JP2014016098A - 熱交換器およびその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬液を用いず、給湯運転時に付着したスケールを除去することで、熱交換器の品質低下を防止し、長寿命な熱交換器が得られる運転方法を提供する。
【解決手段】脈動発生部11から発生させた一つの脈動を何れか一つの熱交換器5a〜5eに印加することで、脈動によるスケール除去効果を分散させることなく発揮できる運転方法を提供できる。また、均等の水流を順次熱交換器に印加することで、仮にスケール付着が起こった熱交換器では伝熱性能や流量が低下するため、自然とスケール付着が緩和する運転方法を提供できる。さらに、順次均等の脈動を印加しているため、水流の変化からスケールが付着した熱交換器を検知し特定できるため、スケールが付着した熱交換器に集中的に脈動を印加することで、付着したスケールを除去する運転方法を提供できる。
【選択図】図2

Description

給湯器、冷却器などの冷熱機器における熱交換器およびその運転方法に関するものである。
浴室や台所に温水を供給する給湯器は、電気給湯器、ガス給湯器(ガスボイラー)、石油給湯器などに大別されるが、いずれも熱を水に伝えるための熱交換器と呼ばれる部分が存在する。電気給湯器の中でも、最近特に、省エネや地球温暖化対策としての二酸化炭素削減の観点から、ヒートポンプ熱交換式の電気給湯器(ヒートポンプ給湯器)が注目されている。その原理は、大気の熱を熱媒体に移し、その熱でお湯を沸かすものである。具体的に言えば気体を圧縮したときに発生する高熱を熱交換器によって水へ移し、その気体を膨張させたときの冷気によって再び熱媒体の温度を大気温まで戻す繰り返し(冷熱サイクル)によるものである。理論上、投入エネルギー以上の熱エネルギーを取り出すことはできないが、ヒートポンプ給湯器は大気の熱を活用する仕組みのため、運転に要するエネルギーよりも多くの熱エネルギーを利用することができる。
熱交換器は水に対して熱を伝えるために、伝熱面を常に清浄な状態に保つことが非常に重要である。壁面が汚れると有効な熱伝達面積が減少し、熱伝達性能の低下を招く。また、汚れが蓄積すると、最悪の場合には流路の閉塞を招くことになる。特に、スケール(硬度成分、硫酸塩、ケイ酸成分、金属イオンなどを含む結晶状の生成物)成分を含む水を給湯器などの冷熱機器へ供給すると、スケールが熱交換器表面や給湯タンクまたは配管内に付着し、熱交換効率の低下や流路を閉塞させるなどの問題があった。
これらの問題を解決する様々な方法が検討されている。その例として、特許文献1(特開2006−125654)や特許文献2(特開2010−133600)について説明する。特許文献1では、貯湯槽底部から取り出した湯水を給湯熱交換器に設けた水流路を介し加熱して貯湯槽上部へ戻す運転時に、水流路を流れる流量の平均値を水流路平均流量とし、水流路を流れる湯水の流量を水流路平均流量の4倍以上となるように制御する運転モードを備えることで、水流路に析出したスケールを洗い出すものである。
また、特許文献2では、複数ある水冷媒熱交換器の水側伝熱管の水出口部に水配管温度検知手段とその一つに脱着可能な擬似伝熱管部が設置してあり、その検知部がスケール付着によって設定温度と異なった場合には、発報する手段を設けることでスケールの付着を検知し、さらに薬液洗浄前後に擬似伝熱管部を脱着して目視でスケールの付着を確認できるため、無駄なく薬液洗浄できるものである。
特開2006−125654号公報 特開2010−133600号公報
しかしながら、特許文献1のように、平均流量を多くしただけでは、付着したスケールは除去しきれない場合があり、またポンプへの負担も大きいといった問題点があった。また、特許文献2では、水温検知部と擬似伝熱管部によってスケールの付着を検知できるが、複数の水冷媒熱交換器に付着したスケールを給湯運転時以外に薬液を使用して洗浄するのは非常に手間で困難であり、また薬液の使用や水温検知部を複数の水冷媒熱交換器にそれぞれ設置していることから構成が複雑になるといった問題点があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、薬液を用いずに、給湯運転時に付着したスケールを除去することができる熱交換器およびその運転方法を提供することを目的としている。
