JP2014020693A - 空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】空調対象空間の内部又は空調対象空間の近傍にドレンを発生させることなく空調対象空間に空気を給気することが可能である空調システムを提供すること。
【解決手段】空調対象空間に給気される空気の潜熱処理を行う潜熱処理部と、潜熱処理部により潜熱処理が行われた空気を、空調対象空間に向けて通風させる給気経路20と、給気経路20を通風する空気の顕熱処理を行う顕熱処理部30と、顕熱処理部30によって顕熱処理が行われた空気を、空調対象空間に対して給気する吹出装置50とを備え、顕熱処理部30及び給気手段を、空調対象空間の内部又は空調対象空間の近傍に配置した、空調システム1。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調対象空間に対して空調を行う空調システムに関する。
近年、オフィス空間等における個々人の快適環境の創造を図るためのパーソナル空調システムが考案されている。このパーソナル空調システムとは、各人が使用する机の上部や机周りのパーティション等に風量を調節することが可能な吹出装置を設置し、この吹出装置の風量を各人が好みの値に設定することによって、各人の快適環境を創造するシステムである。このようなパーソナル空調システムは、OA機器による内部負荷の増加や偏在化等によってオフィス空間の室内環境の均一化を図ることが一層困難となっている今日において有効なシステムであると言える。
ここで、この種のパーソナル空調システムとしては、潜熱と顕熱を処理することによって調温調湿した空気を生成する空気調和機と、この空気調和機によって生成した空気を吹出す吹出装置との両方をオフィス空間の内部における執務者の近傍に配置し、そして執務者の近傍において生成した空気を執務者に対して供給することで、個々人の快適環境の創造を図るものが考案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−120006号公報
しかし、特許文献1に記載のパーソナル空調システムでは、空気調和機自体がオフィス空間に配置されているため、この空気調和機の潜熱処理に付随するドレンも、オフィス空間に発生することとなる。したがって、オフィス空間から外部空間に至るドレンホースを設置し、このドレンホースによって、オフィス空間に発生したドレンを外部空間に排出することを要していた。そのため、ドレンホースの設置に手間や費用が掛かり、さらにドレンホースの劣化や詰まり等の原因による水漏れの恐れもあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、空調対象空間の内部又は空調対象空間の近傍においてドレンを発生させることなく、空調対象空間に空気を給気することが可能である空調システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の空調システムは、空調対象空間に給気される空気の潜熱処理を行う潜熱処理手段と、前記潜熱処理手段により潜熱処理が行われた空気を、前記空調対象空間に向けて通風させる給気経路と、前記給気経路を通風する空気の顕熱処理を行う顕熱処理手段と、前記顕熱処理手段によって顕熱処理が行われた空気を、前記空調対象空間に対して給気する給気手段とを備え、前記顕熱処理手段及び前記給気手段を、前記空調対象空間の内部又は前記空調対象空間の近傍に配置した。
また、請求項2に記載の空調システムは、請求項1に記載の空調システムにおいて、前記潜熱処理手段は、前記給気経路を通風する空気の温度を、前記空調対象空間の温度と略同一とする。
また、請求項3に記載の空調システムは、請求項1又は2に記載の空調システムにおいて、前記給気経路を通風する空気を、前記顕熱処理手段を介することなく、前記空調対象空間に吐出する吐出手段を備える。
また、請求項4に記載の空調システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の空調システムにおいて、前記顕熱処理手段は、前記給気経路を通風する空気を前記空調対象空間の還気と混合し、当該混合した空気を顕熱処理する。
また、請求項5に記載の空調システムは、請求項1から4のいずれか一項に記載の空調システムにおいて、前記顕熱処理手段における熱交換用の冷媒を、前記空調対象空間の外部で熱処理する熱処理手段を備える。
また、請求項6に記載の空調システムは、請求項1から5のいずれか一項に記載の空調システムにおいて、前記給気経路を、前記空調対象空間の床下に敷設した。
