JP2014036501A - リニアモータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動子の衝突を回避し、省スペース化に資すると共に、加工能率の低下を抑えることができるリニアモータ装置を提供する。
【解決手段】リニアモータは、長尺の固定子441及び一又は複数の可動子442a、442b、442cを有している。各可動子442a、442b、442cには、キャリッジ42a、42b、42cが固定されている。リニアモータ装置は、基台41に複数の固定子441を並置してなるリニアモータを複数備え、移動方向と略直交する方向におけるキャリッジ42a、42b、42cの長さは、隣り合う固定子441の全幅に跨る長さ以上であり、一のキャリッジ42bを固定してある一の可動子442bと、一のキャリッジ42bに隣り合う他のキャリッジ42a、42cを固定してある他の可動子442a、442cとは、互いに異なる固定子により相互に推力を発生するようにしてある。
【選択図】図5

Description

本発明は、複数のキャリッジを備えたリニアモータ装置に関する。
複数のキャリッジを備えたリニアモータ装置がある(例えば、特許文献1(段落0021〜0023及び図2)、特許文献2(段落0013、図1及び段落0020〜0022及び図2、図3)参照)。当該リニアモータ装置では、1つの長尺の固定子に複数の可動子が配置され、各可動子に加工装置を取り付けるキャリッジが1つずつ固定されている。通常、可動子のサイズはキャリッジのサイズより小さい。
特開2007−74832号公報 特開2004−336963号公報
しかしながら、大重量の加工装置をキャリッジに取り付ける場合又は加工装置を高速で移動させる場合、大きな推力を発生するリニアモータがリニアモータ装置に用いられる。推力が大きいリニアモータは、可動子のサイズをその移動方向に大きくする必要があり、可動子がキャリッジから突出する場合がある。
ところで、キャリッジに載置された加工装置により被加工物を加工する際、隣り合うキャリッジはできるだけ近くまで接近した方が加工能率は向上する。特に隣り合うキャリッジに取り付けられた加工装置を交互に使用する場合は、夫々のキャリッジの移動距離を短くすることができる。しかし、隣り合うキャリッジがお互いに接近した場合に接触あるいは衝突すると、キャリッジや加工装置が破損し、その後の位置決め精度が低下する虞がある。よって、複数のキャリッジをリニアモータに搭載する場合、隣り合うキャリッジが稼働中に接触あるいは衝突しないように制御できる最も小さなキャリッジ同士の間隔(最低距離)を定めている。しかし、可動子がキャリッジから突出し、その突出部が最低距離を超えている場合、可動子同士が衝突する可能性がある。一方、可動子同士の衝突を回避するために、隣り合うキャリッジを最低距離まで接近させない場合、キャリッジの移動距離が長くなり、加工装置を用いた作業の能率が低下したり、支障をきたしたりすることがある。
移動方向におけるキャリッジの長さを長くし、可動子がキャリッジから突出しないようにすることは一案であるが、かかる場合、リニアモータ装置の大型化及びコストアップを招来せしめ、ひいてはリニアモータ装置が設置される工場の省スペース化に反する。
また、上述の場合、加工装置の大きさに比して必要以上にキャリッジの移動方向における大きさが大きくなるのみであり、キャリッジの移動距離を短くできず加工能率が低下する。
本願はかかる事情に鑑みてなされたものである。その目的は可動子の衝突を回避し、省スペース化に資すると共に、加工能率の低下を抑えることができるリニアモータ装置を提供することにある。
本願に係るリニアモータ装置は、基台に固定された長尺の固定子及び該固定子の長手方向へ移動可能な一又は複数の可動子を有するリニアモータを備え、該一又は複数の可動子夫々にキャリッジが固定されているリニアモータ装置において、前記基台に複数の前記固定子を並置してなる前記リニアモータを複数備え、移動方向と略直交する方向における前記キャリッジの長さは、隣り合う固定子の全幅に跨る長さ以上であり、一のキャリッジを固定してある一の可動子と、該一のキャリッジに隣り合う他のキャリッジを固定してある他の可動子とは、互いに異なる固定子により相互に推力を発生するようにしてあることを特徴とする。
本願に係るリニアモータ装置では、複数のリニアモータを備えている。各リニアモータは、長尺の固定子と一又は複数の可動子とを有する。各可動子には、キャリッジが固定されている。複数の固定子は、基台に並置されている。移動方向と略直交する方向におけるキャリッジの長さは、隣り合う固定子の全幅に跨る長さ以上である。一のキャリッジを固定してある一の可動子と、一のキャリッジに隣り合う他のキャリッジを固定してある他の可動子とは、互いに異なる固定子により相互に推力を生成する。
これにより、可動子がキャリッジから移動方向に突出している場合、キャリッジから突出した可動子の部分長より短い許容限界距離まで隣り合うキャリッジ同士を接近させても、可動子同士が衝突することを回避することができる。可動子の衝突を避けるためにキャリッジの大きさを増大させる必要がないので、リニアモータ装置は大型化を抑えることができる。ひいては、リニアモータ装置は省スペース化に資する。更に、リニアモータ装置は加工能率の低下を抑制することができる。
本願に係るリニアモータ装置は、前記固定子は前記基台の同一平面上に固定されていることを特徴とする。
本願に係るリニアモータ装置では、複数の固定子は基台の同一平面上に固定されている。
これにより、キャリッジに取り付けられる装置を基台の同一平面上で移動することができる。
本願に係るリニアモータ装置は、移動方向と略直交する方向における前記キャリッジの長さは、全ての固定子の全幅に跨る長さ以上であることを特徴とする。
本願に係るリニアモータ装置では、移動方向と略直交する方向におけるキャリッジの長さは、全ての固定子の全幅に跨る長さ以上である。
これにより、移動方向と略直交する方向におけるキャリッジの長さを長くすることにより、並置された複数の固定子に対応するより多くの可動子から、キャリッジを移動させる可動子を選択する自由度が高まる。
本願に係るリニアモータ装置は、前記固定子は積層状態で前記基台上に固定されていることを特徴とする。
本願に係るリニアモータ装置では、固定子は積層状態で基台に固定されている。
