JP2014044377A - プロジェクタおよび投射光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズ系とミラー系を組合わせた投射光学系を、光学性能を低下させること無く小型化する。
【解決手段】画像表示素子10に表示される画像を拡大投影するための投射光学系であって、複数枚のレンズを有するレンズ系LSを縮小側に、自由曲面ミラーMSを拡大側に有し、レンズ系は、負レンズNLと、自由曲面と、正の屈折力を持つ光学面を有し、負レンズは、自由曲面よりも縮小側に配置され、正の屈折力を持つ光学面は、自由曲面よりも拡大側に配置され、画像表示素子から自由曲面までの間で、光束径が最も大きくなる位置が自由曲面の位置である。
【選択図】図1

Description

この発明は、プロジェクタおよび投射光学系に関する。
液晶パネルやDMD等の「画像表示素子」に表示された平面画像を拡大投射するプロジェクタ装置は、コンピュータのデータ表示用などに用いられ広く普及している。
近年、プロジェクタ本体とスクリーンが接触するほどに近接する「投射距離が極端に短い超至近タイプ」のプロジェクタが実用化されている。
このような「超至近タイプのプロジェクタ」を、レンズ系とミラー系を組合わせた投射光学系を用いて実現したものが知られている(特許文献1〜4)。
特許文献1〜4に記載された投射光学系では、何れも、画像表示素子に表示された画像からの光束が、先ず「レンズ系」を透過する。
そして、レンズ系から射出した光束が「曲面ミラー」によりスクリーン側へ反射され、スクリーン上に投射画像が結像される。
これら特許文献1〜4に、具体的な実施例として開示されたものを見ると、何れも「レンズ系から曲面ミラーまでの距離」が長く、この部分が大きな空間を占めている。
また、曲面ミラーは何れも「単品のサイズ」がレンズに比べると大幅に大きい。
このように、従来から知られた「レンズ系とミラー系を組合わせた投射光学系」では、レンズ系から曲面ミラーに到る部分が大きな空間を占め、曲面ミラーのサイズが大きい。
このことが投射光学系、ひいてはプロジェクタの小型化を困難にしている。
この発明は、このような点に鑑み、レンズ系とミラー系を組合わせた投射光学系を、光学性能を低下させること無く小型化することを課題とする。
この発明はまた、上記投射光学系を用いることにより、小型で高性能のプロジェクタを実現することを課題とする。
この発明の投射光学系は、画像表示素子に表示される画像を拡大投影するための投射光学系であって、複数枚のレンズを有するレンズ系を縮小側に、自由曲面ミラーを拡大側に有し、前記レンズ系は、負レンズと、自由曲面と、正の屈折力を持つ光学面を有し、前記負レンズは、前記自由曲面よりも縮小側に配置され、前記正の屈折力を持つ光学面は、前記自由曲面よりも拡大側に配置され、前記画像表示素子から前記自由曲面までの間で、光束径が最も大きくなる位置が前記自由曲面の位置であることを特徴とする。
この発明の投射光学系では、レンズ系内に配置される負レンズにより、結像光束を拡大するので、主光線相互が分離し、分離した主光線を持つ結像光束が自由曲面に入射する。
この自由曲面を「自由曲面ミラーが持つべき歪曲収差補正機能の補助」に利用できる。
自由曲面の位置では、縮小側空の光束径が最大となっているので、上記補助機能の達成に必要な自由曲面形状の設定を確実に行なうことができる。
自由曲面を過ぎた結像光束は、正の屈折力の光学面により光束径の増大を抑制されて自由曲面ミラーに入射する。
従って、自由曲面ミラーを小さくしてレンズ系に近づけることができる。
即ち、レンズ系と自由曲面ミラーの間の空間部分を小さくでき、自由曲面ミラー自体も小さく出来るので、投射光学系ひいてはプロジェクタの小型化が可能となる。
投射光学系の実施の1形態を示す図である。 実施例1の投射光学系を用いるプロジェクタ装置による投射状態を示す図である。 図3は、投射光学系の実施の別形態を示す図である。 実施例2の投射光学系を用いるプロジェクタ装置による投射状態を示す図である。 投射光学系の実施の他の形態を示す図である。 実施例3の投射光学系による投射状態を示す図である。 投射光学系の実施のさらに他の形態を示す図である。 画像表示装置の1例を説明図的に示す図である。 実施例1の投射用光学系のスポットダイアグラムを示す図である。 実施例1における投射画像の歪曲状態を示す図である。 実施例2の投射用光学系のスポットダイアグラムを示す図である。 実施例2における投射画像の歪曲状態を示す図である。 実施例3の投射用光学系のスポットダイアグラムを示す図である。 実施例3における投射画像の歪曲状態を示す図である。
