JP2014026921A - 金属ホウ化物フィールドエミッター作製方法 - Google Patents

金属ホウ化物フィールドエミッター作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低い仕事関数を有するとともに安定なフィールドエミッターを提供する。
【解決手段】先細に形成されたLaB6等の金属ホウ化物ナノワイヤーに電圧を印加して、その上のナノチップ粒子をナノワイヤーの先端に集積させる。その後、このナノワイヤーをその場に固定する終了処理を行う。これにより、図示するようにナノワイヤー先端にナノチップ粒子の集積体としてナノチップが形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は低い仕事関数を有する安定なLaB等の金属ホウ化物フィールドエミッターを作成する方法に関する。
電界電子放出により、従来の電子放出機構、つまり熱電放出及び光電子放出に比べて1000倍も大きな放射電流密度が得られる。1800K以上で機能する高温の熱電子放出とは異なり、量子トンネリングに基く電界放出は室温で機能し、従って熱による脱ガスによる同時表面浄化機構を欠如している。不完全な真空中の残留ガス分子が電子放出表面に吸着してその仕事関数を変化させる。これが放出電流が不安定になる原因である。タングステン(W)のような従来の電界放出材料は放出電流が時間と共に減衰し(長期的不安定性)、また電流が確率的にふらつく(短期的不安定性)という問題を有していた。
カーボンナノチューブ(CNT)及び単一原子先端(single atom tip、SAT)エミッターは残留ガス圧力がかなり高い場合であっても放出の不安定さを示さないことが見出された。しかしながら、現在のところ、CNTの先端キャップ構造を制御する方法は見出されておらず、従って電子放出サイトの個数及び位置を制御する方法もない。SATについては、その電子放出領域が小さすぎるために、数10ナノアンペアを越える放出電流を得ようとすると不安定になることが発見された。この電流値は実用レベルに達していない。更には、仕事関数が大きな値になること(Wの場合4.5eV、CNTの場合は5.1eV、SATの場合には5.6eV)は、全ての入手可能な電界電子放出源に共通する問題であり、これによって電子光学機器に使用した場合に動作電圧が高く、電子源輝度が低くなり、またビーム単色性が低くなってしまう。
従って、高い電流レベルで安定して電界放出可能な低仕事関数のエミッター材料の探索への努力が継続してなされてきた。
単一元素金属では、高い化学的安定性と低い仕事関数とは相反する特徴である。例えばセシウム(Cs)は2.14Vという最も低い仕事関数を有している一方で、化学的活性も最も高い。1951年に、六ホウ化ランタン(LaB)の表面は、1600Kよりも高い温度の下でアニールすることによってLa原子終端となるが、La終端であることで、電気双極子相互作用によって結晶の仕事関数を大きく低下させることが見出された。LaBのLa終端(100)表面は全ての結晶面のうちで約2.5eVという最も低い仕事関数を有すると共にまた最も化学的に安定であることが見出された。それ以来、(100)面LaBは高輝度かつ長寿命の熱電子エミッターとして広く用いられてきた。このような低い仕事関数により、電子源輝度及びビーム単色性がはるかに高いフィールドエミッターも得られる。肉眼でも見える大きさのエミッターを使用した熱電子放出とは異なり、電界放出では現実的な引出電圧で相当量の放出電流を生成するために、先端を顕微鏡的なレベルのシャープさにすることが必要である。鋭利な針状のLaBの(100)先端に熱アニールによってLa終端を形成できない理由は未だ持ってよくわかっていない。この熱アニールによってできるB終端の先端は、それ自身不安定なWエミッターと比較しても更に急速な放出電流の減衰(数分のうちに90%以上減衰する)を引き起こすという問題を抱えている。従って、LaB製の電界放出源は実用にならないと見なされてきた。
本発明の課題は低い仕事関数を有する安定なLaB等の金属ホウ化物フィールドエミッターを作成する方法を提供することにある。
本発明の一側面によれば、先細形状の金属ホウ化物基材に電界を印加することにより前記基材上のナノチップ粒子を前記基材の先端に集積させてナノチップを前記先端に形成する、金属ホウ化物フィールドエミッター作製方法が与えられる。
ここで、前記ナノチップが前記先端に形成された後、熱処理を行ってよい。
また、前記熱処理の温度は1200Kから1400Kの範囲内であってよい。