本発明は、水と冷媒とで熱交換をする複数の熱交換器と、水を分岐して複数の熱交換器に流入する入流用流路と、複数の熱交換器から流出した水を合流する流出用流路とを備えた熱交換器を用いた熱交換器の運転方法であって、熱交換器は入流用流路に並列され複数の熱交換器毎に開閉機構を備えて接続される脈動印加用流路を備え、開閉機構の開閉で水による脈動を制御することを特徴とする熱交換器の運転方法である。
また、本発明は、水と冷媒とで熱交換をする複数の熱交換器と、水を分岐して複数の熱交換器に流入する入流用流路と、複数の熱交換器から流出した水を合流する流出用流路と、入流用流路に並列され複数の熱交換器毎に開閉機構を備えて接続される脈動印加用流路と、開閉機構の開閉で水による脈動を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする熱交換器である。
この発明によれば、薬液を用いず、給湯運転時にスケール付着を除去することができるので、熱交換器の品質低下を防止し、長寿命な熱交換器が得られる。
本発明の実施の形態1における熱交換器の構成の概略図である。 本発明の実施の形態1における水−冷媒用熱交換器周辺の概略を示す図である。 本発明の実施の形態1における脈動発生部の構成の概要を示す図である。 本発明の実施の形態1における脈動有無でのスケール付着量の実験結果である。 本発明の実施の形態1における最高水圧値とスケール付着量との相関図である。 本発明の実施の形態1におけるスケール除去運転時の印加パルスの概要図である。 本発明の実施の形態2におけるスケール除去運転時の印加パルスの概要図である。 本発明の実施の形態3におけるスケール除去運転時の印加パルスの概要図である。 本発明の実施の形態4におけるスケール除去運転時の印加パルスの概要図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1における熱交換器の構成の概略図である。本発明の熱交換器1は、空気−冷媒用熱交換器2と、空気−冷媒用熱交換器2に送風する送風機3と、冷媒を圧縮する圧縮機4と、水−冷媒用熱交換器5と、膨張弁などの減圧器6で構成されている。より具体的には、図示したように、空気−冷媒用熱交換器2、圧縮機4、水−冷媒用熱交換器5、減圧器6の順番で、それぞれ冷媒用流路7によって接続されている。冷媒用流路7内には、冷媒が循環している。冷媒の種類は様々あるが、例えば二酸化炭素(CO2)といった(自然)冷媒が充填されている。水−冷媒熱交換器5には、冷媒用流路7の他に被加熱水用流路8も接続されている。被加熱水は、ポンプ9によって被加熱水用流路8を通水させている。
図2は本発明の実施の形態1における水−冷媒用熱交換器周辺の概略を示す図である。図2に示すように、本実施の形態1では、給湯能力を大きくするため、複数の水−冷媒用熱交換器5を並列に配置させている。具体的には、水−冷媒用熱交換器5には、並列した5つの水−冷媒用熱交換器5a〜5eに被加熱水用流路8a〜8eを各々接続させている。脈動印加用流路12は、ポンプ9と付着検知部17の後に被加熱水用流路8から分岐させ、流路切替バルブ13a〜13eを介して被加熱水用流路8a〜8eに再接続させた。脈動発生部11は、脈動印加用流路12が被加熱水用流路8から分岐した後の流路に配置されている。逆止弁10a〜10eは、水−冷媒用熱交換器5a〜5eに流入する手前の被加熱水用流路8a〜8eにそれぞれ接続させている。
図3は本発明の実施の形態1における脈動発生部の構成の概要を示す図である。脈動発生部11は、図3に示すように、脈動印加用流路12にポンプ9aと逆止弁10fとが設置されている。コントロールボックス14は、脈動制御配線15と流路切替バルブ制御配線16を介してポンプ9aと流路切替バルブ13a〜13eに接続させた。