これにより、複数の固定子を固定するスペースが基台にない場合でも、リニアモータ装置は複数の固定子を搭載することができる。
本願に係るリニアモータ装置は、前記基台は交差する二平面を有し、前記固定子は、前記二平面上夫々に、該二平面の稜線の長さ方向と平行的に固定されていることを特徴とする。
本願に係るリニアモータ装置では、基台は交差する二平面を有している。固定子は、二平面夫々の上に、二平面が交差して形成される稜線の長さ方向と略平行に固定されている。
これにより、固定子を固定する基台の面を二平面に増大させることができ、リニアモータ装置のバリエーションを広げることができる。
本願に係るリニアモータ装置は、前記キャリッジは前記二平面の交差角度で屈曲した板状をなし、かつ屈曲部が該二平面の稜線に対向し、移動方向と略直交する方向における前記二平面に沿った前記キャリッジの長さは、前記稜線を介して隣り合う固定子の該二平面に沿った全幅に跨る長さ以上であることを特徴とする。
本願に係るリニアモータ装置では、キャリッジは交差する基台の二平面がなす角度で屈曲した板状をなしている。キャリッジは、屈曲部が二平面夫々の稜線に対向するように配置されている。移動方向と略直交する方向において二平面に沿ったキャリッジの長さは、二平面の稜線を介して隣り合う固定子の二平面に沿った全幅に跨る長さ以上である。
これにより、装置をキャリッジに取り付ける面の選択枝を二平面に増大させることができる。
本願に係るリニアモータ装置は、前記二平面は略直交しており、前記固定子は前記二平面上夫々に固定されており、前記キャリッジの移動方向の断面形状はL字状をなすことを特徴とする。
本願に係るリニアモータ装置では、固定子は略直交する二平面夫々の上に固定されている。キャリッジの移動方向における断面形状はL字状である。
これにより、基台の形状を例えば成形しやすい正四角柱状にすることができ、リニアモータ装置の組み立て容易性を向上させることができる。
本願に係るリニアモータ装置は、基台に固定された長尺の固定子及び該固定子の長手方向へ移動する一又は複数の可動子を有するリニアモータを備え、該一又は複数の可動子夫々にキャリッジが固定されているリニアモータ装置において、前記基台に複数の前記固定子を積層状態で固定してなる前記リニアモータを複数備え、移動方向と略直交する方向における前記キャリッジの長さは、一の固定子の幅以上であり、一のキャリッジを固定してある一の可動子と、該一のキャリッジに隣り合う他のキャリッジを固定してある他の可動子とは、互いに異なる固定子により相互に推力を発生するようにしてあることを特徴とする。
本願に係るリニアモータ装置では、複数のリニアモータを備えている。各リニアモータは、長尺の固定子と一又は複数の可動子とを有する。各可動子には、キャリッジが固定されている。複数の固定子は、基台に積層状態で固定されている。移動方向と略直交する方向におけるキャリッジの長さは、一の固定子の幅以上である。一のキャリッジを固定してある一の可動子と、一のキャリッジに隣り合う他のキャリッジを固定してある他の可動子とは、互いに異なる固定子により相互に推力を生成する。
これにより、可動子がキャリッジから移動方向に突出している場合、キャリッジから突出した可動子の部分長より短い許容限界距離まで隣り合うキャリッジを接近させても、可動子同士が衝突することを回避することができる。また、固定子が積層されて基台に固定されているので、リニアモータ装置は基台の面積を有効活用することができる。更に、キャリッジの大きさを一の固定子の幅まで小さくすることができるので、リニアモータ装置のダウンサイジングに資する。ひいては、リニアモータ装置は省スペース化に資する。更に、リニアモータ装置は加工能率の低下を抑制することができる。
本願に係るリニアモータ装置は、前記キャリッジは前記固定子の積層体から積層方向に隔離配置され、かつ対応する前記可動子に連結される積層方向に伸びた連結部を有することを特徴とする。
本願に係るリニアモータ装置では、キャリッジは固定子の積層体から積層方向へ離れた位置に配置され、対応する可動子と積層方向に伸びた連結部で連結されている。
これにより、連結部の長さを積層体の厚さに応じて設定することで、キャリッジを積層体の積層方向に配置することができる。
本願に係るリニアモータ装置は、前記固定子を二個備え、二個の前記固定子に係る可動子は千鳥状に配置されていることを特徴とする。
本願に係るリニアモータ装置では、固定子を二個備えている。二個の固定子と夫々相互に推力を発生する可動子は、二個の固定子の長手方向に対して千鳥状に配置されている。
これにより、リニアモータ装置は、2個のリニアモータだけで可動子同士の接触を回避することができる。
本願に係るリニアモータ装置は、複数の前記固定子夫々と、該複数の前記固定子夫々に対応する可動子とは、各々異なる大きさの推力を発生するようにしてあることを特徴とする。
本願に係るリニアモータ装置では、複数の固定子夫々と、これらの固定子に夫々対応する可動子とが発生する推力の大きさは各々異なる。
これにより、リニアモータ装置は、装置を搬送するキャリッジの搬送能力に幅を持たせることができる。
本願に係るリニアモータ装置によれば、可動子の衝突を回避し、省スペース化に資すると共に、加工能率の低下を抑えることができる。
可動ガントリーステージの概要を示す斜視図である。 簡略化したガントリーを示す斜視図である。 簡略化したガントリーを示す分解斜視図である。 簡略化したガントリーをY軸方向に切断した断面図である。 簡略化したガントリーを示す正面図である。 簡略化したガントリーをY軸方向に切断した断面図である。 簡略化したガントリーをY軸方向に切断した断面図である。
以下、実施の形態をその図面を参照して具体的に説明する。
本願に係るリニアモータ装置は、例えばXYステージ、XYθステージ、固定ガントリーステージ、可動ガントリーステージ、エアーフロートXYステージ等のリニアステージである。以下では、本願に係るリニアモータ装置として、可動ガントリーステージを例に挙げて説明する。可動ガントリーステージは、レーザスクライブ装置、露光装置、製造装置、検査装置等の各種装置をキャリッジに取り付け、取り付けた各種装置を搬送する。ただし、以下では、これらの被搬送物である各種装置は省略する。
実施の形態1
図1は、可動ガントリーステージ1の概要を示す斜視図である。
