本発明の実施形態を以下に説明する。
まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1(以下、パチンコ遊技機1と略称する)を正面からみた正面図であり、図2はパチンコ機を示す背面図である。なお、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ機の前面側、奥側を背面側として説明する。なお、本実施形態におけるパチンコ機の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
図1は、本発明が適用されたパチンコ機を示す正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(図2参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101(図2参照)と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。なお、本実施形態では、下扉枠103は前面枠101に対して一側を中心に開閉可能に設けられているが、開放可能に設けられていなくてもよく、例えばネジ等により前面枠101の前面に止着されていてもよい。
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が上面に形成された上皿部3aが、パチンコ遊技機1の前方(パチンコ遊技機1の前面方向)に向けて突設されている。また、この上皿部3aの下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿部4a(突出部)が、パチンコ遊技機1の前方(パチンコ遊技機1の前面方向)に向けて突設されている。その右側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
下扉枠103の前面左右側には、後述する左右一対のスピーカ27a、27bが配設されているとともに、これらスピーカ27a、27bの間には、後述する送風ファン515からの風が送出される送風口352が形成されている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。また、遊技盤6の所定箇所には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8(図3参照)が設けられている。変動表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。
変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行う。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)によって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様及び変動表示の表示結果が変動表示装置9と比べて見づらいため、遊技者は主として変動表示装置9の方に注目する。
特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に当りの種類を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、変動表示装置9は、液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行う。
なお、本実施形態においては、変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9は、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、変動表示装置9は、回転ドラム式表示装置等の機械式の表示装置であってもよい。
変動表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15a及び第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13、13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13、13が設けられているため、可動片13、13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13、13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
なお、始動入賞装置15は、可動片13、13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであってもよく、可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであってもよい。
始動入賞装置15の可動片13、13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13、13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13、13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
遊技盤6の所定箇所には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18(図3参照)が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、後述する大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入ったパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21a(図3参照)も設けられている。
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施の形態では、図示略の左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13、13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41(図3参照)が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。なお、第1始動口15a、第2始動口15b、及び、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25L、25Rが設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、エラー音や演出用の効果音(演出音)を発する2つのスピーカ27L、27Rが設けられ、左右下部にも、同様にエラー音や演出用の効果音を発する2つのスピーカ27a、27bが設けられている。
また、スピーカ27aの上部位置には、スピーカ27L、27R、27a、27bから出力される音の音量を変更する際に遊技者が操作する遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1と、後述する装飾LED25a、ステージLED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、賞球LED51等の各LEDが発する光の輝度を変更する際に遊技者が操作する遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2と、イアホンを装着可能なイアホン端子装着部62とが設けられており、これら遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1、遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2とイアホン端子装着部62等が、下扉枠103の内部に装着される基板60に実装されている。
この実施の形態では、遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1及び遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2を、前方に突出して設けられた上皿部3a下方の、やや窪んだ位置に設けることで、遊技中に不必要に遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1及び遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2が作動して音量及び輝度が変更されてしまうことを防止できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1及び遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2を、例えば、上皿部3aの上面部等に設けるようにしてもよい。
遊技領域7の外周には、図示略の回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28L及び右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。更に、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28b及び右枠LED28c及び装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。なお、本実施形態では賞球LED51及び球切れLED52を左枠LED28bや右枠LED28cとは個別に設けていたが、左枠LED28bや右枠LED28cの発光態様を異ならせることにより賞球払出中や補給球が切れた旨を報知するようにしてもよい。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530内の各LED等の各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27L、27R、27a、27bからの音発生制御(音制御)は、後述する音声出力基板70によって行われる。
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示略の打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球誘導レール(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行われるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中にパチンコ球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行われる。継続権の発生は、例えば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。なお、V入賞領域を設けずに、各ラウンドにおいて無条件で継続権が発生するように制御してもよい。つまり、大当りとなることは、上記したように多くのパチンコ玉を獲得できるという価値を有する権利が遊技者に付与されることであり、これら大当りも本発明における遊技価値に該当する。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとって更に有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、及び、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。更に、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(例えば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄及び飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行われるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。例えば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、例えば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、例えば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。例えば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄及び飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行われる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄及び飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、例えば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、及び、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左、中、右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果及び飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行われていること、及び、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行われている状態(例えば、変動表示装置9における左、中、右の変動表示領域のうち左、右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態)、及び、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、変動表示装置9における左、中、右の表示領域のすべてに変動表示が行われており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨ことを報知する大当り予告演出が行われる場合がある。なお、この大当り予告演出の種類や内容に関しては後述することとする。
なお、これらリーチ演出や大当り予告演出は、いずれも、所定の遊技価値である大当りを遊技者に付与するか否かの報知に関する演出に該当する。
この実施の形態の場合は、大当りとして、通常大当り及び確変大当りというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
次に、パチンコ遊技機1の背面(裏面)の構造について図2を参照して説明する。図2は、パチンコ機を示す背面図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示省略)、及び、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
更に、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12V及びDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910や発射制御基板91A(図38参照)が設けられている。電源基板910は、発射制御基板91Aの背面側に取り付けられ、その背面側に払出制御基板37が重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31及び各電気部品制御基板(演出制御基板80及び払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。更に、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27L、27R、27a、27b等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板(図示略)が設置されている。ターミナル基板には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子及び球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
なお、前記球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)及び球貸し情報(球貸し個数信号)は、主基板31から情報端子基板36を介して外部に出力するようにしてもよい。すなわち、このようにターミナル基板(図示略)に設けられた球切れ用端子、賞球用端子、球貸し用端子を情報端子基板36に設けることで、配線や基板の取り付け作業等を容易にすることができる。また、ターミナル基板及び情報端子基板36それぞれに設けられる各端子を1つの基板にまとめて搭載してもよく、このようにすることで製造コストを削減することができる。
図示略の遊技機設置島から供給される球を貯留可能な球タンク38に貯留されたパチンコ球は、タンクレールを通り、カーブ樋を経てケースカバーで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方の球経路761には、通路内に球がない旨を検出する遊技媒体切れ検出手段としての球切れ検出スイッチ167が設けられている。球切れ検出スイッチ167が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れ検出スイッチ167はパチンコ球通路内のパチンコ球の有無を検出するスイッチである。球切れ検出スイッチ167がパチンコ球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対してパチンコ球の補給が行われる。
入賞に基づく景品としてのパチンコ球や球貸し要求に基づくパチンコ球が多数払出されて上皿3が満杯になると、パチンコ球は後述する溢れ球通路を経て下皿4に導かれる。更にパチンコ球が払出されると、スイッチ片(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19(図示略)を押圧して、当該満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。なお、満タンスイッチ19がオンした状態において、球払出装置の動作及び打球発射装置の駆動は必ずしも停止させなくてもよいし、あるいはオンした時点から所定時間経過後に停止させるようにしてもよい。
変動表示制御ユニット49の上部位置には、図2に示すように、演出制御基板80上に実装された作業者音量・輝度設定部83が変動表示制御ユニット49の表面に露出することで遊技場の関係者(作業者)が操作可能に設けられている。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、中継基板77、及び、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aからの信号の他、電源断信号及びクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力ドライバ回路58と、始動入賞装置15の可動片13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、及び、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって各種の情報信号をホール管理コンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。情報出力回路53から出力された情報信号は、情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。
