JP2014025338A - 吊り天井の下地構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、部材点数を極力削減したうえで下地構造全体を軽量化し、そのうえで耐震性を維持しつつ、かつ、たとえ落下した場合であっても被害を最小限に止めることができ、併せて、部材点数を削減することにより、コスト減少や施工性向上を達成できる吊り天井の下地構造を提供する。
【解決手段】天井仕上げ板Bを配置する吊り天井の下地構造1であって、上端が天井躯体Aに取付けられ、垂下する複数の吊りボルト2と、吊りボルト2の下端にハンガー3を介して支持され、角型又はE字型の横断面を有する複数の長尺の野縁受け4と、野縁受け4に交差して固着され、天井仕上げ板Bを保持する少なくとも1つのフランジ5aが形成された横断面を有する複数の長尺の保持部材5とを備える吊り天井の下地構造。
【選択図】図1

Description

本発明は、吊り天井の下地構造、特に、地震等による振動への対応を考慮した吊り天井の下地構造に関する。
先に発生した東日本大震災の甚大な被害は記憶に新しいところであるが、被害の1つとして、吊り天井の落下が多発したことを忘れることができない。吊り天井が落下すると、天井の仕上げ板のみならず下地構造を構成する多くの部材が室内にいる人々の頭上に降り注ぐこととなり、人命にかかわる重大事故を引き起こすことも皆無ではない。
従来、吊り天井の下地構造としては、図6に示すように、天井躯体A(図示せず)から垂下する吊りボルト2と、吊りボルト2にハンガー3を介して接続されたC字型横断面の野縁受け4と、野縁受け4にクリップ61を介して接続された凹字型横断面の野縁5とを備えるものが広く普及している。野縁5は、幅狭なシングル野縁5aと幅広なダブル野縁5bとが組合わせて用いられ、クリップ61も、それらに応じてシングルクリップとダブルクリップとが用いられる。そして、天井の仕上げ板(図示せず)は野縁5に種々の手段により設置されるとともに、耐震性を高めるなど必要な場合には、さらにブレース7が付加される。なお、本段落及び図6において各要素に付された符号は、共通する部材については、本発明の実施形態に係るものと同様である。
そこで、大きな揺れに対しても落下しないようにする対策が当然考えられるところであり、例えば、特許文献1は、図7に示すように、取付手順が簡易で取り付けのコストが安価であり、しかも地震等の大きな揺れによっても天井材が落下し難いシステム天井における天井材の取付構造を開示している。図7(a)及び(b)は、特許文献1の図4及び図5に対応している。その構成は、次のとおりである。まず、複数の固着部材11が野縁受け3の予め決められた所定位置に逆U字状に被せられて挟み付けられる。次に、固着部材11に沿って連結部材21が配置され、一対の内フランジ部25が固着部材11の係合凹部15に挿嵌されることにより、固着部材11に取り付けられる。次に、互いに対向する一対の連結部材21間には、断熱材からなる複数の長尺状の長方形の天井材5が挿嵌され、その上面の一部にて野縁受け3の係合片にジェル状の接着剤6により貼り付けられる(特許文献1の「要約」参照)。ここで、野縁受け3は従来と同様にC字型の横断面を、連結部材21は背中合わせされた2つのJ字を2本の水平な部材で支持した型の横断面を有している。なお、本段落及び図7において各要素に付された符号は、特許文献1において記載されたものであり、本段落限りのものである。
実用新案登録第3172917号公報
しかし、どのような構造であったとしても、想定以上の大きさの地震が発生した場合、吊り天井の落下を完全に防止することは困難と言わざるを得ず、落下し難くすると同時に、落下した場合の被害を軽減することまでを考慮に入れた構造が望まれるところである。この点、特許文献1の考案では、従来の吊り天井の下地構造に対し部材点数を削減するものではないため、ひとたび落下した際に被害を小さくできるというものではないという問題がある。
