域にある無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏組成物を供試料とした。
Figure 2014057949
以上の結果、本発明の公害型廃石膏類の処理法を駆使して予め回収された低アルカリ性にある無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類に対して、中性域付与体を付加均質混和する中性域付与体複合化処理を施すことにより、中性域にあって充填性機能、水硬性機能もしくは土質性機能を発揮する無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏組成物が回収されることいが良く理解される。
本実施例において、本発明の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素を伴う無害化処理が施されて回収された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する無機質素材特性を活用して、該無公害型石膏類に対して耐水性付与体を付加均質接触混和する耐水性付与体複合化処理に付して、アルカリ性域にあって乾粉状態ないし粉粒形態が確保され、耐水性機能を有して充填性機能、水硬性機能または土質性機能を発揮する無公害型石膏類−耐水性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物に関する実施例を説明する。
本実施例で選んだ無公害型の二水石膏、半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする無公害型廃石膏類は、脱フッ素処理の施された無公害型石膏類に対して、実施例1および3において、予め調製された表23に示す低アルカリ性域にある無公害型廃石膏類から選んだ。本実施例で選ばれた耐水性付与体は、参考例7で選ばれた耐水性付与体から選んだ。耐水性付与体の複合化処理を施す手段は、表30に表示する条件により、処理対象となる無公害型石膏類に対して、水を伴うことなく乾粉状態で耐水性付与体を付加均質配合して乾粉状態でワンパックされた混和複合体を耐水性の付与された無公害型石膏組成物を供試料とした。
本実施例における無公害型石膏組成物の性状に関して、耐水性の付与効果は、供試料の乾粉状態でワンパックされた無公害型石膏組成物100質量部に対して、水の40質量部を加えて全体が一体化してまとまっている可塑状態にあるモルタルとし、該モルタルを20×20×20mmのサイコロ状の型枠に流し込み、常温で7日間養生して回収した成型体に関して、該成型体を水道水の流水中に24時間曝した後、該成型体の形状を観察して、20×20×20mmのサイコロ状成型体の型が崩れることなく場合を耐水性「あり」と評価し、サイコロ状成型体の型が崩れる場合を耐水性「なし」と評価した。その他の性状[フッ素溶出量(mg/L)、pH値]を測定して表30に併せ示す。
Figure 2014057949
以上の結果、予め脱フッ素処理が施されて弱酸性域ないしは中性域にある無公害型の二水石膏、半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする無公害型廃石膏類に対して、耐水性付与体が付加均質配合して均質混和されている耐水性付与体複合化処理に付することにより、耐水性付与体複合処理が施されて、耐水性が確保されており、無公害型の二水石膏、半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする無公害型廃石膏類−耐水性付与体の複合組成物からなり、充填性機能を有して耐水性機能を発揮する無公害型石膏組成物を再資源化資材として提供できることが良く理解される。
本実施例において、本発明の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素処理が施されている無公害型の二水石膏、半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする無公害型廃石膏類に対して、重金属類固定化体を付加配合して均質混和される重金属類固定化体複合化処理に付され、水可溶性重金属類の不溶・固定化機能を発揮する無公害型廃石膏類−重金属類固定化体の複合組成物(以下「汚染物の修復処理剤」と略記)からなる無公害型石膏組成物に関する実施例を説明する。
本実施例で選んだ無公害型の二水石膏、半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする無公害型廃石膏類は、実施例1および3において予め調製された低アルカリ性域にある無公害型廃石膏類から選んだ。各無公害型廃石膏類に対して、重金属類固定化体複合化処理を施すために付加配合される重金属類固定化体としては、参考例8に示した原材料を均質混和して表16に示したアルミノケイ酸塩組成物からなる重金属類固定化体から選んだ。そして供試料となる無公害型廃石膏類−重金属類固定化体の複合組成物からなる汚染物の修復処理剤は、公害型廃石膏類に対して、アルミノケイ酸塩組成物からなる重金属類固定化体を表31に示す種類と量割合で付加均質配合して調製した。
ここに調製した汚染物の修復処理剤となる無公害型廃石膏類−重金属類固定化体の複合組成物に関する性状を先に示した物性評価試験方法に準じて測定し、その結果(形状、主成分、pH値ならびに水溶出フッ素量(mg/L))を表31に併せ示す。なお、無公害型廃石膏類−重金属類固定化体の複合組成物の汚染物の修復処理剤として効果は、下記に示す有害重金属類を共存する汚染土壌を該汚染物の修復処理剤により修復処理した時の効果の評価により行った。
Figure 2014057949
本実施例においては、予め無公害型石膏組成物を基礎素材として調製された汚染物の修復処理剤(無公害型廃石膏類−重金属類固定化体の複合組成物)における重金属類不溶・固定化機能の効果を確認するために、有害重金属類を共存する汚染土壌(参照:表30)に対して、水を伴って該汚染物の修復処理剤を加え混和して、汚染土壌における共存有害重金属類の不溶・固定化状況を確認して、汚染物の修復処理剤における有害重金属類の不溶・固定化機能を確認した。