また、前記電界の印加を行う間の温度は室温から1400Kの範囲内であってよい。
また、前記電界の印加を行う間の温度は500Kから1000Kの範囲内であってよい。
また、前記基材の先端部に印加される前記電界の強度は1V/nmから10V/nmの範囲であってよい。
また、前記電界は前記基材に対向する電極に対して負の電圧を前記基材に印加することによって与えてよい。
また、前記金属ホウ化物は希土類元素の六ホウ化物であってよい。
また、前記希土類元素の六ホウ化物はLaBであってよい。
また、前記基材の先端はLaBの(100)面であってよい。
本発明の他の側面によれば、先細の金属ホウ化物の先端にナノチップが形成された、金属ホウ化物フィールドエミッターが与えられる。
ここで、前記金属ホウ化物は希土類元素の六ホウ化物であってよい。
また、前記希土類元素の六ホウ化物はLaBであってよい。
また、前記ナノチップが形成された先端はLaBの(100)面であってよい。
本発明によれば、比較的ありふれた条件で金属ホウ化物のナノワイヤーなどを処理することにより、従来技術によるフィールドエミッターと比較して、輝度、安定性、単色性が良好なフィールドエミッターを得ることができる。
本発明の実施例のフィールドエミッターを作成する方法を概念的に示す図。 本発明の実施例のフィールドエミッター作成過程におけるLaB6ナノワイヤー先端へのナノチップの電界集積の3つの段階の各々におけるFEM像。 本発明の実施例における電界集積後の熱処理直後のナノチップのFEM像の変化を示す図。 本発明の実施例で作製したフィールドエミッターの測定のためのシステム構成を概念的に示す図。 本発明の実施例で作成したフィールドエミッターの電界放出の時間プロファイルを示す図。 本発明の実施例で作成したフィールドエミッターの電界放出の短い時間区間内の時間プロファイル、すなわち電界放出ノイズを示す図。 本発明の実施例で作製したフィールドエミッターの電界放出の長時間にわたる安定性を示す図。 本発明の実施例で作製したフィールドエミッターと従来のW(310)フィールドエミッターの電界放出エネルギー分布を比較する図。 横軸に電子ビームのエネルギー幅を、縦軸に換算輝度(reduced brightness)を取ったチャートであり、本発明の実施例で作成した6種類のLaBフィールドエミッター、並びに従来のフィールドエミッターであるW(310)フィールドエミッター(2種類)、CNTフィールドエミッター及びショットキー型フィールドエミッターについての測定結果をプロットしたものである。
以下で本発明をその実施例を用いて説明する。しかしながら、この実施例は本発明の理解を助けるためのものであり、如何なる意味でも本発明を限定するものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲のみにより定められるべきものであることに注意されたい。例えば、本願明細書では具体的にはもっぱらLaBエミッターについて論じているが、本発明はこれに限定されるものではなく、CeB、GdB、YB、CaB、BaB、SrB等の六ホウ化金属その他の金属ホウ化物にも同様に適用することができる。上述の金属ホウ化物(六ホウ化物)は皆同じ格子構造を持っている。この格子構造では、B八面体(B)で形成された立方体格子の中心に一個の金属原子が位置している。これらのホウ化物の格子定数は全てほぼ0.41nmと、ほとんど同一になっている。それは、この構造がBフレームワークによって完全に決まるからである。同様な構造を持つことによって、これらの物理的及び化学的な性質は皆良く似ている。したがって、これら全ての物質に対して同じ処理が適用可能であることが、高い蓋然性をもって予測できる。
本発明の一実施例によれば、極めて高い輝度を有する点状電子源であるフィールドエミッターが与えられる。このフィールドエミッターは非常に小さな仕事関数を有するがフリッカー雑音も電流減衰もない、残留ガスの化学吸着を全く起こさないものである。このような従来では相反すると考えられていた特性を全て満たすのは、La−Bの共有結合によって形成された表面電気双極子をナノスケールで局在化させたことによるものである。
図1に、このようなフィールドエミッターを作成する方法を概念的に示す。先ず金属ホウ化物、本実施例においてはLaB、のナノワイヤーの先端を先細に形成する。この先細の形成は例えば電界蒸発によって行うことができる。すなわち、LaBナノワイヤーに高電圧を印加することによってナノワイヤー材料を蒸発させる。電界蒸発は通常は高真空環境で行うが、その代わりに例えば10−6torr程度の微量の水素の存在下で行うことによって、高真空の場合よりも小さな電界強度(通常は60%程度)で電界蒸発を起こすことができる。電界蒸発処理の結果、LaBナノワイヤーの先端は半球状に形成され、またこの処理の過程でLaBナノワイヤー表面の汚染も除去される。電界蒸発は良く知られている事項なので、これ以上の説明は省略する。