可動ガントリーステージ1は、Y軸リニアステージ2及びX軸リニアステージ3を含む。Y軸リニアステージ2は、X軸リニアステージ3をY軸方向に移動するリニアステージである。X軸リニアステージ3は、ガントリー構造をなし、Y軸と略直交するX軸方向に各種装置を搬送するリニアステージである。
以下、図1におけるY軸方向のうち、手前側を前側又は正面側、奥行き側を後側又は背面側と呼ぶ。
Y軸リニアステージ2は、定盤21、複数のY軸脚部22、2つのY軸固定ベース(基台)23、2つのY軸リニアモータ24及び2つのY軸キャリッジ25を含む。
定盤21は、正面視略矩形の板状をなし、石材、アルミニウム、鉄、セラミック等又はこれらのハイブリッド材料からなる。定盤21は、その上に載置されるY軸リニアステージ2の構成部及びX軸リニアステージ3を支える略水平面を提供する。
複数のY軸脚部22は、夫々同じ長さの四角柱状をなし、その上のY軸固定ベース23等を支える支柱である。各Y軸脚部22は、定盤21の上面における2つの長辺夫々に沿った端部に所定等間隔で配置されている。
2つのY軸固定ベース23は、夫々四角柱状をなす。2つのY軸固定ベース23は、夫々Y軸に対して略平行に配列されたY軸脚部22の列の上に、横倒しの状態で架設されている。2つのY軸固定ベース2における各上面は略水平にされている。
2つのY軸リニアモータ24は、夫々固定子及び可動子を含む。各固定子は、Y軸と略平行な長尺状をなし、夫々2つのY軸固定ベース23の上面に配置されている。
2つのY軸キャリッジ25は、夫々例えばアルミニウム合金からなり、略矩形の平板状をなす。各Y軸キャリッジ25の下面には、Y軸リニアモータ24の可動子(図示せず)が取り付けられている。2つのY軸キャリッジ25は、互いに共同して上面に載置されるX軸リニアステージ3をY軸方向に移動するテーブルである。
X軸リニアステージ3は、2つのX軸脚部31及びガントリー4を含む。
2つのX軸脚部31は、夫々同じ長さの四角柱状をなし、その上のガントリー4を支える短柱状の支柱である。各X軸脚部31は、2つのY軸キャリッジ25の上面に載置されている。ガントリー4は、X軸リニアステージ3の本体である。
図2は、簡略化したガントリー4を示す斜視図である。図3は、簡略化したガントリー4を示す分解斜視図である。
ガントリー4は、X軸固定ベース(基台)41、3つのX軸キャリッジ42a、42b、42c、2本のリニアガイド43、2つのX軸リニアモータ44の固定子441及び3つの可動子442を含む。
なお、図2及び図3では、1つの固定子441に2つの可動子442を載置したものと、1つの固定子441に1つの可動子442を載置したものとを描いている。このため、X軸リニアモータ44は、後述する固定子441を指示している。そこで、X軸リニアモータ44の符号を44(441)としてある。
X軸固定ベース41は、四角柱状をなし、その断面形状は略矩形である。X軸固定ベース41は、その下面における両端部が夫々2つのX軸脚部31の上面に接合されている。X軸固定ベース41は、2つのX軸脚部31の間をX軸方向に架け渡すように横倒しの状態に形成されている。X軸固定ベース41における上下前後の各面は夫々略水平及び略鉛直に構成されている。
なお、X軸固定ベース41は、横倒しの四角筒状でもよい。
X軸キャリッジ42a、42b、42cは、例えばアルミニウム合金からなり、略矩形の平板状をなす。X軸キャリッジ42a、42b、42cは、可動ガントリーステージ1が搬送する各種装置が取り付けられる取付台に該当し、X軸固定ベース41の正面に取り付けられている。
リニアガイド43は、例えばアルミニウムからなり、X軸方向に延在する長尺状のレール部材である。2本のリニアガイド43は、夫々X軸固定ベース41における正面の上部及び下部に略平行に敷設されている。
図4は、簡略化したガントリー4をY軸方向に切断した断面図である。
X軸キャリッジ42a、42b、42cが固定されるX軸固定ベース41の正面は、X軸方向に沿った凹形状をなしている。そのため、X軸固定ベース41の中央は後側に窪み、X軸固定ベース41の上下端部は前側に突出している。2本のリニアガイド43は、夫々X軸固定ベース41の上下端部に略平行かつ略水平に敷設されている。
X軸キャリッジ42a、42b、42cの上下方向における幅は、2本のリニアガイド43の間隔よりも広い。2本のリニアガイド43と対向するX軸キャリッジ42a、42b、42cの裏面には、夫々1つずつスライダ421がX軸方向に延設されている。2本のスライダ421の裏面側には、夫々リニアガイド43が嵌挿可能な溝が設けられている。2本のスライダ421の溝にリニアガイド43が嵌挿することにより、リニアガイド43は、X軸キャリッジ42a、42b、42cによるX軸方向の移動(例えば、摺動)を案内するように構成されている。
図4におけるスライダ421の溝は、蟻溝である。なお、図4におけるスライダ421の溝は、L字溝でもよい。X軸キャリッジ42がX軸固定ベース41の上面を移動する場合、スライダ421の溝は、V字溝(三角溝)、U字溝、凹字溝等でもよく、特定の形状に限定されない。リニアガイド43は、これらの溝に嵌挿可能なほぞである。
図2、図3及び図4において、2本のリニアガイド43がX軸固定ベース41に敷設されているが、リニアガイド43の本数は2本に限らず、1本又は3本以上でもよい。例えば、リニアガイド43は、X軸固定ベース41における正面の上部に1本だけ敷設されてもよい。リニアガイド43は、X軸固定ベース41における正面の上部、中部及び下部に1本ずつ、合計3本敷設されてもよい。あるいは、リニアガイド43は、X軸固定ベース41における正面の上部及び下部に2本ずつ、合計4本敷設されてもよい。X軸キャリッジ42a、42b、42cの裏面には、リニアガイド43の本数に応じた数のスライダ421を設ければよい。
X軸リニアモータ44は、固定子441及び可動子442を含む。なお、X軸キャリッジ42a、42b、42cを夫々固定してある可動子442を区別する場合、可動子442各々に異なる符号442a、442b、442cを付して、以下では可動子442a、442b、442cと表記する(図3参照)。すなわち、X軸キャリッジ42a、42b、42cに夫々対応する可動子442の各符号を、X軸キャリッジ42a、42b、42cの符号に含まれるアルファベットと同じアルファベットを付加して示す。また、可動子442a、442b、442cのより細部の部分の各符号についても、X軸キャリッジ42a、42b、42cの符号に含まれるアルファベットと同じアルファベットを付加して示す。