本実施例の汚染物の修復処理剤における不溶・固定化機能の確認方法は、まず化学工場跡地の2カ所より採取した汚染土壌であり複数の重金属類[カドミ、鉛、クロム、ヒ素、水銀]で汚染されている汚染土壌[土壌Aおよびに土壌B]を処理対象の未処理汚染土壌として選んだ。ここに選んだ土壌Aならび土壌Bにおける水分および主成分[乾燥物基準で質量%]さらに無処理土壌Aおよび土壌Bにおける水可溶性重金属類の中性域(pH7)における溶出試験分析を行い、その性状結果を表32に併せ示す。
Figure 2014057949
次いで本実施例においては、土壌Aおよびに土壌Bからなる汚染土壌を処理対象として、水を伴って表29に示す汚染物の修復処理剤の所定量を付加配合して均質に混和して混和物とした。処理対象汚染土壌と汚染物の修復処理剤と水との所定量を付加配合して均質混和して混和物を調製する手段としては、混ぜ混和装置である試験用モルタルミキサー[マイティ30(容量20リッター:攪拌60rpm):(株)愛工舎製作所]を採択した。該試験用モルタルミキサーを用いて撹拌混合方式による顆粒化装置に付して調製して1ないし7mmφにある含水の粉粒体、砂粒体ないしは顆粒体に顆粒状混和物を回収した。次いで、該混和物を常温で少なくとも3日間放置養生して供試料とした。
Figure 2014057949
ここに土壌Aおよびに土壌Bからなる汚染土壌を処理対象として、本実施例の汚染物の修復処理剤を加えて水を伴って混和調製し養生された供試料における重金属類の不溶・固定化を評価するため、水可溶性重金属類の中性域(pH7)における溶出試験分析を行い、その性状結果を表34に併せ表示した。
Figure 2014057949
以上の結果、有害な重金属類が環境基準を超えて溶出する汚染土壌に対して、本実施例で調製した予め脱フッ素処理が施されている二水石膏、半水石膏および無水石膏を主成分とする無公害型廃石膏類を展剤として、該無公害型廃石膏類に対して重金属類固定化体を付加均質配合して均質混和した無公害型廃石膏類−重金属類固定化体の複合組成物である汚染物の修復処理剤を付加配合した汚染土壌の修復処理により、汚染土壌に共存していた環境基準値を超える重金属類が環境基準値内に固定化されており、本実施例の無公害型廃石膏類−重金属類固定化体の複合組成物である汚染物の修復処理剤における水可溶性重金属類の不溶・固定化機能が充分に発揮されていることが良く理解される。
本実施例において、本発明の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素を伴う無害化処理が施されて回収された無公害型の二水石膏、半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する無機質素材特性を活用して、該無公害型石膏類対して無公害型焼却灰類からなる再資源化体を付加均質接触混和する再資源化体複合化処理に付し、pH値6ないし8未満の中性域にあって粉粒形態の確保されており、再資源化された土質性機能を発揮する無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物に関する実施例を説明する。
本実施例において選んだ無公害型の二水石膏を主成分とする無公害型廃石膏類は、実施例1、2および3において予め調製された低アルカリ性域にある無公害型廃石膏類から選んだ。また、本参考例において選んだ再資源化体は、参考例9に示された表18ならびに20に組成内容および共存水溶出有害重金属類の量を有する公害型焼却灰類に対して、水を伴って重金属類固定化体を加えて無害化処理が施されている無公害型焼却灰類からなる再資源化体から選んだ。本実施例おける無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物は、表35に示す量割合で無公害型石膏類に対して、再資源化体を付加均質混和が施された複合化処理が施されており、表35にその性状を測定した結果を示す。
Figure 2014057949
以上の結果、予め有害な重金属類が環境基準を超えて溶出する公害型焼却灰に対して、重金属類固定化体を付加均質配合して均質混和した無公害型の焼却灰を再資源化体として、該再資源化に対して、体n無公害型の二水石膏を主成分とする無公害型廃石膏類を展剤として均質混和する再資源化体複合化処理が施された無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物が土質性機能を発揮する無公害型石膏組成物であることが良く理解される。
本実施例において、本発明の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素を伴う無害化処理が施されて回収された無公害型のβ半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する無機質素材特性を活用して、該無公害型石膏類に対して低アルカリ水硬性付与体を付加均質混和する低アルカリ水硬性付与体複合化処理に付して、pH値が10未満の低アルカリ性域にあって粉粒形態の確保されており、充填性機能、水硬性機能もしくは土質性機能を発揮する無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物に関する実施例を説明する。
本実施例で選んだ無公害型のβ半水石膏ないしはII型無水石膏を主成分とする無公害型廃石膏類としては、実施例4において予め調製された低アルカリ性域にある無公害型廃石膏類から選んだ。該弱酸性域ないし中性域にある無公害型廃石膏類に対して付加均質配合する低アルカリ水硬性付与体複合化処理を施す低アルカリ水硬性付与体としては、参考例10に示した低アルカリ水硬性付与体の中から選んだ。