このようにして先端が先細状(例えば半球状)に形成されたLaBナノワイヤーに電圧を印加する。するとLaBナノワイヤーの先端付近に存在している微細な粒状物であるナノチップ粒子が静電力によりLaBナノワイヤーの先端に移動する。このようなナノチップ粒子の移動を引き起こすために必要な電界強度はほぼ1〜10V/nmである。このような電界をナノワイヤー先端付近にもたらすために必要な印加電圧はナノワイヤー先端の曲率半径に依存する。ここで、電圧の値をU、ナノチップ先端の曲率半径をrとしたとき、ナノワイヤー先端における電界強度Eは以下のように近似できる。
E=U/(5r)
このような電圧をナノワイヤーとその近傍に設置された引出電極(extractor electrode)との間に印加する。この電位差によって形成される電界が上述のナノチップ粒子の移動を引き起こす。引出電極は多様な形態をとることができる。例えば、以下で説明する図1におけるFEMスクリーンは一種の引出電極となる。ナノワイヤーの電位を例えば−100Vとし、FEMスクリーンの電位を0Vとすれば、ナノワイヤー上に負にバイアスされた電界を与えることができる。通常は、このように引き出し電極に対して負の電圧をナノワイヤーに印加して、上述のナノチップ粒子移動を行うが、処理中の温度を適切に選ぶことによって、ナノワイヤー側に正電圧を印加してナノチップ移動を実現することも可能となると考えられる。
図1(a)は静電力によるこれらナノチップ粒子の移動を表している。ナノワイヤーの先端にこれらのナノチップ粒子が集積(電界集積)して先端部を非常に薄く被覆する。この被覆を本願ではナノチップと称する。図1(b)はLaBナノワイヤー先端部にナノチップが形成された状態を示す。LaB上にナノチップを形成する場合には、ナノチップが形成される当該先端部はLaB結晶の(100)面であることが望ましい。この電界集積は室温〜1400Kの範囲の温度で可能であるが、より望ましくは500K〜1400Kの範囲とするのが良い。電界集積の際の温度が低すぎると、表面拡散速度が小さくなって、効率的な集積が行われるには不十分になる。また、温度が1000Kを越えると、拡散速度が速くなりすぎて、電界集積の程度を制御することが困難になってくる。集積が過剰になると真空アークが起きて先端を破壊してしまうこともある。したがって、適度の拡散速度の下で電界集積処理を行うことが重要である。ただし、使用する材料やその他のプロセスパラメーター、更には要求される性能にもよるが、通常は1000K〜1400Kも実用的には許容範囲に入る。なお、ナノチップ粒子はLa酸化物の極めて微小な粒子であると考えられる。
ここでナノチップ粒子をより明確に定義すれば、ナノチップ粒子とはそれよりも大きな基材(ここではナノワイヤー)に結合しているナノメートルサイズ(より特定的には三次元の何れの方向にも100nm以下)の粒子である。ナノチップ粒子からは、その基材よりも小さな仕事関数を持つことがある。そのサイズや仕事関数により、その基材の先端よりも大きな電子放出が行われ、これにより電子放出がナノチップ粒子、あるいはナノチップ粒子が集積したナノチップに局在化される。
図1(a)に示すナノチップ粒子の移動、またこれによる図1(b)のナノチップの形成の過程を観測するには、図1に示すようにLaBナノワイヤーに対向してスクリーンを設け、これらによってFEM(Field Emission Microscope)を構成するのが良い。LaBナノワイヤーにFEM動作用の電圧を印加することによりナノワイヤー先端から放出される電子がFEMスクリーン上に形成する像を観測することで、LaBナノワイヤー先端部へのナノチップ粒子の電界集積(field build-up)の進行の程度が判る。