以下、投射光学系の実施の形態を、具体的な実施例に即して説明する。
図1は、投射光学系の実施の1形態を示す図である。
図1において、符号10は画像表示素子、符号LSはレンズ系、符号MSは自由曲面ミラーを示している。
画像表示素子10としては、DMD(Digital Micromirror Device)を初め、液晶パネル、LCOSパネル等、公知の任意のものを利用可能である。
説明の具体性のため、ここでは画像表示素子10をDMDとする。
図の煩雑さを避けるため、画像表示素子10を照明する部分の構成は、図示を省略されているが、この「照明部分」については具体的な1例を後述する。
画像表示素子10から放射された光束は、レンズ系LSを透過して、自由曲面ミラーMSに入射し、自由曲面ミラーMSに反射されて図示されないスクリーンに向かう。
レンズ系LSは、図示の如く「13枚のレンズ」により構成されている。
画像表示素子10側から数えて、2番目と3番目のレンズ、5番目と6番目のレンズは、それぞれ「接合レンズ」である。
請求項1に謂う「負レンズ」は、画像表示素子10側から数えて9番目のレンズNLであり、「自由曲面」は、12番目のレンズFLの縮小側および拡大側のレンズ面である。
また、請求項1に謂う「正の屈折力を持つ光学面」は、13番目のレンズPLの拡大側のレンズ面である。
図1に示されたように、画像表示素子10からの光束は、レンズ系LSを通過する際、画像表示素子10側の入射レンズからレンズNLに到るまでは、大きく変動しない。
しかし、負のパワーを持つレンズNLを透過すると、結像光束に「大きな発散傾向」が与えられる。
負のパワーのレンズNLにより発散傾向を与えられた結像光束は、発散しつつ、さらに2枚のレンズを透過し、発散しつつレンズFLに入射する。
レンズFLの拡大側レンズ面(自由曲面)に入射する結像光束の光束径は、図示の如く、画像表示素子10からレンズFLに向かう光路において最大である。
即ち、画像表示素子10から自由曲面までの間で、光束径が最も大きくなる位置が、レンズFLの拡大側の自由曲面の位置である。
自由曲面(レンズFLの射出側面)上において、光束径は最大となっているので、レンズNLまでは略重なり合っていた各画角に対応する各光束が大きく分離されている。
自由曲面は、各画角に対応する光束の屈折方向を「自由曲面ミラーMSによる歪曲収差補正を補助」するように調整する機能を持つ。
そして、レンズFLの両面の自由曲面は、その曲面形状を「この機能を実現する」ように設定される。
レンズFLは、上記の如く、その両面が自由曲面であり、各面が「歪曲収差補正補助機能」を分担する。このように自由曲面は複数面あってもよい。
レンズFLの両面の自由曲面で「歪曲収差の補正を補助」された結像光束は、レンズPLに入射する。
そして、レンズPLの射出側レンズ面のもつ「正の屈折力」により、発散傾向を抑制されて、自由曲面ミラーMSの反射面に入射する。
図1から明らかなように、自由曲面ミラーMSに入射する光束(3つの光束が図示されている。)のうち、図中最も下側の光束の方向が、図の上方に向かって曲げられている。
これにより、自由曲面ミラーMSの、図の上下方向のサイズを有効に小さくできることがわかる。
自由曲面ミラーMSは、入射光束を、図示されないスクリーンに向けて反射するが、このとき、その自由曲面形状により「歪曲収差」の補正を行なう。
自由曲面ミラーMSは、もし「1面のみで十分な歪曲収差補正」を行なおうとすれば、これに入射する「各画角に対応する光束」を十分に分離しておかなければならない。
このようにするには、自由曲面ミラーMSの反射面を大きくしなければならず、また、レンズ系からの距離も大きくする必要がある。
しかし、図1の投射光学系では、レンズFLの自由曲面形状により、予め「歪曲収差がある程度補正」されているので、自由曲面ミラーMSでの歪曲収差機能を軽減できる。
従って、自由曲面ミラーMSに入射する光束が「画角ごとに大きく分離していなく」ても、歪曲収差の必要にして十分な補正が可能である。
