JP2014016135A - 船舶用ボイラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水室1内に、燃焼装置2の燃焼排ガスを流す煙管3を内装した燃焼ボイラ4と、主機排ガスを流す煙管5を内装した主機排熱回収ボイラ6を組み合わせ、燃焼ボイラ4と主機排熱回収ボイラ6の排ガスの流出口7,8を別個に設けたコンポジットボイラ9において、さらに、補機の排ガスの熱を回収する補機排熱回収ボイラ10とコンポジットボイラ9の缶水が連通するように接続し、補機排熱回収ボイラ10から発生する蒸気をコンポジットボイラ9の前記水室1を介して蒸気使用機器へ供給されるようにして、補機の排熱を有効に利用し、燃焼ボイラ4での燃料消費量を削減することができるようにした。
【選択図】 図1
Description
特許文献1に記載されたコンポジットボイラは、熱源として主機となる船舶エンジンの排ガスの保有する排熱を利用するボイラに、燃焼装置を備えた補助ボイラを付設し、エンジンの負荷の減少或いは停止により排ガスの熱量が不足したときは、補助ボイラの燃焼装置にて追い焚きを行い、所望の熱量を得るものである。
本発明者等は、このような問題点を解決するため研究を重ねた結果、船舶に備えられた発電機等、メインエンジン以外の機器(以下、補機という。)が排出する排ガスの熱を利用することに着目し、本発明を完成するに至った。
また、前記補機排熱回収ボイラと前記コンポジットボイラの缶水が連通するように接続しているので、どの補機の熱回収を行っても常に蒸気を発生させることができるとともに、設定圧力に等しい飽和温度の飽和水を前記コンポジットボイラの前記水室に貯留することができ、負荷の要求に対して直ぐの蒸気供給が可能となる。
また、個々の補機の排ガスの熱を回収する複数台の補機排熱回収ボイラをコンポジットボイラに接続すると、複数の補機から排出される排ガスの熱を効率よく回収することができる。
さらに、補機の排ガスの熱を回収する補機排熱回収ボイラは、前記コンポジットボイラの缶水との連通だけで他に相互に共通する構成はなく、排ガス流入ダクト及び排ガス放出ダクトを独立した構成とすることにより、船舶規格に求められる船級を満たすものとすることができる。
また、前記水室内の水が、煙管を流れる補機排ガスと熱交換して加熱されるので、どの補機の熱回収を行っても常に蒸気を発生させることができるとともに、前記水室に設定圧力に等しい飽和温度の飽和水を貯留することができ、負荷の要求に対して直ぐの蒸気供給が可能となる。
また、前記補機排熱回収ボイラとしての補機排熱回収部分をコンポジットボイラの内部に設けることができるので、ボイラ全体をコンパクトに構成することができる。
さらに、前記補機排熱回収ボイラの排ガスの流出口を前記燃焼ボイラと前記主機排熱回収ボイラの排ガスの流出口と別個に設けたので、船舶規格に求められる船級を満たすものとすることができる。
図1は本発明に係る船舶用ボイラの実施の形態の第1例を示す全体構造説明図である。
また、下部管板13の下側には主機排ガス流入室14が設けられている。主機排ガス流入室14には主機排ガス流入口15が設けられており、主機排ガス流入口15には主機排ガス流入室14内に主機排ガスを導入する主機排ガス導入ダクトが接続される。
また、上部管板12の上側には、燃焼排ガスを流す煙管3と主機排ガスを流す煙管5がそれぞれ独立して排ガスを排出するように仕切板17で仕切られて、燃焼排ガスを流出させる燃焼排ガス流出室18と主機排ガスを流出させる主機排ガス流出室19が形成されている。燃焼排ガス流出室18には燃焼排ガス流出口7が設けられ、燃焼排ガス流出口7には船外へ燃焼排ガスを排出するための燃焼排ガス排出ダクトが接続される。また、主機排ガス流出室19には主機排ガス流出口8が設けられ、主機排ガス流出口8には船外へ主機排ガスを排出するための主機排ガス排出ダクトが接続される。
また、水室1には燃焼装置2と燃焼排ガス流出室18との間を連結した複数の煙管3と、主機排ガス流入室14と主機排ガス流出室19との間を連結した複数の煙管5が内装されており、水室1内の水が煙管3を通る燃焼排ガスおよび煙管5を通る主機排ガスの熱と熱交換するようになっている。
補機排ガス流入口24には補機の排ガスを補機排ガス流入口24に導入する補機排ガス導入ダクトが接続される。また、補機排ガス流出口25には補機排熱回収ボイラ10で熱回収され温度が低下した補機の排ガスを船外へ排出するための補機排ガス排出ダクトが接続される。