なお、本実施形態では満タンスイッチ19の検出信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。
情報出力回路53から出力される情報信号としては、大当り1情報信号、大当り2情報信号、大当り3情報信号、高確率情報信号、時短情報信号、第1始動情報信号、第2始動情報信号、第1入賞数異常信号、第2入賞数異常信号、第1ベース異常信号、第2ベース異常信号、及び、始動口入賞異常信号が含まれる。
大当り1情報信号、大当り2情報信号及び大当り3情報信号のそれぞれは、確変大当り、非確変大当り等の大当りの種類を特定した大当りの発生を示す信号である。高確率情報信号は、確率変動が生じたことを示す信号である。時短情報信号は、時短状態が生じたことを示す信号である。第1始動情報信号は、第1始動口15aへの入賞により特別図柄及び飾り図柄の変動表示開始に利用されるパチンコ球が検出されたことを示す信号である。第2始動情報信号は、第2始動口15bへの入賞により特別図柄及び飾り図柄の変動表示開始に利用されるパチンコ球が検出されたことを示す信号である。
第1入賞数異常信号は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、入賞数異常状態または第1入賞数異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。第2入賞数異常信号は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値よりも大きい第2入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、入賞数異常状態または第2入賞数異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。
第1ベース異常信号は、前述の異常監視対象入賞口を対象として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中でのこれら入賞口への入賞数に基づく賞球数の合計値(以下、ベースという)が第1のベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、ベース異常状態または第1ベース異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。第2ベース異常信号は、前述の異常監視対象入賞口を対象として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中でのこれら入賞口への入賞数に基づく賞球数の合計値(ベース)が第1のベース異常判定値よりも大きい第2のベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、ベース異常状態または第2ベース異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。
始動口入賞異常信号は、第2始動口15bを対象として、可動片13が閉状態であるときにパチンコ球が入賞したことに基づく異常状態が生じたときに、そのような異常状態が生じた旨を示す信号である。
なお、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、パチンコ球を検出できる遊技媒体検出手段(この例ではパチンコ球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aへのパチンコ球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。
なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行われるものであれば、通過ゲートへパチンコ球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。また、V入賞領域に入賞したパチンコ球がカウントスイッチ23でも検出される。よって、大入賞口に入賞したパチンコ球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。また、V入賞領域に入賞したパチンコ球はV入賞スイッチのみで検出されるようにし、大入賞口に入賞したパチンコ球数は、V入賞スイッチによる検出数とカウントスイッチ23による検出数との和になるようにしてもよい。また、V入賞領域を設けず、最終ラウンド以外のラウンドでは、常に継続権が発生するようにしてもよい。また、V入賞領域を設け、1ラウンド目は無条件(V入賞領域への入賞によらず)継続権が発生し、2ラウンド目以降においてV入賞領域への入賞により継続権が発生するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、及びプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、及び、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54及びI/Oポート57は、外付けであっても内蔵されていてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック
回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、及び、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄及び飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。なお、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄及び飾り図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いてもよい。
乱数回路は、ユーザーによる数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定
機能、及び、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、及び、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能により、乱数回路は、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路が更新する数値データの初期値を設定する機能を有しており、例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路が更新する数値データの初期値として設定する。これにより、乱数回路が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。また、初期値を設定するときに、IDナンバを用いた所定の演算を行うことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバを見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができる。そのため、無線信号を用いた取込み信号をパチンコ遊技機1に対して発生させるなどの行為によって、大当り状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことをより確実に防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック
信号を2の7乗(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56及び各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路を搭載する。第1の乱数回路は、12ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路は、12ビットで発生できる範囲(すなわち、1から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、第2の乱数回路は、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路は、16ビットで発生できる範囲(すなわち、1から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。2つの乱数回路は、予め選択されたどちらか一方の回路が乱数の発生に用いられる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ156が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1つの乱数回
路を内蔵してもよく、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施の形態では、12ビット乱数回路及び16ビット乱数回路を包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路と16ビット乱数回路とのうちいずれかを指す場合に、乱数回路という。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156及び払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156及び払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156及び払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156及び払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
更に、払出制御基板37を経由して、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力ドライバ回路58に入力される。電源断信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAM55の内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力ドライバ回路58に入力される。クリア信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
なお、本実施形態では、電源断信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。また、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを検出する電断検出回路(図示略)を、主基板31に設けてもよいし、主基板31及び払出制御基板37の双方に設けてもよい。あるいは、電源基板910に設け、電源断信号を主基板31及び払出制御基板37の双方に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、大当り遊技状態以外の状態においてカウントスイッチ23により球が検出されたとき、すなわち、例えば大当り遊技状態以外の状態において特別可変入賞球装置20の開閉板が不正器具等により遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)とされてカウントスイッチ23により球が検出されたときに、エラーが発生したとして、エラー情報を出力する旨を示す演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。
また、クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ156が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
なお、本実施形態では、電源断信号が払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電源断信号が払出制御基板37を経由することなく、主基板31にのみ直接入力されることでバックアップデータをRAM55に保存するようにしてもよい。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載するシリアル出力回路78は、シフトレジスタなどによって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンドをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。なお、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10及び普通図柄保留記憶表示器41には、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられ、中継基板77からの制御信号をパラレルデータに変換して、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
また、本実施形態では、CPU56が出力する制御信号をシリアル出力回路78にてシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力するようになっていたが、これら特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41からなる各表示器を主基板31に中継基板等を介すことなく直接接続し、CPU56が出力する制御信号をパラレルデータのまま各表示器8、18、10、41に出力するようにしてもよい。このようにすることで、外部から信号が入ることがないので、正確な表示を行うことができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、及び、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での演出表示の表示制御や効果音(演出音)の出力制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをシリアルデータ方式として受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御やスピーカ27L、27R、27a、27bからの音出力制御を行う。なお、演出制御手段が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをパラレルデータ方式として受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御を行うようにしてもよい。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤6に設けられているステージLED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDの表示制御を行う。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、演出制御手段が出力する各LEDを表示制御するための制御信号をパラレルデータからシリアルデータに変換するシリアル出力回路253が搭載されている。また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して演出制御手段に出力するシリアル入力回路254が搭載されている。したがって、演出制御手段は、シリアル出力回路253を介して点灯指示となる制御信号をシリアルデータ方式として出力することによって、各LEDの表示制御を行う。
また、遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98、99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての天ランプモジュール基板542、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、枠ボタン基板509が設けられている。これら各枠側IC基板542、473b、473c、508、509は、中継基板88、89を介して演出制御基板80と接続される。
なお、図3に示すように、演出制御基板80、中継基板88及び中継基板89は、バス型に1系統の配線ルートで接続される。図4は、中継基板77及び演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80と音声出力基板70とを設ける場合を示すが、これらに加えて、LEDドライバ基板を設けてもよいし、逆に、音声出力基板70を統合して演出制御に関して演出制御基板80のみを設けるようにしてもよい。なお、LEDドライバ基板及び音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85、シリアル出力回路253、シリアル入力回路254、クロック信号出力部256及び入力取込信号出力部257を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。なお、RAM85は外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、シリアル入力回路260および入力ポート261を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路260は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU86は、演出制御コマンドに基づいて、画像音声生成用LSI(Large Scale Integration)262に変動表示装置9に表示する画像生成や、スピーカ27L、27R、27a、27bから出力する効果音(演出音)の生成を行わせる。また、演出制御用CPU86は、遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1が押下されたことを示す操作信号に基づいて、スピーカ27L、27R、27a、27bから出力する効果音の音量を変更するとともに、遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2が操作されたことを示す操作信号に基づいて、装飾LED25a、ステージLED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、賞球LED51等の各LEDが発する光の輝度を変更する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して、変動表示装置9に表示される画像を生成して表示制御を行うVDP部263や、スピーカ27L、27R、27a、27bから出力される効果音やエラー音や調整音を生成して音出力制御を行うサウンド部264とが1つのICに統合された画像音声生成用LSI262が演出制御基板80に搭載されている。このように、VDP部263やサウンド部264が統合された画像音声生成用LSI262を用いることは、演出制御基板80を小型化できることから好ましいが、これらVDP部263とサウンド部264として個別のICを使用するようにしてもよい。