図4では、X軸上で直列に配列した3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cが重なり合う方向から描かれている。そのため、図4では、最も紙面手前側に位置するX軸キャリッジ42cのみが描かれており、他の2つのX軸キャリッジ42a、42bは最も手前側に位置するX軸キャリッジ42cにより隠れている。また、図4では、最も手前側に位置するX軸キャリッジ42cを固定してある可動子442cと、中央に位置するX軸キャリッジ42bを固定してある可動部442bとが描かれている。最も奥側に位置する可動子442aは、最も手前側に位置する可動子442cにより隠れている。図4では、最も紙面手前側に位置するX軸キャリッジ42c及び可動子442cに斜線を付した。中央に位置する可動子442bは、白抜きにして、最も手前側に位置する可動子442cと区別可能な態様で図示してある。
2本の固定子441は、夫々X軸方向に延びた長尺状をなし、X軸固定ベース41における正面の窪み面に並置されている(図4参照)。すなわち、2本の固定子441は、窪み面に並列状態で固着されている。2本の固定子441は、2本のリニアガイド43に挟まれるように配置している。
X軸キャリッジ42a、42b、42cの上下方向における幅は、少なくとも上下方向に隣り合う固定子441の全幅に跨る長さ以上である。すなわち、X軸キャリッジ42a、42b、42cの上下方向における幅は、上下方向に隣り合う2本の固定子441の幅と、2本の固定子441の間隔とを合わせたものより大きくなっている。
2本のリニアガイド43における前側の先端面及び2本の固定子441における前側の先端面は、略同一面上に位置し、X軸キャリッジ42a、42b、42cの裏面と固定子441との間には、隙間が形成されている。
固定子441は、ヨーク4411及び永久磁石4412を含む。ヨーク4411は、鉄鋼材料(例えば、SS材)等の軟強磁性材料からなり、X軸方向に伸びた長尺状をなす。ヨーク4411の断面形状は、下向きに開いた略コの字状をなす。永久磁石4412は、ヨーク4411において対向する内側の前後2面に、夫々異極性の磁極が向き合うように、かつN極とS極とがX軸方向に沿って交互に並ぶように列設されている。異極性の永久磁石4412の列により挟まれた空間は、磁気空隙を形成している。
可動子442a、442b、442cは、X軸方向に沿って配列する複数の扁平コイル(図示せず)を含み、X軸キャリッジ42a、42b、42cの背面に夫々取り付けられている。可動子442a、442b、442cは、夫々突出部4421a、4421b、4421c及び屈曲部4422a、4422b、4422cを含む。突出部4421a、4421b、4421cは、夫々X軸キャリッジ42a、42b、42cから背面側に突出する可動子442a、442b、442cの部分である。屈曲部4422a、4422b、4422cは、夫々突出部4421a、4421b、4421cの先端から上向きに屈曲した可動子442a、442b、442cの部分である。
Y軸方向に切断された可動子442a、442b、442cの断面形状はL字状をなす。上向きに屈曲した可動子442a、442b、442cの屈曲部4422a、4422b、4422cは、固定子441において下向きに開いた開口から磁気空隙内に遊嵌される。
各扁平コイルは、屈曲部4422a、4422b、4422cに配置してある。各扁平コイルは、通電がなされた場合、磁気空隙内のX軸方向に沿って可動子442a、442b、442cに作用する推力が発生するように結線されている。可動子442a、442b、442cの移動範囲は、X軸方向における固定子441の長さと略同一である。
なお、本明細書では、X軸リニアモータ44は可動コイル型を記載したが、可動磁石型であってもよい。
図5は、簡略化したガントリー4を示す正面図である。
可動子442の大きさは、X軸キャリッジ42a、42b、42cに取り付けられる各種装置の重量と、該各種装置を使用する場合に必要とされる移動速度に応じて異なる。各種装置の重量がより大きいほど、あるいは各種装置の移動速度をより速く設定するほど、より大きな推力を発生させるX軸リニアモータ44が必要とされ、移動方向における可動子442の長さはより長くなる。場合によっては、X軸方向における可動子442の長さは、X軸方向におけるX軸キャリッジ42a、42b、42cの幅よりも長くなる。
図5の可動子442a、442b、442cは、X軸方向におけるその長さがX軸方向におけるX軸キャリッジ42a、42b、42cの幅よりも長い一例を示している。
3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cのうち、中央に位置するX軸キャリッジ42bの裏面には、可動子442bが上側に取り付けられている。そして、中央に位置するX軸キャリッジ42bの可動子442bの屈曲部4422bは、並置された2本の固定子441のうち、上側の固定子441の磁気空隙に遊嵌されている(図4参照)。
3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cのうち、両端に位置する2つのX軸キャリッジ42a、42cの各裏面には、可動子442a、442cが下側に夫々取り付けられている。そして、両端に位置する2つのX軸キャリッジ42a、42cの可動子442a、442cの各屈曲部4422a、4422cは、並置された2本の固定子441のうち、下側の固定子441の磁気空隙に夫々遊嵌されている(図4参照)。
換言した場合、3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cに夫々1つずつ取り付けられた各可動子442a、442b、442cは、上下方向に並置された2本の固定子441に対して、千鳥状に配置されている。すなわち、各可動子442a、442b、442cは、2本の固定子441に対して移動方向に向かって互い違いに配置されている。隣り合うX軸キャリッジ42a、42b、42c同士が一定距離を越えて接近した場合、X軸キャリッジ42a、42b、42cから夫々突出した可動子442a、442b、442cの一部は、隣り合うX軸キャリッジ42a、42b、42cの裏側に位置するX軸固定ベース41の窪み及び固定子441の磁気空隙に収納される。