請求項1に記載の空調システムによれば、空調対象空間の内部又は空調対象空間の近傍に配置した顕熱処理手段に対して、潜熱処理が行われた空気を供給することが可能であるため、空調対象空間の内部又は空調対象空間の近傍において潜熱処理を行う必要がなく、空調対象空間の内部又は空調対象空間の近傍においてドレンを発生させることなく、空調対象空間に空気を給気することが可能である。
請求項2に記載の空調システムによれば、給気経路を通風する空気が空調対象空間の空気によって受ける熱損失を低減することが可能であるため、顕熱処理手段による空調負荷を低減することが可能である。また、当該空調システムによれば、空調対象空間の空気が給気経路を通風する空気によって受ける熱損失を低減することが可能であるため、給気経路を通風する空気によって空調対象空間の温度が不用意に変動することを防止できる。
請求項3に記載の空調システムによれば、給気経路を通風する調湿された空気を、吐出手段を介して空調対象空間に吐出することが可能であるため、顕熱処理を行わず潜熱処理のみを行った空気を空調対象空間に吐出することが可能である。また、当該空調システムによれば、空調対象空間の内部における吐出手段が設けられた近辺を、特に限定的に調湿することが可能である。
請求項4に記載の空調システムによれば、顕熱処理手段は、空調対象空間の中でも特に空調の行われている部分の空気を還気として取り入れて顕熱処理することが可能であるため、特に空調の行われている部分(例えば執務者近傍)の空調負荷を、より一層効率的に処理することが可能である。
請求項5に記載の空調システムによれば、顕熱処理手段の冷媒が空調対象空間の外部において処理されるため、冷媒の処理に付随する排熱が、空調対象空間の内部に出されず、空調システムの空調負荷を低減することが可能である。
請求項6に記載の空調システムによれば、給気経路を空調対象空間の床下に敷設することによって、給気経路を空調対象空間の天井等に配置する場合に比べて、空調対象空間の床上で執務を行っている執務者の近傍に至る比較的短い経路で空気を執務者に向けて供給することが可能になり、空気の温度や湿度の不用意な変動を防止することが可能になる。
本発明の実施の形態に係る空調システムが搭載された空調対象空間の斜視図である。 空調システムの概略図である。 執務者周辺における空調システムの概略図である。 吹出装置の斜視図であって、(a)はシャッター全開時の斜視図であり、(b)はシャッター半開時の斜視図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る空調システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態に係る空調システムは、空調対象空間に対して空調を行う空調システムである。ここで、「空調対象空間」とは、吹出装置の空調対象となる空間のことであり、具体的には、後述する吹出装置前方の空間や、室内全体等を含む概念である。
なお、この空調システムの設置対象や設置意図は特段限定されないが、本実施の形態では、オフィス空間の空調を行う空調システムにおいて、当該オフィス空間を空調対象空間とし、このオフィス空間の空調を行うものであるとして説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、本発明に係る実施の形態の具体的内容について説明する。まずは、空調システムの構成について説明し、次に、空調システムの全体の構成について説明する。
(構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る空調システム1が搭載された空調対象空間の斜視図である。また、図2は、空調システム1の概略図である。図3は、執務者周辺における空調システム1の概略図である。この図1、図2及び図3に示すように、本実施の形態における空調システム1は、概略的に、潜熱処理部10、給気経路20、吐出口21、顕熱処理部30、熱処理部40、吹出装置50を備えて構成される。以下では、これら空調システム1の各構成要素について説明する。
(構成−潜熱処理部)
潜熱処理部10は、空調対象空間に給気される空気の潜熱処理を行う潜熱処理手段である。この潜熱処理部10は、例えば公知のデシカント外調機として形成され、外気を取り込み、それを調湿して後述する給気経路20に送風する。なお、この潜熱処理部10の設置位置は後述する給気経路20に対して調湿した空気を送風することが可能な位置であれば特段限定されない。例えば、当該空調システム1が設置されるビル内の空調室等といった、空調対象空間から隔離された位置に配置するものとしてもよい。