画像音声生成用LSI262のVDP部263は、演出制御用マイクロコンピュータ81とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP部263は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して変動表示装置9に出力する。
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP部263に出力する。CGROMは、変動表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、及び背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP部263は、演出制御用CPU86の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP部263は、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また、演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って画像音声生成用LSI262のサウンド部264に対して音番号データを出力する。サウンド部264は、音量データ及び音番号データが入力されると、該入力された音番号データに応じた各種の音(音声、効果音、エラー音、調整用音等)を、スピーカ27L、27R、27a、27bのそれぞれに対応するチャンネル毎に生成して、音声出力基板70に出力する。
サウンド部264には、図4に示すように、サウンドデータROM265が接続されており、該サウンドデータROM265には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、サウンド部264内には、各チャンネル毎の音の遅延時間を異ならせることで、音像の定位位置を、パチンコ機2の横方向となるX軸方向と、パチンコ機2の縦方向となるY軸方向とに変化させるパン制御が可能なパンモジュール部を有しており、これらパンモジュール部に対して、演出制御用CPU86から送信される、音像の定位位置の変化を開始するX−Y座標と、変化を終了するX−Y座標と、変化時間からなるパラメータデータを与えることで、該パラメータデータに基づいて、音像の定位位置が変化した各チャンネルの音が生成される。なお、変化時間としては、例えば、演出制御用CPU86が次のパラメータデータを出力するまでの時間が設定されることで、複数のパラメータデータによる継続した音像の定位位置の変化が実施される。なお、これらX−Y座標は、演出表示装置9の表示上のX−Y座標との対応位置関係が予め決定されている。
また、イアホン端子装着部62にイアホンが装着されている場合には、スピーカ27Lとスピーカ27aのチャンネル音がミキシングされて遊技者の左耳用の音として出力され、スピーカ27Rとスピーカ27aのチャンネル音がミキシングされて遊技者の右耳用の音として出力されることで、Y座標の音像の定位位置の移動効果は低くなるが、X座標の音像の定位位置の移動効果は維持される。
音声出力基板70には、図4に示すように、各スピーカ27L、27R、27a、27bから出力する音の音量を、遊技場の作業者が作業者音量・輝度設定部83にて設定した音量あるいは、遊技場の作業者が作業者音量・輝度設定部83にて設定した範囲内で遊技者が変更した音量に増幅するデジタルアンプ等からなるSP(スピーカ)増幅部73、イアホン端子装着部62から出力する音の音量を、遊技場が作業者音量・輝度設定部83にて設定した音量あるいは、遊技場の作業者が作業者音量・輝度設定部83にて設定した音量範囲内で遊技者が変更した音量に増幅するデジタルアンプ等からなるIH(イアホン)増幅部72、音の出力経路を、スピーカ側とするかイアホン端子装着部62側とするか、あるいは双方とするかを、画像音声生成用LSI262を介して演出制御用CPU86から送信される出力経路指示により切り替える出力切替部71が設けられている。
これら出力経路指示としては、イアホン端子装着部62にイアホンが装着されている場合には、音の出力経路をイアホン側のみとする出力経路指示が出力され、イアホン端子装着部62にイアホンが装着されていない場合には、音の出力経路をスピーカ側のみとする出力経路指示が出力される。
なお、IH(イアホン)増幅部72にて増幅された音信号が出力されるイアホン端子装着部62が実装されている基板60には、図4に示すように、前述した中継基板77に実装されている単方向性回路74と同じく、イアホン端子装着部62側から音声出力基板70側への信号の入力を阻止するための単方向性回路からなる入力規制部63が実装され、該入力規制部63を介してイアホン端子装着部62と音声出力基板70(IH増幅部72)とが接続されており、これらイアホン端子装着部62からパチンコ機2を誤動作させるような不正な信号が入力されてしまうことを防止できるようになっている。
演出制御用CPU86は、図4に示すように、演出制御基板80に実装された本発明における指定位置特定用マイクロプロセッサである座標特定用DSP(デジタルシグナルプロセッサ)266に接続されており、座標特定用DSP266にて特定された操作レバー600の操作にて遊技者に指定された位置を特定可能な指定位置特定情報となる座標データが該座標特定用DSP266から入力される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1、遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2及び作業者音量・輝度設定部83に接続されている。演出制御用CPU86は、遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1が遊技者により操作されたことを示す操作信号と、遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2が遊技者により操作されたことを示す操作信号と、遊技場の作業者が作業者音量・輝度設定部83を操作したことを示す操作信号が入力される。
本実施の形態における作業者音量・輝度設定部83を図8に示す。作業者音量・輝度設定部83は、図7(a)及び図7(b)に示すように、スイッチ位置が0〜Fの16段階の何れかとなるロータリースイッチである。遊技場の関係者(作業者)が作業者音量・輝度設定部83を回転させて外周突起部83−1を0〜Fの何れかのスイッチ位置とすることで、スイッチ位置を示す操作信号が演出制御用マイクロコンピュータ81に入力される。演出制御用マイクロコンピュータ81は、スイッチ位置に応じて上限の音量及び遊技者による音量及び輝度の調整の可否を示す設定データを生成する。
図8(a)は、作業者音量・輝度設定部83であるロータリースイッチのスイッチ位置と機能との対応を示す図である。図8(a)に示すように、スイッチ位置が0〜5の場合、0から5に変化するに従って作業者が設定する上限音量が大きくなり、更に、遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1及び遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2の操作が有効となって遊技者による音量及び輝度の調整が可能となる。また、スイッチ位置が6〜Bの場合、6からBに変化するに従って作業者が設定する上限音量が大きくなり、更に、遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1及び遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2の操作が無効となって遊技者による音量及び輝度の調整が不能となる。
スイッチ位置C、Dには対応する機能は用意されていない。スイッチ位置Eは、例えば、飾り図柄表示装置9に特殊設定に関する表示を行わせる機能に対応する。特殊設定は、例えば図8(b)に示すように、遊技者の遊技記録等を可能とするパワパチについて遊技者によるカスタマイズを開放すること、パワパチの設定を無効とすること、電源断の際の遊技履歴等のバックアップを無効とすること、バックアップに関する情報を飾り図柄表示装置9に表示させること等である。特殊設定は、例えば飾り図柄表示装置9にパスワード入力画面が表示され、作業者がパスワードを入力することにより起動する。また、スイッチ位置Fは、遊技場(ホール)向けの設定に関する表示を行わせる機能に対応する。ホール向け設定は、例えば図8(c)に示すように、パチンコ遊技機1の消費電力を抑制するモード(節電モード)のオンオフ、パチンコ遊技機1の日付設定等である。ホール向け設定は、例えば電源投入時に図示略のレバーを3回操作することで起動し、飾り図柄表示装置9に設定画面が表示され、作業者がその設定画面において各種設定の操作を行うことで実行される。節電モードがオンである場合、演出制御用マイクロコンピュータ81は、作業者及び遊技者によって設定された音量及び輝度よりも更に低い音量及び輝度で演出制御を行ってもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出の実行に際して、一部の演出手段を用いない、例えばリーチ演出中において外枠100に設けられたLEDを点灯させないように制御してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、所定の遊技状態において演出を実行しない、例えば、遊技者が不在の際に実行される客待ちデモンストレーションの状態の場合に、全てのLEDを消灯し、変動表示装置9の表示をオフとしてもよい。
なお、作業者音量・輝度設定部83は、図7(a)及び図7(b)に示すようなロータリースイッチの構造に限定されず、例えば、例えば、図7(c)に示すように、直線上に配置されたスイッチ位置0〜Fに突起83−2を移動させる構造や、図7(c)に示すような増加ボタン83−3及び減少ボタン83−4の操作によってスイッチ位置0〜Fを設定可能とする構造でもよい。なお、増加ボタン83−3及び減少ボタン83−4を設けてスイッチ位置を設定可能とする場合には、作業者がスイッチ位置を確認することができるように、7セグメントLED等による確認用の表示手段を設けることが望ましい。
また、作業者音量・輝度設定部83により各音量を変更した場合には、後述する遊技者による音量変更と同様に、変更した音量の調整音がスピーカ27L、27R、27a、27b又はイアホン端子装着部62から出力されることで、作業者が直接、耳で聞いて確認しなから設定できるようになっている。
作業者音量・輝度設定部83により、上限の音量及び遊技者による音量及び輝度の調整の可否が設定されることにより、その設定データは、演出制御用マイクロコンピュータ81がアクセス可能なように演出制御基板80に実装されたフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいは、バックップ電源によりバックアップされるRAM85内のバックアップ記憶領域に格納され、電源断が発生した場合にも消去(初期化)されない。なお、設定データは、通常時にはバックアップ記憶領域以外の所定の記憶領域に記憶され、電源断の検出によるバックアップ処理おいて、該記憶領域に記憶された設定データがバックアップ記憶領域にバックアップデータとして記憶される場合もある。これにより、パチンコ遊技機1において電源断が発生しても、その後の電源投入時に、設定データは、演出制御用マイクロコンピュータ81に読み込まれ、音量及び輝度が調整される。一方、後述する遊技者により設定されてRAM85の所定領域等に格納されるスピーカ音量及びLEDの輝度のデータは、電源断が発生した場合には消去(初期化)される。なお、パチンコ遊技機1の電源投入による初期設定時において、演出制御用マイクロコンピュータ81は、スイッチ位置を確認し、そのスイッチ位置に応じた設定データを生成してもよい。この場合、電源断時と電源投入時とでスイッチ位置が異なっていなければ、間接的に設定データが保持されることになり、設定データは、電源断時に格納されなくてもよい。更に、パチンコ遊技機1の電源投入による初期設定時において設定データが生成される場合、遊技制御実行中には基本的にスイッチ位置が変更されることはないため、演出制御用マイクロコンピュータ81は、スイッチ位置を確認せず、設定データの更新を行わない。このため、スイッチ位置の確認の処理を実行する必要がなく処理が簡略化される。但し、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御実行中にもスイッチ位置を確認し、設定データを随時更新するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU86は、シリアル出力回路253を介してLEDを駆動する信号を出力する。シリアル出力回路253は、入力したLEDを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板88に出力する。
また、クロック信号出力部256は、クロック信号を中継基板88に出力する。クロック信号出力部256からのクロック信号は、中継基板88を介して図示略の各ICやDSPに供給される。これにより、各ICやDSPに共通のクロック信号が供給されることになる。また、入力取込信号出力部257は、演出制御用CPU86の指示に従って、中継基板88を介して、操作台基板508、509に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。操作台基板508に搭載された入力ICは、演出制御用マイクロコンピュータ81からの入力取込信号が入力されると、レバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513、イアホン装着部62内のイアホン装着スイッチ(図示略)の検出信号や、バイブレータ514内の図示略の振動モータや風モータの駆動フィードバック信号や励磁相フィードバック信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板88を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に出力する。同様に、枠ボタン基板509に搭載された図示略の入力ICも、入力取込信号出力部257から出力される入力取込信号が入力されると、ボタンスイッチ516検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板89を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に出力する。
次に、下扉枠103の構造を、図1、図5及び図6に基づいて説明する。図5は、図1のA−A断面図である。図6は、図5のB−B断面図である。図5における左側及び図6における下側がパチンコ機の前面側である。
パチンコ遊技機1の本体前面下部を構成する下扉枠103の前面上部には、左右方向に延びる上皿3が上面に凹設された上皿部3aが前方に向けて突設されているとともに、前面下部には、下皿4が上面に凹設された左右方向に延びる下皿部4aが前方に向けて突設されている。これら上皿部3aと下皿部4aとは上下に離間して配置されており、これら上皿部3aと下皿部4aとの間には、上下方向に延びる操作レバー600が設けられている。
上皿部3aの上面には、パチンコ球を貯留可能な上向きに開口する上皿3が左右方向に向けて凹設されているとともに、左右方向の中央前部には、遊技者により押圧操作が可能な操作ボタン516が上面に設けられ、内蔵されるボタンスイッチ516a(図3参照)にて操作が検出されるようになっている。
上皿部3aの下面における規制用開口363の直下には、操作レバー600の先端(他端)が挿通される挿通口364が対応して形成されている。挿通口364は、規制用開口363よりも若干大きく形成されており、グリップストッパピン615には直接当接しないように設けられている。
上皿部3aと下皿部4aとの間には、前後幅寸法が上皿部3aや下皿部4aよりも短寸の内部空間が形成され、該内部空間に送風ファン515やスピーカ27a、27b等が配設されるとともに、その左右方向の中央前方位置に操作レバー600が配置されている。
送風口352は、上皿部3aと下皿部4aとの間における左右方向の中央部に形成されている。送風口352は、複数の横長スリットにて形成され、これら各スリットにはルーバー(図示略)及び針金等の進入を防止するネット等が設けられている。
本実施形態の操作レバー600は、例えば後述する大当り予告演出等の演出が実行されているときや、遊技履歴の閲覧や各種設定操作を行う場合等において、変動表示装置9に表示されるキャラクタやカーソル等の画像等の操作対象部を移動させる操作を行う場合に使用される。
上皿部3aと下皿部4aとの間に、遊技者により操作可能に設けられる操作レバー60
0は、図5に示すように、一端側が下皿部4aに軸支され、他端側が多軸方向(本実施形態では4軸方向)に揺動自在とされた所謂ジョイスティックである。具体的には、操作レバー600は、金属製のグリップシャフト601が立設されるジョイスティックユニット602が下面に取り付けられるグリップベース603と、左右一対のグリップ部材604a、604bからなるグリップ604と、から構成される。
グリップシャフト601は、金属製の棒状骨材として構成され、特に詳細な図示はしないが、その基端(下端)がジョイスティックユニット602の上面に回動自在に軸承されており、これによりグリップシャフト601が多軸方向(本実施形態では、前・後・左・右・斜め前左・斜め前右・斜め後左・斜め後右の8方向)に揺動自在とされているとともに、いずれの方向にも外力が加わっていない状態において、略垂直方向を向く起立姿勢に保持するための姿勢保持機構(例えばバネ等によりグリップシャフト601を鉛直下方に付勢して起立姿勢に保持する等)が設けられている(図示略)。
グリップ部材604a、604bは、合成樹脂材等により互いの対向面が開口して形成され、グリップシャフト601を左右側から挟持するように取り付けられる。具体的には、左側のグリップ部材604aは、グリップシャフト601の上部に右側方から挿通されるネジ605aにより取り付けられ、右側のグリップ部材604bは、該グリップ部材604bの右側方からグリップシャフト601に螺入されるネジ605bにより取り付けられる。また、左側のグリップ部材604aの左側方からグリップシャフト601を挿通して右側のグリップ部材604bに螺入されるネジ605cにより、左右のグリップ部材604a、604bとグリップシャフト601とが一体的に固定されるようになっている。また、これらグリップ部材604a、604bの下部に設けられるネジ605a〜605cは、背面側から取り付けられるグリップカバー606により被覆されるようになっている。
互いに一体化されたグリップ部材604a、604bの前面側には、前面に複数のLEDが配設されたグリップ基板608が前面側から取り付けられるグリップ基板押え607が取り付けられ、更にその前面側には、グリップインナーレンズ609及びグリップレンズ610と、グリップ604の本体前面を装飾するグリップメッキ611が取り付けられる。グリップ基板608、グリップインナーレンズ609及びグリップレンズ610は、グリップメッキ611の背面側にグリップ基板押え607を3つのネジ612により取り付けることにより、グリップメッキ611とグリップ基板押え607とにより挟持された状態で取り付けられる。