その際、各可動子442a、442b、442cが夫々X軸キャリッジ42a、42b、42cから突出している部分の長さ(例えば、図5におけるL)は、移動方向におけるX軸キャリッジ42a、42b、42cの長さ(幅)の2分の1未満とする。
次に、可動ガントリーステージ1の動作について説明する。
3つのX軸キャリッジ42a、42b、42c各々に、1台ずつ例えばレーザ装置を取り付ける。各レーザ装置は、定盤21上に載置された被加工物に対して加工処理を施す。被加工物における加工工程の進行に伴い、X軸キャリッジ42a、42b、42cは移動される。
移動するX軸キャリッジ42a、42b、42cが衝突しないように、X軸キャリッジ42a、42b、42cには接近可能な許容限界距離である最低距離が定められている。しかし、各X軸キャリッジ42a、42b、42cに取り付けられた可動子442a、442b、442cがX軸キャリッジ42a、42b、42cからX軸方向、すなわち移動方向に突出している長さは、当該最低距離よりも長い。そのため、仮に複数のX軸キャリッジ42a、42b、42cに1つずつ取り付けられた各可動子442a、442b、442cが仮に1本の固定子441との磁気的相互作用により推力を発生させる場合、隣り合うキャリッジ42a、42b、42cの可動子442a、442b、442c同士は、接近距離が最低距離より長い場合であっても衝突する可能性がある。
つまり、X軸キャリッジ42a、42b、42cをX軸キャリッジ42a、42b、42c同士の最低距離まで近づけることはできない。
しかし、本発明によれば、可動ガントリーステージ1におけるX軸キャリッジ42a、42b、42cの可動子442a、442b、442cは、上下方向に並置された固定子441に対して千鳥に配置されている。X軸キャリッジ42a、42b、42cから夫々突出した可動子442a、442b、442cの部分は、隣り合うX軸キャリッジ42a、42b、42cの裏側におけるX軸固定ベース41の窪み及び固定子441の磁気空隙に収納される。そのため、可動ガントリーステージ1のガントリー4においては、隣り合うX軸キャリッジ42a、42b、42cを最低距離まで接近させても、各X軸キャリッジ42a、42b、42cに取り付けられた可動子442a、442b、442c同士は衝突しない。すなわち、隣り合う2つのX軸キャリッジ42a、42b、42cを最低距離まで接近させてレーザ装置を駆動させたい場合、可動ガントリーステージ1は2つのX軸キャリッジ42a、42b、42cを最低距離まで接近させることができる。
本実施の形態では、X軸キャリッジ42a、42b、42cの数は、3つであった。しかし、X軸キャリッジ42a等の数は、2つ又は4つ以上でもよい。
X軸キャリッジ42a等の数が2つである場合、1つのX軸キャリッジ42aに取り付ける可動子442aは1本の固定子441との相互作用により推力を発生させ、もう1つのX軸キャリッジ42bに取り付ける可動子442bは他のもう1本の固定子441との相互作用により推力を発生させればよい。そのためには、2つのX軸キャリッジ42a、42bに対して、可動子442a、442bの移動方向と略直交する方向に2本の固定子441の間隔だけずらして、可動子442a、442bを取り付ければよい。
換言すると、2つの可動子442a、442bがお互いに干渉しないように、夫々の可動子442a、442bを載置する固定子441同士を可動子442a、442bの移動方向と略直交する方向に離して、X軸固定ベース41に取り付ければよい。
X軸キャリッジ42a等の数が4つ以上である場合、並置されるX軸リニアモータ44の固定子441の数が2つであるとき、移動方向に対してX軸キャリッジ42a等に可動子442a等を千鳥状に配置すればよい。
X軸キャリッジ42a等の数が4つ以上である場合、並置されるX軸リニアモータ44の固定子441の数が3つ以上であるとき、X軸キャリッジ42a等に可動子442a等を、隣り合うX軸キャリッジ42b等に取り付けられた可動子442b等が作用し合う固定子441と異なる固定子441に対応する位置に取り付ければよい。
2つのX軸リニアモータ44の推力は、同じでもよいし、異なっていてもよい。2つのX軸リニアモータ44の推力が異なる場合、必要以上の推力を有するX軸リニアモータ44を作る必要がなく、コストダウンとなる。可動ガントリーステージ1が3つ以上のX軸リニアモータ44を備える場合も、各X軸リニアモータ44の推力は同じでもよいし、異なっていてもよい。
また、1つの固定子441に2つの可動子442を載置する場合、固定子441との間の磁気的相互作用により発生させる推力の大きさに差があってもよい。換言すると、2つの可動子442における移動方向に沿った長さは異なっていてもよい。
可動ガントリーステージ1によれば、省スペース化に資することができる。
複数の加工装置を夫々複数のキャリッジに取り付けて加工処理をする場合、キャリッジから突出した可動子が隣り合うキャリッジの可動子と干渉しないようにするとき、最低距離までキャリッジを接近させることができない。可動子がキャリッジから突出しないように、キャリッジのサイズを大きくすることは、省スペース化及びコストダウンに反する。
一方、複数の固定子441を並置し、隣り合うX軸キャリッジ42a、42b、42cに各可動子442a、442b、442cを移動方向と略直交する方向に対して異なる位置に取り付けることにより、X軸キャリッジ42a、42b、42cを最低距離まで接近させることができる。
よって、可動ガントリーステージ1は、X軸キャリッジ42a、42b、42cの移動距離を短くすることができ、加工能率の低下を抑制することができる。
実施の形態2
実施の形態2は、2本の固定子441を積層した状態でX軸固定ベース41の正面に固定する形態に関する。
実施の形態2に係るガントリー4においても、実施の形態1と同様に3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cが、正面から見て左から右へX軸方向に直列に配列している。各X軸キャリッジ42a、42b、42cは、X軸固定ベース41に敷設された2本のリニアガイド43に案内されてX軸方向に移動するように構成されている。
図6は、簡略化したガントリー4をY軸方向に切断した断面図である。