本実施例における無公害型廃石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物は、選んだ無公害型のβ半水石膏ないしはII型無水石膏を主成分とする無公害型廃石膏類に対して、表32に示す量割合で選んだ低アルカリ水硬性付与体を付加配合する低アルカリ水硬性付与体複合化処理により調製した。調製した無公害型石膏組成物について物性評価試験方法に準じて、形状、pH値、水溶出フッ素量(mg/L)および一軸圧縮強度(N/mm)を測定した結果を表36に併せて示す。
Figure 2014057949
以上の結果、予め調製された脱フッ素処理が施された低アルカリ性域にある無公害型のβ半水石膏ないしはII型無水石膏を主成分とする無公害型廃石膏類に対して、粉末状態にある低アルカリ水硬性付与体を付加配合して調製された無公害型廃石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物は、汚染土壌に対して、「自走式土質改良方式」および「バックホウ攪拌方式」による常温における一連の土壌改良・修復作業工程を駆使することにより、pH値が低アルカリ性域にあり、水溶出性のフッ素成分の溶出量のみならず水溶出性重金属類の溶出量が環境基準値以下にあり、一軸圧縮強度が14N/mm以上で水硬性の固化体を形成している公害型廃石膏類が無公害型石膏組成物の再資源資材として改質されている状態が良く理解される。
本実施例において、本発明の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素を伴う無害化処理が施されて回収された無公害型のβ半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する水硬性機能特性を活用して、該無公害型石膏類に対して水吸着付与体を付加均質混和する水吸着付与体複合化処理に付し、pH値が10未満の低アルカリ性域にあって粉粒形態の確保されており、充填性機能、水硬性機能、水吸着性機能または土質性機能を発揮する無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物に関する実施例を説明する。
本実施例において選んだ無公害型のβ半水石膏およびII型無水石膏を主成分とする無公害型廃石膏類は、実施例4において予め調製された低アルカリ性域にある無公害型廃石膏類から選んだ。また、本実施例において選んだ水吸着付与体は、参考例6に示された表7で示された比表面積が100m/g以上あり、粉粒体形状にある吸着担持体を水吸着付与体として選んだ。
本実施例における無公害型廃石膏類−水吸着付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物は、選んだ無公害型の半水石膏ないしはIII型無水石膏を主成分とする無公害型廃石膏類に対して、表37に示し量割合で選んだ水吸着付与体を乾粉状態で付加配合する水吸着付与体複合化処理により調製した。調製した無公害型石膏組成物について、形状、pH値、水吸着増量(g)、および水溶出フッ素量(mg/L)をそれぞれ測定した結果を表37に併せて示す。
Figure 2014057949
以上の結果、予め脱フッ素を伴う無害化処理が施されて回収された無公害型のβ半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する水硬性機能特性を活用して、該無公害型石膏類に対して水吸着付与体を付加均質混和する水吸着付与体複合化処理に付し、pH値が10未満の低アルカリ性域にあって粉粒形態に調製された無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物は、充填性機能、水硬性機能、水吸着性機能または土質性機能を発揮する無公害型石膏組成物からなる水吸着性無機質素材として活用されることが良く理解される。

Claims (12)

  1. 少なくともフッ素成分を共存する公害型廃石膏類を処理対象として、水系溶媒を伴った酸性分解剤を加えて均質に接触混和して酸性域にある酸分解含水処理物を調製する酸分解処理を施す酸分解養生工程に付し、次いで調製された酸性域にある酸分解含水処理物に対してアルカリ化処理剤を加えて低アルカリ性含水処理物を調製するアルカリ化処理を施すアルカリ化処理工程に付し、調製された低アルカリ性含水処理物を揮散雰囲気中からなる揮散媒体中と接触させて共存するフッ素成分を水が伴われて揮散排除せしめる揮散工程からなる脱フッ素処理を施す3工程に付して、低アルカリ性域にある石膏類を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する廃石膏類の処理法において:
    上記の公害型廃石膏類が、フッ素およびその化合物、カドミウムおよびその化合物、ないしはヒ素およびその化合物の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる元素およびその化合物(以下、フッ素、カドミウムないしヒ素を「有害重金属類」と略記)における環境省の環告18号の溶出量基準ないしは環告19号の含有量基準として定められている環境基準値をそれぞれ超えて共存する粉状・粒状・顆粒状にある二水石膏、半水石膏または無水石膏からなる石膏類であり;
    上記の水系溶媒が、自然水(雨水、地下水、河川・湖沼水・たまり水、湧き水、井戸水、海水、人工池・ダム水類)ないしは人工処理水(蒸留水、飲料水、工場用水、農業用水、水道水、下水道処理水、産業界の副生水、産業界の排水、生活排水、排水類の処理水類)の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなるフッ素、カドミウムおよびヒ素を含まない水系溶媒であり;
    上記の酸性分解剤が、水系溶媒100質量部に対して、窒素元素のオキソ酸もしくは塩化水素の群より選ばれる酸類の単独ないし2種の組み合わせからなる酸類を100%濃度換算で少なくとも1質量部が付加されている酸溶液で構成されており;
    上記の酸分解養生工程が、公害型廃石膏類100質量部に対して、酸溶液を無水の酸類100%濃度換算で酸性分解剤を1ないし4質量部、系内の水の総和水量が20ないし100質量部になるように水系溶媒を加えて全体を均質接触混和せしめて系内のpH値が5未満にある酸分解含水処理物を調製し、次いで酸性域にある該酸分解含水処理物を常温条件下に少なくとも1時間放置して養生して公害型廃石膏類に共存するフッ素成分化合物に対して酸分解処理を施す工程であり;