本発明は以上のような問題に鑑みなされたもので、部材点数を極力削減したうえで下地構造全体を軽量化し、そのうえで耐震性を維持しつつ、かつ、たとえ落下した場合であっても被害を最小限に止めることができる吊り天井の下地構造を提供することを目的とする。併せて、部材点数を削減することにより、コスト減少や施工性向上を目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)天井仕上げ板を配置する吊り天井の下地構造であって、上端が天井躯体に取付けられ、垂下する複数の吊りボルトと、吊りボルトの下端にハンガーを介して支持され、角型又はE字型の横断面を有する複数の長尺の野縁受けと、野縁受けに交差して固着され、天井仕上げ板を保持する少なくとも1つのフランジが形成された横断面を有する複数の長尺の保持部材とを備えることを特徴とする吊り天井の下地構造を提供する。
(2)保持部材がビスを用いて野縁受けに固着されることを特徴とする上記(1)に記載の吊り天井の下地構造を提供する。
(3)保持部材がH字型、ハット型、コ字型及びZ字型の少なくとも1つの横断面を有するジョイナーであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の吊り天井の下地構造を提供する。
(4)吊りボルトがスパイラル仕様であることを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の吊り天井の下地構造を提供する。
(5)天井仕上げ板を配置する吊り天井の下地構造であって、上端が天井躯体に取付けられ、垂下する複数の吊りボルトと、前記吊りボルトの下端にハンガーを介して支持され、複数の長尺の野縁受けと、前記野縁受けに固着され、前記天井仕上げ板を保持する少なくとも1つのフランジが形成された横断面を有する複数の長尺の保持部材と、を備え、前記保持部材は、前記野縁受けと交差して配置される複数の第1保持部材と、前記第1保持部材とほぼ同一面上に前記野縁受けの下方に前記野縁受けの長手方向に沿って配置される複数の第2保持部材と、を有することを特徴とする吊り天井の下地構造を提供する。
(6)前記保持部材がビスを用いて前記野縁受けに固着されることを特徴とする上記(5)に記載の吊り天井の下地構造を提供する。
(7)前記第1保持部材および前記第2保持部材は、H字型、ハット型、コ字型及びZ字型の少なくとも1つの横断面を有するジョイナーであることを特徴とする上記(5)又は(6)に記載の吊り天井の下地構造を提供する。
(8)隣接する前記第1保持部材の間に、前記第2保持部材と前記野縁受けに挟持され、前記第1保持部材の長手方向に沿って延在する薄板鋼板を有することを特徴とする上記(5)ないし(7)のいずれか1つに記載の吊り天井の下地構造を提供する。
(9)前記ハンガーは、前記吊りボルトが挿入固着される孔を有し、前記孔は、前記野縁受けの長手方向に沿って形成された長孔となっていることを特徴とする上記(5)ないし(8)のいずれか1つに記載の吊り天井の下地構造を提供する。
(10)前記野縁受け、前記第1保持部材、前記第2保持部材、前記ビス及び前記薄板鋼板が、それら5部材の合計として、1kg/m2以下の単位面積重量を有することを特徴とする上記(8)又は(9)に記載の吊り天井の下地構造を提供する。
本発明は、部材点数を極力削減したうえで下地構造全体を軽量化し、そのうえで耐震性を維持しつつ、かつ、たとえ落下した場合であっても被害を最小限に止めることができ、併せて、部材点数を削減することにより、コスト減少や施工性向上を達成できる吊り天井の下地構造を提供する。