(構成−給気経路)
給気経路20は、潜熱処理部10により潜熱処理が行われた空気を、空調対象空間に向けて通風させる給気経路である。この給気経路20はどのような構成を採用しても良く、本実施の形態では、空調対象空間の床下空間部(例えば、OA配線用の床下空間部や床下ダクト)を給気経路20として説明することとするが、これに限られない。すなわち、例えば天井裏や空調対象空間内部を挿通するダクトのような構成を採用しても良い。しかし、例えば、天井裏を挿通するダクトを給気経路20とした場合、執務者の近傍から空気を送風するためには、天井裏から執務者近傍付近までダクトの立ち下げを要するが、このダクトの立ち下げには手間や費用を要する。一方、本実施の形態のように、空調対象空間の床下空間部を給気経路20とした場合、執務者の近傍から空気を送風する際に、上述したダクトの立ち下げを行う必要がなく、より簡易に空調システム1の設置を行うことが可能である。
そして、この給気経路20の内部には後述する顕熱処理部30が設置されており、潜熱処理部10により潜熱処理した空気が、この給気経路20を介して顕熱処理部30に送風される。なお、この給気経路20を通風する潜熱処理された空気を、以下では「調湿空気」と必要に応じて称して説明する。
(構成−吐出口)
吐出口21は、給気経路20を通風する空気を、顕熱処理部30を介することなく、空調対象空間に吐出する吐出手段である。具体的には、吐出口21は、空調対象空間の床上面に設けられた円形や方形等の開口である。そして、給気経路20から吐出口21に至るダクトを介して、給気経路20の空気が吐出口21に供給され空調対象空間に吐出される。このような構成を採ることによって、調湿空気が当該ダクトを介して吐出口21から空調対象空間に吐出され、空調対象空間の調湿を行うことが可能である。なお、本実施の形態では、空調対象空間の床下空間部を給気経路20としているため、ダクトは空調対象空間の床板を挿通している。
この吐出口21によって、顕熱処理部30による顕熱処理を行うことなく、調湿空気を空調対象空間に対して吐出することが可能であるため、後述する顕熱処理部30及び吹出装置50を稼動させることなく、空調対象空間に対して調湿空気を送風することができる。なお、この際に吐出口21から吐出される調湿空気の温度は空調対象空間に内在するユーザが不快に感じることの無い所望の温度とすることが望ましい。そのため、潜熱処理部10やその他の機器によって、調湿空気を過熱又は冷却することで、調湿空気の温度を当該所望の温度に維持することが望ましい。特に、調湿空気の温度を空調対象空間の温度と略同一とし、この温度の調湿空気を空調対象空間に吐出することで、空調対象空間の温度の変更を伴わない調湿が可能である。また、給気経路20と空調対象空間とがある程度隣接している場合は、給気経路20の空気と空調対象空間の空気に温度差があると熱損失により空調負荷が増大してしまうが、給気経路20を通風する空気の温度を空調対象空間の温度と略同一とすることによって、この熱損失を防止することが可能である。なお、略同一とは、上記の両温度が完全に同一の温度であることを要さないが、上記の両温度が同一に近い程、より上述した効果が現れ易いという趣旨である。
なお、この吐出口21の設置位置は特段限定されず、例えば空調対象空間の床上面や側壁あるいは天井面等に設けることが可能であるが、より、執務者の近傍から調湿済みの空気を送風するためには、床上面に設けることが望ましい。特に、オフィス空間に設置された机と対応する位置の床上面に設置することで、執務者が当該机の席に着席した際に執務者の足元に調湿済みの空気を送風することが可能であり、執務者の水分蒸発を促すことが可能である。このように、任意の位置にこの吐出口21を設置することで、その位置に限定した調湿を行うことが可能である。なお、吐出口21には、当該吐出口21を開閉可能とする蓋部を設けることで、執務者が吐出口21を開閉できるようにしてもよい。
(構成−顕熱処理部)
顕熱処理部30は、給気経路20を通風する空気の顕熱処理を行う顕熱処理手段である。この顕熱処理部30は、例えば公知の空調機として形成され、給気経路20を通風する調湿空気を取り込み、取り込んだ調湿空気を温度調整し、後述する吹出装置50に送風する。