    上記のアルカリ化処理剤が、周期律表第1族元素のナトリウム、カリウムの群もしくは第2族元素のマグネシウム、カルシウムないしストロンチウムの群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる元素の酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、アルミン酸塩、リン酸塩ないしホウ酸塩を主成分とするアルカリ性機能を発揮するアルカリ性無機化合物で構成されており;
    上記のアルカリ化処理工程が、上記の酸性域にある酸分解含水処理物100質量部に対して、酸化物基準換算でアルカリ化処理剤の1ないし4質量部を加えて、必要に応じて処理物系内の水の含水総和量が25ないし35質量%の範囲内になるように水系溶媒を加えて調整して均質混和して系内のpH値が7.5ないし9未満にある低アルカリ性含水処理物を調製し、次いで低アルカリ性域にある該低アルカリ性含水混和物を常温条件下に少なくとも10分間放置により養生して、酸分解含水処理物に共存していたフッ素成分に酸分解処理が施されているフッ素成分化合物に対してアルカリ化処理を施した低アルカリ性含水混和物を回収する工程であり;
    上記の揮散工程が、上記の低アルカリ性含水処理物を常圧ないし減圧下における常温ないし420℃にある揮散性雰囲気からなる揮散媒体中に少なくとも1時間暴露接触せしめて、低アルカリ性含水処理物系内に共存するフッ素成分を水が伴われて揮散排除される脱フッ素処理を施し、低アルカリ性域にある石膏類を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する工程であり;
    上記の公害型廃石膏類の処理法が、公害型廃石膏類に共存するフッ素成分を処理対象として、酸分解養生工程、次いでアルカリ化処理工程、さらに揮散工程からなる3工程に付して脱フッ素処理を施して、10μmないし1mm粒径にある粉状または1ないし7mmφ粒径にある顆粒体にあって、pH値が7.5ないし9未満の低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類を回収することを特徴とする公害型廃石膏類の処理法。
  2. 請求項1記載の公害型廃石膏類の処理法における酸分解養生工程ならびにアルカリ化処理工程に付した後、ここに調製された低アルカリ性含水処理物における固液の分離を予め行い、さらに固液の分離を行った低アルカリ性含水処理物をアルカリ性液状体にて洗浄して低アルカリ性含水洗浄ケーキを調製する固液分離洗浄工程に付し、次いでここに調製された低アルカリ性含水洗浄ケーキを揮散雰囲気中に暴露して系内に共存するフッ素成分が水を伴って揮散排除せしめる揮散工程からなる脱フッ素処理を施す4工程に付して、低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法において:
    上記のアルカリ性液状体が、水系溶媒100質量部に対して、前記のアルカリ化処理剤の1ないし4質量部を加えてスラリー化ないし溶液化されてpH値を7.5ないし9未満の低アルカリ性にあるアルカリ性液状体であり;
    上記の固液分離洗浄工程が、アルカリ化処理工程で調製された低アルカリ性含水処理物における固体と液体を分離した低アルカリ性含水ケーキ状処理物を調製し、さらにアルカリ性液状体を洗浄水として該低アルカリ性含水ケーキ状処理物を洗浄して、低アルカリ性含水ケーキ状処理物を洗浄してpH値8ないし10未満にある低アルカリ性含水洗浄ケーキを調製する工程であり:
    上記の公害型廃石膏類の処理法が、公害型廃石膏類に共存するフッ素成分を処理対象として、酸分解養生工程ならびにアルカリ化処理工程に付した後、固液分離洗浄工程に付してから揮散工程に付する4工程を付して脱フッ素処理を施して、10μmないし1mm粒径にある粉状または1ないし7mmφ粒径にあって、pH値が8ないし10未満の低アルカリ性域にある粉粒形態にある二水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する請求項1記載の公害型廃石膏類の処理法。
  3. 請求項1および2記載の公害型廃石膏類の処理法における酸分解養生工程、ないしは酸分解養生工程と固液分離洗浄工程、ならびにアルカリ化処理工程、および揮散工程に付して脱フッ素処理を施して回収される低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類に対して、さらに脱水工程を加えて加熱脱水処理を施して低アルカリ性域にある半水石膏ないし無水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法において:
    上記の脱水工程が、予め回収された低アルカリ性域の二水石膏を主成分とする無公害型石膏類を90ないし420℃の脱水性雰囲気中に少なくとも1時間暴露する加熱脱水処理を施して、低アルカリ性域にあって半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類を回収する工程であり;
    上記の公害型廃石膏類の処理法が、脱フッ素処理の施された低アルカリ性域にある二水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類に対して、さらに脱水工程に付して、10μmないし1mm粒径にある粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある粉粒体形状にあって、脱フッ素処理が施されて、加熱脱水処理が施されている低アルカリ性域にあって半水石膏ないしは無水石膏の何れかを主成分とする脱フッ素石膏類を回収する請求項1記載の公害型廃石膏類の処理法。