本発明の実施形態に係る吊り天井の下地構造を模式的に示す概念図である。 図1において吊りボルトと野縁受けとの支持関係を模式的に示す概念図であって、(a)はU字型ハンガー、(b)はT字型ハンガーを用いたものである。 図1において野縁受けの横断面を示す拡大図であって、(a)は角型のもの、(b)はE字型のものである。 図1において保持部材の横断面を示す拡大図である。 図1において保持部材と野縁受けとの接合箇所の例を示す拡大図であって、(a)は野縁受けを側面視したもの、(b)は(a)においてX−X線方向に野縁受けを断面視したものである。 従来の吊り天井の下地構造の一例を示す図である。 従来の吊り天井の下地構造の他の例を示す図であって、(a)は野縁受けを側面視したもの、(b)は(a)においてIV−IV線方向に野縁受けを断面視したものである。 本発明の吊り天井の下地構造の実施形態2を示す斜視図である。 本発明の吊り天井の下地構造のハンガーの近傍を示した斜視図である。 本発明の吊り天井の下地構造に用いられるハンガー示した斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明するが、図1〜5において、同一符号は同一又は対応する部分を示す。また、本発明は、以下の説明からも明らかなようにこれらの実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において当業者であれば種々の変形が可能である。
(実施形態1)
図1は、本発明の吊り天井の下地構造1の実施形態1を示す斜視図である。図1に示すように、上端が天井躯体A(図示せず)に取付けられ、垂下する複数の吊りボルト2と、吊りボルト2の下端にハンガー3を介して支持され、所定の横断面を有する複数の長尺の野縁受け4と、野縁受け4に交差して固着され、天井仕上げ板Bを保持する少なくとも1つのフランジ5aが形成された横断面を有する複数の長尺の保持部材5とを備えている。
複数の吊りボルト2は天井躯体Aから所定の間隔W1,W2で垂下しており、その下端にU字状のハンガー3が取り付けられている。ハンガー3は、野縁受け4を支持するためのものであり、野縁受け4は、互いに平行にかつ水平に延びた状態で配設されている。ここで、吊りボルト2は、保持部材5の長手方向における配置間隔W1を従来と同様の900mm〜1000mm程度としているが、野縁受け4の長手方向における配置間隔W2は、従来技術の900mm〜1000mm程度に対し、1800mm〜2000mm程度の間隔で配置されている。これは、後述するように、野縁受け4の横断面を従来のC字型から角型又はE字型としたことにより、野縁受け4の曲げやねじれに対する強度が向上し、野縁受け4を天井躯体Aに取り付ける間隔W2を広くとることができたことによるものである。そして、その結果、吊りボルト2及び吊りボルト2を野縁受け4に接合するハンガー3の点数は、従来技術に比べて大幅に削減することができることとなる。
吊りボルト2は、図2に示すように、既知の工法を用いて天井躯体Aに堅牢に取付けられている。まず、天井躯体Aに設けられたインサート(図示せず)の位置の確認をした後、天井のふところから100mm程度マイナスした長さの吊りボルト2を用意し、その下端側に前もってハンガー3をナット21で取り付けたうえで、上端側をインサートへ確実にねじ込んで取付ける。吊りボルト2については、既知のものを用いることができるが、図2では、スパイラル仕様のものを示している。スパイラル仕様の吊りボルト2とは、その表面に溝2aをスパイラル状に彫り込んだものである。スパイラル状の溝2aを彫り込むことにより、荷吊りボルト2の重量を軽量化したうえで、その剛性を維持又は向上させることができる。溝の幅、深さ、ピッチ又は彫り込み数は、吊り天井の下地構造1に求められる強度に応じて適切に設定することができる。
なお、吊りボルト2の長さが1500mmより長くなる場合、換言すると、天井のふところが1500mm以上となる場合には、吊りボルト2の中間であって天井躯体Aから1500mm以内となる位置に水平補強材を追加してもよい。さらに、必要に応じて、ブレースで補強することもできる。