なお、顕熱処理部30に空調対象空間の還気を取り込む還気口を設けて、当該還気口から取り入れた空気と、給気経路20から取り入れた調湿空気とを混合し、このように混合した空気を温度調整し、後述する吹出装置50に送風する構成を採用しても良い。このように顕熱処理部30に還気口を設けることによって、顕熱処理部30は、空調対象空間の中でも特に空調の行われている部分(例えば執務者近傍)の空気を当該還気口を介して還気として取り入れて顕熱処理することが可能である。そのため、顕熱処理部30は、空調対象空間の中でも特に空調の行われていない部分の空気(例えば照明器具等の発熱によって暖められた空気)を還気として取り入れて顕熱処理する場合に比べて、特に空調の行われている部分(例えば執務者近傍)の空調負荷を、より一層効率的に処理することが可能である。
なお、この顕熱処理部30の設置位置は任意であり、例えば、空調対象空間の内部や、空調対象空間の近傍である給気経路20の内部等に設置することが考えられるが、本実施の形態では、給気経路20の内部であり、かつ、空調対象空間に設置された執務者の机の真下に設置するものとして説明する。このように、顕熱処理部30を空調対象空間以外の場所に設置することで、空調対象空間に顕熱処理部30を設置するためのスペースを設ける必要がないため、空調対象空間をより広く有効に活用することが可能である。なお、顕熱処理部30の顕熱処理によって発生した排熱は、後述する熱処理部40によって処理される。
(構成−熱処理部)
熱処理部40は、顕熱処理部30における熱交換用の冷媒を、空調対象空間の外部で熱処理する熱処理手段である。この熱処理部40は、例えば、顕熱処理部30と共に水熱源ヒートポンプを構成するものであり、顕熱処理部30と冷媒管41を介して接続された冷却塔としてビル屋上等に形成される。そして、熱処理部40と顕熱処理部30の相互間に冷媒管を介して水を循環させることで、熱処理部40で冷却した水を熱源として顕熱処理部30で熱交換を行うことが可能になる。なお、このような水熱源ヒートポンプとしての基本的な処理については、公知の処理を採用することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。特に、水熱源ヒートポンプを用いることで、排熱を空調対象空間に排出することなく熱処理を行うことが可能になる。
ここで、熱処理部40の設置位置は、任意であるが、空調対象空間の外部であることが望ましい。何故ならば、空調対象空間の内部に熱処理部40を設置すると、熱処理部40から発生する排熱が、空調対象空間の内部に排出されてしまうため、空調システム1の空調負荷が増大してしまうためである。
(構成−吹出装置)
吹出装置50は、顕熱処理部30によって顕熱処理が行われた空気を空調対象空間に対して給気する給気手段である。ここで、図4は、吹出装置50の斜視図であって、図4(a)はシャッター55全開時の斜視図であり、図4(b)はシャッター55半開時の斜視図である。この図4に示すように、この吹出装置50は、任意の形状からなる筐体51を備えて構成され、この筐体51に、概略的に、吹出口52、ベーン53、シャッター55を備えて構成されている。以下では、図4を参照して、これらの各構成要素について詳細に説明する。なお、以下では、図4におけるX方向を「幅方向」、Y方向を「長さ方向」、Z方向を「高さ方向」と必要に応じて称して説明する。
筐体51は、吹出装置50の外郭を構成する外郭手段である。この筐体51は、任意の形状及び素材を有する箱状体として形成され、空調対象空間における任意の位置に配置されるが、本実施の形態では、図1に示すように、オフィス内に設置される執務者の机同士を仕切るために好適な寸法のパーティションとして形成されている。この筐体51は、その底部において顕熱処理部30に接続されており、その内部には図示しない通風管が配置されており、その上部には吹出口52が設けられている。そして、顕熱処理部30によって顕熱処理が行われた空気が、図示しない通風管を上昇し、吹出口52を介して空調対象空間に送風される。この通風管は、吹出口52に向けて空気を通風させる通風経路であり、この通風管の具体的な構成については任意の構成を採用することが可能であるが、本実施の形態では、顕熱処理部30から吹出口52に至る管状体として形成され、顕熱処理部30によって顕熱交換された空気を、その管状体の内部を送風させることにより吹出口52まで誘引する。
そしてこの筐体51は、同一のものが背中合わせに配置されており、このことによって、パーティションで仕切られている両執務者に対して空気を送風することが可能である。なお、吹出口52は、図1に示すように、執務者の机の足下に設置するものとしても良い。
(構成−吹出装置−吹出口)