グリップ604の本体内部には、グリップ604の本体を振動させるためのバイブレータ514が設けられる。バイブレータ514は、グリップ604の本体を振動させる。バイブレータ514の上方には、グリップトリガー512が、その上部に設けられる左右方向を向く揺動軸512bを中心として揺動自在に設けられている。グリップトリガー512は、トリガートーションバネ512cにより押圧操作部がグリップ604の背面側に常時突出するように付勢された状態で配設され、図7に示すように、グリップ604を把持した手の人差し指や中指等をかけられるようになっており、トリガートーションバネ512cの付勢力に抗してグリップトリガー512をグリップ604の本体側に引くことで、その操作がトリガースイッチ512aにより検出されるようになっている。
なお、特に図示はしないが、グリップ604の本体内部には、該グリップ604の本体に手指が接触していることを検出するためのタッチセンサ513(図3参照)が設けられている。
グリップ部材604aの上端部には、金属材からなる上下方向を向くグリップストッパピン615の下部が嵌合されているとともに、その上端部には、金属板からなるグリップトップ617が複数のネジ619により止着されている。グリップトップ617の略中央位置には挿通穴618が形成されており、グリップ604の上端部に取り付けた状態において、グリップストッパピン615が挿通穴618を挿通してグリップトップ617の上面よりも上方に突出するようになっている(図5参照)。
ジョイスティックユニット602の上面には、上下方向を向くグリップシャフト601が多軸方向(本実施形態では、前・後・左・右・斜め前左・斜め前右・斜め後左・斜め後右の8方向)に揺動自在に軸支(連結)されており、グリップシャフト601の基部に環装されたコイルバネ625により、いずれの方向にも外力が加わっていない状態において略垂直方向を向く起立姿勢に保持されている。また、周囲にはグリップシャフト601の傾倒方向を検出するレバースイッチ510a〜510dが配設されている。
ジョイスティックユニット602の下面には、水平板部620aと該水平板部620aの後端から上方に屈曲される垂直板部620bとからなる側面視L字形のグリップ補強板金620の水平板部620aがネジ621により止着される。このようにジョイスティックユニット602とグリップベース603とグリップ補強板金620とから構成されるグリップユニットは、垂直板部620bを後述する下扉枠103の上皿本体の前面に止着するとともに、グリップベース603の左右側に突設された取付片603a、603aを後述する下皿部4aに下方から止着することにより固定される。
グリップ604の上端部に突設された上向きのグリップストッパピン615の先端は、図5に示すように、上皿部3aの下面に形成された挿通口364を挿通して、その直上に位置する規制用開口363内に遊挿されて、操作レバー600が軸部(図示略)を中心として所定の方向に揺動したときに、グリップストッパピン615の周面が規制用開口363の内縁に当接するようになっている。つまり、操作レバー600の揺動範囲は、規制用開口363の内縁との当接により規制される。そしてこの規制範囲は、グリップシャフト601の最大揺動範囲(最大傾倒角度)よりも小さく設定されているため、操作レバー600が過度な力で傾倒操作された場合でも、グリップストッパピン615の先端が規制用開口363の内縁に当接することにより揺動が規制されるため、グリップシャフト601の軸部(図示略)に無理な負荷が加わり、グリップシャフト601の軸部(図示略)が破損したり、あるいはレバースイッチ510a〜510d等が故障したり、グリップ補強板金620や下皿部4aにおけるグリップ補強板金620の固定箇所が破損することが防止される。
また、グリップストッパピン615の基部には、グリップ604の外形よりも大きいグリップトップ617が、グリップ604の上端から横方向に広がるように取り付けられているため、例えば図5に示すように、操作レバー600が起立姿勢にある場合等、グリップストッパピン615の先端が規制用開口363内において移動する際に、挿通口364が常にグリップトップ617により閉塞されるため、上皿部3aの内部が露呈したり、内部の種々の装置に対する不正行為を目的として針金等の異物が容易に進入されることが防止されている。
更に、上皿部3aの下面における挿通口364の周囲及びグリップトップ617の上面は、それぞれ軸受部を中心とする球面状に形成されているとともに、上皿部3aの下面とグリップトップ617の上面とは互いに近接または摺接されているため、上皿部3aの下面とグリップトップ617の上面との隙間から挿通口364を介して内部の種々の装置に対する不正行為を目的として針金等の異物が容易に進入されることや、手指が上皿部3aの下面とグリップトップ617の上面との間に挟まる等の危険性も防止される。
グリップ604の後面側にはグリップトリガー512が左右方向を向く揺動軸512bを中心に揺動自在に設けられており、図5に示すように、遊技者は操作レバー600を握った手でグリップトリガー512を手前側に押圧操作することができるようになっている。また、筒状のグリップ604の内部には、前述したタッチセンサ513が設けられており(図示略)、遊技者が操作レバー600を握るもしくは触れたことを検出することができるようになっている。なお、本実施形態のタッチセンサ513は、金属製のグリップシャフト601における導電率の変化の検出により接触されたか否かを検出する誘電センサであり、グリップシャフト601に装着されている(図示略)。なお、タッチセンサ513の検出部をグリップ604の表面に露呈させ、遊技者により直接接触されるように設けて接触を検出するようにしてもよい。
また、操作レバー600に振動を発生させるバイブレータ514が設けられており、操作レバー600を操作しているときにバイブレータ514を駆動して操作レバー600を振動させることにより、遊技者に対して触覚にて衝撃を与えることができるようになっている。
このように構成される操作レバー600は、該操作レバー600が過度な力で操作されても、該操作レバー600の揺動範囲が当接規制部である規制用開口363の内面との当接により規制されることで、無理な負荷がグリップシャフト601の軸部(図示略)のみにかかることなくレバーガイド板金361に分散されるため、軸部の故障や該軸部が設けられている下扉枠103の破損等が防止される。また、パチンコ遊技機1の本体前面に突設された遊技球貯留部である上皿部3aと突出部である下皿部4aとの間に操作レバー600が上下方向に配置されることで、軸部を下皿部4aにレバーガイド板金361を上皿部3aに配設することができるばかりか、操作レバー600の先端が本体前面から張り出すこと等がないので、パチンコ遊技機1の本体の搬送時等において操作レバー600が破損しにくくなる。
具体的には、操作レバー600の上端は、下扉枠103の前面から前方に突出する上皿部3aにより上方から被覆され、かつ、図7に示すように、上皿部3a及び下皿部4aの前端部よりも前方に張り出さないように設けられているため、例えばパチンコ遊技機1の本体が前側に倒れたとしても、操作レバー600が上皿部3aや下皿部4aにより保護される。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図12は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合(ステップS6:YES)には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44、S45を含む)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合(ステップS6:NO)には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認した場合(ステップS7:NO)、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認した場合(ステップS7:YES)、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。従って、チェック結果が正常でない場合(ステップS8:NO)には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常である場合(ステップS8:YES)、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41及びS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11及びS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ156が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ81は、初期化指定コマンドを受信すると、変動表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、初期化処理を行う。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ81は、設定データが格納されているフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいは、バックップ電源によりバックアップされるRAM85内のバックアップ記憶領域等のバックアップ領域のデータチェックを行う。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップ領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップ領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。従って、チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、演出制御用マイクロコンピュータ81は、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。チェック結果が正常である場合、演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出制御の状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ81は、バックアップ領域に格納されている設定データを読み込んで音量及び輝度を調整する。
また、CPU56は、乱数回路(図示略)を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路(図示略)にランダムR(大当り判定用乱数)の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)及び初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ156が、遊技機に設けられている可変動表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図13に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、及び入賞口スイッチ29a、30aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8及び普通図柄表示器10については、ステップS33、S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、更に、初期値用乱数及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理、表示用乱数更新処理:ステップS25、S26)。
各乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1:大当りの種別を決定する(大当り種別決定用)(2)ランダム2:特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)(3)ランダム3:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(4)ランダム4:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、(1)の大当り種別決定用乱数、及び(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されたハードウェア(乱数回路(図示略))が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ156によってプログラムに基づいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
更に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8及び大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。具体的には、特別図柄表示器8にて変動を開始するときに大当りとするか否かを抽選するとともに、特別図柄表示器8の変動が停止したときに、はずれであれば変動を開始できる状態にプロセスを移行させる一方、大当りであればプロセスを大当りとして大入賞口を開放制御するプロセスに移行させる。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、変動表示装置9における飾り図柄の表示制御並びにスピーカ27L、27R、27a、27bからの音出力制御に関する演出制御コマンドなどを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
更に、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23及び入賞口スイッチ29a、30aの検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23及び入賞口スイッチ29a、30aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッフ
ァ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRA
M領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップ
S32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
更に、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」及び「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出制御用マイクロコンピュータ81に対する制御コマンドの送出方式について説明する。この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ81から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機になる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ81が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。
この実施の形態では、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドは2バイト構成である。1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
コマンド8000(H)〜800F(H)は、特別図柄の可変表示に対応して変動表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド8C00(H)〜8C06(H)は、変動表示装置9における飾り図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。なお、この実施の形態では、コマンド8C00(H)〜8C06(H)を図柄情報指定コマンドという。
コマンド8C00(H)は、特別図柄の停止図柄(表示結果)がはずれ図柄と決定されたことを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、特別図柄の停止図柄が非確変図柄と決定されたこと(つまり非確変大当り(通常大当りともいう)と決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。
コマンド8C02(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され(つまり確変大当りと決定され)、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り1指定コマンド)である。コマンド8C03(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り2指定コマンド)である。コマンド8C04(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り3指定コマンド)である。
コマンド8F00(H)は、変動表示装置9における飾り図柄の可変表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド、図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)〜9503(H)は、変動表示装置9における遊技状態に応じた背景表示を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド)である。コマンド9500(H)は、変動表示装置9における通常遊技状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、変動表示装置9における確変状態(高確率状態)のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、変動表示装置9における時短状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンド9503(H)は、変動表示装置9におけるチャンスモード状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(チャンス状態背景指定コマンド)である。なお、チャンスモードは、突然確変大当り及び小当りの終了後に確変状態への移行に対する期待を持たせる演出モードである。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。なお、この客待ちデモ指定コマンドは、本発明の不在条件の成立となる打球操作ハンドル(操作ノブ)5の操作がなされなくなってから所定時間が経過したことに応じて送出され、該客待ちデモ指定コマンドが演出制御基板80に対して送出されたときには、変動表示装置9に所定の客待ちデモ画面が表示されるとともに、音声出力基板70に対して音量(スピーカ、イアホンの双方)が出力されて該音量が設定されることで、該客待ちデモ指定コマンドが送出される以前において音声出力基板70に設定されていた音量設定、つまり、該時点の前に遊技していた遊技者により変更された音量設定が消去される。