ハンガー3は、図1、3及び4では、図2(a)に示したような、断面形状においてU字型のものを用いている。これは、図6及び図7に示すように、従来技術において通常用いられているJ字型のものに対し、小型化、軽量化を図るための対策である。J字型のハンガーではその長い背の部分の上端側に吊りボルト2を取付け、下端側の折り曲げ部3aに野縁受け4を支持するが、天井のふところが浅いようなところでは、背の部分を短縮したU字型のものが用いられている。本実施形態では、下地構造1の全体構成として、天井のふところの深浅にかかわらず、小型であって軽量のU字型のハンガー3を採用しているものである。このほか、J字型に対して小型化、軽量化を図り得るハンガー3として、図2(b)に示すように、U字型のほかにT字型のものを用いることもできる。T字型のハンガー3を用いた場合、その横線部分に吊りボルト2を取付け、縦線部分に野縁受け4をビス固定などにより保持する。
野縁受け4は、図1、2、4及び5では、図3(a)に示したような、角型の横断面を有している。これは、従来用いられているC字型の横断面の部材と比べて曲げやねじれに対する強度を高めることとしたものである。角型の横断面を採用することによって、断面二次モーメントや断面係数などの断面性能を高めることが可能となるからである。その結果、吊りボルト2の配置間隔W2や後述する保持部材5の配置間隔W4を大きくすることができる。野縁受け4の横断面については、角型のもの以外にも、図3(b)に示したように、例えばE字型の横断面を有する部材を使用しても同様の効果を得ることができる。このように野縁受け4の横断面を従来のC字型のものから角型又はE字型のものにすることによって、部材点数を削減しつつ、地震等の揺れに対する下地構造1全体の強度を向上させることができる。
保持部材5は、後述するように、ビス6を用いて野縁受け4に固着されている。本実施形態は、図1及び図4に示すように、従来の下地構造とは異なり、天井仕上げ板Bを配置するための野縁を設けていない。そして、野縁の代わりとして、少なくとも1つのフランジ5aが形成された横断面を有する保持部材5を設けている。これらの図に示したような上下一対のフランジ5aを左右に有するH字型又は下側のみにフランジ5aを左右に有するハット型の横断面の場合には、天井仕上げ板Bは左右に隣接する上側及び/又は下側のフランジ5a間に挟持され、保持部材5が有するフランジ5aにビス止めや接着剤などの既知の方法によって取付けられる。
図1及び図4では、H字型とハット型の横断面を有する保持部材5を組合わせた下地構造1の例を図示しているが、これらに限定されることはなく、左右いずれかの片側のみにフランジ5aを有するようなコ字型又はZ字型の横断面を用いることもできる(図4右下に記載の囲みを参照)。すなわち、壁際に設置される保持部材5には、水平方向に片側のみに天井仕上げ板Bが配置されるため、フランジ5aが片側のみに突出したコ字型やZ字型の横断面を有するものを採用することができる。この場合には、天井仕上げ板Bはその片側のフランジ5a上に載置されて支持されることとなる。
保持部材5としては、従来、天井や壁などにおいて仕上げ材を配置する際に接合目地部分の接合材や目地材として用いられるジョイナー51を採用することが好適である。本発明の主眼は、前述のとおり、部材点数を極力削減したうえで、耐震性を維持しつつ、かつ、たとえ落下した場合であっても被害を最小限に止めることができる吊り天井の下地構造1を提供することにある。この観点から、野縁を用いず、天井仕上げ板Bを配置する保持部材5としてジョイナー51を野縁受け4に直接的に固着するものである。
保持部材5は、図5(a)及び(b)に示すように、保持部材5の天面と野縁受け4の底面とをビス6を用いてビス止めすることにより野縁受け4に直接的に固着されている。従来技術においては、凹字型の横断面を有する野縁として横幅の狭いシングル野縁と横幅の広いダブル野縁が組合わせて配置されることに伴い、それらの野縁を野縁受け4に固着するにはそれぞれシングルクリップ、ダブルクリップが用いられている。そして、従来技術では、野縁が300mm程度の間隔で配置されることから、これらクリップの点数は非常に多くなる。これに対し、本実施形態では、保持部材5が900mm〜1000mm程度の間隔W4で配置され、しかも、保持部材5を野縁受け4に固着するにあたってクリップを用いないことから、従来技術に比べて、大幅に部材点数を削減することが可能となる。