図4に戻り、吹出口52は、空調対象空間に向けて空気を吹出す吹出手段である。この吹出口52は、筐体51の外面における開口として形成されており、筐体51の外面における任意の位置に設けられる。本実施の形態では、複数の執務者に対して送風が可能となるように、これら複数の執務者の頭部付近の高さにおいて、複数の執務者と対峙する横長状の開口として形成されている。
また、吹出口52には、複数のベーン53が備え付けられている。このベーン53は、吹出口52から送風される空気の送風方向を制御するためのもので、吹出口52と略同一の長さの横長板状体として形成され、吹出口52の内部に略等間隔で配置されている。
そして、このベーン53がそれぞれ吹出口52に対して上向きの所定の角度を持って配置されていることにより、吹出口52から送風される空気がそれぞれベーン53の長板面に沿って上向きの所定の角度を持って吹出される。このように、吹出口52から送風される空気に上向きの所定の角度を与えることで、空気をより遠方まで送風することが可能である。なお、このベーン53は、ユーザの操作によってその角度を可変可能となるように形成しても良い。
(構成−吹出装置−シャッター)
シャッター55は、吹出口52の有効開口面積を可変させる遮蔽手段である。このシャッター55の具体的な構成については任意の構成を採用することが可能であるが、本実施の形態では、吹出口52と略同一の長さ及び略同一の高さの横長板状体として形成され、吹出口52の側方に形成された図示しないガイド部によって上下に摺動可能となるようにガイドされている。
従って、ユーザは、このシャッター55を上下に摺動させて吹出口52を開閉することで、吹出口52から吹出される気流性状を、所望の気流性状へと変化させることが可能である。すなわち、シャッター55を閉めることによって、図4(b)のように吹出口52を半開状態にした場合は、図4(a)のように吹出口52を全開状態にした場合に比べて、吹出口52から吹出される気流の速度が高いため、より上方に角度をつけて冷気を吹出すことが可能である。このような半開状態としては、例えば、執務者が、直接気流を感じずに、執務者近傍の空調を要望する場合等に最適である。一方、シャッター55を開けることによって、図4(a)のように吹出口52を全開状態にした場合は、図4(b)のように、吹出口52を半開状態にした場合に比べて、吹出口52から吹出される気流の速度が低いため、上方に角度をつけずに、執務者の居る方向に冷風を吹出すことが可能である。このような全開状態としては、例えば、執務者が、より強い冷風を肌に感じたい場合等に最適である。
(構成−吹出装置−その他)
また、吹出装置50には、図示しない不織布を備えても良い。この不織布は、吹出口52における送風速度の分布を均一化するための均一化手段であり、通風管と吹出口52の相互間において、吹出口52に対して平行に配置された多孔質状の板状体である。具体的には、筐体51と略同一の長さ及び略同一の高さを有する膜状体であり、吹出口52から幅方向に所定距離離れた位置に吹出口52と平行に配置される。ここで、この不織布は、約1μmから約500μmの径を有する細孔がその膜状面全体に均一に分布されている。そして、空調機から通風管を介して送風された空気は、この不織布の細孔を通過することによって膜状体の表面全体に均一に分散され、均一の風速の空気として吹出口52に向けて送風される。なお、不織布の細孔の径はこの値に限定されない。
(全体の構成)
続いて、本実施の形態に係る空調システム1の全体の構成について説明する。
本実施の形態では、このように、潜熱処理部10が、潜熱処理を行い、給気経路20が、潜熱処理部10によって潜熱処理された空気を顕熱処理部30に送風し、顕熱処理部30が、給気経路20から送風された空気を顕熱処理するという構成を採っている。以下ではこのような空調システム1の全体構成を採ることの理由について説明する。
まず、潜熱処理部10と顕熱処理部30とを分離することなく給気経路20の上流に配置し、潜熱処理及び顕熱処理を行った空気を給気経路20に通風させる構成を採った場合には、給気経路20を通風する空気は顕熱処理が行われている空気であるため、必然的に給気経路20を通風する空気の温度と空調対象空間の温度との温度差が大きくなってしまう。そのため、上述したように、給気経路20と空調対象空間の相互間の熱損失の問題が生じてしまう。また、潜熱処理部10と顕熱処理部30とを分離することなく給気経路20の下流に配置し、潜熱処理及び顕熱処理が行われていない空気を給気経路20に通風させる構成を採った場合には、潜熱処理部10が給気経路20の下流に配置されることとなり、潜熱処理部10が行う潜熱処理に付随するドレンが給気経路20の下流である空調対象空間の近傍等で発生してしまう。したがって、ドレンを空調対象空間から外部空間に向けて排出するためのドレンホースの設置が不可欠であり、手間及び費用を要することとなる。