つまり、遊技者が交替する場合には、前の遊技者が遊技を終えた後、後の遊技者が遊技を開始するまでには、遊技がされない期間がある程度存在することが通常であるので、これら遊技がされない期間において客待ちデモ指定コマンドが送出され、前の遊技者が変更した音量設定が初期化されることで、前に遊技していた遊技者が変更した音量設定による音が、交替した遊技者の遊技において出力されて遊技者に違和感を与えてしまうことを低減できる。
なお、本実施の形態では、打球操作ハンドル(操作ノブ)5の操作がなされなくなってから所定時間が経過することを不在条件としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、特別図柄の可変表示の終了時に次に可変表示を行う保留記憶がない時点で客待ちデモ指定コマンドを送信し、演出制御基板80にて所定時間(例えば30秒)が経過するまでに、可変表示開始コマンドを受信しないことを不在条件として音量設定を初期化してもよいし、あるいは、アウト口26から回収されるパチンコ玉を検出するセンサを設けておき、該センサによるパチンコ玉(アウト玉)の検出がなくなってから所定時間が経過することを不在条件としてもよい。
コマンドA000(H)〜A004(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA000(H)は、通常大当り(非確変大当り)が決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ1指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ2指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA2XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。
コマンドA301(H)〜A305(H)は、大当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(エンディング指定コマンド)である。コマンドA301(H)は、通常大当り遊技の終了(大当り遊技の終了後に時短状態に移行する旨を表示すること)を指定する演出制御コマンド(エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技中に再抽選を実行すると決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、大当り遊技の終了後(エンディング演出中)の再抽選演出にて確変図柄に昇格させ、確変大当りになることを指定する演出制御コマンド(エンディング4指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、XXで示される数の始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶指定コマンド)である。コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。なお、該異常入賞報知指定コマンドが演出制御基板80に対して出力されたときには、変動表示装置9に異常入賞が発生したことを示すエラー画面が表示されるとともに、スピーカ27L、27R、27a、27b並びにイアホン端子装着部62の双方から、所定のエラー音量、例えば、作業者音量・輝度設定部83に設定されている上限音量にて異常入賞に対応する所定のエラー音が出力される。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ156から上述した演出制御コマンドを受信すると、内容に応じて変動表示装置9の表示状態を画像音声生成用LSI262と共動して変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、サウンド部264に音番号データを出力して、変動表示装置9に表示される画像に対応した効果音(演出音)を音声出力基板70に対して出力させる。なお、上記演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、変動表示装置9に大当り中の入賞球数を表示する場合はカウントスイッチ23のカウント数を指定する演出制御コマンドなども主基板31から演出制御基板80に送信される。
次に、演出制御基板80における動作を説明する。演出制御基板80では、電源基板から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ81が起動し、CPU86が図19のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図19に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU86は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップSa51)、RAM85のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板80に搭載された図示せぬCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。続いて、CPU86は、記憶領域設定指令処理を実行することにより、画像音声生成用LSI262のVDP部263が備える一時記憶メモリ(図示略)における記憶領域を、固定アドレスエリアと可変アドレスエリアとに設定するための指令を行う(ステップSa52)。
記憶領域設定指令処理を実行した後には、事前転送指令処理を実行することにより、一時記憶メモリ(図示略)の固定アドレスエリアとなる記憶領域に、変動表示装置9における表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像に対応した画像データを一時記憶させるための指令を行う(ステップSa53)。
次いで、RAM85の演出制御フラグ設定部に設けられたタイマ割込みフラグを監視して、そのフラグがオンとなったか否かを判定する(ステップSa54)。そして、タイマ割込みが発生せずにタイマ割込みフラグがオフである場合には(ステップSa54;No)、タイマ割込みが発生するまでループ処理を実行して待機する。他方、タイマ割込みの発生によりタイマ割込みフラグがオンとなった場合には(ステップSa54;Yes)、そのフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップSa55)、主基板31から送信された演出制御コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行する(ステップSa56)。
ステップSa56のコマンド解析処理では、まず、受信コマンドバッファをチェックして主基板31から送信された演出制御コマンドの受信があるか否かの判定が行われる。そして、受信コマンドありと判定したときには、そのコマンドを受信コマンドバッファから読み出す。これに続いて、読み出された受信コマンドに対応する各種の処理が実行される。
コマンド解析処理を実行した後には、飾り図柄プロセス処理を実行する(ステップSa57)。この飾り図柄プロセス処理では、変動表示装置9の表示画面にて行われる飾り図柄の可変表示の進行状況並びに操作レバー600の操作に応じて、変動表示装置9の表示出力、スピーカ27L、27R、27a、27bからの音声出力、各種LEDの点灯動作などにより各種の演出動作を実行するための設定が行われる。そして、演出側乱数値更新処理が実行されることにより(ステップSa58)、演出制御基板80の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新される。更に、異常の発生等を変動表示装置9等の演出装置における表示やスピーカ27L、27R、27a、27bからのエラー音の出力により報知を行う報知制御処理(ステップSa59)や、音量変更ボタンスイッチ61−1の操作に応じてスピーカ27L、27R、27a、27bやイアホン端子装着部62からの出力音量を遊技者が変更する図9及び図10に示す音量輝度変更処理(ステップSa60)を実行した後、ステップSa54に戻る。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU86は、自動的に割込み禁止状態に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生した割込みに対応して、CPU86は、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、演出制御用マイクロコンピュータ81が備える入出力ポートに含まれる入力ポートのうちで、中継基板77を介して主基板31から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートから、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM85の演出制御バッファ設定部に設けられた演出側受信コマンドバッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出側受信コマンドバッファに格納する。その後、CPU86は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
図20は、図19のステップS57にて実行される飾り図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。飾り図柄プロセス処理では、例えばRAM85の演出制御フラグ設定部に設けられた飾り図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS100〜S105の各処理が実行される。
ステップSa100の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始コマンド受信待ち処理は、主基板31からの可変表示開始コマンドを受信したか否かに基づいて変動表示装置9における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップSa101の飾り図柄可変表示設定処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この飾り図柄可変表示設定処理は、特別図柄表示器8による特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、変動表示装置9における飾り図柄の可変表示を含めた変動表示装置9における演出画像の表示動作や、操作レバー600の操作の有効・無効の指示等を座標特定用DSP266に出力する動作や、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄が導出表示されるまでの期間において各種の演出画像、例えば、操作レバー600の操作が有効とされているときに座標特定用DSP266から出力される座標データに基づいて、遊技者による操作レバー600の操作に応じた演出画像を変動表示装置9に表示させる表示動作や、演出画像に対応する効果音(演出音)を遊技者による操作レバー600の操作に応じて音像の定位位置を変化させて出力させる音出力動作や、演出画像に対応して各種LEDを点灯させる点灯動作といった、各種の演出動作を行うために、例えば演出制御パターンテーブル(図示略)に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示パターンや表示結果の種類などに対応するものを特定し、該特定した演出制御パターンのプロセスデータをセットする処理を含んでいる。また、特に本実施形態では、後述する予告演出選択処理が行われる。
演出制御パターンテーブル(図示略)には、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出動作の制御内容を示すデータが、変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ並びに操作レバーの有効や無効を指示や操作レバーの操作に基づく座標に対応した表示制御を変更する制御内容を含む操作レバー制御実行データといった飾り図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
ステップSa102の飾り図柄変動中処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この処理において、CPU86は、RAM85の演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、飾り図柄可変表示設定処理にてセットされたプロセスデータから演出制御パターンから表示制御実行データ、音制御実行データ、ランプ制御実行データ、操作レバー制御実行データなどの演出制御データを読み出す。このとき読み出された演出制御データに従って、画像音声生成用LSI262のVDP部263に、座標特定用DSP266から出力される座標データを反映させた表示制御指令を送信することや、VDP部263から転送される指令完了応答や変動表示装置9の状態等を示すデータに応じた各種処理を実行すること、画像音声生成用LSI262のサウンド部264に、VDP部263に出力した表示制御指令に反映させた座標データ、つまり、表示制御指令の基礎とした座標データを含む音制御指令を送信すること、盤側IC基板98、99や各枠側IC基板542、473b、473c、508、509にシリアルデータによるランプ制御指令や各モータの制御指令を送信することといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御が行われる。そして、プロセスデータから飾り図柄の可変表示の終了に対応した終了コードが読み出されると、大当り開始コマンド受信待ち時間に対応する所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。この後、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新する。
ステップSa103の大当り開始待ち処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この処理において、CPU86は、主基板31から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始コマンドを受信した場合には、飾り図柄の可変表示結果が大当りであるとの判断に基づき、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、主基板31からの大当り開始コマンドを受信することなく、演出制御プロセスタイマがタイムアウトした場合には、飾り図柄の可変表示結果がハズレであるとの判断に基づき、飾り図柄プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップSa104の大当り中演出処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この処理において、CPU86は、例えば変動表示装置9における表示動作を制御して大当り遊技状態に応じた画像を表示させたり、スピーカ27L、27R、27a、27bにおける音出力動作を制御して大当り遊技状態に応じた効果音(演出音)を出力させたり、装飾LED25aやステージ装飾LED25bにおける点灯/消灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせたりするといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば第15ラウンド)の終了に達したことや、主基板31から送信される大当り終了コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップSa105のエンディング演出処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理は、例えば変動表示装置9に所定の演出画像を表示させたり、スピーカ27L、27R、27a、27bから音声を出力させたり、装飾LED25aやステージ装飾LED25bを点灯させたりすることにより、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作を制御する処理を含んでいる。
図21は、図20のステップSa101にて実行される予告演出選択処理の一例を示すフローチャートである。この予告演出選択処理において、CPU86は、まず、演出制御用マイクロコンピュータ81は、タッチセンサ513がonであるか否か、つまり遊技者が操作レバー600を触れているか否かを判定する(ステップSa150)。そしてステップSa150においてonであると判定した場合、つまり遊技者が操作レバー600に触れていると判定した場合には、予告演出選択テーブルA(図16(a)参照)を設定し、onではない、つまり遊技者が操作レバー600に触れていないと判定した場合には、予告演出選択テーブルB(図16(b)参照)を設定する。
次いで、予告演出種類決定用の乱数を抽出し(ステップSa153)、抽出した乱数値とステップSa151またはSa152にて設定されたテーブルとに基づいて、予告演出種類を決定する(ステップSa154)。そして予告演出の実行が決定されたか否かを判定し(ステップSa155)、決定している場合には、該決定された予告演出が砲撃予告か否かを判定した後(ステップSa156)、戦闘予告である場合には、戦闘予告演出選択テーブル(図17参照)を設定する(ステップSa157)。なお、ステップSa155において、予告演出の実行が決定されなかった場合には、そのまま処理を終了する。
また、ステップSa156において、決定された予告演出が戦闘予告ではないと判定した場合、再びタッチセンサ513がonであるか否か、つまり遊技者が操作レバー600を触れているか否かを判定し(ステップSa160)、onであると判定した場合、つまり遊技者が操作レバー600に触れていると判定した場合には、砲撃予告パターン選択テーブルA(図18(a)参照)を設定し、onではない、つまり遊技者が操作レバー600に触れていないと判定した場合には、砲撃予告パターン選択テーブルB(図18(b)参照)を設定する。
そして、いずれかの予告パターン選択テーブルが決定された後、予告パターン決定用乱数を抽出し(ステップSa158)、抽出した乱数値と、ステップSa157、ステップSa161、ステップSa162のいずれかのステップにて設定されたテーブルとに基づいて、予告パターンを決定し、該決定した予告パターンをRAM85に記憶して(ステップSa159)、処理を終了する。