X軸キャリッジ42a、42b、42cが取り付けられるX軸固定ベース41の正面側は、X軸方向に沿った凹形状をなしている。そのため、X軸固定ベース41の中央は後側に窪み、X軸固定ベース41の上下端部は前側に突出している。2本のリニアガイド43は、夫々X軸固定ベース41の上下端部に略平行かつ略水平に敷設されている。図6におけるX軸固定ベース41の窪みの深さは、図4におけるX軸固定ベース41の窪みの深さよりも深い。
2本のX軸リニアモータ44が夫々有する固定子441は、その断面形状が略コの字状をなし、いずれの固定子441も開口が下向きになる姿勢で前後方向(Y軸方向)に積層されている。積層状態の固定子441は、X軸固定ベース41における窪みの底面に固着されている。
2本のリニアガイド43における前側の先端面及びより前側に位置する固定子441における前側の先端面は、略同一面上に位置する。
X軸キャリッジ42a、42b、42cは、夫々正面方向から見て略矩形の板状をなし、固定子441からなる積層体の前側に位置する。
図6では、3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cが重なり合う方向から描かれている。そのため、図6では、最も手前側に位置するX軸キャリッジ42cのみが斜線を付して描かれており、他の2つのX軸キャリッジ42a、42bは最も手前側に位置するX軸キャリッジ42cにより隠れている。
図6では、最も手前側に位置するX軸キャリッジ42cに配置された可動子442cが斜線を付して描かれている。最も奥側に位置するX軸キャリッジ42aに配置された可動子442aは、最も手前側に位置する可動子442cにより隠れている。中央に位置するX軸キャリッジ42bに配置された可動子442bは、白抜きにして、最も手前側に位置する可動子442cと区別可能な態様で図示してある。
X軸方向に配列した3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cのうち、中央に位置するX軸キャリッジ42bには、可動子442bの突出部4421b(連結部)がX軸キャリッジ42b裏面の中央から下寄りの位置に取り付けられている。中央に位置するX軸キャリッジ42bの可動子442bの屈曲部4422bは、前後に積層している2本の固定子441のうち、後側の固定子441の磁気空隙に遊嵌されている。図6において、突出部4421bの一部(X軸キャリッジ42bに近い部分)は、突出部4421cに隠れている。
3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cのうち、両端に位置する2つのX軸キャリッジ42a、42cには、可動子442a、442cの突出部4421a、4421cが中央に位置するX軸キャリッジ42bの突出部4421bと紙面でX軸キャリッジ42bの高さ方向における同じ位置に夫々取り付けられている。ただし、両端に位置する2つのX軸キャリッジ42a、42cに取り付けられている突出部4421a、4421cの長さは、中央に位置するX軸キャリッジ42bに取り付けられている突出部4421bの長さより前後方向における固定子441の幅だけ短い。両端に位置する2つのX軸キャリッジ42a、42cの可動子442a、442cの各屈曲部4422a、4422cは、前後に積層している2本の固定子441のうち、前側の固定子441の磁気空隙に夫々遊嵌されている。
換言した場合、3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cに夫々取り付けられた各可動子442a、442b、442cの屈曲部4422a、4422b、4422cは、前後に積層した2本の固定子441に対して、前後方向に千鳥状に配置されている。すなわち、各可動子442a、442b、442cの屈曲部4422a、4422b、4422cは、2本の固定子441に対して互い違いに配置されている。隣り合うX軸キャリッジ42a等同士が一定距離を越えて接近した場合、X軸キャリッジ42a等から突出した可動子442a等の屈曲部4422a等は、隣り合うX軸キャリッジ42b等の可動子442b等の屈曲部4422b等に対応する固定子441とは異なる固定子441の磁気空隙に遊嵌される。
実施の形態2におけるガントリー4においても、隣り合うX軸キャリッジ42a、42b、42cを最低距離まで接近した場合、X軸キャリッジ42a、42b、42cから突出した可動子442a、442b、442cの部分が干渉し合うことはない。
なお、隣り合うX軸キャリッジ42a、42b、42cを最低距離まで接近した場合、可動子442a、442b、442cの突出部4421a、4421b、4421cが干渉しないように、移動方向における突出部4421a、4421b、4421cの長さは、移動方向におけるX軸キャリッジ42a、42b、42cの長さ以下の長さにしてある。
その際、可動子442a、442b、442cがX軸キャリッジ42a、42b、42cから突出している部分の長さは、移動方向におけるX軸キャリッジ42a、42b、42cの長さ(幅)の2分の1未満とする。
他方、移動方向において少なくとも屈曲部4422a、4422b、4422cは、夫々X軸キャリッジ42a、42b、42cから突出している。
あるいは、3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cのうち、中央に位置するX軸キャリッジ42bにおいては、突出部4421bが両端に位置する突出部4421a、4421cよりもより下寄りの位置に取り付けられてもよい。これにより、可動子442a、442b、442cの突出部4421a、4421b、4421cがX軸キャリッジ42a、42b、42cから移動方向へ突出している場合であっても、隣り合うX軸キャリッジ42a、42b、42cにおける可動子442a、442b、442cの突出部4421a、4421b、4421c同士が干渉し合うことはない。
なお、実施の形態2においても、X軸キャリッジ42a等の数は2つ又は4つ以上でもよく、X軸リニアモータ44又は固定子441の本数が3本以上であってもよいことは勿論である。
図6において、X軸キャリッジ42a、42b、42cは、積層した固定子441の下側に配置されてもよい。図6において、X軸キャリッジ42a、42b、42cにその裏側から積層した固定子441の下側に延びるリブ(連結部)を設け、当該リブに可動子442a等の突出部4421a等を連結固定してもよい。