以上、実施形態1に係る構成を説明したが、各々の部材の材質については、特に限定されるものではなく、例えば、鋼板やステンレス板を用いることができる。また、耐食性や加工性に優れた高耐食溶融メッキ鋼板を用いれば、さらに好ましい。
以上の構成を備える吊り天井の下地構造1について、その施工手順を以下のとおり説明する。
まず、天井躯体Aに設けられたインサートにねじ込むなど適切な工法を用いて吊りボルト2を堅牢に取付ける。その際、吊りボルト2には、ハンガー3をその上板に設けられた穴を介して挿通し、上板を挟んで上下のナット21で緊結しておく。吊りボルト2と壁との間には100mm程度に個々の現場の状況に応じて設定された寸法を加えたクリアランスを確保する。吊りボルト2の配置間隔は、野縁受け4の長手方向における間隔W2を1800mm〜2000mm程度と、それに交差する保持部材5の長手方向における間隔W1を900mm〜1000mm程度とする。
次に、ハンガー3がU字型であればその下端側の折り曲げ部3aに、T字型であればその横線部分に角型又はE字型の横断面を有する野縁受け4を係合又はビス固定にて支持する。野縁受け4は、配置間隔W3を900mm〜1000mm程度として配置されており、長手方向の端面と壁との間には150mm以内のクリアランスを設ける。なお、野縁受け4を継手する場合には、野縁受けジョイントを用いてビス止めする。
最後に、H字型、ハット型、コ字型又はZ字型の横断面を有する保持部材5を野縁受け4にビスを用いて固着する。保持部材5は、野縁受け4が吊りボルト2に支持されている箇所の近傍及び隣接する当該箇所の中間位置において野縁受け4に固着されている。これにより、保持部材5と野縁受け4は、1辺を900mm〜1000mmとするほぼ正方形の格子を形成するように互いに配置されることになる。従来、野縁が300mm程度の間隔で配置されていたのに対し、その配置間隔W4を大きくとることができるようになり、部材点数の大幅な削減が可能となる。
保持部材5は、前述のように、いずれの型についても天面を有しており、その天面を野縁受け4の底面にビス止めすることができる。従来の野縁は凹字型の横断面であるため野縁受け4に直接的にビス止めできる天面を有しておらず、専用のクリップを用いて固着していた。本発明では両者を直接的にビス止めするため、クリップは不要となった。しかも、従来技術では、室内側に向いた野縁の底面に天井仕上げ板Bを接着剤やビス止めするため、その底面が幅狭なシングル野縁と幅広なダブル野縁を交互に配置する必要があり、それに合わせて、野縁と野縁受け4を固着するクリップをシングルクリップとダブルクリップを用意する必要があったが、本発明では、それらをすべてビス6で置き換えることができる。
本発明は、以上の施工により完了するものであるが、天井のふところが1500mm以上であって、施工主又は管理者側からの要望がある場合など必要であれば、野縁受け4と同等以上の部材を用いて吊りボルト2の中間位置であって天井躯体Aから1500mm以内に水平補強材を追加することや、さらに必要な場合には、ブレースを取付けることももちろん可能である。
(実施形態2)
図8は、本発明の吊り天井の下地構造1の実施形態2を示す斜視図である。図8では、図1で図示しなかった天井仕上げ板Bを示している。図8において、図1と同様に、天井躯体A(図示せず)から垂下する複数の吊りボルト2の下端にハンガー3を介して野縁受け4が支持されている。保持部材5は、野縁受け4と交差して固着される保持部材5(5A:この明細書において、第1保持部材と称する場合がある)と、野縁受け4の下方に該野縁受け4と重ねられて固着される保持部材5(5B:この明細書において第2保持部材と称する場合がある)とを有する。これら保持部材5は、実施形態1の場合と比べ、その本数が増加するが、その分だけ、たとえば、各保持部材5の幅を狭くするようにしている。本数が増加することによって天井仕上げ板Bの保持力を増加させ、幅を狭くすることによって保持部材5の軽量化を維持させようとするものである。