図1に示した投射光学系の具体的なデータを、実施例1として以下に挙げる。
「実施例1」
実施例1のデータを表1に示す。
Figure 2014044377
表1の「面番号」の欄における「LB(0)」とあるのは、画像表示素子の画像表示面(DMDのマイクロミラーの配列面)である。
面番号の「1と2」は、該画像表示面に設けられたカバーガラスの両面である。
従って、面番号:3が、レンズ系LSにおける最も縮小側のレンズ面である。
「YZ断面」は、光軸ZとDMD10の長手方向(Y方向)を含む断面である。以下の説明においても同様である。
「曲率半径」の欄における、例えば「1.0E+18」は、「1.0×1018」を意味する。以下の説明においても同様である。
負レンズであるレンズNLは「面番号:17、18のレンズ面を持つ両凹レンズ」で、高屈折率の材質で形成され、レンズ系LS中で「負の屈折力」が最も大きい。
レンズNLは、球面レンズである。
レンズNLに続く2枚のレンズは、何れも、入射側面・射出側面とも非球面である。
レンズ系LS中において、面番号:3、4と、面番号:19、20、21、22が非球面である。
非球面は、周知の次式で表される。
X=CH/[1+√{1−(1+K)C}]
+A・H4+B・H6+C・H8+D・H10+E・H12+F・H14+G・H16+・・。
この式において、Cは近軸曲率半径の逆数(近軸曲率)、Hは光軸からの高さ、Kは円錐定数、A〜Gは「高次の非球面係数」である。
実施例1の非球面のデータを表2に示す。
Figure 2014044377
レンズPLは「回転対称な面形状(この例では球面)の正メニスカスレンズ」であり、製造が容易で、簡易・低コストに実現できる。
レンズFLの両面(面番号23、24)は、何れも自由曲面である。
「自由曲面」は、以下の式で表される。
z=cr2/[1+√{1−(1+k)c}]+ΣCjm
この式において、zは「Z軸(光軸)に平行なサグ量」、cは「頂点曲率」、kは「コーニック定数」、x、yは、z軸に直交し、互いに直交する2軸である。
また、Cjは、xmの係数である。
上記自由曲面式の右辺第2項の和は「jについて2から72まで」取る。
レンズFLの面番号23、24のレンズ面の自由曲面のデータを表3に示す。
Figure 2014044377
表3の左欄において、例えば「x**2」は「x」を意味する。
また、例えば「x**4*Y**3」は「x・y」を意味する。これ等の表記の意味は、以下の表においても同様である。
自由曲面ミラーMSの自由曲面のデータを表4に示す。
Figure 2014044377
図2に、実施例1の投射光学系を用いるプロジェクタ装置による投射状態を示す。符号SRがスクリーンを示す。符号GSは投射光束が射出するガラス板を示す。
図3は、投射光学系の実施の別形態を示す図である。
繁雑を避けるため、混同の恐れがないと思われるものについては、図1におけると同一の符号を付する。
図3において、符号10は画像表示素子、符号LSはレンズ系、符号MSは自由曲面ミラーを示している。画像表示素子10は、この実施の形態でもDMDとする。
画像表示素子10から放射された光束は、レンズ系LSを透過して、自由曲面ミラーMSに入射し、自由曲面ミラーMSに反射されて図示されないスクリーンに向かう。
レンズ系LSは、図示の如く「12枚のレンズ」により構成されている。
画像表示素子10側から数えて、2番目と3番目のレンズ、5番目と6番目のレンズは、それぞれ接合レンズである。
請求項1に謂う「負レンズ」は、画像表示素子10側から数えて9番目のレンズNLであり、「自由曲面」は、12番目のレンズFLの「縮小側のレンズ面」である。
また、請求項1に謂う「正の屈折力を持つ光学面」は、12番目のレンズFLの「拡大側のレンズ面」である。
即ち、この実施の形態においては、レンズ系LSに含まれる自由曲面と「正の屈折力を持つ光学面」はそれぞれ、レンズFLの入射側面と射出側面とにより実体化されている。
図3に示されたように、画像表示素子10からの光束は、レンズ系LSを通過する際、画像表示素子10側のレンズからレンズNLに到るまでは、大きく変動しない。
しかし、負のパワーを持つレンズNLを透過すると、結像光束に「大きな発散傾向」が与えられる。