  4. 請求項1ないし3記載の公害型廃石膏類の処理法における酸分解養生工程ならびにアルカリ化処理工程により調製された低アルカリ性含水処理物ないしは固液分離洗浄工程により調製された含水ケーキ状洗浄物に対して、さらに揮散工程および脱水工程を併用付し、脱フッ素処理ならびに加熱脱水処理を同時に連続して施して半水石膏ないし無水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法において:
    上記の揮散・脱水工程が、予め調製された酸分解含水処理物を80ないしは420℃の揮散・脱水性雰囲気中に少なくとも1時間暴露する揮散による脱フッ素理ならびに脱水による脱水処理を連続して施して、弱酸性域にあって半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする脱フッ素石膏類を回収する工程であり;
    上記の公害型廃石膏類の処理法が、酸分解養生工程およびアルカリ化処理工程により調製された低アルカリ性含水処理物ないしは固液分離洗浄工程により調製された低アルカリ性含水洗浄ケーキに対して、脱フッ素処理ならびに加熱脱水処理を同時に連続して施す揮散・脱水工程に付することにより、10μmないし1mm粒径にある粉状または1ないし7mmφ粒径にある粉粒形態にあって、低アルカリ性域にある半水石膏ないし無水石膏を主成分とする脱フッ素石膏類を回収する4ないし5工程からなる脱フッ素処理工程で構成されている請求項1ないし3記載の公害型廃石膏類の処理法。
  5. カドミウムまたはヒ素成分の単独成分もしくは2成分が環境基準値を超えて共存している公害型廃石膏類を処理対象として、もしくは請求項1ないし4記載の公害型廃石膏類の処理法によって脱フッ素処理が施されてカドミウムまたはヒ素成分が環境基準値を超えて共存している脱フッ素石膏類を処理対象として、以上の該処理対象に対して、重金属類固定化剤と水系溶媒を均質に混和して、含水固定化剤混和物を調製して、共存するカドミウムおよびヒ素成分の固定・不溶化処理を施す重金属類固定化工程に付し、カドミウムおよびヒ素成分の固定・不溶化処理が施された二水石膏、半水石膏ないし無水石膏を主成分とする無公害型石膏類を回収する公害型廃石膏類の処理法において:
    上記の重金属類固定化剤が、熱履歴シリケート100質量部に対して、無水物換算でナトリウム塩化合物の5ないし110質量部、無水物換算で硫酸塩化合物の20ないし90質量部、マグネシヤないしカルシヤの零を含む60質量部未満を加えて、少なくとも系内のシリカ:アルミナ:酸化ナトリウムのモル比が1:0.5:0.5になるように調整されて均質混和されて粉粒形態でワンパック化されて、pH値10未満にある低アルカリ性が確保されており、水を介して水可溶性重金属類を取り込んで、水可溶性重金属類の固定・不溶化処理機能を発揮するアルミノケイ酸塩組成物からなる重金属類固定化剤であり;
    上記の重金属類固定化剤を構成する熱履歴シリケートが、乾燥物の酸化物基準で表してシリカ成分を20ないしは80質量%、アルミナ成分を5ないしは35質量%、およびカルシヤ成分を1ないしは40質量%を含有して熱履歴を受けているアルミノケイ酸塩系化合物を主成分とする人工合成品、ゴミ・廃棄物・紙類・下水汚泥の焼却灰、高炉スラグ、セメント類、窯業関連廃材・資材もしくは火山噴出物からなる乾粉形態にあるアルミノケイ酸塩化合物を主成分とするシリケートであり;
    上記の重金属類固定化剤を構成するナトリウム塩化合物が、ナトリウム金属元素の酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、硫酸塩、アルミン酸塩ないしリン酸塩の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせの乾粉形態にあるナトリウム塩化合物であり;
    上記の重金属類固定化剤を構成する硫酸塩化合物が、アルミニウム、鉄(II)ないし鉄(III)の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる乾粉形態にある硫酸塩化合物であり;
    上記の重金属類固定化工程が、上記の公害型廃石膏類からなる処理対象100質量部に対して、重金属類固定化剤の2ないし8質量部および水系溶媒の10ないし40質量部を加えて均質混和して、pH値で少なくとも10未満の低アルカリ性域にある含水固定化剤混和物を調製し、該含水固定化剤混和物を少なくとも常温ないしは180℃の範囲で10分間以上放置養生・脱水して処理対象に環境基準値を超えて共存する水可溶性のカドミウムないしヒ素成分をここに形成するゼオライト前駆体ないしはゼオライトに取り込み固定・不溶化処理を完成させ、系内に存在する水を揮散せしめて、二水石膏ないし半水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類を回収する工程であり;
    上記の公害型廃石膏類の処理法が、上記の処理対象に対して、水を伴って上記の重金属類固定化剤を加えて均質混和した含水固定化剤混和物を少なくとも常温に24時間放置養生して、処理対象に共存している水可溶性のカドミウムないしヒ素成分に固定・不溶化処理が施されて、10μmないし1mm粒径にある粉状または1ないし7mmφ粒径にある粉粒体形状にあって、pH値が8ないし10の低アルカリ性域にあってカドミウムないしヒ素成分が固定・不溶化処理の施されている二水石膏、半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする無公害型石膏類を回収する重金属類固定化工程で構成されている請求項1ないし4記載の公害型廃石膏類の処理法。
  6. フッ素、カドミウムおよびヒ素成分の重金属類を共存する公害型廃石膏類を処理対象として、該処理対象に対して、また前記の酸分解養生工程ならびにアルカリ化処理工程に順次付し、必要に応じて固液分離洗浄工程に付し、次いで揮散工程に付し、必要に応じて脱水工程もしくは揮散・脱水工程に付する脱フッ素処理が施されて回収した脱フッ素石膏類を処理対象として、該処理対象に対して、前記の重金属類固定化工程に付して、カドミウムないしヒ素成分に固定・不溶化処理が施されて、脱フッ素処理ならびに重金属類の固定・不溶化処理による無害化処理が順次施されている無公害型廃石膏類を回収する請求項1ないし5記載の公害型廃石膏類の処理法。