複数の熱交換器5に被加熱水を供給するポンプ9の後段に付着検知部17と、複数の熱交換器5に流入する被加熱水流路8に並列させた脈動印加用水流路12に、脈動発生手段とコントロールボックス14を備えた脈動発生部11一つと、脈動印加用水流路12が複数の熱交換器5も合流する手前にそれぞれ水流路切替バルブ13を備え、脈動発生部11内のコントロールボックス14で脈動発生手段と水流路切替バルブ13を制御する熱交換器である。
次に、本発明の実施の形態1における熱交換器1の動作について図1を参照しながら説明する。空気−冷媒用熱交換器2では、送風機3からの送風で大気の熱を吸収した冷媒が圧縮機4で圧縮される。圧縮され高温・高圧になった冷媒は、水−冷媒用熱交換器5の昇温部で伝熱面を介して被加熱水用流路8内の被加熱水と熱交換される。加熱された被加熱水は貯湯タンクに送られる。熱交換して温度が低下した冷媒は、減圧器6で減圧されて低圧になった後、再度、空気−冷媒用熱交換器2に送られる。これらの動作(冷熱サイクル)が熱交換器の運転中繰り返される。
ここで、スケール成分(硬度成分:炭酸カルシウム(CaCO3))を含む被加熱水中では、(1)式のような溶解平衡が保たれている。ところが、その水が加熱されると、炭酸ガス(CO2)の溶解度が下がり、溶存していた炭酸ガスが脱気されるため、(1)式で示した溶解平衡が右辺にずれ、スケール(炭酸カルシウム)が析出する。
Ca(HCO32 ⇔ CaCO3↓ + CO2↑ + H2O ・・・(1)
これより、水−冷媒用熱交換器5では、スケール成分を含む被加熱水が昇温部の伝熱面で加熱されると、その伝熱面からスケールが析出し付着していく。
昇温部の伝熱面にスケールが析出する理由について次に説明する。上述したように、スケール成分を含む水に熱などのエネルギーを加え、そのエネルギーがある閾値(臨界核生成エネルギー)を超えると、(1)式の溶解平衡がずれ、炭酸カルシウムが析出、すなわち結晶核が生成される。この結晶核は、液相と接触する面積が小さい方がエネルギー的に有利(安定)なため、固液界面、例えば異物や壁面があると、そこに接するようにまずは微小なスケール核が形成される。このようなメカニズムにより、水−冷媒用熱交換器5の昇温部にスケール核が形成され成長していくことでスケールが付着していく。
そこで、流路切替バルブ13a〜13eを切り替えることで、脈動発生部11を通過して水−冷媒用熱交換器5a〜5eに冷媒が流れる経路を限定する。例えば、流路切替バルブ13a〜13dを閉めて、流路切替バルブ13eのみを開くことで、水−冷媒用熱交換器5a〜5eの内、水−冷媒用熱交換器5eのみに脈動発生部11を通過した冷媒を流すことができる。この例では、一つの水−冷媒用熱交換器のみに流す例を示したが、同時に他の水−冷媒用熱交換器、例えば水−冷媒用熱交換器5aにも流すこともできる。すなわち、流路切替バルブ13の一部を開けて、残りの流路切替バルブ13は閉めることになる。もっとも、どれか一つの流路切替バルブ13を開けて、残りの流路切替バルブ13は閉めると、脈動発生部11による脈動の効果が最大になる。
このスケール付着のメカニズムに対して、本発明によれば、脈動発生部11から発生させた一つの脈動を確実に一つの水−冷媒用熱交換器5a〜5eに印加することで、脈動によるスケール除去効果を分散させることなく発揮できる運転方法を提供できる。また、均等の水流を順次、水−冷媒用熱交換器5a〜5eに印加することで、仮にスケール付着が起こった水−冷媒用熱交換器5a〜5eの内のいずれかの水−冷媒用熱交換器5a〜5eでは伝熱性能や流量が低下するため、自然とスケール付着が緩和する運転方法を提供できる。さらに、順次均等の脈動を印加しているため、水流の変化から水−冷媒用熱交換器5a〜5eの内、スケールが付着した水−冷媒用熱交換器5a〜5eがいずれであるかを検知し特定できるため、スケールが付着した水−冷媒用熱交換器5a〜5eに集中的に脈動を印加することで、付着したスケールを除去する運転方法を提供できる。