負のパワーのレンズNLにより発散傾向を与えられた結像光束は、発散しつつ、さらに2枚のレンズを透過し、発散しつつレンズFLに入射する。
レンズFLの縮小側レンズ面(自由曲面)に入射する結像光束の光束径は、図示の如く、画像表示素子10からレンズFLに向かう光路において最大である。
即ち、画像表示素子10から自由曲面までの間で、光束径が最も大きくなる位置が自由曲面であるレンズFLの入射側面の位置である。
自由曲面(レンズFLの入射側面)上において、光束径は最大となっているので、レンズNLまでは略重なり合っていた各画角に対応する各光束が大きく分離されている。
レンズFLの入射側面として形成された自由曲面は、各画角に対応する光束の屈折方向を「自由曲面ミラーMSの歪曲収差補正を補助」するように調整する機能を持つ。
そして、自由曲面は、この機能を実現するように曲面形状を設定される。
このように、レンズFLの自由曲面(入射側面)で、歪曲収差の補正を補助された結像光束は、レンズFLの射出側面から射出する。
その際、レンズFLの射出側レンズ面のもつ「正の屈折力」により、発散傾向を抑制されて、自由曲面ミラーMSの反射面に入射する。
このように、自由曲面と「正の屈折力の光学面」とを1枚のレンズの両面として用いることにより「歪曲収差補正補助機能・光束径抑制機能」を1枚のレンズで実現できる。
これにより投射用光学系の「更なる低コスト化・小型化」に資することができる。
図3から明らかなように、自由曲面ミラーMSに入射する光束(3つの光束が図示されている。)のうち、図中最も下側の光束の方向が、図の上方に向かって曲げられている。
これにより、自由曲面ミラーMSの、図の上下方向のサイズを有効に小さくできる。
自由曲面ミラーMSは、入射光束を、図示されないスクリーンに向けて反射するが、このとき、その自由曲面形状により「歪曲収差」の補正を行なう。
図3の投射光学系でも、レンズFLの入射側面の自由曲面形状により、予め「歪曲収差がある程度補正」されているので、自由曲面ミラーMSの歪曲収差機能を軽減できる。
従って、自由曲面ミラーMSに入射する光束が、画角ごとに大きく分離していなくても、歪曲収差の必要にして十分な補正が可能である。
図3に示した投射光学系の具体的なデータを、実施例2として以下に挙げる。
「実施例2」
実施例2のデータを、表1に倣って表5に示す。
Figure 2014044377
面番号:3が、レンズ系LSにおける最も縮小側のレンズ面である。
負レンズであるレンズNLは、面番号:17、18のレンズ面を持つ両凹レンズで、高屈折率の材質で形成され、レンズ系LS中で「負の屈折力」が最も大きい。
レンズNLは、球面レンズである。
レンズNLに続く2枚のレンズは、何れも、入射側面・射出側面とも非球面である。
レンズ系LS中において、面番号:3、4と、面番号:19、20、21、22が非球面である。
実施例2の非球面のデータを表6に示す。
Figure 2014044377
レンズFLの入射側面(面番号23)は自由曲面である。
レンズFLの面番号23のレンズ面の自由曲面のデータを表3に倣って表7に示す。
Figure 2014044377
レンズFLの射出側面は凸球面である。
自由曲面ミラーMSの自由曲面のデータを表4に倣って表8に示す。
Figure 2014044377
図4に、実施例2の投射光学系による投射状態を示す。
符号SRがスクリーンを示す。符号GSは投射光束が射出するガラス板を示す。
図5に、投射光学系の実施の他の形態を示す。
繁雑を避けるため、この形態例においても符号を図1と共通化する。
図5において、符号10は画像表示素子、符号LSはレンズ系、符号MSは自由曲面ミラーを示している。画像表示素子10は、この実施の形態でもDMDとする。
画像表示素子10から放射された光束は、レンズ系LSを透過して、自由曲面ミラーMSに入射し、自由曲面ミラーMSに反射されて図示されないスクリーンに向かう。
レンズ系LSは、図示の如く「13枚のレンズ」により構成されている。
画像表示素子10側から数えて、2番目と3番目のレンズ、5番目と6番目のレンズは、それぞれ接合レンズである。
請求項1に謂う「負レンズ」は、画像表示素子10側から数えて9番目のレンズNLであり、「自由曲面」は、12番目のレンズFLの縮小側および拡大側のレンズ面である。
また、請求項1に謂う「正の屈折力を持つ光学面」は、13番目のレンズPLの射出側のレンズ面である。