  7. 請求項1ないし6記載の公害型廃石膏類の処理法を駆使して予め脱フッ素処理もしくはカドミウムないしヒ素成分の固定・不溶化処理を伴う無害化処理が施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して、粉粒形態にある中性域付与体を付加して均質接触混和する中性域付与体複合化工程に付して粉粒形態が確保されており、中性域にあって石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能を発揮させる無公害型石膏類−中性域付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物において;
    上記の中性域付与体が、シリケートを主成分とする無機質吸着担持体100質量部に対して、オキソ酸を100%濃度換算で、水系溶媒に対して10ないし30質量%濃度にあるオキソ酸が水系溶媒に分散・溶解させた液状酸性成分を吸着・担持させたアルカリ性素材の中和機能を有する粉粒形態にある中性域付与体として構成されており;
    上記の無機質吸着担持体が、比表面積が100m/g以上ある粉粒形態にあり、酸類との反応性に乏しいシリケートを主成分とする無機質吸着担持体であるゲル状非晶質ケイ酸塩、珪藻土、活性白土、ゼオライト、活性ケイ酸塩、木質・竹類・石炭を乾留処理した炭灰類からなる無機質素材類の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる吸着性細孔を有する吸着・担持性素材類で構成されており;
    上記の酸性成分が、ホウ素元素、炭素元素、窒素元素、リン元素ないし硫黄元素より選ばれる元素のオキソ酸、またはカルボン酸からなる有機化合物のオキソ酸の群より選ばれる単独ないし2種の組み合わせからなるオキソ酸で構成されており;
    上記の中性域付与体複合化工程が、予め脱フッ素を伴う無害化処理が施されている低アルカリ性域にある二水石膏、半水石膏または無水石膏を主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒形態にある中性域付与体の1ないし6質量部を付加して均質接触混和が施されて、pH値が6ないし8未満の中性域が付与された無公害型石膏類−中和付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化工程であり;
    上記の無公害型石膏組成物が、予め脱フッ素を伴った無害化処理の施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して中性域付与体複合化工程が付され、10μmないし1mmの粒径にある乾粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状の粉粒形態にあって、pH値が6ないし8未満の中性域にある石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−中性域付与体の複合組成物として調製されていることを特徴とする無公害型石膏組成物。
  8. 請求項1ないし6記載の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素処理もしくはカドミウムないしヒ素成分の固定・不溶化処理を伴う無害化処理が施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する無機質素材特性を基礎とし、無公害型石膏類に対して耐水性付与体を付加均質接触混和する耐水性付与体複合化工程に付して、乾粉状態ないし粉粒形態が確保され、アルカリ性域にあって耐水性機能が付加されて石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能を発揮させる無公害型石膏類−耐水性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物において;
    上記の耐水性付与体が、粉粒体形状にあるケイ酸塩系組成物からなる水硬性鉱物類で構成されており、該水硬性鉱物類が、セメント類、高炉スラグ、フィロケイ酸塩鉱物類ないしアルノケイ酸カルシウムの群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなるケイ酸塩系組成物からなる水硬性機能を有する水硬性鉱物であり;
    上記の耐水性付与体複合化工程が、予め脱フッ素を伴った無害化処理が施されて無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒体形状にある耐水性付与体の10ないし100質量部を付加均質接触混和が施されて、pH値9ないし11の範囲のアルカリ性域にあって耐水性機能の付与された無公害型石膏類−耐水性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化工程であり;
    上記の無公害型石膏組成物が、予め脱フッ素を伴った無害化処理が施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して耐水性付与体複合化処理が施され、10μmないし1mmの粒径にある乾粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状の粉粒体形状にあって、耐水性が付与されてpH値9ないし11の範囲のアルカリ性域にあって耐水性機能が付加されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−耐水性付与体の複合組成物として調製されていることを特徴とする無公害型石膏組成物。