図22は、図20のステップS102にて実行される飾り図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄変動中処理において、CPU86は、まず、演出制御プロセスタイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップSa170)。次いで、前述した予告演出選択処理において、予告演出の実行が決定されているか否かを判定し(ステップSa171)、決定されている場合には、グリップトリガー512の操作が有効なタイミング、つまり変動の開始時における予告演出の実行の決定等に基づいて設定された演出パターンのプロセスデータに対応して予め設定された時間(例えば5秒)が経過したか否かを判定し(ステップSa172)、有効なタイミングである場合には、タッチセンサ513がonであるか否か、つまり遊技者が操作レバー600に触れているか否かを判定し(ステップSa173)、onではないと判定した場合、つまり遊技者が操作レバー600に触れていないと判定した場合には、操作レバー600に触れることを遊技者に促す操作促進報知を実行し(ステップSa174、図15(a)参照)、ステップSa175に進む。
なお、ステップSa171において予告演出の実行が決定されていなかった場合、ステップSa172においてグリップトリガー512の操作が有効なタイミングではない場合、ステップSa173においてタッチセンサ513がonではない、つまり遊技者が操作レバー600を触れていない場合は、そのままステップSa175に進む。そしてステップSa175においては、予告演出を実行タイミングであるか否かを判定し、実行タイミングである場合には、座標特定用DSP266に対してレバー操作許諾指示を出力して、該座標特定用DSP266から、操作レバー600の操作による座標データの出力を開始させる、つまり、演出への操作レバー600操作の反映を有効とした後(ステップSa176)、グリップトリガー512が操作されたか否か、つまりトリガースイッチ512aがonであるか否かを判定し(ステップSa177)、グリップトリガー512が操作された場合、つまりトリガースイッチ512aがonである場合には、前述した予告パターン選択処理においてRAM85に記憶された予告パターンを実行する(ステップSa178)。
具体的には、記憶されているパターンが戦闘予告または砲撃予告の何れであるかに応じて、グリップトリガー512の操作が検出されたタイミングでミサイルを発射する演出を実行する。また、非操作進行パターンの場合には、タッチセンサ513による検出の有無に関わらず、非操作進行パターンに対応する演出を、Sa171〜178の処理を実行することなく行う。そして、ステップSa179においては、予告演出を終了タイミングであるか否かを判定し、終了タイミングである場合には、座標特定用DSP266に対してレバー操作無効指示を出力して、該座標特定用DSP266から、操作レバー600の操作による座標データの出力を終了させる、つまり、演出への操作レバー600操作の反映を無効とした後(ステップSa180)、実行している予告パターンを終了する(ステップSa181)。
そして、CPU86は、飾り図柄可変表示設定処理にてセットされた演出パターンがリーチ演出を含むものであるか否かを判定し(ステップSa191)、リーチ演出を含むものである場合には、当該セットされている演出パターンのプロセスデータに基づいてリーチ演出を実行する。(ステップSa192)。なお、リーチ演出を含まない場合には、ステップSa197に進む。そして、プロセスデータに基づいて、操作レバー600の操作を有効とするタイミングであるか否かを判定し(ステップSa193)、有効タイミングである場合には、座標特定用DSP266に対してレバー操作許諾指示を出力して、該座標特定用DSP266から、操作レバー600の操作による座標データの出力を開始させる、つまり、リーチ演出への操作レバー600操作の反映を有効とする(ステップSa194)。
また、CPU86は、プロセスデータに基づいて、操作レバー600の操作を無効とするタイミングであるか否かを判定し(ステップSa195)、無効タイミングである場合には、座標特定用DSP266に対してレバー操作無効指示を出力して、該座標特定用DSP266から、操作レバー600の操作による座標データの出力を終了させる、つまり、リーチ演出への操作レバー600操作の反映を無効とする(ステップSa196)。
このように、CPU86は、飾り図柄可変表示設定処理にてセットされた演出パターンのプロセスデータに基づいて実施するリーチ演出において、レバー操作許諾指示とレバー操作無効指示とを座標特定用DSP266に出力して、これらレバー操作許諾指示の出力からレバー操作無効指示が出力されるまでの期間において、座標特定用DSP266から出力されてくる座標データ(X−Y座標)の変化に応じて、操作レバー600の操作によって遊技者が指定した位置を特定し、該特定した位置に、例えば図23に示すように、飛行機の位置を変化(移動)させた演出画像を変動表示装置9に表示する表示制御指令、具体的には、各座標に対応して予め記憶されているリーチ演出画像の画像ID等のデータを含む表示制御指令をVDP部263に送信することで、遊技者による操作レバー600の操作が反映されたリーチ演出画像が変動表示装置9に表示されるとともに、これら変動表示装置9に表示されるリーチ演出画像の基礎とされた座標データを変化が終了する座標データ(X−Y座標)とし、前回において送信した際の座標データを変化が開始する座標データ(X−Y座標)とし、次に座標データを送信するまでの期間を変化時間とするパラメータデータと、プロセスデータから読み出した該リーチ演出画像に対応する音番号データを含む音制御指令をサウンド部264に送信することで、遊技者による操作レバー600の操作に応じて音像の定位位置が移動する効果音(演出音)が、遊技者が設定した音量にて各スピーカ27L、27R、27a、27bから出力される。
つまり、本発明の指定位置特定用マイクロプロセッサとなる座標特定用DSP266は、演出制御用マイクロプロセッサとなる演出制御用マイクロコンピュータ81から出力される許諾情報となるレバー操作許諾指示とレバー操作無効指示とから特定される操作レバー600における操作を有効とする期間において、遊技者による操作レバー600の操作に伴いレバースイッチ510a〜510dから出力される信号に基づいて、直前に指定された座標位置(X、Y)からの移動方向と移動距離とをX軸、Y軸のそれぞれについて算出し、新たに指定された座標位置(X、Y)の座標データを生成する処理(指定位置特定処理)を実施して、座標データを出力し、演出制御用マイクロコンピュータ81は、これら座標特定用DSP266から出力される座標データによって、VDP部263に送信する表示制御指令の内容(画像ID)を変更する。
すなわち、図22に示すリーチ演出においては、操作レバー600における操作が有効とされている期間において、操作レバー600の操作があったときに、音像の定位位置となる新たな座標位置(X、Y)の座標データを算出して特定する一方、操作レバー600における操作が無効とされている期間及び操作レバー600の操作がないときには、音像の定位位置となる新たな座標位置(X、Y)の座標データを算出しないようになっている。
なお、本実施の形態では、座標特定用DSP266に対してレバー操作許諾指示(コマンド)とレバー操作無効指示(コマンド)を送信することで、座標データの出力を許可することにより、操作レバー600における操作を有効としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらのレバー操作許諾指示(コマンド)とレバー操作無効指示(コマンド)に代えて、レバー操作許諾信号を操作レバー600における操作を有効とする期間において座標特定用DSP266あるいはセンサ監視IC524に出力することで、該レバー操作許諾信号が出力されている期間においてのみ座標特定用DSP266から座標データを出力させたり、あるいは、センサ監視IC524へのレバースイッチ510a〜510dからの信号の入力を有効とするようにして、操作レバー600における操作の有効、無効を、レバー操作許諾信号の出力・非出力によりハード的に実施するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、音像の定位位置を変化させるための操作レバー600の操作が、リーチ演出や予告演出においてのみ有効とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらリーチ演出や予告演出以外の期間、例えば、客待ちデモンストレーションの実施中においても操作レバー600の操作を有効として音像の定位位置を可能としてもよいし、更には、常時、操作レバー600の操作を有効として音像の定位位置を変化可能としてもよい。
そして、CPU86は、プロセスデータに基づいて、リーチ演出を終了とするタイミングであるか否かを判定し(ステップSa197)、終了タイミングである場合には、実行しているリーチ演出を終了する(ステップSa198)。
ここで、上記した各種の処理を演出制御用マイクロコンピュータ81が行うことで実施される本実施の形態における大当り予告演出の1例について以下に説明する。CPU86は、変動表示装置9の図柄変動に応じて様々な演出を実行可能であるとともに、前述した大当り抽選に当選し、特別図柄表示器8において特定表示結果としての大当り図柄が停止して大当りとなり、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態に移行する可能性がある旨を報知する大当り予告演出を、変動表示装置9にて行う。この大当り予告演出は、大当り抽選に当選したときにのみ行われるものではなく、当選しなかった場合にも行われるようになっている。つまり、大当り抽選に当選したときに、大当り抽選に当選しなかったときよりも高い確率で実行される演出である。
本実施形態においては、この大当り予告演出として、変動表示装置9の画面上に表示される戦闘機及び照準を操作レバー600により操作しながらタイミングよくグリップトリガー512を引いて敵機を撃ち落す戦闘予告(図14)と、変動表示装置9の画面上に固定表示される照準に敵機がロックオンしたタイミングでグリップトリガー512により砲撃して敵機を撃ち落す砲撃予告(図15参照)と、その他各種予告と、を実行可能とされている。なお、本実施形態では、戦闘予告(図14)や砲撃予告(図15)を予告演出として実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの演出を、リーチ演出や、リーチ中の予告演出等としてもよい。
ここで、戦闘予告について説明する。戦闘予告は、図14に示すように、変動表示装置9の図柄の変動開始とともに実行されるものであり、ノーマルパターンと、チャンスパターンと、激熱パターンとがある。これら各パターンは、後述するように大当りの当選状況に応じて決定され、大当りに当選しているときに、大当りに当選していないときよりも高い確率で激熱パターンが当選するようになっている(図17参照)。また、これら各パターンには、操作レバー600の操作による画面操作により進行する操作進行パターンと、操作レバー600による画面操作なしに進行する非操作進行パターンと、が予め用意されており、開始画面(図14(a)参照)を表示してから所定時間(例えば5秒)が経過するまでに遊技者が操作レバー600を触れていることまたはグリップトリガー512が操作されたことを検出した場合は操作進行パターンが実行され、開始画面を表示してから所定時間(例えば5秒)が経過するまでに遊技者が操作レバー600を触れていることまたはグリップトリガー512が操作されたことを検出できない場合は非操作進行パターンが実行されるようになっている。
なお、これら操作進行パターン及び非操作進行パターンは、内容はほぼ同じものであり、操作進行パターンは、操作レバー600の操作に応じて、画面上に表示される照準(操作対象物)を移動表示することができるものであり、非操作進行パターンは、操作レバー600を操作に関わらず、画面上に表示される照準(操作対象物)を予め定められたパターンで移動表示するものである。また、これら操作進行パターン及び非操作進行パターンは、更に、それぞれ抽選により大当りが当選している場合に選択される大当り用操作進行パターン及び大当り用非操作進行パターンと、大当りが非当選の場合に選択されるはずれ用操作進行パターン及びはずれ用非操作進行パターンと、が予め用意されており、大当り抽選の結果に応じて選択されるようになっている。
なお、大当り用非操作進行パターンは、敵機を撃ち落して大当りとなる演出だけではなく、例えば、はずれ用非操作進行パターンの場合と同様に撃沈されるような演出を実行した後、復活して改めて敵機を撃ち落して大当りとなるような救済演出等を含むものであってもよい。具体的に説明すると、まず図14(a)に示すように、例えば変動表示装置9の図柄変動の開始とともに、「敵機、襲来」なるメッセージと、操作レバー600を触れることを遊技者に促す操作促進報知画像(レバーの画像及び「レバーを握り、トリガーを引いたら戦闘開始!」の文字メッセージ)と、が表示される開始画面を表示する。なお、ここでは激熱パターンが選択された場合の開始画面が示されているが、例えばノーマルパターンやチャンスパターンが選択された場合、各演出の期待度に応じて、上記「敵機、襲来」なるメッセージ内容や、あるいはその文字の色や書体、背景色等が異なる画面が選択されて表示されるようになっている。
ここでCPU86は、タッチセンサ513またはトリガースイッチ512aがonであるか否か、つまり遊技者が操作レバー600を触れているかまたはグリップトリガー512を操作しているか否かを判定し、開始画面(図14(a)参照)の表示中、つまり開始画面の表示を開始してから所定時間が経過するまでにタッチセンサ513またはトリガースイッチ512aのonを検出しなかった場合には、非操作進行パターンを選択して次の画面を表示する。
そして操作進行パターンまたは非操作進行パターンのいずれかが選択された後は、以下の図14(b)〜図14(f)のように演出が進行される。ここで、操作進行パターン及び非操作進行パターンのいずれも内容は同様であり、非操作進行パターンでは操作対象物である照準が移動しないだけであるため、以下においては、激熱大当り用操作進行パターンを一例として説明する。
なお、以下においては激熱パターンが選択された場合の演出内容を説明するが、例えばノーマルパターンやチャンスパターンが選択された場合、各演出の期待度に応じて、例えば照準の色や大きさ等の形態、あるいは出現する敵機の形態や数等が異なる画面が選択されて表示されるようになっている。
開始画面を切り替えた後、まず、画面上に操作対象物の一例である照準が表示され(図14(b)参照)、戦闘が開始される旨を予告する画面を表示する。この照準は、操作レバー600の前後左右操作により、上下左右に移動するようになっている。次いで、攻撃開始画面を表示する(図14(c)参照)。ここで遊技者は、操作レバー600を前後左右に操作して照準を移動し、図14(d)に示すように、照準を上手く敵機に合わせて「TARGET LOCK ON!」の文字表示とともにスピーカ27L、27R、27a、27bから音声や効果音が出力されたときにグリップトリガー512を操作するとミサイルが発射され、あたかも敵機を撃ち落しているような画面が表示される。
また、CPU86は、見方の搭乗機が敵機に向けて飛びながらミサイルを発射して攻撃する状況を示す攻撃中画面(動画)の表示中において、この表示に連動して送風ファン515を駆動し、操作レバー600を握る遊技者の手に向けて送風口512から風を送出する。これにより、遊技者の手に実際に風が当たるため、表示と風とにより、あたかも空を飛んでいる雰囲気を効果的に演出することができる。
更に、例えば画面上において搭乗機が右に旋回する画像の表示に合わせて、右側の送風ファン515のみを駆動して遊技者の手に右側から風を当て、搭乗機が左に旋回する画像の表示に合わせて、左側の送風ファン515のみを駆動して遊技者の手に左側から風を当てれば、旋回の雰囲気等を効果的に演出することができる。なお、この際、敵機の音が次第に旋回方向とは反対方向に移動するように、音像の定位位置が変化されることで、これら旋回の雰囲気(臨場感)を一層高めることができる。
また、これら左右の送風ファン515の動作による風の向きの制御(風向制御)を、座標特定用DSP266が実施するようにしてもよい。また、例えばグリップトリガー512を操作してミサイルを発射する画像や、敵機のミサイルが搭乗機に命中した画像を表示するタイミングに合わせてバイブレータ514を駆動して操作レバー600に振動を発生させることで、あたかも敵機を攻撃したり敵機により撃沈される雰囲気を効果的に演出することができる。これにより遊技者は、変動表示装置9の表示画面に攻撃中画面が表示されるだけでなく、スピーカ27L、27R、27a、27bから効果音が出力されること、実際に遊技者の手に風が当たるあるいは手に振動が伝わること等により、遊技者は視覚だけでなく、聴覚や触覚による刺激を受けることになるため、演出に臨場感を持たせることができる。
そして、敵機が残り1機になり(図14(e)参照)、この1機をみごと撃ち落すことができた場合には、大当り告知画面(図14(f)参照)が表示され、大当りになったことが遊技者に告知される。なお、図14(c)〜図14(f)の攻撃中画面は、遊技者の操作結果に関わらず、予め定められた時間の経過に応じて順次切り替わるようになっているため、操作レバー600及びグリップトリガー512の操作により敵機を撃ち落すことができなくても、画面遷移に応じて敵機が減っていくようになっている。
また、はずれ用操作進行パターンが選択された場合には、攻撃中において全ての敵機を撃ち落すことができないうちにタイムアップになったり、攻撃中に敵機に迎撃されてしまう画面が表示され、最終的に「残念・・。はずれ」等の大当りに当選しなかった旨が遊技者に報知されるようになっている。
以上、戦闘予告の演出内容を説明したが、例えば演出途中において敵機を撃沈できず、敵機が逃げてしまう画像を表示した後、例えば急加速して敵機に接近して改めて敵機を撃ち落して大当りとなるような救済演出が行われるようにしてもよい。また、この戦闘予告は変動表示装置9の図柄の変動開始時において実行されるものとして説明したが、例えばリーチが成立する前のリーチ予告演出として実行するものであってもよく、この場合は、例えばこのリーチ予告演出の実行後にリーチが成立する場合にはリーチ演出を実行し、更に大当りが当選しているときにはこのリーチ演出で大当り表示結果を表示するようにしてもよい。なお、このようなリーチ予告演出を実行する場合においては、上記のような救済演出の実行は不要となる。
次に、砲撃予告について説明する。砲撃予告は、図15に示すように、主に変動表示装置9の図柄の変動中において前述したリーチが成立したときに実行され、演出の進行に応じて、内容が段階的(本実施形態では3ステップ)に発展していくステップアップ予告であって、ステップ1をクリアできればステップ2に発展し、ステップ2をクリアできればステップ3に発展し、ステップ3をクリアできれば大当り告知がなされるようになっている。つまり、この砲撃予告には、ステップ1で大当りまたははずれの結果が表示されるパターンS1と、ステップ2まで発展した後に大当りまたははずれの結果が表示されるパターンS2と、ステップ3まで発展した後に大当りまたははずれの結果が表示されるパターンS3とが含まれる。
また、これら各パターンS1〜S3は、後述する開始画面において表示される搭乗機モデルが、桜柄の最新機・桜となる桜パターンと、旧式量産型となる旧式パターンと、のそれぞれに対応して用意されている。更に、これら桜パターンS1〜S3及び旧式パターンS1〜S3それぞれには、操作レバー600の操作による画面操作により進行する操作進行パターンと、操作レバー600による画面操作なしに進行する非操作進行パターンと、が予め用意されている。また、リーチが成立したときにおけるタッチセンサ513の検出状況、つまり遊技者が操作レバー600を触れているか否かに応じて、異なるテーブルを用いて図15(a)または図15(b)に示す開始画面のうちいずれかが選択され、該選択された開始画面が表示されるようになっている。