図2はこの電界集積の3つの段階の各々におけるFEM像を示す。図2(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ電界集積開始時点、電界集積進行中、及び電界集積完了時点のFEM像である。これらから判るように、電界集積開始時点では中心(つまり、LaB6ナノワイヤー先端)からややずれた位置に電界放出が行われている極小さな輝点(これがナノチップ粒子に相当する)が1つだけ観測されているが、時間の経過と共に、図2(b)ではそのような輝点が2つやや中心よりの位置に観測される。これより、電界集積開始時点ではLaBナノワイヤー先端からややずれた位置にあったナノチップ粒子が先端に向けて移動し、また当初はFEM像の視野外に位置していた別のナノチップ粒子もLaB6ナノワイヤー先端に向けて移動してきたことがわかる。最後に、電界集積完了時点のFEM像である図2(c)では、これまで中心からずれていた個々のナノチップ粒子からの電界放出による輝点が全て視野の中心付近に移動して合体している。これにより、この段階では単一のやや大きな、しかし十分に狭い領域だけが電子を放出していることがわかる。
このようにして先端部にナノチップが形成されたLaBナノワイヤーを熱処理する。この熱処理温度は1200K〜1400Kの範囲が好ましい。低温では加熱時間を長くすることが好ましい。例えば1200Kで熱処理を行う場合には、処理時間は1分を超える必要がある。好適温度範囲の上端である1400Kではもっと短時間(30秒未満)でよい。例えば、以下で説明する図3の例では熱処理時間は30秒、表1に示した例は何れも10秒間の熱処理を行ったものである。
この熱処理の作用は以下の2つがあると考えられる。第1には、下地のLaB6とその上に集積したナノチップ粒子との間に結合を形成すること、第2には、表面上のナノチップ粒子のうちでLaB6の(100)面に集積していないものを蒸発させて、これ以上集積しないようにすることである。この意味で、この熱処理を終了処理とも呼ぶ。なお、(100)面にないナノチップ粒子の方が蒸発温度が低いようである。
図3に、1300Kで熱処理した直後から15分経過後までのLaBナノワイヤー先端のFEM像の変化を示す。図3(a)は熱処理直後のFEM像、その後のFEM像の変化を図3(b)〜図3(g)の順に示し、図3(g)は15分経過時点のFEM像である。なお、図2のFEM像と図3のFEM像はほぼ同じ倍率である。
図3からわかるように、終了処理直後のFEM像中には多数のやや不規則な形状をした明るい領域が多数見られるが、これらは図2に示す終了処理前の単一の明るい円形の領域に急速に収束していく。FEM像がこのように変化する理由はまだ不明であるが、いずれにせよ終了処理の結果、電界放出の安定性が増すことから、LaのナノチップがLaBナノワイヤー先端に固定されたことが示唆される。図3のような観測結果は、終了処理の加熱温度が集積プロセスを終了させるのに十分なほど高かったかどうかを判定する情報として使用できる。
LaB6ナノワイヤーの直径、電界集積電圧・温度を変化させて7種類のフィールドエミッターを作成した。これらの作成条件を表1に示す。
このようにして作成した本発明の一実施例のフィールドエミッターの特性を測定した。図4に、この測定のためのシステム構成を示す。この測定システムを使用して、フィールドエミッターに負電圧を印加し、その先端から電子を放出させた。このときフィールドエミッターに流れる全電流を測定した。また、フィールドエミッターから放出された電子ビームをファラデーカップで受けてそのプローブ電流を検出した。なお、ファラデーカップが電子ビームを受ける立体角は2msrとした。
図5に、このシステムを用いて本発明の一実施例で作成したLaBフィールドエミッター(表1に示すものとは別のエミッターである)の電界放出の時間プロファイルを測定した結果を示す。測定条件は、温度:室温、引出電圧:400V,真空度:3×10−10torrであり、フィールドエミッターのフラッシングを行った直後から引出電圧を印加してプロファイルを測定した。これから判るように、このフィールドエミッターはフラッシング後160分間連続動作させてもプローブ電流の変化はほとんど見られないという高い安定性を示した。
図6には、本発明の一実施例で作成したLaBフィールドエミッター(表1に示すものとは別のエミッターである)の電界放出の短い時間区間内の時間プロファイル、すなわち電界放出ノイズを示す。測定条件は、温度:800K,引出電圧:400V、真空度:4×10−10torrであった。この測定結果より、ピークピークノイズレシオは約2.5%であることがわかる。市販のタングステンエミッターをこれと同じ条件で測定した結果のピークピークノイズレシオはおおむね5%〜10%の範囲であったことから、本発明の一実施例の2.5%はこれら市販の製品と比較して良好な値であるということができる。