特に実施の形態2においては、2つの固定子441を積層したが、必要な数のX軸キャリッジ42a等に対応して更に固定子441を多層にする場合、X軸キャリッジ42a等から固定子441までの距離が長くなる。その際、X軸キャリッジ42a等の裏面にリブ(連結部)を設け、当該リブに可動子442a等(突出部4421a等)を連結すればよい。
実施の形態2は以上の如きであり、その他は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明、作用及び効果を省略する。
実施の形態3
実施の形態3は、2本の固定子441を夫々X軸固定ベース41の正面及び上面に1本ずつ配置し、X軸キャリッジ42a等の形状をX軸固定ベース41の正面及び上面を覆い、X方向断面視にてL字形状にする形態に関する。
実施の形態3に係るガントリー4においても、例えば3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cが、正面から見て左から右へX軸方向に直列に配列している。各X軸キャリッジ42a、42b、42cは、X軸固定ベース41に敷設された3本のリニアガイド43に案内されてX軸方向に移動するように構成されている。
図7は、簡略化したガントリー4をY軸方向に切断した断面図である。
X軸固定ベース41の正面は、X軸方向に沿った凹形状をなしている。そのため、X軸固定ベース41正面の中央は後側に窪み、X軸固定ベース41正面の上下端部は前側に突出している。2本のリニアガイド43が、夫々X軸固定ベース41正面の上下端部に略平行かつ略水平に敷設されている。
1本の固定子441がX軸固定ベース41における正面の窪みの底面中央に固着されている。固定子441は、その断面形状が略コの字状をなし、開口が下向きになる姿勢で配置されている。
2本のリニアガイド43における前側の先端面及び固定子441における前側の先端面は、略同一面上に位置する。
X軸固定ベース41の上面は、X軸方向に沿った凹形状をなしている。そのため、X軸固定ベース41上面の中央は下側に窪み、X軸固定ベース41上面の前後端部は上側に突出している。1本のリニアガイド43が、X軸固定ベース41上面の後端部に略水平に敷設されている。
1本の固定子441がX軸固定ベース41上面における窪みの底面中央に固着されている。固定子441は、その断面形状が略コの字状をなし、開口が前向きになる姿勢で配置されている。
X軸固定ベース41上面に敷設されたリニアガイド43における上側の先端面及び固定子441における上側の先端面は、略同一面上に位置する。
図7では、3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cが重なり合う方向から描かれている。そのため、図7では、最も手前側に位置するX軸キャリッジ42cのみが斜線を付して描かれており、他の2つのX軸キャリッジ42a、42bは最も手前側に位置するX軸キャリッジ42cにより隠されている。
図7では、最も手前側に位置するX軸キャリッジ42cに配置された可動子442cが斜線を付して描かれている。最も奥側に位置するX軸キャリッジ42aに配置された可動子442aは、最も手前側に位置する可動子442cにより隠れている。中央に位置するX軸キャリッジ42bに配置された可動子442bは、白抜きにして、最も手前側に位置する可動子442cと区別可能な態様で図示してある。
X軸キャリッジ42a、42b、42cは、夫々L型鋼アングルに類似した形状をなし、正面キャリッジ422及び上面キャリッジ423を含む。正面キャリッジ422は、X軸固定ベース41の正面に敷設された2本のリニアガイド43に夫々案内される2つのスライダ421が上下端部に略平行かつ略水平に固設された矩形状平板部材である。上面キャリッジ423は、X軸固定ベース41の上面に敷設された1本のリニアガイド43に案内されるスライダ421が後側端部に固設された矩形状平板部材である。正面キャリッジ422及び上面キャリッジ423は、X軸方向から見た断面視L字状の角部に該当するキャリッジ屈曲部426において、ネジ(図示せず)等の締結部材で結合され、一体化されている。
なお、図7では正面キャリッジ422及び上面キャリッジ423の継ぎ目が省略されている。しかし、正面キャリッジ422及び上面キャリッジ423を含むX軸キャリッジ42a、42b、42cは一体成形されてもよい。かかる場合、図7に示すように、正面キャリッジ422及び上面キャリッジ423の間に境はない。
X軸方向に配列した3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cのうち、中央に位置するX軸キャリッジ42bの上面キャリッジ423には、可動子442bの突出部4421bが上面キャリッジ423裏面の中央に取り付けられている。中央に位置するX軸キャリッジ42bの上面キャリッジ423に取り付けられた可動子442bの屈曲部4422bは、後側に屈曲し、X軸固定ベース41の上面に設置された固定子441の磁気空隙に遊嵌されている。
3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cのうち、両端に位置する2つのX軸キャリッジ42a、42cの正面キャリッジ422には、可動子442a、442cの突出部4421a、4421cが正面キャリッジ422裏面の中央から下寄りの位置に夫々取り付けられている。両端に位置する2つのX軸キャリッジ42a、42cの正面キャリッジ422に夫々取り付けられた可動子442a、442cの各屈曲部4422a、4422cは、上側に屈曲し、X軸固定ベース41の正面に設置された固定子441の磁気空隙に遊嵌されている。
3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cのうち、中央に位置するX軸キャリッジ42bは上面キャリッジ423にのみ可動子442bを有し、両端に位置するX軸キャリッジ42a、42cは夫々正面キャリッジ422にのみ可動子442a、442cを有している。