そして、開始画面(図15(a)または図15(b)参照)を表示してから所定時間(例えば5秒)が経過するまでに遊技者が操作レバー600を触れていることまたはグリップトリガー512が操作されたことを検出した場合は操作進行パターンが実行され、開始画面を表示してから所定時間(例えば5秒)が経過するまでに遊技者が操作レバー600を触れていることまたはグリップトリガー512が操作されたことを検出できない場合は非操作進行パターンが実行されるようになっている。なお、これら操作進行パターン及び非操作進行パターンは、内容はほぼ同じものであり、操作進行パターンは、グリップトリガー512の操作に応じて、画面上に表示されるミサイル(操作対象物)を発射(移動表示)することができるものであり、非操作進行パターンは、グリップトリガー512の操作に関わらず、画面上に表示されるミサイル(操作対象物)を予め定められたパターンで発射(移動表示)するものである。また、これら操作進行パターン及び非操作進行パターンは、更に、それぞれ抽選により大当りが当選している場合に選択される大当り用操作進行パターン及び大当り用非操作進行パターンと、大当りが非当選の場合に選択されるはずれ用操作進行パターン及びはずれ用非操作進行パターンと、が予め用意されており、大当り抽選の結果に応じて選択されるようになっている。
具体的に説明すると、まず図15(a)に示すように、例えば変動表示装置9の図柄変動中にリーチが成立した場合において、CPU86は、「迫る敵機を撃ち落せ!」なるメッセージと、搭乗機モデル画像と、が表示される開始画面を表示する。ここで、リーチが成立したときに、タッチセンサ513またはトリガースイッチ512aがonであるか否か、つまり遊技者が操作レバー600を触れているかまたはグリップトリガー512を操作しているか否かの結果に応じて、搭乗機モデルが桜柄の画像が表示される開始画面または搭乗機モデルが旧式量産型の画像が表示される開始画面のうちいずれかを選択して表示する。ここでは、リーチが成立したときに、タッチセンサ513またはトリガースイッチ512aがonであるときに、onでないときよりも高い確率で搭乗機モデルが桜柄の画像が表示される開始画面が選択されるようになっているため、遊技者は操作レバー600を握っているときの方が大当りを期待できるようになる。
また、ここでタッチセンサ513またはトリガースイッチ512aがonである場合には操作進行パターンを選択して次の画面を表示し、タッチセンサ513またはトリガースイッチ512aがonでなはい場合には、非操作進行パターンを選択して次の画面を表示する。そして操作進行パターンまたは非操作進行パターンのいずれかが選択された後は、以下の図15(c)〜図15(f)のように演出が進行される。ここで、操作進行パターン及び非操作進行パターンのいずれも内容は同様であり、非操作進行パターンでは操作対象物であるミサイルが、グリップトリガー512の操作に関わらず予め定められたパターンで発射するだけであるため、以下においては、ステップS3まで発展する(大当り用操作進行)パターンS3を一例として説明する。
開始画面を切り替えた後、まず、画面上に照準が固定表示されるステップ1画面(図15(c)参照)を表示した後、敵機が所定のパターンで移動を開始して砲撃ゲームが開始される。そして、敵機が照準に合ったタイミングでグリップトリガー512を操作することで、操作対象物としてのミサイルが発射され、上手く命中して敵機を撃沈すれば、ステップS2の画面に移行する。
次いで、ステップS1よりも敵機の数が増えるステップS2画面(図15(d)参照)を表示した後、ステップ1と同様に敵機が所定のパターンで移動を開始して砲撃ゲームが開始される。そして全ての敵機を撃沈すれば、ステップS3の画面に移行する。つまり、ステップが発展するごとに見た目上の操作の難易度が上がっていく。次いで、ステップS1、S2よりも強いボス敵機が出現するステップS3画面(図15(e)参照)を表示した後、ステップ1、2と同様に敵機が所定のパターンで移動を開始して砲撃ゲームが開始される。そしてボス敵機を見事撃沈した場合には、大当り告知画面(図15(f)参照)が表示され、大当りになったことが遊技者に告知される。
なお、特に説明はしないが、これらステップS1〜S3の演出実行中においては、戦闘予告と同様に、変動表示装置9の表示画面に砲撃画面が表示されるだけでなく、この画面表示(演出の進行)に連動して、スピーカ27L、27R、27a、27bから効果音が出力され、実際に遊技者の手に風が当たるあるいは手に振動が伝わるようになっているため、遊技者は視覚だけでなく、聴覚や触覚による刺激を受けることになるため、演出に臨場感を持たせることができる。
なお、図15(c)〜図15(f)の砲撃中画面は、遊技者の操作結果に関わらず、予め定められた時間の経過に応じて順次切り替わるようになっているため、グリップトリガー512の操作により敵機を表示上正確に撃ち落すことができなくても、敵機が撃沈されるようになっている。また、はずれ用操作進行パターンが選択された場合には、いずれかのステップS1〜S3において敵機を撃ち落すことができないうちにタイムアップになり、最終的に「残念・・。はずれ」等の大当りに当選しなかった旨が遊技者に報知されるようになっている。
以上、パターンS3が選択された場合の演出内容を説明したが、例えば大当り用パターンS1または大当り用パターンS2が選択された場合には、ステップS1またはステップS2において敵機を撃沈できず、敵機が逃げてしまう画像を表示した後、例えば急加速して敵機に接近して改めて敵機を撃ち落して大当りとなるような救済演出が行われる。また、はずれ用パターンS1またははずれ用パターンS2が選択された場合には、ステップS1またはステップS2において敵機を撃沈できず、敵機が逃げてしまう画像を表示した後、次のステップに移行することなく、「残念・・。はずれ」等の大当りに当選しなかった旨が遊技者に報知される。また、この砲撃予告は変動表示装置9の図柄の変動中において前述したリーチが成立したときに実行されるものとして説明したが、例えばリーチが成立する前のリーチ予告演出として実行するものであってもよく、この場合は、例えばこのリーチ予告演出の実行後にリーチが成立する場合にはリーチ演出を実行し、更に大当りが当選しているときにはこのリーチ演出で大当り表示結果を表示するようにしてもよい。なお、このようなリーチ予告演出を実行する場合においては、上記のような救済演出の実行は不要となる。なお、上記予告演出において、グリップトリガー512の操作の替わりに、上皿3の上面に設けられたボタンスイッチ516aの検出を有効とし、該ボタンスイッチ516aの検出に基づいて、ミサイルを発射するなど演出が進行するようにしてもよい。
上述した戦闘予告、砲撃予告等の大当り予告は、大当り抽選の結果に応じて実行される予告抽選により実行するか否かが決定されるようになっている。図16には、この予告演出抽選に使用される予告選択テーブルが示されている。予告選択テーブルには、予告抽選を実行する際に、操作レバー600に遊技者が触れているか否かに応じて異なるテーブルが選択されるようになっている。
図16(a)は、予告抽選を実行する際に、操作レバー600に遊技者が触れている場合に選択される予告選択テーブルAであり、図16(b)は、予告抽選を実行する際に、操作レバー600に遊技者が触れていない場合に選択される予告選択テーブルBである。予告選択テーブルAが選択されたときは、大当りが当選している場合には、抽出された乱数値が0〜10の範囲の数値である場合には予告なしが当選し、乱数値が11〜80の範囲の数値である場合には砲撃予告が当選し、乱数値が81〜191の範囲の数値である場合には戦闘予告が当選する。はずれ(大当りが非当選)の場合には、抽出された乱数値が0〜100の範囲の数値である場合には予告なしが当選し、乱数値が101〜150の範囲の数値である場合には砲撃予告が当選し、乱数値が151〜191の範囲の数値である場合には戦闘予告が当選する。予告選択テーブルBが選択されたときは、大当りが当選している場合には、抽出された乱数値が0〜10の範囲の数値である場合には予告なしが当選し、乱数値が11〜191の範囲の数値である場合には砲撃予告が当選し、戦闘予告は当選しない。はずれ(大当りが非当選)の場合には、抽出された乱数値が0〜100の範囲の数値である場合には予告なしが当選し、乱数値が101〜191の範囲の数値である場合には砲撃予告が当選し、戦闘予告は当選しない。
このように、予告選択テーブルAまたは予告選択テーブルBのいずれが選択される場合でも、大当りに当選しているときに、はずれのときよりも高い確率で砲撃予告または戦闘予告のいずれかが当選されるため、大当り予告を実行することで、遊技者の大当り遊技状態の発生に対する期待感を効果的に高めることができる。また、予告選択テーブルBが選択される場合、つまり予告抽選を実行する際に、操作レバー600に遊技者が触れていない場合には戦闘予告は当選しないので、遊技者に対して操作レバー600への接触を促すことができる。
図17には、上記予告抽選により戦闘予告が当選した場合において、戦闘予告パターンを決定するための種類決定抽選に使用される戦闘予告パターン選択テーブルが示されている。この場合、大当りが当選している場合には、抽出された乱数値が0〜9の範囲の数値である場合にはノーマルパターンが当選し、乱数値が10〜30の範囲の数値である場合にはチャンスパターンが当選し、乱数値が31〜77の範囲の数値である場合には激熱パターンが当選する。はずれ(大当りが非当選)の場合には、抽出された乱数値が0〜50の範囲の数値である場合にはノーマルパターンが当選し、乱数値が51〜70の範囲の数値である場合にはチャンスパターンが当選し、乱数値が71〜77の範囲の数値である場合には激熱パターンが当選する。すなわち、大当りが当選している場合には、はずれの場合よりも高い確率で、ノーマルパターン、チャンスパターン、激熱パターンのうちの激熱パターンが当選するようになっているため、激熱パターンが実行されたときにおける、遊技者の大当り遊技状態の発生に対する期待感を向上させることができる。
図18には、上記予告抽選により砲撃予告が当選した場合において、砲撃予告パターン、つまりステップ1で結果が表示されるパターンS1と、ステップ2で結果が表示されるパターンS2と、ステップ3で結果が表示されるパターンS3と、のうちいずれかのパターンに決定するための種類決定抽選に使用される砲撃予告パターン選択テーブルが示されている。
図18(a)は、種類決定抽選を実行する際に、操作レバー600に遊技者が触れている場合に選択される砲撃予告パターン選択テーブルAであり、図18(b)は、種類決定抽選を実行する際に、操作レバー600に遊技者が触れている場合に選択される砲撃予告パターン選択テーブルBである。図18(a)の砲撃予告パターン選択テーブルAが選択されたときに、大当りが当選している場合には、まず抽出された乱数値が0〜90の範囲の数値である場合には、前述した開始画面にて最新機・桜(戦闘機)が表示される桜パターンが当選し、乱数値が91〜101の範囲の数値である場合にはノーマルパターンが当選する。より詳しくは、抽出された乱数値が0〜10の範囲の数値である場合には、桜パターンS1が当選し、乱数値が11〜40の範囲の数値である場合には桜パターンS2が当選し、乱数値が41〜90の範囲の数値である場合には桜パターンS3が当選する。更に抽出された乱数値が91〜92の範囲の数値である場合には、ノーマルパターンS1が当選し、乱数値が93〜95の範囲の数値である場合にはノーマルパターンS2が当選し、乱数値が96〜101の範囲の数値である場合にはノーマルパターンS3が当選する。
また、はずれの場合には、まず抽出された乱数値が0〜30の範囲の数値である場合には桜パターンが当選し、乱数値が31〜101の範囲の数値である場合にはノーマルパターンが当選する。より詳しくは、抽出された乱数値が0〜15の範囲の数値である場合には、桜パターンS1が当選し、乱数値が16〜25の範囲の数値である場合には桜パターンS2が当選し、乱数値が26〜30の範囲の数値である場合には桜パターンS3が当選する。更に抽出された乱数値が31〜70の範囲の数値である場合には、ノーマルパターンS1が当選し、乱数値が71〜90の範囲の数値である場合にはノーマルパターンS2が当選し、乱数値が91〜101の範囲の数値である場合にはノーマルパターンS3が当選する。
図18(b)の砲撃予告パターン選択テーブルBが選択されたときに、大当りが当選している場合には、まず抽出された乱数値が0〜70の範囲の数値である場合には桜パターンが当選し、乱数値が71〜101の範囲の数値である場合にはノーマルパターンが当選する。より詳しくは、抽出された乱数値が0〜10の範囲の数値である場合には、桜パターンS1が当選し、乱数値が11〜40の範囲の数値である場合には桜パターンS2が当選し、乱数値が41〜70の範囲の数値である場合には桜パターンS3が当選する。さらに抽出された乱数値が71〜80の範囲の数値である場合には、ノーマルパターンS1が当選し、乱数値が81〜90の範囲の数値である場合にはノーマルパターンS2が当選し、乱数値が91〜101の範囲の数値である場合にはノーマルパターンS3が当選する。
また、はずれの場合には、まず抽出された乱数値が0〜6の範囲の数値である場合には桜パターンが当選し、乱数値が7〜101の範囲の数値である場合にはノーマルパターンが当選する。より詳しくは、抽出された乱数値が0〜2の範囲の数値である場合には、桜パターンS1が当選し、乱数値が3〜4の範囲の数値である場合には桜パターンS2が当選し、乱数値が5〜6の範囲の数値である場合には桜パターンS3が当選する。更に抽出された乱数値が7〜70の範囲の数値である場合には、ノーマルパターンS1が当選し、乱数値が71〜90の範囲の数値である場合にはノーマルパターンS2が当選し、乱数値が91〜101の範囲の数値である場合にはノーマルパターンS3が当選する。
このように、砲撃予告パターン選択テーブルAまたは砲撃予告パターン選択テーブルBのいずれが選択される場合でも、大当りに当選しているときに、はずれのときよりも高い確率で桜パターンが当選されるため、桜パターンが実行されることで、遊技者の大当り遊技状態の発生に対する期待感を効果的に高めることができる。また、大当りに当選しているか否かに関わらず、砲撃予告パターン選択テーブルAが選択されたときに、砲撃予告パターン選択テーブルBが選択されたときよりも高い確率で、桜パターンが当選するようになっているため、遊技者の参加意欲を向上させることができる。なお、ここでは砲撃予告がステップS1〜S3のいずれまで発展するかステップ数抽選と、桜パターンまたは旧式パターンのいずれを選択するかの戦闘機種別抽選とを同時に行うようになっているが、これらステップ数抽選と戦闘機種別抽選とをそれぞれ別々の抽選により選択するようにしてもよい。この場合、大当りの抽選結果に基づいてステップ数を決定した後、更に大当りの抽選結果及び操作レバー600の検出結果に基づいて戦闘機種別を決定すればよい。
これら各種の大当り予告演出が実施された後に、リーチ状態が発生してリーチ演出が実施される場合がある。ここで、本実施の形態におけるリーチ演出の1例について、図23に基づいて以下に説明する。図23に示すリーチ演出では、前述した大当り予告演出が、敵機を撃墜等するものであるのに対し、これら敵機の迎撃に成功して、敵地の領空内に進入したことにより、所定回数の対空砲火を避けて飛行し、撃墜されなければ大当りが確定し(図23(f)、撃墜された場合には(図23(e))ハズレとなる演出が実施される。
なお、本実施の形態におけるリーチ演出では、表示される自身の飛行機の種別として、単発のプロペラ戦闘機と、双発のプロペラ戦闘機と、ジェット戦闘機とが表示されるようになっており、最終的に大当りとなる場合には、ジェット戦闘機>双発のプロペラ戦闘機>単発のプロペラ戦闘機の割合にて飛行機の種別が決定されるとともに、最終的にハズレとなる場合には、逆に、ジェット戦闘機<双発のプロペラ戦闘機<単発のプロペラ戦闘機の割合にて飛行機の種別が決定されることで、単発のプロペラ戦闘機よりも双発のプロペラ戦闘機が表示される場合の方が大当りとなる確率が高く、更に、双発のプロペラ戦闘機よりもジェット戦闘機が表示される方が大当りとなる確率が高く設定されている。なお、図23においては、飛行機の種別としてジェット戦闘機が決定されている場合が例示されている。
リーチ演出の開始時においては、決定された種別の飛行機が、画面中央に、画像の視点を飛行機が通過して前方に進行することで、飛行機の種別が徐々に明らかになる画像が表示される。そして、飛行機の後方からの視点による飛行機の全体像が画面の中央に表示された段階において、「敵領空内に進入、操縦により対空砲火を回避せよ!」のメッセージの表示ともに、操作レバー600の操作が有効とされる。この表示に応じて遊技者は、操作レバー600を操作して対空砲火を最大5回、回避する操作を行う。
具体的には、対空砲火の音像の定位位置が、右下方となる場合には画面の右下方位置で爆発し、左下方となる場合には画面の左下方位置で爆発し、右上方となる場合には画面の右上方位置で爆発し、左上方となる場合には画面の左上方位置で爆発するようになっており、これら対空砲火の音像の定位位置から対空砲火が爆発する位置を感じ取り、爆発する位置を避けた位置に、操作レバー600を操作して飛行機を移動させて爆撃を回避する。つまり、図23(a)に示すように、対空砲火の音像の定位位置が右下方側や左下方側である場合には、飛行機を上方の例えば右側に操作レバー600を操作して移動させればよく、このように、飛行機を移動させた場合には、該飛行機の移動に伴って、飛行機の音(ジェット音またはプロペラ音)の音像の定位位置も右側上方位置へと移動する。
また、図23(b)に示すように、対空砲火の音像の定位位置が左上方側や右上方側である場合には、飛行機を下方側の例えば右側に操作レバー600を操作して移動させればよく、このように、飛行機を移動させた場合には、該飛行機の移動に伴って、飛行機の音(ジェット音またはプロペラ音)の音像の定位位置も右側下方位置へと移動する。
また、図23(c)に示すように、対空砲火の音像の定位位置が右下方側や左下方側である場合には、飛行機を上方側の例えば左側に操作レバー600を操作して移動させればよく、このように、飛行機を移動させた場合には、該飛行機の移動に伴って、飛行機の音(ジェット音またはプロペラ音)の音像の定位位置も左側上方位置へと移動する。
また、図23(d)に示すように、対空砲火の音像の定位位置が右上方側や左上方側である場合には、飛行機を下方側の例えば左側に操作レバー600を操作して移動させればよく、このように、飛行機を移動させた場合には、該飛行機の移動に伴って、飛行機の音(ジェット音またはプロペラ音)の音像の定位位置も左側下方位置へと移動する。なお、これら砲撃の回数は、最大5回とされており、5回に到達することなく撃墜される場合があり、大当りとなる場合には多くの回数が決定されるように設定されており、これら回数が多くなるに従って、大当りとなる確率が向上するので、遊技者は、回数が進むにつれて、大当りとなるのではないかとの期待感を持つようになるので、興趣が向上する。
次に、図9〜図11に基づいて、本実施の形態のパチンコ遊技機1において遊技者が音量及び輝度を変更する処理について説明する。