即ち、この実施の形態においては、レンズ系LSに含まれる自由曲面は、レンズFLの両面の自由曲面により実体化されている。
また「正の屈折力を持つ光学面」は、レンズPLの射出側面により実体化されている。
図5に示されたように、画像表示素子10からの光束は、レンズ系LSを通過する際、画像表示素子10側のレンズからレンズNLに到るまでは、大きく変動しない。
しかし、負のパワーを持つレンズNLを透過すると、結像光束に「大きな発散傾向」が与えられる。
負のパワーのレンズNLにより「大きな発散傾向」を与えられた結像光束は、発散しつつ、さらに2枚のレンズを透過し、さらに発散しつつレンズFLに入射する。
レンズFLの入射側面に形成された自由曲面に入射する結像光束の光束径は、図示の如く、画像表示素子10からレンズFLに向かう光路において最大である。
即ち、画像表示素子10から自由曲面までの間で、光束径が最も大きくなる位置が自由曲面であるレンズFLの入射側面の位置である。
自由曲面(レンズFLの入射側面)上において、光束径は最大となっているので、レンズNLまでは略重なり合っていた各画角に対応する各光束が大きく分離されている。
レンズFLの両面に形成された自由曲面は、各画角に対応する光束の屈折方向を「自由曲面ミラーMSの歪曲収差補正を補助」するように調整する機能を持つ。
そして、これら自由曲面は、この機能を実現するように曲面形状を設定される。
レンズFLは、その両面が自由曲面であるので、実施例1の場合と同様、各面が「歪曲収差補正補助機能」を分担する。
このように、レンズFLの両面の自由曲面で、歪曲収差の補正を助長された結像光束は、レンズFLから射出し、レンズPLを透過する。
その際、レンズPLの射出側レンズ面のもつ「正の屈折力」により、発散傾向を抑制されて、自由曲面ミラーMSの反射面に入射する。
図5から明らかなように、自由曲面ミラーMSに入射する光束(3つの光束が図示されている。)のうち、図中最も下側の光束の方向が、図の上方に向かって曲げられている。
これにより、自由曲面ミラーMSの、図の上下方向のサイズを有効に小さくできる。
自由曲面ミラーMSは、入射光束を、図示されないスクリーンに向けて反射するが、このとき、その自由曲面形状により「歪曲収差の補正」を行なう。
図5の投射光学系でも、レンズFLの入射側面の自由曲面形状により、予め「歪曲収差がある程度補正」されているので、自由曲面ミラーMSの歪曲収差機能を軽減できる。
従って、自由曲面ミラーMSに入射する光束が、画角ごとに大きく分離していなくても、歪曲収差の必要にして十分な補正が可能である。
図5の実施の形態の投射用光学系は、レンズPLの両面が「アナモフィック面」となっている。
自由曲面がYZ断面・XZ断面で「光線を集光する度合い」が異なるので、スクリーン上でXZ断面とYZ断面の「光束集光度合いが異なる」ことになりやすい。
図5において、「XZ断面」は、図面に合致した面であり、「YZ断面」は、レンズ系光軸(Z方向)を含み、図面の直交する面である。
光束拡大抑制機能を付されたレンズPLをアナモフィックレンズとすることで、XZ断面とYZ断面の「光束集光度合いが異なる」のを軽減もしくは防止できる。
即ち、自由曲面を用いる光学系では,回転対称な共軸光学系にない大きな非点収差を伴う場合がある。
アナモフィックなレンズPLを用いることにより、正屈折力の光学素子で「光束の太りを抑えると同時に非点収差を補正」できる。
なお、アナモフィック面として、X、Y方向ごとに屈折力を調整可能な「湾曲軸型トロイダル面」を用いれば、非点収差の補正が容易である。
図5に示した投射光学系の具体的なデータを、実施例3として以下に挙げる。
「実施例3」
実施例3のデータを、表1に倣って表9に示す。
Figure 2014044377
面番号:3が、レンズ系LSにおける最も縮小側のレンズ面である。
負レンズであるレンズNLは、面番号:17、18のレンズ面を持つ両凹レンズで、高屈折率の材質で形成され、レンズ系LS中で「負の屈折力」が最も大きい。
レンズNLは、球面レンズである。
レンズNLに続く2枚のレンズは、何れも、入射側面・射出側面とも非球面である。
レンズ系LS中において、面番号:3、4と、面番号:19、20、21、22が非球面である。
実施例3の非球面のデータを表10に示す。