このように構成された補機排熱回収ボイラ10の水室23とコンポジットボイラ9の缶水が連通するように、補機排熱回収ボイラ10の上部管板21から上方へ突出するようにして設けた上部連結管27で連結され、補機排熱回収ボイラ10の水室23の下部とコンポジットボイラ7の水室1の下部が下部連結管28で連結されている。
消音手段30としてはパンチングメタルで円筒状に形成された筒の外周と排ガス流出口25の内周面間にガラスウールなどの吸音効果を持つ材料を挟持させた構成のものが使用されたり、また、排ガス流出口25の長さを長くしたり、排ガス流出口25に段差を付けた構成のものが使用されるが、特に限定されない。
また、補機排熱回収ボイラ10にあっては、煙管26を下方から上方へ流れる補機排ガスにより水室23内の水は加熱され、加熱された水(蒸気と液体の混合体)がコンポジットボイラ9の水室1に流れ、コンポジットボイラ9の水室1で気液分離して、燃焼ボイラ4と主機排熱回収ボイラ6で構成されるコンポジットボイラ9で生成される蒸気とともに蒸気使用機器へ供給される。
また、停泊中など主機が停止している場合であっても、補機の熱回収を行うことで、蒸気を常時供給することができるとともにボイラ内の缶水は設定圧力に等しい飽和温度の飽和水を貯留することができ、負荷の要求に対して直ぐの蒸気供給が可能になるとともに、燃焼ボイラ5側の燃料消費量の削減を図り、コストを低減することができる。
また、本例では、補機排ガス流出口25に補機の排気騒音を低減するための消音手段30が備えられているので、停泊域周辺の環境を良好にすることができる。
また、図1において、補機排熱回収ボイラ10は、コンポジットボイラ9に隣接しているが、上部連結管27と下部連結管28の長さをコンポジットボイラ9と補機(図示せず。)の船内配置に合わせて変更し、補機排熱回収ボイラ10をコンポジットボイラ9に自由に接続することも可能である。
なお、補機排熱回収ボイラ10の水室23とコンポジットボイラ9の水室1を連結する上部連結管27と下部連結管28に、それぞれバルブ29を設け、バルブを閉じることにより補機排熱回収ボイラ10とコンポジットボイラ9との縁切を行うことができ、補機排熱回収ボイラ10の修理や交換を容易に行うことも可能になる。
本例の船舶用ボイラについて、前記第1例と同一の構成については同一の符号を付しその説明を省略し、第1例と異なる構成についてのみ説明する。
本例と第1例と異なる構成は、補機排熱回収ボイラ10の構成だけである。
本例の補機排熱回収ボイラ10にあっては、上部ヘッダ31と下部ヘッダ32との間を複数の水管33で連結し、上部ヘッダ31と下部ヘッダ32の間は円筒状に形成された缶体カバー34で覆われている。缶体カバー34には補機排ガス流入口24と補機排ガス流出口25が設けられており、水管33内の水が缶体カバー34内に導入され水管33の外面を流れる補機排ガスの熱と熱交換するように構成した水管式となっている。
補機排ガス流入口24には補機の排ガスを缶体カバー34に導入する補機排ガス導入ダクトが接続される。また、補機排ガス流出口25には補機排熱回収ボイラ10で熱回収され温度が低下した補機の排ガスを船外へ排出するための補機排ガス排出ダクトが接続される。
消音手段30としてはパンチングメタルで円筒状に形成された筒の外周と排ガス流出口25の内周面間にガラスウールなどの吸音効果を持つ材料を挟持させた構成のものが使用されたり、また、排ガス流出口25の長さを長くしたり、排ガス流出口25に段差を付けた構成のものが使用されるが、特に限定されない。
また、停泊中など主機が停止している場合であっても、補機の熱回収を行うことで、蒸気を常時供給することができ、燃焼ボイラ4側の燃料消費量の削減を図り、コストを低減することができる。
また、補機排熱回収ボイラ10の上室部33とコンポジットボイラ9の水室1の上部とは液相部と気相部どうしがそれぞれ上部連結管27a,27bで連結する構造では、缶水の循環を行いながら補機排熱回収ボイラ10から発生した蒸気を単独で供給できるので、起蒸を早めることが可能となる。
また、図2において、補機排熱回収ボイラ10は、コンポジットボイラ9に隣接しているが、上部連結管27a,27bと下部連結管28の長さをコンポジットボイラ9と補機(図示せず。)の船内配置に合わせて変更し、補機排熱回収ボイラ10をコンポジットボイラ9に自由に接続することも可能である。
その他の効果は、前記第1例と同様なので、第1例の説明を援用する。