  9. 請求項1ないし6記載の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素処理もしくはカドミウムないしヒ素成分の固定・不溶化処理を伴う無害化処理が施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する無機質素材特性を基礎とし、無公害型石膏類に対してアルミノケイ酸塩、無機酸塩およびナトリウム塩の3者で構成される重金属類固定化体を付加均質接触混和する重金属類固定化体複合化工程に付して、乾粉状態ないし粉粒形態が確保されており、重金属類の不溶・固定化機能が付加されて石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能を発揮させる無公害型石膏類−重金属類固定化体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物において;
    上記の重金属類固定化体が、請求項5記載の重金属類固定化剤100質量部に対して、粉末形態にあるリン元素のオキソ酸ないしは該リン元素のオキソ酸の塩化合物の5ないし20質量部ならびにメタケイ酸ナトリウムの5ないし20質量部を加えて均質混和されてワンパック化されている粉粒形態にあって、pH値として10未満が確保されており、水を介して水可溶性重金属類を取り込んで固定・不溶化する機能を発揮するアルミノケイ酸塩組成物を主成分とする重金属類固定化体であり;
    上記の重金属類固定化体複合化工程が、予め脱フッ素を伴った無害化処理が施されて無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒体形状にあるアルミノケイ酸塩組成物からなる重金属類固定化体の50ないし100質量部範囲で付加均質接触混和が施されて、pH値10未満であって粉粒体形状にある水可溶性重金属類の不溶・固定化機能が付与された無公害型石膏類−重金属類固定化体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化工程であり;
    上記の無公害型石膏組成物が、予め脱フッ素を伴った無害化処理の施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して、重金属類固定化体複合化処理が施され、10μmないし1mmの粒径にある乾粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状の粉粒体形状にあって、pH値10未満である水可溶性重金属類の不溶・固定化機能が付加されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−重金属類固定化体の複合組成物として調製されていることを特徴とする無公害型石膏組成物。
  10. 請求項1ないし6記載の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素処理もしくはカドミウムないしヒ素成分の固定・不溶化処理を伴う無害化処理が施された無公害型の二水石膏、半水石膏ないし無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する無機質素材特性を基礎とし、無公害型石膏類対して、無公害型焼却灰類からなる再資源化体を付加して均質接触混和する再資源化体複合化工程に付し、pH値6ないし8未満の中性域にあって粉粒体形状が確保されており、再資源化体が付加されて石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能を発揮させる無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物において;
    上記の再資源化体が、粉粒体形状にあって熱履歴を受けて発生する可燃性ゴミ・廃棄物類の焼却灰、下水汚泥の焼却灰、石炭焼却によるフライアッシュ、木質・繊維質・紙類スラッジの焼却灰からなるシリケート類の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせの水溶出性重金属類を共存する公害型廃焼却灰類に対して、請求項9記載の重金属類固定化体を所定量加えて均質接触混和し、次いで養生する無公害化処理工程に付し、公害型廃焼却灰類に共存していた水溶出性重金属類を固定・不溶化せしめる無公害化処理工程に付して、公害型の廃焼却灰類を無公害型に無公害化処理が施された焼却灰類からなる再資源化体であり;
    上記の無公害化処理工程が、公害型焼却灰類100質量部に対して、重金属類固定化体を3ないし25質量部の量割合で、さらに水系溶媒を20ないし50質量部加えて水を介して混和し、次いで少なくとも常温で24時間以上養生して無公害型に改質された焼却灰類からなる再資源化体を回収する工程であり;
    上記の再資源化体複合化工程が、予め脱フッ素を伴った無害化処理が施されて無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒体形状にある再資源化体10ないし100質量部を付加均質混和が施され、pH値6ないし8未満の範囲の中性域ないし低アルカリ性域にあって再資源化された土質性機能が付与された無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化工程であり;
    上記の無公害型石膏組成物が、予め脱フッ素を伴った無害化処理の施された無公害型の二水石膏、半水石膏または無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して、再資源化体複合化処理が施され、粉粒体形状の確保されており、10μmないし1mmの粒径にある乾粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状の粉粒状にあって、pH値6ないし8の中性域にあって再資源化体が付加されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−再資源化体の複合組成物として調製されていることを特徴とする無公害型石膏組成物。