Figure 2014044377
レンズPLは、アナモフィックであり、図面に合致したXZ断面では、光束に収束傾向を与え、図面に直交するYZ断面では、光束に発散傾向を与える。
従って、図5において、レンズPLの拡大側に示した矢印Aの向きには、光束の拡大傾向が抑制される。
これによって、矢印Bで示すように自由曲面ミラーMSの大きさを小さくできる。
レンズFLの入射側面及び射出側面(面番号23、24)は自由曲面である。
レンズFLの面番号23、24のレンズ面の自由曲面のデータを表3に倣って表11に示す。
Figure 2014044377
自由曲面ミラーMSの自由曲面のデータを表4に倣って表12に示す。
Figure 2014044377
図6に、実施例3の投射光学系による投射状態を示す。
符号SRがスクリーンを示す。符号GSは投射光束が射出するガラス板を示す。
図7に、投射光学系の実施のさらに他の形態を示す。
この形態例は、レンズ系LSに「正の屈折力を持つ光学面として、凹面ミラーMCを含めた」点を特徴とする。
即ち、レンズ系LSは、レンズ系部分LS1と凹面ミラーMCにより構成される。
「負レンズ」は、レンズ系部分LS1内に設けられ、またレンズ系部分LS1内に、自由曲面も「レンズ面」として形成されている。
凹面ミラーMCは「正の屈折力を持つ光学面」である。
画像表示素子10からの光束は、レンズ系LSのレンズ系部分LS1を透過し、同部分LS1に含まれる負レンズと自由曲面の作用により、歪曲収差の補正を補助される。
そして、凹面ミラーMCの正のパワーにより発散性を抑制され、自由表面ミラーMSに入射する。
従って、このような構成でも、上述の実施の形態と同様の効果を持つ投射光学系を構成できる。
また、凹面ミラーMCを用いて結像光路を屈曲させることにより、正の屈折力を持つ光学面としての機能とともに、投射用光学系を小型化する効果も得られる。
図8に、画像表示装置の1例を説明図的に示す。
画像表示装置は「画像表示素子に画像を表示するとともに照明し、画像により強度変調された光束を射出させる装置」である。
そして、上記「画像により強度変調された光束」が、上述の投射用光学系によりスクリーン上に投射される。
図8に示す画像表示装置は、画像表示素子としてのDMD10を照明する。
図8において、符号11で示すランプから放射された光は、リフレクタ13によりインテグレータロッド15の入口に集光される。
インテグレータロッド15は「4つのミラーを組合わせてトンネル状にしたライトパイプ」である。
光は、インテグレータロッド15内のミラー面で反射を繰り返し、インテグレータロッド15の出口では、光量むらを均された状態になる。
インテグレータロッド15の出口を「光量むらが一様に均された面光源」とし、この面光源の光源像をDMD10上に形成する。
即ち、インテグレータロッド15の出口からの光は、照明用レンズ17と反射鏡19A、19Bを介してDMD10の画像表示面に導光される。
この導光の際、照明用レンズ17と、パワーを有する反射鏡19Bとによる結像作用で、DMD10の画像表示面に上記光源像を結像して照明する。
照明光は、DMD10による反射により強度変調され、投射光学系100に入射し、投射光学系100により図示されないスクリーン上に拡大されて結像投射される。
図9は、実施例1の投射用光学系の「スポットダイアグラム」である。この図は、波長を550nmの単波長として計算されたものである。
「43インチの画面サイズ」に十分適合できるスポット径を達成できている。
図10は、実施例1における「投射画像の歪曲状態」を示す。画面全体と、その上辺、左辺及び右辺、下辺の歪曲状況が示されている。
上下の辺および左右の辺における曲がりのP−V(peak to valley)値は1.0mm以下であり、歪曲収差は十分に補正されている。
図11は、実施例2の投射用光学系の「スポットダイアグラム」である。この図も、波長を550nmの単波長として計算されたものである。
「43インチの画面サイズ」に十分適合できるスポット径を達成できている。
図12は、実施例2における投射画像の歪曲状態を示す。画面全体と、その上辺、左辺及び右辺、下辺の歪曲状況が示されている。
上下の辺および左右の辺における曲がりのP−V値は1.0mm以下であり、歪曲収差は十分に補正されている。