そこで、上記のような問題を解決するために、本実施の形態のように、潜熱処理部10と顕熱処理部30とを分離し、顕熱処理部30を給気経路20の下流に配置し、潜熱処理部10を給気経路20の上流に配置している。このように構成することで、顕熱処理済みの空気を給気経路20に送風することがないため上記の熱損失の問題が生じない。さらに、潜熱処理部10が空調対象空間の近傍等に配置されないため、空調対象空間の近傍等にドレンを発生させることなく空調対象空間に対して空調を行うことが可能である。
(効果)
このように本実施の形態によれば、空調対象空間の内部又は空調対象空間の近傍に配置した顕熱処理部30に対して、潜熱処理が行われた空気を供給することが可能であるため、空調対象空間の内部又は空調対象空間の近傍において潜熱処理を行う必要がなく、空調対象空間の内部又は空調対象空間の近傍においてドレンを発生させることなく空調対象空間に空気を給気することが可能である。
また、給気経路20を通風する空気が、空調対象空間の空気によって受ける熱損失を低減することが可能であるため、顕熱処理部30による空調負荷を低減することが可能である。また、当該空調システム1によれば、空調対象空間の空気が給気経路20を通風する空気によって受ける熱損失を低減することが可能であるため、給気経路20を通風する空気によって空調対象空間の温度が不用意に変動することを防止できる。
また、給気経路20を通風する調湿された空気を、吐出口21を介して空調対象空間に吐出することが可能であるため、顕熱処理を行わず潜熱処理のみを行った空気を空調対象空間に吐出することが可能である。また、当該空調システム1によれば、空調対象空間の内部における吐出口21が設けられた近辺を特に限定的に調湿することが可能である。
顕熱処理部30は、空調対象空間の中でも特に空調の行われている部分の空気を還気として取り入れて顕熱処理することが可能であるため、特に空調の行われている部分(例えば執務者近傍)の空調負荷を、より一層効率的に処理することが可能である。
また、顕熱処理部30の冷媒が空調対象空間の外部において処理されるため、冷媒の処理に付随する排熱が、空調対象空間の内部に出されず、空調システム1の空調負荷を低減することが可能である。
また、給気経路20を空調対象空間の床下に敷設することによって、給気経路20を空調対象空間の天井等に配置する場合に比べて、空調対象空間の床上で執務を行っている執務者の近傍に至る比較的短い経路で空気を執務者に向けて供給することが可能になり、空気の温度や湿度の不用意な変動を防止することが可能になる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、少なくとも、従来と異なるシステムにより空調対象空間の内部又は空調対象空間の近傍においてドレンを発生させることなく空調対象空間に空気を給気することが可能となっている場合には、本発明の課題は解決されている。
(寸法や材料について)
発明の詳細な説明や図面で説明した空調システム1の各部の寸法、形状、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、比率等とすることができる。また、各部を構成する材料については、金属や樹脂を含む任意の材料を用いることができる。
(空調システムについて)
本実施の形態においては、排熱を冷却塔により処理する水熱源ヒートポンプを採用しているが、少なくとも空調対象空間の内部に排熱を出さないものであればどのようなものでもよく、例えば、排熱の処理に空気熱源ヒートポンプを採用しても構わない。
(給気経路を通風する空気の温度について)
給気経路20を通風する空気の温度と、前記空調対象空間の温度とは、必ずしも同一としなくてもよい。例えば、給気経路20を通風する空気の温度を、空調対象空間の温度よりも低い温度しても良い。この場合は、吐出口21から空調対象空間に対して冷風を吐出することが可能であり、執務者の足元に冷風を供給できる。また、給気経路20を通風する空気が、吹出装置50から送風する空気の温度と略同一の温度である場合には、顕熱処理部30の顕熱負荷を低減させることが可能である。
(吐出手段について)