その原理について次に説明する。上述したように、スケール成分(硬度成分)を含む被加熱水を水−冷媒用熱交換器5a〜5eで昇温していくと、昇温部の伝熱面にまず微小な結晶核として形成される。ところが、スケール成分(硬度成分)を含む被加熱水を加熱しているため、伝熱面でのスケール核の発生を防止するのは非常に難しい。そこで、生成したスケール核を水流脈動による剪断応力で除去する方法を考えた。
水流を脈動させた時の最大剪断応力は、脈動させずに脈動印加時の最大流量で通水させた時の剪断応力より大きい。その脈動による剪断応力を脈動の回数分だけ与えることで、伝熱面に付着したスケールを一定流量で通水させる時よりも確実に除去できる。そして、一つの脈動による剪断応力を分散させることなく確実に複数の水−冷媒用熱交換器の内の一つに印加することでスケールを除去できる。また、均等の水流を順次複数の熱交換器に印加することで、仮にスケール付着が起こった熱交換器では伝熱性能や流量が低下するため、自然とスケールの付着を緩和することができる。さらに、順次均等の脈動を印加しているため、水流の変化からスケールが付着した熱交換器を検知し特定できるため、スケールが付着した熱交換器に集中的に脈動を印加することで、付着したスケールを除去できる。以上、上述した装置構成かつ脈動の運転方法を行うことで、給湯運転時に水−冷媒用熱交換器に付着したスケールを確実に除去できることを見出した。
本発明に使用する脈動発生部11は、図3に示すように、装置寿命の観点からポンプを用いるのが好ましいが、それに限定されるものではなく、ポンプを電磁弁に換えるなど脈動を発生させる機構が備わっていればよい。逆止弁10a〜10fは、必ずしも設置しなくてもよいが、脈動印加による水流の逆流を防ぎ急峻な脈動波形を得られるので設置したほうが好ましい。付着検知部17は、水流の変化を検知できるものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは流量計または水圧計がよく、両方設置してもよいが、少なくともどちらかが一方あればよい。
また、特開2010−133600のように、各水−冷媒用熱交換器の後段に水温を検知する部位が既存している場合は、付着検知部にも温度計を設置し、既存の温度計との温度差を利用してスケール付着を検知してもよい。水−冷媒用熱交換器5は、特開2010−133600で使用されている熱交換器だけではなく、様々な形状の熱交換器、例えば特開2008−249163、特開2005−003209、特開2008−075898、特開2004−085172や特開平6−2947で記載されているようなものでもよく、特別な構成である必要はない。
次に、本発明における実施の形態1の具体例を説明する。実施の形態1では、実機で使用している熱交換器を5つ並列に配置して使用した。付着検知部には、長野計器製水圧計GC61と横河製流量MODEL/AXF005Gを直列に設置した。なお、本実施の形態では、検証のため、付着検知部と水−冷媒用熱交換器5a〜5eの後段にTOP製K熱電対S1も各々設置した。被加熱水には、一般試薬で調製した模擬高硬度水(初期水質:硬度100mg−CaCO3/L、Mアルカリ度140mg−CaCO3/L、pH7.5)を被加熱水として用いた。その被加熱水200Lを給湯タンクに入れ、水−冷媒用熱交換器の被加熱水用流路にポンプで循環させた。水−冷媒用熱交換器で加熱された被加熱水は、水−冷媒用熱交換器を出た後に被加熱水用流路を冷却器で冷やしてから給湯タンクに返送した。
また、本実施の形態では、パルス型の脈動波形を5秒に1回1秒のタイミングで水−冷媒用熱交換器にそれぞれ印加した。その発生方法は、ポンプ9で調節したベース流量に、脈動発生部で発生させたパルス波形を合一させた。パルス型の脈動波形は、コントロールボックス14内のタイマーにてポンプ9aをOn/Offさせることで発生させた。逆流を防止し急峻なパルスを得るために、すなわち高い流量比(パルス流量最大到達点/ベース流量)と押し出し水圧を得るためにスウェジロック製逆止弁(型式SS−4CPA4−3)をそれぞれ6個、図2および図3に示す位置に設置した。ポンプは、アズワン製可変速耐薬ギアポンプ(型式AWT−40W)を用いた。