換言した場合、3つのX軸キャリッジ42a、42b、42cに夫々取り付けられた各可動子442a、442b、442cは、X軸固定ベース41の正面及び上面に1本ずつ固定された2本の固定子441に対して、千鳥状に配置されている。すなわち、各可動子442a、442b、442cは、2本の固定子441に対して互い違いに配置されている。隣り合うX軸キャリッジ42a、42b、42c同士が一定距離を越えて接近した場合、X軸キャリッジ42a、42b、42cから突出した可動子442a、442b、442cの一部は、隣り合うX軸キャリッジ42a、42b、42cの裏側に位置するX軸固定ベース41の窪み及び固定子441の磁気空隙に収納される。
図7では、X軸固定ベース41の正面及び上面がなす角度、すなわちキャリッジ屈曲部426の角度は略90度であった。しかし、X軸固定ベース41の正面及び上面がなす角度は略90度に限らず、120度、135度等の鈍角又は45度、60度等の鋭角であってもよい。かかる場合、キャリッジ屈曲部426は、X軸固定ベース41の正面及び上面がなす角度に応じて屈曲し、X軸固定ベース41の前側上端の角部と対向する位置で結合され、一体化される。
実施の形態3におけるガントリー4においても、隣り合うX軸キャリッジ42a、42b、42cを最低距離まで接近した場合、X軸キャリッジ42a、42b、42cから突出した可動子442a、442b、442cの部分が干渉し合うことはない。
その際、可動子442a、442b、442cがX軸キャリッジ42a、42b、42cから突出している部分の長さは、移動方向におけるX軸キャリッジ42a、42b、42cの長さ(幅)の2分の1未満とする。
なお、実施の形態3においても、X軸キャリッジ42a等の数は2つ又は4つ以上でもよく、X軸リニアモータ44又は固定子441の本数が3本以上であってもよいことは勿論である。
実施の形態3は以上の如きであり、その他は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明、作用及び効果を省略する。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 可動ガントリーステージ
2 Y軸リニアステージ
21 定盤
22 Y軸脚部
23 Y軸固定ベース(基台)
24 Y軸リニアモータ
25 Y軸キャリッジ
3 X軸リニアステージ
31 X軸脚部
4 ガントリー
41 X軸固定ベース(基台)
42a、42b、42c X軸キャリッジ
421 スライダ
422 正面キャリッジ
423 上面キャリッジ
426 キャリッジ屈曲部
43 リニアガイド
44 X軸リニアモータ
441 固定子
4411 ヨーク
4412 永久磁石
442、442a、442b、442c 可動子
4421a、4421b、4421c 突出部(連結部)
4422a、4422b、4422c 屈曲部

Claims (11)

  1. 基台に固定された長尺の固定子及び該固定子の長手方向へ移動可能な一又は複数の可動子を有するリニアモータを備え、該一又は複数の可動子夫々にキャリッジが固定されているリニアモータ装置において、
    前記基台に複数の前記固定子を並置してなる前記リニアモータを複数備え、
    移動方向と略直交する方向における前記キャリッジの長さは、隣り合う固定子の全幅に跨る長さ以上であり、
    一のキャリッジを固定してある一の可動子と、該一のキャリッジに隣り合う他のキャリッジを固定してある他の可動子とは、互いに異なる固定子により相互に推力を発生するようにしてある
    ことを特徴とするリニアモータ装置。
  2. 前記固定子は前記基台の同一平面上に固定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ装置。
  3. 移動方向と略直交する方向における前記キャリッジの長さは、全ての固定子の全幅に跨る長さ以上である
    ことを特徴とする請求項2に記載のリニアモータ装置。
  4. 前記固定子は積層状態で前記基台上に固定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ装置。
  5. 前記基台は交差する二平面を有し、
    前記固定子は、前記二平面上夫々に、該二平面の稜線の長さ方向と平行的に固定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ装置。
  6. 前記キャリッジは前記二平面の交差角度で屈曲した板状をなし、かつ屈曲部が該二平面の稜線に対向し、
    移動方向と略直交する方向における前記二平面に沿った前記キャリッジの長さは、前記稜線を介して隣り合う固定子の該二平面に沿った全幅に跨る長さ以上である
    ことを特徴とする請求項5に記載のリニアモータ装置。
  7. 前記二平面は略直交しており、
    前記固定子は前記二平面上夫々に固定されており、
    前記キャリッジの移動方向の断面形状はL字状をなす
    ことを特徴とする請求項6に記載のリニアモータ装置。
  8. 基台に固定された長尺の固定子及び該固定子の長手方向へ移動する一又は複数の可動子を有するリニアモータを備え、該一又は複数の可動子夫々にキャリッジが固定されているリニアモータ装置において、
    前記基台に複数の前記固定子を積層状態で固定してなる前記リニアモータを複数備え、
    移動方向と略直交する方向における前記キャリッジの長さは、一の固定子の幅以上であり、
    一のキャリッジを固定してある一の可動子と、該一のキャリッジに隣り合う他のキャリッジを固定してある他の可動子とは、互いに異なる固定子により相互に推力を発生するようにしてある
    ことを特徴とするリニアモータ装置。
  9. 前記キャリッジは前記固定子の積層体から積層方向に隔離配置され、かつ対応する前記可動子に連結される積層方向に伸びた連結部を有する
    ことを特徴とする請求項8に記載のリニアモータ装置。
  10. 前記固定子を二個備え、
    二個の前記固定子に係る可動子は千鳥状に配置されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のリニアモータ装置。
  11. 複数の前記固定子夫々と、該複数の前記固定子夫々に対応する可動子とは、各々異なる大きさの推力を発生するようにしてある
    ことを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載のリニアモータ装置。
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