遊技者は、スピーカ27L、27R、27a、27bから出力される音量を変更したい場合、遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1を操作する。また、遊技者は、装飾LED25a、ステージLED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、賞球LED51等の各LEDが発する光の輝度を変更したい場合、遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2を操作する。
演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1が操作されたか否かを判定する(ステップSh1)。遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1の操作に応じた信号は、演出制御用マイクロコンピュータ81に入力される。このため、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技者による遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1の操作があったことを検知することができる。
遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1が操作された場合(ステップSh1:YES)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出制御基板80に実装されたフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、バックップ電源によりバックアップされるRAM85内のバックアップ記憶領域に格納されている、上限の音量及び遊技者による音量及び輝度の調整の可否についての設定データに基づいて、ユーザー設定がオンであるか否か、具体的には、作業者音量・輝度設定部83において、遊技者による音量変更が許可されているか否かを判定する(ステップSh2)。
ユーザ設定がオンでない場合(ステップSh2:NO)、一連の動作が終了する。この場合には、演出制御用マイクロコンピュータ81は、設定データが示す上限の音量でスピーカ27L、27R、27a、27bから出力させる制御を行う。一方、ユーザ設定がオンである場合(ステップSh2:YES)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、飾り図柄プロセスフラグの値が“0”であるか、つまり、変動表示装置9において可変表示や大当り等の演出表示等が実施されていない状態であるか否かを判定する(ステップSh3)。
飾り図柄プロセスフラグの値が“0”でない場合(ステップSh3:NO)、一連の動作が終了する。一方、飾り図柄プロセスフラグの値が“0”である場合(ステップSh3:YES)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、主基板31から受信した始動入賞記憶指定コマンドから特定される保留記憶数が存在するか否かを判定する(ステップSh4)。
保留記憶数が存在する場合(ステップSh4:YES)、一連の動作が終了する。一方、保留記憶数が存在しない場合(ステップSh4:NO)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、主基板31から受信した未解析のコマンドデータが、受信コマンドバッファに存在するか否かを判定する(ステップSh5)。
受信コマンドバッファに未解析のコマンドデータが存在する場合(ステップSh5:YES)、一連の動作が終了する。一方、未解析のコマンドデータが存在しない場合(ステップSh5:NO)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、図11(a)に示すような音量設定画面を変動表示装置9に表示する制御を行う(ステップSh6)。図11(a)に示す音量設定画面には、設定データに応じた上限音量を示す上限音量表示9−1と、遊技者による操作レバー600の操作に応じて直線上を移動し、遊技者による設定音量を示す設定音量表示9−2とが含まれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ81は、座標特定用DSP266に対してレバー操作許諾指示を出力し、該座標特定用DSP266から、操作レバー600の操作による座標データの出力を開始させ、操作レバー600の操作を有効とする(ステップSh8)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ81は、レバー操作があったか(X座標の変更があったか)否かを判定する(ステップSh8)。レバー操作があった場合(ステップSh8:YES)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、レバー操作によって遊技者が設定した音量が設定データによって示される上限音量以下であるか否かを判定する(ステップSh9)。
遊技者が設定した音量が設定データによって示される上限音量を超える場合(ステップSh9:NO)、レバー操作があったか否かの判定(ステップSh8)以降の動作が繰り返される。一方、遊技者が設定した音量が設定データによって示される上限音量以下である場合(ステップSh9:YES)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、操作方向(音量大方向または音量小方向)に所定レベルだけ設定音量表示9−2を移動させる表示制御を行う(ステップSh10)。更に、演出制御用マイクロコンピュータ81は、移動後の音量による音をスピーカ27L、27R、27a、27bから出力させる制御を行う(ステップSh11)。但し、情報出力回路53からの第1入賞数異常信号、第2入賞数異常信号、第1ベース異常信号、第2ベース異常信号、及び、始動口入賞異常信号が入力され、演出制御用マイクロコンピュータ81は、これらの異常信号に対応する警報音を出力させる場合には、設定データの上限音量及び遊技者により設定された音量にかかわらず、スピーカ27L、27R、27a、27bから最大音量の警報音を出力させる制御を行う。その後、レバー操作があったか否かの判定(ステップSh8)以降の動作が繰り返される。
一方、レバー操作がない場合(ステップSh8:NO)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、設定終了条件が成立したか否かを判定する(ステップSh12)。なお、設定終了条件としては、音量設定画面の表示中における遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1が操作された場合、ステップSh3〜Sh5の条件、具体的には、飾り図柄プロセスフラグの値が“0”でなくなった場合、保留記憶数が0でなくなった場合、未解析のコマンドデータが存在する状態となった場合に、設定終了条件が成立したものと判断される。但し、飾り図柄プロセスフラグの値が“0”でなくなった場合、保留記憶数が0でなくなった場合も、これらの発生前において未解析のコマンドデータが存在する状態となるので、例えば、遊技者が、音量変更の実施中に遊技を実施することにより、未解析のコマンドデータが存在する状態となったときには、これら音量変更処理が終了することになるが、これら変更した音量は、更新記憶されるので、音量を更に変更したい場合には、遊技を中断して、再度、音量変更ボタンスイッチ61−1を操作すればよい。つまり、遊技者は、音量変更の操作を終えた段階で遊技を開始することで、遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1を操作することなく、これら操作により選択された音量が更新記憶されるようになるので、音量の変更後において迅速に遊技を開始できる。
設定終了条件が成立していない場合(ステップSh12:NO)、レバー操作があったか否かの判定(ステップSh8)以降の動作が繰り返される。一方、設定終了条件が成立した場合(ステップSh12:YES)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、音量設定画面の表示を終了する制御を行うとともに、RAM85の所定領域等に格納されているスピーカ音量のデータを更新(格納)する(ステップSh13)。更に、演出制御用マイクロコンピュータ81は、座標特定用DSP266に対してレバー操作無効指示を出力し、座標データの出力を終了させることにより、操作レバー600の操作を無効にする(ステップSh14)。その後、一連の動作が終了する。
また、遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1が操作されていない場合(ステップSh1:NO)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2が操作されたか否かを判定する(ステップSh21)。遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2の操作に応じた信号は、演出制御用マイクロコンピュータ81に入力される。このため、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技者による遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2の操作があったことを検知することができる。
遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2が操作された場合(ステップSh21:YES)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出制御基板80に実装されたフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、バックップ電源によりバックアップされるRAM85内のバックアップ記憶領域に格納されている、上限の音量及び遊技者による音量及び輝度の調整の可否についての設定データに基づいて、ユーザー設定がオンであるか否か、具体的には、作業者音量・輝度設定部83において、遊技者による音量変更が許可されているか否かを判定する(ステップSh22)。
ユーザ設定がオンでない場合(ステップSh22:NO)、一連の動作が終了する。一方、ユーザ設定がオンである場合(ステップSh22:YES)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、飾り図柄プロセスフラグの値が“0”であるか、つまり、変動表示装置9において可変表示や大当り等の演出表示等が実施されていない状態であるか否かを判定する(ステップSh23)。
飾り図柄プロセスフラグの値が“0”でない場合(ステップSh23:NO)、一連の動作が終了する。一方、飾り図柄プロセスフラグの値が“0”である場合(ステップSh23:YES)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、主基板31から受信した始動入賞記憶指定コマンドから特定される保留記憶数が存在するか否かを判定する(ステップSh24)。
保留記憶数が存在する場合(ステップSh24:YES)、一連の動作が終了する。一方、保留記憶数が存在しない場合(ステップSh24:NO)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、主基板31から受信した未解析のコマンドデータが、受信コマンドバッファに存在するか否かを判定する(ステップSh25)。
受信コマンドバッファに未解析のコマンドデータが存在する場合(ステップSh25:YES)、一連の動作が終了する。一方、未解析のコマンドデータが存在しない場合(ステップSh25:NO)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、図11(b)に示すような輝度設定画面を変動表示装置9に表示する制御を行う(ステップSh26)。図11(b)に示す輝度設定画面には、遊技者による操作レバー600の操作に応じて直線上を移動し、遊技者による設定輝度を示す設定輝度表示9−3が含まれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ81は、座標特定用DSP266に対してレバー操作許諾指示を出力し、該座標特定用DSP266から、操作レバー600の操作による座標データの出力を開始させ、操作レバー600の操作を有効とする(ステップSh28)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ81は、レバー操作があったか(X座標の変更があったか)否かを判定する(ステップSh27)。レバー操作があった場合(ステップSh28:YES)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、操作方向(輝度大方向または輝度小方向)に所定レベルだけ設定輝度表示9−3を移動させる表示制御を行う(ステップSh29)。更に、演出制御用マイクロコンピュータ81は、移動後の輝度による光を装飾LED25a、ステージLED25b、回転体用LED535’、左枠LED28b、右枠LED28c、賞球LED51等の各LEDから発する制御を行う(ステップSh30)。その後、レバー操作があったか否かの判定(ステップSh28)以降の動作が繰り返される。
一方、レバー操作がない場合(ステップSh28:NO)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、設定終了条件が成立したか否かを判定する(ステップSh31)。設定終了条件としては、輝度設定画面の表示中における遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2が操作された場合、ステップSh23〜Sh25の条件、具体的には、飾り図柄プロセスフラグの値が“0”でなくなった場合、保留記憶数が0でなくなった場合、未解析のコマンドデータが存在する状態となった場合に、設定終了条件が成立したものと判断される。但し、飾り図柄プロセスフラグの値が“0”でなくなった場合、保留記憶数が0でなくなった場合も、これらの発生前において未解析のコマンドデータが存在する状態となるので、例えば、遊技者が、輝度変更の実施中に遊技を実施することにより、未解析のコマンドデータが存在する状態となったときには、これら輝度変更処理が終了することになるが、これら変更した輝度は、更新記憶されるので、輝度を更に変更したい場合には、遊技を中断して、再度、輝度変更ボタンスイッチ61−2を操作すればよい。つまり、遊技者は、輝度変更の操作を終えた段階で遊技を開始することで、遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2を操作することなく、これら操作により選択された輝度が更新記憶されるようになるので、輝度の変更後において迅速に遊技を開始できる。
設定終了条件が成立していない場合(ステップSh31:NO)、レバー操作があったか否かの判定(ステップSh28)以降の動作が繰り返される。一方、設定終了条件が成立した場合(ステップSh31:YES)、演出制御用マイクロコンピュータ81は、輝度設定画面の表示を終了する制御を行うとともに、RAM85の所定領域等に格納されている輝度のデータを更新(格納)する(ステップSh32)。更に、演出制御用マイクロコンピュータ81は、座標特定用DSP266に対してレバー操作無効指示を出力し、座標データの出力を終了させることにより、操作レバー600の操作を無効にする(ステップSh33)。その後、一連の動作が終了する。
このように、本実施の形態では、遊技場の作業者は、作業者音量・輝度設定部83を操作することで、上限の音量及び遊技者による音量及び輝度の調整の可否を設定することができ、一方、遊技者による音量及び輝度の調整が可能な場合には、遊技者は、遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1、遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2及び操作レバー600を操作することで、上限の音量の範囲内で各スピーカの音量を設定することができ、更には、各LEDの輝度を設定することができる。すなわち、遊技者も音量や輝度を調整することができるため、遊技者の嗜好を反映させることができる。また、作業者により設定された音量を上限として、遊技者は音量を設定することができるため、作業者の想定を超えた音量が遊技者によって設定されてしまうことが防止される。
また、本実施の形態では、作業者が作業者音量・輝度設定部83を操作することで設定された上限の音量及び遊技者による音量及び輝度の調整の可否を示す設定データは、パチンコ遊技機1の電源断が発生しても消去されずに保持される一方、遊技者が遊技者音量変更ボタンスイッチ61−1、遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2及び操作レバー600を操作することで設定されたスピーカ音量及びLEDの輝度のデータは、電源断が発生した場合には消去(初期化)される。このため、作業者は、パチンコ遊技機1の電源投入の都度、設定するという繁雑な作業が不要である一方、遊技者によって設定された音量や輝度は電源断が発生すると初期化されるため、電源投入後に電源断の前の遊技者によって設定された音量や輝度での演出効果が実行されてしまい、電源投入後の遊技者が違和感を抱くことが防止される。
また、本実施の形態では、作業者が作業者音量・輝度設定部83を操作することで遊技者による音量及び輝度の調整の可否を設定できるため、作業者による音量及び輝度の設定が優先され、パチンコ遊技機1を設置する店舗等毎に固定の設定が可能となる。
また、本実施の形態では、警報音の出力時には、その警報音の音量は、作業者及び遊技者の設定対象外となり、固定されるため、パチンコ遊技機1の異常を確実に通報することが可能となる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更及び応用が可能である。
上記実施の形態では、音量の上限は、段階的に可変とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの設定を無段階にて設定するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、LEDの輝度については、作業者は上限を設定せず、遊技者は最大輝度以下で自由に設定可能であった。しかしながら、音量と同様、LEDの輝度についても、作業者が作業者音量・輝度設定部83を操作することで輝度の上限を設定し、遊技者は、遊技者輝度変更ボタンスイッチ61−2及び操作レバー600を操作することで、上限の輝度の範囲内で各スピーカの音量を設定することができるようにしてもよい。
また、スピーカの音量やLEDの輝度の変更に限定されず、例えば、変動表示装置9のバックライトの輝度変更、可動演出装置の実行頻度の変更、送風ファンの送風量の変更等も可能としてもよい。
上記実施の形態では、演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ81が、各種演出動作の制御内容を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、各種演出動作の制御内容を分担して決定するようにしてもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。