運転条件を次に示す。給湯タンクからの被加熱水の温度は25℃で、各水−冷媒用熱交換器を通り合一したときの出湯温度は80℃とした。なお、前述したように、水−冷媒用熱交換器を出湯した被加熱水は、冷却器で冷やしてから給湯タンクに返送後また循環させた。パルス脈動は、通常運転、すなわちスケール付着が検知されるまでは5秒に1回、各水−冷媒用熱交換器5a〜5eに順次印加されるように脈動発生部で制御した。パルス脈動は、ベース流量0.4L/min、流量比5(パルス流量最大到達点/ベース流量)となるように調整した。その時の付着検知部の最大水圧差(最大パルス印加時の値−ベース流量時の値)は0.06MPaであった。水−冷媒用熱交換器の被加熱水流路に付着したスケール量は、実験終了後に水−冷媒用熱交換器をそれぞれ取り外し、1mol/Lの塩酸を所定濃度に希釈させた水溶液で被加熱水用流路内を循環させ、付着したスケールを溶解させた。そして、その溶解した液中のカルシウムイオン量を分析した。カルシウムイオン量は、高速液体クロマトグラフィ分析装置を使って測定した。
図4は本発明の実施の形態1における脈動有無でのスケール付着量の実験結果であり、より具体的には、脈動有無における運転時間264時間後のスケール総付着量を示している。ここで、縦軸のスケール総付着量は、5つの水−冷媒用熱交換器の被加熱水用流路に付着していた総計である。脈動を印加したスケール総付着量は、脈動無時の約1/100以下であった。これより、5つの水−冷媒用熱交換器に順次脈動を印加することで付着したスケールを除去できた。運転時間480時間後、水−冷媒用熱交換器5dに印加する最大水圧差が0.06MPaから0.055MPaに、流量比が5から4.8になった。また、この時の出湯温度は80℃から78℃と低下していた。
図5は本発明の実施の形態1における最高水圧値とスケール付着量との相関図であり、より具体的には、事前の予備実験として、水−冷媒用熱交換器単体でのスケール付着量と水圧の相関を示している。これより、水−冷媒用熱交換器5dでは、スケールが付着していると検知された。また、水−冷媒用熱交換器5dでは、スケールが付着したことで、自然と出湯温度および流量が低下し、スケールの付着が緩和されていたことが確認できた。
図6は本発明の実施の形態1におけるスケール除去運転時の印加パルスの概要図である。水−冷媒用熱交換器5dにスケールの付着が検知されたことから、図6に示すように、水−冷媒用熱交換器5dにのみパルス脈動を連続して2パルス印加する除去運転に切り替えて給湯運転を続けた。その結果、約24時間後に水−冷媒用熱交換器5dの水圧が0.06MPa、流量比が5、出湯温度も80℃に戻り、他の水−冷媒用熱交換器とほぼ同じ値を示した。
以上のように、脈動発生部から発生させた一つの脈動を確実に一つの熱交換器に印加することで、脈動によるスケール除去効果を分散させることなく発揮できる運転方法を提供できた。また、均等の水流を順次熱交換器に印加することで、仮にスケール付着が起こった熱交換器では伝熱性能や流量が低下するため、自然とスケール付着が緩和する運転方法を提供できた。さらに、順次均等の脈動を印加しているため、水流の変化からスケールが付着した熱交換器を検知し特定できるため、スケールが付着した熱交換器に集中的に脈動を印加することで、付着したスケールを除去する運転方法を提供できた。これにより、給湯運転時に付着したスケールを除去できたことから、水−冷媒用熱交換器の品質低下を防止し長寿命な熱交換器を得ることができた。
また、本実施の形態における通常運転時の脈動条件は、これに限るものではなく、流量比は少なくとも2以上、好ましくは5以上がよく、脈動は少なくとも10秒以内に1回、好ましくは5秒に一回が良い。
さらに、例えば、特開2008−249163、特開2005−003209、特開2008−075898および特開2004−085172に記載されているような各種の水−冷媒用熱交換器や、特開平6−2947のようなガスボイラー式熱交換器でも、各熱交換器の前に脈動発生部と付着検知部を設置して、本実施の形態と同じような運転方法をすることで同様の効果が得られる。