本例の船舶用ボイラについて、前記第1例と同一の構成については同一の符号を付しその説明を省略し、第1例と異なる構成についてのみ説明する。
燃焼排ガス流出室18には燃焼排ガス流出口7が設けられ、燃焼排ガス流出口7には船外へ燃焼排ガスを排出するための燃焼排ガス排出ダクトが接続される。また、主機排ガス流出室19には主機排ガス流出口8が設けられ、主機排ガス流出口8には船外へ主機排ガスを排出するための主機排ガス排出ダクトが接続される。また、補機排ガス流出室41には補機排ガス流出口25が設けられ、補機排ガス流出口25には船外へ補機排ガスを排出するための補機排ガス排出ダクトが接続される。
消音手段30としてはパンチングメタルで円筒状に形成された筒の外周と排ガス流出口25の内周面間にガラスウールなどの吸音効果を持つ材料を挟持させた構成のものが使用されたり、また、排ガス流出口25の長さを長くしたり、排ガス流出口25に段差を付けた構成のものが使用されるが、特に限定されない。
その他の効果は、前記第1例と同様なので、第1例の説明を援用する。
本例の船舶用ボイラについて、前記第3例と同一の構成については同一の符号を付しその説明を省略し、第3例と異なる構成についてのみ説明する。
本例と第3例と異なる構成は、本例の船舶用ボイラは、水室1内に、補機排ガスを流す煙管26を内装して設けた補機排熱回収ボイラ10の構成だけである。
本例では補機の数が2台の場合を例示しているが、それ以上の台数であってもよく、この場合は、補機排ガス流入室37および補機排ガス流出室41に更に仕切板を設ける。
その他の効果は、前記第3例と同様なので、第3例の説明を援用する。
2 燃焼装置
3 煙管
4 燃焼ボイラ
5 煙管
6 主機排熱回収ボイラ
7 燃焼排ガス流出口
8 主機排ガス流出口
9 コンポジットボイラ
10 補機排熱回収ボイラ
11 胴板
12 上部管板
13 下部管板
14 主機排ガス流入室
15 主機排ガス流入口
17 仕切板
18 燃焼排ガス流出室
19 主機排ガス流出室
20 胴板
21 上部管板
22 下部管板
23 水室
24、24a、24b 補機排ガス流入口
25、25a、25b 補機排ガス流出口
26、26a、26b 煙管
27、27a、27b 上部連結管
28 下部連結管
30 消音手段
31 上部ヘッダ
32 下部ヘッダ
33 水管
34 缶体カバー
36 仕切板
37、37a、37b 補機排ガス流入室
39、40 仕切板
41、41a、41b 補機排ガス流出室
42、43 仕切板
Claims (5)
- 水室内に、燃焼装置の燃焼排ガスを流す煙管を内装した燃焼ボイラと、主機排ガスを流す煙管を内装した主機排熱回収ボイラを組み合わせ、前記燃焼ボイラと前記主機排熱回収ボイラの排ガスの流出口を別個に設けたコンポジットボイラにおいて、
さらに、補機の排ガスの熱を回収する補機排熱回収ボイラと前記コンポジットボイラの缶水が連通するように接続し、前記補機排熱回収ボイラから発生する蒸気を前記コンポジットボイラの前記水室を介して蒸気使用機器へ供給されるようにしたことを特徴とする船舶用ボイラ。 - 前記補機排熱回収ボイラは、水室に煙管を内装して構成され、前記水室と前記コンポジットボイラの前記水室とが連結管で連結されていることを特徴とする請求項1に記載の船舶用ボイラ。
- 前記補機排熱回収ボイラは、上室部と下室部との間を水管で連結し、前記水管の外面を補機排ガスが流れるように構成され、前記上室部および前記下室部と前記コンポジットボイラの前記水室とが連結管で、それぞれ連結されていることを特徴とする請求項1に記載の船舶用ボイラ。
- 水室内に、燃焼装置の燃焼排ガスを流す煙管を内装した燃焼ボイラと、主機排ガスを流す煙管を内装した主機排熱回収ボイラを組み合わせ、前記燃焼ボイラと前記主機排熱回収ボイラの排ガスの流出口を別個に設けたコンポジットボイラにおいて、
前記水室内に、補機排ガスを流す煙管を内装して補機排熱回収ボイラをさらに設け、前記補機排熱回収ボイラの排ガスの流出口を前記燃焼ボイラと前記主機排熱回収ボイラの排ガスの流出口と別個に設けたことを特徴とする船舶用ボイラ。 - 前記補機排熱回収ボイラには、補機排ガスの流入口または流出口のいずれか一方若しくは双方に消音手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の船舶用ボイラ。
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