図7には、本発明の一実施例で作製したLaBフィールドエミッター(これも表1に示すものとは別のエミッターである)の電界放出の長時間にわたる安定性を測定した結果を示す。測定条件は、温度:800K、引出電圧:400V、真空度:4×10−10torrであった。図に示すように、測定されたプローブ電流は6時間という長時間の連続動作にもかかわらず、ほとんど一定であった。なお、図では測定開始後1時間〜4時間の時間区間については省略してあるが、この区間の測定結果も最初の1時間及び最後の1時間と全く同じ傾向を示した。
表2に、表1に示すそれぞれのフィールドエミッターの各種の測定結果(プローブ電流、ピークピークノイズレシオ、安定動作時間)及び測定条件を示す。なお、表2の左端カラムにある実験番号は表1の左端カラムに示されたフィールドエミッターの番号に対応すする。
図8は本発明の一実施例で作製したLaナノチップ付きLaBフィールドエミッター(これも表1に示すものとは別のエミッターである)と従来のW(310)フィールドエミッターとの電界放出エネルギー分布を比較する図である。これから判るように、本発明にかかるLaBフィールドエミッターは従来のW(310)フィールドエミッターに比べて放出する電子ビームのエネルギー幅が少ない、つまり単色性が良好である。
図9は横軸に電子ビームのエネルギー幅を、縦軸に換算輝度を取ったチャートであり、本発明の実施例の6種類のLaBフィールドエミッター、並びに従来のフィールドエミッターであるW(310)フィールドエミッター(2種類)、CNTフィールドエミッター、及びショットキー型フィールドエミッターについての測定結果がこのチャートにプロットされている。このチャートの左上側(高輝度で且つエネルギー幅が狭い(単色性が良い))にプロットされるほど、良好な性能を持つエミッターであることから、本発明のLaBフィールドエミッターは従来技術に比べて非常に高性能であることが判る。
上述したように、本発明によって作製されたフィールドエミッターは輝度、安定性、単色性などの多くの面で従来の同種の製品を凌駕する性能を有するだけではなく、その作成プロセスは処理が困難であったり、時間を要するなどということがない、比較的ありふれた処理だけで容易に実現できるものである。従って本発明は高性能であると共に扱いやすく安価なフィールドエミッターが求められている多くの分野に貢献することが期待される。
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Claims (14)

  1. 先細形状の金属ホウ化物基材に電界を印加することにより前記基材上のナノチップ粒子を前記基材の先端に集積させてナノチップを前記先端に形成する、金属ホウ化物フィールドエミッター作製方法。
  2. 前記ナノチップが前記先端に形成された後、熱処理を行う、請求項1に記載の金属ホウ化物フィールドエミッター作製方法。
  3. 前記熱処理の温度は1200Kから1400Kの範囲内である、請求項2に記載の金属ホウ化物フィールドエミッター作成方法。
  4. 前記電界の印加を行う間の温度は室温から1400Kの範囲内である、請求項1から3の何れかに記載の金属ホウ化物フィールドエミッター作製方法。
  5. 前記電界の印加を行う間の温度は500Kから1000Kの範囲内である、請求項4に記載の金属ホウ化物フィールドエミッター作製方法。
  6. 前記基材の先端部に印加される前記電界の強度は1V/nmから10V/nmの範囲である、請求項1から5のいずれかに記載の金属ホウ化物フィールドエミッター作成方法。
  7. 前記電界は前記基材に対向する電極に対して負の電圧を前記基材に印加することによって与える、請求項1から6のいずれかに記載の金属ホウ化物フィールドエミッター作成方法。
  8. 前記金属ホウ化物は希土類元素の六ホウ化物である、請求項1から7のいずれかに記載の金属ホウ化物フィールドエミッター作成方法。
  9. 前記希土類元素の六ホウ化物はLaBである、請求項8に記載の金属ホウ化物フィールドエミッター作成方法。
  10. 前記基材の先端はLaBの(100)面である、請求項9に記載の金属ホウ化物フィールドエミッター作成方法。
  11. 先細の金属ホウ化物の先端にナノチップが形成された、金属ホウ化物フィールドエミッター。
  12. 前記金属ホウ化物は希土類元素の六ホウ化物である、請求項11に記載の金属ホウ化物フィールドエミッター。
  13. 前記希土類元素の六ホウ化物はLaBである、請求項12に記載の金属ホウ化物フィールドエミッター。
  14. 前記ナノチップが形成された先端はLaBの(100)面である、請求項13に記載の金属ホウ化物フィールドエミッター。
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