複数の熱交換器5に流入する被加熱水流路8に並列させた脈動印加用水流路12に脈動発生部11一つと、各熱交換器5への合流点の手前にそれぞれ水流路切替バルブ13を備えた熱交換器1において、脈動発生部11から発生させた脈動の一つが熱交換器5の何れか一つに印加する運転方法である。また、この運転方法において、脈動発生部11から発生させた均等の水流を順次熱交換器5に印加することができる。さらに、水流の変化でスケールの付着を検知した熱交換器5に対し、脈動を集中的に印加することで、付着したスケールを除去することができる。熱交換器5毎にスケールの付着状態を検出するスケール付着検出装置を設けることで、脈動を集中的に印加することができる。
また、脈動発生部11から発生させた一つの脈動を確実に一つの熱交換器5に印加することで、脈動によるスケール除去効果を分散させることなく発揮できる。さらに、均等の水流を順次熱交換器5に印加することで、仮にスケール付着が起こった熱交換器5は伝熱性能や流量が低下するため、自然とスケールの付着が緩和される。しかも、順次均等の脈動を印加しているため、水流の変化からスケールが付着した熱交換器5を検知特定できる。また、スケールが付着した熱交換器5に対し集中的に脈動を印加することで、スケールを除去することができる。
さらに、水と冷媒とで熱交換をする複数の熱交換器5と、水を分岐して複数の熱交換5に流入する入流用流路(被加熱水用流路8)と、複数の熱交換から流出した水を合流する流出用流路(被加熱水用流路8)と、入流用流路(被加熱水用流路8)に並列され複数の熱交換5毎に開閉機構を備えて接続される脈動印加用流路12と、開閉機構の開閉で水による脈動を制御する制御手段(コントロールボックス14)とを備えた熱交換器1である。
また、水と冷媒とで熱交換をする複数の熱交換器5と、水を分岐して複数の熱交換器に流入する入流用流路(被加熱水用流路8)と、複数の熱交換器5から流出した水を合流する流出用流路(被加熱水用流路8)とを備えた熱交換器5を用いた熱交換器1の運転方法であって、熱交換器5は入流用流路(被加熱水用流路8)に並列され複数の熱交換5毎に開閉機構を備えて接続される脈動印加用水流路12を備えおり、開閉機構の開閉で水による脈動を制御する熱交換器の運転方法である。なお、開閉機構は、例えば、流路切替バルブ13である。
さらに、開閉機構を制御して複数の熱交換器の内一つを選択して脈動流を流入することができる。また、開閉機構を制御して複数の熱交換器5から順次選択して脈動流を流入することができる。さらに、開閉機構を制御して複数の熱交換器5の内、最もスケール付着が多い熱交換器5に脈動流を流入させることができる。
さらに、薬液を用いず、給湯運転時にスケール付着を除去することができるので、熱交換器の品質低下を防止し、長寿命な熱交換器が得られる。
実施の形態2.
図7は本発明の実施の形態2におけるスケール除去運転時の印加パルスの概要図である。図7より、本実施の形態では、スケール付着が検知された水−冷媒熱交換器5dに対して、通常時の2倍のパルス脈動を印加する除去運転以外は、実施の形態1と同様の構成および運転条件とした。その結果、約12時間後に水−冷媒用熱交換器5dの水圧が0.06MPaに戻り、実施の形態1と同様の結果が得られた。これより、給湯運転時にスケール付着を除去でき、品質の低下を防止し長寿命な熱交換器が得られた。なお、印加するパルスは通常時の少なくとも1倍以上であれば本実施の形態と同様の結果が得られる。
また、例えば、特開2008−249163、特開2005−003209、特開2008−075898および特開2004−085172に記載されているような各種の水−冷媒用熱交換器や、特開平6−2947のようなガスボイラー式熱交換器でも、各熱交換器の前に脈動発生部と付着検知部を設置して、本実施の形態と同じような運転方法をすることで同様の効果が得られる。
さらに、薬液を用いず、給湯運転時にスケール付着を除去することができるので、熱交換器の品質低下を防止し、長寿命な熱交換器が得られる。
実施の形態3.