天井仕上げ板Bは、たとえば矩形状に形成され、隣接する一対の保持部材5(5A)と隣接する一対の保持部材5(5B)の間の空間を埋めるようにして配置されている。これにより、各天井仕上げ板Bは、その4辺において、保持部材5(5A)と保持部材5(5B)で支持されるようになっている。また、天井仕上げ板Bには、薄板鋼板7が中央において一方向へ延在するように形成され、この薄板鋼板7によって天井仕上げ板Bの面の浮き上がりを防止するようになっている。
図9は、図8に示す構成のうち、ハンガー3の近傍を示した斜視図である。天板仕上げ板Bは省略して示している。図9において、保持部材5A、5Bは、たとえば、いずれもハット型の横断面を有するものが用いられている。保持部材5Aは、保持部材5Bの天面から形成された切欠き52内に配置されることによって、保持部材5Bと同一面上に交差して配置されるようになっている。野縁受け4は、保持部材5Bの上方に該保持部材5Bと重ねられて配置されている。野縁受け4には、保持部材5Aと交差する部分において、野縁受け4の側面側から挿入されるハンガー3が取り付けられるようになっている。なお、野縁受け4は、薄板鋼板7を介して保持部材5Bに重ねられ、図示しないボルト等によって保持部材5Bに固定されるようになっている。ここで、図9では、保持部材5A、5Bとしてハット型の横断面を有するものを図示しているが、横断面の形状はこれに限られるものではなく、この他にも、H字型、コ字型又はZ字型のものを採用してもよい。保持部材5A、5Bの吊り天井における配置の位置(端部など)、天井仕上げ板Bの特性との相性、吊り天井の設置場所での施工性などを勘案して、任意の横断面の形状を選択することができる。
図10は、ハンガー3を野縁受け4から外した状態を示した斜視図である。図10において、ハンガー3は、野縁受け4の天面を除く他の面に対向する部分を有するように横断面がほぼU字状をなす支持体3Aと、この支持体3Aの一端において他端よりも上方に延在した後に水平に屈曲された吊りボルト取付け部3Bと、を有する。支持体3Aの他端部には螺子31の挿入孔が形成され、この挿入孔から挿入される螺子31は支持体3Aの一端部(吊りボルト取付け部3Bが設けられた部分)に螺合できるようになっている。螺子31は、支持体3Aに配置された野縁受け4を支持体3Aから離脱されるのを防止するようになっている。支持体3Aには、野縁受け4の少なくとも長手方向に延在する底面を横切るようにして開口部3Hが形成されている。この開口部3Hは、図9から明らかとなるように、ハンガー3に対して野縁受け4の底面が凹面となる段差部を構成し、この凹面に保持部材5Aの天面が精度よく位置付けられるようになっている。
図10に戻り、ハンガー3の吊りボルト取付け部3Bには野縁受け4の長手方向と平行に延在する長孔からなる吊りボルト挿入孔3Pが形成され、吊りボルト挿入孔3Pには吊りボルト2が固定できるようになっている。この場合、吊りボルト挿入孔3Pが長孔からなることによって、位置ずれを有して天井躯体A(図示せず)から垂下する吊りボルト2をハンガー3に信頼性よく取り付けることができるようになる。
ここで、吊り天井の下地構造1の重量について説明する。冒頭に述べたように、先の東日本大震災の大きな被害の一つとして、吊り天井が落下したケースを挙げることができ、生命の危険に及んだ事例も多々生じた。このような被害を防止するためには吊り天井が落下しないことが最も望ましいが、許容限度を超えて落下することも想定し、対策の一つとして、その重量を可能な限り軽量化しておくことが求められる。政府関係当局の対策としては、吊り天井の単位面積重量について、2kg/m2以下のもの、2kg/m2超20kg/m2以下のもの、20kg/m2超のものに分けて検討されているが、本実施形態では、かかる観点から、吊りボルト2及びハンガー3を除き、野縁受け4、第1保持部材5A、第2保持部材5B、ビス6及び薄板銅板7の合計単位面積重量を1kg/m2以下に抑えることとしている。これにより、天井仕上げ板Bを加えても、2kg/m2以下の吊り天井を得ることが可能となる。