図13は、実施例3の投射用光学系の「スポットダイアグラム」である。この図も、波長を550nmの単波長として計算されたものである。
「43インチの画面サイズ」に十分適合できるスポット径を達成できている。
図14は、実施例3における投射画像の歪曲状態を示す。画面全体と、その上辺、左辺及び右辺、下辺の歪曲状況が示されている。
上下の辺および左右の辺における曲がりのP−V値は1.0mm以下であり、歪曲収差は十分に補正されている。
ところで、レンズ系と自由曲面ミラーを用いる投射用光学系を用いたプロジェクタ装置としては「IPSIO PJ WX4130N(株式会社リコー製)が市販されている。
このプロジェクタ装置に用いられている自由曲面ミラーのサイズは、幅:97mm、高さ:92mmである。
これに対して、上述した実施例1〜3の投射用レンズに用いられる自由曲面ミラーのサイズは、幅:90mm、高さ:70mmである。
即ち、特に高さ方向において、大きく小型化できている。
10 画像表示素子(DMD)
LS レンズ系
MS 自由曲面ミラー
NL 負レンズ
FL 自由曲面を有するレンズ
PL 正の屈折力の光学面を持つレンズ
SR スクリーン
特開2004−258620号公報 特開2008−096762号公報 特開2008−242025号公報 特開2007− 79524号公報

Claims (10)

  1. 画像表示素子に表示される画像を拡大投影するための投射光学系であって、
    複数枚のレンズを有するレンズ系を縮小側に、自由曲面ミラーを拡大側に有し、
    前記レンズ系は、負レンズと、自由曲面と、正の屈折力を持つ光学面を有し、
    前記負レンズは、前記自由曲面よりも縮小側に配置され、
    前記正の屈折力を持つ光学面は、前記自由曲面よりも拡大側に配置され、
    前記画像表示素子から前記自由曲面までの間で、光束径が最も大きくなる位置が前記自由曲面の位置であることを特徴とする投射光学系。
  2. 請求項1記載の投射光学系において、
    正の屈折力を持つ光学面が、回転対称な面形状の正レンズのレンズ面であることを特徴とする投射光学系。
  3. 請求項1記載の投射光学系において、
    正の屈折力の光学面が、回転非対称でアナモフィックなレンズ面であることを特徴とする投射光学系。
  4. 請求項3記載の投射光学系において、
    回転非対称でアナモフィックなレンズ面が、湾曲軸型トロイダル面であることを特徴とする投射光学系。
  5. 請求項1記載の投射光学系において、
    正の屈折力の光学面が、凹反射面であることを特徴とする投射光学系。
  6. 請求項1記載の投射光学系において、
    自由曲面と、正の屈折力を持つ光学面が、同一レンズの縮小側および拡大側のレンズ面であることを特徴とする投射光学系。
  7. 請求項6記載の投射光学系において、
    正の屈折力の光学面が、回転対称な凸面であることを特徴とする投射光学系。
  8. 請求項6記載の投射光学系において、
    正の屈折力の光学面が、回転非対称でアナモフィックなレンズ面であることを特徴とする投射光学系。
  9. 請求項1〜8の任意の1に記載の投写光学系において、
    自由曲面ミラーの反射面形状は、凹面形状であり、
    レンズ系は、画像表示素子と前記自由曲面ミラーとの間に、画像表示素子の実像を中間像として結像することを特徴とする投射光学系。
  10. 画像表示素子に画像を表示するとともに照明し、前記画像により強度変調された光束を射出させる画像表示装置と、前記強度変調された光束を被投射面に導光するし、前記画像を拡大投射する投射光学系とを有するプロジェクタにおいて、
    請求項1〜9の任意の1に記載の投射光学系を有することを特徴とするプロジェクタ。
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CN105068363A (zh) * 2015-09-15 2015-11-18 周光磊 一种桌面超短焦光学模组
JP2015215478A (ja) * 2014-05-12 2015-12-03 セイコーエプソン株式会社 投写レンズ及びプロジェクター
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