図8は本発明の実施の形態3におけるスケール除去運転時の印加パルスの概要図であり、より具体的には、除去運転時の印加パルス脈動波形の概略図である。図8より、本実施の形態では、スケール付着が検知された水−冷媒熱交換器5dに対し、他の熱交換器と交互にパルス脈動を印加する除去運転以外は、実施の形態1と同様の構成および運転条件とした。その結果、約10時間後に水−冷媒用熱交換器5dの水圧が0.06MPaに戻り、実施の形態1と同様の結果が得られた。これより、給湯運転時にスケール付着を除去でき、品質の低下を防止し長寿命な熱交換器が得られた。
また、例えば、特開2008−249163、特開2005−003209、特開2008−075898および特開2004−085172に記載されているような各種の水−冷媒用熱交換器や、特開平6−2947のようなガスボイラー式熱交換器でも、各熱交換器の前に脈動発生部と付着検知部を設置して、本実施の形態と同じような運転方法をすることで同様の効果が得られる。
さらに、薬液を用いず、給湯運転時にスケール付着を除去することができるので、熱交換器の品質低下を防止し、長寿命な熱交換器が得られる。
実施の形態4.
図9は本発明の実施の形態4におけるスケール除去運転時の印加パルスの概要図である。図9より、本実施の形態では、スケール付着が検知された水−冷媒熱交換器5dに対し、他の熱交換器と交互に通常時の2倍のパルス脈動を印加し、かつ、他の熱交換器と交互にパルス脈動を印加する除去運転以外は、実施の形態1と同様の構成および運転条件とした。実施の形態2と実施の形態3とを組み合わせた運転方法である。その結果、約8時間後に水−冷媒用熱交換器5dの水圧が0.06MPaに戻り、実施の形態1と同様の結果が得られた。これより、給湯運転時にスケール付着を除去でき、品質の低下を防止し長寿命な熱交換器が得られた。なお、印加するパルスは通常時の少なくとも1倍以上であれば本実施の形態と同様の結果が得られる。
また、例えば、特開2008−249163、特開2005−003209、特開2008−075898および特開2004−085172に記載されているような各種の水−冷媒用熱交換器や、特開平6−2947のようなガスボイラー式熱交換器でも、各熱交換器の前に脈動発生部と付着検知部を設置して、本実施の形態と同じような運転方法をすることで同様の効果が得られる。
さらに、薬液を用いず、給湯運転時にスケール付着を除去することができるので、熱交換器の品質低下を防止し、長寿命な熱交換器が得られる。
1 熱交換器、2 空気−冷媒用熱交換器、3 送風機、4 圧縮機、5 水−冷媒用熱交換器、6 減圧器、7 冷媒用流路、8 被加熱水用流路、9 ポンプ、10 逆止弁、11 脈動発生部、12 脈動印加用流路、13 流路切替バルブ、14 コントロールボックス、15 脈動制御配線、16 流路切替バルブ制御配線、17 付着検知部。

Claims (5)

  1. 水と冷媒とで熱交換をする複数の熱交換器と、前記水を分岐して前記複数の熱交換器に流入する入流用流路と、前記複数の熱交換器から流出した前記水を合流する流出用流路とを備えた熱交換器を用いた熱交換器の運転方法であって、
    前記熱交換器は前記入流用流路に並列され前記複数の熱交換器毎に開閉機構を備えて接続される脈動印加用流路を備え
    前記開閉機構の開閉で前記水による脈動を制御することを特徴とする熱交換器の運転方法。
  2. 開閉機構を制御して複数の熱交換器の内一つを選択して脈動流を流入することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の運転方法。
  3. 開閉機構を制御して複数の熱交換器から順次選択して脈動流を流入することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱交換器の運転方法。
  4. 開閉機構を制御して複数の熱交換器の内、最もスケール付着が多い熱交換器に脈動流を流入することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の運転方法。
  5. 水と冷媒とで熱交換をする複数の熱交換器と、
    前記水を分岐して前記複数の熱交換器に流入する入流用流路と、
    前記複数の熱交換器から流出した前記水を合流する流出用流路と、
    前記入流用流路に並列され前記複数の熱交換器毎に開閉機構を備えて接続される脈動印加用流路と、
    前記開閉機構の開閉で前記水による脈動を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする熱交換器。
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