1 吊り天井の下地構造
2 吊りボルト
2a 溝
21 ナット
3 ハンガー
3a 折り曲げ部
3A 支持体
3B 吊りボルト取付け部
3H 開口部
3P 吊りボルト挿入孔
31 螺子
4 野縁受け
5 保持部材
5a フランジ
5A 第1保持部材
5B 第2保持部材
51 ジョイナー
52 切欠き
6 ビス
7 薄板鋼板
A 天井躯体
B 天井仕上げ板
W1 吊りボルトの保持部材長手方向における配置間隔
W2 吊りボルトの野縁受け長手方向における配置間隔
W3 野縁受けの配置間隔
W4 保持部材の配置間隔

Claims (10)

  1. 天井仕上げ板を配置する吊り天井の下地構造であって、
    上端が天井躯体に取付けられ、垂下する複数の吊りボルトと、
    前記吊りボルトの下端にハンガーを介して支持され、角型又はE字型の横断面を有する複数の長尺の野縁受けと、
    前記野縁受けに交差して固着され、前記天井仕上げ板を保持する少なくとも1つのフランジが形成された横断面を有する複数の長尺の保持部材とを備えることを特徴とする吊り天井の下地構造。
  2. 前記保持部材がビスを用いて前記野縁受けに固着されることを特徴とする請求項1に記載の吊り天井の下地構造。
  3. 前記保持部材がH字型、ハット型、コ字型及びZ字型の少なくとも1つの横断面を有するジョイナーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り天井の下地構造。
  4. 前記吊りボルトがスパイラル仕様であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の吊り天井の下地構造。
  5. 天井仕上げ板を配置する吊り天井の下地構造であって、
    上端が天井躯体に取付けられ、垂下する複数の吊りボルトと、
    前記吊りボルトの下端にハンガーを介して支持され、複数の長尺の野縁受けと、
    前記野縁受けに固着され、前記天井仕上げ板を保持する少なくとも1つのフランジが形成された横断面を有する複数の長尺の保持部材と、を備え、
    前記保持部材は、
    前記野縁受けと交差して配置される複数の第1保持部材と、
    前記第1保持部材とほぼ同一面上に前記野縁受けの下方に前記野縁受けの長手方向に沿って配置される複数の第2保持部材と、
    を有することを特徴とする吊り天井の下地構造。
  6. 前記保持部材がビスを用いて前記野縁受けに固着されることを特徴とする請求項5に記載の吊り天井の下地構造。
  7. 前記第1保持部材および前記第2保持部材は、H字型、ハット型、コ字型及びZ字型の少なくとも1つの横断面を有するジョイナーであることを特徴とする請求項5又は6に記載の吊り天井の下地構造。
  8. 隣接する前記第1保持部材の間に、前記第2保持部材と前記野縁受けに挟持され、
    前記第1保持部材の長手方向に沿って延在する薄板鋼板を有することを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の吊り天井の下地構造。
  9. 前記ハンガーは、前記吊りボルトが挿入固着される孔を有し、
    前記孔は、前記野縁受けの長手方向に沿って形成された長孔となっていることを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の吊り天井の下地構造。
  10. 前記野縁受け、前記第1保持部材、前記第2保持部材、前記ビス及び前記薄板鋼板が、それら5部材の合計として、1kg/m2以下の単位面積重量を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の吊り天井の下地構造。
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