  11. 請求項1ないし6記載の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素処理もしくはカドミウムないしヒ素成分の固定・不溶化処理を伴う無害化処理が施された無公害型の半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する無機質素材特性を基礎とし、無公害型石膏類に対して低アルカリ水硬性付与体を付加均質混和する低アルカリ水硬性付与体複合化工程に付して、pH値が10未満の低アルカリ性域にあって水硬性機能が強化されて石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能を発揮させる無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物において;
    上記の低アルカリ水硬性付与体が、水硬性鉱物類および脂肪族のヒドロキシ酸からなる有機酸との2者で構成され、水硬性鉱物類100質量部に対して、脂肪族のヒドロキシ酸からなる有機酸が2ないし10質量部の範囲内で配合されて均質混和され、粉粒体形状にあって水硬性鉱物類を主成分とする低アルカリ性において水硬性機能を発揮する水硬性鉱物組成物からなる低アルカリ水硬性付与体であり;
    上記の水硬性鉱物類が、セメント類、高炉スラグ、フィロケイ酸塩鉱物類、アルミン酸カルシウム、アルミノケイ酸カルシウムないしは焼却灰類の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる水硬性鉱物類であり;
    上記の有機酸が、ヒドロキシ酸からなるグリコール酸、乳酸、グルセリン酸、酒石酸、ヒドロキシ酪酸類、リンゴ酸、クエン酸類、サルチル酸もしくは没食子酸の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせのpH値が6未満にある脂肪族のヒドロキシ基ならびにカルボキシル基を併せ有するオキソ酸からなる有機酸であり;
    上記の低アルカリ水硬性付与体複合化工程が、予め脱フッ素を伴った無害化処理が施されて無公害型の半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする弱酸性域ないし中性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒体形状にある低アルカリ水硬性付与体の5ないし100質量部を付加均質混和が施されて、水硬性機能が付与されて、粉粒体形状にあってpH値が10未満の低アルカリ性域にあって水硬性機能の付与された無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化工程であり;
    上記の無公害型石膏組成物が、予め脱フッ素を伴った無害化処理の施された無公害型の半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して、低アルカリ水硬性付与体を付加均質混和する低アルカリ水硬性付与体複合化処理に付し、10μmないし1mmの粒径にある乾粉状または1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状の粉粒体形状にあってpH値が10未満の低アルカリ性域にあって水硬性機能が強化されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−低アルカリ水硬性付与体の複合組成物として調製されていることを特徴とする無公害型石膏組成物。
  12. 請求項1ないし6記載の公害型廃石膏類の処理法を駆使して、予め脱フッ素処理もしくはカドミウムないしヒ素成分の固定・不溶化処理を伴う無害化処理が施された無公害型の半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類が有する水硬性機能特性を基礎とし、無公害型石膏類に対して水吸着付与体を付加均質混和する水吸着付与体複合化工程に付して、pH値が10未満の低アルカリ性域にあって粉粒体形状が確保されて水吸着機能が付加されて石膏類の基本機能である分散展性機能、充填補強機能、水硬固化機能ないし土質造成機能を発揮させる無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物において;
    上記の水吸着付与体が、比表面積が100m/g以上あり、粉粒体形状にあるゲル状非晶質ケイ酸塩、珪藻土、酸性白土、活性白土、ゼオライト、活性ケイ酸塩、アルミノケイ酸カルシウム、木質・竹類・石炭を乾留処理した炭・灰類からなる炭・活性炭ないし熱履歴を受けている焼却灰類や高炉スラグからなるケイ酸塩を主成分とする無機質素材類の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせからなる水吸着性細孔を有する水吸着性素材類で構成されており;
    上記の水吸着付与体複合化工程が、予め脱フッ素処理が施されて無公害型半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類100質量部に対して、粉粒体形状にある水吸着付与体の25ないし100質量部を付加均質混和する水吸着付与体複合化処理が施され、粉粒体形状にあってpH値が10未満の低アルカリ性域にあって水硬性機能ならびに水吸着性機能の付与された無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物からなる無公害型石膏組成物を調製する複合化工程であり;
    上記の無公害型石膏組成物が、予め脱フッ素を伴った無害化処理の施された無公害型の半水石膏またはIII型無水石膏の何れかを主成分とする低アルカリ性域にある無公害型石膏類に対して、水吸着付与体を付加均質混和する水吸着付与体複合化処理に付して、10μmないし1mmの粒径にある乾粉状ないしは1ないし7mmφ粒径にある砂粒・顆粒状の粉粒体形状にあって、pH値が10未満の低アルカリ性域にあって水吸着性機能が付加されて石膏類の基本機能を発揮する無公害型石膏類−水吸着付与体の複合組成物として調製されていることを特徴とする無公害型石膏組成物。
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