吐出手段は、必ずしも設けなくても良い。すなわち、吹出装置50によって、給気経路20の内部の空気を空調対象空間に送風することが出来るため、吐出手段を設けない場合であっても本願の目的は達成される。
(還気との混合について)
給気経路20を通風する空気は、必ずしも空調対象空間の還気と混合しなくてもよい。例えば、顕熱処理部30は、還気口による還気の吸い込みを行わず、給気経路20を通風する空気のみを顕熱処理しても良い。
(熱交換用の冷媒の熱処理について)
熱交換用の冷媒の熱処理を、空調対象空間の内部等で行ってもよい。例えば、熱処理部40を空調対象空間の内部に設置し、この熱処理部40により発生した排熱を公知の方法によって外部空間に排出する構成を採っても良い。
(吹出装置について)
本実施の形態においては、吹出装置50はオフィス内における執務者同士を仕切るパーティションと一体として形成されるものとして説明したが、これに限られない。例えば、執務者の足下に筐体51を配置し、執務者の足下に対して送風するものとしても良いし、あるいは、室外に配置されるものであっても良い。また、吹出装置50を構成する各部の具体的な構成は任意であり、各部を適宜省略するものであっても良い。
(吐出口について)
吐出口21には、例えばスライド式のカバーを設けることとしても良い。このカバーは、吐出口21と略同一の径を有する円形の板状体であって、吐出口21に対して開閉自在に取り付けられている。このことによって、吐出口21からの空気の送風を望む際には、ユーザがカバーを開放することによって吐出口21を介して調湿空気を空調対象空間に対して取り入れることが可能であるし、調湿空気の送風を望まない際には、ユーザがカバーを閉鎖することによって調湿空気を空調対象空間に対して取り入れないことが可能である。
本実施の形態において、吐出口21は円形又は方形の開口であるものとして説明したが、吐出口21の形状はこれに限定されず、例えば多角形の開口であっても当然構わない。
また、吐出口21と給気経路20とを接続するダクトの管路上に、ファンのような吹出機構を備えることによって、空調対象空間に対して一定の速度で空気を吐出することとしても良い。
(シャッターについて)
本実施の形態においては、シャッター55は、吹出口52に対して上下に摺動させるものとしたが、これに限定されない。例えば、吹出口52に対して左右にスライドさせるものでも良いし、吹出口52の一部分を遮蔽することが可能な構成であればどのような構成を採用しても構わない。
1 空調システム
10 潜熱処理部
20 給気経路
21 吐出口
30 顕熱処理部
40 熱処理部
41 冷媒管
50 吹出装置
51 筐体
52 吹出口
53 ベーン
55 シャッター

Claims (6)

  1. 空調対象空間に給気される空気の潜熱処理を行う潜熱処理手段と、
    前記潜熱処理手段により潜熱処理が行われた空気を、前記空調対象空間に向けて通風させる給気経路と、
    前記給気経路を通風する空気の顕熱処理を行う顕熱処理手段と、
    前記顕熱処理手段によって顕熱処理が行われた空気を、前記空調対象空間に対して給気する給気手段とを備え、
    前記顕熱処理手段及び前記給気手段を、前記空調対象空間の内部又は前記空調対象空間の近傍に配置した、
    空調システム。
  2. 前記潜熱処理手段は、前記給気経路を通風する空気の温度を、前記空調対象空間の温度と略同一とする、
    請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記給気経路を通風する空気を、前記顕熱処理手段を介することなく、前記空調対象空間に吐出する吐出手段を備える、
    請求項1又は2に記載の空調システム。
  4. 前記顕熱処理手段は、前記給気経路を通風する空気を前記空調対象空間の還気と混合し、当該混合した空気を顕熱処理する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の空調システム。
  5. 前記顕熱処理手段における熱交換用の冷媒を、前記空調対象空間の外部で熱処理する熱処理手段を備える、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の空調システム。
  6. 前記給気経路を、前記空調対象空間の床下に敷設した、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の空調システム。
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